説明

生物試料凍結保存システム及び生物試料凍結保存方法

【課題】生物試料を凍結保存する際に、生物試料を内包する各容器に冷却温度に関する情報を蓄積可能なシステムを提供する。
【解決手段】凍結保存システム10は、生物試料17を内包可能な凍結バッグ11と、凍結バッグ11設けられたICタグ12と、凍結バッグ11を冷却するフリーザ13と、フリーザ13の庫内18における温度を測定して、測定された温度を示す温度情報を生成する温度測定装置14と、温度測定装置14により生成された温度情報を取得して、ICタグ12に書き込むリーダライタ15と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物試料を凍結保存するシステム又は方法に関し、特に生物試料を内包する容器に設けられた記憶手段に、冷却温度に関する情報を蓄積可能なシステム又は方法に関する。
【背景技術】
【0002】
幹細胞や生殖細胞などの生物試料は、−120℃以下の極低温に凍結されて保存される。このような凍結保存において、極低温に適した冷凍容器が知られている(特許文献1)。生物試料は、このような冷凍容器に内包されて、ディープフリーザなどの冷却装置に投入されて凍結される。
【0003】
前述された生物試料は、凍結保存の条件によって、解凍後の品質が変化することが知られている。したがって、冷凍容器に内包された生物試料が、どのような温度条件で凍結されたかが確認できることが望ましい。凍結時の温度条件が設定可能であり、かつチャンバー内の温度を記録できる装置として、プログラムフリーザが知られている(特許文献2)。
【0004】
また、血液などを保存する容器に、ラジオICメモリーやフラッシュメモリー、RFIDタグと称される記憶素子が設けられたものが提案されている(特許文献3,4)。
【0005】
【特許文献1】特許第2876588号公報
【特許文献2】特開平1−163571号公報
【特許文献3】特開2007−267869号公報
【特許文献4】特開2008−55181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述されたプログラムフリーザは、一般に高価であり、いかなる施設にも導入されているものではない。したがって、一般的なディープフリーザを既に導入している施設が、更にプログラムフリーザを導入するには経済的負担が大きいという問題がある。また、液体窒素や液体ヘリウムなどを冷媒として生物試料が冷却される場合には対応できないという問題もある。
【0007】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生物試料を凍結保存する際に、生物試料を内包する各容器に冷却温度に関する情報を蓄積可能なシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明は、生物試料を凍結保存するシステムであって、生物試料を内包可能な容器と、上記容器に設けられて、無線通信により電子情報を読み書き可能な記憶手段と、上記容器を冷却する冷却装置と、上記冷却装置内における温度を測定して、測定された温度を示す温度情報を生成する温度測定手段と、上記温度測定手段により生成された温度情報を取得して、上記記憶手段に書き込む無線通信手段と、を具備する。
【0009】
容器は、例えば凍結保存に適した樹脂製のバッグなどが挙げれるれが、生物試料を内包可能であって凍結保存される温度に耐性があるものであれば、容器の形状や素材は特に限定されない。容器に保存される生物試料としては、造血細胞や骨髄細胞、間葉系細胞などの幹細胞、精子や卵子、胚などの生殖細胞、インターフェロンや抗体医薬品などの生物試料を用いた医薬品などが挙げられる。これらの生物試料は、凍結保存をする際の単位時間あたりの温度変化によって、解凍後における生体活性などの品質が変化する。
【0010】
前述された容器には記憶手段が設けられている。この記憶手段は、凍結保存される温度環境において、無線通信によって電子データを書き込み及び読み出しできるものであり、例えばICタグが挙げられる。容器にICタグなどを付する手段は特に限定されないが、凍結保存される温度において容易に剥離されない手段が選択される。
【0011】
生物試料が注入された容器は、冷却装置に投入されて凍結に適した温度まで冷却される。この冷却温度は、生物試料によって異なるが、例えば、−120℃以下の極低温で凍結保存する前に、−80℃で緩速凍結を行う場合には、冷却装置の設定温度が二段階に変更される。また、冷却装置は、フリーザと液体窒素を利用した装置などの複数種類が併用されてもよい。
【0012】
冷却装置には、庫内の温度を測定する温度センサが設けられている。この温度センサとしては、熱電対や測温抵抗体などの公知のセンサが用いられる。記録計などによって、温度センサによって取得された温度を示す温度情報が電子信号として生成されて、メモリなどに格納される。温度測定手段は、主として、このような温度センサ及び記録計などから構成される。なお、記録計などは必ずしも冷却装置内に設けられていなくてもよい。
【0013】
温度測定手段は、無線通信手段と電気的に接続されており、無線通信手段は、温度測定手段のメモリなどに格納された温度情報を取得して、冷却装置内の容器に付された記憶手段に書き込む。これにより、冷却装置内の容器に温度情報が蓄積される。
【0014】
(2) 上記無線通信手段は、所定の時間間隔毎に上記温度情報を取得して、上記記憶手段に書き込むものであってもよい。
【0015】
これにより、冷却装置内の容器に対する単位時間あたりの温度変化が、温度情報として容器に蓄積される。
【0016】
(3) 上記記憶手段に記憶されている温度情報を読み取って表示する読取表示手段を更に備えるものであってもよい。
【0017】
これにより、冷却装置内から取り出す容器の冷却温度が適正であったか否かを容易に知ることができる。
【0018】
(4) 上記読取表示手段は、上記記憶手段から読み取った温度情報と理想冷却温度との比較に基づいて、上記容器に内包される生物試料の優劣を判定して表示するものであってもよい。
【0019】
理想冷却温度は、生物試料の種類に応じて予め定められて、読取表示手段などが有する記憶媒体に格納されている。読取表示手段は、記録手段から読み取った温度情報と理想冷却温度とを適当な数学処理を用いて比較し、その適合度合いが数値化される。この数値が所定の管理基準内にあれば、良好な生物試料であると判定され、所定の管理基準を外れていれば不良な生物試料であると判定され、その判定結果が表示される。これにより、冷却装置内から取り出す容器に注入されている生物試料の品質管理が容易に行われる。
【0020】
(5) 上記容器として、凍結保存用バッグが挙げられる。
【0021】
(6) 本発明に係る生物試料凍結保存方法は、無線通信により電子情報を読み書き可能な記憶手段が設けられた容器に、生物試料を注入する第1ステップと、生物試料が注入された上記容器を冷却装置内で冷却し、かつ、所定の時間間隔毎に、当該冷却装置内において測定された温度を示す温度情報を当該容器の記憶手段に書き込む第2ステップと、上記記憶手段に記憶されている温度情報を読み取って、当該容器内で冷却された生物試料の良否を判定する第3ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、生物試料が内包される容器に設けられた記憶手段に、凍結保存時の温度情報が蓄積されるので、各容器の記憶手段に蓄積された温度情報を読み取ることによって、品質のよい生物試料が内包される容器を容易に選択することができる。
【0023】
また、本発明によれば、容器と一体の記憶手段に温度情報が蓄積されるので、温度情報と容器との取り違えが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてよいことは言うまでもない。
【0025】
[図面の説明]
図1は、本発明の実施形態に係る凍結保存システム10の構成を示すブロック図である。図2は、凍結保存システム10を用いた生物試料凍結保存方法を示すフローチャートである。
【0026】
[凍結保存システム10]
図1に示されるように、本実施形態に係る凍結保存システム10は、主として、生物試料17を封入可能でありICタグ12が付された凍結バッグ11と、フリーザ13と、フリーザ13の庫内18の温度を測定する温度測定装置14と、ICタグ12と無線通信するリーダライタ15と、リーダライタ15を介してICタグ12の情報を表示するディスプレイ16と、から構成されている。この凍結保存システム10は、幹細胞や生殖細胞、生物試料を含む医薬品などの生物試料を凍結保存するに適したものである。
【0027】
[凍結バッグ11及びICタグ12]
凍結バッグ11は、−120℃以下の極低温に耐性のある樹脂製のバッグであり、その内部空間に細胞懸濁液などの液体を内包可能である。図1に示されるように、生物試料17は、液体として凍結バッグ11に封入されている。同図には詳細に現れていないが、凍結バッグ11には、生物試料17を注入するためのポートや解凍後に生物試料を流出させるためのポートが設けられている。
【0028】
ICタグ12は、凍結バッグ11の外側に設けられている。凍結バッグ11とICタグ12との接合手段は特に限定されないが、凍結バッグ11の機能を害することなく、かつICタグ12が通信可能なように、例えば、凍結バッグ11の外側に樹脂製のポケットを設けて、そのポケットの中にICタグ12が装入されている。ICタグ12は、−120℃以下の極低温の環境において無線通信によってデータの書き込み及び読み出しが可能なものが用いられる。前述された凍結バッグ11が、本発明における容器に相当し、ICタグ12が本発明における記憶手段に相当する。
【0029】
[フリーザ13及び温度測定装置14]
フリーザ13は、−120以下の極低温まで冷却することが可能なものである。フリーザ13は、凍結バッグ11が収容可能な庫内18を有する。各図においては、フリーザ13の庫内18に1個の凍結バッグ11のみが示されているが、庫内18は、複数個の凍結バッグ11を収容可能な容積を有する。このフリーザ13が、本発明における冷却装置に相当する。
【0030】
温度測定装置14は、主として、温度センサ21、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ23を有する。温度センサ21は、フリーザ13の庫内18に配設されており、庫内18の温度に応じて所定の電気信号を出力する。温度センサ21の出力を受けたCPU22は、当該出力に対応した温度情報を生成してメモリ23に書き込む。
【0031】
[リーダライタ15]
リーダライタ15は、庫内18のICタグ12に対して無線通信により電子情報を読み書きするものである。リーダライタ15とICタグ12との間の無線通信の方式は、特に限定されず、公知の方式が適宜選択されて採用される。リーダライタ15は、適当なインタフェースを介して温度測定装置14と通信可能に接続されている。リーダライタ15は、温度測定装置14のメモリ23に記憶された温度情報を取得し、無線通信によって、ICタグ12に温度情報を書き込む。また、リーダライタ15は、ICタグ12に温度情報を書き込む際に、その温度情報が示す庫内18の温度が測定された時刻を示す時間情報を、その温度情報に関連づけてICタグ12に書き込む。この時間情報は、例えば、温度測定装置14が温度情報を生成する際に、タイマーやカウンタなどの電子情報に基づいて生成されて、温度情報と関連づけられてメモリ23に記憶される。
【0032】
[ディスプレイ16]
ディスプレイ16は、リーダライタ15によってICタグ12から読み出された温度情報を表示する。また、ディスプレイ16は、その温度情報と所定の理想冷却温度とを比較して、その適合度合いを表示する。各図には詳細に示されていないが、ディスプレイ16は、CPUやROMなどから構成される演算装置を有しており、その演算装置に、生物試料の種類に対応した理想冷却温度が予め格納されている。この理想冷却温度は、例えば、時間と温度との関数として示されている。ICタグ12から読み出された温度情報及び時間情報は、時間と温度との関数として処理されて、理想冷却温度と対比され、理想温度との適合度合いが数値によってディスプレイ16に表示される。さらに、この数値と共に、予め定められた管理基準が表示され、その管理基準内に数値があるか否かが表示される。また、別の態様として、理想冷却温度を示すグラフと、ICタグ12から読み出された温度情報及び時間情報に基づくグラフとが対比可能に表示されてもよい。このディスプレイ16が、本発明における読取表示手段に相当する。
【0033】
[凍結保存システム10を用いた生物試料の凍結保存方法]
以下に、図2が参照されて、前述された凍結保存システム10を用いた生物試料の凍結保存方法が説明される。なお、本発明に係る生物試料凍結保存方法が、前述された凍結保存システム10を用いた方法に限定されないことは言うまでもない。
【0034】
この凍結保存方法は、主として、以下の3つのステップを有する。
(1)凍結バッグ11に、所望の生物試料を注入する第1ステップ。
(2)生物試料17が注入された凍結バッグ11をフリーザ13の庫内18で冷却し、所定の時間間隔毎に、庫内18において温度センサ21により測定された温度を示す温度情報を、庫内18の凍結バッグ11に付されたICタグ12に書き込む第2ステップ。
(3)ICタグ12に記憶されている温度情報を読み取って、凍結バッグ11内で冷却された生物試料17の良否を判定する第3ステップ。
【0035】
第1ステップにおいては、凍結バッグ11に所望の生物試料17を注入する(S1)。生物試料17は、前述された種類の生物試料のいずれかを目的に応じて選択する。例えば、幹細胞であれば、培養液中に幹細胞が浮遊した細胞懸濁液を、凍結バッグ11内に注入する。このとき、適当なリーダライタを用いて、凍結バッグ11に付されたICタグ12に生物試料17の種類を示す生物試料情報を書き込ませる。複数個の凍結バッグ11に区分けして生物試料17を保存するのであれば、残りの生物試料17に対して同様の作業を行う(S2(N))。残りの生物試料17が無くなれば(S2(Y))、生物試料17が注入された凍結バッグ11をフリーザ13の庫内18に投入する(S3)。フリーザ13の庫内18は、−80℃や−120℃などの所望の温度に設定しておく。
【0036】
第2ステップにおいては、凍結バッグ11をフリーザ13の庫内18で放置して冷却する。この冷却によって、凍結バッグ11内の生物試料17が凍結される。凍結バッグ11を庫内18で放置している間において、温度測定装置14及びリーダライタ15を動作させる(S4)。温度測定装置14は、前述されたようにして、所定の時間間隔毎に、庫内18において温度センサ21により測定された温度を示す温度情報を生成し、その温度情報を時間情報に関連づけてメモリ23に書き込む。リーダライタ15は、所定のタイミングで温度測定装置14のメモリ23に格納された温度情報及び時間情報を取得して、その温度情報及び時間情報を、凍結バッグ11に付されたICタグ12に書き込む。なお、温度測定装置14が庫内18の温度を測定するタイミングと、リーダライタ15がメモリ23に格納された温度情報を取得するタイミングとは、同時あってもなくてもよい。
【0037】
フリーザ13の庫内18に凍結バッグ11が放置されることによって、庫内18で凍結バッグ11が冷却されて、凍結バッグ11内の生物試料17が凍結される。凍結後の凍結バッグ11は、そのままフリーザ13の庫内18に保存されても、別のフリーザなどに移管されて凍結保存されてもよい。
【0038】
生物試料17を用いるタイミングで、凍結保存されていた凍結バッグ11が取り出される(S5)。フリーザ13などから任意に選択して凍結バッグ11を取り出し、リーダライタ15に、その凍結バッグ11に付されているICタグ12の電子情報を読み取らせる(S6)。リーダライタ15が読み取った電子情報は、ディスプレイ16に表示される。
【0039】
詳細には、前述されたように、ICタグ12には、生物試料情報、凍結時の温度情報及び時間情報が格納されている。勿論、これら以外の電子情報がICタグ12に格納されている場合には、それら電子情報が読み出されて、ディスプレイ16に表示されてもよい。ディスプレイ16には、生物試料17の種類が文字表示されると共に、温度情報及び時間情報に基づいて、横軸を時間、縦軸を温度としたグラフが表示される。これらの表示によって、選択した凍結バッグ11に封入されている生物試料17の種類が容易に判定でき、また、その生物試料17が凍結される際の冷却過程を知ることができる。
【0040】
また、ディプレイ16のROMなどには、生物試料17の種類に対応した理想冷却温度が予め格納されている。ディスプレイ16のCPUは、生物試料17の種類に応じて、ROMに格納されている理想冷却温度を示す電子情報を読み出して、横軸を時間、縦軸を温度としたグラフとして表示する。これにより、前述された凍結バッグ11の冷却過程と容易に対比することができる。
【0041】
さらに、ディスプレイ16のCPMは、ROMなどに格納されている判定プログラムに基づいて、凍結バッグ11の冷却過程を示すグラフと理想冷却温度を示すグラフトを数学処理を用いて比較し、その適合度合いを数値としてディスプレイ16に表示する。また、その数値を、生物試料17の種類に対応して予め定められた管理基準と比較して、管理基準内にあれば、「良好」とディスプレイ16に表示し、管理基準を外れていれば「不良」とディスプレイ16に表示する。これにより、生物試料17毎の判定基準を熟知していない作業者も、選択した凍結バッグ11に封入されている生物試料17の優劣を容易に判定することができる。
【0042】
作業者は、前述されたディスプレイ16の表示に基づいて、選択した凍結バッグ11が適正に冷却されたものであるか否かを判断する(S7)。仮に、選択した凍結バッグ11が適正に冷却されたものでない場合(S7(N))、つまり、ディスプレイ16に「不良」と表示された場合には、フリーザ13などから別の凍結バッグ11を取り出して同様の判定作業を行う。一方、選択した凍結バッグ11が適正に冷却されたものである場合(S7(Y))、つまり。ディスプレイ16に「良好」と表示された場合には、その凍結バッグ11に封入された生物試料17を解凍する(S8)。
【0043】
[本実施形態の作用効果]
前述された実施形態によれば、生物試料17が内包される凍結バッグ11に設けられたICタグ12に、凍結保存時の温度情報が蓄積されるので、各凍結バッグ11のICタグ12に蓄積された温度情報を読み取ることによって、品質のよい生物試料17が内包される凍結バッグ11を容易に選択することができる。また、凍結バッグ11と一体のICタグ12に温度情報が蓄積されるので、温度情報と凍結バッグ11との取り違えが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る凍結保存システム10の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、凍結保存システム10を用いた生物試料凍結保存方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10・・・凍結保存システム(生物試料凍結保存システム)
11・・・凍結バッグ(容器、凍結保存用バッグ)
12・・・ICタグ(記憶手段)
13・・・フリーザ(冷却装置)
14・・・温度測定装置(温度測定手段)
15・・・リーダライタ(無線通信手段)
16・・・ディスプレイ(読取表示手段)
17・・・生物試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物試料を凍結保存するシステムであって、
生物試料を内包可能な容器と、
上記容器に設けられて、無線通信により電子情報を読み書き可能な記憶手段と、
上記容器を冷却する冷却装置と、
上記冷却装置内における温度を測定して、測定された温度を示す温度情報を生成する温度測定手段と、
上記温度測定手段により生成された温度情報を取得して、上記記憶手段に書き込む無線通信手段と、を具備する生物試料凍結保存システム。
【請求項2】
上記無線通信手段は、所定の時間間隔毎に上記温度情報を取得して、上記記憶手段に書き込むものである請求項1に記載の生物試料凍結保存システム。
【請求項3】
上記記憶手段に記憶されている温度情報を読み取って表示する読取表示手段を更に備える請求項1又は2に記載の生物試料凍結保存システム。
【請求項4】
上記読取表示手段は、上記記憶手段から読み取った温度情報と理想冷却温度との比較に基づいて、上記容器に内包される生物試料の優劣を判定して表示するものである請求項1から3のいずれかに記載の生物試料凍結保存システム。
【請求項5】
上記容器が、凍結保存用バッグである請求項1から4のいずれかに記載の生物試料保存システム。
【請求項6】
無線通信により電子情報を読み書き可能な記憶手段が設けられた容器に、生物試料を注入する第1ステップと、
生物試料が注入された上記容器を冷却装置内で冷却し、かつ、所定の時間間隔毎に、当該冷却装置内において測定された温度を示す温度情報を当該容器の記憶手段に書き込む第2ステップと、
上記記憶手段に記憶されている温度情報を読み取って、当該容器内で冷却された生物試料の良否を判定する第3ステップと、を含む生物試料凍結保存方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−150219(P2010−150219A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332816(P2008−332816)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】