生産ラインシステムおよび生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法
【課題】 従来の生産ラインシステムでは、被加工品を搭載するキャリアやトレイを各工程における処理内容に応じて替えるように構成していたので、工程の数に応じてキャリアやトレイの種類が増大することとなるので、生産ラインシステムが大型化し、システムを構築するための費用も増大していた。
【解決手段】 半導体装置1に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、半導体装置1を搭載し、搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレット2と、パレット2に搭載された半導体装置1を搬送する搬送ライン16と、搬送ライン16の途中部に設けられ、半導体装置1に対する生産加工処理を行う複数の工程A・Dと、搬送ライン16の各工程A・D間に配置され、パレット2の連結または分離を行うパレット連結・分離部B・Dとを備え、パレット連結・分離部Bでは、次工程における半導体装置1の生産加工処理内容に応じて、パレット2の連結数が設定される。
【解決手段】 半導体装置1に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、半導体装置1を搭載し、搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレット2と、パレット2に搭載された半導体装置1を搬送する搬送ライン16と、搬送ライン16の途中部に設けられ、半導体装置1に対する生産加工処理を行う複数の工程A・Dと、搬送ライン16の各工程A・D間に配置され、パレット2の連結または分離を行うパレット連結・分離部B・Dとを備え、パレット連結・分離部Bでは、次工程における半導体装置1の生産加工処理内容に応じて、パレット2の連結数が設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置等の被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムおよび生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置等の被加工品を生産する場合、生産ラインシステムが備える搬送装置により被加工品を搬送しつつ、該生産システムが備える複数の工程にて該被加工品に対する生産加工処理が行われる。
例えば、回路基板に半導体素子を実装して半導体装置を生産する生産ラインシステムの場合、回路基板に半導体素子等をマウントするマウント工程と、マウントした半導体素子を回路基板に対してはんだ付けするリフロー工程とを備えている。
前記生産ラインシステムにおけるマウント工程では、回路基板はマウンタ装置専用に用いられるマウンタキャリアに搭載された状態で搬送されている。
【0003】
このマウント工程では、回路基板へはんだペーストを印刷(またははんだペレットを載置)する工程や、回路基板へ半導体素子等をマウントする工程等の、比較的処理時間が短い工程を順次経ていく等の理由のため、一つのマウンタキャリアに対して一枚の回路基板を搭載して、効率的な生産加工処理を行うようにしている。
また、前記リフロー工程では、半導体装置の昇温工程や、はんだ付け工程や、冷却工程等、比較的処理時間が長い工程を経ていく等の理由により、複数の半導体装置に対して同時に各工程の処理を行わせて処理効率を向上するべく、リフロー工程専用に用いられる搬送トレイに複数の半導体装置を搭載した状態で、該半導体装置をリフロー工程内に搬送している。
そして、リフロー工程にて搬送トレイへ搭載する半導体装置の数は、マウント工程とリフロー工程とで単位時間あたりの半導体装置の生産加工処理数が合致するように設定されており、生産ラインシステムにおける生産加工処理を、各工程設備の巨大化を抑えつつ効率良く行うようにしている。
【0004】
前述のように、マウント工程では半導体装置をマウンタキャリアに搭載した状態で搬送し、リフロー工程では半導体装置を搬送トレイに搭載した状態で搬送するために、生産ラインシステムにおいては、半導体装置をマウント工程からリフロー工程へ搬送する際に、マウンタキャリアに搭載された半導体装置を搬送トレイに載せ替えながら搬送するようにしている。
例えば、半導体装置のマウンタキャリアから搬送トレイへの載せ替えは、図16に示すように行われている。つまり、マウント工程から搬送されてきた半導体装置101はマウンタキャリア102に搭載されており、マウント工程とリフロー工程との間を搬送装置にて搬送される間に半導体装置101がマウントキャリア102から取り外される。次に、マウントキャリア102から取り外された半導体装置101は搬送トレイ103に搭載されて、リフロー工程へ搬送されている。
【0005】
また、生産ラインにて生産加工処理を効率良く行ったり、設備の大型化を抑えたりするための方法として、特許文献1に示すように、半導体装置の組立工程において、複数の組立部品を同一のパレットに搭載した状態で搬送する技術や、特許文献2に示すような被加工品を搭載するパレットを互いに連結した状態で搬送する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平1−152636号公報
【特許文献2】特開平11−28628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のマウント工程およびリフロー工程のように、生産ラインシステムが備える複数の工程間で被加工物の加工処理時間が異なる等、被加工品の生産加工処理内容が異なる場合には、被加工品を搭載するキャリアやトレイを工程毎に替えて、一つのキャリアやトレイに搭載する被加工品の数を工程毎に調節することで、各工程間のラインタクトを合わせる等、効率的な生産加工処理を行うことが可能となる。
しかし、被加工品を搭載するための搬送用具であるキャリアやトレイを各工程における処理内容に応じて替えるように構成すると、生産ラインシステムが備える工程の数に応じてキャリアやトレイの種類が増大することとなる。
また、各工程で被加工品を搭載するキャリアやトレイが異なるので、それぞれの工程での処理が終了した被加工品のキャリアやトレイは、その工程の出口部分から入口部分へ返却する必要があるため、各工程にキャリアやトレイを返却するための設備が必要となる。
このように、キャリアやトレイの種類が増大したり、キャリアやトレイの返却設備が必要となったりするため、生産ラインシステムが結果的に大型化し、システムを構築するための費用も増大することとなる。
【0007】
また、前述の特許文献1に記載された技術は、同一工程内における処理効率を向上することはできるが、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間での処理効率を向上することはできない。
また、特許文献2に記載された技術は、被加工品を搭載するパレットを互いに連結することで、パレットの搬送装置の駆動設備を工程内の一部に設けるだけで済むように構成したものであり、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間での処理効率を向上するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する生産ラインシステムおよび生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載のごとく、被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の工程と、前記搬送ラインのある工程間に配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部とを備え、前記パレット連結・分離部では、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じて、前記パレットの連結数が設定可能である。
これにより、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
この場合、被加工品は同じパレットに搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【0009】
また、請求項2記載のごとく、前記パレット連結・分離部の下流側に位置する工程は複数の区画に分割され、該工程における前記搬送ラインは、各区画にそれぞれ配置された搬送装置にて構成され、該各搬送装置は、被加工品の搬送方向へ所定の隙間を空けて配置され、前記単体のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間より小さく、前記パレット連結・分離部にて連結された複数のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間の2倍以上である。
これにより、隙間を有した搬送装置間を、パレットを落下させることなく搬送することが可能となる。
【0010】
また、請求項3記載のごとく、前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成されており、搬送方向上流側に位置するパレットの前記前係合部と、搬送方向下流部に位置するパレットの前記後係合部とを係合させることで、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流部のパレットとが連結され、前記前係合部と後係合部との係合部には、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流側のパレットとの間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合状態を保持する力が生じる。
これにより、搬送装置間の隙間の大きさが、パレットが落下可能な大きさであったとしても、該パレットを落下させることなく搬送することが可能となる。
【0011】
また、請求項4記載のごとく、複数の工程を備え、該工程にて被加工品に対する生産加工処理を施す生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法であって、前記被加工部品をパレットに搭載した状態で前記生産ラインシステムの搬送ラインにより搬送し、前記搬送ラインにおけるある工程間で、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じた数の前記パレットを連結する。
これにより、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
この場合、被加工品は同じパレットに搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
また、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0014】
図1には、本発明にかかるの生産ラインシステムの実施形態を示している。該生産ラインシステムは、回路基板に半導体素子を実装して半導体装置を生産するためのシステムであり、搬送用具であるパレット2に搭載した状態の被加工物である半導体装置1を搬送ライン16にて搬送しながら、該半導体装置1に対して生産加工処理を行うものである。
生産ラインシステムは、複数の工程、つまり半導体素子等を回路基板にマウントするためのマウント工程A、および回路基板にマウントされた半導体素子等を該回路基板にはんだ付け処理するためのリフロー工程Cを備えている。
【0015】
なお、生産ラインシステムにおいては、パレット2に搭載されている半導体素子1は、工程の進み具合によっては実際には回路基板のみであったり、半導体素子がはんだペースト(またははんだペレット)とともにマウントされた状態の回路基板であったり、半導体素子が回路基板とはんだ接合された完成状態の半導体装置1であったりするが、本説明ではこれらを統一して「半導体装置1」と呼ぶ。
【0016】
また、マウント工程Aとリフロー工程Cとの間には、半導体装置1を搭載したパレット2を互いに連結したり分離したりする第1パレット連結・分離部Bが配置され、リフロー工程Cの下流側には半導体装置1を搭載したパレット2を互いに連結したり分離したりする第2パレット連結・分離部Dが配置されている。
【0017】
図2に示すように、前記パレット2は、上面に半導体装置1を搭載可能に構成された平板状部材であり、その搬送方向における前端部に前係合部2aが形成され、搬送方向における後端部に後係合部2bが形成されている。
【0018】
前記マウント工程Aには、回路基板に半導体素子を実装するためのマウント装置11が設けられており、該マウント装置11は回路基板を搬送ライン16へ供給する供給部11a、および回路基板にはんだペーストを印刷したり(またははんだペレットをマウントしたり)、回路基板に半導体素子をマウントしたりするマウント部11bを備えている。
また、第1パレット連結・分離部Bには第1パレット連結・分離装置12が設けられており、マウント工程Aでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
【0019】
前記リフロー工程Cには、マウント工程Aにて半導体素子がはんだペースト(またははんだペレット)とともに回路基板にマウントされた状態の半導体装置1を加熱して、該半導体素子を回路基板にはんだ付け処理するリフロー炉13が設けられている。
該リフロー炉13は、複数の独立したチャンバー13a・13b・13c・13dを有しており、各チャンバー13a・13b・13c・13dにて、半導体装置1に対する予備加熱、本加熱、および冷却等の各処理が行われる。
さらに、前記第2パレット連結・分離部Dには第2パレット連結・分離装置14が設けられており、リフロー工程Cでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
【0020】
このように構成される生産ラインシステムにおいては、次のようにして半導体装置1の生産が行われる。
まず、半導体装置1の構成部材である回路基板が供給部11aから搬送ライン16へ供給された後にマウント部11bへ搬送され、該マウント部11bにて、回路基板へのはんだペーストの印刷(またははんだペレットのマウント)や、回路基板への半導体素子のマウントが行われる。
【0021】
なお、このマウント工程Aでは、回路基板へはんだペーストを印刷(またははんだペレットを載置)する工程や、回路基板へ半導体素子等をマウントする工程等の、比較的処理時間が短い工程を順次経ていく等の理由のため、供給部11aからは、一つの(回路基板状態にある)半導体装置1を搭載したパレット2が、一枚ずつ搬送ライン16へ供給されている。
このように、一つのパレット2に一つの半導体装置1を搭載することで、マウント装置11の小型化を図るとともに、効率的な生産加工処理を行うことが可能となっている。
ただし、マウント装置11の構成や、該マウント装置11における半導体装置1に対する生産加工処理の速度等によっては、一つのパレット2に複数の半導体装置1を搭載するように構成することも可能である。
【0022】
回路基板に半導体素子やはんだペースト(はんだペレット)がマウントされた状態の半導体素子1を搭載したパレット2は、搬送ライン16により第1パレット連結・分離部Bへ搬送される。
図3に示すように、本例の第1パレット連結・分離部Bにおいては、一枚ずつ搬送されてきたパレット2が複数枚連結され(本例では3枚のパレット2が連結されている)、複数枚連結されたパレット2は複数列(本例では2列)に並べて配置される。
このように、連結され複数列に並べられたパレット2は、次工程であるリフロー工程Cに一体的に搬送されていく(本例では、(3枚連結)×(2列)=6枚のパレットが一体的に搬送される)。
なお、本例では、複数枚連結されたパレット2が複数列に並べられているが、複数枚連結したパレット2を単数列で搬送することも可能である。
【0023】
図4に示すように、パレット2は、搬送方向上流側(図4における右側)に配置されるパレット2の前係合部2aと、搬送方向下流側(図4における左側)に配置されるパレット2の後係合部2bとを係合させることで連結される。
また、パレット2の前係合部2aと後係合部2bとは、パレット2を上下方向に移動させながら該前係合部2aと後係合部2bと嵌め合わせることで、係合するように構成されている。
【0024】
従って、前記第1パレット連結・分離部Bにおいては、例えば、連結するパレットの一方を上下移動可能なテーブルに載置して、搬送方向上流側のパレット2の前係合部2aの位置と、搬送方向下流側のパレット2の後係合部2bの位置とを合わせた状態で、前記テーブルを上下移動させて、搬送方向上流側のパレット2と搬送方向下流側のパレット2との上下位置を相対的に移動させることで、両者を連結することが可能となっている。
【0025】
リフロー工程Cに搬送されたパレット2は、リフロー炉13の各チャンバー13a・13b・13c・13d内へ順に案内される。この各チャンバー13a・13b・13c・13d内にて、半導体装置1に対する予備加熱、本加熱、および冷却等の各処理が順次行われることで、半導体素子の回路基板へのはんだ付け処理が行われて、半導体装置1が構成される。
なお、このリフロー工程Cでは、半導体装置1の加熱や冷却等といった比較的処理時間が長い処理を行う等の理由により、前述のごとく、複数のパレット2を連結して一体的にリフロー炉13内に搬送し、複数の半導体装置1に対して同時に各処理を行わせて、処理効率を向上している。
【0026】
また、連結して一体的にリフロー工程Cへ搬送するパレット2の数は、マウント工程Aおよびリフロー工程Cにおける半導体装置1の生産加工処理のラインタクトや、設備の構成等、各工程の生産加工処理内容に応じて適宜設定することができる。
【0027】
このように、前記第1パレット連結・分離部Bにおいて、次工程(本例ではリフロー工程C)における半導体装置1の生産加工処理内容に応じて、前記パレット2の連結数を適宜設定することができるように構成することで、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となっている。
この場合、被加工品である半導体装置1は、同じパレット2に搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【0028】
リフロー炉13での各処理が終了すると、パレット2は第2パレット連結・分離部Dに搬送される。
本例の第2パレット連結・分離部Dでは、連結されていた各パレット2が、第2パレット連結・分離装置14により一枚のパレット2に分離される。
その後、パレット2に搭載された半導体装置1は、例えば検査装置等により、その特性やはんだ接合状態等が検査されて完成する。
【0029】
前記リフロー工程Cにおけるリフロー炉13は複数のチャンバー13a・13b・13c・13dに区画されており、各チャンバー13a・13b・13c・13dにおける搬送ライン16は、それぞれベルトコンベア16aにて構成されている。
図5に示すように、各チャンバー13a・13b・13c・13dにおいては、複数連結されたパレット2がベルトコンベア16aにより一体的に搬送されて処理が行われるが、処理中はチャンバー内を真空状態にすること等から、各チャンバー13a・13b・13c・13d間にシャッタ13sを設けて、該シャッタ13sを閉じることで各チャンバー13a・13b・13c・13d内を密閉できるように構成している。
【0030】
前述のように、各チャンバー13a・13b・13c・13d間にはシャッタ13sが設けられていることから、リフロー炉13内に設けられるベルトコンベア16aは、各チャンバー13a・13b・13c・13d毎に分割されており、各チャンバー13a・13b・13c・13dのベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの間には所定の隙間dが形成されている。
従って、例えばパレット2がチャンバー13aからチャンバー13bへ搬送される際には、該パレット2は、チャンバー13a内のベルトコンベア16aからチャンバー13b内のベルトコンベア16aへの乗り継ぎを行わなければならない。
【0031】
ここで、搬送される連結されたパレット2が、あるチャンバーのベルトコンベア16aから次のベルトコンベア16aへ乗り継ぎを行うためには、該連結されたパレット2の搬送方向における全体の長さXが、ベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの隙間dの2倍以上あることが必要とされる。
【0032】
例えば、図6に示すように、一つのパレット2の搬送方向における長さX1が前記隙間dと同じであった場合、チャンバー13a内を搬送されるパレット2の前半分(X1/2)がベルトコンベア16aの前端から飛び出したときに、該パレット2の前部には下方へ落下する方向の力がかかり、さらに前方へ搬送されると、ベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの間には長さX1のパレット2が通過できるだけの隙間dが存在するため、その隙間dに落下してしまうこととなる。
【0033】
また、図7に示すように、一つのパレット2の搬送方向における長さX1が前記隙間dと同じであって、2個のパレット2を一体的に連結した場合は、チャンバー13a内を搬送される連結されたパレット2の前半分(つまり1つのパレット2の長さX1に相当する)がベルトコンベア16aの前端から飛び出したときに、該パレット2の前部には下方へ落下する方向の力がかかる。
しかし、その時点ではベルトコンベア16aの前端から飛び出したパレット2の前端部の下方に、次のチャンバー13bのベルトコンベア16aが位置していることとなるので、連結されたパレット2は前記隙間dへ落下することなく、乗り継ぎを行うことができる。
従って、図5に示すように、パレット2を3つ連結した状態では、連結されたパレット2の搬送方向における長さXが隙間dの2倍以上となっているので、ベルトコンベア16a間に隙間dが開いていても、該隙間dに落下することなく乗り継ぎを行うことが可能となっている。
【0034】
このように、複数のパレット2を連結して、連結されたパレット2の長さXを、ベルトコンベア16a間の隙間dの2倍以上とすることで、該隙間dを有した搬送装置であるベルトコンベア16a間を、パレット2を落下させることなく搬送することが可能となる。
【0035】
また、パレット2は、連結するパレットの一方と他方とを相対的に上下方向に移動させることで、前係合部2aと後係合部2bとを係合させて連結されるが、連結されたパレット2が、落下方向への力がかかるベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの隙間dの部分を通過する際にも、前係合部2aと後係合部2bとの係合状態が解除されることはなく、連結状態を保持することが可能となっている。
以下に、その理由について説明する。
【0036】
例えば、図8に示すように、3つのパレット2が連結された状態で上流側のベルトコンベア16aから下流側のベルトコンベア16aへ搬送される場合を考える。
なお、本説明においては、便宜上搬送方向下流側に位置するパレットをパレット21、真中に位置するパレットをパレット22、上流側に位置するパレットをパレット23とする。
【0037】
まず、図9に示すように、下流側のパレット21が上流側のベルトコンベア16aから隙間d側へ突出した状態になると、該パレット21には落下方向の力が加わる。一方、上流側のベルトコンベア16a上に位置する前記パレット22およびパレット23には重力がかかっており、ベルトコンベア16a上に載置された状態を保持しようとする。
つまり、連結されたパレット21とパレット22との間には折れ曲がる方向の力がかかることとなり、下流側のパレット21と真中のパレット22との連結部には互いに離れる方向の力がかかる。この力は、互いに嵌め合わされた下流側のパレット21の後係合部21bと真中のパレット22の前係合部22aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
従って、下流側のパレット21の全てが上流側のベルトコンベア16aから突出して隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット21はパレット22との係合を保持した状態となって落下することはない。
【0038】
図10に示すように、連結されたパレット2がさらに搬送されて、下流側のパレット21が下流側のベルトコンベア16a上に位置し、真中のパレット22が隙間dの部分に位置し、上流側のパレット23が上流側のベルトコンベア16a上に位置する状態となったときには、同様に、前記パレット21とパレット22との間、およびパレット22とパレット23との間には、折れ曲がる方向の力がかかることとなり、互いに嵌め合わされたパレット21の後係合部21bとパレット22の前係合部22aとの間、パレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
従って、真中のパレット22の全てが隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット22はパレット21との係合、およびパレット23との係合を保持した状態となって落下することはない。
【0039】
図11に示すように、連結されたパレット2がさらに搬送されて、下流側のパレット21および真中のパレット22が下流側のベルトコンベア16a上に位置し、上流側のパレット23の全てが隙間Dの部分に位置する状態となったときにも、同様に、前記パレット22とパレット23との間には、折れ曲がる方向の力がかかることとなり、互いに嵌め合わされたパレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
【0040】
このように、パレット21の後係合部21bとパレット22の前係合部22aとを、およびパレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとを嵌め合わせることで係合させるように構成することで、各パレット21・22・23が隙間Dの部分に位置したときにも係合状態を保持して落下することを防止できる。
【0041】
以上のごとく、パレット2の前係合部2aと後係合部2bとの係合部には、搬送方向上流側のパレット2と搬送方向下流側のパレット2との間に折れ曲がり方向の力が加わると係合状態を保持する力が生じるように構成されているので、搬送装置であるベルトコンベア16a間の隙間dの大きさが、パレット2が落下可能な大きさであったとしても、該パレット2を落下させることなく搬送することが可能となっている。
【0042】
また、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図4等に示したパレット2の前係合部2aおよび後係合部2bは、該パレット2の上端部から下端部まで連続して形成されている。
これに対し、図12、図13に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bをパレット2の上部のみに形成した構成とすることもできる。
本例の前係合部2aおよび後係合部2bにおいては、前係合部2aおよび後係合部2bが上端から下端まで通して形成されているわけではなく、後係合部2bに係合した前係合部2aの下方に、該前係合部2aを受けて支持する受け部2cが形成されることとなるので、例えばパレット2がベルトコンベア16a間の隙間dの部分に位置したときでも、該パレット2が落下することをさらに確実に防止することが可能となる。
【0043】
また、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図14に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)から上下方向にピン部材26を突出させ、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材26が嵌入する嵌入孔27を形成して、該ピン部材26を嵌入孔27に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することができる。
【0044】
さらに、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図15に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)に水平方向へ突出するピン部材28を形成し、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材28が嵌入する嵌入穴29を形成して、該ピン部材28を嵌入孔29に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】生産ラインシステムの概略を示す平面図である。
【図2】半導体装置を搭載したパレットを示す平面図である。
【図3】第1パレット連結・分離部にてパレットが連結される様子を示す平面図である。
【図4】前係合部と後係合部との係合によりパレットが連結される様子を示す斜視図である。
【図5】連結されたパレットがリフロー工程におけるリフロー炉内をベルトコンベアにより搬送される様子を示す側面断面図である。
【図6】搬送方向における長さがベルトコンベア間の隙間と同じであるパレットが単体で搬送された場合、パレットがその隙間に落下する様子を示す側面断面図である。
【図7】搬送方向における長さがベルトコンベア間の隙間と同じであるパレットが2つ連結されて搬送された場合、連結されたパレットが隙間を乗り越えてベルトコンベアの乗り継ぎが可能となる様子を示す側面断面図である。
【図8】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される状態を示す側面断面図である。
【図9】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、下流側のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに下流側のパレットと真中のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図10】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、真中のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに下流側のパレットと真中のパレットとの係合部、および真中のパレットと上流側のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図11】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、上流側のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに真中のパレットと上流側のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図12】パレットの前係合部および後係合部の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図13】パレットの前係合部および後係合部の第2の実施形態を示す側面図である。
【図14】パレットの前係合部および後係合部の第3の実施形態を示す側面断面図である。
【図15】パレットの前係合部および後係合部の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図16】従来の生産ラインシステムの工程間において、半導体装置がマウンタキャリアから搬送トレイへ載せ替えられる様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 半導体装置
2 パレット
2a 前係合部
2b 後係合部
11 マウント装置
12 第1パレット連結・分離装置
13 リフロー炉
13a・13b・13c・13d チャンバー
14 第2パレット連結・分離装置
16 搬送ライン
16a ベルトコンベア
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置等の被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムおよび生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置等の被加工品を生産する場合、生産ラインシステムが備える搬送装置により被加工品を搬送しつつ、該生産システムが備える複数の工程にて該被加工品に対する生産加工処理が行われる。
例えば、回路基板に半導体素子を実装して半導体装置を生産する生産ラインシステムの場合、回路基板に半導体素子等をマウントするマウント工程と、マウントした半導体素子を回路基板に対してはんだ付けするリフロー工程とを備えている。
前記生産ラインシステムにおけるマウント工程では、回路基板はマウンタ装置専用に用いられるマウンタキャリアに搭載された状態で搬送されている。
【0003】
このマウント工程では、回路基板へはんだペーストを印刷(またははんだペレットを載置)する工程や、回路基板へ半導体素子等をマウントする工程等の、比較的処理時間が短い工程を順次経ていく等の理由のため、一つのマウンタキャリアに対して一枚の回路基板を搭載して、効率的な生産加工処理を行うようにしている。
また、前記リフロー工程では、半導体装置の昇温工程や、はんだ付け工程や、冷却工程等、比較的処理時間が長い工程を経ていく等の理由により、複数の半導体装置に対して同時に各工程の処理を行わせて処理効率を向上するべく、リフロー工程専用に用いられる搬送トレイに複数の半導体装置を搭載した状態で、該半導体装置をリフロー工程内に搬送している。
そして、リフロー工程にて搬送トレイへ搭載する半導体装置の数は、マウント工程とリフロー工程とで単位時間あたりの半導体装置の生産加工処理数が合致するように設定されており、生産ラインシステムにおける生産加工処理を、各工程設備の巨大化を抑えつつ効率良く行うようにしている。
【0004】
前述のように、マウント工程では半導体装置をマウンタキャリアに搭載した状態で搬送し、リフロー工程では半導体装置を搬送トレイに搭載した状態で搬送するために、生産ラインシステムにおいては、半導体装置をマウント工程からリフロー工程へ搬送する際に、マウンタキャリアに搭載された半導体装置を搬送トレイに載せ替えながら搬送するようにしている。
例えば、半導体装置のマウンタキャリアから搬送トレイへの載せ替えは、図16に示すように行われている。つまり、マウント工程から搬送されてきた半導体装置101はマウンタキャリア102に搭載されており、マウント工程とリフロー工程との間を搬送装置にて搬送される間に半導体装置101がマウントキャリア102から取り外される。次に、マウントキャリア102から取り外された半導体装置101は搬送トレイ103に搭載されて、リフロー工程へ搬送されている。
【0005】
また、生産ラインにて生産加工処理を効率良く行ったり、設備の大型化を抑えたりするための方法として、特許文献1に示すように、半導体装置の組立工程において、複数の組立部品を同一のパレットに搭載した状態で搬送する技術や、特許文献2に示すような被加工品を搭載するパレットを互いに連結した状態で搬送する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平1−152636号公報
【特許文献2】特開平11−28628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のマウント工程およびリフロー工程のように、生産ラインシステムが備える複数の工程間で被加工物の加工処理時間が異なる等、被加工品の生産加工処理内容が異なる場合には、被加工品を搭載するキャリアやトレイを工程毎に替えて、一つのキャリアやトレイに搭載する被加工品の数を工程毎に調節することで、各工程間のラインタクトを合わせる等、効率的な生産加工処理を行うことが可能となる。
しかし、被加工品を搭載するための搬送用具であるキャリアやトレイを各工程における処理内容に応じて替えるように構成すると、生産ラインシステムが備える工程の数に応じてキャリアやトレイの種類が増大することとなる。
また、各工程で被加工品を搭載するキャリアやトレイが異なるので、それぞれの工程での処理が終了した被加工品のキャリアやトレイは、その工程の出口部分から入口部分へ返却する必要があるため、各工程にキャリアやトレイを返却するための設備が必要となる。
このように、キャリアやトレイの種類が増大したり、キャリアやトレイの返却設備が必要となったりするため、生産ラインシステムが結果的に大型化し、システムを構築するための費用も増大することとなる。
【0007】
また、前述の特許文献1に記載された技術は、同一工程内における処理効率を向上することはできるが、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間での処理効率を向上することはできない。
また、特許文献2に記載された技術は、被加工品を搭載するパレットを互いに連結することで、パレットの搬送装置の駆動設備を工程内の一部に設けるだけで済むように構成したものであり、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間での処理効率を向上するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する生産ラインシステムおよび生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載のごとく、被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の工程と、前記搬送ラインのある工程間に配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部とを備え、前記パレット連結・分離部では、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じて、前記パレットの連結数が設定可能である。
これにより、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
この場合、被加工品は同じパレットに搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【0009】
また、請求項2記載のごとく、前記パレット連結・分離部の下流側に位置する工程は複数の区画に分割され、該工程における前記搬送ラインは、各区画にそれぞれ配置された搬送装置にて構成され、該各搬送装置は、被加工品の搬送方向へ所定の隙間を空けて配置され、前記単体のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間より小さく、前記パレット連結・分離部にて連結された複数のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間の2倍以上である。
これにより、隙間を有した搬送装置間を、パレットを落下させることなく搬送することが可能となる。
【0010】
また、請求項3記載のごとく、前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成されており、搬送方向上流側に位置するパレットの前記前係合部と、搬送方向下流部に位置するパレットの前記後係合部とを係合させることで、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流部のパレットとが連結され、前記前係合部と後係合部との係合部には、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流側のパレットとの間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合状態を保持する力が生じる。
これにより、搬送装置間の隙間の大きさが、パレットが落下可能な大きさであったとしても、該パレットを落下させることなく搬送することが可能となる。
【0011】
また、請求項4記載のごとく、複数の工程を備え、該工程にて被加工品に対する生産加工処理を施す生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法であって、前記被加工部品をパレットに搭載した状態で前記生産ラインシステムの搬送ラインにより搬送し、前記搬送ラインにおけるある工程間で、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じた数の前記パレットを連結する。
これにより、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
この場合、被加工品は同じパレットに搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
また、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0014】
図1には、本発明にかかるの生産ラインシステムの実施形態を示している。該生産ラインシステムは、回路基板に半導体素子を実装して半導体装置を生産するためのシステムであり、搬送用具であるパレット2に搭載した状態の被加工物である半導体装置1を搬送ライン16にて搬送しながら、該半導体装置1に対して生産加工処理を行うものである。
生産ラインシステムは、複数の工程、つまり半導体素子等を回路基板にマウントするためのマウント工程A、および回路基板にマウントされた半導体素子等を該回路基板にはんだ付け処理するためのリフロー工程Cを備えている。
【0015】
なお、生産ラインシステムにおいては、パレット2に搭載されている半導体素子1は、工程の進み具合によっては実際には回路基板のみであったり、半導体素子がはんだペースト(またははんだペレット)とともにマウントされた状態の回路基板であったり、半導体素子が回路基板とはんだ接合された完成状態の半導体装置1であったりするが、本説明ではこれらを統一して「半導体装置1」と呼ぶ。
【0016】
また、マウント工程Aとリフロー工程Cとの間には、半導体装置1を搭載したパレット2を互いに連結したり分離したりする第1パレット連結・分離部Bが配置され、リフロー工程Cの下流側には半導体装置1を搭載したパレット2を互いに連結したり分離したりする第2パレット連結・分離部Dが配置されている。
【0017】
図2に示すように、前記パレット2は、上面に半導体装置1を搭載可能に構成された平板状部材であり、その搬送方向における前端部に前係合部2aが形成され、搬送方向における後端部に後係合部2bが形成されている。
【0018】
前記マウント工程Aには、回路基板に半導体素子を実装するためのマウント装置11が設けられており、該マウント装置11は回路基板を搬送ライン16へ供給する供給部11a、および回路基板にはんだペーストを印刷したり(またははんだペレットをマウントしたり)、回路基板に半導体素子をマウントしたりするマウント部11bを備えている。
また、第1パレット連結・分離部Bには第1パレット連結・分離装置12が設けられており、マウント工程Aでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
【0019】
前記リフロー工程Cには、マウント工程Aにて半導体素子がはんだペースト(またははんだペレット)とともに回路基板にマウントされた状態の半導体装置1を加熱して、該半導体素子を回路基板にはんだ付け処理するリフロー炉13が設けられている。
該リフロー炉13は、複数の独立したチャンバー13a・13b・13c・13dを有しており、各チャンバー13a・13b・13c・13dにて、半導体装置1に対する予備加熱、本加熱、および冷却等の各処理が行われる。
さらに、前記第2パレット連結・分離部Dには第2パレット連結・分離装置14が設けられており、リフロー工程Cでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
【0020】
このように構成される生産ラインシステムにおいては、次のようにして半導体装置1の生産が行われる。
まず、半導体装置1の構成部材である回路基板が供給部11aから搬送ライン16へ供給された後にマウント部11bへ搬送され、該マウント部11bにて、回路基板へのはんだペーストの印刷(またははんだペレットのマウント)や、回路基板への半導体素子のマウントが行われる。
【0021】
なお、このマウント工程Aでは、回路基板へはんだペーストを印刷(またははんだペレットを載置)する工程や、回路基板へ半導体素子等をマウントする工程等の、比較的処理時間が短い工程を順次経ていく等の理由のため、供給部11aからは、一つの(回路基板状態にある)半導体装置1を搭載したパレット2が、一枚ずつ搬送ライン16へ供給されている。
このように、一つのパレット2に一つの半導体装置1を搭載することで、マウント装置11の小型化を図るとともに、効率的な生産加工処理を行うことが可能となっている。
ただし、マウント装置11の構成や、該マウント装置11における半導体装置1に対する生産加工処理の速度等によっては、一つのパレット2に複数の半導体装置1を搭載するように構成することも可能である。
【0022】
回路基板に半導体素子やはんだペースト(はんだペレット)がマウントされた状態の半導体素子1を搭載したパレット2は、搬送ライン16により第1パレット連結・分離部Bへ搬送される。
図3に示すように、本例の第1パレット連結・分離部Bにおいては、一枚ずつ搬送されてきたパレット2が複数枚連結され(本例では3枚のパレット2が連結されている)、複数枚連結されたパレット2は複数列(本例では2列)に並べて配置される。
このように、連結され複数列に並べられたパレット2は、次工程であるリフロー工程Cに一体的に搬送されていく(本例では、(3枚連結)×(2列)=6枚のパレットが一体的に搬送される)。
なお、本例では、複数枚連結されたパレット2が複数列に並べられているが、複数枚連結したパレット2を単数列で搬送することも可能である。
【0023】
図4に示すように、パレット2は、搬送方向上流側(図4における右側)に配置されるパレット2の前係合部2aと、搬送方向下流側(図4における左側)に配置されるパレット2の後係合部2bとを係合させることで連結される。
また、パレット2の前係合部2aと後係合部2bとは、パレット2を上下方向に移動させながら該前係合部2aと後係合部2bと嵌め合わせることで、係合するように構成されている。
【0024】
従って、前記第1パレット連結・分離部Bにおいては、例えば、連結するパレットの一方を上下移動可能なテーブルに載置して、搬送方向上流側のパレット2の前係合部2aの位置と、搬送方向下流側のパレット2の後係合部2bの位置とを合わせた状態で、前記テーブルを上下移動させて、搬送方向上流側のパレット2と搬送方向下流側のパレット2との上下位置を相対的に移動させることで、両者を連結することが可能となっている。
【0025】
リフロー工程Cに搬送されたパレット2は、リフロー炉13の各チャンバー13a・13b・13c・13d内へ順に案内される。この各チャンバー13a・13b・13c・13d内にて、半導体装置1に対する予備加熱、本加熱、および冷却等の各処理が順次行われることで、半導体素子の回路基板へのはんだ付け処理が行われて、半導体装置1が構成される。
なお、このリフロー工程Cでは、半導体装置1の加熱や冷却等といった比較的処理時間が長い処理を行う等の理由により、前述のごとく、複数のパレット2を連結して一体的にリフロー炉13内に搬送し、複数の半導体装置1に対して同時に各処理を行わせて、処理効率を向上している。
【0026】
また、連結して一体的にリフロー工程Cへ搬送するパレット2の数は、マウント工程Aおよびリフロー工程Cにおける半導体装置1の生産加工処理のラインタクトや、設備の構成等、各工程の生産加工処理内容に応じて適宜設定することができる。
【0027】
このように、前記第1パレット連結・分離部Bにおいて、次工程(本例ではリフロー工程C)における半導体装置1の生産加工処理内容に応じて、前記パレット2の連結数を適宜設定することができるように構成することで、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となっている。
この場合、被加工品である半導体装置1は、同じパレット2に搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
【0028】
リフロー炉13での各処理が終了すると、パレット2は第2パレット連結・分離部Dに搬送される。
本例の第2パレット連結・分離部Dでは、連結されていた各パレット2が、第2パレット連結・分離装置14により一枚のパレット2に分離される。
その後、パレット2に搭載された半導体装置1は、例えば検査装置等により、その特性やはんだ接合状態等が検査されて完成する。
【0029】
前記リフロー工程Cにおけるリフロー炉13は複数のチャンバー13a・13b・13c・13dに区画されており、各チャンバー13a・13b・13c・13dにおける搬送ライン16は、それぞれベルトコンベア16aにて構成されている。
図5に示すように、各チャンバー13a・13b・13c・13dにおいては、複数連結されたパレット2がベルトコンベア16aにより一体的に搬送されて処理が行われるが、処理中はチャンバー内を真空状態にすること等から、各チャンバー13a・13b・13c・13d間にシャッタ13sを設けて、該シャッタ13sを閉じることで各チャンバー13a・13b・13c・13d内を密閉できるように構成している。
【0030】
前述のように、各チャンバー13a・13b・13c・13d間にはシャッタ13sが設けられていることから、リフロー炉13内に設けられるベルトコンベア16aは、各チャンバー13a・13b・13c・13d毎に分割されており、各チャンバー13a・13b・13c・13dのベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの間には所定の隙間dが形成されている。
従って、例えばパレット2がチャンバー13aからチャンバー13bへ搬送される際には、該パレット2は、チャンバー13a内のベルトコンベア16aからチャンバー13b内のベルトコンベア16aへの乗り継ぎを行わなければならない。
【0031】
ここで、搬送される連結されたパレット2が、あるチャンバーのベルトコンベア16aから次のベルトコンベア16aへ乗り継ぎを行うためには、該連結されたパレット2の搬送方向における全体の長さXが、ベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの隙間dの2倍以上あることが必要とされる。
【0032】
例えば、図6に示すように、一つのパレット2の搬送方向における長さX1が前記隙間dと同じであった場合、チャンバー13a内を搬送されるパレット2の前半分(X1/2)がベルトコンベア16aの前端から飛び出したときに、該パレット2の前部には下方へ落下する方向の力がかかり、さらに前方へ搬送されると、ベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの間には長さX1のパレット2が通過できるだけの隙間dが存在するため、その隙間dに落下してしまうこととなる。
【0033】
また、図7に示すように、一つのパレット2の搬送方向における長さX1が前記隙間dと同じであって、2個のパレット2を一体的に連結した場合は、チャンバー13a内を搬送される連結されたパレット2の前半分(つまり1つのパレット2の長さX1に相当する)がベルトコンベア16aの前端から飛び出したときに、該パレット2の前部には下方へ落下する方向の力がかかる。
しかし、その時点ではベルトコンベア16aの前端から飛び出したパレット2の前端部の下方に、次のチャンバー13bのベルトコンベア16aが位置していることとなるので、連結されたパレット2は前記隙間dへ落下することなく、乗り継ぎを行うことができる。
従って、図5に示すように、パレット2を3つ連結した状態では、連結されたパレット2の搬送方向における長さXが隙間dの2倍以上となっているので、ベルトコンベア16a間に隙間dが開いていても、該隙間dに落下することなく乗り継ぎを行うことが可能となっている。
【0034】
このように、複数のパレット2を連結して、連結されたパレット2の長さXを、ベルトコンベア16a間の隙間dの2倍以上とすることで、該隙間dを有した搬送装置であるベルトコンベア16a間を、パレット2を落下させることなく搬送することが可能となる。
【0035】
また、パレット2は、連結するパレットの一方と他方とを相対的に上下方向に移動させることで、前係合部2aと後係合部2bとを係合させて連結されるが、連結されたパレット2が、落下方向への力がかかるベルトコンベア16aとベルトコンベア16aとの隙間dの部分を通過する際にも、前係合部2aと後係合部2bとの係合状態が解除されることはなく、連結状態を保持することが可能となっている。
以下に、その理由について説明する。
【0036】
例えば、図8に示すように、3つのパレット2が連結された状態で上流側のベルトコンベア16aから下流側のベルトコンベア16aへ搬送される場合を考える。
なお、本説明においては、便宜上搬送方向下流側に位置するパレットをパレット21、真中に位置するパレットをパレット22、上流側に位置するパレットをパレット23とする。
【0037】
まず、図9に示すように、下流側のパレット21が上流側のベルトコンベア16aから隙間d側へ突出した状態になると、該パレット21には落下方向の力が加わる。一方、上流側のベルトコンベア16a上に位置する前記パレット22およびパレット23には重力がかかっており、ベルトコンベア16a上に載置された状態を保持しようとする。
つまり、連結されたパレット21とパレット22との間には折れ曲がる方向の力がかかることとなり、下流側のパレット21と真中のパレット22との連結部には互いに離れる方向の力がかかる。この力は、互いに嵌め合わされた下流側のパレット21の後係合部21bと真中のパレット22の前係合部22aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
従って、下流側のパレット21の全てが上流側のベルトコンベア16aから突出して隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット21はパレット22との係合を保持した状態となって落下することはない。
【0038】
図10に示すように、連結されたパレット2がさらに搬送されて、下流側のパレット21が下流側のベルトコンベア16a上に位置し、真中のパレット22が隙間dの部分に位置し、上流側のパレット23が上流側のベルトコンベア16a上に位置する状態となったときには、同様に、前記パレット21とパレット22との間、およびパレット22とパレット23との間には、折れ曲がる方向の力がかかることとなり、互いに嵌め合わされたパレット21の後係合部21bとパレット22の前係合部22aとの間、パレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
従って、真中のパレット22の全てが隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット22はパレット21との係合、およびパレット23との係合を保持した状態となって落下することはない。
【0039】
図11に示すように、連結されたパレット2がさらに搬送されて、下流側のパレット21および真中のパレット22が下流側のベルトコンベア16a上に位置し、上流側のパレット23の全てが隙間Dの部分に位置する状態となったときにも、同様に、前記パレット22とパレット23との間には、折れ曲がる方向の力がかかることとなり、互いに嵌め合わされたパレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
【0040】
このように、パレット21の後係合部21bとパレット22の前係合部22aとを、およびパレット22の後係合部22bとパレット23の前係合部23aとを嵌め合わせることで係合させるように構成することで、各パレット21・22・23が隙間Dの部分に位置したときにも係合状態を保持して落下することを防止できる。
【0041】
以上のごとく、パレット2の前係合部2aと後係合部2bとの係合部には、搬送方向上流側のパレット2と搬送方向下流側のパレット2との間に折れ曲がり方向の力が加わると係合状態を保持する力が生じるように構成されているので、搬送装置であるベルトコンベア16a間の隙間dの大きさが、パレット2が落下可能な大きさであったとしても、該パレット2を落下させることなく搬送することが可能となっている。
【0042】
また、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図4等に示したパレット2の前係合部2aおよび後係合部2bは、該パレット2の上端部から下端部まで連続して形成されている。
これに対し、図12、図13に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bをパレット2の上部のみに形成した構成とすることもできる。
本例の前係合部2aおよび後係合部2bにおいては、前係合部2aおよび後係合部2bが上端から下端まで通して形成されているわけではなく、後係合部2bに係合した前係合部2aの下方に、該前係合部2aを受けて支持する受け部2cが形成されることとなるので、例えばパレット2がベルトコンベア16a間の隙間dの部分に位置したときでも、該パレット2が落下することをさらに確実に防止することが可能となる。
【0043】
また、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図14に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)から上下方向にピン部材26を突出させ、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材26が嵌入する嵌入孔27を形成して、該ピン部材26を嵌入孔27に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することができる。
【0044】
さらに、パレット2における前係合部2aおよび後係合部2bは、次のように構成することもできる。
つまり、図15に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)に水平方向へ突出するピン部材28を形成し、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材28が嵌入する嵌入穴29を形成して、該ピン部材28を嵌入孔29に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】生産ラインシステムの概略を示す平面図である。
【図2】半導体装置を搭載したパレットを示す平面図である。
【図3】第1パレット連結・分離部にてパレットが連結される様子を示す平面図である。
【図4】前係合部と後係合部との係合によりパレットが連結される様子を示す斜視図である。
【図5】連結されたパレットがリフロー工程におけるリフロー炉内をベルトコンベアにより搬送される様子を示す側面断面図である。
【図6】搬送方向における長さがベルトコンベア間の隙間と同じであるパレットが単体で搬送された場合、パレットがその隙間に落下する様子を示す側面断面図である。
【図7】搬送方向における長さがベルトコンベア間の隙間と同じであるパレットが2つ連結されて搬送された場合、連結されたパレットが隙間を乗り越えてベルトコンベアの乗り継ぎが可能となる様子を示す側面断面図である。
【図8】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される状態を示す側面断面図である。
【図9】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、下流側のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに下流側のパレットと真中のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図10】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、真中のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに下流側のパレットと真中のパレットとの係合部、および真中のパレットと上流側のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図11】3つのパレットが連結された状態でベルトコンベア上を搬送される際に、上流側のパレットがベルトコンベア間の隙間に位置したときに真中のパレットと上流側のパレットとの係合部に係る力を示す側面断面図である。
【図12】パレットの前係合部および後係合部の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図13】パレットの前係合部および後係合部の第2の実施形態を示す側面図である。
【図14】パレットの前係合部および後係合部の第3の実施形態を示す側面断面図である。
【図15】パレットの前係合部および後係合部の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図16】従来の生産ラインシステムの工程間において、半導体装置がマウンタキャリアから搬送トレイへ載せ替えられる様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 半導体装置
2 パレット
2a 前係合部
2b 後係合部
11 マウント装置
12 第1パレット連結・分離装置
13 リフロー炉
13a・13b・13c・13d チャンバー
14 第2パレット連結・分離装置
16 搬送ライン
16a ベルトコンベア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、
前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、
前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の工程と、
前記搬送ラインのある工程間に配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部とを備え、
前記パレット連結・分離部では、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じて、前記パレットの連結数が設定可能である、
ことを特徴とする被加工品の生産ラインシステム。
【請求項2】
前記パレット連結・分離部の下流側に位置する工程は複数の区画に分割され、
該工程における前記搬送ラインは、各区画にそれぞれ配置された搬送装置にて構成され、
該各搬送装置は、被加工品の搬送方向へ所定の隙間を空けて配置され、
前記単体のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間より小さく、
前記パレット連結・分離部にて連結された複数のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間の2倍以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工品の生産ラインシステム。
【請求項3】
前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成されており、
搬送方向上流側に位置するパレットの前記前係合部と、搬送方向下流部に位置するパレットの前記後係合部とを係合させることで、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流部のパレットとが連結され、
前記前係合部と後係合部との係合部には、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流側のパレットとの間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合状態を保持する力が生じる、
ことを特徴とする請求項2に記載の被加工品の生産ラインシステム。
【請求項4】
複数の工程を備え、該工程にて被加工品に対する生産加工処理を施す生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法であって、
前記被加工部品をパレットに搭載した状態で前記生産ラインシステムの搬送ラインにより搬送し、
前記搬送ラインにおけるある工程間で、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じた数の前記パレットを連結する、
ことを特徴とする生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法。
【請求項1】
被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、
前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、
前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の工程と、
前記搬送ラインのある工程間に配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部とを備え、
前記パレット連結・分離部では、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じて、前記パレットの連結数が設定可能である、
ことを特徴とする被加工品の生産ラインシステム。
【請求項2】
前記パレット連結・分離部の下流側に位置する工程は複数の区画に分割され、
該工程における前記搬送ラインは、各区画にそれぞれ配置された搬送装置にて構成され、
該各搬送装置は、被加工品の搬送方向へ所定の隙間を空けて配置され、
前記単体のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間より小さく、
前記パレット連結・分離部にて連結された複数のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間の2倍以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工品の生産ラインシステム。
【請求項3】
前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成されており、
搬送方向上流側に位置するパレットの前記前係合部と、搬送方向下流部に位置するパレットの前記後係合部とを係合させることで、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流部のパレットとが連結され、
前記前係合部と後係合部との係合部には、搬送方向上流側のパレットと搬送方向下流側のパレットとの間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合状態を保持する力が生じる、
ことを特徴とする請求項2に記載の被加工品の生産ラインシステム。
【請求項4】
複数の工程を備え、該工程にて被加工品に対する生産加工処理を施す生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法であって、
前記被加工部品をパレットに搭載した状態で前記生産ラインシステムの搬送ラインにより搬送し、
前記搬送ラインにおけるある工程間で、次工程における被加工品の生産加工処理内容に応じた数の前記パレットを連結する、
ことを特徴とする生産ラインシステムにおける被加工品の搬送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−204175(P2007−204175A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22129(P2006−22129)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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