生産計画システムの供給パス情報作成装置、方法およびプログラム
【課題】供給パス情報を作成する工数を低減する。
【解決手段】供給パス情報作成装置は、生産、調達の過程において生産計画システムで、製品の特殊仕様などにより使用しない、または使用できない品目の供給経路を供給不可情報として入力し、入力した供給不可の供給経路を供給不可パス情報とし、品目情報、部品表情報、および工程情報を含むマスタ情報をもとに作成した、各生産工程における各品目に対応付けた供給元工程と使用先工程との供給可能パス情報から供給不可パス情報を削除することで供給パス情報を作成する。
【解決手段】供給パス情報作成装置は、生産、調達の過程において生産計画システムで、製品の特殊仕様などにより使用しない、または使用できない品目の供給経路を供給不可情報として入力し、入力した供給不可の供給経路を供給不可パス情報とし、品目情報、部品表情報、および工程情報を含むマスタ情報をもとに作成した、各生産工程における各品目に対応付けた供給元工程と使用先工程との供給可能パス情報から供給不可パス情報を削除することで供給パス情報を作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業において製品、部材などを生産する際に用いられる生産計画システムにおける供給パス情報作成装置および供給パス情報の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生産計画システムは、特許文献1に記載されるように販売計画をもとに、生産する品目がいつ、どの工程でいくつ必要であるかという未来の生産計画と部材発注計画を立案するためのシステムである。
【0003】
生産計画システムには、「品目情報、部品表情報、工程情報、供給パス情報」というマスタ情報が必要であり、日々の生産管理で生じる品目の切り替えや工程の切り替えといった変更に合わせてマスタ情報を変更することで実際の生産現場に合った正しい生産計画が立案できる。これらのマスタ情報のうち、部品表情報、品目情報、工程情報は、現在、企業の中で一般的に導入されているERPなどの基幹システムが持つ情報から作成可能であるが、品目を供給する側の工程と使用する側の工程の供給経路を表す供給パス情報は、生産計画システム特有な情報であるため別途作成する必要がある。例えば、複数の工程で作ることができる品目があると、この供給経路は複数存在することになる。しかし、顧客が求める製品品質の要件から、特定顧客に出荷する製品は、その生産過程において、品質基準を満たす生産工程でだけしか生産できないということがあり、顧客単位、品目単位で供給経路を設定する必要がある。また、未来のある時点において製品を構成する品目を切り替える品目切替、品目を生産する工程を変更する工程切替を実施する。そのため、これらの切替情報を供給パス情報に反映させなければならない。さらに、生産計画立案において、供給パス情報を変更した際の生産計画への影響をシミュレーションするため、通常は経由しない供給パス情報を新たに定義する必要がある。
【0004】
また、供給パス情報は、部品表情報、品目情報、工程情報のそれぞれに関わるデータ項目を持つため、供給パス情報の追加、更新、削除に合わせてそれらの情報を変更し、供給パス情報と整合性を確保した情報にしなければ、生産計画システムで正しい生産計画を立案できない。例えば、未来のある時点において品目を別の品目に切り替えたり、また、生産する工程を別の工程に切り替えたりするような供給経路を設定する必要がある。部品表、品目情報、工程情報には存在しないデータ項目が存在すると供給パス情報と部品表情報、品目情報、工程情報のデータに不整合が発生する。この不整合があった場合は生産計画システムで正しい生産計画を立案することができない。そのため、品目切替・工程切替といった変更情報は、部品表・品目情報・工程情報と供給パス情報で整合性を確保して定義する必要がある。
【0005】
このように供給パス情報は、生産計画システム特有であり、整合性の確保が必要な情報である。供給パス情報を含むマスタ情報作成方法の例として特許文献2には、製造計画作成システムにおけるマスタ情報作成に関わる技術が開示されている。この技術は、日々の生産管理業務における変更内容を、マスタ情報自体を取得し、追加、更新、削除することでマスタ情報に反映しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−15881号公報
【特許文献2】特開2006−337491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の技術では以下に表す理由から、供給パス情報のデータ作成、データ変更にかかる工数が大きくなってしまう。
【0008】
一つは、供給パス情報は、生産計画システムで扱うすべての供給経路を定義する必要がある。生産計画システムの多くで扱う品目数は数万点と多く、工程も数百と多いため、供給パス情報のデータ規模は膨大になる。また、製品に関する特殊な顧客仕様のような生産計画システム特有な条件により、顧客注文毎、生産する品目毎に供給パス情報が異なるような設定をしなければならず、この供給パス情報は複雑なデータ構成になっている。そのため、供給パス情報のデータ作成にかかる工数が大きい。
【0009】
もう一つは、日々の生産管理業務において発生する品目切替、工程切替の条件を生産計画システムに反映させるために供給パス情報を追加、更新、削除する必要があるが、供給パス情報の変更は、前回作成したデータ規模の大きい供給パス情報をもとに、変更対象の検索、変更内容の追加、更新、削除をするため、データ修正にかかる工数が大きい。また、供給パス情報のデータ自体を追加、更新、削除するため、部品表情報、品目情報、工程情報との整合性を確保することが困難である。そのため、不整合が発生した場合にデータ修正の手戻り作業が発生する。そこで本発明は、供給パス情報のデータ作成、データ修正にかかる工数低減、手戻り作業防止の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の供給パス情報作成装置は、生産、調達の過程において生産計画システムで使用しない、品目の供給経路を供給不可情報として入力し、品目情報、部品表情報、および工程情報を含むマスタ情報をもとに作成した、各品目に対応付けた供給元工程と使用先工程との供給可能パス情報から、特殊な顧客仕様のような制約条件に基づいた供給不可情報のパス情報を削除することで供給パス情報を作成する。
【0011】
具体的には、供給パス情報作成装置は、親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続している。
【0012】
供給パス情報作成装置は、第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、第1の品目コードと第1の品目の第1の供給元工程コードと第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報をクライアント端末から入力する。
【0013】
供給パス情報作成装置は、第2の品目を親品目とする子品目の子品目コードを部品表から取得し、工程情報の第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得する。取得した子品目コードを第3の品目コードとする前程コードを工程情報から第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得する。第3の品目コードと取得した第2の供給元工程コードとした第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成する。
【0014】
供給パス情報作成装置は、さらに、生成した供給可能パス情報から、第1の品目コードと第1の供給元工程コードと第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報に一致するパス情報を削除し、パス情報を削除した供給可能パス情報を供給パス情報として取得する。
【0015】
望ましい他の態様の供給パス情報作成装置は、生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報をクライアント端末から入力し、第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した子品目コードを第3の品目コードとする工程コードが工程情報に複数ある場合、入力した階層情報を参照して、第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを第2の供給元工程コードとして取得する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、供給パス情報の作成にかかる工数が低減可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】供給パス情報作成装置の機能構成図である。
【図2】部品表情報の一例を示す図である。
【図3】品目情報の一例を示す図である。
【図4】工程情報の一例を示す図である。
【図5】階層情報の一例を示す図である。
【図6】階層情報の設定例である。
【図7】供給不可情報の一例を示す図である。
【図8】供給不可情報の設定例である。
【図9】供給可能パス情報の一例を示す図である。
【図10】供給不可パス情報の一例を示す図である。
【図11】供給パス情報の一例を示す図である。
【図12】供給パス情報作成装置の処理手順のフローチャートである。
【図13】パターン情報設定部の詳細フローチャートである。
【図14】供給可能パス情報作成部の詳細フローチャートである。
【図15】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図16】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図17】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図18】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図19】供給不可情報差引部23の詳細フローチャートである。
【図20】供給不可情報差引部23の処理の一例である。
【図21】パターン情報設定部の階層情報設定画面の一例である。
【図22】パターン情報設定部の供給不可情報設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以降、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(供給パス情報作成装置)
図1に、供給パス情報作成装置1を示す。供給パス情報作成装置1は、ネットワーク4を介して、生産計画システム2の汎用データベース3に対してアクセス可能である。供給パス情報作成装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、主記憶装置12、補助記憶装置13、通信装置14、入力装置15及び出力装置16を有する。これらはバスによって相互に接続されている。
【0020】
補助記憶装置13は、階層情報34及び供給不可情報35を格納するパターン情報記憶部、並びに、部品表31、品目情報32及び工程情報33を格納するマスタ情報記憶部を有し、さらに、供給可能パス情報36、供給不可パス情報37及び供給パス情報38を格納している。
【0021】
パターン情報設定部21、供給可能パス情報作成部22及び供給不可情報差引部23はプログラムである。以降、パターン情報設定部21、供給可能パス情報作成部22、供給不可情報差引部23と記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置13から各プログラムを、主記憶装置12にロードしたうえで、各プログラムの実行により、それらの機能を実現するものとする。
【0022】
パターン情報設定部21は、ユーザーがクライアント端末5から入力した階層情報34、供給不可情報35を取得し、補助記憶装置13の階層情報34、供給不可情報35として記憶させる。また、補助記憶装置13に格納してある階層情報34、供給不可情報35を取得し、取得したこれらの情報をネットワーク4を介してクライアント端末5に表示させる。
【0023】
供給可能パス情報作成部22は、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスして、部品表情報31、品目情報32及び工程情報33を取得し、補助記憶装置13に部品表情報31、品目情報32及び工程情報33として記憶させる。さらに、汎用データベース3から取得したこれら情報と、補助記憶装置13の階層情報34をもとに供給可能パス情報36を作成し、補助記憶装置13の供給可能パス情報36として記憶させる。
【0024】
供給不可情報差引部23は、補助記憶装置13に格納してある供給不可パス情報35、供給可能パス情報36を取得する。そして、取得したこれらの情報から供給不可パス情報37を作成し、補助記憶装置13に供給不可パス情報37として記憶させる。次に、供給可能パス情報36から供給不可パス情報37を差引くことで供給パス情報38を作成し、作成した供給パス情報38を補助記憶装置13の供給パス情報38として記憶させる。また、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスし、作成した供給パス情報38を汎用データベース3に記憶させる。
【0025】
図1では、供給パス情報作成装置1が1台存在する構成としたが、供給パス情報作成装置1は、複数の筐体に分かれた構成であってもよい。例えば、プログラムを格納する装置と、マスタ情報を記憶する装置は複数の装置に分散させて存在させてもよい。
【0026】
次に、供給パス情報作成装置1で用いるデータ項目について説明する。
【0027】
(部品表情報)
図2に沿って部品表情報(テーブル)31を説明する。部品表情報31は、品目と、その品目を生産するために必要な部材の構成を表すものであり、親品目コード欄101、子品目コード欄102及び員数欄103を設けている。親品目コード欄101は、生産計画システムで扱う製品、中間品の品目コードを記憶している。子品目コード欄102は、親品目コード欄101に記憶された親品目コードに関連付けて、親品目を生産するために必要な中間品または部材の品目コードを記憶している。員数コード欄103は、親品目コード欄101に記憶された親品目コードに関連付けて、親品目を生産するために必要となる中間品または部材の数量を記憶している。
【0028】
(品目情報)
図3に沿って品目情報(テーブル)32を説明する。品目情報32は、生産計画システム2で用いる品目に関する情報を表すものであり、品目コード欄111と品目名称欄112を設けている。品目コード欄111は、生産計画システム2で使用する製品、中間品及び部材の品目コードを記憶している。品目名称欄112は、品目コード欄111に記憶された品目コードに関連付けて、その品目の品目名称を記憶している。
【0029】
(工程情報)
図4に沿って工程情報(テーブル)33を説明する。工程情報33は、製品、中間品を生産する工程、または部品や部材の調達先に関する情報を表すものであり、品目コード欄121と供給元工程コード欄122を設けている。品目コード欄121は、生産計画システム2で使用する製品、中間品、部品、部材の品目コードを記憶している。供給元工程コード欄122は、品目コード欄121に記憶された品目コードに関連付けて、その品目を供給する工程または調達先の工程コードを記憶している。調達先にも工程コードを付して、調達先も供給元として扱えるようにしている。
【0030】
(階層情報)
図5に沿って階層情報(テーブル)34を説明する。階層情報34は、生産計画システム2で使用する工程が製品の生産過程において部材を供給する側の末端工程(供給する大元の工程、最上流の工程)から何番目の工程に該当するかを定義するものであり、工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134を設けている。工程コード欄131は、生産計画システム2で使用する工程の工程コードを記憶している。工程名称欄132は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、工程の名称を記憶している。工程区分欄133は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、その工程が品目を生産する製造工程、品目を格納する倉庫、品目を供給する取引先のどの区分に属するかを記憶している。階層情報欄134は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、その工程が製品の生産過程において部材を供給する側の末端工程から何番目の工程に該当するかの番号を記憶している。
【0031】
図6に沿って階層情報の設定例を説明する。供給経路例600は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程とその生産される流れを図化したものであり、左から右に流れる形で製品が生産される。例えば、601を見ると、工程X001は製造工程であり、子部品である品目B001と品目C003から品目A001の親品目が生産されることを意味している。また、この工程X001の品目A001が602の工程Y001の製品倉庫に移動することを意味している。そして、品目A001は、末端工程である工程コードZ001から順番にY003、X002、Y002、X001、Y001の工程順番で生産される。これを受け、各工程の階層情報はZ001からY003、X002、Y002、X001、Y001の順番に1、2、3、4、5、6と定義している。603は、供給経路例600を階層情報34として示したものである。
【0032】
(供給不可情報)
図7に沿って供給不可情報(テーブル)35を説明する。供給不可情報35は、生産、調達の過程において生産計画システム2の中で使用しない供給経路を表すものであり、生産する製品に関する顧客に依存する特殊仕様のような制約条件に基づいて、供給パス情報作成装置のユーザによって入力される。供給不可情報35は、品目コード欄141、供給元工程コード欄142、使用先工程コード欄143を設けている。品目コード欄141は品目コードを記憶している。供給元工程コード欄142は、品目コード欄141に記憶された品目コードに関連づけて、その品目を供給する側の工程として使用しない工程コードを記憶している。使用先工程コード欄143は、品目コード欄141に記憶された品目コードに関連付けて、その品目を使用する側の工程コードとして使用しない工程コードを記憶している。
【0033】
供給不可情報の設定例について図8をもとに説明する。供給経路例800は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程を示している。例えば、801では、工程Z001は取引先であり、品目C001と品目C003の子部品が納入されることを意味している。また、この工程Z001の品目C003が802の工程X001の製品工程に移動することを意味している。803は、801の品目コードC003の工程Z001から工程X001間の供給経路を生産計画システム2で使用しない供給経路とする場合に供給不可情報35として示したものである。
【0034】
(供給可能パス情報)
図9に沿って供給可能パス情報(テーブル)36を説明する。供給可能パス情報36は生産計画システム2で使用する品目がどのような工程を経由するかを表すものであり、部品表情報31、品目情報32、工程情報33及び階層情報34をもとに供給可能パス情報作成部22が作成し、品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を定義した情報である。供給可能パス情報36は、品目コード欄151、供給元工程コード欄152、使用先工程コード欄153を設けている。品目コード欄151は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄152は、品目コード欄151に関連付けて、その品目を供給する側の工程の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄153は、品目コード欄151に関連付けて、その品目を使用する側の工程の工程コードを記憶している。
【0035】
(供給不可パス情報)
図10に沿って供給不可パス情報(テーブル)37を説明する。供給不可パス情報37は生産、調達の過程において、製品に関する顧客に依存する特殊仕様のような制約条件により供給できない、または供給しない経路を表すものであり、供給不可情報35をもとに供給不可情報差引部23が作成し、品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を定義した情報である。供給不可パス情報37は、品目コード欄161、供給元工程コード欄162及び使用先工程コード欄163を設けている。品目コード欄161は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄162は、品目コード欄161に関連づけて、その品目を供給する側の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄163は、品目コード欄161に関連づけて、使用する側の工程コードを記憶している。
【0036】
(供給パス情報)
図11に沿って供給パス情報38(テーブル)を説明する。供給パス情報38は、生産計画システム2で扱うすべての品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を表すものであり、供給パス情報38は、品目コード欄171、供給元工程コード欄172及び使用先工程コード欄173を設けている。品目コード欄171は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄172は、品目コード欄171に関連づけて、その品目を供給する側の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄173は、品目コード欄171に関連付けて、使用する側の工程コードを記憶している。
【0037】
(処理手順)
図12に沿って、供給パス情報作成装置1の処理手順を説明する。供給パス情報作成装置1はパターン情報設定(S100)、供給可能パス情報作成(S200)、供給不可情報差引(S300)の順番で処理する。パターン情報設定(S100)は、図1のパターン情報設定部21で処理し、供給可能パス情報作成(S200)は図1の供給可能パス情報作成部22、供給不可情報差引(S300)は図1の供給不可情報差引部23で処理する。以下に各処理の詳細を説明する。
【0038】
(パターン情報設定部21(S100)の詳細処理手順)
図13に沿って、パターン情報設定部21の詳細処理手順を説明する。パターン情報設定部21は、S1001で、生産計画を立案するユーザーがクライアント端末5を通じて階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを確認し、階層情報34を新規に設定したり、既に格納されている情報を更新する必要があるかを判断する。S1001でユーザーが階層情報を新規に設定したり、既に格納されているデータを更新する必要があると判断した場合は、S1002、S1003、S1004の処理を実施し、S1001で、ユーザーが階層情報34を新規に設定したり既に格納されている情報を更新する必要がないと判断した場合はS1005の処理に遷移する。S1002は、補助記憶装置13の階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に表示する。S1003は、ユーザーがクライアント端末5を介して、階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを追加、更新、削除を実施する。S1004は、S1003で取得したクライアント端末5からの変更情報を取得し、補助記憶装置13の階層情報34に変更内容を記憶させる。
【0039】
次に、S1005で、供給パス情報作成装置1のユーザーがクライアント端末5に表示された供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを確認し、現状の供給不可情報35に対する追加、更新、削除の必要有無を判断する。S1005でユーザーが、製品の特殊仕様のような制約条件下で、供給不可情報35の追加、更新、削除が必要と判断した場合は、S1006、S1007、S1008の処理を実施し、S1005で、ユーザーが階層情報の追加、更新、削除が不要と判断した場合は終了処理に遷移する。S1006は、補助記憶装置13の供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に表示する。S1007は、ユーザーがクライアント端末5を介して、供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを追加、更新、削除を実施する。S1008は、S1007で取得したクライアント端末5からの変更情報を取得し、補助記憶装置13の供給不可情報35に変更内容を記憶させる。
【0040】
(供給可能パス情報作成部22(S200)の詳細処理手順)
図14に沿って、供給可能パス情報作成部22の詳細処理手順を説明する。S2001は、補助記憶装置13の工程情報33の品目コード欄121、工程コード欄122のデータを取得する。S2002は、S2001で取得した工程コード欄121のデータの中から階層情報34の工程コード欄131のデータに合致するものを検索し、合致した工程コードに関連する工程区分欄133、階層情報欄134のデータを取得する。S2003は、S2002で取得した工程区分が製造工程に該当するか、該当しないかを判定する。製造工程は部品表情報による品目の親子関係を持つため、製造工程では子部品と、それを供給する供給元工程との間の供給パス情報を作成する。また、製造工程以外では部品表による親子関係がないため、子部品ではなく親品目の供給パス情報を作成する。そのため、S2003の判定結果により処理が変わり、製造工程に該当する場合はS2004以降の処理、製造工程に該当しない場合はS2009以降の処理に遷移する。
【0041】
S2004は、S2001で取得した品目コード欄121のデータについて、部品表情報31の親品目コード欄101のデータを検索し、該当する親品目コード欄101のデータに関連する子品目コード欄102のデータを取得する。S2005は、S2004で取得した部品表情報31の子品目コード欄102のデータについて、工程情報33の品目コード欄121のデータを検索し、該当する品目コード欄121のデータに関連する供給元工程コード欄122のデータを取得する。S2006は、S2005で取得した工程情報33の工程コード欄122のデータについて、階層情報34の工程コード欄131のデータを検索し、合致する工程コード欄131のデータに関連する工程区分欄133、階層情報欄134のデータを取得する。S2007は、S2006で取得した工程情報欄133、階層情報欄134のデータの中から、階層情報欄134のデータとS2002で取得した階層情報欄134のデータを比較し、S2002で取得した階層情報欄134のデータより値が小さく、且つ、最も階層情報の値が大きいデータの工程コードを取得する。取得した工程コードを供給可能パス情報36の供給元工程欄152、S2004で取得した部品表情報31の子部品コード欄102を供給可能パス情報の品目コード欄151、S2001で取得した工程コード欄122を供給可能パス情報36の使用先工程コード欄153とする供給可能パス情報36のデータを作成する。S2008は、S2004で取得した部品表情報31の子品目コード欄102のデータすべてについて、S2005、S2006、S2007の処理が完了しているか判定し、完了していない場合はS2005に遷移し、完了している場合はS2012に遷移する。
【0042】
S2009は、S2001で取得した工程情報33の品目コード欄121のデータについて、工程情報33の品目コード欄121のデータを検索し、合致する品目コードに関連する供給元工程コード欄122のデータを取得する。S2011は、S2010で取得した工程コード欄122のデータについて、階層情報34の工程コード欄131のデータを検索し、該当する工程コード欄131のデータに関連する階層情報欄134のデータを取得する。取得した階層情報34の階層情報欄134のデータのうち、S2002で取得した階層情報より値が小さく、且つ、最も値が大きいレコードの工程コード欄131のデータを取得する。取得した工程コード欄131のデータを供給可能パス情報36の供給元工程コード欄152、S2001で取得した工程情報33の供給元工程コード欄122のデータを供給可能パス情報36使用先工程コード欄153、S2001で取得した工程情報33の品目コード欄121を供給可能パス情報36の品目コード欄151とする供給可能パス情報36のデータを作成する。S2012は、S2001で取得した工程情報33のすべての品目コード欄121のデータについて処理が完了しているか判定し、完了していない場合はS2002に遷移し、完了している場合はS2013に遷移する。S2013は、S2007とS2012で作成した供給可能パス情報36を補助記憶装置13の供給可能パス情報36に記憶させる。
【0043】
図15、図16、図17、図18に沿って供給可能パス情報作成部22のS200の処理例を説明する。図15は、このS200供給可能パス情報作成のS2001の例について表したものである。まず、1500は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程の例を示しており、以下、この例を用いて図15、図16、図17、図18を説明する。1501は供給経路例1500を工程情報33に基づいて記述したものである。S200供給可能パス情報作成の最初の処理であるS2001は、工程情報の中から対象とする品目・工程を取得するものであり、この例では品目コードA001、供給元工程コードX001という対象データを、1501工程情報の中から取得したイメージを示しており、上から2つめのレコード情報が取得される。この処理は同様にすべての品目で実施される。
【0044】
次に図16にて、S200供給可能パス情報作成のS2002の処理例を説明する。S2002は、階層情報34を検索し、該当品目・工程の工程区分、階層情報を取得する処理であり、この例ではS2001で取得した品目コードA001、供給元工程コードX001の工程コードから階層情報34の工程コードを検索し、合致するレコードの工程区分、階層情報を取得する。1601階層情報は、階層情報34を供給経路例1500に基づいて表した例であり、この例では、上から2つ目に該当する工程コードX001、工程区分として製造工程、階層情報として5を取得したイメージを示している。そして、次のS2003の処理にて、工程区分が製造工程であるかどうかの判定し。この例では、対象のデータの工程区分が製造工程のため、S2004の処理に遷移する。
【0045】
次に、図17にて、S200供給可能パス情報作成のS2004,S2005,S2006の処理例を説明する。まずS2004は、該当品目を部品表情報から検索し親品目に対応する子部品コードを取得する。図17の1701は部品表情報31の例を表したものであり、ここでの対象データに対して、親品目コードに持つデータを部品表情報31から検索するとともに、合致した情報にある子品目コードを取得する。ここでは、対象データである品目コードA001に対して、子品目コードB001とC003の2件のデータが取得されたイメージを示している。次にS2005は抽出した子品目の工程情報を取得する。この例では、2つの子品目コードB001とC003に対して、それぞれの子品目コードで工程情報の品目コードを検索し、合致するレコードの供給元工程コードを取得する。図に示したものは、この内の1つめの品目コードB001の供給元工程コードを取得した例を表しており、供給元工程コードであるY002、X002の2つを取得している。そして、次に2006は、子部品の品目コード・供給元工程コードの階層情報を取得する。1703は、階層情報34の例を示しており、ここから先に取得した供給元コードY002、X002の階層情報を取得する。ここでは、Y002の階層情報として4、X002の階層情報として3を取得する。
【0046】
次に、図18にて、S2007の処理例を説明する。S2007は、親品目の供給元工程の階層情報よりも値が小さく、且つ最も階層情報の値が大きい工程を取得する処理である。この例では、対象データのうち、親品目の供給元工程コードX001の階層情報である5より小さく、且つ、最も階層情報の値が大きい工程であるY002を取得している。さらに、取得した工程コードを供給可能パス情報の供給元工程コード、対象データの品目コード、供給元工程コードを供給可能パス情報の品目コード、使用先工程コードとする供給可能パス情報を作成する。1801は品目コードA001、供給元工程コードY002、使用先工程コードX001として供給可能パス情報を作成したイメージを示している。
【0047】
(供給不可情報差引部23(S300)の詳細処理手順)
図19に沿って、供給不可情報差引部23の詳細処理手順を説明する。S3001は、供給不可情報差引部23が補助記憶装置13の供給可能パス情報36を取得する。S3002は、供給不可情報差引部23が補助記憶装置13の供給不可パス情報37を取得する。S3003は、供給不可情報差引部23がS3001で取得した供給可能パス情報36と、S3002で取得した供給不可パス情報37を使用して、それぞれ合致するレコードの検索処理を行う。その結果、合致した場合はS3004に遷移し、存在しない場合はS3005に遷移する。S3004は、合致したレコードを供給可能パス情報36から削除する。S3005は、S3002で取得した供給不可パス情報37の全レコードについて、S3003以降の処理が完了したかを判定する。完了している場合はS3006に遷移し、完了していない場合はS3003に遷移する。S3006は、供給不可情報差引部23が、S3004で削除したデータを補助記憶装置13の供給不可パス情報37に記憶させる。また、S3004で供給可能パス情報36から供給不可情報37を削除した結果を補助記憶装置13の供給パス情報38に記憶させる。そして、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスし、汎用データベース3に供給パス情報38を記憶させる。
【0048】
図20に沿って供給不可情報差引部23のS300の処理例を説明する。S300は供給可能パス情報36の品目コード欄151と供給不可パス情報37の品目コード欄161、供給可能パス情報36の供給元工程コード欄152と供給不可パス情報37の供給元工程コード欄162、供給可能パス情報36の使用先工程コード153欄と供給不可パス情報37の使用先工程コード欄163について、それぞれ合致するレコードの検索処理を行う。S3001は、S200供給可能パス情報作成で作成した供給可能パス情報を取得する処理である。2001は供給可能パス情報の例を示しており、2002は供給不可パス情報の例を示している。S3003は供給可能パス情報と供給不可パス情報で合致するレコードを検索する処理であり、この例では、合致したレコードとして品目コードC003、供給元工程コードZ001、使用先工程コードY003を取得したイメージを示している。S3004は、供給可能パス情報と供給不可パス情報で合致したレコードを供給可能パス情報から削除し供給パス情報38を作成する処理であり、2003は、合致したレコードである品目コードC003、供給元工程コードZ001、使用先工程コードY003を削除し作成した供給パス情報38のイメージを示している。これらの処理を供給可能パス情報と供給不可情報で合致したレコードすべてについて実施する。
【0049】
図21に沿ってパターン情報設定部21の階層情報34設定処理を説明する。ユーザーはクライアント端末5の階層情報設定画面2100を用いて階層情報34の読込、登録を行う。ユーザーは始めに階層情報読込2105をマウス等を用いて選択することで補助記憶装置13の階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分133及び階層情報134を取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に工程コード欄2101、工程名称欄2102、工程区分欄2103及び階層情報2104を表示させる。ユーザーは、この表示された内容を確認し、階層情報34のメンテナンスの必要有無を判断する。メンテナンスの必要がある場合はキーボード等の入力装置15を用いて階層情報設定画面2100の工程コード欄2101、工程名称欄2101、工程区分欄2103及び階層情報2104の情報を変更したり新たに追加したりする。そして、ユーザーは階層情報登録2106をマウス等を用いて選択することでユーザーが変更した階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分133及び階層情報134を階層情報34に記憶させる。
【0050】
図22に沿ってパターン情報設定部21の供給不可情報35の設定処理を説明する。始めにユーザーはクライアント端末5に表示された供給不可情報設定画面2200の供給不可情報読込2204をマウス等を用いて選択することで、補助記憶装置13の供給不可パス情報37を供給不可情報35としてコピーし、ユーザーが階層情報読込2204を実行時にパターン情報設定部21は補助記憶装置13の、コピーした供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード143を取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に品目コード欄2201、供給元工程コード欄2202及び使用先工程コード欄2203を表示させる。また、ユーザーが階層情報更新2205を実行時に、パターン情報設定部21は、ユーザーが供給不可情報設定画面2200に入力した品目コード欄2201、供給元工程コード欄2201及び使用先工程コード欄2203を取得し、取得した情報を補助記憶装置13の供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143に記憶させると共に、供給不可情報35の内容を供給不可パス情報37にコピーする。。
【0051】
本実施形態によれば、供給不可情報を追加、更新、削除するだけで供給パス情報の作成、修正が可能になる。また、部品表情報、品目情報、工程情報との整合性を確保した供給可能パス情報から供給不可情報を差し引き、供給パス情報を作成することにより、供給パス情報と部品表情報、品目情報、工程情報との不整合が発生しない。これらにより、供給パス情報の作成、修正にかかる工数が低減可能になる。
【0052】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1:供給パス情報作成装置、2:生産計画システム、3:汎用データベース、4:ネットワーク、5:クライアント端末、11:中央制御装置(制御部)、12:主記憶装置(記憶部)、13:補助記憶装置(記憶部)、14:通信装置、15:入力装置、16:出力装置、21:パターン情報設定部、22:供給可能パス情報作成部、23:供給不可情報差引部、31:部品表情報、32:品目情報、33:工程情報、34:階層情報、35:供給不可情報、36:供給可能パス情報、37:供給不可パス情報、38:供給パス情報。
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業において製品、部材などを生産する際に用いられる生産計画システムにおける供給パス情報作成装置および供給パス情報の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生産計画システムは、特許文献1に記載されるように販売計画をもとに、生産する品目がいつ、どの工程でいくつ必要であるかという未来の生産計画と部材発注計画を立案するためのシステムである。
【0003】
生産計画システムには、「品目情報、部品表情報、工程情報、供給パス情報」というマスタ情報が必要であり、日々の生産管理で生じる品目の切り替えや工程の切り替えといった変更に合わせてマスタ情報を変更することで実際の生産現場に合った正しい生産計画が立案できる。これらのマスタ情報のうち、部品表情報、品目情報、工程情報は、現在、企業の中で一般的に導入されているERPなどの基幹システムが持つ情報から作成可能であるが、品目を供給する側の工程と使用する側の工程の供給経路を表す供給パス情報は、生産計画システム特有な情報であるため別途作成する必要がある。例えば、複数の工程で作ることができる品目があると、この供給経路は複数存在することになる。しかし、顧客が求める製品品質の要件から、特定顧客に出荷する製品は、その生産過程において、品質基準を満たす生産工程でだけしか生産できないということがあり、顧客単位、品目単位で供給経路を設定する必要がある。また、未来のある時点において製品を構成する品目を切り替える品目切替、品目を生産する工程を変更する工程切替を実施する。そのため、これらの切替情報を供給パス情報に反映させなければならない。さらに、生産計画立案において、供給パス情報を変更した際の生産計画への影響をシミュレーションするため、通常は経由しない供給パス情報を新たに定義する必要がある。
【0004】
また、供給パス情報は、部品表情報、品目情報、工程情報のそれぞれに関わるデータ項目を持つため、供給パス情報の追加、更新、削除に合わせてそれらの情報を変更し、供給パス情報と整合性を確保した情報にしなければ、生産計画システムで正しい生産計画を立案できない。例えば、未来のある時点において品目を別の品目に切り替えたり、また、生産する工程を別の工程に切り替えたりするような供給経路を設定する必要がある。部品表、品目情報、工程情報には存在しないデータ項目が存在すると供給パス情報と部品表情報、品目情報、工程情報のデータに不整合が発生する。この不整合があった場合は生産計画システムで正しい生産計画を立案することができない。そのため、品目切替・工程切替といった変更情報は、部品表・品目情報・工程情報と供給パス情報で整合性を確保して定義する必要がある。
【0005】
このように供給パス情報は、生産計画システム特有であり、整合性の確保が必要な情報である。供給パス情報を含むマスタ情報作成方法の例として特許文献2には、製造計画作成システムにおけるマスタ情報作成に関わる技術が開示されている。この技術は、日々の生産管理業務における変更内容を、マスタ情報自体を取得し、追加、更新、削除することでマスタ情報に反映しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−15881号公報
【特許文献2】特開2006−337491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の技術では以下に表す理由から、供給パス情報のデータ作成、データ変更にかかる工数が大きくなってしまう。
【0008】
一つは、供給パス情報は、生産計画システムで扱うすべての供給経路を定義する必要がある。生産計画システムの多くで扱う品目数は数万点と多く、工程も数百と多いため、供給パス情報のデータ規模は膨大になる。また、製品に関する特殊な顧客仕様のような生産計画システム特有な条件により、顧客注文毎、生産する品目毎に供給パス情報が異なるような設定をしなければならず、この供給パス情報は複雑なデータ構成になっている。そのため、供給パス情報のデータ作成にかかる工数が大きい。
【0009】
もう一つは、日々の生産管理業務において発生する品目切替、工程切替の条件を生産計画システムに反映させるために供給パス情報を追加、更新、削除する必要があるが、供給パス情報の変更は、前回作成したデータ規模の大きい供給パス情報をもとに、変更対象の検索、変更内容の追加、更新、削除をするため、データ修正にかかる工数が大きい。また、供給パス情報のデータ自体を追加、更新、削除するため、部品表情報、品目情報、工程情報との整合性を確保することが困難である。そのため、不整合が発生した場合にデータ修正の手戻り作業が発生する。そこで本発明は、供給パス情報のデータ作成、データ修正にかかる工数低減、手戻り作業防止の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の供給パス情報作成装置は、生産、調達の過程において生産計画システムで使用しない、品目の供給経路を供給不可情報として入力し、品目情報、部品表情報、および工程情報を含むマスタ情報をもとに作成した、各品目に対応付けた供給元工程と使用先工程との供給可能パス情報から、特殊な顧客仕様のような制約条件に基づいた供給不可情報のパス情報を削除することで供給パス情報を作成する。
【0011】
具体的には、供給パス情報作成装置は、親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続している。
【0012】
供給パス情報作成装置は、第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、第1の品目コードと第1の品目の第1の供給元工程コードと第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報をクライアント端末から入力する。
【0013】
供給パス情報作成装置は、第2の品目を親品目とする子品目の子品目コードを部品表から取得し、工程情報の第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得する。取得した子品目コードを第3の品目コードとする前程コードを工程情報から第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得する。第3の品目コードと取得した第2の供給元工程コードとした第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成する。
【0014】
供給パス情報作成装置は、さらに、生成した供給可能パス情報から、第1の品目コードと第1の供給元工程コードと第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報に一致するパス情報を削除し、パス情報を削除した供給可能パス情報を供給パス情報として取得する。
【0015】
望ましい他の態様の供給パス情報作成装置は、生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報をクライアント端末から入力し、第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した子品目コードを第3の品目コードとする工程コードが工程情報に複数ある場合、入力した階層情報を参照して、第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを第2の供給元工程コードとして取得する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、供給パス情報の作成にかかる工数が低減可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】供給パス情報作成装置の機能構成図である。
【図2】部品表情報の一例を示す図である。
【図3】品目情報の一例を示す図である。
【図4】工程情報の一例を示す図である。
【図5】階層情報の一例を示す図である。
【図6】階層情報の設定例である。
【図7】供給不可情報の一例を示す図である。
【図8】供給不可情報の設定例である。
【図9】供給可能パス情報の一例を示す図である。
【図10】供給不可パス情報の一例を示す図である。
【図11】供給パス情報の一例を示す図である。
【図12】供給パス情報作成装置の処理手順のフローチャートである。
【図13】パターン情報設定部の詳細フローチャートである。
【図14】供給可能パス情報作成部の詳細フローチャートである。
【図15】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図16】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図17】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図18】供給可能パス情報作成部の処理の一例である。
【図19】供給不可情報差引部23の詳細フローチャートである。
【図20】供給不可情報差引部23の処理の一例である。
【図21】パターン情報設定部の階層情報設定画面の一例である。
【図22】パターン情報設定部の供給不可情報設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以降、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(供給パス情報作成装置)
図1に、供給パス情報作成装置1を示す。供給パス情報作成装置1は、ネットワーク4を介して、生産計画システム2の汎用データベース3に対してアクセス可能である。供給パス情報作成装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、主記憶装置12、補助記憶装置13、通信装置14、入力装置15及び出力装置16を有する。これらはバスによって相互に接続されている。
【0020】
補助記憶装置13は、階層情報34及び供給不可情報35を格納するパターン情報記憶部、並びに、部品表31、品目情報32及び工程情報33を格納するマスタ情報記憶部を有し、さらに、供給可能パス情報36、供給不可パス情報37及び供給パス情報38を格納している。
【0021】
パターン情報設定部21、供給可能パス情報作成部22及び供給不可情報差引部23はプログラムである。以降、パターン情報設定部21、供給可能パス情報作成部22、供給不可情報差引部23と記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置13から各プログラムを、主記憶装置12にロードしたうえで、各プログラムの実行により、それらの機能を実現するものとする。
【0022】
パターン情報設定部21は、ユーザーがクライアント端末5から入力した階層情報34、供給不可情報35を取得し、補助記憶装置13の階層情報34、供給不可情報35として記憶させる。また、補助記憶装置13に格納してある階層情報34、供給不可情報35を取得し、取得したこれらの情報をネットワーク4を介してクライアント端末5に表示させる。
【0023】
供給可能パス情報作成部22は、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスして、部品表情報31、品目情報32及び工程情報33を取得し、補助記憶装置13に部品表情報31、品目情報32及び工程情報33として記憶させる。さらに、汎用データベース3から取得したこれら情報と、補助記憶装置13の階層情報34をもとに供給可能パス情報36を作成し、補助記憶装置13の供給可能パス情報36として記憶させる。
【0024】
供給不可情報差引部23は、補助記憶装置13に格納してある供給不可パス情報35、供給可能パス情報36を取得する。そして、取得したこれらの情報から供給不可パス情報37を作成し、補助記憶装置13に供給不可パス情報37として記憶させる。次に、供給可能パス情報36から供給不可パス情報37を差引くことで供給パス情報38を作成し、作成した供給パス情報38を補助記憶装置13の供給パス情報38として記憶させる。また、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスし、作成した供給パス情報38を汎用データベース3に記憶させる。
【0025】
図1では、供給パス情報作成装置1が1台存在する構成としたが、供給パス情報作成装置1は、複数の筐体に分かれた構成であってもよい。例えば、プログラムを格納する装置と、マスタ情報を記憶する装置は複数の装置に分散させて存在させてもよい。
【0026】
次に、供給パス情報作成装置1で用いるデータ項目について説明する。
【0027】
(部品表情報)
図2に沿って部品表情報(テーブル)31を説明する。部品表情報31は、品目と、その品目を生産するために必要な部材の構成を表すものであり、親品目コード欄101、子品目コード欄102及び員数欄103を設けている。親品目コード欄101は、生産計画システムで扱う製品、中間品の品目コードを記憶している。子品目コード欄102は、親品目コード欄101に記憶された親品目コードに関連付けて、親品目を生産するために必要な中間品または部材の品目コードを記憶している。員数コード欄103は、親品目コード欄101に記憶された親品目コードに関連付けて、親品目を生産するために必要となる中間品または部材の数量を記憶している。
【0028】
(品目情報)
図3に沿って品目情報(テーブル)32を説明する。品目情報32は、生産計画システム2で用いる品目に関する情報を表すものであり、品目コード欄111と品目名称欄112を設けている。品目コード欄111は、生産計画システム2で使用する製品、中間品及び部材の品目コードを記憶している。品目名称欄112は、品目コード欄111に記憶された品目コードに関連付けて、その品目の品目名称を記憶している。
【0029】
(工程情報)
図4に沿って工程情報(テーブル)33を説明する。工程情報33は、製品、中間品を生産する工程、または部品や部材の調達先に関する情報を表すものであり、品目コード欄121と供給元工程コード欄122を設けている。品目コード欄121は、生産計画システム2で使用する製品、中間品、部品、部材の品目コードを記憶している。供給元工程コード欄122は、品目コード欄121に記憶された品目コードに関連付けて、その品目を供給する工程または調達先の工程コードを記憶している。調達先にも工程コードを付して、調達先も供給元として扱えるようにしている。
【0030】
(階層情報)
図5に沿って階層情報(テーブル)34を説明する。階層情報34は、生産計画システム2で使用する工程が製品の生産過程において部材を供給する側の末端工程(供給する大元の工程、最上流の工程)から何番目の工程に該当するかを定義するものであり、工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134を設けている。工程コード欄131は、生産計画システム2で使用する工程の工程コードを記憶している。工程名称欄132は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、工程の名称を記憶している。工程区分欄133は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、その工程が品目を生産する製造工程、品目を格納する倉庫、品目を供給する取引先のどの区分に属するかを記憶している。階層情報欄134は、工程コード欄131に記憶された工程コードに関連付けて、その工程が製品の生産過程において部材を供給する側の末端工程から何番目の工程に該当するかの番号を記憶している。
【0031】
図6に沿って階層情報の設定例を説明する。供給経路例600は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程とその生産される流れを図化したものであり、左から右に流れる形で製品が生産される。例えば、601を見ると、工程X001は製造工程であり、子部品である品目B001と品目C003から品目A001の親品目が生産されることを意味している。また、この工程X001の品目A001が602の工程Y001の製品倉庫に移動することを意味している。そして、品目A001は、末端工程である工程コードZ001から順番にY003、X002、Y002、X001、Y001の工程順番で生産される。これを受け、各工程の階層情報はZ001からY003、X002、Y002、X001、Y001の順番に1、2、3、4、5、6と定義している。603は、供給経路例600を階層情報34として示したものである。
【0032】
(供給不可情報)
図7に沿って供給不可情報(テーブル)35を説明する。供給不可情報35は、生産、調達の過程において生産計画システム2の中で使用しない供給経路を表すものであり、生産する製品に関する顧客に依存する特殊仕様のような制約条件に基づいて、供給パス情報作成装置のユーザによって入力される。供給不可情報35は、品目コード欄141、供給元工程コード欄142、使用先工程コード欄143を設けている。品目コード欄141は品目コードを記憶している。供給元工程コード欄142は、品目コード欄141に記憶された品目コードに関連づけて、その品目を供給する側の工程として使用しない工程コードを記憶している。使用先工程コード欄143は、品目コード欄141に記憶された品目コードに関連付けて、その品目を使用する側の工程コードとして使用しない工程コードを記憶している。
【0033】
供給不可情報の設定例について図8をもとに説明する。供給経路例800は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程を示している。例えば、801では、工程Z001は取引先であり、品目C001と品目C003の子部品が納入されることを意味している。また、この工程Z001の品目C003が802の工程X001の製品工程に移動することを意味している。803は、801の品目コードC003の工程Z001から工程X001間の供給経路を生産計画システム2で使用しない供給経路とする場合に供給不可情報35として示したものである。
【0034】
(供給可能パス情報)
図9に沿って供給可能パス情報(テーブル)36を説明する。供給可能パス情報36は生産計画システム2で使用する品目がどのような工程を経由するかを表すものであり、部品表情報31、品目情報32、工程情報33及び階層情報34をもとに供給可能パス情報作成部22が作成し、品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を定義した情報である。供給可能パス情報36は、品目コード欄151、供給元工程コード欄152、使用先工程コード欄153を設けている。品目コード欄151は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄152は、品目コード欄151に関連付けて、その品目を供給する側の工程の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄153は、品目コード欄151に関連付けて、その品目を使用する側の工程の工程コードを記憶している。
【0035】
(供給不可パス情報)
図10に沿って供給不可パス情報(テーブル)37を説明する。供給不可パス情報37は生産、調達の過程において、製品に関する顧客に依存する特殊仕様のような制約条件により供給できない、または供給しない経路を表すものであり、供給不可情報35をもとに供給不可情報差引部23が作成し、品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を定義した情報である。供給不可パス情報37は、品目コード欄161、供給元工程コード欄162及び使用先工程コード欄163を設けている。品目コード欄161は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄162は、品目コード欄161に関連づけて、その品目を供給する側の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄163は、品目コード欄161に関連づけて、使用する側の工程コードを記憶している。
【0036】
(供給パス情報)
図11に沿って供給パス情報38(テーブル)を説明する。供給パス情報38は、生産計画システム2で扱うすべての品目と、その品目を供給する側の工程である供給元工程と、使用する側の工程である使用先工程のつながりである供給経路を表すものであり、供給パス情報38は、品目コード欄171、供給元工程コード欄172及び使用先工程コード欄173を設けている。品目コード欄171は、品目コードを記憶している。供給元工程コード欄172は、品目コード欄171に関連づけて、その品目を供給する側の工程コードを記憶している。使用先工程コード欄173は、品目コード欄171に関連付けて、使用する側の工程コードを記憶している。
【0037】
(処理手順)
図12に沿って、供給パス情報作成装置1の処理手順を説明する。供給パス情報作成装置1はパターン情報設定(S100)、供給可能パス情報作成(S200)、供給不可情報差引(S300)の順番で処理する。パターン情報設定(S100)は、図1のパターン情報設定部21で処理し、供給可能パス情報作成(S200)は図1の供給可能パス情報作成部22、供給不可情報差引(S300)は図1の供給不可情報差引部23で処理する。以下に各処理の詳細を説明する。
【0038】
(パターン情報設定部21(S100)の詳細処理手順)
図13に沿って、パターン情報設定部21の詳細処理手順を説明する。パターン情報設定部21は、S1001で、生産計画を立案するユーザーがクライアント端末5を通じて階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを確認し、階層情報34を新規に設定したり、既に格納されている情報を更新する必要があるかを判断する。S1001でユーザーが階層情報を新規に設定したり、既に格納されているデータを更新する必要があると判断した場合は、S1002、S1003、S1004の処理を実施し、S1001で、ユーザーが階層情報34を新規に設定したり既に格納されている情報を更新する必要がないと判断した場合はS1005の処理に遷移する。S1002は、補助記憶装置13の階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に表示する。S1003は、ユーザーがクライアント端末5を介して、階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分欄133及び階層情報欄134のデータを追加、更新、削除を実施する。S1004は、S1003で取得したクライアント端末5からの変更情報を取得し、補助記憶装置13の階層情報34に変更内容を記憶させる。
【0039】
次に、S1005で、供給パス情報作成装置1のユーザーがクライアント端末5に表示された供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを確認し、現状の供給不可情報35に対する追加、更新、削除の必要有無を判断する。S1005でユーザーが、製品の特殊仕様のような制約条件下で、供給不可情報35の追加、更新、削除が必要と判断した場合は、S1006、S1007、S1008の処理を実施し、S1005で、ユーザーが階層情報の追加、更新、削除が不要と判断した場合は終了処理に遷移する。S1006は、補助記憶装置13の供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に表示する。S1007は、ユーザーがクライアント端末5を介して、供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143のデータを追加、更新、削除を実施する。S1008は、S1007で取得したクライアント端末5からの変更情報を取得し、補助記憶装置13の供給不可情報35に変更内容を記憶させる。
【0040】
(供給可能パス情報作成部22(S200)の詳細処理手順)
図14に沿って、供給可能パス情報作成部22の詳細処理手順を説明する。S2001は、補助記憶装置13の工程情報33の品目コード欄121、工程コード欄122のデータを取得する。S2002は、S2001で取得した工程コード欄121のデータの中から階層情報34の工程コード欄131のデータに合致するものを検索し、合致した工程コードに関連する工程区分欄133、階層情報欄134のデータを取得する。S2003は、S2002で取得した工程区分が製造工程に該当するか、該当しないかを判定する。製造工程は部品表情報による品目の親子関係を持つため、製造工程では子部品と、それを供給する供給元工程との間の供給パス情報を作成する。また、製造工程以外では部品表による親子関係がないため、子部品ではなく親品目の供給パス情報を作成する。そのため、S2003の判定結果により処理が変わり、製造工程に該当する場合はS2004以降の処理、製造工程に該当しない場合はS2009以降の処理に遷移する。
【0041】
S2004は、S2001で取得した品目コード欄121のデータについて、部品表情報31の親品目コード欄101のデータを検索し、該当する親品目コード欄101のデータに関連する子品目コード欄102のデータを取得する。S2005は、S2004で取得した部品表情報31の子品目コード欄102のデータについて、工程情報33の品目コード欄121のデータを検索し、該当する品目コード欄121のデータに関連する供給元工程コード欄122のデータを取得する。S2006は、S2005で取得した工程情報33の工程コード欄122のデータについて、階層情報34の工程コード欄131のデータを検索し、合致する工程コード欄131のデータに関連する工程区分欄133、階層情報欄134のデータを取得する。S2007は、S2006で取得した工程情報欄133、階層情報欄134のデータの中から、階層情報欄134のデータとS2002で取得した階層情報欄134のデータを比較し、S2002で取得した階層情報欄134のデータより値が小さく、且つ、最も階層情報の値が大きいデータの工程コードを取得する。取得した工程コードを供給可能パス情報36の供給元工程欄152、S2004で取得した部品表情報31の子部品コード欄102を供給可能パス情報の品目コード欄151、S2001で取得した工程コード欄122を供給可能パス情報36の使用先工程コード欄153とする供給可能パス情報36のデータを作成する。S2008は、S2004で取得した部品表情報31の子品目コード欄102のデータすべてについて、S2005、S2006、S2007の処理が完了しているか判定し、完了していない場合はS2005に遷移し、完了している場合はS2012に遷移する。
【0042】
S2009は、S2001で取得した工程情報33の品目コード欄121のデータについて、工程情報33の品目コード欄121のデータを検索し、合致する品目コードに関連する供給元工程コード欄122のデータを取得する。S2011は、S2010で取得した工程コード欄122のデータについて、階層情報34の工程コード欄131のデータを検索し、該当する工程コード欄131のデータに関連する階層情報欄134のデータを取得する。取得した階層情報34の階層情報欄134のデータのうち、S2002で取得した階層情報より値が小さく、且つ、最も値が大きいレコードの工程コード欄131のデータを取得する。取得した工程コード欄131のデータを供給可能パス情報36の供給元工程コード欄152、S2001で取得した工程情報33の供給元工程コード欄122のデータを供給可能パス情報36使用先工程コード欄153、S2001で取得した工程情報33の品目コード欄121を供給可能パス情報36の品目コード欄151とする供給可能パス情報36のデータを作成する。S2012は、S2001で取得した工程情報33のすべての品目コード欄121のデータについて処理が完了しているか判定し、完了していない場合はS2002に遷移し、完了している場合はS2013に遷移する。S2013は、S2007とS2012で作成した供給可能パス情報36を補助記憶装置13の供給可能パス情報36に記憶させる。
【0043】
図15、図16、図17、図18に沿って供給可能パス情報作成部22のS200の処理例を説明する。図15は、このS200供給可能パス情報作成のS2001の例について表したものである。まず、1500は、品目A001という製品を生産するために必要な品目と、その品目を生産するために必要な工程の例を示しており、以下、この例を用いて図15、図16、図17、図18を説明する。1501は供給経路例1500を工程情報33に基づいて記述したものである。S200供給可能パス情報作成の最初の処理であるS2001は、工程情報の中から対象とする品目・工程を取得するものであり、この例では品目コードA001、供給元工程コードX001という対象データを、1501工程情報の中から取得したイメージを示しており、上から2つめのレコード情報が取得される。この処理は同様にすべての品目で実施される。
【0044】
次に図16にて、S200供給可能パス情報作成のS2002の処理例を説明する。S2002は、階層情報34を検索し、該当品目・工程の工程区分、階層情報を取得する処理であり、この例ではS2001で取得した品目コードA001、供給元工程コードX001の工程コードから階層情報34の工程コードを検索し、合致するレコードの工程区分、階層情報を取得する。1601階層情報は、階層情報34を供給経路例1500に基づいて表した例であり、この例では、上から2つ目に該当する工程コードX001、工程区分として製造工程、階層情報として5を取得したイメージを示している。そして、次のS2003の処理にて、工程区分が製造工程であるかどうかの判定し。この例では、対象のデータの工程区分が製造工程のため、S2004の処理に遷移する。
【0045】
次に、図17にて、S200供給可能パス情報作成のS2004,S2005,S2006の処理例を説明する。まずS2004は、該当品目を部品表情報から検索し親品目に対応する子部品コードを取得する。図17の1701は部品表情報31の例を表したものであり、ここでの対象データに対して、親品目コードに持つデータを部品表情報31から検索するとともに、合致した情報にある子品目コードを取得する。ここでは、対象データである品目コードA001に対して、子品目コードB001とC003の2件のデータが取得されたイメージを示している。次にS2005は抽出した子品目の工程情報を取得する。この例では、2つの子品目コードB001とC003に対して、それぞれの子品目コードで工程情報の品目コードを検索し、合致するレコードの供給元工程コードを取得する。図に示したものは、この内の1つめの品目コードB001の供給元工程コードを取得した例を表しており、供給元工程コードであるY002、X002の2つを取得している。そして、次に2006は、子部品の品目コード・供給元工程コードの階層情報を取得する。1703は、階層情報34の例を示しており、ここから先に取得した供給元コードY002、X002の階層情報を取得する。ここでは、Y002の階層情報として4、X002の階層情報として3を取得する。
【0046】
次に、図18にて、S2007の処理例を説明する。S2007は、親品目の供給元工程の階層情報よりも値が小さく、且つ最も階層情報の値が大きい工程を取得する処理である。この例では、対象データのうち、親品目の供給元工程コードX001の階層情報である5より小さく、且つ、最も階層情報の値が大きい工程であるY002を取得している。さらに、取得した工程コードを供給可能パス情報の供給元工程コード、対象データの品目コード、供給元工程コードを供給可能パス情報の品目コード、使用先工程コードとする供給可能パス情報を作成する。1801は品目コードA001、供給元工程コードY002、使用先工程コードX001として供給可能パス情報を作成したイメージを示している。
【0047】
(供給不可情報差引部23(S300)の詳細処理手順)
図19に沿って、供給不可情報差引部23の詳細処理手順を説明する。S3001は、供給不可情報差引部23が補助記憶装置13の供給可能パス情報36を取得する。S3002は、供給不可情報差引部23が補助記憶装置13の供給不可パス情報37を取得する。S3003は、供給不可情報差引部23がS3001で取得した供給可能パス情報36と、S3002で取得した供給不可パス情報37を使用して、それぞれ合致するレコードの検索処理を行う。その結果、合致した場合はS3004に遷移し、存在しない場合はS3005に遷移する。S3004は、合致したレコードを供給可能パス情報36から削除する。S3005は、S3002で取得した供給不可パス情報37の全レコードについて、S3003以降の処理が完了したかを判定する。完了している場合はS3006に遷移し、完了していない場合はS3003に遷移する。S3006は、供給不可情報差引部23が、S3004で削除したデータを補助記憶装置13の供給不可パス情報37に記憶させる。また、S3004で供給可能パス情報36から供給不可情報37を削除した結果を補助記憶装置13の供給パス情報38に記憶させる。そして、ネットワーク4を介して生産計画システム2の汎用データベース3にアクセスし、汎用データベース3に供給パス情報38を記憶させる。
【0048】
図20に沿って供給不可情報差引部23のS300の処理例を説明する。S300は供給可能パス情報36の品目コード欄151と供給不可パス情報37の品目コード欄161、供給可能パス情報36の供給元工程コード欄152と供給不可パス情報37の供給元工程コード欄162、供給可能パス情報36の使用先工程コード153欄と供給不可パス情報37の使用先工程コード欄163について、それぞれ合致するレコードの検索処理を行う。S3001は、S200供給可能パス情報作成で作成した供給可能パス情報を取得する処理である。2001は供給可能パス情報の例を示しており、2002は供給不可パス情報の例を示している。S3003は供給可能パス情報と供給不可パス情報で合致するレコードを検索する処理であり、この例では、合致したレコードとして品目コードC003、供給元工程コードZ001、使用先工程コードY003を取得したイメージを示している。S3004は、供給可能パス情報と供給不可パス情報で合致したレコードを供給可能パス情報から削除し供給パス情報38を作成する処理であり、2003は、合致したレコードである品目コードC003、供給元工程コードZ001、使用先工程コードY003を削除し作成した供給パス情報38のイメージを示している。これらの処理を供給可能パス情報と供給不可情報で合致したレコードすべてについて実施する。
【0049】
図21に沿ってパターン情報設定部21の階層情報34設定処理を説明する。ユーザーはクライアント端末5の階層情報設定画面2100を用いて階層情報34の読込、登録を行う。ユーザーは始めに階層情報読込2105をマウス等を用いて選択することで補助記憶装置13の階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分133及び階層情報134を取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に工程コード欄2101、工程名称欄2102、工程区分欄2103及び階層情報2104を表示させる。ユーザーは、この表示された内容を確認し、階層情報34のメンテナンスの必要有無を判断する。メンテナンスの必要がある場合はキーボード等の入力装置15を用いて階層情報設定画面2100の工程コード欄2101、工程名称欄2101、工程区分欄2103及び階層情報2104の情報を変更したり新たに追加したりする。そして、ユーザーは階層情報登録2106をマウス等を用いて選択することでユーザーが変更した階層情報34の工程コード欄131、工程名称欄132、工程区分133及び階層情報134を階層情報34に記憶させる。
【0050】
図22に沿ってパターン情報設定部21の供給不可情報35の設定処理を説明する。始めにユーザーはクライアント端末5に表示された供給不可情報設定画面2200の供給不可情報読込2204をマウス等を用いて選択することで、補助記憶装置13の供給不可パス情報37を供給不可情報35としてコピーし、ユーザーが階層情報読込2204を実行時にパターン情報設定部21は補助記憶装置13の、コピーした供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード143を取得し、出力装置16を介してクライアント端末5に品目コード欄2201、供給元工程コード欄2202及び使用先工程コード欄2203を表示させる。また、ユーザーが階層情報更新2205を実行時に、パターン情報設定部21は、ユーザーが供給不可情報設定画面2200に入力した品目コード欄2201、供給元工程コード欄2201及び使用先工程コード欄2203を取得し、取得した情報を補助記憶装置13の供給不可情報35の品目コード欄141、供給元工程コード欄142及び使用先工程コード欄143に記憶させると共に、供給不可情報35の内容を供給不可パス情報37にコピーする。。
【0051】
本実施形態によれば、供給不可情報を追加、更新、削除するだけで供給パス情報の作成、修正が可能になる。また、部品表情報、品目情報、工程情報との整合性を確保した供給可能パス情報から供給不可情報を差し引き、供給パス情報を作成することにより、供給パス情報と部品表情報、品目情報、工程情報との不整合が発生しない。これらにより、供給パス情報の作成、修正にかかる工数が低減可能になる。
【0052】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1:供給パス情報作成装置、2:生産計画システム、3:汎用データベース、4:ネットワーク、5:クライアント端末、11:中央制御装置(制御部)、12:主記憶装置(記憶部)、13:補助記憶装置(記憶部)、14:通信装置、15:入力装置、16:出力装置、21:パターン情報設定部、22:供給可能パス情報作成部、23:供給不可情報差引部、31:部品表情報、32:品目情報、33:工程情報、34:階層情報、35:供給不可情報、36:供給可能パス情報、37:供給不可パス情報、38:供給パス情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置であって、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力する手段、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得する手段、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得する手段、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得する手段、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成する手段、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除する手段、及び、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得する手段を設けることを特徴とする供給パス情報作成装置。
【請求項2】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力する手段を設け、
前記第2の供給元工程コードを取得する手段は、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得することを特徴とする請求項1記載の供給パス情報作成装置。
【請求項3】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置における供給パス情報作成方法であって、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力し、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得し、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得し、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得し、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成し、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除し、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得することを特徴とする供給パス情報作成方法。
【請求項4】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力し、
前記第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得することを特徴とする請求項3記載の供給パス情報作成方法。
【請求項5】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置に、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力し、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得し、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得し、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得し、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成し、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除し、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得する手順を実行させるための供給パス情報作成プログラム。
【請求項6】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力する手順を実行させ、
前記第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得させる手順を実行させるための供給パス情報作成プログラム。
【請求項1】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置であって、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力する手段、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得する手段、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得する手段、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得する手段、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成する手段、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除する手段、及び、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得する手段を設けることを特徴とする供給パス情報作成装置。
【請求項2】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力する手段を設け、
前記第2の供給元工程コードを取得する手段は、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得することを特徴とする請求項1記載の供給パス情報作成装置。
【請求項3】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置における供給パス情報作成方法であって、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力し、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得し、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得し、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得し、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成し、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除し、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得することを特徴とする供給パス情報作成方法。
【請求項4】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力し、
前記第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得することを特徴とする請求項3記載の供給パス情報作成方法。
【請求項5】
親品目の親品目コードと前記親品目を生産するために必要な子品目の子品目コードとを対応付けて格納する部品表、及び、各品目について品目の品目コードと前記品目を供給する工程の工程コードとを対応付けて格納する工程情報を含むデータベースを有する生産計画システム、並びに、クライアント端末と接続する供給パス情報作成装置に、
第1の品目コードの第1の品目の第1の供給元工程から第1の使用先工程への供給不可を示す、前記第1の品目コードと前記第1の品目の第1の供給元工程コードと前記第1の品目の第1の使用先工程コードとを対応付けた供給不可情報を前記クライアント端末から入力し、
第2の品目を親品目とする子品目の前記子品目コードを前記部品表から取得し、
前記工程情報の前記第2の品目に対応する第2の工程コードを、取得した前記子品目コードに対応する第3の品目の第2の使用先工程コードとして取得し、
取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードを前記工程情報から前記第3の品目の第2の供給元工程コードとして取得し、
前記第3の品目コードと取得した前記第2の供給元工程コードと取得した前記第2の使用先工程コードとを対応付けたパス情報を供給可能パス情報として生成し、
生成した前記供給可能パス情報から、前記第1の品目コードと前記第1の供給元工程コードと前記第1の使用先工程コードとを対応付けた前記供給不可情報に一致する前記パス情報を削除し、
前記パス情報を削除した前記供給可能パス情報を供給パス情報として取得する手順を実行させるための供給パス情報作成プログラム。
【請求項6】
さらに、前記生産計画システムの対象の一連の工程の各工程に関して、前記一連の工程の最上流からの工程の順番を示す階層情報を前記クライアント端末から入力する手順を実行させ、
前記第2の供給元工程コードを取得するとき、取得した前記子品目コードを第3の品目コードとする前記工程コードが前記工程情報に複数ある場合、入力した前記階層情報を参照して、前記第2の使用先工程コードが示す工程の上流であって、該工程に最も近い工程を示す工程コードを前記第2の供給元工程コードとして取得させる手順を実行させるための供給パス情報作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−14347(P2012−14347A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149239(P2010−149239)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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