説明

用紙搬送装置

【課題】単葉の用紙の搬送経路においてターンガイドの湾曲面の曲率半径を調整することにより、用紙を円滑に反転させることが可能な用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】ターンガイド730の各ガイドリブ731、732の反転移送面733、734が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状をなし、同じ曲率半径のものをガイドリブ群736、738として連結し、各ガイドリブ群736、738を第1搬送面と第2搬送面に接続して用紙をガイド可能な作用位置と、第1搬送面と第2搬送面から離間して用紙をガイド不可能な退避位置とにわたって移動可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用紙搬送装置に関し、印刷装置等における用紙の搬送経路途中において用紙の搬送方向を方向転換する際に用紙を反転させる技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、例えば特許文献1に示すものがある。これは、用紙が積載される給紙トレイと、この給紙トレイに積載された用紙を1枚ずつ送り出す送出部と、この送出部によって給紙トレイから送り出された用紙の搬送方向を変えるターンガイドと、このターンガイド上において用紙の搬送方向に沿って長く形成された複数のリブを備え、給紙トレイに積載された用紙を1枚ずつ送り出し、ターンガイドのリブによって、用紙の搬送方向を変える給紙装置である。
【0003】
特許文献2のものは、記録媒体を湾曲するように案内する給紙搬送ガイドと、給紙搬送ガイドの湾曲開始位置の近傍に配置した第1搬送ローラと、第1搬送ローラを通過した記録媒体が湾曲しながら反転し始める反転開始位置の近傍に配置した第2搬送ローラを備え、第1搬送ローラと第2搬送ローラにより搬送する用紙が給紙搬送ガイドで反転するものである。
【0004】
特許文献3のものは、記録部に被記録材を搬送する搬送ローラと、搬送ローラに圧接して従動回動する搬送従動ローラと、搬送ローラおよび搬送従動ローラに被記録材を給送する給紙ローラと、被記録材を給紙ローラの外周に沿って湾曲反転させて給送する側面視略U字型の給送経路と、給紙ローラの外周面から離間し、被記録材と接触して被記録材を案内するガイド部材を備え、ガイド部材のガイド面に被記録材の給送に従って従動回動する複数のガイド・ローラを設けた給紙装置である。
【0005】
特許文献4のものは、ロール紙を挟持して搬送する挟圧ローラと、挟圧ローラの下流側近傍に位置するガイド部材を備え、ガイド部材はロール紙の巻き癖傾向と反対側に湾曲するように形成された案内面を有し、案内面がロール紙の非印刷面側と接触するロール紙の巻き癖矯正装置である。
【0006】
特許文献5のものは、記録媒体を搬送ローラによって画像形成位置へ搬送する搬送経路と、画像形成後の記録媒体を排出する排出経路を備え、前記搬送ローラの駆動量を監視して記録媒体の搬送量を制御し、記録媒体の搬送ローラに対する巻き付け角度と記録媒体の厚みに基づいて搬送ローラの駆動量を補正する画像形成装置である。
【0007】
特許文献6のものは、記録媒体に画像を記録する記録手段と、マルチサイズの記録媒体を収納する収納手段と、収納した記録媒体を分離して給紙する分離手段と、給紙した記録媒体を反転させる反転手段を有し、反転手段のガイド部に複数列のローラを配置し、かつ、ガイド部に摺動部材を配置し、かつ、摺動部材はローラよりも高さを低く配置してなり、厚紙等のコシが強い記録媒体を反転させて給紙する記録装置である。
【特許文献1】特開平10−95550号公報
【特許文献2】特開2000−95382号公報
【特許文献3】特開2001−233497号公報
【特許文献4】特開2002−302316号公報
【特許文献5】特開2006−27799号公報
【特許文献6】特開2007−145539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した従来の構成では、用紙の搬送もしくは反転に際して、用紙をローラ間に挟み込んで(ニップ)搬送しており、用紙の印刷面にローラが直接に当接する。このため、孔版印刷機やインクジェット印刷機に従来の構成の用紙搬送装置を適用すると、印刷面に汚れが発生する。
【0009】
ところで、用紙を搬送ベルト上に吸着する構成において、搬送ベルト自体によって曲線的な反転軌道を形成することはできない。このため、用紙搬送方向の前後に、直線的な搬送軌道を形成する搬送ベルトを備えた搬送装置の一対を連続配置し、搬送装置の間に用紙を反転させるための曲面を形成したターンガイドを配置し、反転時にはターンガイドの曲面に沿って用紙を湾曲させる。
【0010】
しかしながら、ターンガイドに吸着機能を設けることは困難であり、用紙が搬送装置から搬送装置へ移動する間にターンガイドでは用紙に吸着力が作用しない。このため、ターンガイドの前後において用紙に搬送力を付加する場合に、特にコシの強い厚紙では、ターンガイドにおいて搬送抵抗が大きくなり、搬送力不足により搬送不良となる確率が高くなる。また、無理に搬送すると用紙に曲がり癖や最悪の場合に折れ癖がついてしまう。
【0011】
本発明は上記した課題を解決するものであり、単葉の用紙の搬送経路においてターンガイドの湾曲面の曲率半径を調整することにより、用紙を円滑に反転させることが可能な用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の用紙搬送装置は、第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙を反転軸廻りで所定反転角度に反転させるものであって、第1搬送面をなす第1搬送装置と第2搬送面をなす第2搬送装置との間に前記反転軸と平行に配置するターンガイドは、用紙に摺接する摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面をなし、反転移送面は曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であることを特徴とする。
【0013】
本発明の用紙搬送装置は、第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙を反転軸廻りで所定反転角度に反転させるものであって、第1搬送面を形成する第1搬送装置および第2搬送面を形成する第2搬送装置が、用紙搬送方向に沿った搬送軌道上を移動する複数の搬送ベルトと、搬送ベルトに形成した吸引穴を通して用紙を搬送ベルト上に吸着する吸引手段を備え、第1搬送装置と第2搬送装置との間に前記反転軸と平行に配置するターンガイドは、複数のガイドリブを前記反転軸に沿った方向に配列し、かつ各ガイドリブを搬送ベルトの相互間に配置してなり、用紙に摺接する各ガイドリブの摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面をなし、ガイドリブは反転移送面の曲率半径が異なる複数種類のものを交互に配置し、同じ曲率半径のものをガイドリブ群として連結し、各ガイドリブ群を第1搬送面と第2搬送面に接続して用紙をガイド可能な作用位置と、第1搬送面と第2搬送面から離間して用紙をガイド不可能な退避位置とにわたって移動可能に設けたことを特徴とする。
【0014】
また、ガイドリブは、反転移送面の曲率半径が用紙厚さの100倍以上をなし、かつ用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であり、一つのガイドリブ群におけるガイドリブの反転移送面の曲率半径と、他のガイドリブ群におけるガイドリブの反転移送面の曲率半径とが用紙サイズもしくは用紙の厚みに応じて異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、用紙は第1搬送装置の第1搬送面からターンガイドの反転移送面を通って第2搬送装置の第2搬送面へ移送される間に、用紙の印刷面が反転装置の構成部材に接触することなく、ターンガイドにおいて反転軸廻りで反転させられるので、用紙表面のインクの擦れをなくして汚れの発生を防止することができる。
【0016】
ところで、ガイドリブの反転移送面の曲率半径が大きくなるほどに用紙厚さが大きくても容易に反転するが、搬送方向の長さが短い用紙は反転が困難になる。それに対し、反転移送面の曲率半径が小さくなるほどに用紙厚さが大きいと反転が困難となり、搬送方向の長さが短い用紙は容易に反転できるようになる。
【0017】
このため、ガイドリブ群を第1搬送面と第2搬送面に接続して用紙をガイド可能な作用位置と、第1搬送面と第2搬送面から離間して用紙をガイド不可能な退避位置とにわたって移動可能に設け、搬送する用紙サイズもしくは用紙の厚みに最適の曲率半径を有するガイドリブ群を作用位置に配置することで、用紙を円滑に反転させることができる。
【0018】
各ガイドリブ群におけるガイドリブの反転移送面の曲率半径は、用紙厚さの100倍以上をなし、かつ用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明の用紙搬送装置の適用用途および用紙の搬送経路について図24〜図28を参照して説明する。
図24および25に示すように、本発明の用紙搬送装置の適用用途として、ここではインクジェット印刷装置を例示するが、孔版印刷装置、スクリーン印刷装置等にも適用することは可能である。
(全体構成)
このインクジェット印刷装置1は、給紙機構部2、印刷装置本体部3、用紙反転機構部4、紙受け機構部5からなる。印刷装置本体部3は、ここでは水性インクをインクジェット方式で用紙の紙面に噴射して印刷を行う。用紙反転機構部4は、複数の反転移送ユニット6を組み合わせてなり、ここでは上段、中段、下段に反転移送ユニット6を配置しており、選択的に複数の搬送経路を形成することができる。紙受け機構部5は複数の紙受けユニット7からなり、用紙反転機構部4において形成する複数の搬送経路と選択的に各紙受けユニット7が対応して用紙反転機構部4から排出する用紙を受け止める。
(片面印刷)
図26〜図28に示すように、給紙機構部2は用紙を一枚ずつ印刷装置本体部3に給紙する。印刷装置本体部3において用紙の片面に印刷し、印刷した用紙は用紙反転機構部4を通って紙受けユニット7へ排出する。印刷装置本体部3で印刷後に最短時間で紙受けユニット7に排紙する場合には、用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で反転することなく通過して紙受けユニット7に至る。
【0020】
印刷装置本体部3で印刷後に印刷面の乾燥等のために用紙反転機構部4での滞留時間を長くする場合には、用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で用紙を反転させて下段の反転移送ユニット6に移送し、さらに下段の反転移送ユニット6で反転させて下段の紙受けユニット7に至る。
(両面印刷)
給紙機構部2は用紙を一枚ずつ印刷装置本体部3に給紙する。印刷装置本体部3において用紙の片面に印刷し、印刷装置本体部3で印刷後に用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で用紙を反転させ、さらに中段の反転移送ユニット6で用紙を反転させ、その後に印刷装置本体部3の給紙口へ返送し、印刷装置本体部3において用紙の裏面の片面に印刷し、印刷装置本体部3で印刷後に用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で用紙を反転させて下段の反転移送ユニット6に移送し、さらに下段の反転移送ユニット6で反転させて下段の紙受けユニット7に至る。
【0021】
本発明の用紙搬送装置の他の適用例を図29〜図31を参照して説明する。
(全体構成)
先の構成と同じ構成要素には同符号を付して説明する。この構成においては用紙反転機構部が上段、下段に反転移送ユニット6を組み合わせてなり、選択的に複数の搬送経路を形成することができる。
(片面印刷)
図29〜図31に示すように、給紙機構部2は用紙を一枚ずつ印刷装置本体部3に給紙する。印刷装置本体部3において用紙の片面に印刷し、印刷した用紙は用紙反転機構部4を通って紙受けユニット7へ排出する。印刷装置本体部3で印刷後に最短時間で紙受けユニット7に排紙する場合には、用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で反転することなく通過して紙受けユニット7に至る。
【0022】
印刷装置本体部3で印刷後に印刷面の乾燥等のために用紙反転機構部4での滞留時間を長くする場合には、用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で用紙を反転させて下段の反転移送ユニット6に移送し、さらに下段の反転移送ユニット6で反転させて下段の紙受けユニット7に至る。
【0023】
次に、本発明の用紙反転機構部4の詳細を図1〜図7において説明する。図1において、用紙反転機構部4は複数の反転移送ユニット6を上下に積層配置したものであり、各反転移送ユニット6は第1用紙搬送装置70と第2用紙搬送装置80を備え、上下の反転移送ユニット6の間に第3用紙搬送装置90を設けている。尚、図1〜図7に示す用紙反転機構部4は、用紙を印刷装置本体部3へ返送する機構は備えていないが、以下の説明においてその実現は容易である。
【0024】
図2に示すように、第1用紙搬送装置70は、用紙搬送方向が水平方向を向いた第1搬送面を形成する第1搬送装置71と、用紙搬送方向が第1搬送面に対して垂直方向を向いた第2搬送面を形成する第2搬送装置72と、第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙を反転軸Aの廻りで所定反転角度、ここでは90°に反転させるターンガイド73とを備えている。
【0025】
第1搬送装置71、第2搬送装置72は、用紙搬送方向に沿った搬送軌道上を移動する複数の搬送ベルト74を備え、搬送ベルト74は搬送軌道の両端に配置したベルトローラ75の間に掛け渡した無端ベルトからなる。
【0026】
搬送軌道は吸引手段をなす吸引ボックス76の上に形成してあり、吸引ボックス76はエアー吸引源(図示省略)に連通している。図23に示すように、吸引ボックス76は搬送軌道下に複数の開口部76aを有しており、図19に示すように、搬送ベルト74に形成した吸引穴74aを通して用紙Pを搬送ベルト上に吸着する。
【0027】
ターンガイド73は、複数のガイドリブ77を反転軸に沿った方向に20mm〜50mmの配列ピッチで配列し、かつ各ガイドリブ77を搬送ベルト74の相互間に配置してなり、用紙Pに摺接する各ガイドリブ77の摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面77aをなす。図6および図7に示すように、ガイドリブ77は、第1搬送面と第2搬送面を接続する状態と、第1搬送面と第2搬送面とを離間させる状態とにわたって揺動可能に設けてある。
【0028】
ところで、ガイドリブ77の反転移送面77aの曲率半径が大きくなるほどに用紙厚さが大きくても容易に反転するが、搬送方向の長さが短い用紙は反転が困難になる。それに対し、反転移送面77aの曲率半径が小さくなるほどに用紙厚さが大きいと反転が困難となり、搬送方向の長さが短い用紙は容易に反転できるようになる。
【0029】
このため、図8に示す構成において、用紙Pの反転を円滑に行える反転移送面77aの曲率半径と用紙の厚みとの相関および反転移送面77aの曲率半径と用紙搬送方向長さとの相関を実験的に求めた。この相関図を図9に示す。この結果より、ガイドリブ77の反転移送面77aは、曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満となる形状をなす。
【0030】
図3に示すように、第2用紙搬送装置80は、用紙搬送方向が水平方向を向いた第1搬送面(下方向き面)を形成する第1搬送装置81と、第1搬送面に対向して配置し、用紙搬送方向が水平方向を向いた第2搬送面(上方向き面)を形成する第2搬送装置82と、第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙Pを反転軸Bの廻りで所定反転角度、ここでは180°に反転させ、かつ用紙の搬送方向を所定方向転換角度、ここでは90°に方向転換させるターンガイド83とを備えている。
【0031】
上方の第1搬送装置81と下方の第2搬送装置82は、双方の用紙搬送方向が直交する方向に向いた相対位置に配置してあり、この相対位置において用紙Pの反転軸Bは用紙搬送方向と直交する方向に対して45°傾斜している。ターンガイド83は、反転軸Bと平行に配置してある。
【0032】
第1搬送装置81、第2搬送装置82は、用紙搬送方向に沿った搬送軌道上を移動する複数の搬送ベルト84を備え、搬送ベルト84は搬送軌道の両端に配置したベルトローラ85の間に掛け渡した無端ベルトからなる。
【0033】
搬送軌道は吸引手段をなす吸引ボックス86の上に形成してあり、吸引ボックス86はエアー吸引源(図示省略)に連通している。図23に示すように、吸引ボックス86は搬送軌道下に複数の開口部86aを有しており、図19に示すように、搬送ベルト84に形成した吸引穴84aを通して用紙Pを搬送ベルト上に吸着する。
【0034】
ターンガイド83は、複数のガイドリブ87を反転軸Bに沿った方向に所定配列ピッチで配置し、用紙搬送方向と直交する方向におけるガイドリブ87の中心間距離が20mm〜50mmとなる形状をなし、かつ各ガイドリブ87を搬送ベルト84の相互間に配置してなり、用紙Pに摺接する各ガイドリブ87の摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面87aをなす。反転移送面87aは反転始点側では第1搬送装置81の用紙搬送方向に向いており、反転終点側では第2搬送装置82の用紙搬送方向に向いており、反転始点側から反転終点側に至る途中において90°にねじれている。反転移送面87aは、曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満となる形状をなす。(図4および図5を参照)
第3用紙搬送装置90は、第1用紙搬送装置70と同様の構成をなし、一端側が上段の反転移送ユニット6の第2用紙搬送装置80の第2搬送装置82に接続し、他端側が下段の反転移送ユニット6の第1用紙搬送装置70の第1搬送装置71に接続している。
【0035】
本実施の形態において、第3用紙搬送装置90は、用紙搬送方向が垂直方向を向いた第1搬送面を形成する第1搬送装置91と、用紙搬送方向が水平方向を向いた第2搬送面を形成する第2搬送装置92と、用紙搬送方向が垂直方向を向いた第3搬送面を形成する第3搬送装置93と、用紙を反転軸の廻りで所定反転角度、ここでは90°に反転させるターンガイド94とを備えており、第1搬送装置91が上段の反転移送ユニット6に接続し、第3搬送装置93が下段の反転移送ユニット6に接続している。
【0036】
第1搬送装置91、第2搬送装置92、第3搬送装置93は、用紙搬送方向に沿った搬送軌道上を移動する複数の搬送ベルト95を備え、搬送ベルト95は搬送軌道の両端に配置したベルトローラ96の間に掛け渡した無端ベルトからなる。
【0037】
搬送軌道は吸引手段をなす吸引ボックス97の上に形成してあり、吸引ボックス97はエアー吸引源(図示省略)に連通している。図23に示すように、吸引ボックス97は搬送軌道下に複数の開口部97aを有しており、図19に示すように、搬送ベルト95に形成した吸引穴95aを通して用紙Pを搬送ベルト上に吸着する。
【0038】
ターンガイド94は、第1用紙搬送装置70のターンガイド73と同様であり、説明を省略する。
各搬送装置71、72、81、82、91、92、93は、搬送ベルト74、84、95が摺動する部位に低摩擦手段として、図21(a)に示すように、複数の突起101を形成するか、もしくは図21(b)に示すように、低摩擦部材102を配置することも可能である。図21(c)に示すように、搬送ベルト74、84、95は、用紙に当接する表面に複数の突状部103を形成してあり、図21(d)に示すように、搬送ベルト74、84、95を駆動するベルトローラ75、85、96は、搬送ベルトに圧接する部位に複数の突状部104を形成してなる。図22(a)、(b)に示すように、各搬送装置71、72、81、82、91、92、93は、搬送ベルト74、84、95の相互間に用紙支持手段として複数のリブ105を設けている。
【0039】
リブ105の高さは、搬送軌道上の搬送ベルト表面の高さ以下であり、ターンガイドの反転始点側に対応する位置では反転移送面よりも高く、ターンガイドの反転終点側に対応する位置では反転移送面よりも低くなるように形成されており、用紙が接触するリブ上面の用紙搬送方向に沿った角部は、用紙に擦れ傷を付けないように曲面状に形成されていることが好ましい。
【0040】
以下、上記した構成における作用を説明する。印刷装置本体部3で片面に印刷した用紙Pは用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6へ進入し、第1用紙搬送装置70の第1搬送装置71の始端側に達する。図19に示すように、第1搬送装置71は、吸引ボックス76により搬送ベルト74に形成した吸引穴74aを通して用紙Pを印刷面と表裏をなす裏面において搬送ベルト上に吸着する。この状態で、図2に示すように、搬送ベルト74が用紙を伴って搬送軌道上を移動することにより、用紙Pを第1搬送面上で用紙搬送方向に搬送する。
【0041】
用紙反転機構部4を通して紙受けユニット7へ用紙Pを最短時間で排紙する場合には、図6に示すように、ターンガイド73のガイドリブ77を、第1搬送面と第2搬送面とを離間させる状態に操作し、第1搬送装置71から紙受けユニット7へ用紙Pを排出する。
【0042】
印刷装置本体部3で印刷後に印刷面の乾燥等のために用紙反転機構部4での滞留時間を長くする場合には、図7に示すように、ターンガイド73のガイドリブ77を、第1搬送面と第2搬送面とを接続する状態に操作する。
【0043】
ところで、このような構成は、第3搬送装置93の途中に設けることも可能であり、用紙を印刷装置本体部3へ返送する機構を設ける場合に、同機構へ用紙を導入する状態と、同機構へ用紙を導入させない状態とに切り替える。
【0044】
図2に示すように、第1搬送装置71が用紙Pを第1搬送面上で用紙搬送方向に搬送し、用紙Pがターンガイド73に達して用紙先端縁がターンガイド73の反転始点側から反転移送面77aへ進入すると、用紙搬送方向へ用紙Pが移動するのに伴ってガイドリブ77が反転移送面77aで用紙先端縁を案内し、用紙Pが裏面で反転移送面77aに摺接し、用紙先端縁に続く用紙Pの紙面が反転移送面77aに倣って曲面状に反転、ここでは90°反転する。
【0045】
このとき、ガイドリブ77の反転移送面77aは、曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満となる形状をなすので、用紙Pの反転を円滑に行うことができる。
【0046】
用紙Pが第2搬送装置72に達して用紙先端縁がターンガイド73のガイドリブ77の反転移送面77aの反転終点側から第2搬送面上へ進入すると、第2搬送装置72は、吸引ボックス76により搬送ベルト74に形成した吸引穴74aを通して用紙Pを印刷面と表裏をなす裏面において搬送ベルト上に吸着し、搬送ベルト74が用紙Pを伴って搬送軌道上を移動することにより、用紙Pを第2搬送面上で用紙搬送方向に搬送する。この際に、第1搬送装置71は用紙後端縁がターンガイド73の反転始点側に達するまで用紙Pを搬送する。
【0047】
用紙Pは第2搬送装置72の終端側に達すると、用紙先端縁がターンガイド(図2には示していないがターンガイド73と同様)へ進入して、先の作用と同様にして90°反転し、第2用紙搬送装置80に進入する。
【0048】
図3に示すように、第2用紙搬送装置80では第1搬送装置81が吸引ボックス86により搬送ベルト84に形成した吸引穴84aを通して用紙Pを印刷面と表裏をなす裏面において搬送ベルト上に吸着し、搬送ベルト84が用紙Pを伴って搬送軌道上を移動することにより、用紙Pを第1搬送面上で用紙搬送方向に搬送する。
【0049】
用紙Pがターンガイド83に達して用紙先端縁がターンガイド83の反転始点側から反転移送面87aへ進入すると、用紙搬送方向へ用紙Pが移動するのに伴ってガイドリブ87が反転移送面87aで用紙先端縁を案内し、用紙Pが裏面で反転移送面87aに摺接し、用紙先端縁に続く用紙Pの紙面が反転移送面87aに倣って曲面状に反転、ここでは180°反転する。
【0050】
このとき、ガイドリブ87の反転移送面87aは、曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満となる形状をなすので、用紙Pの反転を円滑に行うことができる。
【0051】
上方の第1搬送装置81と下方の第2搬送装置82は、双方の用紙搬送方向が直交する方向に向いた相対位置に配置してあり、この相対位置において用紙Pの反転軸Bは用紙搬送方向と直交する方向に対して45°傾斜し、ターンガイド83が反転軸Bと平行に配置してある。
【0052】
このため、用紙Pは一側の先端角部が最先にターンガイド83に達して用紙先端縁が先端角部側から反転移送面87aへ進入し、用紙Pの他側の先端角部に近いほどに反転移送面87aへの進入が遅れ、先に反転移送面87aへ進入した用紙Pの一側の先端角部側において先行して反転が開始され、用紙Pの他側の先端角部に近いほどに反転の開始が遅れることで、用紙Pの搬送方向が方向転換される。
【0053】
つまり、用紙Pを第1搬送面から第2搬送面へ移送するのに際し、ターンガイド83が第1搬送装置81の用紙搬送方向と直交する方向に対して所定角度45°に傾斜する反転軸廻りで用紙Pを所定反転角度に反転させることで、用紙Pが所定方向転換角度90°に方向転換される。
【0054】
ここで、図4は用紙搬送方向が右方向へ90°方向転換し、かつ180°反転する場合におけるターンガイド83の形状を示しており、図5は用紙搬送方向が左方向へ90°方向転換し、かつ180°反転する場合におけるターンガイド83の形状を示している。
【0055】
用紙Pが第2搬送装置82に達して用紙先端縁が先端角部側から第2搬送面上へ進入すると、第2搬送装置82は用紙Pを第2搬送面上で用紙搬送方向に搬送する。この際に、第2搬送面上で用紙Pは先端縁が用紙搬送方向と直交する方向と平行をなす姿勢に復帰する。
【0056】
用紙Pは第2搬送装置82の終端側に達すると、用紙先端縁がターンガイド(図3には示していないがターンガイド73と同様)へ進入して、先の作用と同様にして90°反転し、第3用紙搬送装置90に進入する。
【0057】
第3用紙搬送装置90は、第1用紙搬送装置70と同様の作用によって用紙Pを搬送しながら90°反転を繰り返して、下段の反転移送ユニット6の第1用紙搬送装置70の第1搬送装置71に用紙Pを供給する。
【0058】
このようにして、用紙反転機構部4の上段の反転移送ユニット6で用紙Pを反転、方向転換させて下段の反転移送ユニット6に移送し、さらに下段の反転移送ユニット6において上段の反転移送ユニット6と同様にして反転、方向転換操作を行って紙受けユニット7へ排出する。
【0059】
ところで、搬送する用紙Pから脱落した紙粉が搬送ベルト74、84、95と搬送ベルト上に吸着する用紙Pとの間に介在すると用紙Pの滑りが生じる要因となる。しかしながら、搬送ベルト74、84、95に設けた複数の突状部103の相互間に紙粉を回収することで、搬送ベルト74、84、95と用紙Pとの間に紙粉が介在することを防止して用紙搬送を確実に行うことができ、かつ用紙後端縁に搬送ベルト74、84、95の突状部103が係合することで用紙Pを押し出して用紙搬送を確実に行うことができる。
【0060】
さらに、紙粉が搬送ベルト74、84、95とベルトローラ75、85、96との間に介在すると搬送ベルト74、84、95の滑りが生じる要因となる。しかしながら、ベルトローラ75、85、96に設けた複数の突状部104の相互間に紙粉を回収することで、ベルトローラ75、85、96と搬送ベルト74、84、95との間に紙粉が介在することを防止して搬送ベルト74、84、95の駆動を確実に行うことができる。
【0061】
搬送ベルト74、84、95に設けた突状部103は、突起の高さを0.5mm以下とすることが好ましい。突起の高さが0.5mmを超えると、突状部103の相互間からエアーが漏れて吸引力が低下し、十分に用紙Pを吸着できない可能性がある。
【0062】
ところで、図20に例示するように、吸引ボックス201が搬送ベルト202間で用紙Pを吸引する構成とすると、用紙Pが搬送ベルト202間に入り込んで窪み、逆に搬送ベルト202で山を形成して皺が発生する。
【0063】
しかしながら、本実施の形態では、図19に示すように、第1〜第3用紙搬送装置70、80、90の第1搬送装置71、81、91と第2搬送装置72、82、92と第3用紙搬送装置90の第3搬送装置93は、吸引ボックス76、86、97により搬送ベルト74、84、95に形成した吸引穴74a、84a、95aを通して用紙Pを印刷面と表裏をなす裏面において搬送ベルト上に吸着し、搬送ベルト74、84、95が用紙Pを伴って搬送軌道上を移動することにより、用紙Pを第1搬送面上で用紙搬送方向に搬送するので、用紙Pの撓みを防止できる。さらに、搬送ベルト間において用紙Pをリブ105で支持して用紙Pの撓みを防止し、反転時における皺の発生を防止することができる。
【0064】
次に、搬送ベルト74、84、95が吸引穴74a、84a、95aにおいて用紙Pを確実に保持できる吸引力を確保できる吸引穴74a、84a、95aの穴径の目安はφ5mm以上である。また、吸引穴74a、84a、95aを搬送ベルト74、84、95の中央に開けた場合には、ベルト自体の強度を考慮すると吸引穴74a、84a、95aの両側には少なくとも各5mm以上の幅を残しておくことが好ましい。その結果、ベルト幅は最低15mm以上は必要となる。また、ガイドリブ幅は、用紙下部を十分に保持することができることを考慮すると最低2mmが必要である。
【0065】
上述したことから、ガイドリブと搬送ベルトの隙間も考慮して、ガイドリブは用紙搬送方向と直交する方向におけるガイドリブの中心間距離が20mm以上となる形状が最も好ましい。一方、ガイドリブの相互間の間隔が広すぎると用紙先端部がその間に挿入され易いので、テスト結果よりガイドリブの中心間距離を50mm以下に抑えることが好ましい。
【0066】
上述した実施の形態では、固定形式のターンガイドについて説明したが、ターンガイド73、83、94は可動式に構成することもできる。ここでは、第1用紙搬送装置70に適用するものを例に説明するが、第2用紙搬送装置80および第3用紙搬送装置90においても同様に構成できる。
【0067】
図10および図11(a)〜(c)に示すように、ターンガイド730は、複数のガイドリブ731、732を反転軸に沿った方向に配列しており、各ガイドリブ731、732は第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面733、734を有している。
【0068】
ここでは、ガイドリブ731、732は反転移送面733、734の曲率半径が異なる2種類のものを交互に配置するが、2種類以上のものを交互に配置することも可能である。この反転移送面733、734の曲率半径は、用紙厚さの100倍以上をなし、かつ用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であり、ガイドリブ731の反転移送面733とガイドリブ732の反転移送面734とが用紙サイズもしくは用紙の厚みに応じて異なるものである。
【0069】
一方の曲率半径が同じ複数のガイドリブ731を連結材735で連結してガイドリブ群736とし、他方の曲率半径が同じ複数のガイドリブ732を連結材737で連結してガイドリブ群738とする。各ガイドリブ群736、738は第1搬送装置71の第1搬送面と第2搬送装置72の第2搬送面に接続して用紙Pをガイド可能な作用位置と、第1搬送装置71の第1搬送面と第2搬送装置72の第2搬送面から離間して用紙をガイド不可能な退避位置とにわたって移動可能に設けている。各ガイドリブ群736、738はモータ等による移動機構に接続している。
【0070】
この構成によれば、第1搬送装置71で搬送する用紙Pを第2搬送装置72へ向けて反転させない場合には、双方のガイドリブ群736、738を退避位置に配置する。第1搬送装置71で搬送する用紙Pを第2搬送装置72へ向けて反転させる場合には、搬送する用紙Pの厚みもしくはサイズに適した曲率半径を有する一方のガイドリブ群736もしくは738を作用位置に配置し、他方を退避位置に配置することで、用紙Pを円滑に反転させることができる。
【0071】
図12〜図14は本発明の他の実施の形態を示すものである。ここでは、先に図3に示した第2用紙搬送装置80の構成を前提とする。つまり、上方の第1搬送装置81と下方の第2搬送装置82は、双方の用紙搬送方向が直交する方向に向いた相対位置に配置してあり、この相対位置において用紙Pの反転軸Bは用紙搬送方向と直交する方向に対して45°傾斜し、ターンガイド83が反転軸Bと平行に配置してある。
【0072】
このため、用紙Pは一側の先端角部が最先にターンガイド83に達して用紙先端縁が先端角部側から反転移送面87aへ進入し、用紙Pの他側の先端角部に近いほどに反転移送面87aへの進入が遅れ、先に反転移送面87aへ進入した用紙Pの一側の先端角部側において先行して反転が開始され、用紙Pの他側の先端角部に近いほどに反転の開始が遅れることで、用紙Pの搬送方向が方向転換される。
【0073】
ターンガイド83は、第1搬送面に対応する反転始点側で、かつ用紙の先端角部に対応するガイドリブ間に複数の逃がし部110を有し、各逃がし部110は用紙搬送方向において最先に各種サイズの用紙Pに当接する位置にある。
【0074】
逃がし部110は用紙の先端角部より内側位置のガイドリブ87から用紙の先端角部より外側位置のガイドリブ87に向けて延在する形状をなし、かつ用紙先端縁に摺接する逃がし部前端縁110aが外側位置のガイドリブ87に近いほどに用紙搬送方向へ漸次に後退する形状をなす。逃がし部前端縁110aは、第1搬送装置81の第1搬送面に対して所定角度に傾斜する仰角を有する。また、第1搬送面内で搬送方向と直交する方向に対して所定角度に傾斜し、30°〜60°の範囲内で傾斜する。
【0075】
ここでは、逃がし部110は、内側位置のガイドリブ87に接する側縁が内側位置のガイドリブ87の反転移送面87aより上方に位置し、かつ搬送ベルト84に沿った形状をなす。また、逃がし部前端縁110aは用紙搬送方向へ後退した逃がし部終端がガイドリブ87の相互間に形成するガイド面88の上に位置する。逃がし部110はターンガイド83とは別体をなして可撓性部材からなることが好ましい。
【0076】
この構成により、用紙Pは第1搬送面から第2搬送面へ移送するに際し、ターンガイド83を通過することで所定反転角度180°に反転し、かつ所定方向転換角度90°に方向転換される。
【0077】
この際に、用紙搬送方向へ用紙が移動するのに伴ってガイドリブ87が反転移送面87aで用紙先端縁を案内し、先に反転移送面へ進入した用紙の一側の先端角部側において先行して反転が開始され、用紙先端縁に続く用紙Pの紙面が反転移送面87aに倣って曲面状に反転する。
【0078】
ところで、図16に示すように、逃がし部110を設けない場合には、用紙Pの巻き癖等に起因して用紙Pの一側の先端角部側が反転移送面87aより下方へ曲がった状態でガイドリブ87間に進入すると、この先端角部がガイドリブ87間のガイド面88の下方に入り込んで反転せず、先端角部に続く用紙Pの一側の側縁部の反転を阻害し、紙詰まり(ジャム)が発生する。
【0079】
しかしながら、図15に示すように、用紙Pの先端角部に対応するガイドリブ87間に設けた逃がし部110の逃がし部前端縁110aが、反転移送面87aより下方へ曲がった状態の用紙Pの先端角部側の用紙先端縁に摺接する。そして、逃がし部前端縁110aが搬送方向へ向けて漸次に後退する形状をなすことで、用紙搬送方向へ用紙Pが移動するのに伴って逃がし部110が逃がし部前端縁110aで用紙先端縁を上方へ案内し、用紙Pの一側の先端角部側の姿勢を矯正し、先端角部側が円滑に反転し、紙詰まり(ジャム)の発生が防止される。
【0080】
逃がし部110は、図17および図18に示すように、内側位置のガイドリブ87に接する側縁が内側位置のガイドリブ87の反転移送面87aより上方に位置し、逃がし部前端縁110aの用紙搬送方向へ後退した逃がし部終端がガイドリブが外側位置のガイドリブ87の反転移送面87aよりも上方に位置する形状とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態における用紙搬送装置を示す斜視図
【図2】同実施の形態の第1用紙搬送装置を示す斜視図
【図3】同実施の形態の第2用紙搬送装置を示す斜視図
【図4】同実施の形態の第2用紙搬送装置でのターンガイドを示す斜視図
【図5】同実施の形態の第2用紙搬送装置での他のターンガイドを示す斜視図
【図6】同実施の形態の第1用紙搬送装置でのターンガイドの排紙モード状態を示す側面図
【図7】同実施の形態の第1用紙搬送装置でのターンガイドの反転モード状態を示す側面図
【図8】本発明の実施の形態での反転移送面の曲率半径を求めるためのモデルを示す模式図
【図9】同実施の形態での曲率半径と用紙厚さ、曲率半径と用紙長さの相関を示すグラフ図
【図10】本発明の他の実施の形態のターンガイドを示す側面図
【図11】同ターンガイドを示す斜視図
【図12】本発明の他の実施の形態の第2用紙搬送装置でのターンガイドを示す斜視図
【図13】同ターンガイドを示す拡大斜視図
【図14】同ターンガイドを示す正面図
【図15】同ターンガイドによる用紙の反転を示す模式図
【図16】逃がし部のないターンガイドによるジャムを示す模式図
【図17】本発明の他の実施の形態の第2用紙搬送装置でのターンガイドを示す斜視図
【図18】同ターンガイドを示す拡大斜視図
【図19】本発明の実施の形態における各搬送装置での搬送状態を示す断面図
【図20】従来の搬送装置での搬送状態を示す断面図
【図21】本発明の実施の形態における各搬送装置の詳細を示す模式図
【図22】本発明の実施の形態における各搬送装置の詳細を示す模式図
【図23】本発明の実施の形態における各搬送装置の詳細を示す模式図
【図24】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図25】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図26】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図27】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図28】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図29】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図30】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【図31】本発明の実施の形態における用紙の搬送経路を示す模式図
【符号の説明】
【0082】
P 用紙
A、B 反転軸
1 インクジェット印刷装置
2 給紙機構部
3 印刷装置本体部
4 用紙反転機構部
5 紙受け機構部
6 反転移送ユニット
7 紙受けユニット
70 第1用紙搬送装置
71、81、91 第1搬送装置
72、82、92 第2搬送装置
73、83、94 ターンガイド
74、84、95 搬送ベルト
74a、84a、95a 吸引穴
75、85、96 ベルトローラ
76、86、97 吸引ボックス
76a、86a、97a 開口部
77、87、 ガイドリブ
77a、87a 反転移送面
80 第2用紙搬送装置
88 ガイド面
90 第3用紙搬送装置
93 第3搬送装置
101 突起
102 低摩擦部材
103、104 突状部
105 リブ
110 逃がし部
110a 逃がし部前端縁
201 吸引ボックス
202 搬送ベルト
730 ターンガイド
731、732 ガイドリブ
733、734 反転移送面
735、737 連結材
736、738 ガイドリブ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙を反転軸廻りで所定反転角度に反転させるものであって、第1搬送面をなす第1搬送装置と第2搬送面をなす第2搬送装置との間に前記反転軸と平行に配置するターンガイドは、用紙に摺接する摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面をなし、反転移送面は曲率半径が用紙厚さの100倍以上、かつ曲率半径が用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であることを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
第1搬送面から第2搬送面への移送に際して用紙を反転軸廻りで所定反転角度に反転させるものであって、第1搬送面を形成する第1搬送装置および第2搬送面を形成する第2搬送装置が、用紙搬送方向に沿った搬送軌道上を移動する複数の搬送ベルトと、搬送ベルトに形成した吸引穴を通して用紙を搬送ベルト上に吸着する吸引手段を備え、第1搬送装置と第2搬送装置との間に前記反転軸と平行に配置するターンガイドは、複数のガイドリブを前記反転軸に沿った方向に配列し、かつ各ガイドリブを搬送ベルトの相互間に配置してなり、用紙に摺接する各ガイドリブの摺接部が第1搬送面に対応する反転始点側から第2搬送面に対応する反転終点側にわたって曲面状の反転移送面をなし、ガイドリブは反転移送面の曲率半径が異なる複数種類のものを交互に配置し、同じ曲率半径のものをガイドリブ群として連結し、各ガイドリブ群を第1搬送面と第2搬送面に接続して用紙をガイド可能な作用位置と、第1搬送面と第2搬送面から離間して用紙をガイド不可能な退避位置とにわたって移動可能に設けたことを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項3】
ガイドリブは、反転移送面の曲率半径が用紙厚さの100倍以上をなし、かつ用紙の搬送方向長さの0.29倍未満であり、一つのガイドリブ群におけるガイドリブの反転移送面の曲率半径と、他のガイドリブ群におけるガイドリブの反転移送面の曲率半径とが用紙サイズもしくは用紙の厚みに応じて異なることを特徴とする請求項2に記載の用紙搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2009−62162(P2009−62162A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232472(P2007−232472)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】