説明

用紙積載装置及び製本装置

【課題】トレイ上に積載した冊子の損傷を防ぐことができる用紙積載装置を提供する。
【解決手段】用紙積載装置1Aは、冊子を排出部から排紙する排出処理部7と、排出処理部7から排紙される冊子が積載されるトレイ81と、トレイ81に積載された冊子の積載位置を検出する積載位置検出センサ85とを備え、制御部90は、積載位置検出センサ85で検出された冊子の排紙方向に沿った積載位置に応じて、トレイ81への排紙速度を切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて作成された冊子を積載して収容する用紙積載装置及びこの用紙積載装置を備えた製本装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機等の画像形成装置から搬送される用紙を、ステープル等の綴じ部品で綴じて冊子を作成する後処理装置等と称される用紙処理装置が提案されている。
【0003】
このような用紙処理装置では、作成された冊子をトレイに排紙して、トレイ上に積載する積載機構が備えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、冊子の綴じ部品として、コイルと称されるリング状の部材を利用する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このようなリング状の綴じ部品で綴じられる冊子は、用紙に複数のパンチ穴が開けられ、各パンチ穴にリングを通すことで用紙束が綴じられている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−231092号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−337474号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ステープルやリング等の綴じ部品で綴じられた冊子は、綴じられた側の厚みが増加するため、冊子をトレイに積載して行くと、綴じられた側の高さが増加する。これにより、トレイ上に積載する冊子の数が増えて行くと、トレイに積載された冊子のバランスが崩れてしまい、積載した冊子の崩れや、冊子が大きく反る等により、冊子が傷むという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、トレイ上に積載した冊子の損傷を防ぐことができる用紙積載装置及びこの用紙積載装置を備えた製本装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明の用紙積載装置は、用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて作成された冊子を、綴じ部品で綴じられた一辺と排紙方向が交差する向きで排出部から排紙する排紙手段と、排出部から排紙される冊子が積載されるトレイと、トレイを冊子の積載方向に沿って昇降させる昇降手段と、排紙手段でトレイに排紙される冊子の排紙速度を制御して、各冊子を綴じ部品の位置をずらしてトレイに積載する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の用紙積載装置では、排紙手段は、用紙束の一辺が綴じ部品で綴じられて作成された冊子をトレイに排紙して、トレイ上に冊子を積載する。制御手段は、排紙手段でトレイに排紙される冊子の排紙速度の高低を切り換えて、各冊子を綴じ部品の位置がずれるようにしてトレイに積載する。
【0011】
本発明の製本装置は、複数枚の用紙を綴じ部品で綴じて冊子を作成する製本装置において、用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて冊子を作成する綴じ手段と、綴じ手段で作成された冊子を、綴じ部品で綴じられた一辺と排紙方向が交差する向きで排出部から排紙する排紙手段と、排出部から排紙される冊子が積載されるトレイと、トレイを冊子の積載方向に沿って昇降させる昇降手段と、排紙手段でトレイに排紙される冊子の排紙速度を制御して、各冊子を綴じ部品の位置をずらしてトレイに積載する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の製本装置では、綴じ手段は、用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて冊子を作成する。排紙手段は、綴じ手段で作成された冊子をトレイに排紙して、トレイ上に冊子を積載する。制御手段は、排紙手段でトレイに排紙される冊子の排紙速度の高低を切り換えて、各冊子を綴じ部品の位置がずれるようにしてトレイに積載する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の用紙積載装置によれば、綴じ部品で綴じられた冊子を、綴じ部品の位置をずらして積載できるので、各冊子の綴じ部品が重なって、トレイ上で冊子が大きく傾くことがなくなり、積載した冊子の崩れや、冊子が大きく反る等による損傷を防ぐことができる。
【0014】
本発明の製本装置によれば、上述した用紙積載装置を備えることで、冊子を傷めることなく、トレイに積載する冊子数を増やすことができる。また、作成する冊子が薄い形態であっても、冊子を傷めることなく、トレイに積載することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の用紙積載装置及び製本装置の実施の形態について説明する。
【0016】
<本実施の形態の用紙積載装置及び製本装置の構成例>
図1は、本実施の形態の用紙積載装置を備えた製本装置の一例を示す構成図で、図1では、製本装置の内部構成の概要を図示している。また、図2は、本実施の形態の用紙積載装置の一例を示す構成図である。
【0017】
本実施の形態の用紙積載装置1Aは、例えば製本装置2Aに組み込まれ、製本装置2Aで作成された冊子100Cを積載して収容する。
【0018】
製本装置2Aは、用紙100Aを搬送する第1の搬送路3と、第1の搬送路3から分岐した第2の搬送路4と、用紙100Aに穴を開けるパンチ処理部5と、穴の開けられた複数枚の用紙を整列させた用紙束100Bを綴じて冊子を作成するバインダユニット6と、綴じられた冊子100C等を搬送する排出処理部7と、排出処理部7から排紙された冊子100C等を収納する排紙スタッカ8を備える。
【0019】
第1の搬送路3は、製本装置2A内の上部に配置され、回転駆動される複数のフィードローラ30aと、フィードローラ30aに対向する複数のガイドローラ30bと、図示しないガイド部材等を備える。
【0020】
製本装置2Aは、筐体20の一方の側面に第1の搬送路3と繋がる給紙口31aを備えると共に、筐体20の他方の側面に第1の搬送路3と繋がる排出口31bを備え、第1の搬送路3は、給紙口31aと排出口31bとの間で用紙を搬送するほぼ水平で直線状の搬送経路を構成する。
【0021】
第1の搬送路3は、給紙口31a側から排出口31b側に向かう搬送方向Aにおける下流側に、搬送方向を切り換える切換ブレード32を備えて、第1の搬送路3と第2の搬送路4との分岐部33が形成される。また、第1の搬送路3は、分岐部33の下流側で排出口31bとの間に反転保留部34が形成される。
【0022】
第2の搬送路4は、分岐部33で第1の搬送路3から下方へ分岐し、回転駆動されるフィードローラ40aと、フィードローラ40aに対向する複数のガイドローラ40bと、図示しないガイド部材等を備える。
【0023】
第2の搬送路4は、第1の搬送路3における搬送方向Aに対して逆向きに分岐し、切換ブレード32の動作で反転保留部34と連通する。
【0024】
切換ブレード32は、回転駆動されることで、第1の搬送路3から退避する位置と、第1の搬送路3内に突出する位置との間を移動する。
【0025】
切換ブレード32を第1の搬送路3から退避する位置とすると、第1の搬送路3を給紙口31aから搬送方向Aに搬送される用紙100Aは、切換ブレード32を通過して、反転保留部34へ搬送される。
【0026】
これに対して、切換ブレード32を第1の搬送路3内に突出する位置とすると、搬送方向を反転させて第1の搬送路3を反転保留部34から搬送方向Bに搬送される用紙100Aは、切換ブレード32のガイドによって、第1の搬送路3から第2の搬送路4に送られる。
【0027】
これにより、第2の搬送路4は、第1の搬送路3を給紙口31a側から排出口31b側へと搬送方向Aに搬送される用紙100Aを、反転保留部34で搬送方向を搬送方向Bへと反転させて、第1の搬送路3から下方にスイッチバックさせる搬送経路を構成する。
【0028】
第1の搬送路3は、反転保留部34に用紙検出センサ35を備える。用紙検出センサ35は、第1の搬送路3を搬送方向Aに搬送される用紙100Aの後端が、切換ブレード32を通過する位置まで搬送されたか否かを検出する。
【0029】
なお、第1の搬送路3と第2の搬送路4では、ガイドローラが図示しないガイド部材に取り付けられ、ガイド部材を開閉できる構成とすることで、用紙が詰まった場合に、用紙の除去が容易に行えるようになっている。
【0030】
パンチ処理部5は、第2の搬送路4に配置され、用紙100Aの搬送方向先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ50と、用紙100Aの左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部51と、用紙100Aの穴開けを行うパンチ刃52等を備える。
【0031】
突き当てシャッタ50は、第2の搬送路4内に突出して、パンチ処理部5に送り込まれた用紙100Aが突き当たる位置と、第2の搬送路4から退避して、用紙100Aが通過できる位置との間を移動して、パンチ処理部5を開閉する構成を有する。突き当てシャッタ50が第2の搬送路4内に突出すると、第2の搬送路4を搬送される用紙100Aの先端が突き当てられ、用紙100Aの先端が所定の位置に規制される。
【0032】
幅寄せ機構部51は、用紙100Aの搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、パンチ処理部5に送り込まれた用紙100Aを基準ガイドに突き当てる構成を有する。
【0033】
パンチ刃52は、第2の搬送路4を搬送される用紙100Aの面に対して直交する方向に往復移動する構成で、突き当てシャッタ50と幅寄せ機構部51により用紙100Aの位置あわせを行い、パンチ刃52を往復移動させると、用紙100Aに所定の穴が開けられる。
【0034】
なお、パンチ刃52で用紙100Aに穴を開けることで発生するパンチかすを回収するため、パンチ処理部5の下部にパンチかすスタッカ53が備えられる。
【0035】
バインダユニット6は綴じ手段の一例で、パンチ処理部5の下流側に配置され、パンチ処理部5で穴の開けられた複数枚の用紙を揃えて集積する紙揃え部60と、用紙を綴じる綴じ部品101を収納した綴じ部品スタッカ61と、紙揃え部60で揃えて集積された用紙束100Bを綴じ部品101で綴じる綴じ部62を備える。
【0036】
紙揃え部60は、用紙の一時保留部60aに、用紙の搬送方向の先端の位置合わせを行う突き当てシャッタ60bと、用紙の左右方向の位置合わせを行う幅寄せ機構部60cと、用紙を突き当てシャッタ60bに突き当てるパドル機構部60dと、用紙束100Bや冊子100C等の冊子類を保持するクランプ機構部60eを備える。
【0037】
突き当てシャッタ60bは、一時保留部60a内に突出して、紙揃え部60に送り込まれた用紙が突き当たる位置と、一時保留部60aから退避して冊子類が通過できる位置との間を移動して、一時保留部60aを開閉する構成を有する。
【0038】
幅寄せ機構部60cは、用紙の搬送方向に対する左右の一方に幅寄せガイドを備えると共に、他方に基準ガイドを備え、幅寄せガイドが基準ガイドに対して接近及び離間する方向に移動して、バインダユニット6に送り込まれた用紙を基準ガイドに突き当てる構成を有する。
【0039】
パドル機構部60dは、円周方向に複数枚の舌片が配置され、回転駆動されるパドルローラを備えて、紙揃え部60に送り込まれた用紙を掻き込んで、一時保留部60a内に突出した突き当てシャッタ60bに突き当てる構成を有する。なお、パドルローラの回転軸は、幅寄せ機構部60cの固定側のガイド方向に傾斜しており、パドルローラは、紙揃え部60に送り込まれた用紙に対し、幅寄せ機構部60cの固定側のガイド方向に突き当てる力も与えている。
【0040】
クランプ機構部60eは、紙揃え部60に送り込まれ、突き当てシャッタ60bと幅寄せ機構部60cとパドル機構部60dで整列された用紙束100Bを挟持して保持すると共に、保持した用紙束100Bを所定の処理位置に移動させる構成を有する。
【0041】
綴じ部品スタッカ61は、複数の綴じ部品101が上下方向に積載されて収納され、下部に綴じ部品101の取り出し口を備え、綴じ部62との協働で、綴じ部品101を1個ずつ繰り出す構成を有する。綴じ部品101は、例えば、用紙100Aに開けた穴の数に合わせた複数のリング形成部材と、リング形成部材をつなぐ背部を備えた構成である。
【0042】
綴じ部62は、綴じ部品スタッカ61に収納された綴じ部品101を取り出して綴じる綴じ機構部62a等を備え、回転駆動されることで回転支点62bを軸に回動して、綴じ機構部62aが綴じ部品スタッカ61と対向する綴じ部品取り出し位置と、紙揃え部60と対向する用紙綴じ位置との間を移動する。
【0043】
綴じ機構部62aは、綴じ部品スタッカ61と対向する位置で、綴じ部品スタッカ61から綴じ部品101を取り出して保持し、紙揃え部60と対向する位置で、紙揃え部60で整列保持された用紙束100Bを綴じ部品101で綴じる構成を有する。
【0044】
バインダユニット6は、紙揃え部60から排出処理部7への搬送経路に用紙検出センサ63を備える。用紙検出センサ63は、紙揃え部60で整列され、綴じ部品101で綴じられた冊子100C、あるいは紙揃え部60で整列され、綴じられていない用紙束100B等の冊子類が、排出処理部7へ受け渡されたか否かを検出する。
【0045】
排出処理部7は排紙手段の一例で、バインダユニット6の下流側に配置され、バインダユニット6から冊子類を受け取り、搬送方向を反転させて排紙スタッカ8に排紙する。
【0046】
排出処理部7は、バインダユニット6から冊子類を受け取り、搬送方向を切り換えて反転させる第1の排紙搬送路10と、第1の排紙搬送路10から冊子類を受け取り、排紙スタッカ8に排出する第2の排紙搬送路11等を備える。
【0047】
第1の排紙搬送路10は、冊子類を搬送するベルト搬送機構70と、冊子類の搬送をガイドする第1の主ガイド部材である主ガイド部材71及び第1の副ガイド部材である副ガイド部材72等を備える。
【0048】
ベルト搬送機構70は、受け具70aが取り付けられた無端状の搬送ベルトが、回転駆動される1対のプーリ間に掛けられる。
【0049】
主ガイド部材71は、冊子類をガイドするガイド面71aの裏側にベルト搬送機構70を備える。ベルト搬送機構70は、ガイド面71aでガイドされる冊子類の搬送方向に沿って延在し、本例では、搬送方向に対して左右に2本のベルト搬送機構70が備えられる。
【0050】
ベルト搬送機構70の受け具70aは、主ガイド部材71のガイド面71aでガイドされる冊子類の端面側を支持する形状を有する。ベルト搬送機構70が所定の方向に回転駆動されると、受け具70aはガイド面71aから突出し、ガイド面71aに沿って搬送方向に移動する。
【0051】
主ガイド部材71は、冊子類の搬送方向に沿った一方の端部側である下端側が、筐体20に取り付けられた枠体に第1の回転支点73aを介して軸支される。
【0052】
第1の排紙搬送路10は、ベルト搬送機構70を有した主ガイド部材71が、搬送路移動機構73により回転駆動されることで第1の回転支点73aを軸に回動し、バインダユニット6からの搬送経路を形成する図1に破線で示す用紙受取位置と、第2の排紙搬送路11への搬送経路を形成する図1に実線で示す用紙排出位置との間を移動する。
【0053】
ここで、本例では、主ガイド部材71の回動軸となる第1の回転支点73aと、ベルト搬送機構70の一方のプーリ70bの回転軸を同軸上に配置して、主ガイド部材71と共に回動するベルト搬送機構70に、簡単な構成で駆動力を伝達できるようにしている。
【0054】
副ガイド部材72は、主ガイド部材71でガイドされる冊子類の搬送方向に沿って延在し、冊子類の搬送方向に沿った一方の端部側である下端側が、第2の回転支点72aを介して主ガイド部材71に軸支される。
【0055】
副ガイド部材72は、図示しないバネ等の付勢手段により、第2の回転支点72aを軸に主ガイド部材71方向に付勢され、主ガイド部材71のガイド面71aに対して、冊子類が通る所定の間隔を開けて略平行に対向する。
【0056】
そして、副ガイド部材72は、主ガイド部材71が第1の回転支点73aを軸に回動して、用紙受取位置から用紙排出位置へ移動する動作に連動して、用紙受取位置から用紙排出位置へ移動する。これに対して、用紙排出位置への移動に抵抗する負荷が副ガイド部材72に掛かると、副ガイド部材72は第2の回転支点72aを軸にした回動で主ガイド部材71に対して退避する。
【0057】
ここで、本例では、副ガイド部材72の回動軸である第2の回転支点72aと、ベルト搬送機構70の一方のプーリ70aの回転軸を同軸上に配置している。
【0058】
副ガイド部材72は、冊子類の搬送方向に沿った他方の端部側である上端側に受け渡しガイド72bを備える。受け渡しガイド72bは、回転支点72cを介して副ガイド部材72に軸支され、回転支点72cを軸に回動することで、副ガイド部材72の先端側が、主ガイド部材71に対して開閉する。
【0059】
受け渡しガイド72bは、図示しないバネ等の付勢手段により主ガイド部材71方向に付勢され、主ガイド部材71のガイド面71aに対して、冊子類が通る所定の間隔を開けて略平行に対向する。
【0060】
受け渡しガイド72bは、回転支点72c側の端部に突き当て片72dが形成される。副ガイド部材72は、第1の排紙搬送路10が第1の回転支点73aを軸に回動して、主ガイド部材71と共に用紙受取位置に移動すると、バインダユニット6に形成した図示しない突き当て部に突き当て片72dが突き当てられる。
【0061】
受け渡しガイド72bは、第1の排紙搬送路10の用紙受取位置への移動で突き当て片72dが押されると、回転支点72cを軸に回動して、先端側が主ガイド部材71に対して開く。
【0062】
これにより、副ガイド部材72は、第1の排紙搬送路10が用紙受取位置に移動すると、バインダユニット6に対する受け渡し部となる先端側が、主ガイド部材71に対して開いて、バインダユニット6からの受け渡しのガイドとなる。
【0063】
これに対して、副ガイド部材72は、第1の排紙搬送路10が用紙排出位置に移動すると、突き当て片72dが図示しない突き当て部から離れることで、主ガイド部材71のガイド面71aに対して略平行に対向して、第2の排紙搬送路11との間での搬送ガイドとなる。
【0064】
第2の排紙搬送路11は、冊子類を搬送するベルト搬送機構74と、冊子類の搬送をガイドする第2の主ガイド部材である主ガイド部材75及び第2の副ガイド部材である副ガイド部材76等を備える。
【0065】
ベルト搬送機構74は、受け具74aが取り付けられた無端状の搬送ベルトが、回転駆動される1対のプーリ間に掛けられる。
【0066】
主ガイド部材75は、枠体に固定され、冊子類をガイドするガイド面75aの裏側にベルト搬送機構74を備える。ベルト搬送機構74は、ガイド面75aでガイドされる冊子類の搬送方向に沿って延在し、本例では、搬送方向に対して左右に2本のベルト搬送機構74が備えられる。
【0067】
ベルト搬送機構74の受け具74aは、主ガイド部材75のガイド面75aでガイドされる冊子類の端面側を支持する形状を有する。ベルト搬送機構74が所定の方向に回転駆動されると、受け具74aはガイド面75aから突出し、ガイド面75aに沿って搬送方向に移動する。
【0068】
ここで、ベルト搬送機構74は、第1の排紙搬送路10側のプーリ74bが、第1の排紙搬送路10に入り込む位置まで延在しており、用紙排出位置に移動した第1の排紙搬送路10と第2の排紙搬送路11との間で、冊子類の受け渡しが行えるようになっている。
【0069】
副ガイド部材76は、筐体20及び枠体に固定され、主ガイド部材75のガイド面75aに対して、冊子類が通る所定の間隔を開けて略平行に対向する。
【0070】
図3は、本実施の形態の用紙積載装置の排出部の一例を示す構成図で、図3(a)は、排出部75cの一部破断側面図、図3(b)は、排出部75cの正面図である。
【0071】
主ガイド部材75は、排出部75cにガイド面75aから突出した下側腰付け部材75dを備える。下側腰付け部材75dは曲げ手段の一例で、冊子類の搬送方向に沿って延在する凸状部材であり、排出部75c側に向かうに伴って突出量が大きくなる方向に傾斜する。また、下側腰付け部材75dは、主ガイド部材75に固定され、本例では、左右のベルト搬送機構74のそれぞれ外側に配置される。
【0072】
副ガイド部材76は、排出部75cに上側腰付け部材76aを備える。上側腰付け部材76aは曲げ手段の一例で、本例では、左右の下側腰付け部材75dのそれぞれ内側で、主ガイド部材75と副ガイド部材76との間を搬送される冊子類の中央寄りに配置される。上側腰付け部材76aは、冊子類の搬送方向に沿って延在し、排出部75cと逆方向の端部が、回転支点76bを介して副ガイド部材76に軸支される。
【0073】
上側腰付け部材76aは、スプリング76cにより主ガイド部材75方向に付勢され、排出部75c側に向かうに伴って突出量が大きくなる方向に傾斜して、副ガイド部材76から突出する。これにより、上側腰付け部材76aは、主ガイド部材75と副ガイド部材76との間を冊子類が搬送されると、冊子類に押し上げられて回転支点76bを軸に回動し、冊子類の厚みに応じて突出量が変化する退避手段を備えた凸状部材である。
【0074】
図1及び図2に戻り、排紙スタッカ8は用紙積載装置の一例で、排出処理部7の下流側に配置され、積載ステージ80を備える。積載ステージ80は、装置の手前方向に引出し可能なトレイ81を備え、昇降手段の一例としてのステージ昇降機構80aにより上下方向に昇降する構成を有する。
【0075】
トレイ81は、積載される冊子100Cの綴じ部品101で綴じられた一辺が載る側が下がる方向に傾斜した斜面を有し、冊子100Cの厚みのある側が積載される空間が広くなるようにして、より多くの冊子100Cが積載できるようになっている。
【0076】
排紙スタッカ8は、トレイ81の傾斜に沿った下方側に、トレイ81の昇降方向に沿って延在する積載ガイド面80bを備える。積載ガイド面80bは、トレイ81の傾斜に沿って斜めに積載され、積載ガイド面80b方向に滑る冊子100Cの、綴じ部品101で綴じられた一辺側、本例では綴じ部品101が突き当たり、トレイ81上での冊子100Cの位置を規制する。また、積載ガイド面80bは、トレイ81が昇降する際のガイドとして機能する。
【0077】
排紙スタッカ8は、トレイ高さ検出センサ82と積載天面姿勢センサ83とトレイ下限位置検出センサ84と積載位置検出センサ85を備える。
【0078】
トレイ高さ検出センサ82は高さ検出手段の一例で、本例では、積載ステージ80上に延在して回動する高さ検出レバー82aに光軸が遮られる一対の光学センサで構成される。
【0079】
トレイ高さ検出センサ82は、積載ステージ80が上昇することで、トレイ81もしくトレイ81上に積載された冊子類に押し上げられる高さ検出レバー82aの有無から、トレイ81もしくはトレイ81上に積載された冊子類の上限位置を検出する。
【0080】
積載天面姿勢センサ83は姿勢検出手段の一例で、本例では、トレイ81上に積載された冊子類に光軸が遮られる1対の光学センサで構成され、積載ステージ80を上昇させるときのトレイ高さ検出センサ82の出力と積載天面姿勢センサ83の出力から、トレイ81上における冊子類の積載状態を検出する。
【0081】
トレイ下限位置検出センサ84は下限位置検出手段の一例で、本例では、所定位置まで下降した積載ステージ80に光軸が遮られる1対の光学センサで構成され、積載ステージ80が下限位置まで下降したことを検出する。
【0082】
積載位置検出センサ85は積載位置検出手段の一例で、本例では、積載ガイド面80bから突出して回動する位置検出部材85aに光軸が遮られる1対の光学センサ等で構成される。
【0083】
積載位置検出センサ85は、トレイ81の傾斜に沿って斜めに積載される冊子100Cの、綴じ部品101で綴じられた一辺側、本例では綴じ部品101が積載ガイド面80bに突き当たり、位置検出部材85aを押す位置にあるか否かによって、トレイ81に積載された冊子100Cの、排出部75cからの排紙方向に沿った位置を検出する。
【0084】
上述したように、スイッチバック型の搬送経路を備えた製本装置2Aでは、複数枚の用紙100Aを集積して綴じた冊子100Cまたは複数枚の用紙100Aを集積した用紙束100B等の冊子類が、きつく湾曲するような搬送経路を設けることなく、直線状あるいは半径の大きな曲線状の搬送経路の組み合わせで、所望の搬送経路を構成することができる。
【0085】
<本実施の形態の用紙積載装置及び製本装置の制御構成例>
図4は、用紙積載装置1Aを備えた製本装置2Aの制御系の一例を示す制御ブロック図、図5は、用紙積載装置1Aの制御系と構成の関係の概要を示す機能ブロック図である。
【0086】
製本装置2Aは、図示しない操作部等の操作を受けて、制御手段としての制御部90が第1の搬送路3、第2の搬送路4、パンチ処理部5、バインダユニット6、用紙積載装置1Aである排出処理部7及び排紙スタッカ8を制御する。
【0087】
第1の搬送路3と第2の搬送路4は、図1に示すフィードローラ30aを回転駆動する搬送モータ91aと、フィードローラ40aを回転駆動する搬送モータ91bと、切換ブレード32を駆動する搬送路切換モータ91c等が、用紙綴じ処理の有無と用紙検出センサ35の出力等に応じて制御部90に制御される。
【0088】
パンチ処理部5は、突き当てシャッタ50を駆動するシャッタ開閉モータ92aと、幅寄せ機構部51を駆動する幅寄せモータ92bと、パンチ刃52を駆動する穿孔モータ92c等が、パンチ処理部5に備えられる図示しない用紙検出センサ等の各種センサの出力等に応じて制御部90に制御される。
【0089】
バインダユニット6は、紙揃え部60の突き当てシャッタ60bを駆動するシャッタ開閉モータ93aと、幅寄せ機構部60cを駆動する幅寄せモータ93bと、パドル機構部60dを駆動するパドルモータ93cと、クランプ機構部60eを駆動するクランプ機構駆動モータ93d等が、バインダユニット6に備えられる図示しない用紙検出センサ等の各種センサの出力等に応じて制御部90に制御される。
【0090】
また、バインダユニット6は、綴じ部62を回動させる綴じ部移動モータ93eと、綴じ部62の綴じ機構部62aを駆動する綴じ機構駆動モータ93f等が、図示しない各種センサの出力等に応じて制御部90に制御される。
【0091】
排出処理部7は、第1の排紙搬送路10のベルト搬送機構70を回転駆動する排紙モータ94aと、第2の排紙搬送路11のベルト搬送機構74を回転駆動する排紙モータ94bと、搬送路移動機構73を駆動して第1の排紙搬送路10を回動させる搬送路移動モータ94c等が制御部90に制御される。
【0092】
例えば、制御部90は、バインダユニット6で綴じられた冊子100Cあるいは綴じていない用紙束100B等の冊子類が、排出処理部7へ正常に受け渡されたか否かを用紙検出センサ63の出力から判断する。そして、制御部90は、バインダユニット6から排出処理部7へ冊子類が正常に受け渡されたか否かに応じて、搬送路移動モータ94cと、排紙モータ94a及び排紙モータ94bを制御して、排出処理あるいはジャム用紙除去処理を行う。
【0093】
また、制御部90は、第1の排紙搬送路10を搬送される冊子類が第2の排紙搬送路11に正常に受け渡されたか否か、及び第2の排紙搬送路11を搬送される冊子類が、排紙スタッカ8に正常に排出されたか否かを排出センサ94dの出力から判断し、排出処理あるいはエラー処理等を行う。
【0094】
更に、制御部90は、トレイ81に積載された冊子100Cの位置を積載位置検出センサ85の出力から判断し、冊子100Cの積載位置に応じて排紙モータ94a及び排紙モータ94bを制御して、冊子100Cの排紙速度の高低を切り換える。
【0095】
排紙スタッカ8は、ステージ昇降機構80aを駆動して積載ステージ80を昇降させるステージ昇降モータ95a等が制御部90に制御される。
【0096】
例えば、制御部90は、トレイ高さ検出センサ82と積載天面姿勢センサ83とトレイ下限位置検出センサ84の出力から、トレイ81上における冊子類の積載量及び冊子類の積載状態を判断し、冊子類の積載量及び積載状態に応じて用紙綴じ処理及び排出処理を停止する。
【0097】
<本実施の形態の用紙積載装置及び製本装置の動作例>
次に、用紙積載装置1Aを備えた製本装置2Aの動作例について、各図を参照して説明する。
【0098】
製本装置2Aは、図示しない複写機等と接続され、印刷等の所定の処理が行われた用紙100Aが、1枚ずつ給紙口31aから給紙される。
【0099】
オペレータが図示しない操作部を操作することで選択した所定の動作モードに従って、製本装置2Aで用紙を綴じる場合、用紙100Aをパンチ処理部5に搬送する搬送処理が行なわれ、パンチ処理部5で穿孔処理を行なった後、バインダユニット6で整列処理が行なわれる。
【0100】
図6は、製本装置2Aにおける搬送処理から整列処理までの一例を示す動作説明図である。
【0101】
用紙100Aをパンチ処理部5に搬送する搬送処理では、制御部90は、搬送モータ91aを制御して第1の搬送路3のフィードローラ30aを回転駆動し、第1の搬送路3において用紙100Aが搬送方向Aに搬送される正回転方向にフィードローラ30aを回転させる。
【0102】
これにより、第1の搬送路3に給紙された用紙100Aは、搬送モータ91aにより正回転方向に回転駆動されるフィードローラ30aとガイドローラ30bとの間に挟持され、図示しないガイド部材によってガイドされて、第1の搬送路3を給紙口31aから排出口31bへと向かう搬送方向Aに搬送される。
【0103】
第1の搬送路3を搬送方向Aに搬送される用紙100Aの後端が用紙検出センサ35で検出され、用紙100Aが切換ブレード32を通過して反転保留部34まで搬送されたことを用紙検出センサ35の出力から判断すると、制御部90は、搬送モータ91aを停止して用紙100Aの搬送を一時停止する。
【0104】
制御部90は、用紙100Aの搬送を一時停止した後、搬送路切換モータ91cを制御して切換ブレード32を回転駆動し、反転保留部34から第2の搬送路4への搬送経路を開いて搬送方向を切り換える。
【0105】
制御部90は、切換ブレード32を回転駆動して搬送方向を第2の搬送路4へ切り換えると、搬送モータ91aを制御してフィードローラ30aを回転駆動し、第1の搬送路3において用紙100Aが搬送方向Bに搬送される逆回転方向にフィードローラ30aを回転させる。また、搬送モータ91bを制御して第2の搬送路4のフィードローラ40aを回転駆動し、第2の搬送路4において用紙100Aがパンチ処理部5へ搬送される方向にフィードローラ40aを回転させる。
【0106】
これにより、反転保留部34で一時保留された用紙100Aは搬送方向が反転して搬送方向Bに搬送され、切換ブレード32にガイドされて第1の搬送路3から第2の搬送路4に送られる。
【0107】
第2の搬送路4に送られた用紙100Aは、搬送モータ91bにより回転駆動されるフィードローラ40aとガイドローラ40bとの間に挟持され、図示しないガイド部材によってガイドされて、第2の搬送路4をパンチ処理部5へ搬送される。
【0108】
パンチ処理部5では、用紙100Aに穴を開ける穿孔処理を行うため、制御部90は、シャッタ開閉モータ92aを制御して突き当てシャッタ50を用紙100Aの搬送経路に突出させると共に、幅寄せモータ92bを制御して幅寄せ機構部51を駆動する。
【0109】
これにより、パンチ処理部5へ搬送された用紙100Aは、先端が突き当てシャッタ50に突き当てられ、側端が図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
【0110】
制御部90は、用紙100Aの位置合わせを行うと、穿孔モータ92cを制御してパンチ刃52を駆動して、用紙100Aに所定の穴を開けた後、シャッタ開閉モータ92aを制御して突き当てシャッタ50を開く。突き当てシャッタ50が開くと、パンチ処理部5で穴の開けられた用紙100Aは、バインダユニット6に搬送される。
【0111】
バインダユニット6では、まず、穴の開けられた所定枚数の用紙100Aを集積して整列させる整列処理を行うため、制御部90は、シャッタ開閉モータ93aを制御して突き当てシャッタ60bを一時保留部60aに突出させ、幅寄せモータ93bを制御して幅寄せ機構部60cを駆動し、パドルモータ93c制御してパドル機構部60dを駆動する。
【0112】
これにより、パンチ処理部5で穴が開けられてバインダユニット6に搬送された用紙100Aは、先端が突き当てシャッタ60bに突き当てられ、側端が図示しない基準ガイドに突き当てられて、位置合わせが行われる。
【0113】
制御部90は、用紙100Aの位置合わせを行うと、クランプ機構駆動モータ93dを制御してクランプ機構部60eを閉じる。クランプ機構部60eを閉じると、位置合わせされた用紙100Aが、位置ずれを起こすことなくクランプ機構部60eで挟持されて保持される。
【0114】
そして、所定の枚数の用紙100Aが一時保留部60aに整列されて集積されるまで、上述した搬送処理、穿孔処理及び整列処理が繰り返される。
【0115】
穴の開けられた用紙100Aが一時保留部60aに順次搬送されて、所定枚数の用紙100Aがクランプ機構部60eにより整列保持されると、制御部90は、一連の搬送処理、穿孔処理及び整列処理を停止する。
【0116】
図7及び図8は、製本装置2Aにおける綴じ処理の一例を示す動作説明図で、図7は、綴じ部品スタッカ61から綴じ部品101を取り出す動作を示し、図8は、綴じ部品101で用紙束100Bを綴じる動作を示す。
【0117】
バインダユニット6では、綴じ部62が綴じ部品取り出し位置に待機しており、次に、所定枚数の用紙100Aを綴じ部品101で綴じる綴じ処理を行なうため、制御部90は、綴じ機構駆動モータ93fを制御して綴じ機構部62aを駆動する。綴じ機構部62aは、所定の動作で綴じ部品スタッカ61に収納された綴じ部品101を掴み、図7に模式的に示すように、綴じ部品スタッカ61から1個の綴じ部品101を取り出して保持する。
【0118】
綴じ部品スタッカ61から綴じ部品101が取り出されると、制御部90は、綴じ部移動モータ93eを制御して綴じ部62を回転駆動し、図8に示すように、綴じ部62を回転支点62bを軸に回動させて用紙綴じ位置に移動させる。
【0119】
次に、制御部90は、クランプ機構駆動モータ93dを制御してクランプ機構部60eを駆動し、整列保持された用紙束100Bを所定の処理位置に移動させ、綴じ機構駆動モータ93fを制御して綴じ機構部62aを駆動し、用紙束100Bを綴じ部品101で綴じる。これにより、用紙束100Bが綴じ部品101で綴じられた冊子100Cが作成される。
【0120】
図9は、冊子100Cの一例を示す斜視図、図10は、綴じ枚数の違いによる冊子100Cの形態例を示す側面図である。冊子100Cは、穴102の開けられた複数枚の用紙を集積した用紙束100Bが綴じ部品101で綴じられたもので、綴じ部品101は、複数のリング部101aが背部101bで連結された形態である。
【0121】
冊子100Cは、綴じ部品101の開いた形態のリング形成部材が用紙束100Bの穴102に挿入され、リング状に綴じられてリング部101aが形成されることで作成される。
【0122】
ここで、同一種類の綴じ部品101で、綴じる用紙の枚数の違いに対応可能であり、図10(a)に示すように、用紙の枚数が多い用紙束100B1(例えば、100枚等)と、図10(b)に示すように、用紙の枚数が少ない用紙束100B2(例えば、50枚等)を、同一種類の綴じ部品101で綴じて冊子100Cを作成することが可能である。
【0123】
図11〜図15は、製本装置2Aにおける排紙処理の一例を示す動作説明図で、図11は、排出処理部7の第1の排紙搬送路10を用紙受取位置に移動させる動作を示し、図12は、第1の排紙搬送路10で冊子100Cを受け取る動作を示す。また、図13は、第1の排紙搬送路10を用紙排出位置に移動させる動作を示し、図14は、排出処理部7で冊子100Cを搬送する動作を示し、図15は、冊子100Cを排紙スタッカ8に排出する動作を示す。
【0124】
バインダユニット6で用紙束100Bが綴じ部品101で綴じられて、冊子100Cが作成されると、冊子100Cの排紙処理を行なうため、制御部90は、綴じ部移動モータ93eを制御して綴じ部62を回転駆動し、綴じ部62を回転支点62bを軸に回動させて綴じ部品取り出し位置に移動させる。
【0125】
次に、搬送路移動モータ94cを制御して第1の排紙搬送路10を回転駆動し、第1の排紙搬送路10を第1の回転支点73aを軸に回動させて、図11に示すように、用紙受取位置に移動させる。
【0126】
図16は、排出処理部7における排紙処理の一例を示す動作説明図で、第1の排紙搬送路10を用紙受取位置に移動させた状態を示す。
【0127】
図11及び図16に示すように、第1の排紙搬送路10は、主ガイド部材71と副ガイド部材72が連動して用紙受取位置に移動し、主ガイド部材71と副ガイド部材72との間に形成される搬送経路が一時保留部60aと対向して、バインダユニット6からの搬送経路が形成される。
【0128】
また、第1の排紙搬送路10が用紙受取位置に移動すると、副ガイド部材72の受け渡しガイド72bは、突き当て片72dがバインダユニット6に形成した図示しない突き当て部に突き当たり、回転支点72cを軸に回動して、先端側が主ガイド部材71に対して開く。
【0129】
制御部90は、第1の排紙搬送路10を用紙受取位置に移動させると、クランプ機構駆動モータ93dを制御してクランプ機構部60eを開く。クランプ機構部60eを開くと、クランプ機構部60eで一時保留部60aに保持されていた冊子100Cが、図12に示すように、主ガイド部材71と副ガイド部材72との間に形成される搬送経路に自重で落下する。
【0130】
ここで、副ガイド部材72の受け渡しガイド72bは、バインダユニット6からの受け渡し部となる先端側が、主ガイド部材71に対して開いており、一時保留部60aから落下する冊子100Cを主ガイド部材71と副ガイド部材72の間にガイドする。これにより、カールしたような冊子100Cでも、主ガイド部材71と副ガイド部材72の間にガイドすることができ、ジャムの発生を抑えることができる。
【0131】
制御部90は、一時保留部60aから落下する冊子100Cの後端が用紙検出センサ63で検出され、冊子100Cが正常に第1の排紙搬送路10に搬送されたことを用紙検出センサ63の出力から判断すると、搬送路移動モータ94cを制御して第1の排紙搬送路10を回転駆動し、図13に示すように、第1の排紙搬送路10を第1の回転支点73aを軸に回動させて、用紙排出位置に移動させる。
【0132】
第1の排紙搬送路10は、バインダユニット6から冊子100Cが正常に搬送された状態では、用紙受取位置から用紙排出位置へ移動する動作で、副ガイド部材72に用紙排出位置への移動の抵抗となる負荷が掛からず、主ガイド部材71に副ガイド部材72が連動して用紙排出位置に移動し、第2の排紙搬送路11への搬送経路が形成される。
【0133】
また、第1の排紙搬送路10が用紙排出位置に移動すると、副ガイド部材72の受け渡しガイド72bは、突き当て片72dが図示しない突き当て部から離れることで、主ガイド部材71のガイド面71aに対して略平行に対向して、第2の排紙搬送路11との間での搬送ガイドとなる。
【0134】
このように、受け渡しガイド部材72bは、第1の排紙搬送路10が用紙受取位置と用紙排出位置との間を移動する動作で開閉するので、駆動手段が不要であり、簡単な構成で、1つのガイド部材にバインダユニット6から冊子類を受け取るガイドと、第2の排紙搬送路11へ冊子類を受け渡すガイドの機能を持たせることができる。
【0135】
制御部90は、第1の排紙搬送路10を用紙排出位置に移動させると、排紙モータ94aを制御してベルト搬送機構70を回転駆動する。第1の排紙搬送路10は、ベルト搬送機構70が回転駆動されると、受け具70aが冊子100Cを支持して第2の排紙搬送路11方向に移動し、冊子100Cを第2の排紙搬送路11へ搬送する。
【0136】
冊子100Cが第2の排紙搬送路11との受け渡し位置まで搬送されると、制御部90は、排紙モータ94aを停止すると共に、排紙モータ94bを制御して、第2の排紙搬送路11のベルト搬送機構74を回転駆動する。
【0137】
第2の排紙搬送路11は、ベルト搬送機構74が回転駆動されると、図14に示すように、第1の排紙搬送路10の受け具70aで支持された冊子100Cを受け具74aで受け取る。冊子100Cを受け取った受け具74cは、冊子100Cを支持して排紙スタッカ8方向に移動し、冊子100Cを排紙スタッカ8へ搬送する。
【0138】
ここで、副ガイド部材72の受け渡しガイド72bは、主ガイド部材71のガイド面71aに対して略平行に対向しており、第1の排紙搬送路10を搬送される冊子100Cを、第2の排紙搬送路11の主ガイド部材75と副ガイド部材76の間にガイドする。
【0139】
第2の排紙搬送路11で受け具74aが所定の位置まで移動すると、第2の排紙搬送路11を搬送される冊子100Cは、図15に示すように、排出部75cから排紙スタッカ8に排出される。
【0140】
図17は、用紙積載装置1Aにおける冊子100Cの排紙処理の一例を示すフローチャート、図18は、冊子100Cの排紙速度を切り換える動作例を示す用紙積載装置1Aの動作説明図で、次に、冊子100Cの積載位置に応じて排紙スタッカ8に冊子100Cを排紙する動作について説明する。ここで、図18では、トレイ上での冊子100Cの積載状態を検出するトレイ高さ検出センサ等は図示していない。
【0141】
ステップSA1:上述したように、バインダユニット6で綴じ処理を行うまでの間、制御部90は、排出処理部7での排紙処理の動作を待機させ、排出処理部7は、制御部90からの排紙動作の指示を待つ。
【0142】
ステップSA2:バインダユニット6で1冊の冊子100Cの綴じ処理が終了すると、制御部90は、排出処理部7に排紙動作の開始を指示する。排出処理部7は、制御部90からの排紙動作の指示によって、上述したように、バインダユニット6から冊子100Cを受け取り、排紙スタッカ8に排紙する排紙動作を行う。
【0143】
ステップSA3:冊子100Cが排紙スタッカ8に排紙されると、制御部90は、排出処理部7に排紙動作の停止を指示する。排出処理部7は、制御部90からの排紙動作停止の指示によって、1冊分の排紙動作を終了する。
【0144】
ステップSA4:制御部90は、冊子100Cが排紙スタッカ8に排紙されると、積載位置検出センサ85の出力を監視し、トレイ81の傾斜に沿って斜めに積載される冊子100Cを綴じる綴じ部品101が積載ガイド面80bに突き当たり、位置検出部材85aを押す位置にあるか否か判断する。
【0145】
ステップSA5:制御部90は、排紙モータ94a及び排紙モータ94bを制御して、例えば2段階に排紙速度を切り換えることが可能である。そして、図18(a)に示すように、トレイ81に積載された最上部の冊子100Cの綴じ部品101が積載ガイド面80bに突き当たり、位置検出部材85aを押すことで、積載位置検出センサ85が冊子100Cを検出すると、制御部90は、次の冊子100Cの排紙動作で、排紙速度が速くなるように(高まるように)設定する。
【0146】
ステップSA6:図18(b)に示すように、トレイ81に積載された最上部の冊子100Cの綴じ部品101が積載ガイド面80bから離れ、位置検出部材85aが図示しない付勢手段に付勢されて回動することで、積載位置検出センサ85が冊子100Cを検出しなくなると、制御部90は、次の冊子100Cの排紙動作で、排紙速度が遅くなるように(低くなるように)設定する。
【0147】
上述したステップSA5の処理で、トレイ81に積載された最上部の冊子100Cが、綴じ部品101が積載ガイド面80bに突き当たる位置に積載されると、次の冊子100Cの排紙動作では、排紙速度が速くなる。冊子100Cの排紙速度が速くなると、次に排紙される冊子100Cは、綴じ部品101が、既に積載されている冊子100Cの綴じ部品101を飛び越えて積載され、積載される冊子間で綴じ部品101の位置が排紙方向に沿ってずれる。
【0148】
排紙速度を速くした設定で数冊の冊子100Cを排紙していくと、冊子100Cは、綴じ部品101が積載ガイド面80bから離れ、積載位置検出センサ85が冊子100Cを検出しなくなる。
【0149】
そして、上述したステップSA6の処理で、積載した冊子100Cの綴じ部品101が積載ガイド面80bから離れると、次の冊子100Cの排紙動作では、排紙速度を遅くすることで、次の冊子100Cは、綴じ部品101が積載ガイド面80bに突き当たるような位置に積載されることになる。
【0150】
このように、トレイ81に積載される冊子100Cの綴じ部品101と、積載ガイド面80bとの距離が近づくと排紙速度を速くし、綴じ部品101と積載ガイド面80bとの距離が離れると排紙速度を遅くする制御を行うことで、図18(c)に示すように、冊子100Cの積載位置が排紙方向に沿ってずれ、各冊子100Cの綴じ部品101が重ならないように積載される。
【0151】
従って、トレイ81に積載される冊子数が少ない段階で、積載状態が悪くなってバランスが崩れることがなく、トレイ81に積載できる冊子数を増やすことができる。
【0152】
特に、図10(b)に示すように、綴じられる用紙の枚数が少ない冊子では、冊子100Cの厚みに対して綴じ部品101のリング部101aの径が相対的に大きくなるので、積載バランスの崩れが発生しやすいが、綴じ部品101の位置をずらして冊子100Cを積載することで、冊子100Cの厚みによらず、冊子100Cを傷めずにトレイ81に積載することができる。
【0153】
なお、上述した実施の形態では、冊子100Cの排紙速度を、積載位置検出センサ85で検出された冊子100Cの積載位置に応じて切り換えたが、トレイ81に1冊または複数冊の冊子100Cを排紙する毎に、排紙速度を切り換えても良い。
【0154】
このような他の実施の形態の一例として、制御部90は、排紙モータ94a及び排紙モータ94bを制御して、3段階以上、例えば5段階に排紙速度を切り換える設定を持つ。まず、所定の第1の速度で排紙動作を行った後、次の冊子は、第1の速度より速い第2の速度で排紙動作を行う。
【0155】
次の冊子は、第2の速度より速い第3の速度で排紙動作を行い、次の冊子は、第3の速度より速い第4の速度で排紙動作を行い、次の冊子は、第4の速度より速い第5の速度で排紙動作を行う。
【0156】
そして、次の冊子は、再び第1の速度で排紙動作を行い、以降、順次排紙速度を切り換えながら排紙動作を行う。
【0157】
他の実施の形態の別の例としては、制御部90は、排紙モータ94a及び排紙モータ94bを制御して、2段階に排紙速度を切り換える設定を持つ。まず、所定の第1の速度で排紙動作を行った後、次の冊子は、第1の速度より速い第2の速度で排紙動作を行う。
【0158】
次の冊子は、再び第1の速度で排紙動作を行い、以降、交互に排紙速度を切り換えながら排紙動作を行う。
【0159】
上述した各実施の形態では、積載位置検出センサ85を備えることなく、冊子100Cの積載位置を排紙方向に沿ってずらし、各冊子100Cの綴じ部品101を重ならないように積載することができる。なお、以上の例では、1冊毎に排紙速度を切り換えているが、複数冊毎に切り換えても良い。
【0160】
図19は、用紙積載装置1Aにおける冊子100C等の積載処理の一例を示すフローチャート、図20は、冊子100Cの積載量を検出する動作例を示す用紙積載装置1Aの動作説明図、図21は、冊子100Cの積載状態を検出する動作例を示す用紙積載装置1Aの動作説明図で、次に、冊子100Cの積載状態に応じて排紙スタッカ8に冊子100Cを積載する動作について説明する。ここで、図20及び図21では、トレイ上での冊子100Cの積載位置を検出する積載位置検出センサは図示していない。
【0161】
ステップSB1:上述した図17に示すフローチャートで説明したように、バインダユニット6で綴じ処理が行われると、冊子100Cが1冊ずつ排紙スタッカ8に排紙される。
【0162】
ステップSB2:排出処理部7から排紙スタッカ8への排紙動作が終了すると、冊子100Cがトレイ81上に積載される時間を考慮した所定時間経過後、制御部90は、ステージ昇降モータ95aを所定時間(例えば、1000ms)逆転させ、トレイ81を下降させる。
【0163】
ステップSB3:制御部90は、ステージ昇降モータ95aを逆転させると、トレイ下限位置検出センサ84の出力を監視し、トレイ81が所定時間(例えば1000ms)内に下限位置まで下降したか否か判断する。
【0164】
ステップSB4:制御部90は、ステップSB3の判断で、トレイ下限位置検出センサ84で所定時間内にトレイ81が検出されず、トレイ81が下限位置まで下降しないと判断すると、ステージ昇降モータ95aを停止する。
【0165】
すなわち、トレイ81の高さは、積載されている冊子100Cの量(冊数)によって異なり、積載されている冊子100Cの量が少ない場合は、トレイ81は高い位置にあり、積載されている冊子100Cの量の増加に伴って、トレイ81の位置は下降する。
【0166】
これにより、積載されている冊子100Cの量が少ない場合は、図20(a)に示すように、トレイ81は、所定時間内にトレイ下限位置検出センサ84の検出位置まで下降しない。よって、トレイ81の下降を開始してから、トレイ下限位置検出センサ84で所定時間内にトレイ81が検出されないことで、トレイ81上の冊子量が少ないと判断できる。
【0167】
ステップSB5:制御部90は、ステージ昇降モータ95aを停止させた後、ステージ昇降モータ95aを正転させ、トレイ81を上昇させる。
【0168】
ステップSB6:制御部90は、ステージ昇降モータ95aを正転させると、トレイ高さ検出センサ82の出力を監視し、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置まで上昇したか否か判断する。
【0169】
ステップSB7:制御部90は、トレイ81の上昇で、トレイ81上の冊子100Cが高さ検出レバー82aを押し上げることによりトレイ高さ検出センサ82で検出され、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置まで上昇したと判断すると、ステージ昇降モータ95aを停止する。
【0170】
ステップSB8:制御部90は、トレイ81上の最上部の冊子100Cを上限位置まで上昇させると、積載天面姿勢センサ83の出力を監視し、トレイ81上の最上部の冊子100Cを、積載天面姿勢センサ83で検出しているか否か判断する。
【0171】
積載天面姿勢センサ83による冊子100Cの検出位置は、トレイ高さ検出センサ82による冊子100Cの検出位置と異なり、トレイ81上における冊子100Cの積載状態によって、冊子100Cは、積載天面姿勢センサ83により検出される位置の高さが異なる。
【0172】
このため、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置にある状態で、積載天面姿勢センサ83で最上部の冊子100Cを検出している場合は、図21(a)に示すように、冊子100Cがトレイ81の傾斜に沿った形態で積載されており、制御部90は、冊子100Cの積載状態は、続けて積載ができる状態と判断して、上述したステップSB1に戻る。
【0173】
ここで、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置にある状態では、トレイ81上に次の冊子100Cを受け入れる空間が確保されており、続けての排紙動作が可能となる。
【0174】
ステップSB9:制御部90は、上述したステップSB8の判断で、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置にある状態で、積載天面姿勢センサ83で最上部の冊子100Cを検出しない場合は、冊子100Cの積載状態が、続けての積載には適さない満載の状態になったと判断して、以後の排紙動作を停止する。
【0175】
すなわち、図21(b)に示すように、冊子100Cが薄い等の要因で、各冊子100Cが反った形態で積載された場合、あるいは、綴じ部品101で綴じられた側の厚みが増加するため、上側の冊子100Cがトレイ81の傾斜と反対方向に傾斜した形態で積載された場合は、冊子100Cは、積載天面姿勢センサ83による検出位置に届かない。
【0176】
これにより、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置にある状態で、積載天面姿勢センサ83で最上部の冊子100Cを検出しない場合は、冊子100Cの量によらず、最上部の冊子100Cの傾きから、冊子100Cの積載状態が積載に適さない満載の状態になったと判断できる。
【0177】
従って、冊子100Cの積載状態が続けての積載には適さない状態となった後に、更に続けて冊子100Cが積載されることがなく、積載した冊子100Cの崩れや、冊子100Cが大きく反る等による損傷を防ぐことができる。
【0178】
なお、次の冊子の綴じ処理が並行処理で行われている場合は、次の冊子100Cの排紙動作までを行ってから、排紙動作を停止できるように、数冊分の冊子100Cは続けて排紙できるような余裕を持たせると良い。
【0179】
ステップSB10:制御部90は、ステップSB3の判断で、トレイ下限位置検出センサ84で所定時間内にトレイ81が検出され、トレイ81が下限位置まで下降したと判断すると、ステージ昇降モータ95aを停止する。
【0180】
すなわち、積載されている冊子100Cの量が多い場合は、図20(b)に示すように、トレイ81は、所定時間内にトレイ下限位置検出センサ84の検出位置まで下降する。よって、トレイ81の下降を開始してから、トレイ下限位置検出センサ84で所定時間内にトレイ81が検出されることで、トレイ81上の冊子量が多いと判断できる。
【0181】
ステップSB11:制御部90は、ステージ昇降モータ95aを停止させた後、ステージ昇降モータ95aを正転させ、トレイ81を上昇させる。
【0182】
ステップSB12:制御部90は、ステージ昇降モータ95aを正転させると、トレイ高さ検出センサ82の出力を監視し、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置まで上昇したか否か判断する。
【0183】
ステップSB13:制御部90は、トレイ81の上昇で、トレイ81上の冊子100Cが高さ検出レバー82aを押し上げることによりトレイ高さ検出センサ82で検出され、トレイ81上の最上部の冊子100Cが上限位置まで上昇したと判断すると、ステージ昇降モータ95aを停止する。
【0184】
ステップSB14:制御部90は、トレイ81上の冊子量が多く、冊子100Cが満載の状態になったと判断して、以後の排紙動作を停止する。
【0185】
以上のように、トレイ81に積載された冊子100Cの積載状態に応じて、冊子100Cの排紙を停止することで、トレイ81に積載される冊子数が多くなった段階で、積載状態が悪くなってバランスが崩れる前に、積載を停止することができ、トレイ81に積載する冊子数を増やしても、冊子の損傷を防ぐことができる。
【0186】
図22は、用紙積載装置1Aの排出部75cにおける排紙処理の一例を示す動作説明図で、図22(a)は、排紙処理時の排出部75cの一部破断側面図、図22(b)は、排紙処理時の排出部75cの正面図である。
【0187】
第2の排紙搬送路11の排出部75cには、主ガイド部材75に下側腰付け部材75dが突出し、副ガイド部材76に上側腰付け部材76aが突出する。本例では、各上側腰付け部材76aの外側に下側腰付け部材74dが配置されており、排出部75cを通過する冊子100Cは、図22(b)に示すように、搬送方向に対して左右方向に湾曲した形態となって、搬送方向に対して曲がりにくい所謂腰が付けられた状態となる。
【0188】
また、下側腰付け部材74aと上側腰付け部材76aは、冊子100Cの搬送方向に沿って排出部75c側に向かうに従って突出量が大きくなる方向に傾斜しており、排出部75cを通過する冊子100Cは、図22(a)に示すように、徐々に腰が付けられた状態で、排出部75cから排出される。
【0189】
これにより、排出部75cから排出される冊子100Cは、座屈することなく、排紙スタッカ8のトレイ81上に積載される。
【0190】
ここで、下側腰付け部材75dの間隔及び上側腰付け部材76aの間隔は、綴じ部品101のリング部101aのピッチと異ならせて配置される。また、下側腰付け部材75dの厚さ及び上側腰付け部材76aの厚さは、隣合うリング部101aの間隔より狭く構成される。
【0191】
これにより、排出部75cを通過する冊子100Cは、綴じ部品100Cのリング部101aが下側腰付け部材75d及び上側腰付け部材76aに乗り上げることなく、用紙部分に腰を付けることができる。
【0192】
また、上側腰付け部材76aは、回転支点76bを軸に回動する構成であり、排出部75cを通過する冊子100Cの厚みに応じて押し上げられて、主ガイド部材75のガイド面75aとの間隔が変化する。
【0193】
よって、冊子100Cに腰を付ける構成を備えた排出部75cで、図10に示すような綴じる用紙の枚数の違い等による冊子100Cの厚みの違い及び綴じ部品101のリング部101aの径の違いが吸収される。なお、冊子100Cが排出部75cを通過すると、押し上げられていた上側腰付け部材76aは、スプリング76cの付勢力で元の位置に戻る。
【0194】
図23及び図24は、製本装置2Aにおける搬送異常時の処理の一例を示す動作説明図、図25は、排紙処理部7における搬送異常時の処理の一例を示す動作説明図で、次に、用紙積載装置1Aを備えた製本装置2Aの搬送異常時の動作例について、各図を参照して説明する。
【0195】
図23に示すように、バインダユニット6から排出処理部7への冊子100Cの受け渡し動作で、冊子100Cが一時保留部60aと第1の排紙搬送路10の間で詰まる等の搬送異常が発生すると、用紙検出センサ63では、冊子100Cの後端の通過が検出されない。
【0196】
制御部90は、このような冊子100Cの搬送異常を用紙検出センサ63の出力から判断すると、搬送路移動モータ94cを制御して第1の排紙搬送路10を回転駆動し、第1の排紙搬送路10を第1の回転支点73aを軸に回動させて、用紙排出位置に移動させる。
【0197】
第1の排紙搬送路10は、搬送異常が発生して一時保留部60aとの間に冊子100Cが詰まっている状態では、用紙受取位置から用紙排出位置へ移動する動作で、副ガイド部材72が詰まっている冊子100Cに押さえられることで、副ガイド部材72に用紙排出位置への移動の抵抗となる負荷が掛かる。
【0198】
これにより、第1の排紙搬送路10の用紙排出位置への移動に伴い、副ガイド部材72は、図24及び図25に示すように、第2の回転支点72aを軸にした回動で用紙受取位置に残り、主ガイド部材71に対して退避して開く。
【0199】
主ガイド部材71が用紙排出位置に移動し、副ガイド部材72が用紙受取位置に残ると、一時保留部60aの下側に、搬送異常を起こした冊子100Cを搬送方向に引き出して除去する作業空間が確保される。
【0200】
よって、図示しない操作部等に、搬送異常が発生したこと及び除去手順等のガイダンスを表示することで、オペレータ等は、搬送異常の発生した冊子100Cを容易に除去することが可能となる。
【0201】
このように、搬送異常の発生した冊子100Cを除去する作業では、手動でガイド部材を開く作業が不要となり、オペレータ等の操作が単純化するので、操作性が向上する。
【0202】
なお、以上の説明では、綴じ部品101で綴じられた冊子100Cを排紙する動作例で説明したが、綴じ部品101で綴じていない整列された用紙束100Bを排出処理部7で搬送し、排紙スタッカ8に積載する動作でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0203】
本発明は、複写機等に接続して使用される製本装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本実施の形態の用紙積載装置を備えた製本装置の一例を示す構成図である。
【図2】本実施の形態の用紙積載装置の一例を示す構成図である。
【図3】本実施の形態の用紙積載装置の排出部の一例を示す構成図である。
【図4】用紙積載装置を備えた製本装置の制御系の一例を示す制御ブロック図である。
【図5】用紙積載装置の制御系と構成の関係の概要を示す機能ブロック図である。
【図6】製本装置における搬送処理から整列処理までの一例を示す動作説明図である。
【図7】製本装置における綴じ処理の一例を示す動作説明図である。
【図8】製本装置における綴じ処理の一例を示す動作説明図である。
【図9】冊子の一例を示す斜視図である。
【図10】綴じ枚数の違いによる冊子の形態例を示す側面図である。
【図11】製本装置における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図12】製本装置における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図13】製本装置における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図14】製本装置における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図15】製本装置における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図16】排出処理部における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図17】用紙積載装置における冊子の排紙処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】冊子の排紙速度を切り換える動作例を示す用紙積載装置の動作説明図である。
【図19】用紙積載装置における冊子の積載処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】冊子の積載量を検出する動作例を示す用紙積載装置の動作説明図である。
【図21】冊子の積載状態を検出する動作例を示す用紙積載装置の動作説明図である。
【図22】用紙積載装置の排出部における排紙処理の一例を示す動作説明図である。
【図23】製本装置における搬送異常時の処理の一例を示す動作説明図ある。
【図24】製本装置における搬送異常時の処理の一例を示す動作説明図ある。
【図25】排出処理部における搬送異常時の処理の一例を示す動作説明図ある。
【符号の説明】
【0205】
1A・・・用紙積載装置、2A・・・製本装置、3・・・第1の搬送路、4・・・第2の搬送路、5・・・パンチ処理部、6・・・バインダユニット、7・・・排出処理部、8・・・排紙スタッカ、10・・・第1の排紙搬送路、11・・・第2の排紙搬送路、75c・・・排出部、75d・・・下側腰付け部材、76a・・・上側腰付け部材、76b・・・回転支点、76c・・・スプリング、80・・・積載ステージ、80a・・・ステージ昇降機構、81・・・トレイ、82・・・トレイ高さ検出センサ、82a・・・高さ検出レバー、83・・・積載天面姿勢センサ、84・・・トレイ下限位置検出センサ、85・・・積載位置検出センサ、90・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて作成された冊子を、前記綴じ部品で綴じられた一辺と排紙方向が交差する向きで排出部から排紙する排紙手段と、
前記排出部から排紙される冊子が積載されるトレイと、
前記トレイを冊子の積載方向に沿って昇降させる昇降手段と、
前記排紙手段で前記トレイに排紙される冊子の排紙速度を制御して、各冊子を綴じ部品の位置をずらして前記トレイに積載する制御手段と
を備えたことを特徴とする用紙積載装置。
【請求項2】
前記トレイに積載された冊子の排紙方向に沿った位置を検出する積載位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記積載位置検出手段で検出された冊子の位置に応じて、排紙速度を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の用紙積載装置。
【請求項3】
前記トレイは、積載される冊子の綴じ部品が載る側が下がる方向に傾斜し、
前記積載位置検出手段は、前記トレイの傾斜に沿った下方に設けられ、前記トレイに積載された冊子が突き当たる積載ガイド面での冊子の有無を検出し、
前記制御手段は、前記積載位置検出手段で検出された前記積載ガイド面での冊子の有無に応じて少なくとも2段階に排紙速度を切り換えて、前記積載ガイド面と冊子との距離が近づくと、前記排紙手段で前記トレイに排紙する冊子の排紙速度を速くし、前記積載ガイド面と冊子との距離が離れると、冊子の排紙速度を遅くする
ことを特徴とする請求項2記載の用紙積載装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記排紙手段で前記トレイに1冊または複数冊の冊子を排紙する毎に、3段階以上の異なる排紙速度で順次排紙速度を切り換える
ことを特徴とする請求項1記載の用紙積載装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記排紙手段で前記トレイに1冊または複数冊の冊子を排紙する毎に、2段階の異なる排紙速度で交互に排紙速度を切り換える
ことを特徴とする請求項1記載の用紙積載装置。
【請求項6】
前記排出部は、排紙方向に対する左右の幅方向に冊子を湾曲させて、前記トレイに排紙する曲げ手段を備えた
ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の用紙積載装置。
【請求項7】
前記曲げ手段は、冊子の排紙をガイドする1対のガイド部材の少なくとも1箇所ずつに、冊子の排紙方向に沿って突出量が大きくなる方向に傾斜した凸状部材を備えて構成され、対向する前記凸状部材が冊子の幅方向に位置をずらして配置されると共に、対向する前記凸状部材のどちらか一方は、冊子の厚みに応じて退避する退避手段を備えた
ことを特徴とする請求項6記載の用紙積載装置。
【請求項8】
前記綴じ部品は、用紙束を綴じる複数のリング部を備え、前記凸状部材は、前記リング部の間を通る間隔で配置される
ことを特徴とする請求項7記載の用紙積載装置。
【請求項9】
複数枚の用紙を綴じ部品で綴じて冊子を作成する製本装置において、
用紙束の一辺を綴じ部品で綴じて冊子を作成する綴じ手段と、
前記綴じ手段で作成された冊子を、前記綴じ部品で綴じられた一辺と排紙方向が交差する向きで排出部から排紙する排紙手段と、
前記排出部から排紙される冊子が積載されるトレイと、
前記トレイを冊子の積載方向に沿って昇降させる昇降手段と、
前記排紙手段で前記トレイに排紙される冊子の排紙速度を制御して、各冊子を綴じ部品の位置をずらして前記トレイに積載する制御手段と
を備えたことを特徴とする製本装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−37610(P2008−37610A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216157(P2006−216157)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】