説明

画像にモルフォロジカル演算を適用するための方法及び画像にモルフォロジカル演算を実施するためのシステム

【課題】画像へのモルフォロジカル演算を適用するための効率的な方法を提供することである。
【解決手段】上記課題は、反復的にモルフォロジカル演算を画像の焦点ピクセル及び画像の別のピクセルに適用し、この別のピクセルは焦点ピクセルに関してオフセットにあり、このオフセットは演算カウントに基づくことによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、U.S. Provisional Application No.60/637,653 filed December 20, 2004の利益を主張し、これは参照文献としてここに取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般的に画像処理に関し、より特定すれば、2値及びグレースケールアプリケーションの両方におけるモルフォロジー演算の計算の最適化に関する。
【0003】
数学的モルフォロジーは、(例えばセグメント化及びスケルトン化タスクのために)コンピュータヴィジョン及び医用イメージングアプリケーションのような様々なデジタル画像処理アプリケーションに使用されている。例えば、医療要員は患者にコンピューテッドトモグラフィ(CT)スキャンを実施することができる。CTスキャンはx線装置を使用して人体の周りの異なる角度から画像データを収集し、次いでこれらのデータを体組織及び器官の断面図を図示するために処理する。次いで、画像はハイライトされた特定エリアにモルフォロジカル演算子を使用する方法によって解析され、この結果、放射線技師(又は他の医療要員)が比較的簡単にガン、心臓血管疾病、感染性疾病、外傷及び筋骨格障害のような患者に関する問題を診断できる。
【0004】
このタイプの画像解析はモルフォロジカル演算子(構造要素(structuring element(SE))とも呼ばれる)を画像に適用することによって行われる。異なるスケールのSEは気道又は血管セグメント化を実施する場合のステップの間のように使用される。スケルトン化方法は所与のオブジェクトの中央軸を計算するためのモルフォロジカル演算子の繰り返される適用に依存する。
【0005】
構造要素を入力画像に適用するために、構造要素は入力画像に沿って移動され、演算が実施される。基本的なモルフォロジー演算はダイレーション(dilation)及びエロージョン(erosion)である。2値ダイレーションは、入力画像の各ピクセル/ボクセルに関する構造要素(フィルターカーネルとも呼ばれる)により定義される近傍の論理ORを計算し、その値を演算子の中心に割り当てることによって実施される。2値エロージョンは入力画像の各ピクセル/ボクセルに関する構造要素により定義される近傍の論理ANDを計算することによって実施される。グレーレベル画像の場合には、論理OR/ANDはグレーレベルダイレーション/エロージョンを発生するためにMAX/MIN演算子により置き換えられる。論理OR/ANDはMAX/MIN演算子とともに比較演算子と総称される。
【0006】
図1は3×3正方形構造要素100が入力画像104に適用される事例を示す。実施される演算は2値ダイレーションであり、この2値ダイレーションは入力画像104の各ピクセルに関して構造要素100により定義される近傍の論理ORを計算することによって実施される。ダイレーションを実施するためには、SE100の中央ピクセル108が入力画像104の各ピクセルに位置決めされ、OR演算子が非零である場合にSE100が入力画像ピクセルと代わる。異なった結果を出すためには、構造要素100が入力画像104のどのピクセルをORするかを特定する。よって、ダイレーション演算子は結果的に出力画像112を生じ、この出力画像112は入力画像104よりも多くの非零ピクセルを含む。シェードを付けられたピクセル116は演算の結果として加えられたピクセルを表し、他方で白いピクセル118はオリジナル入力画像104からのものである。画像112は「オフ(off)」であるピクセル120により取り囲まれており、これらの「オフ(off)」であるピクセル120はバイナリ値0を有し、画像の部分(すなわち、「オン(on)」であるピクセル)ではない。
【0007】
図1はさらに同じ正方形SE100が2値エロージョンにおいて同じ入力画像104に適用される事例を示す。前述のとおり、2値エロージョンは構造要素100と入力画像104との間の論理AND演算を使用する。出力画像120は入力画像104に比べて「オン」ピクセルの数が少ない。この例では、残っているのはただ一つのピクセルである。というのも、入力画像の中には演算子がこの画像により包含されるたった1つの位置しかなく、このたった1つの位置がAND演算に対して真値をもたらすからである。画像120はオフであるピクセル124(すなわちバイナリ値0を有する)によって囲まれている。
【0008】
これらのモルフォロジー演算のダイレクトな適用は計算機的にはインテンシブである。とりわけ、コンピュータにより必要とされる計算時間はダイレクトに実施される計算機的演算の数及びタイプに比例し、これが今度はSEと画像サイズとの積に比例する。タイムリーなやり方で結果を得るためには、効率的なアルゴリズムが必要である。さもなければ、SE又は入力画像のサイズに制限されてしまう。
【0009】
モルフォロジカル演算を実施するために使用されうる幾つかのアルゴリズムがある。最もシンプルなアプローチはブルートフォース(brute force)アルゴリズムである。ブルートフォースアルゴリズムはSE内の全ピクセル/ボクセルをピクセル毎に計算して確かめる。結果は異なる画像へと格納される。ブルートフォースアルゴリズムの計算時間は構造要素の「デジタルマス(digital mass)」に依存する。デジタルマスは、2次元(すなわち2D)ジオメトリ(すなわちそのディスクリートエリア)のコンテキストにおける特定の範囲内のピクセルの数又は特定の3次元(すなわち3D)ジオメトリ(すなわちそのディスクリートボリューム)内のボクセルの数に関連する。よって、ブルートフォースアルゴリズムでは、各出力ピクセルは構造要素のデジタルマスマイナス1(中央ピクセル)に等しい演算の数を必要とする。特に、正方形構造要素100が3ピクセルの長さ及び幅を有する場合には、この構造要素100を使用して出力画像112、120の各ピクセルを得るために必要な(以下においてはopsと呼ぶ)演算の数は、正方形構造要素100のエリアマイナス1(すなわち8ops)である。さらに、ますます多くの構造要素が異なる出力画像を得るために使用されるならば、計算時間量は指数関数的に増大する。例えば、正方形構造要素の直径(側面長)が線形に増大するにつれて、計算時間はその直径の二乗に比例して増大する。立方体の場合には、計算時間はこの立方体の側面長が線形に増大するにつれてその側面の三乗により増大する。
【0010】
モルフォロジカル演算を実施するための別の技術は因数分解アルゴリズム(factorization algorithm)である(例えばhomotopic decomposition)。この因数分解アルゴリズムは「基本(fundamental)」構造要素を使用する。これらの基本構造要素はより大きな構造要素を「破壊する」ために使用される。従って、1つの大きなSEを画像に適用する代わりに、一連の基本SEが使用される。最終結果は同一であるが、計算時間は低減される。なぜなら、より小さいSEのために必要な演算の数が単一の大きなSEのそれよりも小さいからである。例えば、構造要素が半径2の立方体であるとする。ブルートフォースアルゴリズムでは、5−1=124opsが出力画像ボクセル毎に必要とされる。しかし、因数分解アルゴリズムを使用すれば、出力画像ボクセル毎に(3−1)*2=52opsが必要とされる。因数分解によって、計算費用はそのデジタルマスよりもむしろ考慮される構造要素を制限する立方体のディスクリートな直径に比例する。よって、因数分解アルゴリズムはブルートフォース技術において有意義な計算機的な節約を提供する。
【0011】
しかし、因数分解アルゴリズムも大きな落とし穴を有する。近似なしでアルゴリズムが使用される比較的大きな構造要素の形状はシビアに使用される基本構造要素によって限定されてしまう。例えば、2次元デジタル化された円形構造要素又は3次元球形構造要素は人体(例えば気道)の構造のために医用画像処理を実施するためにしばしば使用される形状である。しかし、因数分解アルゴリズムは、大抵の場合、デジタル化された円又は球の形状に対して可能な基本構造要素の形状のために、過度な複雑性なしには円状又は球状構造要素には使用できない。従って、実際的な目的のためには、最良の可能な結果は円又は球の近似である。
【0012】
結果的に、構造要素の形状に制約を課すことなしにモルフォロジカル演算子を実施する場合には、特に円及び球に対して、計算時間を低減する必要性がまだ残存している。
【特許文献1】U.S. Provisional Application No.60/637,653 filed December 20, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
画像へのモルフォロジカル演算を適用するための効率的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、反復的にモルフォロジカル演算を画像の焦点ピクセル及び画像の別のピクセルに適用し、この別のピクセルは焦点ピクセルに関してオフセットにあり、このオフセットは演算カウントに基づくことによって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は画像へのモルフォロジカル演算を適用するための効率的な方法である。2値及びグレースケールモルフォロジーの両方が多次元画像においてサポートされる。モルフォロジカル演算(例えばダイレーション又はエロージョン)は反復的に画像の焦点ピクセル及び焦点ピクセルに関してオフセットに配置された他のピクセルに適用される。このオフセットは演算カウントに基づき、この演算カウントはモルフォロジー演算が適用される毎に増大する。演算カウントは1から所定の演算回数まで増大する。最後の2回の演算を除く全て演算に対するオフセットは2N−1によって決定され、ここでNは演算カウントである。
【0016】
必要とされる演算の数は画像に適用される構造要素の予め決定された長さの対数に基づく。とりわけ、必要とされる演算の数はlog(Q)のシーリング(ceiling)に等しく、ここでQは特定の次元における構造要素の予め決定された長さである。全演算(比較)は最後の演算と除いて中央ピクセルに対して特定の方向に進み、最後の演算は逆方向に進む。最後の演算のオフセットはフロア(floor)(Q/2)のネガティブである。最後から2番目の演算はシーリング(Q/2)−2(N−2)のオフセットを有し、Nは演算カウントである。
【0017】
1つの実施形態では、構造要素はさらに予め決定された幅及び/又は予め決定された高さを含む。いくつかの実施形態では、ピクセルはボクセルである。
【0018】
本発明の方法は、凸状構造要素を使用する画像にモルフォロジカル演算を実施するための方法を含む。反復的に画像に凸状構造要素の最も外側の寸法に相応する寸法を有するワーク構造要素が適用される。付加的なワーキングキャンバス(画像)が中間計算のために使用される。以前のワーク構造要素によってはまだ被覆されていない凸状構造要素の残りの外側寸法に相応するようにワーク構造要素の寸法が調整される。この調整は常に大きくなり、以前の反復の結果が現在の反復において使用されることを許容する。適用及び調整ステップは、予め決定された数のモルフォロジカル演算が実施されるまで繰り返され、この結果、所与の凸状構造要素のモルフォロジー計算が得られる。
【0019】
凸状構造要素は円形ディスク、球及び楕円であればよい。ワーク構造要素はさらに1次元構造要素又は長方形構造要素でもよい。それはダイアモンド形状又は対角線要素でもよい。計算の以前の数はさらにワーク構造要素の現在の長さ及び以前の長さの対数のシーリングを含む。
【0020】
これらの及び他の本発明の利点は当業者には以下の詳細な記述及び添付図を参照すれば明らかである。
【実施例】
【0021】
以下の記述は本発明を本発明の実施形態をインプリメントするために必要な処理ステップに関して記述する。これらのステップは適切にプログラムされたコンピュータにより実施され、このコンピュータのコンフィギュレーションは従来技術において公知である。適当なコンピュータは例えば周知のコンピュータプロセッサ、メモリユニット、ストレージデバイス、コンピュータソフトウェア及び他のコンポーネントを使用してインプリメントされる。このようなコンピュータのハイレベルブロック線図が図2には示されている。コンピュータ202はプロセッサ204を含み、このプロセッサ204はコンピュータプログラム命令を実行することによってコンピュータ202の演算全体をコントロールし、このコンピュータプログラム命令はこのような演算を定義する。コンピュータプログラム命令はストレージデバイス212(例えば磁気ディスク)に格納され、コンピュータプログラム命令の実行が所望される時にメモリ210にロードされる。コンピュータ202は1つ又は複数のインターフェース206を他のデバイスとの(例えばローカルに又はネットワークを介しての)通信のために含む。コンピュータ202はインプット/アウトプット208も含み、このインプット/アウトプット208はコンピュータ202とのユーザインタラクションを可能にするデバイスを表す(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、ボタンなど)。当業者ならば、実際のコンピュータのインプリメンテーションが他のコンポーネントを含むこと及び図2は説明目的のためのこのようなコンピュータのコンポーネントのうちのいくつかのハイレベル表現であることを認めるだろう。さらに、当業者ならば、ここで記述される処理ステップは回路が特にこのような処理ステップをインプリメントするために構成されている特定用途ハードウェアを使用してインプリメントされうることを認めるだろう。代替的に、処理ステップはハードウェアとソフトウェアの様々なコンビネーションを使用してインプリメントされうる。
【0022】
図3は1次元画像キャンバス300のブロック線図を示し、関心ピクセル(すなわち焦点ピクセル)304をハイライトしてある。画像キャンバス300は画像を含むピクセル(又はボクセル)のエリアである。焦点ピクセル304は最適化アルゴリズムとして後述される一連の演算によってどのように単一ピクセルが影響を受けるのかをより良く伝えるために使用される。もっとも、これらの演算は入力画像の全ピクセルに適用されるのだが。この例では、ブルートフォース方法の代わりに、一連の比較が画像キャンバス300において各ステップでたった2つの画素の間で行われる。これはその特定のステップに対して2つの要素(sparse)SEを有することに似ている。各適用事例は2つの画素の間の右オフセットを増大させることを含む:(これは論理OR、論理AND、MAX又はMINのうちの1つでもよいが)行における各ピクセルのその右の隣との論理OR(すなわち各ピクセルを右側へとその隣によってダイレートすること)。最適化アルゴリズムは比較演算子の等冪性(idempotency property)を利用する(すなわち、要素に一回以上この演算子を実施するとこの演算子が一回適用された場合と同じ結果を発生する)。
【0023】
コンピュータ202はこの最初の演算を現場で実施する(すなわち、焦点ピクセル304とその右の隣接ピクセルとの間のOR演算の結果が焦点ピクセル304での出力である)。この最初のダイレーションは行308(すなわちno ops行)から行304(1ops 行)を生じる。各事例に対する下記の各演算がベクトル化されていることに注目してもらいたい。つまり、各演算は計算が継続するとともに焦点ピクセルを結果的に置換するのである。よって、最初の演算においては、キャンバス300における各ピクセルはそれ自体とその直ぐ右側の隣接ピクセルとの間の論理ORによって置換される。
【0024】
結果的に、各ピクセルの出力はそれ自体と隣接ピクセルとの演算の結果である。これは以下において演算のスパン(the span of the operation)と呼ばれ、すなわちそのピクセルがピクセルに格納された情報の結果に寄与する。図3における焦点ピクセル304のスパンにはシェードが付けられている。1回の演算の後で、行312における焦点ピクセル304のスパンはそれ自体とその右側の隣接ピクセルである。
【0025】
次に、論理OR演算が各ピクセルとその隣接ピクセルではなく右へと1つだけ越えたピクセルとの間で実施される。これは行312から行316への矢印により示されている。この結果、2つのOR演算の後で、スパンは4ピクセルである。このスパンは4ピクセルである、なぜならこの論理OR演算は事実上焦点ピクセル304及びその右隣りならびに第3のピクセル及びその右隣りをカバーしているからである。
【0026】
次の演算子は行316から行320へと示されているように、第4のピクセル324に実施される。焦点ピクセル304と第4のピクセル324との論理ORによって、スパンは8ピクセルに増大する。特に、焦点ピクセル304がその3つの隣接ピクセルとの論理ORの結果(すなわち4つのピクセル)であるように、第4のピクセル324はその3つの隣接ピクセルとの論理ORの結果(すなわち4つのピクセル)である。画像に対して実施される3opsの結果は、画像に対する8ピクセル幅SE計算と同じである。
【0027】
出力ピクセル毎にM個のopsにおいてカバーされうる最大スパンは2である。この限定の逆は、N個の隣接するピクセルのモルフォロジカルな比較を実施するために必要とされる最小演算数Mmin
min=CEIL(log(N))
により定義されることである。
【0028】
上記の最適化アルゴリズムをブルートフォース技術と比較すると、この最適化アルゴリズムは8個の論理OR演算(すなわち8ダイレーション)をたった3opsで実施することに等価である。しかし、ブルートフォース技術は8個の論理OR演算を実施するために8opsを必要とする。よって、この最適化アルゴリズムは有意義な計算節約を提供する。
【0029】
特例として、下記のように左端のピクセル(太字)にセンターを有する1Dの4つのピクセル構造要素が同じく下記のような入力画像をダイレート(dilate)するために使用されると仮定しよう:
1111 構造要素
00000100000 入力画像
ブルートフォースアプローチによれば、構造要素の中央ピクセルは入力画像の各ピクセルと整列され、次いで構造要素によって定められる入力画像の近傍がOR演算される。この結果、出力画像
00111100000
が得られる。
【0030】
入力画像に最適化アルゴリズムを使用すると、得られる結果は各演算毎に:
no ops :00000100000
1 op :00001100000
2 ops :00111100000
となる。
【0031】
図示されているように、最適化アルゴリズムは2回の演算の後でブルートフォースアルゴリズムと同一の結果を生じる。4ピクセル1次元構造要素に対して必要な演算の数は上記の式から決定される:2=4;N=2ops。よって、2opsが4ピクセル1次元構造要素を適用する場合に得られるのと同じ出力画像を得るために必要である。上記の説明では、1方向のopsだけが示されている。これは左側センターピクセルを有するSEだけを可能にする。同様に反対方向の単一opの使用は対称的な演算子を可能にする。
【0032】
上記の原理に基づいて、長方形構造要素最適化アルゴリズムが画像への長方形構造要素の提供に使用されうる。図4は画像キャンバス400に対して最適化アルゴリズムを使用する5×7長方形構造要素に対する2値ダイレーションのブロック線図を示す。焦点ピクセル404は関心ピクセルを表し、上記のように演算がベクトル化されている。
【0033】
ステップ450はそれ自体とその右隣との間での論理ORを表す焦点ピクセル404を示す。次に、ステップ454では、論理ORが再び焦点ピクセル404とその右隣との間で実施される。これは(ステップ454に示されているように)(ベクトル化のために)焦点ピクセル404の右側に2ピクセルを含むスパンを増大させる。よって、焦点ピクセル404はステップ454においてシェードを付けられた2つのピクセルに関する情報を含む。ステップ458では、コンピュータ202は焦点ピクセル404に対する遠心ピクセル(distal pixel)の方向を逆転させ(すなわち、焦点ピクセルx[m,n]=x[m,n]|x[m−2,n])、この結果、スパンが反対方向に拡張する。これは長方形構造要素の焦点ピクセル404に関してスパン対称性を維持することである。ステップ458の終了時には、各ピクセルは長さ5の1行であるスパンを有する。
【0034】
ステップ462では、コンピュータ202は焦点ピクセル404とその直下のピクセルとの間の論理ORを計算する。これは実際には5×2近傍に配置された10個のオリジナルピクセル値の間の論理ORである。コンピュータ202はステップ466及び470でステップ454及び458と同じやり方で最適化アルゴリズムをインプリメントしつづける。ただしここでは水平方向ではなく垂直方向にこのアルゴリズムが適用される。最終結果はステップ470に示されている。焦点ピクセル404は画像キャンバス400との5×7長方形構造要素のダイレーション結果を表す。さらに、2D長方形構造要素に関して上では記述したが、上記の最適化アルゴリズムはさらに3次元長方形構造要素(例えば、5×5×7)に適用しうる。
【0035】
以下においては2値ダイレーション演算子(すなわち論理OR)の適用を記述するが、最適化アルゴリズムはいかなる比較演算子をも使用できる。それゆえ、OR演算子はいかなる他のモルフォロジカル比較演算子(例えば、AND、MIN又はMAX)によっても置換されうる。この能力はこの方法を2値領域とグレースケール領域の両方に適用することを可能にする。対角方向におけるこの方法の適用は、ダイアモンド形状の構造要素のモルフォロジー計算を可能にする。
【0036】
図5は長方形又は立方体構造要素によるダイレーションのための最適化アルゴリズムのフローチャートを示す。このフローチャートは2Dケース及び3Dケースが両方とも1Dケースの拡張である(すなわち異なる軸に適用される)ように1Dケースにおける一般化を示す。それゆえ、図5は2値ピクセルの奇数長(Q)ランの論理比較を効率的に得るための最適化アルゴリズムを示し、他方で最終結果における対称性を維持するようにしている。
【0037】
Q個のピクセルを比較するために必要とされる必要なopsの最小数(N)は最初にステップ504で決定される。この最小数は上記の式により与えられる:
min=CEIL(log(Q))
最終結果が対称的となるように、最後のop(すなわちN)を除く全てのops(すなわち、最初のN−1ops)はステップ508において(フォワード方向と呼ばれる)1方向へのスパンを増大させて拡張される。最後のopはリバース方向へのスパンを増大させて拡張される。
【0038】
焦点ピクセルに対する各opのオフセットを得ることが必要である。累積する論理opsに対するN−1個のフォワードオフセットが存在するだろう。なぜなら、最後のopはリバース方向にあるからである。最初のN−2ops(すなわち最後のフォワードopを除く全て)は焦点ピクセルに関して2のオフセットで実行され、ただしここでP∈[0,1,2,・・・(N−2)−1]である。最後のフォワードオフセットはCEIL(Q/2)−2(N−2)である。
【0039】
コンピュータ202は次いでステップ512でリバース方向にスパンを拡張する。コンピュータ202は最初に焦点ピクセルに関して最後のopのためのオフセットを決定する。このオフセットは−FLOOR(Q/2)であり、このマイナス符号はオフセットがリバース方向であることを示すために使用される。
【0040】
例えば、N=2の場合には、たった一つのフォワードオフセット(N−1)しかない。これはQ=3の場合に生じる(すなわち、焦点ピクセル、焦点ピクセルの右に1ピクセル及び焦点ピクセルの左に1ピクセルが構造要素を構成する)。
【0041】
上記でも下記でも2値ダイレーション演算子を適用することが記述される(例えば論理OR)が、最適化アルゴリズムはいかなる比較演算子をも使用できる。それゆえ、OR演算子は同じくいかなる他のモルフォロジカル比較演算子(例えば、AND、MIN又はMAX)によっても置換されうる。さらに、ステップ504〜512は残りの軸において繰り返される。
【0042】
図6A〜6Cはブルートフォースアルゴリズム、因数分解アルゴリズム及び最適化アルゴリズムを立方体構造要素に対して使用してその半径が1〜10まで増大する時の様子を時間に対してタイムプロットしたものを示す。
【0043】
図6Aは立方体構造要素の半径が増加するにつれてブルートフォースアルゴリズムにおいて計算消費が指数関数的に増大することを示す。よって、立方体構造要素の半径が6である時、曲線602はブルートフォースアルゴリズムを使用する構造要素を適用するために必要な時間がほぼ2000ユニット(例えば秒)であることを示す。他の2つの方法により必要とされるタイミングはブルートフォース方法の時間を示すために必要な高さのためにほとんど見えない。
【0044】
図6Bは立方体構造要素の半径が増加するにつれて因数分解アルゴリズムにおいて計算消費が線形に増大することを示す曲線604を示している。立方体構造要素の半径が6である時、曲線604は因数分解アルゴリズムを使用する構造要素を適用するために必要な時間がほぼ150ユニット(例えば秒)であることを示す。タイムスケールはブルートフォースアルゴリズムの場合の0〜10000から因数分解アルゴリズムの場合の0〜300にまで低減されている。提案される本発明の方法の時間はここでもほとんど見えない。
【0045】
図6Cは上記のような最適化アルゴリズムの場合の計算消費が立方体構造要素の半径のlogに比例することを示す曲線608を示している。立方体構造要素の半径が6である時、曲線608は構造要素を適用するために必要な時間がほぼ12ユニット(例えば秒)であることを示す。タイムスケールは因数分解アルゴリズムの場合の0〜300から最適化アルゴリズムの場合の6〜16にまで低減されている。
【0046】
最適化アルゴリズムは2D円形(又は楕円)又は3D球体(又は楕円体)のようなデジタル的に凸状(convex)構造要素にも適用されうる。ここでは凸性(convexity)とは、デジタル的に凸状の構造(2D)におけるいかなるピクセルの中心点からも同一構造のいかなる他のピクセルの中心点へとラインを描くことが可能であること及びラインが完全にこの構造体の内部に存在しければならないか又はもしラインがこの構造の外側に出てしまってもそのラインセグメントにより制限されるエリア及びこのラインセグメントと共通の開始点及び終了点を共有するデジタル構造の境界セグメントがこの構造の部分ではないいかなるピクセルの中心点をも含まないことを意味する。
【0047】
1つの実施形態では、円状構造要素を適用するために、2つの画像キャンバスが最適化アルゴリズムを使用してモルフォロジー結果を達成するために必要とされる。コンピュータ202は最適化アルゴリズムを反復的に実施し、この場合、各反復がスパン拡張ステップ及びピックアップ/比較ステップを含む。各反復においてコンピュータ202は残ってアドレス指定される構造要素を「チップアウェイ(chips away)」する。
【0048】
構造要素はトップダウンで検査される。すなわち、ユニークな長さを有するその最も外側の行/列が考察されなければならない。凸性によって、生じる各々新しい行/列長さが以前のものよりも長くなるだろう。こうして、ワークキャンバスの各ピクセルにおいて比較が行われるところの近傍のスパンが拡張される。これによって以前の反復によって既に利用可能な計算に基づいて形成することが可能となる。これらの中間結果のシステマティックな合成は所望のモルフォロジー結果をもたらす。構造要素の分解はアルゴリズム(トップダウン)に対する"divide and conquer"アプローチである。なぜなら、それはダイナミックプログラミング(ボトムアップ)に類似したフレームワーク内でモルフォロジーをインプリメントするためのステージを設定するからである。よって、隣接出力ピクセルにおけるオリジナルキャンバスの比較の空間的オーバーラップが利用される。
【0049】
図7は{5,9,11,13,15,17}の行長さ及び{1,5,9,11,13,15}の列長さを有する凸状構造要素(2Dデジタル化された円)700の例を示す。この構造要素700は上記の因数分解アルゴリズムには向いていない。2つの画像キャンバスが各反復において更新され、ここで暫定ワークキャンバスWは最初に更新され、長方形スパン拡張を反映する(パート1)。これに続いて、出力画像キャンバスO自体と更新されたWとの間でのベクトル化された比較により出力画像キャンバスOを更新する(パート2)。1つの実施形態では、入力画像キャンバスがOのために使用される。代替的に、別個の画像キャンバスが使用される。
【0050】
図8A及び8Bは2つの図7に示された2D円形構造要素を画像に適用する最適化アルゴリズムにおける2つの画像キャンバス804、808を示す。中間キャンバスW804はオリジナル画像及びそれ自体における計算からの結果を含む。最終出力画像O808はWとそれ自体との間で行われた演算を含む。このアプリケーションは3回の反復で完了する。第1の部分804の3回の反復では、もし適切な構造要素によりダイレートされるならば、残っている構造要素(RSE)を完全にカバーするために使用されうるようにWの長方形ダイレーションフットプリントが最も大きい長方形に増大される。第2の部分808の3回の反復では、WがシステマティックにOと比較される。Wの長方形ダイレーションフットプリントはRSEと相関するようにオフセットされる。よって、O内の各ピクセルは、RSEの最も外側のユニークな行及び列がチップアウェイされうるようにそれ自体と相応の位置からオフセットされるW値との比較により更新される。
【0051】
とりわけ、コンピュータ202は最初に5ピクセルの行である構造要素を使用してWに対する適切な(in place)ダイレーションを実施し、次いでその結果を横切って、反復1におけるOを形成する。この結果、W内の4ピクセルがO内の単一中央ピクセルへと結合され、これはsparse4ピクセルSEを適用することに似ている。これは本質的に残ってアドレス指定される構造要素を「チップアウェイ」する。更新されたRSEは今や(図7に示されたような)オリジナルの構造要素に関して除去されたトップ及びボトム行及び最も左の及び最も右のピクセルを有する。
【0052】
反復2では、Wは9×5長方形構造要素を有するオリジナル画像のダイレーション結果を含むことを要求される。といのも、それらはRSEの最も外側の行/列長さ(すなわち、先のステップで構造要素によりカバーされなかった最も外側の寸法)であるからである。反復1の結果、Wは既に5×1長方形構造要素を有するダイレーション結果を含んでいる。それゆえ、コンピュータ202は5×1長方形ダイレーションフットプリントが9×5長方形ダイレーションフットプリントに拡張されるようにWを更新する必要がある。注意すべきは、このステップが反復1からのデータを再利用することであり、これによりこのステップはスクラッチから9×5SEを計算するよりも計算的により効率的なものにする。次いで、W内のピクセルはストラテジー的にO内のピクセルと比較される。反復2の終了時にOの各ピクセルに反映されるダイレーションフットポイントが示されている。
【0053】
反復3において、コンピュータ202はW内のダイレーション結果を13×9(これは更新されたRSEの最も外側の行/列長さである)となるように拡張し、所望の結果を得るためにOとのピッキング/比較の最終ラウンドを行う。いかなる凸状のX−Y対称構造要素に対してもここで概略を述べたアルゴリズムを実施するために必要とされるパラメータは反復の回数、各反復毎のWの内の長方形スパンにおける増大(すなわち、第1の部分804)及びO焦点位置に関してW要素をセレクトするためのオフセット(第2の部分808)である。Wにおいて必要とされるパディング(すなわち、構造要素の調整(例えば拡張))は前述の式よりもより一般的な式による。この一般的な式は
min=CEIL(log(Lnow/Lprev))
である。
【0054】
よって、必要とされるモルフォロジカル演算の最小回数は長方形構造要素の現在の長さ及び以前の長さに依存している。
【0055】
さらに、2D円状構造要素に対する上記の最適化アルゴリズムは3D球状構造要素にも適用される。3D球の場合には、6以上のボクセル演算子が使用されることになる。凸状構造要素の別の例は楕円である。
【0056】
図9は変化する直径を有する10個の円形構造要素を使用する512×512×50閾値CTサブイメージの2値ダイレーションのための実行時間の線図900を示す。線図900は従来技術の(例えばMATLABツールボックス)アルゴリズムを使用する場合にディスクリートな円形構造要素の半径が増大する時の計算時間の増大を示すプロット904を示している。プロット908は上記の最適化アルゴリズムを使用する場合に円形構造要素の半径が増大する時の計算時間の増大を示す。従来技術において達成される最大実行時間はほぼ1100秒であり、他方で線図900では最適化アルゴリズムにおいて達成される最大実行時間はほぼ200秒である。
【0057】
上記の詳細な記述はあらゆる観点から説明的及び例示的なものであり、限定的なものではないと理解してほしい。さらに、ここで開示された本発明の範囲はこの詳細な記述から決定されるべきではなく、むしろ特許法により許可される最大外延に従って解釈されるように請求項から決定されるべきである。ここに示され上述された実施例は単に本発明の原理の例証となるものであり、様々な修正が本発明の範囲及び精神から離れることなく当業者によりインプリメントされうることを理解してほしい。当業者は本発明の範囲及び精神から離れることなく様々な他のフィーチャ組み合わせをインプリメントできるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】3×3正方形構造要素による入力画像の2値ダイレーション及びエロージョンの従来技術のブロック線図を示す。
【図2】本発明の実施例によるコンピュータのハイレベルブロック線図である。
【図3】本発明の実施例による1次元(1D)行における最適化されたモルフォロジーアルゴリズムのブロック線図である。
【図4】本発明の実施例による最適化アルゴリズムを使用する5×7長方形構造要素における2値ダイレーションのブロック線図である。
【図5】本発明の実施例による長方形又は立方体構造要素による画像のダイレーションのための最適化アルゴリズムのフローチャートである。
【図6】図6A〜6Cは本発明の実施例による立方体構造要素の半径が1〜10まで増大する時のブルートフォースアルゴリズム、因数分解アルゴリズム及び最適化アルゴリズムを使用する際に必要とされる時間のプロットを示す。
【図7】本発明の実施例による2D凸状構造要素の例を示す。
【図8】図8A及び8Bは本発明の実施例による画像への楕円状構造要素の適用のための最適化アルゴリズムの適用事例のブロック線図である。
【図9】本発明の実施例とブルートフォースインプリメンテーションによる変化する直径を有する10個の円状構造要素を使用する512×512×50閾値CTサブイメージの2値ダイレーションのための実行時間を比較する線図を示す。
【符号の説明】
【0059】
100 正方形構造要素
104 入力画像
108 中央ピクセル
112 出力画像
116 シェードを付けられたピクセル
118 白いピクセル
120 「オフ」であるピクセル
202 コンピュータ
204 プロセッサ
206 インターフェース
208 I/O
210 メモリ
212 ストレージ
300 1次元画像キャンバス
304 関心ピクセル(焦点ピクセル)
308 行
312 行
316 行
320 行
324 第4のピクセル
400 画像キャンバス
404 焦点ピクセル
602 ブルートフォースアルゴリズムの際の計算消費曲線
604 因数分解アルゴリズムの際の計算消費曲線
608 最適化アルゴリズムの際の計算消費曲線
700 凸状構造要素
804 第1の部分、中間キャンバスW
808 第2の部分、最終出力画像O
RSE 残っている構造要素(the remaining structuring element)
SE 構造要素(structuring element)
900 変化する直径を有する10個の円形構造要素を使用する512×512×50閾値CTサブイメージの2値ダイレーションのための実行時間の線図
904 従来技術の(例えばMATLABツールボックス)アルゴリズムを使用する場合にディスクリートな円形構造要素の半径が増大する時の計算時間の増大を示すプロット
908 本発明の最適化アルゴリズムを使用する場合に円形構造要素の半径が増大する時の計算時間の増大を示すプロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像にモルフォロジカル演算を適用するための方法において、該方法は、
反復的にモルフォロジカル演算を画像の焦点ピクセル及び前記画像の別のピクセルに適用し、該別のピクセルは前記焦点ピクセルに関してオフセットにあり、該オフセットは演算カウントに基づくことを有する、画像にモルフォロジカル演算を適用するための方法。
【請求項2】
演算カウントはモルフォロジカル演算が適用された回数である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
演算カウントは1から画像にモルフォロジカル演算を適用しなければならない演算の数まで増大する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
オフセットは2N−1によって決定され、ここでNは演算カウントである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
さらに、必要とされる演算の数を決定することを有する、請求項3記載の方法。
【請求項6】
必要とされる演算の数は構造要素の予め決定された長さに依存する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
演算の数は予め決定された長さの対数に基づく、請求項6記載の方法。
【請求項8】
演算の数はシーリング(log(Q))に等しく、ここでQは構造要素の予め決定された長さである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
演算の数の最後の演算は少なくともいくつかの他の演算に対して逆方向に進む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
最後の演算のオフセットはフロア(Q/2)のネガティブであり、ここでQは構造要素の予め決定された長さである、請求項6記載の方法。
【請求項11】
最後から2番目の演算はシーリング(Q/2)−2(N−2)のオフセットを有し、ここでQは構造要素の予め決定された長さであり、Nは演算カウントである、請求項6記載の方法。
【請求項12】
ピクセルはボクセルである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
構造要素はさらに予め決定された幅を有する、請求項6記載の方法。
【請求項14】
構造要素はさらに予め決定された高さを有する、請求項6記載の方法。
【請求項15】
凸状構造要素を使用する画像にモルフォロジカル演算を実施するための方法において、該方法は、
反復的に画像に凸状構造要素の最も外側の寸法に相応する寸法を有するワーク構造要素を適用し、
以前のワーク構造要素によってはまだ被覆されていない凸状構造要素の残りの外側寸法に相応するようにワーク構造要素の寸法を調整し、
予め決定された数のモルフォロジカル演算が実施されるまで適用及び調整を繰り返すことを有する、凸状構造要素を使用する画像にモルフォロジカル演算を実施するための方法。
【請求項16】
凸状構造要素は円、球及び楕円のうちの少なくとも1つを有する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
ワーク構造要素はさらに1次元構造要素を有する、請求項15記載の方法。
【請求項18】
ワーク構造要素はさらに長方形構造要素を有する、請求項15記載の方法。
【請求項19】
モルフォロジカル演算の予め決定された数はさらに構造要素の現在の長さ及び以前の長さの対数のシーリングを有する、請求項15記載の方法。
【請求項20】
ワーク構造要素の寸法の調整はワークキャンバス上で行われる、請求項15記載の方法。
【請求項21】
画像へのワーク構造要素の適用は画像の少なくとも1つの焦点ピクセル及び前記画像の少なくとも1つの他のピクセルにモルフォロジカル演算を適用することによって行われる、請求項15記載の方法。
【請求項22】
画像の焦点ピクセル及び前記画像の少なくとも1つの他のピクセルはさらに少なくとも1つのボクセルを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
凸状構造要素を使用する画像へのモルフォロジカル演算を実施するためのシステムにおいて、該システムは、
反復的に画像に凸状構造要素の最も外側の寸法に相応する寸法を有する構造要素を適用するための手段と、
以前のワーク構造要素によってはまだ被覆されていない凸状構造要素の残りの外側寸法に相応するように構造要素の寸法を調整するための手段と、
予め決定された数のモルフォロジカル演算が実施されるまで適用及び調整を繰り返すための手段を有する、凸状構造要素を使用する画像へのモルフォロジカル演算を実施するためのシステム。
【請求項24】
凸状構造要素は円、球及び楕円のうちの少なくとも1つを有する、請求項23記載のシステム。
【請求項25】
ワーク構造要素はさらに1次元構造要素を有する、請求項23記載のシステム。
【請求項26】
ワーク構造要素はさらに長方形構造要素を有する、請求項23記載のシステム。
【請求項27】
モルフォロジカル演算の予め決定された数はさらに構造要素の現在の長さ及び以前の長さの対数のシーリングを有する、請求項23記載のシステム。
【請求項28】
ワーク構造要素の寸法の調整はワークキャンバス上で行われる、請求項23記載のシステム。
【請求項29】
画像へのワーク構造要素の適用は画像の少なくとも1つの焦点ピクセル及び前記画像の少なくとも1つの他のピクセルにモルフォロジカル演算を適用することによって行われる、請求項23記載のシステム。
【請求項30】
画像の焦点ピクセル及び前記画像の少なくとも1つの他のピクセルはさらに少なくとも1つのボクセルを含む、請求項29記載のシステム。
【請求項31】
画像にモルフォロジカル演算を適用するためのシステムにおいて、該システムは、
反復的にモルフォロジカル演算を画像の焦点ピクセル及び前記画像の別のピクセルに適用するための手段を有し、該別のピクセルは前記焦点ピクセルに関してオフセットにあり、該オフセットは演算カウントに基づく、画像にモルフォロジカル演算を適用するためのシステム。
【請求項32】
演算カウントはモルフォロジカル演算が適用された回数である、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
演算カウントは1から画像にモルフォロジカル演算を適用しなければならない演算の数まで増大する、請求項31記載のシステム。
【請求項34】
オフセットは2N−1によって決定され、ここでNは演算カウントである、請求項31記載のシステム。
【請求項35】
さらに、必要とされる演算の数を決定するための手段を有する、請求項33記載のシステム。
【請求項36】
必要とされる演算の数は構造要素の予め決定された長さに依存する、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
演算の数は予め決定された長さの対数に基づく、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
演算の数はシーリング(log(Q))に等しく、ここでQは構造要素の予め決定された長さである、請求項37記載のシステム。
【請求項39】
演算の数の最後の演算は少なくともいくつかの他の演算に対して逆方向に進む、請求項38記載のシステム。
【請求項40】
最後の演算のオフセットはフロア(Q/2)のネガティブであり、ここでQは構造要素の予め決定された長さである、請求39記載のシステム。
【請求項41】
最後から2番目の演算はシーリング(Q/2)−2(N−2)のオフセットを有し、ここでQは構造要素の予め決定された長さであり、Nは演算カウントである、請求項39記載のシステム。
【請求項42】
ピクセルはボクセルである、請求項31記載のシステム。
【請求項43】
構造要素はさらに予め決定された幅を有する、請求項36記載のシステム。
【請求項44】
構造要素はさらに予め決定された高さを有する、請求項36記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−178988(P2006−178988A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−366597(P2005−366597)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(593078006)シーメンス コーポレイト リサーチ インコーポレイテツド (47)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Corporate Research,Inc.
【住所又は居所原語表記】755 College Road East,Princeton, NJ 08540,United States of America
【Fターム(参考)】