画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラム
【課題】画像データの配信を効率よく行うことができる画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】画像データ配信装置10は、画像データ分離部11と、画像データ配信部12と、を備える。画像データ分離部11は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。画像データ配信部12は、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する。
【解決手段】画像データ配信装置10は、画像データ分離部11と、画像データ配信部12と、を備える。画像データ分離部11は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。画像データ配信部12は、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナにより原稿を読み取ることで得られる画像データを、指定された配信先に配信する画像データ配信装置が知られている。たとえば特許文献1には、スキャナを備えた画像形成装置と配信サーバとをネットワークで接続し、配信サーバが、画像形成装置のスキャナで読み取られた原稿の画像データを、指定された配信先に配信する技術が記載されている。また、この特許文献1に記載の技術では、配信サーバが過去に配信した画像データを蓄積しておき、その一覧を画像形成装置に提示して、一覧の中から選択された画像データを配信先へと配信することで、過去に配信した画像データと同じ画像データを配信する場合の効率化を図るようにしている。
【0003】
原稿の読み取りを行うスキャナとしては、圧板によりコンタクトガラスに圧接された原稿に対して読み取りを行う読取部(以下、「圧板読取部」という。)と、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)により搬送される原稿に対して読み取りを行う読取部(以下、「ADF読取部」という。)とを備えたものが広く用いられている。この種のスキャナでは、特に、複数ページの原稿を読み取る場合や、原稿の両面の読み取りを行う場合に、ADF読取部による読み取りが行われる。また、原稿の両面の読み取りを高速に行えるようにするために、ADFにより搬送される原稿の表面の読み取りを行うADF読取部(以下、「ADF表面読取部」という。)と、裏面の読み取りを行うADF読取部(以下、「ADF裏面読取部」という。)とを個別に設けたスキャナも知られている。
【0004】
以上のようなスキャナでは、圧板読取部による読み取りと、ADF表面読取部による読み取り、ADF裏面読取部による読み取りといったように、異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行することも行われている。たとえば、複数枚綴りの申込書と運転免許証などの証明書からなる届出書類をスキャナで読み取る場合、申込書の表面はADF表面読取部で読み取られ、申込書の裏面はADF裏面読取部で読み取られ、運転免許証などの証明書は圧板読取部で読み取られることになるが、これらの一連の原稿読み取り動作は1つのジョブとして実行可能である。そして、1つのジョブで得られる画像データの配信は、一括して行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように1つのジョブとして読み取られた画像データを一括して配信する場合、読取元ごとに配信先を切り替えたいという要望もある。たとえば、上述した届出書類の例では、申込用紙の表面はFTPサーバに配信し、申込用紙の裏面はメール配信サーバに配信し、免許証等の証明書はファイルサーバに配信することが、書類の管理上から望ましい場合などである。また、1つのジョブとして読み取られた画像データを、たとえば設定された条件に応じて複数の配信先に振り分けて配信したいといった要望もある。
【0006】
しかしながら、従来の画像データ配信装置では、一連の原稿読み取り動作により得られた画像データは1まとまりのデータとして扱われ、当該画像データに対して1つの配信先しか指定することができない。したがって、1つのジョブとして読み取られた画像データを一括して配信する場合に、ユーザの要望に応じて読取元ごとに配信先を切り替えたり、複数の配信先に振り分けたりといった柔軟な対応を図ることができず、効率が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データの配信を効率よく行うことができる画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像データ配信装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する画像データ分離手段と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する画像データ配信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像データ配信システムは、原稿を読み取る読取装置と、コンピュータで実行されるプログラムと、を備える画像データ配信システムであって、前記読取装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを前記コンピュータに送り、前記プログラムは、前記コンピュータに、前記読取装置の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、をコンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して、決定した配信先に配信するので、画像データの配信を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、画像データ配信装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像データ配信システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図3】図3は、複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、読取元識別情報と画像データ配信先との対応関係の一例を示す図である。
【図5】図5は、複合機の配信制御部により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、オペレーションパネルに表示される配信先指定画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、第2変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、第3変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、オペレーションパネルに表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図15】図15は、第4変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、画像データ結合部が画像データを結合する様子を模式的に示す概念図である。
【図17】図17は、オペレーションパネルに表示される結合指定画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、第4変形例の複合機の配信制御部により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
<画像データ配信装置の概要>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像データ配信装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る画像データ配信装置10の基本構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像データ配信装置10は、図1に示すように、画像データ分離部11と、画像データ配信部12と、を備える。
【0015】
画像データ分離部11は、スキャナ(読取装置)による一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。ここで、所定の条件としては、たとえば、原稿を読み取った読取元別に画像データを分離するといった条件、原稿が複数ページからなる場合に所定ページ数ごとに画像データを分離するといった条件、予め登録あるいはユーザにより指定されたキーワードの位置に基づいて画像データを分離するといった条件、順次セットされた複数の原稿を順次読み取る場合に個々の原稿から得られる画像データごとに分離するといった条件などが挙げられる。
【0016】
従来の画像データ配信装置は、一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを1まとまりのデータとして扱っていた。これに対して、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、画像データ分離部11を備えることで、一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離し、それぞれ個別のデータとして扱えるようになる。
【0017】
画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する。たとえば、画像データの配信先の候補として、配信先A,配信先B,・・・,配信先Cが画像データ配信装置10と通信可能に接続されている場合、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された各画像データごとに、配信先A,配信先B,・・・,配信先Cのいずれに配信するかを決定する。そして、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された各画像データを、決定した配信先に配信する。
【0018】
なお、画像データの配信先の候補である配信先A,配信先B,・・・,配信先Cは、それぞれ個別の外部装置(画像データ配信装置10の外部のサーバなど)として構成されていてもよいし、単独の外部装置における異なるデータ格納先(たとえば、外部装置内に設けられた個別のフォルダなど)として構成されていてもよい。また、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された複数の画像データごとに、画像データ配信装置10内におけるデータ格納先(たとえば、画像データ配信装置10内に設けられた個別のフォルダなど)を決定し、決定したデータ格納先に複数の画像データを各々格納することもできる。
【0019】
本実施形態に係る画像データ配信装置10は、たとえば、原稿を読み取るスキャナ(読取装置)の一機能、あるいはスキャナを備える画像形成装置の一機能として実現することができる。また、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置とは別の装置(サーバコンピュータなど)として実現し、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置と通信ネットワークを介して接続する構成とすることもできる。この場合、画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置から、通信ネットワークを介して一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを取得する。
【0020】
また、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の一機能として実現する場合、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の内部のコンピュータがプログラムを実行することにより、上述した画像データ分離部11や画像データ配信部12の機能を実現することができる。つまり、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の内部のコンピュータによって実行されるプログラムとして提供することができる。
【0021】
同様に、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置とは別のサーバコンピュータなどで実現する場合、サーバコンピュータなどがプログラムを実行することにより、上述した画像データ分離部11や画像データ配信部12の機能を実現することができる。つまり、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、サーバコンピュータなどによって実行されるプログラムとして提供することができる。
【0022】
<画像データ配信システム>
以下では、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナを備える複合機(MFP:Multifunction Peripheral)の一機能として実現し、配信先AとしてFTPサーバ、配信先BとしてSMTPサーバ、配信先Cとしてファイルサーバを用いた場合を例に挙げて、複合機を含む画像データ配信システムについて説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る複合機1を含む画像データ配信システムの概略構成を示すシステム構成図である。図2に示すように、画像データ配信システムは、複合機1と、FTPサーバ2と、SMTPサーバ3と、ファイルサーバ4と、を備える。これら複合機1、FTPサーバ2、SMTPサーバ3、およびファイルサーバ4は、通信ネットワーク5を介して接続されている。なお、通信ネットワーク5の形態は任意であり、たとえば、インターネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)などを適用できる。
【0024】
FTPサーバ2は、FTP(File Transfer Protocol)を使用してファイルの送受信を行うサーバである。SMTPサーバ3は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を使用して電子メールの送信を行うサーバである。ファイルサーバ4は、通信ネットワーク5上で共有するファイルを蓄積して管理するサーバである。これらFTPサーバ2、SMTPサーバ3、およびファイルサーバ4は、いずれも複合機1による画像データ配信処理によりアクセスされる。
【0025】
<複合機>
次に、本実施形態に係る複合機1の具体例について説明する。図3は、本実施形態に係る複合機1の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図3に示すように、複合機1は、上述した画像データ配信装置に相当する配信制御部10と、スキャナ20と、オペレーションパネル30と、を備える。
【0026】
スキャナ20は、圧板読取部21、ADF表面読取部22、およびADF裏面読取部23の3つの読取部を備える。圧板読取部21は、圧板によりコンタクトガラスに圧接された原稿に対して読み取りを行う。ADF表面読取部22は、ADFにより搬送される原稿の表面の読み取りを行う。ADF裏面読取部23は、ADFにより搬送される原稿の裏面の読み取りを行う。スキャナ20の上記いずれかの読取部で原稿を読み取ることにより得られた画像データは、配信制御部10に渡される。また、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作は、配信制御部10により監視される。
【0027】
オペレーションパネル30は、複合機1に対するユーザの操作入力の受け付けを行うととともに、各種情報を表示する。オペレーションパネル30からのユーザの入力は、スキャナ20や配信制御部10に通知される。
【0028】
配信制御部10は、関連付け部13、画像データ分離部11、記憶部14、変更部15、および画像データ配信部12を備える。
【0029】
関連付け部13は、スキャナ20が原稿を読み取ることで得られた画像データと、原稿の読取元を識別する読取元識別情報との関連付けを行う。具体的には、関連付け部13は、たとえば、スキャナ20により原稿の読み取りが開始されると、その読み取り動作を監視して、上記の圧板読取部21、ADF表面読取部22、ADF裏面読取部23のいずれの読取部が原稿の読み取りを行っているかを判定する。そして、関連付け部13は、スキャナ20から画像データが渡されると、原稿の読み取りを行った読取部(読取元)を識別する情報として予め定めた読取元識別情報を画像データに付加することで、画像データと読取元識別情報との関連付けを行う。その後、関連付け部13は、読取元識別情報を付加した画像データを、画像データ分離部11に渡す。なお、本実施形態において「読取元」とは、単一の読取装置であるスキャナ20に設けられた複数の読取部(圧板読取部21、ADF表面読取部22、ADF裏面読取部23)のうち、原稿の読み取りを行った読取部を指す。これら複数の読取部は読み取り方式の違いにより区別される。したがって、原稿の「読取元」は原稿の「読み取り方式」と置き換えることもできる。
【0030】
原稿の読取元の判定は、たとえば、圧板の開閉を検知するセンサの信号を入力し、原稿の読み取り前に圧板が開放され、圧板が閉じられた後に原稿の読み取りが開始された場合は、圧板読取部21による原稿の読み取りが行われていると判定することができる。一方、圧板が開閉されることなく原稿の読み取りが開始された場合は、ADF表面読取部22またはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われていると判定することができる。また、ADF原稿台に原稿がセットされているか否かを検知するセンサの信号を入力し、ADF原稿台に原稿がセットされている状態で原稿の読み取りが開始された場合は、ADF表面読取部22またはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われていると判定し、ADF原稿台に原稿がセットされていない状態で原稿の読み取りが開始された場合は、圧板読取部21による原稿の読み取りが行われていると判定するようにしてもよい。
【0031】
また、ADF表面読取部22による原稿の読み取りが行われているか、あるいはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われているかは、たとえば、ユーザがオペレーションパネル30を用いて設定した設定情報を入力し、両面読み取りを行う設定情報が含まれていれば、原稿の奇数ページの読み取り時はADF表面読取部22による読み取りが行われ、原稿の偶数ページの読み取り時はADF裏面読取部23による読み取りが行われていると判定することができる。
【0032】
画像データ分離部11は、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、原稿を読み取った読取元別に分離する。すなわち、画像データ分離部11は、関連付け部13により付加された読取元識別情報が同じ画像データが1つの画像データとして扱われるように、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、読取元識別情報に基づいて分離する。
【0033】
記憶部14は、読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶する。図4は、記憶部14が記憶する対応関係の一例を示す図である。図4に示す対応関係の例では、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、FTPサーバ2であることを示している。また、読取元識別情報がADF裏面読取部23を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、SMTPサーバ3およびファイルサーバ4であることを示している。また、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、ファイルサーバ4であることを示している。
【0034】
変更部15は、オペレーションパネル30からのユーザの入力に応じて、記憶部14に記憶されている読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を変更する。具体的には、たとえば、ユーザがオペレーションパネル30から画像データの配信先の設定変更を指示する何らかの入力を行ったときに、変更部15は、記憶部14に記憶されている現在の対応関係を読み出して、オペレーションパネル30に表示させる。そして、ユーザがオペレーションパネル30に表示された対応関係を変更する何らかの入力を行うと、変更部15は、オペレーションパネル30からのユーザの入力情報を取得し、ユーザの入力情報に応じて、記憶部14に記憶されている対応関係を書き換える。これにより、読取元別の画像データの配信先をユーザが任意に変更することが可能となる。
【0035】
画像データ配信部12は、関連付け部13により読取元識別情報が関連付けられて、画像データ分離部11により読取元別に分離された画像データを、読取元識別情報に応じて定められた配信先に配信する。具体的には、画像データ配信部12は、記憶部14に記憶されている読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を参照し、画像データ分離部11によって分離されたそれぞれの画像データを、該画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応する配信先に配信する。
【0036】
たとえば、記憶部14に図4に示した対応関係が記憶されている場合、画像データ配信部12は、ADF表面読取部22を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、FTPサーバ2に配信する。また、画像データ配信部12は、ADF裏面読取部23を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、SMTPサーバ3およびファイルサーバ4に配信する。また、画像データ配信部12は、圧板読取部21を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、ファイルサーバ4に配信する。
【0037】
ここで、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作とは、スキャナ20が1つのジョブとして実行する一連の読み取り動作をいう。スキャナ20は、圧板読取部21による原稿の読み取りと、ADF表面読取部22による原稿の読み取り、ADF裏面読取部23による原稿の読み取りといったように、異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行することができる。
【0038】
本実施形態に係る複合機1では、スキャナ20が上記のように異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行した場合、配信制御部10の画像データ分離部11が、スキャナ20の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離し、画像データ配信部12が、分離されたそれぞれの画像データを、各画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応する配信先に配信する。これにより、1つのジョブに含まれる読取元が異なる複数の画像データの配信を一括して行うことが可能となる。
【0039】
上記の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12は、たとえば、配信制御部10が実行するプログラムにより実現される。この場合、配信制御部10は、ハードウェア構成として、プログラムを実行するCPU、プログラムを格納するROM、CPUのワークエリアとなるRAMなどを備える。また、上記の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12の少なくとも一部を、たとえばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0040】
また、上記の記憶部14は、たとえば、配信制御部10の内部に設けた不揮発性メモリなどを用いて実現することができる。また、配信制御部10の外部の補助記憶装置に上記の対応関係を格納しておき、補助記憶装置から配信制御部10内部のRAM上に上記の対応関係をロードすることにより、記憶部14を実現するようにしてもよい。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る複合機1による画像データ配信処理の具体例について説明する。図5は、複合機1の配信制御部10により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、配信制御部10の記憶部14に図4に示した対応関係が記憶されている場合の例である。
【0042】
ステップS101:関連付け部13が、スキャナ20で取得された画像データを入力し、ステップS102に進む。
【0043】
ステップS102:関連付け部13が、ステップS101で入力した画像データの原稿の読取元を判定し、ステップS103に進む。読取元の判定方法は上述した通りである。
【0044】
ステップS103:関連付け部13が、ステップS101で入力した画像データと、ステップS102で判定した読取元を示す読取元識別情報とを関連付けて、ステップS104に進む。
【0045】
ステップS104:関連付け部13が、すべての原稿の読み取りが終了したか否かを判定する。そして、読み取りが終了していない原稿があれば(ステップS104:No)ステップS101に戻って以降の処理を繰り返し、すべての原稿の読み取りが終了したら(ステップS104:Yes)、画像データ分離部11が、画像データに関連付けられた読取元識別情報に基づいて、画像データを読取元別に分離し、ステップS105に進む。
【0046】
ステップS105:画像データ配信部12が、配信する画像データに関連付けられた読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報であるか否かを判定する。そして、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報でなければ(ステップS105:No)ステップS106に進み、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報であれば(ステップS105:Yes)ステップS107に進む。
【0047】
ステップS106:画像データ配信部12が、配信する画像データに関連付けられた読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報であるか否かを判定する。そして、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報であれば(ステップS106:Yes)ステップS108に進み、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報でない、つまり読取元識別情報がADF裏面読取部23を示す情報であれば(ステップS106:No)ステップS109に進む。
【0048】
ステップS107:画像データ配信部12が、圧板読取部21を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをファイルサーバ4に配信し、ステップS110に進む。
【0049】
ステップS108:画像データ配信部12が、ADF表面読取部22を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをFTPサーバ2に配信し、ステップS110に進む。
【0050】
ステップS109:画像データ配信部12が、ADF裏面読取部23を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをSMTPサーバ3およびファイルサーバ4に配信し、ステップS110に進む。
【0051】
ステップS110:画像データ配信部12が、すべての画像データの配信が終了したか否かを判定する。そして、配信が終了していない画像データがあれば(ステップS110:No)ステップS105に戻って以降の処理を繰り返し、すべての画像データの配信が終了したら(ステップS110:Yes)、図5のフローチャートで示す一連の画像データ配信処理が終了する。
【0052】
以上、具体的な例を挙げながら説明したように、本実施形態に係る複合機1は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データと、原稿の読取元(圧板読取部21、ADF表面読取部22、およびADF裏面読取部23のいずれか)を識別する読取元識別情報とを関連付ける。そして、読取元識別情報に基づいて、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離し、分離した画像データのそれぞれを、読取元識別情報に対応する配信先に配信するようにしている。したがって、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元が異なる複数の画像データを別々の配信先に配信する場合の画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0053】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶部14に記憶しておき、画像データ配信部12が、この記憶部14に記憶した対応関係を参照して、画像データの配信先を特定するようにしているので、読取元に対応した配信先への画像データの配信を簡便に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元が異なる複数の画像データが1つのジョブとしてスキャナ20により読み取られた場合に、画像データ配信部12が、該ジョブに含まれる複数の画像データを、各画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応した複数の配信先にそれぞれ配信するようにしているので、1つのジョブに含まれる読取元が異なる複数の画像データの配信を一括して行うことが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、オペレーションパネル30で受け付けたユーザの入力に応じて、変更部15が記憶部14に記憶された対応関係を変更するようにしているので、読取元ごとの画像データの配信先をユーザが任意に変更することが可能となる。
【0056】
図6は、本実施形態に係る複合機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、複合機1は、コントローラ100とエンジン部(Engine)160とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ100は、複合機1全体の制御と描画、通信、オペレーションパネル30などの操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部160は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどである。エンジン部160は、たとえば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナ20、ファックスユニットなどを含む。なお、エンジン部160には、プロッタやスキャナ20などのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0057】
コントローラ100は、CPU101と、ノースブリッジ(NB)103と、システムメモリ(MEM−P)102と、サウスブリッジ(SB)104と、ローカルメモリ(MEM−C)107と、ASIC106と、ハードディスクドライブ(HDD)108とを有し、ノースブリッジ(NB)103とASIC106との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス105で接続した構成となる。また、MEM−P102は、ROM(Read Only Memory)102aと、RAM(Random Access Memory)102bと、をさらに有する。
【0058】
CPU101は、複合機1の全体制御を行うものである。CPU101は、NB103、MEM−P102およびSB104からなるチップセットを介して、他の機器と接続される。
【0059】
NB103は、CPU101とMEM−P102、SB104、AGP105とを接続するためのブリッジである。NB103は、MEM−P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0060】
MEM−P102は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリである。MEM−P102は、ROM102aとRAM102bとからなる。ROM102aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM102bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0061】
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。SB104は、PCIバスを介してNB103と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0062】
ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。ASIC106は、AGP105、PCIバス、HDD108およびMEM−C107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC106は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC106の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C107を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部160との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。ASIC106には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)130、USB(Universal Serial Bus)140、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース150が接続される。オペレーションパネル30は、ASIC106に直接接続されている。
【0063】
MEM−C107は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD(Hard Disk Drive)108は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0064】
AGP105は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースである。AGP105は、MEM−P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にする。
【0065】
本実施形態に係る複合機1では、上述したように、配信制御部10の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12が、一例として、プログラムにより実現される。本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、たとえば、ROM102aなどに予め組み込まれて提供される。
【0066】
また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0067】
本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、上述した各部(関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)101が上記ROM102aからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM102bなどの主記憶装置上にロードされ、関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0068】
次に、本実施形態に係る複合機1の変形例について説明する。
【0069】
<第1変形例>
第1変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、上述した複合機1では、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離したが、第1変形例の複合機では、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを、所定ページ数ごとに分離する。
【0070】
図7は、第1変形例の複合機1Aの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図7に示すように、第1変形例の複合機1Aは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Aを備える。配信制御部10Aは、画像データ分離部11A、画像データ配信部12A、設定部16A、および記憶部17Aを備える。
【0071】
画像データ分離部11Aは、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを、設定部16Aにより設定されたページ数ごとに分離する。設定部16Aは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Aに記憶された情報に基づいて、画像データを分離する単位となるページ数を設定する。設定部16Aが記憶部17Aに記憶された情報に基づいてページ数を設定する場合、記憶部17Aには、予め、画像データを分離する単位となるデフォルトのページ数が記憶されている。
【0072】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいてページ数を設定する場合、設定部16Aは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図8に示すような設定画面800をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面800には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄801や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン802のほかに、ページ数単位で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス803が設けられている。そして、ユーザがタッチ操作などによりチェックボックス803にチェックを入れると、設定画面800に、ページ数を設定するためのページ数設定欄804が操作可能に表示される。このページ数設定欄804から所望のページ数が入力され、スタートボタン802が押下されると、スキャナ20による原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Aが、ページ数設定欄804に入力されたページ数を、画像データを分離する単位となるページ数として設定する。
【0073】
画像データ配信部12Aは、画像データ分離部11Aによって所定ページ数ごとに分離された画像データを、設定部16Aにより設定された配信先に配信する。設定部16Aは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Aに記憶された情報に基づいて、所定ページ数ごとに分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Aが記憶部17Aに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Aには、予め、ページ数単位で分離された画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。
【0074】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作が終了し、画像データ分離部11Aが画像データの分離を行うと、設定部16Aは、たとえば図9に示すような配信先指定画面900をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この配信先指定画面900には、分離された個々の画像データのサムネイル901と、配信先の候補のアイコン902とが表示される。そして、ユーザが、たとえば、画像データのサムネイル901を所望の配信先のアイコン902上にドラッグアンドドロップするなど、画像データと配信先とを関連付ける所定の操作を行って、決定ボタン903を押下すると、設定部16Aが、ユーザの操作により画像データに関連付けられた配信先を、画像データの配信先として設定する。
【0075】
このように、第1変形例の複合機1Aでは、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを所定ページ数ごとに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0076】
<第2変形例>
第2変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、第2変形例の複合機では、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データからキーワードを検出し、検出したキーワードの位置に基づいて、画像データを分離する。
【0077】
図10は、第2変形例の複合機1Bの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図10に示すように、第2変形例の複合機1Bは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Bを備える。配信制御部10Bは、画像データ分離部11B、画像データ配信部12B、設定部16B、および記憶部17Bを備える。
【0078】
画像データ分離部11Bは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データに対して、たとえば光学文字認識(OCR:Optical Character Reader)などにより、設定部16Bで設定されたキーワードを画像データから検出する処理を行い、検出されたキーワードの位置に基づいて画像データを分離する。たとえば、設定部16Bにより「申請書」というキーワードが設定されている場合、画像データ分離部11Bは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データから「申請書」の文字列を検出し、「申請書」の文字列が出現する直前までの画像データと、「申請書」の文字列を先頭とする画像データとに分離する。また、設定部16Bにより複数のキーワードが設定されている場合は、画像データ分離部11Bは、それぞれのキーワードを用いて画像データを分離する。
【0079】
設定部16Bは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Bに記憶された情報に基づいて、画像データを分離するためのキーワードを設定する。設定部16Bが記憶部17Bに記憶された情報に基づいてキーワードを設定する場合、記憶部17Bには、予め、画像データを分離するためのデフォルトのキーワードが記憶されている。
【0080】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいてキーワードを設定する場合、設定部16Bは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図11に示すような設定画面1100をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面1100には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄1101や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1102のほかに、キーワードの位置で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス1103が設けられている。そして、ユーザがタッチ操作などによりチェックボックス1103にチェックを入れると、設定画面1100に、キーワードを入力するためのキーワード入力欄1104が操作可能に表示される。このキーワード入力欄1104から所望のキーワードが入力され、スタートボタン1102が押下されると、スキャナ20による原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Bが、キーワード入力欄1104に入力されたキーワードを、画像データを分離するためのキーワードとして設定する。
【0081】
画像データ配信部12Bは、画像データ分離部11Bによってキーワードの位置に基づいて分離された画像データを、設定部16Bにより設定された配信先に配信する。設定部16Bは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Bに記憶された情報に基づいて、キーワードの位置に基づいて分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Bが記憶部17Bに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Bには、予め、キーワードを含む画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Bは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0082】
このように、第2変形例の複合機1Bでは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データをキーワードの位置に基づいて分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0083】
<第3変形例>
第3変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、第3変形例の複合機では、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離する。
【0084】
図12は、第3変形例の複合機1Cの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図12に示すように、第3変形例の複合機1Cは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Cを備える。配信制御部10Cは、画像データ分離部11C、画像データ配信部12C、設定部16C、および記憶部17Cを備える。
【0085】
画像データ分離部11Cは、設定部16Cにより原稿単位での画像データの分離が設定されている場合に、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離する。
【0086】
設定部16Cは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図13に示すような設定画面1300をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面1300には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄1301や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1302のほかに、原稿単位で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス1303が設けられている。そして、ユーザが読み取り条件設定欄1301で読み取り条件を設定し、タッチ操作などによりチェックボックス1303にチェックを入れ、最初の原稿をセットしてスタートボタン1302を押下すると、スキャナ20による最初の原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Cにより、原稿単位での画像データの分離が設定される。
【0087】
その後、スキャナ20による最初の原稿の読み取りが終了すると、オペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示される画面が、たとえば図14に示すようなメッセージ画面1400に遷移する。このメッセージ画面1400には、次の原稿のセットを促すメッセージが表示されるとともに、次の原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1401と、原稿の読み取り終了を指示するエンドボタン1402とが設けられている。ユーザが次の原稿をセットしてスタートボタン1401を押下すると、スキャナ20による次の原稿の読み取りが開始される。そして、次の原稿の読み取りが終了すると、再度、オペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイにメッセージ画面1400が表示される。一方、エンドボタン1402が押下された場合、あるいは、メッセージ画面1400を表示してからスタートボタン1401が押下されることなく所定時間が経過した場合は、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作が終了する。
【0088】
以上のように、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取るようにした場合、設定画面1300の読み取り条件設定欄1301で設定された読み取り条件が、最初の原稿だけでなく、続けてセットされた原稿の読み取りにも適用される。したがって、原稿ごとに読み取り条件を設定する必要がなく、ユーザの操作負担が軽減される。
【0089】
スキャナ20による原稿単位での読み取りの終了は、たとえば、圧板読取部での原稿読み取りであれば圧板が閉じられた状態で1回の走査が終了したことを検知することで判断でき、ADF読取部での読み取りであれば自動送りする用紙がなくなったことを検知することで判断できる。スキャナ20は、このような方法で原稿単位での読み取り終了を検知し、検知信号を画像データ分離部11Cに送る。画像データ分離部11Cは、たとえば、このスキャナ20から送られる検知信号に基づいて、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離することができる。
【0090】
画像データ配信部12Cは、画像データ分離部11Cによって原稿単位で分離された画像データを、設定部16Cにより設定された配信先に配信する。設定部16Cは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Cに記憶された情報に基づいて、原稿単位で分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Cが記憶部17Cに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Cには、予め、原稿単位で分離された画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Cは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0091】
このように、第3変形例の複合機1Cでは、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0092】
<第4変形例>
第4変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離した後、必要に応じて、分離された一の画像データの少なくとも一部を他の画像データと結合できるようにしたものである。
【0093】
図15は、第4変形例の複合機1Dの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図15に示すように、第4変形例の複合機1Dは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Dを備える。配信制御部10Dは、画像データ分離部11D、画像データ結合部18、画像データ配信部12D、設定部16D、および記憶部17Dを備える。
【0094】
画像データ分離部11Dは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。画像データ分離部11Dが画像データを分離する条件は、上述した複合機1のように原稿の読取元別に分離するという条件であってもよいし、第1変形例の複合機1Aのように所定ページ数ごとに分離するという条件であってもよいし、第2変形例の複合機1Bのようにキーワードの位置に基づいて分離するという条件であってもよいし、第3変形例の複合機1Cのように原稿単位で分離するという条件であってもよい。また、上記の条件を組み合わせて用いてもよい。以下では、一例として、原稿の読取元別の分離とページ数ごとの分離とを組み合わせ、画像データ分離部11Dが、スキャナ20の圧板読取部が原稿を読み取ることで得られる画像データ(以下、「圧板データ」という。)と、スキャナ20のADF読取部が原稿を読み取ることで得られる画像データ(以下、「ADFデータ」という。)とを分離するとともに、ADFデータを所定ページ数ごとに分離するものとして説明する。
【0095】
画像データ結合部18は、画像データ分離部11Dにより分離された画像データを、設定部16Dにより設定された結合規則に基づいて結合する。ここで、結合規則とは、分離された複数の画像データのうち、結合の対象となる画像データの指定、つまり、どの画像データとどの画像データとを結合するかといった規則と、結合の順序の指定、つまり、一方の画像データを他方の画像データの先頭に結合するか、末尾に結合するかといった規則を含む。また、同じキーワードが含まれる画像データ同士を結合するといった規則を、結合規則として定めるようにしてもよい。この場合、たとえば、個人名などをキーワードとして登録しておけば、同じ個人名を含む画像データ同士を結合して1つの画像データとして扱うことができる。
【0096】
図16は、画像データ結合部18が画像データを結合する様子を模式的に示す概念図である。画像データ結合部18は、設定部16Dにより設定された結合規則に従って、たとえば図16(a)に示すように、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうちの1つと圧板データとを結合して1つの画像データとすることができる。また、画像データ結合部18は、設定部16Dにより設定された結合規則に従って、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうちの2つを結合して1つの画像データとすることもできる。また、設定部16Dにより同じキーワードが含まれる画像データ同士を結合するといった結合規則が設定されている場合は、画像データ結合部18は、たとえば図16(b)に示すように、キーワードAを含む画像データ同士を結合して1つの画像データとすることができる。
【0097】
なお、以上は、画像データ分離部11Dにより分離された画像データ同士を結合する例について説明したが、画像データ分離部11Dにより分離された一の画像データの一部を、他の画像データと結合して1つの画像データとすることも可能である。たとえば、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうち、N番目のADFデータのMページ目をN+1番目のADFデータと結合し、N番目のADFデータのM+1ページ目をN+2番目のADFデータに結合することもできる。また、たとえば図16(c)に示すように、圧板データを所定の領域サイズごとに分離して、分離された圧板データをそれぞれADFデータと結合することもできる。
【0098】
設定部16Dは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Dに記憶された情報に基づいて、画像データを結合するための結合規則を設定する。設定部16Dが記憶部17Dに記憶された情報に基づいて結合規則を設定する場合、記憶部17Dには、予め、結合の対象となる画像データの指定や結合の順序の指定、結合に用いるキーワードなどが記憶されている。
【0099】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて結合規則を設定する場合、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作が終了し、画像データ分離部11Dが画像データの分離を行うと、設定部16Dは、たとえば図17に示すような結合指定画面1700をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この結合指定画面1700には、分離された個々の画像データのサムネイル1701が表示される。そして、ユーザが、たとえば、画像データのサムネイル1701のうちの1つを他のサムネイル上にドラッグアンドドロップするなど、画像データ同士を結合させる所定の操作を行い、さらに結合順序を指定する所定の操作を行って、決定ボタン1702を押下すると、設定部16Dが、ユーザの操作に応じた結合規則を設定する。なお、キーワードに基づいて画像データの結合を行う場合には、キーワード入力欄が設けられた結合指定画面をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させ、設定部16Dは、このキーワード入力欄からユーザが入力したキーワードを、結合規則として設定すればよい。
【0100】
画像データ配信部12Dは、画像データ分離部11Dによって分離された画像データを、設定部16Dにより設定された配信先に配信する。このとき、画像データ配信部12Dは、画像データ結合部18により結合された画像データを1つの画像データとして扱い、画像データ結合部18により結合された画像データを1つの配信先に配信する。設定部16Dは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Dに記憶された情報に基づいて、画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Dが記憶部17Dに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Dには、予め、画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Dは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0101】
次に、図18を参照して、第4変形例の複合機1Dによる画像データ配信処理の概要について説明する。図18は、第4変形例の複合機1Dの配信制御部10Dにより実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【0102】
ステップS201:画像データ分離部11Dが、設定部16Dにより画像データを分離する条件が設定されているか否かを判定する。そして、画像データを分離する条件が設定されていれば(ステップS201:Yes)、次のステップS202に進み、画像データを分離する条件が設定されていなければ(ステップS201:No)、ステップS205に進む。
【0103】
ステップS202:画像データ分離部11Dが、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、設定部16Dにより設定された条件に応じて分離し、ステップS203に進む。
【0104】
ステップS203:画像データ結合部18が、設定部16Dにより画像データを結合する結合規則が設定されているか否かを判定する。そして、画像データを結合する結合規則が設定されていれば(ステップS203:Yes)、次のステップS204に進み、画像データを結合する結合規則が設定されていなければ(ステップS203:No)、ステップS205に進む。
【0105】
ステップS204:画像データ結合部18が、画像データ分離部11Dにより分離された画像データを、設定部16Dにより設定された結合規則に従って結合し、ステップS205に進む。
【0106】
ステップS205:画像データ配信部12Dが、設定部16Dにより設定された配信先に画像データを配信し、図18のフローチャートで示す一連の画像データ配信処理が終了する。
【0107】
以上のように、第4変形例の複合機1Dでは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離した後、必要に応じて、分離された一の画像データの少なくとも一部を他の画像データと結合し、画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0108】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。つまり、上述した実施形態の具体的な構成や動作はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 複合機
2 FTPサーバ
3 SMTPサーバ
4 ファイルサーバ
5 通信ネットワーク
10 配信制御部(画像データ配信装置)
11 画像データ分離部
12 画像データ配信部
13 関連付け部
14 記憶部
15 変更部
18 画像データ結合部
20 スキャナ
21 圧板読取部
22 ADF表面読取部
23 ADF裏面読取部
30 オペレーションパネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2010−219700号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナにより原稿を読み取ることで得られる画像データを、指定された配信先に配信する画像データ配信装置が知られている。たとえば特許文献1には、スキャナを備えた画像形成装置と配信サーバとをネットワークで接続し、配信サーバが、画像形成装置のスキャナで読み取られた原稿の画像データを、指定された配信先に配信する技術が記載されている。また、この特許文献1に記載の技術では、配信サーバが過去に配信した画像データを蓄積しておき、その一覧を画像形成装置に提示して、一覧の中から選択された画像データを配信先へと配信することで、過去に配信した画像データと同じ画像データを配信する場合の効率化を図るようにしている。
【0003】
原稿の読み取りを行うスキャナとしては、圧板によりコンタクトガラスに圧接された原稿に対して読み取りを行う読取部(以下、「圧板読取部」という。)と、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)により搬送される原稿に対して読み取りを行う読取部(以下、「ADF読取部」という。)とを備えたものが広く用いられている。この種のスキャナでは、特に、複数ページの原稿を読み取る場合や、原稿の両面の読み取りを行う場合に、ADF読取部による読み取りが行われる。また、原稿の両面の読み取りを高速に行えるようにするために、ADFにより搬送される原稿の表面の読み取りを行うADF読取部(以下、「ADF表面読取部」という。)と、裏面の読み取りを行うADF読取部(以下、「ADF裏面読取部」という。)とを個別に設けたスキャナも知られている。
【0004】
以上のようなスキャナでは、圧板読取部による読み取りと、ADF表面読取部による読み取り、ADF裏面読取部による読み取りといったように、異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行することも行われている。たとえば、複数枚綴りの申込書と運転免許証などの証明書からなる届出書類をスキャナで読み取る場合、申込書の表面はADF表面読取部で読み取られ、申込書の裏面はADF裏面読取部で読み取られ、運転免許証などの証明書は圧板読取部で読み取られることになるが、これらの一連の原稿読み取り動作は1つのジョブとして実行可能である。そして、1つのジョブで得られる画像データの配信は、一括して行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のように1つのジョブとして読み取られた画像データを一括して配信する場合、読取元ごとに配信先を切り替えたいという要望もある。たとえば、上述した届出書類の例では、申込用紙の表面はFTPサーバに配信し、申込用紙の裏面はメール配信サーバに配信し、免許証等の証明書はファイルサーバに配信することが、書類の管理上から望ましい場合などである。また、1つのジョブとして読み取られた画像データを、たとえば設定された条件に応じて複数の配信先に振り分けて配信したいといった要望もある。
【0006】
しかしながら、従来の画像データ配信装置では、一連の原稿読み取り動作により得られた画像データは1まとまりのデータとして扱われ、当該画像データに対して1つの配信先しか指定することができない。したがって、1つのジョブとして読み取られた画像データを一括して配信する場合に、ユーザの要望に応じて読取元ごとに配信先を切り替えたり、複数の配信先に振り分けたりといった柔軟な対応を図ることができず、効率が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データの配信を効率よく行うことができる画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像データ配信装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する画像データ分離手段と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する画像データ配信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像データ配信システムは、原稿を読み取る読取装置と、コンピュータで実行されるプログラムと、を備える画像データ配信システムであって、前記読取装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを前記コンピュータに送り、前記プログラムは、前記コンピュータに、前記読取装置の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、を実現させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、をコンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して、決定した配信先に配信するので、画像データの配信を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、画像データ配信装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像データ配信システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図3】図3は、複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、読取元識別情報と画像データ配信先との対応関係の一例を示す図である。
【図5】図5は、複合機の配信制御部により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、第1変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、オペレーションパネルに表示される配信先指定画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、第2変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、第3変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、オペレーションパネルに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、オペレーションパネルに表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図15】図15は、第4変形例の複合機の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、画像データ結合部が画像データを結合する様子を模式的に示す概念図である。
【図17】図17は、オペレーションパネルに表示される結合指定画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、第4変形例の複合機の配信制御部により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像データ配信装置、画像データ配信システムおよびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
<画像データ配信装置の概要>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像データ配信装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る画像データ配信装置10の基本構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像データ配信装置10は、図1に示すように、画像データ分離部11と、画像データ配信部12と、を備える。
【0015】
画像データ分離部11は、スキャナ(読取装置)による一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。ここで、所定の条件としては、たとえば、原稿を読み取った読取元別に画像データを分離するといった条件、原稿が複数ページからなる場合に所定ページ数ごとに画像データを分離するといった条件、予め登録あるいはユーザにより指定されたキーワードの位置に基づいて画像データを分離するといった条件、順次セットされた複数の原稿を順次読み取る場合に個々の原稿から得られる画像データごとに分離するといった条件などが挙げられる。
【0016】
従来の画像データ配信装置は、一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを1まとまりのデータとして扱っていた。これに対して、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、画像データ分離部11を備えることで、一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離し、それぞれ個別のデータとして扱えるようになる。
【0017】
画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する。たとえば、画像データの配信先の候補として、配信先A,配信先B,・・・,配信先Cが画像データ配信装置10と通信可能に接続されている場合、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された各画像データごとに、配信先A,配信先B,・・・,配信先Cのいずれに配信するかを決定する。そして、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された各画像データを、決定した配信先に配信する。
【0018】
なお、画像データの配信先の候補である配信先A,配信先B,・・・,配信先Cは、それぞれ個別の外部装置(画像データ配信装置10の外部のサーバなど)として構成されていてもよいし、単独の外部装置における異なるデータ格納先(たとえば、外部装置内に設けられた個別のフォルダなど)として構成されていてもよい。また、画像データ配信部12は、画像データ分離部11により分離された複数の画像データごとに、画像データ配信装置10内におけるデータ格納先(たとえば、画像データ配信装置10内に設けられた個別のフォルダなど)を決定し、決定したデータ格納先に複数の画像データを各々格納することもできる。
【0019】
本実施形態に係る画像データ配信装置10は、たとえば、原稿を読み取るスキャナ(読取装置)の一機能、あるいはスキャナを備える画像形成装置の一機能として実現することができる。また、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置とは別の装置(サーバコンピュータなど)として実現し、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置と通信ネットワークを介して接続する構成とすることもできる。この場合、画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置から、通信ネットワークを介して一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを取得する。
【0020】
また、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の一機能として実現する場合、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の内部のコンピュータがプログラムを実行することにより、上述した画像データ分離部11や画像データ配信部12の機能を実現することができる。つまり、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置の内部のコンピュータによって実行されるプログラムとして提供することができる。
【0021】
同様に、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナ、あるいはスキャナを備える画像形成装置とは別のサーバコンピュータなどで実現する場合、サーバコンピュータなどがプログラムを実行することにより、上述した画像データ分離部11や画像データ配信部12の機能を実現することができる。つまり、本実施形態に係る画像データ配信装置10は、サーバコンピュータなどによって実行されるプログラムとして提供することができる。
【0022】
<画像データ配信システム>
以下では、本実施形態に係る画像データ配信装置10を、スキャナを備える複合機(MFP:Multifunction Peripheral)の一機能として実現し、配信先AとしてFTPサーバ、配信先BとしてSMTPサーバ、配信先Cとしてファイルサーバを用いた場合を例に挙げて、複合機を含む画像データ配信システムについて説明する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る複合機1を含む画像データ配信システムの概略構成を示すシステム構成図である。図2に示すように、画像データ配信システムは、複合機1と、FTPサーバ2と、SMTPサーバ3と、ファイルサーバ4と、を備える。これら複合機1、FTPサーバ2、SMTPサーバ3、およびファイルサーバ4は、通信ネットワーク5を介して接続されている。なお、通信ネットワーク5の形態は任意であり、たとえば、インターネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)などを適用できる。
【0024】
FTPサーバ2は、FTP(File Transfer Protocol)を使用してファイルの送受信を行うサーバである。SMTPサーバ3は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を使用して電子メールの送信を行うサーバである。ファイルサーバ4は、通信ネットワーク5上で共有するファイルを蓄積して管理するサーバである。これらFTPサーバ2、SMTPサーバ3、およびファイルサーバ4は、いずれも複合機1による画像データ配信処理によりアクセスされる。
【0025】
<複合機>
次に、本実施形態に係る複合機1の具体例について説明する。図3は、本実施形態に係る複合機1の画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図3に示すように、複合機1は、上述した画像データ配信装置に相当する配信制御部10と、スキャナ20と、オペレーションパネル30と、を備える。
【0026】
スキャナ20は、圧板読取部21、ADF表面読取部22、およびADF裏面読取部23の3つの読取部を備える。圧板読取部21は、圧板によりコンタクトガラスに圧接された原稿に対して読み取りを行う。ADF表面読取部22は、ADFにより搬送される原稿の表面の読み取りを行う。ADF裏面読取部23は、ADFにより搬送される原稿の裏面の読み取りを行う。スキャナ20の上記いずれかの読取部で原稿を読み取ることにより得られた画像データは、配信制御部10に渡される。また、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作は、配信制御部10により監視される。
【0027】
オペレーションパネル30は、複合機1に対するユーザの操作入力の受け付けを行うととともに、各種情報を表示する。オペレーションパネル30からのユーザの入力は、スキャナ20や配信制御部10に通知される。
【0028】
配信制御部10は、関連付け部13、画像データ分離部11、記憶部14、変更部15、および画像データ配信部12を備える。
【0029】
関連付け部13は、スキャナ20が原稿を読み取ることで得られた画像データと、原稿の読取元を識別する読取元識別情報との関連付けを行う。具体的には、関連付け部13は、たとえば、スキャナ20により原稿の読み取りが開始されると、その読み取り動作を監視して、上記の圧板読取部21、ADF表面読取部22、ADF裏面読取部23のいずれの読取部が原稿の読み取りを行っているかを判定する。そして、関連付け部13は、スキャナ20から画像データが渡されると、原稿の読み取りを行った読取部(読取元)を識別する情報として予め定めた読取元識別情報を画像データに付加することで、画像データと読取元識別情報との関連付けを行う。その後、関連付け部13は、読取元識別情報を付加した画像データを、画像データ分離部11に渡す。なお、本実施形態において「読取元」とは、単一の読取装置であるスキャナ20に設けられた複数の読取部(圧板読取部21、ADF表面読取部22、ADF裏面読取部23)のうち、原稿の読み取りを行った読取部を指す。これら複数の読取部は読み取り方式の違いにより区別される。したがって、原稿の「読取元」は原稿の「読み取り方式」と置き換えることもできる。
【0030】
原稿の読取元の判定は、たとえば、圧板の開閉を検知するセンサの信号を入力し、原稿の読み取り前に圧板が開放され、圧板が閉じられた後に原稿の読み取りが開始された場合は、圧板読取部21による原稿の読み取りが行われていると判定することができる。一方、圧板が開閉されることなく原稿の読み取りが開始された場合は、ADF表面読取部22またはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われていると判定することができる。また、ADF原稿台に原稿がセットされているか否かを検知するセンサの信号を入力し、ADF原稿台に原稿がセットされている状態で原稿の読み取りが開始された場合は、ADF表面読取部22またはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われていると判定し、ADF原稿台に原稿がセットされていない状態で原稿の読み取りが開始された場合は、圧板読取部21による原稿の読み取りが行われていると判定するようにしてもよい。
【0031】
また、ADF表面読取部22による原稿の読み取りが行われているか、あるいはADF裏面読取部23による原稿の読み取りが行われているかは、たとえば、ユーザがオペレーションパネル30を用いて設定した設定情報を入力し、両面読み取りを行う設定情報が含まれていれば、原稿の奇数ページの読み取り時はADF表面読取部22による読み取りが行われ、原稿の偶数ページの読み取り時はADF裏面読取部23による読み取りが行われていると判定することができる。
【0032】
画像データ分離部11は、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、原稿を読み取った読取元別に分離する。すなわち、画像データ分離部11は、関連付け部13により付加された読取元識別情報が同じ画像データが1つの画像データとして扱われるように、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、読取元識別情報に基づいて分離する。
【0033】
記憶部14は、読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶する。図4は、記憶部14が記憶する対応関係の一例を示す図である。図4に示す対応関係の例では、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、FTPサーバ2であることを示している。また、読取元識別情報がADF裏面読取部23を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、SMTPサーバ3およびファイルサーバ4であることを示している。また、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報である場合、その読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先は、ファイルサーバ4であることを示している。
【0034】
変更部15は、オペレーションパネル30からのユーザの入力に応じて、記憶部14に記憶されている読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を変更する。具体的には、たとえば、ユーザがオペレーションパネル30から画像データの配信先の設定変更を指示する何らかの入力を行ったときに、変更部15は、記憶部14に記憶されている現在の対応関係を読み出して、オペレーションパネル30に表示させる。そして、ユーザがオペレーションパネル30に表示された対応関係を変更する何らかの入力を行うと、変更部15は、オペレーションパネル30からのユーザの入力情報を取得し、ユーザの入力情報に応じて、記憶部14に記憶されている対応関係を書き換える。これにより、読取元別の画像データの配信先をユーザが任意に変更することが可能となる。
【0035】
画像データ配信部12は、関連付け部13により読取元識別情報が関連付けられて、画像データ分離部11により読取元別に分離された画像データを、読取元識別情報に応じて定められた配信先に配信する。具体的には、画像データ配信部12は、記憶部14に記憶されている読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を参照し、画像データ分離部11によって分離されたそれぞれの画像データを、該画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応する配信先に配信する。
【0036】
たとえば、記憶部14に図4に示した対応関係が記憶されている場合、画像データ配信部12は、ADF表面読取部22を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、FTPサーバ2に配信する。また、画像データ配信部12は、ADF裏面読取部23を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、SMTPサーバ3およびファイルサーバ4に配信する。また、画像データ配信部12は、圧板読取部21を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データを、ファイルサーバ4に配信する。
【0037】
ここで、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作とは、スキャナ20が1つのジョブとして実行する一連の読み取り動作をいう。スキャナ20は、圧板読取部21による原稿の読み取りと、ADF表面読取部22による原稿の読み取り、ADF裏面読取部23による原稿の読み取りといったように、異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行することができる。
【0038】
本実施形態に係る複合機1では、スキャナ20が上記のように異なる読取部を使用した一連の原稿読み取り動作を1つのジョブとして実行した場合、配信制御部10の画像データ分離部11が、スキャナ20の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離し、画像データ配信部12が、分離されたそれぞれの画像データを、各画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応する配信先に配信する。これにより、1つのジョブに含まれる読取元が異なる複数の画像データの配信を一括して行うことが可能となる。
【0039】
上記の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12は、たとえば、配信制御部10が実行するプログラムにより実現される。この場合、配信制御部10は、ハードウェア構成として、プログラムを実行するCPU、プログラムを格納するROM、CPUのワークエリアとなるRAMなどを備える。また、上記の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12の少なくとも一部を、たとえばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0040】
また、上記の記憶部14は、たとえば、配信制御部10の内部に設けた不揮発性メモリなどを用いて実現することができる。また、配信制御部10の外部の補助記憶装置に上記の対応関係を格納しておき、補助記憶装置から配信制御部10内部のRAM上に上記の対応関係をロードすることにより、記憶部14を実現するようにしてもよい。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る複合機1による画像データ配信処理の具体例について説明する。図5は、複合機1の配信制御部10により実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、配信制御部10の記憶部14に図4に示した対応関係が記憶されている場合の例である。
【0042】
ステップS101:関連付け部13が、スキャナ20で取得された画像データを入力し、ステップS102に進む。
【0043】
ステップS102:関連付け部13が、ステップS101で入力した画像データの原稿の読取元を判定し、ステップS103に進む。読取元の判定方法は上述した通りである。
【0044】
ステップS103:関連付け部13が、ステップS101で入力した画像データと、ステップS102で判定した読取元を示す読取元識別情報とを関連付けて、ステップS104に進む。
【0045】
ステップS104:関連付け部13が、すべての原稿の読み取りが終了したか否かを判定する。そして、読み取りが終了していない原稿があれば(ステップS104:No)ステップS101に戻って以降の処理を繰り返し、すべての原稿の読み取りが終了したら(ステップS104:Yes)、画像データ分離部11が、画像データに関連付けられた読取元識別情報に基づいて、画像データを読取元別に分離し、ステップS105に進む。
【0046】
ステップS105:画像データ配信部12が、配信する画像データに関連付けられた読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報であるか否かを判定する。そして、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報でなければ(ステップS105:No)ステップS106に進み、読取元識別情報が圧板読取部21を示す情報であれば(ステップS105:Yes)ステップS107に進む。
【0047】
ステップS106:画像データ配信部12が、配信する画像データに関連付けられた読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報であるか否かを判定する。そして、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報であれば(ステップS106:Yes)ステップS108に進み、読取元識別情報がADF表面読取部22を示す情報でない、つまり読取元識別情報がADF裏面読取部23を示す情報であれば(ステップS106:No)ステップS109に進む。
【0048】
ステップS107:画像データ配信部12が、圧板読取部21を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをファイルサーバ4に配信し、ステップS110に進む。
【0049】
ステップS108:画像データ配信部12が、ADF表面読取部22を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをFTPサーバ2に配信し、ステップS110に進む。
【0050】
ステップS109:画像データ配信部12が、ADF裏面読取部23を示す読取元識別情報に関連付けられた画像データをSMTPサーバ3およびファイルサーバ4に配信し、ステップS110に進む。
【0051】
ステップS110:画像データ配信部12が、すべての画像データの配信が終了したか否かを判定する。そして、配信が終了していない画像データがあれば(ステップS110:No)ステップS105に戻って以降の処理を繰り返し、すべての画像データの配信が終了したら(ステップS110:Yes)、図5のフローチャートで示す一連の画像データ配信処理が終了する。
【0052】
以上、具体的な例を挙げながら説明したように、本実施形態に係る複合機1は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作によって得られる画像データと、原稿の読取元(圧板読取部21、ADF表面読取部22、およびADF裏面読取部23のいずれか)を識別する読取元識別情報とを関連付ける。そして、読取元識別情報に基づいて、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離し、分離した画像データのそれぞれを、読取元識別情報に対応する配信先に配信するようにしている。したがって、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元が異なる複数の画像データを別々の配信先に配信する場合の画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0053】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元識別情報と該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶部14に記憶しておき、画像データ配信部12が、この記憶部14に記憶した対応関係を参照して、画像データの配信先を特定するようにしているので、読取元に対応した配信先への画像データの配信を簡便に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、読取元が異なる複数の画像データが1つのジョブとしてスキャナ20により読み取られた場合に、画像データ配信部12が、該ジョブに含まれる複数の画像データを、各画像データに関連付けられた読取元識別情報に対応した複数の配信先にそれぞれ配信するようにしているので、1つのジョブに含まれる読取元が異なる複数の画像データの配信を一括して行うことが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、オペレーションパネル30で受け付けたユーザの入力に応じて、変更部15が記憶部14に記憶された対応関係を変更するようにしているので、読取元ごとの画像データの配信先をユーザが任意に変更することが可能となる。
【0056】
図6は、本実施形態に係る複合機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、複合機1は、コントローラ100とエンジン部(Engine)160とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ100は、複合機1全体の制御と描画、通信、オペレーションパネル30などの操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部160は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどである。エンジン部160は、たとえば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナ20、ファックスユニットなどを含む。なお、エンジン部160には、プロッタやスキャナ20などのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0057】
コントローラ100は、CPU101と、ノースブリッジ(NB)103と、システムメモリ(MEM−P)102と、サウスブリッジ(SB)104と、ローカルメモリ(MEM−C)107と、ASIC106と、ハードディスクドライブ(HDD)108とを有し、ノースブリッジ(NB)103とASIC106との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス105で接続した構成となる。また、MEM−P102は、ROM(Read Only Memory)102aと、RAM(Random Access Memory)102bと、をさらに有する。
【0058】
CPU101は、複合機1の全体制御を行うものである。CPU101は、NB103、MEM−P102およびSB104からなるチップセットを介して、他の機器と接続される。
【0059】
NB103は、CPU101とMEM−P102、SB104、AGP105とを接続するためのブリッジである。NB103は、MEM−P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0060】
MEM−P102は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリである。MEM−P102は、ROM102aとRAM102bとからなる。ROM102aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM102bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0061】
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。SB104は、PCIバスを介してNB103と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0062】
ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。ASIC106は、AGP105、PCIバス、HDD108およびMEM−C107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC106は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC106の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C107を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部160との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。ASIC106には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)130、USB(Universal Serial Bus)140、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース150が接続される。オペレーションパネル30は、ASIC106に直接接続されている。
【0063】
MEM−C107は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD(Hard Disk Drive)108は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0064】
AGP105は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースである。AGP105は、MEM−P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にする。
【0065】
本実施形態に係る複合機1では、上述したように、配信制御部10の関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12が、一例として、プログラムにより実現される。本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、たとえば、ROM102aなどに予め組み込まれて提供される。
【0066】
また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0067】
本実施形態に係る複合機1で実行されるプログラムは、上述した各部(関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)101が上記ROM102aからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM102bなどの主記憶装置上にロードされ、関連付け部13、画像データ分離部11、変更部15、および画像データ配信部12が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0068】
次に、本実施形態に係る複合機1の変形例について説明する。
【0069】
<第1変形例>
第1変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、上述した複合機1では、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを読取元別に分離したが、第1変形例の複合機では、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを、所定ページ数ごとに分離する。
【0070】
図7は、第1変形例の複合機1Aの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図7に示すように、第1変形例の複合機1Aは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Aを備える。配信制御部10Aは、画像データ分離部11A、画像データ配信部12A、設定部16A、および記憶部17Aを備える。
【0071】
画像データ分離部11Aは、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを、設定部16Aにより設定されたページ数ごとに分離する。設定部16Aは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Aに記憶された情報に基づいて、画像データを分離する単位となるページ数を設定する。設定部16Aが記憶部17Aに記憶された情報に基づいてページ数を設定する場合、記憶部17Aには、予め、画像データを分離する単位となるデフォルトのページ数が記憶されている。
【0072】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいてページ数を設定する場合、設定部16Aは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図8に示すような設定画面800をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面800には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄801や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン802のほかに、ページ数単位で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス803が設けられている。そして、ユーザがタッチ操作などによりチェックボックス803にチェックを入れると、設定画面800に、ページ数を設定するためのページ数設定欄804が操作可能に表示される。このページ数設定欄804から所望のページ数が入力され、スタートボタン802が押下されると、スキャナ20による原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Aが、ページ数設定欄804に入力されたページ数を、画像データを分離する単位となるページ数として設定する。
【0073】
画像データ配信部12Aは、画像データ分離部11Aによって所定ページ数ごとに分離された画像データを、設定部16Aにより設定された配信先に配信する。設定部16Aは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Aに記憶された情報に基づいて、所定ページ数ごとに分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Aが記憶部17Aに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Aには、予め、ページ数単位で分離された画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。
【0074】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作が終了し、画像データ分離部11Aが画像データの分離を行うと、設定部16Aは、たとえば図9に示すような配信先指定画面900をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この配信先指定画面900には、分離された個々の画像データのサムネイル901と、配信先の候補のアイコン902とが表示される。そして、ユーザが、たとえば、画像データのサムネイル901を所望の配信先のアイコン902上にドラッグアンドドロップするなど、画像データと配信先とを関連付ける所定の操作を行って、決定ボタン903を押下すると、設定部16Aが、ユーザの操作により画像データに関連付けられた配信先を、画像データの配信先として設定する。
【0075】
このように、第1変形例の複合機1Aでは、スキャナ20が複数ページの原稿を読み取ることで得られる画像データを所定ページ数ごとに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0076】
<第2変形例>
第2変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、第2変形例の複合機では、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データからキーワードを検出し、検出したキーワードの位置に基づいて、画像データを分離する。
【0077】
図10は、第2変形例の複合機1Bの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図10に示すように、第2変形例の複合機1Bは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Bを備える。配信制御部10Bは、画像データ分離部11B、画像データ配信部12B、設定部16B、および記憶部17Bを備える。
【0078】
画像データ分離部11Bは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データに対して、たとえば光学文字認識(OCR:Optical Character Reader)などにより、設定部16Bで設定されたキーワードを画像データから検出する処理を行い、検出されたキーワードの位置に基づいて画像データを分離する。たとえば、設定部16Bにより「申請書」というキーワードが設定されている場合、画像データ分離部11Bは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データから「申請書」の文字列を検出し、「申請書」の文字列が出現する直前までの画像データと、「申請書」の文字列を先頭とする画像データとに分離する。また、設定部16Bにより複数のキーワードが設定されている場合は、画像データ分離部11Bは、それぞれのキーワードを用いて画像データを分離する。
【0079】
設定部16Bは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Bに記憶された情報に基づいて、画像データを分離するためのキーワードを設定する。設定部16Bが記憶部17Bに記憶された情報に基づいてキーワードを設定する場合、記憶部17Bには、予め、画像データを分離するためのデフォルトのキーワードが記憶されている。
【0080】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいてキーワードを設定する場合、設定部16Bは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図11に示すような設定画面1100をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面1100には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄1101や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1102のほかに、キーワードの位置で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス1103が設けられている。そして、ユーザがタッチ操作などによりチェックボックス1103にチェックを入れると、設定画面1100に、キーワードを入力するためのキーワード入力欄1104が操作可能に表示される。このキーワード入力欄1104から所望のキーワードが入力され、スタートボタン1102が押下されると、スキャナ20による原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Bが、キーワード入力欄1104に入力されたキーワードを、画像データを分離するためのキーワードとして設定する。
【0081】
画像データ配信部12Bは、画像データ分離部11Bによってキーワードの位置に基づいて分離された画像データを、設定部16Bにより設定された配信先に配信する。設定部16Bは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Bに記憶された情報に基づいて、キーワードの位置に基づいて分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Bが記憶部17Bに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Bには、予め、キーワードを含む画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Bは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0082】
このように、第2変形例の複合機1Bでは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データをキーワードの位置に基づいて分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0083】
<第3変形例>
第3変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離する条件が、上述した複合機1と異なるものである。すなわち、第3変形例の複合機では、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離する。
【0084】
図12は、第3変形例の複合機1Cの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図12に示すように、第3変形例の複合機1Cは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Cを備える。配信制御部10Cは、画像データ分離部11C、画像データ配信部12C、設定部16C、および記憶部17Cを備える。
【0085】
画像データ分離部11Cは、設定部16Cにより原稿単位での画像データの分離が設定されている場合に、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離する。
【0086】
設定部16Cは、原稿の読み取りを指示するスキャナボタンの押下などに応じて、たとえば図13に示すような設定画面1300をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この設定画面1300には、原稿の読み取り条件を設定するための読み取り条件設定欄1301や、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1302のほかに、原稿単位で画像データを分離するか否かをユーザが指定するためのチェックボックス1303が設けられている。そして、ユーザが読み取り条件設定欄1301で読み取り条件を設定し、タッチ操作などによりチェックボックス1303にチェックを入れ、最初の原稿をセットしてスタートボタン1302を押下すると、スキャナ20による最初の原稿の読み取りが開始されるとともに、設定部16Cにより、原稿単位での画像データの分離が設定される。
【0087】
その後、スキャナ20による最初の原稿の読み取りが終了すると、オペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示される画面が、たとえば図14に示すようなメッセージ画面1400に遷移する。このメッセージ画面1400には、次の原稿のセットを促すメッセージが表示されるとともに、次の原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン1401と、原稿の読み取り終了を指示するエンドボタン1402とが設けられている。ユーザが次の原稿をセットしてスタートボタン1401を押下すると、スキャナ20による次の原稿の読み取りが開始される。そして、次の原稿の読み取りが終了すると、再度、オペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイにメッセージ画面1400が表示される。一方、エンドボタン1402が押下された場合、あるいは、メッセージ画面1400を表示してからスタートボタン1401が押下されることなく所定時間が経過した場合は、スキャナ20による一連の原稿読み取り動作が終了する。
【0088】
以上のように、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取るようにした場合、設定画面1300の読み取り条件設定欄1301で設定された読み取り条件が、最初の原稿だけでなく、続けてセットされた原稿の読み取りにも適用される。したがって、原稿ごとに読み取り条件を設定する必要がなく、ユーザの操作負担が軽減される。
【0089】
スキャナ20による原稿単位での読み取りの終了は、たとえば、圧板読取部での原稿読み取りであれば圧板が閉じられた状態で1回の走査が終了したことを検知することで判断でき、ADF読取部での読み取りであれば自動送りする用紙がなくなったことを検知することで判断できる。スキャナ20は、このような方法で原稿単位での読み取り終了を検知し、検知信号を画像データ分離部11Cに送る。画像データ分離部11Cは、たとえば、このスキャナ20から送られる検知信号に基づいて、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離することができる。
【0090】
画像データ配信部12Cは、画像データ分離部11Cによって原稿単位で分離された画像データを、設定部16Cにより設定された配信先に配信する。設定部16Cは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Cに記憶された情報に基づいて、原稿単位で分離された画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Cが記憶部17Cに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Cには、予め、原稿単位で分離された画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Cは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0091】
このように、第3変形例の複合機1Cでは、スキャナ20が順次セットされた複数の原稿を順次読み取ることで得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離し、分離された画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0092】
<第4変形例>
第4変形例の複合機は、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離した後、必要に応じて、分離された一の画像データの少なくとも一部を他の画像データと結合できるようにしたものである。
【0093】
図15は、第4変形例の複合機1Dの画像データ配信に関わる構成を示すブロック図である。図15に示すように、第4変形例の複合機1Dは、上述した複合機1が備える配信制御部10に代えて、配信制御部10Dを備える。配信制御部10Dは、画像データ分離部11D、画像データ結合部18、画像データ配信部12D、設定部16D、および記憶部17Dを備える。
【0094】
画像データ分離部11Dは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する。画像データ分離部11Dが画像データを分離する条件は、上述した複合機1のように原稿の読取元別に分離するという条件であってもよいし、第1変形例の複合機1Aのように所定ページ数ごとに分離するという条件であってもよいし、第2変形例の複合機1Bのようにキーワードの位置に基づいて分離するという条件であってもよいし、第3変形例の複合機1Cのように原稿単位で分離するという条件であってもよい。また、上記の条件を組み合わせて用いてもよい。以下では、一例として、原稿の読取元別の分離とページ数ごとの分離とを組み合わせ、画像データ分離部11Dが、スキャナ20の圧板読取部が原稿を読み取ることで得られる画像データ(以下、「圧板データ」という。)と、スキャナ20のADF読取部が原稿を読み取ることで得られる画像データ(以下、「ADFデータ」という。)とを分離するとともに、ADFデータを所定ページ数ごとに分離するものとして説明する。
【0095】
画像データ結合部18は、画像データ分離部11Dにより分離された画像データを、設定部16Dにより設定された結合規則に基づいて結合する。ここで、結合規則とは、分離された複数の画像データのうち、結合の対象となる画像データの指定、つまり、どの画像データとどの画像データとを結合するかといった規則と、結合の順序の指定、つまり、一方の画像データを他方の画像データの先頭に結合するか、末尾に結合するかといった規則を含む。また、同じキーワードが含まれる画像データ同士を結合するといった規則を、結合規則として定めるようにしてもよい。この場合、たとえば、個人名などをキーワードとして登録しておけば、同じ個人名を含む画像データ同士を結合して1つの画像データとして扱うことができる。
【0096】
図16は、画像データ結合部18が画像データを結合する様子を模式的に示す概念図である。画像データ結合部18は、設定部16Dにより設定された結合規則に従って、たとえば図16(a)に示すように、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうちの1つと圧板データとを結合して1つの画像データとすることができる。また、画像データ結合部18は、設定部16Dにより設定された結合規則に従って、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうちの2つを結合して1つの画像データとすることもできる。また、設定部16Dにより同じキーワードが含まれる画像データ同士を結合するといった結合規則が設定されている場合は、画像データ結合部18は、たとえば図16(b)に示すように、キーワードAを含む画像データ同士を結合して1つの画像データとすることができる。
【0097】
なお、以上は、画像データ分離部11Dにより分離された画像データ同士を結合する例について説明したが、画像データ分離部11Dにより分離された一の画像データの一部を、他の画像データと結合して1つの画像データとすることも可能である。たとえば、所定ページ数ごとに分離された複数のADFデータのうち、N番目のADFデータのMページ目をN+1番目のADFデータと結合し、N番目のADFデータのM+1ページ目をN+2番目のADFデータに結合することもできる。また、たとえば図16(c)に示すように、圧板データを所定の領域サイズごとに分離して、分離された圧板データをそれぞれADFデータと結合することもできる。
【0098】
設定部16Dは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Dに記憶された情報に基づいて、画像データを結合するための結合規則を設定する。設定部16Dが記憶部17Dに記憶された情報に基づいて結合規則を設定する場合、記憶部17Dには、予め、結合の対象となる画像データの指定や結合の順序の指定、結合に用いるキーワードなどが記憶されている。
【0099】
オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて結合規則を設定する場合、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作が終了し、画像データ分離部11Dが画像データの分離を行うと、設定部16Dは、たとえば図17に示すような結合指定画面1700をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させる。この結合指定画面1700には、分離された個々の画像データのサムネイル1701が表示される。そして、ユーザが、たとえば、画像データのサムネイル1701のうちの1つを他のサムネイル上にドラッグアンドドロップするなど、画像データ同士を結合させる所定の操作を行い、さらに結合順序を指定する所定の操作を行って、決定ボタン1702を押下すると、設定部16Dが、ユーザの操作に応じた結合規則を設定する。なお、キーワードに基づいて画像データの結合を行う場合には、キーワード入力欄が設けられた結合指定画面をオペレーションパネル30のタッチパネルディスプレイに表示させ、設定部16Dは、このキーワード入力欄からユーザが入力したキーワードを、結合規則として設定すればよい。
【0100】
画像データ配信部12Dは、画像データ分離部11Dによって分離された画像データを、設定部16Dにより設定された配信先に配信する。このとき、画像データ配信部12Dは、画像データ結合部18により結合された画像データを1つの画像データとして扱い、画像データ結合部18により結合された画像データを1つの配信先に配信する。設定部16Dは、オペレーションパネル30からのユーザの入力、あるいは記憶部17Dに記憶された情報に基づいて、画像データの配信先をそれぞれ設定する。設定部16Dが記憶部17Dに記憶された情報に基づいて画像データの配信先を設定する場合、記憶部17Dには、予め、画像データごとのデフォルトの配信先が記憶されている。オペレーションパネル30からのユーザの入力に基づいて画像データの配信先を設定する場合は、設定部16Dは、たとえば、第1変形例の設定部16Aと同様の手法で、画像データごとの配信先を設定すればよい。
【0101】
次に、図18を参照して、第4変形例の複合機1Dによる画像データ配信処理の概要について説明する。図18は、第4変形例の複合機1Dの配信制御部10Dにより実行される画像データ配信処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【0102】
ステップS201:画像データ分離部11Dが、設定部16Dにより画像データを分離する条件が設定されているか否かを判定する。そして、画像データを分離する条件が設定されていれば(ステップS201:Yes)、次のステップS202に進み、画像データを分離する条件が設定されていなければ(ステップS201:No)、ステップS205に進む。
【0103】
ステップS202:画像データ分離部11Dが、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、設定部16Dにより設定された条件に応じて分離し、ステップS203に進む。
【0104】
ステップS203:画像データ結合部18が、設定部16Dにより画像データを結合する結合規則が設定されているか否かを判定する。そして、画像データを結合する結合規則が設定されていれば(ステップS203:Yes)、次のステップS204に進み、画像データを結合する結合規則が設定されていなければ(ステップS203:No)、ステップS205に進む。
【0105】
ステップS204:画像データ結合部18が、画像データ分離部11Dにより分離された画像データを、設定部16Dにより設定された結合規則に従って結合し、ステップS205に進む。
【0106】
ステップS205:画像データ配信部12Dが、設定部16Dにより設定された配信先に画像データを配信し、図18のフローチャートで示す一連の画像データ配信処理が終了する。
【0107】
以上のように、第4変形例の複合機1Dでは、スキャナ20の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを複数の画像データに分離した後、必要に応じて、分離された一の画像データの少なくとも一部を他の画像データと結合し、画像データごとに配信先を決定して配信するので、ユーザの要望に柔軟に対応して、画像データの配信を効率よく行うことができる。
【0108】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。つまり、上述した実施形態の具体的な構成や動作はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 複合機
2 FTPサーバ
3 SMTPサーバ
4 ファイルサーバ
5 通信ネットワーク
10 配信制御部(画像データ配信装置)
11 画像データ分離部
12 画像データ配信部
13 関連付け部
14 記憶部
15 変更部
18 画像データ結合部
20 スキャナ
21 圧板読取部
22 ADF表面読取部
23 ADF裏面読取部
30 オペレーションパネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2010−219700号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する画像データ分離手段と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する画像データ配信手段と、を備えることを特徴とする画像データ配信装置。
【請求項2】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、原稿を読み取った読取元別に分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項3】
分離された画像データと前記読取元を識別する読取元識別情報とを関連付ける関連付け手段をさらに備え、
前記画像データ配信手段は、前記読取元識別情報に関連付けられた画像データを、前記読取元識別情報に応じて定められた配信先に配信することを特徴とする請求項2に記載の画像データ配信装置。
【請求項4】
前記読取元識別情報と、該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶する記憶手段を備え、
前記画像データ配信手段は、前記対応関係を参照し、分離された複数の画像データを、該画像データに関連付けられた前記読取元識別情報に対応する配信先に各々配信することを特徴とする請求項3に記載の画像データ配信装置。
【請求項5】
前記画像データ配信手段は、読取元が異なる複数の画像データが1つのジョブとして読み取られた場合に、該ジョブに含まれる複数の画像データを、各画像データに関連付けられた前記読取元識別情報に対応した複数の配信先にそれぞれ配信することを特徴とする請求項4に記載の画像データ配信装置。
【請求項6】
ユーザにより指定された前記対応関係の入力を受け付ける受付手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記対応関係を、ユーザにより指定された前記対応関係に変更する変更手段と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像データ配信装置。
【請求項7】
複数の前記読取元を備え、
前記関連付け手段は、複数の前記読取元のうちの一の読取元が前記原稿を読み取った後に、該読み取りにより得られる画像データに、前記一の読取元を識別する前記読取元識別情報を付加して、前記画像データと前記読取元識別情報とを関連付けることを特徴とする請求項3に記載の画像データ配信装置。
【請求項8】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定ページ数ごとに分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項9】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、該画像データに含まれるキーワードの位置に基づいて分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項10】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作が、順次セットされた複数の原稿を順次読み取る動作である場合に、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項11】
分離された一の画像データの少なくとも一部を、分離された他の画像データと結合する画像データ結合手段をさらに備え、
前記画像データ配信手段は、結合された画像データに対して1つの配信先を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項12】
前記画像データ結合手段は、ユーザの操作により指定された画像データ同士を結合することを特徴とする請求項11に記載の画像データ配信装置。
【請求項13】
前記画像データ結合手段は、設定された条件に適合する画像データ同士を結合することを特徴とする請求項11に記載の画像データ配信装置。
【請求項14】
原稿を読み取る読取装置と、コンピュータで実行されるプログラムと、を備える画像データ配信システムであって、
前記読取装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを前記コンピュータに送り、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記読取装置の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、を実現させることを特徴とする画像データ配信システム。
【請求項15】
一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項1】
一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する画像データ分離手段と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する画像データ配信手段と、を備えることを特徴とする画像データ配信装置。
【請求項2】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、原稿を読み取った読取元別に分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項3】
分離された画像データと前記読取元を識別する読取元識別情報とを関連付ける関連付け手段をさらに備え、
前記画像データ配信手段は、前記読取元識別情報に関連付けられた画像データを、前記読取元識別情報に応じて定められた配信先に配信することを特徴とする請求項2に記載の画像データ配信装置。
【請求項4】
前記読取元識別情報と、該読取元識別情報に関連付けられた画像データの配信先との対応関係を記憶する記憶手段を備え、
前記画像データ配信手段は、前記対応関係を参照し、分離された複数の画像データを、該画像データに関連付けられた前記読取元識別情報に対応する配信先に各々配信することを特徴とする請求項3に記載の画像データ配信装置。
【請求項5】
前記画像データ配信手段は、読取元が異なる複数の画像データが1つのジョブとして読み取られた場合に、該ジョブに含まれる複数の画像データを、各画像データに関連付けられた前記読取元識別情報に対応した複数の配信先にそれぞれ配信することを特徴とする請求項4に記載の画像データ配信装置。
【請求項6】
ユーザにより指定された前記対応関係の入力を受け付ける受付手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記対応関係を、ユーザにより指定された前記対応関係に変更する変更手段と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像データ配信装置。
【請求項7】
複数の前記読取元を備え、
前記関連付け手段は、複数の前記読取元のうちの一の読取元が前記原稿を読み取った後に、該読み取りにより得られる画像データに、前記一の読取元を識別する前記読取元識別情報を付加して、前記画像データと前記読取元識別情報とを関連付けることを特徴とする請求項3に記載の画像データ配信装置。
【請求項8】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定ページ数ごとに分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項9】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、該画像データに含まれるキーワードの位置に基づいて分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項10】
前記画像データ分離手段は、一連の原稿読み取り動作が、順次セットされた複数の原稿を順次読み取る動作である場合に、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、個々の原稿から得られる画像データごとに分離することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項11】
分離された一の画像データの少なくとも一部を、分離された他の画像データと結合する画像データ結合手段をさらに備え、
前記画像データ配信手段は、結合された画像データに対して1つの配信先を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像データ配信装置。
【請求項12】
前記画像データ結合手段は、ユーザの操作により指定された画像データ同士を結合することを特徴とする請求項11に記載の画像データ配信装置。
【請求項13】
前記画像データ結合手段は、設定された条件に適合する画像データ同士を結合することを特徴とする請求項11に記載の画像データ配信装置。
【請求項14】
原稿を読み取る読取装置と、コンピュータで実行されるプログラムと、を備える画像データ配信システムであって、
前記読取装置は、一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを前記コンピュータに送り、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記読取装置の一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、を実現させることを特徴とする画像データ配信システム。
【請求項15】
一連の原稿読み取り動作により得られる画像データを、所定の条件に応じて複数の画像データに分離する機能と、
分離された複数の画像データごとに配信先を決定し、決定した配信先に複数の画像データを各々配信する機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−31155(P2013−31155A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107889(P2012−107889)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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