説明

画像再生装置、制御方法、制御プログラム及び記憶媒体

【課題】
静止画像と動画像を同時記録した後、静止画または動画像のどちらを視聴するのかを選択する煩雑さを解消する。
【解決手段】
再生形式判定部(127)は、動画像の顔認識位置の時間的変化が所定値より大きい場合、又は、動画像に付随する音声の音圧の時間的変化が所定値より大きい場合に、再生形式を動画像とし、それ以外では、再生形式を静止画とする。記録/再生制御部(104)は、操作者により選択された撮影データに対して、判定された再生形式で動画像又は静止画像を再生し、LCD(109)に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像再生装置、制御方法、制御プログラム及び記憶媒体に関し、特に、ビデオカメラ、デジタルカメラ等で撮影した動画像と静止画について、動画像と静止画のいずれかを選択再生する画像再生装置、制御方法、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−78137号公報
【0004】
従来のビデオカメラやデジタルカメラには、静止画と共に、その前後の動画像を自動的に記録できるものがある(例えば、特許文献1参照。)。撮影操作に使用するレリーズスイッチは、例えば、浅く押した半押し状態と、最後まで押した全押し状態の2段階になっており、半押しで動画像の記録を開始し、全押しで静止画を記録する。動画像の画像データはバッファメモリに取り込まれるが、バッファメモリの容量は有限であるので、容量を越えた場合は古いものから順に更新されていく。静止画の記録を実行してから一定時間経過後に、動画像の取り込みを終了する。そして、静止画および動画像の画像データを圧縮処理した圧縮データを、メモリカード等の記録媒体に記録する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
静止画と動画像を自動的に同時記録した場合、記録された静止画と動画像を再生する方法に以下のような問題点がある。すなわち、一回の撮影で静止画と動画像の両方の画像データが生成されるが、再生時に、静止画と動画像のどちらを再生するかを選択する煩雑さが発生する。更には、鑑賞者がその選択を判断しきれない場合、例えば、静止画と動画像の両方を再生することになり、撮影内容の確認をしたい場合に視聴の手間が増えてしまう問題がある。
【0006】
従来の、静止画または動画像のいずれか一方しか一度に記録できないカメラであれば、撮影者は、静止画記録モードまたは動画像記録モードのいずれかを選択して撮影することになる。また、再生時は、もちろん、その様に選択して記録された静止画または動画像のいずれかを鑑賞することになる。
【0007】
本発明は、同時記録される動画像と静止画のどちらを再生するかの選択の煩雑さを軽減する画像再生装置、制御方法、制御プログラム及び記憶媒体を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像再生装置は、動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体と、前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定する再生形式判定手段と、前記再生形式判定手段の判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択して再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像再生装置の制御方法は、動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体を有する画像再生装置の制御方法であって、前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定する再生形式判定ステップと、前記再生形式判定ステップの判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択して再生する再生ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像再生装置の制御プログラムは、動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体を有する画像再生装置により実行される制御プログラムであって、前記画像再生装置に前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定させる再生形式判定機能と、前記画像再生装置に、前記再生形式判定機能の判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択させ再生させる再生手段とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動的に同時記録された静止画と動画像のうち、いずれかを優先して再生することで、静止画と動画像のいずれかを、推奨として視聴者に提供する。これにより、視聴者が静止画と動画像のどちらを視聴すべきかを判断する煩雑さを解消できる。
【0012】
更には、視聴者が静止画と動画像のどちらを再生するのかを判断しきれずに、結局、静止画と動画像の両方を再生してしまい、再生内容を確認する手間が増えてしまうことも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るビデオカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る記録処理の手順を説明するフローチャートである。
【図3】静止画と動画像の同時記録方法を説明する図である。
【図4】撮影データの構成を説明する図である。
【図5】メタデータの生成方法を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る再生処理の手順を説明するフローチャートである。
【図7】再生形式判定後の撮影データの構成を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るビデオカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図9】再生インデックス画面の構成を説明する図である。
【図10】再生形式変更操作後の再生インデックス画面の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係る画像再生装置の一実施例を組み込んだビデオカメラの概略構成ブロック図である。
【0016】
本実施例のビデオカメラ100において、レンズ101は、ビデオカメラ100の撮影対象となる被写体の光学像を生成する。CCD撮像素子102は、レンズ101による光学像を画像信号に変換する。カメラ信号処理部103は、CCD撮像素子102の電気信号を映像信号として信号処理する。静止画像記録処理部118は、カメラ信号処理部103が信号処理した映像信号を静止画像として記録処理する。動画像記録処理部119は、カメラ信号処理部103が信号処理した映像信号を動画像として記録処理する。
【0017】
マイク130は、ビデオカメラ100の撮影対象となる被写体から発せられる音を収集して電気信号に変換する。音声記録処理部120は、マイク130の電気信号を音声として記録処理する。
【0018】
記録/再生制御部104は、静止画像記録処理部118の記録処理する静止画像、動画像記録処理部119の記録処理する動画像及び音声記録処理部120の記録処理する音声の記録再生を制御する。データ管理部121は、静止画像記録処理部118により記録処理された静止画像、動画像記録処理部119により記録処理された動画像、音声記録処理部120により記録処理された音声をデータ管理する。
【0019】
記録媒体制御部105は記録媒体に静止画像/動画像/音声を記録する為の制御を実行し、記録媒体106に静止画像/動画像/音声を記録させる。すなわち、記録媒体制御部105は、記録/再生制御部104からの記録すべきデータを記録媒体106に記録し、記録媒体106から読み出したデータを記録/再生制御部104に供給する。
【0020】
記録媒体106に記録される撮影データ112は、静止画像データ113、動画像データ114、メタデータ116及び再生形式データ117で構成される。音声データ115は、動画像データ114に含まれる形式で記録される。再生形式データ117は、その再生形式データ117が含まれる撮影データ112に対して再生指示が為された時に、静止画像データ113と、音声データ115を含む動画像データ114のどちらを再生するかを指定する。再生形式データ117に設定されるデータは、「動画像」または「静止画」の何れかを示す値をとる。
【0021】
メタデータ制御部125のメタデータ生成重畳処理部126は、静止画像記録処理部118、動画像記録処理部119及び音声記録処理部120によりそれぞれ処理される静止画像、動画像及び音声からメタデータを生成する。生成されたメタデータは、データ管理部121及び記録媒体制御部105を経由して、記録媒体106の撮影データ112に含まれるメタデータ116として記録される。再生形式判定部127は、記録媒体106に記録される撮影データ112に含まれるメタデータ116を参照し、メタデータ116に応じて再生形式を決定する。再生形式判定部127により決定された再生形式は、データ管理部121及び記録媒体制御部105を経由して、記録媒体106に記録される撮影データ112に含まれる再生形式データ117として記録される。
【0022】
システム制御部107は、ビデオカメラ100、記録/再生制御部104及びメタデータ制御部125を含むビデオカメラ100全体を統括制御するマイクロコンピュータからなる。システム制御部107は、撮影スイッチ110及び撮影/再生モード切替えスイッチ129の状態を監視し、ビデオカメラ100の操作者により操作が為されたかどうかを検出する。システム制御部107は、撮影スイッチ110又は撮影/再生モード切替えスイッチ129の操作に従い、ビデオカメラ100、記録/再生制御部104及びメタデータ制御部125を制御する。
【0023】
画像再生処理部122は、記録媒体106に記録された静止画像データ113及び動画像データ114を、記録媒体制御部105及びデータ管理部121を経由して読み出し、画像再生処理を行う。OSD(On Screen Display)装置123は、ビデオカメラ100の制御状態を再生画像に重畳する。LCD駆動装置108は、画像再生処理部122で生成された再生画像にOSD装置123による重畳表示が為された画像データに従いLCD(液晶表示装置)109を駆動して、画像表示させる。これにより、操作者は、再生画像およびビデオカメラ100の制御状態をLCD109の画面上で確認できる。
【0024】
音声再生処理部124は、記録媒体106に記録された撮影データ112に含まれる動画像データ114に更に含まれる音声データを記録媒体制御部105及びデータ管理部121を経由して読み出し、音声再生処理する。スピーカ111は、音声再生処理部124の処理した電気信号により再生音声を発する。これにより、操作者は再生音声を聴くことが出来る。
【0025】
撮影/再生モード切替えスイッチ129が操作された時の動作を説明する。撮影/再生モード切替えスイッチ129が撮影モード側に操作されたことが検出されると、システム制御部107は、記録/再生制御部104の動作を撮影モード動作に制御する。また、CCD撮像素子102及びカメラ信号処理部103が撮像動作を行い、撮像画像信号を静止画像記録処理部118と動画像記録処理部119へ送る。マイク130も動作し、音声信号を音声記録処理部120に送る。
【0026】
撮影/再生モード切替えスイッチ129が再生モード側に操作されたことが検出されると、システム制御部107は、記録/再生制御部104の動作を再生モード動作に制御する。また、記録媒体106に記録されたメタデータ116が、記録媒体制御部105とデータ管理部121を介して、メタデータ制御部125の再生形式判定部127に供給され、再生形式が判定される。再生形式の判定結果は、再び、データ管理部121と記録媒体制御部105を経由して、記録媒体106に再生形式データ117として記録される。
【0027】
撮影スイッチ110が操作された時の動作を説明する。撮影スイッチ110が押され、撮影者により撮影指示が為されたとする。撮影指示時点でカメラ信号処理部103から静止画像記録処理部118に送られた画像信号が、静止画像記録処理部118に静止画像データとして一時記憶される。同様に、カメラ信号処理部103から動画像記録処理部119に送られた画像信号が一定時間分の動画像として、動画像記録処理部119に動画像データとして一時記憶される。動画像記録処理部119に一時記録された一定時間分の動画像と同じ一定時間分の音声信号が、音声記録処理部120に音声データとして一時記録される。これら静止画像データ、動画像データ及び音声データは、データ管理部121に転送される。データ管理部121は、これらのデータを記録媒体106での記録管理に適したデータ形式に変換し、記録媒体制御部105を経由して記録媒体106に記録する。
【0028】
メタデータ生成重畳処理部126が、記録媒体106に記録される静止画像データ、動画像データ及び音声データに対応したメタデータを生成する。メタデータ生成重畳処理部126はまた、データ管理部121が記録媒体106での記録管理に適したデータ形式への変換を行った時に生成されるメタデータの重畳も行う。
【0029】
図2は、本実施例の記録処理手順のフローチャートである。S201で、システム制御部107は、撮影モード時処理を開始する。S202で、システム制御部107は、撮影スイッチ110が撮影者によって押されたかどうかを監視する。押されていないと判断された場合は、S202に戻り、撮影スイッチ110が押されたかどうかの監視を継続する。押されたと判断された場合は、S203で、システム制御部107は、動画像/静止画の同時記録を実行する。動画像/静止画の同時記録処理の詳細は後述する。S204で、記録した動画像/静止画に対応するメタデータを生成する。メタデータ生成処理の詳細は後述する。S205で、S203で記録された静止画と動画像、及び、S204で生成されたメタデータを、互いに関連付けて記録媒体106に記録する。記録処理の詳細は後述する。S206で、終了する。
【0030】
図3は、動画像/静止画の同時記録処理(S203)のタイミングを説明する図である。301は処理内容を説明する基準とする為の時間軸を示す。302は撮影スイッチ110が撮影者により押し操作されるタイミングを示す。静止画像記録処理部118が、このタイミング302でカメラ信号処理部103から静止画像記録処理部118に送られる画像信号を記録処理する。そして、記録処理された静止画像データが、データ管理部121と記録媒体制御部105を経由して、記録媒体106に記録される。
【0031】
303はショートクリップ動画像記録が行われる期間を示す。ここでは、動画像は、所定の一定時間分を記録後に自動終了するショートクリップ動画像として記録される。所定の一定時間とは、例えば、4秒間である。または、4秒間、8秒間、16秒間又は32秒間等と、複数の選択肢から撮影者が選択して設定する構成としても良い。本実施例では、図示するとおり、ショートクリップ動画像記録期間は、撮影スイッチが押されたタイミングを含む。
【0032】
304はプリ記録期間を示す。プリ記録期間304は、例えば、2秒間である。2秒間、4秒間、8秒間又は16秒間等と、複数の選択肢から撮影者が選択して設定する構成としても良い。本実施例では、ショートクリップ動画像記録期間303は、プリ記録期間304を含む。プリ記録期間304をショートクリップ動画像記録期間303よりも長い時間として設定することはできない。
【0033】
撮影/再生モード切替えスイッチ129が撮影モード側に操作され、且つ、撮影スイッチ110が操作されていないとき、一定時間分の動画像が暫定的に、動画像記録処理部119の内部(又は記録媒体106)の一時記録領域に保持される。すなわち、動画像記録処理部119は、カメラ信号処理部103から動画像記録処理部119に送られる画像信号を、撮影スイッチ110が操作されていない時も、記録処理している。一時記録領域の容量は有限であり、プリ記録期間304は、その容量相当の期間よりも短い期間となる様に設定される。一時記録領域の空き容量が無くなると、古い動画像部分が消去され、これにより空いた記録領域に、カメラ信号処理部103から送られてくる最新の画像データが記録される。
【0034】
撮影スイッチ110が操作されると、動画像記録処理部119は、一時記録領域に記録されたプリ記録期間304に相当する画像信号に加えて、その画像信号を含むショートクリップ記録期間に相当する画像信号を一時記録する。このように一時記録された動画像が、データ管理部121及び記録媒体制御部105を経由して記録媒体106に記録される。
【0035】
撮像時のこのような記録処理により、記録媒体106には、動画像と、この動画像の取得中(又は撮像中)に取得(又は撮像)される静止画像が、記録される。
【0036】
図4は、記録媒体106に記録されるデータの構成模式図を示す。401は撮影データA、411は撮影データB、421は撮影データCである。撮影データA401、撮影データB411及び撮影データC421はそれぞれ、図1の撮影データ112に対応する。撮影スイッチ110の1回の操作毎に撮影データは1組作成される。図4では、撮影スイッチ110の3回の操作、つまり3回の撮影が為され、3組の撮影データA401、撮影データB411及び撮影データC421が作成されている。
【0037】
撮影データA401は、静止画像データA402、動画像データA403、メタデータA404及び再生形式データA405を含む。撮影データB411は、静止画像データB412、動画像データB413、メタデータB414及び再生形式データB415を含む。撮影データC421は、静止画像データC422、動画像データC423、メタデータC424及び再生形式データC425を含む。静止画像データA402、静止画像データB412及び静止画像データC422はそれぞれ、図1の静止画像データ113に対応する。動画像データA403、動画像データB413及び動画像データC423は、図1の動画像データ114に対応する。メタデータA404、メタデータB414及びメタデータC424は、図1のメタデータ116に対応する。再生形式データA405、再生形式データB415及び再生形式データC425は、図1の再生形式データ117に対応する。
【0038】
この説明では、メタデータA404には、時間的変化が大きいメタデータが格納されている。メタデータB414には、時間的変化が大きいメタデータが格納されている。メタデータC424には、時間的変化が小さいメタデータが格納されている。メタデータ生成処理の詳細は後述する。
【0039】
また、再生形式データA405、再生形式データB415及び再生形式データC425はいずれも未設定状態であるとする。再生形式データ設定の詳細は後述する。
【0040】
図5は、メタデータ生成重畳処理部126で実施されるメタデータ生成処理の説明図である。図5では、メタデータを顔認識位置のフレーム上の変化量としている。図5(a)は、変化が大きい場合を示し、図5(b)は変化が小さい場合を示す。501、502、504及び505はそれぞれ動画像中の1フレームを抜き出したものである。フレーム501とフレーム502は、同一の動画像データから抜き出したものである。フレーム504とフレーム505は、同一の動画像データから抜き出したものである。503、506はフレームの時間的変化を示す矢印であり、フレーム501からフレーム502へ、また、フレーム504からフレーム505へ時間が進行している。
【0041】
図5(a)は、移動する人物を撮影した場合であり、フレーム中で顔認識位置が変化している。フレーム501では、フレーム上の左端に顔認識位置が存在したが、フレーム502では、顔認識位置が中央右側まで変化しており、顔認識位置の変化量が大きい。その顔認識位置の時間的変化量を、メタデータに設定する。
【0042】
図(b)は、静止する樹木を撮影した場合で、顔認識されていない為、顔認識位置の変化量は無い。その顔認識位置の時間的変化量を、メタデータに設定する。
【0043】
図6は、システム制御部107で実行される再生処理手順を説明するフローチャートである。
【0044】
S601で、システム制御部107は、再生モード時処理の開始を示す。S602で、システム制御部107は、記録媒体106から動画像データを読み出させる。図4の撮影データ構成の場合、動画像データとしては、動画像データA403、動画像データB413及び動画像データC423がある。S603で、システム制御部107は、動画像データの撮影期間に撮影された静止画データを取得する。図4に示す撮影データ構成の場合、各動画像データの撮影期間に撮影された静止画データは、同一の撮影データとして分類管理されている。動画像データA403の撮影期間に撮影された静止画データは、静止画像データA402となる。動画像データB413の撮影期間に撮影された静止画データは、静止画像データB412となる。動画像データC423の撮影期間に撮影された静止画データは、静止画像データC422となる。
【0045】
S604で、再生形式判定部127が、メタデータに関連付けて再生形式を決定する。再生形式決定の詳細は後述する。S605で、システム制御部107は、再生形式をチェックする。再生形式が動画像の場合、S606に進み、動画像データを選択して再生する。再生形式が静止画の場合、S607に進み、静止画データを選択して再生する。S608で、システム制御部107は、図6に示す処理を終了する。
【0046】
図7は、再生形式が決定された後の、記録媒体106に記録されるデータの構成を示す。図4に対して異なる箇所は、再生形式データA705、再生形式データB715及び再生形式データC725である。
【0047】
再生形式決定の詳細を説明する。本実施例では、顔認識位置の時間的変化量が所定値以上であった場合に、再生形式を動画像に設定し、顔認識位置の時間的変化量が所定値未満であった場合に、再生形式を静止画に設定する。この決定条件に従い、S604では再生形式を決定する。
【0048】
例えば、撮影データA401で、メタデータA404に記録された顔認識位置の時間的変化量が所定値以上である場合、再生形式データA705は「動画像」と決定される。撮影データB411で、メタデータB414に記録された顔認識位置の時間的変化量が所定値以上である場合、再生形式データB715は「動画像」と決定される。撮影データC421で、メタデータC424に記録された顔認識位置の時間的変化量が所定値未満の場合、再生形式データC725は「静止画」と決定される。
【0049】
画像の顔認識位置の時間的変化量が所定値より大きい場合に動画像形式と判定することにより、カメラの被写体としては人物を撮影する機会が多いが、人物の動きが比較的多い場合に動画像を優先して再生することができる。また、被写体人物の動きを動画像で鑑賞して楽しむことができる。この場合に静止画を優先して再生してしまうと、被写体人物の動きを鑑賞して楽しむことが出来ない。
【実施例2】
【0050】
図8は、本発明の第2実施例であるビデオカメラの概略構成ブロック図である。図1に示す実施例と同じ構成要素には、同じ符号を付してある。図1に示す実施例に対して、図8に示すビデオカメラ100aには、静止画動画像切替えスイッチ828が追加されている。静止画動画像切替えスイッチ828は、撮影/再生モード切替えスイッチ129が再生モード側に操作されている時のみ、操作有効となるスイッチである。
【0051】
システム制御部107aは、静止画動画像切替えスイッチ828がビデオカメラ100の操作者により操作された否かを監視する。静止画動画像切替えスイッチ828の操作が検出されると、システム制御部107aは、ビデオカメラ100a、記録/再生制御部104及びメタデータ制御部125を以下に説明するように制御する。すなわち、システム制御部107aは、記録媒体106に記録される再生形式データ117を、記録媒体制御部105及びデータ管理部121を経由して読み出す。そして、読み出した再生形式データ117が「静止画」を示す場合には、「動画像」を示す値に変更し、「動画像」を示す場合には、「静止画」を示す値に変更する。そして、変更後の値が、データ管理部121と記録媒体制御部105を経由して、記録媒体106に再生形式データ117として記録される。
【0052】
図9は、再生モード時にLCD109に表示される再生インデックス画面を示す。サムネイル画像901、902、903、904、905、906はそれぞれ、撮影データに対応する。すなわち、図7の撮影データA401にサムネイル画像901が対応する。同様に、撮影データB411にサムネイル画像902が対応し、撮影データC421にサムネイル画像903が対応する。
【0053】
アイコン907、908、909、910、911、912は、各撮影データの再生形式を表示する。アイコン907、908、912は、再生形式が動画像であることを示す。アイコン909、910、911は、再生形式が静止画であることを示す。図7の撮影データA401は再生形式データA705に動画像が設定されており、サムネイル画像901には、再生形式が動画像であることを示すアイコン907が重畳して表示される。
【0054】
再生インデックス画面913には、特定のサムネイル画像すなわち特定の撮影データを選択する為のカーソル914が表示される。カーソル914は、非図示の十字キー等を操作することで、再生インデックスに表示された複数のサムネイル画像上を、上下左右に移動して選択することができる。
【0055】
操作者は再生したい撮影データを示すサムネイル画像にカーソル914を非図示の十字キー等操作によって合わせ、非図示の再生ボタン等を操作することにより、選択された撮影データの再生を指示できる。その際、再生形式データに応じた静止画または動画像が再生される。
【0056】
再生形式が動画像であることを示すアイコン907が表示されたサムネイル画像901に、非図示の十字キー等を操作してカーソル914をあわせたとする。そして、非図示の再生ボタン等を操作すると、再生形式データA705には動画像が設定されているので、図6のS605の条件分岐に応じて、動画像データA403が再生される。
【0057】
再生形式が静止画であることを示すアイコン909が表示されたサムネイル画像903に、非図示の十字キー等を操作してカーソル914をあわせたとする。そして、非図示の再生ボタン等を操作すると、再生形式データC725には動画像が設定されているので、図6のS605の条件分岐に応じて、静止画データC422が再生される。
【0058】
サムネイル画像904、905、906に対応する再生形式データは、各サムネイル画像に対応する音声データに応じて決定している。具体的には、音声の音圧の時間的変化が所定値より大きい場合に動画像形式と判定している。サムネイル画像904、905については、音圧の時間的変化が所定値より小さいので、再生形式が静止画と判定される。サムネイル画像906については、音圧の時間的変化が所定値より大きいので、再生形式が動画像と判定される。
【0059】
図10は、再生モード時に表示される再生インデックス画面を示す。サムネイル画像904で代表される撮影データに対して、再生形式を変更した後を示す。図9との差異は、サムネイル画像904に付加されるアイコン1010が、再生形式として動画像を示すものに変更されている。
【0060】
再生形式を変更する手順を説明する。カーソル914を、再生形式を変更したい撮影データを示すサムネイル画像に合わせる。そして、静止画動画像切替えスイッチ828を操作する。すると、対応する撮影データの再生形式データが、変更前が動画像形式であれば静止画形式に、変更前が静止画形式であれば動画像形式に、それぞれ変更される。その結果、サムネイル画像に付加表示されるアイコンも、再生形式データの変更に応じて動画像を示すアイコン又は静止画を示すアイコンに変更される。
【0061】
再生形式が動画像であることを示すアイコン1010が表示されたサムネイル画像904に、非図示の十字キー等を操作してカーソル914をあわせたとする。そして、非図示の再生ボタン等を操作すると、アイコン1010に対応する非図示の再生形式データには動画像が設定されているので、図6のS605の条件分岐に応じて、アイコン1010に対応する動画像データが再生される。
【0062】
再生形式データが撮影データの一部として、静止画/動画像の画像データに関連付けて記録されることにより、再生時に決定した再生形式を一度利用して破棄してしまうことが無くなる。そして、再生形式アイコンの表示又は再生形式をユーザインターフェースで変更する等、再生形式データの様々な活用が可能となる。
【0063】
音声の音圧の時間的変化量が所定値より大きい場合に再生形式を動画像と判定することにより、再生時に動画像に付随して音声も再生され、音声を楽しむことが出来る。例えば、撮影時に複数人数の会話などが発生した場合、その発話により音圧の時間的変化量が所定値より大きくなるので、動画像形式を優先して再生することで、記録された会話内容を手軽に楽しむことができる。
【0064】
上記実施例の一部の要素は、マイクロコンピュータ上で動作する制御プログラムとして実装できる。その場合、例えば、動画像と静止画像のどちらを優先して再生するかを判定する再生形式判定手段は、再生形式判定機能として実装される。また、動画像及び静止画の一方を選択的に再生する再生手段は、再生機能として実装される。
【0065】
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述したが、本発明はこれら特定の実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施例の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0066】
なお、システム制御部の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0067】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体と、
前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定する再生形式判定手段と、
前記再生形式判定手段の判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択して再生する再生手段
とを有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記再生形式判定手段は、前記記録媒体に、前記動画像及び前記静止画像に関連付けて記録されている再生形式データに基づいて判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
更に、前記再生形式データを変更する手段を具備することを特徴とする請求項2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記再生形式判定手段は、前記動画像の顔認識位置の時間的変化が所定値より大きい場合に動画像形式での再生を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記再生形式判定手段は、前記動画像に付随する音声の音圧の時間的変化が所定値より大きい場合に動画像形式での再生を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項6】
更に、前記再生形式判定手段の判定結果を表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項7】
動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体を有する画像再生装置の制御方法であって、
前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定する再生形式判定ステップと、
前記再生形式判定ステップの判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択して再生する再生ステップ
とを有することを特徴とする画像再生装置の制御方法。
【請求項8】
動画像及び前記動画像の取得中に取得される静止画像を記録する記録媒体を有する画像再生装置により実行される制御プログラムであって、
前記画像再生装置に前記動画像と前記静止画像のどちらを優先して再生するかを判定させる再生形式判定機能と、
前記画像再生装置に、前記再生形式判定機能の判定結果に従い、前記動画像及び前記静止画の一方を選択させ再生させる再生機能
とを実現させることを特徴とする画像再生装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムを格納する記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−193182(P2011−193182A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56921(P2010−56921)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】