説明

画像再生装置およびその制御方法およびプログラム

【課題】動画ファイルを再生する際に、再生速度をどの値に設定すると、ぎこちなく見えてしまうのかを操作者が簡単に把握できるようにすることを目的とする。
【解決手段】画像再生装置が、再生速度と動画ファイルのフレームレートとから実再生フレームレートを算出し、所定のフレームレートと比較する。比較の結果に従って、動画ファイルの画像情報の表示態様を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なフレームレートで撮影された動画を、任意の再生速度で再生する画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームレートを極端に遅くして撮影した動画(1fps)を、通常のフレームレート(30fps)で再生することにより、撮影時の30倍の速度で動画を再生することが行われている(特開文献1参照)。また、撮影フレームレートを速くして動画を撮影することや、再生速度を調整して動画を再生することが行われている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-252373号公報
【特許文献2】特開2002-320203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが任意の再生速度を設定して動画を再生する場合、設定された再生速度に対応する再生フレームレートが低くなってしまい、動画がぎこちなくなって見にくくなることがあった。また、動画を見やすく再生するためには、ユーザが試行錯誤して最適な再生速度を探して設定し直さなければならず手間がかかっていた。
そこで、本発明は、動画が再生されるとぎこちなく見える再生速度をユーザに分かり易く通知してユーザの動画再生操作の手間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記本件発明の目的を達成するため、本件発明の画像再生装置は、記録された動画を再生するために指示された再生速度と動画に関連付けて記録されたフレームレートとから算出される再生フレームレートを予め設定された所定のフレームレートと比較し、比較の結果に従って、指示された再生速度での再生に関する所定の報知を動画に対して行なうかどうかを決定する。
【発明の効果】
【0006】
本件発明によれば、ユーザが動画の再生速度を任意に設定するときに、動画を再生するとぎこちなく見えるフレームレートになることを容易に認識することが可能となる。その結果、ユーザは動画を滑らかに見えるように再生するのに好適な再生速度を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施例の画像再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施例の画像再生装置のユーザインターフェイスを示す図。
【図3】本発明の第1の実施例の画像再生装置の起動時のフローチャートを示す図。
【図4】本発明の第1の実施例の画像再生装置のユーザインターフェイスを操作した時の処理フローチャートを示す図
【図5】図4のステップS410で実行される報知対象の動画の検索と報知処理のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
本実施例の画像再生装置は、PC上で動作するアプリケーションで実現される。
図1は、本発明の実施形態に係る画像再生装置の構成を示すブロック図である。
図1において、101は画像再生装置100全体を制御する制御部であり、例えばCPU(Central Processing Unit)である。102は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するROM(Read Only Memory)である。103は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRAM(Random Access Memory)である。104は画像再生装置100に内蔵されたハードディスクやメモリカード、あるいは画像再生装置100から着脱可能なフロッピー(登録商標)ディスク(FD)やCD(Compact Disk)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカードなどを含む外部記憶装置である。105はユーザの操作を受けてデータを入力するマウスやキーボードなどの操作部である。106は画像再生装置100が保持するデータや供給されたデータを表示するための表示部である。107はインターネットなどのネットワーク回線に接続して通信を行なうためのネットワーク通信部である。108は101〜107の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。外部記憶装置104には、後述する画像再生プログラムが制御部101に読み取り可能なプログラムコードとして格納されており、制御部101がこのプログラムコードを読み出して実行する。
【0010】
以上のように構成された画像再生装置での動作例を以下に説明する。
まず、本実施例の動画ファイルは、高速度撮影により得られたものであり、高い撮影フレームレートを持ち、撮影フレームレートと同じフレームレートが再生フレームレートとして記録されている。撮影フレームレートおよび再生フレームレートは動画ファイルのメタデータに記録されている。また、動画ファイルは、外部記憶装置104に記憶されている。
【0011】
次に、本実施例の画像再生装置の概要を以下に説明する。
本実施例の画像再生装置には、動画の再生速度が遅くなり、フレームレートが低下することによって、再生された動画が人間の目でぎこちなく見え始めるフレームレートの限界値として、ある決められた固定の値が設定され、外部記憶装置104に保持されている。本実施例では、所定のフレームレートを30fpsとする。本実施例では、この限界値より低いフレームレートになる再生速度の範囲を識別して表示することにより操作者に報知する。また、操作者が設定した再生速度で再生すると、限界値より低いフレームレートになる動画ファイルの表示態様を変更することで操作者に報知する。
【0012】
制御部101は画像再生プログラムを起動し、表示画面200を表示部106に表示するよう表示制御を行う。
【0013】
本実施例の画像再生プログラムの表示画面200の一例を図2に示す。
図2において、201は、図1の外部記憶装置104に記憶されている動画ファイルに対応するサムネイル画像の一覧を表示する領域である。制御部101は外部記憶装置104に記憶されている動画ファイルを読み出してサムネイル画像を作成し、その一覧を表示画面200に出力する。図2では、サムネイル画像202、203、204、205 の4つが表示されている。なお、サムネイル画像に限らず、動画ファイルに関するファイル名等の画像情報を表示するようにしてもよい。操作者が操作部105を操作し、サムネイル画像のいずれかを選択すると、制御部101は選択されたサムネイル画像に対応する動画ファイルを動画表示窓206に再生する。図2では、サムネイル画像204が選択され、それと対応する動画ファイル(Movie_3)が動画表示窓206で再生されている。
【0014】
また、それぞれ対応する動画ファイルの撮影フレームレートは、サムネイル画像202は600fps、サムネイル画像203は300fps、サムネイル画像204は240fps、サムネイル画像205は120fpsである。
【0015】
207は、動画ファイルの再生動作を指示する再生ボタンである。動画ファイルの再生前に、操作者が操作部105を操作して再生ボタン207を押すと、制御部101は動画表示窓206の動画ファイルの再生を開始するよう制御する。また、動画再生中に再生ボタン207が押下されると、制御部101は動画ファイルの再生を停止するよう制御する。
【0016】
208は、動画ファイルの再生位置を指定するタイムスライダーバーである。タイムスライダーバー208上に、動画ファイルの再生位置を表示するつまみ211がある。制御部101は、動画の再生処理に合わせてつまみ211を移動するよう表示画面を更新し、動画ファイルの現在の再生位置を示す。操作者は操作部105を操作して、タイムスライダーバー208のつまみ211を操作すると、制御部101は動画表示窓206に表示されている動画ファイルの現在の再生位置をつまみ211の位置に対応する位置に変更する。
【0017】
209は、動画ファイルの再生速度を調整するための速度変更スライダーバーである。速度変更スライダーバー209には、再生速度の設定値に対応する位置にスライダー212が存在する。操作者が操作部105を操作し、スライダー212を移動すると、制御部101は動画ファイルの再生速度を変更する。本実施例のスライダー212の位置は、動画ファイルの再生フレームレートに対する再生速度の倍率に対応するものとする。また、本実施例の速度変更スライダーバー209上で設定された設定値は、動画表示窓206で再生される動画ファイルが切り替わっても維持される。また、図2では、速度変更スライダーバー上でスライダー212が左に行くほど倍率を低く、また右に行くほど倍率を高く設定する。本実施例の速度変更スライダーバー209では、20分の1倍から20倍までの倍率を設定できるものとする。
ここで、サムネイル画像204、205は二重線の枠に囲まれて表示され、サムネイル画像202、203のように一重線の枠に囲まれた画像よりも表示が強調されている。これは、速度変更スライダーバー209上のスライダー212の位置と対応する再生速度でサムネイル画像204、205の動画ファイル(MOVIE_3、MOVIE_4)を再生すると実再生フレームレートが限界値より低くなることを報知している。これにより、操作者は、現在の再生速度の設定値で再生すると、ぎこちなく見える動画ファイルを容易に識別できる。また、動画表示窓206も二重線の枠に囲まれて表示されている。これは、速度変更スライダーバー209上のスライダー212の位置に対応する再生速度で、動画表示窓206に表示中の動画ファイル(Movie3)を再生すると、実再生フレームレートが限界値より低くなることを報知している。これにより、操作者は、現在の再生速度の設定値で再生すると、動画ファイルがぎこちなく見えることを容易に認識できる。また、動画ファイルが再生中であれば、ぎこちなくみえているのが再生速度の設定値が不適切なためであることを簡単に知ることができる。
【0018】
また、速度変更スライダーバー209上には、動画表示窓206に表示中の動画ファイルの再生がぎこちなくなるフレームレートになる再生速度の範囲210が強調して表示される。例えば、範囲210が他の範囲に比べて太線で表示されたり、他の範囲とは異なる色で表示されたり、点滅して表示される。これにより、操作者は操作部105を操作してスライダー212を範囲210に移動し、その位置に対応する再生速度を設定すると、動画ファイルが再生されるとぎこちなく見えることが事前に分かる。例えば、範囲210は、動画表示窓206に表示中の動画ファイル(MOVIE_3)の再生フレームレートが240fpsの場合、限界値(30fps)となる8分の1倍より低い範囲の倍率となる。なお、範囲210は、動画表示窓206に表示中の動画ファイルではなく、動画リストの中でフレームレートが最小の動画ファイルの限界値となる倍率より低い範囲の倍率を示すようにしてもよい。
【0019】
211は、動画再生プログラムの終了を指示する終了ボタンである。
【0020】
図3は、図1の外部記憶装置104から動画再生プログラムが読み込まれた後、図1の外部記憶装置104の動画ファイルから動画のサムネイルリストを作成して図2の画面を表示する処理のフローチャートを示す図である。
【0021】
図3においてステップS301では、制御部101が外部記憶装置104から動画ファイルを検索する。
【0022】
ステップS302では、制御部101がステップS301で動画ファイルが見つかったかどうか判断する。動画ファイルが見つかった場合、制御部101が処理をステップS303へ移行する。動画ファイルが見つからなかった場合は、本処理を終了する。
【0023】
ステップS303では、制御部101がステップS301で見つかった動画ファイルからサムネイル画像を作成して外部記憶装置104に記憶する。
【0024】
ステップS304では、制御部101がステップS301で見つかった動画ファイルから再生フレームレートを取得する。そして、制御部101は取得された再生フレームレートを、ステップS303で記憶されたサムネイル画像のファイルパスに関連付けて動画リストに追加し、外部記憶装置104に保持する。本実施例では、動画リストに各動画ファイルのサムネイル画像202、203、204、205のファイルパスとそれぞれの動画の再生フレームレート600fps、300fps、240fps、120fpsを対応付けて保持する。
【0025】
ステップS305では、制御部101が表示部106に表示画面200を表示するよう表示制御する。表示画面200には、動画リストに基づいてサムネイル画像と動画ファイルの再生フレームレートが表示される。
【0026】
図4は、表示画面200のサムネイル画像の一覧、再生ボタン207、タイムスライダーバー208、速度変更スライダーバー209、終了ボタン211を操作者が操作部105により操作するときに行われる処理のフローチャートを示す図である。
【0027】
ステップS401では、制御部101が操作部105の操作により、サムネイル画像の一覧からいずれかが選択されたかどうかを判断する。サムネイル画像が選択されたと判断した場合は、制御部101は処理をステップS402へ移行する。サムネイル画像が選択されたと判断しなかった場合、処理をステップS405へ移行する。
【0028】
ステップS402では、制御部101がステップS401で選択されたサムネイル画像の動画ファイルを動画表示窓206に表示する。
【0029】
ステップS403では、制御部101が、動画ファイルを再生するとぎこちなく見える再生フレームレートの限界値を取得する。限界値は画像再生装置にあらかじめ決められた固定の値として保持されており、本実施例では30fpsとする。なお、30fps以外の値として、一般的に滑らかに見えるフレームレートとして映画で使用されている24fpsやPALで使用されている25fpsを使用してもよい。また、操作者が任意の値を指定できるようにし、それを取得するようにしてもよい。
ステップS404では、制御部101が、ステップS403で取得した限界値に基づいて、動画表示窓206に表示されている動画ファイルの再生がぎこちなくなる再生速度の範囲210を速度変更スライダーバー209上に表示する。制御部101は、動画表示窓206に表示している動画ファイルの再生フレームレートが限界値となる倍率を算出し、その倍率よりも小さい倍率の範囲210を強調して表示する。動画ファイルの再生フレームレートが240fpsであれば限界値が30fpsとなる倍率は8分の1であるので、8分の1より小さい倍率の範囲が速度変更スライダーバー209上で強調して表示される。
【0030】
ステップS405では、制御部101が、動画表示窓206に動画ファイルが表示されているかどうかを判断する。表示されていると判断した場合は、制御部101は処理をステップS406へ移行する。表示されていないと判断した場合は、処理をステップS412へ移行する。
【0031】
ステップS406では、制御部101が、動画ファイルの再生指示があったかどうかを判断する。動画ファイルの再生指示は、操作者が操作部105を操作して再生ボタン207を押下することによって行われる。制御部101が動画の再生指示があったと判断した場合は、処理をステップS407へ移行する。動画ファイルの再生指示がなかったと判断した場合は、処理をステップS409へ移行する。
【0032】
ステップS407では、制御部101が、速度変更スライダーバー209に設定されている再生速度(スライダー212の位置と対応する倍率)と動画ファイルに記録されている再生フレームレートに基づいて実再生フレームレートを算出する。実再生フレームレートは、動画ファイルの再生フレームレートに再生速度の倍率を掛けることで算出される。
【0033】
ステップS408では、制御部101が、ステップS407で算出した実再生フレームレートで動画ファイルを再生する。なお、動画ファイルの再生を開始する位置は、タイムスライダーバー208で設定されている位置(つまみ211に対応する位置)から行う。
【0034】
ステップS409では、制御部101が、速度変更指示があったかどうかを判断する。速度変更指示は、操作者が操作部105を操作して速度変更スライダーバー209のスライダー212を操作することで行われる。速度変更指示があったと判断された場合は、制御部101は処理をステップS410へ移行する。速度変更指示がなかったと判断された場合は、処理をステップS412へ移行する。
【0035】
ステップS410では、制御部101が、操作された速度変更スライダーバー209のスライダー212の位置と対応する値を取得して再生速度の倍率として設定する。
【0036】
ステップS411では、制御部101が、ステップS410で設定された再生速度で再生すると、ぎこちなく見える動画ファイルを動画リストから検索する。ここで行われる処理の詳細は、後述する。
【0037】
ステップS412では、制御部101が、終了ボタン211を押す操作が操作部105の操作で行われたかどうかを判断する。終了ボタン211が押されたと判断した場合、制御部101は動画再生プログラムを終了する。終了ボタン211が押されなかったと判断した場合は、制御部101は処理をステップS401へ移行し、ステップS401からステップS412を繰り返す。
【0038】
図5は、図4のステップS411の処理のフローチャートを示す図である。
【0039】
ステップS501では、制御部101が、図3のステップS303で作成した動画リストに存在する動画ファイルのうち1つの再生フレームレートを取得する。
【0040】
ステップS502では、制御部101が、速度変更スライダーバー209で設定された再生速度の倍率を取得する。本実施例では、画像再生装置の操作者によって速度変更スライダーバー209上でスライダー212が移動することにより、10分の1倍が設定されたとする。
【0041】
ステップS503では、制御部101が、ステップS501で取得した動画ファイルの再生フレームレートとステップS502で取得した再生速度の倍率に基づいて、各動画ファイルの実再生フレームレートを算出する。例えば、サムネイル画像202、203、204、205の動画ファイルの再生フレームレートは600fps、300fps、240fps、120fpsである。よって、サムネイル画像202、203、205の動画ファイルの実再生フレームレートは60fps、30fps、12fpsと算出される。
【0042】
ステップS504では、制御部101がステップS503で算出された実再生フレームレートと限界値を比較し、実再生フレームレートが限界値以上かどうかを判断する。本実施例では限界値を30fpsとしたので、例えば、動画表示窓206に表示されている動画ファイルの実再生フレームレートは24fpsなので、限界値より低いと判断される。また、サムネイル画像202、203の動画ファイル実再生フレームレートはそれぞれ60fps、30fpsなので、限界値以上と判断される。一方、サムネイル画像205の動画ファイル実再生フレームレートは12fpsなので、限界値より低いと判断される。
ステップS504で実再生フレームレートが限界値より高いと判断された場合、報知の必要がないため、制御部101はステップS507の処理へ移行する。実再生フレームレートが限界値より高くないと判断された場合は、報知が必要なためステップS505の処理へ移行する。
【0043】
ステップS505では、制御部101がステップS504で実再生フレームレートが限界値より低いと判断された動画ファイルの表示枠の位置を取得する。動画ファイルの表示枠としては、サムネイル画像202、203、204、205それぞれの表示枠および動画表示窓206の表示枠がある。
【0044】
ステップS506では、制御部101が、ステップS505で取得された動画ファイルの表示枠の表示態様を強調するように変更して表示することで操作者に対して報知を行う。
【0045】
本実施例では、図2に示すように、動画ファイルのサムネイル画像の表示枠を一重線から二重線に変更することにより、報知対象の(再生するとぎこちなく見えるフレームレートとなる)動画ファイルを識別可能に表示するようにした。識別するための表示態様としては枠の線の形状に限らず、枠の色を変更するようにしてもよいし、枠あるいはサムネイル画像を点滅するように変更してもよい。また、上記以外でも、操作者が再生するとぎこちなくみえる動画ファイルであることが分かれば他の表示態様で表示するようにしてもよい。
【0046】
ステップS507では、制御部101が動画リストに記述されている動画ファイルをすべて検索したかどうかを判断する。動画リストの動画ファイルをすべて検索したと判断した場合には、制御部101は処理を終了する。動画リストの動画ファイルをすべて検索していないと判断した場合は、処理をステップS501へ移行する。
このように制御部101は、ステップS501からステップS507の処理を繰り返すことで、速度変更スライダーバー209の現在の設定値で再生するとぎこちなく見える動画ファイルを特定し、特定した動画ファイルの操作者への報知を実行する。
【0047】
以上のように、図2の表示画面に示すように、設定された再生速度の倍率に基づいて、当該再生速度で再生するとぎこちなく見える動画ファイルが存在することを報知するので、操作者が不適切な再生速度に設定して動画ファイルを再生するのを防ぐことができる。
また、再生するとぎこちなく見えるようになる再生速度の範囲を報知するので、操作者は適切な再生速度を容易に識別し、設定することができる。
【0048】
なお、本実施例では、動画ファイルに記録されている再生フレームレートは撮影フレームレートと同じであるとして、ステップS304で再生フレームレートを取得した。しかし、撮影フレームレートとは異なるフレームレートが再生フレームレートとして動画ファイルに記録されている場合は、ステップS304で再生フレームレートの代わりに撮影フレームレートを取得して再生フレームレートとしてもよい。
【0049】
本実施例の速度変更スライダーバー209では、再生速度の倍率を設定する構成としたが、実再生フレームレートを直接指定するように構成してもよい。また、撮影フレームレートに対する倍率を指定するようにしてもよい。なお、上記したように速度変更スライダーバー209で再生フレームレートに対する再生速度の倍率を指定するようにしたことにより、複数の動画ファイルに対して再生速度の変更の割合を一律に制御できる。よって、動画速度の変更の割合を固定して、次々と複数の動画ファイルを切り換えて再生するときの操作者の操作性を向上することができる。
【0050】
また、速度変更スライダーバー209で実再生フレームレートを直接指定すれば、複数の動画ファイルの再生速度を一律に制御できる。よって、動画ファイルの再生フレームレートを固定して、次々と複数の動画ファイルを切り換えて再生するときの操作者の操作性を向上することができる。
【0051】
また、速度変更スライダーバー209で撮影フレームレートに対する倍率を指定すれば、複数の動画ファイルの撮影時の実時間に対する再生速度を一律に制御できる。よって、操作者は、動画ファイルを撮影したときの実時間に対して遅く再生しているのか早く再生しているのかを容易に判断することが可能となる。
【0052】
本実施例では、再生するとぎこちなく見えるフレームレートを限界値(第1の限界値)として設定し、実再生フレームレートとの比較結果にしたがって選択的に報知する例を説明した。しかし、限界値は、これに限定されるものではない。例えば、画像再生装置の表示能力に基づき、間引きが行われるフレームレートを限界値(第2の限界値)として設定してもよい。実再生フレームレートが第2の限界値を超えると、画像再生装置は間引き処理をしてから動画ファイルを再生する。また、これら第1および第2の限界値を組み合わせて設定する構成にしてもよい。画像再生装置が、実再生フレームレートが第1の限界値より低くなる再生速度と、実再生フレームレートが第2の限界値より高くなる再生速度を報知することにより、操作者は不適切な再生速度を容易に認識するできことができる。
【0053】
なお、設定した再生速度では実再生フレームレートが第1の限界値より小さいまたは第2の限界値より大きい場合には、第1の限界値または第2の限界値のフレームレートで動画ファイルを再生するようにしてもよい。限界値のフレームレートで再生することにより、動画ファイルを再生しても滑らかに見えるようにすることができる。
【0054】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含まれる。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0056】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画ファイルと対応する画像情報を表示部に表示する表示手段と、
動画ファイルを再生する再生手段と、
前記動画ファイルを再生するときの再生速度を指示する指示手段と、
前記動画ファイルのフレームレートを取得する取得手段と、
前記指示手段で指示された再生速度と前記取得手段で取得されたフレームレートから実再生フレームレートを算出する算出手段と、
前記実再生フレームレートを予め設定された所定のフレームレートと比較する比較手段と、
前記比較の結果にしたがって、前記画像情報の表示態様を変更する変更手段とを備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記算出手段により算出される実再生フレームレートは、前記再生速度と前記フレームレートの積であることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記動画ファイルの再生速度を調整のためのスライダーバーを前記表示部に表示し、
前記指示手段は、前記スライダーバー上のスライダーの位置に対応する再生速度を指示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記比較の結果、前記所定のフレームレートよりも小さな実再生フレームレートが前記算出手段により算出される再生速度の範囲を、前記スライダーバー上で識別可能に表示することを特徴とする請求項3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記再生手段は、前記比較の結果、前記所定のフレームレートよりも実再生フレームレートが小さいとき、前記動画ファイルを前記所定のフレームレートで再生することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像再生装置。
【請求項6】
動画ファイルと対応する画像情報を表示部に表示するステップと、
動画ファイルを再生するステップと、
前記動画ファイルを再生するときの再生速度を指示するステップと、
前記動画ファイルのフレームレートを取得するステップと、
前記指示された再生速度と前記取得されたフレームレートから実再生フレームレートを算出するステップと、
前記実再生フレームレートを予め設定された所定のフレームレートと比較するステップと、
前記比較の結果にしたがって、前記画像情報の表示態様を変更する変更ステップとを備えることを特徴とする画像再生装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
動画ファイルと対応する画像情報を表示部に表示するステップと、
動画ファイルを再生するステップと、
前記動画ファイルを再生するときの再生速度を指示するステップと、
前記動画ファイルのフレームレートを取得するステップと、
前記指示された再生速度と前記取得されたフレームレートから実再生フレームレートを算出するステップと、
前記実再生フレームレートを予め設定された所定のフレームレートと比較するステップと、
前記比較の結果にしたがって、前記画像情報の表示態様を変更する変更ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−244227(P2012−244227A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109410(P2011−109410)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】