説明

画像処理システム、画像処理装置及び画像形成装置

【課題】ネットワークを介して画像処理サービスを提供する画像処理システムにおいて、夫々のユーザに適した課金情報を容易に提示すること。
【解決手段】複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムにおいてシステム利用料の課金情報の適否を判断するものであって、画像処理システムの利用態様に応じた課金プランを複数種類記憶している情報記憶部316と、ワークフローの実行命令に従って実行された画像処理のジョブログ情報を取得し、取得したジョブログの情報に基づいて課金プランを選択する課金プラン判断部314と、選択された課金プランを通知する表示情報生成部315とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置及び画像形成装置に関し、特に、実行された画像処理の履歴を活用することによるサービスの向上に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)として構成されることが多い。
【0003】
また、このように電子化された文書を文書管理サーバに蓄積し若しくは指定された配信先に配信して利用する画像処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような画像処理システムにおいては、スキャナ機能と情報処理機能とを組み合わせてワークフローを構成し、文書蓄積の効率化を図ることが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような画像処理システムにおいては、ユーザによる実行指示の入力、原稿のスキャン等による処理対象の画像の入力、実際の画像処理、処理結果の取得、といった処理が含まれる。これらの処理のうち、実行指示の入力、処理対象の画像の入力、処理結果の取得をユーザのオフィス等に設置されたMFPが実行し、実際の画像処理はネットワークを介して接続されたサーバが実行するシステムの態様が考えられる。更には、サービス提供者が、インターネット等の公衆回線を介して実際の画像処理を実行するサーバを提供することにより、広い範囲のユーザに対してサービスを提供することができると共に、ユーザはサーバを導入することなく、容易にサービスを利用することができるというメリットがある。
【0005】
このようなサービスを提供する際、サービスの利用料の設定が課題となる。サービス提供者は、サービスを1回利用するごとに1回分の金額が課金される基本的な課金態様の他、サービスを多用する法人等のユーザ向けに様々な課金態様(課金プラン)を提示する場合がある。例えば、何回サービスを利用しても一定の金額が請求される定額の課金プランや、曜日若しくは時間帯が指定され、その時間帯の使用であれば減額の請求となる課金プラン等がある。
【0006】
このような様々な課金プランが提示されている場合、ユーザは自身のサービス利用態様に適した課金プランを選択した上でサービスを利用することが好ましいが、提供される課金プランが多岐に亘る場合、どの課金プランが適しているかを判断するのは困難である。また、サービス提供者としては、各ユーザのサービス利用態様に応じて、ユーザ毎に適した課金プランを提示することにより、ユーザへのサービスを向上することが好ましい。しかしながら、サービスを利用しているユーザが多い場合、それらすべてのユーザに対して個別にサービスの利用態様を判断して好適な課金プランを提示することは、サービス提供者の負荷が高く現実的ではない。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ネットワークを介して画像処理サービスを提供する画像処理システムにおいて、夫々のユーザに適した課金情報を容易に提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムであって、前記画像処理システムにおいてユーザが直接操作する画像形成装置と、システム利用料の課金情報の適否を判断する情報処理装置とを含み、前記画像形成装置が、ユーザの操作に応じて前記ワークフローの実行命令を入力し、前記情報処理装置が、前記入力された情報に基づいて前記ワークフローの実行命令を取得し、前記取得された実行命令に係るワークフローによって処理すべき画像を取得し、前記取得された画像を前記実行命令に係るワークフローに従って処理し、前記ワークフローの実行履歴の情報を蓄積し、前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類記憶している課金情報記憶部から、前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて課金情報を選択し、前記選択された課金情報を前記画像形成装置に通知し、前記画像形成装置が、前記通知された課金情報を表示することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報に前記複数種類の課金情報を夫々適用して課金額を計算し、その計算結果に基づいて前記課金情報を選択することができる。
【0010】
また、前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報に前記複数種類の課金情報を夫々適用して課金額を計算した結果、最も課金額が少ない課金情報を選択することができる。
【0011】
また、前記ワークフローの実行履歴の情報は、前記ワークフローの実行命令の日時に関する情報を含み、前記課金情報記憶部は、前記複数種類の課金情報の一態様として、所定時間帯の利用に限って課金額を低減する課金情報を記憶しており、前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報について前記実行命令の日時に関する情報を集計した結果、所定時間帯の実行命令の数が他の時間帯の実行命令の数よりも少ない場合に、前記所定時間帯の利用に限って課金額を低減する課金情報を選択することができる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムにおいてシステム利用料の課金情報の適否を判断する情報処理装置であって、前記ワークフローの実行命令に従って実行された画像処理の実行履歴の情報を取得する履歴情報取得部と、前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類記憶している課金情報記憶部と、前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて前記複数種類記憶されている課金情報を選択する課金情報選択部と、前記選択された課金情報を通知する課金情報通知部とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の態様は、複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムに含まれる画像形成装置であって、ユーザが前記ワークフローの実行命令を入力するための操作部と、前記操作部に入力された情報に基づいて前記ワークフローの実行命令を出力する実行命令出力部と、前記画像処理システムを利用する上での利用態様に応じた課金情報の通知を受ける課金情報通知取得部と、前記通知された課金情報を表示する課金情報表示部とを含み、前記課金情報は、前記実行命令に係るワークフローによって処理すべき画像を前記実行命令に係るワークフローに従って処理した実行履歴の情報を蓄積し、前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類取得し、前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて前記複数種類の課金情報の中から選択されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワークを介して画像処理サービスを提供する画像処理システムにおいて、夫々のユーザに適した課金情報を容易に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る文書管理システムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理端末のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るフロー情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るワークフローサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るフロー制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報記憶部に含まれるユーザ情報の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報記憶部に含まれるジョブログ情報の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報記憶部に含まれる課金プラン情報の一部の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報記憶部に含まれる課金プラン情報の一部の例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るワークフローの実行動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施形態に係る課金プランの判断動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態に係る課金プランの判断態様の例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る画像処理システムが提供可能なサービスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像処理システムの例として、スキャンにより読み取った画像を、予め登録されたワークフローに従って処理することにより、文書の配信や格納を行う文書管理システムを例として説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る文書管理システムの運用形態の例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る文書管理システムは、画像形成装置1、クライアント端末2が接続されたネットワークAとワークフローサーバ3が接続されたネットワークBとが、インターネットや電話回線等の公衆回線4を介して接続されている。本実施形態において、ネットワークAは、文書管理システムを利用するサービス利用者のネットワークであり、ネットワークBは、文書管理システムを提供するサービス提供者のネットワークである。ネットワークA及びネットワークBは、ルータ等のネットワーク機器を介して公衆回線4に接続されている。
【0018】
画像形成装置1は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機である。また、画像形成装置1は、予め登録されたワークフローの実行を命令するためのユーザインタフェースとしても機能する。クライアント端末2は、ユーザが操作する情報処理端末であり、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現される。
【0019】
ワークフローサーバ3は、画像形成装置1において入力されたワークフローの実行命令に基づき、同じく入力された画像に対して画像処理を実行する。また、ワークフローサーバ3は、ワークフローの実行履歴に基づいてユーザ毎に好適な課金プランを判断する機能を含む。この機能が本実施形態に係る要旨である。
【0020】
尚、図1においては、ワークフローサーバ3が1つの装置によって構成されているが、複数の装置でワークフローサーバ3の機能を実現してもよい。例えば、上述したワークフローを実行する機能と、履歴情報に基づいて好適な課金プランを判断する機能とを別々のサーバで実現することができる。また、ワークフローを実行する機能についても、夫々の画像処理機能を異なるサーバによって実現することができる。
【0021】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1、クライアント端末2及びワークフローサーバ3のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。以下の説明においては、画像形成装置1のハードウェア構成を例として説明するが、クライアント端末2及びワークフローサーバ3についても同様である。
【0022】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
【0023】
CPU10は演算手段であり、情報処理端末全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0024】
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、図1において説明したように、本実施形態に係るワークフローサーバ3は、サーバとして運用される。従って、LCD60及び操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。
【0025】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1やワークフローサーバ3の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0026】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
【0027】
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140及び入出力制御部150を含む。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0028】
ディスプレイパネル104は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ディスプレイパネル104は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。
【0029】
ネットワークI/F108は、画像形成装置1がネットワークを介してクライアント端末2やワークフローサーバ3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、図2に示すI/F50によって実現される。また、ネットワークI/F108には、FAXモデムとしての機能も含まれ、画像形成装置1がネットワークを介してFAX送受信を行うためのインタフェースとしても機能する。
【0030】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10の制御に従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0031】
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介してクライアント端末2やワークフローサーバ3に送信される情報である。
【0032】
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108及びネットワークを介してクライアント端末2やワークフローサーバ3若しくは公衆回線4に接続された他の機器にアクセスする。
【0033】
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。
【0034】
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120は、プリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。
【0035】
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作若しくはネットワークI/F108を介して外部のクライアント端末2等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部140若しくは入出力制御部150が主制御部110にスキャン実行信号を転送する。主制御部110は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部120を制御する。
【0036】
エンジン制御部120は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部120は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部120の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作する。
【0037】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部120は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部130に転送する。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、エンジン制御部120から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部130が生成した画像情報はHDD40等の画像形成装置1に装着された記憶媒体に保存される。即ち、スキャナユニット102、エンジン制御部120及び画像処理部130が連動して、原稿読み取り部として機能する。
【0038】
画像処理部130によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部150及びネットワークI/F108を介してワークフローサーバ3等の外部の装置に送信される。
【0039】
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部120がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部130が生成した画像情報に基づき、画像処理部130が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部120がプリントエンジン106を駆動する。尚、描画情報と撮像情報との情報形式が同一である場合は、撮像情報をそのまま描画情報として用いることも可能である。
【0040】
また、画像形成装置1がファクシミリとして動作する場合は、まず、スキャナ動作の場合と同様に画像処理部130によって画像情報が生成される。そして、主制御部110が入出力制御部150を制御し、FAX送信を実行させる。FAX送信に際しては、入出力制御部150が、主制御部110の制御に従い、ネットワークI/F108のうちFAXモデムの機能を駆動して指定された送信先に画像を送信する。
【0041】
また、画像形成装置1が、予め構築されているワークフローを実行する場合は、まず、ユーザがディスプレイパネル104を操作してワークフローの実行指示を入力する。この際、ディスプレイパネル104には、ワークフローを選択するための画面(以降、ワークフロー選択画面とする)として、登録されているワークフローの情報が表示される。このワークフロー選択画面を表示するための情報(以降、フロー情報とする)について、図4を参照して説明する。
【0042】
図4は、フロー情報の内容を示す図である。図4に示すように、フロー情報は、ワークフローを識別するためのID、ワークフローの名称及びワークフローに含まれる処理の内容の情報を含む。例えば、ID“001”のワークフローであれば、名称は“projectA”であり、“処理a”、“処理b”、“処理c”・・・といった処理が含まれる。図4に示す“処理a”、“処理b”、“処理c”・・・等の各処理は、画像形成装置1において実行されるスキャン処理や、ワークフローサーバ3において実行される画像処理である。
【0043】
図4に示す “処理a”、“処理b”、“処理c”等の各処理を実行する機能は、画像形成装置1やワークフローサーバ3においてプラグインとして構成されている。即ち、上記各処理のプラグインを構成するプログラムが画像形成装置1若しくはワークフローサーバ3にインストールされることにより、図4に示す各処理が本実施形態に係る画像処理システムにおいて実行可能となる。
【0044】
尚、フロー情報としては、図4に示す情報の他、夫々の処理についての設定値の情報等も含まれる。また、図4に示すフロー情報は、画像形成装置1においてHDD40に格納されており、主制御部110がフロー情報を参照してワークフロー選択画面の表示情報を生成する。この他、ネットワークを介してワークフローサーバ3からフロー情報を取得して表示情報を生成してもよい。
【0045】
主制御部110は、操作表示制御部140を介してワークフローの実行指示を取得し、その実行指示に基づいて上述したようにスキャンを行うことにより処理すべき画像を取得する。尚、処理すべき画像はスキャンによって取得する他、HDD40等に予め格納された画像を取得してもよい。
【0046】
主制御部110は、処理すべき画像を取得すると、入出力制御部150を制御して、ワークフローの実行指示及び画像の情報をワークフローサーバ3に送信させる。これにより、ワークフローサーバ3においてワークフローが実行される。その後、画像形成装置1においては、入出力制御部150が必要に応じてワークフローの実行結果に関する情報を取得する。
【0047】
次に、本実施形態に係るワークフローサーバ3の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るワークフローサーバ3の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係るワークフローサーバ3は、コントローラ300、ネットワークI/F301を含む。またコントローラ300は、フロー制御部310、入出力制御部320及び画像処理部330を含む。
【0048】
ネットワークI/F310は、画像形成装置1のネットワークI/F108と同様に、ワークフローサーバ3がネットワークを介して画像形成装置1やクライアント端末2等の他の機器と通信するためのインタフェースである。入出力制御部320は、画像形成装置1の入出力制御部150と同様に、ネットワークI/F301を介して入力される情報をフロー制御部310に入力する。また、フロー制御部310の制御に従い、ネットワークI/F301を介して他の機器に情報を送信する。
【0049】
画像処理部330は、ワークフローサーバ3において、ワークフローに含まれる画像処理を実行する。画像処理部330が実行する画像処理とは、例えばOCR(Optical Character Recognition)処理や、画像の情報形式の変換処理等である。画像処理部330は、フロー制御部310の制御に従って画像処理を実行する。
【0050】
フロー制御部310は、ワークフローサーバ3において、上述したようにワークフローの実行を制御する。また、フロー制御部310は、本実施形態の要旨となる処理を実行する。フロー制御部310に含まれる機能について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るフロー制御部310の機能構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るフロー制御部310は、情報取得部311、認証処理部312、フロー実行処理部313、課金プラン判断部314、表示情報生成部315及び情報記憶部316を含む。
【0051】
情報取得部311は、入出力制御部320が画像形成装置1から受信したワークフローの実行命令や、ワークフローにおいて処理対象となる画像の情報等、ワークフローの処理に関する様々な情報を取得する。認証処理部312は、本実施形態に係る画像処理システムを利用する際の利用権限を認証する。本実施形態においては、認証処理部312による認証処理により、ユーザが操作する画像形成装置1とワークフローサーバ3との間の通信が暗号化され、情報のセキュリティ性が確保される。
【0052】
フロー実行処理部313は、情報取得部311が取得したワークフローの実行命令に基づき、ワークフローのジョブの実行を処理する。例えば、情報取得部311が取得したワークフローの情報に画像変換処理や、OCR処理が含まれていれば、フロー実行処理部313は、画像処理部330を制御して画像変換若しくはOCRを実行させる。また、処理した画像の配信処理が含まれていれば、フロー実行処理部313は、入出力制御部320を制御して文書の配信処理を実行させる。更に、フロー実行処理部313は、上述したワークフロージョブの実行に応じて、情報記憶部316にジョブログ情報を記憶させる。
【0053】
課金プラン判断部314は、本実施形態の要旨に係る構成であり、情報記憶部316に記憶されているジョブログ情報及び課金プラン情報に基づいてユーザ毎に最適な課金プランを判断する。課金プラン判断部314の機能については、後に詳述する。表示情報生成部315は、課金プラン判断部314による処理の結果、即ち、ユーザ毎に判断された最適な課金プランをユーザに通知するための表示情報を生成する。この表示情報は、夫々のユーザが利用する画像形成装置1に送信され、操作表示制御部140によって解釈される。これにより、ディスプレイパネル104に課金プランの通知画面が表示される。
【0054】
情報記憶部316は、図6に示すように、ユーザ情報、ジョブログ情報、フロー情報及び設定情報が格納されている記憶領域である。以下、夫々の情報について、図を参照して説明する。図7は、ユーザ情報の内容を示す図である。ユーザ情報は、認証処理部312が、ログイン要求に応じてユーザを認証するために参照する情報であり、図7に示すように、本実施形態に係る文書管理システムの利用者として登録されているユーザを識別するユーザID、ユーザが利用する画像形成装置1を識別するマシンID及びそのユーザを認証するためのパスワードを含む。
【0055】
図8は、ジョブログ情報の内容の例を示す図である。ジョブログ情報は、フロー実行処理部313が、ワークフロージョブの実行に応じて格納する情報であり、“ジョブID”、“ユーザID”、“マシンID”、“実行日時”、“フローID”、“重要度”、“枚数”、“ファイルサイズ”の情報を含む。 “ジョブID”は、ジョブを識別するための識別情報である。本実施形態に係る画像処理システムにおいては、“ジョブID”として続き番号が割り振られる。
【0056】
“ユーザID”は、ジョブの実行を指示したユーザを識別する識別情報である。尚、ジョブログ情報においては、ワークフローサーバ3を利用する複数のユーザのジョブログが記憶されるが、図8においては、図示の簡略化のため、ユーザIDとして“user001”のみを例として示している。“マシンID”は、そのジョブの実行を指示した画像形成装置1を識別するための識別情報である。図1においては、サービス利用者のネットワークとしてネットワークAのみを示しているが、実際には、複数のサービス利用者のネットワークが公衆回線4を介して接続されている。従って、ワークフローサーバ3にジョブの実行を指示する画像形成装置は、サービス利用者の数だけ存在する。ワークフローサーバ3は、ユーザ毎に好適な課金プランを判断するために、上記ユーザIDやマシンIDによってサービス利用者を識別する。
【0057】
“命令日時”は、ワークフローサーバ3がワークフロージョブの実行命令を受信した日時を示す情報である。本実施形態に係る命令日時の情報としては、年月日に加えて時分の情報も含まれる。“フローID”は、そのジョブにおいて実行されたワークフローを識別するための識別情報であり、図4において説明した“ID”に相当する。尚、図4に示す情報は、情報記憶部316にもフロー情報として記憶されており、これにより、フロー制御部310は、そのジョブにおいて実行されたワークフローに含まれる処理を認識することができる。“フロー情報”は、上述したように、図4において説明した情報と同様である。
【0058】
“重要度”は、そのジョブの実行に際してユーザによって設定された重要度である。ワークフローサーバ3は、ジョブの実行命令を複数受信している場合に、この“重要度”を参照して、夫々のジョブを処理する順番を決定する。“枚数”は、そのジョブにおいてスキャンされた原稿の枚数を示す情報である。“ファイルサイズ”は、そのジョブにおいて処理された画像情報の容量や、図示しないファイルサーバ等に蓄積された画像情報の容量を示す情報である。
【0059】
図9及び図10は、課金プラン情報の内容の例を示す図である。図9は、課金プラン情報のうち、基本的な課金プランを示す情報(以降、基本プラン情報とする)である。基本プラン情報は、夫々の課金プランを識別する“プランID”、夫々の“プラン名”及び課金プラン毎の具体的な“課金方法”の情報を含む。このように、基本プラン情報は、複数の“プランID”に係る課金情報、即ち、複数種類の課金情報を含む。また、図9に示すように、課金プラン情報には、“plan003”、“plan004”のように、“24:00〜翌9:00”等の所定時間帯の利用に限って課金額を低減する課金プランが含まれている。
【0060】
図10は、課金プラン情報のうち、ジョブの重要度によって追加される金額を示す情報(以降、重要度課金情報とする)である。重要度課金情報は、夫々の重要度を識別する“重要度ID”、夫々の“重要度”及び重要度に応じて追加される“追加金額”の情報を含む。これらの情報を含むことにより、情報記憶部316が、課金情報記憶部として機能する。
【0061】
このような画像処理システムにおいて、本実施形態に係る要旨は、ワークフローサーバ3が、画像形成装置1からの実行指示に応じて実行したジョブのログを蓄積し、蓄積されたジョブのログに基づいて好適な課金プランを判断してユーザに提示することにある。以下、本実施形態に係る画像処理システムの動作について説明する。
【0062】
まず、図11を参照して、本実施形態に係る画像処理システムにおいて画像形成装置1から実行命令が入力されることにより、ワークフローサーバ3において画像処理が実行され、その処理結果を画像形成装置1が取得する場合の例を説明する。また、図11の例においては、ワークフローサーバ3において実行される画像処理として、OCR処理を例として説明する。
【0063】
図11に示すように、ユーザが画像形成装置1を操作して画像処理システムを利用する際、まず画像形成装置1がユーザの操作に応じて認証要求をワークフローサーバ3に送信する(S1101)。画像形成装置1からの認証要求を受けたワークフローサーバ3においては、フロー制御部310の認証処理部312が、情報記憶部316に記憶されているユーザ情報を参照して認証処理を実行する。そして、入出力制御部320が、認証処理部312の認証処理の結果に基づき、認証確認を画像形成装置1に送信する(S1102)。
【0064】
S1101及びS1102の処理により、画像形成装置1とワークフローサーバ3との間で暗号化通信が確立され、以降の両者間の通信は暗号化された情報によってやり取りされる。尚、画像形成装置1からワークフローサーバ3への認証要求の送信は、ユーザが画像形成装置1のディスプレイパネル104を操作してワークフローの実行命令を入力した後に実行されてもよいし、実行命令を入力する前、例えば、画像形成装置1への電源投入時等に予め実行されても良い。
【0065】
ワークフローサーバ3から認証確認を受信すると、画像形成装置1は、ユーザから入力されたワークフローの実行命令に基づき、画像読取を実行する(S1103)。本実施形態においては、上述したようにワークフローサーバ3におけるOCR処理の実行を例としているため、図4において説明したようなフロー情報の“処理内容”においては、“スキャン”、“OCR”、“テキスト取得”といった処理が記述されている。S1103の処理は、これらの処理のうち“スキャン”に相当する。尚、ユーザは、画像形成装置1のディスプレイパネル104を操作することにより、上述した認証要求やワークフローの実行命令を入力する。即ち、ディスプレイパネル104が、操作部として機能する。
【0066】
画像形成装置1は、画像読取を実行して画像情報を生成すると、生成した画像及びOCRの実行を指示するタスクの情報をワークフローサーバ3に送信する(S1104)。S1104においては、入出力制御部150が、主制御部110の制御に基づき、情報を送信する。即ち、入出力制御部150が、実行命令出力部として機能する。これにより、ワークフローサーバ3のフロー制御部310において、情報取得部311が、画像及びタスクの情報を取得する。即ち、情報取得部311が、実行命令取得部及び画像取得部として機能する。
【0067】
情報取得部311が各情報を取得すると、フロー実行処理部313が、タスク情報に基づいて画像処理部330を制御し、処理対象の画像に対してOCRを実行させる(S1105)。即ち、フロー実行処理部313及び画像処理部330が、フロー実行部として機能する。画像処理部330は、OCRを実行した結果生成した情報、この場合は、OCRの結果生成されたテキスト情報を、ワークフローサーバ3内の記憶領域に格納する(S1106)。フロー実行処理部313は、S1106において処理結果が格納された記憶領域のアドレスを示す情報を画像処理部330から取得する。
【0068】
他方、画像形成装置1においては、S1104において画像及びタスク情報を送信した後、ワークフローサーバ3に対して、OCR処理の結果生成された情報の保存先を問い合わせる。この処理は、いわゆるポーリング処理であり、入出力制御部150が、主制御部110の制御に従い、所定間隔毎に実行する。ワークフローサーバ3において、S1105の処理によって画像処理の処理結果が保存された後に画像形成装置1からのポーリングを受けると、フロー実行処理部313は、入出力制御部320を制御して画像形成装置1に、処理結果を格納した記憶領域を示す情報を通知する。これにより、画像形成装置1が処理結果の保存先の情報を取得する(S1107)。本実施形態においては、処理結果の保存先を示す情報としてURL(Uniform Resource Locator)が用いられる。
【0069】
S1107の処理により画像処理結果の情報の格納先を示すURLを取得すると、画像形成装置1はそのURLにアクセスし、処理結果、即ちOCRによって生成されたテキスト情報を取得する(S1108)。その後、画像形成装置1は、ワークフローサーバ3に対して、ワークフローサーバ3内に格納されている上記処理結果の情報の削除依頼を送信する(S1109)。ワークフローサーバ3は、画像形成装置1からの削除依頼を受け、S1006において格納された処理結果の情報を削除する(S1110)。そして、フロー実行処理部313が、実行したジョブのジョブログを記憶し(S1111)、処理を終了する。即ち、フロー実行処理部313及び情報記憶部316が、履歴情報蓄積部として機能する。
【0070】
このような処理により、本実施形態に係る画像処理システムにおける通常の画像処理動作が完了する。図11に示すような処理がユーザの要求に応じて繰り返されることにより、図8において説明したようなジョブログの情報が蓄積される。
【0071】
次に、本実施形態の要旨である課金プランの判断動作について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る課金プランの判断動作における課金プラン判断部314及び表示情報生成部315の動作を示すフローチャートである。尚、図12に示す課金プランの判断動作は、毎月定められた日時や、毎日定められた時間等、予め定められたタイミングで実行される。この他、ユーザが画像形成装置1を操作してワークフローサーバ3に課金プランの判断動作の実行を要求しても良い。
【0072】
課金プランの判断動作においては、図12に示すように、まず課金プラン判断部314が、情報記憶部316からジョブログ情報を取得する(S1201)。即ち、課金プラン判断部314が、履歴情報取得部として機能する。次に、課金プラン判断部314は、ジョブログ情報において含まれる“ユーザID”から1つを選択し、選択したユーザIDでジョブログ情報を絞り込む(S1202)。そして、課金プラン判断部314は、情報記憶部316から課金プラン情報を取得し、図10において説明した基本プラン情報から基本プランを1つ選択する(S1203)。
【0073】
そして、課金プラン判断部314は、S1202において絞り込んだジョブログ情報について、S1203において選択した基本プランを適用し、料金を計算する(S1204)。料金の計算が完了すると、課金プラン判断部314は、計算した結果を保存し、全ての基本プランについて計算が完了したか否か判断する(S1205)。S1205の判断の結果、全ての基本プランについて計算が完了していなければ(S1205/NO)、課金プラン判断部314は、S1203からの処理を繰り返す。
【0074】
他方、全ての基本プランについて計算が完了している場合(S1205/YES)、次に、課金プラン判断部314は、全てのユーザについて処理が完了したか否か判断する(S1206)。全てのユーザについて処理が完了していなければ(S1206/NO)、課金プラン判断部314は、S1202から処理を繰り返す。全てのユーザについて処理が完了している場合(S1206/YES)、課金プラン判断部314は、夫々のユーザについて、S1204の計算結果のうちもっとも安い基本プランを選択する(S1207)。即ち、課金プラン判断部314が、課金情報選択部として機能する。そして、表示情報生成部315が、S1207において選択された基本プランを通知するための通知情報を生成し、入出力制御部320及びネットワークI/F301を介して通知情報を送信し(S1208)、処理を終了する。即ち、表示情報生成部315が、課金情報通知部として機能する。
【0075】
S1208において、入出力制御部320は、フロー制御部310の制御に従い、各ユーザに対して通知情報を送信する。ここで、各ユーザ毎の通知情報の送信先は、情報記憶部316のユーザ情報に記憶されており、フロー制御部310は、ユーザ情報に含まれる送信先を参照して、通知情報を送信する。通知情報の送信先は、画像形成装置1や、各ユーザ毎に設定されている管理者のクライアント端末2であり、通知情報を受信した画像形成装置1若しくはクライアント端末2は、LCD60等の表示部に通知情報を表示する。即ち、LCD60(画像形成装置1の場合、ディスプレイパネル104)が、課金情報表示部として機能する。これにより、ユーザは、ワークフローサーバ3によって判断された最適な課金プランの提示を受けることができる。このような処理により、本実施形態に係る課金プランの判断動作が完了する。
【0076】
次に、図12のS1204及びS1207の処理の詳細について説明する。図13は、図8に示すジョブログ情報について、図12の処理を実行した場合のS1204における処理の詳細を示す図であり、図10に示す各プラン毎に料金を計算した結果を示す図である。図13に示すように、図8のジョブログ情報について各プラン毎に料金を計算した場合、“plan004”が最も安い料金となる。従って、課金プラン判断部314は、図13に示す例の場合、S1207において“plan004”を選択する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理システムは、システムを利用するユーザ毎の利用履歴に基づき、提供されている全ての課金プランについて料金の計算、即ち料金のシミュレーションを行う。そして、シミュレーションの結果、料金が最も安いプランが各ユーザに提示される。従って、ユーザは、夫々の利用態様に応じた課金プランを容易に選択することが可能となるため、ユーザの利便性が高まり、満足度を向上することが可能となる。
【0078】
尚、上記実施形態においては、図13において説明したように、夫々のプラン毎に料金を計算した結果、最も安いプランを選択する場合を例として説明した。この他、図8に示すジョブログ情報において“命令日時”の情報を参照し、時間帯毎の実行命令の数を集計し、図10の“plan003”、“plan004”のように、実行命令の数が少ない時間帯を指定するプランを選択するようにしても良い。この場合、実行命令が少ないため、低い重要度を設定したとしても処理が迅速に完了するため、より課金額を抑えることが可能となる。
【0079】
また、上記実施形態においては、図10に示すように、スキャン枚数やサーバ使用容量についての課金額を例として説明したが、画像処理システムにおいて提供されるサービスについての課金額であれば、本実施形態を適用することが可能である。例えば、上述したOCR等の画像処理について課金を行う場合、1回のOCRにつき所定の金額を課金するプランや、OCRの文字数に応じて所定の金額を課金するプラン等が考えられるため、本実施形態を適用することにより、いずれのプランがユーザの仕様態様に適しているかを容易に判断することが可能となる。
【0080】
尚、本実施形態に係る課金プランの判断動作を適用可能な画像処理サービスとしては、例えば図14に示すように、“頁割り付け機能”、“ソート印刷機能”、“サムネイル印刷機能”、“拡大、縮小機能”、“色調整機能”、“減色機能”、“情報埋め込み機能”、“動画−静止画抽出機能”等のサービスが考えられる。
【符号の説明】
【0081】
1 画像形成装置、
2 クライアント端末、
3 ワークフローサーバ、
4 公衆回線、
10 CPU、
20 RAM、
30 ROM、
40 HDD、
50 I/F、
60 LCD、
70 操作部、
80 バス、
100 コントローラ、
101 ADF、
102 スキャナユニット、
103 排紙トレイ、
104 ディスプレイパネル、
105 給紙テーブル、
106 プリントエンジン、
107 排紙トレイ、
108 ネットワークI/F、
110 主制御部、
120 エンジン制御部、
130 画像処理部、
140 操作表示制御部、
150 入出力制御部、
300 コントローラ、
301 ネットワークI/F、
310 フロー制御部、
311 情報取得部、
312 認証処理部、
313 フロー実行処理部、
314 課金プラン判断部、
315 表示情報生成部、
316 情報記憶部
320 入出力制御部、
330 画像処理部、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2007−267369号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムであって、
前記画像処理システムにおいてユーザが直接操作する画像形成装置と、システム利用料の課金情報の適否を判断する情報処理装置とを含み、
前記画像形成装置が、ユーザの操作に応じて前記ワークフローの実行命令を入力し、
前記情報処理装置が、前記入力された情報に基づいて前記ワークフローの実行命令を取得し、前記取得された実行命令に係るワークフローによって処理すべき画像を取得し、前記取得された画像を前記実行命令に係るワークフローに従って処理し、前記ワークフローの実行履歴の情報を蓄積し、前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類記憶している課金情報記憶部から、前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて課金情報を選択し、前記選択された課金情報を前記画像形成装置に通知し、
前記画像形成装置が、前記通知された課金情報を表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報に前記複数種類の課金情報を夫々適用して課金額を計算し、その計算結果に基づいて前記課金情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報に前記複数種類の課金情報を夫々適用して課金額を計算した結果、最も課金額が少ない課金情報を選択することを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記ワークフローの実行履歴の情報は、前記ワークフローの実行命令の日時に関する情報を含み、
前記課金情報記憶部は、前記複数種類の課金情報の一態様として、所定時間帯の利用に限って課金額を低減する課金情報を記憶しており、
前記情報処理装置は、前記蓄積された実行履歴の情報について前記実行命令の日時に関する情報を集計した結果、所定時間帯の実行命令の数が他の時間帯の実行命令の数よりも少ない場合に、前記所定時間帯の利用に限って課金額を低減する課金情報を選択することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムにおいてシステム利用料の課金情報の適否を判断する情報処理装置であって、
前記ワークフローの実行命令に従って実行された画像処理の実行履歴の情報を取得する履歴情報取得部と、
前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類記憶している課金情報記憶部と、
前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて前記複数種類記憶されている課金情報を選択する課金情報選択部と、
前記選択された課金情報を通知する課金情報通知部とを含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
複数の処理が組み合わされたワークフローに従って入力された画像を処理する画像処理システムに含まれる画像形成装置であって、
ユーザが前記ワークフローの実行命令を入力するための操作部と、
前記操作部に入力された情報に基づいて前記ワークフローの実行命令を出力する実行命令出力部と、
前記画像処理システムを利用する上での利用態様に応じた課金情報の通知を受ける課金情報通知取得部と、
前記通知された課金情報を表示する課金情報表示部とを含み、
前記課金情報は、
前記実行命令に係るワークフローによって処理すべき画像を前記実行命令に係るワークフローに従って処理した実行履歴の情報を蓄積し、
前記画像処理システムの利用態様に応じた課金情報を複数種類取得し、
前記蓄積された実行履歴の情報に基づいて前記複数種類の課金情報の中から選択されたものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−35779(P2011−35779A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181729(P2009−181729)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】