画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法
【課題】撮像前のグルーピング処理および撮像中の通信処理を要さず、複数の撮像装置で撮像された画像データに関し、相互に関連する画像データを容易に抽出できる。
【解決手段】静止画撮像装置110の画像選択部190は、第1の画像データを選択させる。時刻特定部192は、選択された第1の画像データが生成された時刻を特定する。動画撮像装置120の時刻取得部210は、時刻特定部に特定された時刻を示す時刻情報が付加された第1の画像データに基づく画像または画像選択装置から、時刻情報を取得する。画像保持部202は、第2の画像データと、第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている。画像抽出部212は、画像保持部から、取得された時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する。
【解決手段】静止画撮像装置110の画像選択部190は、第1の画像データを選択させる。時刻特定部192は、選択された第1の画像データが生成された時刻を特定する。動画撮像装置120の時刻取得部210は、時刻特定部に特定された時刻を示す時刻情報が付加された第1の画像データに基づく画像または画像選択装置から、時刻情報を取得する。画像保持部202は、第2の画像データと、第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている。画像抽出部212は、画像保持部から、取得された時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報に基づいて画像データを抽出する画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、運動会等において子供の両親のうちの一方が静止画撮像装置を用いて、他方が動画撮像装置を用いて、それぞれ並行して子供を撮像する場合がある。この場合、撮像した静止画を後で鑑賞しながら、鑑賞している静止画の生成時刻前後で生じたハプニング等も鑑賞すべく、静止画と同時に撮像された動画の場面を鑑賞したいといった要望がある。しかし、動画を先頭から視認しながら、所望する場面を探すのは手間がかかる。
【0003】
そこで、無線通信等を通じて互いの時刻情報の同期を取った動画撮像装置と静止画撮像装置について、動画撮像装置が動画を撮像している間に静止画撮像装置が静止画を撮像すると、動画撮像装置が、生成した動画の、静止画を撮像した時刻に対応するフレームにマーキングや静止画の関連付けを行う技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−193307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1の技術を用いる場合、無線通信を通じて無関係な他の撮像装置同士で静止画と動画とが関連付けられるのを回避するため、ユーザは、撮像開始前に動画撮像装置と静止画撮像装置とで、識別子を交換する等のグルーピング処理をしておかなければならなかった。また、撮像中、常に、無線通信で相互にデータの送受信が行える状態を維持しなければならず、無線通信が困難な場所では特許文献1の技術を利用できなかった。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、撮像前のグルーピング処理および撮像中の通信処理を要さず、複数の撮像装置で撮像された画像データに関し、相互に関連する画像データを容易に抽出することが可能な、画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像選択装置と画像抽出装置とを含む画像処理システムにおいて、前記画像選択装置は、第1の画像データをユーザに選択させる画像選択部(190)と、選択された前記第1の画像データが生成された時刻を特定する時刻特定部(192、492)と、を備え、前記画像抽出装置は、前記時刻特定部(192、492)が特定した前記時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像または前記画像選択装置から、前記時刻情報を取得する時刻取得部(210、440)と、第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像抽出装置は、ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像を撮像して第2の画像データを生成する撮像部と、前記第2の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得する時刻取得部(210)と、第3の画像データと、前記第3の画像データが生成された時刻とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する前記第3の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の他の画像抽出装置は、ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得する時刻取得部(440)と、第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記無線通信は、近距離無線通信であってもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の画像抽出方法は、第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第2の画像データに基づく画像を撮像して第3の画像データを生成し、前記第3の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に対応する前記第1の画像データを抽出することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の画像抽出方法は、第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に対応する第1の画像データを抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、複数の撮像装置で撮像された画像データに関し、相互に関連する画像データを容易に抽出可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態における画像処理システムを構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。
【図2】第1の実施形態における静止画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態における動画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】現在時刻情報の同期を説明するための説明図である。
【図6】時刻情報が付加された静止画の一例を示す説明図である。
【図7】画像データのファイルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図8】撮像部による静止画の撮像と動画の抽出処理を説明するための説明図である。
【図9】第2の実施形態における静止画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図10】第2の実施形態における動画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図11】第2の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図12】静止画撮像装置と動画撮像装置の位置関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
(第1の実施形態:画像処理システム100)
図1は、第1の実施形態における画像処理システム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。画像処理システム100は、静止画撮像装置110と、動画撮像装置120とを含んで構成される。図1において破線矢印は光軸を示す。
【0017】
静止画撮像装置110は、画像選択装置として機能し、被写体を撮像して例えば静止画の画像データを生成し記憶する。また、動画撮像装置120は、画像抽出装置として機能し、被写体を撮像して例えば動画の画像データを生成して記憶する。
【0018】
本実施形態において、画像選択装置として静止画撮像装置110を、画像抽出装置として動画撮像装置120を例に挙げて説明するが、画像選択装置が動画を撮像し、画像抽出装置が静止画を撮像してもよいし、画像選択装置および画像抽出装置のいずれも、静止画または動画を撮像してもよい。また、静止画撮像装置110および動画撮像装置120には、撮像部を備える、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、およびPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器を採用することができる。
【0019】
本実施形態の画像処理システム100では、例えば、静止画撮像装置110で撮像した静止画を鑑賞しながら、鑑賞している静止画と同時に(並行して)動画撮像装置120で撮像した動画の場面を鑑賞しようとする場合、ユーザは、容易に所望する動画の場面を抽出することが可能となる。以下、このような静止画撮像装置110および動画撮像装置120について説明する。
【0020】
(静止画撮像装置110)
図2は、第1の実施形態における静止画撮像装置110の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。静止画撮像装置110は、操作部140と、撮像部142と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部152と、画像出力部154と、無線通信部156と、中央制御部158とを含んで構成される。
【0021】
操作部140は、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック等で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。また、後述する表示部148の表示面にタッチパネルを配し、操作部140としてもよい。
【0022】
撮像部142は、撮像レンズ170と、画角変更に用いられるズームレンズ172、焦点調整に用いられるフォーカスレンズ174と、露光調整に用いられるアイリス(絞り)176と、撮像レンズ170を通じて入射した光束を画像データに光電変換する撮像素子178と、中央制御部158の制御信号に応じて、ズームレンズ172、フォーカスレンズ174、およびアイリス176をそれぞれ駆動させる駆動部180とを含んで構成され、被写体を撮像して静止画の画像データを生成してデータ処理部144に出力する。
【0023】
データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。バッファ部146は、SRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。表示部148は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。
【0024】
圧縮伸長部150は、バッファ部146に保持された画像データを所定の符号化方式で符号化し符号データを生成する。また、圧縮伸長部150は、画像保持部152から読み取った符号データを復号して画像データを生成し、バッファ部146に出力する。
【0025】
画像保持部152は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され符号データを保持する。画像出力部154は、バッファ部146に保持された画像データを外部装置に出力する。無線通信部156は、動画撮像装置120と無線通信を行う。
【0026】
中央制御部158は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、静止画撮像装置110全体を管理および制御する。また、中央制御部158は、画像選択部190、時刻特定部192として機能する。
【0027】
画像選択部190は、画像保持部152に記憶された符号データに基づく画像を表示部148にサムネイル表示させ、その中からユーザに符号データ(第1の画像データ)を選択させる。
【0028】
時刻特定部192は、画像選択部190を通じてユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を、例えば、画像データのファイル情報を参照して特定する。そして、時刻特定部192は、画像データに、生成された時刻を示す時刻情報を付加する。本実施形態において、時刻特定部192は、予め、ユーザに選択される前の画像データが生成された時点で、画像データに、例えば、時刻情報を示す文字を、視認可能に重畳したり電子すかしで視認不可能な状態で付加したりしておく。
【0029】
(動画撮像装置120)
図3は、第1の実施形態における動画撮像装置120の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。動画撮像装置120は、操作部140と、撮像部200と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部202と、画像出力部154と、無線通信部204と、中央制御部206とを含んで構成される。動画撮像装置120における構成要素で静止画撮像装置110と実質的に等しい機能部は、静止画撮像装置110と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
撮像部200は、静止画撮像装置110の撮像部142と同様、撮像レンズ170、ズームレンズ172、フォーカスレンズ174、アイリス176、撮像素子178、および駆動部180を含んで構成され、静止画撮像装置110における撮像時と同時刻の撮像において被写体を撮像して動画の画像データ(第2の画像データ)を生成してデータ処理部144に出力する。また、撮像部200は、撮像後の鑑賞時において、ユーザが選択した画像データが生成された時刻が付加された画像データに基づく画像を撮像して、静止画の画像データ(第3の画像データ)を生成する。
【0031】
画像保持部202は、EEPROM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、データ処理部144が第2の画像データを符号化した符号データと、符号データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて保持する。無線通信部204は、静止画撮像装置110の無線通信部156と無線通信を行う。
【0032】
中央制御部206は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、動画撮像装置120全体を管理および制御する。また、中央制御部206は、時刻取得部210、画像抽出部212として機能する。
【0033】
時刻取得部210は、撮像後の鑑賞時において、撮像部200が生成した静止画の画像データを解析し、ユーザが選択した静止画の画像データに基づく画像に付加された時刻情報を取得する。画像抽出部212は、画像保持部202から、取得された時刻情報に対応する動画の画像データを抽出する。
【0034】
(画像抽出方法)
続いて、上述した静止画撮像装置110および動画撮像装置120を用いた画像抽出処理について説明する。図4は、第1の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0035】
(撮像前における時刻同期処理S300)
撮像を開始する前段階で、静止画撮像装置110と動画撮像装置120は、ユーザの操作入力に応じて、それぞれの無線通信部156、204を介し、いずれか一方に設定されている現在時刻情報に合わせて他方の現在時刻情報を調整する同期処理を予め行っておく。また、静止画撮像装置110と動画撮像装置120との両方を他の例えば標準時刻に合わせることでも同期させることができる。
【0036】
図5は、現在時刻情報の同期を説明するための説明図である。図5に示すように、静止画撮像装置110の現在時刻情報が「2010/01/01 00:00:00」、動画撮像装置120の現在時刻情報が「2009/12/31 23:59:59」である場合、例えば、動画撮像装置120の現在時刻情報を静止画撮像装置110の現在時刻情報に同期させる。画像処理システム100では、このように撮像前に同期処理を行うことで静止画と動画を時刻情報という観点で関連付けることができる。かかる同期処理は、撮像前に一度行われればよい。
【0037】
(撮像処理S302)
撮像時、静止画撮像装置110において、撮像部142は、被写体を撮像して画像データを生成してデータ処理部144に出力する。データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに、ホワイトバランス調節、ノイズ軽減処理、レベル補正処理、A/D変換処理および色彩補正処理(ガンマ補正処理、ニー処理)等の所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。
【0038】
(時刻情報付加処理S304)
そして、時刻特定部192は、バッファ部146に出力された画像データに、画像データが生成された時刻を示す時刻情報を付加する。
【0039】
図6は、時刻情報が付加された静止画の一例を示す説明図である。本実施形態において、時刻特定部192は、ユーザに選択される前の画像データが生成された時点で、画像データに、例えば、時刻情報を示す文字を、図6(a)に示す画像260のように例えば右下に視認可能に重畳したり、図6(b)に示す画像262のように電子すかしで視認不可能な状態で付加したりする。
【0040】
(符号化処理S306)
静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、データ処理部144から出力されバッファ部146に保持された画像データを、所定の符号化方式で符号化し、符号データを生成する。ここで、静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、静止画の符号化方式であるJPEG(Joint Photographic Experts Group)等を用いる。
【0041】
(記憶処理S308)
そして、静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、符号データを画像保持部152に出力し、画像保持部152は、符号データと時刻情報とを関連付けて保持する。
【0042】
図7は、画像データのファイルのデータ構造の一例を示す説明図である。図7に示すように、画像保持部152に保持される画像データのファイルは、少なくとも、ファイル名、時刻情報、時刻情報が付加された画像データを含んで構成される。
【0043】
(画像データ特定処理S310)
撮像後、ユーザが撮像した静止画を鑑賞する際、画像選択部190は、画像保持部152に記憶された符号データに基づく画像を表示部148にサムネイル表示させ、その中からユーザに画像データを選択させる。
【0044】
(撮像処理S350)
一方、撮像時、動画撮像装置120において、撮像部200は、被写体を撮像し画像データを生成してデータ処理部144に出力する。データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。
【0045】
(符号化処理S352)
動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、データ処理部144から出力されバッファ部146に保持された画像データを、所定の符号化方式で符号化し、符号データを生成する。ここで、動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、動画の圧縮方式であるM−JPEG(Motion-JPEG)やMPEG(Moving Picture Experts Group)−2、H.264等を用いる。
【0046】
(記憶処理S354)
そして、動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、符号データを画像保持部202に出力し、画像保持部202は、符号データと時刻情報とを関連付けて保持する。
【0047】
(画像データ生成処理S356)
動画撮像装置120の撮像部200は、ユーザが選択した画像データが生成された時刻が付加された画像データに基づく画像を撮像して、静止画の画像データを生成する。ここで、撮像部200が撮像する画像は、例えば、静止画撮像装置110の表示部148に表示されていたり、プリンタで印刷された写真であったりする。
【0048】
図8は、撮像部200による静止画の撮像と動画の抽出処理を説明するための説明図である。例えば、静止画として写真270を例に挙げると、写真270と動画撮像装置120とは、図8(a)に示す位置関係となる。そして、図8(b)のように、動画撮像装置120の表示部148は撮像中の写真270を表示する。ここでは、写真270に時刻情報「2010/01/01 00:00:00」の文字が電子すかしで重畳されているものとする。
【0049】
(時刻情報取得処理S358)
動画撮像装置120の時刻取得部210は、撮像部200が生成した静止画の画像データを例えば文字認識処理によって解析し、ユーザが選択した静止画の画像データに基づく画像に付加された時刻情報を取得する。
【0050】
(時刻情報表示処理S360)
そして、時刻取得部210は、図8(c)に示すように、取得した時刻情報を表示部148に表示している静止画に重畳して表示し、時刻情報を取得できたことをユーザに報知する。また、時刻取得部210は、時刻情報を取得できなかった場合には、その旨、表示部148に表示してユーザに報知する。
【0051】
(画像データ抽出処理S362および動画表示処理S364)
動画撮像装置120の画像抽出部212は、画像保持部202から、取得された時刻情報「2010/01/01 00:00:00」に対応する動画の画像データを抽出する。そして、図8(d)に示すように、画像抽出部212は、表示部148に抽出した画像データに基づく動画を表示させる。また、時刻情報に対応する動画の画像データがない場合、その旨、画像データに表示してユーザに報知する。
【0052】
上述したように、本実施形態では、例えば、画像選択装置として、静止画撮像装置110を用い、画像抽出装置として動画撮像装置120を用い、運動会等で同一の、例えば子供を被写体として、静止画撮像装置110と動画撮像装置120それぞれで撮像し、事後的に静止画を鑑賞しながら、鑑賞している静止画と同時に(並行して)撮像された動画の場面を鑑賞する。
【0053】
この場合、ユーザが、静止画撮像装置110で鑑賞している静止画を選択すると、その静止画に生成された時刻が付加されて、表示やプリントが為される。この静止画を動画撮像装置120で撮像すると、動画撮像装置120は、選択された画像データに基づく画像であると識別し、画像解析によって時刻情報を取得し、関連する動画の場面を頭出しする。そのため、静止画撮像装置110と動画撮像装置120とは、時刻さえ事前に同期が取れていれば、何ら事前のグルーピング等の処理を行う必要がなく、また、撮像中、両者が随時通信を行う必要もない。
【0054】
このように、動画撮像装置120は、静止画の画像データが生成された時刻に対応する、動画の画像データを抽出できるため、ユーザは所望する場面を容易に頭出しして鑑賞することが可能となる。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態の画像処理システム100によれば、静止画撮像装置110で選択された画像データが生成された時刻に基づいて、動画撮像装置120に保持された画像データから、関連する画像データを抽出するので、ユーザは所望する画像データを容易に取得することが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態において、静止画撮像装置110は、静止画に時刻情報を付加し、動画撮像装置120は、この静止画を撮像することで時刻情報を取得し、対応する動画の画像データを抽出していた。第2の実施形態では、静止画を介さずとも、所望する動画の画像データを抽出することが可能な静止画撮像装置410および動画撮像装置420について説明する。
【0057】
(静止画撮像装置410)
図9は、第2の実施形態における静止画撮像装置410の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。静止画撮像装置410は、操作部140と、撮像部142と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部152と、画像出力部154と、無線通信部156と、中央制御部158とを含んで構成される。また、中央制御部158は、画像選択部190、時刻特定部492として機能する。第1の実施形態における構成要素として既に述べた、操作部140、撮像部142、データ処理部144、バッファ部146、表示部148、圧縮伸長部150、画像保持部152、画像出力部154、無線通信部156、中央制御部158、画像選択部190は実質的に機能が等しいので重複説明を省略する。構成が相違する時刻特定部492は、ユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を示す時刻情報を、無線通信部156による無線通信を介して、動画撮像装置420に出力する。
【0058】
(動画撮像装置420)
図10は、第2の実施形態における動画撮像装置420の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。動画撮像装置420は、操作部140と、撮像部200と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部202と、画像出力部154と、無線通信部204と、中央制御部206とを含んで構成される。また、中央制御部206は、時刻取得部440、画像抽出部212として機能する。第1の実施形態における構成要素として既に述べた、操作部140、撮像部200、データ処理部144、バッファ部146、表示部148、圧縮伸長部150、画像保持部202、画像出力部154、無線通信部204、中央制御部206、画像抽出部212は実質的に機能が等しいので重複説明を省略する。構成が相違する時刻取得部440は、静止画撮像装置410から、無線通信部204による無線通信を通じて時刻情報を取得する。
【0059】
(画像抽出方法)
続いて、上述した静止画撮像装置410および動画撮像装置420を用いた画像抽出処理について説明する。図11は、第2の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。同期処理ステップS300から画像データ特定処理ステップS310までの処理は、第1の実施形態で説明した図4のシーケンス図と実質的に等しいので説明を省略する。
【0060】
(時刻情報出力処理S500)
画像データ特定処理ステップS310の後、時刻特定部492は、ユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を示す時刻情報を、無線通信部156による無線通信を介して、動画撮像装置420に出力する。ここで、時刻特定部492は、ユーザが複数の符号データを選択した場合、選択された符号データそれぞれについて時刻情報を動画撮像装置420に出力する。ここで、時刻情報は、ユーザが符号データを選択した状態によって特定される。
【0061】
(時刻情報取得処理S502)
動画撮像装置420の時刻取得部440は、静止画撮像装置410から、無線通信部204による無線通信を通じて時刻情報を取得する。以下、時刻情報表示処理ステップS360から動画表示処理ステップS364までの処理は、第1の実施形態で説明した図4のシーケンス図と実質的に等しいので説明を省略する。
【0062】
例えば、ユーザが、動画撮像装置420を、時刻情報の受信の待機状態としておく。そして、ユーザが、静止画撮像装置410で画像データを選択し、無線通信で時刻情報を送信すると、動画撮像装置420が時刻情報を受信する。動画撮像装置420は、実際に画像をプリントアウトしたり、表示部148に表示した画像を撮像したりすることなく、簡易な操作で時刻情報を受信することが可能となる。
【0063】
本実施形態の静止画撮像装置410および動画撮像装置420は、静止画や動画の撮像時に通信環境が悪く無線通信できない場合であっても、撮像後の鑑賞時において、静止画や動画の鑑賞時に無線通信することができればよい。
【0064】
また、無線通信は、近距離無線通信であってもよい。かかる構成により、互いに近距離にある静止画撮像装置410と動画撮像装置420の無線通信に限定され、無関係な他の撮像装置の静止画と当該動画とが関連付けられるのを回避することが可能となる。また、近距離無線通信は、1m以内といった非常に短距離でしか無線通信を行えないので、目視できる範囲で、その通信状態を確認でき、秘匿性を高めることが可能となる。
【0065】
さらに、無線通信部156、204は、例えば、無線通信が可能となる静止画撮像装置410、動画撮像装置420の向き(位置関係)を限定してもよい。
【0066】
図12は、静止画撮像装置410と動画撮像装置420の位置関係を説明するための説明図である。静止画撮像装置410と動画撮像装置420は、例えば、図12に示すように、動画撮像装置420が静止画撮像装置410の表示部148を撮像する位置関係となると、指向性のアンテナを通じて無線通信が可能となるとしてもよい。このように、無線通信が可能となる静止画撮像装置410、動画撮像装置420の向きを限定することで、無関係な他の撮像装置との無線通信を回避できる。
【0067】
また、動画撮像装置は、第1の実施形態で説明したように、静止画撮像装置の表示部148に表示された画像データに付加された時刻情報を取得できるものとする。かつ、画像データから時刻情報が取得できなかった場合に限り、第2の実施形態で説明したように、無線通信によっても時刻情報を取得できるものとしてもよい。かかる構成により、ユーザは、静止画撮像装置の表示部148が表示する画像に時刻情報が付加されているか否かに関わらず、同じ操作手順で動画撮像装置に動画の抽出をさせることが可能となる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
上述した実施形態では、静止画撮像装置110、410および動画撮像装置120、420は、画像データを画像保持部152、202に保持したが、例えば、装置外部の、記憶装置、記憶媒体、およびネットワーク上の記憶装置に保持してもよい。
【0070】
また、1つの画像選択装置において選択された1つの静止画の画像データから、1つの画像抽出装置において1つの動画の画像データを抽出する例を説明した。しかし、画像データは静止画または動画に限定されず、ユーザが選択する画像データおよび抽出される画像データは1または複数であってよいし、画像データの選択や抽出に用いる装置(画像選択装置や画像抽出装置)は1または複数であってもよい。
【0071】
さらに、静止画撮像装置110は、画像データに時刻情報以外に、例えば、静止画撮像装置110と動画撮像装置120の位置関係を示す情報、音声情報、予め設定されたグループを特定する情報、静止画撮像装置110や動画撮像装置120を特定する機器番号等を付加してもよい。
【0072】
なお、本明細書の画像抽出方法における各工程は、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、時刻情報に基づいて画像データを抽出することが可能な画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
110、410 …静止画撮像装置
120、420 …動画撮像装置
190 …画像選択部
192、492 …時刻特定部
142、200 …撮像部
152、202 …画像保持部
210、440 …時刻取得部
212 …画像抽出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報に基づいて画像データを抽出する画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、運動会等において子供の両親のうちの一方が静止画撮像装置を用いて、他方が動画撮像装置を用いて、それぞれ並行して子供を撮像する場合がある。この場合、撮像した静止画を後で鑑賞しながら、鑑賞している静止画の生成時刻前後で生じたハプニング等も鑑賞すべく、静止画と同時に撮像された動画の場面を鑑賞したいといった要望がある。しかし、動画を先頭から視認しながら、所望する場面を探すのは手間がかかる。
【0003】
そこで、無線通信等を通じて互いの時刻情報の同期を取った動画撮像装置と静止画撮像装置について、動画撮像装置が動画を撮像している間に静止画撮像装置が静止画を撮像すると、動画撮像装置が、生成した動画の、静止画を撮像した時刻に対応するフレームにマーキングや静止画の関連付けを行う技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−193307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1の技術を用いる場合、無線通信を通じて無関係な他の撮像装置同士で静止画と動画とが関連付けられるのを回避するため、ユーザは、撮像開始前に動画撮像装置と静止画撮像装置とで、識別子を交換する等のグルーピング処理をしておかなければならなかった。また、撮像中、常に、無線通信で相互にデータの送受信が行える状態を維持しなければならず、無線通信が困難な場所では特許文献1の技術を利用できなかった。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、撮像前のグルーピング処理および撮像中の通信処理を要さず、複数の撮像装置で撮像された画像データに関し、相互に関連する画像データを容易に抽出することが可能な、画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像選択装置と画像抽出装置とを含む画像処理システムにおいて、前記画像選択装置は、第1の画像データをユーザに選択させる画像選択部(190)と、選択された前記第1の画像データが生成された時刻を特定する時刻特定部(192、492)と、を備え、前記画像抽出装置は、前記時刻特定部(192、492)が特定した前記時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像または前記画像選択装置から、前記時刻情報を取得する時刻取得部(210、440)と、第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像抽出装置は、ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像を撮像して第2の画像データを生成する撮像部と、前記第2の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得する時刻取得部(210)と、第3の画像データと、前記第3の画像データが生成された時刻とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する前記第3の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の他の画像抽出装置は、ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得する時刻取得部(440)と、第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部(202)と、前記画像保持部(202)から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部(212)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記無線通信は、近距離無線通信であってもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の画像抽出方法は、第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第2の画像データに基づく画像を撮像して第3の画像データを生成し、前記第3の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に対応する前記第1の画像データを抽出することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の画像抽出方法は、第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に対応する第1の画像データを抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、複数の撮像装置で撮像された画像データに関し、相互に関連する画像データを容易に抽出可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態における画像処理システムを構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。
【図2】第1の実施形態における静止画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態における動画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】現在時刻情報の同期を説明するための説明図である。
【図6】時刻情報が付加された静止画の一例を示す説明図である。
【図7】画像データのファイルのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図8】撮像部による静止画の撮像と動画の抽出処理を説明するための説明図である。
【図9】第2の実施形態における静止画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図10】第2の実施形態における動画撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。
【図11】第2の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図12】静止画撮像装置と動画撮像装置の位置関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
(第1の実施形態:画像処理システム100)
図1は、第1の実施形態における画像処理システム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。画像処理システム100は、静止画撮像装置110と、動画撮像装置120とを含んで構成される。図1において破線矢印は光軸を示す。
【0017】
静止画撮像装置110は、画像選択装置として機能し、被写体を撮像して例えば静止画の画像データを生成し記憶する。また、動画撮像装置120は、画像抽出装置として機能し、被写体を撮像して例えば動画の画像データを生成して記憶する。
【0018】
本実施形態において、画像選択装置として静止画撮像装置110を、画像抽出装置として動画撮像装置120を例に挙げて説明するが、画像選択装置が動画を撮像し、画像抽出装置が静止画を撮像してもよいし、画像選択装置および画像抽出装置のいずれも、静止画または動画を撮像してもよい。また、静止画撮像装置110および動画撮像装置120には、撮像部を備える、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、およびPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器を採用することができる。
【0019】
本実施形態の画像処理システム100では、例えば、静止画撮像装置110で撮像した静止画を鑑賞しながら、鑑賞している静止画と同時に(並行して)動画撮像装置120で撮像した動画の場面を鑑賞しようとする場合、ユーザは、容易に所望する動画の場面を抽出することが可能となる。以下、このような静止画撮像装置110および動画撮像装置120について説明する。
【0020】
(静止画撮像装置110)
図2は、第1の実施形態における静止画撮像装置110の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。静止画撮像装置110は、操作部140と、撮像部142と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部152と、画像出力部154と、無線通信部156と、中央制御部158とを含んで構成される。
【0021】
操作部140は、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック等で構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。また、後述する表示部148の表示面にタッチパネルを配し、操作部140としてもよい。
【0022】
撮像部142は、撮像レンズ170と、画角変更に用いられるズームレンズ172、焦点調整に用いられるフォーカスレンズ174と、露光調整に用いられるアイリス(絞り)176と、撮像レンズ170を通じて入射した光束を画像データに光電変換する撮像素子178と、中央制御部158の制御信号に応じて、ズームレンズ172、フォーカスレンズ174、およびアイリス176をそれぞれ駆動させる駆動部180とを含んで構成され、被写体を撮像して静止画の画像データを生成してデータ処理部144に出力する。
【0023】
データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。バッファ部146は、SRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。表示部148は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。
【0024】
圧縮伸長部150は、バッファ部146に保持された画像データを所定の符号化方式で符号化し符号データを生成する。また、圧縮伸長部150は、画像保持部152から読み取った符号データを復号して画像データを生成し、バッファ部146に出力する。
【0025】
画像保持部152は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され符号データを保持する。画像出力部154は、バッファ部146に保持された画像データを外部装置に出力する。無線通信部156は、動画撮像装置120と無線通信を行う。
【0026】
中央制御部158は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、静止画撮像装置110全体を管理および制御する。また、中央制御部158は、画像選択部190、時刻特定部192として機能する。
【0027】
画像選択部190は、画像保持部152に記憶された符号データに基づく画像を表示部148にサムネイル表示させ、その中からユーザに符号データ(第1の画像データ)を選択させる。
【0028】
時刻特定部192は、画像選択部190を通じてユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を、例えば、画像データのファイル情報を参照して特定する。そして、時刻特定部192は、画像データに、生成された時刻を示す時刻情報を付加する。本実施形態において、時刻特定部192は、予め、ユーザに選択される前の画像データが生成された時点で、画像データに、例えば、時刻情報を示す文字を、視認可能に重畳したり電子すかしで視認不可能な状態で付加したりしておく。
【0029】
(動画撮像装置120)
図3は、第1の実施形態における動画撮像装置120の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。動画撮像装置120は、操作部140と、撮像部200と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部202と、画像出力部154と、無線通信部204と、中央制御部206とを含んで構成される。動画撮像装置120における構成要素で静止画撮像装置110と実質的に等しい機能部は、静止画撮像装置110と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
撮像部200は、静止画撮像装置110の撮像部142と同様、撮像レンズ170、ズームレンズ172、フォーカスレンズ174、アイリス176、撮像素子178、および駆動部180を含んで構成され、静止画撮像装置110における撮像時と同時刻の撮像において被写体を撮像して動画の画像データ(第2の画像データ)を生成してデータ処理部144に出力する。また、撮像部200は、撮像後の鑑賞時において、ユーザが選択した画像データが生成された時刻が付加された画像データに基づく画像を撮像して、静止画の画像データ(第3の画像データ)を生成する。
【0031】
画像保持部202は、EEPROM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、データ処理部144が第2の画像データを符号化した符号データと、符号データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて保持する。無線通信部204は、静止画撮像装置110の無線通信部156と無線通信を行う。
【0032】
中央制御部206は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、動画撮像装置120全体を管理および制御する。また、中央制御部206は、時刻取得部210、画像抽出部212として機能する。
【0033】
時刻取得部210は、撮像後の鑑賞時において、撮像部200が生成した静止画の画像データを解析し、ユーザが選択した静止画の画像データに基づく画像に付加された時刻情報を取得する。画像抽出部212は、画像保持部202から、取得された時刻情報に対応する動画の画像データを抽出する。
【0034】
(画像抽出方法)
続いて、上述した静止画撮像装置110および動画撮像装置120を用いた画像抽出処理について説明する。図4は、第1の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0035】
(撮像前における時刻同期処理S300)
撮像を開始する前段階で、静止画撮像装置110と動画撮像装置120は、ユーザの操作入力に応じて、それぞれの無線通信部156、204を介し、いずれか一方に設定されている現在時刻情報に合わせて他方の現在時刻情報を調整する同期処理を予め行っておく。また、静止画撮像装置110と動画撮像装置120との両方を他の例えば標準時刻に合わせることでも同期させることができる。
【0036】
図5は、現在時刻情報の同期を説明するための説明図である。図5に示すように、静止画撮像装置110の現在時刻情報が「2010/01/01 00:00:00」、動画撮像装置120の現在時刻情報が「2009/12/31 23:59:59」である場合、例えば、動画撮像装置120の現在時刻情報を静止画撮像装置110の現在時刻情報に同期させる。画像処理システム100では、このように撮像前に同期処理を行うことで静止画と動画を時刻情報という観点で関連付けることができる。かかる同期処理は、撮像前に一度行われればよい。
【0037】
(撮像処理S302)
撮像時、静止画撮像装置110において、撮像部142は、被写体を撮像して画像データを生成してデータ処理部144に出力する。データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに、ホワイトバランス調節、ノイズ軽減処理、レベル補正処理、A/D変換処理および色彩補正処理(ガンマ補正処理、ニー処理)等の所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。
【0038】
(時刻情報付加処理S304)
そして、時刻特定部192は、バッファ部146に出力された画像データに、画像データが生成された時刻を示す時刻情報を付加する。
【0039】
図6は、時刻情報が付加された静止画の一例を示す説明図である。本実施形態において、時刻特定部192は、ユーザに選択される前の画像データが生成された時点で、画像データに、例えば、時刻情報を示す文字を、図6(a)に示す画像260のように例えば右下に視認可能に重畳したり、図6(b)に示す画像262のように電子すかしで視認不可能な状態で付加したりする。
【0040】
(符号化処理S306)
静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、データ処理部144から出力されバッファ部146に保持された画像データを、所定の符号化方式で符号化し、符号データを生成する。ここで、静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、静止画の符号化方式であるJPEG(Joint Photographic Experts Group)等を用いる。
【0041】
(記憶処理S308)
そして、静止画撮像装置110の圧縮伸長部150は、符号データを画像保持部152に出力し、画像保持部152は、符号データと時刻情報とを関連付けて保持する。
【0042】
図7は、画像データのファイルのデータ構造の一例を示す説明図である。図7に示すように、画像保持部152に保持される画像データのファイルは、少なくとも、ファイル名、時刻情報、時刻情報が付加された画像データを含んで構成される。
【0043】
(画像データ特定処理S310)
撮像後、ユーザが撮像した静止画を鑑賞する際、画像選択部190は、画像保持部152に記憶された符号データに基づく画像を表示部148にサムネイル表示させ、その中からユーザに画像データを選択させる。
【0044】
(撮像処理S350)
一方、撮像時、動画撮像装置120において、撮像部200は、被写体を撮像し画像データを生成してデータ処理部144に出力する。データ処理部144は、撮像部142から出力された画像データに所定の処理を施し、処理後の画像データをバッファ部146に出力する。
【0045】
(符号化処理S352)
動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、データ処理部144から出力されバッファ部146に保持された画像データを、所定の符号化方式で符号化し、符号データを生成する。ここで、動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、動画の圧縮方式であるM−JPEG(Motion-JPEG)やMPEG(Moving Picture Experts Group)−2、H.264等を用いる。
【0046】
(記憶処理S354)
そして、動画撮像装置120の圧縮伸長部150は、符号データを画像保持部202に出力し、画像保持部202は、符号データと時刻情報とを関連付けて保持する。
【0047】
(画像データ生成処理S356)
動画撮像装置120の撮像部200は、ユーザが選択した画像データが生成された時刻が付加された画像データに基づく画像を撮像して、静止画の画像データを生成する。ここで、撮像部200が撮像する画像は、例えば、静止画撮像装置110の表示部148に表示されていたり、プリンタで印刷された写真であったりする。
【0048】
図8は、撮像部200による静止画の撮像と動画の抽出処理を説明するための説明図である。例えば、静止画として写真270を例に挙げると、写真270と動画撮像装置120とは、図8(a)に示す位置関係となる。そして、図8(b)のように、動画撮像装置120の表示部148は撮像中の写真270を表示する。ここでは、写真270に時刻情報「2010/01/01 00:00:00」の文字が電子すかしで重畳されているものとする。
【0049】
(時刻情報取得処理S358)
動画撮像装置120の時刻取得部210は、撮像部200が生成した静止画の画像データを例えば文字認識処理によって解析し、ユーザが選択した静止画の画像データに基づく画像に付加された時刻情報を取得する。
【0050】
(時刻情報表示処理S360)
そして、時刻取得部210は、図8(c)に示すように、取得した時刻情報を表示部148に表示している静止画に重畳して表示し、時刻情報を取得できたことをユーザに報知する。また、時刻取得部210は、時刻情報を取得できなかった場合には、その旨、表示部148に表示してユーザに報知する。
【0051】
(画像データ抽出処理S362および動画表示処理S364)
動画撮像装置120の画像抽出部212は、画像保持部202から、取得された時刻情報「2010/01/01 00:00:00」に対応する動画の画像データを抽出する。そして、図8(d)に示すように、画像抽出部212は、表示部148に抽出した画像データに基づく動画を表示させる。また、時刻情報に対応する動画の画像データがない場合、その旨、画像データに表示してユーザに報知する。
【0052】
上述したように、本実施形態では、例えば、画像選択装置として、静止画撮像装置110を用い、画像抽出装置として動画撮像装置120を用い、運動会等で同一の、例えば子供を被写体として、静止画撮像装置110と動画撮像装置120それぞれで撮像し、事後的に静止画を鑑賞しながら、鑑賞している静止画と同時に(並行して)撮像された動画の場面を鑑賞する。
【0053】
この場合、ユーザが、静止画撮像装置110で鑑賞している静止画を選択すると、その静止画に生成された時刻が付加されて、表示やプリントが為される。この静止画を動画撮像装置120で撮像すると、動画撮像装置120は、選択された画像データに基づく画像であると識別し、画像解析によって時刻情報を取得し、関連する動画の場面を頭出しする。そのため、静止画撮像装置110と動画撮像装置120とは、時刻さえ事前に同期が取れていれば、何ら事前のグルーピング等の処理を行う必要がなく、また、撮像中、両者が随時通信を行う必要もない。
【0054】
このように、動画撮像装置120は、静止画の画像データが生成された時刻に対応する、動画の画像データを抽出できるため、ユーザは所望する場面を容易に頭出しして鑑賞することが可能となる。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態の画像処理システム100によれば、静止画撮像装置110で選択された画像データが生成された時刻に基づいて、動画撮像装置120に保持された画像データから、関連する画像データを抽出するので、ユーザは所望する画像データを容易に取得することが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態において、静止画撮像装置110は、静止画に時刻情報を付加し、動画撮像装置120は、この静止画を撮像することで時刻情報を取得し、対応する動画の画像データを抽出していた。第2の実施形態では、静止画を介さずとも、所望する動画の画像データを抽出することが可能な静止画撮像装置410および動画撮像装置420について説明する。
【0057】
(静止画撮像装置410)
図9は、第2の実施形態における静止画撮像装置410の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。静止画撮像装置410は、操作部140と、撮像部142と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部152と、画像出力部154と、無線通信部156と、中央制御部158とを含んで構成される。また、中央制御部158は、画像選択部190、時刻特定部492として機能する。第1の実施形態における構成要素として既に述べた、操作部140、撮像部142、データ処理部144、バッファ部146、表示部148、圧縮伸長部150、画像保持部152、画像出力部154、無線通信部156、中央制御部158、画像選択部190は実質的に機能が等しいので重複説明を省略する。構成が相違する時刻特定部492は、ユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を示す時刻情報を、無線通信部156による無線通信を介して、動画撮像装置420に出力する。
【0058】
(動画撮像装置420)
図10は、第2の実施形態における動画撮像装置420の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図中、実線矢印はデータの流れを、破線矢印は制御信号の流れを示す。動画撮像装置420は、操作部140と、撮像部200と、データ処理部144と、バッファ部146と、表示部148と、圧縮伸長部150と、画像保持部202と、画像出力部154と、無線通信部204と、中央制御部206とを含んで構成される。また、中央制御部206は、時刻取得部440、画像抽出部212として機能する。第1の実施形態における構成要素として既に述べた、操作部140、撮像部200、データ処理部144、バッファ部146、表示部148、圧縮伸長部150、画像保持部202、画像出力部154、無線通信部204、中央制御部206、画像抽出部212は実質的に機能が等しいので重複説明を省略する。構成が相違する時刻取得部440は、静止画撮像装置410から、無線通信部204による無線通信を通じて時刻情報を取得する。
【0059】
(画像抽出方法)
続いて、上述した静止画撮像装置410および動画撮像装置420を用いた画像抽出処理について説明する。図11は、第2の実施形態における画像抽出方法の処理の流れを示すシーケンス図である。同期処理ステップS300から画像データ特定処理ステップS310までの処理は、第1の実施形態で説明した図4のシーケンス図と実質的に等しいので説明を省略する。
【0060】
(時刻情報出力処理S500)
画像データ特定処理ステップS310の後、時刻特定部492は、ユーザに選択された符号データ(第1の画像データ)が生成された時刻を示す時刻情報を、無線通信部156による無線通信を介して、動画撮像装置420に出力する。ここで、時刻特定部492は、ユーザが複数の符号データを選択した場合、選択された符号データそれぞれについて時刻情報を動画撮像装置420に出力する。ここで、時刻情報は、ユーザが符号データを選択した状態によって特定される。
【0061】
(時刻情報取得処理S502)
動画撮像装置420の時刻取得部440は、静止画撮像装置410から、無線通信部204による無線通信を通じて時刻情報を取得する。以下、時刻情報表示処理ステップS360から動画表示処理ステップS364までの処理は、第1の実施形態で説明した図4のシーケンス図と実質的に等しいので説明を省略する。
【0062】
例えば、ユーザが、動画撮像装置420を、時刻情報の受信の待機状態としておく。そして、ユーザが、静止画撮像装置410で画像データを選択し、無線通信で時刻情報を送信すると、動画撮像装置420が時刻情報を受信する。動画撮像装置420は、実際に画像をプリントアウトしたり、表示部148に表示した画像を撮像したりすることなく、簡易な操作で時刻情報を受信することが可能となる。
【0063】
本実施形態の静止画撮像装置410および動画撮像装置420は、静止画や動画の撮像時に通信環境が悪く無線通信できない場合であっても、撮像後の鑑賞時において、静止画や動画の鑑賞時に無線通信することができればよい。
【0064】
また、無線通信は、近距離無線通信であってもよい。かかる構成により、互いに近距離にある静止画撮像装置410と動画撮像装置420の無線通信に限定され、無関係な他の撮像装置の静止画と当該動画とが関連付けられるのを回避することが可能となる。また、近距離無線通信は、1m以内といった非常に短距離でしか無線通信を行えないので、目視できる範囲で、その通信状態を確認でき、秘匿性を高めることが可能となる。
【0065】
さらに、無線通信部156、204は、例えば、無線通信が可能となる静止画撮像装置410、動画撮像装置420の向き(位置関係)を限定してもよい。
【0066】
図12は、静止画撮像装置410と動画撮像装置420の位置関係を説明するための説明図である。静止画撮像装置410と動画撮像装置420は、例えば、図12に示すように、動画撮像装置420が静止画撮像装置410の表示部148を撮像する位置関係となると、指向性のアンテナを通じて無線通信が可能となるとしてもよい。このように、無線通信が可能となる静止画撮像装置410、動画撮像装置420の向きを限定することで、無関係な他の撮像装置との無線通信を回避できる。
【0067】
また、動画撮像装置は、第1の実施形態で説明したように、静止画撮像装置の表示部148に表示された画像データに付加された時刻情報を取得できるものとする。かつ、画像データから時刻情報が取得できなかった場合に限り、第2の実施形態で説明したように、無線通信によっても時刻情報を取得できるものとしてもよい。かかる構成により、ユーザは、静止画撮像装置の表示部148が表示する画像に時刻情報が付加されているか否かに関わらず、同じ操作手順で動画撮像装置に動画の抽出をさせることが可能となる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
上述した実施形態では、静止画撮像装置110、410および動画撮像装置120、420は、画像データを画像保持部152、202に保持したが、例えば、装置外部の、記憶装置、記憶媒体、およびネットワーク上の記憶装置に保持してもよい。
【0070】
また、1つの画像選択装置において選択された1つの静止画の画像データから、1つの画像抽出装置において1つの動画の画像データを抽出する例を説明した。しかし、画像データは静止画または動画に限定されず、ユーザが選択する画像データおよび抽出される画像データは1または複数であってよいし、画像データの選択や抽出に用いる装置(画像選択装置や画像抽出装置)は1または複数であってもよい。
【0071】
さらに、静止画撮像装置110は、画像データに時刻情報以外に、例えば、静止画撮像装置110と動画撮像装置120の位置関係を示す情報、音声情報、予め設定されたグループを特定する情報、静止画撮像装置110や動画撮像装置120を特定する機器番号等を付加してもよい。
【0072】
なお、本明細書の画像抽出方法における各工程は、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、時刻情報に基づいて画像データを抽出することが可能な画像処理システム、画像抽出装置および画像抽出方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
110、410 …静止画撮像装置
120、420 …動画撮像装置
190 …画像選択部
192、492 …時刻特定部
142、200 …撮像部
152、202 …画像保持部
210、440 …時刻取得部
212 …画像抽出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像選択装置と画像抽出装置とを含む画像処理システムであって、
前記画像選択装置は、
第1の画像データをユーザに選択させる画像選択部と、
選択された前記第1の画像データが生成された時刻を特定する時刻特定部と、
を備え、
前記画像抽出装置は、
前記時刻特定部が特定した前記時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像または前記画像選択装置から、前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像を撮像して第2の画像データを生成する撮像部と、
前記第2の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第3の画像データと、前記第3の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する前記第3の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項3】
ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項4】
前記無線通信は、近距離無線通信であることを特徴とする請求項3に記載の画像抽出装置。
【請求項5】
第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、
ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第2の画像データに基づく画像を撮像して第3の画像データを生成し、
前記第3の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得し、
取得した前記時刻情報に対応する前記第1の画像データを抽出することを特徴とする画像抽出方法。
【請求項6】
第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、
ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得し、
取得した前記時刻情報に対応する第1の画像データを抽出することを特徴とする画像抽出方法。
【請求項1】
画像選択装置と画像抽出装置とを含む画像処理システムであって、
前記画像選択装置は、
第1の画像データをユーザに選択させる画像選択部と、
選択された前記第1の画像データが生成された時刻を特定する時刻特定部と、
を備え、
前記画像抽出装置は、
前記時刻特定部が特定した前記時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像または前記画像選択装置から、前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第1の画像データに基づく画像を撮像して第2の画像データを生成する撮像部と、
前記第2の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第3の画像データと、前記第3の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する前記第3の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項3】
ユーザが選択した第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得する時刻取得部と、
第2の画像データと、前記第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とが関連付けられて予め保持されている画像保持部と、
前記画像保持部から、前記時刻取得部が取得した前記時刻情報に対応する第2の画像データを抽出する画像抽出部と、
を備えることを特徴とする画像抽出装置。
【請求項4】
前記無線通信は、近距離無線通信であることを特徴とする請求項3に記載の画像抽出装置。
【請求項5】
第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、
ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報が付加された前記第2の画像データに基づく画像を撮像して第3の画像データを生成し、
前記第3の画像データを解析し、前記画像に付加された前記時刻情報を取得し、
取得した前記時刻情報に対応する前記第1の画像データを抽出することを特徴とする画像抽出方法。
【請求項6】
第1の画像データと、前記第1の画像データが生成された時刻を示す時刻情報とを関連付けて予め保持し、
ユーザが選択した第2の画像データが生成された時刻を示す時刻情報を特定して提供する画像選択装置から、無線通信を通じて前記時刻情報を取得し、
取得した前記時刻情報に対応する第1の画像データを抽出することを特徴とする画像抽出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図8】
【公開番号】特開2012−209661(P2012−209661A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72185(P2011−72185)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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