説明

画像処理システム

【課題】画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行するようにして、ユーザが行う作業を省くことができ、手間をかけずに容易に画像ファイルを利用することができるようにする。
【解決手段】原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像出力装置と、該画像出力装置から前記画像データを受信する情報処理装置とを有する画像処理システム10であって、前記情報処理装置は、前記画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが前記画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナを有する画像処理システムにおいては、ネットワークに接続されたスキャナが読み込んだ原稿の画像データは、同じくネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ等の端末装置に送信される。この場合、前記スキャナは、読み込んだ原稿の画像を所定の形式の画像データに変換し、該画像データを、前記端末装置との間で確立されたインターフェイスを介して前記端末装置に送信するようになっている。そして、該端末装置は、前記スキャナから受信した画像データを画像ファイルなどのファイル形式に変換して、ハードディスク等の記憶手段に格納する。これにより、ユーザは、前記端末装置にインストールされているアプリケーションプログラムを起動して、前記画像ファイルを利用することができる。
【0003】
例えば、端末装置が備える液晶ディスプレイ等の表示手段に画像を表示させる場合、ユーザは、前記端末装置を操作してビュワ等のアプリケーションプログラムを起動する。そして、該アプリケーションプログラムを使用して記憶手段に格納された所望の画像ファイルを選択する。すると、表示手段の画面に画像ファイルの画像が表示される。
【0004】
また、例えば、電子メールによって画像を送信する場合、ユーザは、前記端末装置を操作して電子メールの送受信用のアプリケーションプログラムを起動する。そして、該アプリケーションプログラムによって宛先等を含む電子メールを作成するとともに、記憶手段に格納された所望の画像ファイルを選択し、作成した電子メールに添付する。すると、前記画像ファイルは、前記電子メールに添付されて、該電子メールの宛先に送信される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−229838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の画像処理システムにおいては、画像ファイルを利用するためには、ユーザが多くの作業を行う必要があり、手間がかかってしまう。
【0007】
例えば、端末装置が備える表示手段に画像を表示させる場合、ユーザは、アプリケーションプログラムの選択、アプリケーションプログラムの起動、アプリケーションプログラムに含まれるコマンドの選択、画像ファイルの選択等の作業を行う必要がある。このように多くの作業を行う必要があるので、手間がかかり、ユーザは煩わしく感じてしまう。特に、端末装置が備える記憶手段に多数の画像ファイルが格納されている場合には、大変な手間がかかってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の画像処理システムの問題点を解決して、画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行するようにして、ユーザが行う作業を省くことができ、手間をかけずに容易に画像ファイルを利用することができる画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像処理システムにおいては、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像出力装置と、該画像出力装置から前記画像データを受信する情報処理装置とを有する画像処理システムであって、前記情報処理装置は、前記画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが前記画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像処理システムは、画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行するようになっている。これにより、ユーザが行う作業を省くことができ、手間をかけずに容易に画像ファイルを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像読取装置の操作パネルの例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像受信プログラムの機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像読取装置と画像受信プログラムとの間で送受信されるコマンドの例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるScanTo機能を実行するために必要な設定情報の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第1の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第2の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第3の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における端末装置と画像読取装置との間の通信シーケンスを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示された画像を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における端末装置の継続確認処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第1の図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第2の図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第3の図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示されるアプリケーション登録ダイアログの例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第4の図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態における端末装置の継続確認処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図において、10は、本実施の形態における画像処理システムである。該画像処理システム10は、通信ネットワーク11と、該通信ネットワーク11に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置としての端末装置20と、前記通信ネットワーク11に接続されたスキャナ等の画像出力装置としての画像読取装置30とを有する。なお、図に示される例において、端末装置20及び画像読取装置30の数は、それぞれ、一つであるが、二つ以上であってもよく、任意に設定することができる。
【0015】
そして、前記通信ネットワーク11は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブルであってもよいし、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークであってもよいし、インターネット等を含むIP(Internet Protocol)ネットワークであってもよい。
【0016】
また、前記画像読取装置30は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成し、生成した画像データを、前記通信ネットワーク11を介して、前記端末装置20に送信する。
【0017】
画像読取装置30の使用方法には、プルスキャンとプッシュスキャンとがある。プルスキャンは、端末装置20から画像読取装置30の使用を開始する方法であり、例えば、ユーザが端末装置20を操作し、アプリケーションプログラムの読取りボタンを押下する等の操作を行うことによって、画像読取装置30のジョブを開始させる方法である。また、プッシュスキャンは、画像読取装置30の操作手段の操作によって画像読取装置30の使用を開始する方法であり、例えば、ユーザが画像読取装置30が備える読取りボタンを押下する等の操作を行うことによって、画像読取装置30のジョブを開始させる方法であって、端末装置20のアプリケーションプログラムの読取りボタンを押下する必要はない。
【0018】
なお、プッシュスキャンで読み取った画像データを最終的に端末装置20のアプリケーションプログラムで開くことをScan to Applicationと呼び、指定フォルダに保存することをScan to Folderと呼び、PC−Faxソフトウェアに渡すことをScan to PC−Faxと呼ぶ。
【0019】
次に、前記端末装置20の構成について説明する。
【0020】
図2は本発明の第1の実施の形態における端末装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図に示されるように、端末装置20は、演算手段としてのCPU21、記憶手段としてのROM22、記憶手段としてのRAM23、表示手段としてのディスプレイ24、記憶手段としてのHDD25、入力手段としてのキーボード26、及び、通信制御手段としての外部インターフェイス27を備える。なお、前記CPU21、ROM22、RAM23、ディスプレイ24、HDD25、キーボード26及び外部インターフェイス27は、内部通信ネットワークとしてのシステムバス28に接続され、該システムバス28を介して制御される。
【0022】
また、前記HDD25は、典型的には、ハードディスクであるが、フラッシュメモリを用いるSSD(Solid State Driver)等の記憶保存デバイスでもよい。さらに、ユーザが操作する入力手段は、キーボード26に限らず、マウス等であってもよいし、ディスプレイ24がタッチパネルである場合には、ディスプレイ24が表示手段としてのみならず、入力手段としても機能する。さらに、前記外部インターフェイス27は、図示されないLANインターフェイスやUSBインターフェイスを制御し、コマンド送受信、画像データ受信等を行う。
【0023】
そして、前記端末装置20は、スキャナドライバ、スキャナ読取り対応アプリケーション、PC−Faxソフトウェア等のアプリケーションプログラムがインストールされ、利用可能な状態である。そして、アプリケーションプログラムによって、前記端末装置20は、通信ネットワーク11を介して、画像読取装置30と、画像データ転送に関わるデータの送受信を行う。
【0024】
次に、前記画像読取装置30の構成について説明する。
【0025】
図3は本発明の第1の実施の形態における画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【0026】
図に示されるように、画像読取装置30は、演算手段としてのCPU31、記憶手段としてのROM32、記憶手段としてのRAM33、イメージ取得手段としての画像読取部34、記憶手段としてのHDD35、入力手段及び表示手段としての操作パネル36、並びに、通信制御手段としての外部インターフェイス37を備える。なお、前記CPU31、ROM32、RAM33、画像読取部34、HDD35、操作パネル36及び外部インターフェイス37は、内部通信ネットワークとしてのシステムバス38に接続され、該システムバス38を介して制御される。
【0027】
そして、前記画像読取部34は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、撮像管等の撮像素子、レンズ、画像が印刷された紙等の媒体、写真等の原稿を照らすランプ等を備え、原稿の画像を走査しながら読み取る。前記画像読取部34が読み取った原稿の画像から画像データが生成され、該画像データが、前記通信ネットワーク11を介して、前記端末装置20に送信される。また、前記HDD35は、典型的には、ハードディスクであるが、フラッシュメモリを用いるSSD等の記憶保存デバイスでもよい。さらに、ユーザが操作する操作パネル36は、典型的には、タッチパネル等の表示手段と入力手段との機能を兼ね備えるものであって、文字、画像等を表示するととともに、テンキー、選択ボタン、押しボタン等の入力手段を操作可能に表示する。さらに、前記外部インターフェイス37は、図示されないLANインターフェイスやUSBインターフェイスを制御し、コマンド送受信、画像データ送信等を行う。
【0028】
次に、前記画像読取装置30の操作パネル36について説明する。
【0029】
図4は本発明の第1の実施の形態における画像読取装置の操作パネルの例を示す図である。
【0030】
図において、61は、操作パネル36に表示された操作画面の一例であって、プッシュスキャンの際に操作を行うための操作画面であり、ユーザがScan to Applicationを行うために、プッシュスキャンの種別を示すApplication、Folder、及び、PC−FaxのボタンのうちからApplicationのボタンが選択されて押下された状態を示している。操作画面61は、ユーザが操作パネル36を操作して、送信先のアドレスを入力し、プッシュスキャンの指定を行うと、表示される。
【0031】
そして、ユーザが画像読取装置30に原稿をセットし、操作画面61内のStartボタンを押下すると、画像読取部34が原稿の画像の読取を開始し、生成された画像データが端末装置20に送信される。すると、該端末装置20では、あらかじめ指定されたアプリケーションプログラムが作動して、受信した画像データがディスプレイ24に表示される。なお、画像読取装置30では、前記外部インターフェイス37が、図示されないLANインターフェイスやUSBインターフェイスを制御して、コマンド送受信、画像データ送信等を行う。
【0032】
次に、前記端末装置20で作動する画像受信プログラムについて説明する。
【0033】
図5は本発明の第1の実施の形態における画像受信プログラムの機能構成を示すブロック図、図6は本発明の第1の実施の形態における画像読取装置と画像受信プログラムとの間で送受信されるコマンドの例を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるScanTo機能を実行するために必要な設定情報の例を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第1の図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第2の図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるプッシュスキャンの種別毎に設定情報を設定するためのダイアログを示す第3の図である。
【0034】
図において、41は、端末装置20にあらかじめインストールされたアプリケーションプログラムである画像受信プログラムであって、機能の観点から、コマンド送受信部42、画像データ処理部43、ScanTo機能処理部44、UI処理部45及びScanTo機能管理データ46を備える。
【0035】
そして、画像受信プログラム41は、レジデントプログラムとして常時起動しており、プッシュスキャン開始イベントの通知を待機する。
【0036】
また、コマンド送受信部42は、画像読取装置30から画像データを取得するためのプロトコルを管理し、画像読取装置30に送信するコマンドの生成処理及び生成したコマンドの送信処理、並びに、画像読取装置30が送信したコマンドの受信処理及び受信したコマンドの解析を行い、受信した画像データを画像データ処理部43に転送する。
【0037】
ここで、前記画像受信プログラム41と画像読取装置30との間で送受信されるコマンドは、例えば、図6に示されるコマンド51のように構成される。
【0038】
該コマンド51は、コマンドの種別を示すCommand code52と、コマンドのデータ部分であるContents54と、該Contents54の長さを示すContents Length53とから構成される。なお、Contents54にセットされるデータは、OK/NGといったパラメータや画像データなどである。
【0039】
そして、コマンド51aは、画像読取装置30でスキャン開始ボタンが押下されると画像読取装置30から送信されるStart Scan(スキャン開始)コマンドであり、Contents0x10によってScan to Applicationが指定されたことを判断することができる。また、コマンド51bは、Response(応答)コマンドでありOKを返すことを示している。なお、Contents定義55は、コマンド51のContents54にセットされ得るデータ定義の一例を示している。
【0040】
また、前記画像データ処理部43は、コマンド送受信部42から転送された画像データに基づき、ScanTo機能管理データ46に設定された画像ファイル形式に従って、画像ファイルを構成しHDD25の所定のフォルダに格納して保存する。該所定のフォルダ及び該フォルダに格納される画像ファイルは不可視属性とされ、通常は画像ファイル形式を意味する拡張子部分は、拡張子を除くファイル名個所に設定され、画像ファイルの拡張子には構成された画像ファイル順に従った連番が設定される。
【0041】
例えば、所定のフォルダをC:¥Documents and Settings¥user¥Application Data¥Received Data¥とし、画像ファイル形式をBMPとすると、“Received Data”フォルダ、及び、該フォルダに順次保存される画像ファイルtmp_bmp.001、tmp_bmp.002(ファイル数は読取り画像ページに応じて増減するので以下省略する。)は、不可視属性にされる。ここでは、ファイル生成時の属性パラメータに不可視を指定する方法とする。
【0042】
端末装置20のOS(Operating System)によって異なる方法があるので、それぞれに適切な方法をとればよい。例えば、ドット(.)で始まるファイル名は、不可視ファイル扱いとするOSもあるので、このような場合に、生成するファイル名をドットで始める方法が考えられる。なお、不可視化は、ユーザが処理すべきでない一時保存ファイルの存在確認を困難にするとともに、容易にファイルを取り扱えなくするために行われる。
【0043】
そして、コマンド送受信部42は、画像読取装置30からの画像取込み手順が完了した後に、UI処理部45に継続確認ダイアログを表示するように指示する。
【0044】
すると、UI処理部45は、図7に示されるような継続確認ダイアログ62を、ディスプレイ24の画面に表示させる。そして、前記UI処理部45は、ユーザによる継続確認ダイアログ62のボタン押下を監視し、押下されたボタンの種別がContinueの場合には、ScanTo機能処理部44に処理継続を通知し、Cancelの場合には、画像データ処理部43に処理キャンセルを通知する。
【0045】
また、ScanTo機能処理部44は、UI処理部45から処理継続が通知されると、ScanTo機能管理データ46から登録されているアプリケーションプログラム情報(起動コマンド)を読み出し、画像データ処理部43が構成した画像ファイルを引数とした起動コマンドを生成してアプリケーションプログラムを起動させる。ここで、ScanTo機能管理データ46は、図8に示されるように、ScanTo機能を実行するために必要な設定情報63を保持している。
【0046】
さらに、コマンド送受信部42が、画像読取装置30から指定されたプッシュスキャンの種別(Scan to Application、Scan to Folder、及び、Scan to PC−Faxのいずれか)をScanTo機能管理データ46の[Action]セクションに設定しておくことにより、実行中のジョブの種類をScanTo機能処理部44等が判断することができる。
【0047】
なお、Scan to Application、Scan to Folder、及び、Scan to PC−Faxのそれぞれに対応する設定情報は、前記設定情報63における[Application]、[Folder]及び[PC−Fax]セクションにそれぞれ設定される。
【0048】
そして、Scan to Applicationに対応する設定情報は、図9に示されるように、UI処理部45がディスプレイ24の画面に表示させるダイアログ71aで設定することができる。また、Scan to Folderに対応する設定情報は、図10に示されるように、UI処理部45がディスプレイ24の画面に表示させるダイアログ71bで設定することができる。さらに、Scan to PC−Faxに対応する設定情報は、図11に示されるように、UI処理部45がディスプレイ24の画面に表示させるダイアログ71cで設定することができる。前記ダイアログ71a〜71cの各々は、原稿読取り設定を指定するInputグループ72と画像データの保存設定を指定するOutputグループ73とを備える。
【0049】
次に、前記構成の画像処理システム10の動作について説明する。まず、端末装置20と画像読取装置30との間で通信を行う際の動作について説明する。
【0050】
図12は本発明の第1の実施の形態における端末装置と画像読取装置との間の通信シーケンスを示す図である。
【0051】
ここでは、図4に示されるように、操作パネル36に表示されたプッシュスキャンの際に操作を行うための操作画面61において、ユーザがScan to Applicationを行うことを選択した場合について説明する。なお、端末装置20は、画像受信プログラム41が作動することによって画像読取装置30と通信を行う。
【0052】
まず、ユーザは、画像読取装置30に原稿をセットし、画像読取装置30の操作パネル36を操作して送信先である端末装置20のアドレス(例えば、IPアドレス、ホスト名等)を入力し、プッシュスキャンの指定を行うと、図4に示されるような操作画面61が表示される。そして、ユーザは、前記操作画面61において、Applicationのボタンを選択して押下し、Startボタンを押下する。
【0053】
なお、端末装置20と画像読取装置30とがUSBケーブル等によってローカル接続されている場合のように、送信先が固定されて限られている場合には、宛先としてのアドレスを入力する必要はない。また、端末装置20と画像読取装置30とがネットワーク接続されている場合には、多数の接続相手から送信先を選択する必要があるので、画像読取装置30の記憶手段に格納されているアドレス帳から端末装置20のアドレスを選択したり、端末装置20のアドレスを直接入力したりする必要がある。
【0054】
そして、Startボタンが押下されると、画像読取装置30は、送信先として指定された端末装置20に、スキャン開始コマンドであるStart Scanを送信する。
【0055】
一方、端末装置20では、画像受信プログラム41がレジデントプログラムとして常時起動しており、プッシュスキャン開始イベントの通知を待機している。そのため、端末装置20は、Start Scan、すなわち、スキャン開始コマンドを受信すると、該スキャン開始コマンドで指定されたプッシュスキャンの種別をScanTo機能管理データ46に保存した後、応答(Response)であるOKを画像読取装置30に返信する。
【0056】
続いて、端末装置20は、ScanTo機能管理データ46から読み出した読取り指定パラメータを、読取り設定コマンドであるSet Scan ParameterのContentsに設定し、画像読取装置30に対して指定する。
【0057】
すると、画像読取装置30は、指定されたSet Scan Parameterに従って、原稿の画像の読取、すなわち、Scanを開始する。そして、画像読取装置30は、ビットマップデータとしての画像データを生成し、端末装置20から受信した画像データ要求コマンドであるRead Image Dataに応じて、生成した画像データ、すなわち、Image Dataを端末装置20に送信する。
【0058】
該端末装置20の画像受信プログラム41は、ScanTo機能管理データ46が保存する画像ファイル形式を示すSaveAsの設定値を読み出し、画像読取装置30から受信した画像データをBMP形式で、例えば、tmp_bmp.001、tmp_bmp.002等のように、原稿の枚数に応じた複数の不可視ファイルを作成し、該不可視ファイルを一時保存フォルダに保存する。例えば、C:¥Documents and Settings¥user¥Application Data¥Received Data¥、に一時的に保存する。
【0059】
そして、画像読取装置30は、最後の原稿の画像を読み終え、すなわち、Scanを完了して、画像データ、すなわち、Image Dataの端末装置20への送信を終えると、端末装置20から送信される終了コマンドであるEnd Scanを待機する。
【0060】
一方、端末装置20は、所定期間Image Dataを取得しなかった場合、最後の画像データを受信したものと判断し、終了コマンドであるEnd Scanを画像読取装置30に送信する。すると、該画像読取装置30は、終了コマンドに対する応答(Response)であるOKを端末装置20に返信して、動作を終了する。
【0061】
そして、ユーザは、読取が終了した原稿を携えて、送信先である端末装置20に赴く。該端末装置20は、画像読取装置30からの画像データの受信と、画像ファイルを一時的に保存する保存処理が終了すると、継続確認処理に移行する。
【0062】
次に、画像読取装置30と端末装置20との間の通信シーケンスについて説明する。
ステップS1 Startボタンを押下する。
ステップS2 画像読取装置30は、端末装置20に、Start Scanを送信する。
ステップS3 端末装置20は、Start Scanを受信すると、応答(Response)であるOKを画像読取装置30に返信する。
ステップS4 端末装置20は、ScanTo機能管理データ46から読み出した読み取り指定パラメータを、Set Scan ParameterのContentsに設定し、画像読取装置30に対して指定する。
ステップS5 画像読取装置30は、指定されたSet Scan Parameterに従って、Scanを開始する。
ステップS6 画像読取装置30は、端末装置20からRead Image Dataを受信してImage Dataを生成する。
ステップS7 画像読取装置30は、Image Dataを端末装置20に送信する。
ステップS8 画像受信プログラム41は、不可視ファイルを一時保存フォルダに保存する。
ステップS9 画像読取装置30は、Scanを完了する。
ステップS10 画像読取装置30は、Image Dataの端末装置20への送信を終える。
ステップS11 端末装置20は、End Scanを画像読取装置30に送信する。
ステップS12 画像読取装置30は、終了コマンドに対する応答(Response)であるOKを端末装置20に返信して、動作を終了する。
ステップS13 端末装置20は、画像読取装置30からの画像データの受信と、画像ファイルを一時的に保存する保存処理が終了すると、継続確認処理に移行する。
【0063】
次に、端末装置20の継続確認処理の動作について説明する。
【0064】
図13は本発明の第1の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示された画像を示す図、図14は本発明の第1の実施の形態における端末装置の継続確認処理の動作を示すフローチャートである。
【0065】
継続確認処理に移行すると、まず、端末装置20の画像受信プログラム41のUI処理部45は、図7に示されるように、一時的に保存した画像ファイルに対して処理を継続するか否かを確認するための継続確認ダイアログ62を、ディスプレイ24の画面に表示させる。続いて、UI処理部45は、ユーザによる継続確認ダイアログ62のボタン押下を監視し、いずれの種別のボタンが押下されたかを判断する。
【0066】
そして、押下されたボタンの種別がCancelの場合、UI処理部45は、画像データ処理部43に処理キャンセルを通知する。すると、画像データ処理部43は、一時保存フォルダであるC:¥C:¥Documents and Settings¥user¥Application Data¥Received Data¥に保存した画像ファイルを削除する。そして、UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
【0067】
一方、押下されたボタンの種別がContinueの場合、UI処理部45は、ScanTo機能処理部44に処理継続を通知する。すると、ScanTo機能処理部44は、ScanTo機能管理データ46の[Action]セクションに設定されているプッシュスキャンの種別を読み出し、継続する処理の種別がいずれであるか、すなわち、Scan to Application、Scan to Folder、及び、Scan to PC−Faxのいずれであるかを判断する。
【0068】
まず、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Application、すなわち、Applicationであるか否かを判断する。そして、Applicationである場合、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(アプリケーションプログラム用)に移動する。具体的には、一時保存フォルダであるReceived Dataに保存されているファイルの名称をユーザに分かりやすい日付_連番.拡張子ファイル名に変更して可視属性にし、[Application]セクションのImageSavePathで指定されたフォルダに移動する。
【0069】
ここで、ImageSavePathは、図9に示されるようなダイアログ71aにおける“Save scanned image to”で、ユーザによって指定されたパスである。一時保存時には、tmp_bmp.001の不可視ファイルをユーザの指定フォルダに移動するときに、20061012_001.bmpという可視ファイルにする。
【0070】
続いて、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してアプリケーションプログラムを起動し、画像を表示させる。具体的には、[Application]セクションのSelectedListIDで指定されたApplicationPathで指定されているアプリケーションプログラムに対してImageSavePathとファイル名とをコマンドライン引数指定して、前記アプリケーションプログラムを起動し、該アプリケーションプログラムによって、図13に示されるような画像をディスプレイ24の画面に表示させる。
【0071】
そして、UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
【0072】
また、継続する処理の種別がApplicationであるか否かを判断してApplicationでない場合、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to PC−Fax、すなわち、PC−Faxであるか否かを判断する。そして、PC−Faxである場合、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(PC−Fax用)に移動する。具体的には、一時保存フォルダであるReceived Dataに保存されているファイルの名称をユーザに分かりやすい日付_連番.拡張子ファイル名に変更して可視属性にし、[PC−Fax]セクションのImageSavePathで指定されたフォルダに移動する。
【0073】
ここで、ImageSavePathは、図11に示されるようなダイアログ71cにおける“Save scanned image to”で、ユーザによって指定されたパスである。一時保存時には、tmp_tiff.001の不可視ファイルをユーザの指定フォルダに移動するときに、20061012_001.tiffという可視ファイルにする。
【0074】
続いて、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してPC−Faxアプリケーションプログラムを起動し、画像をFax送信する。具体的には、[PC−Fax]セクションのSelectedListIDで指定されたApplicationPathで指定されているアプリケーションプログラムに対してImageSavePathとファイル名とをコマンドライン引数指定して、前記アプリケーションプログラムを起動し、該アプリケーションプログラムによって、画像をFax送信させる。
【0075】
そして、UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
【0076】
また、継続する処理の種別がPC−Faxであるか否かを判断してPC−Faxでない場合、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Folderであると判断し、画像ファイルを指定フォルダ(フォルダ用)に移動する。具体的には、一時保存フォルダであるReceived Dataに保存されているファイルの名称をユーザに分かりやすい日付_連番.拡張子ファイル名に変更して可視属性にし、[Folder]セクションのImageSavePathで指定されたフォルダに移動する。
【0077】
ここで、ImageSavePathは、図10に示されるようなダイアログ71bにおける“Save scanned image to”で、ユーザによって指定されたパスである。一時保存時には、tmp_bmp.001の不可視ファイルをユーザの指定フォルダに移動するときに、20061012_001.bmpという可視ファイルにする。
【0078】
そして、UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
【0079】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を、ディスプレイ24の画面に表示させる。
ステップS22 UI処理部45は、いずれの種別のボタンが押下されたかを判断する。押下されたボタンの種別がCancelの場合はステップS23に進み、押下されたボタンの種別がContinueの場合はステップS24に進む。
ステップS23 画像データ処理部43は、一時保存フォルダに保存した画像ファイルを削除する。
ステップS24 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がApplicationであるか否かを判断する。継続する処理の種別がApplicationである場合はステップS25に進み、継続する処理の種別がApplicationでない場合はステップS28に進む。
ステップS25 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(アプリケーションプログラム用)に移動する。
ステップS26 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してアプリケーションプログラムを起動し、画像を表示させる。
ステップS27 UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
ステップS28 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がPC−Faxであるか否かを判断する。継続する処理の種別がPC−Faxである場合はステップS29に進み、継続する処理の種別がPC−Faxでない場合は、ステップS31に進む。
ステップS29 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(PC−Fax用)に移動する。
ステップS30 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してPC−Faxアプリケーションプログラムを起動し、画像をFax送信する。
ステップS31 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Folderであると判断し、画像ファイルを指定フォルダ(フォルダ用)に移動する。
【0080】
このように、本実施の形態においては、端末装置20は、画像読取装置30から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行する。これにより、従来の技術では原稿の画像の読取毎にユーザが手間をかけて行う必要があった定型作業を省くことが可能になり、利便性が向上する。
【0081】
また、端末装置20は、画像読取装置30から受信した画像データを不可視属性の画像ファイルとして一時的に保存する。これにより、ユーザが処理すべきでない一時保存ファイルの存在確認を困難にするとともに、容易に画像ファイルを取り扱えなくなる。
【0082】
さらに、あらかじめ設定された処理が実行された画像ファイルは、可視属性の画像ファイルとなる。これにより、ユーザは画像ファイルを取り扱うことが可能となる。
【0083】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0084】
図15は本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第1の図、図16は本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第2の図、図17は本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第3の図、図18は本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示されるアプリケーション登録ダイアログの例を示す図、図19は本発明の第2の実施の形態における端末装置のディスプレイに表示される継続確認ダイアログの例を示す第4の図である。
【0085】
前記第1の実施の形態においては、端末装置20に取り込まれた画像データがアプリケーションプログラムやフォルダに転送される前に、ディスプレイ24の画面に表示された継続確認ダイアログ62によって、ユーザによる継続の確認が行われるようになっている。
【0086】
これに対し、本実施の形態においては、ユーザが継続の確認を行うときに、アプリケーションプログラムの選択や保存先のフォルダの指定を行うことが可能となっている。
【0087】
つまり、前記第1の実施の形態において、端末装置20の画像受信プログラム41のUI処理部45は、継続確認処理に移行すると、継続する処理の種別、すなわち、Scan to機能の種別に関わらず、まず、図7に示されるような継続確認ダイアログ62をディスプレイ24の画面に表示させる。これに対し、本実施の形態において、UI処理部45は、Scan to機能の種別に応じて、図15〜17に示されるような継続確認ダイアログ81〜83をディスプレイ24の画面に表示させる。なお、Scan to機能の種別は、図8に示されるような設定情報63における[Action]セクションに基づいて判断される。
【0088】
具体的には、図15に示されるような継続確認ダイアログ81は、継続する処理の種別、すなわち、Scan to機能の種別がScan to Applicationである場合に表示される。また、図16に示されるような継続確認ダイアログ82は、継続する処理の種別、すなわち、Scan to機能の種別がScan to PC−Faxである場合に表示される。さらに、図17に示されるような継続確認ダイアログ83は、継続する処理の種別、すなわち、Scan to機能の種別がScan to Folderである場合に表示される。
【0089】
図15に示されるような継続確認ダイアログ81におけるアプリケーション選択リスト81aは、図8に示されるような設定情報63における[Application]セクションに含まれるSelectedListIDと、ListIDと、Application情報とから構成される。
【0090】
また、図9に示されるようなダイアログ71aに含まれるSettingボタンの押下がなされることにより、図18に示されるようなアプリケーション登録ダイアログ87がディスプレイ24の画面に表示される。アプリケーション登録ダイアログ87によって登録されたアプリケーションプログラムは、ListID、Application、及び、ApplicationPathが組み合わされて設定情報63に保存される。
【0091】
図8に示される設定情報63の例においては、Scan to Application用に2つのアプリケーションプログラムであるImageEditorとImageViewerとが登録されており、現在選択されているアプリケーションプログラムを示すSelectedListIDの値によってListID=1のImageEditorが選択表示される。図19に示されるような継続確認ダイアログ91に表示されたアプリケーション選択リスト91aにおいて、ImageViewerが選択されると、設定情報63の[Application]セクションのSelectedListIDの値は、2に変更される。
【0092】
また、図16に示されるような継続確認ダイアログ82におけるアプリケーション選択リスト82aは、図8に示されるような設定情報63における[PC−Fax]セクションを参照して構成される。
【0093】
さらに、図17に示されるような継続確認ダイアログ83におけるScan to Folderの保存先83aは、図8に示されるような設定情報63における[Folder]セクションに含まれるImageSavePathを読み出して表示される。そして、継続確認ダイアログ83におけるContinueボタンが押下されると、Scan to Folderの保存先83aに表示されたパスが設定情報63に書き出された後に、継続処理が行われる。
【0094】
Scan to機能の種別がScan to Applicationである場合に表示される継続確認ダイアログ81におけるアプリケーション選択リスト81aでのアプリケーションプログラムの指定、Scan to機能の種別がScan to PC−Faxである場合に表示される継続確認ダイアログ82におけるアプリケーション選択リスト82aでのアプリケーションプログラムの指定、及び、Scan to機能の種別がScan to Folderである場合に表示される継続確認ダイアログ83におけるScan to Folderの保存先83a、すなわち、Scan to Folderのパス指定は、継続確認ダイアログ81〜83におけるContinueボタンやCancelボタンが押下されるまで記憶手段に一時的に保存され、Continueボタンが押下されると、設定情報63に反映される。
【0095】
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0096】
次に、本実施の形態における端末装置20の継続確認処理の動作について説明する。
【0097】
図20は本発明の第2の実施の形態における端末装置の継続確認処理の動作を示すフローチャートである。
【0098】
前記第1の実施の形態と同様に継続確認処理に移行すると、まず、端末装置20の画像受信プログラム41のUI処理部45は、図8に示されるような設定情報63における[Action]セクションに基づき、Scan to機能の種別に応じて、図15〜17に示されるような継続確認ダイアログ81〜83のいずれかを、ディスプレイ24の画面に表示させる。
【0099】
この際、設定情報63における[Application]セクション、[PC−Fax]セクション、又は、[Folder]セクションを参照した情報の読出しが行われ、アプリケーション選択リスト81a、アプリケーション選択リスト82a、又は、Scan to Folderの保存先83aが、継続確認ダイアログ81〜83に表示されるとともに、アプリケーション選択リスト81aでのアプリケーションプログラムの指定、アプリケーション選択リスト82aでのアプリケーションプログラムの指定、又は、Scan to Folderの保存先83a、すなわち、Scan to Folderのパス指定が、記憶手段に一時的に保存される。
【0100】
続いて、UI処理部45は、ユーザによる継続確認ダイアログ81〜83のボタン押下を監視し、Cancel又はContinueのいずれのボタンの押下がされたかを判断する。
【0101】
そして、押下されたボタンの種別がCancelの場合、UI処理部45は、指定情報及び画像ファイルを削除する。具体的には、ScanTo機能処理部44に通知して、記憶手段に一時的に保存された情報であるアプリケーション選択リスト81aでのアプリケーションプログラムの指定、アプリケーション選択リスト82aでのアプリケーションプログラムの指定、又は、Scan to Folderの保存先83a、すなわち、Scan to Folderのパス指定を前記記憶手段から消去させて削除する。また、画像データ処理部43に処理キャンセルを通知して、一時保存フォルダであるC:¥C:¥Documents and Settings¥user¥Application Data¥Received Data¥に保存した画像ファイルを削除する。そして、UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
【0102】
一方、押下されたボタンの種別がContinueの場合、UI処理部45は、ScanTo機能処理部44に処理継続を通知する。すると、ScanTo機能処理部44は、ディスプレイ24の画面に表示されている継続確認ダイアログ81〜83に対応するScan to機能の種別に基づいて、継続する処理の種別がいずれであるか、すなわち、Scan to Application、Scan to Folder、及び、Scan to PC−Faxのいずれであるかを判断する。
【0103】
まず、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Application、すなわち、Applicationであるか否かを判断する。そして、Applicationである場合、ScanTo機能処理部44は、記憶手段に一時的に保存された情報であるアプリケーション選択リスト81aでのアプリケーションプログラムの指定を設定情報63に反映させ、前記記憶手段から消去する。続いて、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(アプリケーションプログラム用)に移動する。
【0104】
なお、継続する処理の種別がScan to Applicationである場合における以降の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0105】
また、継続する処理の種別がApplicationであるか否かを判断してApplicationでない場合、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to PC−Fax、すなわち、PC−Faxであるか否かを判断する。そして、PC−Faxである場合、ScanTo機能処理部44は、記憶手段に一時的に保存された情報であるアプリケーション選択リスト82aでのアプリケーションプログラムの指定を設定情報63に反映させ、前記記憶手段から消去する。続いて、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(PC−Fax用)に移動する。
【0106】
なお、継続する処理の種別がScan to PC−Faxである場合における以降の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0107】
また、継続する処理の種別がPC−Faxであるか否かを判断してPC−Faxでない場合、ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Folderであると判断し、記憶手段に一時的に保存された情報であるScan to Folderの保存先83a、すなわち、Scan to Folderのパス指定を設定情報63に反映させ、前記記憶手段から消去する。続いて、ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(フォルダ用)に移動する。
【0108】
なお、継続する処理の種別がScan to PC−Faxでない場合における以降の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0109】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 UI処理部45は、継続確認ダイアログ81〜83のいずれかを、ディスプレイ24の画面に表示させる。
ステップS42 UI処理部45は、Cancel又はContinueのいずれのボタンの押下がされたかを判断する。押下されたボタンの種別がCancelの場合はステップS43に進み、押下されたボタンの種別がContinueの場合はステップS44に進む。
ステップS43 UI処理部45は、指定情報及び画像ファイルを削除する。
ステップS44 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がApplicationであるか否かを判断する。継続する処理の種別がApplicationである場合は、ステップS45に進み、継続する処理の種別がApplicationでない場合はステップS49に進む。
ステップS45 ScanTo機能処理部44は、記憶手段に一時的に保存された情報を設定情報63に反映させ、記憶手段から消去する。
ステップS46 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(アプリケーションプログラム用)に移動する。
ステップS47 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してアプリケーションプログラムを起動し、画像を表示させる。
ステップS48 UI処理部45は、継続確認ダイアログ62を閉じて、継続確認処理を終了する。
ステップS49 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がPC−Faxであるか否かを判断する。継続する処理の種別がPC−Faxである場合はステップS50に進み、継続する処理の種別がPC−Faxでなかった場合は、ステップS53に進む。
ステップS50 ScanTo機能処理部44は、記憶手段に一時的に保存された情報を設定情報63に反映させ、記憶手段から消去する。
ステップS51 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(PC−Fax用)に移動する。
ステップS52 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルへのパスを指定してPC−Faxアプリケーションプログラムを起動し、画像をFax送信する。
ステップS53 ScanTo機能処理部44は、継続する処理の種別がScan to Folderであると判断し、記憶手段に一時的に保存された情報を設定情報63に反映させ、記憶手段から消去する。
ステップS54 ScanTo機能処理部44は、画像ファイルを指定フォルダ(フォルダ用)に移動する。
【0110】
このように、本実施の形態においては、ユーザは、画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作とともに、あらかじめ設定された処理を変更する操作を選択的に行うことができる。したがって、画像読取装置30を操作してプッシュスキャンを実行する前にあらかじめ設定されたアプリケーションプログラムによって画像ファイルを開いたり、画像ファイルをフォルダに保存することができることに加えて、プッシュスキャンの実行後に、ユーザの読取が終了した原稿を携えて端末装置20に戻ってきたときでも、画像ファイルを開くアプリケーションプログラムの選択や画像ファイルを保存する指定フォルダを容易に変更することが可能になる。
【0111】
なお、前記第1及び2の実施の形態においては、画像読取装置30がスキャナである場合について説明したが、MFP(Multi Function Printer:複合型プリンタ)、ファクシミリ機、複写装置等のようにスキャナとしての機能を備える装置であれば、いかなる装置であってもよい。
【0112】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、画像処理システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
10 画像処理システム
20 端末装置
30 画像読取装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像出力装置と、該画像出力装置から前記画像データを受信する情報処理装置とを有する画像処理システムであって、
(b)前記情報処理装置は、前記画像出力装置から受信した画像データを画像ファイルとして一時的に保存し、ユーザが前記画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作を行うと、一時的に保存した画像ファイルに対してあらかじめ設定された処理を実行することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記画像出力装置から受信した画像データを不可視属性の画像ファイルとして一時的に保存する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記あらかじめ設定された処理が実行された画像ファイルは、可視属性の画像ファイルとなる請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記ユーザは、前記画像ファイルに対する処理の継続を確認する操作とともに、前記あらかじめ設定した処理を変更する操作を選択的に行うことができる請求項1に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−45359(P2013−45359A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183988(P2011−183988)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】