説明

画像処理デバイス及び画像処理装置

【課題】本発明は、通常サイズと広幅サイズの画像処理に適用可能な画像処理デバイス及び画像処理装置に関する。
【解決手段】複合装置1の搭載する画像処理デバイス10は、ラインメモリ13に送り込まれる画像データの画素数を、入力カウンタ12でカウントして該カウント中と予め設定されたライン画素数分のカウント後とで状態の変化する制御出力信号を出力するとともに該ライン画素数分画素をカウントするとラインメモリ13への画像データの出力を禁止し、入力カウンタ12に入力される前の画像データに対して、画像処理部11で、所定の画像処理を施して、出力カウンタ14で、ラインメモリ13から送り出される画像データの画素数をカウントして該カウント中と該ライン画素数分のカウント後とで状態の変化する制御出力信号を出力するとともに該ライン画素数分画素をカウントするとラインメモリ13からの画像データの出力を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理デバイス及び画像処理装置に関し、詳細には、通常サイズと広幅サイズの画像処理に適用可能な画像処理デバイス及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置、スキャナ装置、複合装置等の画像処理装置は、従来より原稿の走査線上からの光を、イメージセンサチップ上に結像して画像の読み取りを行う画像読み取り装置が用いられている。
【0003】
イメージセンサとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device )イメージセンサやMOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられるが、その長さは、一般的な広幅原稿サイズであるA3サイズのイメージセンサが用いられており、通常、A3サイズ以上の広幅原稿サイズに対応する画像処理装置は、広幅機や大判機などと呼ばれて区別されている。
【0004】
A3サイズは、420×297ミリであり、A3サイズの画像を読み込むときには、一般的な複合装置等の画像処理装置は、スキャナ部に搭載されているラインイメージセンサによってA3サイズの短尺側を主走査側として主走査1ライン分の画像を一度に取り込んで画像データに変換し、次に、長尺側を副走査側に1画素分移動して次の主走査1ライン分の画像を一度に取り込んで画像データに変換するという読み取り処理を繰り返し線順次に行ってA3サイズ1ページ分の原稿の画像を読み取る。このとき、スキャナ部の解像度が600dpiであると、A3サイズの画像データは、主走査方向が、297ミリ×600dpi≒7016画素(ドット)であり、副走査方向が、420ミリ×600dpi≒9921画素(ドット)となる。
【0005】
そして、画像処理装置は、一般的にイメージセンサの出力する画像データを処理する画像処理デバイスとして、図9に示すようなASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のLSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)の画像処理デバイス100が用いられており、画像処理デバイス100は、一般的に、画像処理部101、入力カウンタ102、ラインメモリ103及び出力カウンタ104等を搭載している。
【0006】
このような画像処理デバイス100は、イメージセンサが、上述のように、画像データを線順次で出力するため、イメージセンサの出力する画像データのライン長に応じたメモリ量のラインメモリ103を搭載しており、また、ラインメモリ103へ入力する画素をカウントする入力カウンタ102及びラインメモリ103から出力する画素をカウントする出力カウンタ104の最大カウント値の大きさも、ラインメモリ103のメモリ容量の大きさに合わせた大きさになっている。すなわち、イメージセンサの読み取る画素数よりも大きなラインメモリ103やカウンタ102、104は、冗長で画像処理デバイス100のコストを上昇させてしまうこととなるからである。
【0007】
画像処理デバイス100は、上流側(例えば、イメージセンサ)から入力される画像データを、画像処理部101で、所定の主走査ライン単位で対応する演算処理を施してラインメモリ103に格納し、ラインメモリ103に格納される画素を入力カウンタ102でカウントして管理する。そして、画像処理デバイス100は、画像処理された画素が定められた主走査ライン数分だけ、ラインメモリ103に蓄積されると、定められた出力タイミングに合わせて、後段へ処理済みの画像データとして出力するが、この出力される画素を出力カウンタ104でカウントして管理する。画像処理部101で実行する画像処理としては、例えば、フィルタ処理や主走査縮小変倍処理等を上げることができる。
【0008】
このような画像処理デバイス100は、上述ように、画像処理部101、ラインメモリ103及びカウンタ102、104等がA3等の通常の原稿サイズに合わせた回路構成となっており、このようなA3サイズのイメージセンサの読み取った画像データを処理するための画像処理デバイス100に、A0等の広幅サイズの画像を流しても、ラインメモリ103が不足するため、対応することができず、また、ラインメモリ103の不足を補うために、画像処理デバイス100を、単に、並列に接続しても、カウンタの不足や出力画像の連結に対応することができない。ところが、これらの広幅画像に対応する画像処理ユニットは開発および生産コストが莫大であるにも関わらず、需要は少ないという問題がある。
【0009】
そして、例えば、A0サイズの広幅の原稿を読み取るためには、841ミリ以上という長さのイメージセンサを必要とし、一つのセンサチップで大型のイメージセンサを作成することは、技術的に難しく、また、コストも高くなることから、従来から、A0サイズ等の広幅の原稿を読み取る画像処理装置においては、A3サイズ等の通常サイズのイメージセンサを複数個組み合わせて配置して、各イメージセンサの出力する画像データを組み合わせて広幅原稿サイズの主走査方向全域の画像情報を得ている。
【0010】
このような通常サイズのイメージセンサを複数個配列する構成を用いると、各イメージセンサ間の境目部分で画像に繋ぎ目が生じないように、隣り合うイメージセンサチップの読み取り領域を一部重複させることが必要である。そこで、隣り合うイメージセンサチップの読み取り領域を一部重複させて千鳥状に配置し、重複部分で読み取った画像信号を電気的に繋ぎ合わせることにより、ズレのない画像を得ている。
【0011】
また、通常、画像処理においては、例えば、図10(a)に示すような通常サイズの画像をイメージセンサで読み取って画像処理デバイス100で画像処理する場合、画像の先端部分及び後端部分で、周囲の画素が不足するため、図10(b)にハッチングで示す端部処理領域に対して、補完等による端部処理を行う。ところが、図10(c)に示すような広幅原稿サイズの画像を2つのイメージセンサで読み取った画像を並列に接続した画像処理デバイス100で読み取って、画像処理を施す場合、図10(d)に示すように、端部処理を行った画像は、画像の中間部分と処理の内容が異なるため、この端部処理による画像の相異を考慮することなく、タイミングや外部カウンタ等で画像の連結を実現したとしても、境界部分で、画像の中間部分であるにもかかわらず端部処理の施された画像となり、かつ、この端部処理は、主走査の同じ位置に現れるため、副走査方向に一直線に端部処理の施された画像が並ぶことになり、画質低下がたとえ軽微であったとしても、不連続として非常に目立ちやすいという問題が発生する。このような画像処理デバイス100の接続部分で端部処理を行うと、図10(e)に示すような期待される出力画像ではなく、図10(d)に示したような画像の中間部分に端部処理による不連続部分が発生して、画質を低下させるおそれがある。
【0012】
なお、従来、広範囲のエリアを主走査方向で分割して読み取る副走査方向に位置ずれした複数の撮像手段における副走査方向の位置ずれによる該撮像手段間の画像データのタイミングずれを、補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、イメージセンサの副走査方向の位置ずれによるデータのタイミングずれを補正する技術であり、上記複数の画像処理デバイスを接続して画像処理する場合の画像中間部での端部処理による画質の低下の問題を解決することができない。汎用サイズの画像処理デバイスを複数用いて広幅サイズの画像データを高品質にかつ安価に処理する技術が要望されている。
【0014】
そこで、本発明は、広幅画像データに対しても、安価かつ高品質の画像処理を行うことのできる汎用サイズの画像データに対応した画像処理デバイス及び画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記目的を達成するために、画像データを所定画素数分記憶する容量を有するラインメモリに送り込まれる画像データの画素数を、入力カウント手段で、カウントして該カウント中と予め設定された規定画素数分のカウント後とで状態の変化する入力カウント制御信号を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントすると該ラインメモリへの該画像データの出力を禁止し、該入力カウント手段に入力される前の画像データまたは該ラインメモリから出力される画像データに対して、画像処理手段で、所定の画像処理を施して、出力カウント手段で、該ラインメモリから送り出される画像データの画素数をカウントして該カウント中と該規定画素数分のカウント後とで状態の変化する出力カウント制御信号を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントすると該ラインメモリからの該画像データの出力を禁止し、前記入力カウント手段が、外部から入力される前記入力カウント制御信号に基づいて前記画像データの出力/出力禁止と前記カウント動作の実行/実行停止を行い、前記出力カウント手段が、外部から入力される前記出力カウント制御信号に基づいて前記画像データの出力/出力禁止と前記カウント動作の実行/実行停止を行うことを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、前記画像処理手段が、前記入力カウント手段よりも前記画像データの流れの上流側に位置し、前記ラインメモリの容量を超える全て画像データに対して画像処理して該入力カウント手段に出力することを特徴としてもよい。
【0017】
さらに、本発明は、前記入力カウント手段または/及び前記出力カウント手段が、前記所定画素数として前記ラインメモリの記憶する前記所定画素数をカウントすることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、汎用サイズの画像データに対する画像処理を行うだけでなく、広幅画像データに対しても、安価かつ高品質の画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】画像処理デバイスの概略構成図。
【図3】通常機適用時の画像処理デバイスの接続状態を示す図。
【図4】広幅機適用時の画像処理デバイスの接続状態を示す図。
【図5】広幅機適用時における画像処理部から入力カウンタへ画像データを出力している状態の画像処理デバイスの動作説明図。
【図6】広幅機適用時における入力カウンタからラインメモリへの中間領域の画像データ転送制御を行っている状態の画像処理デバイスの動作説明図。
【図7】広幅機適用時における入力カウンタからラインメモリへの後領域の画像データ転送制御を行っている状態の画像処理デバイスの動作説明図。
【図8】画像処理デバイスの他の例の概略構成図。
【図9】従来の画像処理デバイスの概略構成図。
【図10】従来の複数の画像処理デバイスによる画像処理の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0021】
図1〜図8は、本発明の画像処理デバイス及び画像処理装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理デバイス及び画像処理装置の一実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0022】
図1において、複合装置1は、スキャナユニット2、画像処理ユニット3、ネットワークコントローラユニット4、画像処理ユニット5及びプリンタユニット6等を備えているとともに、図示しないが、複合装置1に各種操作を行ったり処理結果等のユーザへの通知情報の表示を行う操作表示部、画像データのファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部、画像データを蓄積するハードディスク等を備えている。
【0023】
スキャナユニット2は、原稿に読み取り光を照射してその反射光を光電変換した画像信号をデジタル変換してデジタルの画像データを画像処理ユニット3に出力する。このスキャナユニット2は、通常、複合装置1が、A3までの通常サイズ以下の原稿の画像データのみを読み取る場合には、1主走査ライン分を読み取る1つのイメージセンサが用いられており、イメージセンサとしては、CCDイメージセンサまたはMOSイメージセンサ等が用いられている。スキャナユニット2の解像度が600dpiであると、スキャナユニット2の出力する画像データは、A3サイズ場合、主走査方向が、297ミリ×600dpi≒7016画素(ドット)、副走査方向が、420ミリ×600dpi≒9921画素(ドット)となる。
【0024】
また、スキャナユニット2は、複合装置1が広幅機である場合、A0サイズ等の広幅の原稿の読み取りを行うこととなり、この場合、読み取り対象の広幅原稿の短尺方向を主走査方向として該主走査方向のサイズの最大サイズを読み取り可能なイメージセンサが用いられる。この際、スキャナユニット2は、イメージセンサとして、複数の通常サイズのイメージセンサを副走査方向に位置ずれさせて主走査方向端部が所定画素分重なる状態で配設したイメージセンサを用いる。
【0025】
画像処理ユニット3は、ASIC等のLSIが用いられ、スキャナユニット2から入力される画像データに対してスキャナ特性の補正等の画像処理(例えば、シェーディング補正処理等)を施してネットワークコントローラユニット4に渡す。
【0026】
ネットワークコントローラユニット4は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ネットワークインターフェイス等を備え、CPUが、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ複合装置1の各部を制御して複合装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明の画像処理を実行する。ネットワークコントローラユニット4のネットワークインターフェイスには、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークが接続され、ネットワークコントローラユニット4は、ネットワークインターフェイスを介してネットワーク上のコンピュータや画像処理装置等の端末とコマンド及びデータの授受を行う。ネットワークコントローラユニット4は、スキャナユニット2の読み取った原稿の画像データ、ネットワークインターフェイスを介してネットワークから受信した画像データ、図示しないファクシミリ通信部が受信した画像データを画像処理ユニット5で必要な画像処理を行わせて、画像処理の完了した画像データをネットワークインターフェイスを介して他の画像処理装置やコンピュータ等に転送したり、ファクシミリ通信部からファクシミリ送信させたり、プリンタユニット6でフィルムや用紙等の印刷媒体(以下、単に、用紙という。)に印刷出力させる。
【0027】
画像処理ユニット5は、ネットワークコントローラユニット4の制御下で、ネットワークコントローラユニット4から入力される画像データに対して画像処理を施して、ネットワークコントローラユニット4に戻したり、プリンタユニット6に出力する。画像処理ユニット5が行う画像処理としては、例えば、フィルタ処理、主走査変倍処理等を行う。
【0028】
プリンタユニット6は、電子写真方式やインク噴射方式等の印刷方式によって画像処理ユニット5から送られてくる画像データに基づいて用紙等の印刷媒体(以下、単に、用紙という。)に画像を印刷出力する。プリンタユニット6は、通常、A3サイズ等の通常サイズまでの用紙に画像を印刷出力するが、複合装置1が広幅機である場合、A0サイズ等の広幅サイズに対応したプリンタユニット6が接続される。
【0029】
そして、上記画像処理ユニット3、5は、図2に示すような画像処理デバイス10を1つまたは複数搭載しており、搭載する画像処理デバイス10によって入力画像データに対して必要な画像処理を行う。
【0030】
画像処理デバイス10は、画像処理部11、入力カウンタ12、ラインメモリ13、出力カウンタ14、データ入力部15、データ転送部16、入力カウンタ制御信号入力部17、入力カウンタ制御信号出力部18、第2外部データ入力部19、出力カウンタ制御信号入力部20、出力カウンタ制御信号出力部21、データ出力部22等を備えており、データ入力部15にスキャナユニット2、ネットワークコントローラユニット4または前段の画像処理デバイス10から画像データが入力される。
【0031】
データ入力部15は、入力される画像データを画像処理部11に入力し、データ転送部(バイパス手段)16は、入力される該画像データをデータ入力部15から分岐させて外部画像データ出力として、画像処理ユニット3、5が複数の画像処理デバイス10で構成されている場合に、次段の画像処理デバイス10に出力する。
【0032】
画像処理部(画像処理手段)11は、データ入力部15を介して入力される画像データに対して予め設定されている画像処理、例えば、シェーディング補正等を施して、入力カウンタ12に出力する。
【0033】
入力カウンタ(入力カウント手段)12には、外部から制御入力信号(入力カウント制御信号)が入力カウンタ制御信号入力部(入力カウント制御信号入力手段)17を通して入力され、入力カウンタ12は、制御入力信号がLow(ロー)のときに、画像処理部11から送られてくる画像データの画素数をカウントして、画像データをラインメモリ13に送り出すとともに、カウント中においては、High(ハイ)の制御出力信号(入力カウント制御信号)を入力カウンタ制御信号出力部(入力カウント制御信号出力手段)18を通して外部(次段の画像処理ユニット3、5等)に出力する。入力カウンタ12は、制御入力信号がHighであると、入力される画像データのラインメモリ13への出力を禁止するとともに、画素のカウント処理を停止する。
【0034】
入力カウンタ12は、予め設定された規定画素数、例えば、ラインメモリ13のメモリ容量分の画素数(以下、ライン画素数という。)をカウントして、該ライン画素数のカウント中は、High(ハイ)の制御出力信号を入力カウンタ制御信号出力部18を通して次段の画像処理ユニット3、5に出力し、該ライン画素数のカウントを完了すると、Lowの制御出力信号を入力カウンタ制御信号出力部18を通して次段の画像処理ユニット3、5に出力する。
【0035】
ラインメモリ13は、A3等の通常サイズの画像データを主走査ライン分記憶する容量を有しており、入力された画像データを所定のタイミングで出力カウンタ14に出力する。
【0036】
出力カウンタ14には、ラインメモリ13から画像データが入力されるとともに、第2データ入力部(処理済み画像データ入力手段)19を通して外部(特に、次段の画像処理デバイス10)から画像データが入力され、外部から出力カウンタ制御信号入力部(出力カウント制御信号入力手段)20を通して制御入力信号(出力カウント制御信号)が入力される。
【0037】
出力カウンタ14は、制御入力信号がLow(ロー)のときに、ラインメモリ13から送られてくる画像データの画素数をカウントして、画像データをデータ出力部22を通して外部に送り出すとともに、カウント中においては、High(ハイ)の制御出力信号(出力カウント制御信号)を出力カウンタ制御信号出力部(出力カウント制御信号出力手段)21を通して次段の画像処理デバイス10に出力する。入力カウンタ12は、制御入力信号がHighであると、入力される画像データのラインメモリ13への出力を禁止するとともに、画素のカウント処理を停止する。
【0038】
出力カウンタ14には、予め設定された規定画素数、例えば、ラインメモリ13のメモリ容量分の画素数(以下、ライン画素数という。)をカウントして、該ライン画素数のカウント中は、Highの制御出力信号を出力カウンタ制御信号出力部21を通して次段の画像処理デバイス10に出力し、該ライン画素数のカウントを完了すると、Lowの制御出力信号を出力カウンタ制御信号出力部21を通して次段の画像処理デバイス10に出力する。このとき、次段の画像処理デバイスの出力カウンタ14は、制御入力信号がHighからLowに切り替わるため、ラインメモリ13からの画像データをデータ出力部22を通して外部に出力するとともに、ライン画素数のカウントを行う。
【0039】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、画像処理ユニット3、5に搭載されている画像処理デバイス10として、通常サイズの画像データに対応するとともに、広幅サイズの画像データにも対応する画像処理デバイスが搭載されている。
【0040】
すなわち、本実施例の画像処理ユニット3、5に用いられている画像処理デバイス10は、図2に示したように、画像処理部11、入力カウンタ12、ラインメモリ13、出力カウンタ14、データ入力部15、データ転送部16、入力カウンタ制御信号入力部17、入力カウンタ制御信号出力部18、第2外部データ入力部19、出力カウンタ制御信号入力部20、出力カウンタ制御信号出力部21、データ出力部22等を備えており、データ入力部15にスキャナユニット2またはネットワークコントローラユニット4から画像データが入力される。そして、入力カウンタ12には、外部からの制御入力信号を入力する入力カウンタ制御信号入力部17と外部へ制御出力信号を出力する入力カウンタ制御信号出力部18が接続され、出力カウンタ14には、外部からの制御入力信号を入力する出力カウンタ制御信号入力部20と外部へ制御出力信号を出力する出力カウンタ制御信号出力部21が接続されている。さらに、出力カウンタ14には、外部からの画像データ(特に、次段の画像処理デバイス10の出力する画像データ)を入力する第2外部データ入力部19が接続されている。
【0041】
入力カウンタ12は、制御入力信号がLowのときに、画像処理部11から入力される画像データの画素を上記ライン画素数までカウントしつつラインメモリ13へ送り出し、このライン画素数までカウントしている間は、入力カウンタ制御信号出力部18を通してHighの制御出力信号を外部に出力する。また、出力カウンタ14は、制御入力信号がLowのときに、ラインメモリ13から入力される画像データの画素を上記ライン画素数までカウントしつつデータ出力部22を通して外部に送り出し、このライン画素数までカウントしている間は、出力カウンタ制御信号出力部21を通してHighの制御出力信号を外部に出力する。
【0042】
そして、画像処理ユニット3、5の画像処理デバイス10は、適用される複合装置1が通常サイズの画像データを取り扱う通常機であると、図3に示すように、入力カウンタ12において、その入力カウンタ制御信号入力部17が接地(GNDに接続)され、出力カウンタ14において、その出力カウンタ制御信号入力部20と第2外部データ入力部19が接地(GNDに接続)される。
【0043】
このように接続することで、入力カウンタ12は、画像処理部11から送られてくる画像データの画素をライン画素数までカウントしつつ、ラインメモリ13に格納し、カウント結果を外部に入力カウンタ制御信号出力部18を通して出力することができる。また、出力カウンタ14は、ラインメモリ13からの画像データの画素をライン画素数までカウントしつつ、データ出力部22を通して外部に出力し、カウント結果を外部に出力カウンタ制御信号出力部21を通して出力することができる。
【0044】
したがって、通常サイズの複合装置1は、画像処理デバイス10を搭載する画像処理ユニット3、5を用いて画像データに対してライン単位に必要な画像処理を施して後段に出力することができ、適切な画像処理を行うことができる。
【0045】
一方、複合装置1がA0サイズ等の広幅画像データを取り扱う広幅機であると、複合装置1は、取り扱う画像データの最大主走査サイズに合わせた数だけ、画像処理ユニット3、5には、例えば、図4に示すように、3つの前領域画像処理デバイス10a、中間領域画像処理デバイス10b及び後領域画像処理デバイス10cが並列に接続され、それぞれの画像デバイス10a〜10cが主走査方向の画像領域を分担して処理する。
【0046】
すなわち、この場合、画像処理ユニット3、5は、3つの画像処理デバイス10a、10b、10cのうち、前領域画像処理デバイス10a及び中間領域画像処理デバイス10bのデータ転送部16a、16bが並列接続次段のデータ入力部15b、15cに接続され、前領域画像処理デバイス10a及び中間領域画像処理デバイス10bの入力カウンタ制御信号出力部18a、18bが並列接続次段の入力カウンタ制御信号入力部17b、17cに接続せれているとともに、前領域画像処理デバイス10aの入力カウンタ制御信号入力部17aが接地されている。また、画像処理ユニット3、5は、前領域画像処理デバイス10a及び中間領域画像処理デバイス10bの出力カウンタ制御信号出力部21a、21bが、並列接続次段の出力カウンタ制御信号入力部20b、20cに接続され、前領域画像処理デバイス10aの出力カウンタ制御信号入力部20aが接地されている。さらに、画像処理ユニット3、5は、前領域画像処理デバイス10aのデータ出力部22aのみが、画像処理ユニット3、5の次段の回路または画像処理ユニット3、5の外部への端子に接続され、中間領域画像処理デバイス10b及び後領域画像処理デバイス10cのデータ出力部22b、22cは、並列接続前段の第2外部データ入力部19a、19bに接続されている。
【0047】
そして、画像処理ユニット3、5は、図5に示すように、スキャナユニット2またはネットワークコントローラユニット4あるいは前段の画像処理デバイスから画像データ(画像入力)が、前領域画像処理デバイス10aのデータ入力部15aに入力される。前領域画像処理デバイス10aは、データ入力部15aに入力された画像データを、画像処理部11aに入力するとともに、データ転送部16aを通して並列接続次段の中間領域画像処理デバイス10bのデータ入力部15bに転送する。中間領域画像処理デバイス10bは、さらに、データ入力部15bに入力された画像データを、自己の画像処理部11bに入力するとともに、データ転送部16bを通して並列接続次段の後領域画像処理デバイス10cのデータ入力部15cに転送する。後領域画像処理デバイス10cは、データ入力部15cに入力された画像データを画像処理部11cに入力するとともに、データ転送部16cによってさらに後段のデバイスに出力するが、本実施例では、後領域画像処理デバイス10cには、後段のデバイスが接続されていないため、データ転送部16cは、データ転送を行わない。
【0048】
そして、各画像処理デバイス10a、10b、10cの画像処理部11a、11b、11cは、入力される画像データに対して全て予め設定されている画像処理を施して、図5に画像データの状態を模式的に示すように、順次入力カウンタ12a、12b、12cに出力する。なお、図5においては、画像データに対して、前方、中間、後方と記載されているのは、前方が、前領域画像処理デバイス10aが処理を担当する画像データを、中間が、中間領域画像処理デバイス10bが処理を担当する画像データを、後方が、後領域画像処理デバイス10cが処理を担当する画像データを、それぞれ示している。
【0049】
次に、前領域画像処理デバイス10aの入力カウンタ12aは、入力カウンタ制御信号入力部17aが接地されているため、Lowの制御入力信号が入力され、画像処理部11aで画像処理された画像データを順次ラインメモリ13aに送り込んで、図5に示すように、ラインメモリ13aに格納させるとともに、送り込み画像データの画素数をカウントし、この画素数をカウントしている間は、入力カウンタ制御信号出力部18aからHighの制御出力信号を並列接続次段の中間領域画像処理デバイス10bの入力カウンタ制御信号入力部17bに制御入力信号として出力する。入力カウンタ12aは、ラインメモリ13aのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに画像データの出力を禁止して、中間領域画像処理デバイス10bの入力カウンタ制御信号入力部17bに出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0050】
中間領域画像処理デバイス10bの入力カウンタ12bは、入力カウンタ制御信号入力部17bに前領域画像処理デバイス10aから入力されている制御入力信号がHighの間は、画像処理部11bから順次送られてくる画像処理済みの画像データのラインメモリ13bへの転送を禁止し、制御入力信号がHighからLowに切り替わると、図6に示すように、画像処理部11bから送られてくる画像処理済みの中間の画像データを順次ラインメモリ13bに送り込んで、ラインメモリ13bに格納させるとともに、送り込み画像データの画素数をカウントする。入力カウンタ12bは、この画素数をカウントしている間は、入力カウンタ制御信号出力部18bからHighの制御出力信号を並列接続次段の後領域画像処理デバイス10cの入力カウンタ制御信号入力部17cに制御入力信号として出力する。入力カウンタ12bは、ラインメモリ13bのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに画像データの出力を禁止して、後領域画像処理デバイス10cの入力カウンタ制御信号入力部17cに出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0051】
また、後領域画像処理デバイス10cは、その入力カウンタ12cが、入力カウンタ制御信号入力部17cに中間領域画像処理デバイス10bから入力されている制御入力信号がHighの間は、画像処理部11cから順次送られてくる画像処理済みの画像データのラインメモリ13cへの転送を禁止し、制御入力信号がHighからLowに切り替わると、図7に示すように、画像処理部11bから送られてくる画像処理済みの後方の画像データを順次ラインメモリ13cに送り込んで、ラインメモリ13cに格納させるとともに、送り込み画像データの画素数をカウントする。入力カウンタ12cは、この画素数をカウントしている間は、入力カウンタ制御信号出力部18cからHighの制御出力信号をデバイス外に出力し、画像処理ユニット3、5が、この制御出力信号を利用して、処理を行ってもよい。入力カウンタ12cは、ラインメモリ13cのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに画像データの出力を禁止して、入力カウンタ制御信号出力部18cから出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0052】
そして、上記動作を各画像処理デバイス10a、10b、10cの画像処理部11a、11b、11c及び入力カウンタ12a、12b、12cが行うことで、各画像処理デバイス10a、10b、10cのラインメモリ13a、13b、13cには、広幅原稿1ライン分の画像データが、それぞれ画像処理されて前方、中間、後方に分かれて格納される。また、各画像処理デバイス10a、10b、10cの画像処理部11a、11b、11cは、図5から図7の画像データにハッチングで示すように、1ラインの画像データの先端及び後端でのみ、該先端及び後端に対応した端部処理を行い、この1ラインの先端及び後端の識別を、通常、有効画像識別信号や同期信号の設定等に基づいて行う。すなわち、各画像処理デバイス10a、10b、10cの画像処理部11a、11b、11cは、その画像処理の担当領域の区別無くひとつの画像として画像処理するため、画像の途中で端部処理を行わず、画像の先端及び後端のみで端部処理を行う。
【0053】
次に、画像処理ユニット3、5は、所定の出力タイミングに、前領域画像処理デバイス10aのラインメモリ13aの前方画像データから、順次、中間領域画像処理デバイス10bのラインメモリ13bの中間画像データ及び後領域画像処理デバイス10cのラインメモリ13cの後方画像データを前領域画像処理デバイス10aから出力する。すなわち、前領域画像処理デバイス10aの出力カウンタ14aは、その出力カウンタ制御信号入力部20aが接地されているため、Lowの制御入力信号が入力され、ラインメモリ13aから送り出される前方画像データをデータ出力部22aから次段のデバイス等に出力するとともに、出力する画像データの画素数をカウントする。出力カウンタ14aは、この画素数をカウントしている間は、出力カウンタ制御信号出力部21aからHighの制御出力信号を制御入力信号として並列接続次段の中間領域画像処理デバイス10bの出力カウンタ制御信号入力部22bに出力する。出力カウンタ14aは、ラインメモリ13aのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに、ラインメモリ13aからの画像データの出力を禁止して、中間領域画像処理デバイス10bの出力カウンタ制御信号入力部20bに出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0054】
中間領域画像処理デバイス10bの出力カウンタ14bは、出力カウンタ制御信号入力部20bに前領域画像処理デバイス10aから入力されている制御入力信号がHighの間は、ラインメモリ13bの中間画像データのデータ出力部22bを通して並列接続前段の前領域画像処理デバイス10aの第2外部データ入力部19aに出力するのを禁止し、制御入力信号がHighからLowに切り替わると、ラインメモリ13bの中間画像データを、データ出力部22bを通して前領域画像処理デバイス10aの第2外部データ入力部19aに出力するとともに、出力画像データの画素数をカウントする。出力カウンタ14bは、この画素数をカウントしている間は、入力カウンタ制御信号出力部21bからHighの制御出力信号を制御入力信号として並列接続次段の後領域画像処理デバイス10cの出力カウンタ制御信号入力部20cに出力する。
【0055】
前領域画像処理デバイス10aは、第2外部データ入力部19aから出力カウンタ14aに入力される中間画像データをデータ出力部22aを通して前領域画像処理デバイス10a外に出力する。
【0056】
出力カウンタ14bは、ラインメモリ13bのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに画像データの出力を禁止して、後領域画像処理デバイス10cの出力カウンタ制御信号入力部20cに出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0057】
また、後領域画像処理デバイス10cは、その出力カウンタ14cが、出力カウンタ制御信号入力部17cに中間領域画像処理デバイス10bから入力されている制御入力信号がHighの間は、ラインメモリ13cの後方画像データのデータ出力部22cを通して並列接続前段の中間領域画像処理デバイス10bの第2外部データ入力部19bに出力するのを禁止し、制御入力信号がHighからLowに切り替わると、ラインメモリ13cの後方画像データを、データ出力部22cを通して中間領域画像処理デバイス10bの第2外部データ入力部19bに出力するとともに、出力画像データの画素数をカウントする。出力カウンタ14cは、この画素数をカウントしている間は、出力カウンタ制御信号出力部21cからHighの制御出力信号をデバイス外に出力し、画像処理ユニット3、5が、この制御出力信号を利用して、処理を行ってもよい。出力カウンタ14cは、ラインメモリ13cのメモリ容量分の画素数(ライン画素数)だけカウントすると、カウント動作を停止するとともに画像データの出力を禁止して、出力カウンタ制御信号出力部21cから出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。そして、中間領域画像処理デバイス10bは、後領域画像処理デバイス10cから第2外部データ入力部19bに入力される後方画像データを出力カウンタ14bからデータ出力部22bを通して前領域画像処理デバイス10aの第2外部データ入力部19aに出力する。前領域画像処理デバイス10aは、中間領域画像処理デバイス10bから第2外部データ入力部19aに入力される後方画像データを出力カウンタ14aからデータ出力部22aを通して前領域画像処理デバイス10a外に出力する。
【0058】
なお、本実施例の複合装置1は、その画像処理ユニット3、5の搭載する画像処理デバイス10、10a〜10cが、画像処理部11、11a〜11cで画像処理した画像データを入力カウンタ12、12a〜12cでラインメモリ13、13a〜13cに格納して、ラインメモリ13、13a〜13cの画像データを出力カウンタ14、14a〜14cを通して出力しているが、画像処理部11、11a〜11cとラインメモリ13、13a〜13cの画像処理デバイス10、10a〜10c上での処理位置は、図9に示す画像処理デバイス30のように、ラインメモリ13に一旦格納した画像データを画像処理部11で画像処理するようにしてもよい。この場合、画像処理デバイス30は、入力画像データをデータ入力部15を通して入力カウンタ12に渡すとともにデータ転送部16を通して次段の画像処理デバイス30に送り出し、入力カウンタ12が、入力カウンタ制御信号入力部17を通して入力される制御入力信号に応じて、上述のようにラインメモリ13に画像データを格納するとともに画像データの画素数をカウントして、画素数をカウント中は、入力カウンタ制御信号出力部18からHighの制御出力信号を出力する。入力カウンタ12は、ライン画素数をカウントすると、カウント動作を停止するとともに、入力画像データのラインメモリ13への格納を禁止し、入力カウンタ制御信号出力部18から出力している制御出力信号をHighからLowに切り替える。
【0059】
画像処理デバイス30は、ラインメモリ13に格納した画像データを出力カウンタ14が出力カウンタ制御信号入力部20から入力される制御入力信号に応じて、上述のようにラインメモリ13の画像データを画像処理部11に出力するとともに、ライン画素数をカウントして、カウント中は、出力カウンタ制御信号出力部21を通してHighの制御出力信号を出力し、ライン画素数をカウントすると、ラインメモリ13の画像処理部11への画像データの出力を停止するとともに、出力カウンタ制御信号出力部21を通して出力している制御出力信号をLowに切り替える。また、画像処理デバイス30は、出力カウンタ制御信号出力部21を分岐させて分岐出力カウンタ制御信号出力部31として画像処理部11に接続し、制御出力信号を画像処理部11にも出力する。
【0060】
画像処理部11は、分岐出力カウンタ制御信号出力部31から入力される制御出力信号がHighの間だけ、出力カウンタ14を介してラインメモリ13から入力される1ライン分の画像データに対して予め設定されている画像処理、例えば、主走査拡大変倍処理等を施して、データ出力部22からデバイス外に出力する。
【0061】
このように、本実施例の複合装置1は、その画像処理ユニット3、5の搭載している画像処理デバイス10、10a〜10c、30が、画像データを所定画素数分記憶する容量を有するラインメモリ13、13a〜13cに送り込まれる画像データの画素数を、入力カウンタ12、12a〜12cで、カウントして該カウント中と予め設定された規定画素数分のカウント後とで状態の変化する制御出力信号(入力カウント制御信号)を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントするとラインメモリ13、13a〜13cへの該画像データの出力を禁止し、入力カウンタ12、12a〜12cに入力される前の画像データまたはラインメモリ13、13a〜13cから出力される画像データに対して、画像処理部11で、所定の画像処理を施して、出力カウンタ14、14a〜14cで、ラインメモリ13、13a〜13cから送り出される画像データの画素数をカウントして該カウント中と該規定画素数分のカウント後とで状態の変化する制御出力信号(出力カウント制御信号)を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントするとラインメモリ13、13a〜13cからの画像データの出力を禁止する。画像処理デバイス10、10a〜10cは、入力カウンタ12、12a〜12cが、外部から入力される制御入力信号(入力カウント制御信号)に基づいて、上記画像データの出力/出力禁止と上記カウント動作の実行/実行停止を行い、出力カウンタ14、14a〜14cが、外部から入力される制御入力信号(出力カウント制御信号)に基づいて上記画像データの出力/出力禁止と上記カウント動作の実行/実行停止を行っている。
【0062】
したがって、通常機に画像処理デバイス10、30を搭載することで、通常サイズ(汎用サイズ)の画像データを画像処理デバイス10、30で適切に処理することができるとともに、広幅機に、複数の画像処理デバイス10a〜10cを並列接続して搭載することで、ソフトウェア等によって外部からの設定や制御を個別に行うことなく、各画像処理デバイス10a〜10cが自動的に担当画像領域の画像処理を連動して行って、安価にかつ高品質の画像処理を行うことができる。
【0063】
また、本実施例の複合装置1は、画像処理部11、11a〜11cが、入力カウンタ12、12a〜12cよりも画像データの流れ方向の上流側に位置し、ラインメモリ13、13a〜13cの容量を超える全て画像データに対して画像処理して入力カウンタ12、12a〜12cに出力している。
【0064】
したがって、並列に接続された他の画像処理デバイス10、10a〜10cが画像処理を担当する画像領域と自己が画像処理を担当する画像領域との境界で、中間画像であるにも関わらず画像の端部処理が行われてしまって画像連結後の連結部分の不連続画像を発生することを簡単かつ容易に防止することができ、安価に画像品質を向上させることができる。
【0065】
さらに、本実施例の複合装置1は、画像処理デバイス10、10a〜10cが、外部から入力される画像データをそのまま外部に出力するデータ転送部16を備えている。
【0066】
したがって、並列に接続する複数の画像処理デバイス10、10a〜10cの入力画像信号線の接続の這い回しを、同時に接続するカウンタ制御信号と揃えて容易に接続することができ、回路構成を簡単にしてコストを削減することができる。すなわち、データ転送部16を備えていない場合、複数のバス信号からなる画像信号線を並列に接続するために、基板上にその配線領域が必要になり、回路構成が複雑化、大型化して、コストが高くなる。
【0067】
また、本実施例の複合装置1は、画像処理デバイス10、10a〜10cが、他の画像処理デバイスの出力する画像データを出力カウンタ14、14a〜14cに入力する第2データ入力部(処理済み画像データ入力手段)19を備え、出力カウンタ14、14a〜14cが、出力カウンタ制御信号入力部20、20a〜20cを通して入力される制御入力信号(出力カウント制御信号)に基づいて、ラインメモリ13、13a〜13cからの画像データと第2データ入力部19からの画像データを選択して出力するとともに、出力する該画像データの画素数をカウントして出力カウンタ制御信号出力部21を通して出力する制御出力信号(出力カウント制御信号)の状態の制御と画像データの出力制御を行っている。
【0068】
したがって、制御入力信号によって出力カウンタ14、14a〜14cの動作を切り替えることができ、通常サイズの画像データと広幅サイズの画像データを簡単な回路構成で、適切に処理することができる。
【0069】
さらに、本実施例の複合装置1は、入力カウンタ12、12a〜12c及び出力カウンタ14、14a〜14cが、所定画素数としてラインメモリ13、13a〜13cの記憶する所定画素数をカウントしている。
【0070】
したがって、広幅機に搭載する場合にも、入力カウンタ12、12a〜12c及び出力カウンタ14、14a〜14cとして、広幅サイズの主走査1ライン分の画素数をカウントするカウンタを実装することなく、画像処理デバイス10、10a〜10c単体分のカウンタを実装するだけで適切に処理を行うことができ、処理効率を向上させることができるとともに、コストを削減することができる。また、入力カウンタ12、12a〜12c及び出力カウンタ14、14a〜14cが、このラインメモリ13、13a〜13cの容量分の所定画素数をカウントすると、制御出力信号をHighからLowに切り替えているので、効率的にラインメモリ13、13a〜13cを利用しつつ、容易に並列接続されている他の画像処理デバイス10、10a〜10cのラインメモリ13、13a〜13cと連携することができる。
【0071】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、A3等の通常サイズとA0等の広幅サイズの両方の画像データの処理に適用可能なASIC等の画像処理デバイス及び該画像処理デバイスを搭載したスキャナ装置、複写装置、複合装置、プリンタ装置、コンピュータ等の画像処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 複合装置
2 スキャナユニット
3 画像処理ユニット
4 ネットワークコントローラユニット
5 画像処理ユニット
6 プリンタユニット
10、10a、10b、10c 画像処理デバイス
11 画像処理部
12 入力カウンタ
13 ラインメモリ
14 出力カウンタ
15、15a、15b、15c データ入力部
16、16a、16b、16c データ転送部
17、17a、17b、17c 入力カウンタ制御信号入力部
18、18a、18b、18c 入力カウンタ制御信号出力部
19、19a、19b、19c 第2外部データ入力部
20、20a、20b、20c 出力カウンタ制御信号入力部
21、21a、21b、21c 出力カウンタ制御信号出力部
22、22a、22b、22c データ出力部
30 画像処理デバイス
31 分岐出力カウンタ制御信号出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2004−215011号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを所定画素数分記憶する容量を有するラインメモリと、
前記ラインメモリに送り込まれる画像データの画素数をカウントして該カウント中と予め設定された規定画素数分のカウント後とで状態の変化する入力カウント制御信号を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントすると該ラインメモリへの該画像データの出力を禁止する入力カウント手段と、
前記入力カウント手段の出力する前記入力カウント制御信号を外部に出力する入力カウント制御信号出力手段と、
外部からの入力カウント制御信号を前記入力カウント手段に入力する入力カウント制御信号入力手段と、
前記入力カウント手段に入力される前の画像データまたは前記ラインメモリから出力される画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理手段と、
前記ラインメモリから送り出される画像データの画素数をカウントして該カウント中と前記規定画素数分のカウント後とで状態の変化する出力カウント制御信号を出力するとともに該規定画素数分画素をカウントすると該ラインメモリからの該画像データの出力を禁止する出力カウント手段と、
前記出力カウント手段の出力する前記出力カウント制御信号を外部に出力する出力カウント制御信号出力手段と、
外部からの出力カウント制御信号を前記出力カウント手段に入力する出力カウント制御信号入力手段と、
を備え、前記入力カウント手段は、前記入力カウント制御信号入力手段によって入力される前記入力カウント制御信号に基づいて前記画像データの出力/出力禁止と前記カウント動作の実行/実行停止を行い、前記出力カウント手段は、前記出力カウント制御信号入力手段によって入力される前記出力カウント制御信号に基づいて前記画像データの出力/出力禁止と前記カウント動作の実行/実行停止を行うことを特徴とする画像処理デバイス。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記入力カウント手段よりも前記画像データの流れ方向の上流側に位置し、前記ラインメモリの容量を超える全て画像データに対して画像処理して該入力カウント手段に出力することを特徴とする請求項1記載の画像処理デバイス。
【請求項3】
前記画像処理デバイスは、外部から入力される前記画像データをそのまま外部に出力するバイパス手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理デバイス。
【請求項4】
前記画像処理デバイスは、
他の画像処理デバイスの出力する画像データを前記出力カウント手段に入力する処理済み画像データ入力手段を、さらに備え、
前記出力カウント手段は、前記出力カウント制御信号入力手段を通して入力される前記出力カウント制御信号に基づいて、前記ラインメモリからの画像データと前記処理済み画像データ入力手段からの画像データを選択して出力するとともに、出力する該画像データの画素数をカウントして前記出力カウント制御信号の状態の制御と画像データの出力制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理デバイス。
【請求項5】
前記入力カウント手段及び前記出力カウント手段は、前記所定画素数として前記ラインメモリの記憶する前記所定画素数をカウントすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理デバイス。
【請求項6】
入力される画像データに対して画像処理デバイスで必要な画像処理を施して、所定の出力形態で出力する画像処理装置であって、前記画像処理デバイスとして、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理デバイスを並列接続方向に1つまたは複数搭載していることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−182334(P2011−182334A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46946(P2010−46946)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】