説明

画像処理フロー評価方法及び当該方法を実行する画像処理装置

【課題】領域抽出に使用する処理フローの選択は操作者の経験に依存する。
【解決手段】目的に応じて異なる処理フローを適用すべき状況において、操作者による領域抽出に対する評価(修正操作に対する評価又は臨床指標に基づく評価)に基づいて、対応する処理フローの評価値を算出し、当該評価値を処理フローに対応付けてデータベースに蓄積するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理フロー評価方法及び当該方法を実行する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像は、非侵襲的に体内の情報を得ることができるため、近年、広く診断に用いられてきている。例えば患部の診断や経過観察には、X線コンピュータ断層撮影(Computer Tomography:CT)装置や核磁気共鳴撮影(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置、陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)装置、単一光子放射断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography:SPECT)装置その他の医用画像装置を通じて取得した三次元画像が用いられている。
【0003】
これらの三次元画像には、様々な情報が含まれている。このため、当該三次元画像は、単なる読影のためだけでなく、各種の情報を抽出するためにも使用されている。例えばX線CT装置の場合、空間分解能の高いボリューム画像を取得することができる。このボリューム画像の場合、セグメンテーション技術の適用後、さらに抽出された画像領域に対してボリュームレンダリング技術を適用することにより、臓器や血管等を3次元的に可視化することができる。また、ボリューム画像に対して様々な画像処理アルゴリズムを適用して腫瘍などの病変部位を抽出し、それらの最大径や体積などを求めれば、病変部位を定量的に評価することもできる。
【0004】
このように、医用画像装置から得られる画像は多岐にわたり、一方でそれら画像の処理方法も多岐にわたる。このため、目的に適した画像、画像処理方法及びその処理フローの選択と実行が重要である。
【0005】
特許文献1には、各画像データに付帯された情報等の解析を通じ、画像データの集合の中から検査の目的と対象部位を求め、次に、解析に適した画像解析プロトコルを決定し、さらに、決定された画像解析プロトコルに従って画像データを画像解析し、操作者が希望する解析画像を表示する三次元画像表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−275312号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】村木茂、他「3次元画像解析とグラフィックス技術の医学応用に関するサーベイ」 電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J87-D-IINo.10 第5号 2004年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、医用画像装置により取得される画像の内容は、目的に応じ多岐にわたる。また、医用画像装置により取得された画像に対しては、画像処理の目的に応じて様々な画像処理アプリケーションが提案されている(非特許文献1)。
【0009】
画像処理アプリケーションは、一般に、画像処理アルゴリズム単独の又はそれらを複数組み合わせた画像処理フローとして実行される。このように、画像処理アプリケーションの種類も多岐にわたる。しかも、処理したい画像と画像処理フローの組合せは膨大である。従って、これら数多くの画像処理フローの中から目的に最も適した画像処理フローを操作者自身が選択することは、今後ますます困難になると考えられる。
【0010】
また、前述したように、三次元画像表示装置(特許文献1)は、画像解析プロトコルを決定する前処理を必要とする。前処理は、知識データベースを用いるデータ解析装置による画像処理の種類の提示と、画像処理に必要な画像処理パラメータの蓄積装置からの取得により構成される。
【0011】
仮に、操作者が解析画像に不満であった場合、三次元画像表示装置は、画像処理パラメータを修正して前処理を再実行する。一方、操作者が実行結果に満足した場合、三次元画像表示装置は、画像解析に使用した画像処理パラメータを保存する。しかし、パラメータを修正するだけでは、操作者が、その画像処理の結果が目的をどの程度満たしていたのかを記録に残すことができない。
【0012】
このため、従来は、操作者の経験等に基づいて画像処理フローが選択され、画像解析に用いられてきた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者はこれらの課題を鋭意検討した結果、操作者が目的に適した画像処理フローを選択して実行することが困難である主な要因は、(1) 操作者が実行する又は実行した画像処理フローが記録されていないこと、(2) 画像処理フローが保存されていたとしても、操作者がその処理結果にどの程度満足していたかが不明であることによると考えるに至った。
【0014】
そこで、本発明者は、目的に応じて異なる処理フローを適用すべき状況において、操作者による領域抽出に対する評価(修正操作に対する評価又は臨床指標に基づく評価)に基づいて、対応する処理フローの評価値を算出する仕組みを提案する。また、算出された評価値を処理フローに対応付けてデータベースに蓄積する仕組みを提案する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、領域抽出に用いられる処理フローに対し、操作者の評価が反映された評価値を付すことができる。また、その評価値を処理フローと共に蓄積することにより、操作者の目的により合致する可能性の高い処理フローを容易に選択することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1に係る画像診断装置の全体構成例を示す図。
【図2】実施例1に係る画像処理フローの蓄積処理手順を説明する図。
【図3】実施例1に係る画像処理フロー及びアルゴリズムに関するスコアマスタを示す図。
【図4】実施例1に係る画像処理フローのラベリング用GUIを示す図。
【図5】実施例1に係るラベリング情報を含む画像処理フロー及びアルゴリズムに関するスコアマスタを示す図。
【図6】実施例1に係る階層化した画像処理フローに関するスコアマスタを示す図。
【図7】実施例2に係る画像診断装置の全体構成を示す図。
【図8】実施例2に係る画像処理フローデータベースの更新処理手順を説明する図。
【図9】実施例2に係る画像処理フロー検索画面例を示す図。
【図10】実施例3に係る画像診断装置と治療計画システムの全体構成例を示す図。
【図11】実施例3に係る画像処理フローの更新処理手順を説明する図。
【図12A】実施例4に係るワークフロー分析システムのハードウェア構成例を示す図。
【図12B】実施例4に係るワークフロー分析システムの機能構成例を示す図。
【図13A】実施例4に係るプロセス分析装置の機能ブロック構成を示す図。
【図13B】実施例4に係るプロセス分析装置の処理手順を説明する図。
【図13C】実施例4に係るプロセス分析装置のデータテーブル例を示す図。
【図13D】実施例4に係るプロセス分析装置のデータテーブル例を示す図。
【図13E】実施例4に係るプロセス分析装置のデータテーブル例を示す図。
【図14】実施例4に係る画像診断装置とワークフロー分析システムの全体構成を示す図。
【図15】実施例4に係る処理フローモデルデータベースを更新するための処理手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
【0019】
[実施例1]
本実施例においては、画像処理アルゴリズムによる処理結果に対する操作者の修正情報に基づいて、一つ又は複数の画像処理アルゴリズムで構成される処理フローの評価値(スコア)を算出し、当該評価値(スコア)を処理フローと共に処理フローモデルデータベースに登録する処理機能を有する画像診断装置について説明する。
【0020】
[装置構成]
図1に、本実施例に関る画像診断装置の全体構成を示す。図1においては、画像診断装置101の機能構成をブロック図で表している。画像診断装置101は、コンピュータを基本構成とし、画像サーバ102、入力装置103、表示装置104を外部インターフェースとして有している。この実施例の場合、画像診断装置101の諸機能は、コンピュータ上で実行されるソフトウェア処理を通じて実現される。
【0021】
画像サーバ102は、画像診断装置101で撮像された画像の画像データを蓄積する大容量記憶装置である。画像サーバ102に格納されている画像データは、画像診断装置101からの要求に応じ、ネットワーク等を介して画像診断装置101に読み出される。画像サーバ102には、画像データが、標準規格ダイコム(Digital Imaging and Communication in Medicine:DICOM)フォーマットで保存されている。当該画像データは、同じくDICOM規格に準拠した通信手段を通じて取得される。
【0022】
入力装置103は、操作者が操作入力に使用するデバイスであり、例えばキーボード、マウス等が用いられる。表示装置104は、選択した画像や処理内容等を表示するデバイスである。表示装置104の画面上には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が表示され、操作者が当該GUIを通じて対話的に入力を行うことができる。
【0023】
画像診断装置101は、操作者が入力装置103を介して画像を選択するための画像選択部105を有している。選択された画像は、画像サーバ102から読み出され、例えばDICOM規格に準拠した通信方法によりネットワーク経由で画像診断装置101に取得され、表示装置104に表示される。
【0024】
画像診断装置101は、操作者が入力装置103を介して画像処理アルゴリズムを選択するためのアルゴリズム選択部106を有している。この実施例の場合、画像診断装置101は、画像内の領域を抽出するための画像処理アルゴリズムとして、リージョングローイング法、レベルセット法、グラフカット法その他に対応したアルゴリズムを有している。操作者は、表示装置104に表示されるGUI上において、領域の抽出にどのアルゴリズムを利用するかを選択することができる。
【0025】
画像診断装置101は、操作者が選択した実行手順を画像処理フローとして蓄積する処理フロー蓄積部107を有している。処理フロー蓄積部107には、操作者がアルゴリズム選択部106を通じて選択された1つ又は複数の画像処理アルゴリズムが実行順に蓄積される。なお、蓄積データはアルゴリズムそのものである必要はなく、アルゴリズムを一意に特定可能な情報を実行順に並べたデータでも良い。
【0026】
画像診断装置101は、操作者により選択された画像に、同じく選択された画像処理アルゴリズムを適用して所望の画像領域を抽出する領域抽出部108を有する。ここでの処理対象画像は、操作者が、入力装置103及び画像選択部105を通じて選択した画像である。また、ここでの画像処理アルゴリズムは、選択者が、入力装置103及びアルゴリズム選択部106を通じて選択したアルゴリズムである。画像処理アルゴリズムの実行により抽出された画像領域は、表示装置104の画面上に表示される。操作者は、当該画面上で、抽出された画像領域が目的とする領域か否かを確認する。
【0027】
画像診断装置101は、画像処理アルゴリズムの適用により抽出された画像領域の修正入力用に修正入力装置110を有している。修正入力装置110は、抽出された画像領域が例えば過小抽出や過抽出だった場合に修正箇所を指示入力するために用いられる。なお、抽出領域の修正は、画像診断装置101内の領域修正部109において実行される。この修正入力装置110は、入力装置103と兼用しても良い。
【0028】
この他、画像診断装置101は、特徴量評価部111、処理フロー評価部112、処理フローモデルデータベース113、処理フローラベリング部114を有している。
【0029】
特徴量評価部111は、領域抽出部108において抽出された領域と、操作者による修正後の領域の比較処理を実行する。処理フロー評価部112は、1つ又は複数の画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて、処理フロー蓄積部107に蓄積された処理フローを評価する。処理フローラベリング部114は、処理フロー蓄積部107に蓄積された処理フローやその構成要素であるアルゴリズムに対し、その処理の目的や分類等をラベリングするために用いられる。処理フローモデルデータベース113には、処理フロー評価部112による評価結果(スコア)と、処理フロー蓄積部107に蓄積されている処理フローとで構成されるスコアマスタが保存される。
【0030】
[処理の流れ]
図2に、本実施例に係る画像診断装置において実行される処理動作の流れを説明する。
まず、操作者は、表示装置104に表示された画像リストから処理対象とする画像を選択する(ステップ201)。画像リストは、画像サーバ102に保存されている画像データのリストで構成される。操作者による画像の選択指示は、入力装置103を通じて画像選択部105に与えられる。画像選択部105は、選択指示に対応する画像を画像サーバ102から読み出し、領域抽出部108に与える。
【0031】
次に、操作者は、画像診断装置101に保存されている画像処理アルゴリズムを選択する(ステップ202)。この選択指示は、入力装置103を通じてアルゴリズム選択部106に与えられる。アルゴリズム選択部106は、選択指示に対応する画像処理アルゴリズムを不図示の記憶領域から読み出し、領域抽出部108に与える。
【0032】
領域抽出部108は、選択された画像に選択された画像処理アルゴリズムを適用し、画像内から領域を抽出する(ステップ203)。抽出された領域は、表示装置104の画面上に表示される。
【0033】
操作者は、抽出された領域に修正の必要がある否かを判断する。操作者の判断は、修正入力装置110を通じて領域修正部109に与えられる(ステップ204)。
【0034】
指示入力の内容が修正の必要性を示している場合、領域修正部109は、指示に従って抽出領域の修正処理を実行する(ステップ205)。操作者による修正領域の指定は、以下の操作を通じ、修正入力装置110に与えられる。
【0035】
例えば抽出領域が目的とする領域よりも小さい場合(過小抽出の場合)、操作者は、マウス操作によりGUI画面上に表示された画像上でポインタを移動させ、その移動領域の塗りつぶし処理により抽出領域を拡張する。これに対し、抽出領域が目的とする領域よりも大きい場合(過抽出の場合)、操作者は、マウス操作によりGUI画面上に表示された画像上でポインタを移動させ、その移動領域を抽出領域から消すことにより、抽出領域を縮小する。この際、修正に要した時間(timeuser)が、領域修正部109で測定され、特徴量評価部111に出力される。また、抽出領域と修正後の領域の情報も、領域修正部109から特徴量評価部111に出力される。
【0036】
特徴量評価部111は、例えば以下に示す式1を用い、修正時間からその評価値であるスコア(Time_score)を計算する(ステップ206)。
【0037】
【数1】

【0038】
ただし、timeavgは、過去に実施された画像処理アルゴリズムにより抽出された領域に対して操作者が修正に要した時間の平均値である。また、σは、その標準偏差を表す。
【0039】
Time_scoreは、timeuserがtimeavg+2σの時間以上の場合に0(ゼロ)に、timeuserがtimeavg+2σの時間未満の場合に0以上100以下の値になる。
【0040】
また、特徴量評価部111は、操作者が修正した領域(ref)とアルゴリズムが抽出した領域(seg)に関し、修正の度合いを示す特徴量を評価する(ステップ207)。例えば特徴量(Area_Score)は、次式で与えられるRAVD(Rerative absolute volume difference)として与えることができる。
【0041】
【数2】

【0042】
ただし、Volsegはアルゴリズムが抽出した領域の体積を現し、Volrefは操作者が修正した領域の体積を表している。RAVDは、それぞれの体積の差を比較し、体積の差が大きいほど低いスコアを算出し、体積の差が小さい高いスコアを算出する指標である。
【0043】
なお、特徴量には、次式で与えられるVOE(Volumetric overlap error)を用いることもできる。
【0044】
【数3】

【0045】
ここで、VOEは、アルゴリズムの抽出領域と操作者が修正した領域のオーバーラップ領域に関し、重なっていない領域が多いほど低いスコアを算出し、重なっている領域が多いほどスコアが高いスコアを算出する指標である。
【0046】
この他、特徴量には、次式で与えられるAAE(Area Average Value Error)を用いることもできる。
【0047】
【数4】

【0048】
ただし、Valは、その領域の画素値を表す。AAEは、アルゴリズムが抽出した領域内の画素値と操作者が修正した領域の画素値の平均値の差に基づく指標であり、平均値の差が大きいほど低いスコアとなり、平均値の差が小さいほど高いスコアとなる。
【0049】
前述したRAVD、VOE、AAEのいずれも、0以上100以下のスコアをとり、抽出結果が良ければ100に近く、悪ければ0に近いスコアとなる。なお、前述した複数のスコアを用いれば、抽出領域の修正程度に関するスコア(Area_Score)を、例えば次式に基づいて計算することができる。
【0050】
【数5】

【0051】
ただし、wは重み係数である。Area_Scoreも、0以上100以下のスコアをとる。因みに、アルゴリズムの抽出領域と操作者が修正した領域の差が少ない場合、すなわち修正程度が少ない場合、Area_Scoreは高いスコアとなり、修正程度が大きい場合に低いスコアとなる。ここでは、前記3つの指標からスコアを算出しているが、これ以外の指標を用いて修正程度に関するスコアを算出しても良い。その場合にも式5を使うことは可能である。
【0052】
前述したように、修正時間に関するスコア(Time_Score)と修正程度に関するスコア(Area_Score)が得られると、特徴量評価部111は、アルゴリズムの実行結果に関するスコア(Algorithm_Score)(以下「A_Score」という。)を、例えば次式により計算する(ステップ208)。
【0053】
[数6]
Algorithm_Score = w・Area_Score +(1−w)・Time_Score
ただし、0≦w≦1 …(式6)
【0054】
ここで、wは重み係数である。重み係数wの大きさを調整することにより、Area_ScoreとTime_Scoreを、A_Scoreにどの程度考慮するかを制御することができる。A_Scoreも、0以上100以下のスコアをとる。前述したように、Area_Scoreは、アルゴリズムが抽出した領域と操作者が修正した領域との修正程度を評価し、Time_Scoreは、アルゴリズムが抽出した領域を操作者が修正に要した時間を評価している。このため、それらの和であるA_Scoreは、アルゴリズムの評価であるのと同時に、操作者がそのアルゴリズムを実行した場合のアルゴリズムに対してどの程度満足していたかを反映するスコアになっている。
【0055】
算出されたアルゴリズム評価スコアは、特徴量評価部111から処理フロー評価部112に与えられる。一つのアルゴリズムについて評価スコアが算出されると、画像診断装置101は、ステップ209に進む。
【0056】
ステップ209は、ステップ204で抽出された領域に修正が要ないと判断された場合(入力装置103を通じてその旨が指示入力された場合)又はステップ208の終了後に実行される。当該ステップにおいて、アルゴリズム選択部106は、領域の抽出に使用したアルゴリズムとその実行に必要なパラメータを処理フロー蓄積部107に与える。この際、処理フロー蓄積部107は、与えられたアルゴリズムとパラメータを処理フローとして記憶領域に蓄積する。
【0057】
次に、画像処理(画像の抽出)を継続するか否かが操作者により判断される(ステップ210)。判断結果は、入力装置103を通じて画像診断装置101に与えられる。処理の継続が選択された場合、処理動作はステップ202に戻る。以後、前述した処理動作が繰り返し実行される。これに対し、処理の終了が選択された場合、処理フロー評価部112は、処理フロー蓄積部107に保存されている一組のアルゴリズムと各アルゴリズムの評価値(スコア)を用いて処理フローを評価する(ステップ211)。この際、必要に応じてアルゴリズムの実行に必要なパラメータも評価に際して参照される。
【0058】
処理フローは、アルゴリズムの実行手順を集めたもの、すなわちアルゴリズムの集合である。単一のアルゴリズムで構成される場合もあれば、複数のアルゴリズムから構成される場合もある。ここで、処理フロー(Flow_Score)(以下「F_Score」という。)は、前述したアルゴリズムのスコアであるA_Scoreを用いて次式により計算することができる。
【0059】
【数7】

【0060】
ここで、wは重み係数である。F_Scoreは、0以上100以下のスコアをとる。A_Scoreの値が高いほどF_Scoreは大きいスコアになり、A_Scoreが低いほどF_Scoreは低いスコアになる。また、重み係数wを考慮することにより、各画像処理アルゴリズムのF_Scoreに対する影響度を設定できる。
【0061】
次に、処理フローに対してラベリングするかどうかが操作者により判断され、入力装置103を通じて入力される(ステップ212)。指示入力がラベリングの不要を表している場合、処理フロー評価部112は、処理フロー評価結果を処理フローモデルデータベース113に登録する(ステップ213)。
【0062】
図3に、処理フローモデルデータベース113に登録されるデータ内容を示す。処理フローマスタ301は、処理フロー番号(No.)と、それに対応する処理フロースコアF_Scoreによって構成されるテーブルである。アルゴリズムマスタ302は、アルゴリズム番号(No.)と、アルゴリズム名と、アルゴリズムの計算に必要なパラメータと、算出されたアルゴリズムスコアA_Scoreと、そのアルゴリズムが属する処理フロー番号(No.)によって構成されるテーブルである。また、アルゴリズムマスタ302には、アルゴリズム番号(No.)の並び順により、アルゴリズムが属する処理フローの順序が保持されている。
【0063】
一方、指示入力がラベリングの必要性を表している場合、処理フローラベリング部114の機能を通じ、処理フローに対するラベリングが行われる(ステップ214)。ラベリングは、処理フローラベリング部114の機能として表示装置104に表示されるラベリング設定画面を通じて実行される。図4に、処理フローラベリング入力画面401の構造例を示す。なお、処理フローラベリング入力画面401の初期画面では、画像抽出に使用したアルゴリズムと対応する処理フローだけが表示されている。
【0064】
初期画面において、操作者は、各アルゴリズムに対して「ラベル入力モード」又は「ラベルテンプレート」を選択することができる。「ラベルテンプレート」は「ラベルテンプレート読込」ボタンをクリックすることにより選択することができる。図4は、「アルゴリズム1」に対して「臓器A抽出」というラベルを付した状態を示している。なお、初期画面でのラベリングは、「ラベル階層0」に入力される。ラベル階層の追加は、「ラベル階層追加」ボタンをクリックすることにより実行できる。また、アルゴリズムとラベルのリンク付け又はラベル同士のリンク付けは、「ラベルリンクモード」ボタンをポインタでクリックすることにより、選択したアルゴリズムとラベルの間に又はラベル同士の間に追加することができる。
【0065】
なお、処理フローラベリング入力画面401の画面上で「登録」ボタンをクリックすると、画面上に描画されたラベリング構造が、処理フローラベリング部114から処理フローモデルデータベース113に書き込まれる。なお、各ボタン操作をキャンセルしたい場合には「キャンセル」ボタンをクリックすれば良い。
【0066】
図5に、ラベリングした結果を処理フローモデルデータベース113に登録した場合のテーブルの基本構造を示す。図5に示すデータ構造は、図3に示すテーブルと基本的に同じである。ただし、図5に示すテーブルの場合には、アルゴリズム又は処理フローに対応するラベルが図3のテーブル内に挿入されている。
【0067】
このように、画像処理アルゴリズム又は処理フローに対してラベリングを行い、処理フローモデルデータベース113に登録する利点は、データベース内を操作者が検索をする場合に有意な検索を実行できる点にある。具体的には、検索条件にヒットした各処理フローによる以前の処理結果に対する操作者の評価結果を確認することができる点にある。
【0068】
画像処理のアルゴリズム名(例えば「アルゴリズム1」)は、操作者による画像処理の目的(例えば「転移性がん画像診断」)を現わすものではない。このため、各アルゴリズムや処理フローにラベルを付けると共にリンク関係を登録しておくことにより、自身が実行したい画像処理の目的(例えば「転移性がん画像診断」)に合致する処理フローをリンク情報から検索し、選択することが可能になる。また、処理フローは、単なる画像処理アルゴリズムの集合としてではなく、医療従事者たる操作者が医学的な視点から選択した画像処理アルゴリズムの順序情報として保存することができる。
【0069】
ただし、「ラベル」は、処理フロー又は画像処理アルゴリズムの使途を限定するものではなく、例えば「臓器A抽出」とラベリングされたアルゴリズムを、「臓器B抽出」に利用しても構わない。
【0070】
また、ラベリングは、アルゴリズム及びその集合である処理フローの任意の組合せに対しても行うことができる。例えば「ラベル階層追加」ボタンにより新たなラベル階層1を追加し、その後、ラベル階層0のアルゴリズム1〜4に対して、ラベル階層1に属する「臓器Aがん画像診断」とのラベル名を付したボックスとリンクさせても良い。同様に、アルゴリズム5〜7に対して、「臓器Bがん画像診断」とのラベル名を付したボックスをリンクさせても良い。リンク付けには、「ラベルリンクモード」ボタンを使用する。
【0071】
図4では、「ラベリング階層追加」ボタンのクリックによりラベル階層2を追加した上で、「ラベルリンクモード」ボタンのクリック操作を通じ、「臓器Aがん画像診断」ラベル及び「臓器Bがん画像診断」ラベルに「転移性がん画像診断」とリンクさせている。
【0072】
図6に、これらの階層構造を含むテーブルの構造例を示す。図6に示すように、各処理フローに対し、処理フローが属する階層と上位処理フロー番号(No.)が付加されている。
【0073】
処理フローの集合である上位処理フローに関する処理フロースコアは、例えば次式により算出することができる。
【0074】
【数8】

【0075】
ここで、wは重み係数である。重み係数wの値を変化させることにより、上位処理フローにおける各処理フローの影響度を制御することができる。
【0076】
[実施例による効果]
以上詳細に説明したように、本実施例が提供する画像診断装置101は、処理フローを構成する各画像処理アルゴリズムが実行されるたび、その実行結果に対する操作者の修正操作の内容(評価)を反映した評価値(スコア)を算出する。また、画像診断装置101は、それら像処理アルゴリズムの集合である処理フローの評価値(スコア)を算出する。その後、画像診断装置101は、各評価値を処理フローにリンク付けて処理フローモデルデータベース113に蓄積する。
【0077】
このため、処理フローモデルデータベース113から所望の処理フローを検索する場合にも、評価情報を用いることにより、より目的に適した処理フローを容易に選択することができる。具体的には、検索条件を満たす処理フローが複数ヒットする場合にも、評価値の大きさに基づいた絞込み処理や並び替えが可能となり、より目的に適した処理フローの選択が容易になる。
【0078】
また、処理フローモデルデータベース113には、アルゴリズムや処理フローにラベルを付し、さらに階層化されたラベル間にリンク付けしたものを保存することにより、操作者の目的とする画像処理に必要な処理フローを容易に検索することができる。
【0079】
[まとめ]
最後に、本実施例の要旨をまとめると以下のようになる。単独又は複数の画像処理アルゴリズムを組合せた処理フローを実行する画像処理フロー評価方法又は画像診断装置であって、以下の処理部又はステップで構成されることを特徴とする。
・操作者の選択操作に応じ、画像サーバから画像を選択する画像選択部105(ステップ201)
・画像処理アルゴリズムを選択された画像に適用し、前記画像内から領域を抽出する領域抽出部108(ステップ203)
・抽出された領域に対する操作者の修正指示に基づいて領域を修正する領域修正部109(ステップ205)
・画像処理アルゴリズムの実行により抽出された領域と修正後の領域とを比較し、領域の修正程度に基づいて画像処理アルゴリズムを評価する特徴量評価部111(ステップ208)
・画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて処理フローを評価する処理フロー評価部112(ステップ211)
・処理フローに分類用のラベルを付加する処理フローラベリング部114(ステップ214)
・処理フローの評価結果を保存する処理フローモデルデータベース113(ステップ213)
【0080】
ここで、前述の特徴量評価部111(ステップ208)は、領域の修正程度だけでなく、修正時間も含めて画像処理アルゴリズムを評価する。また、画像処理フロー評価方法又は画像診断装置は、領域の抽出に適用された一組の画像処理アルゴリズムを画像処理フローとして蓄積する処理フロー蓄積部107を有している。
【0081】
[実施例2]
前述した実施例1は、操作者がアルゴリズムを逐次選択する場合について説明した。すなわち、新たに処理フローを登録する場合について説明した。本実施例においては、操作者は、既存の処理フローの中から選択した処理フローを画像に適用し、領域の抽出処理を実行する場合について説明する。なお、本実施例の場合、処理フローの評価値(スコア)は、実施例1と同様の手法で算出され、処理フローモデルデータベースに登録されている評価値の更新に使用される。
【0082】
[装置構成]
図7に、本実施例に関る画像診断装置の全体構成を示す。図7においては、画像診断装置701の機能構成をブロック図で表している。まず、システムを構成する各処理部について説明する。この実施例の場合も、画像診断装置701の諸機能は、コンピュータ上で実行されるソフトウェア処理を通じて実現される。
【0083】
画像診断装置701は、画像サーバ702、入力装置703、表示装置704を外部インターフェースとして有している。画像サーバ702は、画像診断装置701で撮像された画像の画像データを蓄積する大容量記憶装置である。画像サーバ702に格納されている画像データは、画像診断装置101からの要求に応じ、ネットワーク等を介して画像診断装置101に読み出される。この場合も、画像サーバ702には、画像データが、標準規格ダイコム(Digital Imaging and Communication in Medicine:DICOM)フォーマットで保存されている。当該画像データは、同じくDICOM規格に準拠した通信手段を通じて取得される。
【0084】
入力装置703は、操作者が操作入力に使用するデバイスであり、例えばキーボード、マウス等が用いられる。表示装置704は、選択した画像や処理内容等を表示するデバイスである。表示装置704の画面上には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が表示され、操作者が当該GUIを通じて対話的に入力を行うことができる。
【0085】
画像診断装置701は、操作者が入力装置703を介して画像を選択するための画像選択部705を有している。選択された画像は、画像サーバ702から読み出され、例えばDICOM規格に準じた通信方法によりネットワーク経由で画像診断装置701に取得され、表示装置704に表示される。
【0086】
画像診断装置701は、入力装置703を用いた操作入力を通じ、処理フローモデルデータベース713に保存されている処理フローを検索する処理フロー検索部706を有している。処理フロー検索部706による検索結果は表示装置704に表示される。
【0087】
また、画像診断装置701は、入力装置703を用いた操作入力を通じ、画像に適用する処理フローを選択する処理フロー選択部707を有している。ここで、処理フローの選択は、画像の選択と同様、表示装置704の画面上に表示されたGUIを通じて実行される。
【0088】
さらに、画像診断装置701は、操作者により選択された画像に、同じく選択された処理フローを適用して所望の画像領域を抽出する領域抽出部708を有する。領域抽出部708は、処理フローを構成する各画像処理アルゴリズムを逐次実行する。各画像処理アルゴリズムの実行により抽出された画像領域は、表示装置704の画面上に表示される。操作者は、当該画面上で、抽出された画像領域が目的とする領域か否かを確認する。
【0089】
画像診断装置701は、画像処理アルゴリズムの適用により抽出された画像領域の修正入力用に修正入力装置710を有している。修正入力装置710は、抽出された画像領域が例えば過小抽出や過抽出だった場合に修正箇所を指示するために用いられる。なお、抽出領域の修正は、画像診断装置701内の領域修正部709において実行される。この修正入力装置710は、入力装置703と兼用しても良い。
【0090】
この他、画像診断装置701は、特徴量評価部711、処理フロー評価部712、処理フローモデルデータベース713を有している。
【0091】
特徴量評価部711は、領域抽出部708において抽出された領域と操作者による修正後の領域を比較して、処理フローを構成する1つ又は複数の画像処理アルゴリズムを評価する。処理フロー評価部712は、特徴量評価部711による画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて処理フロー全体を評価する。処理フローモデルデータベース713は、特徴量評価部711による画像処理アルゴリズムの評価結果と処理フロー評価部712による処理フローの評価結果を蓄積し、新たな評価結果が得られるたびにその評価結果を更新する。
【0092】
[処理の流れ]
図8に、本実施例に係る画像診断装置において実行される処理動作の流れを説明する。
まず、操作者は、表示装置704に表示された画像リストから処理対象とする画像を選択する(ステップ801)。操作者による画像の選択指示は、入力装置703を通じて画像選択部705に与えられる。画像選択部705は、選択指示に対応する画像を画像サーバ702から読み出し、領域抽出部708に与える。
【0093】
次に、操作者は、処理フローモデルデータベース713に保存されている処理フローを選択する(ステップ802)。この選択指示は、入力装置703を通じて処理フロー検索部706に与えられる。
【0094】
処理フローの検索動作の具体例を、図9を用いて説明する。処理フローの検索時、表示装置704の画面上には、処理フロー検索画面901が表示される。操作者は、処理フロー検索画面901上で、ラベル名又は処理フロー番号(No.)を指定し、処理フローモデルデータベース713から処理フローを検索することができる。
【0095】
ラベル検索の場合には、図9に示すように、検索条件にヒットした1つ又は複数の処理フローが画面上に表示される。この際、各処理フローには、当該処理フローを構成する画像処理アルゴリズムの実行順序と処理フロースコアF_Scoreが同時に表示される。図9では、処理フローがいずれも3つのアルゴリズムで構成されているが、処理フローを構成するアルゴリズムの数は1つの場合も、3以外の複数の場合もある。検索結果の表示手法は任意である。例えばF_Scoreが高い順番に、検索条件にヒットした複数の処理フロー結果を表示しても良い。画面上には、選択用のチェックボックスも表示される。
【0096】
操作者は、いずれかのチェックボックスにチェックを入れることにより、画像抽出に使用する所望の処理フローを選択する(ステップ803)。この際、操作者は、F_Score等を参考に、使用する処理フローを選択する。すなわち、検索条件にヒットする処理フローが多数見つかった場合でも、記録されているスコアを参考に、目的とする抽出結果が得られる可能性の高い処理フローを効率的に選択することができる。
【0097】
前述の操作により、処理フローが確定すると、領域抽出部708による領域の抽出処理が実行される(ステップ804)。領域抽出部708は、ステップ801で選択された画像に、ステップ803で選択された処理フローを適用し、領域抽出処理を開始する。処理フローによる領域の抽出は、処理フローを構成するアルゴリズム単位で実行される。例えば図9に示す「処理フロー1」の場合であれば、「アルゴリズム1」がまず実行され、次に「アルゴリズム2」が実行され、最後に「アルゴリズム3」が実行される。
【0098】
最初のアルゴリズムが実行され領域が抽出されると、抽出された領域が表示装置704の画面上に表示される。操作者は、抽出された領域に修正の必要がある否かを判断する。操作者の判断は、修正入力装置710を通じて領域修正部709に与えられる(ステップ805)。
【0099】
指示入力の内容が修正の必要性を示している場合、領域修正部709は、指示に従って抽出領域の修正処理を実行する(ステップ806)。操作者による修正領域の指定は、以下の操作を通じ、修正入力装置710に与えられる。
【0100】
例えば抽出領域が目的とする領域よりも小さい場合(過小抽出の場合)、操作者は、マウス操作によりGUI画面上に表示された画像上でポインタを移動させ、その移動領域の塗りつぶし処理により抽出領域を拡張する。これに対し、抽出領域が目的とする領域よりも大きい場合(過抽出の場合)、操作者は、マウス操作によりGUI画面上に表示された画像上でポインタを移動させ、その移動領域を抽出領域から消すことにより、抽出領域を縮小する。
【0101】
この際、修正に要した時間(timeuser)が、領域修正部709で測定され、特徴量評価部711に出力される。また、抽出領域と修正後の領域の情報も、領域修正部709から特徴量評価部711に出力される。
【0102】
特徴量評価部711は、例えば前述した式1を用い、修正時間からその評価値であるスコア(Time_score)を計算する(ステップ807)。
【0103】
この修正時間の評価と並行し、修正の程度が評価される。特徴量評価部711は、操作者が修正した領域(ref)とアルゴリズムが抽出した領域(seg)とを比較し、修正の度合いを示す特徴量(Area_Score)を算出する(ステップ808)。特徴量は、実施例1の式2〜式5と同様の計算式により算出することができる。
【0104】
このように修正時間に関するスコア(Time_Score)と修正の度合いに関するスコア(Area_Score)が得られると、特徴量評価部711は、アルゴリズムの実行結果に関するスコア(Algorithm_Score)(以下「A_Score」という。)を計算する(ステップ809)。これらの計算は、実施例1の式6と同様の計算式で算出することができる。
【0105】
算出されたアルゴリズム評価スコアは、特徴量評価部711から処理フロー評価部712に与えられる。一つのアルゴリズムについて評価スコアが算出されると、画像診断装置701は、ステップ810に進む。
【0106】
ステップ810は、ステップ805で抽出領域に修正が必要ないと判断された場合(入力装置703を通じてその旨が指示入力された場合)又はステップ809の終了後に実行される。当該ステップにおいて、特徴量評価部711は、領域の抽出に使用したアルゴリズムとその実行に必要なパラメータにより、処理フローモデルデータベース713に与える。この際、処理フローモデルデータベース713は、与えられたパラメータにより、対応するアルゴリズムの従来バラメータを更新する。
【0107】
次に、特徴量評価部711は、現在実行中の処理フロー内に次のアルゴリズムがあるか判定する(ステップ811)。次のアルゴリズムが存在する場合、前述した動作が繰り返し実行される。これに対し、次のアルゴリズムが存在しない場合、処理フロー評価部712は、実行した処理フローを構成する各アルゴリズムの評価値(スコア)を用いて処理フローを評価する(ステップ812)。
【0108】
前述の通り、処理フローは、1つ又は複数のアルゴリズムの集合で与えられる。このため、処理フロー評価部712は、例えば実施例1の式7と同様の計算式を用い、処理フローのスコア(F_Score)を算出する。
【0109】
この後、処理フロー評価部712は、算出された処理フローのスコア(F_Score)を、処理フローモデルデータベース713に登録する。処理フローモデルデータベース713には、過去に実行された処理フローが保存されており、今回の実行時にはそれらのうちのいずれかが選択され実行されている。すなわち、本実施例の場合、処理フローモデルデータベース713には、過去の実行時に算出された処理フローのスコア(F_ScorePre)と、今回の実行時に算出された処理フローのスコア(F_Scorecurrent)が存在する。
【0110】
そこで、本実施例の処理フロー評価部712は、計算時点が異なるこれら2つのスコアを用いて新たなスコア(以下「更新処理スコア」という。)を算出し、処理フローモデルデータベース713に登録する(ステップ813)。例えば更新処理スコア(Updated F_Score)は、次式により算出することができる。
【0111】
[数9]
Updated_Flow_Score = Average (F_Scorepre+F_Scorecurrent)…(式9)
【0112】
ここで、Updated F_Scorは、0以上100以下のスコアをとる。Updated F_Scorの値が高いほど処理フローに対する評価が高いことを意味する。
【0113】
[実施例による効果]
以上詳細に説明したように、本実施例が提供する画像診断装置701は、処理フローモデルデータベース113に保存されている処理フローを用いて画像の抽出処理を実行する。この場合、画像診断装置701は、処理フローを構成する各アルゴリズムが実行されるたび、その実行結果に対する操作者の修正操作の内容(評価)を反映した評価値(スコア)を算出する。また、処理フローを構成する全てのアルゴリズムについて評価値が算出されると、それらに基づいて処理フロー全体の評価値(スコア)を算出する。その後、今回算出されたスコアと過去に算出されたスコアを用いて処理フローモデルデータベース713を更新する。
【0114】
このように、処理フローモデルデータベース713には、常に評価が最新の状態にある。このため、処理フローモデルデータベース713から所望の処理フローを検索する場合にも、最新の評価情報を用いることにより、より目的に適した処理フローを容易に選択することができる。具体的には、検索条件を満たす処理フローが複数ヒットする場合にも、評価値の大きさに基づいた絞込み処理や並び替えが可能となり、より目的に適した処理フローの選択が容易になる。
【0115】
[まとめ]
最後に、本実施例の要旨をまとめると以下のようになる。単独又は複数の画像処理アルゴリズムを組合せた処理フローを実行する画像処理フロー評価方法又は画像診断装置であって、以下の処理部又はステップで構成されることを特徴とする。
・操作者の選択操作に応じ、画像サーバから画像を選択する画像選択部705(ステップ801)
・操作者が指定した検索条件に合致する処理フローを、処理フローモデルデータベース113から検索する処理フロー検索部712(ステップ802)
・操作者の選択操作に応じ、先の検索結果から所望の処理フローを選択する処理フロー選択部707(ステップ803)
・選択された処理フローを構成する画像処理アルゴリズムを選択された画像に対して順番に適用し、前記画像内から領域を抽出する領域抽出部708(ステップ804)
・抽出された領域に対する操作者の修正指示に基づいて領域を修正する領域修正部809(ステップ806)
・画像処理アルゴリズムの実行により抽出された領域と修正後の領域とを比較し、領域の修正程度に基づいて画像処理アルゴリズムを評価する特徴量評価部711(ステップ808)
・画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて処理フローを評価する処理フロー評価部712(ステップ812)
・処理フローの評価結果を保存する処理フローモデルデータベース713(ステップ813)
【0116】
[実施例3]
本実施例においては、画像診断装置で実行された処理フローの処理結果を、他の画像処理装置の出力画像と比較して処理フローの評価値(スコア)を算出し、当該評価値(スコア)を処理フローと共に処理フローモデルデータベースに登録又は登録内容を更新する処理機能を有する画像診断装置について説明する。
【0117】
[装置構成]
図10に、本実施例に関る画像診断装置の全体構成を示す。図10は、画像診断装置1001の機能構成をブロック図で表している。画像診断装置1001は、コンピュータを基本構成とし、画像サーバ1002、入力装置1003、表示装置1004を外部インターフェースとして有している。この実施例の場合、画像診断装置1001の諸機能は、コンピュータ上で実行されるソフトウェア処理を通じて実現される。
【0118】
画像サーバ1002は、画像診断装置1001で撮像された画像の画像データを蓄積する大容量記憶装置である。画像サーバ1002に格納されている画像データは、画像診断装置1001からの要求に応じ、ネットワーク等を介して画像診断装置1001に読み出される。画像サーバ1002には、画像データが、標準規格ダイコム(Digital Imaging and Communication in Medicine:DICOM)フォーマットで保存されている。当該画像データは、同じくDICOM規格に準拠した通信手段を通じて取得される。
【0119】
入力装置1003は、操作者が操作入力に使用するデバイスであり、例えばキーボード、マウス等が用いられる。表示装置1004は、選択した画像や処理内容等を表示するデバイスである。表示装置1004の画面上には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が表示され、操作者が当該GUIを通じて対話的に入力を行うことができる。
【0120】
画像診断装置1001は、操作者が入力装置1003を介して画像を選択するための画像選択部1005を有している。選択された画像は、画像サーバ1002から読み出され、例えばDICOM規格に準拠した通信方法によりネットワーク経由で画像診断装置1001に取得され、表示装置1004に表示される。
【0121】
画像診断装置1001は、入力装置1003を用いた操作入力を通じ、処理フローモデルデータベース1015に保存されている処理フローを検索する処理フロー検索部1006を有している。処理フロー検索部1006による検索結果は表示装置1004に表示される。
【0122】
また、画像診断装置1001は、入力装置1003を用いた操作入力を通じ、画像に適用する処理フローを選択する処理フロー選択部1007を有している。ここで、処理フローの選択は、画像の選択と同様、表示装置1004の画面上に表示されたGUIを通じて実行される。
【0123】
さらに、画像診断装置1001は、操作者により選択された画像に、同じく選択された処理フローを適用して所望の画像領域を抽出する領域抽出部1008を有する。領域抽出部1008は、処理フローを構成する各画像処理アルゴリズムを逐次実行する。
【0124】
この実施例の場合、画像診断装置1001の外部には、ネットワーク経由で治療計画システム1009が接続されている。治療計画システム1009は、腫瘍に対する放射線治療を行う際に、放射線を腫瘍に対してどの方向から、どの程度照射するかを計画するために使用される。
【0125】
治療計画システム1009は、治療計画部1010、治療領域を決定するための治療決定部1011、腫瘍領域を決定するための腫瘍領域決定部1012を有している。ここでの治療領域及び腫瘍領域を与える領域データは、所定のインターフェース経由で治療計画システム1009から画像診断装置1001に与えられる。
【0126】
この他、画像診断装置1001は、特徴量評価部1013、処理フロー評価部1014、処理フローモデルデータベース1015を有している。
【0127】
特徴量評価部1013は、領域抽出部1008で抽出された領域と治療計画システム1009で決定された領域(例えば治療領域、腫瘍領域)を比較して、処理フローを構成する1つ又は複数の画像処理アルゴリズムを評価する。処理フロー評価部1014は、特徴量評価部1013による画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて処理フロー全体を評価する。処理フローモデルデータベース1015は、特徴量評価部1013による画像処理アルゴリズムの評価結果と処理フロー評価部1014による処理フローの評価結果を蓄積し、新たな評価結果が得られるたびにその評価結果を更新する。
【0128】
[処理の流れ]
図11に、本実施例に係る画像診断装置において実行される処理動作の流れを説明する。
【0129】
まず、操作者は、表示装置1004に表示された画像リストから処理対象とする画像を選択する(ステップ1101)。操作者による画像の選択指示は、入力装置1003を通じて画像選択部1005に与えられる。画像選択部1005は、選択指示に対応する画像を画像サーバ1002から読み出し、領域抽出部1008に与える。
【0130】
次に、操作者は、処理フローモデルデータベース1015に保存されている処理フローを検索する(ステップ1102)。この検索指示は、入力装置1003を通じて処理フロー検索部1006に与えられる。処理フロー検索部1006は、実施例2で説明した手法により、検索条件にヒットする処理フローを検索し、検索結果を表示装置1004の画面上に表示する。
【0131】
続いて、操作者は、表示装置1004の画面上で画像抽出に使用する所望の処理フローを選択する(ステップ1103)。
【0132】
前述の操作により、処理フローの選択が確定すると、領域抽出部1008による領域の抽出処理が実行される(ステップ1104)。領域の抽出は、処理フローを構成する画像処理アルゴリズム毎に実行される。領域抽出部1008は、一つの画像処理アルゴリズムについて領域の抽出が終了すると、同じ処理フロー内に継続する別の画像処理アルゴリズムがあるか否かを判断する(ステップ1105)。ここで、別の画像処理アルゴリズムが存在する場合には、ステップ1104に戻り、前述した処理動作を継続するアルゴリズムがなくなるまで繰返し実行する。なお、各アルゴリズムの実行により抽出された各領域に対応する領域データは、不図示の記憶領域に保存される。
【0133】
処理フローを構成する全ての画像処理アルゴリズムが実行されると、特徴量評価部1013が、治療計画システム1009から取得した治療領域又は腫瘍領域と、領域抽出部1008において抽出された各領域とを比較し、各アルゴリズムを評価する(ステップ1106)。特徴量評価部1013は、アルゴリズムが抽出した領域(seg)と外部装置から与えられた治療領域又は腫瘍領域(ref)を比較し、一致の度合いを示す特徴量(Area_Score)を算出する。特徴量は、実施例1の式2〜式5と同様の計算式により算出することができる。
【0134】
次に、特徴量評価部1013は、この領域の特徴に関するスコア(Area_Score)を用い、各アルゴリズムの実行結果に関するスコア(Algorithm_Score)、(以下「A_Score」という。)を計算する(ステップ1106)。これらの計算は、実施例1に記載の式6において、重み係数wを1に設定することにより算出することができる。算出されたアルゴリズム評価スコアは、特徴量評価部1013から処理フロー評価部1014に与えられる。
【0135】
処理フロー評価部1014は、実行した処理フローを構成する各アルゴリズムの評価値(スコア)を用いて処理フローを評価する(ステップ1107)。前述の通り、処理フローは、1つ又は複数のアルゴリズムの集合で与えられる。このため、処理フロー評価部1014は、例えば実施例1の式7と同様の計算式を用い、処理フローのスコア(F_Score)を算出する。
【0136】
この後、処理フロー評価部1014は、算出された処理フローのスコア(F_Score)を、処理フローモデルデータベース1015に登録し、データベースを更新する(ステップ1108)。処理フローモデルデータベース1015の更新に際しては、過去の実行時に算出されたスコア(F_ScorePre)と今回の実行時に算出されたスコア(F_Scorecurrent)に基づいて、更新処理スコア(Updated F_Score)を算出する。具体的には、実施例1に記載の式9と同様の計算式で算出する。
【0137】
[実施例による効果]
以上詳細に説明したように、本実施例が提供する画像診断装置1001は、処理フローモデルデータベース1015に保存されている処理フローを用いて画像処理を実行する。また、本実施例の場合、画像診断装置1001は、操作者の判断が加えられた領域情報を外部接続された治療計画システム1009から取得する。
【0138】
画像診断装置1001は、処理フローを構成する各アルゴリズムが実行されるたび、各実行結果と対応する治療領域又は腫瘍領域との一致度合いを評価値(スコア)として算出する。また、処理フローを構成する全てのアルゴリズムについて評価値が算出されると、それらに基づいて処理フロー全体の評価値(スコア)を算出する。その後、今回算出されたスコアと過去に算出されたスコアを用いて処理フローモデルデータベース1015を更新する。
【0139】
このように、本実施例の場合には、治療計画で使用する精度の高い領域データをマスタデータとして使用して各処理フローを評価することができる。この結果、処理フローモデルデータベース1015から所望の処理フローを検索する場合にも、精度の高い評価値を使用して、より目的に適した処理フローを容易に選択することができる。具体的には、検索条件を満たす処理フローが複数ヒットする場合にも、評価値の大きさに基づいた絞込み処理や並び替えが可能となり、より目的に適した処理フローの選択が容易になる。
【0140】
[まとめ]
最後に、本実施例の要旨をまとめると以下のようになる。単独又は複数の画像処理アルゴリズムを組合せた処理フローを実行する画像処理フロー評価方法又は画像診断装置であって、以下の処理部又はステップで構成されることを特徴とする。
・操作者の選択操作に応じ、画像サーバから画像を選択する画像選択部1005(ステップ1101)
・操作者が指定した検索条件に合致する処理フローを、処理フローモデルデータベース1015から検索する処理フロー検索部1006(ステップ1102)
・操作者の選択操作に応じ、先の検索結果から所望の処理フローを選択する処理フロー選択部1007(ステップ1103)
・処理フローを構成する画像処理アルゴリズムを選択された画像に対して順番に適用し、前記画像内から領域を抽出する領域抽出部1008(ステップ1104)
・治療計画システム1009で抽出された領域を基準領域に用い、自装置内の処理フローによって抽出された領域を評価する特徴量評価部1013(ステップ1106)
・画像処理アルゴリズムの評価結果に基づいて処理フローを評価する処理フロー評価部1014(ステップ1107)
・処理フローとその評価結果を保存する処理フローモデルデータベース1015(ステップ1108)
【0141】
[実施例4]
本実施例においては、エビデンスデータに基づいて診療ワークフロー内の画像診断ワークフローを評価した臨床評価値に基づいて、画像診断ワークフロー内で実行された処理フローの評価値(スコア)を算出し、当該評価値(スコア)を処理フローと共に処理フローモデルデータベースに登録又は登録内容を更新する処理機能を有する画像診断装置について説明する。
【0142】
[用語の定義]
本明細書においては、以下に示す各用語を次の意味で使用する。
【0143】
「ワークフロー」とは、患者に対して医療従事者が行う一連の医療関連業務の流れをいう。
「ワークフロー情報」とは、ワークフローの識別に関する情報をいう。
【0144】
「ワークフローステップ」とは、ワークフローを構成する医療関連業務の単位をいう。
「ワークフローステップ情報」とは、ワークフローステップを識別する情報と、医療関連業務の依頼元又は依頼先の少なくとも何れかに関する情報を含む意味で使用する。
【0145】
「医療関連業務の依頼」とは、各医療部門、例えば検査部門や画像診断部門への医療関連業務のオーダリング等をいう。
【0146】
「医療従事者」とは、担当医、検査技師、放射線技師、読影医だけでなく、看護師や医事会計関係者なども含む意味で使用する。
ワークフローの開始と終了は、例えば臨床医の中の主治医が決定する。
【0147】
ワークフローには、例えば(1) 疾患ごとの診断、治療、経過観察の一連の診療の流れ、(2) 入院期間中の診療の流れ(入院日〜退院日)、(3) 診療ガイドラインで定められる一つの流れ等が含まれる。
【0148】
ワークフローステップには、例えば(1) 患者の診療段階(診断、治療、経過観察)の各業務、(2) 主治医が判断を下す診断業務、(3) 看護師の投薬などの作業、(4) 診療科と放射線科等の医療部門との間でやりとりされるオーダ業務単位等がある。
【0149】
ワークフローステップ情報は、各ワークフローステップにおいて、医療従事者等によって新たに生成又は削除される等により編集することもできる。また、ワークフローステップ情報は、予め定められた診療ガイドラインに基づいていることもある。
【0150】
また、ワークフロー情報は、該当するワークフローに関する患者を識別する患者識別子を有している。
【0151】
[システム構成]
図12Aに、本実施例に関るワークフロー分析システム1201のハードウェア構成を示す。なお、図12Aは、ワークフロー分析システム1201が病院内に設置される場合の一形態を表している。また、図12Aは、ワークフロー分析システム1201の機能構成をブロック図で表している。
【0152】
ワークフロー分析システム1201は、端末1204、インターフェース1211、メモリ1212、ハードディスクドライブその他の記憶装置1213、CPU1214を有している。端末1204に対する操作者の操作入力は、インターフェース1211を通じてワークフロー分析システム1201内に取り込まれる。CPU1214は、取り込まれた指示に応じたプログラムをメモリ1212から読み出して実行し、インターフェース1211を通じて端末1204に出力する。
【0153】
図12Aに示すワークフロー分析システム1201には、電子カルテシステム1202やPACS(Picture Archiving and Communication Systems)1203等がネットワーク経由で接続されている。
【0154】
各端末1204は、医師、看護師、検査技師、読影医等の医療従事者が操作する入力装置である。各端末1204は、例えばパーソナルコンピュータでも良い。各端末1204は、電子カルテシステム1202やPACS1203に対する入力装置に兼用しても良い。
【0155】
電子カルテシステム1202やPACS1203には、診療履歴、検査値、画像データ等が蓄積されている場合がある。その場合、記憶装置1213は、それらデータベースへのリンクを示す情報を有していても良い。また、記憶装置1213は、それらのデータベースに格納されているデータのコピーを有していてもよい。
【0156】
また、ワークフロー分析システム1201は、図12Bにおいて後述する検査情報データベース1216(電子カルテシステム1202やPACS1203が有するデータベース)を含んでいても良い。なお、インターフェース1211は、表示装置を備えていても良い。
【0157】
[ワークフロー分析システムの詳細構成]
図12Bに、ワークフロー分析システム1201の機能構成を示す。図12Bに示すように、ワークフロー分析システム1201には、大容量記憶装置としての医療情報データベース1205が配置されている。医療情報データベース1205には、ワークフロー情報と、ワークフローステップ情報と、医療関連業務に関する情報である医療情報が、互いに関連付けられた状態で格納されている。医療情報データベース1205には、それらの情報を格納する医療情報格納装置1206が接続されている。
【0158】
医療情報には、医療従事者により入力される情報や患者から取得される客観的な生体情報であるエビデンスデータが含まれる。本実施例の場合、医療従事者により入力される情報の一例として、医療関連業務で下される判断を示すテキスト文である判断文を使用する。エビデンスデータとは、例えばモダリティから取得される検査値、画像データその他のデータを指す。
【0159】
さらに、ワークフロー分析システム1201は、ワークフロー入力部1207と、入力情報受付部1208と、医療情報出力部1209と、エビデンスデータ処理部1215と、ワークフローステップ依頼入力部1217と、ワークフロー出力部1218と、ワークフロー終了部1219を有している。
【0160】
ワークフロー入力部1207は、医療情報データベース1205からワークフローステップ情報を選択するための入力受け付けに使用される。入力情報受付部1208は、判断文の入力受け付けに使用される。医療情報出力部1209は、医療情報を、ワークフローステップ情報に基づいて医療情報データベース1205から抽出し、インターフェース1211に出力するために使用される。エビデンスデータ処理部1215は、エビデンスデータの処理に使用される。
【0161】
ワークフローステップ依頼入力部1217は、ワークフローステップの依頼に関する情報の入力受け付けに使用される。ワークフロー出力部1218は、ワークフロー情報を、患者を識別する患者識別子に基づいて医療情報データベース1205から取得し、インターフェース1211に出力するために使用される。
【0162】
ワークフロー終了部1219は、ワークフロー終了情報を医療情報データベース1205に格納する際に使用される。これらの処理機能は、図12Aのメモリ1212に格納されている。
【0163】
[ワークフロー分析システムの処理動作]
以上の処理機能を用い、ワークフロー分析システム1201は、以下の処理動作を実行する。
【0164】
ワークフロー分析システム1201は、ワークフローステップ入力部1207を通じて選択されたワークフローステップ情報に基づいて、医療情報データベース1205から関連する医療情報を読み出し、GUI画面上に表示する。
【0165】
また、ワークフロー分析システム1201は、入力情報受付部1208を通じて受付けた判断文等の情報とGUI画面に表示されている医療情報を、実行中のワークフローステップ情報に関連付けて医療情報データベース1205に格納する。すなわち、実行中のワークフローステップにおいて医療従事者が参照した医療情報が、参照時に入力された判断文等の情報と共に、医療情報データベース1205に格納される。
【0166】
この結果、医療情報データベース1205には、ワークフローステップの実行時に参照され、診断等の根拠に用いられた情報が関連する情報と関連付けられた状態で蓄積される。このため、医療従事者による医療関連業務の過程を容易に確認することが可能になる。
【0167】
[システム構成のバリエーション]
前述したように、医療情報データベース1205は、医療情報格納装置1206を介し、各ワークフローステップの医療関連業務に関する情報である医療情報を蓄積管理する。さらに、医療情報データベース1205は、各ワークフローステップに関連づけて、(1) 入力情報受付部1208により入力される判断文、(2) エビデンスデータ処理部1215でデータ処理されたエビデンスデータやそのデータ処理履歴、(3) 各ワークフローステップで参照した医療情報等を蓄積する。なお、図12Aに示されたように、医療情報データベース1205は、電子カルテシステム1202やPACS1203に蓄積された医療情報へのリンク情報を有していても良い。
【0168】
医療情報格納装置1206は、医療情報データベース1205に対し、ワークフロー情報、ワークフローステップ情報、医療情報を格納する。格納する医療情報には、(1) エビデンスデータ処理手段1215でデータ処理されたエビデンスデータ、(2) 処理元データを含むデータ処理履歴、(3) 医療従事者が入力情報受付部1208を通じて入力した判断文等の情報等が含まれる。
【0169】
検査情報データベース1216は、各ワークスローステップにおいて実行された血液検査、画像検査その他の医療関連検査の結果に関する情報を蓄積管理する。このデータベースは、電子カルテシステム1202、オーダリングシステム等の病院情報システムやPACS1203等の画像管理システムが有するデータベースとの間でデータを共有しても良い。
【0170】
また、検査情報データベース1216には、不図示のデータインポート部を通じ、病院情報システムや画像管理システムからデータをインポートして使用しても良い。また、不図示のデータ入力装置を配置し、医師、看護婦、技師等が、所望の情報を検査情報データベース1216に直接入力しても良い。また、医師が研究目的として新規に開発した検査方法に基づいた患者の検査結果についても、不図示のデータ入力装置を通じて検査情報データベース1216に入力し、一般の検査結果と共に蓄積管理しても良い。
【0171】
さらに、ワークフロー分析システム1201とは別に電子カルテシステム1202やPACS1203が設置されている場合、電子カルテシステム1202やPACS1203に保存されている検査情報へのリンク情報のみを、検査情報データベース1216が有していても良い。
【0172】
また、データ処理ワークステーションがワークフロー分析システム1201に設置されている場合、当該データ処理ワークステーションで実行されたデータ処理の履歴を検査情報データベース1216に格納しても良い。
【0173】
エビデンスデータ処理部1215は、検査情報データベース1216に蓄積されたデータを利用してデータ処理を行う。エビデンスデータ処理部1215は、複数の処理モジュールを有している。画像診断を専門とする医師向けのエビデンスデータ処理部1215には、画像データの入出力処理、各種フィルター処理といった基本モジュールに加え、高度な画像処理アルゴリズムを有する領域抽出処理や画像の位置合わせ処理等の機能モジュールを備えても良い。操作者は、処理目的やデータの性質に応じ、前述した処理モジュールを自由に組み合わせ、順番に実行することにより、データに対し、診療に必要な一連の加工処理を行なう。
【0174】
本実施例においては、医療情報データベース1205及び検査情報データベース1216が論理的に異なる構成であるものとして説明したが、物理的に同一のデータベースで構成しても良い。例えば医療情報データベース1205と検査情報データベース1216を一つのデータベースとして構成しても良い。
【0175】
また、図12Aに示したように、PACS1203や電子カルテシステム1202をワークフロー分析システム1201とは別に用意し、ワークフロー分析システム1201にはそれらへのリンク情報だけを保存しても良い。
【0176】
さらに、ワークフロー分析システム1201は、図12Bに示すように、プロセス分析装置1260を搭載しても良い。プロセス分析装置1260は、医療情報データベース1205に蓄積されている複数の患者のデータに基づいて診療のプロセスを分析し、プロセスの改善と最適化に必要な情報を抽出するために使用される。プロセスの改善と最適化を通じ、診療の質や効率を向上することができる。
【0177】
以下では、図13A〜図13Eを用い、プロセス分析装置1260で実行されるプロセス分析の詳細を説明する。プロセス分析装置1260は、医療の質を定量的に評価する指標である臨床指標(Clinical Indicator、又はQuality Indicator)を使用し、ワークフローステップという個々の医療関連業務の評価を支援する。プロセス分析装置1260は、臨床指標の評価値が高い時に実施したワークフローステップを高く評価する。
【0178】
図13Aは、プロセス分析装置1260の機能構成を示している。図13Aに示すプロセス分析装置1260は、分析対象選択部1301と、データ抽出部1302と、ワークフローステップ分類部1303と、臨床評価算出部1304と、ワークフローステップ評価部1305を有している。
【0179】
図13Aに示すプロセス分析装置1260の機能構成は、図12Aに示すCPU1214やメモリ1212等を通じて実現される。具体的には、図12Aに示すCPU1214やメモリ1212等において、所定のプログラムを展開・起動することにより実現される。
【0180】
分析対象選択部1301に対する操作入力は、インターフェース1211(図12A)を通じて入力される。分析対象選択部1301は、当該入力信号に基づいて動作する。さらに、分析対象選択部1301で生成されたGUI画面は、インターフェース1211経由で端末1204に与えられ表示される。
【0181】
以下、プロセス分析装置1260の詳細動作を説明する。なお、図13Bにプロセス分析装置1260の動作概要を示し、図13C〜図13Eにプロセス分析に使用する各種テーブルの構造を示す。
【0182】
まず、操作者は、インターフェース1211を通じ、GUI画面上で分析対象を選択する。すると、分析対象選択部1301は、分析対象の選択入力を受け付け、選択された分析対象をメモリ1212等に記憶する(ステップ1301)。
【0183】
次に、データ抽出部1302は、選択された分析対象のワークフローを、ワークフローの詳細を保持するワークフロー情報テーブル1320(図13C)、ワークの手順情報を保持するワークフローステップ情報テーブル1330(図13D)から取得する(ステップ1302)。ワークフロー情報テーブル1320には、患者IDに対応付けて、ワークフロー番号(No.)、ワークフロー名、開始日時、終了日時、主治医ID等が格納される。また、ワークフローステップ情報テーブル1330には、患者IDに対応付けて、ワークフローステップ番号(No.)、実行予定部門、実行日時、実行者ID、実行フラグ、ワークフロー番号(No.)等が格納される。ワークフロー情報テーブル1320とワークフローステップ情報テーブル1330は、ワークフロー番号(No.)を通じて関連付けられている。
【0184】
次に、ワークフローステップ分類部1303は、取得されたテーブルに含まれるワークフローステップを共通の医療関連業務を持つ部分集合に分類し、ワークフローステップ雛形1340(図13E)を生成する(ステップ1303)。
【0185】
次に、臨床評価算出部1304は、患者毎に医療の質を評価した臨床指標を算出し、臨床指標に基づいてワークフローの臨床評価値を算出する(ステップ1304)。
【0186】
臨床評価算出部1304は、算出した臨床評価値が低いワークフローから高いワークフローに降順になるようにワークフローを並び替え、並び替えた順位を、対応するワークフローに臨床評価値C(p、i)(pは患者ID、iは臨床指標を識別する臨床指標識別子)として算出する(ステップ1305)。
【0187】
このように並び替えた順位を用いる理由は、ワークフローステップの評価を行う際、様々な臨床指標値を用いるために、特異的な臨床指標値に関わらないようにするためである。ただし、ステップ1305は必ずしも必須のステップではなく、その場合にはステップ1304において算出されたワークフローの臨床評価値やその正規化値をC(p、i)として使用する。
【0188】
次に、ワークフローステップ評価部1305は、ワークフローステップ雛形sが実施されたか否かを表すフラグF(p、s)をワークフロー毎に算出する(ステップ1306)。
【0189】
次に、ワークフローステップ評価部1305は、ワークフローステップ雛形sの実施回数N(s)を算出する(ステップ1307)。
【0190】
最後に、ワークフローステップ評価部1305は、F(p、s)を用い、ワークフローステップsが実施された各々のワークフローの臨床評価値C(p、i)の和を算出し、算出された和を実施回数N(s)で除した値をワークフローステップ評価値S(s)として算出する(ステップ1308)。これにより、各々のワークフローステップ評価値S(s)の算出が可能となる。
【0191】
この後、ワークフローステップ評価部1305は、算出されたワークフローステップ評価値S(s)を出力する(ステップ1309)。
【0192】
なお、ワークフローを構成する各ワークフローステップにおいては、本実施例に係る画像診断装置1401(図14)による画像処理フローが実行され、そのワークフローステップは医療情報データベース1205に保存されているものとする。
【0193】
[画像診断装置の構成]
図14に、画像診断装置1401の全体構成を示す。画像診断装置1401は、入力装置1402と、表示装置1403と、処理フロー検索部1404と、処理フロー選択部1405と、処理フロー評価部1406と、処理フローモデルデータベース1407とを有している。ここで、処理フロー検索部1404は、処理フローモデルデータベース1407から処理フローを検索するために用いられる。処理フロー選択部1405は、処理フロー検索部1404の検索結果から処理フローを選択するために用いられる。処理フロー評価部1406は、プロセス分析装置1260により分析したワークフローステップ評価値を、当該ワークフローステップで実行される処理フローの評価値に設定するために用いられる。画像診断装置1401を構成するこれらの機能は、コンピュータ上で実行されるソフトウェア処理を通じて実現される。
【0194】
[処理の流れ]
図14に、本実施例に係る画像診断装置において実行される処理動作の流れを説明する。
【0195】
まず、操作者は、表示装置1403のGUI画面上で検索条件を入力し、処理フロー検索部1404を通じて処理フローモデルデータベース1407を検索する(ステップ1501)。検索画面には、例えば図9に示す処理フロー検索画面901を使用することができる。処理フロー番号(No.)を検索条件に用いる場合には、ワークフローステップ内で使用した処理フローを一意に検索することができる。検索結果は、表示装置1403に表示される。なお、検索条件の入力は、入力装置1402を通じて実現できる。
【0196】
操作者は、入力装置1402に対する操作を通じ、検索条件にヒットした複数の処理フローの中から目的とする処理フローを選択する(ステップ1502)。処理フローの選択は、処理フロー選択部1405を通じて実現される。選択された処理フローは、処理フロー評価部1406へ送信される。
【0197】
一方、画像処理フローを実行した個々のワークフローステップは、前述の通り、プロセス分析装置1260により分析される。具体的には、プロセス分析装置1260においてワークフローステップ評価値が算出され、処理フロー評価部1406へと送信される。処理フロー評価部1406は、受信したワークフローステップ評価値に基づいて、処理フローを評価する(ステップ1503)。
【0198】
ここで、プロセス分析装置1260において算出されるワークフローステップ評価値は、そのワークフローが臨床指標の観点からどの程度の価値を有しているかを表している。すなわち、当該評価値には、そのワークフロー内で用いられた画像処理フローが臨床上どの程度有用であったかを間接的に評価した情報を含んでいる。従って、本実施例においては、ワークフローステップ評価値そのものを処理フローの評価値(スコア)として使用する。もっとも、プロセス分析装置1260において算出されたワークフローステップ評価値に重み係数を乗算した値や正規化した値を、処理フローの評価値(スコア)として用いても良い。
【0199】
処理フロー評価部1406は、処理フローについて求められた評価値(スコア)を、処理フローに関連付けて処理フローモデルデータベース1407に登録する(ステップ1504)。
【0200】
[実施例による効果]
以上詳細に説明したように、本実施例が提供する画像診断装置1401は、処理フローモデルデータベース1407に保存されている処理フローを、診療ワークフローステップの評価値、すなわち臨床上の有用性を表すスコアとして評価する。そして、そのスコアを診療ワークフローステップで実行される処理フローに関連付け、処理フローモデルデータベース1407に登録する。
【0201】
このように、本実施例の場合には、臨床上の有用性の観点から評価されたスコアを用い、処理フローモデルデータベース1015から所望の処理フローを検索することができる。このため、より目的に適した処理フローを容易に選択することができる。具体的には、検索条件を満たす処理フローが複数ヒットする場合にも、評価値の大きさに基づいた絞込み処理や並び替えが可能となり、より目的に適した処理フローの選択が容易になる。
【0202】
[まとめ]
最後に、本実施例の要旨をまとめると以下のようになる。単独の画像処理アルゴリズム又は複数の画像処理アルゴリズムを組合せた処理フローを実行する画像処理フロー評価方法又は画像診断装置であって、以下の処理部又はステップで構成されることを特徴とする。
・(1-1) 疾患を識別する疾患識別子と、(1-2) 医療関連業務の一連の診療の流れであるワークフローを識別するワークフロー情報と、(1-3)ワークフローを構成する医療関連業務の単位であるワークフローステップを識別する情報と、(1-4) 医療関連業務の依頼元又は依頼先の少なくとも何れかに関する情報とを含むワークフローステップ情報と、(2) 医療関連業務に関連する情報である医療情報とを互いに関連付けて医療情報データベース1205に格納する医療情報格納装置1206
・操作者の選択操作に応じ、分析対象とする疾患を選択する分析対象選択部1301
・選択された分析対象に関する疾患識別子を有するワークフローを医療情報データベース1205から抽出するデータ抽出部1302(ステップ1302)
・抽出したワークフローステップを、共通の医療関連業務を持つ部分集合に分類し、依頼元である親部門と、依頼先である子部門と、医療情報とで識別される親子識別子と、医療情報とを有するワークフローステップ雛型を生成するワークフローステップ分類部1303(ステップ1303)
・抽出されたワークフロー毎に医療の質の評価値である臨床指標を算出し、算出した臨床指標に基づいてワークフローの指標評価値を算出する臨床評価算出部1304(ステップ1304)
・ワークフローステップ雛形毎に、ワークフローの指標評価値に基づいてワークフローステップ評価値を算出するワークフローステップ評価部1305(ステップ1308)
・算出されたワークフローの指標評価値に基づいて処理フローのスコアを算出する処理フロー評価部1406(ステップ1503)
・処理フローとそのスコアを保存する処理フローモデルデータベース1407(ステップ1504)
【0203】
[他の実施例]
本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成を追加、削除又は置換することも可能である。
【0204】
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
【0205】
また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明は、画像診断装置に係り、特に画像に対して複数の画像処理を施して目的領域を抽出する場合に最適な画像処理を選択し、効率的に画像像処理を実施する技術として有用である。
【符号の説明】
【0207】
101…画像診断装置
102…画像サーバ
103…入力装置
104…表示装置
105…画像選択部
106…アルゴリズム選択部
107…処理フロー蓄積部
108…領域抽出部
109…領域修正部
110…修正入力装置
111…特徴量評価部
112…処理フロー評価部
113…処理フローモデルデータベース
114…処理フローラベリング部
301…処理フローマスタ
302…アルゴリズムマスタ
401…処理フローラベル入力画面
501…処理フローマスタ(ラベル追加)
502…アルゴリズムマスタ(ラベル追加)
601…処理フローマスタ(階層2)
602…処理フローマスタ(階層1)
701…画像診断装置
702…画像サーバ
703…入力装置
704…表示装置
705…画像選択部
706…処理フロー検索部
707…処理フロー選択部
708…領域抽出部
709…領域修正部
710…修正入力装置
711…特徴量評価部
712…処理フロー評価部
713…処理フローモデルデータベース
901…処理フロー検索画面
1001…画像診断装置
1002…画像サーバ
1003…入力装置
1004…表示装置
1005…画像選択部
1006…処理フロー検索部
1007…処理フロー選択部
1008…領域抽出部
1009…治療計画システム
1010…治療計画部
1011…治療領域決定部
1012…腫瘍領域決定部
1013…特徴量評価部
1014…処理フロー評価部
1015…処理フローモデルデータベース
1201…ワークフロー分析システム
1202…電子カルテシステム
1203…PACS
1204…端末
1205…医療情報データベース
1206…医療情報格納装置
1207…ワークフロー入力部
1208…入力情報受付部
1209…医療情報出力…
1211…インターフェース
1212…メモリ
1213…記憶装置
1214…CPU
1215…エビデンスデータ処理部
1216…検査情報データベース
1217…ワークフローステップ依頼入力部
1218…ワークフロー出力部
1219…ワークフロー終了部
1260…プロセス分析装置
1301…分析対象選択部
1302…データ抽出部
1303…ワークフローステップ分類部
1304…臨床評価算出部
1305…ワークフローステップ評価部
1320…ワークフロー情報テーブル
1330…ワークフローステップ情報テーブル
1340…ワークフローステップ雛形
1401…画像診断装置
1402…入力装置
1403…表示装置
1404…処理フロー検索部
1405…処理フロー選択部
1406…処理フロー評価部
1407…処理フローモデルデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のアルゴリズムで構成される画像処理フローの実行により、画像内から第1の領域を抽出する領域抽出部と、
前記第1の領域と、操作者により決定された第2の領域とを比較して、前記第1及び第2の領域の一致度合いの評価値を算出し、算出された評価値に応じて、前記第1の領域の抽出に使用した画像処理フローの評価値を算出する処理フロー評価部と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記第2の領域は、前記第1の領域に対する操作者の修正作業後の画像領域である
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記処理フロー評価部は、前記第1の領域に対する修正時間の評価値と、前記第1及び第2の領域の一致度合いの評価値とに基づいて、前記画像処理フローの評価値を算出する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置において、
画像処理フローとその評価値とを保存する処理フローモデルデータベースを有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記画像処理フロー及び又は当該画像処理フローを構成する1つ又は複数のアルゴリズムに対し、階層的にラベルを登録するラベル入力画面を操作画面上に表示する処理フローラベリング部を更に有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記処理フローモデルデータベースに対する画像処理フローの検索画面には、検索条件にヒットした1つ又は複数の画像処理フローと共に、各画像処理フローについて登録されている前記ラベルの情報が表示される
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像は医療画像である
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記第2の領域は、外部接続された他の画像処理装置から取り込まれる画像領域である
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理において、
前記他の画像処理装置は治療計画システムであり、取り込まれる前記画像領域は治療領域又は腫瘍領域である
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記第1及び第2の領域の一致度合いの評価値は、前記画像処理フローを構成する各アルゴリズムの実行回毎に算出され、前記画像処理フローの評価値は、当該画像処理フローを構成する全てのアルゴリズムについて個別に算出された各評価値に基づいて算出される
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載の画像処理装置において、
処理フローモデルデータベースから読み出した画像処理フローの実行結果に対して新たに算出された評価値により、前記処理フローモデルデータベースを更新する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
医療情報に基づいて診療ワークフローを構成する画像診断ワークフローの臨床上の評価値を算出するプロセス分析装置と、
画像内から領域を抽出する画像処理フローを保存する処理フローモデルデータベースと、
処理対象として前記処理フローモデルデータベースから選択された画像処理フローに対し、前記選択された画像処理フローによる領域の抽出が実行される画像診断ワークフローについて算出された前記臨床上の評価値を付与する処理フロー評価部と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
1つ又は複数のアルゴリズムで構成される画像処理フローを計算機による演算処理を通じて評価する方法において、
前記画像処理フローの実行により、画像内から第1の領域を抽出する処理と、
前記第1の領域と、操作者により決定された第2の領域とを比較して、前記第1及び第2の領域の一致度合いの評価値を算出する処理と、
算出された評価値に応じて、前記第1の領域の抽出に使用した画像処理フローの評価値を算出する処理と
を有することを特徴とする画像処理フロー評価方法。
【請求項14】
1つ又は複数のアルゴリズムで構成される画像処理フローを計算機による演算処理を通じて評価する方法において、
医療情報に基づいて診療ワークフローを構成する画像診断ワークフローの臨床上の評価値を算出する処理と、
画像内から領域を抽出する画像処理フローを保存する処理フローモデルデータベースから処理対象として画像処理フローを選択する処理と、
前記選択された画像処理フローによる領域の抽出が実行される画像診断ワークフローについて算出された前記臨床上の評価値を付与する処理と
を有することを特徴とする画像処理フロー評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−5841(P2013−5841A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138869(P2011−138869)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】