説明

画像処理制御装置、画像形成装置、画像処理制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体

【課題】カラー/モノクロ判定の際に、地紋画像の画素値による判定誤りを防止する画像処理制御装置、画像形成装置、画像処理制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体を提供する。
【解決手段】原稿が読み取られて生成された画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかを決定する決定部409を備える画像処理制御装置において、前記決定部は、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合に前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー原稿とモノクローム原稿とを判別して画像処理の制御を行う画像処理制御装置、画像形成装置、画像処理制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機能を有する画像形成装置では、不正コピーを牽制するために、複写すると浮かび上がる牽制文字が埋め込まれている地紋画像を合成して、印刷出力することがある(例えば、特許文献1参照)。地紋画像を含む画像が印刷された原稿を複写すると、牽制文字が浮かび上がる。これにより、ユーザが、原本の原稿か複写された原稿かを判別することができる。
【0003】
ところで、カラー原稿とモノクローム原稿とを判別するためのカラー/モノクロ判定をした後に、画像処理を行う画像処理装置がある(例えば、特許文献2参照)。例えば、フルカラーデジタル複合機は、複数のトナーを用いてカラー再現が行われ、また、ブラックのトナーのみを用いるモノクロモードを有している。モノクロモードにおける複写は、ブラックのトナーのみを用いるので複数のトナー像を順に重ね合わせるカラー複写と比べてコストが低く、所用時間が短い。そこで、原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判断し、原稿に応じた複写モードを設定するACS(Auto Color Selection)機能が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−88763号公報
【特許文献2】特開平4−282968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モノクローム(白黒の二値又は多値)画像、及び、画素値がカラーの値を有する地紋画像が印刷されている原稿を読み取った場合に、地紋画像の画素値から、カラー画像と判定されてしまう虞がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、カラー/モノクロ判定の際に、地紋画像の画素値による判定誤りを防止する画像処理制御装置、画像形成装置、画像処理制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理制御装置は、原稿が読み取られて生成された画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかを決定する決定部を備える画像処理制御装置において、前記決定部は、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合に前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合にモノクローム画像処理を実行する決定をなす。これにより、カラー/モノクロ判定の際に、地紋画像の画素値による判定誤りを防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る画像処理制御装置は、前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定部と、画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定部と、前記カラードット画素の数を計数するカラードット画素計数部と、画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数部と、一のカラードット画素の画素値と前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素の画素値との差が所定値より小さい場合に、該一のカラードット画素を、カラー地紋画素と判定するカラー地紋画素判定部と、該カラー地紋画素の数を計数するカラー地紋画素計数部とを備え、前記決定部は、前記カラー画素が所定数以下の場合であって、前記カラードット画素の数と前記カラー地紋画素の数との差が所定値以下のときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、カラードットに属する画素の画素値の度数分布により、カラー地紋画像の有無を判定する。これにより、地紋画像を除いた画像に対するカラー/モノクロ判定を精度良く実行することができる。
【0011】
また、本発明に係る画像処理制御装置は、前記画素値は、複数の色成分の組み合わせで表され、前記カラー地紋画素判定部は、前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素のうち、複数の色成分の値の最大値と最小値の差が最大であるカラードット画素の画素値により、前記一のカラードット画素の画素値を置き換えて、カラー地紋画素の判定をするように構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、カラードットを構成する画素のうち、カラードットの周辺部と考えられる画素の画素値を補正した後にカラー地紋画素の判定を行う。これにより、精度良くカラー地紋画素の判定を行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る画像処理制御装置は、前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定部と、画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定部と、画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数部と、前記カラードット画素と判定された画素の度数分布を生成する度数分布生成部とを備え、前記決定部は、前記カラー画素が所定数以下の場合に、生成された前記度数分布における度数が一つの範囲に偏るときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、カラードット画素とカラー地紋画素を計数することにより、簡易な構成でカラー地紋画像の有無を判定することを実現する。これにより、地紋画像を除いた画像に対するカラー/モノクロ判定を簡易な構成で精度良く実行することができる。
【0015】
また、本発明に係る画像処理制御装置は、前記カラー画素の数が所定数を超える場合に、前記決定部は、前記カラー画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、カラー画素の数が所定数を超える場合には、地紋画像がカラーかモノクロームかに関わらずカラー画像処理を実行する決定をする。これにより、カラー/モノクロ判定を高速に実行することができる。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、複数の色成分のトナーにより媒体上に画像を形成する画像形成装置において、本発明の何れか一つに記載の画像処理制御装置と、前記画像データに対して、前記画像処理制御装置が有する決定部の決定に対応する前記カラー画像処理又はモノクローム画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像データの画像を、前記決定部の決定に対応する色のトナーで媒体上に印刷出力する画像出力装置とを備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る画像処理制御方法は、原稿が読み取られて生成された画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかを決定する決定部を備える画像処理制御装置が実行する画像処理制御方法において、前記決定部が、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合に前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る画像処理制御方法は、前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、前記カラードット画素の数を計数するカラードット画素計数ステップと、画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、一のカラードット画素の画素値と前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素の画素値との差が所定値より小さい場合に、該一のカラードット画素を、カラー地紋画素と判定するカラー地紋画素判定ステップと、該カラー地紋画素の数を計数するカラー地紋画素計数ステップと、前記カラー画素が所定数以下の場合であって、前記カラードット画素の数と前記カラー地紋画素の数との差が所定値以下のときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップとを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る画像処理制御方法は、前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、前記カラードット画素と判定された画素の度数分布を生成する度数分布生成ステップと、前記カラー画素が所定数以下の場合に、生成された前記度数分布における度数が一つの範囲に偏るときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップとを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、原稿が読み取られて生成され、複数の画素により構成される画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられた画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかの決定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、前記カラードット画素と判定された画素に係る計数情報を取得する計数情報取得ステップとを有し、画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、前記カラー画素の数と前記計数情報とが、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像であることを示す場合に、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップとを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る記録媒体は、本発明のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、カラー/モノクロ判定の際に、地紋画像の画素値による判定誤りを防止する画像処理制御装置、画像形成装置、画像処理制御方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置の機能ブロックの詳細を示す図である。
【図3】下地判定処理部が作成するヒストグラムの例を示すグラフである。
【図4】LUTの例を示すグラフである。
【図5】地紋画像の例と地紋画像を複写した画像の例とを示す図である。
【図6】地紋画像生成部の機能ブロックを示す図である。
【図7】画像合成部が実行する地紋画像の合成を説明する図である。
【図8】ACS処理部の機能ブロックの一例を示す図である。
【図9】カラードット画素を説明する図である。
【図10】ACS処理部が実行するカラー/モノクロ判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】カラー画素判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】ACS処理部の機能ブロックの他の例を示す図である。
【図13】ヒストグラム生成部が生成するヒストグラムの濃度値と度数値との関係の例(その1)を示すグラフである。
【図14】ヒストグラム生成部が生成するヒストグラムの濃度値と度数値との関係の例(その2)を示すグラフである。
【図15】ヒストグラム生成部が生成するヒストグラムの濃度値と度数値との関係の例(その3)を示すグラフである。
【図16】ACS処理部が実行するカラー/モノクロ判定処理の他の例を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の構成の概略を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像処理装置100、画像入力装置110、画像出力装置120、画像表示装置150、送受信/記憶部140、制御部60、及び、操作部180を有する。
【0026】
画像処理装置100は、画像入力装置110又は送受信/記憶部140から取得する画像データを処理し、画像出力装置120、画像表示装置150、又は、送受信/記憶部140に出力する。
【0027】
画像入力装置110は、原稿上に形成されている画像を光学的に読み取って画像データを生成する。画像入力装置110は、図示しないCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを備え、原稿から反射してきた光を、R,G,B(R:赤、G:緑、B:青)に色分解された電気信号に変換する。
【0028】
画像出力装置120は、画像処理装置100が処理した画像データを、紙等の媒体上に形成する。画像出力装置120は、例えば、電子写真方式プリンタ又はインクジェット方式プリンタ等の画像を再現する装置である。
【0029】
画像表示装置150は、画像形成装置で行う処理(操作)内容を表示したり、画像処理装置100が処理した画像データに係る画像、又は、画像処理装置100が処理する際の中間画像データに係る画像を表示する。画像表示装置150は、例えば、複写機又は複合機の操作パネルに設置された液晶ディスプレイ等の画像を表示する装置である。
【0030】
送受信/記憶部140は、ネットワークを介して画像処理装置100に入力され、又は、画像処理装置100から出力される画像データ、及び、制御信号を送受信する。送受信/記憶部140は、また、画像処理装置100が処理する画像データを格納する。送受信/記憶部140が格納する画像データは、画像入力装置110から入力される画像データ、及び、送受信/記憶部140が送受信する画像データである。
【0031】
送受信/記憶部140は、また、制御部60が制御処理を実行する際のワークメモリでもよい。送受信/記憶部140は、後に詳述する地紋画像データを格納する。
【0032】
制御部60は、画像処理装置100が実行する各種の画像処理に対する設定、及び、画像処理装置100が有する各部の制御を行う。制御部60は、また、画像入力装置110、及び、画像出力装置120の制御を行い、画像表示装置150が表示する画像を生成する。制御部60は、また、送受信/記憶部140を制御して、画像データの送受信を行い、及び、画像データをHDD等の記録装置に格納させ読み出させる。操作部180は、ジョブに対する設定情報を操作者が入力する。
【0033】
図2は、画像処理装置100の機能ブロックの詳細を示す図である。画像処理装置100は、アナログ・デジタル変換部(以下、「A/D変換部」という。)11、シェーディング補正部12、入力処理部13、自動カラー選択処理部(以下、「ACS(Auto Color Selection)処理部」という。)14、下地判定処理部15、露光調整部16、色補正部17、黒生成/下色除去部18、空間フィルタ部19、中間調生成部20、地紋合成処理部21、領域分離処理部30、地紋画像生成部40、地紋画像切替部41、及び、表示制御部50を有する。
【0034】
(地紋画像を合成して出力する処理)
A/D変換部11は、画像入力装置110が備えるCCDラインセンサから入力されたカラー画像信号(RGBアナログ信号)を、デジタル信号に変換する。シェーディング補正部12は、デジタル信号に含まれている、画像入力装置110の照明系、結像系、及び、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く。入力処理部13は、シェーディング補正部12により処理されたRGBデジタル信号に対し、γ補正をする処理を行う。以下の説明では、RGBデジタル信号による画像を、RGB画像という。
【0035】
ACS処理部14は、入力処理部13から出力されたRGB画像が、カラー画像かモノクローム画像かの判定を行う。より詳細には、RGB画像に地紋画像が含まれる場合には、地紋画像を除く画像が、カラー画像かモノクローム画像かを判定し、カラー画像の場合は、カラー画像処理、モノクローム画像の場合は、モノクローム画像処理を実行する決定をする。ACS処理部14が実行する処理は、後に詳述する。
【0036】
ACS処理部14から出力されるRGB画像は、送受信/記憶部140に格納される。
【0037】
下地判定処理部15は、送受信/記憶部140に格納されたRGB画像の下地濃度が、所定の閾値を上回っているかの判定を行う。
【0038】
下地判定処理部15の処理について詳述する。下地判定処理部15は、RGB画像に対し、次式(1)を用いて、輝度信号に変換する。
j =0.30Rj +0.59Gj +0.11Bj ・・・(1)
但し、Yj は、各画素の輝度信号、
j ,Gj ,Bj は、各画素の色成分
である。
【0039】
なお、上式(1)を用いる他に、CIE(Commision International de l’Eclairege:国際照明委員会)L* * * 信号(L* :明度、a* ,b* :色度)に変換して明度信号を求めてもよい。以下は、輝度信号について説明するが、明度信号でも同様の処理により下地の有無判定と下地の検出とをすることができる。
【0040】
下地判定処理部15は、輝度信号又は明度信号に基づいて、画像全体でヒストグラムを作成する。図3は、下地判定処理部15が作成するヒストグラムの例を示すグラフである。図3では、横軸が輝度、縦軸が頻度である。下地判定処理部15は、作成したヒストグラムにおいて、最も頻度が高い輝度Yf の度数が閾値th1以上である場合に、その輝度値を閾値th2と比較する。
【0041】
なお、閾値th1は、下地と判断する際の画素数の最小値である。閾値th1は、例えば、原稿サイズと対応づけて、送受信/記憶部140に格納しておくとよい。これにより、画像入力装置110が原稿を読み取る際に、取得した原稿サイズに対応する閾値th1を用いることができる。また、閾値th2は、下地と判断する輝度値の上限値である。閾値th1及び閾値th2は、複数の原稿を用いて、予め試行することにより、下地の有無を好適に検出できる値を設定しておくとよい。
【0042】
f >th2の場合には、下地の輝度が閾値th2を上回っているので、下地判定処理部15は、下地があると判定する。Yf ≦th2の場合には、下地の輝度が閾値th2以下なので、下地判定処理部15は、下地がないと判定する。
【0043】
なお、輝度に代えて濃度を用いる場合には、例えば、画像データが8ビットの場合、輝度表現では、0:黒、255:白となり、濃度表現では、255側が低濃度、0側が高濃度となる。
【0044】
表示制御部50は、画像表示装置150に表示する画面を生成し、画像表示装置150の表示を制御する。表示制御部50により表示される情報は、画像処理装置100が実行する処理の状況、及び、処理に対する設定情報である。
【0045】
地紋画像を付加することが設定されている場合には、表示制御部50は、下地判定処理部15の判定により、下地濃度が所定の閾値を超えているときに、下地濃度が濃い旨の情報を表示する。下地濃度が所定の閾値を上回っていると、地紋を付加しても下地の影響により地紋が有効に機能しない虞がある。そこで、下地濃度が濃い旨の情報を表示することにより、操作者が、操作部180から、複写する際の読み取り濃度を薄くすることを設定することができる。読み取り濃度を薄くする場合には、後述する露光調整部16において、露光補正が強いLUT(Look up Table)を用いる。
【0046】
露光調整部16は、LUTを用いて、RGB画像のRGB値を補正することにより、下地を除去する。下地除去に用いられるLUTは、予め設定されている複数のLUTから、操作者が入力する指示に基づいて選択される。
【0047】
図4は、LUTの例を示すグラフである。図4では、横軸に入力する画素値、縦軸に出力する画素値とし、露光補正が弱い場合の例と、強い場合の例とを示している。
【0048】
色補正部17は、RGB画像を、CMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)画像に色空間変換し、さらに、色再現性を高める処理を行う。
【0049】
領域分離処理部30は、RGB画像の各画素が、黒文字、色文字、網点、印画紙写真(連続階調領域)等の複数種類の領域のうちの、何れの種類の領域に属する画素かを判定する。領域分離処理部30は、判定した結果を各画素が属する領域の種類を表す領域分離データとして、黒生成/下色除去部18、空間フィルタ部19、及び、中間調生成部20に出力する。領域分離データが入力される各部では、領域の種類に対応した処理が実行される。
【0050】
黒生成/下色除去部18は、3色のトナーで表現することのできるCMY画像を、4色のトナーで表現するCMYK(K:黒)画像に変換する。空間フィルタ部19は、CMYK画像に対し、強調処理及び平滑処理を行う。中間調生成部20は、CMYK画像を印刷出力するために、階調再現処理を行う。
【0051】
地紋画像生成部40は、地紋合成処理部21で合成される地紋画像を生成する。生成される地紋画像は、送受信/記憶部140に格納されているパターンによる地紋画像でもよく、ジョブ毎に設定される設定値によりパターンを生成して地紋画像を生成してもよい。
【0052】
地紋画像生成部40が実行する処理について、図5から図7を用いて説明する。図5Aは、地紋画像の例を示す図である。図5Aの地紋画像には、文字「A」が埋め込まれている。地紋画像のドットのパターンは、細かいドットのパターンと粗いドットのパターンとを含む。文字の部分は、細かいドットにより形成され、文字を除く部分は、粗いドットにより形成されている。単位面積当たりの黒の割合は、細かいドットのパターンと粗いドットのパターンとで同一である。したがって、地紋画像では、牽制パターンである文字「A」は顕在化しない。
【0053】
図5Bは、図5Aの地紋画像を複写した画像を示す図である。スキャナで原稿を読み取る際に、細かいドットの部分は、光学的に読み取られない、又は、画像処理の過程で除去される。そこで、複写して出力される画像は、図5Bに示すように、文字「A」が白抜けした牽制パターンとして顕在化する。
【0054】
図6は、地紋画像生成部40の機能ブロックを示す図である。地紋画像生成部40は、牽制文字生成部45、文字画像生成部46、及び、画像合成部47を有する。牽制文字生成部45は、ユーザにより指定された牽制文字の文字列を生成する。牽制文字の文字列とは、例えば、「COPY」、「複写」等の原本からコピーされたことを表す文字列である。
【0055】
文字画像生成部46は、牽制文字生成部45により生成された牽制文字の文字列から、牽制パターンビットマップを生成する。牽制パターンビットマップは、例えば、フォントデータをリッピングして生成するとよい。
【0056】
画像合成部47は、牽制パターンビットマップを用いて、粗いドットのパターンと細かいドットのパターンとを含む地紋画像を生成する。
【0057】
図7は、画像合成部47が実行する地紋画像の合成を説明する図である。図7には、ドットパターンd1、ドットパターンd2、牽制パターンビットマップb1、及び、地紋画像p1を示す。ドットパターンd1は、細かいドットのパターンであり、ドットパターンd2は、粗いドットのパターンである。画像合成部47は、ドットパターンd1とドットパターンd2とを、牽制パターンビットマップb1の値にしたがい合成する。より詳細には、例えば、牽制パターンビットマップの値が「1」の位置の画素は、ドットパターンd1により表現し、牽制パターンビットマップの値が「0」の位置の画素は、ドットパターンd2により表現する。これにより、地紋画像を含む原稿をコピーする際に、牽制パターンが白抜き文字として浮かび上がる。
【0058】
一方、牽制パターンビットマップの値が「1」の位置の画素を、ドットパターンd2により表現し、牽制パターンビットマップの値が「0」の位置の画素を、ドットパターンd1により表現することにより、地紋画像を含む原稿をコピーする際に、牽制パターンの背景が白くなり文字が浮かび上がる。
【0059】
生成された地紋画像は、送受信/記憶部140に格納される。
【0060】
地紋画像切替部41は、送受信/記憶部140に複数の地紋画像が格納されている場合に、印刷出力する画像に合成する地紋画像を選択する。合成する地紋画像は、例えば、操作者が操作部180から入力する指示、又は、送受信/記憶部140が受信した印刷ジョブに含まれている指示に基づく。
【0061】
図2に戻り、地紋合成処理部21は、地紋画像生成部40が生成した地紋画像を、中間調生成部20から出力される画像データに付加する。地紋画像は、C、M、Y、Kの何れかの色成分に対して行う。何れの色成分に地紋画像を付加するかは、例えば、操作パネルからユーザが入力することにより、予め設定されている。
【0062】
地紋画像が付加されたCMYK画像は、画像出力装置120に対して出力され、媒体上に印刷される。
【0063】
次に、カラー/モノクロ判定について説明する。以下の説明では、RGB画像に対する処理を説明するが、RGB画像を補色反転したCMY画像や、CIE1976L* * * 信号に色空間変換して、カラー/モノクロ判定を行ってもよい。
【0064】
(ACS処理部14によるカラー/モノクロ判定(その1))
ACS処理部14によるカラー/モノクロ判定を図8から図11を参照して説明する。図8は、ACS処理部14の機能ブロックを示す図である。ACS処理部14は、カラー画素判定部401、無彩色ライン検出部402、カラードット画素判定部403、カラードット画素計数部404、カラー画素計数部405、基準ドット画素判定部406、カラー地紋画素判定部407、カラー地紋画素計数部408、及び、カラー原稿判定部409を有する。
【0065】
ACS処理部14は、RGB画像が有する画素毎に、その画素を注目画素として、属性を判定する。判定する際には、注目画素を中心とするn×mの画素ブロックを用いる。nとmとは、自然数であり、例えば、7である。以下の説明において、n×mの画素ブロックについては、同じサイズを用いることが望ましい。それぞれの処理で異なるサイズのブロックを用いても良いが、その場合、各判定における閾値を調整する必要がある。
【0066】
カラー画素判定部401は、注目画素を中心とするn×mの画素ブロックの各画素の画素値が、カラーの値であるか否かを判定する。画素値は、例えば、色成分毎に0から255の整数により表される。
【0067】
より詳細には、カラー画素判定部401は、画素ブロックを構成する画素毎に、RGB信号の最大濃度値と最小濃度値との差である最大濃度差を算出する。各画素の最大濃度差が、次式(2)を満たす場合に、カラー画素判定部401は、その画素は、画素値がカラーの値を有すると判定する。
【0068】
最大濃度差(Max(R,G,B)−Min(R,G,B)))>カラー画素判定閾値
・・・(2)
カラー画素判定閾値は、例えば、20である。
【0069】
無彩色ライン検出部402は、カラー画素判定部401の判定結果に基づいて、n×mの画素ブロックの主走査方向、及び、副走査方向のそれぞれの方向において、カラー画素が存在しないラインである無彩色ラインを検出し、その数を算出する。なお、無彩色ラインは、カラー画素の数が所定数より少ないラインでもよい。
【0070】
カラードット画素判定部403は、注目画素の画素値がカラーであるとカラー画素判定部401が判定している場合に、注目画素がカラードット画素かカラー画素であるか否かを判定する。カラードット画素とは、比較的細かいドットを構成する画素であり、カラー画素とは、画素値がカラーではあるものの、細かいドットを構成する画素ではない画素である。
【0071】
図9A及び図9Bは、カラードット画素を説明する図である。図9Aは、カラードットにより形成される地紋画像の例を示す図である。図9Aの地紋画像は、牽制パターンである文字「A」が、細かいドットで形成され、文字「A」の背景部分が、粗いドットで形成されている。単位面積当たりの濃度は、細かいドットのパターンと粗いドットのパターンとで同一であるので、図9Aの地紋画像では、牽制パターンは、顕在化していない。なお、図9Aにおいて、左から右へ走査する方向が主走査方向、上から下へ走査する方向が副走査方向である。
【0072】
細かいドットの領域と粗いドットの領域とは、何れも、単色のドットが規則正しく配列されている。したがって、n×mの画素ブロックにおいて、ドットが含まれない無彩色ラインが複数存在する。そこで、無彩色ライン数を計数し、その数に基づいて、注目画素がカラードット画素であるかカラー画素であるか否かを判定する。
【0073】
より詳細には、カラードット画素判定部403は、無彩色ライン検出部402が算出した無彩色ラインの数が所定の範囲内にある場合に、注目画素がカラードット画素であると判定し、そうではない場合に、注目画素がカラー画素であると判定する。所定の範囲内にある場合とは、例えば、次式(3)及び(4)を同時に満たす場合である。
【0074】
無彩色ライン下限閾値<主走査方向の無彩色ラインの数<無彩色ライン上限閾値
・・・(3)
無彩色ライン下限閾値<副走査方向の無彩色ラインの数<無彩色ライン上限閾値
・・・(4)
ここで、例えば、無彩色ライン下限閾値は、1、無彩色ライン上限閾値は、5である。
なお、無彩色ラインは、ドットに係る画素を含まないラインの他に、ドットに係る画素が所定数以下のラインでもよい。また、無彩色ライン上限閾値及び無彩色ライン下限閾値は、ドットのサイズ、及び、画素ブロックの大きさに応じて定められるとよい。
【0075】
図9Bは、細かいドットと粗いドットとのそれぞれの領域における、単位面積当たりの無彩色ラインの数を説明する図である。図9Bでは、7×7の画素ブロックが単位面積となる。ここでは、画素値がカラーの値を有する画素のうち、粗いドットの領域に含まれる注目画素pxl1、及び、pxl2、並びに、細かいドットの領域に含まれる注目画素pxl3、及び、pxl4について説明する。図中、各画素の周囲の無彩色ラインに、丸囲み数字の序数を付している。
【0076】
注目画素pxl1の主走査方向の無彩色ライン数は、2であり、副走査方向の無彩色ライン数は、3である。したがって、上式(3)及び(4)を満たし、注目画素pxl1は、カラードット画素である。
【0077】
以下同様に、注目画素pxl2の主走査方向の無彩色ライン数は、2であり、副走査方向の無彩色ライン数は、2である。また、注目画素pxl3の主走査方向の無彩色ライン数は、4であり、副走査方向の無彩色ライン数は、4である。また、注目画素pxl4の主走査方向の無彩色ライン数は、2であり、副走査方向の無彩色ライン数は、3である。したがって、pxl2、pxl3、及び、pxl4は、全て、上式(3)及び(4)を満たすので、カラードット画素である。
【0078】
カラードット画素計数部404は、カラードット画素判定部403によりカラードット画素と判定された画素値がカラーの値を有する画素の数を計数する。カラー画素計数部405は、カラードット画素判定部403によりカラードット画素と判定されなかった画素値がカラーの値を有する画素をカラー画素としてその数を計数する。
【0079】
基準ドット画素判定部406は、RGB画像において、最初にカラードット画素と判定された注目画素を基準ドット画素と定める。基準ドット画素判定部406は、さらに、基準ドット画素の周囲のn×mの画素ブロックにおいて、最大濃度差(Max(R,G,B)−Min(R,G,B)))が、最も大きい画素のR,G,B値を、基準値とする。この基準値は、一枚の原稿を読み取った画像データに対して、一つ定められる。基準ドット画素判定部406は、さらに、基準ドット画素のR,G,B値を、基準値に置き換える。
【0080】
なお、最大濃度差(Max(R,G,B)−Min(R,G,B))が最も大きい画素のR,G,B値に置き換えるのは、次の理由による。ドットを構成する画素は、ドットの中心部である画素が、最も安定した値を有し、その画素の最大濃度差は、ドットの周辺部の画素の最大濃度差よりも大きいと考えられるからである。
【0081】
カラー地紋画素判定部407は、注目画素がカラー地紋画素であるか否かを判定する。より詳細には、カラードット画素判定部403によりカラードット画素と判定された注目画素のR,G,B値を、その画素の周囲n×mの画素ブロックにおいて、最大濃度差(Max(R,G,B)−Min(R,G,B))が、最も大きい画素のR,G,B値と置き換え、さらに、置き換えた値と基準値とを比較する。次式(5)から式(7)を全て満たす場合、すなわち、置き換えた値と基準値との差が、カラー地紋画素閾値より小さい場合には、カラー地紋画素判定部407はその注目画素をカラー地紋画素と判定する。これにより、注目画R,G,B素が、基準値と同じであると判断される画素値を有するか否かを判定することができる。
【0082】
|R値−R基準値|<カラー地紋画素閾値 ・・・(5)
|G値−G基準値|<カラー地紋画素閾値 ・・・(6)
|B値−B基準値|<カラー地紋画素閾値 ・・・(7)
ここで、例えば、カラー地紋画素閾値は、5である。
【0083】
カラー地紋画素計数部408は、カラー地紋画素判定部407によりカラー地紋画素と判定された画素の数を計数する。
【0084】
なお、注目画素のR,G,B値に代えて、最大濃度差(Max(R,G,B)−Min(R,G,B))が、最も大きい画素のR,G,B値を用いるのは、基準ドット画素の場合と同様に、ドットを構成する画素は、ドットの中心部である画素が、最も安定した値を有し、その画素は、ドットの周辺部の画素よりも最大濃度差が大きいと考えられるからである。
【0085】
この置き換え処理に代えて、例えば、上式(5)から(7)において、カラー地紋画素閾値を大きくしてもよい。例えば、カラー地紋画素閾値を7とするとよい。
【0086】
カラー原稿判定部409は、RGB画像を生成する際に読み取られた原稿が、カラー原稿かモノクローム原稿かを判定する。なお、画像処理装置100が、モノクローム原稿が読み取られたとしてモノクローム画像処理を実行するのは、以下の(a)から(c)の原稿から読み取られたと判定される場合であり、カラー原稿が読み取られたとしてカラー画像処理を実行するのは、以下の(d)の原稿から読み取られたと判定される場合である。
(a)地紋画像を含まないモノクローム原稿
(b)モノクローム画像及びモノクロームの地紋画像が印刷された原稿
(c)モノクローム画像及びカラーの地紋画像が印刷された原稿
(d)地紋画像の有無に関わらずカラー画像が印刷された原稿
【0087】
上記の(a)及び(b)は、カラー画素の数が0であると考えられる。また、(c)は、カラードット画素が存在するものの、カラー画素の数が非常に少ないと考えられる。
【0088】
そこで、カラー原稿判定部409は、以下の式(8)及び式(9)を満たす場合に、上記(a)から(c)の何れかであると判定し、モノクローム原稿が読み取られたと判定する。
カラー画素の数<カラー原稿判定閾値 ・・・(8)
|カラードット画素の数−カラー地紋画素の数|<カラー地紋原稿判定閾値 ・・・(9)
【0089】
カラー原稿判定部409は、式(8)及び式(9)の少なくとも一方を満たさない場合に、上記(d)と判定し、カラー原稿が読み取られたと判定する。なお、カラー原稿判定部409は、RGB画像に含まれる各画素を処理する際に、式(8)を満たさないと判定された時点で、残りの画素に対する処理を行わず、カラー原稿が読み取られたと判定するとよい。これにより、カラー原稿が読み取られている場合に、判定処理を高速にすることができる。
【0090】
カラー原稿判定閾値は、例えば、解像度が600dpi(主走査方向、副走査方向の解像度)で、A4サイズの原稿に対して1000である。カラー地紋原稿判定閾値は、例えば、解像度が600dpi(主走査方向、副走査方向の解像度)で、A4サイズの原稿に対して200である。なお、カラー原稿判定閾値は、原稿サイズの他に、画像処理装置の仕様にあわせて、好適に定められるとよい。
【0091】
図10及び図11は、ACS処理部14が実行するカラー/モノクロ判定の処理の流れを説明するフローチャートである。図10には、カラー/モノクロ判定処理の全体を示す。
【0092】
RGB画像に対するカラー/モノクロ判定処理では、最初に、カラードット画素数、カラー画素数、及び、カラー地紋画素数の初期化が行われる(ステップS11)。
【0093】
続いて、RGB画像が有する画素毎に、その画素を注目画素として、ステップS12からステップS22の処理が実行される。カラー画素判定部401は、n×mの画素ブロックの中心に位置する注目画素に対して、カラー画素判定処理を行い、画素値がカラーの値を有する場合には、無彩色ライン検出部402が、無彩色ラインの数を計数する(ステップS12)。
【0094】
図11は、カラー画素判定処理の詳細を説明するフローチャートである。カラー画素判定部401は、n×mの画素ブロックに含まれる一つの画素の最大濃度値を算出し(ステップS1)、さらに、最小濃度値を算出する(ステップS2)。カラー画素判定部401は、最大濃度値と最小濃度値との差から、最大濃度差を算出する(ステップS3)。カラー画素判定部401は、最大濃度差が式(2)を満たすか否かを判定することにより、画素値がカラーの値を有するか否かを判定する(ステップS4)。
【0095】
カラー画素判定部401は、n×mの画素ブロックに含まれる全ての画素に対して、ステップS1からステップS4の処理が終了したか否かを判定する。終了している場合(ステップS5:YES)には、無彩色ライン検出部402が、n×mの画素ブロックに含まれる無彩色ラインを検出し、その数を計数する(ステップS6)。ステップS6の処理が終了した後、図10に戻る。一方、n×mの画素ブロックに含まれる画素の中で、ステップS1からステップS4の処理が終了していない画素がある場合(ステップS5:NO)には、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
【0096】
図10に戻り、カラー画素判定処理(ステップS12)の結果に基づいて、カラー画素判定部401は、n×mの画素ブロックに含まれる注目画素の画素値が、カラーの値であるか否かを判定する(ステップS13)。カラーの値である場合(ステップS13:YES)には、カラードット画素判定部403が、注目画素がカラードット画素かカラー画素であるか否かを判定する(ステップS14)。カラードット画素である場合(ステップS14:YES)には、カラードット画素計数部404が、カラードット画素数に1加算する(ステップS15)。
【0097】
基準ドット画素判定部406は、注目画素が基準ドット画素であるか否かを判定する(ステップS16)。基準ドット画素である場合(ステップS16:YES)には、基準ドット画素判定部406は、基準ドット画素のR,G,B値を、基準値に置き換え(ステップS17)、ステップS18に進む。基準ドット画素では無い場合(ステップS16:NO)には、基準値への置き換えは行わず、ステップS18に進む。
【0098】
カラー地紋画素判定部407は、注目画素がカラー地紋画素であるか否かを判定する(ステップS18)。カラー地紋画素である場合(ステップS18:YES)には、カラー地紋画素計数部408は、カラー地紋画素判定部407によりカラー地紋画素と判定された画素数に1加算する(ステップS19)。カラー地紋画素ではない場合(ステップS18:NO)には、カラー地紋画素数への加算は行わない。
【0099】
一方、注目画素がカラードット画素では無い場合(ステップS14:NO)には、カラー画素計数部405は、注目画素をカラー画素と判定して、カラー画素数を1加算する(ステップS20)。
【0100】
注目画素の画素値がカラーでは無い場合(ステップS13:NO)、ステップS14からステップS19の処理が終了した場合、又は、ステップS20で加算されたカラー画素数が、式(8)を満たす場合(ステップS21:NO)には、RGB画像が有する全ての画素の処理が終了したか否かを判定する(ステップS22)。全ての画素に対する処理が終了している場合(ステップS22:YES)には、カラー原稿判定部409は、式(8)及び式(9)に基づく判定を行う(ステップS23)。式(8)及び式(9)を満たすとき(ステップS23:YES)は、モノクローム原稿が読み取られて生成された画像データに対する処理を実行する設定を行う(ステップS24)。
【0101】
処理されていない画素がある場合(ステップS22:NO)には、ステップS12に戻って、処理されていない画素を注目画素として、処理を繰り返す。
【0102】
注目画素がカラー画素と判定されることにより加算されたカラー画素数が、式(8)を満たさないとカラー原稿判定部409が判定する場合(ステップS21:YES)、又は、RGB画像が有する全ての画素の処理が終了した後(ステップS22:YES)に、カラー画素数とカラードット画素数とカラー地紋画素数とが、式(8)及び式(9)の何れか一つ以上を満たさないとカラー原稿判定部409が判定する場合(ステップS23:NO)には、制御部60は、カラー原稿が読み取られて生成された画像データに対する処理を実行する設定を行う(ステップS25)。
【0103】
(ACS処理部14によるカラー/モノクロ判定(その2))
図12から図16は、ACS処理部14aによるカラー/モノクロ判定を説明する図である。図12は、ACS処理部14aの機能ブロックを示す図である。ACS処理部14aは、図8で示したACS処理部14とは異なる構成を有する。ACS処理部14aは、カラー地紋画像の有無を、カラードット画素のヒストグラムにより判定する。
【0104】
ACS処理部14aは、カラー画素判定部401、無彩色ライン検出部402、カラードット画素判定部403、カラー画素計数部405、カラー原稿判定部409a、及び、ヒストグラム生成部410を有する。これらの各部のうち、図8のACS処理部14と同一の機能及び構成を有する各部は、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0105】
ヒストグラム生成部410は、RGB画像が有するカラードット画素のR,G,B値の夫々に対するヒストグラムを生成する。ヒストグラム作成に用いるカラードット画素は、カラードット画素判定部403によりカラードット画素と判定されたものである。
【0106】
なお、ヒストグラム生成部410は、カラードット画素判定部403によりカラードット画素と判定された注目画素のR,G,B値を、その注目画素が含まれるn×mの画素ブロックが有する画素のうち、最大濃度差が最も大きい画素のR,G,B値に置き換えた後に、ヒストグラムを生成してもよい。ドットの中心にある画素は最大濃度差が最も大きいと考えられるので、この置き換えにより、安定した値を用いてヒストグラムを生成することができる。
【0107】
カラー原稿判定部409aは、RGB画像を生成する際に読み取られた原稿が、カラー原稿か、モノクローム原稿かを判定する。なお、画像処理装置100が、モノクローム原稿が読み取られたとしてモノクローム画像処理を実行するのは、以下の(a)から(c)の原稿から読み取られたと判定される場合であり、カラー原稿が読み取られたとしてカラー画像処理を実行するのは、以下の(d)の原稿から読み取られたと判定される場合である。
【0108】
(a)地紋画像を含まないモノクローム原稿
(b)モノクローム画像及びモノクロームの地紋画像が印刷された原稿
(c)モノクローム画像及びカラーの地紋画像が印刷された原稿
(d)地紋画像の有無に関わらずカラー画像が印刷された原稿
【0109】
そこで、カラー原稿判定部409aは、ヒストグラム生成部410が生成したヒストグラムの形状から、カラー原稿が読み取られたものか、モノクローム原稿が読み取られたものかを判定する。
【0110】
図13から図15は、ヒストグラム生成部410が生成するヒストグラムの度数を結んだグラフ(ヒストグラムの概略形状を示すグラフ)である。図13から図15は、夫々、R,G,Bの3つのヒストグラムに係るグラフを示している。ヒストグラムに係るグラフは、横軸が濃度値(画素値)、縦軸が濃度値毎の度数値(頻度)である。
【0111】
なお、図13から図15の各グラフは、全ての濃度値におけるヒストグラムであるが、全ての濃度値を複数に区分して簡易ヒストグラムを生成してもよい。例えば、16区分を設ける場合には、画素値の小さい側から、第1濃度区分、第2濃度区分、・・・とし、画素値の最も大きい側を、第16濃度区分とする。
【0112】
図13は、カラー地紋画像のヒストグラムである。カラー地紋画像は、単濃度の画素しか存在しない。そこで、図13のR,G,Bのグラフには、それぞれ、狭い範囲の濃度域にのみ度数値が存在する。すなわち、R,G,Bの3次元グラフで表す場合には、1つの範囲に度数が偏って存在する。
【0113】
図14及び図15は、地紋画像ではないカラー画像のヒストグラムである。地紋画像ではないカラー画像は、種々の色が含まれる。そこで、図14のR,G,Bの各ヒストグラムは、度数値が存在する濃度域が広がっている。また、図15のR,G,Bの各ヒストグラムは、度数値が存在する濃度域が、複数存在する。
【0114】
なお、グレーがCMYで表されている場合(コンポジットグレー)を除き、画素値がカラーの値を有する画素が含まれない場合には、度数値が存在する濃度域がない。
【0115】
カラー原稿判定部409aは、以下の(11)から(13)の3つの条件が同時に満たされる場合に、上記(a)から(c)の何れかであると判定する。
(11)R,G,Bの各信号のヒストグラムにおいて、度数値が存在する濃度域が1つずつ存在する。
(12)R,G,Bの各信号のヒストグラムにおいて、度数値が存在する濃度域の幅がカラー地紋原稿判定ヒストグラム閾値より小さい。
(13)式(8)を満たす。
【0116】
但し、カラー地紋原稿判定ヒストグラム閾値は、例えば、解像度が600dpi(主走査方向、副走査方向の解像度)で、A4サイズの原稿に対して5であり、カラー原稿判定閾値は、例えば、解像度が600dpi(主走査方向、副走査方向の解像度)で、A4サイズの原稿に対して1000である。カラー原稿判定閾値は、原稿サイズの他に、画像処理装置100の仕様にあわせて、好適に定められるとよい。
【0117】
カラー原稿判定部409aは、上記(11)から(13)の少なくとも一つが満たされない場合に、上記(d)であると判定する。
【0118】
図16は、ACS処理部14aが実行するカラー/モノクロ判定処理を示すフローチャートである。図16のステップS31からステップS34は、図10のステップS11からステップS14と同一の処理であるので、ここでは説明を省略する。
【0119】
カラードット画素判定部403は、注目画素がカラードット画素かカラー画素であるかを判定する(ステップS34)。カラードット画素である場合(ステップS34:YES)には、ヒストグラム生成部410が、注目画素の濃度値に対応するヒストグラムの濃度値に1加算する(ステップS35)。
【0120】
一方、注目画素がカラードット画素では無い場合(ステップS34:NO)には、カラー画素計数部405は、注目画素をカラー画素と判定して、カラー画素数を1カウントアップする(ステップS36)。
【0121】
ステップS35の処理が終了した場合、又は、ステップS36で加算されたカラー画素数が、式(8)を満たす場合(ステップS37:NO)には、RGB画像が有する全ての画素の処理が終了したか否かを判定する(ステップS38)。全ての画素に対する処理が終了している場合(ステップS38:YES)には、カラー原稿判定部409aは、完成したヒストグラムの形状に基づく判定を行う(ステップS39)。条件(11)から(13)を同時に満たすとき(ステップS39:YES)は、モノクローム画像処理を実行する設定を行う(ステップS40)。
【0122】
処理されていない画素がある場合(ステップS38:NO)には、ステップS32に戻って、処理されていない画素を注目画素として、処理を繰り返す。
【0123】
注目画素がカラー画素と判定されることにより加算されたカラー画素数が、式(8)を満たさないとカラー原稿判定部409aが判定する場合(ステップS37:YES)、又は、RGB画像が有する全ての画素の処理が終了した後(ステップS38:YES)に、条件(11)から(13)の何れか一つ以上を満たさない場合(ステップS39:NO)には、制御部60は、カラー画像処理を実行する設定を行う(ステップS41)。
【0124】
(カラー原稿が読み取られて生成された画像データに対する画像処理)
ACS処理部14又はACS処理部14aにより、カラー原稿が読み取られて生成された画像データに対する処理を実行すると決定された場合には、下地判定処理部15、露光調整部16、色補正部17、空間フィルタ部19、中間調生成部20、及び、領域分離処理部30が、RGB画像に対して画像処理を行い、又は、RGB画像を変換して生成されるCMYK画像を画像出力装置120に出力する。
【0125】
(モノクローム原稿が読み取られて生成された画像データに対する画像処理)
ACS処理部14又はACS処理部14aにより、モノクローム原稿が読み取られて生成された画像データに対する処理を実行すると決定された場合には、下地判定処理部15から中間調生成部20が実行する処理のうち、色補正部17は、RGB画像を、K画像データに変換し、黒生成/下色除去部18の処理は省略される。
色補正部17が実行する色空間変換処理は、例えば、次式(10)により行われる。
j =0.30Rj +0.59Gj +0.11Bj ・・・(10)
但し、Yj は、各画素の輝度信号、
j ,Gj ,Bj は、各画素の色成分
である。
【0126】
図17は、本実施の形態に係る画像形成装置900のハードウェア構成の例を説明する図である。図17の画像形成装置900は、画像処理部910、スキャナ920、ハードディスク装置(以下、「HDD」という。)930、ドライブ装置940、及び、プリンタ980を有する。画像処理部910は、画像処理部910に接続される各部の制御、及び、画像形成装置900が出力する画像データを処理する。
【0127】
画像処理部910は、CPU901、ROM902、RAM903、画像処理ASIC904、スキャナインタフェース(以下、「スキャナI/F」という。)912、HDDインタフェース(以下、「HDD−I/F」という。)913、ドライブインタフェース(以下、「ドライブI/F」という。)914、プリンタインタフェース(以下、「プリンタI/F」という。)918、及び、通信インタフェース(以下、「通信I/F」)という。)919を有する。
【0128】
CPU901は、コンピュータプログラムを実行することにより、画像処理部910の各部、及び、画像処理部910に接続される各部の制御を行う。ROM902は、例えば、CPU901が実行するコンピュータプログラムを格納する。
【0129】
RAM903は、画像処理ASIC904、及び、CPU901がコンピュータプログラムを実行することにより実現される機能により処理される画像データを格納する。なお、この画像データは、ROM902に格納されてもよい。
【0130】
画像処理ASIC904は、画像データに対する各種処理を行う。画像処理ASIC904は、例えば、領域分離処理、下地除去処理、色補正処理、黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、出力階調補正処理、及び、中間調生成処理の何れか一以上の処理を行う。
【0131】
スキャナI/F912は、スキャナ920から入力される画像データを受け取り、スキャナ920の特性に応じた画像処理を行う。HDD−I/F913は、CPU901の制御に基づいて、HDD930に格納される画像データの入出力を行う。ドライブI/F914は、ドライブ装置940に挿入される可搬性記録媒体941に対するデータの入出力を行う。
【0132】
プリンタI/F918は、画像処理部910が処理した画像データを、プリンタ980に出力する際のインタフェースである。通信I/F919は、画像処理部910からネットワーク990を介して他の装置と画像データ又は制御信号を通信する際のインタフェースである。
【0133】
スキャナ920は、媒体上に画像が形成されている原稿を光学的に読み取って画像データを出力する。スキャナ920が出力する画像データは、アナログ信号でもよく、アナログ信号が変換されたデジタル信号でもよい。
【0134】
HDD930は、画像処理部910が処理する画像データを格納する。HDD930は、例えば、スキャナ920から入力される画像データ、通信I/F919から入力される画像データ、並びに、CPU901、及び、画像処理ASIC904の処理により生成される中間画像データを格納する。ドライブ装置940は、可搬性記録媒体941が挿入されることにより、可搬性記録媒体941に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。可搬性記録媒体941には、例えば、CPU901が実行するコンピュータプログラムが格納される。
【0135】
プリンタ980は、画像処理部910により処理された画像データを、媒体上に形成して出力する。
【0136】
<コンピュータプログラム及び記録媒体>
本実施の形態の画像処理装置は、コンピュータがプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を実行することにより実現されてもよい。本実施の形態の記録媒体は、プログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、画像データに地紋画像が含まれる場合には、地紋画像を除く画像が、カラー画像かモノクローム画像かを判定し、カラー画像の場合は、カラー画像処理、モノクローム画像の場合は、モノクローム画像処理を実行することを決定する画像処理方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録するものとすることもできる。
【0137】
本実施の形態に係る画像処理方法を行うためのプログラムを記録した記録媒体は、持ち運び自在に提供することができる。
【0138】
なお、記録媒体は、マイクロコンピュータが処理を行うためのプログラムコードが記録された、図示していないメモリ、例えばROMでもよい。記録媒体は、また、図示していない外部記憶装置として設けられるプログラム読み取り装置に挿入することによりコンピュータが読み取り可能なプログラムメディアでもよい。
【0139】
記録媒体に格納されているプログラムコードは、マイクロプロセッサが記録媒体にアクセスして実行させる構成でもよい。また、記録媒体からプログラムコードが読み出され、図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行されてもよい。ダウンロード用のプログラムは予め装置に格納されているものとする。
【0140】
記録媒体としてのプログラムメディアは、装置と分離可能に構成される。例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、及び、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体の何れでもよい。
【0141】
また、本実施の形態の画像処理装置は、インターネットを含む通信ネットワークを接続することができるシステム構成でもよく、この場合、記録媒体は、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする際に流動的にプログラムコードを担持する媒体でもよい。なお、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、又は、別な記録媒体からインストールされるものでもよい。なお、本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0142】
以上、発明を実施するための形態について説明を行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 画像形成装置
11 A/D変換部
12 シェーディング補正部
13 入力処理部
14、14a ACS処理部
15 下地判定処理部
16 露光調整部
17 色補正部
18 黒生成/下色除去部
19 空間フィルタ部
20 中間調生成部
21 地紋合成処理部
30 領域分離処理部
40 地紋画像生成部
41 地紋画像切替部
45 牽制文字生成部
46 文字画像生成部
47 画像合成部
100 画像処理装置
110 画像入力装置
120 画像出力装置
140 送受信/記憶部
150 画像表示装置
180 操作部
401 カラー画素判定部
402 無彩色ライン検出部
403 カラードット画素判定部
404 カラードット画素計数部
405 カラー画素計数部
406 基準ドット画素判定部
407 カラー地紋画素判定部
408 カラー地紋画素計数部
409、409a カラー原稿判定部(決定部)
410 ヒストグラム生成部
50 表示制御部
60 制御部
900 画像形成装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 画像処理ASIC
910 画像処理部
912 スキャナI/F
913 HDD−I/F
914 ドライブI/F
918 プリンタI/F
920 スキャナ
930 HDD
930 ハードディスク装置
940 ドライブ装置
941 可搬性記録媒体
980 プリンタ
990 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が読み取られて生成された画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかを決定する決定部を備える画像処理制御装置において、
前記決定部は、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合に前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする画像処理制御装置。
【請求項2】
前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、
前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定部と、
画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定部と、
前記カラードット画素の数を計数するカラードット画素計数部と、
画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数部と、
一のカラードット画素の画素値と前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素の画素値との差が所定値より小さい場合に、該一のカラードット画素を、カラー地紋画素と判定するカラー地紋画素判定部と、
該カラー地紋画素の数を計数するカラー地紋画素計数部と
を備え、
前記決定部は、前記カラー画素が所定数以下の場合であって、前記カラードット画素の数と前記カラー地紋画素の数との差が所定値以下のときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする請求項1記載の画像処理制御装置。
【請求項3】
前記画素値は、複数の色成分の組み合わせで表され、
前記カラー地紋画素判定部は、
前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素のうち、複数の色成分の値の最大値と最小値の差が最大であるカラードット画素の画素値により、前記一のカラードット画素の画素値を置き換えて、カラー地紋画素の判定をするように構成してあることを特徴とする請求項2記載の画像処理制御装置。
【請求項4】
前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、
前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定部と、
画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定部と、
画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数部と、
前記カラードット画素と判定された画素の度数分布を生成する度数分布生成部とを備え、
前記決定部は、前記カラー画素が所定数以下の場合に、生成された前記度数分布における度数が一つの範囲に偏るときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする請求項1記載の画像処理制御装置。
【請求項5】
前記カラー画素の数が所定数を超える場合に、前記決定部は、前記カラー画像処理を実行する決定をなすように構成してあることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の画像処理制御装置。
【請求項6】
複数の色成分のトナーにより媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1から6の何れか一項に記載の画像処理制御装置と、
前記画像データに対して、前記画像処理制御装置が有する決定部の決定に対応する前記カラー画像処理又はモノクローム画像処理を実行する画像処理装置と、
前記画像データの画像を、前記決定部の決定に対応する色のトナーで媒体上に印刷出力する画像出力装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
原稿が読み取られて生成された画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかを決定する決定部を備える画像処理制御装置が実行する画像処理制御方法において、
前記決定部が、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像の場合に前記モノクローム画像処理を実行する決定をなすことを特徴とする画像処理制御方法。
【請求項8】
前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、
前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、
画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、
前記カラードット画素の数を計数するカラードット画素計数ステップと、
画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、
一のカラードット画素の画素値と前記一のカラードット画素の周囲のカラードット画素の画素値との差が所定値より小さい場合に、該一のカラードット画素を、カラー地紋画素と判定するカラー地紋画素判定ステップと、
該カラー地紋画素の数を計数するカラー地紋画素計数ステップと、
前記カラー画素が所定数以下の場合であって、前記カラードット画素の数と前記カラー地紋画素の数との差が所定値以下のときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップと
を有することを特徴とする請求項7記載の画像処理制御方法。
【請求項9】
前記画像データは、複数の画素により構成される該画像データに係る画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられており、
前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、
画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、
画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、
前記カラードット画素と判定された画素の度数分布を生成する度数分布生成ステップと、
前記カラー画素が所定数以下の場合に、生成された前記度数分布における度数が一つの範囲に偏るときに、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップと
を有することを特徴とする請求項7記載の画像処理制御方法。
【請求項10】
原稿が読み取られて生成され、複数の画素により構成される画像が有する前記画素毎に画素値が対応づけられた画像データに対し、カラー画像に対するカラー画像処理及びモノクローム画像に対するモノクローム画像処理の何れを実行するかの決定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記画素毎に画素値がカラーの値か否かを判定するカラー画素判定ステップと、
画素値がカラーの値と判定された画素毎に、該画素が、同じであると判断される画素値を有する画素の集合であるカラードットに属するカラードット画素であるか否かを判定するカラードット画素判定ステップと、
前記カラードット画素と判定された画素に係る計数情報を取得する計数情報取得ステップとを有し、
画素値がカラーの値と判定された画素のうち、カラードット画素を除くカラー画素の数を計数するカラー画素数計数ステップと、
前記カラー画素の数と前記計数情報とが、前記画像データに係る画像から地紋画像を除いた画像がモノクローム画像であることを示す場合に、前記モノクローム画像処理を実行する決定をなす決定ステップと
を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−151682(P2012−151682A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9127(P2011−9127)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】