画像処理方法、画像処理装置及び表示装置
【課題】所望の補間画像の生成する際の描画エラーを防止する。
【解決手段】第1の原画像及び第2の原画像を取得し、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法が提供される。
【解決手段】第1の原画像及び第2の原画像を取得し、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理方法、画像処理装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
左眼用画像(以下、L画像と呼ぶ)及び右眼用画像(以下、R画像と呼ぶ)のステレオ画像と視差情報とを用いて、所望の生成位相の補間画像を生成することが知られている。生成された補間画像は、多視点画像中の一視点画像として主に立体視可能な表示装置の所定位置に表示される。視差情報は、例えば、LR画像の水平方向のずれ量をディスパリティマップとして生成することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−9300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスパリティマップに基づき補間画像を生成する際、ディスパリティ(視差)の抽出エラーに起因して補間エラーが生じる場合がある。例えば、補間エラーとしては、既に前景を表す画素が描画されている補間画像の座標を、背景を表す画素で上書きしてしまう現象が挙げられる。その結果、補間画像の一部で前景が背景で侵食され、補間画像の画質が劣化する。
【0005】
そこで、補間画像を生成する際の描画エラーを防止し、補間画像の画質を良好にすることが可能な画像処理方法、画像処理装置及び表示装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得し、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得する取得部と、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、を備える画像処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得する取得部と、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、前記右眼用画像、前記左眼用画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、を備える表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本開示の画像処理によれば、補間画像を生成する際の描画エラーを防止し、補間画像の画質を良好にすることが可能な画像処理方法、画像処理装置及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の第1及び第2の実施形態に係る画像処理装置の機能構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【図3】第1及び第2の実施形態に係るディスパリティの抽出を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態に係る補間画像生成処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係るL画像の補間画像生成を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態に係るR画像の補間画像生成を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係るLR画像の補間画像のマージを説明するための図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る選択された原画像の補間画像生成処理を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態に係る選択されなかった原画像の補間画像生成処理を説明するための図である。
【図11】補間エラーの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1.1.画像処理装置の機能
1.2.画像処理装置の動作
1.2.1.ディスパリティの抽出
1.2.2.L画像から補間画像を生成する例
1.2.3.R画像から補間画像を生成する例
1.2.4.LR画像から生成された補間画像のマージ
1.3.効果の例
2.第2の実施形態
2.1.画像処理装置の機能
2.2.画像処理装置の動作
2.2.1.選択された原画像から補間画像を生成する例
2.2.2.選択されなかった原画像から補間画像を生成する例
2.3.効果の例
【0013】
<1.第1の実施形態>
[1.1.画像処理装置の機能]
まず、本開示の第1の実施形態に係る画像処理装置の機能構成について、図1を参照しながら説明する。第1の実施形態に係る画像処理装置10は、取得部105、抽出部110、画像処理部115、記憶部120及び表示制御部125を有する。
【0014】
取得部105は、コンテンツのL画像及びR画像のステレオ画像を取得する。取得可能なコンテンツの情報としては、ステレオ画像の映像信号のみの場合や、CG(Computer Graphics)のようにステレオ画像の映像信号とディスパリティ情報の場合がある。
【0015】
取得部105がステレオ画像の映像信号のみを取得した場合、抽出部110は、L画像及びR画像の水平方向のずれ量からディスパリティマップを生成する。ディスパリティマップは視差情報の一例であり、視差情報は必ずしもマップ化する必要はない。なお、取得部105がディスパリティを取得した場合には、抽出部110によるディスパリティの抽出は省略できる。
【0016】
例えば、図3には、最上位及び最下位にL画像及びR画像の対応水平ラインのディスパリティが丸の中の数値によって示されている。また、そのラインの隣りには、L画像及びR画像の対応水平ラインの映像情報が四角によって示されている。図3には、水平ラインが1つのみ示されているが、コンテンツが有するラインの数だけディスパリティは抽出される。
【0017】
第1及び第2実施形態では、L画像のディスパリティが「0」の場合、R画像のディスパリティとのずれがない、つまり、L画像のある画素と、対応するR画像の画素のディスパリティは同じであると定義する。また、L画像のディスパリティが「11」の場合、L画像とR画像とは11画素だけずれていることを示す。例えば図3のL画像の「11」で示されるディスパリティを持つ画素領域Aの映像情報(塗りつぶされた四角で表された画像)は、R画像の「11」で示されるディスパリティを持つ画素領域Bの映像情報(塗りつぶされた四角で表された画像)と同じ映像情報を持っていることがわかる。このようにディスパリティは、L画像とR画像の対応点を示す。換言すれば、L画像とR画像で同じ映像が写っているところの水平方向のずれ量がディスパリティである。
【0018】
画像処理部115は、L画像及びR画像から所望のフェース(生成位相)の補間画像を生成する。画像処理部115は、L画像及びR画像から補間画像を生成する際、L画像とR画像とのいずれか一方の原画像のディスパリティと補間画像のディスパリティとの大小関係に応じて、その一方の原画像の映像情報を補間画像に描画するかを決定する。具体的には、画像処理部115は、ディスパリティの大小関係から、L画像とR画像とのいずれか一方の原画像の映像情報が補間画像の前景か又は背景かを判定する。判定の結果、画像処理部115は、L画像又はR画像の映像情報が前景であると判定された場合、その映像情報を補間画像に描画し、背景であると判定された場合、その映像情報を補間画像に描画することを禁止する。図3には、一水平ラインのみ示されているが、コンテンツが有する水平ラインの数だけ上記補間画像生成処理が実行される。
【0019】
例えば、前景を示す数値が背景を示す数値より大きい値になるようにディスパリティの値が定義されている場合、描画しようとする画像のディスパリティが、描画される側の画像のディスパリティより大きい場合、描画しようとする画像は前景であるため、その描画を許す。一方、描画しようとする画像のディスパリティが、描画される側の画像のディスパリティ値より小さい場合、描画しようとする画像は背景であるため、その描画を禁止する。これにより、背景の映像で前景の映像を上書きすることを防止できる。ただし、ディスパリティ値の大小関係と書き込みの許可又は禁止は、ディスパリティ値を表す数値の定義の仕方によって変わってくる。例えば、本実施形態とは逆に、前景を示す数値が背景を示す数値より小さい値になるようにディスパリティ値を定義した場合には、ディスパリティ値の大小関係と、描画しようとする画像の描画の許可又は禁止の制御は、前述した制御と反対になる。つまり、描画しようとする画像のディスパリティ値が描画される側の画像のディスパリティ値より大きい場合、描画しようとする画像の描画を禁止し、描画しようとする画像のディスパリティ値が描画される側の画像のディスパリティ値より小さい場合、描画しようとする画像の描画を許可する。このように、本実施形態では、ディスパリティ値の大小関係から、描画する側及び描画される側の画像の奥行き関係が判断される。判断の結果、描画する側の画像が前景であれば、その画像の描画(上書き)は許可され、そうでなければその画像の描画は禁止される。
【0020】
記憶部120は、生成途中の補間画像である第1の補間画像及び第2の補間画像の映像情報及びディスパリティを記憶する。
【0021】
表示制御部125は、画像処理部115によって生成された補間画像をL画像及びR画像とともに所定のフェーズ位置に表示する。これにより、多視点画像をディスプレイに立体視可能に表示することができる。
【0022】
なお、抽出部110、画像処理部115及び表示制御部125の機能は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)が記憶部120に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。このプログラムは、記憶媒体に格納して提供され、図示しないドライバを介して記憶部120に読み込まれるものであってもよく、また、ネットワークからダウンロードされて記憶部120に格納されるものであってもよい。また、上記各部の機能を実現するために、CPUに代えてDSP(Digital Signal Processor)が用いられてもよい。記憶部120は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどを用いるRAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)として実現されうる。また、上記各部の機能は、ソフトウエアを用いて動作することにより実現されてもよく、ハードウエアを用いて動作することにより実現されてもよい。
【0023】
[1.2.画像処理装置の動作]
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る画像処理装置10の動作について説明する。図2は、第1の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。本処理が始まると、ステップS205にて、取得部105は、L画像及びR画像を取得する。
【0024】
(1.2.1.ディスパリティの抽出)
次に、ステップS210にて、抽出部110は、L画像及びR画像からL画像のディスパリティマップとR画像のディスパリティマップとを生成する。図3には、ある水平ラインのL画像のディスパリティ、L画像の映像情報(フェーズ0)、R画像のディスパリティ、R画像の映像情報(フェーズ1)、及び生成対象であるフェーズ0.6(生成位相0.6)の補間画像が示されている。前述したとおり、L画像の「11」で示されたディスパリティに対応するL画像の映像情報と、L画像の座標から水平方向に11画素ずれたR画像の「11」で示されたディスパリティに対応するR画像の映像情報とが同じ映像であることを示している。また、本実施形態では、ディスパリティ値「0」は背景を示し、ディスパリティ値「11」は前景を示す。
【0025】
ディスパリティ抽出後、ステップS215の補間画像生成処理(L画像)とステップS220の補間画像生成処理(R画像)とに分岐する。ステップS215、S220の補間画像生成処理は、図4に示したフローチャートをそれぞれ実行する。ステップS215の補間画像生成処理は、フェーズ0のL画像からフェーズ0.6の補間画像(第1の補間画像)を生成する。つまり、L画像の視差情報とフェーズ0.6の第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。また、ステップS220の補間画像生成処理は、フェーズ1のR画像からフェーズ0.6の補間画像(第2の補間画像)を生成する。つまり、R画像の視差情報とフェーズ0.6の第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画する。なお、第1の補間画像及び第2の補間画像は、フェーズ0.6の補間画像を生成するためにL画像及びR画像から生成された補間画像生成途中の中間画像であり、後述するように第1及び第2の補間画像に基づきフェーズ0.6の補間画像が完成する。また、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画するステップS215の処理と、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画するステップS220の処理とは並列的な処理が可能である。これにより、ステップS215、S220の処理を直列的に処理した場合に比べて処理時間を1/2にすることができる。
【0026】
(1.2.2.L画像から補間画像を生成する例)
次に、ステップS215にて呼び出される補間画像生成処理(図4)について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4では、補間画像(第1の補間画像)の映像情報はvimgで示され、第1の補間画像の座標(x,y)の映像情報はvimg(x,y)で示される。第1の補間画像のディスパリティはvdspで示され、第1の補間画像の座標(x,y)のディスパリティはvdsp(x,y)で示される。なお、本処理が開始される前に、第1の補間画像の映像情報vimgのすべての座標データは「0」で初期化され、第1の補間画像のディスパリティvdspのすべての座標データは、「−1」で初期化されている。
【0027】
また、原画像(ここでは、L画像)の映像情報はsimgで示され、原画像の座標(x’
,y’)の映像情報はsimg(x’ ,y’)で示される。原画像(ここでは、L画像)のディスパリティはsdspで示され、原画像の座標(x’,y’)のディスパリティはsdsp(x’ ,y’)で示される。補間画像のディスパリティvdsp及び映像情報vimg、原画像のディスパリティsdsp及び映像情報simgは記憶部120に記憶される。
【0028】
ステップS215の補間画像生成処理では、L画像から第1の補間画像が生成される。本処理はステップS405から始まり、まず、画像処理部115は、vimg(x,y)の補間画像をL画像simg(x’ ,y’)に決定する。図5には、L画像から第1の補間画像を生成する過程が示されている。図5の例では、紙面の左側から右側へ向けてフェーズ0.6の第1の補間画素が一画素ずつ生成される状態が示されている。ただし、右から左に向かって走査してもよい。ここでは、最も左に位置するL画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、L画像の画素simg(x ,y)に対応する第1の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。つまり、第1の補間画像vimgの最も左の画素の座標とL画像simgの最も左の画素の座標とのずれは、0画素と決定される。
【0029】
次に、画像処理部115は、ステップS410にて、第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しいか(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは補間画素のディスパリティvdspのすべての座標データは、「−1」で初期化されている。よって、画像処理部115は、第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)は−1に等しいと判定し、ステップS415に進み、L画像のディスパリティsdsp(x’,y’)を第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)に代入し、L画像の映像情報simg(x ,y)を第1の補間画素vimg(x,y)に代入する。図5では、フェーズ0.6の第1の補間画像の最も左のディスパリティvdspは「0」となり、L画像の背景を示す映像情報がそのまま第1の補間画像の最も左の画素に描画される。
【0030】
次に、ステップS420にて、原画像(ここでは、L画像)のすべての画素(座標)に対して本処理を実行したかを判定する。この時点ではすべての画素に対して本処理を実行していないので、ステップS405に戻る。
【0031】
このようにして、第1の補間画像の左から1番目の画素から19番目の画素までは、ステップS405〜S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から1番目から19番目までは、ディスパリティvdspは「0」となり、L画像の背景を示す映像情報が第1の補間画像vimgに描画される。
【0032】
次に、第1の補間画像の左から20番目の画素についての処理を説明する。画像処理部115は、ステップS405にて、第1の補間画像vimg(x,y)をL画像simg(x’
,y’)に定める。図5では、左から20番目に位置するL画像のディスパリティsdspは「11」である。このため、第1の補間画素vimgの座標とL画像の画素simgの座標とのずれは、11画素と決定される。次に、ステップS410にて、画像処理部115は、L画像と11画素ずれた位置の第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しいか(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは、第1の補間画素の10番目のディスパリティvdsp(x,y)は、「0」に設定されている。よって、画像処理部115は、最初の描画ではないと判定し、ステップS425に進み、L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)が第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であるか(つまり、既に描画されている画素よりも前景か)を判定する。
【0033】
L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)が第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であれば、L画像の20番目の画素が第1の補間画像の10番目に既に描画されている画素よりも前景の映像情報であり、それ以外であればL画像の20番目の画素は背景の映像情報である。ここでは、L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)は、第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい。よって、L画像の20番目の画素は、前景の映像情報と判定され、第1の補間画像の10番目に上書きされる。
【0034】
このようにして、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ステップS405、S410、S425、S430、S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、L画像の前景オブジェクトの映像情報vimg及びディスパリティvdspにより上書きされる。
【0035】
第1の補間画像の左から26番目の画素から33番目までは、第1の補間画像の最も左の画素と同様に処理されるためここでは説明を省略する。また、画像処理部115は、以上に説明した水平方向の一ラインの画像処理をL画像のすべてのラインについて行う。
【0036】
(1.2.3.R画像から補間画像を生成する例)
次に、ステップS220にて呼び出される補間画像生成処理(図4)について、図4及び図6を参照しながら説明する。ステップS220の補間画像生成処理では、R画像から第2の補間画像が生成される。ステップS220にて呼び出される補間画像生成処理では、補間画像は、フェーズ0.6の第2の補間画像であり、原画像はR画像であり、表記方法及び初期化については、L画像から第1の補間画像を生成する場合と同じである。
【0037】
R画像から第2の補間画像を生成するステップS225の補間画像生成処理は、ステップS405から始まり、まず、画像処理部115は、第2の補間画像vimg(x,y)をL画像simg(x’,y’)に定める。図6には、R画像から補間画像(第2の補間画像)を生成する過程が示されている。図6の例では、紙面の左側から右側へ向けてフェーズ0.6の第2の補間画素が一画素ずつ生成される状態が示されている。ただし、右から左に向かって走査してもよい。ここでは、最も左に位置するR画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、R画像の画素simg(x,y)に対応する第2の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。つまり、第2の補間画像vimgの最も右の画素の座標とL画像simgの最も右の画素の座標とのずれは、0画素と決定される。
【0038】
R画像のディスパリティが「11」の値を持つ領域Bでは、第2の補間画像の座標がR画像の座標と7(=11×0.4/0.6)画素だけずれた位置にR画像のディスパリティsdspの値「11」を代入し、R画像simgの映像情報を描画する。
【0039】
次に、第2の補間画像の左から10番目の画素についての処理を説明する。画像処理部115は、ステップS405にて、第2の補間画像vimg(x,y)をR画像simg(x’,y’)に定める。図6では、左から10番目に位置するR画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、R画像の画素simg(x,y)に対応する第2の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。
【0040】
次に、ステップS410にて、画像処理部115は、第2の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しい(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは、第2の補間画素の10番目のディスパリティvdsp(x,y)は、「11」に設定されている。よって、画像処理部115は、第2の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)は−1に等しくない(最初の描画でない)と判定し、ステップS425に進み、R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)が第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であるかを判定する。R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)が第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であれば、R画像の10番目の画素が第2の補間画像の10番目に既に描画されている画素よりも前景の映像情報であり、それ以外であれば背景の映像情報である。ここでは、R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)は第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より小さい。このため、画像処理部115は、R画像の10番目の画素を第2の補間画像の10番目に描画することを禁止する。これにより、第2の補間画像の前景の映像が背景の映像で侵食されることが防止される。
【0041】
このようにして、第2の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ステップS405、S410、S425、S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ディスパリティvdsp及び映像情報vimgは上書きされず情報をそのまま保持する。
【0042】
第2の補間画像の左から16番目から33番目までは、第2の補間画像の最も左の画素と同様に処理されるためここでは説明を省略する。また、画像処理部115は、以上に説明した水平方向の一ラインの画像処理をR画像のすべてのラインについて行う。また、画像処理部115は、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画する処理(S215)と、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画する処理(S220)とを並列処理する。これにより補間画像の生成スピードが2倍に高められる。
【0043】
(1.2.4.LR画像から生成された補間画像のマージ)
次に、第1又は第2の補間画像のマージについて、図7を参照しながら説明する。画像処理部115は、第1又は第2の補間画像のうち、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像の描画されていない画素に、補間画像の生成位相から遠い位相を持つもう一方の原画像から生成された補間画像の対応する画素を描画する。これにより、所望の補間画像が完成する。本実施形態では、第1又は第2の補間画像のうち生成位相(フェーズ0.6)に近い位相を持つ原画像はR画像(フェーズ1)である。よって、R画像から生成された第2の補間画像を優先して、第2の補間画像をベースとして、第2の補間画像のうちの描画されていない画素に第1の補間画像の対応画素を描画する。図7では、第2の補間画像の右から4番目〜9番目の画素に第1の補間画像の4番目から9番目の画素を描画する。これにより、フェーズ0.6の補間画像が完成する。
【0044】
ただし、画像処理部115は、L画像から生成された第1の補間画像をベースとして、第1の補間画像のうちの描画されていない画素に第2の補間画像の対応画素を描画してもよい。ただし、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像を基準とした方が好ましい。生成された補間画像の原画像からのずれが小さい方の補間画像をベースとするため、ずれが大きい補間画像をベースとしたときより、補間エラーの確率が低くなるためである。
【0045】
[1.3.効果の例]
前述したように、ディスパリティマップに基づき補間画像を生成する際、ディスパリティ(視差)の抽出エラーに起因して補間エラーが生じる場合がある。補間エラーとしては、例えば、既に前景を表す画素が描画されている補間画像の座標を、背景を表す画素で上書きしてしまう現象が挙げられる。その結果、例えば、図11の左図の補間画像のE1、E2、E3の領域に示されているように、補間画像の一部で前景のオブジェクトが背景のオブジェクトによる上書きで侵食され、補間画像の画質が劣化している。
【0046】
しかしながら、以上に説明したように、第1の実施形態に係る画像処理装置10によれば、原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、原画像の映像情報を補間画像に描画するかが決定される。つまり、補間画像に描画された前景情報が原画像の背景情報で上書きされないように原画像と補間画像の視差情報の大小関係に応じて原画像の映像情報を補間画像に描画することを許可又は禁止する。これにより、所望の補間画像の生成する際、前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されるような描画エラーを防止することができる。以上の本実施形態に係る画像処理方法により生成された補間画像を、図11の右図に示す。本実施形態では、補間画像は、C1、C2、C3の領域に示されているように、E1、E2、E3の領域と比較して前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されておらず、補間画像の画質が高まっていることが分かる。
【0047】
また、今まではオクルージョンの現象が目立たないように、カメラの間隔を狭め、かつ多数のカメラを用いてL画像とR画像との間隔が大きくならないようにしてL画像及びR画像を撮影していた。しかしながら、第1の実施形態に係る画像処理装置10によれば、L画像とR画像との間隔が大きくなることにより、ディスパリティ値の差分が大きくなっても、前景のオブジェクトを背景のオブジェクトで上書きするエラーを回避できる。また、L画像から生成された第1の補間画像及びR画像から生成された第2の補間画像をマージすることによって、補間画像映像情報が埋め込まれていない箇所を対応する原画像の映像情報で埋めることができる。これにより、オクルージョンの問題を解消することができる。よって、本実施形態によれば、オクルージョンの現象が目立たないようにL画像とR画像との間隔を小さくするように多数のカメラを配置する必要はない。よって、画像生成のために必要なカメラの台数を減らすことができる。
【0048】
<2.第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係る画像処理装置10について説明する。本開示の第2の実施形態に係る画像処理装置の機能構成(図1)は、第1の実施形態に係る画像処理装置の機能構成と同じである。しかしながら、第2の実施形態の画像処理では、L画像から第1の補間画像を生成する処理とR画像から第2の補間画像を生成する処理とを並行して実行しない点で第1の実施形態の画像処理と異なる。以下で具体的に説明する。
【0049】
[2.1.画像処理装置の機能]
画像処理部115は、L画像及びR画像の一方の原画像のディスパリティと第1の補間画像のディスパリティとの大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。その後、画像処理部115は、L画像及びR画像の他方の原画像のディスパリティと第1の補間画像のVとの大小関係に応じて、他方の原画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。これにより、前記所望の補間画像が生成される。
【0050】
その際、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、第1の補間画像を生成するためのベースとなる原画像としてL画像及びR画像から選択することが好ましい。たとえば、補間画像のフェーズがR画像のフェーズに近い場合には、R画像をベースにするほうがよい。その場合、R画像を基準に生成された補間画像の中で、埋め切れなかった画素部分をL画像を基準に生成された補間画像の対応する画素で補間する。同様に、補間画像のフェーズがL画像のフェーズに近い場合には、L画像をベースにするほうがよい。補間画像とフェーズが近い原画像から生成された補間画像の方が画像上のずれが小さくなるため、補間画像とフェーズが遠い原画像から生成された補間画像よりオクルージョンが小さくなり、画像をより正確に生成することができるためである。フェーズ0.5の補間画像は、L画像及びR画像の中間点となるため、いずれの原画像を選択しても効果は変わらない。本実施形態では、補間画像のフェーズが0.5より小さい場合には、L画像を選択して第1の補間画像を生成し、補間画像のフェーズが0.5以上の場合には、R画像を選択して第1の補間画像を生成する。
【0051】
[2.2.画像処理装置の動作]
次に、図8を参照して、第2の実施形態に係る画像処理装置10の動作について説明する。図8は、第2の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。本処理が始まると、ステップS205にて、取得部105は、L画像及びR画像を取得する。次に、ステップS210にて、抽出部110は、L画像及びR画像からL画像のディスパリティマップとR画像のディスパリティマップを生成する。
【0052】
次に、ステップS905にて、画像処理部115は、L画像及びR画像から第1の補間画像を生成するための原画像を選択する。画像処理部115は、図9に示した第1の補間画像の生成位相(フェーズ0.6)に近い位相を持つR画像を、第1の補間画像を生成するための基準となる原画像として選択する。
【0053】
次に、ステップS910にて選択された原画像(R画像)に基づく補間画像生成処理を実行した後、ステップS915にて選択されなかった原画像(L画像)に基づく補間画像生成処理を実行する。第2実施形態では、ステップS910、S915の処理は直列的に処理される。
【0054】
(2.2.1.選択された原画像から補間画像を生成する例)
ステップS910では、第1実施形態と同様に、図4に示した処理順序で補間画像生成処理が実行される。よって、図9に示したように、第1実施形態で説明した図6と同じ補間画像が生成される。ただし、本実施形態では、R画像を優先して補間画像を生成するため、ここで、生成される補間画像は第1の補間画像であり、本実施形態では第2の補間画像は生成されない。
【0055】
(2.2.2.選択されなかった原画像から補間画像を生成する例)
ステップS915でも、図4に示した処理順序で補間画像生成処理が実行される。ただし、本実施形態では、第1の補間画像及びL画像を用いて補間画像生成処理が実行される。よって、図10に示したように、ステップS915の補間画像生成処理が実行される前に、第1の補間画像には、既にR画像からのディスパリティvdsp及び映像情報vimgが埋め込められている。実際には、第1の補間画像の画素毎のディスパリティvdsp及び映像情報vimgは記憶部120に記憶されている。
【0056】
この状態で、さらに、L画像を基準として補間画像生成処理が実行される。図10の場合、第1の補間画像のディスパリティvdspが初期値に設定されているC領域において、第1の補間画像のディスパリティvdspにL画像のディスパリティsdspが代入され、第1の補間画像の映像情報vimgにL画像の映像情報simgが代入され、その他のすべての画素へのL画像の描画は禁止される。
【0057】
[2.3.効果の例]
これにより、第2実施形態においても、図11の右図に示したように、補間画像の生成する際、前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されるような描画エラーを防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、ステップS910、S915を並行処理せずに順番に実行するため、2つの補間画像をマージするステップは不要である。
【0059】
また、本実施形態においても、L画像及びR画像を用いて補間画像を生成することにより、オクルージョンの問題を解消することができる。よって、本実施形態によっても、オクルージョンの現象が目立たないようにL画像とR画像との間隔を小さくするように多数のカメラを配置する必要はない。よって、画像生成のために必要なカメラの台数を減らすことができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば、上記実施形態では、水平方向のずれ量をディスパリティとして抽出したが、本技術はこれに限られない。例えば、本技術では、垂直方向のずれ量をディスパリティとして抽出してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、描画しようとする画像のディスパリティ値が、描画される側の画像のディスパリティ値に等しい場合に原画像の映像情報の上書きを禁止したが、本技術は、これに限られず、等しい場合には原画像の映像情報の上書きを許可してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、視差情報の大小関係から、「0」の視差情報を持つ背景と「それより大きな視差情報を持つ前景とを区別し、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトとの前後関係が崩れないように補間画像を生成した。しかしながら、本技術はこれに限られず、一の前景のオブジェクトと他の前景のオブジェクトの視差情報の大小関係から、前景のオブジェクト同士の前後関係が崩れないように補間画像を生成することももちろん可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、ステレオ画像から3D表示のための多視点画像を得るために補間画像を生成したが、本技術はこれに限られない。例えば、ホログラム等、角度の違う画像を2D表示するための補間画像を生成するために本技術は適用可能である。本技術が搭載される表示装置は、3D表示が可能な表示装置だけでなく、2D表示のみ可能な表示装置や、3Dと2Dとの切り替え表示が可能な表示装置であってもよい。
【0065】
いわゆるバーチャルスタジオの画像生成に本技術を適用することも可能である。例えば、テーブルの脇で人が立っているバーチャルスタジオを想定する。テーブルというオブジェクトと人というオブジェクトを重ねて描画する場合、一方のオブジェクトに他方のオブジェクトを上書きするかどうかを本技術により判定し得る。
【0066】
各オブジェクトはそれぞれディスパリティ値を持っている。オブジェクトが動けばこれに応じてディスパリティ値が変化する。オブジェクトが動いていないのにディスパリティ値を変化させてコンテンツを前後に動かすこともできる。その際、本技術を用いて、各コンテンツのディスパリティ値を比較することにより、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトとを入れ替えることができる。このように、本技術は、3D用途の画像生成だけでなく、2D用途の画像から新たな2D用途の画像を、2つの画像を融合した形で生成する際にも適用し得る。
【0067】
例えば、上記実施形態では、左眼用画像(L画像)及び右眼用画像(R画像)は原画像の一例であって、本発明は、これに限られず、異なる角度で撮像された2つの画像であればよい。
【0068】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の原画像及び第2の原画像を取得し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法。
(2)前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が背景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画することを禁止する前記(1)に記載の画像処理方法。
(3)前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が前景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画する前記(1)又は(2)に記載の画像処理方法。
(4)前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画し、
前記第1及び第2の補間画像に基づき前記補間画像を生成する前記(2)又は(3)に記載の画像処理方法。
(5)前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画することと、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画することとを並列して実行する前記(4)に記載の画像処理方法。
(6)前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の一方の補間画像の描画されていない画素を、前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の他方の補間画像の対応する画素で描画する前記(4)又は(5)に記載の画像処理方法。
(7)前記一方の補間画像は、前記他方の補間画像より、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像である前記(6)に記載の画像処理方法。
(8)前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と前記第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像の描画されていない画素に描画することにより補間画像を生成する前記(2)又は(3)に記載の画像処理方法。
(9)前記補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、前記補間の原画像として前記第1の原画像及び前記第2の原画像から選択する前記(8)に記載の画像処理方法。
(10)前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を取得する、又は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像から前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を生成する前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の画像処理方法。
(11)前記視差情報は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の水平方向のずれ量、又は前記第1の原画像及び前記第2の原画像の垂直方向のずれ量である前記(10)に記載の画像処理方法。
(12)第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
を備える画像処理装置。
(13)第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
前記第1の原画像、前記第2の原画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、
を備える表示装置。
【符号の説明】
【0069】
10 画像処理装置
105 入力部
110 抽出部
115 画像処理部
120 記憶部
125 出力部
vimg 補間画像の映像情報
vdsp 補間画像のディスパリティ
simg 原画像の映像情報
sdsp 原画像のディスパリティ
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理方法、画像処理装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
左眼用画像(以下、L画像と呼ぶ)及び右眼用画像(以下、R画像と呼ぶ)のステレオ画像と視差情報とを用いて、所望の生成位相の補間画像を生成することが知られている。生成された補間画像は、多視点画像中の一視点画像として主に立体視可能な表示装置の所定位置に表示される。視差情報は、例えば、LR画像の水平方向のずれ量をディスパリティマップとして生成することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−9300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスパリティマップに基づき補間画像を生成する際、ディスパリティ(視差)の抽出エラーに起因して補間エラーが生じる場合がある。例えば、補間エラーとしては、既に前景を表す画素が描画されている補間画像の座標を、背景を表す画素で上書きしてしまう現象が挙げられる。その結果、補間画像の一部で前景が背景で侵食され、補間画像の画質が劣化する。
【0005】
そこで、補間画像を生成する際の描画エラーを防止し、補間画像の画質を良好にすることが可能な画像処理方法、画像処理装置及び表示装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得し、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得する取得部と、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、を備える画像処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、右眼用画像及び左眼用画像を取得する取得部と、前記右眼用画像及び前記左眼用画像の一方の原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、前記右眼用画像、前記左眼用画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、を備える表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本開示の画像処理によれば、補間画像を生成する際の描画エラーを防止し、補間画像の画質を良好にすることが可能な画像処理方法、画像処理装置及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の第1及び第2の実施形態に係る画像処理装置の機能構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【図3】第1及び第2の実施形態に係るディスパリティの抽出を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態に係る補間画像生成処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係るL画像の補間画像生成を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態に係るR画像の補間画像生成を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係るLR画像の補間画像のマージを説明するための図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係る選択された原画像の補間画像生成処理を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態に係る選択されなかった原画像の補間画像生成処理を説明するための図である。
【図11】補間エラーの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1.1.画像処理装置の機能
1.2.画像処理装置の動作
1.2.1.ディスパリティの抽出
1.2.2.L画像から補間画像を生成する例
1.2.3.R画像から補間画像を生成する例
1.2.4.LR画像から生成された補間画像のマージ
1.3.効果の例
2.第2の実施形態
2.1.画像処理装置の機能
2.2.画像処理装置の動作
2.2.1.選択された原画像から補間画像を生成する例
2.2.2.選択されなかった原画像から補間画像を生成する例
2.3.効果の例
【0013】
<1.第1の実施形態>
[1.1.画像処理装置の機能]
まず、本開示の第1の実施形態に係る画像処理装置の機能構成について、図1を参照しながら説明する。第1の実施形態に係る画像処理装置10は、取得部105、抽出部110、画像処理部115、記憶部120及び表示制御部125を有する。
【0014】
取得部105は、コンテンツのL画像及びR画像のステレオ画像を取得する。取得可能なコンテンツの情報としては、ステレオ画像の映像信号のみの場合や、CG(Computer Graphics)のようにステレオ画像の映像信号とディスパリティ情報の場合がある。
【0015】
取得部105がステレオ画像の映像信号のみを取得した場合、抽出部110は、L画像及びR画像の水平方向のずれ量からディスパリティマップを生成する。ディスパリティマップは視差情報の一例であり、視差情報は必ずしもマップ化する必要はない。なお、取得部105がディスパリティを取得した場合には、抽出部110によるディスパリティの抽出は省略できる。
【0016】
例えば、図3には、最上位及び最下位にL画像及びR画像の対応水平ラインのディスパリティが丸の中の数値によって示されている。また、そのラインの隣りには、L画像及びR画像の対応水平ラインの映像情報が四角によって示されている。図3には、水平ラインが1つのみ示されているが、コンテンツが有するラインの数だけディスパリティは抽出される。
【0017】
第1及び第2実施形態では、L画像のディスパリティが「0」の場合、R画像のディスパリティとのずれがない、つまり、L画像のある画素と、対応するR画像の画素のディスパリティは同じであると定義する。また、L画像のディスパリティが「11」の場合、L画像とR画像とは11画素だけずれていることを示す。例えば図3のL画像の「11」で示されるディスパリティを持つ画素領域Aの映像情報(塗りつぶされた四角で表された画像)は、R画像の「11」で示されるディスパリティを持つ画素領域Bの映像情報(塗りつぶされた四角で表された画像)と同じ映像情報を持っていることがわかる。このようにディスパリティは、L画像とR画像の対応点を示す。換言すれば、L画像とR画像で同じ映像が写っているところの水平方向のずれ量がディスパリティである。
【0018】
画像処理部115は、L画像及びR画像から所望のフェース(生成位相)の補間画像を生成する。画像処理部115は、L画像及びR画像から補間画像を生成する際、L画像とR画像とのいずれか一方の原画像のディスパリティと補間画像のディスパリティとの大小関係に応じて、その一方の原画像の映像情報を補間画像に描画するかを決定する。具体的には、画像処理部115は、ディスパリティの大小関係から、L画像とR画像とのいずれか一方の原画像の映像情報が補間画像の前景か又は背景かを判定する。判定の結果、画像処理部115は、L画像又はR画像の映像情報が前景であると判定された場合、その映像情報を補間画像に描画し、背景であると判定された場合、その映像情報を補間画像に描画することを禁止する。図3には、一水平ラインのみ示されているが、コンテンツが有する水平ラインの数だけ上記補間画像生成処理が実行される。
【0019】
例えば、前景を示す数値が背景を示す数値より大きい値になるようにディスパリティの値が定義されている場合、描画しようとする画像のディスパリティが、描画される側の画像のディスパリティより大きい場合、描画しようとする画像は前景であるため、その描画を許す。一方、描画しようとする画像のディスパリティが、描画される側の画像のディスパリティ値より小さい場合、描画しようとする画像は背景であるため、その描画を禁止する。これにより、背景の映像で前景の映像を上書きすることを防止できる。ただし、ディスパリティ値の大小関係と書き込みの許可又は禁止は、ディスパリティ値を表す数値の定義の仕方によって変わってくる。例えば、本実施形態とは逆に、前景を示す数値が背景を示す数値より小さい値になるようにディスパリティ値を定義した場合には、ディスパリティ値の大小関係と、描画しようとする画像の描画の許可又は禁止の制御は、前述した制御と反対になる。つまり、描画しようとする画像のディスパリティ値が描画される側の画像のディスパリティ値より大きい場合、描画しようとする画像の描画を禁止し、描画しようとする画像のディスパリティ値が描画される側の画像のディスパリティ値より小さい場合、描画しようとする画像の描画を許可する。このように、本実施形態では、ディスパリティ値の大小関係から、描画する側及び描画される側の画像の奥行き関係が判断される。判断の結果、描画する側の画像が前景であれば、その画像の描画(上書き)は許可され、そうでなければその画像の描画は禁止される。
【0020】
記憶部120は、生成途中の補間画像である第1の補間画像及び第2の補間画像の映像情報及びディスパリティを記憶する。
【0021】
表示制御部125は、画像処理部115によって生成された補間画像をL画像及びR画像とともに所定のフェーズ位置に表示する。これにより、多視点画像をディスプレイに立体視可能に表示することができる。
【0022】
なお、抽出部110、画像処理部115及び表示制御部125の機能は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)が記憶部120に格納されたプログラムに従って動作することによって実現されうる。このプログラムは、記憶媒体に格納して提供され、図示しないドライバを介して記憶部120に読み込まれるものであってもよく、また、ネットワークからダウンロードされて記憶部120に格納されるものであってもよい。また、上記各部の機能を実現するために、CPUに代えてDSP(Digital Signal Processor)が用いられてもよい。記憶部120は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどを用いるRAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)として実現されうる。また、上記各部の機能は、ソフトウエアを用いて動作することにより実現されてもよく、ハードウエアを用いて動作することにより実現されてもよい。
【0023】
[1.2.画像処理装置の動作]
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る画像処理装置10の動作について説明する。図2は、第1の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。本処理が始まると、ステップS205にて、取得部105は、L画像及びR画像を取得する。
【0024】
(1.2.1.ディスパリティの抽出)
次に、ステップS210にて、抽出部110は、L画像及びR画像からL画像のディスパリティマップとR画像のディスパリティマップとを生成する。図3には、ある水平ラインのL画像のディスパリティ、L画像の映像情報(フェーズ0)、R画像のディスパリティ、R画像の映像情報(フェーズ1)、及び生成対象であるフェーズ0.6(生成位相0.6)の補間画像が示されている。前述したとおり、L画像の「11」で示されたディスパリティに対応するL画像の映像情報と、L画像の座標から水平方向に11画素ずれたR画像の「11」で示されたディスパリティに対応するR画像の映像情報とが同じ映像であることを示している。また、本実施形態では、ディスパリティ値「0」は背景を示し、ディスパリティ値「11」は前景を示す。
【0025】
ディスパリティ抽出後、ステップS215の補間画像生成処理(L画像)とステップS220の補間画像生成処理(R画像)とに分岐する。ステップS215、S220の補間画像生成処理は、図4に示したフローチャートをそれぞれ実行する。ステップS215の補間画像生成処理は、フェーズ0のL画像からフェーズ0.6の補間画像(第1の補間画像)を生成する。つまり、L画像の視差情報とフェーズ0.6の第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。また、ステップS220の補間画像生成処理は、フェーズ1のR画像からフェーズ0.6の補間画像(第2の補間画像)を生成する。つまり、R画像の視差情報とフェーズ0.6の第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画する。なお、第1の補間画像及び第2の補間画像は、フェーズ0.6の補間画像を生成するためにL画像及びR画像から生成された補間画像生成途中の中間画像であり、後述するように第1及び第2の補間画像に基づきフェーズ0.6の補間画像が完成する。また、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画するステップS215の処理と、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画するステップS220の処理とは並列的な処理が可能である。これにより、ステップS215、S220の処理を直列的に処理した場合に比べて処理時間を1/2にすることができる。
【0026】
(1.2.2.L画像から補間画像を生成する例)
次に、ステップS215にて呼び出される補間画像生成処理(図4)について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4では、補間画像(第1の補間画像)の映像情報はvimgで示され、第1の補間画像の座標(x,y)の映像情報はvimg(x,y)で示される。第1の補間画像のディスパリティはvdspで示され、第1の補間画像の座標(x,y)のディスパリティはvdsp(x,y)で示される。なお、本処理が開始される前に、第1の補間画像の映像情報vimgのすべての座標データは「0」で初期化され、第1の補間画像のディスパリティvdspのすべての座標データは、「−1」で初期化されている。
【0027】
また、原画像(ここでは、L画像)の映像情報はsimgで示され、原画像の座標(x’
,y’)の映像情報はsimg(x’ ,y’)で示される。原画像(ここでは、L画像)のディスパリティはsdspで示され、原画像の座標(x’,y’)のディスパリティはsdsp(x’ ,y’)で示される。補間画像のディスパリティvdsp及び映像情報vimg、原画像のディスパリティsdsp及び映像情報simgは記憶部120に記憶される。
【0028】
ステップS215の補間画像生成処理では、L画像から第1の補間画像が生成される。本処理はステップS405から始まり、まず、画像処理部115は、vimg(x,y)の補間画像をL画像simg(x’ ,y’)に決定する。図5には、L画像から第1の補間画像を生成する過程が示されている。図5の例では、紙面の左側から右側へ向けてフェーズ0.6の第1の補間画素が一画素ずつ生成される状態が示されている。ただし、右から左に向かって走査してもよい。ここでは、最も左に位置するL画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、L画像の画素simg(x ,y)に対応する第1の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。つまり、第1の補間画像vimgの最も左の画素の座標とL画像simgの最も左の画素の座標とのずれは、0画素と決定される。
【0029】
次に、画像処理部115は、ステップS410にて、第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しいか(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは補間画素のディスパリティvdspのすべての座標データは、「−1」で初期化されている。よって、画像処理部115は、第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)は−1に等しいと判定し、ステップS415に進み、L画像のディスパリティsdsp(x’,y’)を第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)に代入し、L画像の映像情報simg(x ,y)を第1の補間画素vimg(x,y)に代入する。図5では、フェーズ0.6の第1の補間画像の最も左のディスパリティvdspは「0」となり、L画像の背景を示す映像情報がそのまま第1の補間画像の最も左の画素に描画される。
【0030】
次に、ステップS420にて、原画像(ここでは、L画像)のすべての画素(座標)に対して本処理を実行したかを判定する。この時点ではすべての画素に対して本処理を実行していないので、ステップS405に戻る。
【0031】
このようにして、第1の補間画像の左から1番目の画素から19番目の画素までは、ステップS405〜S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から1番目から19番目までは、ディスパリティvdspは「0」となり、L画像の背景を示す映像情報が第1の補間画像vimgに描画される。
【0032】
次に、第1の補間画像の左から20番目の画素についての処理を説明する。画像処理部115は、ステップS405にて、第1の補間画像vimg(x,y)をL画像simg(x’
,y’)に定める。図5では、左から20番目に位置するL画像のディスパリティsdspは「11」である。このため、第1の補間画素vimgの座標とL画像の画素simgの座標とのずれは、11画素と決定される。次に、ステップS410にて、画像処理部115は、L画像と11画素ずれた位置の第1の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しいか(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは、第1の補間画素の10番目のディスパリティvdsp(x,y)は、「0」に設定されている。よって、画像処理部115は、最初の描画ではないと判定し、ステップS425に進み、L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)が第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であるか(つまり、既に描画されている画素よりも前景か)を判定する。
【0033】
L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)が第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であれば、L画像の20番目の画素が第1の補間画像の10番目に既に描画されている画素よりも前景の映像情報であり、それ以外であればL画像の20番目の画素は背景の映像情報である。ここでは、L画像の20番目のディスパリティsdsp(x’ ,y’)は、第1の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい。よって、L画像の20番目の画素は、前景の映像情報と判定され、第1の補間画像の10番目に上書きされる。
【0034】
このようにして、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ステップS405、S410、S425、S430、S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、L画像の前景オブジェクトの映像情報vimg及びディスパリティvdspにより上書きされる。
【0035】
第1の補間画像の左から26番目の画素から33番目までは、第1の補間画像の最も左の画素と同様に処理されるためここでは説明を省略する。また、画像処理部115は、以上に説明した水平方向の一ラインの画像処理をL画像のすべてのラインについて行う。
【0036】
(1.2.3.R画像から補間画像を生成する例)
次に、ステップS220にて呼び出される補間画像生成処理(図4)について、図4及び図6を参照しながら説明する。ステップS220の補間画像生成処理では、R画像から第2の補間画像が生成される。ステップS220にて呼び出される補間画像生成処理では、補間画像は、フェーズ0.6の第2の補間画像であり、原画像はR画像であり、表記方法及び初期化については、L画像から第1の補間画像を生成する場合と同じである。
【0037】
R画像から第2の補間画像を生成するステップS225の補間画像生成処理は、ステップS405から始まり、まず、画像処理部115は、第2の補間画像vimg(x,y)をL画像simg(x’,y’)に定める。図6には、R画像から補間画像(第2の補間画像)を生成する過程が示されている。図6の例では、紙面の左側から右側へ向けてフェーズ0.6の第2の補間画素が一画素ずつ生成される状態が示されている。ただし、右から左に向かって走査してもよい。ここでは、最も左に位置するR画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、R画像の画素simg(x,y)に対応する第2の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。つまり、第2の補間画像vimgの最も右の画素の座標とL画像simgの最も右の画素の座標とのずれは、0画素と決定される。
【0038】
R画像のディスパリティが「11」の値を持つ領域Bでは、第2の補間画像の座標がR画像の座標と7(=11×0.4/0.6)画素だけずれた位置にR画像のディスパリティsdspの値「11」を代入し、R画像simgの映像情報を描画する。
【0039】
次に、第2の補間画像の左から10番目の画素についての処理を説明する。画像処理部115は、ステップS405にて、第2の補間画像vimg(x,y)をR画像simg(x’,y’)に定める。図6では、左から10番目に位置するR画像のディスパリティsdspは「0」である。このため、R画像の画素simg(x,y)に対応する第2の補間画素vimg(x,y)の座標は同じと定められる。
【0040】
次に、ステップS410にて、画像処理部115は、第2の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)が−1に等しい(つまり、最初の描画か)を判定する。ここでは、第2の補間画素の10番目のディスパリティvdsp(x,y)は、「11」に設定されている。よって、画像処理部115は、第2の補間画素のディスパリティvdsp(x,y)は−1に等しくない(最初の描画でない)と判定し、ステップS425に進み、R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)が第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であるかを判定する。R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)が第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より大きい値であれば、R画像の10番目の画素が第2の補間画像の10番目に既に描画されている画素よりも前景の映像情報であり、それ以外であれば背景の映像情報である。ここでは、R画像の10番目のディスパリティsdsp(x’,y’)は第2の補間画像の10番目のディスパリティvdsp(x,y)より小さい。このため、画像処理部115は、R画像の10番目の画素を第2の補間画像の10番目に描画することを禁止する。これにより、第2の補間画像の前景の映像が背景の映像で侵食されることが防止される。
【0041】
このようにして、第2の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ステップS405、S410、S425、S420を繰り返す。この結果、第1の補間画像の左から10番目の画素から15番目の画素までは、ディスパリティvdsp及び映像情報vimgは上書きされず情報をそのまま保持する。
【0042】
第2の補間画像の左から16番目から33番目までは、第2の補間画像の最も左の画素と同様に処理されるためここでは説明を省略する。また、画像処理部115は、以上に説明した水平方向の一ラインの画像処理をR画像のすべてのラインについて行う。また、画像処理部115は、L画像の映像情報を第1の補間画像に描画する処理(S215)と、R画像の映像情報を第2の補間画像に描画する処理(S220)とを並列処理する。これにより補間画像の生成スピードが2倍に高められる。
【0043】
(1.2.4.LR画像から生成された補間画像のマージ)
次に、第1又は第2の補間画像のマージについて、図7を参照しながら説明する。画像処理部115は、第1又は第2の補間画像のうち、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像の描画されていない画素に、補間画像の生成位相から遠い位相を持つもう一方の原画像から生成された補間画像の対応する画素を描画する。これにより、所望の補間画像が完成する。本実施形態では、第1又は第2の補間画像のうち生成位相(フェーズ0.6)に近い位相を持つ原画像はR画像(フェーズ1)である。よって、R画像から生成された第2の補間画像を優先して、第2の補間画像をベースとして、第2の補間画像のうちの描画されていない画素に第1の補間画像の対応画素を描画する。図7では、第2の補間画像の右から4番目〜9番目の画素に第1の補間画像の4番目から9番目の画素を描画する。これにより、フェーズ0.6の補間画像が完成する。
【0044】
ただし、画像処理部115は、L画像から生成された第1の補間画像をベースとして、第1の補間画像のうちの描画されていない画素に第2の補間画像の対応画素を描画してもよい。ただし、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像を基準とした方が好ましい。生成された補間画像の原画像からのずれが小さい方の補間画像をベースとするため、ずれが大きい補間画像をベースとしたときより、補間エラーの確率が低くなるためである。
【0045】
[1.3.効果の例]
前述したように、ディスパリティマップに基づき補間画像を生成する際、ディスパリティ(視差)の抽出エラーに起因して補間エラーが生じる場合がある。補間エラーとしては、例えば、既に前景を表す画素が描画されている補間画像の座標を、背景を表す画素で上書きしてしまう現象が挙げられる。その結果、例えば、図11の左図の補間画像のE1、E2、E3の領域に示されているように、補間画像の一部で前景のオブジェクトが背景のオブジェクトによる上書きで侵食され、補間画像の画質が劣化している。
【0046】
しかしながら、以上に説明したように、第1の実施形態に係る画像処理装置10によれば、原画像の視差情報と補間画像の視差情報との大小関係に応じて、原画像の映像情報を補間画像に描画するかが決定される。つまり、補間画像に描画された前景情報が原画像の背景情報で上書きされないように原画像と補間画像の視差情報の大小関係に応じて原画像の映像情報を補間画像に描画することを許可又は禁止する。これにより、所望の補間画像の生成する際、前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されるような描画エラーを防止することができる。以上の本実施形態に係る画像処理方法により生成された補間画像を、図11の右図に示す。本実施形態では、補間画像は、C1、C2、C3の領域に示されているように、E1、E2、E3の領域と比較して前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されておらず、補間画像の画質が高まっていることが分かる。
【0047】
また、今まではオクルージョンの現象が目立たないように、カメラの間隔を狭め、かつ多数のカメラを用いてL画像とR画像との間隔が大きくならないようにしてL画像及びR画像を撮影していた。しかしながら、第1の実施形態に係る画像処理装置10によれば、L画像とR画像との間隔が大きくなることにより、ディスパリティ値の差分が大きくなっても、前景のオブジェクトを背景のオブジェクトで上書きするエラーを回避できる。また、L画像から生成された第1の補間画像及びR画像から生成された第2の補間画像をマージすることによって、補間画像映像情報が埋め込まれていない箇所を対応する原画像の映像情報で埋めることができる。これにより、オクルージョンの問題を解消することができる。よって、本実施形態によれば、オクルージョンの現象が目立たないようにL画像とR画像との間隔を小さくするように多数のカメラを配置する必要はない。よって、画像生成のために必要なカメラの台数を減らすことができる。
【0048】
<2.第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係る画像処理装置10について説明する。本開示の第2の実施形態に係る画像処理装置の機能構成(図1)は、第1の実施形態に係る画像処理装置の機能構成と同じである。しかしながら、第2の実施形態の画像処理では、L画像から第1の補間画像を生成する処理とR画像から第2の補間画像を生成する処理とを並行して実行しない点で第1の実施形態の画像処理と異なる。以下で具体的に説明する。
【0049】
[2.1.画像処理装置の機能]
画像処理部115は、L画像及びR画像の一方の原画像のディスパリティと第1の補間画像のディスパリティとの大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。その後、画像処理部115は、L画像及びR画像の他方の原画像のディスパリティと第1の補間画像のVとの大小関係に応じて、他方の原画像の映像情報を第1の補間画像に描画する。これにより、前記所望の補間画像が生成される。
【0050】
その際、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、第1の補間画像を生成するためのベースとなる原画像としてL画像及びR画像から選択することが好ましい。たとえば、補間画像のフェーズがR画像のフェーズに近い場合には、R画像をベースにするほうがよい。その場合、R画像を基準に生成された補間画像の中で、埋め切れなかった画素部分をL画像を基準に生成された補間画像の対応する画素で補間する。同様に、補間画像のフェーズがL画像のフェーズに近い場合には、L画像をベースにするほうがよい。補間画像とフェーズが近い原画像から生成された補間画像の方が画像上のずれが小さくなるため、補間画像とフェーズが遠い原画像から生成された補間画像よりオクルージョンが小さくなり、画像をより正確に生成することができるためである。フェーズ0.5の補間画像は、L画像及びR画像の中間点となるため、いずれの原画像を選択しても効果は変わらない。本実施形態では、補間画像のフェーズが0.5より小さい場合には、L画像を選択して第1の補間画像を生成し、補間画像のフェーズが0.5以上の場合には、R画像を選択して第1の補間画像を生成する。
【0051】
[2.2.画像処理装置の動作]
次に、図8を参照して、第2の実施形態に係る画像処理装置10の動作について説明する。図8は、第2の実施形態に係る画像処理を示すフローチャートである。本処理が始まると、ステップS205にて、取得部105は、L画像及びR画像を取得する。次に、ステップS210にて、抽出部110は、L画像及びR画像からL画像のディスパリティマップとR画像のディスパリティマップを生成する。
【0052】
次に、ステップS905にて、画像処理部115は、L画像及びR画像から第1の補間画像を生成するための原画像を選択する。画像処理部115は、図9に示した第1の補間画像の生成位相(フェーズ0.6)に近い位相を持つR画像を、第1の補間画像を生成するための基準となる原画像として選択する。
【0053】
次に、ステップS910にて選択された原画像(R画像)に基づく補間画像生成処理を実行した後、ステップS915にて選択されなかった原画像(L画像)に基づく補間画像生成処理を実行する。第2実施形態では、ステップS910、S915の処理は直列的に処理される。
【0054】
(2.2.1.選択された原画像から補間画像を生成する例)
ステップS910では、第1実施形態と同様に、図4に示した処理順序で補間画像生成処理が実行される。よって、図9に示したように、第1実施形態で説明した図6と同じ補間画像が生成される。ただし、本実施形態では、R画像を優先して補間画像を生成するため、ここで、生成される補間画像は第1の補間画像であり、本実施形態では第2の補間画像は生成されない。
【0055】
(2.2.2.選択されなかった原画像から補間画像を生成する例)
ステップS915でも、図4に示した処理順序で補間画像生成処理が実行される。ただし、本実施形態では、第1の補間画像及びL画像を用いて補間画像生成処理が実行される。よって、図10に示したように、ステップS915の補間画像生成処理が実行される前に、第1の補間画像には、既にR画像からのディスパリティvdsp及び映像情報vimgが埋め込められている。実際には、第1の補間画像の画素毎のディスパリティvdsp及び映像情報vimgは記憶部120に記憶されている。
【0056】
この状態で、さらに、L画像を基準として補間画像生成処理が実行される。図10の場合、第1の補間画像のディスパリティvdspが初期値に設定されているC領域において、第1の補間画像のディスパリティvdspにL画像のディスパリティsdspが代入され、第1の補間画像の映像情報vimgにL画像の映像情報simgが代入され、その他のすべての画素へのL画像の描画は禁止される。
【0057】
[2.3.効果の例]
これにより、第2実施形態においても、図11の右図に示したように、補間画像の生成する際、前景に描画されるべきオブジェクトが背景のオブジェクトにより侵食されるような描画エラーを防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、ステップS910、S915を並行処理せずに順番に実行するため、2つの補間画像をマージするステップは不要である。
【0059】
また、本実施形態においても、L画像及びR画像を用いて補間画像を生成することにより、オクルージョンの問題を解消することができる。よって、本実施形態によっても、オクルージョンの現象が目立たないようにL画像とR画像との間隔を小さくするように多数のカメラを配置する必要はない。よって、画像生成のために必要なカメラの台数を減らすことができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば、上記実施形態では、水平方向のずれ量をディスパリティとして抽出したが、本技術はこれに限られない。例えば、本技術では、垂直方向のずれ量をディスパリティとして抽出してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、描画しようとする画像のディスパリティ値が、描画される側の画像のディスパリティ値に等しい場合に原画像の映像情報の上書きを禁止したが、本技術は、これに限られず、等しい場合には原画像の映像情報の上書きを許可してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、視差情報の大小関係から、「0」の視差情報を持つ背景と「それより大きな視差情報を持つ前景とを区別し、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトとの前後関係が崩れないように補間画像を生成した。しかしながら、本技術はこれに限られず、一の前景のオブジェクトと他の前景のオブジェクトの視差情報の大小関係から、前景のオブジェクト同士の前後関係が崩れないように補間画像を生成することももちろん可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、ステレオ画像から3D表示のための多視点画像を得るために補間画像を生成したが、本技術はこれに限られない。例えば、ホログラム等、角度の違う画像を2D表示するための補間画像を生成するために本技術は適用可能である。本技術が搭載される表示装置は、3D表示が可能な表示装置だけでなく、2D表示のみ可能な表示装置や、3Dと2Dとの切り替え表示が可能な表示装置であってもよい。
【0065】
いわゆるバーチャルスタジオの画像生成に本技術を適用することも可能である。例えば、テーブルの脇で人が立っているバーチャルスタジオを想定する。テーブルというオブジェクトと人というオブジェクトを重ねて描画する場合、一方のオブジェクトに他方のオブジェクトを上書きするかどうかを本技術により判定し得る。
【0066】
各オブジェクトはそれぞれディスパリティ値を持っている。オブジェクトが動けばこれに応じてディスパリティ値が変化する。オブジェクトが動いていないのにディスパリティ値を変化させてコンテンツを前後に動かすこともできる。その際、本技術を用いて、各コンテンツのディスパリティ値を比較することにより、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトとを入れ替えることができる。このように、本技術は、3D用途の画像生成だけでなく、2D用途の画像から新たな2D用途の画像を、2つの画像を融合した形で生成する際にも適用し得る。
【0067】
例えば、上記実施形態では、左眼用画像(L画像)及び右眼用画像(R画像)は原画像の一例であって、本発明は、これに限られず、異なる角度で撮像された2つの画像であればよい。
【0068】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の原画像及び第2の原画像を取得し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法。
(2)前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が背景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画することを禁止する前記(1)に記載の画像処理方法。
(3)前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が前景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画する前記(1)又は(2)に記載の画像処理方法。
(4)前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画し、
前記第1及び第2の補間画像に基づき前記補間画像を生成する前記(2)又は(3)に記載の画像処理方法。
(5)前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画することと、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画することとを並列して実行する前記(4)に記載の画像処理方法。
(6)前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の一方の補間画像の描画されていない画素を、前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の他方の補間画像の対応する画素で描画する前記(4)又は(5)に記載の画像処理方法。
(7)前記一方の補間画像は、前記他方の補間画像より、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像である前記(6)に記載の画像処理方法。
(8)前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と前記第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像の描画されていない画素に描画することにより補間画像を生成する前記(2)又は(3)に記載の画像処理方法。
(9)前記補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、前記補間の原画像として前記第1の原画像及び前記第2の原画像から選択する前記(8)に記載の画像処理方法。
(10)前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を取得する、又は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像から前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を生成する前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の画像処理方法。
(11)前記視差情報は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の水平方向のずれ量、又は前記第1の原画像及び前記第2の原画像の垂直方向のずれ量である前記(10)に記載の画像処理方法。
(12)第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
を備える画像処理装置。
(13)第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
前記第1の原画像、前記第2の原画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、
を備える表示装置。
【符号の説明】
【0069】
10 画像処理装置
105 入力部
110 抽出部
115 画像処理部
120 記憶部
125 出力部
vimg 補間画像の映像情報
vdsp 補間画像のディスパリティ
simg 原画像の映像情報
sdsp 原画像のディスパリティ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の原画像及び第2の原画像を取得し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法。
【請求項2】
前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が背景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画することを禁止する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が前景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画し、
前記第1及び第2の補間画像に基づき前記補間画像を生成する請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画することと、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画することとを並列して実行する請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の一方の補間画像の描画されていない画素を、前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の他方の補間画像の対応する画素で描画する請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記一方の補間画像は、前記他方の補間画像より、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像である請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と前記第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像の描画されていない画素に描画することにより補間画像を生成する請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、前記補間の原画像として前記第1の原画像及び前記第2の原画像から選択する請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を取得する、又は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像から前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を生成する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記視差情報は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の水平方向のずれ量、又は前記第1の原画像及び前記第2の原画像の垂直方向のずれ量である請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
を備える画像処理装置。
【請求項13】
第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
前記第1の原画像、前記第2の原画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、
を備える表示装置。
【請求項1】
第1の原画像及び第2の原画像を取得し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理方法。
【請求項2】
前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が背景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画することを禁止する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記視差情報の大小関係から、前記一方の原画像の映像情報が前記補間画像の前景か又は背景かを判定し、
前記一方の原画像の映像情報が前景であると判定された場合、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と第2の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画し、
前記第1及び第2の補間画像に基づき前記補間画像を生成する請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画することと、前記他方の原画像の映像情報を前記第2の補間画像に描画することとを並列して実行する請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の一方の補間画像の描画されていない画素を、前記第1の補間画像及び前記第2の補間画像の他方の補間画像の対応する画素で描画する請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記一方の補間画像は、前記他方の補間画像より、補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像から生成された補間画像である請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記一方の原画像の視差情報と第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像に描画し、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の他方の原画像の視差情報と前記第1の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記他方の原画像の映像情報を前記第1の補間画像の描画されていない画素に描画することにより補間画像を生成する請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記補間画像の生成位相に近い位相を持つ原画像を、前記補間の原画像として前記第1の原画像及び前記第2の原画像から選択する請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を取得する、又は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像から前記第1の原画像及び前記第2の原画像の視差情報を生成する請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記視差情報は、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の水平方向のずれ量、又は前記第1の原画像及び前記第2の原画像の垂直方向のずれ量である請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
を備える画像処理装置。
【請求項13】
第1の原画像及び第2の原画像を取得する取得部と、
前記第1の原画像及び前記第2の原画像の一方の原画像の視差情報と、前記第1の原画像及び前記第2の原画像の補間画像の視差情報との大小関係に応じて、前記一方の原画像の映像情報を前記補間画像に描画するかを決定する画像処理部と、
前記第1の原画像、前記第2の原画像及び前記補間画像の表示を制御する表示制御部と、
を備える表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−235338(P2012−235338A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103037(P2011−103037)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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