画像処理装置、制御方法、及びプログラム
【課題】ユーザの利便性を損なうことなく、意図しない送信宛先への送信を防止することを可能とした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、操作部105、UI制御部201を備える。UI制御部201は、設定画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける。UI制御部201は、送信宛先を受け付けた場合に、他の送信宛先が既に設定されていると判断した場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を操作部105に表示する。
【解決手段】画像処理装置は、操作部105、UI制御部201を備える。UI制御部201は、設定画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける。UI制御部201は、送信宛先を受け付けた場合に、他の送信宛先が既に設定されていると判断した場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を操作部105に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取った画像に画像変換を行いユーザが指定した宛先に送信する機能を有する画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機能のみならず、ファクス機能、ネットワークスキャン機能、プリント機能など、複数の機能を実行することができる複合機が広範に使用されるようになっている。通常、複合機は、タッチスクリーン機能を有する操作パネルと、ハードキーを有する操作部を備えている。ユーザは操作パネル上に表示された機能一覧から所望の機能を呼び出すことで複合機を操作する。
【0003】
複合機が有する複数の機能のうちファクス機能及びネットワークスキャン機能においては、ユーザは原稿から読み取った画像を送信する送信宛先、原稿の読み取り解像度、原稿の読み取りサイズ等を設定することが可能である。また、送信時のファイル形式等を設定することが可能である。複合機は、これらの設定に従い原稿を読み取り、読み取った画像を指定された通信手段を用いて指定された宛先に送信する。
【0004】
このような送信機能を有する複合機では、ユーザの送信宛先の設定操作を簡便にするため、送信宛先を格納した宛先表を備えることが多い。また、送信宛先に加えて、原稿の読み取り解像度や読み込み濃度の設定等の読み取り設定、送信ファイル形式等の送信設定も含めて、複合機のメモリに格納し、これを呼び出し可能とすることで、更に設定操作を簡便にすることも行われている。
【0005】
また、送信機能は、ユーザが複数の送信宛先を指定すると同じ原稿の読み取り画像を複数の宛先に送信する同報機能を備えることが多い。これにより、複数の宛先に同じ原稿の読み取り画像を送信する場合、送信処理を何度も繰り返す必要が無くなる。反面、仮にユーザの操作ミス等で、複数の送信宛先に意図しない宛先が混在していると、ユーザの意図しない宛先に原稿の読み取り画像が送信されることが起こりえる。
【0006】
例えば、ユーザが宛先表から一旦送信宛先を選択し、キャンセルボタンを押下したつもりでOKボタンを押下してしまい、それに気付かず別の送信宛先を選択してOKボタンを押下し、送信した場合などである。後者の送信宛先はユーザが意図した宛先であるが、前者の送信宛先は意図した宛先ではない。原稿の読み取り画像は意図しない前者の送信宛先にも送信されてしまっている。仮に、送信された原稿の読み取り画像が機密性の高い文書であった場合、セキュリティ上から大きな問題になる。
【0007】
このような、ユーザの送信宛先の設定ミスによる意図せぬ同報送信を防止するため、複合機において、ユーザに対する注意喚起を行う機能を有するものがある。
【0008】
例えば、複合機の操作画面に現在設定されている送信宛先を表示するだけでなく、ユーザが送信開始を指示した時に改めて宛先一覧リストを表示し、ユーザに確認を促すことが行われている。また、送信宛先毎に属性を設定し、送信宛先が追加された時、当該送信宛先の属性として予め設定されている属性と異なっていれば送信しない宛先として表示するシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−140584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ユーザが複合機の操作部から送信開始を指示した時に改めて宛先一覧リストを表示することでユーザに確認を促す方法は、ユーザが意図した同報送信の場合でも毎回注意喚起されるため、煩わしい場合がある。また、ユーザが注意されることに慣れてしまい、宛先一覧リストの確認が不十分となり、意図せぬ送信宛先が含まれていても送信指示をしてしまうこともあり得る。
【0011】
また、上記の特許文献1で開示されているシステムでは、宛先表に登録する送信宛先毎に、社内向け、社外向け、管理職向けなどの属性を予め付与しておく必要があり、ユーザにとっては手間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにユーザに注意喚起することを可能とした画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明は、画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断手段と、前記判断手段により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときに、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を表示する。これにより、ユーザの利便性を損なうことなく、意図しない送信宛先への送信を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置、サーバコンピュータ、ファクスからなるネットワークシステムの構成を示す概念図である。
【図4】画像処理装置における宛先表宛先を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図5】画像処理装置の操作部の構成例を示す図である。
【図6】(a)は、スキャン基本画面の例を示す図、(b)は、ファクス基本画面の例を示す図である。
【図7】宛先表画面の例を示す図である。
【図8】注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置における送信履歴から選択された履歴を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図10】送信履歴画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置における宛先表宛先を送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図12】注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置における送信手段が設定可能な送信設定に差異があるかどうか判定する処理を示すフローチャートである。
【図14】送信宛先に対応する送信手段がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置は以下の課題に対応可能としたものである。宛先表に格納されている一つまたは複数の宛先を送信宛先として指定可能な画像処理装置において、送信ジョブに送信宛先が既に存在している状態で、宛先表が再び開かれ送信宛先が追加されるケースとしては次の例が考えられる。
【0019】
即ち、ユーザが意図して送信宛先を追加するケースと共に、ユーザが送信宛先が存在していることに気づかず送信宛先を追加するケースの両方が考えられる。このような状態で送信処理が行われると、前者のケース(ユーザが意図して送信宛先を追加)は問題ないが、後者のケース(ユーザが気づかず送信宛先を追加)は文書が意図せぬ宛先に送信される可能性があり、問題である。
【0020】
また、通常、ユーザが意図して複数の送信宛先に同時に送信を行う場合、宛先表を開いて複数の送信宛先を選択して閉じるという操作になると考えられ、何度も宛先表を開き閉じる操作を繰り返すことは少ないと考えらえる。
【0021】
従って、送信ジョブの設定に送信宛先が存在している状態で、宛先表から更に送信宛先が追加されたときにユーザに注意を促せば、ユーザの利便性を損なうことなく、文書が意図せぬ宛先に送信される可能性があるケースをユーザに通知することができる。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
画像処理装置は、画像形成部101、制御部102、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットワークインタフェース(I/F)106、ファクシミリインタフェース(I/F)107を備えたデジタル複合機として構成されている。画像形成部101、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットI/F106、ファクシミリI/F107は、それぞれ専用インタフェースを介して制御部102に接続されている。
【0024】
画像形成部101は、例えば電子写真方式で記録紙に画像を形成する。制御部102は、画像処理装置を統括的に制御する。制御部102の主要部は、中央処理装置(CPU)108と記憶装置(メモリ)109とにより構成されている。メモリ109には、図4、図9、図11に示すフローチャートに対応する制御プログラム、図6、図7、図8に示す設定ダイアログ・ボックスの制御プログラム、及び操作画面情報を記述したコンテンツ等が格納されている。
【0025】
フィニッシャ103は、画像形成が完了した記録紙にステイプル処理等の後処理を行う。スキャナ部104は、原稿の画像を読み取る。操作部105は、各種のデータやコマンドを入力する入力部と、複数の画面を切り替え表示可能な表示部とから構成されている。ネットワークI/F106(送信手段)は、ネットワークを介して画像データの送受信を行う。ファクシミリI/F107(送信手段)は、外部のファクシミリ(以下ファクス)との間でファクスデータの送受信を行う。
【0026】
図2は、画像処理装置を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
図2において、UI制御部201は、操作部105に図6等の操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。UI制御部201は、本発明の受付手段、判断手段、第2の判断手段、第3の判断手段、注意喚起手段を実現するための一例である。
【0028】
スキャン制御部202は、スキャナ部104を制御し、原稿の画像を読み取る処理を制御する。送信制御部203は、スキャン制御部202の制御により原稿から読み取った画像データを、ネットワークI/F106を用いてユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。ファクス制御部204は、ファクスI/F107を用いてファクスの送受信を制御する。
【0029】
ジョブ管理部205は、UI制御部201が受け付けたユーザの送信要求及びその実行状態を管理すると共に、ジョブ設定を格納する。画像管理部206は、スキャナ部104で原稿から読み取った画像の管理情報を管理する。履歴管理部207は、送信制御部203またはファクス制御部204により送信した送信ジョブの履歴を管理する。
【0030】
図3は、画像処理装置、サーバコンピュータ、ファクスからなるネットワークシステムの構成を示す概念図である。
【0031】
図3において、画像処理装置301は、図1に示したデジタル複合機として構成されている。サーバコンピュータ302は、入力部303と表示部304を備えており、画像処理装置301により原稿から読み取った画像データをネットワーク305を介して送信する。画像処理装置301、サーバコンピュータ302は、それぞれネットワーク305に接続されている。また、画像処理装置301は、ファクス回線306を介してファクス307と接続されている。
【0032】
図5は、画像処理装置の操作部の構成例を示す図である。
【0033】
図5において、画像処理装置の操作部105(図1)には、ホーム画面501、テンキー502、スタートキー503、「設定・登録」画面呼び出しボタン504、「履歴・状況」ボタン505が配置されている。ホーム画面501には、アプリケーション選択ボタン(506〜509)が表示されており、ユーザが所望のアプリケーション選択ボタンを押下することで所望の処理を行う操作画面を呼び出すことができる。
【0034】
この例では、コピー機能、ネットワークスキャン機能、ファクス機能、ボックス機能の操作画面をそれぞれ呼び出す「コピー」ボタン506、「スキャン」ボタン507、「ファクス」ボタン508、「ボックス」ボタン509が表示されている。スタートキー503は、ジョブ開始を指示する際に押下する。「設定・登録」画面呼び出しボタン504は、デバイス(画像処理装置)の設定画面を呼び出す際に押下する。「履歴・状況」ボタン505は、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す際に押下する。
【0035】
図6(a)は、スキャン基本画面の例を示す図、図6(b)は、ファクス基本画面の例を示す図である。
【0036】
図6(a)において、ユーザの「スキャン」ボタン507(図5)の押下により操作部105に表示されるスキャン基本画面の例を示している。スキャン基本画面には、送信宛先を指定可能な宛先入力ボタン601が表示されている。スキャン基本画面では、電子メール送信及びファイル送信が可能である。また、デバイス(画像処理装置)の設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0037】
宛先入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。ユーザは、それぞれの宛先入力方法に割り当てられたアドレス帳ボタン(宛先表呼び出しボタン)605、ワンタッチボタン606、新規宛先ボタン607を押下することで、所望の宛先入力画面を呼び出すことができる。
【0038】
送信設定ボタン602は、読み取り解像度、読み取りカラーモード等の送信設定を設定するボタンである。応用設定ボタン603は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すボタンである。「良く使う設定」ボタン604は、永続的な領域に保存された送信設定を呼び出すボタンである。アドレス帳ボタン605は、アドレス帳(宛先表)を呼び出すボタンである。
【0039】
図6(b)において、ユーザの「ファクス」ボタン508(図5)の押下により操作部105に表示されるファクス基本画面の例を示している。ファクス基本画面には、ユーザが入力したファクス宛先を表示するファクス宛先表示領域610が表示されている。
【0040】
送信設定ボタン611は、読み取り解像度、読み取りサイズ等の送信設定を設定するボタンである。応用設定ボタン612は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すボタンである。ワンタッチボタン613は、ファクス宛先が記憶されているボタンである。アドレス帳ボタン(宛先表呼び出しボタン)614は、アドレス帳(宛先表)を呼び出すボタンである。ファクス操作画面では、ファクス送信のみが可能である。
【0041】
図7は、宛先表画面の例を示す図である。
【0042】
図7において、ユーザの「スキャン」画面または「ファクス」画面のアドレス帳ボタン605または614の押下により操作部105に表示される宛先表画面(設定画面)の例を示している。宛先表画面には、登録されている送信宛先の一覧が表示される宛先一覧表示領域701が表示されている。
【0043】
ユーザは、操作部105のタッチスクリーン上に表示された宛先表画面の宛先一覧表示領域701から所望の宛先をタッチすることで、画像処理装置で原稿から読み取った画像データ(ファイル)、電子メール等の送信宛先を選択することができる。宛先詳細情報ボタン702は、ユーザに選択された送信宛先の詳細情報を表示するためのボタンである。宛先選択確定ボタン703は、ユーザが選択した送信宛先を確定するボタンである。
【0044】
次に、上記構成を有する本実施の形態の画像処理装置の動作について図4のフローチャート等を参照しながら説明する。
【0045】
図4は、画像処理装置における宛先表宛先を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【0046】
・UI制御部201での操作受付
図4において、まず、UI制御部201は、操作部105のホーム画面501に表示されたスキャンボタン507が押下されたことを検知し、図6(a)のスキャン基本画面を操作部105に表示する(ステップS401)。なお、ここではスキャン基本画面での操作について説明するが、ファクスボタン508の押下により図6(b)のファクス基本画面を表示した場合も同様である。
【0047】
続いて、UI制御部201は、ユーザがスキャン基本画面を操作して今回の送信ジョブに設定した送信設定(読み取り設定、応用設定等)を受け付け、ジョブ管理部205に格納されたジョブ設定に送信設定を反映する(ステップS402)。なお、ここでの送信設定に、図6(a)の宛先入力(「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」)からの送信宛先設定が含まれても良い。
【0048】
・宛先表宛先の設定
続いて、UI制御部201は、アドレス帳ボタン605(図6(a))の押下を検知し、図7の宛先表画面を操作部105に表示し(ステップS403)、ユーザが選択した送信宛先を受け付ける(ステップS404)。そして、ユーザから宛先選択確定ボタン(OK)703が押下されることでユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS402での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS405)。
【0049】
ステップS405で、送信設定に既に送信宛先が設定されていると判定した場合は、次の表示を行う。即ち、UI制御部201は、既に存在している送信宛先に更に送信宛先が追加されようとしている旨をユーザに注意喚起する注意喚起ポップアップ画面(図8)を操作部105に表示する(ステップS406)。
【0050】
ステップS405で、送信宛先が設定されていないと判定した場合は、送信設定に宛先は含まれていない。UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先をステップS402で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS408)。
【0051】
続いて、UI制御部201は、ジョブ管理部205に送信ジョブの開始を通知する。ジョブ管理部205は、スキャン制御部202、送信制御部203と協調し、スキャナ部104で原稿から読み込まれた画像データをネットワークI/F106を介して指定された宛先に送信する(ステップS409)。これにより、本処理を終了する。
【0052】
・注意喚起とユーザ選択の受付
図8は、注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【0053】
図8において、操作部105に表示される注意喚起ポップアップ画面(注意喚起画面)の例を示している。注意喚起ポップアップ画面には、警告文(「送信宛先が既に存在しています。選択した宛先を追加しますか?」)801、送信宛先の追加処理を続行する宛先追加ボタン802、送信宛先の追加処理をキャンセルするキャンセルボタン803が表示されている。ユーザは宛先追加ボタン802とキャンセルボタン803のどちらかを押下する必要がある。
【0054】
図4において、ステップS406で注意喚起ポップアップ画面を操作部105に表示した後、UI制御部201は、ユーザの選択が送信宛先の追加であったか否かを判定する(ステップS407)。
【0055】
ステップS407で、ユーザの選択が送信宛先の追加であったと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先を、ステップS402で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS408)。送信は、ステップS402で設定されていた送信宛先と、ステップS408で追加された送信宛先の両方に行われる。
【0056】
ステップS407で、ユーザの選択が送信宛先の追加でないと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先の追加処理を行わない。送信は、ステップS402で設定された送信宛先に対してのみ行われる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図9、図10で説明する点において相違する。第2の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0059】
上記第1の実施の形態では、画像処理装置において宛先表から送信宛先が追加された場合に既に送信宛先が存在していれば、既に存在している送信宛先に更に送信宛先が追加されようとしている旨をユーザに注意喚起する例について説明した。
【0060】
第2の実施の形態では、画像処理装置において送信履歴から再送信宛先が追加された場合について説明する。この場合も上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0061】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る送信履歴画面の例を示す図である。
【0062】
図10において、ユーザの「履歴・状況」ボタン505(図5)の押下により操作部105に表示される過去の送信履歴を示す送信履歴画面の例を示している。送信履歴画面には、送信履歴が表示される送信履歴リスト1001が表示されている。
【0063】
再送信指示ボタン1002は、ユーザが送信履歴リストから選択した履歴を用いた送信を指示するボタンである。送信履歴リスト印刷ボタン1003は、送信履歴リストの印刷を指示するボタンである。詳細情報表示ボタン1004は、ユーザが送信履歴リストから選択した履歴の詳細情報を表示するためのボタンである。
【0064】
図9は、画像処理装置における送信履歴から選択された履歴を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。なお、図9のステップS901〜ステップS902の処理は、それぞれ図4のステップS401〜ステップS402と同一であり、図9のステップS905〜ステップS909の処理は、それぞれ図4のステップS405〜ステップS409と同一である。そのため、ここではステップS903、ステップS904の処理を中心に説明する。
【0065】
図9において、ステップS901、ステップS902の処理後、UI制御部201は、「履歴・状況」ボタン505の押下を検知し、図10に示した送信履歴画面を操作部105に表示する(ステップS903)。更に、UI制御部201は、ユーザが送信履歴画面で選択した送信履歴に対応する送信宛先情報を履歴管理部207から読み出し、送信宛先として受け付ける(ステップS904)。
【0066】
そして、再送信指示ボタン1002が押下されユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS402での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS905)。上述した通り、ステップS906以降の処理は図4と同一のため説明を省略する。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0068】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図11、図12で説明する点において相違する。第3の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0069】
上記第1及び第2の実施の形態では、既に送信宛先がある状態で更に送信宛先が追加された場合、ユーザの誤操作による誤同報送信の可能性があるとして、ユーザに注意喚起する例について説明した。ここで、ユーザの誤操作による誤同報送信のケースとしては、ユーザが社内向けに送信したつもりで同時に外部にも送信してしまうケースも多い。
【0070】
第3の実施の形態では、送信宛先として複数の送信手段が選択されていた場合にユーザに注意喚起する例について説明する。この場合は、ユーザの利便性を損なうことなく、意図しない外部にも送信しようとしてしまうケースをユーザに通知することができる。
【0071】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置における宛先表宛先を送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【0072】
・UI制御部201での操作受付
図11において、まず、UI制御部201は、操作部105のホーム画面501に表示されたスキャンボタン507(図5)が押下されたことを検知し、図6(a)のスキャン基本画面を操作部105に表示する(ステップS1101)。
【0073】
続いて、UI制御部201は、ユーザがスキャン基本画面を操作して今回の送信ジョブに設定した送信設定(読み取り設定、応用設定等)を受け付け、ジョブ管理部205に格納されたジョブ設定に設定を反映する(ステップS1102)。なお、ここでの送信設定に、図6(a)の宛先入力(「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」)からの送信宛先設定が含まれても良い。
【0074】
・宛先表宛先の設定
続いて、UI制御部201は、アドレス帳ボタン605(図6(a))の押下を検知し、図7の宛先表画面を操作部105に表示し(ステップS1103)、ユーザが選択した送信宛先を受け付ける(ステップS1104)。そして、宛先選択確定ボタン(OK)703が押下されユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS1102での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS1105)。
【0075】
ステップS1105で、送信設定に既に送信宛先が設定されていると判定した場合は、次の判定を行う。即ち、UI制御部201は、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、ステップS1104で選択された送信宛先に対応する送信手段が、異なっているか否かを判定する(ステップS1106)。
【0076】
ステップS1105で、送信設定に送信宛先が設定されていないと判定した場合は、送信設定に送信宛先は含まれていないことを意味する。UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先を、ステップS1102で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS1109)。
【0077】
続いて、UI制御部201は、ジョブ管理部205に送信ジョブの開始を通知する。ジョブ管理部205は、スキャン制御部202、送信制御部203と協調し、スキャナ部104で原稿から読み込まれた画像データをネットワークI/F106を介して指定された宛先に送信する(ステップS1110)。これにより、本処理を終了する。
【0078】
・注意喚起とユーザ選択の受付
ステップS1106で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていると判定した場合は、次の表示を行う。即ち、UI制御部201は、送信手段が混在(送信手段が複数存在)している旨をユーザに注意喚起する注意喚起ポップアップ画面(図12)を操作部105に表示する(ステップS1107)。
【0079】
ステップS1106で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていないと判定した場合は、ステップS1109に移行する。
【0080】
図12は、注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【0081】
図12において、操作部105に表示される注意喚起ポップアップ画面(注意喚起画面)の例を示している。注意喚起ポップアップ画面には、警告文(「複数の送信手段の宛先が指定されています。宛先を追加しますか?」)1201、宛先追加処理を続行する宛先追加ボタン1202、追加処理をキャンセルするキャンセルボタン1203が表示されている。ユーザは宛先追加ボタン1202とキャンセルボタン1203のどちらかを押下する必要がある。
【0082】
図11において、ステップS1107で注意喚起ポップアップ画面を操作部105に表示した後、UI制御部201は、ユーザの選択が送信宛先の追加であったか否かを判定する(ステップS1108)。
【0083】
ステップS1108で、送信宛先の追加であったと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先をステップS1102で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS1109)。送信は、ステップS1102で設定されていた送信宛先と、ステップS1109で追加された送信宛先の両方に行われる。
【0084】
ステップS1108で、送信宛先の追加でないと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先の追加処理を行わない。送信は、ステップS1102で設定された送信宛先に対してのみ行われる。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0086】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図13、図14で説明する点において相違する。第4の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0087】
上記第3の実施の形態では、送信ジョブに設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段が異なっている場合はユーザに注意喚起する例について説明した。
【0088】
第4の実施の形態では、より、ユーザが意図せずに複数の送信手段を用いる送信宛先を設定したケースに限定して注意喚起する方法として、送信宛先に対応する送信手段が設定可能な送信設定が異なっている場合に通知する方法について説明する。また、送信宛先が内部向けか外部向けかを判断し、両者が混在している場合に通知する方法について説明する。
【0089】
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置における送信手段が設定可能な送信設定に差異があるかどうか判定する処理を示すフローチャートである。
【0090】
図11のステップS1106の判定を行う代わりに図13の処理の判定結果を用い、次のように処理してもよい。即ち、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段とに差異がある場合にユーザに注意喚起を行い(ステップS1107)、差異が無い場合にはそのまま送信宛先を追加(ステップS1109)してもよい。この場合も同様の効果が得られる。以下、図13の処理を説明する。
【0091】
図13において、まず、UI制御部201は、図11のステップS1102での送信設定に既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、ステップS1104で選択された送信宛先に対応する送信手段が、異なっているか否か判定する(ステップS1301)。
【0092】
ステップS1301で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていない場合は、UI制御部201は、判定結果を差異なしに設定し(ステップS1306)、本処理を終了する。
【0093】
ステップS1301で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっている場合は、次の処理を行う。即ち、UI制御部201は、図11のステップS1102で設定されている送信宛先に対応する送信手段が扱える送信設定項目を取得する(ステップS1302)。また、UI制御部201は、図11のステップS1104で受け付けた選択された送信宛先に対応する送信手段が扱える送信設定項目を取得する(ステップS1303)。
【0094】
続いて、UI制御部201は、ステップS1302で取得した送信設定項目と、ステップS1303で取得した送信設定項目に差異があるか否かを判定する(ステップS1304)。即ち、画像処理装置が備える個々の送信手段に有効な送信設定を判断する。UI制御部201は、送信設定項目に差異があると判定した場合は、判定結果を差異ありとし(ステップS1305)、送信設定項目に差異がないと判定した場合は、判定結果を差異なしとする(ステップS1306)。これにより、本処理を終了する。
【0095】
図14は、送信宛先に対応する送信手段がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する処理を示すフローチャートである。
【0096】
図11のステップS1106の判定を行う代わりに、ステップS1102で設定されている送信宛先と、ステップS1103で受け付けた送信宛先に対応する送信手段に対し、図14の処理を適用する。外部プロトコルと内部プロトコルが混在している場合にはユーザに注意喚起を行い(ステップS1107)、混在していない場合にはそのまま送信宛先を追加(ステップS1109)してもよい。この場合も同様の効果が得られる。以下、図14の処理を説明する。
【0097】
図14において、まず、UI制御部201は、送信宛先に対応する送信手段がファクスか否かを判定する(ステップS1401)。送信手段がファクスである場合は、送信手段に対する判定を外部プロトコルとする(ステップS1402)。送信手段がファクスでない場合は、送信宛先に対応する送信手段は本画像処理装置では電子メールまたはファイル送信である。
【0098】
UI制御201は、本画像処理装置が属しているドメインと送信先に指定されているドメインとを比較し、宛先が外部ドメインか否かを判定する(ステップS1403)。宛先が外部ドメインである場合は、UI制御201は、送信手段に対する判定を外部プロトコル(ユーザの所属先以外の外部向け)とする(ステップS1402)。宛先が外部ドメインでない場合は、UI制御201は、送信手段に対する判定を内部プロトコル(ユーザの所属先を宛先とする内部向け)とする(ステップS1404)。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0100】
〔他の実施の形態〕
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。本発明のプログラムは、画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有する。
【符号の説明】
【0101】
201 UI制御部
202 スキャン制御部
203 送信制御部
204 ファクス制御部
205 ジョブ管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取った画像に画像変換を行いユーザが指定した宛先に送信する機能を有する画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機能のみならず、ファクス機能、ネットワークスキャン機能、プリント機能など、複数の機能を実行することができる複合機が広範に使用されるようになっている。通常、複合機は、タッチスクリーン機能を有する操作パネルと、ハードキーを有する操作部を備えている。ユーザは操作パネル上に表示された機能一覧から所望の機能を呼び出すことで複合機を操作する。
【0003】
複合機が有する複数の機能のうちファクス機能及びネットワークスキャン機能においては、ユーザは原稿から読み取った画像を送信する送信宛先、原稿の読み取り解像度、原稿の読み取りサイズ等を設定することが可能である。また、送信時のファイル形式等を設定することが可能である。複合機は、これらの設定に従い原稿を読み取り、読み取った画像を指定された通信手段を用いて指定された宛先に送信する。
【0004】
このような送信機能を有する複合機では、ユーザの送信宛先の設定操作を簡便にするため、送信宛先を格納した宛先表を備えることが多い。また、送信宛先に加えて、原稿の読み取り解像度や読み込み濃度の設定等の読み取り設定、送信ファイル形式等の送信設定も含めて、複合機のメモリに格納し、これを呼び出し可能とすることで、更に設定操作を簡便にすることも行われている。
【0005】
また、送信機能は、ユーザが複数の送信宛先を指定すると同じ原稿の読み取り画像を複数の宛先に送信する同報機能を備えることが多い。これにより、複数の宛先に同じ原稿の読み取り画像を送信する場合、送信処理を何度も繰り返す必要が無くなる。反面、仮にユーザの操作ミス等で、複数の送信宛先に意図しない宛先が混在していると、ユーザの意図しない宛先に原稿の読み取り画像が送信されることが起こりえる。
【0006】
例えば、ユーザが宛先表から一旦送信宛先を選択し、キャンセルボタンを押下したつもりでOKボタンを押下してしまい、それに気付かず別の送信宛先を選択してOKボタンを押下し、送信した場合などである。後者の送信宛先はユーザが意図した宛先であるが、前者の送信宛先は意図した宛先ではない。原稿の読み取り画像は意図しない前者の送信宛先にも送信されてしまっている。仮に、送信された原稿の読み取り画像が機密性の高い文書であった場合、セキュリティ上から大きな問題になる。
【0007】
このような、ユーザの送信宛先の設定ミスによる意図せぬ同報送信を防止するため、複合機において、ユーザに対する注意喚起を行う機能を有するものがある。
【0008】
例えば、複合機の操作画面に現在設定されている送信宛先を表示するだけでなく、ユーザが送信開始を指示した時に改めて宛先一覧リストを表示し、ユーザに確認を促すことが行われている。また、送信宛先毎に属性を設定し、送信宛先が追加された時、当該送信宛先の属性として予め設定されている属性と異なっていれば送信しない宛先として表示するシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−140584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ユーザが複合機の操作部から送信開始を指示した時に改めて宛先一覧リストを表示することでユーザに確認を促す方法は、ユーザが意図した同報送信の場合でも毎回注意喚起されるため、煩わしい場合がある。また、ユーザが注意されることに慣れてしまい、宛先一覧リストの確認が不十分となり、意図せぬ送信宛先が含まれていても送信指示をしてしまうこともあり得る。
【0011】
また、上記の特許文献1で開示されているシステムでは、宛先表に登録する送信宛先毎に、社内向け、社外向け、管理職向けなどの属性を予め付与しておく必要があり、ユーザにとっては手間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにユーザに注意喚起することを可能とした画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明は、画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断手段と、前記判断手段により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときに、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を表示する。これにより、ユーザの利便性を損なうことなく、意図しない送信宛先への送信を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置、サーバコンピュータ、ファクスからなるネットワークシステムの構成を示す概念図である。
【図4】画像処理装置における宛先表宛先を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図5】画像処理装置の操作部の構成例を示す図である。
【図6】(a)は、スキャン基本画面の例を示す図、(b)は、ファクス基本画面の例を示す図である。
【図7】宛先表画面の例を示す図である。
【図8】注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置における送信履歴から選択された履歴を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図10】送信履歴画面の例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置における宛先表宛先を送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【図12】注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置における送信手段が設定可能な送信設定に差異があるかどうか判定する処理を示すフローチャートである。
【図14】送信宛先に対応する送信手段がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置は以下の課題に対応可能としたものである。宛先表に格納されている一つまたは複数の宛先を送信宛先として指定可能な画像処理装置において、送信ジョブに送信宛先が既に存在している状態で、宛先表が再び開かれ送信宛先が追加されるケースとしては次の例が考えられる。
【0019】
即ち、ユーザが意図して送信宛先を追加するケースと共に、ユーザが送信宛先が存在していることに気づかず送信宛先を追加するケースの両方が考えられる。このような状態で送信処理が行われると、前者のケース(ユーザが意図して送信宛先を追加)は問題ないが、後者のケース(ユーザが気づかず送信宛先を追加)は文書が意図せぬ宛先に送信される可能性があり、問題である。
【0020】
また、通常、ユーザが意図して複数の送信宛先に同時に送信を行う場合、宛先表を開いて複数の送信宛先を選択して閉じるという操作になると考えられ、何度も宛先表を開き閉じる操作を繰り返すことは少ないと考えらえる。
【0021】
従って、送信ジョブの設定に送信宛先が存在している状態で、宛先表から更に送信宛先が追加されたときにユーザに注意を促せば、ユーザの利便性を損なうことなく、文書が意図せぬ宛先に送信される可能性があるケースをユーザに通知することができる。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
画像処理装置は、画像形成部101、制御部102、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットワークインタフェース(I/F)106、ファクシミリインタフェース(I/F)107を備えたデジタル複合機として構成されている。画像形成部101、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットI/F106、ファクシミリI/F107は、それぞれ専用インタフェースを介して制御部102に接続されている。
【0024】
画像形成部101は、例えば電子写真方式で記録紙に画像を形成する。制御部102は、画像処理装置を統括的に制御する。制御部102の主要部は、中央処理装置(CPU)108と記憶装置(メモリ)109とにより構成されている。メモリ109には、図4、図9、図11に示すフローチャートに対応する制御プログラム、図6、図7、図8に示す設定ダイアログ・ボックスの制御プログラム、及び操作画面情報を記述したコンテンツ等が格納されている。
【0025】
フィニッシャ103は、画像形成が完了した記録紙にステイプル処理等の後処理を行う。スキャナ部104は、原稿の画像を読み取る。操作部105は、各種のデータやコマンドを入力する入力部と、複数の画面を切り替え表示可能な表示部とから構成されている。ネットワークI/F106(送信手段)は、ネットワークを介して画像データの送受信を行う。ファクシミリI/F107(送信手段)は、外部のファクシミリ(以下ファクス)との間でファクスデータの送受信を行う。
【0026】
図2は、画像処理装置を制御するソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
図2において、UI制御部201は、操作部105に図6等の操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。UI制御部201は、本発明の受付手段、判断手段、第2の判断手段、第3の判断手段、注意喚起手段を実現するための一例である。
【0028】
スキャン制御部202は、スキャナ部104を制御し、原稿の画像を読み取る処理を制御する。送信制御部203は、スキャン制御部202の制御により原稿から読み取った画像データを、ネットワークI/F106を用いてユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。ファクス制御部204は、ファクスI/F107を用いてファクスの送受信を制御する。
【0029】
ジョブ管理部205は、UI制御部201が受け付けたユーザの送信要求及びその実行状態を管理すると共に、ジョブ設定を格納する。画像管理部206は、スキャナ部104で原稿から読み取った画像の管理情報を管理する。履歴管理部207は、送信制御部203またはファクス制御部204により送信した送信ジョブの履歴を管理する。
【0030】
図3は、画像処理装置、サーバコンピュータ、ファクスからなるネットワークシステムの構成を示す概念図である。
【0031】
図3において、画像処理装置301は、図1に示したデジタル複合機として構成されている。サーバコンピュータ302は、入力部303と表示部304を備えており、画像処理装置301により原稿から読み取った画像データをネットワーク305を介して送信する。画像処理装置301、サーバコンピュータ302は、それぞれネットワーク305に接続されている。また、画像処理装置301は、ファクス回線306を介してファクス307と接続されている。
【0032】
図5は、画像処理装置の操作部の構成例を示す図である。
【0033】
図5において、画像処理装置の操作部105(図1)には、ホーム画面501、テンキー502、スタートキー503、「設定・登録」画面呼び出しボタン504、「履歴・状況」ボタン505が配置されている。ホーム画面501には、アプリケーション選択ボタン(506〜509)が表示されており、ユーザが所望のアプリケーション選択ボタンを押下することで所望の処理を行う操作画面を呼び出すことができる。
【0034】
この例では、コピー機能、ネットワークスキャン機能、ファクス機能、ボックス機能の操作画面をそれぞれ呼び出す「コピー」ボタン506、「スキャン」ボタン507、「ファクス」ボタン508、「ボックス」ボタン509が表示されている。スタートキー503は、ジョブ開始を指示する際に押下する。「設定・登録」画面呼び出しボタン504は、デバイス(画像処理装置)の設定画面を呼び出す際に押下する。「履歴・状況」ボタン505は、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す際に押下する。
【0035】
図6(a)は、スキャン基本画面の例を示す図、図6(b)は、ファクス基本画面の例を示す図である。
【0036】
図6(a)において、ユーザの「スキャン」ボタン507(図5)の押下により操作部105に表示されるスキャン基本画面の例を示している。スキャン基本画面には、送信宛先を指定可能な宛先入力ボタン601が表示されている。スキャン基本画面では、電子メール送信及びファイル送信が可能である。また、デバイス(画像処理装置)の設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0037】
宛先入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。ユーザは、それぞれの宛先入力方法に割り当てられたアドレス帳ボタン(宛先表呼び出しボタン)605、ワンタッチボタン606、新規宛先ボタン607を押下することで、所望の宛先入力画面を呼び出すことができる。
【0038】
送信設定ボタン602は、読み取り解像度、読み取りカラーモード等の送信設定を設定するボタンである。応用設定ボタン603は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すボタンである。「良く使う設定」ボタン604は、永続的な領域に保存された送信設定を呼び出すボタンである。アドレス帳ボタン605は、アドレス帳(宛先表)を呼び出すボタンである。
【0039】
図6(b)において、ユーザの「ファクス」ボタン508(図5)の押下により操作部105に表示されるファクス基本画面の例を示している。ファクス基本画面には、ユーザが入力したファクス宛先を表示するファクス宛先表示領域610が表示されている。
【0040】
送信設定ボタン611は、読み取り解像度、読み取りサイズ等の送信設定を設定するボタンである。応用設定ボタン612は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すボタンである。ワンタッチボタン613は、ファクス宛先が記憶されているボタンである。アドレス帳ボタン(宛先表呼び出しボタン)614は、アドレス帳(宛先表)を呼び出すボタンである。ファクス操作画面では、ファクス送信のみが可能である。
【0041】
図7は、宛先表画面の例を示す図である。
【0042】
図7において、ユーザの「スキャン」画面または「ファクス」画面のアドレス帳ボタン605または614の押下により操作部105に表示される宛先表画面(設定画面)の例を示している。宛先表画面には、登録されている送信宛先の一覧が表示される宛先一覧表示領域701が表示されている。
【0043】
ユーザは、操作部105のタッチスクリーン上に表示された宛先表画面の宛先一覧表示領域701から所望の宛先をタッチすることで、画像処理装置で原稿から読み取った画像データ(ファイル)、電子メール等の送信宛先を選択することができる。宛先詳細情報ボタン702は、ユーザに選択された送信宛先の詳細情報を表示するためのボタンである。宛先選択確定ボタン703は、ユーザが選択した送信宛先を確定するボタンである。
【0044】
次に、上記構成を有する本実施の形態の画像処理装置の動作について図4のフローチャート等を参照しながら説明する。
【0045】
図4は、画像処理装置における宛先表宛先を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【0046】
・UI制御部201での操作受付
図4において、まず、UI制御部201は、操作部105のホーム画面501に表示されたスキャンボタン507が押下されたことを検知し、図6(a)のスキャン基本画面を操作部105に表示する(ステップS401)。なお、ここではスキャン基本画面での操作について説明するが、ファクスボタン508の押下により図6(b)のファクス基本画面を表示した場合も同様である。
【0047】
続いて、UI制御部201は、ユーザがスキャン基本画面を操作して今回の送信ジョブに設定した送信設定(読み取り設定、応用設定等)を受け付け、ジョブ管理部205に格納されたジョブ設定に送信設定を反映する(ステップS402)。なお、ここでの送信設定に、図6(a)の宛先入力(「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」)からの送信宛先設定が含まれても良い。
【0048】
・宛先表宛先の設定
続いて、UI制御部201は、アドレス帳ボタン605(図6(a))の押下を検知し、図7の宛先表画面を操作部105に表示し(ステップS403)、ユーザが選択した送信宛先を受け付ける(ステップS404)。そして、ユーザから宛先選択確定ボタン(OK)703が押下されることでユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS402での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS405)。
【0049】
ステップS405で、送信設定に既に送信宛先が設定されていると判定した場合は、次の表示を行う。即ち、UI制御部201は、既に存在している送信宛先に更に送信宛先が追加されようとしている旨をユーザに注意喚起する注意喚起ポップアップ画面(図8)を操作部105に表示する(ステップS406)。
【0050】
ステップS405で、送信宛先が設定されていないと判定した場合は、送信設定に宛先は含まれていない。UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先をステップS402で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS408)。
【0051】
続いて、UI制御部201は、ジョブ管理部205に送信ジョブの開始を通知する。ジョブ管理部205は、スキャン制御部202、送信制御部203と協調し、スキャナ部104で原稿から読み込まれた画像データをネットワークI/F106を介して指定された宛先に送信する(ステップS409)。これにより、本処理を終了する。
【0052】
・注意喚起とユーザ選択の受付
図8は、注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【0053】
図8において、操作部105に表示される注意喚起ポップアップ画面(注意喚起画面)の例を示している。注意喚起ポップアップ画面には、警告文(「送信宛先が既に存在しています。選択した宛先を追加しますか?」)801、送信宛先の追加処理を続行する宛先追加ボタン802、送信宛先の追加処理をキャンセルするキャンセルボタン803が表示されている。ユーザは宛先追加ボタン802とキャンセルボタン803のどちらかを押下する必要がある。
【0054】
図4において、ステップS406で注意喚起ポップアップ画面を操作部105に表示した後、UI制御部201は、ユーザの選択が送信宛先の追加であったか否かを判定する(ステップS407)。
【0055】
ステップS407で、ユーザの選択が送信宛先の追加であったと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先を、ステップS402で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS408)。送信は、ステップS402で設定されていた送信宛先と、ステップS408で追加された送信宛先の両方に行われる。
【0056】
ステップS407で、ユーザの選択が送信宛先の追加でないと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS404で選択された送信宛先の追加処理を行わない。送信は、ステップS402で設定された送信宛先に対してのみ行われる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図9、図10で説明する点において相違する。第2の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0059】
上記第1の実施の形態では、画像処理装置において宛先表から送信宛先が追加された場合に既に送信宛先が存在していれば、既に存在している送信宛先に更に送信宛先が追加されようとしている旨をユーザに注意喚起する例について説明した。
【0060】
第2の実施の形態では、画像処理装置において送信履歴から再送信宛先が追加された場合について説明する。この場合も上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0061】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る送信履歴画面の例を示す図である。
【0062】
図10において、ユーザの「履歴・状況」ボタン505(図5)の押下により操作部105に表示される過去の送信履歴を示す送信履歴画面の例を示している。送信履歴画面には、送信履歴が表示される送信履歴リスト1001が表示されている。
【0063】
再送信指示ボタン1002は、ユーザが送信履歴リストから選択した履歴を用いた送信を指示するボタンである。送信履歴リスト印刷ボタン1003は、送信履歴リストの印刷を指示するボタンである。詳細情報表示ボタン1004は、ユーザが送信履歴リストから選択した履歴の詳細情報を表示するためのボタンである。
【0064】
図9は、画像処理装置における送信履歴から選択された履歴を用いて送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。なお、図9のステップS901〜ステップS902の処理は、それぞれ図4のステップS401〜ステップS402と同一であり、図9のステップS905〜ステップS909の処理は、それぞれ図4のステップS405〜ステップS409と同一である。そのため、ここではステップS903、ステップS904の処理を中心に説明する。
【0065】
図9において、ステップS901、ステップS902の処理後、UI制御部201は、「履歴・状況」ボタン505の押下を検知し、図10に示した送信履歴画面を操作部105に表示する(ステップS903)。更に、UI制御部201は、ユーザが送信履歴画面で選択した送信履歴に対応する送信宛先情報を履歴管理部207から読み出し、送信宛先として受け付ける(ステップS904)。
【0066】
そして、再送信指示ボタン1002が押下されユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS402での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS905)。上述した通り、ステップS906以降の処理は図4と同一のため説明を省略する。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0068】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図11、図12で説明する点において相違する。第3の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0069】
上記第1及び第2の実施の形態では、既に送信宛先がある状態で更に送信宛先が追加された場合、ユーザの誤操作による誤同報送信の可能性があるとして、ユーザに注意喚起する例について説明した。ここで、ユーザの誤操作による誤同報送信のケースとしては、ユーザが社内向けに送信したつもりで同時に外部にも送信してしまうケースも多い。
【0070】
第3の実施の形態では、送信宛先として複数の送信手段が選択されていた場合にユーザに注意喚起する例について説明する。この場合は、ユーザの利便性を損なうことなく、意図しない外部にも送信しようとしてしまうケースをユーザに通知することができる。
【0071】
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る画像処理装置における宛先表宛先を送信宛先に設定する処理を示すフローチャートである。
【0072】
・UI制御部201での操作受付
図11において、まず、UI制御部201は、操作部105のホーム画面501に表示されたスキャンボタン507(図5)が押下されたことを検知し、図6(a)のスキャン基本画面を操作部105に表示する(ステップS1101)。
【0073】
続いて、UI制御部201は、ユーザがスキャン基本画面を操作して今回の送信ジョブに設定した送信設定(読み取り設定、応用設定等)を受け付け、ジョブ管理部205に格納されたジョブ設定に設定を反映する(ステップS1102)。なお、ここでの送信設定に、図6(a)の宛先入力(「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」)からの送信宛先設定が含まれても良い。
【0074】
・宛先表宛先の設定
続いて、UI制御部201は、アドレス帳ボタン605(図6(a))の押下を検知し、図7の宛先表画面を操作部105に表示し(ステップS1103)、ユーザが選択した送信宛先を受け付ける(ステップS1104)。そして、宛先選択確定ボタン(OK)703が押下されユーザが選択した送信宛先が確定したとき、UI制御部201は、ステップS1102での送信設定に既に送信宛先が設定されているか否かを判定する(ステップS1105)。
【0075】
ステップS1105で、送信設定に既に送信宛先が設定されていると判定した場合は、次の判定を行う。即ち、UI制御部201は、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、ステップS1104で選択された送信宛先に対応する送信手段が、異なっているか否かを判定する(ステップS1106)。
【0076】
ステップS1105で、送信設定に送信宛先が設定されていないと判定した場合は、送信設定に送信宛先は含まれていないことを意味する。UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先を、ステップS1102で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS1109)。
【0077】
続いて、UI制御部201は、ジョブ管理部205に送信ジョブの開始を通知する。ジョブ管理部205は、スキャン制御部202、送信制御部203と協調し、スキャナ部104で原稿から読み込まれた画像データをネットワークI/F106を介して指定された宛先に送信する(ステップS1110)。これにより、本処理を終了する。
【0078】
・注意喚起とユーザ選択の受付
ステップS1106で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていると判定した場合は、次の表示を行う。即ち、UI制御部201は、送信手段が混在(送信手段が複数存在)している旨をユーザに注意喚起する注意喚起ポップアップ画面(図12)を操作部105に表示する(ステップS1107)。
【0079】
ステップS1106で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていないと判定した場合は、ステップS1109に移行する。
【0080】
図12は、注意喚起ポップアップ画面の例を示す図である。
【0081】
図12において、操作部105に表示される注意喚起ポップアップ画面(注意喚起画面)の例を示している。注意喚起ポップアップ画面には、警告文(「複数の送信手段の宛先が指定されています。宛先を追加しますか?」)1201、宛先追加処理を続行する宛先追加ボタン1202、追加処理をキャンセルするキャンセルボタン1203が表示されている。ユーザは宛先追加ボタン1202とキャンセルボタン1203のどちらかを押下する必要がある。
【0082】
図11において、ステップS1107で注意喚起ポップアップ画面を操作部105に表示した後、UI制御部201は、ユーザの選択が送信宛先の追加であったか否かを判定する(ステップS1108)。
【0083】
ステップS1108で、送信宛先の追加であったと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先をステップS1102で設定された送信ジョブ設定に追加する(ステップS1109)。送信は、ステップS1102で設定されていた送信宛先と、ステップS1109で追加された送信宛先の両方に行われる。
【0084】
ステップS1108で、送信宛先の追加でないと判定した場合は、UI制御部201は、ステップS1104で選択された送信宛先の追加処理を行わない。送信は、ステップS1102で設定された送信宛先に対してのみ行われる。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0086】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図13、図14で説明する点において相違する。第4の実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1、図2、図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0087】
上記第3の実施の形態では、送信ジョブに設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段が異なっている場合はユーザに注意喚起する例について説明した。
【0088】
第4の実施の形態では、より、ユーザが意図せずに複数の送信手段を用いる送信宛先を設定したケースに限定して注意喚起する方法として、送信宛先に対応する送信手段が設定可能な送信設定が異なっている場合に通知する方法について説明する。また、送信宛先が内部向けか外部向けかを判断し、両者が混在している場合に通知する方法について説明する。
【0089】
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る画像処理装置における送信手段が設定可能な送信設定に差異があるかどうか判定する処理を示すフローチャートである。
【0090】
図11のステップS1106の判定を行う代わりに図13の処理の判定結果を用い、次のように処理してもよい。即ち、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段とに差異がある場合にユーザに注意喚起を行い(ステップS1107)、差異が無い場合にはそのまま送信宛先を追加(ステップS1109)してもよい。この場合も同様の効果が得られる。以下、図13の処理を説明する。
【0091】
図13において、まず、UI制御部201は、図11のステップS1102での送信設定に既に存在している送信宛先に対応する送信手段と、ステップS1104で選択された送信宛先に対応する送信手段が、異なっているか否か判定する(ステップS1301)。
【0092】
ステップS1301で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっていない場合は、UI制御部201は、判定結果を差異なしに設定し(ステップS1306)、本処理を終了する。
【0093】
ステップS1301で、既に存在している送信宛先に対応する送信手段と選択された送信宛先に対応する送信手段が異なっている場合は、次の処理を行う。即ち、UI制御部201は、図11のステップS1102で設定されている送信宛先に対応する送信手段が扱える送信設定項目を取得する(ステップS1302)。また、UI制御部201は、図11のステップS1104で受け付けた選択された送信宛先に対応する送信手段が扱える送信設定項目を取得する(ステップS1303)。
【0094】
続いて、UI制御部201は、ステップS1302で取得した送信設定項目と、ステップS1303で取得した送信設定項目に差異があるか否かを判定する(ステップS1304)。即ち、画像処理装置が備える個々の送信手段に有効な送信設定を判断する。UI制御部201は、送信設定項目に差異があると判定した場合は、判定結果を差異ありとし(ステップS1305)、送信設定項目に差異がないと判定した場合は、判定結果を差異なしとする(ステップS1306)。これにより、本処理を終了する。
【0095】
図14は、送信宛先に対応する送信手段がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する処理を示すフローチャートである。
【0096】
図11のステップS1106の判定を行う代わりに、ステップS1102で設定されている送信宛先と、ステップS1103で受け付けた送信宛先に対応する送信手段に対し、図14の処理を適用する。外部プロトコルと内部プロトコルが混在している場合にはユーザに注意喚起を行い(ステップS1107)、混在していない場合にはそのまま送信宛先を追加(ステップS1109)してもよい。この場合も同様の効果が得られる。以下、図14の処理を説明する。
【0097】
図14において、まず、UI制御部201は、送信宛先に対応する送信手段がファクスか否かを判定する(ステップS1401)。送信手段がファクスである場合は、送信手段に対する判定を外部プロトコルとする(ステップS1402)。送信手段がファクスでない場合は、送信宛先に対応する送信手段は本画像処理装置では電子メールまたはファイル送信である。
【0098】
UI制御201は、本画像処理装置が属しているドメインと送信先に指定されているドメインとを比較し、宛先が外部ドメインか否かを判定する(ステップS1403)。宛先が外部ドメインである場合は、UI制御201は、送信手段に対する判定を外部プロトコル(ユーザの所属先以外の外部向け)とする(ステップS1402)。宛先が外部ドメインでない場合は、UI制御201は、送信手段に対する判定を内部プロトコル(ユーザの所属先を宛先とする内部向け)とする(ステップS1404)。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め特別な設定をすることなく且つユーザの利便性を損なうことなく、同報送信時にユーザの意図しない送信宛先が含まれている可能性があるときにのみユーザに注意喚起することが可能となる。
【0100】
〔他の実施の形態〕
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。本発明のプログラムは、画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有する。
【符号の説明】
【0101】
201 UI制御部
202 スキャン制御部
203 送信制御部
204 ファクス制御部
205 ジョブ管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、前記表示手段に表示される画面としての宛先一覧を示す宛先表画面から、ユーザに選択された宛先を送信宛先として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記表示手段に表示される画面としての過去の送信履歴を示す送信履歴画面から、ユーザに選択された送信履歴に含まれる宛先を送信宛先として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断手段と、
前記判断手段により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置が備える個々の送信手段に有効な送信設定を判断する第2の判断手段を更に備え、
前記注意喚起手段は、前記判断手段により送信ジョブに設定されている送信宛先に対応する送信手段が複数存在すると判断され、前記第2の判断手段により前記複数の送信手段に有効な送信設定が異なると判断された場合、前記注意喚起画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
送信宛先がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する第3の判断手段を更に備え、
前記注意喚起手段は、前記第3の判断手段により送信ジョブに設定されている送信宛先に前記内部向けと前記外部向けが混在していると判断された場合、前記注意喚起画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断工程と、
前記判断工程により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【請求項1】
画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、前記表示手段に表示される画面としての宛先一覧を示す宛先表画面から、ユーザに選択された宛先を送信宛先として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記表示手段に表示される画面としての過去の送信履歴を示す送信履歴画面から、ユーザに選択された送信履歴に含まれる宛先を送信宛先として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断手段と、
前記判断手段により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置が備える個々の送信手段に有効な送信設定を判断する第2の判断手段を更に備え、
前記注意喚起手段は、前記判断手段により送信ジョブに設定されている送信宛先に対応する送信手段が複数存在すると判断され、前記第2の判断手段により前記複数の送信手段に有効な送信設定が異なると判断された場合、前記注意喚起画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
送信宛先がユーザの所属先を宛先とする内部向けであるか所属先以外の外部向けであるかを判定する第3の判断手段を更に備え、
前記注意喚起手段は、前記第3の判断手段により送信ジョブに設定されている送信宛先に前記内部向けと前記外部向けが混在していると判断された場合、前記注意喚起画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像データを送信する送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として他の送信宛先が既に設定されているか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記他の送信宛先が既に設定されていると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
画像データを送信する複数の送信手段と、画面を表示可能な表示手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示手段に表示される画面に対するユーザの操作に従って画像データの送信宛先を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により送信宛先を受け付けた場合に、前記画像データの送信宛先として設定されている複数の送信宛先に対応する送信手段を判断する判断工程と、
前記判断工程により複数の異なる送信手段が存在すると判断された場合、ユーザに注意を喚起する注意喚起画面を前記表示手段に表示する注意喚起工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−46227(P2013−46227A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182651(P2011−182651)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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