画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体
【課題】情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有できる画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、受信した印刷ジョブJの解析から印刷ジョブJを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報Rを取得する手段21と、利用者設定情報Rに基づき、印刷ジョブJの利用対象となる複数の利用者を特定する手段231と、受信した印刷ジョブJを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する手段232と、複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブJを記憶し、保持する手段41と、印刷ジョブJの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブJに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、保持される該当印刷ジョブJを実行する手段26と、を有している。
【解決手段】画像処理装置100は、受信した印刷ジョブJの解析から印刷ジョブJを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報Rを取得する手段21と、利用者設定情報Rに基づき、印刷ジョブJの利用対象となる複数の利用者を特定する手段231と、受信した印刷ジョブJを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する手段232と、複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブJを記憶し、保持する手段41と、印刷ジョブJの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブJに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、保持される該当印刷ジョブJを実行する手段26と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄積印刷(プルプリント)を行う画像処理装置、画像処理装置の蓄積印刷を制御する印刷制御装置に関し、特に、同一の印刷ジョブを複数のユーザ(利用者)が共有し、蓄積印刷を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、PC(Personal Computer)などから、プリンタに印刷ジョブを送信して蓄積しておき、プリンタの操作画面を介して印刷指示を行うと、蓄積しておいた印刷ジョブを実行できるシステムが、すでに知られている。
【0003】
通常、このようなシステムでは、プリンタ内において、蓄積された印刷ジョブとユーザとが、1対1の関係で管理されている。しかし、会議資料などの印刷ジョブの場合、蓄積された印刷ジョブを複数のユーザ(会議参加者)で共有したいケースがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、複数のユーザをまとめて1つのグループとして管理し、ユーザ自身の印刷ジョブ以外に、同一グループに属する他のユーザの印刷ジョブを実行可能とし、蓄積された印刷ジョブを複数のユーザで共有できるシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、グループに属するユーザであれば、同一グループに属する全てのユーザの印刷ジョブを実行できるため、第三者への情報漏洩などが懸念される。つまり、従来のシステムでは、複数のユーザにより印刷ジョブを共有できても、画像処理装置における情報の機密性(セキュリティ)が低下してしまう問題点がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有できる画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置であって、受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、を有している。
【0008】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、受信した印刷ジョブのデータ解析から得た、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報に基づき、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理する。
【0009】
これによって、本発明に係る画像処理装置では、共有する印刷ジョブのデータを、グループ単位でなく、ユーザ単位で管理することから、共有する印刷ジョブが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有することができる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷制御方法は、蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御方法であって、受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手順と、前記データ解析手順により取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手順と、受信した印刷ジョブを、前記利用者特定手順により特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手順と、前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、前記印刷ジョブ複製手順により複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手順と、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ格納手順により格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手順と、を有している。
【0011】
このような手順によって、本発明に係る印刷制御方法は、受信した印刷ジョブのデータ解析から得た、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報に基づき、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理するという動作を実現する。
【0012】
これによって、本発明に係る印刷制御方法では、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受信した印刷ジョブの解析結果から、印刷ジョブの共有対象ユーザを特定し、共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製・蓄積し、ユーザ単位で管理することで、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有可能な画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブのデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るユーザ情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブから蓄積データを生成する際の動作例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る蓄積データの格納例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その1)を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その2)を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の変形例に係る印刷システムの構成例を示す図である。
【図14】本発明の変形例に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る印刷ジョブのデータ例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その1)を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その2)を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第2の実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の構成例を示す図である。
図1には、画像処理装置100と1又は複数のPC2001〜200n(以降総称する場合「PC200」と言う)とが、ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0017】
画像処理装置100は、画像処理機能を有する機器である。画像処理機能には、例えば、原稿読み取りや印刷などがある。一方、PC200は、情報処理機能を有する機器である。情報処理機能には、例えば、印刷ジョブの生成・編集や印刷ジョブの送信などがある。
【0018】
本実施形態に係る印刷システム1では、これらの構成機器により、次のような蓄積印刷処理が実行される。例えば、PC200から画像処理装置100に対して、複数のユーザで共有する印刷ジョブが送信されると、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブを、共有するユーザの数だけ複製し、当該装置が備える記憶装置に蓄積し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理する。その結果、共有ユーザたちは、画像処理装置100に出向き、自身に属する印刷ジョブとして蓄積されている蓄積データを選択し、印刷ジョブの実行要求を行うことで、印刷結果を得る。
【0019】
以上のように、本実施形態に係る印刷システム1では、上記システム構成により、複数のユーザにより共有する印刷ジョブを、ユーザ単位で蓄積印刷可能な印刷サービスを提供することができる。
【0020】
なお、上記では、画像処理装置100とPC200とが1対Nの構成例について説明を行ったが、この限りでない。例えば、画像処理装置100とPC200とを複数有する構成であってもよい。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0022】
操作パネル120は、入力部や表示部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする入力・表示装置である。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する印刷装置である。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する読み取り装置である。
【0023】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部記憶I/F114などを備える制御基板であり、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0024】
記憶装置111は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)などを含み、各種プログラムやデータを格納及び/又は保持する装置である。CPU111は、ROMやHDDから、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行する(記憶装置から読み出したプログラムやデータの処理を実行する)ことで、装置全体の制御や搭載機能を実現する処理装置である。
【0025】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をデータ伝送路Nに接続するインタフェースである。外部記憶I/F114は、外部記憶装置にあたる記録媒体114aとのインタフェースである。記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD Memory Card)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。これにより、画像処理装置100は、外部記憶I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0026】
以上のように、画像処理装置100では、上記ハードウェア構成により、各種画像処理サービスを提供することができる。
【0027】
<印刷制御機能>
本実施形態に係る印刷制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、受信した印刷ジョブを解析し、解析結果として、複数のユーザで共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報を取得する。続いて、画像処理装置100は、設定情報に含まれる、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)の設定に基づき、共有対象ユーザを特定する。続いて、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブを、特定した共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積する印刷ジョブの蓄積データを生成する。続いて、画像処理装置100は、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データを記録するとともに、データ解析により取得した設定情報を、印刷ジョブごとに蓄積データと印刷ジョブ実行条件とを管理する蓄積情報として記録する。また、画像処理装置100では、蓄積印刷の実行要求を受け付けると、ユーザ入力情報から、ユーザに属する印刷ジョブを表示する。画像処理装置100では、指定印刷ジョブの蓄積データ及び蓄積情報を取得し、蓄積情報に設定された印刷ジョブ実行条件に基づき、印刷ジョブの実行可否を確認する。画像処理装置100では、実行可能が確認されると、要求ユーザの蓄積データを用いて印刷を実行する。画像処理装置100は、このような印刷制御機能を有している。
【0028】
従来のシステムでは、グループに属するユーザであれば、同一グループに属する全てのユーザの印刷ジョブを実行できる。そのため、従来のシステムでは、複数のユーザにより印刷ジョブを共有できても、第三者への情報漏洩(例えば「データの盗難」)などが懸念され、画像処理装置100における情報の機密性(セキュリティ)が低下してしまう。
【0029】
また、従来のシステムでは、例えば、共有する印刷ジョブデータの盗難が発生した場合、どのグループで共有する印刷ジョブデータかを特定できても、グループ内の誰をターゲットにして印刷ジョブ(印刷データ)が盗難されたのかまでは特定できない。
【0030】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100は、受信した印刷ジョブの解析結果から、印刷ジョブの共有対象ユーザを特定し、共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製・蓄積し、ユーザ単位で管理する仕組みとした。
【0031】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100では、共有する印刷ジョブが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有することができる。
【0032】
以下に、上記印刷制御機能の構成とその動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る印刷制御機能は、データ解析部21、ユーザ情報管理部22、印刷ジョブ管理部23、蓄積情報管理部24、ユーザ入力情報受付部25、印刷部26、及び通知部27などを有している。これらは、画像処理装置100が有する機能部である。
【0033】
データ解析部21は、受信した印刷ジョブをデータ解析する機能部である。データ解析部21は、例えば、図4に示すような印刷ジョブのデータ解析を行う。
【0034】
図4は、本実施形態に係る印刷ジョブJのデータ例を示す図である。
図4に示すように、印刷ジョブJは、ヘッダ情報HDと印刷データPDとを有する構成となっている。ヘッダ情報HDは、例えば、文書や画像などの書誌情報(「作成者名」や「作成アプリ名」など)が、所定の言語(PJL:Printer Job Language)で記述された情報である。また、印刷データPDは、例えば、プリンタドライバ(印刷データ変換ソフト)により生成されたPDLデータ(Page Description Language data)である。
【0035】
また、(A)及び(B)に示すように、ヘッダ情報HDには、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された情報(設定情報)R21,R22(以降総称する場合「設定情報R」と言う)を含めることができる。
【0036】
設定情報Rは、例えば、PC200の画面に表示された、図5に示すような設定画面W11,W12(以降総称する場合「設定画面W」と言う)を介して、ユーザにより設定される。
【0037】
図5は、本実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
図5に示すように、設定画面Wから設定可能な印刷ジョブ実行条件には、例えば、印刷ジョブを共有するユーザの設定(以下「共有対象ユーザ設定」と言う)A、及び印刷ジョブを実行できる期間を示す日時の設定(以下「実行可能期間設定」と言う)Bなどがある。
【0038】
例えば、(A)に示す設定画面W11には、印刷ジョブを共有するユーザ(以下「共有対象ユーザ」と言う)として、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザが設定されている。さらに、設定画面W11には、共有する印刷ジョブの実行可能期間として、現在日時から2010年12月31日12時30分までの期間が設定されている。
【0039】
また、設定画面W11には、印刷ジョブJを共有するユーザ及び/又はグループごとの印刷動作条件を設定する[詳細設定]ボタンS1と、設定画面右下には、ユーザ及び/又はグループに共通した印刷動作条件を設定する[詳細設定]ボタンS2とが設けられている。これら[詳細設定]ボタンS1及びS2を押下して設定した印刷動作条件は、ユーザ及び/又はグループごとに設定された印刷動作条件が、ユーザ及び/又はグループに共通して設定された印刷動作条件より優先される。これにより、例えば、指定ユーザ及び/又は指定グループが印刷を実行する場合には、それぞれに設定された印刷動作条件を適用でき、また、ゲストユーザが印刷を実行する場合には、共通する印刷動作条件を適用することができる。
【0040】
一方、(B)に示す設定画面W12には、共有対象ユーザとして、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザに加えて、認証情報(テキストボックスからの入力値又は自動設定時に生成される乱数値)が割り当てられた3人のゲストユーザが設定されている。さらに、設定画面W11には、実行可能期間として、2010年12月31日09時00分から12時30分までの期間が設定されている。
【0041】
図4の説明に戻る。ヘッダ情報HDに含まれる設定情報Rには、設定画面Wから設定された各印刷ジョブ実行条件が、所定の変数値として設定されている。
【0042】
例えば、共有対象ユーザ設定Aの設定値(ユーザ識別子やグループ識別子)は、変数名"USERNAME"の値として設定されている。また、実行可能期間設定Bの設定値(日時)は、変数名"LIMITTIME"の値として設定されている。また、共有対象ユーザ設定Aにゲストユーザが含まれている場合、その設定値(ゲストユーザの人数)は、変数名"GUEST"の値として設定され、認証情報の設定値(パスワード)は、変数名"PASSWD"の値として設定されている。
【0043】
図3の説明に戻る。データ解析部21は、図5に示すような印刷ジョブJを解析し、解析結果として、印刷ジョブに含まれるヘッダ情報HDと印刷データPDとを取得する。さらに、データ解析部21は、ヘッダ情報HDを参照し、予め決めておいた印刷ジョブ実行条件を定義する変数名に基づき、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。
【0044】
ユーザ情報管理部22は、ユーザに関する情報(以下「ユーザ情報」と言う)を管理する機能部である。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。例えば、各種データ操作には、データ参照(検索)、データ取得、データ格納(記録)、データ削除(消去)などがある。
【0045】
ユーザ情報保持部31は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図6に示すようなユーザ情報31Dを保持している。
【0046】
図6は、本実施形態に係るユーザ情報31Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ情報31Dには、例えば、(A)に示すユーザが属するグループを管理するデータ(グループ管理データ)31D1と、(B)に示すユーザを管理するデータ(ユーザ管理データ)31D2とを有する構成となっている。
【0047】
(A)に示すように、グループ管理データ31D1は、グループ識別及び属性などの情報項目を有している。[グループ識別]項目は、グループの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"グループA"などのグループ識別子(グループ識別情報)がある。[属性]項目は、グループの属性を示す情報項目である。項目値には、例えば、"ユーザ01、ユーザ02、ユーザ03、・・・"といったグループに属するユーザのユーザ識別子(ユーザ識別情報)がある。グループ管理データ31D1は、これらの情報項目がグループごとに対応付けられ、[属性]項目がグループ単位で管理されている。
【0048】
(B)に示すように、ユーザ管理データ31D2は、ユーザ識別及び属性などの情報項目を有している。[ユーザ識別]項目は、ユーザの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"ユーザ01"などのユーザ識別子がある。[属性]項目は、ユーザの属性を示す情報項目である。項目値には、例えば、ユーザに割り当てられた認証データ(認証情報)がある。ユーザ管理データ31D2は、これらの情報項目がユーザごとに対応付けられ、[属性]項目がユーザ単位で管理されている。
【0049】
図3の説明に戻る。ユーザ情報管理部22は、このようなユーザ情報31Dから、次のようなデータ操作要求に応じることができる。
【0050】
例えば、ユーザ情報管理部22は、グループCに属するユーザの情報取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったグループ識別情報(識別子:"グループC")に基づき、グループ管理データ31D1の[グループ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値であるユーザ識別情報("ユーザ21","ユーザ22"、"ユーザ23"の各識別子)を取得する。
【0051】
また、ユーザ情報管理部22は、ユーザ01に割り当てられた認証情報の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったユーザ識別情報(識別子:"ユーザ01")に基づき、ユーザ管理データ31D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値である認証情報(認証データ(01))を取得する。
【0052】
また、ユーザ情報管理部22は、ユーザ01の認証要求を受け付けた場合、要求時に受け取った入力情報(識別子:"ユーザ01"、認証データ(01))に基づき、ユーザ管理データ31D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値と入力値との合致を確認する。ユーザ情報管理部22は、合致結果を認証結果(「成功」/「失敗」)として取得する。
【0053】
印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブJを管理する機能部である。印刷ジョブ管理部23が実現する管理機能は、主に、印刷ジョブJを蓄積する機能(データ蓄積機能)と、印刷ジョブJの実行(蓄積印刷)を制御する機能(蓄積印刷機能)とに分けられる。
【0054】
まず、印刷ジョブ管理部23は、本実施形態に係るデータ蓄積機能を実現するため、ユーザ特定部231及び蓄積データ生成部232などを有している。
【0055】
印刷ジョブ管理部23は、共有する印刷ジョブJのデータ蓄積が要求されると、まず、ユーザ特定部231により、共有対象ユーザを特定する。
【0056】
ユーザ特定部231は、解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rから、共有対象ユーザ設定A(共有対象ユーザの設定値)を取得する。ユーザ特定部231は、取得した設定値の中に、グループの設定値(グループ識別子)が含まれていた場合、ユーザ情報管理部22に対して、設定値であるグループ識別情報を渡し、グループに属するユーザの情報取得を要求する。その結果、ユーザ特定部231は、グループに属するユーザのユーザ識別情報を取得する。また、取得した設定値の中に、ゲストユーザの設定値(ゲストユーザ人数)が含まれていた場合、設定された人数の各ゲストユーザに割り当てるユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01"など)を発行する。このようにして、ユーザ特定部231は、設定情報Rに設定された共有対象ユーザのユーザ識別情報を取得・生成し、共有対象ユーザを特定する。
【0057】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザが特定されると、蓄積データ生成部232により、共有対象ユーザごとに、印刷ジョブJの蓄積データを生成する。
【0058】
蓄積データ生成部232は、共有する印刷ジョブJを、共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積する印刷ジョブデータ(蓄積データ)を生成する(印刷ジョブ複製手段)。例えば、蓄積データ生成部232は、図7に示すような生成処理を行う。
【0059】
図7は、本実施形態に係る印刷ジョブJから蓄積データSDを生成する際の動作例を示す図である。
図7には、ユーザ特定部231が、設定情報R11から、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザ21、ユーザ22、ユーザ23の合計5人を共有対象ユーザとして特定した場合の動作例が示されている。
【0060】
蓄積データ生成部232は、特定された共有対象ユーザの人数(5)に基づき、受信した印刷ジョブJを複製し、5つの蓄積データSD01,SD02,SD21〜SD23(以降総称する場合「蓄積データSD」と言う)を生成する。つまり、蓄積データ生成部232は、共有する印刷ジョブJを複製元のデータとして、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する。
【0061】
また、蓄積データ生成部232は、ユーザ特定部231により取得・生成されたユーザ識別情報に基づき、生成された共有対象ユーザごとの蓄積データSDのヘッダ情報HDを書き替える。蓄積データ生成部232は、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rである共有対象ユーザ設定A(変数名"USERNAME")の変数値に、該当する共有対象ユーザのユーザ識別情報を設定することで、情報を書き替える。
【0062】
図3の説明に戻る。続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザごとの蓄積データSDが生成されると、生成された蓄積データSDを蓄積データ保持部41に格納する。
【0063】
蓄積データ保持部41(印刷ジョブ保持手段)は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図8に示すように蓄積データSDを格納・保持している。
【0064】
なお、印刷ジョブ管理部23は、ユーザ情報管理部22と同様の機能を有し、蓄積データ保持部41にアクセスし、自身及び他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。
【0065】
図8は、本実施形態に係る蓄積データSDの格納例を示す図である。
図8には、ファイルシステムにより、複数の蓄積データSDが格納されている例が示されている。蓄積データ保持部41には、印刷ジョブ管理部23によるデータ格納操作により、ユーザに属する蓄積データSDが、ユーザ単位で確保された記憶領域(例えば「ユーザ01フォルダ」)に格納される。よって、本実施形態では、複数のユーザにより共有される印刷ジョブJの蓄積データSDであっても、ユーザ単位で管理される。
【0066】
これにより、本実施形態では、共有する印刷ジョブJが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。
【0067】
図3の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、印刷ジョブJごとに蓄積データSDと印刷ジョブ実行条件とが対応付けられた情報(以下「蓄積情報」と言う)を管理する機能部である。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。
【0068】
蓄積情報保持部51は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図9及び図10に示すような蓄積情報51Dを保持している。
【0069】
図9及び図10は、本実施形態に係る蓄積情報51D1,51D2(以降総称する場合「蓄積情報51D」と言う)のデータ例(その1,2)を示す図である。
両図に示すように、蓄積情報51Dは、印刷ジョブ識別及び属性などの情報項目を有している。[印刷ジョブ識別]項目は、印刷ジョブJの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"印刷ジョブ11"といった印刷ジョブ識別子(印刷ジョブ識別情報)がある。[属性]項目は、印刷ジョブJの属性を示す情報項目である。[属性]項目は、ユーザ識別、認証、蓄積日時、実行可能期間、及び蓄積データ格納先などの情報項目を有している。[ユーザ識別]項目は、ユーザの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、ユーザ識別子がある。[認証]項目は、ゲストユーザに割り当てられた認証データを格納する情報項目である。項目値には、例えば、パスワードといった文字列データがある。[蓄積日時]項目は、蓄積データSDの格納記録を示す情報項目である。項目値には、例えば、日付や時刻といった日時データがある。[実行可能期間]項目は、蓄積データSDを用いて印刷ジョブJの実行を行うことができる期間を示す情報項目である。項目値には、日時データがある。[蓄積データ格納先]項目は、蓄積データSDの格納先を示す情報項目である。項目値には、例えば、ファイルパスといった文字列データ(蓄積データ格納先情報)がある。蓄積情報51Dは、これらの情報項目が印刷ジョブJごとに対応付けられ、[属性]項目が印刷ジョブ単位で管理されている。
【0070】
図3の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dを、蓄積データ格納時に動的に生成する。上述したように、蓄積情報51Dの[属性]項目の中には、データ解析部21で取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rや、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)で取得・生成したユーザ識別情報に基づき、項目値が設定可能なものがある。例えば、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目などである。そのため、蓄積情報管理部24は、これらの項目値に、対応する印刷ジョブ実行条件を設定する実行条件設定部241などを有している。
【0071】
蓄積情報管理部24は、蓄積データSDが蓄積データ保持部41に格納されると、格納された蓄積データSDの印刷ジョブJに対応する印刷ジョブ識別情報を生成(識別子を採番)する。つまり、蓄積情報管理部24は、蓄積データ分のユニークな印刷ジョブ識別情報を生成する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報51Dの[印刷ジョブ識別]項目の項目値に、生成した印刷ジョブ識別情報を格納する。また、蓄積情報管理部24は、新たな識別子が設定された[印刷ジョブ識別]項目に対応する[蓄積日時]項目に、蓄積データSDを格納した日時データを格納し、さらに、[蓄積データ格納先]項目に、蓄積データSDを格納したファイルパスを格納する。
【0072】
続いて、蓄積情報管理部24は、実行条件設定部241により、蓄積情報51Dの[ユーザ識別]項目の項目値に、蓄積データSDのヘッダ情報HDを書き替えたユーザ識別情報を格納し、設定する。また、実行条件設定部241は、[ユーザ識別]項目の項目値がゲストユーザのユーザ識別情報であった場合、[認証]項目の項目値に、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに設定された認証データを格納し、設定する。また、実行条件設定部241は、[実行可能期間]項目の項目値に、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに設定された日時データを格納し、設定する。
【0073】
図9には、実行条件設定部241が、印刷ジョブ実行条件の設定情報R11に基づき、生成([ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目が設定)された蓄積情報51D1の例、また、図10には、印刷ジョブ実行条件の設定情報R12に基づき、生成された蓄積情報51D2の例が示されている。
【0074】
これにより、本実施形態では、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データSDが記憶されるとともに、印刷ジョブ実行条件として印刷ジョブJに設定された設定情報Rが、共有対象ユーザごとの蓄積データSDに対応付けられ、蓄積データSDを管理する蓄積情報51Dとして記録される。
【0075】
また、蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dにより、次のようなデータ操作要求に応じることができる。
【0076】
例えば、蓄積情報管理部24は、ゲストユーザ01に属する印刷ジョブJの蓄積確認要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01")に基づき、蓄積情報51D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報の有無により確認する。蓄積情報管理部24は、該当情報があった場合、対応する[印刷ジョブ識別]項目の項目値である印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")を取得する。
【0077】
また、蓄積情報管理部24は、蓄積された印刷ジョブJに設定された印刷ジョブ実行条件の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取った印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")に基づき、蓄積情報51D2の[印刷ジョブ識別]項目を参照し、該当する[認証]項目及び[実行可能期間]項目の各項目値である認証データ(パスワード:"****")や日時データ("2010/12/31 09:00―12:30")を取得する。
【0078】
また、蓄積情報管理部24は、印刷ジョブ11の利用可能ユーザ及び格納先の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取った印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")に基づき、蓄積情報51D2の[印刷ジョブ識別]項目を参照し、該当する[ユーザ識別]項目及び[蓄積データ格納先]項目の各項目値であるユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01")や蓄積データ格納先情報(ファイルパス:"D:¥Spool¥Guest01¥0101.prn")を取得する。
【0079】
次に、印刷ジョブ管理部23は、本実施形態に係る蓄積印刷機能を実現するため、実行条件判定部(実行可否判定部)233などを有している。
【0080】
印刷ジョブ管理部23は、蓄積した印刷ジョブJの蓄積印刷が要求されると、まず、蓄積情報管理部24に対して、要求時に受け取ったユーザ入力情報(例えば「ユーザ識別子」)を渡し、ユーザに属する印刷ジョブJが蓄積されているか否かを確認する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブJが蓄積されていれば、該当する印刷ジョブ識別情報を確認結果として取得する。このとき、印刷ジョブ管理部24は、確認結果として複数の印刷ジョブ識別情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、当該装置の画面に表示し、ユーザに選択させてもよい。
【0081】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、取得した印刷ジョブ識別情報(又は画面上で要求ユーザから選択指定された印刷ジョブJの識別情報)を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0082】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、実行条件判定部233により、取得した印刷ジョブ実行条件に基づき、要求された印刷ジョブJが、設定された実行条件を満たし、蓄積印刷が実行可能か否かを判定する。
【0083】
実行条件判定部233は、認証情報が取得された場合、要求された印刷ジョブJがゲストユーザに属する印刷ジョブJであるとし、パスワード入力を促す認証画面を、当該装置の画面に表示する。その結果、実行条件判定部233は、認証情報と入力パスワードが合致するか否かの結果に基づき、印刷ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、合致した場合、印刷ジョブJの実行が可能なゲストユーザと判断する(ゲストユーザに印刷ジョブ実行を許可する)。一方、合致しなかった場合には、その旨(認証エラーによる実行不可)を通知する。
【0084】
また、実行条件判定部233は、蓄積データSDが、指定格納先に存在するか否かの結果に基づき、実行ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、蓄積データSDが存在した場合、印刷ジョブJの実行が可能と判断する。一方、存在しなかった場合には、その旨(対象蓄積データなしによる実行不可)を通知する。
【0085】
また、実行条件判定部233は、蓄積印刷の要求日時(現在日時)が、取得した実行可能期限情報に示される所定期間内であるか否かの結果に基づき、実行ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、期間内であった場合、印刷ジョブJの実行が可能と判断する。一方、期間外であった場合には、その旨(期限切れによる実行不可)を通知する。
【0086】
これにより、本実施形態では、蓄積印刷時に、印刷ジョブJを共有するゲストユーザに対しても、登録ユーザである他の共有対象ユーザと同様に、利用認証を実施することができる。また、本実施形態では、蓄積された印刷ジョブJの実行を一時的なものとできる。
【0087】
ユーザ入力情報受付部25は、ユーザ入力情報を受け付ける機能部である。ユーザ入力情報受付部25は、当該装置が備える操作パネル120(入力部)からの入力情報を受け付ける。ユーザ入力情報には、例えば、ユーザ認証時の入力値(ユーザ識別子やパスワード)、また、蓄積印刷の実行要求や印刷ジョブJの選択指定などの動作指示信号がある。
【0088】
印刷部26は、印刷データPDを印刷する機能部である。印刷部26は、当該装置が備えるプロッタ130に対して、ラスタイメージ(ビットマップイメージ)を転送し、印刷動作の開始を指示する。例えば、印刷部26は、PDLパーサであり、蓄積データ内の印刷データPDの記述を解釈し、印刷条件に従って所定の画像処理を施した後に、ライスタイメージを生成し、プロッタ130へと転送する。
【0089】
通知部27は、ユーザに各種情報を通知する機能部である。通知部27は、当該装置が備える操作パネル120(表示部)に各種情報を表示する。各種情報には、例えば、エラー情報などがある。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
【0091】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0092】
本実施形態に係る印刷制御機能は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、処理装置(例えば「CPU」)により、記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0093】
なお、以下には、画像処理装置100で実行される処理手順を、データ蓄積処理、蓄積印刷処理の順に説明する。
【0094】
《データ蓄積処理》
図11は、本実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
図11に示すように、画像処理装置100は、PC200などからデータ伝送路Nを介して、印刷ジョブJを受信(データ受信)すると(ステップS101:YES)、データ解析部21により、受信した印刷ジョブJのデータ解析を行う(ステップS102)。これにより、画像処理装置200は、印刷ジョブJから、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rと、印刷データPDとを、解析結果として取得する。
【0095】
続いて、画像処理装置100は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(共有対象ユーザ設定)を読み取り、次のような共有対象ユーザ特定処理を行う。
【0096】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、共有対象ユーザ設定Aがあるか否かを判定する(ステップS103)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"USERNAME"が含まれているか否かを判定する。
【0097】
画像処理装置100は、共有対象ユーザ設定Aがあった場合(ステップS103:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"USERNAME"の設定値である1又は複数のユーザ識別子を取得する(ステップS104)。
【0098】
さらに、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rの共有対象ユーザ設定内に、グループ設定があるか否かを判定する(ステップS105)。このとき、ユーザ特定部231は、変数名"USERNAME"の設定値に、グループ識別子が含まれているか否かを判定する。
【0099】
画像処理装置100は、グループ設定があった場合(ステップS105:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"USERNAME"の設定値であるグループ識別子を取得し、ユーザ情報管理部22を介して、グループに属するユーザのユーザ識別子を取得する(ステップS106)。このとき、ユーザ特定部231は、取得したグループ識別子を、ユーザ情報管理部22へと渡し、グループに属するユーザの情報(識別子)取得を要求する。その結果、ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、グループ識別子に基づき、対応して保持する1又は複数のユーザ識別子を取得し、要求元へと応答する。
【0100】
なお、ユーザ特定部231は、グループ識別子に基づき取得されたユーザ識別子の中に、すでに取得されているユーザ識別子が存在する場合、ユーザ識別子が重複しないように除外してもよい。例えば、図6に示すユーザ情報が登録されており、図5に示すユーザ指定においてユーザ01とグループAとが指定された場合には、ユーザ01がグループAに属するため重複することになる。このとき、ユーザ特定部231は、グループAのグループ識別子を基に取得したユーザ識別子に、ユーザ01の識別子(重複するユーザ識別子)が存在するか否かを判定し、存在する場合に削除する。
【0101】
一方、画像処理装置100は、共有対象ユーザ設定Aがない場合(ステップS103:NO)、又はグループ設定がない場合(ステップS105:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0102】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、ゲストユーザ設定があるか否かを判定する(ステップS107)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"GUEST"が含まれているか否かを判定する。
【0103】
画像処理装置100は、ゲストユーザ設定があった場合(ステップS107:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"GUEST"の設定値であるゲストユーザの人数を取得し、取得した人数に基づき、各ゲストユーザのユーザ識別子を生成する(ステップS108)。
【0104】
さらに、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、ゲストユーザの認証設定があるか否かを判定する(ステップS109)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"PASSWD"が含まれているか否かを判定する。
【0105】
画像処理装置100は、認証設定があった場合(ステップS109:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"PASSWD"の設定値である認証データ(パスワード)を取得し、先に生成されたゲストユーザのユーザ識別子と紐付けて保持する(ステップS110)。
【0106】
一方、画像処理装置100は、ゲストユーザ設定がない場合(ステップS107:NO)、又は認証設定がない場合(ステップS109:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0107】
画像処理装置100は、上記処理手順により、印刷ジョブJに設定された共有対象ユーザを特定する。
【0108】
続いて、画像処理装置100は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(実行可能期限設定)を読み取り、次のような実行可能期限特定処理を行う。
【0109】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、設定情報Rに、実行可能期間設定Bがあるか否かを判定する(ステップS111)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、設定情報内に、変数名"LIMITTIME"が含まれているか否かを判定する。
【0110】
画像処理装置100は、実行可能期間設定Bがあった場合(ステップS111:YES)、設定情報Rから、該当変数名"LIMITTIME"の設定値であるの日時データを取得する(ステップS112)。
【0111】
なお、印刷ジョブ管理部23は、取得した日時データが、現在より以前の日時で設定されている場合、印刷ジョブJの送信元である情報処理装置200に対して、その旨を通知するようにしてもよい。例えば、印刷ジョブ管理部23は、図5に示す日時設定の終了日時と、現在日時とを比較し、終了日時が現在日時よりも過去の日時であれば、通知部27を介して、情報処理装置200に対し、「期間が適切に設定されていません」などのエラーメッセージを送信する。
【0112】
一方、画像処理装置100は、実行可能期間設定Bがない場合(ステップS111:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0113】
画像処理装置100は、上記処理手順により、印刷ジョブJに設定された実行可能期間を特定する。
【0114】
続いて、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブJと、これまでに特定した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」や「実行可能期間設定」)と、に基づき、次のようなデータ蓄積処理を行う。
【0115】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(蓄積データ生成部:印刷ジョブ複製・格納手段)により、受信した印刷ジョブJに基づき、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成し、生成した蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に格納し、記憶する(ステップS113)。このとき、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザの数だけ、印刷ジョブJを複製し、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する(印刷ジョブ複製・格納手順)。また、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザごとの蓄積データ内の変数名"USERNAME"に、特定した共有対象ユーザのユーザ識別子を設定し、変数値を変更する。さらに、蓄積データ生成部232は、生成した蓄積データSDの数に合わせて、対応する印刷ジョブ識別子を採番する。蓄積データ生成部232は、蓄積データ保持部41にアクセスし、生成した蓄積データSDを、ユーザごとに確保された記録領域(ファイルシステムにおけるユーザごとのディレクトリ内)に格納する。
【0116】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、採番した印刷ジョブ識別子及び解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」や「実行可能期間設定」など)を、蓄積情報51Dとして設定する(ステップS114)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子、印刷ジョブ実行条件、蓄積データSDの記憶日時、及び格納先であるファイルパスなどを、蓄積情報管理部24へと渡し、情報設定を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、蓄積情報51Dの情報項目の設定領域を確保する。蓄積情報管理部24(実行条件設定部)は、各[印刷ジョブ識別]項目に対応する[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などの項目値を設定する。
【0117】
このように、画像処理装置100は、上記処理手順により、データ蓄積処理が行われる。
【0118】
《蓄積印刷処理》
図12は、本実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
図12に示すように、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ入力情報受付部25から、操作パネル120を介してユーザ入力情報(ユーザ識別子)を受け付けると(ステップS201:YES)、蓄積情報管理部24を介して、蓄積情報51Dを参照する(ステップS202)。このとき、印刷データ管理部23は、ユーザ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、蓄積情報51Dに含まれるユーザ識別子(該当情報)の参照を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dを参照後、該当情報の有無を参照結果として要求元に応答する。つまり、蓄積情報管理部24は、印刷ジョブJの実行を要求したユーザのユーザ識別子と、実行が要求された印刷ジョブJに対応するユーザ識別子とを照合し、照合結果を応答する。
【0119】
画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在しない場合(ステップS203:NO)、ユーザに属する印刷ジョブJ(対象印刷ジョブ)がない(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在しない)として、印刷ジョブ管理部23により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS204)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、参照結果[該当情報なし]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0120】
一方、画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在した場合(ステップS203:YES)、対象印刷ジョブがある(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在する)として、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、要求ユーザに対応する蓄積情報51D(ユーザ識別子に対応する蓄積情報)を取得する(ステップS205)。このとき、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dに設定されたユーザに対応する[認証]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目の項目値(認証データ、実行可能期間の日時データ、及び蓄積データ格納先のファイルパス)を取得し、要求元に応答する。
【0121】
なお、印刷ジョブ管理部24は、複数の該当情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、操作パネル120の画面に表示し、ユーザに選択させる。その結果、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、画面上で要求ユーザから選択指定された印刷ジョブJの識別子を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0122】
続いて、画像処理装置100は、取得した蓄積情報51Dに基づき、印刷ジョブ蓄積時に、蓄積データSDと対応付けて設定した実行条件(印刷ジョブ実行条件設定)を読み取り、次のような印刷ジョブ実行条件判定処理を行う。
【0123】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ユーザがゲストユーザか否かを判定する(ステップS206)。このとき、実行条件判定部233は、入力値であるユーザ識別子に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0124】
画像処理装置100は、ユーザがゲストユーザであった場合(ステップS206:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ゲストユーザに認証設定があるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、実行条件判定部233は、取得した該当情報に含まれる認証データの有無に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0125】
画像処理装置100は、ユーザがゲストユーザでなかった場合(ユーザ登録されたユーザであった場合:ステップS206:NO)、又はゲストユーザに認証設定があった場合(ステップS207:YES)、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ認証を行う(ステップS208)。
【0126】
このとき、画像処理装置100には、操作パネル120の画面にユーザ認証画面が表示される。印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザの場合、ユーザ入力情報受付部25から、ユーザから入力された認証データ(パスワード)を受け付けると、受け付けた入力値が、取得した該当情報に含まれる認証データと合致するか否かを判定し、ユーザ認証を行う。
【0127】
また、印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザでない場合(ユーザ登録されたユーザであった場合)、ユーザ入力情報受付部25から、ユーザから入力された認証データ(パスワード)を受け付けると、受け付けた入力値とユーザ識別子とを、ユーザ情報管理部22へと渡し、ユーザ認証を要求する。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、ユーザに割り当てられた認証データを特定後、入力値が、特定した認証データと合致するか否かを判定し、判定結果を認証結果として要求元に応答する。
【0128】
一方、画像処理装置100は、ゲストユーザに認証設定がない場合(ステップS207:NO)、ユーザ認証を行わず、次の処理手順へと移行する。
【0129】
画像処理装置100は、ユーザ認証に失敗すると(ステップS209:NO)、ユーザが利用許可のないユーザであるとして、印刷ジョブ管理部23により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS210)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、認証結果[認証失敗]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0130】
一方、画像処理装置100は、ユーザ認証に成功すると(ステップS209:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、格納先に蓄積データSDが存在するか否か(蓄積データが読み取り可能な状態か否か)を判定する(ステップS211)。このとき、実行条件判定部233は、取得した蓄積データ格納先情報に基づき、指定格納先に読み取り可能な蓄積データSDが存在するか否かを判定する。
【0131】
画像処理装置100は、蓄積データSDが存在しなかった場合(蓄積データが読み取り不可能な状態も含む:ステップS211:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS212)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[該当蓄積データなし/読み取り不可能]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0132】
一方、画像処理装置100は、蓄積データSDが存在した場合(かつ蓄積データが読み取り可能な状態:ステップS211:YES)、印刷ジョブ管理部23により、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当する蓄積データSDを取得する(ステップS213)。
【0133】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷を行う印刷ジョブJ(蓄積データ)に実行可能期間設定があるか否かを判定する(ステップS214)。このとき、実行条件判定部233は、取得した実行可能期間の日時データに基づき判定する。
【0134】
画像処理装置100は、実行可能期間設定があった場合(ステップS214:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、現在日時(実行要求日時)が、設定された実行可能期間内か否かを判定する(ステップS215)。
【0135】
画像処理装置100は、実行要求日時が実行可能期間外であった場合(ステップS215:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS216)。
【0136】
このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[期限切れ]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0137】
続いて、印刷ジョブ管理部23(削除手段)は、エラー通知後、実行可能期間外と判定された印刷ジョブJの蓄積情報51D及び蓄積データSDを、記憶領域から削除する(ステップS217)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、該当情報の削除を要求する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、該当する情報項目及び項目値を削除し、記憶領域を開放する。また、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当データを削除する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0138】
一方、画像処理装置100は、実行可能期間設定がない場合(ステップS214:NO)、又は実行要求日時が実行可能期間内であった場合(ステップS215:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、実行可能な印刷ジョブJであると判断し、蓄積印刷を行う(ステップS218)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、印刷ジョブJに対応する蓄積データSDを取得する。印刷ジョブ管理部23は、取得した蓄積データSDを、印刷部26へと渡し、印刷実行を指示する。
【0139】
このように、画像処理装置100では、上記処理手順により、蓄積印刷処理が行われる。
【0140】
<変形例>
ここで、本実施形態に係る印刷システム構成の変形例について説明する。
図13は、本変形例に係る印刷システム1の構成例を示す図である。
図13に示すように、本実施形態に係る印刷システム1では、ユーザ情報の管理やユーザ認証を行う認証管理装置(認証サーバ)300を有する構成であってもよい。この場合には、例えば、図14に示すような機能構成となる。
【0141】
図14は、本変形例に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図14に示すように、画像処理装置100が有していたユーザ情報管理部22及びユーザ情報保持部31を、認証管理装置300が有する構成となる。この場合、印刷ジョブ管理部23による共有対象ユーザ特定処理やユーザ認証処理などは、画像処理装置100と認証管理装置300との間でデータ通信を行うことで実現される。
【0142】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、データ解析部21により、受信した印刷ジョブJを解析し、解析結果として、印刷ジョブJから、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、共有対象ユーザ特定処理及び蓄積データ生成処理を行う。
【0143】
印刷ジョブ管理部23は、設定情報Rに基づき、印刷ジョブJを共有する共有対象ユーザを特定する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、受信した印刷ジョブJを、特定した共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積データSDを生成する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に記録する。また、蓄積情報管理部24は、設定情報Rを、印刷ジョブJごとに蓄積データSDと印刷ジョブ実行条件とを管理する蓄積情報51Dとして、蓄積情報保持部51に記録する。
【0144】
その結果、画像処理装置100では、ユーザ入力情報受付部25により、蓄積印刷の実行要求を受け付けると、印刷ジョブ管理部23が、ユーザ入力情報から、ユーザに属する印刷ジョブJを表示する。続いて、画像処理装置100では、印刷ジョブ管理部23により、蓄積印刷処理を行う。
【0145】
印刷ジョブ管理部23は、表示画面から印刷ジョブJが指定されると、蓄積データ保持部41から指定印刷ジョブJの蓄積データSD及び蓄積情報保持部51から指定印刷ジョブJの蓄積情報51Dを取得する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、実行可否判定部233により、蓄積情報51Dに設定されている印刷ジョブ実行条件に基づき、印刷ジョブJの実行可否を判定する。これにより、印刷部26は、印刷ジョブJが実行可能と判定されると、要求ユーザの蓄積データSDを用いて印刷を実行する。
【0146】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、共有する印刷ジョブJのデータを、グループ単位でなく、ユーザ単位で管理することから、共有する印刷ジョブJが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブJを共有することができる。
【0147】
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態に示す印刷制御機能を、画像処理装置の印刷を制御する印刷制御装置(印刷サーバ)により行う構成について説明する。なお、以降では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明を行う。よって、同じ点については、同一参照符号を付す。
【0148】
<システム構成>
図15は、本実施形態に係る印刷制御システム1000の構成例を示す図である。
図15に示すように、本実施形態に係る印刷制御システム1000では、印刷制御装置(印刷サーバ)400が、データ伝送路Nを介して、1又は複数の画像処理装置100と、1又は複数のPC200とに接続されるシステム構成例が示されている。
【0149】
印刷制御装置400は、印刷制御機能を有する機器であり、例えば、PCなどの情報処理装置である。
【0150】
本実施形態に係る印刷制御システム1000では、これらの構成機器により、次のような印刷制御処理が実行される。例えば、PC200から印刷制御装置400に対して、印刷ジョブJが送信されると、印刷制御装置400は、受信した印刷ジョブJを蓄積し、蓄積印刷を制御する。その結果、ユーザは、システム内の画像処理装置100に出向き、印刷制御装置400に蓄積された印刷ジョブJの実行要求を行うことで、印刷結果を得る。
【0151】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御システム1000は、上記システム構成により、蓄積印刷サービス(プルプリントサービス)を提供することができる。
【0152】
なお、本発明では、画像処理装置100とPC200とが、印刷制御装置400を介して接続される構成である必要はない。つまり、印刷制御システム1000では、これらの機器が、互いにデータ通信可能な構成であればよい。上記システム構成を例に挙げた理由は、情報セキュリティに対応する一般的なシステム構成だからである。このようなシステム構成の場合には、PC200から画像処理装置100に直接印刷が行えないため(印刷制御装置を介してのみ印刷可能であるため)、印刷結果による情報漏洩を抑制する効果がある。
【0153】
<ハードウェア構成>
図16は、本実施形態に係る印刷制御装置400のハードウェア構成例を示す図である。
図16に示すように、印刷制御装置400は、入力装置401、表示装置402、ドライブ装置403、RAM404、ROM405、CPU406、インタフェース装置407、及びHDD408などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0154】
入力装置401は、キーボードやマウスなどを含み、印刷制御装置400に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置402は、ディスプレイなどを含み、印刷制御装置400による処理結果を表示する。
【0155】
インタフェース装置407は、印刷制御装置400をデータ伝送路Nに接続するインタフェースである。これにより、印刷制御装置400は、インタフェース装置407を介して、画像処理装置100やPC200(他の情報処理装置)とデータ通信を行うことができる。
【0156】
HDD408は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、情報処理装置全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(商標又は登録商標)」や「UNIX(商標又は登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及びシステム上において各種機能(例えば「印刷制御機能」)を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD408は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0157】
ドライブ装置403は、着脱可能な記録媒体403aとのインタフェースである。これにより、印刷制御装置100は、ドライブ装置403を介して、記録媒体403aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体403aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカードやUSBメモリなどがある。
【0158】
ROM405は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM405には、印刷制御装置400の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM404は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU406は、上記記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する処理装置である。
【0159】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御装置400は、上記ハードウェア構成により、各種情報処理サービスを提供することができる。
【0160】
<印刷制御機能>
図17は、本実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図17に示すように、印刷制御装置400が、データ解析部21、ユーザ情報管理部22、印刷ジョブ管理部23、及び蓄積情報管理部24などの各機能部を有する。一方、画像処理装置100は、ユーザ入力情報受付部25、印刷部26、及び通知部27などの各機能部を有する。また、印刷制御装置400は、新たに、画像処理装置100に対して、蓄積データSD又はエラーメッセージなどを送信する送信部28を有している。
【0161】
これにより、印刷制御装置400では、蓄積印刷時に、印刷ジョブ管理部23が、次のように動作する。印刷ジョブ管理部23は、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた入力値が送信され、入力値を受信すると、蓄積印刷の要求を受け付ける。その後、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ実行条件判定処理を行い、要求された印刷ジョブJが実行可能であると判定された場合、蓄積データ保持部41から取得した蓄積データSDを、送信部28により、画像処理装置100へと送信する。これにより、印刷制御装置100は、画像処理装置200に対して、蓄積印刷の実行を指示する。一方、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJが実行不可能であると判定された場合、その旨を伝えるエラーメッセージを、送信部28により、画像処理装置100へと送信する。
【0162】
また、本実施形態では、印刷制御装置400が、PC200からの印刷ジョブJを受信するため、PC200では、例えば、図18に示すような設定画面Wを介して、ユーザが印刷ジョブJを出力する画像処理装置100を設定できる。
【0163】
図18は、本実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
図18に示すように、設定画面Wから設定可能な印刷ジョブ実行条件には、共有対象ユーザ設定A及び実行可能期間設定Bなどに加えて、印刷ジョブJの出力先設定Cがある。
【0164】
例えば、設定画面W21,W22には、共有する印刷ジョブJの出力先として許可する画像処理装置100として、機種名"MFP modelA"の画像処理装置100が設定されている。
【0165】
また、このようにして設定された出力先設定Cは、例えば、図19に示す印刷ジョブ実行条件の設定情報Rのように、印刷ジョブJのヘッダ情報内に、所定の変数値として設定される。
【0166】
図19は、本実施形態に係る印刷ジョブJのデータ例を示す図である。
図19に示すように、出力先設定Cの設定値は、変数名"OUTPUT"の値として設定されている。
【0167】
また、データ解析部21では、印刷ジョブJのデータ解析により、解析結果として、出力先設定Cを含む印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。そのため、蓄積情報保持部51では、例えば、図20及び図21に示すような蓄積情報51Dを保持している。
【0168】
図20及び図21は、本実施形態に係る蓄積情報51D1,51D2のデータ例(その1,2)を示す図である。
両図に示すように、蓄積情報51Dには、[属性]項目の1つとして、[出力先]項目の情報項目を有している。[出力先]項目は、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先を示す情報項目である。項目値には、例えば、"192.168.11.XXX"といったネットワーク設定データなどの機器識別子(機器識別情報)、又は"MFP modelA"といった機種名などの機種識別子(機種識別情報)がある。蓄積情報51Dは、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などと同様に、[送信先]項目の情報項目が、印刷ジョブJごとに対応付けられ、[属性]項目が印刷ジョブ単位で管理されている。
【0169】
図17の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dを、蓄積データ格納時に動的に生成する。蓄積情報管理部24は、実行条件設定部241により、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目などと同様に、[送信先]項目の項値を、データ解析部21で取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき設定する。
【0170】
本実施形態においても、印刷制御機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
【0171】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0172】
本実施形態に係る印刷制御機能は、印刷制御装置400に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、処理装置(例えば「CPU」)により、記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0173】
《データ蓄積処理》
図22は、本実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
なお、以下には、ステップS301〜S312の処理手順が、図11に示したステップS101〜S112の処理手順と同様であることから、その説明を省略する。
【0174】
図22に示すように、印刷制御装置400は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(出力先設定)を読み取り、次のような送信先判定特定を行う。
【0175】
印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23により、設定情報Rに、出力先設定Cがあるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、設定情報内に、変数名"OUTPUT"が含まれているか否かを判定する。
【0176】
印刷制御装置400は、出力先設定Cがあった場合(ステップS313:YES)、設定情報Rから、該当変数名"OUTPUT"の設定値であるのネットワーク設定データ又は機種名を取得する(ステップS314)。
【0177】
一方、画像処理装置100は、出力先設定Cがない場合(ステップS313:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0178】
印刷制御装置400は、上記処理手順により、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先を特定する。
【0179】
続いて、印刷制御装置400は、受信した印刷ジョブJと、これまでに特定した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」、「実行可能期間設定」、及び「出力先設定」)と、に基づき、次のようなデータ蓄積処理を行う。
【0180】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(蓄積データ生成部:印刷ジョブ複製・格納手段)により、受信した印刷ジョブJに基づき、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成し、生成した蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に格納し、記憶する(ステップS315)。このとき、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザの数だけ、印刷ジョブJを複製し、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する(印刷ジョブ複製・格納手順)。また、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザごとの蓄積データ内の変数名"USERNAME"に、特定した共有対象ユーザのユーザ識別子を設定し、変数値を変更する。さらに、蓄積データ生成部232は、生成した蓄積データSDの数に合わせて、対応する印刷ジョブ識別子を採番する。蓄積データ生成部232は、蓄積データ保持部41にアクセスし、生成した蓄積データSDを、ユーザごとに確保された記録領域(ファイルシステムにおけるユーザごとのディレクトリ内)に格納する。
【0181】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、採番した印刷ジョブ識別子及び解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」、「実行可能期間設定」、及び「送信先設定」など)を、蓄積情報51Dとして設定する(ステップS316)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子、印刷ジョブ実行条件、蓄積データSDの記憶日時、及び格納先であるファイルパスなどを、蓄積情報管理部24へと渡し、情報設定を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、蓄積情報51Dの情報項目の設定領域を確保する。蓄積情報管理部24(実行条件設定部)は、各[印刷ジョブ識別]項目に対応する[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、[出力先]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などの項目値を設定する。
【0182】
《蓄積印刷処理》
図23は、本実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
図23に示すように、印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けたユーザ入力情報(ユーザ識別子)を受信すると(ステップS401:YES)、蓄積情報管理部24を介して、蓄積情報51Dを参照する(ステップS402)。このとき、印刷データ管理部23は、ユーザ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、蓄積情報51Dに含まれるユーザ識別子(該当情報)の参照を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dを参照後、該当情報の有無を参照結果として要求元に応答する。
【0183】
画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在しない場合(ステップS403:NO)、ユーザに属する印刷ジョブJ(対象印刷ジョブ)がない(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在しない)として、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS404)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、参照結果[該当情報なし]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、受信したエラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0184】
一方、印刷制御装置400は、蓄積情報内に該当情報が存在した場合(ステップS403:YES)、対象印刷ジョブがある(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在する)として、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、要求ユーザに対応する蓄積情報51D(該当したユーザ識別子に対応する蓄積情報)を取得する(ステップS405)。このとき、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dに設定されたユーザに対応する[認証]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目の項目値(認証データ、実行可能期間の日時データ、及び蓄積データ格納先のファイルパス)を取得し、要求元に応答する。
【0185】
なお、印刷ジョブ管理部24は、複数の該当情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、送信部28を介して、画像処理装置100へと送信し、画像処理装置100の操作パネル120に表示させ、ユーザに選択させる。その結果、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、画面上で要求ユーザから選択指定され、画像処理装置100から受信した印刷ジョブJの識別子を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0186】
続いて、画像処理装置100は、取得した蓄積情報51Dに基づき、印刷ジョブ蓄積時に、蓄積データSDと対応付けて設定した実行条件(印刷ジョブ実行条件設定)を読み取り、次のような印刷ジョブ実行条件判定処理を行う。
【0187】
印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ユーザがゲストユーザか否かを判定する(ステップS406)。このとき、実行条件判定部233は、入力値であるユーザ識別子に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0188】
印刷制御装置400は、ユーザがゲストユーザであった場合(ステップS406:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ゲストユーザに認証設定があるか否かを判定する(ステップS407)。このとき、実行条件判定部233は、取得した該当情報に含まれる認証データの有無に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0189】
印刷制御装置400は、ユーザがゲストユーザでなかった場合(ユーザ登録されたユーザであった場合:ステップS406:NO)、又はゲストユーザに認証設定があった場合(ステップS407:YES)、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ認証を行う(ステップS408)。
【0190】
このとき、印刷制御装置400には、画像処理装置100に対して、ユーザ認証画面の表示を要求し、操作パネル120の画面にユーザ認証画面を表示させる。印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザの場合、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた認証データ(パスワード)を受信すると、受信した入力値が、取得した該当情報に含まれる認証データと合致するか否かを判定し、ユーザ認証を行う。
【0191】
また、印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザでない場合(ユーザ登録されたユーザであった場合)、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた認証データ(パスワード)を受信すると、受信した入力値とユーザ識別子とを、ユーザ情報管理部22へと渡し、ユーザ認証を要求する。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、ユーザに割り当てられた認証データを特定後、入力値が、特定した認証データと合致するか否かを判定し、判定結果を認証結果として要求元に応答する。
【0192】
一方、印刷制御装置400は、ゲストユーザに認証設定がない場合(ステップS407:NO)、ユーザ認証を行わず、次の処理手順へと移行する。
【0193】
印刷制御装置400は、ユーザ認証に失敗すると(ステップS409:NO)、ユーザが利用許可のないユーザであるとして、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS410)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、認証結果[認証失敗]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0194】
一方、印刷制御装置400は、ユーザ認証に成功すると(ステップS409:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、格納先に蓄積データSDが存在するか否か(蓄積データが読み取り可能な状態か否か)を判定する(ステップS411)。このとき、実行条件判定部233は、取得した蓄積データ格納先情報に基づき、指定格納先に読み取り可能な蓄積データSDが存在するか否かを判定する。
【0195】
印刷制御装置400は、蓄積データSDが存在しなかった場合(蓄積データが読み取り不可能な状態も含む:ステップS411:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS412)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[該当蓄積データなし/読み取り不可能]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0196】
一方、印刷制御装置400は、蓄積データSDが存在した場合(かつ蓄積データが読み取り可能な状態:ステップS411:YES)、印刷ジョブ管理部23により、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当する蓄積データSDを取得する(ステップS413)。
【0197】
続いて、印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷を行う印刷ジョブJ(蓄積データ)に実行可能期間設定があるか否かを判定する(ステップS414)。このとき、実行条件判定部233は、取得した実行可能期間の日時データに基づき判定する。
【0198】
印刷制御装置400は、実行可能期間設定があった場合(ステップS414:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、現在日時(実行要求日時)が、設定された実行可能期間内か否かを判定する(ステップS415)。
【0199】
印刷制御装置400は、実行要求日時が実行可能期間外であった場合(ステップS415:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS416)。
【0200】
このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[期限切れ]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0201】
続いて、印刷ジョブ管理部23(削除手段)は、エラー通知後、実行可能期間外と判定された印刷ジョブJの蓄積情報51D及び蓄積データSDを、記憶領域から削除する(ステップS417)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、該当情報の削除を要求する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、該当する情報項目及び項目値を削除し、記憶領域を開放する。また、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当データを削除する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0202】
一方、印刷制御装置400は、実行可能期間設定がない場合(ステップS414:NO)、又は実行要求日時が実行可能期間内であった場合(ステップS415:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷の要求を受け付けた画像処理装置100が、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先(指定出力先)か否かを判定する(ステップS418)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、送信部28により、画像処理装置100に対して、情報取得コマンドを送信し、ネットワーク設定データ又は機種名などの機器情報を取得する。その結果、実行条件判定部233は、画像処理装置100からの取得値が、取得した出力先のネットワーク設定データ又は機種名と合致するか否かの結果に基づき判定する。
【0203】
印刷制御装置400は、画像処理装置100が指定出力先でない場合(ステップS418:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS419)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[出力先不許可]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0204】
一方、印刷制御装置400は、画像処理装置100が指定出力先であった場合(ステップS418:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積データSDが実行可能な印刷ジョブJであると判断し、蓄積印刷を行う(ステップS420)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、印刷ジョブJに対応する蓄積データSDを取得する。印刷ジョブ管理部23は、取得した蓄積データSDを、送信部28へと渡し、指定出力先の画像処理装置100に送信することで、印刷を要求する。
【0205】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る印刷制御装置400によれば、受信した印刷ジョブJの解析から得た、共有する印刷ジョブJを実行するための条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報Rに基づき、印刷ジョブJを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブJを複製し、複製した蓄積データSDを設定情報Rと対応付けて、ユーザ単位で管理する。
【0206】
これによって、本実施形態に係る印刷制御装置400は、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0207】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「印刷制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100や印刷制御装置400が備える処理装置(例えば「CPU」)により実行されることで実現される。
【0208】
例えば、画像処理装置100の場合、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、記録媒体114aに記憶させることで、外部記憶I/F114を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0209】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0210】
1 印刷システム
21 データ解析部
22 ユーザ情報管理部
23 印刷ジョブ管理部
231 ユーザ特定部
232 蓄積データ生成部
233 実行条件判定部(実行可否判定部)
24 蓄積情報管理部
241 実行条件設定部
25 ユーザ入力情報受付部
26 印刷部
27 通知部
28 送信部
31 ユーザ情報保持部(D:ユーザ情報)
41 蓄積データ保持部
51 蓄積情報保持部(D:蓄積情報)
100 画像処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 記憶装置
112 CPU(処理装置)
113 ネットワークI/F
114 外部記憶I/F(a:記録媒体)
120 操作パネル(入力・表示装置)
130 プロッタ(印刷装置)
140 スキャナ(読み取り装置)
200 PC(情報処理装置)
300 認証管理装置(認証サーバ)
400 印刷制御装置(印刷サーバ)
401 入力装置
402 表示装置
403 ドライブ装置(a:記録媒体)
404 RAM(揮発性の半導体メモリ)
405 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
406 CPU(処理装置)
407 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
408 HDD(不揮発性の記憶装置)
1000 印刷制御システム
B バス
J 印刷ジョブデータ
N データ伝送路(ネットワーク)
SD 蓄積データ
W 表示画面(操作画面)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0211】
【特許文献1】特開2002−240398号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄積印刷(プルプリント)を行う画像処理装置、画像処理装置の蓄積印刷を制御する印刷制御装置に関し、特に、同一の印刷ジョブを複数のユーザ(利用者)が共有し、蓄積印刷を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、PC(Personal Computer)などから、プリンタに印刷ジョブを送信して蓄積しておき、プリンタの操作画面を介して印刷指示を行うと、蓄積しておいた印刷ジョブを実行できるシステムが、すでに知られている。
【0003】
通常、このようなシステムでは、プリンタ内において、蓄積された印刷ジョブとユーザとが、1対1の関係で管理されている。しかし、会議資料などの印刷ジョブの場合、蓄積された印刷ジョブを複数のユーザ(会議参加者)で共有したいケースがある。
【0004】
そこで、特許文献1には、複数のユーザをまとめて1つのグループとして管理し、ユーザ自身の印刷ジョブ以外に、同一グループに属する他のユーザの印刷ジョブを実行可能とし、蓄積された印刷ジョブを複数のユーザで共有できるシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、グループに属するユーザであれば、同一グループに属する全てのユーザの印刷ジョブを実行できるため、第三者への情報漏洩などが懸念される。つまり、従来のシステムでは、複数のユーザにより印刷ジョブを共有できても、画像処理装置における情報の機密性(セキュリティ)が低下してしまう問題点がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有できる画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置であって、受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、を有している。
【0008】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、受信した印刷ジョブのデータ解析から得た、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報に基づき、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理する。
【0009】
これによって、本発明に係る画像処理装置では、共有する印刷ジョブのデータを、グループ単位でなく、ユーザ単位で管理することから、共有する印刷ジョブが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有することができる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷制御方法は、蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御方法であって、受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手順と、前記データ解析手順により取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手順と、受信した印刷ジョブを、前記利用者特定手順により特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手順と、前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、前記印刷ジョブ複製手順により複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手順と、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ格納手順により格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手順と、を有している。
【0011】
このような手順によって、本発明に係る印刷制御方法は、受信した印刷ジョブのデータ解析から得た、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報に基づき、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理するという動作を実現する。
【0012】
これによって、本発明に係る印刷制御方法では、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受信した印刷ジョブの解析結果から、印刷ジョブの共有対象ユーザを特定し、共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製・蓄積し、ユーザ単位で管理することで、情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有可能な画像処理装置、印刷制御装置、印刷制御システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブのデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るユーザ情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る印刷ジョブから蓄積データを生成する際の動作例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る蓄積データの格納例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その1)を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その2)を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の変形例に係る印刷システムの構成例を示す図である。
【図14】本発明の変形例に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る印刷ジョブのデータ例を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その1)を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る蓄積情報のデータ例(その2)を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第2の実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の構成例を示す図である。
図1には、画像処理装置100と1又は複数のPC2001〜200n(以降総称する場合「PC200」と言う)とが、ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0017】
画像処理装置100は、画像処理機能を有する機器である。画像処理機能には、例えば、原稿読み取りや印刷などがある。一方、PC200は、情報処理機能を有する機器である。情報処理機能には、例えば、印刷ジョブの生成・編集や印刷ジョブの送信などがある。
【0018】
本実施形態に係る印刷システム1では、これらの構成機器により、次のような蓄積印刷処理が実行される。例えば、PC200から画像処理装置100に対して、複数のユーザで共有する印刷ジョブが送信されると、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブを、共有するユーザの数だけ複製し、当該装置が備える記憶装置に蓄積し、共有する印刷ジョブをユーザ単位で管理する。その結果、共有ユーザたちは、画像処理装置100に出向き、自身に属する印刷ジョブとして蓄積されている蓄積データを選択し、印刷ジョブの実行要求を行うことで、印刷結果を得る。
【0019】
以上のように、本実施形態に係る印刷システム1では、上記システム構成により、複数のユーザにより共有する印刷ジョブを、ユーザ単位で蓄積印刷可能な印刷サービスを提供することができる。
【0020】
なお、上記では、画像処理装置100とPC200とが1対Nの構成例について説明を行ったが、この限りでない。例えば、画像処理装置100とPC200とを複数有する構成であってもよい。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0022】
操作パネル120は、入力部や表示部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする入力・表示装置である。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する印刷装置である。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する読み取り装置である。
【0023】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部記憶I/F114などを備える制御基板であり、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0024】
記憶装置111は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)などを含み、各種プログラムやデータを格納及び/又は保持する装置である。CPU111は、ROMやHDDから、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行する(記憶装置から読み出したプログラムやデータの処理を実行する)ことで、装置全体の制御や搭載機能を実現する処理装置である。
【0025】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をデータ伝送路Nに接続するインタフェースである。外部記憶I/F114は、外部記憶装置にあたる記録媒体114aとのインタフェースである。記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD Memory Card)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。これにより、画像処理装置100は、外部記憶I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0026】
以上のように、画像処理装置100では、上記ハードウェア構成により、各種画像処理サービスを提供することができる。
【0027】
<印刷制御機能>
本実施形態に係る印刷制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、受信した印刷ジョブを解析し、解析結果として、複数のユーザで共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報を取得する。続いて、画像処理装置100は、設定情報に含まれる、印刷ジョブを共有するユーザ(共有対象ユーザ)の設定に基づき、共有対象ユーザを特定する。続いて、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブを、特定した共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積する印刷ジョブの蓄積データを生成する。続いて、画像処理装置100は、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データを記録するとともに、データ解析により取得した設定情報を、印刷ジョブごとに蓄積データと印刷ジョブ実行条件とを管理する蓄積情報として記録する。また、画像処理装置100では、蓄積印刷の実行要求を受け付けると、ユーザ入力情報から、ユーザに属する印刷ジョブを表示する。画像処理装置100では、指定印刷ジョブの蓄積データ及び蓄積情報を取得し、蓄積情報に設定された印刷ジョブ実行条件に基づき、印刷ジョブの実行可否を確認する。画像処理装置100では、実行可能が確認されると、要求ユーザの蓄積データを用いて印刷を実行する。画像処理装置100は、このような印刷制御機能を有している。
【0028】
従来のシステムでは、グループに属するユーザであれば、同一グループに属する全てのユーザの印刷ジョブを実行できる。そのため、従来のシステムでは、複数のユーザにより印刷ジョブを共有できても、第三者への情報漏洩(例えば「データの盗難」)などが懸念され、画像処理装置100における情報の機密性(セキュリティ)が低下してしまう。
【0029】
また、従来のシステムでは、例えば、共有する印刷ジョブデータの盗難が発生した場合、どのグループで共有する印刷ジョブデータかを特定できても、グループ内の誰をターゲットにして印刷ジョブ(印刷データ)が盗難されたのかまでは特定できない。
【0030】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100は、受信した印刷ジョブの解析結果から、印刷ジョブの共有対象ユーザを特定し、共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブを複製・蓄積し、ユーザ単位で管理する仕組みとした。
【0031】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100では、共有する印刷ジョブが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブを共有することができる。
【0032】
以下に、上記印刷制御機能の構成とその動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る印刷制御機能は、データ解析部21、ユーザ情報管理部22、印刷ジョブ管理部23、蓄積情報管理部24、ユーザ入力情報受付部25、印刷部26、及び通知部27などを有している。これらは、画像処理装置100が有する機能部である。
【0033】
データ解析部21は、受信した印刷ジョブをデータ解析する機能部である。データ解析部21は、例えば、図4に示すような印刷ジョブのデータ解析を行う。
【0034】
図4は、本実施形態に係る印刷ジョブJのデータ例を示す図である。
図4に示すように、印刷ジョブJは、ヘッダ情報HDと印刷データPDとを有する構成となっている。ヘッダ情報HDは、例えば、文書や画像などの書誌情報(「作成者名」や「作成アプリ名」など)が、所定の言語(PJL:Printer Job Language)で記述された情報である。また、印刷データPDは、例えば、プリンタドライバ(印刷データ変換ソフト)により生成されたPDLデータ(Page Description Language data)である。
【0035】
また、(A)及び(B)に示すように、ヘッダ情報HDには、共有する印刷ジョブの実行条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された情報(設定情報)R21,R22(以降総称する場合「設定情報R」と言う)を含めることができる。
【0036】
設定情報Rは、例えば、PC200の画面に表示された、図5に示すような設定画面W11,W12(以降総称する場合「設定画面W」と言う)を介して、ユーザにより設定される。
【0037】
図5は、本実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
図5に示すように、設定画面Wから設定可能な印刷ジョブ実行条件には、例えば、印刷ジョブを共有するユーザの設定(以下「共有対象ユーザ設定」と言う)A、及び印刷ジョブを実行できる期間を示す日時の設定(以下「実行可能期間設定」と言う)Bなどがある。
【0038】
例えば、(A)に示す設定画面W11には、印刷ジョブを共有するユーザ(以下「共有対象ユーザ」と言う)として、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザが設定されている。さらに、設定画面W11には、共有する印刷ジョブの実行可能期間として、現在日時から2010年12月31日12時30分までの期間が設定されている。
【0039】
また、設定画面W11には、印刷ジョブJを共有するユーザ及び/又はグループごとの印刷動作条件を設定する[詳細設定]ボタンS1と、設定画面右下には、ユーザ及び/又はグループに共通した印刷動作条件を設定する[詳細設定]ボタンS2とが設けられている。これら[詳細設定]ボタンS1及びS2を押下して設定した印刷動作条件は、ユーザ及び/又はグループごとに設定された印刷動作条件が、ユーザ及び/又はグループに共通して設定された印刷動作条件より優先される。これにより、例えば、指定ユーザ及び/又は指定グループが印刷を実行する場合には、それぞれに設定された印刷動作条件を適用でき、また、ゲストユーザが印刷を実行する場合には、共通する印刷動作条件を適用することができる。
【0040】
一方、(B)に示す設定画面W12には、共有対象ユーザとして、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザに加えて、認証情報(テキストボックスからの入力値又は自動設定時に生成される乱数値)が割り当てられた3人のゲストユーザが設定されている。さらに、設定画面W11には、実行可能期間として、2010年12月31日09時00分から12時30分までの期間が設定されている。
【0041】
図4の説明に戻る。ヘッダ情報HDに含まれる設定情報Rには、設定画面Wから設定された各印刷ジョブ実行条件が、所定の変数値として設定されている。
【0042】
例えば、共有対象ユーザ設定Aの設定値(ユーザ識別子やグループ識別子)は、変数名"USERNAME"の値として設定されている。また、実行可能期間設定Bの設定値(日時)は、変数名"LIMITTIME"の値として設定されている。また、共有対象ユーザ設定Aにゲストユーザが含まれている場合、その設定値(ゲストユーザの人数)は、変数名"GUEST"の値として設定され、認証情報の設定値(パスワード)は、変数名"PASSWD"の値として設定されている。
【0043】
図3の説明に戻る。データ解析部21は、図5に示すような印刷ジョブJを解析し、解析結果として、印刷ジョブに含まれるヘッダ情報HDと印刷データPDとを取得する。さらに、データ解析部21は、ヘッダ情報HDを参照し、予め決めておいた印刷ジョブ実行条件を定義する変数名に基づき、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。
【0044】
ユーザ情報管理部22は、ユーザに関する情報(以下「ユーザ情報」と言う)を管理する機能部である。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。例えば、各種データ操作には、データ参照(検索)、データ取得、データ格納(記録)、データ削除(消去)などがある。
【0045】
ユーザ情報保持部31は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図6に示すようなユーザ情報31Dを保持している。
【0046】
図6は、本実施形態に係るユーザ情報31Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ情報31Dには、例えば、(A)に示すユーザが属するグループを管理するデータ(グループ管理データ)31D1と、(B)に示すユーザを管理するデータ(ユーザ管理データ)31D2とを有する構成となっている。
【0047】
(A)に示すように、グループ管理データ31D1は、グループ識別及び属性などの情報項目を有している。[グループ識別]項目は、グループの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"グループA"などのグループ識別子(グループ識別情報)がある。[属性]項目は、グループの属性を示す情報項目である。項目値には、例えば、"ユーザ01、ユーザ02、ユーザ03、・・・"といったグループに属するユーザのユーザ識別子(ユーザ識別情報)がある。グループ管理データ31D1は、これらの情報項目がグループごとに対応付けられ、[属性]項目がグループ単位で管理されている。
【0048】
(B)に示すように、ユーザ管理データ31D2は、ユーザ識別及び属性などの情報項目を有している。[ユーザ識別]項目は、ユーザの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"ユーザ01"などのユーザ識別子がある。[属性]項目は、ユーザの属性を示す情報項目である。項目値には、例えば、ユーザに割り当てられた認証データ(認証情報)がある。ユーザ管理データ31D2は、これらの情報項目がユーザごとに対応付けられ、[属性]項目がユーザ単位で管理されている。
【0049】
図3の説明に戻る。ユーザ情報管理部22は、このようなユーザ情報31Dから、次のようなデータ操作要求に応じることができる。
【0050】
例えば、ユーザ情報管理部22は、グループCに属するユーザの情報取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったグループ識別情報(識別子:"グループC")に基づき、グループ管理データ31D1の[グループ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値であるユーザ識別情報("ユーザ21","ユーザ22"、"ユーザ23"の各識別子)を取得する。
【0051】
また、ユーザ情報管理部22は、ユーザ01に割り当てられた認証情報の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったユーザ識別情報(識別子:"ユーザ01")に基づき、ユーザ管理データ31D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値である認証情報(認証データ(01))を取得する。
【0052】
また、ユーザ情報管理部22は、ユーザ01の認証要求を受け付けた場合、要求時に受け取った入力情報(識別子:"ユーザ01"、認証データ(01))に基づき、ユーザ管理データ31D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報に対応する[属性]項目の項目値と入力値との合致を確認する。ユーザ情報管理部22は、合致結果を認証結果(「成功」/「失敗」)として取得する。
【0053】
印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブJを管理する機能部である。印刷ジョブ管理部23が実現する管理機能は、主に、印刷ジョブJを蓄積する機能(データ蓄積機能)と、印刷ジョブJの実行(蓄積印刷)を制御する機能(蓄積印刷機能)とに分けられる。
【0054】
まず、印刷ジョブ管理部23は、本実施形態に係るデータ蓄積機能を実現するため、ユーザ特定部231及び蓄積データ生成部232などを有している。
【0055】
印刷ジョブ管理部23は、共有する印刷ジョブJのデータ蓄積が要求されると、まず、ユーザ特定部231により、共有対象ユーザを特定する。
【0056】
ユーザ特定部231は、解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rから、共有対象ユーザ設定A(共有対象ユーザの設定値)を取得する。ユーザ特定部231は、取得した設定値の中に、グループの設定値(グループ識別子)が含まれていた場合、ユーザ情報管理部22に対して、設定値であるグループ識別情報を渡し、グループに属するユーザの情報取得を要求する。その結果、ユーザ特定部231は、グループに属するユーザのユーザ識別情報を取得する。また、取得した設定値の中に、ゲストユーザの設定値(ゲストユーザ人数)が含まれていた場合、設定された人数の各ゲストユーザに割り当てるユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01"など)を発行する。このようにして、ユーザ特定部231は、設定情報Rに設定された共有対象ユーザのユーザ識別情報を取得・生成し、共有対象ユーザを特定する。
【0057】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザが特定されると、蓄積データ生成部232により、共有対象ユーザごとに、印刷ジョブJの蓄積データを生成する。
【0058】
蓄積データ生成部232は、共有する印刷ジョブJを、共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積する印刷ジョブデータ(蓄積データ)を生成する(印刷ジョブ複製手段)。例えば、蓄積データ生成部232は、図7に示すような生成処理を行う。
【0059】
図7は、本実施形態に係る印刷ジョブJから蓄積データSDを生成する際の動作例を示す図である。
図7には、ユーザ特定部231が、設定情報R11から、ユーザ01、ユーザ02、及びグループCに属するユーザ21、ユーザ22、ユーザ23の合計5人を共有対象ユーザとして特定した場合の動作例が示されている。
【0060】
蓄積データ生成部232は、特定された共有対象ユーザの人数(5)に基づき、受信した印刷ジョブJを複製し、5つの蓄積データSD01,SD02,SD21〜SD23(以降総称する場合「蓄積データSD」と言う)を生成する。つまり、蓄積データ生成部232は、共有する印刷ジョブJを複製元のデータとして、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する。
【0061】
また、蓄積データ生成部232は、ユーザ特定部231により取得・生成されたユーザ識別情報に基づき、生成された共有対象ユーザごとの蓄積データSDのヘッダ情報HDを書き替える。蓄積データ生成部232は、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rである共有対象ユーザ設定A(変数名"USERNAME")の変数値に、該当する共有対象ユーザのユーザ識別情報を設定することで、情報を書き替える。
【0062】
図3の説明に戻る。続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザごとの蓄積データSDが生成されると、生成された蓄積データSDを蓄積データ保持部41に格納する。
【0063】
蓄積データ保持部41(印刷ジョブ保持手段)は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図8に示すように蓄積データSDを格納・保持している。
【0064】
なお、印刷ジョブ管理部23は、ユーザ情報管理部22と同様の機能を有し、蓄積データ保持部41にアクセスし、自身及び他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。
【0065】
図8は、本実施形態に係る蓄積データSDの格納例を示す図である。
図8には、ファイルシステムにより、複数の蓄積データSDが格納されている例が示されている。蓄積データ保持部41には、印刷ジョブ管理部23によるデータ格納操作により、ユーザに属する蓄積データSDが、ユーザ単位で確保された記憶領域(例えば「ユーザ01フォルダ」)に格納される。よって、本実施形態では、複数のユーザにより共有される印刷ジョブJの蓄積データSDであっても、ユーザ単位で管理される。
【0066】
これにより、本実施形態では、共有する印刷ジョブJが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。
【0067】
図3の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、印刷ジョブJごとに蓄積データSDと印刷ジョブ実行条件とが対応付けられた情報(以下「蓄積情報」と言う)を管理する機能部である。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、他の機能部からの要求に応じて、保持情報に対し、各種データ操作を行い、情報を管理している。
【0068】
蓄積情報保持部51は、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたり、例えば、図9及び図10に示すような蓄積情報51Dを保持している。
【0069】
図9及び図10は、本実施形態に係る蓄積情報51D1,51D2(以降総称する場合「蓄積情報51D」と言う)のデータ例(その1,2)を示す図である。
両図に示すように、蓄積情報51Dは、印刷ジョブ識別及び属性などの情報項目を有している。[印刷ジョブ識別]項目は、印刷ジョブJの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、"印刷ジョブ11"といった印刷ジョブ識別子(印刷ジョブ識別情報)がある。[属性]項目は、印刷ジョブJの属性を示す情報項目である。[属性]項目は、ユーザ識別、認証、蓄積日時、実行可能期間、及び蓄積データ格納先などの情報項目を有している。[ユーザ識別]項目は、ユーザの識別を示す情報項目である。項目値には、例えば、ユーザ識別子がある。[認証]項目は、ゲストユーザに割り当てられた認証データを格納する情報項目である。項目値には、例えば、パスワードといった文字列データがある。[蓄積日時]項目は、蓄積データSDの格納記録を示す情報項目である。項目値には、例えば、日付や時刻といった日時データがある。[実行可能期間]項目は、蓄積データSDを用いて印刷ジョブJの実行を行うことができる期間を示す情報項目である。項目値には、日時データがある。[蓄積データ格納先]項目は、蓄積データSDの格納先を示す情報項目である。項目値には、例えば、ファイルパスといった文字列データ(蓄積データ格納先情報)がある。蓄積情報51Dは、これらの情報項目が印刷ジョブJごとに対応付けられ、[属性]項目が印刷ジョブ単位で管理されている。
【0070】
図3の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dを、蓄積データ格納時に動的に生成する。上述したように、蓄積情報51Dの[属性]項目の中には、データ解析部21で取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rや、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)で取得・生成したユーザ識別情報に基づき、項目値が設定可能なものがある。例えば、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目などである。そのため、蓄積情報管理部24は、これらの項目値に、対応する印刷ジョブ実行条件を設定する実行条件設定部241などを有している。
【0071】
蓄積情報管理部24は、蓄積データSDが蓄積データ保持部41に格納されると、格納された蓄積データSDの印刷ジョブJに対応する印刷ジョブ識別情報を生成(識別子を採番)する。つまり、蓄積情報管理部24は、蓄積データ分のユニークな印刷ジョブ識別情報を生成する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報51Dの[印刷ジョブ識別]項目の項目値に、生成した印刷ジョブ識別情報を格納する。また、蓄積情報管理部24は、新たな識別子が設定された[印刷ジョブ識別]項目に対応する[蓄積日時]項目に、蓄積データSDを格納した日時データを格納し、さらに、[蓄積データ格納先]項目に、蓄積データSDを格納したファイルパスを格納する。
【0072】
続いて、蓄積情報管理部24は、実行条件設定部241により、蓄積情報51Dの[ユーザ識別]項目の項目値に、蓄積データSDのヘッダ情報HDを書き替えたユーザ識別情報を格納し、設定する。また、実行条件設定部241は、[ユーザ識別]項目の項目値がゲストユーザのユーザ識別情報であった場合、[認証]項目の項目値に、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに設定された認証データを格納し、設定する。また、実行条件設定部241は、[実行可能期間]項目の項目値に、印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに設定された日時データを格納し、設定する。
【0073】
図9には、実行条件設定部241が、印刷ジョブ実行条件の設定情報R11に基づき、生成([ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目が設定)された蓄積情報51D1の例、また、図10には、印刷ジョブ実行条件の設定情報R12に基づき、生成された蓄積情報51D2の例が示されている。
【0074】
これにより、本実施形態では、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データSDが記憶されるとともに、印刷ジョブ実行条件として印刷ジョブJに設定された設定情報Rが、共有対象ユーザごとの蓄積データSDに対応付けられ、蓄積データSDを管理する蓄積情報51Dとして記録される。
【0075】
また、蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dにより、次のようなデータ操作要求に応じることができる。
【0076】
例えば、蓄積情報管理部24は、ゲストユーザ01に属する印刷ジョブJの蓄積確認要求を受け付けた場合、要求時に受け取ったユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01")に基づき、蓄積情報51D2の[ユーザ識別]項目を参照し、該当情報の有無により確認する。蓄積情報管理部24は、該当情報があった場合、対応する[印刷ジョブ識別]項目の項目値である印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")を取得する。
【0077】
また、蓄積情報管理部24は、蓄積された印刷ジョブJに設定された印刷ジョブ実行条件の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取った印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")に基づき、蓄積情報51D2の[印刷ジョブ識別]項目を参照し、該当する[認証]項目及び[実行可能期間]項目の各項目値である認証データ(パスワード:"****")や日時データ("2010/12/31 09:00―12:30")を取得する。
【0078】
また、蓄積情報管理部24は、印刷ジョブ11の利用可能ユーザ及び格納先の取得要求を受け付けた場合、要求時に受け取った印刷ジョブ識別情報(識別子:"印刷ジョブ11")に基づき、蓄積情報51D2の[印刷ジョブ識別]項目を参照し、該当する[ユーザ識別]項目及び[蓄積データ格納先]項目の各項目値であるユーザ識別情報(識別子:"ゲスト01")や蓄積データ格納先情報(ファイルパス:"D:¥Spool¥Guest01¥0101.prn")を取得する。
【0079】
次に、印刷ジョブ管理部23は、本実施形態に係る蓄積印刷機能を実現するため、実行条件判定部(実行可否判定部)233などを有している。
【0080】
印刷ジョブ管理部23は、蓄積した印刷ジョブJの蓄積印刷が要求されると、まず、蓄積情報管理部24に対して、要求時に受け取ったユーザ入力情報(例えば「ユーザ識別子」)を渡し、ユーザに属する印刷ジョブJが蓄積されているか否かを確認する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブJが蓄積されていれば、該当する印刷ジョブ識別情報を確認結果として取得する。このとき、印刷ジョブ管理部24は、確認結果として複数の印刷ジョブ識別情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、当該装置の画面に表示し、ユーザに選択させてもよい。
【0081】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、取得した印刷ジョブ識別情報(又は画面上で要求ユーザから選択指定された印刷ジョブJの識別情報)を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0082】
続いて、印刷ジョブ管理部23は、実行条件判定部233により、取得した印刷ジョブ実行条件に基づき、要求された印刷ジョブJが、設定された実行条件を満たし、蓄積印刷が実行可能か否かを判定する。
【0083】
実行条件判定部233は、認証情報が取得された場合、要求された印刷ジョブJがゲストユーザに属する印刷ジョブJであるとし、パスワード入力を促す認証画面を、当該装置の画面に表示する。その結果、実行条件判定部233は、認証情報と入力パスワードが合致するか否かの結果に基づき、印刷ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、合致した場合、印刷ジョブJの実行が可能なゲストユーザと判断する(ゲストユーザに印刷ジョブ実行を許可する)。一方、合致しなかった場合には、その旨(認証エラーによる実行不可)を通知する。
【0084】
また、実行条件判定部233は、蓄積データSDが、指定格納先に存在するか否かの結果に基づき、実行ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、蓄積データSDが存在した場合、印刷ジョブJの実行が可能と判断する。一方、存在しなかった場合には、その旨(対象蓄積データなしによる実行不可)を通知する。
【0085】
また、実行条件判定部233は、蓄積印刷の要求日時(現在日時)が、取得した実行可能期限情報に示される所定期間内であるか否かの結果に基づき、実行ジョブJの実行可否を判定する。実行条件判定部233は、期間内であった場合、印刷ジョブJの実行が可能と判断する。一方、期間外であった場合には、その旨(期限切れによる実行不可)を通知する。
【0086】
これにより、本実施形態では、蓄積印刷時に、印刷ジョブJを共有するゲストユーザに対しても、登録ユーザである他の共有対象ユーザと同様に、利用認証を実施することができる。また、本実施形態では、蓄積された印刷ジョブJの実行を一時的なものとできる。
【0087】
ユーザ入力情報受付部25は、ユーザ入力情報を受け付ける機能部である。ユーザ入力情報受付部25は、当該装置が備える操作パネル120(入力部)からの入力情報を受け付ける。ユーザ入力情報には、例えば、ユーザ認証時の入力値(ユーザ識別子やパスワード)、また、蓄積印刷の実行要求や印刷ジョブJの選択指定などの動作指示信号がある。
【0088】
印刷部26は、印刷データPDを印刷する機能部である。印刷部26は、当該装置が備えるプロッタ130に対して、ラスタイメージ(ビットマップイメージ)を転送し、印刷動作の開始を指示する。例えば、印刷部26は、PDLパーサであり、蓄積データ内の印刷データPDの記述を解釈し、印刷条件に従って所定の画像処理を施した後に、ライスタイメージを生成し、プロッタ130へと転送する。
【0089】
通知部27は、ユーザに各種情報を通知する機能部である。通知部27は、当該装置が備える操作パネル120(表示部)に各種情報を表示する。各種情報には、例えば、エラー情報などがある。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
【0091】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0092】
本実施形態に係る印刷制御機能は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、処理装置(例えば「CPU」)により、記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0093】
なお、以下には、画像処理装置100で実行される処理手順を、データ蓄積処理、蓄積印刷処理の順に説明する。
【0094】
《データ蓄積処理》
図11は、本実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
図11に示すように、画像処理装置100は、PC200などからデータ伝送路Nを介して、印刷ジョブJを受信(データ受信)すると(ステップS101:YES)、データ解析部21により、受信した印刷ジョブJのデータ解析を行う(ステップS102)。これにより、画像処理装置200は、印刷ジョブJから、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rと、印刷データPDとを、解析結果として取得する。
【0095】
続いて、画像処理装置100は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(共有対象ユーザ設定)を読み取り、次のような共有対象ユーザ特定処理を行う。
【0096】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、共有対象ユーザ設定Aがあるか否かを判定する(ステップS103)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"USERNAME"が含まれているか否かを判定する。
【0097】
画像処理装置100は、共有対象ユーザ設定Aがあった場合(ステップS103:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"USERNAME"の設定値である1又は複数のユーザ識別子を取得する(ステップS104)。
【0098】
さらに、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rの共有対象ユーザ設定内に、グループ設定があるか否かを判定する(ステップS105)。このとき、ユーザ特定部231は、変数名"USERNAME"の設定値に、グループ識別子が含まれているか否かを判定する。
【0099】
画像処理装置100は、グループ設定があった場合(ステップS105:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"USERNAME"の設定値であるグループ識別子を取得し、ユーザ情報管理部22を介して、グループに属するユーザのユーザ識別子を取得する(ステップS106)。このとき、ユーザ特定部231は、取得したグループ識別子を、ユーザ情報管理部22へと渡し、グループに属するユーザの情報(識別子)取得を要求する。その結果、ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、グループ識別子に基づき、対応して保持する1又は複数のユーザ識別子を取得し、要求元へと応答する。
【0100】
なお、ユーザ特定部231は、グループ識別子に基づき取得されたユーザ識別子の中に、すでに取得されているユーザ識別子が存在する場合、ユーザ識別子が重複しないように除外してもよい。例えば、図6に示すユーザ情報が登録されており、図5に示すユーザ指定においてユーザ01とグループAとが指定された場合には、ユーザ01がグループAに属するため重複することになる。このとき、ユーザ特定部231は、グループAのグループ識別子を基に取得したユーザ識別子に、ユーザ01の識別子(重複するユーザ識別子)が存在するか否かを判定し、存在する場合に削除する。
【0101】
一方、画像処理装置100は、共有対象ユーザ設定Aがない場合(ステップS103:NO)、又はグループ設定がない場合(ステップS105:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0102】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、ゲストユーザ設定があるか否かを判定する(ステップS107)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"GUEST"が含まれているか否かを判定する。
【0103】
画像処理装置100は、ゲストユーザ設定があった場合(ステップS107:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"GUEST"の設定値であるゲストユーザの人数を取得し、取得した人数に基づき、各ゲストユーザのユーザ識別子を生成する(ステップS108)。
【0104】
さらに、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rに、ゲストユーザの認証設定があるか否かを判定する(ステップS109)。このとき、ユーザ特定部231は、設定情報内に、変数名"PASSWD"が含まれているか否かを判定する。
【0105】
画像処理装置100は、認証設定があった場合(ステップS109:YES)、印刷ジョブ管理部23(ユーザ特定部)により、設定情報Rから、該当変数名"PASSWD"の設定値である認証データ(パスワード)を取得し、先に生成されたゲストユーザのユーザ識別子と紐付けて保持する(ステップS110)。
【0106】
一方、画像処理装置100は、ゲストユーザ設定がない場合(ステップS107:NO)、又は認証設定がない場合(ステップS109:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0107】
画像処理装置100は、上記処理手順により、印刷ジョブJに設定された共有対象ユーザを特定する。
【0108】
続いて、画像処理装置100は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(実行可能期限設定)を読み取り、次のような実行可能期限特定処理を行う。
【0109】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、設定情報Rに、実行可能期間設定Bがあるか否かを判定する(ステップS111)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、設定情報内に、変数名"LIMITTIME"が含まれているか否かを判定する。
【0110】
画像処理装置100は、実行可能期間設定Bがあった場合(ステップS111:YES)、設定情報Rから、該当変数名"LIMITTIME"の設定値であるの日時データを取得する(ステップS112)。
【0111】
なお、印刷ジョブ管理部23は、取得した日時データが、現在より以前の日時で設定されている場合、印刷ジョブJの送信元である情報処理装置200に対して、その旨を通知するようにしてもよい。例えば、印刷ジョブ管理部23は、図5に示す日時設定の終了日時と、現在日時とを比較し、終了日時が現在日時よりも過去の日時であれば、通知部27を介して、情報処理装置200に対し、「期間が適切に設定されていません」などのエラーメッセージを送信する。
【0112】
一方、画像処理装置100は、実行可能期間設定Bがない場合(ステップS111:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0113】
画像処理装置100は、上記処理手順により、印刷ジョブJに設定された実行可能期間を特定する。
【0114】
続いて、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブJと、これまでに特定した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」や「実行可能期間設定」)と、に基づき、次のようなデータ蓄積処理を行う。
【0115】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(蓄積データ生成部:印刷ジョブ複製・格納手段)により、受信した印刷ジョブJに基づき、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成し、生成した蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に格納し、記憶する(ステップS113)。このとき、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザの数だけ、印刷ジョブJを複製し、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する(印刷ジョブ複製・格納手順)。また、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザごとの蓄積データ内の変数名"USERNAME"に、特定した共有対象ユーザのユーザ識別子を設定し、変数値を変更する。さらに、蓄積データ生成部232は、生成した蓄積データSDの数に合わせて、対応する印刷ジョブ識別子を採番する。蓄積データ生成部232は、蓄積データ保持部41にアクセスし、生成した蓄積データSDを、ユーザごとに確保された記録領域(ファイルシステムにおけるユーザごとのディレクトリ内)に格納する。
【0116】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、採番した印刷ジョブ識別子及び解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」や「実行可能期間設定」など)を、蓄積情報51Dとして設定する(ステップS114)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子、印刷ジョブ実行条件、蓄積データSDの記憶日時、及び格納先であるファイルパスなどを、蓄積情報管理部24へと渡し、情報設定を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、蓄積情報51Dの情報項目の設定領域を確保する。蓄積情報管理部24(実行条件設定部)は、各[印刷ジョブ識別]項目に対応する[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などの項目値を設定する。
【0117】
このように、画像処理装置100は、上記処理手順により、データ蓄積処理が行われる。
【0118】
《蓄積印刷処理》
図12は、本実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
図12に示すように、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ入力情報受付部25から、操作パネル120を介してユーザ入力情報(ユーザ識別子)を受け付けると(ステップS201:YES)、蓄積情報管理部24を介して、蓄積情報51Dを参照する(ステップS202)。このとき、印刷データ管理部23は、ユーザ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、蓄積情報51Dに含まれるユーザ識別子(該当情報)の参照を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dを参照後、該当情報の有無を参照結果として要求元に応答する。つまり、蓄積情報管理部24は、印刷ジョブJの実行を要求したユーザのユーザ識別子と、実行が要求された印刷ジョブJに対応するユーザ識別子とを照合し、照合結果を応答する。
【0119】
画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在しない場合(ステップS203:NO)、ユーザに属する印刷ジョブJ(対象印刷ジョブ)がない(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在しない)として、印刷ジョブ管理部23により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS204)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、参照結果[該当情報なし]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0120】
一方、画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在した場合(ステップS203:YES)、対象印刷ジョブがある(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在する)として、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、要求ユーザに対応する蓄積情報51D(ユーザ識別子に対応する蓄積情報)を取得する(ステップS205)。このとき、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dに設定されたユーザに対応する[認証]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目の項目値(認証データ、実行可能期間の日時データ、及び蓄積データ格納先のファイルパス)を取得し、要求元に応答する。
【0121】
なお、印刷ジョブ管理部24は、複数の該当情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、操作パネル120の画面に表示し、ユーザに選択させる。その結果、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、画面上で要求ユーザから選択指定された印刷ジョブJの識別子を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0122】
続いて、画像処理装置100は、取得した蓄積情報51Dに基づき、印刷ジョブ蓄積時に、蓄積データSDと対応付けて設定した実行条件(印刷ジョブ実行条件設定)を読み取り、次のような印刷ジョブ実行条件判定処理を行う。
【0123】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ユーザがゲストユーザか否かを判定する(ステップS206)。このとき、実行条件判定部233は、入力値であるユーザ識別子に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0124】
画像処理装置100は、ユーザがゲストユーザであった場合(ステップS206:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ゲストユーザに認証設定があるか否かを判定する(ステップS207)。このとき、実行条件判定部233は、取得した該当情報に含まれる認証データの有無に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0125】
画像処理装置100は、ユーザがゲストユーザでなかった場合(ユーザ登録されたユーザであった場合:ステップS206:NO)、又はゲストユーザに認証設定があった場合(ステップS207:YES)、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ認証を行う(ステップS208)。
【0126】
このとき、画像処理装置100には、操作パネル120の画面にユーザ認証画面が表示される。印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザの場合、ユーザ入力情報受付部25から、ユーザから入力された認証データ(パスワード)を受け付けると、受け付けた入力値が、取得した該当情報に含まれる認証データと合致するか否かを判定し、ユーザ認証を行う。
【0127】
また、印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザでない場合(ユーザ登録されたユーザであった場合)、ユーザ入力情報受付部25から、ユーザから入力された認証データ(パスワード)を受け付けると、受け付けた入力値とユーザ識別子とを、ユーザ情報管理部22へと渡し、ユーザ認証を要求する。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、ユーザに割り当てられた認証データを特定後、入力値が、特定した認証データと合致するか否かを判定し、判定結果を認証結果として要求元に応答する。
【0128】
一方、画像処理装置100は、ゲストユーザに認証設定がない場合(ステップS207:NO)、ユーザ認証を行わず、次の処理手順へと移行する。
【0129】
画像処理装置100は、ユーザ認証に失敗すると(ステップS209:NO)、ユーザが利用許可のないユーザであるとして、印刷ジョブ管理部23により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS210)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、認証結果[認証失敗]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0130】
一方、画像処理装置100は、ユーザ認証に成功すると(ステップS209:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、格納先に蓄積データSDが存在するか否か(蓄積データが読み取り可能な状態か否か)を判定する(ステップS211)。このとき、実行条件判定部233は、取得した蓄積データ格納先情報に基づき、指定格納先に読み取り可能な蓄積データSDが存在するか否かを判定する。
【0131】
画像処理装置100は、蓄積データSDが存在しなかった場合(蓄積データが読み取り不可能な状態も含む:ステップS211:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS212)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[該当蓄積データなし/読み取り不可能]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0132】
一方、画像処理装置100は、蓄積データSDが存在した場合(かつ蓄積データが読み取り可能な状態:ステップS211:YES)、印刷ジョブ管理部23により、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当する蓄積データSDを取得する(ステップS213)。
【0133】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷を行う印刷ジョブJ(蓄積データ)に実行可能期間設定があるか否かを判定する(ステップS214)。このとき、実行条件判定部233は、取得した実行可能期間の日時データに基づき判定する。
【0134】
画像処理装置100は、実行可能期間設定があった場合(ステップS214:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、現在日時(実行要求日時)が、設定された実行可能期間内か否かを判定する(ステップS215)。
【0135】
画像処理装置100は、実行要求日時が実行可能期間外であった場合(ステップS215:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、通知部27を介して、ユーザにエラー通知する(ステップS216)。
【0136】
このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[期限切れ]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを通知部27へと渡し、エラー通知を要求する。その結果、通知部27は、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0137】
続いて、印刷ジョブ管理部23(削除手段)は、エラー通知後、実行可能期間外と判定された印刷ジョブJの蓄積情報51D及び蓄積データSDを、記憶領域から削除する(ステップS217)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、該当情報の削除を要求する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、該当する情報項目及び項目値を削除し、記憶領域を開放する。また、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当データを削除する。これにより、画像処理装置100は、蓄積印刷を終了する。
【0138】
一方、画像処理装置100は、実行可能期間設定がない場合(ステップS214:NO)、又は実行要求日時が実行可能期間内であった場合(ステップS215:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、実行可能な印刷ジョブJであると判断し、蓄積印刷を行う(ステップS218)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、印刷ジョブJに対応する蓄積データSDを取得する。印刷ジョブ管理部23は、取得した蓄積データSDを、印刷部26へと渡し、印刷実行を指示する。
【0139】
このように、画像処理装置100では、上記処理手順により、蓄積印刷処理が行われる。
【0140】
<変形例>
ここで、本実施形態に係る印刷システム構成の変形例について説明する。
図13は、本変形例に係る印刷システム1の構成例を示す図である。
図13に示すように、本実施形態に係る印刷システム1では、ユーザ情報の管理やユーザ認証を行う認証管理装置(認証サーバ)300を有する構成であってもよい。この場合には、例えば、図14に示すような機能構成となる。
【0141】
図14は、本変形例に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図14に示すように、画像処理装置100が有していたユーザ情報管理部22及びユーザ情報保持部31を、認証管理装置300が有する構成となる。この場合、印刷ジョブ管理部23による共有対象ユーザ特定処理やユーザ認証処理などは、画像処理装置100と認証管理装置300との間でデータ通信を行うことで実現される。
【0142】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、データ解析部21により、受信した印刷ジョブJを解析し、解析結果として、印刷ジョブJから、ヘッダ情報HDに含まれる印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、共有対象ユーザ特定処理及び蓄積データ生成処理を行う。
【0143】
印刷ジョブ管理部23は、設定情報Rに基づき、印刷ジョブJを共有する共有対象ユーザを特定する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、受信した印刷ジョブJを、特定した共有対象ユーザの数だけ複製して、蓄積データSDを生成する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、共有対象ユーザごとに生成された蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に記録する。また、蓄積情報管理部24は、設定情報Rを、印刷ジョブJごとに蓄積データSDと印刷ジョブ実行条件とを管理する蓄積情報51Dとして、蓄積情報保持部51に記録する。
【0144】
その結果、画像処理装置100では、ユーザ入力情報受付部25により、蓄積印刷の実行要求を受け付けると、印刷ジョブ管理部23が、ユーザ入力情報から、ユーザに属する印刷ジョブJを表示する。続いて、画像処理装置100では、印刷ジョブ管理部23により、蓄積印刷処理を行う。
【0145】
印刷ジョブ管理部23は、表示画面から印刷ジョブJが指定されると、蓄積データ保持部41から指定印刷ジョブJの蓄積データSD及び蓄積情報保持部51から指定印刷ジョブJの蓄積情報51Dを取得する。続いて、印刷ジョブ管理部23は、実行可否判定部233により、蓄積情報51Dに設定されている印刷ジョブ実行条件に基づき、印刷ジョブJの実行可否を判定する。これにより、印刷部26は、印刷ジョブJが実行可能と判定されると、要求ユーザの蓄積データSDを用いて印刷を実行する。
【0146】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、共有する印刷ジョブJのデータを、グループ単位でなく、ユーザ単位で管理することから、共有する印刷ジョブJが誰によって実行されたのか、また、どの印刷ジョブデータにより実行されたのか、を特定できる。その結果、機器内で保持される情報の機密性を維持しつつ、複数のユーザで印刷ジョブJを共有することができる。
【0147】
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態に示す印刷制御機能を、画像処理装置の印刷を制御する印刷制御装置(印刷サーバ)により行う構成について説明する。なお、以降では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明を行う。よって、同じ点については、同一参照符号を付す。
【0148】
<システム構成>
図15は、本実施形態に係る印刷制御システム1000の構成例を示す図である。
図15に示すように、本実施形態に係る印刷制御システム1000では、印刷制御装置(印刷サーバ)400が、データ伝送路Nを介して、1又は複数の画像処理装置100と、1又は複数のPC200とに接続されるシステム構成例が示されている。
【0149】
印刷制御装置400は、印刷制御機能を有する機器であり、例えば、PCなどの情報処理装置である。
【0150】
本実施形態に係る印刷制御システム1000では、これらの構成機器により、次のような印刷制御処理が実行される。例えば、PC200から印刷制御装置400に対して、印刷ジョブJが送信されると、印刷制御装置400は、受信した印刷ジョブJを蓄積し、蓄積印刷を制御する。その結果、ユーザは、システム内の画像処理装置100に出向き、印刷制御装置400に蓄積された印刷ジョブJの実行要求を行うことで、印刷結果を得る。
【0151】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御システム1000は、上記システム構成により、蓄積印刷サービス(プルプリントサービス)を提供することができる。
【0152】
なお、本発明では、画像処理装置100とPC200とが、印刷制御装置400を介して接続される構成である必要はない。つまり、印刷制御システム1000では、これらの機器が、互いにデータ通信可能な構成であればよい。上記システム構成を例に挙げた理由は、情報セキュリティに対応する一般的なシステム構成だからである。このようなシステム構成の場合には、PC200から画像処理装置100に直接印刷が行えないため(印刷制御装置を介してのみ印刷可能であるため)、印刷結果による情報漏洩を抑制する効果がある。
【0153】
<ハードウェア構成>
図16は、本実施形態に係る印刷制御装置400のハードウェア構成例を示す図である。
図16に示すように、印刷制御装置400は、入力装置401、表示装置402、ドライブ装置403、RAM404、ROM405、CPU406、インタフェース装置407、及びHDD408などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0154】
入力装置401は、キーボードやマウスなどを含み、印刷制御装置400に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置402は、ディスプレイなどを含み、印刷制御装置400による処理結果を表示する。
【0155】
インタフェース装置407は、印刷制御装置400をデータ伝送路Nに接続するインタフェースである。これにより、印刷制御装置400は、インタフェース装置407を介して、画像処理装置100やPC200(他の情報処理装置)とデータ通信を行うことができる。
【0156】
HDD408は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、情報処理装置全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(商標又は登録商標)」や「UNIX(商標又は登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及びシステム上において各種機能(例えば「印刷制御機能」)を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD408は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0157】
ドライブ装置403は、着脱可能な記録媒体403aとのインタフェースである。これにより、印刷制御装置100は、ドライブ装置403を介して、記録媒体403aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体403aには、例えば、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカードやUSBメモリなどがある。
【0158】
ROM405は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM405には、印刷制御装置400の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM404は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU406は、上記記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する処理装置である。
【0159】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御装置400は、上記ハードウェア構成により、各種情報処理サービスを提供することができる。
【0160】
<印刷制御機能>
図17は、本実施形態に係る印刷制御機能の構成例を示す図である。
図17に示すように、印刷制御装置400が、データ解析部21、ユーザ情報管理部22、印刷ジョブ管理部23、及び蓄積情報管理部24などの各機能部を有する。一方、画像処理装置100は、ユーザ入力情報受付部25、印刷部26、及び通知部27などの各機能部を有する。また、印刷制御装置400は、新たに、画像処理装置100に対して、蓄積データSD又はエラーメッセージなどを送信する送信部28を有している。
【0161】
これにより、印刷制御装置400では、蓄積印刷時に、印刷ジョブ管理部23が、次のように動作する。印刷ジョブ管理部23は、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた入力値が送信され、入力値を受信すると、蓄積印刷の要求を受け付ける。その後、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ実行条件判定処理を行い、要求された印刷ジョブJが実行可能であると判定された場合、蓄積データ保持部41から取得した蓄積データSDを、送信部28により、画像処理装置100へと送信する。これにより、印刷制御装置100は、画像処理装置200に対して、蓄積印刷の実行を指示する。一方、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJが実行不可能であると判定された場合、その旨を伝えるエラーメッセージを、送信部28により、画像処理装置100へと送信する。
【0162】
また、本実施形態では、印刷制御装置400が、PC200からの印刷ジョブJを受信するため、PC200では、例えば、図18に示すような設定画面Wを介して、ユーザが印刷ジョブJを出力する画像処理装置100を設定できる。
【0163】
図18は、本実施形態に係る印刷ジョブ実行条件の設定画面例を示す図である。
図18に示すように、設定画面Wから設定可能な印刷ジョブ実行条件には、共有対象ユーザ設定A及び実行可能期間設定Bなどに加えて、印刷ジョブJの出力先設定Cがある。
【0164】
例えば、設定画面W21,W22には、共有する印刷ジョブJの出力先として許可する画像処理装置100として、機種名"MFP modelA"の画像処理装置100が設定されている。
【0165】
また、このようにして設定された出力先設定Cは、例えば、図19に示す印刷ジョブ実行条件の設定情報Rのように、印刷ジョブJのヘッダ情報内に、所定の変数値として設定される。
【0166】
図19は、本実施形態に係る印刷ジョブJのデータ例を示す図である。
図19に示すように、出力先設定Cの設定値は、変数名"OUTPUT"の値として設定されている。
【0167】
また、データ解析部21では、印刷ジョブJのデータ解析により、解析結果として、出力先設定Cを含む印刷ジョブ実行条件の設定情報Rを取得する。そのため、蓄積情報保持部51では、例えば、図20及び図21に示すような蓄積情報51Dを保持している。
【0168】
図20及び図21は、本実施形態に係る蓄積情報51D1,51D2のデータ例(その1,2)を示す図である。
両図に示すように、蓄積情報51Dには、[属性]項目の1つとして、[出力先]項目の情報項目を有している。[出力先]項目は、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先を示す情報項目である。項目値には、例えば、"192.168.11.XXX"といったネットワーク設定データなどの機器識別子(機器識別情報)、又は"MFP modelA"といった機種名などの機種識別子(機種識別情報)がある。蓄積情報51Dは、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などと同様に、[送信先]項目の情報項目が、印刷ジョブJごとに対応付けられ、[属性]項目が印刷ジョブ単位で管理されている。
【0169】
図17の説明に戻る。蓄積情報管理部24は、このような蓄積情報51Dを、蓄積データ格納時に動的に生成する。蓄積情報管理部24は、実行条件設定部241により、[ユーザ識別]項目、[認証]項目、及び[実行可能期間]項目などと同様に、[送信先]項目の項値を、データ解析部21で取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき設定する。
【0170】
本実施形態においても、印刷制御機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
【0171】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0172】
本実施形態に係る印刷制御機能は、印刷制御装置400に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、処理装置(例えば「CPU」)により、記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
【0173】
《データ蓄積処理》
図22は、本実施形態に係るデータ蓄積の処理手順例を示すフローチャートである。
なお、以下には、ステップS301〜S312の処理手順が、図11に示したステップS101〜S112の処理手順と同様であることから、その説明を省略する。
【0174】
図22に示すように、印刷制御装置400は、取得した印刷ジョブ実行条件の設定情報Rに基づき、印刷ジョブ投入時に、ユーザが設定した実行条件(出力先設定)を読み取り、次のような送信先判定特定を行う。
【0175】
印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23により、設定情報Rに、出力先設定Cがあるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、設定情報内に、変数名"OUTPUT"が含まれているか否かを判定する。
【0176】
印刷制御装置400は、出力先設定Cがあった場合(ステップS313:YES)、設定情報Rから、該当変数名"OUTPUT"の設定値であるのネットワーク設定データ又は機種名を取得する(ステップS314)。
【0177】
一方、画像処理装置100は、出力先設定Cがない場合(ステップS313:NO)、次の処理手順へと移行する。
【0178】
印刷制御装置400は、上記処理手順により、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先を特定する。
【0179】
続いて、印刷制御装置400は、受信した印刷ジョブJと、これまでに特定した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」、「実行可能期間設定」、及び「出力先設定」)と、に基づき、次のようなデータ蓄積処理を行う。
【0180】
画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23(蓄積データ生成部:印刷ジョブ複製・格納手段)により、受信した印刷ジョブJに基づき、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成し、生成した蓄積データSDを、蓄積データ保持部41に格納し、記憶する(ステップS315)。このとき、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザの数だけ、印刷ジョブJを複製し、共有対象ユーザごとの蓄積データSDを生成する(印刷ジョブ複製・格納手順)。また、蓄積データ生成部232は、共有対象ユーザごとの蓄積データ内の変数名"USERNAME"に、特定した共有対象ユーザのユーザ識別子を設定し、変数値を変更する。さらに、蓄積データ生成部232は、生成した蓄積データSDの数に合わせて、対応する印刷ジョブ識別子を採番する。蓄積データ生成部232は、蓄積データ保持部41にアクセスし、生成した蓄積データSDを、ユーザごとに確保された記録領域(ファイルシステムにおけるユーザごとのディレクトリ内)に格納する。
【0181】
続いて、画像処理装置100は、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、採番した印刷ジョブ識別子及び解析結果として取得した印刷ジョブ実行条件(「共有対象ユーザ設定」、「実行可能期間設定」、及び「送信先設定」など)を、蓄積情報51Dとして設定する(ステップS316)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子、印刷ジョブ実行条件、蓄積データSDの記憶日時、及び格納先であるファイルパスなどを、蓄積情報管理部24へと渡し、情報設定を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、蓄積情報51Dの情報項目の設定領域を確保する。蓄積情報管理部24(実行条件設定部)は、各[印刷ジョブ識別]項目に対応する[ユーザ識別]項目、[認証]項目、[蓄積日時]項目、[実行可能期間]項目、[出力先]項目、及び[蓄積データ格納先]項目などの項目値を設定する。
【0182】
《蓄積印刷処理》
図23は、本実施形態に係る蓄積印刷の処理手順例を示すフローチャートである。
図23に示すように、印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けたユーザ入力情報(ユーザ識別子)を受信すると(ステップS401:YES)、蓄積情報管理部24を介して、蓄積情報51Dを参照する(ステップS402)。このとき、印刷データ管理部23は、ユーザ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、蓄積情報51Dに含まれるユーザ識別子(該当情報)の参照を要求する。その結果、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dを参照後、該当情報の有無を参照結果として要求元に応答する。
【0183】
画像処理装置100は、蓄積情報内に該当情報が存在しない場合(ステップS403:NO)、ユーザに属する印刷ジョブJ(対象印刷ジョブ)がない(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在しない)として、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS404)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、参照結果[該当情報なし]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、受信したエラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0184】
一方、印刷制御装置400は、蓄積情報内に該当情報が存在した場合(ステップS403:YES)、対象印刷ジョブがある(ユーザが印刷可能な蓄積データが存在する)として、印刷ジョブ管理部23により、蓄積情報管理部24を介して、要求ユーザに対応する蓄積情報51D(該当したユーザ識別子に対応する蓄積情報)を取得する(ステップS405)。このとき、蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、蓄積情報51Dに設定されたユーザに対応する[認証]項目、[実行可能期間]項目、及び[蓄積データ格納先]項目の項目値(認証データ、実行可能期間の日時データ、及び蓄積データ格納先のファイルパス)を取得し、要求元に応答する。
【0185】
なお、印刷ジョブ管理部24は、複数の該当情報を取得した場合、取得情報に基づく印刷ジョブ一覧画面を、送信部28を介して、画像処理装置100へと送信し、画像処理装置100の操作パネル120に表示させ、ユーザに選択させる。その結果、印刷ジョブ管理部23は、蓄積情報管理部24に対して、画面上で要求ユーザから選択指定され、画像処理装置100から受信した印刷ジョブJの識別子を渡し、印刷ジョブ実行条件の情報取得及び蓄積データSDの格納先情報取得を要求する。その結果、印刷ジョブ管理部23は、要求された印刷ジョブJに設定された認証情報、実行可能期間情報、及び蓄積データ格納先情報を取得する。
【0186】
続いて、画像処理装置100は、取得した蓄積情報51Dに基づき、印刷ジョブ蓄積時に、蓄積データSDと対応付けて設定した実行条件(印刷ジョブ実行条件設定)を読み取り、次のような印刷ジョブ実行条件判定処理を行う。
【0187】
印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ユーザがゲストユーザか否かを判定する(ステップS406)。このとき、実行条件判定部233は、入力値であるユーザ識別子に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0188】
印刷制御装置400は、ユーザがゲストユーザであった場合(ステップS406:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、ゲストユーザに認証設定があるか否かを判定する(ステップS407)。このとき、実行条件判定部233は、取得した該当情報に含まれる認証データの有無に基づき、ゲストユーザか否かを判定する。
【0189】
印刷制御装置400は、ユーザがゲストユーザでなかった場合(ユーザ登録されたユーザであった場合:ステップS406:NO)、又はゲストユーザに認証設定があった場合(ステップS407:YES)、印刷ジョブ管理部23により、ユーザ認証を行う(ステップS408)。
【0190】
このとき、印刷制御装置400には、画像処理装置100に対して、ユーザ認証画面の表示を要求し、操作パネル120の画面にユーザ認証画面を表示させる。印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザの場合、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた認証データ(パスワード)を受信すると、受信した入力値が、取得した該当情報に含まれる認証データと合致するか否かを判定し、ユーザ認証を行う。
【0191】
また、印刷ジョブ管理部23は、ゲストユーザでない場合(ユーザ登録されたユーザであった場合)、画像処理装置100から、ユーザ入力情報受付部25により受け付けた認証データ(パスワード)を受信すると、受信した入力値とユーザ識別子とを、ユーザ情報管理部22へと渡し、ユーザ認証を要求する。ユーザ情報管理部22は、ユーザ情報保持部31にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、ユーザに割り当てられた認証データを特定後、入力値が、特定した認証データと合致するか否かを判定し、判定結果を認証結果として要求元に応答する。
【0192】
一方、印刷制御装置400は、ゲストユーザに認証設定がない場合(ステップS407:NO)、ユーザ認証を行わず、次の処理手順へと移行する。
【0193】
印刷制御装置400は、ユーザ認証に失敗すると(ステップS409:NO)、ユーザが利用許可のないユーザであるとして、印刷ジョブ管理部23により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS410)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、認証結果[認証失敗]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0194】
一方、印刷制御装置400は、ユーザ認証に成功すると(ステップS409:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、格納先に蓄積データSDが存在するか否か(蓄積データが読み取り可能な状態か否か)を判定する(ステップS411)。このとき、実行条件判定部233は、取得した蓄積データ格納先情報に基づき、指定格納先に読み取り可能な蓄積データSDが存在するか否かを判定する。
【0195】
印刷制御装置400は、蓄積データSDが存在しなかった場合(蓄積データが読み取り不可能な状態も含む:ステップS411:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS412)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[該当蓄積データなし/読み取り不可能]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0196】
一方、印刷制御装置400は、蓄積データSDが存在した場合(かつ蓄積データが読み取り可能な状態:ステップS411:YES)、印刷ジョブ管理部23により、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当する蓄積データSDを取得する(ステップS413)。
【0197】
続いて、印刷制御装置400は、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷を行う印刷ジョブJ(蓄積データ)に実行可能期間設定があるか否かを判定する(ステップS414)。このとき、実行条件判定部233は、取得した実行可能期間の日時データに基づき判定する。
【0198】
印刷制御装置400は、実行可能期間設定があった場合(ステップS414:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、現在日時(実行要求日時)が、設定された実行可能期間内か否かを判定する(ステップS415)。
【0199】
印刷制御装置400は、実行要求日時が実行可能期間外であった場合(ステップS415:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS416)。
【0200】
このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[期限切れ]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0201】
続いて、印刷ジョブ管理部23(削除手段)は、エラー通知後、実行可能期間外と判定された印刷ジョブJの蓄積情報51D及び蓄積データSDを、記憶領域から削除する(ステップS417)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、印刷ジョブ識別子を、蓄積情報管理部24へと渡し、該当情報の削除を要求する。蓄積情報管理部24は、蓄積情報保持部51にアクセスし、印刷ジョブ識別子に基づき、該当する情報項目及び項目値を削除し、記憶領域を開放する。また、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、蓄積データ格納先のファイルパスに基づき、該当データを削除する。これにより、印刷制御装置400は、蓄積印刷を終了する。
【0202】
一方、印刷制御装置400は、実行可能期間設定がない場合(ステップS414:NO)、又は実行要求日時が実行可能期間内であった場合(ステップS415:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積印刷の要求を受け付けた画像処理装置100が、印刷ジョブJの蓄積印刷が許可された出力先(指定出力先)か否かを判定する(ステップS418)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、送信部28により、画像処理装置100に対して、情報取得コマンドを送信し、ネットワーク設定データ又は機種名などの機器情報を取得する。その結果、実行条件判定部233は、画像処理装置100からの取得値が、取得した出力先のネットワーク設定データ又は機種名と合致するか否かの結果に基づき判定する。
【0203】
印刷制御装置400は、画像処理装置100が指定出力先でない場合(ステップS418:NO)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、画像処理装置100に対してエラー通知する(ステップS419)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、判定結果[出力先不許可]に基づきエラーメッセージを生成し、生成したエラーメッセージを送信部28へと渡し、画像処理装置100に送信することで、エラー通知を要求する。その結果、画像処理装置100は、通知部27により、エラーメッセージを、操作パネル120の画面へ表示し、ユーザに通知する。
【0204】
一方、印刷制御装置400は、画像処理装置100が指定出力先であった場合(ステップS418:YES)、印刷ジョブ管理部23(実行条件判定部)により、蓄積データSDが実行可能な印刷ジョブJであると判断し、蓄積印刷を行う(ステップS420)。このとき、印刷ジョブ管理部23は、蓄積データ保持部41にアクセスし、ユーザ識別子に基づき、印刷ジョブJに対応する蓄積データSDを取得する。印刷ジョブ管理部23は、取得した蓄積データSDを、送信部28へと渡し、指定出力先の画像処理装置100に送信することで、印刷を要求する。
【0205】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る印刷制御装置400によれば、受信した印刷ジョブJの解析から得た、共有する印刷ジョブJを実行するための条件(印刷ジョブ実行条件)が設定された設定情報Rに基づき、印刷ジョブJを共有するユーザ(共有対象ユーザ)を特定し、特定した共有対象ユーザの数だけ印刷ジョブJを複製し、複製した蓄積データSDを設定情報Rと対応付けて、ユーザ単位で管理する。
【0206】
これによって、本実施形態に係る印刷制御装置400は、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0207】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「印刷制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100や印刷制御装置400が備える処理装置(例えば「CPU」)により実行されることで実現される。
【0208】
例えば、画像処理装置100の場合、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、記録媒体114aに記憶させることで、外部記憶I/F114を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0209】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0210】
1 印刷システム
21 データ解析部
22 ユーザ情報管理部
23 印刷ジョブ管理部
231 ユーザ特定部
232 蓄積データ生成部
233 実行条件判定部(実行可否判定部)
24 蓄積情報管理部
241 実行条件設定部
25 ユーザ入力情報受付部
26 印刷部
27 通知部
28 送信部
31 ユーザ情報保持部(D:ユーザ情報)
41 蓄積データ保持部
51 蓄積情報保持部(D:蓄積情報)
100 画像処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 記憶装置
112 CPU(処理装置)
113 ネットワークI/F
114 外部記憶I/F(a:記録媒体)
120 操作パネル(入力・表示装置)
130 プロッタ(印刷装置)
140 スキャナ(読み取り装置)
200 PC(情報処理装置)
300 認証管理装置(認証サーバ)
400 印刷制御装置(印刷サーバ)
401 入力装置
402 表示装置
403 ドライブ装置(a:記録媒体)
404 RAM(揮発性の半導体メモリ)
405 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
406 CPU(処理装置)
407 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
408 HDD(不揮発性の記憶装置)
1000 印刷制御システム
B バス
J 印刷ジョブデータ
N データ伝送路(ネットワーク)
SD 蓄積データ
W 表示画面(操作画面)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0211】
【特許文献1】特開2002−240398号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
利用者が属するグループのグループ識別情報と前記グループに属する利用者の利用者識別情報とが対応付けられたグループ情報を保持するグループ情報保持手段を有し、
前記利用者特定手段は、
前記利用者設定情報にグループが設定されている場合、
該グループのグループ識別情報に基づき、前記グループ情報保持手段を参照し、該グループに属する利用者の利用者識別情報を取得し、利用対象となる利用者を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記利用者特定手段は、
前記利用者設定情報にゲストユーザが設定されている場合、
該ゲストユーザの人数設定に基づき、利用対象となる利用者を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
蓄積された印刷ジョブを識別する印刷ジョブ識別情報と、前記印刷ジョブの格納先を示す印刷ジョブ格納先情報と、前記印刷ジョブの実行条件である印刷ジョブ実行条件を含む前記利用者設定情報と、が対応付けられた蓄積情報を保持する蓄積情報保持手段と、
実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、を有し、
前記実行可否判定手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブ実行条件に基づき、該印刷ジョブの実行が可能か否かを判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記実行可否判定手段は、
利用者から受け付けた認証情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の認証情報とを比較し、比較結果に基づき、前記指定印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記実行可否判定手段は、
前記印刷ジョブ格納先情報に基づき、前記印刷ジョブ保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの有無により、該印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記実行可否判定手段は、
実行要求時の日時情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の実行可能期間を示す日時情報とにより、実行要求を受け付けた日時が実行可能期間内か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記蓄積情報及び前記蓄積情報に対応する印刷ジョブを削除する削除手段を有し、
前記削除手段は、
前記実行可否判定手段により、実行要求を受け付けた日時が実行可能期間外と判定された印刷ジョブ、及び該印刷ジョブに対応する前記蓄積情報を、前記印刷ジョブ保持手段及び前記蓄積情報保持手段から削除することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記利用者設定情報は、前記利用者及び/又は前記グループごとに設定された印刷動作条件を含み、
前記印刷手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷動作条件に従って、該印刷ジョブを実行することを特徴とする請求項4ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
所定のデータ伝送路で接続される1又は複数の画像処理装置に対し、蓄積された印刷ジョブを送信し、印刷の実行を要求する印刷制御装置であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
前記利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを前記画像処理装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項11】
蓄積された印刷ジョブを識別する印刷ジョブ識別情報と、前記印刷ジョブの格納先を示す印刷ジョブ格納先情報と、前記印刷ジョブの実行条件である印刷ジョブ実行条件を含む前記利用者設定情報と、が対応付けられた蓄積情報を保持する蓄積情報保持手段と、
実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、を有し、
前記実行可否判定手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブ実行条件に基づき、該印刷ジョブの実行が可能か否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
【請求項12】
前記実行可否判定手段は、
当該装置に対して前記印刷ジョブの取得を要求した画像処理装置から取得したネットワーク設定情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の送信先を示すネットワーク設定情報とにより、印刷を実行する画像処理装置が設定送信先の画像処理装置か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項13】
前記実行可否判定手段は、
当該装置に対して前記印刷ジョブの取得を要求した画像処理装置から取得した機種識別情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の送信先を示す機種識別情報とにより、印刷を実行する画像処理装置が設定送信先の機種か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項14】
1又は複数の画像処理装置と、前記画像処理装置に対し、蓄積された印刷ジョブを送信し、印刷の実行を要求する印刷制御装置とが、所定のデータ伝送路で接続される印刷制御システムであって、
前記印刷制御装置が、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
前記利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブ保持手段を参照し、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、該当印刷ジョブを前記画像処理装置に送信する送信手段と、を有し、
前記画像処理装置が、
実行が要求された印刷ジョブの取得を前記印刷制御装置に対して要求し、取得した印刷ジョブを実行する印刷手段を有することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項15】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御方法であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手順と、
前記データ解析手順により取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手順と、
受信した印刷ジョブを、前記利用者特定手順により特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手順と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、前記印刷ジョブ複製手順により複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手順と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ格納手順により格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手順と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項16】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御プログラムであって、
コンピュータを、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、として機能させる印刷制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
利用者が属するグループのグループ識別情報と前記グループに属する利用者の利用者識別情報とが対応付けられたグループ情報を保持するグループ情報保持手段を有し、
前記利用者特定手段は、
前記利用者設定情報にグループが設定されている場合、
該グループのグループ識別情報に基づき、前記グループ情報保持手段を参照し、該グループに属する利用者の利用者識別情報を取得し、利用対象となる利用者を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記利用者特定手段は、
前記利用者設定情報にゲストユーザが設定されている場合、
該ゲストユーザの人数設定に基づき、利用対象となる利用者を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
蓄積された印刷ジョブを識別する印刷ジョブ識別情報と、前記印刷ジョブの格納先を示す印刷ジョブ格納先情報と、前記印刷ジョブの実行条件である印刷ジョブ実行条件を含む前記利用者設定情報と、が対応付けられた蓄積情報を保持する蓄積情報保持手段と、
実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、を有し、
前記実行可否判定手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブ実行条件に基づき、該印刷ジョブの実行が可能か否かを判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記実行可否判定手段は、
利用者から受け付けた認証情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の認証情報とを比較し、比較結果に基づき、前記指定印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記実行可否判定手段は、
前記印刷ジョブ格納先情報に基づき、前記印刷ジョブ保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの有無により、該印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記実行可否判定手段は、
実行要求時の日時情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の実行可能期間を示す日時情報とにより、実行要求を受け付けた日時が実行可能期間内か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記蓄積情報及び前記蓄積情報に対応する印刷ジョブを削除する削除手段を有し、
前記削除手段は、
前記実行可否判定手段により、実行要求を受け付けた日時が実行可能期間外と判定された印刷ジョブ、及び該印刷ジョブに対応する前記蓄積情報を、前記印刷ジョブ保持手段及び前記蓄積情報保持手段から削除することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記利用者設定情報は、前記利用者及び/又は前記グループごとに設定された印刷動作条件を含み、
前記印刷手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷動作条件に従って、該印刷ジョブを実行することを特徴とする請求項4ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
所定のデータ伝送路で接続される1又は複数の画像処理装置に対し、蓄積された印刷ジョブを送信し、印刷の実行を要求する印刷制御装置であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
前記利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ保持手段で保持される該当印刷ジョブを前記画像処理装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項11】
蓄積された印刷ジョブを識別する印刷ジョブ識別情報と、前記印刷ジョブの格納先を示す印刷ジョブ格納先情報と、前記印刷ジョブの実行条件である印刷ジョブ実行条件を含む前記利用者設定情報と、が対応付けられた蓄積情報を保持する蓄積情報保持手段と、
実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定する実行可否判定手段と、を有し、
前記実行可否判定手段は、
前記蓄積情報保持手段を参照し、実行が要求された印刷ジョブの印刷ジョブ識別情報に対応する印刷ジョブ実行条件に基づき、該印刷ジョブの実行が可能か否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
【請求項12】
前記実行可否判定手段は、
当該装置に対して前記印刷ジョブの取得を要求した画像処理装置から取得したネットワーク設定情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の送信先を示すネットワーク設定情報とにより、印刷を実行する画像処理装置が設定送信先の画像処理装置か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項13】
前記実行可否判定手段は、
当該装置に対して前記印刷ジョブの取得を要求した画像処理装置から取得した機種識別情報と前記蓄積情報から取得した印刷ジョブ実行条件の送信先を示す機種識別情報とにより、印刷を実行する画像処理装置が設定送信先の機種か否かを判定し、判定結果に基づき、実行が要求された印刷ジョブが実行可能か否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項14】
1又は複数の画像処理装置と、前記画像処理装置に対し、蓄積された印刷ジョブを送信し、印刷の実行を要求する印刷制御装置とが、所定のデータ伝送路で接続される印刷制御システムであって、
前記印刷制御装置が、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
前記利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを記憶し、保持する印刷ジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブ保持手段を参照し、前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、該当印刷ジョブを前記画像処理装置に送信する送信手段と、を有し、
前記画像処理装置が、
実行が要求された印刷ジョブの取得を前記印刷制御装置に対して要求し、取得した印刷ジョブを実行する印刷手段を有することを特徴とする印刷制御システム。
【請求項15】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御方法であって、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手順と、
前記データ解析手順により取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手順と、
受信した印刷ジョブを、前記利用者特定手順により特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手順と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、前記印刷ジョブ複製手順により複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手順と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、前記印刷ジョブ格納手順により格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手順と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項16】
蓄積された印刷ジョブを実行する画像処理装置における印刷制御プログラムであって、
コンピュータを、
受信した印刷ジョブをデータ解析し、前記印刷ジョブを利用する複数の利用者を設定する利用者設定情報を取得するデータ解析手段と、
取得された利用者設定情報に基づき、前記印刷ジョブの利用対象となる前記複数の利用者を特定する利用者特定手段と、
受信した印刷ジョブを、特定された複数の利用者のそれぞれに対応して複製する印刷ジョブ複製手段と、
前記複数の利用者のそれぞれを識別する利用者識別情報に対応付けて、複製された印刷ジョブを、当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域に格納する印刷ジョブ格納手段と、
前記印刷ジョブの実行を要求した利用者の利用者識別情報と、実行が要求された印刷ジョブに対応付けられた利用者識別情報との照合結果に基づき、格納された該当印刷ジョブを実行する印刷手段と、として機能させる印刷制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−243094(P2011−243094A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116184(P2010−116184)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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