説明

画像処理装置、情報処理装置、編集プログラム、及び編集システム

【課題】MFPの操作画面のカスタマイズをPC側で行う際、PC側では権限判断を行わなくてもよい。
【解決手段】ネットワークを介して情報処理装置と接続される画像処理装置であって、編集可能な操作画面の各UI部品に対し、識別情報と権限情報とが設定された操作画面情報を記憶する記憶手段と、情報処理装置から識別情報と、操作画面情報の取得要求とを受信する受信手段と、受信手段により受信された識別情報と、取得要求された操作画面情報の権限情報とに基づいて、編集可能なUI部品を判断する判断手段と、判断手段により編集可能と判断されたUI部品を含む画面情報を生成する生成手段と、生成手段により作成された画面情報を情報処理装置に送信する送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、情報処理装置、編集プログラム、及び編集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置(MFP:Multifunction Peripheral)の操作画面において、ユーザが使いやすいようにカスタマイズしたいというニーズが高まっている。よって、MFPの操作画面を、ユーザ又は管理者がそれぞれの権限の範囲内で、使いやすいようにカスタマイズできる技術が既に知られている。
【0003】
一般的なユーザ又は管理者の権限判断の方法では、MFP本体でカスタマイズする場合は問題ないが、外部のPC(Personal Computer)上などのツールでカスタマイズする場合、操作画面のデータをツールに送って権限判断をツール側でも行う必要がある。
【0004】
また、MFPと外部のPCとで権限情報を共有する場合、MFP本体の権限情報を変更した際には、PC側の権限情報も変更する必要がある。
【0005】
操作画面のカスタマイズを効率化する技術として、例えば、特許文献1(特開2007−323234号公報)には、カスタマイズの権限をUI部品毎に与えて、カスタマイズした内容を適切な影響範囲に及ぼす技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術によれば、メタ情報に含まれる権限情報につき、PC側で権限判断を行うため、ユーザが増えると、メタ情報に多数の権限情報を含めなければならず、権限判断を効率よく行っていないという問題点があった。また、PC側で権限判断を行う場合、他人の権限情報を含むメタ情報をLANなどで送信するため、セキュリティ上の問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、MFPの操作画面のカスタマイズをPC側で行う際、PC側では権限判断を行わなくてもよい画像処理装置、情報処理装置、編集プログラム、及び編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面の画像処理装置は、ネットワークを介して情報処理装置と接続される画像処理装置であって、編集可能な操作画面の各UI部品に対し、識別情報と権限情報とが設定された操作画面情報を記憶する記憶手段と、前記情報処理装置から識別情報と、前記操作画面情報の取得要求とを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された識別情報と、前記取得要求された操作画面情報の権限情報とに基づいて、編集可能なUI部品を判断する判断手段と、前記判断手段により編集可能と判断されたUI部品を含む画面情報を生成する生成手段と、前記生成手段により作成された画面情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備える。
【0009】
また、本発明の他の局面の情報処理装置は、ネットワークを介して接続される画像処理装置の操作画面の編集を実行する情報処理装置であって、前記操作画面の操作画面情報の取得要求と、識別情報とを画像処理装置に送信する送信手段と、前記画像処理装置から、前記識別情報に基づいて編集可能と判断されたUI部品を含む操作画面情報を受信する受信手段と、受信された操作画面情報を表示制御する表示制御手段と、を備える。
【0010】
また、本発明は、本発明のプログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、MFPの操作画面のカスタマイズをPC側で行う際、PC側では権限判断を行わなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例におけるカスタマイズシステムの一例を示す図。
【図2】実施例1における情報処理装置のハードウェアの一例を示すブロック図。
【図3】実施例1におけるMFPのハードウェアの一例を示すブロック図。
【図4】実施例1におけるMFPの機能の一例を示すブロック図。
【図5】実施例1における情報処理装置の機能の一例を示すブロック図。
【図6】操作画面の一例を示す図。
【図7】UI部品に対する権限情報の一例を示す図。
【図8】操作画面情報の一例を示す図。
【図9】Aさんの画面情報の一例を示す図。
【図10】機器管理者の画面情報の一例を示す図。
【図11】文書管理者の画面情報の一例を示す図。
【図12】操作画面管理情報の一例を説明する図。
【図13】画面情報生成処理の一例を示すフローチャート。
【図14】カスタマイズ結果の反映処理の一例を示すフローチャート。
【図15】実施例2におけるMFPの機能の一例を示すブロック図。
【図16】ダミー情報を含む画面情報の一例を示す図。
【図17】ダミー属性情報を含む画面情報の一例を示す図。
【図18】操作画面(その1)の一例を示す図。
【図19】操作画面(その2)の一例を示す図。
【図20】実施例2における画像形成装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
<システムとハードウェア>
図1は、本実施例におけるカスタマイズシステム(編集システム)10の一例を示す図である。図1に示すように、カスタマイズシステム10は、ネットワークを介してMFP5、6、情報処理装置1などが接続されている。接続される機器の数は図1に示す例に限られない。図1に示すカスタマイズシステム10では、情報処理装置1が、MFP5やMFP6の操作画面のカスタマイズを行うことができる。また、MFP5やMFP6でも、自身の操作画面をカスタマイズすることができる。
【0014】
次に、実施例1における情報処理装置1のハードウェアについて説明する。図2は、実施例1における情報処理装置1のハードウェアの一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークI/F部15、入力部16、表示部17を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0015】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0016】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0017】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0018】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体18(例えば、フラッシュメモリなど)と情報処理装置1とのインタフェースである。
【0019】
また、記憶媒体18に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体18に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して情報処理装置1にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは情報処理装置1により実行可能となる。
【0020】
ネットワークI/F部15は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と情報処理装置1とのインタフェースである。
【0021】
入力部16は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部17の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等を有する。また、入力部16は、ユーザが制御部11に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインタフェースである。
【0022】
表示部17は、CRTやLCD等により構成され、制御部11から入力される表示データに応じた表示が行われる。なお、表示部17は、情報処理装置1とは別体であってもよく、その場合の情報処理装置1は、表示部17に表示するための表示制御機能を有する。
【0023】
本実施例におけるMFP5のハードウェアについて説明する。図3は、実施例1におけるMFP5のハードウェアの一例を示すブロック図である。図3に示すように、MFP5は、制御部51、主記憶部52、補助記憶部53、外部記憶装置I/F部54、ネットワークI/F部55、操作部56、表示部57、エンジン部58を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0024】
制御部51は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部51は、主記憶部52や補助記憶部53に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0025】
主記憶部52は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部51が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0026】
補助記憶部53は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0027】
外部記憶装置I/F部54は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体59(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)とMFP5とのインタフェースである。
【0028】
また、記憶媒体59に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体59に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部54を介してMFP5にインストールされ、インストールされた所定のプログラムはMFP5により実行可能となる。
【0029】
ネットワークI/F部55は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器とMFP5とのインタフェースである。
【0030】
操作部56や表示部57は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、MFP5が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0031】
エンジン部58は、画像データの入出力ユニットとして、紙原稿の読み取り転写紙への印刷を行う。エンジン部58は、スキャナエンジンなどをさらに備えてもよい。なお、MFP6も、MFP5と同様のハードウェア構成を有する。なお、以下に示すMFPは、画像を処理するという意味で画像処理装置でもある。
【0032】
<構成>
次に、実施例1におけるMFP5と情報処理装置1の機能について説明する。まず、MFP5の機能について説明する。図4は、実施例1におけるMFP5の機能の一例を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すMFP5は、記憶手段501、受信手段503、判断手段505、生成手段507、送信手段509、マージ手段511を有する。記憶手段501は、主記憶部52や補助記憶部53などにより実現され、受信手段503、送信手段509は、制御部511、ネットワークI/F部55などにより実現されうる。また、判断手段505、生成手段507、マージ手段511は、制御部51とワークメモリとしての主記憶部52などにより実現されうる。
【0034】
記憶手段501は、MFP5の操作画面の画面情報を記憶する。以下、この画面情報を操作画面情報とも言う。操作画面情報は、カスタマイズ可能な形式で記憶される。また、操作画面情報は、操作画面を構成する要素である各UI部品に対し、カスタマイズ可能なユーザを示す権限情報を有する。また、記憶手段501は、カスタマイズされた操作画面情報をユーザ毎に記憶してもよい。
【0035】
受信手段503は、情報処理装置1から、操作画面情報の取得要求と、情報処理装置1にログインしているユーザを識別するためのユーザ情報とを受信する。例えば、情報処理装置1にログインしているユーザをユーザAとする。受信手段503は、受信した取得要求と、ユーザ情報とを判断手段505に出力する。
【0036】
判断手段505は、受信手段503から操作画面情報の取得要求とユーザ情報とを取得する。判断手段505は、取得したユーザ情報が示すユーザAに対し、カスタマイズ権限があるUI部品を、記憶手段501に記憶された操作画面情報の中から判断する。判断手段505は、判断したUI部品を生成手段507に出力する。
【0037】
生成手段507は、判断手段505から取得したUI部品に基づきユーザA用の画面情報を生成する。生成手段507は、生成したユーザA用の画面情報を送信手段509に出力する。
【0038】
送信手段509は、生成手段507から取得したユーザA用の画面情報を、捜査画面情報の取得要求を行った情報処理装置1に送信する。
【0039】
受信手段503は、情報処理装置1から、カスタマイズされたユーザA用の画面情報を受信する。受信手段503は、このカスタマイズされた画面情報をマージ手段511に出力する。
【0040】
マージ手段511は、受信手段503から取得したカスタマイズ後の画面情報と、記憶手段501に記憶されているユーザAの操作画面情報とをマージして、新しい操作画面情報を生成する。この新しい操作画面情報には、カスタマイズ結果が反映されている。マージ手段511は、この新しい操作画面情報にファイル名を付与して、ユーザAの操作画面情報として記憶手段501に記憶する。
【0041】
これにより、画像形成装置5は、情報処理装置1から操作画面のカスタマイズ要求を受けても、画像形成装置5で、ユーザの権限判断を行い、カスタマイズ可能なUI部品から構成される画面情報を生成することができる。
【0042】
なお、画像形成装置5は、図4に示す機能をコンピュータ(例えば画像形成装置)に実行させるためのカスタマイズプログラムをインストールすることで、上記機能が実行可能になる。
【0043】
次に、情報処理装置1の機能について説明する。図5は、実施例1における情報処理装置1の機能の一例を示すブロック図である。図5に示す情報処理装置1は、受付手段101、送信手段103、受信手段105、表示制御手段107を有する。
【0044】
受付手段101は、制御部11及び入力部16などにより実現され、送信手段103、受信手段105は、制御部11及びネットワークI/F部15などにより実現され、表示制御部107は、制御部11などにより実現されうる。
【0045】
受付手段101は、MFP5の操作画面のカスタマイズツールが起動された状態で、入力部16による操作画面の取得要求を受け付ける。受付手段101は、受け付けた取得要求に、ログインユーザのユーザ情報を付与して、送信手段103に出力する。
【0046】
送信手段103は、受付手段101から取得した操作画面の取得要求とユーザを識別するためのユーザ情報とをMFP5に送信する。
【0047】
受信手段105は、MFP5から、要求した操作画面情報に対する画面情報を受信する。このとき、受信した画面情報は、ログインユーザがカスタマイズ可能なUI部品から構成される。受信手段105は、受信した画面情報を表示制御手段107に出力する。
【0048】
表示制御手段107は、受信手段105から取得した画面情報を表示部17に表示するよう制御する。ユーザは、表示部17に表示された操作画面のUI部品をカスタマイズする。
【0049】
これにより、情報処理装置1は、ログインユーザがカスタマイズできるUI部品から構成される画面情報を取得するので、ユーザは、表示部17に表示されたUI部品を、権限を気にすることなくカスタマイズすることができる。また、情報処理装置1では、ログインユーザのカスタマイズの権限判断を行わなくてもよい。
【0050】
なお、情報処理装置1は、図5に示す機能をコンピュータに実行させるためのカスタマイズ(編集)ツールプログラムをインストールすることで、上記機能が実行可能になる。
【0051】
<具体例>
次に、操作画面や画面情報や権限情報などの具体例について説明する。図6は、操作画面の一例を示す図である。図6に示す例は、コピーの操作画面を示す。この操作画面には、UI部品として「トレイ紙サイズ情報」、「部数入力」、「集約設定」、「変倍設定」、「Start」が表示されている。ユーザは、この操作画面のUI部品に対し、サイズの変更や色の変更、表示するかしないかをカスタマイズすることができる。なお、図6に示す画面は、MFP5側でも表示可能であるし、情報処理装置1側でも表示可能である。
【0052】
図7は、UI部品に対する権限情報の一例を示す図である。図7に示す権限情報は、図6に示すコピー操作画面の各UI部品に対するユーザ権限を示す。例えば、「部数入力」に対する権限として、「色変更」は、「Aさん」のみが変更可能(編集可能)であり、「サイズ変更」及び「表示/非表示変更」は、「文書管理者」のみが変更可能である。ここで、「色変更」、「サイズ変更」、及び「表示/非表示変更」は、UI部品の属性情報である。
【0053】
次に、画面情報の例について説明する。図8は、操作画面情報の一例を示す図である。図8は、図6に示すコピー操作画面の各UI部品をxml形式で表現した例である。図8に示す操作画面情報は、MFP5の記憶手段501が記憶する情報である。
【0054】
図8に示す画面操作情報は、各UI部品に対し、ボタンタイプ、表示名、属性情報、権限情報が含まれる。例えば、「集約設定」のボタンタイプは、「画面遷移型」であり、表示名は「集約設定」であり、属性情報は「色」、「サイズ」、「表示状態」である。また、属性情報「色」の権限情報は、変更可能な「Aさん」が設定され、属性情報「サイズ」及び「表示状態」の権限情報は、変更可能な「機器管理者」が設定されている。
【0055】
なお、操作画面情報は、各UI部品に対し、ユーザを識別するためのユーザID毎に、変更可又は変更不可を示す権限情報を設定する形式でもよい。
【0056】
次に、情報処理装置1が取得する画面情報について説明する。図9は、Aさんの画面情報の一例を示す図である。図9に示す画面情報は、ログインユーザがAさんの場合に、情報処理装置1がMFP5から取得する画面情報である。図9に示す画面情報は、Aさんが変更可能(カスタマイズ可能)なUI部品を有する。図9に示す通り、Aさんの画面情報は、図8に示す操作画面情報の「変更権限=Aさん」が設定されているUI部品の属性情報、及びUI部品のみから構成される。
【0057】
図10は、機器管理者の画面情報の一例を示す図である。図10に示す画面情報は、ログインユーザが機器管理者の場合に、情報処理装置1がMFP5から取得する画面情報である。図10に示す画面情報は、機器管理者が変更可能(カスタマイズ可能)なUI部品を有する。図10に示す通り、機器管理者の画面情報は、図8に示す操作画面情報の「変更権限=機器管理者」が設定されているUI部品の属性情報、及びUI部品のみから構成される。
【0058】
図11は、文書管理者の画面情報の一例を示す図である。図11に示す画面情報は、ログインユーザが文書管理者の場合に、情報処理装置1がMFP5から取得する画面情報である。図11に示す画面情報は、文書管理者が変更可能(カスタマイズ可能)なUI部品を有する。図11に示す通り、文書管理者の画面情報は、図8に示す操作画面情報の「変更権限=文書管理者」が設定されているUI部品の属性情報、及びUI部品のみから構成される。
【0059】
図9〜11に示すように、情報処理装置1の操作者は、それぞれがカスタマイズ可能な部分のみをカスタマイズすることができる。また、操作者は、カスタマイズする際、カスタマイズ権限を気にする必要がない。
【0060】
図12は、操作画面管理情報の一例を説明する図である。操作画面管理情報は、図12に示すように、ユーザ毎に、操作画面情報のファイル名やMailアドレス、Fax番号などを関連付けておく。この操作画面情報は、マージ手段511により生成された操作画面情報である。マージ手段511は、カスタマイズされた操作画面情報を生成した場合、ファイル名を付与し、図12に示す操作画面管理情報にファイル名を記憶する。操作画面管理情報には、カスタマイズをしたユーザの操作画面情報のファイル名が管理される。
【0061】
<動作>
次に、実施例1におけるMFP5の動作について説明する。図13は、画面情報生成処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すステップS101で、受信手段503は、操作画面情報の取得要求と、情報処理装置1にログインしているユーザのユーザ情報を情報処理装置1から受信する。
【0062】
ステップS102で、生成手段507は、判断手段505により判断された、ユーザ情報が示すユーザが変更可能なUI部品を抽出し、このユーザ用の画面情報を生成する(図9〜11参照)。
【0063】
ステップS103で、送信手段509は、生成手段507が生成した画面情報を情報処理装置1に送信する。
【0064】
これにより、MFP5側でログインユーザの権限を判断し、ログインユーザがカスタマイズできるUI部品を抽出することができる。
【0065】
図14は、カスタマイズ結果の反映処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すステップS201で、受信手段503は、情報処理装置1からカスタマイズされた画面情報を受信する。この際、受信手段503は、ユーザ情報も合わせて受信する。
【0066】
ステップS202で、マージ手段511は、受信手段503が受信した画面情報と、記憶手段501が記憶しているデフォルトの操作画面情報とをマージし、新しい操作画面情報を生成する。この際、新しい操作画面情報には、固有のファイル名が付与される。
【0067】
ステップS203で、マージ手段511は、生成した新しい操作画面情報を記憶手段501に保存する。記憶手段501には、このユーザ用の記憶エリアに新しい操作画面情報が保存される。再度、このユーザが操作画面情報のカスタマイズを要求した場合は、このユーザ用の記憶エリアの操作画面情報が読み出され、カスタマイズ後の画面情報は、このユーザ用の記憶エリアの操作画面情報とマージされる。
【0068】
これにより、MFP5は、ユーザ毎に操作画面情報を管理することができる。また、MFP5は、UI部品の全てにおいてマージする必要がなくなる。
【0069】
以上、実施例1によれば、MFPの操作画面のカスタマイズを情報処理装置側で行う際、情報処理装置側では権限判断を行わなくてもよい。また、実施例1におけるMFPは、権限判断を行うための権限情報を送信しなくてもよいので、セキュリティ上、他人の権限情報が盗まれることがなくなる。また、実施例1におけるMFPは、管理するユーザが増えた場合、権限判断を行うための情報が膨大になり、この膨大な情報を情報処理装置に送信する必要がなくなる。
【0070】
[実施例2]
次に、実施例2におけるカスタマイズシステムについて説明する。実施例2におけるカスタマイズシステムでは、MFPは、情報処理装置のログインユーザに対し権限がないUI部品をダミー情報として画面情報を生成する。実施例1では、カスタマイズできるUI部品のみが表示されるため、カスタマイズできるUI部品が少ないと、表示される操作画面内のスペースが多くなり、見栄えがよくない場合がある。そこで、実施例2では、カスタマイズできないUI部品をダミーとして表示するなどして、操作画面の見栄えや操作性などを向上させる。
【0071】
なお、実施例2におけるMFPや情報処理装置のハードウェアは、実施例1と同様であり、図2や図3に示すハードウェア構成を有する。
【0072】
<機能>
次に、実施例2におけるMFP5の機能について説明する。図15は、実施例2におけるMFP5の機能の一例を示すブロック図である。図15に示す機能において、図4に示す機能と同様のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図15に示す機能において、実施例1と異なる機能は、生成手段601、マージ手段605である。
【0074】
生成手段601は、判断手段505によりカスタマイズ可能と判断されたUI部品から画面情報を生成するのは実施例1と同様である。生成手段601は、ダミー付与手段603を有し、カスタマイズ不可と判断されたUI部品に対しての扱いが実施例1と異なる。
【0075】
ダミー付与手段603は、判断手段505によりカスタマイズ不可と判断されたUI部品の表示名を「ダミーボタン」に変更する。なお、カスタマイズ不可と判断されたUI部品とは、そのUI部品の属性情報全てにおいて権限がなかったUI部品を示す。ダミー付与手段603は、表示名が「ダミーボタン」に変更されたUI部品(以下、ダミー情報ともいう)を画面情報に含める。
【0076】
ダミー付与手段603は、UI部品の属性情報の中にカスタマイズ不可のものがあれば、属性情報に「Dummy」を示す「状態」を追加設定する。ダミー付与手段603は、「状態」が「Dummy」に設定された属性情報(以下、ダミー属性情報ともいう)を含むUI部品を画面情報に含める。
【0077】
送信手段509は、ダミー情報及び/又はダミー属性情報を含む画面情報を情報処理装置1に送信する。
【0078】
マージ手段605は、受信手段503により受信されたカスタマイズされた画面情報を取得する。このとき、マージ手段605は、ダミー情報、ダミー属性以外の部分については、実施例1と同様である。マージ手段605は、ダミー削除手段607、エラー通知手段609を有する。
【0079】
ダミー削除手段607は、カスタマイズされた画面情報にダミー情報及び/又はダミー属性情報が含まれる場合、このダミー情報及び/又はダミー属性情報を削除する。これにより、ダミー情報やダミー属性情報が変更されたとしても、ダミー削除手段607により削除することで、カスタマイズ不可のUI部品や属性がカスタマイズされることを防止することができる。
【0080】
エラー通知手段609は、ダミー情報、又はダミー属性情報がカスタマイズされていた場合、情報処理装置1に対し、送信手段509を介してエラーを通知する。このとき、どのUI部品のどの属性情報がエラーであったかを明記したエラーが、情報処理装置1に通知される。
【0081】
<具体例>
次に、ダミー情報やダミー属性情報を含む画面情報、その操作画面の例を示す。図16は、ダミー情報を含む画面情報の一例を示す図である。図16に示す画面情報は、ダミー情報を含む機器管理者の画面情報の一例を示す。図16に示すUI部品701、702がダミー情報を示す。図8の操作画面情報によれば、機器管理者は、UI部品「トレイ紙サイズ情報」及び「部数入力」は全ての属性情報についてカスタマイズできない。また、図10に示す機器管理者の画面情報に対し、図16に示す機器管理者の画面情報には、ダミー情報701、702が付与されている。
【0082】
なお、ダミー情報701は、「トレイ紙サイズ情報」のダミーであり、ダミー情報702は、「部数入力」のダミーである。ダミー情報は、表示名以外は、もとの属性情報と同じである。これにより、機器管理者がカスタマイズできないUI部品のボタンと同じ位置、同じサイズのダミーボタンが、操作画面に表示されることになる。
【0083】
図17は、ダミー属性情報を含む画面情報の一例を示す図である。図17に示す画面情報は、ダミー属性情報を含むAさんの画面情報の一例を示す。図17に示す画面情報は、UI部品「トレイ紙サイズ情報」の属性情報「サイズ」の中に「Dummy」が追加されている。これは、Aさんは、UI部品「トレイ紙サイズ情報」の属性情報「色」はカスタマイズできるが、「サイズ」はカスタマイズできないことを示す。これにより、情報処理装置1側で、属性情報が「Dummy」の部分の表示の仕方を半輝度にしたり、点線にしたりして、カスタマイズできる部分と区別できるように表示することができる。
【0084】
図18は、操作画面(その1)の一例を示す図である。図18に示す操作画面は、図16に示す画面情報を表示した場合の画面である。ダミーボタンは、元のトレイ紙サイズ情報や部数入力ボタンと同じ位置、同じサイズで表示される。これにより、ユーザ(機器管理者)は、操作画面のUI部品のレイアウトを知ることができ、カスタマイズできるUI部品のサイズ変更の限界や位置の移動の限界が容易に把握しやすくなる。ダミーボタンが表示されない場合、本来表示されるUI部品と重複する位置に、カスタマイズ可能なUI部品を移動してしまうこともある。
【0085】
図19は、操作画面(その2)の一例を示す図である。図19に示す操作画面は、図17に示す画面情報を表示した場合の画面である。点線で囲われた「トレイ紙サイズ情報」のボタンについて、Aさんはサイズ変更できないので、点線で表示されている。このとき、表示制御手段107は、UI部品の属性情報「サイズ」に「Dummy」が含まれる場合、そのボタンが点線で表示されるよう制御する。また、表示制御手段107は、点線でボタンを表示する以外にも半輝度にするなどして、その他のカスタマイズ可能なUI部品とは区別する。
【0086】
なお、生成手段601は、ダミー情報及び/又はダミー属性情報を付与する以外にも、カスタマイズ可能なUI部品の移動範囲やサイズ変更の最大値、最小値などをUI部品のオプションデータとして付与してもよい。
【0087】
これにより、情報処理装置1は、ダミー情報がなくても、移動範囲やサイズ変更の範囲を把握することができる。
【0088】
<動作>
次に、実施例2における画像形成装置5の動作について説明する。図20は、実施例2における画像形成装置の処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すステップS301で、受信手段503は、情報処理装置1から、ユーザ情報と操作画面の操作画面情報の取得要求を受信したかを判断する。受信手段503がこれらを受信した場合(S301−YES)、ステップS302に進み、受信していない場合(S301−NO)、ステップS301に戻る。
【0089】
ステップS302で、生成手段601は、カスタマイズ不可のUI部品をダミー情報としたり、カスタマイズ不可のUI部品の属性情報をダミー属性情報としたりして、画面情報を生成する(図16、17参照)。
【0090】
ステップS303で、送信手段509は、生成手段601が生成した画面情報を情報処理装置1に送信する。
【0091】
ステップS304で、受信手段503は、カスタマイズ結果(カスタマイズ済みの画面情報)を情報処理装置1から受信したかを判断する。受信手段503がカスタマイズ結果を受信した場合(ステップS304−YES)、ステップS305に進み、受信していない場合(ステップS304−NO)、ステップS304に戻る。
【0092】
ステップS305で、マージ手段605は、ダミー情報やダミー属性情報が変更されたかを判定する。マージ手段605は、もとの情報と照合することで、ダミー情報及び/又はダミー属性情報が変更されたことを判定できる。マージ手段605は変更されたと判定した場合(ステップS305−YES)、ステップS306に進み、変更されなかったと判定した場合(ステップS305−NO)、ステップS307に進む。
【0093】
ステップS306で、エラー通知手段609は、ダミー情報及び/又はダミー属性情報は変更できないことを示すエラーを、送信手段503を介して情報処理装置1に通知する。
【0094】
ステップS307で、マージ手段605は、ダミー情報及びダミー属性情報を削除した後、カスタマイズされたUI部品を、元の操作画面情報とマージして新たな操作画面情報を生成する。新たに生成された操作画面情報は、記憶手段501内の、情報処理装置1のログインユーザの記憶エリアに記憶される(上書きされる)。
【0095】
以上、実施例2によれば、カスタマイズできないUI部品をダミーとして表示するなどして、操作画面の見栄えや操作性を向上させることができる。また、実施例2によれば、カスタマイズ不可のUI部品をダミーとして表示することで、カスタマイズ可能なUI部品の移動範囲や拡大範囲などをユーザに把握させることができる。
【0096】
なお、上記各実施例では、操作画面情報は1つの場合について説明したが、MFP5は、アプリ毎にカスタマイズ可能な操作画面を保持してもよく、この場合、操作画面にはIDを付すなどして区別できるようにすればよい。
【0097】
なお、本実施例のカスタマイズシステム10は、各実施例で前述した画像形成装置と、この画像形成装置が生成した画面情報を表示制御してカスタマイズ(編集)を可能にする、情報処理装置により実行可能なカスタマイズツールプログラムとを備える構成としてもよい。
【0098】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせて情報処理装置を構成することも可能である。
【0099】
なお、実施例において説明した処理内容をプログラムとし、このプログラムをコンピュータに実行させて前述した処理を情報処理装置に実行させることも可能である。また、このプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムが記録された記録媒体をコンピュータに読み取らせて、前述した処理を情報処理装置に実行させることも可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理装置
5、6 MFP
11、51 制御部
12、52 主記憶部
13、53 補助記憶部
14、54 外部記憶装置I/F部
15、55 ネットワークI/F部
16 入力部
17、57 表示部
56 操作部
58 エンジン部
101 受付手段
103 送信手段
105 受信手段
107 表示制御手段
501 記憶手段
503 受信手段
505 判断手段
507 生成手段
509 送信手段
511 マージ手段
603 ダミー付与手段
607 ダミー削除手段
609 エラー通知手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2007−323234号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して情報処理装置と接続される画像処理装置であって、
編集可能な操作画面の各UI部品に対し、識別情報と権限情報とが設定された操作画面情報を記憶する記憶手段と、
前記情報処理装置から識別情報と、前記操作画面情報の取得要求とを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された識別情報と、前記取得要求された操作画面情報の権限情報とに基づいて、編集可能なUI部品を判断する判断手段と、
前記判断手段により編集可能と判断されたUI部品を含む画面情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により作成された画面情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記判断手段により編集の権限がないと判断されたUI部品を、表示可能なダミー情報として前記画面情報に含める請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記操作画面情報は、前記UI部品の各属性に対して権限情報が設定され、
前記生成手段は、
前記判断手段により編集の権限がないと判断されたUI部品の属性を、表示可能とするダミー属性情報として前記画面属性情報に含める請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、
前記編集可能なUI部品の編集可能な範囲を示す範囲情報を該UI部品に関連付けて前記画面情報に含める請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受信手段により前記情報処理装置から編集された操作画面情報が受信された場合、編集結果を前記記憶手段に記憶される操作画面情報にマージするマージ手段をさらに備える請求項2又は3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記マージ手段は、
前記編集された操作画面情報が前記ダミー情報、又は前記ダミー属性情報を含む場合、前記ダミー情報、又は前記ダミー属性情報を削除してマージする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記マージ手段は、
前記ダミー情報が編集されたことを検知した場合、前記情報処理装置に対し、前記ダミー情報の編集は無効であることを通知する請求項5又は6記載の画像処理装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続される画像処理装置の操作画面の編集を実行する情報処理装置であって、
前記操作画面の操作画面情報の取得要求と、識別情報とを画像処理装置に送信する送信手段と、
前記画像処理装置から、前記識別情報に基づいて編集可能と判断されたUI部品を含む操作画面情報を受信する受信手段と、
受信された操作画面情報を表示制御する表示制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、
前記操作画面情報にダミー情報としてのUI部品が含まれる場合、該UI部品をダミーとして表示制御する請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
編集可能な操作画面の各UI部品に対し、識別情報と権限情報とが設定された操作画面情報を記憶する記憶手段を備え、ネットワークを介して情報処理装置に接続される画像処理装置に、
前記情報処理装置から権限情報と、前記操作画面情報の取得要求とを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された権限情報と、前記取得要求された操作画面情報の権限情報とに基づいて、編集可能なUI部品を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより編集可能と判断されたUI部品を含む画面情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより作成された画面情報を前記情報処理装置に送信する送信ステップと、
を実行させるための編集プログラム。
【請求項11】
請求項1乃至7いずれか一項に記載の画像処理装置と、前記画像処理装置が生成した操作画面の画面情報を表示制御する、コンピュータにより実行可能な編集ツールプログラムとを備える編集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−40765(P2012−40765A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183945(P2010−183945)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】