説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】フォトブックなどにおいて、表示された1ページや見開きページに対して画像の追加や削除等の編集が行われた際に、編集後に違和感の無い画像を表示できる画像処理を提供する。
【解決手段】配置情報に応じてレイアウトされた画像を表示する画像表示部と、表示画像を編集する編集部と、複数の配置情報を記憶する記憶部と、表示された画像の配置情報および編集作業の情報に応じて、編集後に画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する配置情報選択部と、選択された配置情報に応じて画像をレイアウトする画像レイアウト部とを有することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトブック等における画像の追加や削除等の編集を行うための画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトブック(電子アルバム)は、ユーザがデジタルカメラなどで撮影した複数の画像(画像データ)を、インターネットを経由してサービス提供業者に送信することにより、ユーザが希望するレイアウトの写真集を作成するサービスである。
また、ユーザが、自身が有するパーソナルコンピュータ(PC)等にデジタルカメラ等で撮影した画像を取り込み、PCを操作することによって、任意のフォトブックを作成できるソフトウエアも市販されている。
【0003】
フォトブックを作成する場合、ユーザは、例えば、画像を配置できる位置等(レイアウト)が決定された複数のテンプレートの中から所望のテンプレートを選択し、フォトブックのページ数、各ページに配置する画像、各ページにおける画像の配置等を自由に決定することができる。
【0004】
また、フォトブックでは、任意のページを選択してディスプレイに表示し、表示したページにおける画像の追加や削除などの編集を行うことができる。
一例として、フォトブックにおける画像の削除は、以下のようにして行われる。
【0005】
例えば、編集を指示されたページが、図8(A)に示すような、上に大きな横長画像が1つ、その下に、小さな横長画像が横に2つ配列されたページで、右下の1画像が削除される。これに応じて、図8(B)に示すように、ディスプレイの所定領域(図示例では左側)に、このフォトブック(そのシステム)が有している2つの横長画像に対応するテンプレート(テンプレートの候補)が表示される。
次いで、図8(C)に示すように、ユーザによってテンプレートが選択されて(破線の枠)、さらに、テンプレートの適用指示が行われる。これに応じて、図8(D)に示されるように、選択されたテンプレートに、削除されなかった2つの画像がレイアウトされ、編集後のページが表示される。
【0006】
すなわち、従来のフォトブックでは、各ページに配置した画像の追加や削除等の編集を行う場合には、ユーザは、画像の追加・削除の指示のみならず、テンプレートの選択や適用等の指示を行う必要が有る。
これに対して、フォトブックにおける画像の編集において、ユーザの処理の軽減する提案が、各種、行われている。
【0007】
例えば、特許文献1には、フォトブック(電子アルバム)の編集装置において、編集されているページ上における画像数を検出して、検出した画像数に応じたテンプレート(レイアウトデータ)を選択し、選択したテンプレートに応じて、フォトブックのページ上に画像を再配置する編集装置が記載されている。
特許文献1では、この編集装置によれば、ユーザによる画像データのテンプレート選択を不要とし、自動的に、最適なテンプレートで画像をフォトブックのページ上に配置できるとしている。
【0008】
また、特許文献2には、レイアウト枠として、メイン画像を割り当てるメインレイアウト枠と、サブ画像を割り当てるサブレイアウト枠とを有するテンプレートを用いて画像をレイアウトすると共に、サブレイアウト枠とサブ画像との数を比較して、数が一致しない場合には、空白のサブレイアウト枠を削除し、もしくは、他のページのテンプレートにサブレイアウト枠を追加する、フォトブックの作成装置が記載されている。
特許文献2においては、これにより、メイン画像の印象を残して、見栄えのよいフォトブックを作成(編集)することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−74592号公報
【特許文献2】特開2007−49518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらの特許文献に示される装置によれば、ユーザは、フォトブックの任意のページに対して、テンプレートの選択等を行うことなく、画像の追加や削除を行うことができる。
【0011】
しかしながら、このような従来のフォトブック等における編集では、基本的に、画像の増減数や縦横のみに対応して、フォトブックで使用可能なテンプレートを記憶するデータベースから、編集を行った後のテンプレートを選択する。例えば、図9に示すように、図中左側に示すページから破線で囲んだ画像を削除すると、従来のフォトブックでは、右側に示すように、残りの画像の縦長/横長および画像数のみに応じて、適当なテンプレートを選択して、画像を配置する。
そのため、編集前と編集後とにおいて、編集されたページの印象が大きく違ってしまい、編集後のページを観察したユーザが、強い違和感を感じてしまう場合が多い。
【0012】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、フォトブックの任意のページや見開きページ等において、画像の追加や削除等の編集を行う際に、ユーザによるテンプレートなどの選択の手間を無くし、かつ、編集後にユーザが感じる違和感も大幅に軽減することができる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、配置情報に応じてレイアウトされた画像を編集する画像処理装置であって、配置情報に応じてレイアウトされた画像を表示する画像表示部と、前記画像表示部に表示された画像の編集を行う編集部と、複数の配置情報を記憶する記憶部と、前記画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集部による編集作業の情報を用いて、前記記憶部から、編集後に画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する配置情報選択部と、前記編集部による編集作業に応じて、前記配置情報選択部が選択した配置情報を用いて画像をレイアウトする画像レイアウト部とを有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0014】
このような本発明の画像処理装置において、前記編集部は、編集機能として、画像の追加機能および削除機能の少なくとも一方を有し、前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、画像の追加もしくは削除の情報を用いるのが好ましい。また、前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、さらに、前記追加もしくは削除された画像が縦長画像か横長画像かの情報を用いるのが好ましい。
また、前記編集部は、画像の編集機能として、画像の回転機能を有し、前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、画像の回転の情報を用いるのが好ましい。
【0015】
また、前記記憶部に記憶される配置情報の少なくとも一部が、本の見開きに対応するものであるのが好ましい。
また、前記配置情報選択部は、前記画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集部による編集作業の情報をパラメータとする参照テーブルを用いて、前記記憶部から編集後の画像のレイアウトに用いる配置情報を選択するのが好ましい。
また、前記記憶部に記憶される配置情報が、複数のカテゴリに分類されているのが好ましい。また、前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記配置情報のカテゴリの情報も用いるのが好ましい。
また、前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記画像表示部が表示する画面において、前後に順番付けされる画面が使用している配置情報の情報も用いるのが好ましい。
また、前記画像の得点付けを行い、前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記画像の得点の情報も用い、かつ、前記画像レイアウト部は、前記画像の得点を考慮して画像のレイアウトを行うのが好ましい。
また、フォトブックの画像を編集するのが好ましい。
さらに、前記配置情報が、テンプレートであるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の画像処理方法は、配置情報に応じてレイアウトされた画像を編集する画像処理方法であって、配置情報に応じてレイアウトされた画像を画像表示部に表示する表示ステップと、前記画像表示部に表示された画像の編集指示から、この編集の情報である編集情報を取得する編集情報取得ステップと、前記表示ステップにおいて画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集情報取得ステップで取得した編集情報に応じて、予め記憶部に記憶された複数の配置情報から、編集後の画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する選択ステップと、前記編集指示に応じて画像を編集し、前記選択ステップで選択した配置情報を用いて画像をレイアウトして、前記画像表示に表示する再表示ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0017】
このような本発明の画像処理方法において、前記画像の編集が、画像の追加もしくは削除であり、前記選択ステップでは、前記編集情報として、画像の追加情報もしくは画像の削除情報を用いるのが好ましい。また、前記選択ステップでは、前記編集情報として、さらに追加もしくは削除された画像が縦長画像か横長画像かの情報を用いるのが好ましい。
また、前記画像の編集が、画像の回転であり、前記選択ステップでは、前記編集情報として、画像の回転情報を用いるのが好ましい。
さらに、前記配置情報が、テンプレートであるのが好ましい。
【0018】
さらに、本発明のプログラムは、前記本発明の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるための画像処理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
上記構成を有する本発明によれば、フォトブックで任意に選択したページ等において、画像の追加や削除などの編集を行う際に、編集前に使用していたテンプレートの情報などの編集前に使用していた配置情報と、画像の追加/削除などの編集作業の情報とを用いて、編集後の画像に使用する配置情報を選択し、この配置情報に応じて画像をレイアウトする。
従って、本発明によれば、ユーザによるテンプレート選択等の操作を不要にして、かつ、編集前のテンプレート等の編集前の配置情報に近い配置情報を用いて編集後のページ等を作成することができる。そのため、本発明によれば、簡易な操作でのフォトブックのページ等の編集を可能にし、かつ、編集前後で受けるユーザの違和感も大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の画像処理装置の一例を概念的に示すブロック図である。
【図2】(A)〜(C)は、図1に示す画像処理装置の作用を説明するための概念図である。
【図3】(A)および(B)は、図1に示す画像処理装置で用いられるテンプレートの一例を概念的に示す図である。
【図4】図1に示す画像処理装置で用いられるLUTの一例を説明するための概念図である。
【図5】(A)および(B)は、図1に示す画像処理装置の作用の別の例を説明するための概念図である。
【図6】(A)〜(C)は、図1に示す画像処理装置の作用の別の例を説明するための概念図である。
【図7】(A)〜(C)は、図1に示す画像処理装置の作用の別の例を説明するための概念図である。
【図8】(A)〜(D)は、従来のフォトブックにおける画像削除を説明するための概念図である。
【図9】従来のフォトブックにおける画像削除を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面に示す好適実施例を基に、本発明の画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラムについて、詳細に説明する。
【0022】
図1に、本発明の画像処理方法を実施する本発明の画像処理装置の一例をブロック図で概念的に示す。
なお、以下の例は、本発明を、いわゆるフォトブック(電子アルバム)に利用した例であるが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、本発明は、デジタルフォトフレームなど、画像データの処理によって、テンプレート等の画像の配置位置を示す配置情報を用いて画像を配置して表示する、各種の装置に利用可能である。
【0023】
画像処理装置10は、フォトブックの任意のページ(見開きページ)における画像の追加および削除、画像の回転等の編集を行う装置である。
図示例において、画像処理装置10は、基本的に、操作部12と、画像表示部14と、テンプレート記憶部16と、ルックアップテーブル(LUT)18と、テンプレート選択部20と、画像編集部24とを有して構成される。
また、図示は省略するが、画像処理装置10は、各種の記憶媒体や有線/無線のネットワーク等を介して画像を取得する画像取得部、および、画像取得部が取得した画像を記憶する画像記憶部を有している。
【0024】
なお、本発明の画像処理装置10は、図示例の構成に限定はされない。
例えば、本発明の画像処理装置10は、図示した各部位以外にも、例えば、フォトブックのページ数を取得するページ数取得部、フォトブックの各ページ(見開き)におけるテンプレートを選択するテンプレートの手動選択部、フォトブックの各ページに表示する画像を選択する画像選択部など、操作部12による操作(入力指示)に応じて、フォトブックの作成や、後述する画像の追加・削除や回転以外の編集等を行うための、公知のフォトブックが有している各種の部位を有してもよい。
【0025】
このような画像処理装置10は、一例として、コンピュータおよびプログラム(ソフトウエア/アプリケーション)を利用して構成される。すなわち、このプログラムは、本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させる本発明の画像処理プログラムである。
【0026】
操作部12は、マウス、キーボード、タッチパネル、トラックボールなどの操作手段と、画像表示部14による画像表示とを用いるGUI(Graphical User Interface)など、コンピュータで使用されている公知の手段によって、フォトブックの編集等の各種の操作を行うものである。
画像表示部14は、フォトブックの表示や前記GUIによる操作を行うための表示等を行うもので、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの公知のディスプレイ(表示装置)である。
【0027】
テンプレート記憶部16は、画像処理装置10のフォトブックに利用可能なテンプレートを記憶する記憶部であり、例えばハードディスク等を利用して構成される。
本発明において、テンプレートは、画像(写真)を配置可能なレイアウト枠(以下、単に『枠』とも言う)が形成された、フォトブックやフォトフレーム等に利用される公知のテンプレートである。
テンプレート記憶部16には、テンプレートに組み込まれる様々な画像数に対応して、縦長画像用の枠の数、横長画像用の枠の数、枠の位置、枠の大きさ等が互いに異なる、様々なデザインの多数のテンプレートが記憶されている。
なお、図示例においては、フォトブックの見開きページ(後述)や1ページ、フォトフレーム等における画像位置を示す情報である配置情報として、テンプレートを用いているが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、本発明において、配置情報としては、フォトブックの見開きページ等における画像の配置位置を示した、各種の情報が利用可能である。テンプレート以外の配置情報としては、一例として、見開きページ上や1ページ上における座標情報、見開きページ上や1ページ上における座標情報および画像のサイズ情報、レイアウトする画像の数や各画像の縦横比や見開きページ等の縦横比等に応じて定義された画像の位置情報、等が例示される。
【0028】
ここで、図示例においては、娯楽性や商品価値を高める好ましい態様として、画像処理装置10のフォトブックは、書籍を模したものである(両面ページのフォトブック)。
これに対応して、テンプレートは、書籍の見開きページを模した構成を有する。すなわち、図示例のフォトブックにおいて、テンプレートは、書籍を開いた状態での2ページ全域に対応するものである。また、本発明において、テンプレートの枠は、1ページ内に納まるものであっても、見開きページの両ページに跨がるものであってもよい。
【0029】
なお、本発明において、テンプレートは、見開きページを模した構成に限定はされず、個々のページ(1ページ毎)に対応するテンプレートでもよい。また、フォトブックは、両面ページではなく、1ページのみを表示するフォトブックあってもよい。
また、フォトブックが、書籍を模したものであり、かつ、1ページ目および/または最終ページにも画像を配置できるものである場合には、テンプレート記憶部16は、1ページ用のテンプレートも記憶している。
これらの場合であっても、フォトブックの各ページにおける画像の編集は、基本的に、後述する方法と同様に行うことができる。
【0030】
LUT18は、テンプレート選択部20が、編集を行われる見開きページで編集後に使用するテンプレートを選択するために使用する、ルックアップテーブルである。
テンプレート選択部20は、編集される見開きページで用いられているテンプレート、すなわち編集前に使用されているテンプレートの情報、および、操作部12によって行われた編集作業の情報から、LUT18を用いて、編集後に使用するテンプレートを選択するものである。
LUT18およびテンプレート選択部20については、後に詳述する。
【0031】
画像編集部24は、テンプレート選択部20が選択したテンプレートへの画像のレイアウト、画像の削除、画像の拡大・縮小、画像の回転、など、操作部12による編集操作に応じて、見開きページにおける画像の編集を行う部位である。また、画像編集部24は、見開きページにおける画像の編集を行ったら、画像表示部14に表示するための表示用画像を生成する。さらに、画像編集部24は、操作部12による編集作業の情報(画像の編集情報)をテンプレート選択部20に供給する(あるいは、テンプレート選択部20が画像編集部24から編集情報を取得してもよい)。
なお、編集によって画像を追加する場合には、画像は前述の図示しない記憶部もしくは画像取得部から取得する。
これらの処理は、公知の画像処理方法で行えばよい。
【0032】
以下、画像処理装置10におけるフォトブックの編集を説明することにより、LUT18およびテンプレート選択部20、ならびに、本発明の画像処理装置10について、詳細に説明する。
【0033】
操作部12による操作によって、画像表示部14にフォトブックが表示され、編集が指示され、さらに、編集する見開きページが選択される。
一例として、編集されるページとして、図2(A)に示すような見開きページ(図示例では3〜4ページ)が選択されたとする。この見開きページには、左側に両ページに跨がる大きな横長画像が配置され、その右側に、縦に4つ配列された小さな横長画像が配置されている。従って、この見開きページでは、図3(A)に示すような、左側の両ページに跨がる大きな横長画像用の枠と、その右側の縦に4つ配列された小さな横長画像用の枠とを有する、5つの横長画像を配置できるテンプレートが用いられている。
【0034】
例えば、右側の一番上の画像が選択される。これに応じて、画像表示部14には、図2(A)に示すように、「画像入れ替え」、「はずす」、「回転」、および「ズーム・移動」の4つの編集用ボタンが表示される。
また、画像が選択される前から、画面の右側には、この見開きページに画像を追加するための「画像追加」のボタンが表示されている。
【0035】
例えば、操作部12によって、「はずす」、すなわち、選択された画像を削除することが指示される。これに応じて、画像表示部14には、図2(B)に示すような、画像削除の確認画面が表示される。
この状態で、操作部12によって「はい」が選択されると、画像編集部24は、編集される見開きページにおいて、選択された画像を削除する。また、画像編集部24は、テンプレート選択部20に、この編集の情報を供給する。テンプレート選択部20は、供給された編集の情報に応じて、編集される見開きページにおいて、次に使用するテンプレートを、LUT18を用いてテンプレート記憶部16から検索して、読み出し、画像編集部24に供給する。
【0036】
図2に示す例において、編集される見開きページで使用されているテンプレート(以下、『編集前のテンプレート』とも言う)は、前述のように、図3(A)に示すテンプレートであり、編集では、5つの横長画像から1つが削除される。従って、編集後の見開きページで使用するテンプレート(以下、『編集後のテンプレート』とも言う)は、4つの横長画像用の枠を有するテンプレートとなる。
一例として、テンプレート記憶部16には、4つの横長画像を配置できるテンプレートとして、図3(B)に示すテンプレートa〜テンプレートeの5つのテンプレートが記憶されていたとする。
【0037】
なお、図3等において、各テンプレートに記される図中上下方向の破線は、見開きページのページ間である。
また、図3(B)には、横長画像用の枠が4つのテンプレートのみを示しているが、4画像のテンプレートに限らず、テンプレート記憶部16には、様々な数の横長画像および縦長画像の組み合わせに対応し、かつ、枠の配置や枠のサイズ等が異なる、多数種のテンプレートが記憶されているのは、前述のとおりである。
【0038】
テンプレート選択部20は、図3(B)に示すテンプレートa〜テンプレートeの5つのテンプレートから、編集後のテンプレートを選択する。
前述のように、編集前のテンプレートは、左側に両ページに跨がる大きな横長画像用の枠を、その右側に縦に配列された4つの小さな横長画像用の枠を有する、5つの横長画像が配置できるテンプレートである。
【0039】
そのため、編集後のテンプレートとして、大きな横長画像用の枠は有するが、この枠が左ページのみに納まっているテンプレートb、同サイズの4つの横長画像用の枠が両ページに均等に配置されたテンプレートc、大きな横長画像用の枠と小さな横長画像用の枠との位置が、左右逆になっているテンプレートdおよびテンプレートeを用いると、編集前後で見開きページのレイアウトが大きく異なってしまう。そのため、編集後の見開きページを見たユーザが、違和感を持ってしまう可能性が高い。
従って、この場合には、編集前のテンプレートと同様、左側に両ページに跨がる大きな横長画像用の枠を、その右側に縦に配列された3つの小さな横長画像用の枠を、それぞれ有する、図3(A)に示すテンプレートに近い構成(レイアウト)を有する、テンプレートaを編集後のテンプレートとして用いるのが好ましい。すなわち、編集後のテンプレートは、編集前のテンプレートと似ているテンプレートを選択するのが好ましい。
【0040】
逆もまた、同様である。すなわち、テンプレートb〜eのいずれか用いている見開きページが編集されて、横長画像が1つ追加された際に、編集後に、図3(A)に示すような、左側に両ページに跨がる大きな横長画像用の枠と、その右側に縦に配列された4つの小さな横長画像用の枠とを有するテンプレートが使用されたら、やはり、編集後の見開きページを見たユーザは、違和感を持つ可能性が高い。
例えば、4つの同サイズの横長画像用の枠が両ページに均等に配置されたテンプレートcを用いた見開きページが編集されて、横長画像が1つ追加された場合には、編集後のテンプレートとして、両ページを跨ぐ横長画像用の枠や、他の画像に比して極端にサイズの大きな横長画像用の枠を有するテンプレートを用いると、編集後の見開きページを見たユーザが、違和感を持ってしまう可能性が高い。
従って、テンプレートcを用いた見開きページに横長画像が1つ追加された場合には、編集後の見開きページには、図3(B)に示すテンプレートfのような、画像数に応じて、左右のページに、均等に横長画像用の枠が配列され、かつ、各ページの枠が同サイズである、テンプレートcに近い構成を有するテンプレートを用いるのが好ましい。
【0041】
前述のように、テンプレート選択部20は、操作部12によって、編集する見開きページが選択され、編集(画像追加もしくは選択画像の削除)が行われ、さらに、図2(B)に示す画面での確認が行われると、編集前のテンプレートの情報と、画像編集部24から供給された操作部12で行われた編集作業の情報とから、LUT18を用いて、編集後のテンプレートを選択する。
編集作業の情報とは、編集が画像の追加なのか削除なのかの情報、および、追加もしくは削除された画像が、縦長画像なのか横長画像なのかの情報である。
【0042】
LUT18は、図4に概念的に示すように、編集前のテンプレートおよび編集作業の情報と、編集後のテンプレート名との関係が示されるLUTである。なお、編集作業の情報とは、具体的には、編集が画像の追加か削除かの情報、および、追加/削除された画像が縦長画像(縦)か横長画像(横)かの情報である。すなわち、LUT18は、編集前のテンプレートおよび編集作業の情報をパラメータとして、編集後のテンプレートを選択するためのLUTである。LUT18には、テンプレート記憶部16が記憶している全てのテンプレートに対応して、この関係が記述されている。
なお、図示例において、LUT18は、1画像の追加および削除に対応するものであるが、本発明は、これに限定はされず、複数画像の追加および削除に対応して、編集後のテンプレート選択できるものであってもよい。
【0043】
ここで、このLUT18は、編集前のテンプレート、編集作業の情報とに応じて、編集後のテンプレートとして、編集前のテンプレートに近い構成のテンプレートが選択される構成を有する。
例えば、LUT18は、編集前のテンプレートが前述の図3(A)に示すテンプレートで、画像の削除が行われた場合には、編集後のテンプレートとしてテンプレートaが選択されるように、構成される。逆に、編集前のテンプレートがテンプレートaで、横長画像の追加が行われた場合には、編集後のテンプレートとして図3(A)に示すテンプレートが選択されるように、構成される。
また、LUT18は、編集前のテンプレートがテンプレートfで、画像の削除が行われた場合には、編集後のテンプレートとしてテンプレートcが選択されるように構成され、逆に、編集前のテンプレートがテンプレートcで、横長画像の追加が行われた場合には、編集後のテンプレートとしてテンプレートfが選択されるように構成される。
すなわち、基本的に、LUT18は、後述するテンプレートのカテゴリに応じて、編集後のテンプレートとして、編集前のテンプレートと同じカテゴリのテンプレートが選ばれるように、構成される。
【0044】
テンプレート選択部20は、前述のように、編集前のテンプレートの情報と、操作部12で行われた編集作業の情報とから、LUT18を用いて、編集後のテンプレートを選択したら、テンプレート記憶部16から、選択したテンプレートを読み出し、画像編集部24に供給する。
画像編集部24は、必要に応じて画像の拡大・縮小等を行って、供給されたテンプレートに、削除されなかった画像をレイアウトして(画像を配置(割り付け)して)、表示用の画像を生成し(表示用の画像を合成し)、編集後の見開きページとして、画像表示部14に表示させる。
【0045】
以上のように、本発明によれば、フォトブックの見開きページの編集において、ユーザ(操作者)が行うのは、削除する画像の選択や、選択した画像の追加のみで、編集に伴うテンプレートの選択や、選択したテンプレートへの画像のレイアウトは、画像処理装置10が自動で行う。そのため、ユーザは、最小限の操作でフォトブックの見開きページの編集を行うことができる。
また、本発明においては、編集後の画像の数および画像の縦横ではなく、編集前のテンプレートの情報(配置情報)と、編集作業の情報とから、編集後のテンプレートを選択する。そのため、本発明によれば、編集後のテンプレートとして、編集前のテンプレートに近い構成のテンプレートを選択して、編集後の見開きページを作成できる。従って、編集前後で、見開きページの構成が近いので、編集後の見開きページを見たユーザが違和感を感じることが無く、あるいは、編集後にユーザが感じる違和感を大幅に抑制することができる。
【0046】
なお、本発明において、編集に応じた画像表示部14での表示(画像のレイアウト等)の変更は、各種のタイミングでの変更が利用可能である。
一例として、画像表示部14での表示は、操作部12による画像の追加や削除等の一連の編集操作が終了した後に、変更してもよい。あるいは、画像表示部14での表示は、操作部12によるポインタドラッグなどの編集操作中に、行われた操作(ドラッグ等)に連動して、変更してもよい。
すなわち、画像表示部14での表示は、一連の編集操作が終了した後に変更してもよく、あるいは、個々の操作単位でリアルタイムに変更してもよい。さらに、一連の編集操作が終了した後の表示の変更と、リアルタイムでの表示の変更とを、モード等によって選択できるようにしてもよい。
【0047】
ところで、図示例のように、図示例のフォトブックは、書籍を模したものである。そのため、両ページに跨がる枠を有しているテンプレートを使用する場合には、編集後のテンプレートによっては、図5(A)に示すように、画像の顔がページの間(見開き部分)に配置されてしまう場合が有る。
このような場合には、図5(B)に示すように、顔がページの間にかからず、かつ、選択したテンプレート(もしくは、編集前のテンプレート)に近い構成のテンプレートを、選択し直すようにしてもよい。一例として、LUT18に、さらに、編集後のテンプレートに類似するテンプレートも、1以上、表記しておき、画像解析を行って、顔がページ間にかかってしまう場合には、類似するテンプレートで、かつ、顔かページ間にかからないテンプレートを、自動選択するようにすればよい。
【0048】
以上の例は、編集として、見開きページ(あるいは個々の1ページ)への画像の追加もしくは削除を行うものであるが、本発明は、これに限定はされず、見開きページに表示された画像の回転を行うようにしてもよい。
【0049】
例えば、図6(A)に示すようなテンプレートを用いる見開きページにおいて、最大画像である画像Aを回転する。この際に、編集後のテンプレートとして、単純に、画像Aの位置に縦長画像用の枠が配置されたテンプレートを選択すると、図6(B)に示すように、編集後の見開きページにおける画像レイアウトのバランスが崩れる。その結果、ユーザが、編集後の見開きページに強い違和感を感じてしまう可能性が高い。
【0050】
これに対応して、操作部12が、見開きページの編集として画像の回転機能を有する場合には、LUT18を、編集前のテンプレートの情報と、編集作業の情報としての回転の情報および回転される画像の情報とを用いて、回転後の画像を組み込める枠を有し、かつ、編集前のテンプレートに構成が近いテンプレートを選択できる構成とする。
例えば、図6に示す例であれば、LUT18を、縦長画像用の枠を有し、かつ、編集前のテンプレートに近い、図6(C)に示すようなテンプレートを、編集後のテンプレートとして、選択するような構成とすればよい。あるいは、LUT18を、編集作業の情報として、前記画像の追加・削除に加え、この画像の回転も用いて、編集前に近いテンプレートが選択できるようにしてもよい。
【0051】
以上の例は、テンプレート選択部20が、編集前のテンプレートの情報と、編集作業の情報とに応じて、LUT18を用いて編集後のテンプレートを自動選択したが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、本発明においては、テンプレート選択部20が、LUT18を用いずに、編集前のテンプレートの情報および編集作業の情報を用いて、編集後のテンプレートを自動選択するようにしてもよい。
【0052】
一例として、テンプレートを複数のカテゴリに分類しておき、テンプレート選択部20が、編集前のテンプレートの情報として、編集前のテンプレート自身の情報に加え、このテンプレートのカテゴリの情報を用いて、編集後のテンプレートを自動選択する方法が例示される。
テンプレートのカテゴリとしては、一例として、基本テンプレート、ページ跨ぎテンプレート、強調テンプレート、パノラマテンプレート等が例示される。
【0053】
基本テンプレートとは、極端に大きな枠や小さな枠を有さず、枠の総数、縦長画像用の枠および横長画像用の枠の数に応じて、見開きの両ページに均等に枠を割りつけ、かつ、同じページに配置される枠はサイズが同じテンプレートである。すなわち、図3(B)のテンプレートcやテンプレートfのようなテンプレートである。
ページ跨ぎテンプレートとは、見開きページのページ間(見開き部分)を跨ぐ枠を有するテンプレートである。すなわち、図3(A)に示すテンプレートや、図3(B)のテンプレートaやテンプレートdのようなテンプレートである。
強調テンプレートとは、見開きページのページ間に掛かる枠は有さないが、特定の画像を強調表示するように、他に比して極端に大きな枠を有するテンプレートである。例えば、右ページと左ページとで、枠の数が2以上異なるテンプレート、1ページ内にサイズが異なる枠を有するテンプレートであり、図3(B)のテンプレートbやテンプレートeのようなテンプレートである。
パノラマテンプレートとは、パノラマ写真用の枠を有するテンプレートである。
【0054】
この例においては、テンプレート選択部20は、テンプレートの情報である編集前のテンプレートの自身およびカテゴリの情報、編集作業の情報である画像の追加もしくは削除の情報に応じて、所定のルールに従って、編集後のテンプレートを選択する。
具体的には、ページ跨ぎテンプレート、強調テンプレートおよびパノラマテンプレートにおいて、特徴的な枠の画像が削除された場合のみ、編集前のテンプレート、および、編集で削除された画像の枚数や縦長/横長に応じて、基本テンプレートを選択する。それ以外の場合には、全てのケースで、編集前のテンプレート、および、追加もしくは削除された画像の枚数や縦長/横長等に応じて、同じカテゴリのテンプレートを選択する。
なお、特徴的な枠の画像とは、ページ跨ぎテンプレートでは、ページ間を跨ぐ枠に配置された画像(ページ跨ぎ画像)であり、強調テンプレートでは、最もサイズが大きな枠に配置された画像(強調画像)であり、パノラマテンプレートでは、パノラマ画像である。
【0055】
すなわち、テンプレート選択部20は、編集前のテンプレートの情報と、追加もしくは削除された画像の種類および枚数に応じて、下記表に示すルールに従って、編集後のテンプレートを選択する。
【表1】

【0056】
編集前後で用いられるテンプレートのカテゴリが同じであれば、編集前後における見開きページの基本的なレイアウトは同じである。そのため、編集後のテンプレートとして、編集前のテンプレートと同じカテゴリのテンプレートを選択すれば、編集後の見開きページを見た際に、ユーザが感じる違和感を無くし、あるいは、小さくできる。
また、編集によって、ページ跨ぎ画像、強調画像、パノラマ画像等が削除された場合には、編集前後でのレイアウトが近くても、やはり、見開きページの印象は変わってしまう可能性が高い。そのため、ページ跨ぎ画像や強調画像のような特徴的な画像が削除された場合には、編集後のテンプレートとして、最も一般的すなわち自然な基本テンプレートを用いることで、編集後にユーザが感じる違和感が小さくできる。
【0057】
ここで、編集によって画像が追加される場合には、追加された画像が、顔アップ画像、人物が大きく写っている画像、大人数が写っている画像など、ユーザにとって重要な画像である場合も有る。
ページ跨ぎテンプレートや強調テンプレートが用いられている場合には、重要な画像が追加された場合には、特徴的な枠に追加された画像を配置すればよい。しかしながら、基本テンプレートでは、基本的に、全ての枠が同サイズであるので、重要な画像が追加されても、その画像を編集後の見開きページの主画像として表示できない。
【0058】
そのため、編集される見開きページで使用されているテンプレートが基本テンプレートで、かつ、編集によって画像が追加された場合には、追加された画像に重要度に応じた得点付けを行い、追加された画像の得点に応じて、下記表のように編集後のテンプレートを選択するようにしてもよい。これにより、重要な画像が追加された際に、編集後の見開きページで、この画像を主画像として表示することができる。
【表2】

【0059】
なお、この態様において、画像の得点付けは、各種の画像処理装置やフォトブック等で行われている、公知の方法で行えばよい。また、画像の得点付けは、例えば、テンプレート選択部20や画像編集部24で行えばよい。
一例として、画像中における人物の顔の面積の割合、画像中における人物の面積の割合、写っている人数の1以上を用い、それぞれで割合や人数に応じた得点を設定しておき、画像解析を行って得点を算出、合計して、画像が高得点画像か、中得点画像か、低得点画像かを判定すればよい。
【0060】
さらに、本発明において、テンプレート選択部20による編集後のテンプレートの選択は、LUT18を用いる方法やテンプレートのカテゴリを用いる方法に限定はされず、各種の方法が利用可能である。
例えば、テンプレート選択部20が、編集前のテンプレートと、テンプレート記憶部16が記憶しているテンプレートとを比較し、画像の追加・削除などの編集作業の情報に応じて、編集後に最も差か小さくなるテンプレートを自動選択するようにしてもよい。もしくは、編集後に最も差か小さくなるテンプレートではなく、差が、適宜、設定した閾値を下回るテンプレートを自動選択するようにしてもよい。
【0061】
具体的には、テンプレート選択部20は、まず、編集前のテンプレートおよび編集作業の情報に応じて、テンプレート記憶部16から編集後のテンプレートとして使用可能なテンプレートを抽出する。
次いで、編集前のテンプレートと、抽出したテンプレートとで、枠の総面積、各枠の大きさ、各枠の形状、各枠の位置(座標)、重心位置(最も大きな枠(枠の中心)の位置)、最も大きな枠と最も小さな枠との面積差、等の1以上を比較する。
【0062】
その上で、編集前のテンプレートとの差が最も小さなテンプレート、あるいは、編集前のテンプレートとの差が閾値を下回ったテンプレートを、編集後のテンプレートとして選択する。
なお、閾値を下回ったテンプレートを選択する場合には、一例として、抽出したテンプレートに対して、任意の順番もしくは所定の順番で演算を行い、最初に閾値を下回ったテンプレートを、編集後のテンプレートとして選択すればよい。
【0063】
ところで、以上の例では、編集後のテンプレートの選択は、編集前のテンプレートの情報、および、編集作業の情報を用いて行う。
ここで、前述のページ跨ぎテンプレートや強調テンプレートでは、前述のように、大きな枠や小さな枠を有している。そのため、前述のような重要な画像が、小さな枠に配置されてしまう場合が有る。
例えば、縦長画像用の枠を1つ、横長画像用の枠を4つ有するテンプレートを用いる場合い、縦長画像が最も重要で有る場合に、図7(A)の左側に示すようなテンプレートが選択された場合には、重要な画像を大きな枠(斜線)に配置できる。しかしながら、図7(A)の右側に示すようなテンプレートが選択された場合には、重要な縦長画像が小さな枠(斜線)に配置されてしまう。
【0064】
これを避けるために、本発明においては、編集によって見開きページに画像が追加された場合には、先と同等にして、追加された画像に得点付けを行って、この得点(すなわち画像の重要度)に応じて、高得点の画像を大きな枠に配置できるように、編集後のテンプレートを選択するようにしてもよい。
例えば、図7(B)の左側に示すような、左側の横長画像用の枠と、右側の縦長画像用の枠とその下の横長画像用の枠を有するテンプレートを用いている見開きページに、編集によって横長画像を追加されたとする。
この際に、加された画像の得点が、所定の閾値以上の高得点画像である場合には、図中右上段に示すように、編集後のテンプレートとして、編集前のテンプレートに近い構成を有し、かつ、横長画像用の大きな枠を有するテンプレートを選択し、この大きな枠に、追加された画像を配置する。逆に、追加された画像の得点が、所定の閾値以下の低得点画像である場合には、前述の例と同様に、他の枠と均等の横長画像用の枠を有する、編集前のテンプレートに近い構成のものを編集後のテンプレートとして選択する。
【0065】
あるいは、画像が追加された場合には、元々、編集される見開きページに配置されている画像の得点に応じて、編集後のテンプレートを選択するようにしてもよい。
【0066】
一例として、先の例と同様、編集前のテンプレートとして、図7(C)の左側に示すような、先と同様の左側の横長画像用の枠と、右側の縦長画像用の枠とその下の横長画像用の枠とを有するテンプレートを用いている見開きページに、編集によって横長画像が追加されたとする。
【0067】
この際に、画像h5の得点を基準として、追加された画像が画像h5よりも高得点(重要)である場合には、図7(C)の右上段に示すように、編集前のテンプレートに近い構成で、かつ、横長画像用の大きな枠と、その下の同小さな枠とを有するテンプレートを選択し、この大きな枠に追加された画像(斜線)を、小さな枠に画像h5を、配置する。
追加された横長画像が画像h5と同等の得点である場合には、同中段に示すように、編集前のテンプレートに近い構成で、かつ、同じ大きさで上下に配置された2つの横長画像用の枠を有するテンプレートを選択し、この枠に、追加された画像(斜線)および画像h5を配置する。
さらに、追加された横長画像が画像h5よりも低得点である場合には、同下段に示すように、編集前のテンプレートに近い構成で、かつ、横長画像用の小さな枠と、その下の同大きな枠とを有するテンプレートを選択し、この小さな枠に追加された画像(斜線)を、大きな枠に画像h5を、それぞれ配置する。
【0068】
あるいは、見開ページから画像が削除された場合にも、残った画像の得点に応じて、テンプレートの選択および画像のレイアウトを行ってもよい。
例えば、編集によって画像が削除された場合に、他に比して得点の高い画像が残されている場合には、編集前のテンプレートに近い構成で、かつ、他に比して大きな枠を有するテンプレートを選択して、高得点の画像を大きな枠に配置するようにしてもよい。また、編集によって画像が削除された場合に、残りの画像の得点に差が無い場合には、編集前のテンプレートに近い構成で、かつ、同サイズの枠で構成されたテンプレートを選択して、各画像を配置するようにしてもよい。
【0069】
また、画像処理装置10によって、フォトブックのように、連続する複数のページ(順番付けされた表示画面)を有する画像集の編集を行う場合には、ページ(前および後に順番付けされた表示画面)のテンプレートの情報を用いて、テンプレートの選択を行ってもよい。
すなわち、図示例であれば、同じテンプレートを用いた見開きページが連続すると、フォトブックの娯楽性が低下してしまう可能性が有る。そのため、フォトブックの編集を行う際に、画像を編集される見開きページの前後の見開きページで使用されているテンプレートを確認して、連続する見開きページで、同じテンプレートを使用しないように、テンプレートを選択してもよい。
【0070】
以上、本発明の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
【符号の説明】
【0071】
10 画像処理装置
12 操作部
14 画像表示部
16 テンプレート記憶部
18 LUT
20 テンプレート選択部
24 画像編集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置情報に応じてレイアウトされた画像を編集する画像処理装置であって、
配置情報に応じてレイアウトされた画像を表示する画像表示部と、
前記画像表示部に表示された画像の編集を行う編集部と、
複数の配置情報を記憶する記憶部と、
前記画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集部による編集作業の情報を用いて、前記記憶部から、編集後に画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する配置情報選択部と、
前記編集部による編集作業に応じて、前記配置情報選択部が選択した配置情報を用いて画像をレイアウトする画像レイアウト部とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記編集部は、編集機能として、画像の追加機能および削除機能の少なくとも一方を有し、
前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、画像の追加もしくは削除の情報を用いる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、さらに、前記追加もしくは削除された画像が縦長画像か横長画像かの情報を用いる請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記編集部は、画像の編集機能として、画像の回転機能を有し、
前記配置情報選択部は、前記編集作業の情報として、画像の回転の情報を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶される配置情報の少なくとも一部が、本の見開きに対応するものである請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記配置情報選択部は、前記画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集部による編集作業の情報をパラメータとする参照テーブルを用いて、前記記憶部から編集後の画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶される配置情報が、複数のカテゴリに分類されている請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記配置情報のカテゴリの情報も用いる請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記画像表示部が表示する画面において、前後に順番付けされる画面が使用している配置情報の情報も用いる請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像の得点付けを行い、
前記配置情報選択部は、前記配置情報を選択するための情報として、さらに、前記画像の得点の情報も用い、かつ、前記画像レイアウト部は、前記画像の得点を考慮して画像のレイアウトを行う請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
フォトブックの画像を編集する請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記配置情報が、テンプレートである請求項1〜11のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
配置情報に応じてレイアウトされた画像を編集する画像処理方法であって、
配置情報に応じてレイアウトされた画像を画像表示部に表示する表示ステップと、
前記画像表示部に表示された画像の編集指示から、この編集の情報である編集情報を取得する編集情報取得ステップと、
前記表示ステップにおいて画像表示部に表示された画像の配置情報および前記編集情報取得ステップで取得した編集情報に応じて、予め記憶部に記憶された複数の配置情報から、編集後の画像のレイアウトに用いる配置情報を選択する選択ステップと、
前記編集指示に応じて画像を編集し、前記選択ステップで選択した配置情報を用いて画像をレイアウトして、前記画像表示に表示する再表示ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
前記画像の編集が、画像の追加もしくは削除であり、前記選択ステップでは、前記編集情報として、画像の追加情報もしくは画像の削除情報を用いる請求項13に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記選択ステップでは、前記編集情報として、さらに、追加もしくは削除された画像が縦長画像か横長画像かの情報を用いる請求項14に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記画像の編集が、画像の回転であり、前記選択ステップでは、前記編集情報として、画像の回転情報を用いる請求項13〜15のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記配置情報が、テンプレートである請求項13〜16のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項18】
請求項13〜17のいずれかに記載の画像処理方法の各ステップを手順としてコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−31159(P2013−31159A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134606(P2012−134606)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】