説明

画像処理装置、画像処理方法及び集積回路

【課題】複数の画像について、粗いマッチングの処理及び詳細なマッチング処理を行う場合に並列に処理できる効率の良い画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、p(pは2以上の整数)個のブロック画像と照合するための、複数の簡易パターンと、簡易パターン毎に対応付けられた複数の照合パターンとを記憶し、互いに異なる一のブロック画像が割り当てられ、全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いた第1相関演算を行うp個の第1演算部と、前記ブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2演算部とを備え、各々の簡易パターンについて、前記第1演算部それぞれは、同一のタイミングで取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理において、入力画像と参照画像とのマッチング処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低解像度画像を入力画像として解像度を向上させる技術として、入力画像とデータベース化した画像のパターンマッチング処理を行う技術がある。例えば、非特許文献1では、低解像度の入力画像をN×Mピクセルのブロック単位(N,M共に整数)に分割し、分割された画像が、予め用意された低解像度画像テンプレートと高解像画像テンプレートがセットになったデータベースを用いてどの低解像度テンプレートに一番近いかという処理を実施する。そして、一番近いとされた低解像度テンプレートに対応する高解像度テンプレートを特定し、特定した高解像度テンプレートを用いて解像度を上げる。
【0003】
また、パターンマッチング処理として、粗いマッチング用テンプレートと詳細マッチング用テンプレートの2つを用意しておき、粗いマッチングの処理を行った結果を用いて、詳細なマッチング処理を行うものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−57348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、低解像度画像を入力画像として解像度を向上させる画像処理では、上述したように1つの画像について複数個に分割して処理を行っている。ところが、特許文献1で開示されている技術では、1つの画像についてのパターンマッチング処理を行うものであり、複数の画像を同時に実行するものではないので、分割した画像について逐次処理を行うことになり、並列に処理できるものではない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて、複数の画像について、粗いマッチングの処理及び詳細なマッチング処理を行う場合に並列に処理できる効率の良い画像処理装置、方法及び集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、一の画像を分割して得られるp(pは2以上の整数)個のブロック画像それぞれを処理する画像処理装置であって、前記各ブロック画像と照合するための複数の照合パターンを記憶する照合パターン記憶手段と、前記複数の照合パターンについて、当該照合パターンよりもデータ量が少ない簡易パターンを当該照合パターンと対応付けて記憶する簡易パターン記憶手段と、互いに異なるブロック画像が割り当てられ、前記簡易パターン記憶手段で記憶されている全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いて第1相関演算を行うq個(qは2以上p以下の整数)の第1処理手段と、前記第1処理手段で処理がなされたブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2処理手段とを備え、前記簡易パターン記憶手段から順次出力される各々の簡易パターンについて、前記第1処理手段それぞれは、同一のタイミングで取得して、割り当てられたブロック画像との第1相関演算を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によると、画像処理装置は、q個の第1処理手段は、各々の簡易パターンを同一のタイミングで取得して処理を行うので、簡易パターンが取得される際には各第1処理手段の簡易パターン記憶手段に対するアクセスの調停が不要となり、効率よく処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像処理装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】N×Nピクセルのブロック画像が画像格納部22aに格納される一例を示す。
【図3】N×Nビットの粗データがデータベース11に格納される一例を示す。
【図4】演算部31aの構成を示すブロック図である。
【図5】N×Nビットのデータについて、左右反転、上下反転、90度回転、画素値反転された結果の一例を示す図である。
【図6】N×N×Lビットの照合データがデータベース12に格納される一例を示す。
【図7】演算部15の構成を示すブロック図である。
【図8】画像処理装置1の処理概要を示す流れ図である。
【図9】粗マッチング処理の動作を示す流れ図である。
【図10】詳細マッチング処理の動作を示す流れ図である。
【図11】画像処理装置1000の構成を示すブロック図である。
【図12】演算部1031aの構成を示すブロック図である。
【図13】画像サイズがN×Nであるブロック画像及び照合画像を説明する図である。
【図14】演算部1015の構成を示すブロック図である。
【図15】粗マッチング処理の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施の形態1
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
1.1 構成
本発明の実施の形態1における画像処理装置1は、入力された画像を複数のブロック画像に分割し、各ブロック画像について、精度の低いマッチング処理を施して、処理結果に応じて精度の高いマッチング処理を施すことで低解像度の入力画像と一致するサンプル画像を特定するものである。入力画像と一致するサンプル画像(低解像度のもの)を特定することで、特定したサンプル画像に対応する高解像度の画像が得られる。
【0011】
画像処理装置1は、図1に示すように、データベース11、12、分割処理部13、並列処理部14及び演算部15から構成されている。
(1)分割処理部13
分割処理部13は、入力画像を複数のブロック画像に分割するものであり、図1に示すように、フィルタ21及び画像格納部22a〜22jを有している。
【0012】
フィルタ21は、画像サイズがP×N×Nピクセルである入力画像に対して周波数変換を行い、そして画像サイズがN×Nピクセルからなるブロック画像に分割する。なお、Pは2以上の整数(ここでは、P=10とする。)であり、Nは自然数である。また、1ピクセルはLビットから構成されているものとする。
フィルタ21は、分割した10個のブロック画像それぞれ、互いに異なる画像格納部へ格納する。
【0013】
画像格納部22a〜22jそれぞれは、互いに異なるブロック画像を格納するための領域である。図2は、N×Nピクセルのブロック画像が格納される一例を示すものである。
(2)データベース11
データベース11は、精度の低いマッチング処理(粗マッチング処理)が行われる際に用いられるM個の粗データ(簡易パターン)を記憶している。ここで、Mは2以上の整数である。
【0014】
図3に、M個の粗データが、データベース11に格納される一例を示す。粗データは、N×Nビットのビット長からなるデータであり、各粗データには、一意に識別するためのIDが割り当てられている。
(3)並列処理部14
並列処理部14は、各ブロック画像について、粗データを用いた粗マッチング処理を行うものであり、図1に示すように、P個(ここでは、10個)の演算部31a〜31jと、P個(ここでは、10個)の結果格納部32a〜32jを有している。
【0015】
(3−1)演算部31a〜31j
演算部31a〜31jそれぞれは、粗データを用いた相関演算を行うプロセッサである。演算部31a〜31jそれぞれは、同じ構成要素であるので、ここでは、演算部31aについて説明する。
演算部31aは、図4に示すように、位置変換部101、相関演算部102及びアクセス制御部103を有している。
【0016】
位置変換部101は、画像格納部22aからブロック画像を読み込むと、読み込んだブロック画像に対してビットの格納位置を変える処理を行う。具体的には、位置変換部101は、読み込んだN×Nピクセルのブロック画像について、各ピクセルの先頭ビットを抽出し、抽出した各ビットを結合して、N×Nビットのデータを生成する。位置変換部101は、生成したN×Nビットのデータについて、例えば、図5に示すように、左右反転、上下反転、90度回転、画素値反転を実施する。本例では、1つのデータから16パターンのデータが生成される。なお、図7に示す位置変換は、一例であり、任意の回転処理にて作成したアフィン変換等の処理を有したものであってもよい。
【0017】
アクセス制御部103は、粗データを読み出すための制御信号をデータバス16を介してデータベース11へ出力する。ここで、制御信号には、アクセスの許可を求める情報と、読み出す粗データのアドレスとが含まれる。そして、データベース11でアクセスが許可されると、データベース11からアクセス対象の粗データがデータバス16に出力され、アクセス制御部103は、データバス16に出力された粗データを取得する。このとき、制御信号は演算部31aのアクセス制御部103のみとする。他の演算部31b〜31jのアクセス制御部は、制御信号を出すことなく、データベース11からデータバス16に出力された粗データを読み込む。これにより、演算部31a〜31jそれぞれは、同一のタイミングで、同一の粗データを、データバス16を介してデータベース11から順次読み出すことができる。
【0018】
相関演算部102は、アクセス制御部103で読み出された粗データを用いて、位置変換部101で位置変換されたブロック画像それぞれについて、粗マッチング処理として相関演算を行う。全ての粗データとの相関処理が行われると、相関演算部102は、相関演算の結果において、相関関係が最も高い、粗データの識別子と位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像との組を結果格納部32aへ格納する。ここで、相関演算部102が用いる相関演算は、例えば、SAD(Sum of Absolute Differences:絶対誤差合計)演算法である。このSAD演算法は、既知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
【0019】
(3−2)結果格納部32a〜32j
結果格納部32a〜32jそれぞれは、対応する演算部から出力された相関演算の結果を格納するための領域である。
(4)データベース12
データベース12は、精度の高いマッチング処理(詳細マッチング処理)が行われる際に用いられるQ個の照合データ(照合パターン)を記憶している。ここで、Qは粗データの個数であるM以上の整数である。
【0020】
図6に、Q個の照合データが、データベース12に格納される一例を示す。照合データは、N×N×Lビットのビット長からなる、つまりN×Nピクセルからなるデータである。粗データと照合データとは、照合データを構成するN×N個のピクセルそれぞれの先頭ビットからなるデータと粗データとが一致する関係を有している。各照合データには、当該関係を有する粗データのIDが割り当てられている。これにより、1つの粗データに対して1つ以上の照合データが対応付けられることとなる。
【0021】
(5)演算部15
演算部15は、各ブロック画像について、照合データを用いた詳細マッチング処理を行うものであり、図7に示すように、相関演算部201、及びアクセス制御部202を有している。
(5−1)相関演算部201
相関演算部201は、結果格納部32a〜32jそれぞれについて、当該結果格納部に格納されている結果(粗データの識別子と、位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像)を、逐次読み出す。相関演算部201は、読み出した粗データの識別子に対応する1つ以上の照合データを、アクセス制御部202を介してデータベース12から取得する。
【0022】
相関演算部201は、取得した1つ以上の照合データを用いて、結果格納部から読み出したブロック画像について相関演算を行う。相関演算部201は、演算結果のうち最も高い相関関係となる照合データを結果として出力する。
(5−2)アクセス制御部202
アクセス制御部202は、相関演算部201が取得した粗データの識別子に対応する1つ以上の照合データをデータベース12から読み出す。
【0023】
1.2 動作
ここでは、画像処理装置1の動作について説明する。
(1)処理概要
ここでは、画像処理装置1の処理概要について、図8に示す流れ図を用いて説明する。
画像処理装置1のフィルタ21は、画像サイズが10×N×Nである入力画像について周波数変換を施し、10個のブロック画像に分割し、各ブロック画像を互いに異なる画像格納部へ格納する(ステップS5)。
【0024】
並列処理部14は、各ブロック画像について、粗データを用いた粗マッチング処理を行う(ステップS10)。
演算部15は、粗マッチング処理の結果を用いて、各ブロック画像について詳細マッチング処理を行う(ステップS15)。
(2)粗マッチング処理について
ここでは、図8に示すステップS10で行われる粗マッチング処理の詳細について、図9に示す流れ図を用いて説明する。
【0025】
並列処理部14は、カウンタpの値を1に設定する(ステップS50)。
並列処理部14は、カウンタpの値がMより大きいか否かを判断する(ステップS55)。
大きくないと判断する場合(ステップS55における「No」)、演算部31a〜31jそれぞれのアクセス制御部は、同一のタイミングで、識別子がIDpの粗データを読み出す(ステップS60)。
【0026】
演算部31a〜31jそれぞれの相関演算部は、読み出した粗データを用いて、処理対象のブロック画像について相関演算を施す(ステップS65)。
並列処理部14は、カウンタpの値に1を加算し(ステップS70)、処理はステップS55へ戻る。
カウンタpの値がMより大きいと判断する場合には(ステップS55における「Yes」)、演算部31a〜31jそれぞれの相関演算部は、相関演算の結果において相関関係が最も高い、粗データの識別子と位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像との組を結果格納部32aへ格納する(ステップS75)。
【0027】
(3)詳細マッチング処理について
ここでは、図8に示すステップS15で行われる詳細マッチング処理の詳細について、図10に示す流れ図を用いて説明する。
演算部15は、カウンタqの値を1に設定する(ステップS100)。
演算部15の相関演算部201は、q番目の結果格納部に格納されている結果を取得する(ステップS105)。ここで、結果格納部32a、32b、・・・、32jの順に1番、2番、・・・、10番と番号を付与し、q番目の結果格納部とは、この順番に従った結果格納部のことである。
【0028】
相関演算部201は、取得した結果に含まれる粗データの識別子に対応する1つ以上の照合データをデータベース12から取得する(ステップS110)。
相関演算部201は、取得した1つ以上の照合データを用いて、取得した結果に含まれるブロック画像について相関演算を施す(ステップS115)。
相関演算部201は、演算結果のうち最も相関関係が高い照合データを結果として出力する(ステップS120)。
【0029】
並列処理部14は、カウンタpの値に1を加算し(ステップS125)、その結果がPより大きいか否かを判断する(ステップS130)。
カウンタqの値がPより小さいと判断する場合には(ステップS130における「No」)、処理はステップS105へ戻る。カウンタqの値がPより大きいと判断する場合には(ステップS130における「Yes」)、処理は終了する。
【0030】
2.実施の形態2
以下、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
2.1 構成
本発明の実施の形態2における画像処理装置1000は、入力された画像を複数のブロック画像に分割し、各ブロック画像について、精度の低いマッチング処理、精度が中程度のマッチング処理、及び精度の高いマッチング処理をそれぞれ施すことで、低解像度の入力画像から高解像度の画像を得る装置である。
【0031】
本実施の形態2では、異なる点を中心に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付すものとする。
画像処理装置1000は、図11に示すように、データベース11、12、分割処理部13、並列処理部1014及び演算部1015から構成されている。
(1)並列処理部1014
並列処理部1014は、各ブロック画像について、粗データを用いたマッチング処理と、照合データのうち一部のデータを用いたマッチング処理とを行うものであり、図11に示すように、P個(ここでは、10個)の演算部1031a〜1031jと、P個(ここでは、10個)の結果格納部1032a〜1032jを有している。なお、本実施の形態2においては、粗データを用いたマッチング処理と、照合データのうち一部のデータを用いたマッチング処理とを合わせて粗マッチング処理という。ここで、粗データを用いたマッチング処理が上述の精度の低いマッチング処理に相当し、照合データのうち一部のデータを用いたマッチング処理が、精度が中程度のマッチング処理に相当する。
【0032】
(1−1)演算部1031a〜1031j
演算部1031a〜1031jそれぞれは、同じ構成要素であるので、ここでは、演算部1031aについて説明する。
演算部1031aは、図12に示すように、位置変換部1101、第1相関演算部1102、第1アクセス制御部1103、第2相関演算部1104及び第2アクセス制御部1105を有している。
【0033】
位置変換部1101及び第1アクセス制御部1103それぞれは、上記実施の形態1の位置変換部101及びアクセス制御部103と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第1相関演算部1102は、機能動作については実施の形態1に示す相関演算部102と同様であるが、相関演算の結果の出力先が、第2相関演算部1104となる。つまり第1相関演算部1102は、全ての粗データとの相関処理を実行すると、第1相関演算部1102は、相関演算の結果において、相関関係が最も高い、粗データの識別子と位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像との組を第2相関演算部1104へ出力する。ここで、第1相関演算部1102が用いる相関演算は、上記実施の形態1と同様に、例えばSAD演算法である。
【0034】
第2アクセス制御部1105は、第1相関演算部1102の相関演算の結果から取得された粗データの識別子に対応する1つ以上の照合データをデータベース12からデータバス17を介して読み出す。このとき、他のアクセス制御部とのアクセスの競合が生じるので調停を行いながら、データベース12からの読み出しを行うこととなる。
第2相関演算部1104は、第1相関演算部1102から得た結果に含まれる粗データの識別子に対応する1つ以上の照合データを、第2アクセス制御部1105を介して取得する。第2相関演算部1104は、第1相関演算部1102から得た結果に含まれるブロック画像のうち(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータについて、取得した1つ以上の照合データそれぞれにおける(N−2j)×(N−2j)ピクセルからなる部分照合データを用いた相関演算を行う。第2相関演算部1104は、演算結果のうち最も相関関係が高い、m個の部分照合データそれぞれに対応する照合データの各アドレスと、位置変換されたブロック画像とを結果格納部1032aへ格納する。ここで、jは、1以上N/2より小さい整数である。また粗データに対応する照合データの個数をp個(pは1以上の整数)とすると、mは、1以上p以下の整数である。
【0035】
(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータとは、図13に示すように、画像サイズがN×Nであるブロック画像及び照合画像について、上下左右の端からjピクセル分を取り除いたデータのことである。第2相関演算部1104は、図13に示すように、N×Nピクセルのブロック画像のうち中心に位置する(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータと、1つ以上の照合データそれぞれについて当該照合データのうち中心に位置する(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータ(部分照合データ)との相関演算を行う。
【0036】
(1−2)結果格納部1032a〜1032j
結果格納部1032a〜1032jそれぞれは、対応する演算部から出力された相関演算の結果を格納するための領域である。ここでは、格納されるデータは、m個の照合データのアドレスと、ブロック画像となる。
(2)演算部1015
演算部1015は、各ブロック画像について、照合データを用いた詳細マッチング処理を行うものであり、図14に示すように、相関演算部1201、及びアクセス制御部1202を有している。
【0037】
(2−1)相関演算部1201
相関演算部1201は、結果格納部1032a〜1032jそれぞれについて、当該結果格納部に格納されている結果(m個の照合データのアドレスと、位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像)を、逐次読み出す。相関演算部1201は、読み出したm個のアドレスそれぞれに対応する照合データを、アクセス制御部1202を介してデータベース12から取得する。
【0038】
相関演算部1201は、取得したm個の照合データを用いて、読み出したブロック画像について相関演算を行う。相関演算部1201は、m個の演算結果のうち最も高い相関関係となる照合データを結果として出力する。
(2−2)アクセス制御部1202
アクセス制御部1202は、相関演算部1201が取得したm個のアドレスそれぞれに対応する照合データをデータベース12から読み出す。
【0039】
2.2 動作
ここでは、画像処理装置1000の動作について説明する。
(1)処理概要
画像処理装置1000の処理概要は、画像処理装置1の処理概要と同様であり、図8に示すように、入力画像を10個のブロック画像へ分割する処理(ステップS5)、粗マッチング処理(ステップS10)、詳細マッチング処理(ステップS15)が行われる。
【0040】
(2)粗マッチング処理について
ここでは、図8に示すステップS10で行われる粗マッチング処理の詳細について、図15に示す流れ図を用いて、実施の形態1の相違点を中心に説明する。
並列処理部1014は、カウンタpの値を1に設定する(ステップS200)。
並列処理部1014は、カウンタpの値がMより大きいか否かを判断する(ステップS205)。
【0041】
大きくないと判断する場合(ステップS205における「No」)、演算部1031a〜1031jそれぞれのアクセス制御部は、同一のタイミングで、識別子がIDpの粗データを読み出す(ステップS210)。
演算部1031a〜1031jそれぞれの相関演算部は、第1相関演算処理を行う(ステップS215)。具体的には、演算部1031a〜1031jそれぞれの相関演算部は、読み出した粗データを用いて、処理対象のブロック画像について第1相関演算処理を施す(ステップS215)。
【0042】
並列処理部1014は、カウンタpの値に1を加算し(ステップS220)、処理はステップS205へ戻る。
カウンタpの値がMより大きいと判断する場合には(ステップS205における「Yes」)、演算部1031a〜1031jそれぞれの相関演算部は、相関演算の結果において相関関係が最も高い、粗データの識別子と位置変換されたパターンに応じて位置変換されたブロック画像との組を第2相関演算部1104へ出力し、演算部1031a〜1031jそれぞれの第2相関演算部は、識別子に対応する1つ以上の照合データを、第2アクセス制御部1105を介してデータベース12から取得する(ステップS225)。
【0043】
各第2相関演算部は、第2相関演算処理を行う(ステップS230)。具体的には、各第2相関演算部は、対応する第1相関演算部から得た結果に含まれるブロック画像のうち(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータについて、取得した1つ以上の照合データそれぞれにおける(N−2j)×(N−2j)ピクセルからなる部分照合データを用いた相関演算を行う。
【0044】
各第2相関演算部は、演算結果のうち最も相関関係が高い、m個の部分照合データそれぞれに対応する照合データの各アドレスと、位置変換されたブロック画像とを、対応する結果格納部へ格納する(ステップS235)。
(3)詳細マッチング処理
詳細マッチング処理については、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0045】
実施の形態1と異なる点は、図10に示すステップS110である。ステップS110の動作について、本実施の形態2では、相関演算部1201は、ステップS105で取得した結果に含まれるm個のアドレスそれぞれに対応する照合データをデータベース12から取得することとなる。
そして、ステップS115では、相関演算部201は、取得したm個照合データを用いて、取得した結果に含まれるブロック画像について相関演算を施すこととなる。
【0046】
3.変形例
以上、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記各実施の形態において、粗データをN×Nビットからなるデータとし、ブロック画像を構成する各ピクセルの先頭ビットを結合したデータとの相関演算を算出している。これは、画像が白黒の画像である場合にはピクセルの先頭ビットが当該ピクセルの色を特徴付けているため、上記の相関演算が有効である。
【0047】
しかしながら、上記の演算方法に限定されない。
粗データをN×N×3ビットからなるデータとし、ブロック画像の各ピクセルについて当該ピクセルにおいてRGBを示す各色のビット列の先頭ビットを結合したビット列(3ビットのビット列)を生成し、ピクセル毎に生成したビット列をN×N個を結合したデータとの相関演算を算出してもよい。これにより、ピクセルがカラーであっても、粗データによる相関演算が可能となる。
【0048】
または、粗データをN×N×xビット(xは2以上の整数)からなるものとしてもよい。この場合、ブロック画像を構成する各ピクセルの先頭からxビットのビット列を結合したデータとの相関演算を行うこととなる。
(2)上記各実施の形態において、粗データとの相関演算処理において、ブロック画像の各ピクセルの最上位1ビットを結合したが、これに限定されない。
【0049】
ブロック画像のうち、(N−2j)×(N−2j)ピクセルの最上位1ビットを結合して、相関演算に用いてもよい。この場合、N×Nビットからなる粗データのうち(N−2j)×(N−2j)ビットのデータを相関処理に用いる。
(3)上記各実施の形態において、照合データとの相関演算を行う際に、照合データのうち(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータを用いてもよい。この場合、ブロック画像のついて、(N−2j)×(N−2j)ピクセルからなる画像サイズの領域が、(j+2)×(j+2)通り存在することとなり、これら領域と、照合データのうち(N−2j)×(N−2j)ピクセルのデータとの相関演算を行う。これにより、ブロック画像の細かい位置に対しても最適な照合データの位置情報を特定できることになり、より詳細なマッチング処理を実施することが可能となる。
【0050】
(4)上記各実施の形態において、各相関演算には、SAD演算法を用いたが、これに限定されない。
相関関係が算出することのできる演算法であればよい。
(5)上記各実施の形態において、ブロック画像をN×Nピクセルからなるとしたが、これに限定されない。N1×N2からなるとしてもよい。ここで、N1及びN2は、自然数である。
【0051】
(6)上記実施の形態2において、第2相関演算部1104と相関演算部1201それぞれは、同一のデータベース12から照合データを読み出したが、これに限定されない。
第2相関演算部1104と相関演算部1201それぞれについて、個別のデータベースを用意し、第2相関演算部1104と相関演算部1201とは、異なるデータベースから照合データを読み出してもよい。
【0052】
また、第2相関演算部1104が読み出すデータベース(以下、第1データベースという。)については、N×Nピクセルの照合データを保持するのではなく、N×N×(L−1)ビットのデータをM個保持し、相関演算時に、第1相関演算部1102で最も高い相関関係となる粗データと結合することで、照合データをM個生成する。さらに、相関演算部1201が使用するデータベース(以下、第2データベース)においては、データベース11で保持するM個のN×Nビットの粗データと、第1データベースで保持するM個のN×N×(L−1)ビットのデータとの組み合わせからなる、M×M個のN×Nピクセルの照合データを保持することになる。
【0053】
(7)上記各実施の形態において、入力画像の分割数Pと、並列処理部14が備える演算部の個数とは同一としたが、これに限定されない。
並列処理部14が備える演算部の個数は、2以上であって、P以下であればよい。つまり、並列処理部14が2つ以上のブロック画像を並列に処理できればよい。
(8)上記各実施の形態において、演算部31aのアクセス制御部103のみがデータベース11に対して制御信号を送信するとしたが、これに限定されない。
【0054】
制御信号の送信は、他の演算部のアクセス制御部であってもよい。
また、各演算部とは独立した別のアクセス制御部を設け、当該別のアクセス制御部がデータベース11に対して制御信号を送信するとしてもよい。この場合、演算部31a〜31jの各アクセス制御部は、データバス16に出力された粗データを取得することとなる。
【0055】
(9)上記の実施の形態で説明した手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
また、当該手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。
【0056】
(10)上記の各実施の形態にかかる各構成は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成は、1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIと表現したが、回路の集積度の違いによっては、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(ReConfigurable Processor)を用いてもよい。あるいは、これらの機能ブロックの演算は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)などを用いて演算することもできる。さらに、これらの処理ステップはプログラムとして記録媒体に記録して実行することで処理することもできる。
【0057】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
(11)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
4.効果
(1)上記各実施の形態において、粗データを用いた相関処理は、ブロック画像について1ビットレベルのデータを用いた負荷の軽い処理で実施でき、かつデータベース11のみに並列処理部の各演算部が同一のタイミングでアクセスすればよいので、低電力化が期待できる。
【0058】
(2)上記実施の形態2において、第2相関演算部にてデータベース12の夫々に対する最適なブロック画像との詳細な相関処理を実施し、ブロック画像に一番適合する最適なデータベースの候補を算出することができる。
(3)上記各実施の形態において、ブロック画像に対して最適に適合する照合データを、従来にくらべ、効率的かつメモリアクセス頻度を積極的に低減する実装を行い、低消費電力化にも寄与することが可能となる。
【0059】
5.補足
(1)本発明の一実施態様である、一の画像を分割して得られるp(pは2以上の整数)個のブロック画像それぞれを処理する画像処理装置は、前記各ブロック画像と照合するための複数の照合パターンを記憶する照合パターン記憶手段と、前記複数の照合パターンについて、当該照合パターンよりもデータ量が少ない簡易パターンを当該照合パターンと対応付けて記憶する簡易パターン記憶手段と、互いに異なるブロック画像が割り当てられ、前記簡易パターン記憶手段で記憶されている全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いて第1相関演算を行うq個(qは2以上p以下の整数)の第1処理手段と、前記第1処理手段で処理がなされたブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2処理手段とを備え、前記簡易パターン記憶手段から順次出力される各々の簡易パターンについて、前記第1処理手段それぞれは、同一のタイミングで取得して、割り当てられたブロック画像との第1相関演算を行うことを特徴とする。
【0060】
この構成によると、画像処理装置は、q個の第1処理手段は、各々の簡易パターンを同一のタイミングで取得して処理を行うので、簡易パターンが取得される際には各第1処理手段の簡易パターン記憶手段に対するアクセスの調停が不要となり、効率よく処理を行うことができる。これにより、q個の第1処理手段それぞれは、互いに異なるブロック画像について同一の簡易パターンを用いた照合(第1相関演算)を行うことができる。また、照合パターンとの第2相関演算では、第1処理手段の第1相関演算の結果、全てのブロック画像について相関関係が最も高い簡易パターンが全て同一となること、つまり全てのブロック画像について同一の照合パターンを用いた第2相関演算を行うことはまず有り得ないので、個々に第2相関演算を行う必要がある。そのため、第2処理手段において、ブロック画像毎に、照合パターンを順次読み出すことで照合(第2相関演算)が可能となる。
【0061】
(2)ここで、前記ブロック画像及び前記照合パターンそれぞれは、1ピクセルのビット長がL(Lは2以上の整数)である、m×n(m、nは自然数)ピクセルからなり、前記簡易パターンは、Lよりも短いビット長からなるビット列を、m×n個連結することで得られ、前記ビット列それぞれは、対応する照合パターンにおいて、互いに異なるピクセルに含まれるとしてもよい。
【0062】
この構成によると、画像処理装置は、簡易パターンについてピクセルを構成するLビットのデータ列から一部データを間引いたものを連結したものとして利用することができる。
(3)ここで、前記簡易パターンを構成するm×n個のビット列それぞれは、当該ビット列が含まれるピクセルにおいて、当該ピクセルの色を特徴付けるデータの集まりであるとしてもよい。
【0063】
この構成によると、簡易パターンを構成するm×n個のデータ列それぞれは、色を特徴付けるデータの集まりであるので、画像処理装置は、第1相関演算でブロック画像内の配色を絞り込むことができる。
(4)ここで、前記簡易パターンを構成するm×n個のビット列それぞれは、当該ビット列が含まれるピクセルの先頭ビットであるとしてもよい。
【0064】
この構成によると、簡易パターンを構成するm×n個のデータ列それぞれは、ピクセルの先頭ビットの集まりであるので、画像処理装置は、ブロック画像が白黒である場合には、当該ブロック画像内の配色を絞り込むことができる。
(5)ここで、前記第1処理手段それぞれは、演算対象のブロック画像そのもの、当該ブロック画像を反転、回転した結果、及び画素値反転した結果について、同一のタイミングで読み出した同一の簡易パターンとの前記第1相関演算を行うとしてもよい。
【0065】
この構成によると、第1処理手段は、ブロック画像そのものと簡易パターンとの相関演算に加え、ブロック画像を反転、回転、及び画素値反転した結果それぞれと簡易パターンとの相関演算をも行っている。これにより、画像処理装置は、一の簡易パターンに対して、当該簡易パターンについて反転、回転、及び画素値反転した結果を記憶しておく必要はないので、記憶すべきデータ量を削減することができる。
【0066】
(6)ここで、前記ブロック画像は、n×n(nは自然数)ピクセルからなり、前記簡易パターンは、対応するn×nピクセルからなる照合パターンのうち(n−2j)×(n−2j)ピクセル(jは自然数)からなるものであり、前記第1処理手段それぞれは、処理対象のブロック画像のうち(n−2j)×(n−2j)ピクセルからなるビット列について、前記簡易パターンとの第1相関演算を行うとしてもよい。
【0067】
この構成によると、(n−2j)×(n−2j)ピクセルの簡易パターンを用いることで、画像処理装置は、第1相関演算でブロック画像内のうち(n−2j)×(n−2j)ピクセルからなる画像についての配色を絞り込むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明にかかる画像処理装置は、デジタルテレビ、ブルーレイディスクなどの据え置き型再生装置、あるいは、フルハイビジョン対応携帯再生端末装置などのディジタル画像再生装置の高解像度化処理として有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 画像処理装置
11、12 データベース
13 分割処理部
14 並列処理部
15 演算部
16、17 データバス
21 フィルタ
22a〜22j 画像格納部
31a〜31j 演算部
32a〜32j 結果格納部
101 位置変換部
102 相関演算部
103 アクセス制御部
201 相関演算部
202 アクセス制御部
1000 画像処理装置
1014 並列処理部
1015 演算部
1031a〜1031j 演算部
1032a〜1032j 結果格納部
1101 位置変換部
1102 第1相関演算部
1103 第1アクセス制御部
1104 第2相関演算部
1105 第2アクセス制御部
1201 相関演算部
1202 アクセス制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の画像を分割して得られるp(pは2以上の整数)個のブロック画像それぞれを処理する画像処理装置であって、
前記各ブロック画像と照合するための複数の照合パターンを記憶する照合パターン記憶手段と、
前記複数の照合パターンについて、当該照合パターンよりもデータ量が少ない簡易パターンを当該照合パターンと対応付けて記憶する簡易パターン記憶手段と、
互いに異なるブロック画像が割り当てられ、前記簡易パターン記憶手段で記憶されている全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いて第1相関演算を行うq個(qは2以上p以下の整数)の第1処理手段と、
前記第1処理手段で処理がなされたブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2処理手段とを備え、
前記簡易パターン記憶手段から順次出力される各々の簡易パターンについて、前記第1処理手段それぞれは、同一のタイミングで取得して、割り当てられたブロック画像との第1相関演算を行う
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ブロック画像及び前記照合パターンそれぞれは、1ピクセルのビット長がL(Lは2以上の整数)である、m×n(m、nは自然数)ピクセルからなり、
前記簡易パターンは、Lよりも短いビット長からなるビット列を、m×n個連結することで得られ、
前記ビット列それぞれは、対応する照合パターンにおいて、互いに異なるピクセルに含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記簡易パターンを構成するm×n個のビット列それぞれは、当該ビット列が含まれるピクセルにおいて、当該ピクセルの色を特徴付けるデータの集まりである
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記簡易パターンを構成するm×n個のビット列それぞれは、当該ビット列が含まれるピクセルの先頭ビットである
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1処理手段それぞれは、演算対象のブロック画像そのもの、当該ブロック画像を反転、回転した結果、及び画素値反転した結果について、同一のタイミングで読み出した同一の簡易パターンとの前記第1相関演算を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ブロック画像は、n×n(nは自然数)ピクセルからなり、
前記簡易パターンは、対応するn×nピクセルからなる照合パターンのうち(n−2j)×(n−2j)ピクセル(jは自然数)からなるものであり、
前記第1処理手段それぞれは、処理対象のブロック画像のうち(n−2j)×(n−2j)ピクセルからなるビット列について、前記簡易パターンとの第1相関演算を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
一の画像を分割して得られるp(pは2以上の整数)個のブロック画像と照合するための複数の照合パターンを記憶する照合パターン記憶手段と、前記複数の照合パターンについて、当該照合パターンよりもデータ量が少ない簡易パターンを当該照合パターンと対応付けて記憶する簡易パターン記憶手段と、q個(qは2以上p以下の整数)の第1処理手段と、第2処理手段とを備え、前記ブロック画像それぞれを処理する画像処理装置で用いられる画像処理方法であって、
互いに異なるブロック画像が割り当てられた前記第1処理手段それぞれが、前記簡易パターン記憶手段で記憶されている全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いて第1相関演算を行う第1処理ステップと、
前記第2処理手段が、前記第1処理ステップで処理がなされたブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2処理ステップとを含み、
前記簡易パターン記憶手段から順次出力される各々の簡易パターンについて、前記第1処理手段それぞれが実行する前記第1処理ステップは、同一のタイミングで取得して、割り当てられたブロック画像との第1相関演算を行う
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
一の画像を分割して得られるp(pは2以上の整数)個のブロック画像それぞれを処理する画像処理装置で用いられる集積回路であって、
前記各ブロック画像と照合するための複数の照合パターンを記憶する照合パターン記憶手段と、
前記複数の照合パターンについて、当該照合パターンよりもデータ量が少ない簡易パターンを当該照合パターンと対応付けて記憶する簡易パターン記憶手段と、
互いに異なるブロック画像が割り当てられ、前記簡易パターン記憶手段で記憶されている全ての簡易データと、割り当てられたブロック画像とを用いて第1相関演算を行うq個(qは2以上p以下の整数)の第1処理手段と、
前記第1処理手段で処理がなされたブロック画像全てについて、当該ブロック画像との前記第1相関演算により相関関係が最も高い簡易パターンに対応する照合パターンを順次読み出して、第2相関演算を行う第2処理手段とを備え、
前記簡易パターン記憶手段から順次出力される各々の簡易パターンについて、前記第1処理手段それぞれは、同一のタイミングで取得して、割り当てられたブロック画像との第1相関演算を行う
ことを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−252482(P2012−252482A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124060(P2011−124060)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】