説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合して、効率よく配信処理を行う。
【解決手段】画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理装置であって、複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段322と、格納手段に画像データが格納されたかを監視する監視手段324と、監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データをバインド条件に従ってバインドする結合手段326と、結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段306とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業において、多機能複合機などの画像入出力機器のネットワーク上への配置・接続が進んでいる。画像入出力機器は、業務の効率化を図る手段として大きな役割を担っている。特に、紙画像の電子化と配布を効率的に行う画像処理システムが重要になっている。画像処理システムを構成する大きな要素は、画像入出力機器(例えばスキャナ、MFPなど)と画像配信サーバ(画像処理サーバ)である。画像配信サーバには、あらかじめさまざまな業務・用途にあわせた複数の配信設定(処理フロー)メニューが登録されている。利用者は、画像入出力機器のオペレーションパネル(操作部)から、業務に適した処理フローを選択してスキャンを行う。
【0003】
例えば、特開2008−97586号公報(特許文献1)は、まず、配信サーバにおいてフロー定義データに基づいて、スキャン画像データに対して処理する際に、画面定義データを複合機に送信する。次に、配信サーバは、画面定義データに基づいて複合機に表示された書誌情報入力画面から入力された書誌情報を受信し、受信した書誌情報とフロー定義データを関連づけ、書誌情報が関連づけられたフロー定義データに基づいて、スキャン画像データに対して処理の実行を制御することが開示されている。
【0004】
一方、効率よくプリント処理を行うために、複数のデータを結合して1つのジョブを生成することが考えられる。例えば、特開2008−162206号公報(特許文献2)には、プリントデータに対するジョブ生成処理を開始した後、先行するジョブ生成処理に結合可能かどうかをジョブ属性などに基づいて判断し、結合可能であれば1つのジョブを生成する技術が開示されている。
【0005】
また、近年、MFPはデジタル化され、入力された画像データをWindows(登録商標)の共有フォルダ(HotFolder)に書き出す機能を備えることができる。前述した画像処理システムにおいて、共有フォルダにファイルが記憶されたことを検知して、ファイルに対してデータ処理を行うような機能(HotFolder機能)を備えることで、規定のプラットフォームに未対応の機器でも当該画像処理システムの利用を間接的に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術を適用して、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムを考えた場合、フォルダに格納された複数のファイルを1つのジョブとして結合(バインド)して効率よく配信するシステムは存在しない。また、効率よく処理するために特許文献2の技術を適用しようとしても、フォルダに格納された複数のファイルのみでは、先行するジョブを判断することもできず、また、ジョブの属性により結合を判断することもできない。
【0007】
そこで、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合して、効率よく配信処理を行う画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における一局面の画像処理装置は、画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理装置であって、複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段とを備える。
【0009】
また、本発明における他の局面の画像形成装置は、画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像形成装置であって、複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段とを備える。
【0010】
また、本発明における他の局面の画像処理システムは、ネットワークに接続された画像形成装置と画像処理装置とを備える画像処理システムであって、前記画像形成装置は、画像を読み込み、画像データを取得する画像読込手段と、前記画像読込手段により取得された画像データを格納手段に送信する送信手段とを備え、前記画像処理装置は、複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段とを備える。
【0011】
また、本発明における他の局面の画像処理方法は、画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理方法であって、複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定ステップと、前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視ステップと、前記監視ステップにより画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合ステップと、前記結合ステップによりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御ステップとを有する。
【0012】
また、本発明の画像処理システム、画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法は、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現することができ、また、プログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合して、効率よく配信処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1に係る画像処理システムの一例を示す図。
【図2】実施例1に係るMFPのハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】実施例1に係る画像処理サーバのハードウェア構成の一例を示す図。
【図4】実施例1におけるシステムの機能構成の一例を示すブロック図。
【図5】プロジェクトの一例を示す図。
【図6】実施例1における監視・取得部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図。
【図7】ファイルのバインド条件を設定する画面の一例を示す図。
【図8】実施例1における条件格納部に格納されるバインド条件リストの一例を示す図。
【図9】実施例1におけるバインド部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図。
【図10】バインドリストの一例を示す図。
【図11】実施例1におけるバインド条件の設定処理の一例を示すフローチャート。
【図12】実施例1におけるファイル名類似性によるバインド処理の一例を示すフローチャート。
【図13】実施例1における解像度によるバインド処理の一例を示すフローチャート。
【図14】実施例2におけるシステムの機能構成の一例を示すロック図。
【図15】実施例2におけるバインドの概念図。
【図16】実施例2におけるバインド部の機能構成の一例を示す図。
【図17】実施例2における白紙検出によるバインド処理の一例を示すフローチャート。
【図18】実施例2におけるバーコード検出によるバインド処理の一例を示すフローチャート。
【図19】実施例3における監視・取得部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図。
【図20】実施例3におけるバインド部の詳細な機能構成の一例を示す図。
【図21】実施例3における複数のバインド条件が設定された場合のバインド処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム及び記録媒体の実施例を詳細に説明する。
【0016】
また、以下に示す実施例では、画像データを入力する画像入力装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を一つの筐体に搭載した複合機を例にあげて説明しているが、これに限定されるものではなく、画像データを入力可能であれば、スキャナ装置、ファクシミリ装置、コピー装置などいずれも適用することができる。
【0017】
[実施例1]
<システム構成とハードウェア構成>
図1は、実施例1に係る画像処理システムの一例を示す図である。図1に示すように、画像処理システムは、ネットワークを介してMFP(Multifunction Peripheral)10、ファイルサーバ20、画像処理サーバ(画像処理装置)30、画像管理サーバ40が接続されている。なお、図1に示す例以外にも、情報処理端末(例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)など)が接続されても良い。また、図1に示す例において、各サーバは別の装置として存在しているが、MFP10や画像処理サーバ30など同一装置として存在しても良い。以下、画像形成装置はMFPを例にして説明する。
【0018】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを一つの筐体に搭載したものである。MFP10は、スキャナ機能により紙媒体等をスキャン処理して画像データを生成し、生成された画像データをファイルサーバ20に送信する。また、MFP10には、画像処理サーバ30が提供する画像配信機能を利用するための専用アプリケーションがインストールされているとする。MFPの詳細については後述する。また、画像データは、文書画像データを含む。
【0019】
ファイルサーバ20は、画像入力装置としてのMFP10などから入力される画像データを格納する共有フォルダを有する。
【0020】
画像処理サーバ30は、共有フォルダを監視することにより画像データを取得して、指定された処理フローに従って種々の処理や配信処理を実行するワークステーション等のコンピュータである。処理フローについては後述する。
【0021】
また、画像処理サーバ30は、入力された画像データに基づいて処理フローを実行する配信サーバであり、ユーザによって構築された処理フローに従って画像の蓄積又は配信処理を実行する。即ち、画像を処理するという観点において、画像処理サーバ30も画像処理装置として機能する。画像処理サーバ30の詳細については後述する。なお、画像処理サーバ30は、MFP10に組み込まれてもよい。
【0022】
画像管理サーバ40は、画像処理サーバ30から配信される画像を管理するサーバである。なお、画像管理サーバ40は、画像処理サーバ30と別構成である必要はなく、画像処理サーバ30に組み込まれてもよい。
【0023】
また、図1に示す例では、MFP10は1つしか接続されていないが、1つに限定されず、複数のMFPが接続されていても良い。また、画像処理サーバ30の画像配信機能を利用するための専用アプリケーションがインストールされていないMFPが接続されていても良い。また、電子メールを送信するためのSMTPサーバなどが接続されていても良い。
【0024】
次に、実施例1に係るMFP10と画像処理サーバ30とのハードウェア構成について説明する。図2は、実施例1に係るMFP10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、MFP10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、外部記憶装置I/F部14、ネットワークI/F部16、操作部17、表示部18を含む。
【0026】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0027】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0028】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0029】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリなど)と当該画像処理サーバとのインタフェースである。
【0030】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介してMFP10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムはMFP10により実行可能となる。
【0031】
ネットワークI/F部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と当該MFP10とのインタフェースである。
【0032】
操作部17や表示部18は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、MFP10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0033】
図3は、実施例1に係る画像処理サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、画像処理サーバ30は、制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、外部記憶装置I/F部34、ネットワークI/F部36を含む。
【0034】
制御部31は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部31は、主記憶部32に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0035】
主記憶部32は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部31が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0036】
補助記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0037】
外部記憶装置I/F部34は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリなど)と当該画像処理サーバとのインタフェースである。
【0038】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部34を介して画像処理サーバ30にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像処理サーバ30により実行可能となる。
【0039】
ネットワークI/F部36は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と当該画像処理サーバとのインタフェースである。
【0040】
なお、図3に示す画像処理サーバ30は、入力部及び出力部を備えていないが、かかる場合は、ネットワークを介して接続された情報処理端末を用いてデータを入力したり、表示したりする。また、画像処理サーバ30自体に入力部や出力部を設ける構成にしても良い。
【0041】
<機能構成>
次に、実施例1に係る画像処理システムの機能構成について説明する。図4は、実施例1におけるシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すMFP10は、データ出力部101、別解像度画像生成部102を含む。
【0042】
データ出力部101は、読み込んだ画像データをSMB(Server Message Block)プロトコルを利用して格納部201に出力する。別解像度画像生成部102は、スキャンデータの最後に、スキャンした画像データの解像度とは別の解像度の画像データを挿入する。また、別解像度画像生成部102は、FAX受信した画像データに対しても、同様の機能を有する。
【0043】
ファイルサーバ20は、MFP10などから入力される画像データを格納する格納部201(格納手段)を有する。MFP10から入力される画像データとして、スキャンデータやFAX受信画像データなどがある。格納部201は、共有フォルダであるHotFolderなどである。格納部201は1つに限られず、複数あっても良い。また、格納部201は、ファイル名の昇順又は降順、ファイルの生成日時などによりファイルを並べる機能を有する。
【0044】
画像処理サーバ30は、UI(UI:User Interface)制御部301、監視・取得部302、データ入力部303、データ処理部304、データ出力部305、フロー制御部306、別解像度生成制御部307を含む。UI制御部301は、後述するデータ入力部303、データ処理部304、データ出力部305に対する設定を行うためのUIを制御する機能を有する。
【0045】
監視・取得部302は、格納部201を監視し、格納部201に格納された画像データのファイルを取得する。また、監視・取得部302は、複数のファイルをまとめる条件を示すバインド条件(結合条件)に従って、複数のファイルをバインド(結合)する。次に、監視・取得部302は、バインドした複数のファイルを1つのジョブとしてデータ入力部303に出力する。このとき、監視・取得部302は、格納部201に対応付けられる処理フローの識別子をデータ入力部303に出力しても良い。
【0046】
また、監視・取得部302は、格納部201の監視の方法としてモニタリング&キャプチャ方式、またはイベントドリブン方式のいずれかを行う。モニタリング&キャプチャ方式とは、一定時間毎に格納部201をモニタリングして、格納部201にファイルがあれば、ファイルを引き取る(取得する)方式である。イベントドリブン方式とは、格納部201にファイル生成のイベントが起きた場合に、イベントをキャッチしてファイルを引き取る方式である。以下では、モニタリング&キャプチャ方式を用いて説明するが、どちらを用いても良いことは言うまでもない。
【0047】
データ入力部303は、監視・取得部302から取得した1又はバインドされた複数の画像データをフロー制御部306に出力する。このとき、データ入力部303は、監視・取得部302から取得した処理フローの識別子についてもフロー制御部306に出力する。なお、データ入力部303と監視・取得部302とは、1つの構成としてもよく、HotFolder機能を備えるようにすれば良い。
【0048】
データ処理部304は、フロー制御部306から入力された画像データに対して画像変換を行ったり、加工を行ったりする。画像変換、加工された画像データは、再度フロー制御部306に出力される。データ処理部304は、具体的には、OCR処理や、PDF変換、画像変換、バーコード認識などの処理を行う。
【0049】
データ出力部305は、フロー制御部306から入力された画像データを画像管理サーバ40などの外部装置に出力(配信)する。データ出力部305は、フォルダ配信(SMBを使ってフォルダへファイルを書き出す機能)、メール配信(SMTPを使ってファイルを添付したメールを送信する機能)、FTP配信(FTPを使ってフォルダへファイルを書き出す機能)、画像管理サーバ40への登録などを行う。
【0050】
また、データ出力部305が、画像管理サーバ40にデータを出力する方式としては、画像管理サーバ40が用意しているI/Fを用いる。たとえば、Microsoft Office SharePoint ServerではWebサービスが公開されており、SOAP(Simple Object Access Protocol)を用いることでデータをアップロードすることが可能となる。データ出力部305は、出力先に応じた処理が必要となるため、出力先により異なった設計が必要となる。
【0051】
フロー制御部306は、画像データ、画像データの書誌情報を管理し、UI制御部301、データ入力部303、データ処理部304、データ出力部305に対するデータ入出力の制御を行う。また、フロー制御部306は、データ入力部303から通知される処理フローにしたがって、データ入力部303、データ処理部304、データ出力部305の順にデータの入出力を行ってデータ配信処理の制御を行う。
【0052】
別解像度生成制御部307は、MFP10に対して、スキャンデータの最後に、スキャンした画像データの解像度とは別の解像度の画像データを挿入するよう指示を出す。
【0053】
ここで、処理フローについて説明する。処理フローとは、データ処理部304、データ出力部305を任意に組み合わせることによって形成されるフローのことを言う。また、処理フローのことをプロジェクトとも呼ぶことにする。
【0054】
図5は、プロジェクトの一例を示す図である。図5に示す例では、左端の起点はデータ入力部303を示し、HotFolder機能を有する。図5に示す各矩形は、データ処理部304あるいはデータ出力部305を示し、起点や矩形を結ぶ線がフロー制御部306によって次にデータが渡されることを示す。
【0055】
また、処理フローは分岐することも可能であり、分岐の両方のパスに同じデータが渡される。プロジェクトは、当該プロジェクトを一意に示す識別子が付与される。また、図5に示す点線Aで囲った処理がデータ処理部304による処理で、点線Bで囲った処理がデータ出力部305による処理を示す。
【0056】
次に、監視・取得部302の詳細な機能について説明する。図6は、実施例1における監視・取得部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、監視・取得部302は、UI制御部321、条件格納部323、フォルダ監視部324、ファイル取得部325、バインド部326、ファイル出力部327を含む。
【0057】
UI制御部321は、格納部201の監視設定を行うためのUIを制御する。また、UI制御部321は、条件設定部322を含む。条件設定部322は、どの格納部201から画像データを取得するかの設定や、どの格納部201にどの処理フロー(プロジェクト)を割り当てるかの設定を行うためのUIを制御する。また、条件設定部322は、どの格納部201にどういうバインド条件を設定するかを行うUIを制御する。
【0058】
条件格納部323は、条件設定部322によって設定されたバインド条件などを格納する。条件格納部323に格納されるバインド条件や監視条件などは、バインド部326やフォルダ監視部324に読み出される。
【0059】
図7は、ファイルのバインド条件を設定する画面の一例を示す図である。UI制御部321により図7に示すようなUIが表示される。図7に示すバインド条件設定画面の例では、「追加」ボタンが選択されると、監視フォルダ(格納部201)を1つ追加する。このとき、監視フォルダの表示名、監視フォルダのパス、監視フォルダに格納されるファイルをバインドする条件を設定できるようにする。
【0060】
また、「編集」ボタンが選択されると、「追加」ボタン選択時の設定が編集可能となり、「削除」ボタンが選択されると、選択されていたリストの行(表示名、パス、バインド条件)が削除される。
【0061】
図8は、実施例1における条件格納部に格納されるバインド条件リストの一例を示す図である。図8に示すように、バインド条件リストは、ID、表示名、監視パス、バインド条件が関連付けられている。例えば、ID「0001」の監視フォルダに格納されるファイルは、ファイル名が類似するファイルがバインドされ、制限時間としてタイムアウト値が「180」秒が設定されている。タイムアウト値は、設定された時間が過ぎてもバインドの区切りが検出できない場合に、強制的にバインドを行うための時間を示す。
【0062】
図6に戻り、フォルダ監視部324は、バインド条件リストに格納される監視パスが示すフォルダ(格納部201)を監視し、所定時間毎に画像データのファイルが監視先のフォルダに格納されたかどうかをモニタリングする。モニタリングの結果、監視先のフォルダにファイルが新たに格納されている場合、ファイル取得部325にその旨通知する。
【0063】
ファイル取得部325は、格納部201から画像データのファイルを取得し、取得したデータをバインド部326に出力する。
【0064】
バインド部326は、ファイルの監視先(格納部201)に応じてバインド条件を条件格納部323から読み出し、読み出したバインド条件に基づいて複数のファイルをバインドする。また、バインド部326は、バインドした複数のファイル、又はバインドできなかったファイルをファイル出力部327に出力する。また、バインド部326は、ファイルを取得した格納部201に対応する処理フロー識別子を条件格納部323から取得し、ファイル出力部327に出力する。
【0065】
ここで、バインド部326の詳細な機能について説明する。図9は、実施例1におけるバインド部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、バインド部326は、ファイル名判定部361、解像度判定部362、バインドリスト格納部363を含む。
【0066】
ファイル名判定部361は、バインド条件に基づいて、ファイル名が類似するか否かを判定する。ファイル名については、ファイルのメタデータから取得可能である。例えば、スキャナA(MFPなどでも良い)が出力するファイル名が「SCAN_Data_Time_Page.tif」であり、
・「SCAN」が固定値
・「Data」がYYYYMMDD形式
・「Time」がhhmmss方式
・「Page」が001から始まる連続した数値
・2値画像の場合に「.tiff」、カラー画像の場合に「.jpg」
・区切り文字が「_」
というファイル名の規則があるとする。このとき、ファイル名判定部361は、「SCAN_Data_Time」が一致すればファイル名は類似すると判断し、ファイル名が類似するファイルをバインドする。これは、ファイル名の日時が同じデータは同様のファイルであると判定できるため、1つのジョブとして処理したほうが効率的だからである。また、バインドの仕方として、ファイル名判定部361は、バインド対象(ジョブ)毎にバインドリストを生成し、各バインドリストをバインドリスト格納部363に格納していく。
【0067】
解像度判定部362は、バインド条件に基づいて、ファイルの解像度が所定の解像度と一致した場合、一致するまでのファイルをバインドする。MFP10側でスキャンデータやFAX受信データの最後に所定の解像度の画像データを挿入するようにしておけば、所定の解像度の画像データが検出されるまでは同様のデータとして判定することができるからである。
【0068】
例えば、スキャナBの読取設定条件が200dpi〜600dpiで、かつ、連続スキャンの終了時に100dpiの画像データを出力するという規則があるとする。このとき、解像度判定部362は、ファイルのメタデータに含まれる解像度が100dpiの画像データを検知したとき、それまでの画像データをバインドする。また、バインドの仕方として、解像度判定部362は、バインド対象毎にバインドリストを生成し、各バインドリストをバインドリスト格納部363に格納していく。
【0069】
また、バインドの他の方法として、1つ前に取得したファイルの解像度と同じ解像度のファイルをバインドリストに追加し、違う解像度のファイルは違うジョブとして新たにバインドリストを生成することも可能である。
【0070】
バインドリスト格納部363は、ジョブ毎にバインドリストを格納する。図10は、バインドリストの一例を示す図である。図10に示す例では、「ID」1つに対し1つのジョブを示し、「ファイルパスリスト」にバインドされるファイルが記述されている。
【0071】
図6に戻り、ファイル出力部327は、バインドされたファイルをジョブ毎にバインド部326から取得し、取得したファイルをデータ入力部303に出力する。このとき、ジョブ毎にどの処理フローを用いるかを示す識別子もデータ入力部303に出力する。
【0072】
以上の機能構成により、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合(バインド)して、効率よく配信処理を行うことができる。また、ファイルをバインドする際、画像データの属性(ファイル名、解像度など)に基づいたバインド条件を用いるため、画像データの属性はメタデータから容易に取得可能であり、簡易な処理でバインド処理を行うことができる。
【0073】
<動作>
次に、実施例1における画像処理システムの動作について説明する。
(バインド条件設定)
まず、バインド条件の設定処理について説明する。図11は、実施例1におけるバインド条件の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
図11に示す処理は、図7に示す画面から「追加」ボタンが選択された後の処理である。ステップS101において、UI制御部321は、バインド条件設定UIから監視先バスの設定を受け付ける。
【0075】
ステップS102において、UI制御部321は、バインド条件設定UIからバインド条件の設定を受け付ける。バインド条件としてはファイル名類似性や解像度による判定がある。ユーザはUI画面からファイル名類似性判断か解像度判断かの何れかを選択する。
【0076】
ステップS103において、UI制御部321は、バインド条件設定UIから表示名の設定を受け付ける。ユーザが表示名を設定しない場合は、装置内で自動的に表示名を設定する。
【0077】
ステップS104において、UI制御部321は、バインド条件設定UIからタイムアウト値の設定を受け付ける。全ての処理が終了した場合、UI制御部321は、各ステップで設定された値を条件格納部323に格納する。これにより、格納部毎にユーザ所望のバインド条件を設定することができる。なお、ステップS102〜S104の処理の順序は図11に示す限りではなく、順序は特に問題としない。
【0078】
(ファイル名類似性によるバインド処理)
次に、ファイル名類似性によるバインド処理について説明する。図12は、実施例1におけるファイル名類似性によるバインド処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
図12に示すように、ステップS201において、フォルダ監視部324は、一定時間毎に監視先のフォルダ(格納部201)にファイルが新たに格納されたかどうかを判定する。ステップS201の判定結果がYES(ファイルあり)であればステップS203に進み、判定結果がNO(ファイルなし)であればステップS202に進む。
【0080】
ステップS202において、フォルダ監視部324は、バインド条件として設定されたタイムアウト値が経過したか否かを判定する。ステップS202の判定結果がYES(経過)であればステップS208に進み、判定結果がNO(未経過)であればステップS201に戻る。
【0081】
ステップS203において、バインド部326は、バインド条件としてのファイル名類似性のルール(内容)を条件格納部323から読み出す。
【0082】
ステップS204において、バインド部326は、ファイル取得部325から取得するファイルに対して、取得したファイル名と、バインドリスト(図10参照)に含まれるファイル名との解析を行う。
【0083】
ステップS205において、バインド部326は、解析の結果、類似すると判定されるファイル名があるか否か判定する。ステップS205における判定結果がYES(類似する)であればステップS206に進み、判定結果がNO(類似しない)であればステップS207に進む。
【0084】
ステップS206において、バインド部326は、取得したファイルを、バインドするバインドリストに追加する。
【0085】
ステップS207において、バインド部326は、取得したファイルを、バインドするバインドリストに新規ジョブとして新たにIDを振って格納する。
【0086】
ステップS208において、バインド部326は、ステップS207の後であればステップS207において新規に作成したIDの直前のIDのファイルを1ジョブとしてファイル出力部327へ出力する。また、バインド部326は、ステップS202の後であれば全てのファイルを、ID毎に1ジョブとしてファイル出力部327に出力する。
【0087】
ステップS209において、バインド部326は、ステップS208により出力されたバインドリストを削除する。
【0088】
ステップS210において、フォルダ監視部324は、監視が終了したか否かを判定する。ステップS210の判定結果がYES(終了)であればバインド処理を終了し、判定結果がNO(未終了)であればステップS211に進む。
【0089】
ステップS211において、フォルダ監視部324は、タイムアウトカウンタをリセットする。これにより、フォルダ監視部324において、ファイルを検出する度にタイムアウトカウンタをリセットするので、ファイルを検出できない時間がタイムアウト値を超えたときにバインドリストの全てのジョブを投入することができる。ステップS211の後はステップS201に戻る。これにより、ファイル名に基づいてファイルを適切にバインドすることができる。
【0090】
(解像度によるバインド処理)
図13は、実施例1における解像度によるバインド処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す処理において、図12に示す処理と同様の処理を行うものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
ステップS301において、バインド部326は、バインド条件としての解像度のルール(内容:所定解像度)を条件格納部323から読み出す。
【0092】
ステップS302において、バインド部326は、ファイル取得部325から取得するファイルの解像度を、ファイルのメタデータ(プロパティ)から取得する。
【0093】
ステップS303において、バインド部326は、取得したファイルの解像度が所定解像度であるか否か判定する。ステップS303における判定結果がYES(所定解像度である)であればステップS207に進み、判定結果がNO(所定解像度ではない)であればステップS206に進む。
【0094】
以降の処理は、図12に示す処理と同様である。これにより、解像度に基づいてファイルを適切にバインドすることができる。
【0095】
以上、実施例1によれば、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合(バインド)して、効率よく配信処理を行うことができる。また、ファイルをバインドする際、画像データの属性(ファイル名、解像度など)に基づいたバインド条件を用いるため、画像データの属性はメタデータから容易に取得可能であり、簡易な処理でバインド処理を行うことができる。
【0096】
[実施例2]
次に、実施例2に係る画像処理システムについて説明する。実施例2では、バインドする条件が、画像データのコンテンツ特性に基づく条件となっている。コンテンツ特性とは、例えば、白紙画像やバーコードを含む画像などである。
【0097】
<機能構成>
次に、実施例2に係る画像処理システムの機能構成について説明する。図14は、実施例2におけるシステムの機能構成の一例を示すロック図である。図14に示す機能において、図4に示す機能と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
図14に示すMFP50は、データ出力部101、白紙/識別情報生成部501を含む。白紙/識別情報生成部501は、スキャンデータの最後に、白紙を出力したり、バーコードを含む画像を出力したりする。なお、白紙/識別情報生成部501は、バーコード以外にもスキャンデータの最後であることを識別できる識別情報(例えばQRコードなど)を画像に含むようにすればよい。また、白紙/識別情報生成部501は、FAX受信した画像データに対しても、同様の機能を有する。
【0099】
次に、画像処理サーバ60に含まれる白紙/識別情報生成制御部601、監視・取得部602について説明する。白紙/識別情報生成制御部601は、MFP50に対して、スキャンデータやFAX受信データの最後に白紙を出力したり、識別情報を含む画像を出力したりするよう要求する。
【0100】
監視・取得部602は、画像データのコンテンツ特性に基づくバインド条件に従って、ファイルをバインドし、バインドしたファイルをデータ入力部303に出力する。バインドの詳細処理については後述する。
【0101】
図15は、実施例2におけるバインドの概念図である。図15(A)は、白紙検出によりバインドを行う概念図である。図15(A)に示すように、実施例2では、白紙が検出されるまでの画像データをバインドする。つまり、白紙画像をバインドの区切りとする。図15(B)は、バーコード検出によりバインドを行う概念図である。図15(B)に示すように、実施例2では、バーコードが検出されるまでの画像データをバインドする。つまり、バーコードを含む画像をバインドの区切りとする。
【0102】
ここで、実施例2における監視・取得部602について詳しく説明する。監視・取得部602は、バインド部603以外は実施例1と同様であるため、バインド部603について図16を用いて説明する。
【0103】
図16は、実施例2におけるバインド部の機能構成の一例を示す図である。バインド部603は、白紙検出部631、識別情報検出部632、バインドリスト格納部363を含む。
【0104】
白紙検出部631は、格納部201から取得した画像データに対して白紙判定処理を行い、白紙画像データを検出する。白紙判定処理については従来の方法を用いれば実現可能であるため、その説明を省略する。また、白紙検出部631は、白紙をバインドの区切りとし、それまでのファイルをバインドリストの1つのIDに対応付けて格納する。
【0105】
識別情報検出部632は、格納部201から取得した画像データに対して識別情報検出処理を行い、識別情報を含む画像データを検出する。識別情報とは、例えばバーコード、QRコードなどである。識別情報検出処理については従来の方法を用いれば実現可能であるため、その説明を省略する。また、識別情報検出部632は、識別情報を含む画像データをバインドの区切りとし、それまでのファイルをバインドリストの1つのIDに対応付けて格納する。
【0106】
以上の機能構成により、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合(バインド)して、効率よく配信処理を行うことができる。また、ファイルをバインドする際、画像データのコンテンツ特性に基づいたバインド条件を用いるため、より正確にバインド処理を行うことができる。
【0107】
<動作>
次に、実施例2におけるバインド処理について説明する。
(白紙検出によるバインド処理)
図17は、実施例2における白紙検出によるバインド処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す処理において、図12に示す処理と同様の処理を行うものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
ステップS401において、バインド部603は、バインド条件としての白紙検出のルール(内容:例えば孤立点=N個まで)を条件格納部323から読み出す。
【0109】
ステップS402において、バインド部603は、ファイル取得部325から取得するファイルに対して、白紙検出処理を行う。
【0110】
ステップS403において、バインド部603は、取得したファイルの画像データが白紙であるか否か判定する。ステップS403における判定結果がYES(白紙)であればステップS207に進み、判定結果がNO(白紙ではない)であればステップS206に進む。
【0111】
以降の処理は、図12に示す処理と同様である。これにより、白紙検出した場合にファイルを適切にバインドすることができる。
【0112】
(バーコード検出によるバインド処理)
図18は、実施例2におけるバーコード検出によるバインド処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す処理において、図12に示す処理と同様の処理を行うものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0113】
ステップS501において、バインド部603は、バインド条件としてのルール(内容:バーコード検出でバインド)を条件格納部323から読み出す。
【0114】
ステップS502において、バインド部603は、ファイル取得部325から取得するファイルに対して、バーコード検出処理を行う。
【0115】
ステップS503において、バインド部603は、取得したファイルの画像データがバーコードを含む画像であるか否か判定する。ステップS503における判定結果がYES(バーコードを含む画像である)であればステップS207に進み、判定結果がNO(バーコードを含む画像ではない)であればステップS206に進む。
【0116】
以降の処理は、図12に示す処理と同様である。これにより、バーコード検出した場合にファイルを適切にバインドすることができる。
【0117】
以上、実施例2によれば、フォルダに格納された画像データの配信処理を行う画像処理システムにおいて、フォルダに格納された複数の画像データを適切に結合(バインド)して、効率よく配信処理を行うことができる。また、ファイルをバインドする際、画像データのコンテンツ特性に基づいたバインド条件を用いるため、より正確にバインド処理を行うことができる。
【0118】
また、バインド部603は、バインドの区切りとして検出された画像データを、バインドリストに格納せず、データ入力部303に出力しないようにしても良い。これにより、ジョブには関係ない画像データが配信されることを防ぐことができる。また、バインドの区切りとなる画像データをバインドリストに格納せず削除することによってリソースを軽減することもできる。
【0119】
[実施例3]
次に、実施例3に係る画像処理システムについて説明する。実施例3では、1つの監視フォルダに複数のバインド条件を設定することができ、さらに、バインド条件に優先順位を設定することができる。
【0120】
<機能構成>
図19は、実施例3における監視・取得部の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図19に示す機能において、図6に示す機能と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0121】
条件設定部702は、1つの監視フォルダに対して、複数のバインド条件を設定することができる。このとき、優先順設定手段703によりバインド条件に優先順位を設定する。優先順位の設定は、UI画面を用いてユーザにより設定される。
【0122】
優先順設定手段703は、1つの監視フォルダに複数のバインド条件が設定される場合、バインド条件に優先順位の設定を受付け、設定された優先順を条件格納部323に格納する。
【0123】
バインド部704は、1つの監視フォルダに複数のバインド条件が設定されている場合、優先順に基づいてバインド処理を行う。バインド部704は、バインドの区切りが検出されなかった場合、次の優先順のバインド処理を行う。
【0124】
図20は、実施例3におけるバインド部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図20に示す機能において、図9及び図16に示す機能と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。図20に示すバインド部704は、ファイル名判定部361、解像度判定部362、白紙検出部631、識別情報検出部632、バインドリスト格納部363、優先順制御部741を含む。
【0125】
優先順制御部741は、1つの監視フォルダに複数のバインド条件が設定されている場合、優先順の高い順にバインドの区切りが検出されるまでバインド処理を行うよう制御する。例えば、ファイル名類似性判定、白紙検出の順にバインド条件が設定されていた場合、まず、ファイル名類似性判定によりバインドできるかバインド処理し、バインドできずにタイムアウトした場合、白紙検出によりバインド処理を行うことになる。
【0126】
<動作>
次に、実施例3における画像処理システムの動作について説明する。図21は、実施例3における複数のバインド条件が設定された場合のバインド処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すステップS601において、バインド部704は、条件格納部323から複数のバインド条件と優先順を取得する。
【0127】
ステップS602において、バインド部704は、優先順の一番高いバインド条件を設定する。ステップS603において、バインド部704は、設定されたバインド条件に基づいてバインド処理を行う。
【0128】
ステップS604において、バインド部704は、バインドされずにタイムアウトされたか否かを判定する。ステップS604の判定結果がYES(バインドできた)であれば
処理を終了し、判定結果がNO(バインドできなかった)であればステップS605に進む。
【0129】
ステップS605において、バインド部704は、次の優先順のバインド条件を設定し、ステップS603に戻る。全てのバインド条件でもバインドできなかった場合は、タイムアウトにより強制的にバインドするようにすれば良い。
【0130】
以上、実施例3によれば、1つの監視フォルダに複数のバインド条件を設定することができ、優先順位に基づいてバインド処理を行うことができる。
【0131】
[変形例]
次に前述した各実施例の変形例について説明する。変形例では、前述した画像処理サーバが組み込まれた画像形成装置について説明する。画像処理サーバが組み込まれた画像形成装置の各機能は、一般的な画像形成装置の機能と画像処理サーバの機能とを組み合わせた機能を有する。これより、変形例に係る画像形成装置によれば、MFP単体で、各実施例に示した処理を行なうことができる。
【0132】
なお、各実施例の画像処理サーバは、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置などの装置を備えており、ワークステーションや通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0133】
各実施例の画像処理サーバや変形例のMFPで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0134】
また、各実施例の画像処理サーバや変形例のMFPで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、各実施例の画像処理サーバや変形例のMFPで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0135】
また、各実施例の画像処理サーバや変形例のMFPで実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0136】
各実施例の画像処理サーバや変形例のMFPで実行されるプログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされ、上記各手段が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0137】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0138】
10 MFP
20 ファイルサーバ
30 画像処理サーバ
40 画像管理サーバ
101 データ出力部
102 別解像度画像生成部
201 格納部
301 UI制御部
302 監視・取得部
303 データ入力部
304 データ処理部
305 データ出力部
306 フロー制御部
321 UI制御部
322 条件設定部
323 条件格納部
324 フォルダ監視部
325 ファイル取得部
326 バインド部
327 ファイル出力部
361 ファイル名判定部
362 解像度判定部
363 バンドリスト格納部
501 白紙/識別情報生成部
601 白紙/識別情報生成制御部
631 白紙検出部
632 識別情報検出部
703 優先順設定部
741 優先順制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0139】
【特許文献1】特開2006−018640号公報
【特許文献2】特開2005−352902号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理装置であって、
複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、
前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、
前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、
前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記バインド条件は、前記画像データの属性に基づく条件である請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像データの属性に基づく条件は、前記画像データのファイル名が類似することであり、
前記結合手段は、
前記画像データのファイル名の類似性を判定するファイル名判定手段を有し、
前記ファイル名判定手段により類似と判定されたファイル名を有する画像データをバインドする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像データの属性に基づく条件は、前記画像データの解像度が所定解像度と一致する場合にバインドの区切りとすることであり、
前記結合手段は、
前記画像データの解像度が前記所定解像度と一致するか否かを判定する解像度判定手段を有し、
前記解像度判定手段により一致すると判定されるまで、前記画像データをバインドする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記バインド条件は、前記画像データのコンテンツ特性に基づく条件である請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像データのコンテンツ特性に基づく条件は、白紙画像の検出をバインドの区切りとすることであり、
前記結合手段は、
前記白紙画像を検出する白紙検出手段を有し、
前記白紙検出手段により前記白紙画像が検出されるまで、前記画像データをバインドする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像データのコンテンツ特性に基づく条件は、識別情報を含む画像の検出をバインドの区切りとすることであり、
前記結合手段は、
前記識別情報を含む画像を検出する識別情報検出手段を有し、
前記識別情報検出手段により前記識別情報を含む画像が検出されるまで、前記画像データをバインドする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記バインド条件は、所定時間を含み、
前記結合手段は、
前記所定時間経過してもバインドの区切りが検出されない場合、前記所定時間内に取得された画像データをバインドする請求項1乃至7いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記設定手段は、
前記バインド条件が複数設定される場合、前記バインド条件の優先順位を設定する優先順設定手段を有し、
前記結合手段は、
前記優先順位の高いバインド条件を適用し、バインドの区切りが検出されない場合は次に優先順位の高いバインド条件を適用する請求項1乃至8いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記バインドの区切りとされた画像データを、前記フロー制御手段に出力せずに削除する請求項4、6、又は7いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像形成装置であって、
複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、
前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、
前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、
前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段と
を備える画像形成装置。
【請求項12】
ネットワークに接続された画像形成装置と画像処理装置とを備える画像処理システムであって、
前記画像形成装置は、
画像を読み込み、画像データを取得する画像読込手段と、
前記画像読込手段により取得された画像データを格納手段に送信する送信手段とを備え、
前記画像処理装置は、
複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定手段と、
前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視手段と、
前記監視手段により画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合手段と、
前記結合手段によりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御手段と
を備える画像処理システム。
【請求項13】
画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理方法であって、
複数の画像データをまとめるためのバインド条件を設定する設定ステップと、
前記格納手段に前記画像データが格納されたかを監視する監視ステップと、
前記監視ステップにより画像データが格納されたことを検知した場合に該画像データを取得し、該画像データを前記バインド条件に従ってバインドする結合ステップと、
前記結合ステップによりバインドされた画像データを1つのジョブとし、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御ステップと
を有する画像処理方法。
【請求項14】
画像データを格納する格納手段から画像データを取得して、該画像データを配信する画像処理装置を制御するプログラムであって、
前記画像データを取得するための監視手段に監視される格納手段を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより設定された格納手段の数が所定値以内であれば、該格納手段を監視対象として設定する監視設定ステップと、
前記監視設定ステップにより設定された格納手段から前記画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された画像データに対し、1以上の処理の流れを定義する処理フローに従って、前記1以上の処理の適用を制御するフロー制御ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−268314(P2010−268314A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119187(P2009−119187)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】