説明

画像処理装置、画像表示方法、画像表示プログラム、および画像表示プログラムを記録した記録媒体

【課題】キャリブレーション作業をより自然な形で実行させることによって、ユーザの作業負担を軽減する。
【解決手段】画像処理装置20が備える画像生成部105,117により、設問と任意に選択可能な複数のアイコンからなる選択肢ボタンとを含む設問画像を生成する。次に、位置検出部111により、画像表示制御部105,106によって撮影した撮像データから、当該表示画面上に存在する指示体の位置を検出する。そして、制御部116により、位置検出部111によって検出される指示体の位置に基づいて当該指示体により複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定する。選択されたと特定されたアイコンに対応する、位置情報記憶部118に記憶されている画像生成部105,117で生成された設問画像を表示画面に表示したときのアイコンの位置に基づいて、位置検出部111で検出される指示体の位置のキャリブレーションを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像表示方法、画像表示プログラム、およびその画像表示プログラムを記録した記録媒体に関し、詳しくは、例えば複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルにおけるキャリブレーション手順に係る。
【背景技術】
【0002】
複数のカメラなどを使うことにより、画面上で指やペンなどが指し示す位置(タッチ位置)を算出し、いわゆるタッチUI(User Interface)を実現する手法が数多く提案されている。このようなタッチUIは光学式タッチパネルとして知られており、電子黒板やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置等に応用されている。
【0003】
図1は、タッチUIを実現する光学式タッチパネルの一例を示す図である。
一般に光学式タッチパネルは、外部出力機器1と、その上部左右に設置された2つのカメラ2,3により構成される。この2つのカメラ2,3のレンズ間の距離Lと、各カメラからタッチ位置への角度α,βがわかれば、カメラ2,3の各々と画面上のタッチ位置との距離L1,L2が求められ、タッチ位置を算出することが可能である。なお、外部出力機器1は、表示機能を備えていればよく、テレビジョン受像機やディスプレイ装置などが挙げられる。
【0004】
実際には、カメラのみで当該カメラと画面上のタッチ位置との距離を正確に計測するのは難しい。そこで、図1に示すように、カメラ2,3に赤外線送信機能を搭載するとともに、外部出力機器1の両側部と下部に赤外線を反射するための枠1aを設置する。そして、カメラ2,3から赤外線を発し、照射した赤外線が指4などにより塞がれて枠1aから戻ってこない部分の位置を求める、という形態をとっていることが多い。電子黒板などの指示棒や指先の単位での正確さが求められる場合は、赤外線などを用いて位置検出の精度を上げるが、手のひらなど比較的大きな物体を大まかに捉えればよいのであれば、現在の技術でもカメラのみでも可能である。
【0005】
一般的な電子黒板やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置などに適用された光学式タッチパネルでは、カメラが外部出力機器に固定されており、画面上の実際のタッチ位置と検知されるタッチ位置とが一致するように、工場などで調整された上で出荷される。しかしながら、光学式タッチパネルは、カメラなどの位置確認用センサが取り外し可能な場合、センサが外部出力機器に正しく設置されていないと、設置位置によってタッチ位置の検知位置に誤差が生じてしまう。そのため、当該センサと画面との相対位置の解析を行うためにキャリブレーションが必要になる。
【0006】
図2A〜Cは、複眼カメラを用いた光学式タッチパネルの検知位置に誤差が生じる場合を説明するための図である。
図2Aに示すように、外部出力機器10の画面周囲の枠体11の上部中心に複眼カメラ12が設置されている場合、複眼カメラ12の各レンズから画面上のタッチ位置Aへの角度α,βからタッチ位置Aを検出する。
一方、図2Bに示すように、外部出力機器10の画面周囲の枠体11の上部中心から右にずれた場所に複眼カメラ12が設置された場合、複眼カメラ12の各レンズから画面上のタッチ位置Aへの角度α′,β′に基づいて、タッチ位置Aを検出する。
【0007】
そのため、複眼カメラ12が外部出力機器10の枠体11の上部中心からずれていることを知ることができない場合、複眼カメラ12が中心に設置されているものとしてタッチ位置を算出してしまう。すなわち、図2Cに示すように、タッチ位置Aではなくタッチ位置A´が指し示されたと誤って認識してしまう。これを解消するため、外部出力機器から取り外し可能なカメラは、外部出力機器へ設置した時にキャリブレーション作業が必要となる。
【0008】
キャリブレーションの方法はいくつか提案されているが、一般にキャリブレーションを行う際には、画面上の数ポイントの位置を確実に認識させる必要がある。一例として、2以上の墨角部や中央部にキャリブレーション用マークが設けられた情報入力補助シートを使用するキャリブレーション方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
その発展形として、画面上の複数ポイントの位置を確実に認識させるために、画面上の押して欲しいところに確認ボタン(アイコン)を表示するキャリブレーション方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
図3は、従来のキャリブレーション方法を説明するための図である。
キャリブレーション用のポイントとして最低三点を外部出力機器10の画面の隅に表示し、ユーザに順番にタッチさせる。そして、タッチ位置と複眼カメラ12(センサ)の位置関係を補正するための補正値を算出し、三角測量で算出した値に補正値を加えて算出することにより、検出位置の誤差を補正する。ポイントを増やすことでさらに高精度な誤差修正も可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−043228号公報
【特許文献2】特開2004−054413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、画面上の決まったポイント(特許文献2の図12:入力ポイントR1,S1,T1,U1)をタッチさせるという点において、特許文献1に記載された通常のキャリブレーションと本質的に同じである。ユーザにキャリブレーション作業を行うことを忘れさせない程度のメリットはあるが、特定の場所を押さなければいけないという負担は大きいままである。
【0013】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、このキャリブレーションというユーザにとって面倒な作業を、より自然な形でユーザに意識させることなく実行させることによって、ユーザの作業負担を軽減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、画像処理装置が備える画像生成部により、設問と該設問に対して任意に選択可能な複数のアイコンからなる選択肢ボタンとを含む設問画像を生成する。次に、位置検出部により、画像表示制御部によって画像表示が制御される表示画面を撮影した撮像データから、当該表示画面上に存在する指示体の位置を検出する。そして、制御部により、位置検出部によって検出される指示体の位置に基づいて当該指示体により複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定する。選択されたと特定されたアイコンに対応する、位置情報記憶部に記憶されている画像生成部で生成された設問画像を表示画面に表示したときのアイコンの位置に基づいて、位置検出部で検出される指示体の位置のキャリブレーションを実行することを特徴とする。
【0015】
上記構成の本発明によれば、設問と複数の選択肢ボタンを表示画面に表示し、ユーザに選択肢ボタンを選択させ、並行してその裏でキャリブレーションを実行する。それゆえ、より自然な形でかつユーザに意識させることなくキャリブレーションが実行される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザにとって面倒なキャリブレーション作業を、より自然な形でユーザに意識させることなく実行させることができるようになり、ユーザの作業負担が軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の光学式タッチパネルの一例を示す図である。
【図2】A〜Cは、複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルの検知位置に誤差が生じる場合を説明するための図である。
【図3】従来のキャリブレーション方法を説明するための図である。
【図4】A〜Eは、本発明の一実施の形態に係る複眼カメラ付き再生装置の外観図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルの正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第1変形例の正面図である。
【図7】本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第2変形例の正面図である。
【図8】本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第3変形例の正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第4変形例の正面図である。
【図10】A〜Dは、大型外部出力機器におけるタッチUIの一例を説明するための図である。
【図11】A〜Cは、大型外部出力機器におけるタッチUIの他の例を説明するための図(1)である。
【図12】A〜Cは、大型外部出力機器におけるタッチUIの他の例を説明するための図(2)である。
【図13】A〜Cは、大型外部出力機器におけるタッチUIの他の例を説明するための図(3)である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る複眼カメラ付き再生装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図15】図14に示した複眼カメラ付き再生装置の動作の概要を示すフローチャートである。
【図16】図14に示した複眼カメラ付き再生装置と外部出力機器との接続処理を示すフローチャートである。
【図17】図14に示した複眼カメラ付き再生装置のキャリブレーションモードの処理を示すフローチャートである。
【図18】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(左上、右上)を示した図である。
【図19】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(左上、左下)を示した図である。
【図20】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(左下、右下)を示した図である。
【図21】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(右上、右下)を示した図である。
【図22】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(右下)を示した図である。
【図23】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(左下、右上)(1)を示した図である。
【図24】図5の複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルに、キャリブレーションモードのとき表示される設問例(左下、右上)(2)を示した図である。
【図25】複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルの断面図である。
【図26】複眼カメラにより取得される画像の一例を示す図である。
【図27】A,Bは、物体の位置の認識について説明するための図である。
【図28】複眼カメラを中心に設置した時の、当該複眼カメラによる光学式タッチパネルの左下隅と右下隅の認識を説明するための図である。
【図29】複眼カメラを中心からずれて設置した時の、当該複眼カメラによる光学式タッチパネルの左下隅と右下隅の物体認識を説明するための図である。
【図30】Aは、複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルを大画面の外部出力機器に適用した場合に、キャリブレーションモードのとき表示される選択肢ボタン(左上、右上)の例を示し、Bは、大きさ補正後の選択肢ボタン(左上、右上)の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記項目の順に行う。
1.一実施の形態(設問と選択肢ボタンを表示した例)
2.その他(画面サイズに合わせて選択肢ボタンを拡大表示した例)
【0019】
<1.一実施の形態>
[複眼カメラ付き再生装置の外観]
本発明の一実施の形態に係る光学式タッチパネルに用いられる画像処理装置について、複数のレンズを搭載したカメラを備える再生装置に適用した例を説明する。
図4A〜Eは、本発明の一実施の形態に係る複眼カメラ付き再生装置の外観図である。図4Aは正面図、図4B,Cはそれぞれ蓋ありと蓋なしの下面図、図4D,Eはそれぞれ蓋ありと蓋なしの側面図である。
【0020】
複眼カメラ付き再生装置(以下、単に「再生装置」と称す)20は、画像処理装置の一例であり、複眼のレンズ21A,21Bとシャッターボタン22を備える。再生装置20は、ユーザがシャッターボタン22を押すことで、片方のレンズからの光学像の入力を用いて2次元映像(静止画、動画)の撮影、記録を行うことができる。また、複眼レンズ21A,21Bからの光学像の入力を用いて3次元映像(静止画、動画)の撮影、記録も行うことができる。なお、以下では、レンズにより取り込まれた光学像に対応する静止画および動画を総称して「映像」と称し、その映像のデータを「映像データ」と称する。
【0021】
本実施の形態では、撮影された映像は、図4Bに示す底面の蓋23を開けたところに存在する、図4Cに示すメモリカード24に記録される。また図4Cに示すように、バッテリー25を備え、外出先などでも使用が可能にしてある。また図4Dに示す側面の蓋26を開けたところに存在する、図4Eに示す電源端子27にAC電源を接続して電力を供給し、バッテリー25を挿入せずとも再生装置20を動作させたり、バッテリー25を充電したりすることも可能になる。また図4Eに示す外部出力端子28にケーブルを繋ぎ、テレビジョン受像機などの外部出力機器と接続が可能になる。なお、再生装置20のキー配置や入出力端子等の外観は一例であり、この例に限られない。
【0022】
[再生装置が設置された光学式タッチパネルの外観]
図5は、再生装置20を用いた光学式タッチパネルの正面図である。
図5に示すように再生装置20のレンズ21A,21Bを下向きにした状態で、再生装置20を外部出力機器10の枠体11上部に設置する。これにより、図5に示すように2つのレンズ21A,21Bを用いて取得される映像を用い、3点測量により手や指、ペンなどの指示体の位置を捉えることで、タッチUIを実現可能になる。上述したとおり、レンズ21A,21B間の距離dとタッチ位置Aへの角度α、βがわかれば、一般的にタッチ位置を算出することが可能である。
【0023】
なお、外部出力機器10は、表示機能を備えていればよく、テレビジョン受像機や液晶表示パネル等のディスプレイ装置を適用できる。
【0024】
図6は、本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第1変形例の正面図である。
再生装置20を設置する際には、複眼カメラの両眼(レンズ21A,21B)が外部出力機器10の画面の4隅を検知できなくてはならない。もし外部出力機器10が大画面で4隅が入らない場合は、広角のレンズを利用する。あるいは、図6に示すように、再生装置20を外部出力機器10の枠体11上部から離れて設置可能にする治具(クレードルなど)20Pを、枠体11上部に取り付けるようにしてもよい。
【0025】
図7は、本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第2変形例の正面図である。
図6例の他、図7に示すように再生装置20を真ん中から分割して再生装置20−1,20−2とし、再生装置20−1,20−2をケーブル20Cで接続するようにしてもよい。
【0026】
図8は、本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第3変形例の正面図である。
また、図8に示すように、再生装置20−1,20−2が相互に無線で情報のやり取りを行う形式にして、設置することも可能である。
図9は、本発明の一実施の形態で用いられる複眼カメラ付き再生装置の第4変形例の正面図である。
さらに、2つのレンズの各々が完全に下向きではなく、図9に示すように外部出力機器10の画面の4隅が捉えられるのであれば、枠体11の角部付近に斜め方向に設置してもよい。
【0027】
[大画面の外部出力機器を用いて実現されるタッチUI]
次に、外部出力機器10で実現されるタッチUIについて説明する。
図10A〜Dは、外部出力機器10におけるタッチUIの一例を説明するための図である。なお、図10A〜Dの例では、再生装置20が図5の形式で外部出力機器10に設置され、画面の4隅が検知できるものとして説明を進める。
【0028】
本実施の形態に係る再生装置20を用いた光学式タッチパネルでは、図10Aに示す外部出力機器10のモード切り替えボタン10Bをユーザが押すことにより、記録モード等の他のモードから再生モードに切り替えることが可能である。
【0029】
外部出力機器10は、再生装置20が撮影機能を有する場合にその撮影機能を利用して記録した映像データや、他の撮影装置などで撮影された映像データを再生することができる。モード切り替えボタン10Bを押して再生モードに切り替えると、メモリカード24に記録された映像データの一覧が画面に表示される。図10Aの例では、6枚のサムネイル画像が画面に表示されている。ここで再生を行いたい場合は、再生したい映像に対応するサムネイル画像に指4を触れることにより、所望の映像が選択される。ここでは、サムネイル画像30Sが選択され、それに対応する選択画像30が、図10Bに示すように画面全体に表示・再生される。ここで光学式タッチパネルにて図10Cのように指4を例えば左へスライドさせると、指4の動きに伴い選択画像30が左へ移動し、図10Dのように次に記録した画像31に表示を切り替えることができる。
【0030】
スマートフォンと呼ばれるような携帯電話端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどで、直感的な操作が可能なタッチ操作が主流になりつつある。そんな中、テレビジョン受像機やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置などの外部出力機器にもその動きが広がっており、最近になって市販されたOS(Operating System)ではタッチUI機能が標準搭載されるようになった。それによりテレビジョン受像機やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置などの外部出力機器では、大画面ならではの直感的操作が可能になっている。
【0031】
図11A〜Cは、外部出力機器10におけるタッチUIの他の例を説明するための図(1)である。
ここでは、大画面を有する外部出力機器10に再生装置20が接続される、もしくは外部出力機器10に搭載されているメモリカードリーダーに、映像データが記録されたメモリカードが挿入された場合を想定する。図11Aに示すように、外部出力機器10では、記録された映像データのサムネイル画像がカテゴリに分けられて机の上にばら撒かれたような表示がされる。図11Aの例では、運動会カテゴリ、旅行カテゴリ、同窓会カテゴリに属するサムネイル画像群32−1〜32−3が表示されている。
【0032】
例えば画面上の旅行カテゴリの山に対応する部分に指4をタッチして選択すると、図11Bに示すように、旅行関連の写真が、旅行の時期や場所等によって分類されて表示される。この例では旅行A、旅行B、旅行Cの3つのカテゴリのサムネイル画像群33−1〜33−3が表示されている。ここで旅行Bについてのサムネイル画像群33−2に対応する部分に指4をタッチして選択すると、図11Cのように選択された旅行Bについてのサムネイル画像群33−2のみが画面に残る。
【0033】
図12A〜Cは、外部出力機器10におけるタッチUIの他の例を説明するための図(2)である。
ここでは、図12Aに示すように、旅行Bのサムネイル画像群33−2の中で詳細に見たい部分について、まるで机上で写真の束からある程度の塊となった束を移動させるかのような操作が可能である。すなわち、画面上で旅行Bのサムネイル画像群33−2に対応する部分から他の部分へ指4をスライドさせると、図12Aのように、指4をスライドした方向にサムネイル画像がいくつかの束となったサムネイル画像群34−1〜34−3を移動させることができる。
【0034】
そして、移動させたサムネイル画像群34−1〜34−3の中で興味があるサムネイル画像群の部分に、指を触れる。例えば、サムネイル画像群34−1の部分に指を触れると、図12Bに示すように、選択されたサムネイル画像群34−1以外のサムネイル画像群は画面から消去される。その後、図12Cのように、選択したサムネイル画像群34−1に含まれるサムネイル画像35−1〜35−6が画面全体に広がって表示される。
【0035】
図13A〜Cは、外部出力機器10におけるタッチUIの他の例を説明するための図(3)である。
図12Cに示すサムネイル画像35−1〜35−6の中から見たいサムネイル画像を選択すると、図13Aに示すように、選択したサムネイル画像を拡大した選択画像36がフル画面表示される。そして、図13Bに示すように、画面上で指4などを例えば左へスライドさせると、指4の動きに伴い選択画像36が左へ移動し、図13Cに示すように次の画像37に切り替わる。
【0036】
このような多数の画像から直感的に選ぶことのできるUIは、モバイル機器のような小さな画面では実現が困難であり、大画面ならではのUIとなっている。つまり、このUIを実現するにはタッチパネルを実装した大画面のテレビジョン受像機やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置などの外部出力機器が必要である。しかし、本発明に係る複眼カメラ付き再生装置を接続することで、タッチパネルが搭載されていない既存の通常の外部出力機器でもタッチUIが実現可能となる。
【0037】
[複眼カメラ付き再生装置の内部構成]
図14は、本発明の一実施の形態に係る複眼カメラ付き再生装置20の内部構成例を示すブロック図である。
再生装置20は、主に「再生機能」、「位置検出機能」、「指示入力機能」の3つの機能を有し、それぞれの機能は更に以下の各種機能から構成される。
再生機能として、記録メディア制御部101、記録データデコード部102、画像データ格納部103、サムネイルデータ格納部104、出力画像作成部105、外部出力部106、設問表示生成部117および制御信号生成部116の機能を備えている。
また位置検出機能として、撮像部107(右)、撮像部108(左)、撮像データ信号処理部109(右)、撮像データ信号処理部110(左)、位置検出部111、調整値記憶部118および制御信号生成部116の機能を備えている。
そして指示入力機能として、入力部112、加速度センサ113、角度センサ114、外部出力デバイス検出部115および制御信号生成部116の機能を備えている。
【0038】
まず再生機能が備える各種機能を説明する。
記録メディア制御部101は、再生装置20が一形態として備える撮影機能もしくはその他の撮影装置を使って撮影記録を行った映像データが記録された記録メディア100の制御を行い、映像データの読み出しを行うものである。記録メディア制御部101によって記録メディア100から読み出された映像データは、記録データデコード部102に転送される。
なお、記録メディア100としては、半導体メモリ、CD/DVD/Blu−ray Disc(登録商標)などのディスク媒体、ハードディスクなどを利用できる。また、図14の例では、記録メディア100は外部媒体として書かれているが、再生装置20に内蔵されていてもよい。また映像データは、再生装置20と無線により通信可能に接続されていたネットワーク上に存在するサーバなどに記録されていてもよい。
【0039】
記録データデコード部102は、記録メディア100から読み出された映像データを記録メディア制御部101から受け取り、映像データのデコードを行うものである。複数の静止画データを必要とする場合や、動画データを扱う場合は、半導体メモリなどで構成される記録データデコード部102内に存在する一時格納部に複数の静止画データ、動画データの複数フレーム分を格納した後にデコードを行う場合もある。そして映像データは、記録データデコード部102から画像データ格納部103へ転送され、サムネイルデータはサムネイルデータ格納部104へ転送される。
【0040】
画像データ格納部103は、半導体メモリなどで構成され、1枚以上の静止画データや1フレーム以上の動画データを一時記録することができるものである。ここに格納された映像データは、出力画像作成部105へ転送される。
【0041】
サムネイルデータ格納部104は、半導体メモリなどで構成され、1枚以上のサムネイル画像のデータを一時記録することができるものである。ここに格納されたサムネイル画像のデータは出力画像作成部105へ転送される。
【0042】
出力画像作成部105は、画像生成部の一例である。この出力画像作成部105は、画像データ格納部103から転送された映像データ、サムネイルデータ格納部104から転送されたサムネイルデータ、設問表示生成部117より転送された設問データおよび選択肢ボタンデータ、位置検出部111から制御信号生成部116を通じて送信されるタッチ位置情報により、出力画像の作成を行う。
【0043】
例えば映像データに対応する画像のフル画面表示を行う場合や、映像データに対応する画像の複数表示を行う場合には、画像データ格納部103から転送された映像データを使用して出力画像を作成する。また、サムネイル一覧画面を作成したい場合は、サムネイルデータ格納部104から転送されたサムネイルデータを使用して出力画像を作成する。また、設問表示を行いたい場合は、設問表示生成部117から送出される設問データおよび選択肢ボタンデータを組み合わせて出力画像を作成する。また、複数パターンの組み合わせ画像を出力したい場合は、画像データ格納部103、サムネイルデータ格納部104、設問表示生成部117からデータを取得し、これらを組み合わせて出力画像を作成する。
【0044】
さらに、出力画像作成部105は、指示体に関するタッチ位置情報により、外部出力機器10の画面に表示された各映像データに対応する画像の表示位置や表示内容等を変化させたりもする。そして、出力画像作成部105は、作成した出力画像のデータを外部出力部106へ転送する。なお、出力画像作成部105は、表示画面(本例では外部出力機器10)への画像表示を制御する画像表示制御部を構成する要素の一つでもある。
【0045】
設問表示生成部117は、出力画像作成部105とともに画像生成部を構成している。この設問表示生成部117は、制御信号生成部116からの設問表示命令により、表示するべき設問とアイコンで表示される選択肢ボタンの位置を決定し、出力画像作成部105に設問データと選択肢ボタンデータを転送する。
【0046】
外部出力部106は、出力画像作成部105にて作成した出力画像データを外部(本例では、外部出力機器10)へ出力するものであり、出力画像作成部105とともに画像表示制御部を構成する。この外部出力部106は、外部出力機器10に対してHDMI(High-Definition Multimedia Interface)などにより接続して、出力画像作成部105にて作成した出力画像データを表示させる機能を備える。接続方法としてはHDMIなどのようにケーブルによる接続だけでなく、UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信を利用して接続してもよい。
【0047】
次に、位置検出機能が備える各種機能を説明する。
撮像部107は、再生装置20が左右に備える撮像装置の右側である。この撮像部107は内蔵するCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子の上に被写体の光学像を結像させ、撮像素子上に蓄積された電気信号を撮像データ信号処理部109へ転送するものである。
【0048】
撮像部108は、再生装置20が左右に備える撮像装置の左側であり、その機能は撮像部107と同様である。
【0049】
撮像データ信号処理部109は、撮像部107より受信した撮像データに対して解像度変換や補正処理などを行い、各種処理を施した撮像データを位置検出部111へ転送するものである。
【0050】
撮像データ信号処理部110は、撮像データ信号処理部109と同様に、撮像部108より受信した撮像データに対して各種処理を施して位置検出部111へ転送するものである。
【0051】
調整値記憶部118は、位置情報記憶部の一例であり、半導体メモリなどで構成され、キャリブレーション時には位置検出部111より受信した補正データ(補正値)の記録を行うものである。またタッチ位置検出時には記録された補正データを位置検出部111へ転送する。調整値記憶部118は、半導体メモリなどで構成される。
【0052】
位置検出部111は、撮像データ信号処理部109および撮像データ信号処理部110より受信した画像情報、調整値記憶部118より受信した補正データより、画面上の指示体の位置(タッチ位置)の算出を行うものである。算出された位置情報は制御信号生成部116へ転送される。
【0053】
次に、指示入力機能が備える各種機能を説明する。
入力部112は、ユーザの指示入力に応じて再生装置20に搭載されている、各種入力デバイスからの入力信号を受信してデコードし、入力信号に含まれる命令を制御信号生成部116へ転送するものである。なお、入力デバイスの例として、プッシュスイッチやタッチパネル、リモートコントローラ(赤外線/無線LANなど)などが挙げられる。
【0054】
加速度センサ113は、再生装置20の加速度を測定し、測定された加速度を制御信号生成部116へ転送するものである。
【0055】
角度センサ114は、加速度センサ、重力センサなどで構成され、再生装置20の向きの角度状態を測定し、測定した角度の情報を制御信号生成部116へ転送するものである。
【0056】
外部出力デバイス検出部115は、再生装置20が外部出力機器10と接続されたことを検知し、制御信号生成部116へ通知するものである。なお、HDMI−CEC(HDMI-Consumer Electronics Control)などの技術を利用して外部出力機器10の機器情報を受信できる場合は、受け取った機器情報をも制御信号生成部116へ転送する。
【0057】
最後に、制御信号生成部116は、制御部の一例であり、再生機能、位置検出機能、指示入力機能などの制御を司るものである。すなわち、入力部112、加速度センサ113、角度センサ114、外部出力デバイス検出部115、位置検出部111から受信した情報を元に制御信号を生成し、各部に対して制御信号を発行する。この制御信号生成部116は、例えばCPU(Central Processing Unit)などから構成することができ、半導体メモリなどからなる不揮発性メモリ119に記録された制御用のコンピュータプログラムをワークメモリ(図示略)に読み出して実行することにより、各部の機能を実現している。なお、メモリカード24(図4参照)にコンピュータプログラムが記憶されていて、制御信号生成部116がメモリカード24からコンピュータプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0058】
[複眼カメラ付き再生装置の動作]
図15は、図14に示した複眼カメラ付き再生装置20の動作の概要を示すフローチャートである。
まずステップS1において、制御信号生成部116は、入力デバイスからユーザの起動指示に応じた入力信号を受信し、再生装置20の電源を起動してステップS2に移行する。
【0059】
ステップS2において、制御信号生成部116は、再生装置20が外部出力機器10と通信可能に接続されている旨の通知を外部出力デバイス検出部115から受信し、ステップS3に移行する。この処理の詳細については後述する。
【0060】
ステップS3において、制御信号生成部116は、モードの選択や設定についての選択肢ボタン(アイコン)を含む画像を外部出力機器10の画面に表示させ、ユーザに選択や設定を促す。そして、位置検出部111により検出される画面上の指示体の位置に基づいて、該指示体により複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定する。次に、選択されたと特定されたアイコンに対応する、調整値記憶部118に記憶されたアイコンの位置に基づいて、位置検出部111で検出される指示体の位置のキャリブレーションを実行する。制御信号生成部116は、ユーザが画面に表示された選択肢を含む画像を見ながら所望の選択肢ボタンの選択や設定を行うのと並行して、その裏で光学式タッチパネルのキャリブレーションを実行し、ステップS4に移行する。この処理の詳細については後述する。
【0061】
ステップS4において、制御信号生成部116は、キャリブレーションが成功したか否かの判定を行う。キャリブレーションが成功ならばステップS6へ、失敗であればステップS5へ移行する。
【0062】
ステップS5において、制御信号生成部116は、再びキャリブレーションを行うか否かの判定を行う。
判定の基準は、例えばユーザが選択肢ボタンを操作して再キャリブレーションを選択したことを検出したことでもよい。または、外部出力機器10に対して再キャリブレーションの実行の可否をユーザに選択させるための左右選択画面を出力し、撮像部107,108で撮影して左右のいずれに指等の指示体があるかを認識して選択方向を捉えてもよい。あるいは、初期設定として、3回まではキャリブレーションを失敗しても繰り返し、4回目は終了などと決めておいても構わない。この判定処理で、再びキャリブレーションを行うことを選択したならばステップS3へ移行する。再びキャリブレーションを行わないのであればステップS9へ移行し、処理を終了する。
【0063】
ステップS6において、制御信号生成部116は、ユーザによってタッチUI再生モードが選択されたか否かの判定を行う。もしもタッチUI再生モードが選択されればステップS7へ、選択されていなければステップS8へ移行する。
【0064】
ステップS7において、制御信号生成部116は、タッチUI再生モードを動作させる。タッチUI再生モードが終了するとステップS9へ移行する。この処理の詳細については後述する。
【0065】
ステップS8において、制御信号生成部116は、通常再生モードを動作させる。通常再生モードが終了するとステップS9へ移行する。この処理の詳細については後述する。
【0066】
ステップS9において、制御信号生成部116は、電源がオフにされたり、モードを切り替えられたり、再生装置20が外部出力機器10と切断されるなどを検出すると、動作を終了する。
【0067】
[再生装置と外部出力機器との接続処理]
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS2における再生装置20と外部出力機器10との接続処理について説明する。
まずステップS11において、再生装置20の電源がオンのとき当該動作が開始する。
【0068】
ステップS12において、再生装置20にHDMIケーブルなどを用いて外部出力機器10に物理的に接続する。すると外部出力デバイス検出部115は、外部出力機器10との接続を検知して、制御信号生成部116に外部出力機器接続信号を転送する。制御信号生成部116は、外部出力デバイス検出部115から転送された外部出力機器接続信号を受信すると、ステップS13に移行する。外部出力機器10が接続されなければ外部出力機器10が接続されるまで待つ。
【0069】
ステップS13においては、前提として外部出力機器10の枠体11の上部に再生装置20を下向きに設置されることを想定する。設置の際には、外部出力機器10側に再生装置20との接続用の接続部(コネクタ等)が存在する場合や、再生装置20側に外部出力機器10に挟み込むためのクリップなどがついていて、それらを利用して設置する。外部出力機器10側に再生装置20との接続用の接続部がある場合は、ケーブルではなく、それを通じて外部出力機器10側と接続を行う場合もある。
【0070】
ここで制御信号生成部116は、角度センサ114からの角度情報により、再生装置20が下向きになっているか否かを確認する。もしも再生装置20が下向きであると判断されれば、角度センサ114から制御信号生成部116に対して下向き信号を転送し、ステップS14に移行する。下向きでなければステップS12に移行する。
【0071】
ステップS14において、制御信号生成部116は、加速度センサ113からの加速度情報により、再生装置20が静止状態かどうかを確認する。もしも再生装置20が静止状態と判断されれば、加速度センサ113から制御信号生成部116に対して静止状態信号を転送し、ステップS15に移行する。静止状態でなければステップS12に移行する。
【0072】
そして、ステップS15において、制御信号生成部116は、本フローチャートによる動作を終了する。
【0073】
なお、本実施の形態では、再生装置20が外部出力機器10に接続されたことや、再生装置20が外部出力機器10上部に設置されたこと等を認識した上で、図15のステップS2が終了し、ステップS3に移行する例を説明した。しかし、外部出力機器10に接続後に再生装置20が自装置の状態を認識するのではなく、ユーザから再生装置20上のボタンなどを押された場合に、ステップS3に移行しても構わない。
【0074】
また、再生装置20の設置の形態は、図5〜図9にて述べたような形態が考えられるが、ここでは、図5の形態にて設置されたものとして説明を行う。
【0075】
再生装置20の設置が終了すると、前述のように光学式タッチパネルのキャリブレーションを取る必要がある。再生装置20は、このキャリブレーションをユーザにメニューなどを選択させている間に、ユーザにキャリブレーションを意識させずにキャリブレーション行わせるという特徴がある。
【0076】
[キャリブレーションモード]
次に、図17のフローチャートを参照して、図15のステップS3におけるモード選択・設定(キャリブレーション)について説明する。
【0077】
まずステップS21において、再生装置20と外部出力機器10の接続、外部出力機器10上への再生装置20の設置が行われると、制御信号生成部116より、再生装置設置完了信号が各部へ転送され、ステップS22へ移行する。
【0078】
ステップS22において、制御信号生成部116より再生装置設置完了信号を設問表示生成部117が受信すると、設問表示生成部117が設問を例えばOSD(On Screen Display)として生成し、その設問データを出力画像作成部105に転送する。
出力画像作成部105は、設問表示生成部117から受信した設問、左上ボタン、右上ボタンなどのOSDデータを適切に配置して画面出力を構成する。
【0079】
ここで「設問、左上ボタン、右上ボタン」のOSDデータに対応する画像とは、例えば図18に示すような構成である。ここでの設問は「タッチUIモードならば左、通常モードならば右のボタンにタッチしてください。」という内容であるが、この例に限られない。この出力画像は、出力画像作成部105から外部出力部106へ転送され、外部出力部106により外部出力機器10に転送される。そして、外部出力機器10の画面に設問と選択肢ボタンが表示される。制御信号生成部116は、設問表示の処理が完了するとステップS23へ移行する。
【0080】
ステップS23において、右用の撮像部107、左用の撮像部108が撮像データを取得し、それぞれ撮像データ信号処理部109、撮像データ信号処理部110へ転送する。撮像データ信号処理部109,110はそれぞれ、撮像部107,108から取得した撮像データに対して、ノイズ除去や解像度変換などの処理を行う。
【0081】
ここで、撮像データ信号処理部109,110が実行する処理の一つであるマスク処理を説明する。
【0082】
図25は、枠体11上部に再生装置20が設置された外部出力機器10(図5参照)のA−A線断面図である。また図26は、再生装置20の撮像部107,108で取得される画像の一例である。
撮像部107,108で取得される画像のうち、外部出力機器10と逆方向の部分の領域Mについてマスク処理をする(図26の暗部)。図26に示す領域NMは、有効領域であって、枠体11に対応する画像131と外部出力機器10の画面に対応する画像132から構成される。
【0083】
外部出力機器10の画面上をタッチする指やペン等の指示体を撮像部107,108からの撮像データより検出するが、外部出力機器10から離れた方向にある画像はノイズにしかならないので必要ない。そのため、予めマスク処理を行うことで、より正確に位置検出ができるようになる。撮像データ信号処理部109,110で得られた撮像データを位置検出部111へ転送する。
【0084】
ユーザが、図18に示した画面上の左上ボタンか右上ボタンを指やペンなどの指示体でタッチすると、撮像部107および撮像部108がその指示体を撮像し、上記説明どおりに位置検出部111に撮像データが転送される。
【0085】
そして、指示体によりタッチされた選択肢ボタンの場所が左か右かを位置検出部111にて検出する。位置検出部111は撮像部107、撮像部108が捕えた撮像データの中心に対して、どちら側に指示体が検出されたかで確認する。画像診断による物体検出方法は様々な方法が知られている。
例えば、指示体の色を元に検出したり、これまで動いていたものが停止することで検出したり、数フレーム前の画像を検出し、数フレーム前には認識できなかったものが認識できるようになったものについて検出したり等の方法がある。さらに、図1を参照して説明したように、赤外線などを照射し、外部出力機器10の枠体11に反射板を貼りつけておき、その反射が来なかった部分を認識するなど、どのような方法を用いてもよい。
【0086】
撮像部107、撮像部108の撮像データがそれぞれ、図27Aのように物体133が画面に対応する画像132の中心から左側にあれば、位置検出部111は物体133左側に存在することを認識できる。また、図27Bように物体133が画面に対応する画像132の中心から右側にあれば、位置検出部111は物体133が右側に存在することを認識できる。
【0087】
ステップS23において、位置検出部111で左側の選択肢ボタンが選択されたと判断できればステップS25へ、そうでなければステップS24へ移行する。
【0088】
ステップS24において、位置検出部111が、右側の選択肢ボタンが選択されていることを確認できればステップS40へ、確認できなければステップS51へ移行する。
【0089】
ステップS25において、位置検出部111はステップS23により検出した選択肢ボタンの場所を左上の場所として記憶するように、左上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた左上位置データは最新のものに置き換わる。位置の記憶が完了するとステップS26へ移行する。
【0090】
ステップS26において、図14の各部がステップS22と同様の動作を行い、設問と右上ボタン、右下ボタンを、例えば図21のような形式で外部出力機器10に表示を行う。ここでの設問は「タッチUIモードAを表示ならば赤ボタンに、タッチUIモードBならば青ボタンにタッチしてください。」という内容であるが、この例に限られない。制御信号生成部116は、表示が完了するとステップS27へ移行する。
【0091】
ステップS27において、図14の各部がステップS23と同様の動作を行い、位置検出部111が、上側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS29へ、そうでない場合はステップS28へ移行する。
【0092】
ステップS28において、位置検出部111が、下側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS35へ、そうでなければステップS51へ移行する。
【0093】
ステップS29において、位置検出部111はステップS27により検出した場所を右上の場所として記憶するように、右上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右上位置データは最新のものに置き換わる。位置の記憶が完了するとステップS30へ移行する。
【0094】
ステップS30において、図14の各部がステップS22と同様の動作を行い、設問と左下ボタン、右下ボタンを、例えば図20のような形式で外部出力機器10に表示を行う。ここでの設問は「タッチUIモードに切り替えますか?」という内容であるが、この例に限られない。
ここで、タッチパネルにおいてのキャリブレーションは最低3点の場所がわかればよいので、左下ボタン、右下ボタンの選択式ではなく、例えば図22に示すような同意式の1箇所のボタンを左下か右下に表示し、ユーザに押させる形でも構わない。制御信号生成部116は、表示が完了するとステップS31へ移行する。
【0095】
ステップS31において、図14の各部がステップS23と同様の動作を行い、位置検出部111が、右側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS33へ、そうでなければステップS32へ移行する。
【0096】
ステップS32において、位置検出部111が、左側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS34へ、そうでなければステップS51へ移行する。
【0097】
ステップS33において、位置検出部111はステップS31により検出した選択肢ボタンの場所を右下の場所として記憶するように、右下位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右下位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS52へ移行する。
【0098】
ステップS34において、位置検出部111はステップS32により検出した選択肢ボタンの場所を左下の場所として記憶するように、左下位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた左下位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS52へ移行する。
【0099】
ステップS35において、位置検出部111はステップS28により検出した選択肢ボタンの場所を右下の場所として記憶するように、右下位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右下位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS36へ移行する。
【0100】
ステップS36において、図14の各部がステップS22と同様の動作を行い、設問と左下ボタン、右上ボタンを例えば図23のような形式で外部出力機器10に表示を行う。ここでタッチパネルにおいてのキャリブレーションは最低3点の場所がわかればよいので、左下ボタン、右上ボタンの選択式ではなく、図22に示すような同意式の1箇所のボタンを左下か右上に表示し、ユーザに押させる形でも構わない。制御信号生成部116は、表示が完了するとステップS37へ移行する。
【0101】
ステップS37において、図1の各部がステップS23と同様の動作を行い、位置検出部111が、左下側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS34へ、そうでなければステップS38へ移行する。
【0102】
ステップS38において、位置検出部111が、右下側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS39へ、そうでなければステップS51へ移行する。
【0103】
ステップS39において、位置検出部111はステップS38により検出した選択肢ボタンの場所を右上の場所として記憶するように、右上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右上位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS52へ移行する。
【0104】
ステップS40において、位置検出部111はステップS24により検出した選択肢ボタンの場所を右上の場所として記憶するように、右上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右上位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS41へ移行する。
【0105】
ステップS41において、図14の各部がステップS22と同様の動作を行い、設問と左上ボタン、左下ボタンを例えば図19のような形式で外部出力機器10に表示を行う。制御信号生成部116は、表示が完了するとステップS42へ移行する。
【0106】
ステップS42において、図14の各部がステップS23と同様の動作を行い、位置検出部111が、上側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS44へ、そうでない場合はステップS43へ移行する。
【0107】
ステップS43において、位置検出部111が、下側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS45へ、そうでなければステップS51へ移行する。
【0108】
ステップS44において、位置検出部111はステップS42により検出した選択肢ボタンの場所を左上の場所として記憶するように、左上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた左上位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS30へ移行する。
【0109】
ステップS45において、位置検出部111はステップS43により検出した選択肢ボタンの場所を左下の場所として記憶するように、左下位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた左下位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS46へ移行する。
【0110】
ステップS46において、図14の各部がステップS22と同様の動作を行い、設問と右下ボタン、左上ボタンを例えば図24のような形式で外部出力機器10に表示を行う。ここでタッチパネルにおいてのキャリブレーションは最低3点の場所がわかればよいので、右下ボタン、左上ボタンの選択式ではなく、図22に示すような同意式の1箇所のボタンを右下か左上に表示し、ユーザに押させる形でも構わない。制御信号生成部116は、表示が完了するとステップS47へ移行する。
【0111】
ステップS47において、図14の各部がステップS43と同様の動作を行い、位置検出部111が、右下側の選択肢ボタンが選択されていることを確認するとステップS49へ、そうでなければステップS48へ移行する。
【0112】
ステップS48において、位置検出部111が、左上側の選択ボタンが選択されていることを確認するとステップS50へ、そうでなければステップS51へ移行する。
【0113】
ステップS49において、位置検出部111はステップS47により検出した選択肢ボタンの場所を右下の場所として記憶するように、右下位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた右下位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS52へ移行する。
【0114】
ステップS50において、位置検出部111はステップS48により検出した選択肢ボタンの場所を左上の場所として記憶するように、左上位置記憶命令を調整値記憶部118に発行し、位置の記憶を行う。過去に書き込まれた左上位置データは最新のものに置き換わる。制御信号生成部116は、位置の記憶が完了するとステップS52へ移行する。
【0115】
ステップS51において、各ステップでの判断処理の結果、位置検出部111は正しい場所を算出できないため、制御信号生成部116に対してエラー信号を送信する。次に、制御信号生成部116は、設問表示生成部117に対してエラー表示命令を送信する。設問表示生成部117は、エラー表示命令を受信するとエラーメッセージを生成し、出力画像作成部105に送信し、エラーメッセージを画像として組み合わせる。そして、出力画像作成部105は、外部出力部106を通じて作成した画像を外部出力機器に転送し、画面にエラーメッセージを表示する。制御信号生成部116は、エラーメッセージの表示が完了するとステップS52へ移行する。
【0116】
ステップS52において、制御信号生成部116は、キャリブレーション処理を終了する。
【0117】
[タッチUI再生モード]
次に、図15のステップS7におけるタッチUI再生モードについて説明する。
この段階では、キャリブレーションを実行したことにより、指や手、ペンなどの指示体の位置を検出可能になっている。そのため、例えば[大画面の外部出力機器を用いて実現されるタッチUI]のような操作が、タッチパネルなしの通常のディスプレイ装置等の外部出力機器でも、再生装置20を外部出力機器上部に設置するだけで、実現可能になる。
【0118】
タッチUIによる操作の概要について、図14を参照して説明する。図17のキャリブレーションモード処理を経てキャリブレーションが完了し、タッチUI再生モードが選択された場合に、制御信号生成部116よりタッチUI再生モードスタート信号が発行される。
それにより各部がタッチUI再生モードに切り替わり、記録メディア制御部101は記録メディア100より映像データの読み出しを開始する。その際にメタデータ等に基づいてカテゴリ順に映像データを読み出す。例えば図11Aのように、運動会カテゴリ、同窓会カテゴリ、旅行カテゴリなどに分けての読み出しが可能である。
【0119】
読み出された映像データは記録データデコード部102へ転送され、サムネイルデータのデコードを行い、サムネイルデータ格納部104へ転送される。転送されたサムネイルデータは出力画像作成部105に転送され、図11Aのようなカテゴリごとに分類された画像を生成し、外部出力部106を通じて外部出力機器10へ出力する。
【0120】
ここで例えば旅行のサムネイル画像群を手でタッチする。すると撮像部107、撮像部108が撮像データ信号処理部109、110を通じて位置検出部111へ撮像されたデータを転送する。位置検出部111は検出した位置に対して、キャリブレーション時に記憶したキャリブレーション情報を調整値記憶部118より読み出し、キャリブレーション前より正確な位置の検出を可能にする。位置の補正方法もいくつか知られているが、以下に簡単な説明を行う。
【0121】
[位置補正方法]
図28A,Bは、複眼カメラを外部出力機器10上部の中心に設置した時の、当該複眼カメラによる光学式タッチパネルの左下隅と右下隅の認識を説明するための図である。また図29A,Bは、複眼カメラを外部出力機器10上部の中心からずれて設置した時の、当該複眼カメラによる光学式タッチパネルの左下隅と右下隅の物体認識を説明するための図である。
【0122】
例えば、画面上の左下のポイント134L、右下ポイント134Rは、左用の撮像部108で撮像した画像132L、右用の撮像部107で撮像した画像132Rにおいて、図28A,Bに示すような正しい位置に認識される。
【0123】
ここで、例えば図29A,Bのように外部出力機器10上部に対して再生装置20がやや左寄に設置されてしまったとする。なお、図29A,Bの例において、再生装置20は、外部出力機器10の画面と平行に取り付けられているとする。
このとき、左下,右下のポイント134L,134Rは、左用の撮像部108で撮像した画像132L´、右用の撮像部107で撮像した画像132R´において、図29A,Bに示すような位置に認識される。すなわち、再生装置20が左寄りに設置されてしまった場合、左下,右下のポイント134L,134Rは、再生装置20が中央に設置した場合と異なる位置に認識される。
【0124】
もしもここで再生装置20が中央に置かれたときの状態を真の状態であると、再生装置20自身が検出したと想定する。そうすると、図29A,Bの例のように再生装置20が左にずれて設置された場合、再生装置20は全てのポイントが実際よりも右側をタッチされたかのように認識してしまう。ここでキャリブレーション時にこの左下を認識した場合に左用の撮像部108ではどの位置に認識するか、右下を認識した場合に右用の撮像部107ではどの位置に認識するかを記憶しておく。それにより左隅と記憶した場所と右隅と認識した場所の中央の位置に認識したら、現在は中央にタッチされているなどと求めることが可能になる。すなわち、表示画面の表面における指示体の位置と、撮影により取得した画像上における指示体の位置との対応関係を調整することができる。
【0125】
これを最低三点、横方向と縦方向の位置を知ることにより、タッチ位置を認識可能になる。もちろん三点以上のポイントを使ってキャリブレーション可能であれば、より正確な位置検出が可能になる。
【0126】
位置検出部111が、位置を検出したらその位置情報を制御信号生成部116に送信し、その場所に表示しているものが何かを検索し、選択されたことを認識する。これにより、例えば今回のように旅行カテゴリのサムネイル画像群をタッチするとそれを認識し、次のカテゴリの表示命令を制御信号生成部116より各部に発行することで、記録メディア制御部101が記録メディア100からの読み出しを開始する。
【0127】
このような手順で画像データの読み出し、タッチ位置の認識を行い、再生装置20を使ってタッチパネル機能なしの通常のディスプレイ装置等の外部出力機器でも、前述したような[大画面の外部出力機器を用いて実現されるタッチUI]が実現可能になる。
【0128】
[通常再生モード]
次に、図15のステップS6における通常再生モードについて説明する。
これは光学式タッチパネルとして再生装置20を使わないモードで、例えば一般に市販されているデジタルスチルカメラなどと同じ操作モードとなる。外部出力機器と再生装置を接続し、その操作は光学式タッチパネルを使って行うのではなく、接続した再生装置の表示パネル上で操作を行う。
【0129】
例えば図10A〜Dについて[大画面の外部出力機器を用いて実現されるタッチUI]で説明したような動作を行うと、それと同じ画面が液晶表示パネル上に表示されたり、液晶表示パネル上にサムネイル画像などが並んで表示されたりする。表示された画面内の画像の選択は、再生装置上の表示パネルにカーソルキーやOKボタン、キャンセルボタン等を含むコントローラを表示して、そのコントローラを操作する。再生装置本体に配置された操作スイッチによる操作やリモートコントローラなどの外部コントローラ、または接続先のディスプレイ装置などから操作することもある。しかしながら、大画面ならではの直感的な操作であるタッチUIを行うには、タッチUIが可能な大画面の外部出力機器を用意する必要がある。
【0130】
<2.その他>
選択肢ボタンの自動サイズ変更について説明する。
キャリブレーションポイントとして用いる選択肢ボタンは、大きいとユーザがキャリブレーション時、設問選択時に押す範囲が広いため、その分だけ光学式タッチパネルの位置検出精度が落ちる。つまりは、より大画面の外部出力機器に選択肢ボタンを表示することにより、大画面でない通常ディスプレイ装置と同じようにして出力画像を表示すると選択肢ボタンの大きさが大きくなってしまう。
【0131】
図30Aは、複眼カメラ付き再生装置を用いた光学式タッチパネルを大画面の外部出力機器に適用した場合の選択肢ボタンの例を示している。Aは、キャリブレーションモードのとき表示される選択肢ボタン(左上、右上)の例であり、Bは、大きさ補正後の選択肢ボタン(左上、右上)の例である。
例えば図18のような表示を大画面の外部出力機器200に表示すると、図30Aのように選択肢ボタンが大きくなり、キャリブレーションの精度が落ちてしまう。そこで外部出力機器200側の画面サイズのインチ数を例えばHDMI CECなどの制御信号により取得することで、画面サイズのインチ数に応じて選択肢ボタンの大きさを変化させる。また、選択肢ボタンを表示するために使用するピクセル数を決めておいてもよい。図30Bは、選択肢ボタンを適切な大きさに変化させて表示した例である。図30Bの例では、画面サイズが大きくなっても選択肢ボタンの大きさは大きくならないので、キャリブレーションを精度よく行うことができる。
【0132】
ところで、上述したように、これまで詳細なキャリブレーションを行うにあたっては、3点以上の多くのポイントを押す必要があった。そこで、例えば30点押さなくてはならない場合、本発明のキャリブレーション手法で5点については設問形式により裏でキャリブレーションを行い、残り25点は入力ポイントを表示して強制的に押させる通常のキャリブレーションをやらせる形式をとってもよい。この組み合わせの手法により、従来よりも幾分かはユーザの負担を軽減できる。
【0133】
外部出力機器上にある再生装置が、当該外部出力機器から動かされたことを図14の加速度センサ113や角度センサ114にて検知すると、制御信号生成部116は再度キャリブレーション実行命令を発行し、各部をキャリブレーションモードにして、自動再キャリブレーションを実行するようにしてもよい。
【0134】
上述した実施の形態によれば、例えばモード設定などのキャリブレーション専用の設問とは異なる(キャリブレーション作業を連想させない)設問と複数の選択肢ボタンを画面に表示する。そして、ユーザに選択肢ボタンを選択させ、並行してその裏でキャリブレーションを実行することにより、ユーザの一の選択動作で、設定処理とキャリブレーションに必要な情報を同時に取得することができ、ユーザの負担を大幅に軽減できる。例えば、モード切替時にどのモードを選択するか、例えば外部出力機器にケーブルを接続したとしても外部出力機器にプレビュー画像を映しての撮影がやりたいのか、再生モードにしたいのかなど、何点か設定の選択が必要となる。そのとき、設問と選択肢ボタンを画面に表示し、その選択時に裏でキャリブレーションを行うということで実使用にあたってユーザに新たな作業追加なく、キャリブレーションも行うことができるため、ユーザの負担を軽減される。
【0135】
また、従来のタッチセンサなしの外部出力機器を使用しながらもタッチUIを実現できるというだけでなく、さらにキャリブレーションという億劫な作業について各種設定を行うと同時に実行される。そのため、ユーザへの負担を軽減しながら、直感的でわかりやすいタッチ操作が可能になる。また逆の視点で考えればキャリブレーションを行いながら同時に設定作業が可能という利点もある。
【0136】
また本発明の再生装置は外部出力機器に対する設置位置がずれた際、初めて設置した際に自動的にキャリブレーションモード、設問表示モードに切り替わるので、ユーザにキャリブレーションを忘れずに行わせることが可能である。
【0137】
なお、本発明に係る再生装置はカメラを用いたタッチUI技術を適用しているため、奥行き、左右程度の認識はキャリブレーション前でも認識可能なため、設問によるキャリブレーションが可能である。
【0138】
以上、本発明の各実施の形態の例について説明したが、本発明は上記各実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことはいうまでもない。
【0139】
例えば、上述した実施の形態においては、再生装置20(図4,図14参照)は、外部出力機器10の表示画面を撮影するための撮像機能(レンズ、撮像部、撮像データ信号処理部)を2つ備える構成としたが、この例に限られない。例えば、再生装置としては撮像機能を少なくとも一つ備えていればよく、一つの撮像機能を持つ再生装置で取得した一つの撮像データと、他のカメラで当該表示画面を撮影して得た撮像データとを利用して、光学式タッチパネルを実現するようにしてもよい。
【0140】
また、上述した実施の形態においては、設問とユーザに選択されたアイコンとに対応する設定処理を行い、並行してキャリブレーションを行うようにしたが、設定処理とキャリブレーションに必要な情報を同時に取得できれば実行の順番はこの例に限られない。例えば、設定処理に先行してキャリブレーションを実行してもよい。勿論、設問とユーザに選択されたアイコンとに対応する設定処理を実行した後、キャリブレーションを実行するようにしてもよい。
【0141】
また、上述した実施の形態においては、再生装置20が、撮像部107,108から供給される表示画面の撮像データに基づいてキャリブレーションを実行する構成としたが、この例に限られない。例えば、タッチパネルを実装した大画面のテレビジョン受像機やパーソナルコンピュータと接続したディスプレイ装置などの外部出力機器において、表示画面の撮像データに基づいてキャリブレーションを実行するようにしてもよい。
【0142】
また、本明細書において時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
【符号の説明】
【0143】
10、200…外部出力機器、11…枠体、20…複眼カメラ付き再生装置、21A,21B…レンズ、105…出力画像作成部、106…外部出力部、107,108…撮像部、109,110…撮像データ信号処理部、111…位置検出部、112…入力部、115…外部出力デバイス検出部、117…制御信号生成部、118…設問表示生成部、119…調整値記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面への画像表示を制御する画像表示制御部と、
設問と該設問に対して任意に選択可能な複数のアイコンからなる選択肢ボタンとを含む設問画像を生成する画像生成部と、
前記表示画面を撮影した撮像データから、当該表示画面上に存在する指示体の位置を検出する位置検出部と、
前記画像生成部で生成された前記設問画像を前記表示画面に表示したときの前記複数のアイコンの位置を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置検出部により検出される前記指示体の位置に基づいて前記指示体によって前記複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定し、選択されたと特定された前記アイコンに対応する、前記位置情報記憶部に記憶された前記アイコンの位置に基づいて、前記位置検出部で検出される前記指示体の位置のキャリブレーションを実行する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記設問は、キャリブレーション専用の設問とは異なる設問である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記設問と前記選択されたと特定された前記アイコンとに対応する設定処理を実行し、並行して前記キャリブレーションを実行する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示画面の画面サイズ情報を取得し、前記画像生成部に対して前記画面サイズ情報に応じて前記選択肢ボタンのサイズを変更させる
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
加速度センサおよび角度センサを、さらに備え、
前記制御部は、前記加速度センサおよび前記角度センサの出力に基づいて、当該画像処理装置の設置位置が前記表示画面の基準の位置からずれたことを検出した場合、前記画像生成部に前記設問画像を生成させ、前記表示画面に表示させる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示画面を撮影する撮像部を少なくとも一つ備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置が備える画像生成部により、設問と該設問に対して任意に選択可能な複数のアイコンからなる選択肢ボタンとを含む設問画像を生成するステップと、
前記画像処理装置が備える位置検出部により、前記画像処理装置が備える画像表示制御部によって画像表示が制御される表示画面を撮影した撮像データから、当該表示画面上に存在する指示体の位置を検出するステップと、
前記画像処理装置が備える制御部により、前記位置検出部によって検出される前記指示体の位置に基づいて前記指示体により前記複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定するステップと、
選択されたと特定された前記アイコンに対応する、前記画像処理装置が備える位置情報記憶部に記憶されている前記画像生成部で生成された前記設問画像を前記表示画面に表示したときの前記アイコンの位置に基づいて、前記位置検出部で検出される前記指示体の位置のキャリブレーションを実行するステップと、
を含む画像表示方法。
【請求項8】
コンピュータを、
表示画面への画像表示を制御する画像表示制御手段と、
設問と該設問に対して任意に選択可能な複数のアイコンからなる選択肢ボタンとを含む設問画像を生成する画像生成手段と、
前記表示画面を撮影した撮像データから、当該表示画面上に存在する指示体の位置を検出する位置検出手段と、
前記画像生成手段で生成された前記設問画像を前記表示画面に表示したときの前記複数のアイコンの位置を記憶する位置情報記憶手段と、
前記位置検出手段により検出される前記指示体の位置に基づいて前記指示体によって前記複数のアイコンのうちいずれのアイコンが選択されたかを特定し、選択されたと特定された前記アイコンに対応する、前記位置情報記憶手段に記憶されている前記アイコンの位置に基づいて、前記位置検出手段で検出される前記指示体の位置のキャリブレーションを実行する制御手段
として機能させるための画像表示プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載された画像表示プログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−210188(P2011−210188A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79696(P2010−79696)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】