説明

画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、読取可能範囲を超える大きさの原稿の分割読取画像を自動結合する画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】画像読取形成装置1は、原稿読取部20で、原稿面が最大スキャン可能範囲よりも大きい原稿を複数回に分割して読み取ると、該分割読取画像の連続性を画像データ加工部15で判断し、連続性が確認されると、画像データ加工部15で該分割読取画像をその連続性に応じた状態で結合する。したがって、1回で読み取ることのできない大きな原稿を分割して読み取っても、各分割読取画像の連続性を判断して自動結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、読取可能範囲を超える大きさの読み取りデータを結合する画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、コンピュータの普及に伴って、事務処理も電子化が進み、例えば、企業内での文書の取り扱いも、コンピュータを利用した電子文書ベースで情報がやり取りされるようになってきている。
【0003】
しかし、会議や打ち合わせ等を含め相変わらず紙ベースの文書を利用している状況もあり、紙ベースの文書の需要はなくならないと考えられるが、逆に、文書が電子化される状況において、紙ベースでしか存在しない文書の取り扱いが非常に難しくなっている。
【0004】
このような紙の文書を電子化するために、従来からスキャナ装置等の画像読取装置で文書を主走査・副走査して文書の画像を読み取って、ネットワーク等を介してコンピュータ等のホスト装置に取り込むことが行われている(特許文献1参照)。
【0005】
そして、この従来技術には、原稿の読み取りを行う前にプリスキャンを行って、最大読取範囲内において必要な画像範囲を読取範囲として指定したり、スキャン条件を設定可能であることが示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−51398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像読取装置の読み取り可能な最大読取範囲を超える大きな原稿画像を読み取る場合については記載されておらず、このような最大読取範囲を超える原稿画像は、従来、原稿画像を複数の読取範囲に分割して複数回に分けて読み取って、分割された画像として印刷出力や保存されたり、コンピュータ等に送信されている。元々1つの画像が複数に分割されて印刷出力や保存されたり、送信されることとなり、最大読取可能範囲を超える大きさの画像を生成することができないだけでなく、1部の画像が紛失したり、漏洩することがあり、画像の管理性、利用性、機密性を向上させる上で改良の必要があった。
【0008】
そこで、本発明は、複数の読取画像の連続性を判断して、結合し、画像の管理性、利用性及び機密性を向上させることのできる画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明の画像処理装置は、1つの原稿画像が複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断する連続性判断手段と、該連続性判断手段で連続すると判断された該分割読取画像を該連続性に応じた状態で結合する結合手段と、該連続判断手段及び該結合手段を制御して該分割読取画像をその連続性に基づいて結合させる分割読取画像結合処理を行う制御手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0010】
請求項2記載の発明の画像読取装置は、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段で1つの原稿画像を複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断する連続性判断手段と、該連続性判断手段で連続すると判断された該分割読取画像を該連続性に応じた状態で結合する結合手段と、該連続判断手段及び該結合手段を制御して該分割読取画像をその連続性に基づいて結合させる分割読取画像結合処理を行う制御手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0011】
上記各場合において、例えば、請求項3に記載するように、前記分割読取画像結合処理の実行の要否を選択する選択手段を備え、前記制御手段は、該選択手段の選択に応じて該分割読取画像結合処理の実行/非実行を制御してもよい。
【0012】
また、請求項1から請求項3の場合、例えば、請求項4に記載するように、前記分割読取画像を保存する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記1つの原稿の分割読取画像を順次該記憶手段に保存して、該原稿の全ての分割読取画像が該記憶手段に保存されると、前記連続性判断手段に該分割読取画像の連続性を順次判断させ、前記結合手段に該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる一括結合処理を行ってもよい。
【0013】
さらに、請求項1から請求項3の場合、例えば、請求項5に記載するように、前記制御手段は、前記1つの原稿の分割読取画像が発生する毎に、前記連続性判断手段に該分割読取画像の連続性を判断させ、前記結合手段に該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる順次結合処理を行ってもよい。
【0014】
また、請求項1から請求項5の場合、例えば、請求項6に記載するように、前記連続性判断対象の分割読取画像に対して少なくとも1種類以上の画像変換処理を施す画像変換手段を備え、前記制御手段は、前記連続性判断手段が該分割読取画像に連続性が確認されないと判断すると、該画像変換手段に該分割読取画像に対して画像変換処理を施させ、該連続性判断手段に該画像変換処理後の分割読取画像の連続性を判断させる処理を該分割読取画像に連続性が確認されるか該画像変換手段が該全ての種類の画像変換処理を実行するまで繰り返し実行してもよい。
【0015】
さらに、請求項1から請求項6の場合、例えば、請求項7に記載するように、前記分割読取画像に対して文字認識処理を施す文字認識処理手段を備え、前記連続性判断手段は、該文字認識処理手段で文字認識処理の施された分割読取画像の文字情報の一致性に基づいて該分割読取画像の連続性を判断してもよい。
【0016】
また、請求項1から請求項6の場合、例えば、請求項8に記載するように、前記分割読取画像がビットマップ画像であり、前記連続性判断手段は、該分割読取画像のビットマップの一致性に基づいて該分割読取画像の連続性を判断してもよい。
【0017】
請求項9記載の発明の画像処理プログラムは、画像処理装置または画像読取装置に請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置として機能させることにより、上記目的を達成している。
【0018】
請求項10記載の発明の記録媒体は、請求項9記載の画像処理プログラムを記録することにより、上記目的を達成している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1つの原稿画像が複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断して、該連続性が確認されると、該分割読取画像をその連続性に応じた状態で結合するので、1回で読み取ることのできない大きな原稿を分割して読み取っても、各分割読取画像の連続性を判断して結合することができ、画像の管理性、利用性を向上させることができるとともに、1つの画像として管理することで、機密性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0021】
図1〜図9は、本発明の画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した画像読取形成装置1のブロック構成図である。
【0022】
図1において、画像読取形成装置(画像読取装置)1は、コントローラ10、原稿読取部20及び操作パネル30等を備えており、さらに、画像データ出力部40として、画像形成部を備えていたり、大容量記憶部を備えていたりしていてもよいし、ネットワーク等を介して接続されたコンピュータ等を画像データ出力部40として画像データを送信してもよい。
【0023】
コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit )11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像データ記憶部14、画像データ加工部15、原稿読取部I/F16及び画像データ出力I/F17等を備えており、主要各部は、システムバス18により接続されている。
【0024】
原稿読取部(画像読取手段)20は、原稿読取部I/F16に接続されており、原稿と読取光を副走査方向に相対移動させながら該原稿に該読取光を照射してその反射光をCCD(Charge Coupled Device )等の光電変換素子で光電変換することで原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像を読み取ってデジタルの画像データとして原稿読取部I/F16及びシステムバス18を介してRAM13または画像データ記憶部14に送る。
【0025】
原稿読取部20は、例えば、図2(b)に示すように、その読み取り可能な範囲の最大範囲(最大スキャン可能範囲)MSが決まっており、図2(a)に示すような最大スキャン可能範囲MSよりも大きい原稿面を有する原稿Aを読み取る場合、図2(c)に示すように、最大スキャン可能範囲MSが重なり合わないように接する状態で原稿Aを4つのスキャン領域A−1〜A−4に分けて分割スキャンすることで読み取ったり、この図2(c)のような状態で原稿読取部20にスキャンさせることが困難な場合には、通常、図2(d)に示すように、原稿Aを各スキャン領域A−a〜A−gを一部重ね合わせて複数(図2(d)の場合、7つ)に分割して読み取ることが一般的に行われる。なお、本実施例で対象とする原稿Aは、文字からなる文章原稿だけでなく、画像原稿及びこれらが複合的に存在する複合原稿も含む広い意味での原稿である。
【0026】
ROM12は、画像読取形成装置1としての基本プログラムや後述する画像処理プログラム及び必要なデータ等を格納している。
【0027】
CPU(制御手段)11は、ROM12内のプログラムに基づいてRAM13をワークメモリとして利用しつつ、画像読取形成装置1の各部を制御して、画像読取形成装置1としての基本動作を制御行わせるとともに、後述する分割読取画像結合処理を実行する。
【0028】
RAM(記憶手段)13は、CPU11のワークメモリとして利用されるとともに、原稿読取部20の読み取った画像データや画像処理中の画像データを一時記憶するのに使用される。
【0029】
画像データ記憶部(記憶手段)14は、ハードディスクや大容量RAM等が用いられ、原稿読取部20の読み取った画像データや画像処理中の画像データを記憶する。
【0030】
画像データ加工部(連続性判断手段、結合手段)15は、CPU11の制御下で、分割読取画像データの連続性判断処理や画像データの加工、例えば、画像の変形処理、画像回転処理、画像移動処理、画像結合処理等を行う。
【0031】
原稿読取部I/F16には、上述のように、原稿読取部20が接続されており、原稿読取部20との間で制御信号やデータの授受を行う。
【0032】
画像データ出力I/F17には、上記画像データ出力部40が接続され、画像データ出力部40との間で制御信号やデータの授受を行う。画像データ出力部40は、所定の印刷方式、例えば、電子写真方式でコントローラ10から受け取った画像データを用紙に印刷出力するプリンタ部だけでなく、コントローラ10からの画像データを受信して蓄積する大容量記憶装置やコントローラ10からの画像データを受信して各種データ加工を行ったり保存等を行うコンピュータ等であってもよい。
【0033】
操作パネル(選択手段)30は、図3に示すように、表示パネルとタッチパネルが一体化された表示部31と機械ボタンとしてのスタートボタン32、ストップボタン33、メインボタン34等が設けられており、表示部31は、その表示パネルに各種情報やタッチボタン等を表示し、該表示されているタッチボタンの表示部分のタッチパネルがタッチ操作されることで入力操作を可能としている。例えば、図3では、表示部31に原稿Aをそのままスキャンする通常スキャンボタンSaと、分割読取画像結合処理を指示操作する分割スキャン自動マージボタンSbと、が分割スキャン選択画面G1(選択手段)として表示されている。
【0034】
スタートボタン32は、各種コマンドの決定や画像読取形成装置1の各種動作の開始の指示、特に、後述する分割スキャン(分割読み取り)する場合の各分割スキャン開始指示等の操作に使用され、ストップボタン33は、各種コマンドの取消や画像読取形成装置1の各種動作の終了の指示、特に、後述する分割スキャンする場合の分割スキャン終了指示等の操作に使用される。メインボタン34は、画像読取形成装置1の備えている各種機能を読み出して表示部31に表示させる操作等に使用される。
【0035】
そして、画像読取形成装置1は、CD(Compact Disc)、MO(光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、メモリカードフレキシブルディスク等の記録媒体に記録されている上記分割読取画像結合処理プログラム(画像処理プログラム)を、上記ROM12または図示しない不揮発性メモリ等に読み込んで格納して、実行することで、後述する分割読取画像結合処理を実行する画像読取形成装置1として構築されている。
【0036】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像読取形成装置1は、最大スキャン可能範囲MSよりも大きい原稿面を有する原稿Aを読み取った画像データ(分割読取画像)をRAM13または画像データ記憶部14に順次保存して、全ての分割読取画像がRAM13または画像データ記憶部14に保存されると、その連続性を自動判断して1つの画像データに結合(マージ)する一括結合処理を行って、出力する。
【0037】
そして、この最大スキャン可能範囲MSよりも大きい原稿Aを分割スキャンしてマージ(結合)する場合、前もってスキャン回数を指定する方法とスタートボタン32とストップボタン33でスキャンを制御する方法とを選択することができる。まず、スキャン回数を前もって指定して分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理について、図4に基づいて説明する。
【0038】
すなわち、画像読取形成装置1は、操作パネル30の操作で原稿スキャンモードが選択されると、CPU11が、図3に示したように、通常スキャンボタンSaと分割スキャン自動マージボタンSbを含む分割スキャン選択画面G1を操作パネル30の表示部31に表示させ、図4に示すように、スキャンモードとして通常スキャンモードと分割スキャン自動マージモードのいずれのモードが選択されたかチェックする(ステップS101)。
【0039】
ステップS101で、通常スキャンボタンSaによって通常スキャンモードが選択されて、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされ、スタートボタン32が操作されると、CPU11は、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせる(ステップS102)。CPU11は、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをシステムバス18を通してRAM13または画像データ記憶部14に一次保存した後、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させて、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS103)。
【0040】
ステップS101で、分割スキャン自動マージボタンSbが操作されて分割スキャン自動マージモードが選択されると、図5に示すようなスキャン回数入力画面G2を表示させて、該スキャン回数入力画面G2でスキャン回数が入力され(ステップS104)、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、CPU11は、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをシステムバス18を通してRAM13または画像データ記憶部14に分割読取画像データとして一次保存する(ステップS105)。なお、CPU11は、この図5のスキャン回数入力画面G2では、表示部31に、スキャン回数を入力するためのテンキーKDと、該テンキーKDで入力されたスキャン回数を表示するスキャン回数ダイアログNDを表示させて、テンキーKDで入力されたスキャン回数をスキャン回数ダイアログNDに表示させることで、スキャン回数の入力と入力されたスキャン回数の確認を行わせる。例えば、図2(a)に示した原稿Aを、図2(d)に示したように7つに分割して読み取る場合には、スキャン回数として「7」が入力される。
【0041】
CPU11は、原稿読取部20に原稿Aの読み取りを行わせると、読み取った回数(読み取った画像データの数)がステップS104で指定された指定スキャン回数になったか、すなわち、指定回数読み取ったかチェックし(ステップS106)、指定回数読み取っていないときには、ステップS105に戻って、原稿Aの次の読み取り対象部分が原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、読み取りが完了すると、指定回数読み取ったかチェックする処理を繰り返し行う(ステップS105、S106)。
【0042】
ステップS106で、指定回数読み取りを行うと、CPU11は、RAM13または画像データ記憶部14に一時保管した各読取画像データ(分割読取画像データ)間の連続性の解析を画像データ加工部15に行わせ、該連続性の解析結果に基づいて該読取画像データを結合させて画像データ記憶部14に保管する(ステップS107)。
【0043】
CPU11は、画像データ加工部15での全ての分割読取画像データの結合が完了すると、該結合後の画像データを、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させた後、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS103)。
【0044】
なお、上記説明では、原稿Aを分割スキャンする場合に、先に、分割数であるスキャン回数を入力指定しているが、分割スキャンの手順は、前もってスキャン回数を入力指定するものに限らず、図6に示すように、先にスキャン回数を入力せずに、分割スキャンを行わせて、原稿Aの最後の分割領域までスキャンが完了すると、分割スキャンの終了を操作パネル30の操作(例えば、ストップボタン33の操作)で指示するようにしてもよい。
【0045】
この場合、CPU11は、上記同様に、図3に示したように、分割スキャン選択画面G1を操作パネル30の表示部31に表示させ、図6に示すように、スキャンモードとして通常スキャンモードと分割スキャン自動マージモードのいずれのモードが選択されたかチェックする(ステップS201)。
【0046】
ステップS201で、分割スキャン選択画面G1の通常スキャンボタンSaが操作されて通常スキャンモードが選択され、CPU11は、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせ(ステップS202)、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをRAM13または画像データ記憶部14に一次保存した後、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させて、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS203)。
【0047】
ステップS201で、分割スキャン選択画面G1の分割スキャン自動マージボタンSbが操作されて分割スキャン自動マージモードが選択されると、図7に示すようなスキャン操作ガイダンス画面G3を表示させる。このスキャン操作ガイダンス画面G3は、例えば、「原稿をセットし、STARTボタンを押してください。スキャンの終了はSTOPボタンを押してください。」等のスキャン操作ガイダンスを表示部31に表示するものである。
【0048】
CPU11は、該スキャン操作ガイダンス画面G3に従って、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、CPU11は、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせ(ステップS204)、スタートボタン(STARTボタン)32が押されずに、ストップボタン(STOPボタン)33が押されたかチェックする(ステップS205)。
【0049】
ステップS205で、ストップボタン33が押されないときには、CPU11は、ステップS204に戻って、原稿Aの次の読み取り対象部分が原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、読み取りが完了すると、スタートボタン32が押されずに、ストップボタン33が押されたかチェックする処理を繰り返し行う(ステップS204、S205)。
【0050】
ステップS205で、スタートボタン32が押されずに、ストップボタン33が押されると、CPU11は、原稿Aのユーザがマージしたい全ての領域をスキャンしたと判断して、RAM13または画像データ記憶部14に一時保管した分割読取画像データを順次画像データ加工部15に渡して、画像データ加工部15に各分割読取画像データ間の連続性の解析を行わせ、該連続性の解析結果に基づいて画像データ加工部15に該読取画像データを結合させて画像データ記憶部14に保管する(ステップS206)。
【0051】
CPU11は、画像データ加工部15での全ての読取画像データの結合が完了すると、該結合後の画像データを、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させた後、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS203)。
【0052】
そして、画像データ加工部15は、図4のステップS107での画像結合処理及び図6のステップS206での画像結合処理を、図8に示すように実行する。
【0053】
すなわち、画像データ加工部15は、図8に示すように、まず、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないかチェックし(ステップS301)、初めて処理する画像データであるときには、連続性を判断する相手画像データ(結合相手の画像データ)が存在しないため、次の画像データの処理に移行する。
【0054】
ステップS301で、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないときには、画像データ加工部15は、先の画像データ(この先の画像は、先に処理されている画像データで、既に複数の画像データが結合されている画像データであることもある)との連続性があるか判断し(ステップS302)、連続性がないときには、同じ原稿Aの画像データではないと判断して、ステップS301に戻って次の画像の処理に移行する。
【0055】
この連続性の判断は、例えば、連続性判断対象の2つの画像データに対して、文字認識処理を行い、文字認識処理の結果得られた文字列の一致性や文書としての整合性を判別することで、2つの画像データの連続性を判断する文字認識連続性判断方法、連続性判断対象の2つの画像データ(ビットマップ画像データ)を重ね合わせて、ビットマップの一致性を判別することで、2つの画像データの連続性を判断する重ね合わせ連続性判断方法等を用いることができる。なお、連続性の判断方法は、上記2つの判断方法に限るものではなく、画像データの連続性を適切に判断することのできる方法であれば、どのような方法であってもよい。また、画像データ加工部15は、この画像データの連続性の判断では、後続の画像データが先の画像データのどの位置にどのような角度で連続するかの連続状態をも判断する。
【0056】
ステップS302で、連続性があると、画像データ加工部15は、該2つの画像データを結合(マージ)し(ステップS303)、連続性を確認していない画像データがRAM13または画像データ記憶部14に残っているかチェックする(ステップS304)。
【0057】
ステップS304で、連続性を確認していない画像データが残っているときには、画像データ加工部15は、ステップS301に戻って、次の画像データについて上記同様に連続性の判断、画像データのマージを行い(ステップS301〜S304)、ステップS304で、連続性を確認していない画像データが残っていないときには、画像結合処理を終了する。
【0058】
このように、本実施例の画像読取形成装置1は、1つの原稿Aの画像が複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断して、該連続性が確認されると、該分割読取画像をその連続性に応じた状態で結合している。
【0059】
したがって、1回で読み取ることのできない大きな原稿Aを分割して読み取っても、各分割読取画像の連続性を判断して結合することができ、画像の管理性、利用性を向上させることができるとともに、1つの画像として管理することで、機密性を向上させることができ、また、最大スキャン可能範囲MSを超える大きな画像を生成することができる。
【0060】
また、本実施例の画像読取形成装置1は、操作パネル30の分割スキャン選択画面G1を表示して、通常スキャンボタンSaと分割スキャン自動マージボタンSbが選択操作されると、CPU11が、該選択に応じて該分割読取画像結合処理の実行/非実行を制御している。
【0061】
ユーザの意図に応じて分割読取画像結合処理を適宜実行させることができ、利用性を向上させることができる。
【0062】
さらに、本実施例の画像読取形成装置1は、CPU11が、原稿読取部20の読み取った1つの原稿Aの分割読取画像を順次該RAM13または画像データ記憶部14に保存して、該原稿Aの全ての分割読取画像が該RAM13または画像データ記憶部14に保存されると、画像データ加工部15に、該分割読取画像の連続性を順次判断させ、該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる一括結合処理を行っている。
【0063】
したがって、ある分割読取画像が発生した時点、すなわち、原稿読取部20で分割スキャンで読み取られた画像が発生した時点で、連続性が確認されず結合(マージ)できる画像がなくても、後で連続性が確認されて結合できる画像が発生する場合にも、適切に画像の連続性を判断して結合することができ、読み取り順に依存することなく、確実に分割読取画像を結合することができる。
【0064】
また、本実施例の画像読取形成装置1は、画像データ加工部15が、連続性の判断を、例えば、連続性判断対象の2つの画像データに対して、文字認識処理を行い、文字認識処理の結果得られた文字列の一致性や文書としての整合性を判別することで、2つの画像データの連続性を判断する文字認識連続性判断方法、連続性判断対象の2つの画像データを重ね合わせて、ビットマップの一致性を判別することで、2つの画像データの連続性を判断する重ね合わせ連続性判断方法を用いて行っている。
【0065】
したがって、文字情報を用いて画像の連続性の評価を行うことで、文字情報の画像を違和感なく結合することができ、また、ビットマップによって画像の連続性の判断を確実に行うことで、画像を違和感なく結合することができる。
【0066】
そして、図8の画像結合処理の画像の連続性の判断では、例えば、図9に示すように、現在処理対象の画像データに各種画像変換処理を施して、画像変換処理後の画像データと先の画像データとの連続性の判断を行ってもよい。なお、図9では、図8と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付している。
【0067】
すなわち、画像データ加工部15は、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないかチェックし(ステップS301)、初めて処理する画像データであるときには、連続性を判断して結合する相手画像データが存在しないため、次の画像データの処理に移行する。
【0068】
ステップS301で、処理対象の画像データが初めての画像データでないときには、画像データ加工部15は、先の画像データとの連続性があるか判断し(ステップS302)、連続性がないときには、予め用意されている複数の画像変換処理のうち、試していない画像変換処理があるかチェックする(ステップS401)。この画像変換処理としては、例えば、画像の平行移動、画像の回転移動等の画像の連続性を判断するのに必要な各種変換処理である。
【0069】
ステップS401で、試していない画像変換処理があるときには、画像データ加工部15は、処理対象の画像データに該試していない画像変換処理を施し(ステップS402)、先の画像データとの連続性があるか判断する(ステップS302)。
【0070】
ステップS302で、なお、連続性がないときには、画像データ加工部15は、さらに、試していない画像変換処理があるかチェックして、試していない画像変換処理があるときには、画像データ加工部15は、処理対象の画像データに該試していない画像変換処理を施して、先の画像データとの連続性があるか判断する処理を繰り返し行う(ステップSS401、S402、S302)。
【0071】
ステップS401で、試していない画像変換処理がないとき、すなわち、全ての画像変換処理を試したときには、画像データ加工部15は、画像の連続性がないと判断して、ステップS301に戻って、次の画像の処理に移行する。
【0072】
ステップS302で、連続性があると、画像データ加工部15は、該2つの画像データを結合(マージ)し(ステップS303)、連続性を確認していない画像データがRAM13または画像データ記憶部14に残っているかチェックする(ステップS304)。
【0073】
ステップS304で、連続性を確認していない画像データが残っているときには、画像データ加工部15は、ステップS301に戻って、次の画像データについて上記同様に連続性の判断、画像変換処理、画像データのマージを行い(ステップS301、S302、S401、S402、S303、S304)、ステップS304で、連続性を確認していない画像データが残っていないときには、画像結合処理を終了する。
【0074】
このように、本実施例の画像読取形成装置1は、分割読取画像の連続性が確認できるまで、または、備えている全ての種類の画像変換処理を行うまで、画像変換処理を行う。
【0075】
したがって、分割読取画像のずれを修正して確実に連続性を判断することができ、より一層適切かつ確実に画像を結合(マージ)することができる。
【実施例2】
【0076】
図10〜図13は、本発明の本発明の画像処理装置、画像読取装置、画像処理プログラム及び記録媒体の第2実施例を示す図である。
【0077】
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像読取形成装置1と同様の画像読取形成装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、必要に応じて、上記第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0078】
原稿読取部20の最大スキャン可能範囲MSよりも大きい原稿Aを分割スキャンして自動マージする場合に、上記第1実施例では、該原稿Aの必要な範囲の読み取りを全て完了した後に画像の連続性の判断と結合を行う一括結合処理を行っているが、本実施例は、原稿Aの読み取りを行う毎に、画像の連続性の判断と結合を行う順次結合処理を行う。また、本実施例においても、分割スキャンを行う場合に、上記第1実施例の場合と同様に、前もって、分割スキャン回数を入力する方法と、スタートボタン32とストップボタン33でスキャンを制御する方法とを選択で用いることができる。まず、スキャン回数を前もって指定して分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理について、図10に基づいて説明する。
【0079】
すなわち、画像読取形成装置1は、操作パネル30の操作で原稿スキャンモードが選択されると、CPU11が、図3に示したように、通常スキャンボタンSaと分割スキャン自動マージボタンSbを有する分割スキャン選択画面G1を操作パネル30の表示部31に表示させ、図10に示すように、スキャンモードとして通常スキャンモードと分割スキャン自動マージモードのいずれのモードが選択されたかチェックする(ステップS501)。
【0080】
ステップS501で、通常スキャンボタンSaが操作されて通常スキャンモードが選択され、原稿A(図2参照)が原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、CPU11は、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせる(ステップS502)。CPU11は、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをシステムバス18を通してRAM13または画像データ記憶部14に一次保存した後、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させて、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS503)。
【0081】
ステップS501で、分割スキャン自動マージボタンSbが操作されて分割スキャン自動マージモードが選択されると、図5に示したようなスキャン回数入力画面G2を表示させて、該スキャン回数入力画面G2でスキャン回数が入力され(ステップS504)、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、CPU11は、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをシステムバス18を通してRAM13または画像データ記憶部14に一次保存する(ステップS505)。
【0082】
CPU11は、原稿読取部20に原稿Aの読み取りを行わせて、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データのをRAM13または画像データ記憶部14に一次保存すると、画像データ加工部15に、該RAM13または画像データ記憶部14に一時保管した読取画像データの連続性の解析を行わせて、該連続性の解析結果に基づいて画像データ加工部15に該読取画像データを結合させる画像結合処理を行わせる(ステップS506)。
【0083】
CPU11は、画像データ加工部15に画像結合処理を行わせると、原稿読取部20で原稿Aを読み取った回数がステップS504で指定された指定スキャン回数になったか、すなわち、指定回数読み取ったかチェックし(ステップS507)、指定回数読み取っていないときには、ステップS505に戻って、原稿Aの次の読み取り対象部分が原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、読み取りが完了すると、画像データ加工部15に画像結合処理を行わせて、指定回数読み取ったかチェックする処理を繰り返し行う(ステップS505〜S507)。
【0084】
ステップS507で、指定回数読み取りを行うと、CPU11は、結合後の画像データを、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させた後、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS503)。
【0085】
また、本実施例においても、上記説明では、原稿Aを分割スキャンする場合に、先に、分割数であるスキャン回数を入力指定しているが、分割スキャンの手順は、スキャン回数を入力指定するものに限らず、前もってスキャン回数を入力せずに、分割スキャンを行わせて、読み取った画像データを結合させる画像結合処理を行って、分割スキャンの終了を操作パネル30の操作(例えば、ストップボタン33の押下)で指示されると、処理を終了するようにしてもよい。
【0086】
この場合、CPU11は、上記同様に、図3に示したように、分割スキャン選択画面G1を操作パネル30の表示部31に表示させ、図11に示すように、スキャンモードとして通常スキャンモードと分割スキャン自動マージモードのいずれのモードが選択されたかチェックする(ステップS601)。
【0087】
ステップS601で、通常スキャンボタンSaが操作されて通常スキャンモードが選択され、CPU11は、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせ(ステップS602)、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをRAM13または画像データ記憶部14に一次保存した後、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させて、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS603)。
【0088】
ステップS601で、分割スキャン自動マージボタンSbが操作されて分割スキャン自動マージモードが選択されると、CPU11は、図7に示したようなスキャン操作ガイダンス画面G3を表示させて、該スキャン操作ガイダンス画面G3に従って、原稿Aが原稿読取部20のスキャン領域にセットされ、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部I/F16を介して原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データをシステムバス18を通してRAM13または画像データ記憶部14に一次保存する(ステップS604)。
【0089】
CPU11は、原稿読取部20に原稿Aの読み取りを行わせて、原稿読取部20の読み取った原稿Aの画像データのをRAM13または画像データ記憶部14に一次保存すると、画像データ加工部15に、該RAM13または画像データ記憶部14に一時保管した読取画像データの連続性の解析を行わせ、さらに、該連続性の解析結果に基づいて該読取画像データを結合させる画像結合処理を行わせる(ステップS605)。
【0090】
CPU11は、画像データ加工部15に画像結合処理を行わせると、スタートボタン(STARTボタン)32が押されずに、ストップボタン(STOPボタン)33が押されたかチェックする(ステップS606)。
【0091】
ステップS606で、ストップボタン33が押されないときには、CPU11は、ステップS604に戻って、原稿Aの次の読み取り対象部分が原稿読取部20のスキャン領域にセットされて、スタートボタン32が操作されると、原稿読取部20を制御して、原稿読取部20に読み取り対象の原稿Aの読み取りを行わせて、読み取りが完了すると、画像データ加工部15に画像結合処理を行わせて、スタートボタン32が押されずに、ストップボタン33が押されたかチェックする処理を繰り返し行う(ステップS604〜S606)。
【0092】
ステップS205で、スタートボタン32が押されずに、ストップボタン33が押されると、CPU11は、結合後の画像データを、画像データ加工部15に必要な画像処理を施させた後、画像データ出力I/F17を介して画像データ出力部40に出力して処理を終了する(ステップS603)。
【0093】
そして、画像データ加工部15は、図10のステップS506での画像結合処理及び図11のステップS605での画像結合処理を、図12に示すように実行する。
【0094】
すなわち、画像データ加工部15は、図12に示すように、まず、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないかチェックし(ステップS301)、初めて処理する画像データであるときには、連続性を判断する相手画像データ(結合相手の画像データ)が存在しないため、次の画像データの処理に移行する。
【0095】
ステップS301で、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないときには、画像データ加工部15は、先の画像データ(先に処理されている画像データ)との連続性があるか判断し(ステップS702)、連続性がないときには、同じ原稿Aの画像データではないと判断して、ステップS301に戻って次の画像データの処理に移行する。この連続性の判断は、上記第1実施例の場合と同様である。
【0096】
ステップS702で、連続性があると、画像データ加工部15は、該2つの画像データを結合(マージ)して、画像結合処理を終了する(ステップS703)。
【0097】
また、図12の画像結合処理の画像の連続性の判断では、例えば、図13に示すように、現在処理対象の画像データに各種画像変換処理を施して、画像変換処理後の画像データと先の画像データとの連続性の判断を行ってもよい。なお、図13では、図12と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付している。
【0098】
すなわち、画像データ加工部15は、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないかチェックし(ステップS701)、初めて処理する画像データであるときには、連続性を判断する相手画像データが存在しないため、画像結合処理を終了する。
【0099】
ステップS701で、処理対象の画像データが初めて処理する画像データでないときには、画像データ加工部15は、先の画像データとの連続性があるか判断し(ステップS7702)、連続性がないときには、予め用意されている複数の画像変換処理のうち、試していない画像変換処理があるかチェックする(ステップS801)。この画像変換処理は、上記第1実施例の図9の場合と同様で、例えば、画像の平行移動、画像の回転移動等の画像の連続性を判断するのに必要な各種変換処理である。
【0100】
ステップS801で、試していない画像変換処理があるときには、画像データ加工部15は、処理対象の画像データに該試していない画像変換処理を施し(ステップS802)、先の画像データとの連続性があるか判断する(ステップS702)。
【0101】
ステップS702で、なお、連続性がないときには、画像データ加工部15は、さらに、試していない画像変換処理があるかチェックして、試していない画像変換処理があるときには、画像データ加工部15は、処理対象の画像データに該試していない画像変換処理を施して、先の画像データとの連続性があるか判断する処理を繰り返し行う(ステップSS801、S802、S702)。
【0102】
ステップS801で、試していない画像変換処理がないとき、すなわち、全ての画像変換処理を試したときには、画像データ加工部15は、画像の連続性がないと判断して、画像結合処理を終了する。
【0103】
ステップS702で、連続性があると、画像データ加工部15は、該2つの画像データを結合(マージ)して(ステップS703)、画像結合処理を終了する。
【0104】
このように、本実施例の画像読取形成装置1は、CPU11が、原稿読取部20で分割領域の画像の読み取りを行って、1つの原稿の分割読取画像が発生する毎に、画像データ加工部15に該分割読取画像の連続性を判断させ、該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる順次結合処理を行っている。
【0105】
したがって、処理中の画像データを記憶するためのリソースを最小限に抑制することができ、コストを削減することができる。
【0106】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、読取可能範囲を超える大きさの読取画像データを結合する画像処理装置、この画像処理装置を内蔵するスキャナ装置、複合装置等の画像読取装置、これらの画像処理装置や画像読取装置に適用される画像処理プログラム及び該画像処理プログラムを記録する記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施例を適用した画像読取形成装置のブロック構成図。
【図2】図1の画像読取形成装置による読取原稿、最大スキャン可能範囲及び分割スキャンの説明図。
【図3】図1の操作パネルの分割スキャン選択画面を表示している状態の平面図。
【図4】図1の画像読取形成装置によるスキャン回数を前もって指定して分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理を示すフローチャート。
【図5】図1の操作パネルのスキャン回数入力画面を表示している状態の平面図。
【図6】図1の画像読取形成装置によるスキャン回数を前もって指定せずに分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理を示すフローチャート。
【図7】図1の操作パネルのスキャン操作ガイダンス画面を表示している状態の平面図。
【図8】図4及び図6の画像結合処理の詳細な処理を示すフローチャート。
【図9】図8の画像結合処理に画像変換処理を追加処理する場合の画像結合処理を示すフローチャート。
【図10】本実施例の第2実施例の画像読取形成装置によるスキャン回数を前もって指定して分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理を示すフローチャート。
【図11】本実施例の第2実施例の画像読取形成装置によるスキャン回数を前もって指定せずに分割スキャンして画像結合する場合の分割読取画像結合処理を示すフローチャート。
【図12】図10及び図11の画像結合処理の詳細な処理を示すフローチャート。
【図13】図13の画像結合処理に画像変換処理を追加処理する場合の画像結合処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0109】
1 画像読取形成装置
10 コントローラ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 画像データ記憶部
15 画像データ加工部
16 原稿読取部I/F
17 画像データ出力I/F
18 システムバス
20 原稿読取部
30 操作パネル
31 表示部
32 スタートボタン
33 ストップボタン
34 メインボタン
Sa 通常スキャンボタン
Sb 分割スキャン自動マージボタン
G1 分割スキャン選択画面
G2 スキャン回数入力画面
G3 スキャン操作ガイダンス画面
40 画像データ出力部
A 原稿
MS 最大スキャン可能範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの原稿画像が複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断する連続性判断手段と、該連続性判断手段で連続すると判断された該分割読取画像を該連続性に応じた状態で結合する結合手段と、該連続判断手段及び該結合手段を制御して該分割読取画像をその連続性に基づいて結合させる分割読取画像結合処理を行う制御手段と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿の画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段で1つの原稿画像を複数回に分割して読み取られた分割読取画像の連続性を判断する連続性判断手段と、該連続性判断手段で連続すると判断された該分割読取画像を該連続性に応じた状態で結合する結合手段と、該連続判断手段及び該結合手段を制御して該分割読取画像をその連続性に基づいて結合させる分割読取画像結合処理を行う制御手段と、を備えていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
前記分割読取画像結合処理の実行の要否を選択する選択手段を備え、前記制御手段は、該選択手段の選択に応じて該分割読取画像結合処理の実行/非実行を制御することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置または請求項2記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記分割読取画像を保存する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記1つの原稿の分割読取画像を順次該記憶手段に保存して、該原稿の全ての分割読取画像が該記憶手段に保存されると、前記連続性判断手段に該分割読取画像の連続性を順次判断させ、前記結合手段に該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる一括結合処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記1つの原稿の分割読取画像が発生する毎に、前記連続性判断手段に該分割読取画像の連続性を判断させ、前記結合手段に該連続性判断結果に基づいて該分割読取画像を結合させる順次結合処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置。
【請求項6】
前記連続性判断対象の分割読取画像に対して少なくとも1種類以上の画像変換処理を施す画像変換手段を備え、前記制御手段は、前記連続性判断手段が該分割読取画像に連続性が確認されないと判断すると、該画像変換手段に該分割読取画像に対して画像変換処理を施させ、該連続性判断手段に該画像変換処理後の分割読取画像の連続性を判断させる処理を該分割読取画像に連続性が確認されるか該画像変換手段が該全ての種類の画像変換処理を実行するまで繰り返し実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置。
【請求項7】
前記分割読取画像に対して文字認識処理を施す文字認識処理手段を備え、前記連続性判断手段は、該文字認識処理手段で文字認識処理の施された分割読取画像の文字情報の一致性に基づいて該分割読取画像の連続性を判断することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置。
【請求項8】
前記分割読取画像がビットマップ画像であり、前記連続性判断手段は、該分割読取画像のビットマップの一致性に基づいて該分割読取画像の連続性を判断することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置。
【請求項9】
画像処理装置または画像読取装置に請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像処理装置または画像読取装置として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の画像処理プログラムを記録することを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−288783(P2008−288783A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130577(P2007−130577)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】