説明

画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

【課題】複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間のかからない画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】シートの画像のうち、ヘッダ、及びフッタの画像の抽出が実行される(S2)。ヘッダ、フッタの画像のブロック分割が実行される(S3)。ブロック単位の黒画素判定が実行される(S4)。S4の処理により「黒」と判定されたヘッダ、フッタのブロック、及び「白」と判定されたヘッダ、フッタのブロックの白黒パターンの登録、及び比較が実行される(S5)。S5の比較結果に基づいてファイルの仕分けが実行される(S6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、読み取られた複数の原稿の画像を複数フォルダに仕分けて格納する、又は複数の外部装置に仕分けて送信するなど、原稿の画像を仕分けて処理する装置が種々提案されている。
【0003】
その一例として、特許文献1に開示されている装置は、識別図柄が描かれた特殊原稿を有する原稿束の原稿を1枚1枚読み取ることで、複数の原稿の画像を仕分けて外部装置に出力している。即ち、例えば、特殊原稿の前に読み取られた複数の原稿の画像を1つの文書の画像を構成している画像とし、特殊原稿の後に読み取られた複数の原稿の画像を他の文書の画像を構成している画像として、外部装置に出力している。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置においては、画像読取前にユーザがあらかじめ特殊原稿を原稿束の中に入れておく必要があった。従って、ユーザがあらかじめ1つの文書を構成している複数の原稿をまとめて束にして、原稿束と原稿束との間に用意した特殊原稿を入れておく必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
この手間を低減するために例えば、特許文献2に開示されている仕分け指示入力手段を用いたユーザ指示による原稿の仕分け技術を特許文献1に開示されている装置に応用することが考えられる。特許文献2に開示されている装置は、PC等のユーザ操作により仕分け方法が指示されることで、原稿を複数のトレイに仕分けて出力するなどの処理を行っている。この仕分け技術を特許文献1に開示されている装置に応用することにより、例えば、PC等の操作によってユーザが仕分け方法を指示することで原稿の画像を仕分けて処理するということが可能となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−295389号公報
【特許文献2】特開平10−316302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように特許文献2に開示されている技術を特許文献1に開示されている装置に応用しても、結局は、ユーザによる指示が必要であり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかかっていた。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間のかからない画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理装置であって、前記画像を取得する取得部と、前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出部と、前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割部と、前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定部と、前記色判定部により判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部により記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶部により記憶された他の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定部と、前記パターン判定部により2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理部と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記パターン判定部は、特定の前記画像の前記パターンと他の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第1判定部と、前記特定の画像の前記パターンと逆さまに回転された場合の前記他の画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第2判定部と、を備え、前記第1判定部、及び前記第2判定部のいずれか一方により2つの前記パターンが一致すると判定された場合に、前記特定の画像の前記パターンと前記他の画像の前記パターンとが一致すると判定することを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の発明において、前記画像処理装置は、前記複数の原稿の両面の画像を仕分けて処理し、前記パターン判定部は、特定の前記画像の前記パターンと前記他の画像に対応する前記原稿の裏面の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第3判定部と、前記特定の画像の前記パターンと逆さまに回転された場合の前記裏面の画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第4判定部と、を備え、前記第1判定部、前記第2判定部、前記第3判定部、及び前記第4判定部のいずれか一つにより2つの前記パターンが一致すると判定された場合に、前記特定の画像の前記パターンと前記他の画像の前記パターンとが一致すると判定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記記憶部により記憶された前記画像のパターンの中に前記取得部により取得された前記画像の前記パターンと一致する前記パターンが存在するか否かを判定する記憶判定部を備え、前記記憶部は、前記記憶判定部により前記記憶部により記憶された少なくとも1つの前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンの中に前記取得部により取得された前記画像の前記パターンと一致する前記パターンが存在しないと判定された場合に、前記色判定部により判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5記載の本発明は、画像読取装置であって、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の前記画像処理装置が備える構成と、前記複数の原稿の画像を読み取る読取部と、を備えることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6記載の本発明は、画像読取装置であって、請求項3に記載の発明の前記画像処理装置が備える構成と、前記複数の原稿の両面の画像を読み取る両面読取部と、を備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7記載の本発明は、読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理方法であって、読み取られた前記画像を取得する取得ステップと、前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出ステップと、前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割ステップと、前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定ステップと、前記色判定ステップにより判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにより記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶ステップにより記憶された他の前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定ステップと、前記パターン判定ステップにより2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理ステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8記載の本発明は、読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理プログラムであって、読み取られた前記画像を取得する取得ステップと、前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出ステップと、前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割ステップと、前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定ステップと、前記色判定ステップにより判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにより記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶ステップにより記憶された他の前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定ステップと、前記パターン判定ステップにより2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理ステップと、を備え、これらのステップがコンピューターにより実現されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の画像処理装置によれば、画像の各ブロックにおける色のパターンが一致する場合に、画像に対し同一の処理が実行される。よって、パターンの一致、不一致に応じて、画像が仕分けて処理される。よって、ユーザによる指示等が不要であり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかからない。
【0018】
請求項2記載の画像処理装置によれば、第1判定部、及び第2判定部による2通りのパターン判定がなされる。従って、上下逆さまの原稿が混在した複数の原稿が読み取られて取得された場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0019】
請求項3記載の画像処理装置によれば、第1判定部、第2判定部、第3判定部、及び第4判定部による4通りのパターン判定がなされる。従って、上下逆さま、及び裏表反対の原稿が混在した複数の原稿が読み取られた場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0020】
請求項4記載の画像処理装置によれば、記憶部に記憶されていない新しいパターンの画像が取得された場合に、画像の各ブロックにおける色が各ブロックと対応付けられて記憶される。よって、記憶部に記憶されるデータ数を削減することができる。従って、パターン判定に用いられる比較対象の画像の数を減らすことができるので記憶部の容量節約、及び画像処理装置の処理の高速化を達成することができる。
【0021】
請求項5記載の画像読取装置によれば、画像の各ブロックにおける色のパターンが一致する場合に、画像に対し同一の処理が実行される。よって、パターンの一致、不一致に応じて、画像が仕分けて処理される。よって、ユーザによる指示等が不要であり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかからない。
【0022】
請求項6記載の画像読取装置によれば、第1判定部、第2判定部、第3判定部、及び第4判定部による4通りのパターン判定がなされる。従って、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかからず、尚且つ上下逆さま、及び裏表反対の原稿が混在した複数の原稿が読み取られた場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0023】
請求項7記載の画像処理方法、及び請求項8記載の画像処理プログラムによれば、画像の各ブロックにおける色のパターンが一致する場合に、画像に対し同一の処理が実行される。よって、パターンの一致、不一致に応じて、画像が仕分けて処理される。よって、ユーザによる指示等が不要であり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置1を示す図である。
【図2】上記画像読取装置1の内部構成を説明するための概略断面図である。
【図3】上記画像読取装置1により搬送されながら読取センサ36により画像を読み取られるシートSHを示す説明図である。
【図4】上記画像読取装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】上記画像読取装置1のメインの処理を示すフローチャートである。
【図6A】図5に示すS2の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6B】図6Aに示すSA6の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図5に示すS3の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図5に示すS4の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図5に示すS5の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図10】図5に示すS6の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図11】図5に示すS2により抽出されるヘッダ、フッタ、及びS3により実行されるブロック分割、並びにS5において登録、及び比較される白黒パターンPTを説明するための説明図である。
【図12】上記シートSHの搬送方向であるX軸方向と黒画素数との関係を説明するための説明図である。
【図13】シートサイズ、番号、ヘッダパターン、フッタパターン、及び送付先が対応付けられて上記画像読取装置1のRAM72に記憶されることで構成される登録テーブルを説明するための説明図である。
【図14】図8に示すSF5を詳細に説明するための説明図である。
【図15】上記画像読取装置1による画像仕分け処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する
【0026】
[画像読取装置の外観]
図1は、本実施形態の画像読取装置1の外観を示す斜視図である。画像読取装置1は、図1に示すように、給紙トレイ2と、読取部3と、排紙トレイ4と、設定部5と、表示部6と、外部インターフェース8と、を備える。本実施形態に係る画像読取装置1は、ユーザにより給紙トレイ2に載置された複数のシートSHを読取部3内において搬送しながら読み取るシートフィードスキャナである。
【0027】
給紙トレイ2は、ガイド2A、2Bを備える。ガイド2A、2Bは、シートSHの幅WG(以後、「シート幅」と記す)の方向に移動可能である。ガイド2A、及びガイド2Bは、各々、送信側の幅センサ21A、及び受信側の幅センサ21Bを有する。送信側の幅センサ21Aは、赤外LEDにより構成される。受信側の幅センサ21Bは、フォトダイオードにより構成される。ユーザにより、ガイド2Aとガイド2Bとの間のガイド幅がシート幅と等しく設定されることで、ガイド幅がシート幅と等しくなる。送信側の幅センサ21Aから受信側の幅センサ21Bに赤外光が供給される。ガイド2Aとガイド2Bとの間のガイド幅、即ちシート幅に反比例した大きさの電圧が受信側の幅センサ21Bに発生する。この電圧値を検出することで、シート幅を検出することができる。また、A4、B5等の各規格サイズとシート幅との関係を示すテーブルをあらかじめ記憶しておくことで、検出されるシート幅からシートSHのA4、B5等の規格サイズ(以後、「シートサイズ」と記す)を検出することができる。
【0028】
読取部3は、給紙トレイ2に載置されたシートSHを読取部3の内部に引き込む。読取部3は、読取部3の内部において、引き込まれたシートSHを給紙トレイ2から排紙トレイ4に向けて搬送する。読取部3は、読取部3の内部において、搬送されるシートSHの画像を読み取る。
【0029】
排紙トレイ4は、読取部3により搬送されたシートSHを受け取る。設定部5は、電源スイッチ、及び各種設定ボタンを有する。表示部6は、液晶ディスプレイにより構成される。表示部6は、読取部3により読み取られた画像などを表示可能である。外部インターフェース8は、画像読取装置1により読み取られた画像等のデータを他のパーソナルコンピュータ(以後、「PC」と記す)等の外部装置と共有するために外部装置に接続するための外部インターフェースである。
【0030】
[画像読取装置の内部構造]
図2は、画像読取装置1の内部構造を説明するための説明図である。画像読取装置1は、図2に示すように、読取部3の内部に、ピックアップローラ32と、分離パッド33と、搬送ローラ34、35と、搬送用従動ローラ34’、35’と、読取センサ36と、排出ローラ38と、排出用従動ローラ38’と、後端センサ39と、制御部7と、を備える。
【0031】
ピックアップローラ32は、摩擦力により、給紙トレイ2に載置された複数枚のシートSHを画像読取装置1の内部に引き込む。ピックアップローラ32は、図示しないモータにより駆動される。分離パッド33は、摩擦力により、複数枚のシートSHを1枚のシートに分離する。
【0032】
搬送ローラ34、35は、図示しないモータにより駆動されてシートSHを搬送する。搬送用従動ローラ34’、35’は、搬送ローラ34、35と対向して配置される。搬送ローラ34、35と搬送用従動ローラ34’、35’とは、搬送ローラ34、35と搬送用従動ローラ34’、35’との間にシートSHを挟む。シートSHは、搬送ローラ34、35と搬送用従動ローラ34’、35’との間の摩擦力により、搬送路FP内を搬送される。
【0033】
読取センサ36は、搬送路FPを挟んで対向する一対のライン型密着イメージセンサ(Contact Image Sensor、以後「CIS」と記す)36A、36Bにより構成される。図3は、CIS36AとシートSHとを示す説明図である。CIS36Aのセンサアレイは、図2に示すY軸方向に整列している。シートSHは、Y軸方向に直交するX軸方向に搬送される。従って、シートSHの表面の画像がCIS36Aにより読み取られる。シートSHの裏面の画像は同様にしてCIS36Bにより読み取られる。このようにして読取センサ36は、シートSHの表面、及び裏面の画像を読み取る。読み取られた画像データは図2において非図示の読取インターフェースを介して制御部7に供給される。以後、説明の明確化のために、図2、及び図3に示すように、CIS36A、36BによりシートSHの画像が読み取られる際のシートSHの搬送方向をX軸方向、X軸方向に直交するCIS36A、36Bのセンサアレイ整列方向をY軸方向、シートSHの表面に垂直な方向をZ軸方向と記す。この定義は、他の図面、及び以下に示す記載においても共通のものとする。
【0034】
後端センサ39は、読取センサ36により読み取られるシートSHの後端、即ち、シートSHのX軸負方向における端部を検知する。
【0035】
排出ローラ38は、図2に示すように、搬送路FP内のシートSHの搬送方向において読取センサ36の下流側に配置される。排出用従動ローラ38’は、排出ローラ38と対向して配置される。排出ローラ38と排出用従動ローラ38’とは、排出ローラ38と排出用従動ローラ38’との間にシートSHを挟む。シートSHは、排出ローラ38と排出用従動ローラ38’との間の摩擦力により、搬送路FP内を搬送される。排出ローラ38は、搬送路FP内を搬送されたシートSHを排紙トレイ4に送る。排出ローラ38は、図示しないモータにより駆動される。シートSHは、排紙トレイ4に排紙される。
【0036】
制御部7は、CPU、ROM、RAM、フラッシュROM等を有するコンピューターにより構成される。
【0037】
[画像読取装置電気的構成]
図4を用いて、画像読取装置1の電気的構成について説明する。図4は、画像読取装置1の電気的構成を示す図である。制御部7は、図4に示すように、CPU71と、RAM72と、ROM73と、バス78と、を備える。
【0038】
CPU71は、各種情報処理プログラムを実行することにより、画像読取装置1が備える各種機能を実行する演算処理装置である。CPU71は、搬送ローラ34、35等の自動原稿搬送手段(Auto Document Feeder)を駆動する図示しないモータを駆動する。RAM72は読取センサ36により読み取られたシートSHの画像データ等の各種データを一時的に記憶する領域である。ROM73は、CPU71により実行される各種情報処理プログラム等を記憶している。ROM73は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリにより構成されている。CPU71、RAM72、及びROM73は、データ通信用のバス78にそれぞれ接続されており、バス78を介して各種情報の送受信を行う。バス78は、設定部5、及び表示部6と接続されている。バス78、及び外部インターフェース8を介してRAM72に記憶された画像データをPC等の外部装置に供給することができる。読取センサ36により読み取られた画像データは、読取インターフェース37、及びバス78を介してRAM72により供給され、記憶される。幅センサ21Bにより検出されたシート幅に関するデータは、バス78を介してRAM72に供給、記憶される。CPU71は、RAM72により記憶されたシート幅に関するデータに基づき、シート幅を決定する。この検出、決定によりシート幅の検出が行われる。ROM73にあらかじめ記憶されているA4、B5等の各規格サイズとシート幅との関係を示すテーブルに基づいて検出されたシート幅からシートサイズが検出される。後端センサ39により検知された結果は、バス78を介してRAM72に記憶される。
【0039】
[画像読取装置の制御]
以下、図5〜図10を用いて画像読取装置1の制御について説明する。図5〜図10は、画像読取装置1の制御を示すフローチャートである。一連の処理は、図4において示したCPU71により実行される。ユーザにより設定部5の電源スイッチが押されると、CPU71に設定部5から電源ONの指令が供給される。CPU71に電源ONの指令が供給されると、画像読取装置1の駆動が開始される。同時に、以下に示す一連の処理が、CPU71により実行される。
【0040】
図5は、画像読取装置1のメインの処理を示すフローチャートである。画像読取装置1の駆動が開始されると、シートサイズの検出が実行される(ステップS1、以後S1と記す)。シートサイズの検出が実行されると、シートSHの画像IMのうち、ヘッダ、及びフッタの画像の抽出が実行される(S2)。ヘッダ、及びフッタとは、各々、例えば図11に示すようなシートSHの下流側の端部、及び上流側の端部である。ヘッダ、及びフッタの画像の抽出が実行されると、ヘッダ、フッタの画像のブロック分割が実行される(S3)。即ち、図11に示すようにヘッダ、フッタの画像が複数のブロックBLに分割される。ヘッダ、フッタの画像のブロック分割が行われると、ブロック単位の黒画素判定が実行される(S4)。即ち、ブロックBLの画像が黒か否かが判定される。ブロック単位の黒画素判定が実行されると、黒画素判定用の白黒パターンPTの登録、及び比較が実行される(S5)。即ち、図11に示すように、S4において黒と判定されたブロックと黒でないと判定されたブロックとで形成される白黒パターンPTが画像IMと対応付けられてRAM72に記憶される。白黒パターンPTが記憶されると、特定の画像IMの白黒パターンPTと他の白黒パターンPTとが比較される。白黒パターンPTの登録、及び比較が実行されると、ファイルの仕分けが実行される(S6)。即ち、複数の画像IMのファイルが複数のフォルダに仕分けられて格納される。ファイルの仕分けが実行されると、給紙トレイ2にシートSHが有るか否かが判定される(S7)。即ち、給紙トレイ2に画像を読み取るべきシートSHが残されているか否かが判定される。この判定は、幅センサ21A、21Bによる検出結果に基づいて実行される。シートSHが有ると判定されると(S7:Yes)、処理がS1に戻る。シートSHがないと判定されると(S7:No)、全ての処理が終了する。
【0041】
図6Aは、図5において示したS2の処理を詳細に示すサブフローチャートである。図6Aに示す処理では、先ず、読取センサ36によりシートSHの両面の画像が1ライン、読み取られる(SA1)。1ラインは、Y軸方向に整列されているCIS36A、36Bのセンサアレイを通して一度に読み取られる画像データ量に相当する。従って、SA1において、例えば、ある時点においてCIS36A、36Bの図12に示す読取ラインRLの画像IMが読み取られる。このとき画像IMは、シートSHの両面の画像である。
【0042】
1ラインの読み取りが行われると、1ライン中の画素データがRAM72に記憶される(SA2)。画素データが記憶されると、ヘッダのパターン抽出が終了したか否かが判定される(SA3)。具体的には、以後に示すSA4において立てられる抽出完了フラグが立てられているか否かに基づいて判定される。
【0043】
ヘッダのパターン抽出、即ちヘッダの白黒パターンPTの抽出が終了していないと判定されると(SA3:NO)、後述するSB1〜SB11の処理によりヘッダのパターン抽出が実行される。即ち、図11に示すようなヘッダの白黒パターンPTが抽出される。
【0044】
ヘッダのパターン抽出が実行されると、後端センサ39によりシートSHの後端が検出されたか否かが判定される(SA5)。後端センサ39によりシートSHの後端が検出されたと判定されると(SA5:YES)、フッタのパターン抽出が実行される(SA6)。即ち、図11に示すようなフッタの白黒パターンPTが抽出される。SA6において後端センサ39によりシートSHの後端が検出されていないと判定されると(SA5:NO)、処理がSA1に戻り、読取センサ36によりシートSHの次の1ラインの両面画像が読み取られる。SA3においてヘッダのパターン抽出が終了したと判定されると(SA3:YES)、処理がSA5に移る。SA6においてフッタのパターン抽出が実行されると、処理が図5において示したS3に移る。
【0045】
ヘッダのパターン抽出が終了していないと判定されると(SA3:NO)、SB1〜SB11の処理によりヘッダのパターン抽出が実行される。SB1〜SB11に示す処理では、先ず、1ライン中の黒画素数がカウントされる(SB1)。即ち、ROM73に黒画素としてあらかじめ記憶されている閾値範囲の画素が1ライン中にどれだけあるかがカウントされる。図12は、1枚のシートSHの画像の読取が完了した場合に、X軸方向におけるシートSHの位置とSA2の処理によりカウントされた黒画素数との関係を説明するための説明図である。図12に示すように、X軸方向の各位置に対応した1ライン中の黒画素数がカウントされる。1回のSB1の処理によりカウントされる黒画素数は、図12に示すX軸方向の1つの位置における1ライン中の黒画素数である。ただし、図12においては、表面の画像の黒画素数のみを示しているが、1回のSB1の処理により、裏面の画像の黒画素数も同様にして同時にカウントされる。
【0046】
1ライン中の黒画素数がカウントされると、カウントされた黒画素数が所定数以上であるか否かが判定される(SB2)。所定数は、文字が記載された部分の1ライン中に通常含まれる黒画素数の閾値としてあらかじめROM73に記憶されている。この判定により文字などではなく汚れなどのノイズが誤ってヘッダの一部として抽出されることを防ぐことができる。
【0047】
黒画素数が所定数以上であると判定されると(SB2:YES)、前回ラインの黒画素数は所定数以上であったか否かが判定される(SB3)。前回ラインとは、現在の読取ラインにとってのX軸正方向における1ライン前の読取ラインである。即ち、例えば、図12において、現在の読取ラインR1に対する前回ラインは、読取ラインR2である。
【0048】
前回ラインの黒画素数が所定数以上であったと判定されると(SB3:YES)、連続カウントがインクリメントされる(SB4)。連続カウントは、ライン中の黒画素数が所定数以上のライン(以後、「黒画素ライン」と記す)がX軸方向にどれだけ連続しているかを示すカウントである。SB3の判定により、黒画素ラインが連続しているか否かを判定しており、連続していると判定された場合にSB4において黒画素ラインが連続していることを示す連続カウントがインクリメントされる。
【0049】
連続カウントがインクリメントされると、現在のライン位置がRAM72に記憶される(SB5)。
【0050】
ライン位置が記憶されると、黒画素ラインが所定数以上連続しているか否かが判定される(SB6)。具体的には、SB4においてインクリメントされる連続カウントがROM73に記憶されている所定数以上か否かが判定される。この所定数は、通常のヘッダのX軸方向における大きさに基づいてあらかじめ設定され、ROM73に記憶されている。
【0051】
黒画素ラインが所定数以上連続していると判定されると(SB6:YES)、連続カウントがクリアされる(SB7)。即ち、連続カウントが0に初期化される。連続カウントがクリアされると、抽出完了フラグが立てられる(SB8)。抽出完了フラグは、ヘッダのパターン抽出が終了したことを示すフラグである。抽出完了フラグが立てられると、図6Aに示すSA3において、ヘッダのパターン抽出が終了したと判定される。抽出完了フラグが立てられると、処理が図6Aに示すSA5に移る。
【0052】
SB2において黒画素数が所定数以上でないと判定されると(SB2:NO)、連続カウントがクリアされる(SB9)。連続カウントがクリアされると、処理が図6Aに示すSA1に戻り、次の読取ラインの読み取りが実行される。SB3において前回ラインの黒画素数が所定数未満であったと判定されると(SB3:NO)、連続カウントがクリアされる(SB10)。連続カウントがクリアされると、現在のライン位置がヘッダの先頭ライン位置として記憶される(SB11)。現在のライン位置がヘッダの先頭ライン位置として記憶されると、処理が図6Aに示すSA1に戻り、次の読取ラインの読み取りが実行される。SB6において黒画素ラインが所定数以上連続していないと判定されると(SB6:NO)、処理が図6Aに示すSA1に戻り、次の読取ラインの読み取りが実行される。
【0053】
図6Bは、図6Aにおいて示したSA6のフッタパターン抽出処理を詳細に示すサブフローチャートである。図6Bに示す処理では、読取センサ36により読み取られたシートSHの両面の画像に対してシートSHの後端側から、即ち図12に示す実線矢印SDに示すように画像IMのX軸負方向の端縁から遡って1ラインごとに画素の探索が行われる。フッタパターンの抽出の際に、画像IMのX軸負方向の端縁から遡って1ラインごとに画素の探索が行われるのは、フッタパターンが画像IMのX軸負方向の端縁近辺に存在するために、シートSHがCIS36A、36Bを通過した後でないと、フッタパターンを抽出できないためである。図6Bに示す処理では、先ず、ラインカウンタのインクリメントが実行される(SC1)。ラインカウンタは、シートSHの両面の画像における現在の探索位置を示すカウンタである。ラインカウンタのインクリメントが実行されると、1ライン中の黒画素数がカウントされる(SC2)。即ち、ROM73に黒画素の色の範囲としてあらかじめ記憶されている閾値範囲の画素が1ライン中にどれだけあるかがカウントされる。
【0054】
1ライン中の黒画素数がカウントされると、カウントされた黒画素数が所定数以上であるか否かが判定される(SC3)。所定数は、文字が記載された部分の1ライン中に通常含まれる黒画素数の閾値としてあらかじめROM73に記憶されている。この判定により文字などではなく汚れなどのノイズが誤ってフッタの一部として抽出されることを防ぐことができる。
【0055】
黒画素数が所定数以上であると判定されると(SC3:YES)、前回ラインの黒画素数は所定数以上であったか否かが判定される(SC4)。前回ラインとは、現在の読取ラインにとってのX軸負方向における1ライン前の読取ラインである。即ち、例えば、図12において、現在の読取ラインR3に対する前回ラインは、読取ラインR4である。
【0056】
前回ラインの黒画素数が所定数以上であったと判定されると(SC4:YES)、連続カウントがインクリメントされる(SC5)。連続カウントは、ライン中の黒画素数が所定数以上の黒画素ラインがX軸方向にどれだけ連続しているかを示すカウントである。
【0057】
連続カウントがインクリメントされると、現在のライン位置がRAM72に記憶される(SC6)。
【0058】
ライン位置が記憶されると、黒画素ラインが所定数以上連続しているか否かが判定される(SC7)。具体的には、SB4においてインクリメントされる連続カウントがROM73に記憶されている所定数以上か否かが判定される。この所定数は、通常のフッタのX軸方向における大きさに基づいてあらかじめ設定され、ROM73に記憶されている。
【0059】
黒画素ラインが所定数以上連続していると判定されると(SC7:YES)、連続カウントがクリアされる(SC8)。即ち、連続カウントが0に初期化される。連続カウントがクリアされると、フッタのパターン抽出が終了し、処理が図5に示すS3に移る。
【0060】
SC3において黒画素数が所定数以上でないと判定されると(SC3:NO)、連続カウントがクリアされる(SC9)。連続カウントがクリアされると、処理がSC1に戻り、ラインカウンタがインクリメントされる。即ち、次のラインにおける画素の探索が開始される。SC4において前回ラインの黒画素数が所定数未満であったと判定されると(SC4:NO)、連続カウントがクリアされる(SC10)。連続カウントがクリアされると、現在のライン位置がフッタの後端ライン位置として記憶される(SC11)。現在のライン位置がフッタの後端ライン位置として記憶されると、処理がSC1に戻る。SC7において黒画素ラインが所定数以上連続していないと判定されると(SC7:NO)、処理がSC1に戻る。
【0061】
図7は、図5において示したS3の処理を詳細に示すサブフローチャートである。図7に示す処理では、先ず、ブロック分割により形成されるブロックの横幅が図5において示したS1により検出されたシートサイズのシート幅に基づいて決定される(SD1)。「横」とは、Y軸方向を示す。SD1に示す処理により、例えば、表1に示すようにシートの横幅が各シート幅に応じた横ブロック数に分割されることでブロックの横幅が決定される。従って、各シート幅に応じた最適な横幅を有するブロックに画像がブロック分割される。
【0062】
【表1】

【0063】
ブロックの横幅が決定されると、ブロックの縦幅が、ヘッダの縦幅、及びフッタの縦幅に基づいて決定される(SD2)。「縦」とは、X軸方向を示す。ヘッダの縦幅、及びフッタの縦幅は、各々、図6Aに示すSB5、SB11、及び図6Bに示すSC6、SC11などにおいて記憶されたヘッダ、フッタのライン位置に基づいて決定される。SD2に示す処理により、ヘッダ、及びフッタのX軸方向における大きさに応じた最適な縦幅を有するブロックに画像がブロック分割される。
【0064】
ブロックの縦幅が決定されると、SD1により決定された横幅、及びSD2により決定された縦幅を有するブロックにヘッダ、フッタの画像がブロック分割される(SD3)。即ち、図11に示すようにヘッダ、フッタにおける画像IMが複数のブロックにブロック分割される。ブロック分割は、シートSHの両面の画像に対して実行される。ブロック分割が実行されると、処理が図5において示したS4に移る。
【0065】
図8は、図5において示したS4の処理を詳細に示すサブフローチャートである。図8に示す処理では、先ず、ヘッダ、フッタのブロック単位での黒画素が検出される(SE1)。即ち、対象とするブロック内の黒画素数がカウントされる。
【0066】
ブロック単位での黒画素が検出されると、該当ブロック内の黒画素数が所定数以上か否かが判定される(SE2)。所定数は、ROM73にあらかじめ記憶されている数とブロックの大きさとに基づき決定される数である。
【0067】
該当ブロック内の黒画素数が所定数以上と判定されると(SE2:YES)、該当ブロックが「黒」と判定される(SE3)。該当ブロック内の黒画素数が所定数未満と判定されると(SE2:NO)、該当ブロックが「白」と判定される(SE4)。SE3、又はSE4の処理が実行されると、処理がSE5に移る。
【0068】
処理がSE5に移ると、ヘッダ、フッタの両面合わせて全ブロックの白黒判定が終了したか否かが判定される(SE5)。白黒判定とは、SE3、及びSE4に示す該当ブロックを「黒」、及び「白」と判定することを示す。全ブロックの白黒判定が終了していないと判定されると(SE5:NO)、処理がSE1に戻り、対象とするブロックが現在のブロックから次のブロックに移る。処理がSE1に戻ると、対象とするブロック内の黒画素数がカウントされる。全ブロックの白黒判定が終了したと判定されると(SE5:YES)、図11に示すようなヘッダ、フッタの白黒パターンPTがRAM72に記憶される(SE6)。白黒パターンPTが記憶されると、処理が図5に示すS5に移る。
【0069】
図9は、図5において示したS5の処理を詳細に示すサブフローチャートである。図9に示す処理では、先ず、シートサイズが登録テーブルに存在するか否かが判定される(SF1)。即ち、図5に示すS1において検出されたシートサイズが登録テーブルに既に記憶されているか否かが判定される。シートサイズが登録テーブルに存在しないと判定されると(SF1:YES)、SE6において記憶されたヘッダ、フッタの白黒パターンが登録テーブルに記憶される(SF2)。SF2においてヘッダ、フッタの白黒パターン(以後、各々、「ヘッダパターン」、「フッタパターン」と記す)は、図13に示す登録テーブルのように、シートサイズ、番号、及び画像データの送付先と対応付けられてRAM72に記憶される。
【0070】
検出されたシートサイズが登録テーブルに既に記憶されていると判定されると(SF1:YES)、図8に示すSE6において記憶されたシートSHの表面のヘッダ(以後、「表ヘッダ」と記す)、及び表面のフッタ(以後、「表フッタ」と記す)が各々登録テーブルに記憶されているヘッダ、フッタと一致するか否かが判定される(SF3)。即ち、表ヘッダの白黒パターンと表フッタの白黒パターンとが、各々、図13に示すような登録テーブルのヘッダパターン、及びフッタパターンと一致するか否かが判定される。ただし、検出されたシートサイズと対応付けられて登録テーブルに記憶されているヘッダパターン、及びフッタパターンの複数のセットのうち1セットがRAM72から読み出されて表ヘッダの白黒パターンと表フッタの白黒パターンと一致するか否かが判定される。即ち、A4のシートサイズが検出された場合、例えば、図13に示すようにヘッダパターン、フッタパターンのセットはA4a、A4b、A4cの3組ある。SF3の処理が実行されるごとにA4a→A4b→A4cの順に読み出されて一致、非一致の判定が実行される。今、図11において示したような表ヘッダの白黒パターンがY軸正方向から白→白→黒→黒→黒→白の順に並列されたパターンであり、表フッタの白黒パターンがY軸正方向から白→黒→黒→白→黒→黒の順に並列されたパターンが、SE6において記憶されたとする。SE6において記憶された表ヘッダ、表フッタの白黒パターンは、図13に示す番号A4aのヘッダパターン、フッタパターンと一致するため、SF3において表ヘッダ、表フッタが登録テーブルのヘッダ、フッタと一致すると判定される。
【0071】
表ヘッダ、及び表フッタが、各々、登録テーブルに記憶されているヘッダ、フッタと一致しないと判定されると(SF3:NO)、図14に示すように、表面の画像IMが上下逆さまに180°回転される(SF4)。画像IMが上下逆さまに回転されると、表フッタ、表ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致しているか否かが判定される(SF5)。SF4、及びSF5は、図14に示すように上下逆さまにシートSHの画像が読み取られ、ヘッダが表フッタ、フッタが表ヘッダとして抽出されることによるパターン判定における誤判定を防ぐための処理である。即ち、図14に示すように、画像IMを上下逆さまに180°回転して、画像IMの表フッタの白黒パターンPTと登録テーブルのヘッダパターンHPとを比較する。上下逆さまにシートSHの画像が読み取られた画像IMを180°回転して、画像IMの表ヘッダの白黒パターンPTと登録テーブルのフッタパターンFPとを比較する。このように、SF3において表ヘッダ、及び表フッタが、各々、登録テーブルに記憶されているヘッダ、フッタと一致しないと判定された後、表フッタ、表ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致しているか否かが判定されることにより、上下逆さまの原稿が混在した複数の原稿が読み取られて取得された場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0072】
表フッタ、表ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していないと判定されると(SF5:NO)、図8に示すSE6において記憶されたシートSHの裏面のヘッダ(以後、「裏ヘッダ」と記す)、及び裏面のフッタ(以後、「裏フッタ」と記す)が、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致しているか否かが判定される(SF6)。このように、SF3において表ヘッダ、及び表フッタが、各々、登録テーブルに記憶されているヘッダ、フッタと一致しないと判定され、SF5において表フッタ、表ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していないと判定された後、裏ヘッダ、裏フッタが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致しているか否かが判定される。従って、裏表反対の原稿が混在した複数の原稿が読み取られた場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0073】
裏ヘッダ、裏フッタが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していないと判定されると(SF6:NO)、裏面の画像が上下逆さまに180°回転される(SF7)。裏面の画像が上下逆さまに180°回転されると、裏フッタ、裏ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致しているか否かが判定される(SF8)。従って、上下逆さま、及び裏表反対の原稿が混在した複数の原稿が読み取られて取得された場合においても、正確に画像を仕分けて処理することが可能となる。
【0074】
SF3において表ヘッダ、及び表フッタが、各々、登録テーブルに記憶されているヘッダ、フッタと一致すると判定されると(SF3:YES)、同種類フラグが立てられる(SF10)。同種類フラグは、読み取られたシートSHの画像と登録テーブルに記憶されている該当番号のヘッダパターン、フッタパターンを有する画像とが同種類であることを示すフラグである。該当番号とは、SF3において各々表ヘッダ、及び表フッタと一致すると判定されたヘッダ、フッタを有する登録テーブルの番号である。同様にして、SF5において表フッタ、表ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していると判定されると(SF5:YES)、同種類フラグが立てられる(SF10)。SF6において裏ヘッダ、裏フッタが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していると判定されると(SF6:YES)、同種類フラグが立てられる(SF10)。SF8において裏フッタ、裏ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していると判定されると(SF8:YES)、同種類フラグが立てられる(SF10)。
【0075】
SF8において裏フッタ、裏ヘッダが、各々、登録テーブルのヘッダ、フッタと一致していないと判定されると(SF8:NO)、登録テーブルの全てのヘッダパターン、フッタパターンとの比較が終了したか否かが判定される(SF9)。即ち、検出されたシートサイズと対応付けられて登録テーブルに記憶されている全てのヘッダパターン、及びフッタパターンとの一致、不一致の判定が終了したか否かが判定される。例えば、シートサイズがA4であり、SF3、SF5、SF6、及びSF8にてシートSHの両面の画像のヘッダ、フッタとの一致、不一致が判定された登録テーブルのヘッダ、フッタが図13に示す番号A4cのヘッダ、フッタであった場合、登録テーブルの全てのヘッダパターン、フッタパターンとの比較が終了したと判定される(SF9:YES)。登録テーブルのヘッダ、フッタが図13に示す番号A4bのヘッダ、フッタであった場合、登録テーブルの全てのヘッダパターン、フッタパターンとの比較が終了していないと判定され(SF9:NO)、表ヘッダ、表フッタが登録テーブルの次の番号である番号A4cのヘッダ、フッタと一致するか否かが判定される(SF3)。
【0076】
SF9において比較が終了したと判定されると(SF9:YES)、表ヘッダ、表フッタ、裏ヘッダ、裏フッタがRAM72により記憶される(SF11)。即ち、表ヘッダ、及び表フッタがヘッダパターン、及びフッタパターンとして図13に示す登録テーブルにシートサイズ、及び新たな番号と対応付けられて追加される。更に、裏ヘッダ、及び裏フッタがヘッダパターン、及びフッタパターンとして図13に示す登録テーブルにシートサイズ、及び新たな番号と対応付けられて追加される。SF9において比較が終了したと判定されたということは、登録テーブルに同種類のヘッダパターン、フッタパターンがなかったということを示す。従って、SF11において表ヘッダ、表フッタ、裏ヘッダ、裏フッタが新たに記憶されることにより、以後の画像仕分け処理の精度を増すことができる。
【0077】
SF10において同種類フラグが立てられると、処理が図5に示すS6に移る。SF11において表ヘッダ、表フッタ、裏ヘッダ、裏フッタが記憶されると、処理が図5に示すS6に移る。
【0078】
図10は、図5において示したS6の処理を詳細に示すサブフローチャートである。図10に示す処理では、先ず、同種類フラグが立てられたか否かが判定される(SG1)。同種類フラグが立てられていないと判定されると(SG1:NO)、新規送付先情報が、図13に示す登録テーブルに追加される。即ち、図9において示したSF11においてが新たに記憶された表ヘッダ、表フッタと対応付けられて新たな送付先情報が記憶される。更に、裏ヘッダ、裏フッタと対応付けられて新たな送付先情報が記憶される。新規送付先情報が追加されると処理がSG3に移る。同種類フラグが立てられたと判定されると(SG1:YES)、処理がSG3に移る。
【0079】
処理がSG3に移ると、仕分け指令が生成される(SG3)。仕分け指令は、PC等の外部装置に現在のシートSHの表面の画像、及び裏面の画像を、各々、特定のフォルダである送付先に格納するように指令するためのものである。即ち、例えば、図13に示す番号A4bのヘッダパターン、フッタパターンと一致する表ヘッダ、表フッタを有する表面の画像が読み取られた場合、図13に示すように表面の画像をフォルダBに格納するように指令する仕分け指令が生成される。また、例えば、次の一枚のシートSHの裏面の画像が同じ番号A4bのヘッダパターン、フッタパターンと一致する裏ヘッダ、裏フッタを有していた場合、この裏面の画像を同じフォルダBに格納するように指令する仕分け指令が作成される。このようにして同一のヘッダパターン、及びフッタパターンを有する複数の画像を同一のフォルダに格納するように仕分け指令が生成されることにより、画像を仕分け処理することが可能となる。
【0080】
仕分け指令が生成されると、シートSHの両面の画像データ、及び仕分け指令がPC等の外部装置に送信される(SG4)。PC等外部装置は、受信した仕分け指令に基づいてシートSHの両面の画像を仕分けて特定のフォルダに格納する。以上のようにして、図15に示すように、複数の画像のうち、パターン判定により同種類と判定されて、同じフォルダAに格納するよう仕分け指令が生成された2つの画像は同じフォルダAに格納される。一方、フォルダAに格納される画像と異なる種類の画像と判定されてフォルダBに格納するよう仕分け指令が生成された画像は異なるフォルダBに格納される。また、フォルダAに格納される画像、及びフォルダBに格納される画像と異なる種類の画像と判定されてフォルダCに格納するよう仕分け指令が生成された画像は異なるフォルダCに格納される。
【0081】
このようにして本実施形態に係る画像読取装置1によれば、画像のヘッダ、フッタの白黒パターンが一致する場合に、画像に対し同じフォルダに格納するという同一の処理が実行される。よって、パターンの一致、不一致に応じて、画像が仕分けて処理される。よって、ユーザによる指示等が不要であり、複数の原稿の画像を仕分けて処理する際に手間がかからない。
【0082】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0083】
本実施形態において、画像読取装置1は、両面読取であったが、これに限らず、片面読取であってもよい。また、常に両面読取モードである必要はなく、例えば本実施形態の設定部5等の設定部により両面読取モード、又は片面読取モードが設定できてもよい。
【0084】
本実施形態において、ヘッダ、フッタの画像の抽出、ブロック分割、黒画素判定、白黒パターンの登録・比較、及びファイルの仕分け処理等の画像処理は全て画像読取装置1により実行されていた。しかし、これに限らず、例えば、画像読取装置1は画像の読み取りのみ行い、PC等の外部装置が画像読取装置1により読み取られた画像を取得して、取得した画像に対し、上記のような画像処理を行ってもよい。
【0085】
本実施形態において、複数の画像の仕分けられた後、PC等の外部装置により複数のフォルダに格納されていた。しかし、これに限らず、例えば、本実施形態における画像読取装置1等の画像読取装置自身が複数のフォルダを有し、複数の画像を複数のフォルダに仕分けて格納してもよい。
【0086】
本実施形態において、画像読取装置1は、複数の画像を仕分けて、PC等の外部装置の複数のフォルダに格納していた。しかし、これに限らず、例えば複数の画像を仕分けて複数のPC等外部装置にメール等により送付する処理であってもよい。
【0087】
本実施形態において、画像読取装置1は、パターン判定用の特定部分としてヘッダ、フッタを抽出していたが、これに限らず、例えば、2in1画像の真ん中線を抽出し、真ん中線があるものを2in1画像としてフォルダAに格納し、真ん中線がないものをフォルダAと異なるフォルダBに格納するような仕分け処理を実行してもよい。
【0088】
本実施形態において、画像読取装置1は、1枚のシートSHの画像を読み取るごとに仕分け処理を行っていたが、これに限らず、例えば、複数のシートSHの全ての画像を読み取った後、一括で仕分け処理を実行してもよい。
【0089】
本実施形態において、画像読取装置1は、登録テーブルにヘッダ、フッタの白黒パターンを順次記憶させていくことでパターン判定に基づいた仕分け処理を行っていた。しかし、これに限らず、例えば、複数のシートSHの全ての画像を読み取った後、全ての画像のヘッダ、フッタ等の特定部分のパターンを比較、判定することで仕分け処理を実行してもよい。
【0090】
本実施形態において、画像読取装置の一例として、シートフィードスキャナを挙げたが、これに限らず、例えば、フラットベッド型スキャナ、FAX、及び複合機などであってもよい。
【0091】
シートは、紙、段ボール、プラスチックカード、反物又はロールシートから繰り出されたシート等、シート状のものであれば何でもよい。
【0092】
本実施形態において、印字色は黒、非印字色は白であったが、これに限らず、例えば、印字色は青、非印字色はグレーであってもよいし、印字色は赤、非印字色は赤以外であってもよい。
【0093】
本実施形態において、ヘッダ、フッタの画像がSD3においてブロック分割されていた。即ち、画像の特定部分のみがブロック分割されていた。しかし、これに限らず、例えば、画像の全ての領域がブロック分割されてもよい。また、例えば、画像の全ての領域がブロック分割されるが、本実施形態において示したように、ヘッダ、フッタの部分のみがヘッダ、フッタの大きさに合わせて設定されたサイズのブロックに分割されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 画像読取装置
32 給紙ローラ
34 搬送ローラ
35 搬送ローラ
36 読取センサ
71 CPU
72 RAM
8 外部インターフェース
PC パーソナルコンピュータ等の外部装置
SH シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理装置であって、
前記画像を取得する取得部と、
前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出部と、
前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割部と、
前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定部と、
前記色判定部により判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶部により記憶された他の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定部と、
前記パターン判定部により2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記パターン判定部は、
特定の前記画像の前記パターンと他の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第1判定部と、
前記特定の画像の前記パターンと逆さまに回転された場合の前記他の画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第2判定部と、を備え、
前記第1判定部、及び前記第2判定部のいずれか一方により2つの前記パターンが一致すると判定された場合に、前記特定の画像の前記パターンと前記他の画像の前記パターンとが一致すると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記複数の原稿の両面の画像を仕分けて処理し、
前記パターン判定部は、
特定の前記画像の前記パターンと前記他の画像に対応する前記原稿の裏面の前記画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第3判定部と、
前記特定の画像の前記パターンと逆さまに回転された場合の前記裏面の画像の前記パターンとが一致するか否かを判定する第4判定部と、を備え、
前記第1判定部、前記第2判定部、前記第3判定部、及び前記第4判定部のいずれか一つにより2つの前記パターンが一致すると判定された場合に、前記特定の画像の前記パターンと前記他の画像の前記パターンとが一致すると判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶部により記憶された前記画像のパターンの中に前記取得部により取得された前記画像の前記パターンと一致する前記パターンが存在するか否かを判定する記憶判定部を備え、
前記記憶部は、前記記憶判定部により前記記憶部により記憶された少なくとも1つの前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンの中に前記取得部により取得された前記画像の前記パターンと一致する前記パターンが存在しないと判定された場合に、前記色判定部により判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の前記画像処理装置が備える構成と、
前記複数の原稿の画像を読み取る読取部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項3に記載の前記画像処理装置が備える構成と、
前記複数の原稿の両面の画像を読み取る両面読取部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理方法であって、
読み取られた前記画像を取得する取得ステップと、
前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出ステップと、
前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割ステップと、
前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定ステップと、
前記色判定ステップにより判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにより記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶ステップにより記憶された他の前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定ステップと、
前記パターン判定ステップにより2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理ステップと、を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
読み取られた複数の原稿の画像を仕分けて処理する画像処理プログラムであって、
読み取られた前記画像を取得する取得ステップと、
前記画像同士を比較するために用いられる前記画像中の特定部分を抽出する抽出ステップと、
前記画像を複数のブロックに分割するブロック分割ステップと、
前記特定部分における前記画像の各前記ブロックにおける色が印字色か否かを判定する色判定ステップと、
前記色判定ステップにより判定された前記画像の各前記ブロックにおける色を各前記ブロックと対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにより記憶された特定の前記画像の各前記ブロックにおける色のパターンと前記記憶ステップにより記憶された他の前記画像の各前記ブロックにおける色の前記パターンとが一致するか否かを判定するパターン判定ステップと、
前記パターン判定ステップにより2つの前記パターンが一致すると判定された前記画像に対して同一の処理を実行する処理ステップと、を備え、
これらのステップがコンピューターにより実現されることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−129769(P2012−129769A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278933(P2010−278933)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】