説明

画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率が向上する。
【解決手段】原稿サイズ予測部61は、原稿混載モードが設定された場合、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する。通常処理部62は、読み取られ画像データに対して、予測原稿サイズに基づいて各種画像処理を行う。蓄積処理部63は、読み取られ画像データに対して、読み取り可能な最大サイズで画像メモリ64に蓄積した後に、搬送された原稿から測定された原稿サイズに基づいて各種画像処理を行う。画像データ選択転送部65は、測定された実際の原稿サイズと予測原稿サイズとが一致した場合、通常処理部62の画像データを選択し、一致しなかった場合、蓄積処理部63の画像データを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿混載モードの際に原稿サイズを検知することができない場合でも、原稿サイズの検知前に原稿画像の読み取りを開始して、読み取った画像データを最大原稿サイズと仮定してページメモリに格納し、原稿サイズ検知後に検知された原稿サイズの画像データとして出力するようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−101769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率を向上することが可能な画像処理装置、画像読取装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[画像処理装置]
請求項1に係る本発明は、原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、原稿から画像データを読み取るための画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、原稿搬送手段により搬送された原稿から測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段とを備えた画像処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第2の処理手段が、前記画像読取手段により読み取られた画像データを、前記画像読取手段により読み取り可能な最大の原稿サイズで前記画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する請求項1記載の画像処理装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記予測手段が、前ページの原稿の原稿サイズを次ページの原稿の予測原稿サイズとして予測する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記予測手段が、過去に読み取りを行った原稿サイズの履歴情報に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記予測手段が、指示された処理内容に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記予測手段が、前記画像読取手段に対して設定されている読取解像度に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズの予測を行うか否かを切り換える請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、前記予測手段が、設定されている用紙トレイの用紙サイズに基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記予測手段が、過去に読み取りを行った原稿サイズの利用者毎の履歴情報に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0013】
[画像読取装置]
請求項9に係る本発明は、原稿から画像データを読み取る画像読取手段と、
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定する測定手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段とを備えた画像読取装置である。
【0014】
[画像形成装置]
請求項10に係る本発明は、原稿から画像データを読み取る画像読取手段と、
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定する測定手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像データに基づいて、指定された用紙上に画像を出力する画像出力手段とを備えた画像形成装置である。
【0015】
[プログラム]
請求項11に係る本発明は、原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、原稿から画像データを読み取るための画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するステップと、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理ステップと、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積するステップと、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定するステップと、
前記画像メモリに蓄積された画像データを、測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理ステップと、
測定された原稿サイズと予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理ステップにおいて処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理ステップにおいて処理された画像データを選択するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率を向上することが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る発明により得られる効果に加えて、読み取られた原稿画像がどのような原稿サイズの場合でも、原稿画像を欠けることなく画像データとして読み取ることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、同じサイズの原稿が連続している場合には予測結果が的中している可能性を高くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、いつも同じサイズの原稿の読み取りを行っているような場合には予測結果が的中している可能性を高くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、指示された処理内容に応じて読み取りを行う原稿サイズが同じような場合には予測結果が的中している可能性を高くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、読取解像度がある所定の値よりも低い場合には画像処理を重複して実行しないようにすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0022】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、設定されているトレイの用紙サイズの情報により予測結果が的中している可能性を高くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0023】
請求項8に係る本発明によれば、請求項1または2に係る発明により得られる効果に加えて、その利用者がいつも同じサイズの原稿の読み取りを行っているような場合には予測結果が的中している可能性を高くすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0024】
請求項9に係る本発明によれば、原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率を向上することが可能な画像読取装置を提供することができる。
【0025】
請求項10に係る本発明によれば、原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率を向上することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項11に係る本発明によれば、原稿混載モードにおいて原稿サイズが不明なまま原稿画像を読み取る場合でも、全ての画像データを一旦画像メモリに蓄積してから処理する場合と比較して、原稿画像を読み取る際の効率を向上することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の画像処理装置のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】自動原稿送り装置19に設けられた6つのセンサSNS1〜SNS6を示す図である。
【図4】自動原稿送り装置19を側面から見た際の断面図である。
【図5】原稿サイズが異なる複数の原稿からなるミックス原稿が自動原稿送り装置19にセットされた場合の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における画像処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図7】通常処理部62における動作と蓄積処理部63における動作を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態の画像形成装置10において原稿混載モードにより原稿画像を読み取る際の動作を示すフローチャートである。
【図9】原稿サイズ予測部61によって、指示された処理内容(ジョブの種類)に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する場合の一例を示す図である。
【図10】原稿サイズ予測部61の他の予測方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置を含む画像形成システムのシステム構成を示す図である。本発明の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される。
【0029】
端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0030】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0031】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)19を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0032】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0033】
次に、図2に示した自動原稿送り装置19の構造について図3を参照して、説明する。自動原稿送り装置19は、載置部である原稿トレイに置かれた原稿を1ページ単位で順次所定の原稿読み取り位置まで搬送する原稿搬送手段として機能する。この自動原稿送り装置19には、図3に示すように、複数のセンサSNS1〜SNS6が設けられている。センサSNS2〜6は、自動原稿送り装置19の原稿トレイ上に置かれた原稿の原稿サイズを検出するためのセンサである。
【0034】
そして、センサSNS2は、原稿の有無、つまり原稿が原稿トレイに置かれたか否かのみを検出するために設けられており、実際の原稿サイズの判定には関与していない。センサSNS3、SNS4は、原稿の主走査方向の幅を検出するためのセンサである。SNS3は、ガイド92の移動を検出するために設けられており、ガイド92の位置に応じて出力論理が変化する。また、SNS4は、ガイド91の移動を検出するために設けられており、ガイド91の位置に応じて出力論理が変化する。センサSNS5、SNS6は、上に原稿が載せられているか否かを検出するためのセンサである。原稿93が原稿トレイ上に置かれると、そのサイズに応じてセンサSNS5、SNS6の上を塞ぐこととなり、SNS5、SNS6は、上に原稿が載せられているか否かをそれぞれ検出する。
【0035】
また、センサSNS1は、自動原稿送り装置19により搬送された原稿の実際の原稿サイズを測定する測定手段である。このセンサSNS1は原稿搬送路上に設けられており、原稿搬送路上を搬送される原稿の有無を検出することが可能であるため、原稿搬送速度と原稿が通過するのにかかった時間とから原稿サイズを確実に測定することが可能となっている。
【0036】
この自動原稿送り装置19を側面から見た際の断面図を図4に示す。図4に示されるように、自動原稿送り装置19では、原稿トレイ上に原稿93が置かれると、センサSNS2〜6の出力論理が変化する。そのため、センサSNS2〜SNS6により原稿トレイ上に置かれた原稿93の原稿サイズの推定が可能となる。なお、センサSNS1は、原稿が原稿トレイ上に置かれただけでは原稿サイズを測定することはできず、原稿の搬送が開始されて初めて原稿サイズを測定可能である。具体的には、センサSNS1により原稿の通過が検出された時間と、原稿の搬送速度とから、原稿の副走査方向の原稿サイズを正確に測定することが可能となる。
【0037】
このように、原稿が原稿トレイ上に置かれただけでは正確な原稿サイズを測定することは困難であるため、原稿が定型サイズであるものと仮定して、センサSNS2〜SNS6の検出結果に基づいて原稿サイズの推定が行われる。そして、1枚目の原稿が自動原稿送り装置19により搬送されて、センサSNS1を通過することにより原稿の正確なサイズを測定することが可能となる。
【0038】
しかし、原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載(ミックス原稿)モードでは、センサSNS2〜SNS6では、原稿サイズの判定を行うことが不可能である。例えば、図5に示すように、A3原稿の上にA4原稿が載っているような状態では、A4原稿の原稿サイズを推定することは不可能である。
【0039】
そして、図4に示されるように、自動原稿送り装置19により原稿が搬送されてくる読み取り位置には、画像読取ユニット16が設けられている。
【0040】
画像読取ユニット16は、原稿を照射するキセノンランプ51と、反射ミラー52、53と、結像レンズ54と、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子55とから構成されていて、自動原稿送り装置19により搬送されてきた原稿またはプラテンガラス94上に置かれた原稿画像を読み取る。
【0041】
画像読取ユニット16は、図示しないキャリッジに設けられていて、副走査方向に移動可能となっている。そのため、プラテンガラス94上に置かれた原稿の画像を読み取る場合には、画像読取ユニット16は、副走査方向に移動しながら原稿の読み取りを行うことができる。また、原稿トレイ上に置かれた原稿の画像を読み取る場合には、画像読取ユニット16は、原稿が搬送されてくる原稿読み取り位置まで移動することにより、原稿トレイから搬送されてきた原稿の画像を順次読み取ることができるような構成となっている。
【0042】
そして、画像読取ユニット16により読み取られた画像データは、画像処理装置60により各種画像処理が行われて出力される。
【0043】
次に、画像形成装置10の機能構成について説明する。図6は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
本実施形態の画像形成装置10は、図6に示されるように、画像読取装置40と、画像出力部70とを備えている。また、画像読取装置40は、画像読取部50と、画像処理装置60とを備えている。
【0045】
そして、画像処理装置60は、原稿サイズ予測部61と、通常処理部62と、蓄積処理部63と、画像メモリ64と、画像データ選択転送部65とから構成されている。なお、画像読取部50には、図6では示されていないが、自動原稿送り装置(ADF)19および画像読取ユニット16が含まれている。
【0046】
原稿サイズ予測部61は、原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載(ミックス原稿)モードが設定された場合、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する。例えば、原稿サイズ予測部61は、前ページの原稿の原稿サイズを次ページの原稿の予測原稿サイズとして予測する。具体的には、前ページの原稿の原稿サイズがA3であれば、次のページの原稿サイズも同じA3であると推測してA3を予測原稿サイズとする。
【0047】
また、原稿サイズ予測部61は、過去に読み取りを行った原稿サイズの履歴情報に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するようにしてもよい。例えば、過去の履歴情報から、読み取られた原稿サイズとして最も頻度が高いサイズがA4Lだった場合には、予測原稿サイズをA4Lとする。
【0048】
また、原稿サイズ予測部61は、指示された処理内容に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するようにしてもよい。
【0049】
また、原稿サイズ予測部61は、画像読取部50に対して設定されている読取解像度に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズの予測を行うか否かを切り換えるようにしてもよい。
【0050】
さらに、原稿サイズ予測部61は、設定されている用紙トレイの用紙サイズに基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するようにしてもよい。
【0051】
さらに、原稿サイズ予測部61は、過去に読み取りを行った原稿サイズの利用者毎の履歴情報に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するようにしてもよい。なお、これらの原稿サイズの予測方法についての具体例については後述する。
【0052】
通常処理部62は、画像読取部50により読み取られ画像データに対して、原稿サイズ予測部61により予測された原稿サイズに基づいてカラー/白黒検知、わく消し処理、画質調整処理等の各種画像処理を行う。
【0053】
蓄積処理部63は、画像読取部50により読み取られ画像データに対して、画像メモリ64に蓄積した後に、自動原稿送り装置19により搬送された原稿から測定された原稿サイズに基づいて各種画像処理を行う。具体的には、蓄積処理部63は、画像読取部50により読み取られた画像データに対して、読み取り可能な最大の原稿サイズ、例えばA3サイズで画像メモリ64に蓄積した後に、センサSNS1により測定された実際の原稿サイズに基づいて各種の画像処理を行う。
【0054】
この通常処理部62における動作と蓄積処理部63における動作を図7を参照して説明する。
【0055】
通常処理部62では、原稿サイズ予測部61より予測原稿サイズ情報を受け取っている。そのため、通常処理部62は、図7(A)に示すように、画像読取部50からの画像データを、予測サイズであるA4サイズであるとして各種画像処理を行う。この際には通常処理部62では、画像データ全体を一旦ページメモリ等に蓄積するような処理は行われない。
【0056】
これに対して蓄積処理部63は、画像読取部50が原稿画像の読み取りを開始した時点では原稿サイズが不明のため、図7(B)に示すように、読み取り可能な最大のサイズであるA3サイズで画像データを画像メモリ64に一旦蓄積する。そして、原稿画像の読み取りが開始された後に実際の原稿サイズが確定すると、画像メモリ64に蓄積された画像データから実際の原稿サイズ分の画像データを取り出してから、各種画像処理を行う。この図7(B)では、実際の原稿サイズがA4サイズであったため、A3サイズの画像データからA4サイズの画像データを取り出す処理が示されている。
【0057】
画像データ選択転送部65は、センサSNS1により測定された実際の原稿サイズと、原稿サイズ予測部61により予測された原稿サイズとが一致した場合、通常処理部62により各種画像処理が行われた後の画像データを選択し、一致しなかった場合、蓄積処理部63により各種画像処理が行われた後の画像データを選択して後段の装置に転送する。例えば、指示されたジョブが複写(コピー)の場合には、選択した画像データを画像出力部70に転送し、指示されたジョブがスキャンの場合には、選択した画像データを指定された送信先に転送する。
【0058】
画像出力部70は、指示されたジョブが複写の場合には、画像データ選択転送部65により選択された画像データに基づいて、指定された用紙上に画像を出力する。
【0059】
次に、本実施形態の画像形成装置10の動作を図面を参照して詳細に説明する。
【0060】
図8は本実施形態の画像形成装置10において原稿混載モードにより原稿画像を読み取る際の動作を示すフローチャートである。
【0061】
原稿混載モードにより原稿画像の読み取りが行われる際、原稿サイズ予測部61は、画像読取部50によりこれから読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する(ステップS101)。ここでは原稿サイズ予測部61は、前ページの原稿の原稿サイズを次ページの原稿の予測原稿サイズとして予測する場合について説明する。なお、1ページ目の原稿画像を読み取る際には、前ページが存在しないため、原稿サイズ予測部61は、予め設定された原稿サイズを予測原稿サイズとしても良いし、過去の読み取り履歴から最も頻度が大きい原稿サイズを予測原稿サイズとするようにしても良い。
【0062】
そして、自動原稿送り装置19により原稿が搬送され画像読取部50により画像の読み取りが開始される(ステップS102)。この際に、通常処理部62では、原稿サイズ予測部61により予測された原稿サイズに基づいて読み取られた画像データに対する画像処理が行われる。また、蓄積処理部63では、読み取られた画像データは読み取り可能な原稿サイズ、例えばA3サイズであるものとして画像メモリ64に蓄積する。なお、この通常処理部62と蓄積処理部63の動作は並行して行われる。
【0063】
そして、センサSNS1による測定の結果、原稿画像の読み取りの開始後に原稿サイズが確定すると(ステップS103)、画像データ選択転送部65では、予測原稿サイズと実際に測定された原稿サイズとを比較して、予測結果が的中したか否かを判定する(ステップS104)。
【0064】
予測結果が的中したと判定した場合(ステップS104においてYes)、画像データ選択転送部65は、通常処理部62により処理された画像データを選択する(ステップS105)。この場合、画像メモリ64内に蓄積された画像データおよび蓄積処理部63により処理された画像データは不要であるため削除される。
【0065】
そして、予測結果が的中しなかったと判定した場合(ステップS104においてNo)、画像データ選択転送部65は、蓄積処理部63により処理された画像データを選択する(ステップS106)。この場合、通常処理部62により処理された画像データは不要であるため削除される。
【0066】
そして、画像データ選択転送部65は、選択した画像データを指定された転送先に転送する(ステップS107)。
【0067】
最後に、原稿トレイに置かれた原稿の有無が判定され、次原稿がある場合はステップS101に戻り、次原稿がない場合には処理を終了する(ステップS107)。
【0068】
次に、原稿サイズ予測部61における原稿サイズの様々な予測方法について説明する。
【0069】
例えば、原稿サイズ予測部61は、図9に示すように、指示された処理内容(ジョブの種類)に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する。
【0070】
この図9に示された例では、ジョブの種類がコピー(複写)の場合には、1ページ前の原稿サイズを予測原稿サイズとするような設定となっている。また、ジョブの種類が高解像度のスキャン(例えば400dpi以上)には、1ページ目はA4と予測し、A3サイズが出現時からA3サイズを予測サイズにし、ジョブの種類が低解像度のスキャン(例えば400dpi未満)の場合には、原稿サイズを予測しないような設定となっている。
【0071】
なお、ジョブの種類が低解像度のスキャンの場合には、原稿サイズの予測を行わないようにしているのでは、低解像度のスキャンにより読み取られた画像データはデータ量が少ないため、通常処理部62で処理しても蓄積処理部63で処理してもあまり差がでないためである。
【0072】
このように、原稿サイズ予測部61は、画像読取部50に対して設定されている読取解像度に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズの予測を行うか否かを切り換えるようにしてもよい。
【0073】
また、原稿サイズ予測部61の他の予測方法を図10に示す。
例えば、さらに、原稿サイズ予測部61は、設定されている用紙トレイの用紙サイズに基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する。具体的には、画像形成装置10に現在設定されている用紙トレイには、A4サイズの用紙しか設定されていない場合、読み取られる原稿の原稿サイズもA4サイズである可能性が高いと判定して、原稿サイズ予測部61は、A4サイズを予測原稿サイズとする。
【0074】
また、原稿サイズ予測部61は、過去に読み取りを行った原稿サイズの利用者毎の履歴情報に基づいて、画像読取部50により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する。具体的には、原稿サイズ予測部61は、過去読み取った原稿画像の頻度情報を生成しておき、その中で最も頻度の高い原稿サイズを予測サイズとするようにしてもよい。この場合、頻度情報を生成する期間を過去1ケ月等の所定期間としたり、新しいデータほど重み付けを高くして頻度情報を生成するようにしてもよい。
【0075】
さらに、このような履歴情報をユーザ毎に保持し、画像形成装置10の使用前に行われるユーザ認証等を利用してユーザを特定し、原稿サイズ予測部61は、ユーザ毎に生成した履歴情報を基に、予測原稿サイズを予測するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 画像読取ユニット
17 プリントエンジン
18 制御バス
19 自動原稿送り装置(ADF)
20 端末装置
30 ネットワーク
40 画像読取装置
50 画像読取部
60 画像処理装置
51 キセノンランプ
52、53 反射ミラー
54 結像レンズ
55 光電変換素子
60 画像処理装置
61 原稿サイズ予測部
62 通常処理部
63 蓄積処理部
64 画像メモリ
65 画像データ選択転送部
70 画像出力部
91、92 ガイド
93 原稿
94 プラテンガラス
SNS1〜SNS6 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、原稿から画像データを読み取るための画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、原稿搬送手段により搬送された原稿から測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の処理手段は、前記画像読取手段により読み取られた画像データを、前記画像読取手段により読み取り可能な最大の原稿サイズで前記画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測手段は、前ページの原稿の原稿サイズを次ページの原稿の予測原稿サイズとして予測する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記予測手段は、過去に読み取りを行った原稿サイズの履歴情報に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記予測手段は、指示された処理内容に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記予測手段は、前記画像読取手段に対して設定されている読取解像度に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズの予測を行うか否かを切り換える請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記予測手段は、設定されている用紙トレイの用紙サイズに基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記予測手段は、過去に読み取りを行った原稿サイズの利用者毎の履歴情報に基づいて、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項9】
原稿から画像データを読み取る画像読取手段と、
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定する測定手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段と、
を備えた画像読取装置。
【請求項10】
原稿から画像データを読み取る画像読取手段と、
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、前記画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測する予測手段と、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定する測定手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、前記予測手段により予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理手段と、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積した後に、前記測定手段により測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理手段と、
前記測定手段により測定された原稿サイズと前記予測手段により予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理手段により処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理手段により処理された画像データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像データに基づいて、指定された用紙上に画像を出力する画像出力手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項11】
原稿サイズが異なる複数の原稿の読み取りを行う原稿混載モードが設定された場合、原稿から画像データを読み取るための画像読取手段により読み取られようとする原稿の原稿サイズを予測するステップと、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを、予測された原稿サイズに基づいて処理する第1の処理ステップと、
前記画像読取手段により読み取られ画像データを画像メモリに蓄積するステップと、
原稿搬送手段により搬送された原稿の原稿サイズを測定するステップと、
前記画像メモリに蓄積された画像データを、測定された原稿サイズに基づいて処理する第2の処理ステップと、
測定された原稿サイズと予測された原稿サイズとが一致した場合、前記第1の処理ステップにおいて処理された画像データを選択し、一致しなかった場合、前記第2の処理ステップにおいて処理された画像データを選択するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−21531(P2013−21531A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153709(P2011−153709)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】