説明

画像処理装置、真贋判定装置、画像処理方法及び真贋判定方法

【課題】固体の真贋判定精度の向上と、本物の固体を識別するための基準データのサイズの縮小化を図る。
【解決手段】真贋判定対象の印刷物15の読取画像を取得する画像取得部31と、読取画像にQRコードから基準データを取得するコードデータ復元部35と、読取画像から抽出された比較画像を画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求めることで比較データを生成する比較データ生成部33と、基準データと比較データとの相関値を求め、その相関値の値によって印刷物15の真贋判定を行う判別部36と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、真贋判定装置、画像処理方法、真贋判定方法及び固体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙は太さ20〜30ミクロンの植物繊維がからまってランダムなパターンを作り出しているので、紙の表面は指紋と同じように一枚毎に異なってくる。この紙毎に異なってくるランダムなパターンを「紙指紋」と称するとすると、各紙特有の紙指紋を証明書等の用紙が本物であるかの真贋判定を行うために利用することができる。例えば、本物の用紙のある特定領域の紙指紋の撮像データをQRコード等にコード化してその用紙上に記録しておく。こうしておくと、ある持ち込まれた用紙が本物かどうかを判別する際に、その持ち込まれた用紙の特定領域の紙指紋を撮影し、その撮像データから得られたデータと、その持ち込まれた用紙上のQRコード等を比較すればよい。例えば、本物の用紙が複写されて作成された複写物には、本物の用紙のQRコードが記録されることになるが、複写物の紙指紋は本物の用紙とは異なる。これにより、複写物が本物ではないと容易に判別できる。
【0003】
このようにして、紙指紋を利用して用紙の真贋判定を行うことができるが、例えば用紙の1画素の画素値が1バイト長で表現される場合、コードデータを得る用紙上の特定領域の大きさを32×32画素とすると、32×32=1024バイトの大きさのデータが得られることになるが、このデータは、付加的なデータであるため用紙に記録する際にはサイズを小さくした方が都合がよい。例えば、JPEGの圧縮技術を用いると4分の1程度に圧縮することは可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−38389号公報
【特許文献2】特開2007−36317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、固体の真贋判定精度の向上と、本物の固体を識別するための基準データのサイズの縮小化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを取得する取得手段と、取得した画像データから当該固体の識別性を有する基準データを生成する生成手段と、を有し、前記生成手段は、取得された画像データを圧縮する第1のデータ圧縮部と、前記第1のデータ圧縮部により圧縮された画像データを更に圧縮する第2のデータ圧縮部と、を有し、前記第1のデータ圧縮部は、取得された画像データをW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求め、前記第2のデータ圧縮部は、総和することにより求められた各グループのデータ値をそれぞれ、所定に規則に従い更に圧縮することにより基準データを生成することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る真贋判定装置は、上記発明の画像処理装置により生成された真の固体の基準データを取得する基準データ取得手段と、ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する真贋判定対象の固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを比較画像として取得する比較画像取得手段と、取得された比較画像をW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後、上記発明の画像処理装置が有する第1のデータ圧縮部により並び替えられたのと同じようにランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求めることで比較データを生成する比較データ生成手段と、基準データと比較データとの相関関係を求める相関算出手段と、求められた相関関係に従って前記判定対象の固体の真贋判定を行う真贋判定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記比較画像取得手段は、前記判定対象の固体表面全体の画像データの中から比較画像を順次切り出して取得する際、比較画像を1画素より小さくずらしながら取得することを特徴とする。
【0009】
また、前記真贋判定手段が前記相関算出手段により算出された相関値を、予め設定された閾値と比較することによって真贋判定を行う場合、前記閾値は、前記真の固体の画像データから得られた数列と判定対象の固体の画像データから得られた数列とを比較した相関値の列を、フィッシャーのZ変換をした結果を標準化し、更に標準化した結果の中の最大値を標準正規分布の累積分布関数に通した後、N乗(Nは、相関係数の列の長さ)した結果を利用して決定されることを特徴とする。
【0010】
また、前記第2のデータ圧縮部は、各グループのデータ値が所定の閾値より小さい場合は0に、それ以外を1に変換するという所定の規則に従い、各グループのデータ値をそれぞれ1ビット長のデータに変換することを特徴とする。
【0011】
また、前記第2のデータ圧縮部は、各グループのデータ値の四分位点をQ1,Q2,Q3とした場合、各グループのデータ値が、Q1よりも小さければ0、Q1以上で(Q1+Q3)/2よりも小さければ1、(Q1+Q3)/2以上でQ3よりも小さければ2、Q3以上であれば3とするという所定の規則に従い、各グループのデータ値をそれぞれ2ビット長のデータに変換することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像処理方法は、コンピュータにより実施され、ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを取得する取得ステップと、取得した画像データから当該固体の識別性を有する基準データを生成する生成ステップと、を含み、前記生成ステップは、取得された画像データを圧縮する第1のデータ圧縮ステップと、前記第1のデータ圧縮部により圧縮された画像データを更に圧縮する第2のデータ圧縮ステップと、を含み、前記第1のデータ圧縮ステップは、取得された画像データをW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求め、前記第2のデータ圧縮部は、総和することにより求められた各グループのデータ値をそれぞれ、所定の規則に従い更に圧縮することにより基準データを生成することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理方法は、コンピュータにより実施され、請求項1記載の画像処理装置又は請求項9記載の画像処理方法により生成された真の固体の基準データを取得する基準データ取得ステップと、ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴が表面にある真贋判定対象の固体表面の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを比較画像として取得する比較画像取得ステップと、取得された比較画像をW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求めることで比較データを生成する比較データ生成ステップと、基準データと比較データとの相関関係を求める相関算出ステップと、
求められた相関関係に従って前記判定対象の固体の真贋判定を行う真贋判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本物の固体を識別するための基準データのサイズをより縮小化することができる。
【0015】
また、本物の固体を識別するための基準データのサイズがより縮小化された場合でも、固体の真贋判定精度を向上させることができる。
【0016】
また、比較画像を1画素より小さくずらしながら固体表面の画像データの中から切り出すことによって、固体の真贋判定精度をより一層向上させることができる。
【0017】
また、フィッシャーのZ変換及び標準正規分布の累積分布関数を利用して真贋判定に用いる閾値を決定することにより、固体の真贋判定精度をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。
【図2】本実施の形態における画像処理装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。
【図3】本発明に係る真贋判定方法を実施する真贋判定装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。
【図4】本実施の形態における真贋判定装置を形成する画像処理装置のハードウェア構成図である。
【図5】本実施の形態において真贋判定に用いる基準データの生成処理を示したフローチャートである。
【図6】本実施の形態において基準画像から基準データを生成する手順を説明するために用いる図である。
【図7】本実施の形態における真贋判定方法を示したフローチャートである。
【図8】本物に対する判定と偽物に対する真贋判定を各50回ずつ行った結果のグラフを示した図である。
【図9】ある条件で非整数画素ずらしを利用した場合としなかった場合について、本物に対する判定と偽物に対する判定を各50回ずつ行った結果のグラフを示した図である。
【図10】本実施の形態において、フィッシャーのz変換及び標準正規分布の累積分布関数を利用して本物及び偽物に対して各50回ずつ判別を行った実験結果を表形式で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。
【0021】
本実施の形態における画像処理装置20は、画像取得部21、基準画像抽出部22、基準データ生成部23、コード化部24及び印刷処理部25を有している。画像取得部21は、本物の印刷物13の撮像データを取得する。基準画像抽出部22は、印刷物13の撮像データから印刷物13が本物であることを証明する部分領域の画像データ(以下、「基準画像」)を抽出する。基準データ生成部23は、抽出された部分画像から印刷物13の識別性を有する基準データを生成する。コード化部24は、基準データをコード化することによってQRコード等のデータコードを生成する。印刷処理部25は、印刷物13にコード化した基準データを印刷する。
【0022】
図2は、本実施の形態における画像処理装置20を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において画像処理装置20を形成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図2に示したようにCPU1、ROM2、RAM3、ハードディスクドライブ(HDD)4を接続したHDDコントローラ5、入力手段として設けられたマウス6とキーボード7、及び表示装置として設けられたディスプレイ8、あるいはプリンタ等の周辺機器(図示せず)をそれぞれ接続する入出力コントローラ9、通信手段として設けられたネットワークコントローラ10を内部バス11に接続して構成される。
【0023】
画像処理装置20における各構成要素21〜25は、画像処理装置20を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU1で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0024】
図3は、本発明に係る真贋判定方法を実施する真贋判定装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。本実施の形態における真贋判定装置30は、画像取得部31、比較画像抽出部32、比較データ生成部33、コード画像抽出部34、コードデータ復元部35、判別部36及び結果出力部37を有している。画像取得部31は、真贋判定対象となる印刷物15の読取画像を取得する。比較画像抽出部32は、その読取画像の中から基準データと比較する元データとなる画像データ(以下、「比較画像」)を抽出する。比較データ生成部33は、比較画像に対し後述する圧縮処理を行うことで基準データと比較する比較データを生成する。コード画像抽出部34は、印刷物15の読取画像から印刷物15に印刷されたコード画像を抽出する。コードデータ復元部35は、コード画像を復元することで基準データを得る。判別部36は、基準データと比較データとの相関関係を求める相関算出手段として設けられている。結果出力部37は、判別部36による判別結果、すなわち真贋判定対象の印刷物15が本物であるか、あるいは偽物であるかの判定結果を出力する。
【0025】
図4は、本実施の形態における真贋判定装置30を実現する画像形成装置のハードウェア構成図である。画像形成装置は、スキャナ機能、印刷機能等各種機能を搭載した複合機であり、コンピュータを内蔵した装置である。図4において、CPU41は、ROM49に格納されたプログラムにしたがってスキャナ44やプリンタエンジン46等本装置に搭載された各種機構の動作制御を行う。アドレスデータバス42は、CPU41の制御対象となる各種機構と接続してデータの通信を行う。操作パネル43は、ユーザからの指示の受け付け、情報の表示を行う。スキャナ44は、ユーザがセットした印刷物を読み取り、電子データとしてHDD(Hard Disk Drive)45等に蓄積する。HDD45は、スキャナ44を使用して読み取った電子文書などを格納する。プリンタエンジン46は、CPU41で実行される制御プログラムからの指示に従い出力用紙上に画像を印字する。ネットワークインタフェース(I/F)47は、ネットワーク17を接続し、本装置が生成した電子データの送信、本装置宛に送信されてきた電子メールの受信、またブラウザ経由による本装置へのアクセスなどに利用される。RAM48は、プログラム実行時のワークメモリや電子データ送受信時の通信バッファとして利用される。ROM49は、本装置の制御や電子データの暗号、電子データの送受信に関する各種プログラムが格納されている。各種プログラムが実行されることで後述する各構成要素が所定の処理機能を発揮する。外部メディアインタフェース(I/F)40は、USBメモリ、フラッシュメモリ等の外部メモリ機器とのインタフェースである。
【0026】
真贋判定装置30における各構成要素31〜37は、真贋判定装置30を形成する画像形成装置内蔵のコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU31で動作するプログラムとの協調動作により実現される。なお、真贋判定装置30は、図2に示したコンピュータにスキャナ等の周辺機器を接続して構成してもよいし、画像処理装置20は、図4に示した画像形成装置で実現してもよい。
【0027】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがインストールプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0028】
次に、本実施の形態における動作について説明する。まず最初に、画像処理装置20により実施される真贋判定に用いる基準データの生成処理について図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0029】
画像取得部21は、本物であることを証明する対象の印刷物13の撮像データを取得する(ステップ110)。この撮像データは、紙繊維のランダムパターンをカメラなどで光学的に読み取って画像処理が行われたデータであり、図示しないネットワーク経由で送られてきたデータでもよいし、画像処理装置20に接続されたスキャナ(図示せず)によって読み取られたデータでもよい。続いて、基準画像抽出部22は、取得された撮像データの中から当該印刷物が本物であることを証明するために用いる部分画像を抽出する(ステップ120)。この部分画像が真贋判定に用いるために用紙の特定領域を撮影することにより得られた部分画像(基準画像)に相当する。なお、基準画像を特定する領域の大きさ及び印刷物13における位置は予め決められているものとする。あるいは、画像取得部21が基準画像に相当する部分画像のみを取得するように構成してもよい。この場合、基準画像抽出部22が不要、若しくは画像取得部21と基準画像抽出部22とが一体に形成される。少なくとも基準画像の大きさは、後述する真贋判定処理においても用いられるので、この情報を比較画像抽出部32が利用できるように、システム上、事前に設定しておく必要がある。
【0030】
続いて、基準データ生成部23は、基準画像抽出部22が抽出した基準画像に基づき次のようにして真贋判定の基準となる基準データを生成する(ステップ130)。
【0031】
基準画像のサイズをW×H、基準画像Mの座標x,yにおける画素値(輝度値)をM[x,y]とすると、基準データ生成部23は、まず、疑似乱数を元に関数F(x,y)=iを作成する。ここで、データの圧縮度をN(Nは整数)とすると、iは整数であって0≦i<W×H÷Nであり、iの値によらず、F(x,y)=iを満たすx,yの組の個数が一定であるように関数Fを設定する。なお、本実施の形態では、圧縮度Nとして2〜32程度を想定している。
【0032】
続いて、基準データ生成部23は、関数F(x,y)に基づきMa[i]=Σ{ M[
x,y]|F(x,y)=i }を求める。要するに、Ma[i]は、基準画像Mを構成するW×H個の画素をシャッフルした後で、N個ずつの組に分け、それぞれの組の総和をとったものである。これにより、W×H個からなる基準画像は、W×H÷N個のデータMa[i]に圧縮される。そして、本実施の形態では、この計算によって求まったMa[i]を、更に縮小して一要素あたり1ビット又は2ビットで表現する基準データMb[i]を生成する。Mb[i]を1ビットで表現する場合、Ma[i]の値が中央値より小さい場合は0、それ以外は1とする。つまり、Mb[i]は0又は1の値をとる。Mb[i]を2ビットで表現する場合、Q1,Q2,Q3を四分位点とすると、Ma[i]がQ1よりも小さければ0、Q1以上で(Q2+Q3)/2よりも小さければ1、(Q2+Q3)/2以上でQ3よりも小さければ2、それ以外を3とする。これにより、Mb[i]は0〜3のいずれかの値をとる。この結果、合計W×Hバイトの大きさのデータMa[i]は、合計W×H÷Nビットあるいは合計2×W×H÷Nビットの大きさのデータMb[i]に更に圧縮される。なお、本実施の形態では、所定の閾値として、前述した中央値や四分位点を利用したが、これ以外にも、例えばMa[i]とMb[i]の相関係数が最大となるような分割点を探索するなどの方法を用いてもよい。また、本実施の形態では、実行時に閾値を算出して得るようにしたが、予め設定された閾値を利用するようにしてもよい。
【0033】
ここで、基準データ生成部23が実施する基準データ生成処理について図6を用いて具体的に説明する。ここでは、W=H=32、圧縮度N=4とする。
【0034】
基準画像Mを構成する32×32個の画素を一列に並べ、これをランダムに並べ替えた後、圧縮度Nの設定値である4個ずつのグループに分ける。画素値は1バイト長で表現するため、4個ずつに分けた時点では、各グループとも4バイト(=32ビット)長となる。そして、各グループの総和を求めることでMa[i](i=0〜255)が得られるが、Ma[i]は、0〜1020(=255×4)の値をとりうることから、Ma[i]は10ビット長で表現できる。つまり、グループ毎に画素値の総和を求めるようにしたことで、この時点で256個の各グループを32ビット長から10ビット長に圧縮することができる。換言すると、基準画像8192ビット(=32×32×1バイト)を2560(=256×10ビット)に縮小したことになる。なお、本実施の形態では、上記説明したMa[i]までのデータ圧縮を「加算による圧縮」と称することにする。
【0035】
そして、一要素Ma[i]当たり1ビットに縮小するとした場合、まず、Ma[i](i=0〜255)の中央値を求める。Ma[i]の要素数が256個であるため、値が大きいほうから127番目の値と128番目の値の平均が中央値となる。この値をMEDとする。MEDより小さいMa[i]に対応するMb[i]には0を、それ以外のMb[i]には1を設定する。このように、本実施の形態では、更にMa[i]を1ビットで表現されるMb[i]に縮小する。なお、本実施の形態では、Ma[i]を1ビット又は2ビットに縮小するMb[i]までのデータ圧縮を「レベル削減による圧縮」と称することにする。
【0036】
このように、一要素Ma[i]当たり1ビットに縮小するとした場合、8192ビットの大きさの基準画像は、最終的に1ビット×256個=256ビットと32分の1に縮小される。また、一要素Ma[i]当たり2ビットに縮小するとした場合、8192ビットの大きさの基準画像は、最終的に2ビット×256個=512ビットと16分の1に縮小される。
【0037】
以上のようにして縮小化された基準データが算出されると、コード化部24は、基準データをコード化することによりデータコードを形成する(ステップ140)。図1には、データコードの一例としてQRコードを形成した例を示している。そして、印刷処理部25は、印刷物13に対し、QRコード14を印刷する(ステップ150)。これは、図示しないプリンタに印刷物13を予めセットしておき、QRコード14がその印刷物13に印刷されるように印刷要求を送信すればよい。
【0038】
続いて、本実施の形態における真贋判定方法を図7に示したフローチャートを用いて説明する。
【0039】
持ち込まれた印刷物15がスキャナ44にセットされ所定の読取操作が行われることにより印刷物15の画像が読み取られると、画像取得部31は、その印刷物15の読取画像を取得する(ステップ210)。この印刷物15は、本物か偽物かが不明であるために真贋判定の対象とする印刷物である。もちろん、画像取得部31は、スキャナ44ではなく、ネットワークスキャナ等他の装置を用いて読み取られることで生成された読取画像をネットワーク経由で取得するようにしてもよい。
【0040】
続いて、コード画像抽出部34は、印刷物15の読取画像の中からQRコード16を抽出する(ステップ220)。この抽出処理は、既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。コードデータ復元部35は、QRコード16を解読することでコードデータ、すなわち基準データMb[i]を得る(ステップ230)。
【0041】
一方、比較画像抽出部32は、基準画像生成処理において抽出した基準画像と同じ領域サイズの部分画像を読取画像から抽出する(ステップ240)。この部分画像を、以降の説明では「比較画像」と称することにする。なお、スキャナ44による印刷物15の読取画像の位置合わせ等の画像処理を行う必要があるかもしれないが、この処理は本実施の形態の要旨ではないので説明を省略する。
【0042】
続いて、比較データ生成部33は、比較画像に基づき真贋判定の基準となる比較データを生成する(ステップ250)。この比較データ生成部33が実施すべき処理内容は、基準画像から基準データを生成する基準データ生成部23における基準データ生成処理(ステップ130)と基本的には同じであるので、比較データ生成部33が実施する比較データ生成処理の詳細は、前述した基準データ生成処理の説明における「基準画像」を「比較画像」と読み替えればよい。従って、比較データ生成処理については、適宜省略しながら説明する。
【0043】
比較画像のサイズは、当然ながら基準画像と同じW×Hである。ここで、比較画像Sの座標x,yにおける画素値(輝度値)をS[x,y]、比較画像から切り出す左上の点を(L,T)とする。初期値は、L,T共に0とする。
【0044】
比較データ生成部33は、まず、比較データ生成部23と同じ関数Fを作成する。つまり、比較データ生成部33は、基準データ生成処理において使用した疑似乱数と同じものを使用してシャッフルすることになるので、シャッフルされた後の画素の並び順は、基準データ生成処理と同じとなる。そして、比較データ生成部33は、関数F(x,y)に基づきSa[i]=Σ{ S[x,y]|F(x,y)=i }を求める。要するに、Sa
[i]は、基準データ生成処理においてMa[i]を求めたときと同じ処理により得る。この処理により得られたSa[i]を比較データとする。真贋判定処理では、Sa[i]を求めるに留まる。
【0045】
そして、判別部36は、基準データMb[i]と上記処理により求めた比較データSa[i]との相関値を計算し(ステップ260)、その計算結果をRAM48に保存する(ステップ270)。
【0046】
相関値を求めると、比較画像抽出部32は、読取画像全体から読取画像が抽出できるまで(ステップ270でN)、比較画像の抽出位置を1画素より小さい0.25画素分ずらしながら比較画像を読取画像から抽出する(ステップ280,240)。そして、前述した比較データの生成、基準データMb[i]と比較データSa[i]との相関値の計算、保存を繰り返し行う。なお、1画素よりも小さくずらした画像を計算する際には、補間処理が必要になってくるが、本実施の形態では、双一次補間という既知の補間処理を利用する。
【0047】
以上のようにして求めた相関値に従い、判別部36は、相関値の定量的評価を実施し(ステップ290)、その結果、相関値が所定の閾値以上の値であれば(ステップ300でY)、基準画像と比較画像が一致すると判断する。すなわち真贋判定対象の印刷物15は、本物と判断できる。これにより、結果出力部37は、その判定結果を操作パネル33に表示するなど出力する(ステップ310)。一方、基準データMb[i]と比較データSa[i]との間に相関がない場合(ステップ300でN)、真贋判定対象の印刷物15は、偽物と判断できる。これにより、結果出力部37は、その判定結果を操作パネル33に表示するなど出力する(ステップ320)。
【0048】
ここで、実験結果を示す。ある条件で、従来技術(5×5ピクセル、8ビット/ピクセル)、レベル削減による圧縮のみ(10×10ピクセル、8ビット/ピクセル、2ビット/ピクセルに圧縮)及び加算による圧縮とレベル削減による圧縮の併用(30×30ピクセル、8ビット/ピクセル、圧縮度9、2ビット/ピクセルに圧縮)の3つ条件で、本物に対する判定と偽物に対する真贋判定を各50回ずつ(合計300回)行った結果のグラフを図8に示す。3つの条件は、いずれも基準画像サイズ200ビットとなるものである。図8に示したように、加算による圧縮とレベル削減による圧縮を併用すると、本物と偽物がよく分離されることがわかる。このため、高精度な真贋判定を実現できる。また、相関を計算した結果を閾値と比較することにより本物か偽物かを判定することになるが、加算による圧縮とレベル削減による圧縮を併用する場合が誤差のない最適な閾値を設定しやすくなる。
【0049】
また、本実施の形態では、0.25画素分ずつずらしながら比較画像を読取画像から抽出するようにした。従来では、基準画像の比較対象とする比較画像を1画素ずつずらしながら印刷物15から切り出していた。このため、基準画像と比較画像が1画素に満たない分だけずれていた場合、相関値があまり高くならないという問題があった。これは、1ピクセル前後の波長の成分について相関値が全くとれなくなることが原因である。
【0050】
この問題を解決するため、本実施の形態においては、比較画像を切り出す際、切り出す左上の位置を一例として0.25ピクセルずつずらすようにした。
【0051】
ところで、画素のずれが非整数の場合、補間が必要になる。本実施の形態においては双一次補間を利用したが、双三次補間やLanczosなどを用いてもよい。また、0.25という値も、これに限定しない。これにより、基準画像と比較画像が0.5ピクセルあるいはそれに近い値でずれている場合でも高い相関値を出すことができるようになった。
【0052】
ある条件で1画素未満で非整数画素ずらしを利用した場合としなかった場合について、本物に対する判定と偽物に対する判定を各50回ずつ(合計200回)行ったところ、図9に示したグラフのようになった。非整数画素ずらしを利用した場合の方が本物と偽物をよく分離できることがわかる。この結果から明らかなように、処理時間は増えるものの、0.5画素あるいは0.25画素などのように非整数ずつ画素をずらして相関を計算することにより、より高い相関値が得られる可能性が高くなり、これにより真贋判定の精度を向上させることができる。また、図9に示したように本物と偽物の相関値がよく分離しているので、真贋判定に用いる閾値としてどの値に設定すべきかということを決定しやすくなる。
【0053】
ところで、図7のステップ260で説明したように、印刷物15が本物であるかどうかを判別するためには、相関値そのもの、あるいは相関値の標準得点(ノーマライズドスコア)という値を算出し、その算出値を予め設定しておいた閾値と比較するようにしている。この閾値を適切な値とするためには、実験を必要としていた。また、閾値は、カメラ、紙の種類、基準画像のサイズなどに依存してくる。従って、カメラ、紙の種類、基準画像のサイズなどが変更されるたびに閾値を決定するための実験を行う必要があり、面倒であった。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、相関値の定量的評価(ステップ290)を行うことで、概算ではあるものの実験を行うことなく適切な閾値若しくはそれを見いだすための目安となる値を提示できるようにした。具体的には、図7のステップ260で算出された相関値(評価結果)に対し、偽物の比較画像がそのような観測結果をもたらす確率Pを算出ができるようになった。これにより、真贋判定の精度を高めるための微調整が容易になった。この確率Pを算出する方法は、次の通りである。
【0055】
まず、印刷物15の画像から切り出した比較画像と基準画像を比較した相関値を{Ci}、{Ci}の長さをNとする。なお、基準画像が32×32画素であり、N=0.25ずつ画素をずらす場合、非整数画素数は、整数画素の間に3ずつ含まれるので、32+(32−1)×3=125、すなわちiは0〜125となる。まず、
Xi=log((1+Ci)/(1−Ci))
を計算する。この計算は「フィッシャーのZ変換」と呼ばれているが、この計算を行うことによって、ランダムなデータ同士の相関係数を正規分布に変換することができる。続いて、{Xi}の平均Eと標準偏差sを求める。そして、
Zmax=(max{Xi}−E)/s
を求める。この計算により標準化を行う。そして、
P=1−(Φ(Zmax))N
を行い、その結果求めるべき確率Pが得られる。但し、Φ(x)は、標準正規分布の累積分布関数である。
【0056】
この値を利用することで、パラメータの調整を短時間で行うことが可能となった。また、実験によると、従来の基準と比べて判別する性能が良くなっている。本物に対して50回、偽物に対して50回の判別を行った実験結果を表形式で示した図を図10に示す。なお、本物と判定されるべき実験によって得られた値の平均値と標準偏差をμ0とσ0、偽物と判定されるべき実験によって得られた値の平均値と標準偏差をμ1とσ1としたとき、|μ0−μ1|/(σ0+σ1)を「本物の分布と偽物の分布の距離」とした。
【0057】
この実験の例では、いずれの指標を用いても本物と偽物をよく分離しているが、図10に示した通り、わずかながら偽物の比較画像がそのような観測結果をもたらす確率Pが優れていることがわかる。
【0058】
このように、従来において、数多くの実験を積み重ねることで閾値を決めていたが、本実施の形態では、フィッシャーのZ変換と正規分布の累積分布関数を利用することで従来と比較して数多くの実験を実施しなくても正しい閾値を求めることができる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態においては、本物であることを証明するための基準データを基準画像から高圧縮率にてデータ縮小化を図ることができるので、基準データをQRコード等のデータコードのみならず磁気ストライプにも入れることが可能になる。
【0060】
なお、本実施の形態では、基準データをQRコード化して印刷物13に付加するようにしたが、印刷物13の識別情報と関連付けしてデータベースに格納し、管理するようにしてもよい。この場合、コード画像抽出部34及びコードデータ復元部35の代わりに、データベースから基準データを読み出してくる手段を設けることになる。
【0061】
また、本実施の形態では、ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する固体として、紙媒体である印刷物を例にして説明をした。そして、紙媒体表面の一部にある紙指紋を紙媒体固有の特徴として利用した。ただ、紙媒体の表面ではなく紙媒体の内部に存在する紙指紋を読み出すようにしてもよい。また、固体固有の特徴のある固体であれば紙媒体に限らず、本実施の形態を適用することは可能である。更に、固体の一部分からではなく全体から固有の特徴を読み出すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 CPU、2,49 ROM、3,48 RAM、4,45 ハードディスクドライブ(HDD)、5 HDDコントローラ、6 マウス、7 キーボード、8 ディスプレイ、9 入出力コントローラ、10 ネットワークコントローラ、11 内部バス、17 ネットワーク、20 画像処理装置、21 画像取得部、22 基準画像抽出部、23 基準データ生成部、24 コード化部、25 印刷処理部、30 真贋判定装置、31 画像取得部、32 比較画像抽出部、33 比較データ生成部、34 コード画像抽出部、35 コードデータ復元部、36 判別部、37 結果出力部、41 CPU、42 アドレスデータバス、43 操作パネル、44 スキャナ、46 プリンタエンジン、47 ネットワークインタフェース(I/F)、50 外部メディアインタフェース(I/F)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを取得する取得手段と、
取得した画像データから当該固体の識別性を有する基準データを生成する生成手段と、
を有し、
前記生成手段は、
取得された画像データを圧縮する第1のデータ圧縮部と、
前記第1のデータ圧縮部により圧縮された画像データを更に圧縮する第2のデータ圧縮部と、
を有し、
前記第1のデータ圧縮部は、
取得された画像データをW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、
その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、
グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求め、
前記第2のデータ圧縮部は、総和することにより求められた各グループのデータ値をそれぞれ、所定に規則に従い更に圧縮することにより基準データを生成する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置により生成された真の固体の基準データを取得する基準データ取得手段と、
ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する真贋判定対象の固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを比較画像として取得する比較画像取得手段と、
取得された比較画像をW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後、請求項1記載の画像処理装置が有する第1のデータ圧縮部により並び替えられたのと同じようにランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求めることで比較データを生成する比較データ生成手段と、
基準データと比較データとの相関関係を求める相関算出手段と、
求められた相関関係に従って前記判定対象の固体の真贋判定を行う真贋判定手段と、
を有することを特徴とする真贋判定装置。
【請求項3】
請求項2記載の真贋判定装置において、
前記比較画像取得手段は、前記判定対象の固体表面全体の画像データの中から比較画像を順次切り出して取得する際、比較画像を1画素より小さくずらしながら取得することを特徴とする真贋判定装置。
【請求項4】
請求項2記載の真贋判定装置において、
前記真贋判定手段が前記相関算出手段により算出された相関値を、予め設定された閾値と比較することによって真贋判定を行う場合、前記閾値は、前記真の固体の画像データから得られた数列と判定対象の固体の画像データから得られた数列とを比較した相関値の列を、フィッシャーのZ変換をした結果を標準化し、更に標準化した結果の中の最大値を標準正規分布の累積分布関数に通した後、N乗(Nは、相関係数の列の長さ)した結果を利用して決定されることを特徴とする真贋判定装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記第2のデータ圧縮部は、各グループのデータ値が所定の閾値より小さい場合は0に、それ以外を1に変換するという所定の規則に従い、各グループのデータ値をそれぞれ1ビット長のデータに変換することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像処理装置において、
前記第2のデータ圧縮部は、各グループのデータ値の四分位点をQ1,Q2,Q3とした場合、各グループのデータ値が、Q1よりも小さければ0、Q1以上で(Q1+Q3)/2よりも小さければ1、(Q1+Q3)/2以上でQ3よりも小さければ2、Q3以上であれば3とするという所定の規則に従い、各グループのデータ値をそれぞれ2ビット長のデータに変換することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータにより実施され、
ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを取得する取得ステップと、
取得した画像データから当該固体の識別性を有する基準データを生成する生成ステップと、
を含み、
前記生成ステップは、
取得された画像データを圧縮する第1のデータ圧縮ステップと、
前記第1のデータ圧縮部により圧縮された画像データを更に圧縮する第2のデータ圧縮ステップと、
を有し、
前記第1のデータ圧縮ステップは、
取得された画像データをW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、
その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、
グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求め、
前記第2のデータ圧縮部は、総和することにより求められた各グループのデータ値をそれぞれ、所定の規則に従い更に圧縮することにより基準データを生成する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータにより実施され、
請求項1記載の画像処理装置又は請求項7記載の画像処理方法により生成された真の固体の基準データを取得する基準データ取得ステップと、
ランダム性を有する読み取り可能な固有の特徴を有する真贋判定対象の固体の全体又は一部の画像データであってW×H画素(W,Hは共に正整数)の2次元で表現される画像データを比較画像として取得する比較画像取得ステップと、
取得された比較画像をW×Hの長さの1次元の画素の数列に変換した後ランダムに並び替え、その並び替えた後の数列を予め設定された圧縮度N毎にグループ分割し、グループ毎に、当該グループに含まれる画素値の総和を求めることで比較データを生成する比較データ生成ステップと、
基準データと比較データとの相関関係を求める相関算出ステップと、
求められた相関関係に従って前記判定対象の固体の真贋判定を行う真贋判定ステップと、
を含むことを特徴とする真贋判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−246034(P2010−246034A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95148(P2009−95148)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(591227686)富士ゼロックスエンジニアリング株式会社 (41)
【Fターム(参考)】