説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】画像処理装置における録画の際の記録容量を抑制し、かつ、高度な画像処理の制御を行うための技術を提供する。
【解決手段】入力画像を解析してフレーム毎の画像の特徴を表わす逐次特徴量を算出する画像解析部と、前記入力画像を複数のシーンに区分するシーン検出部と、前記シーンに含まれる各フレームの逐次特徴量から前記シーン全体の画像の特徴を表わすシーン特徴量を算出するシーン特徴解析部と、前記シーン特徴量に基づいて前記シーンに含まれる全フレームの画像の補正で用いる制御量を生成する制御量生成部と、前記入力画像および前記制御量を蓄積する蓄積部と、前記蓄積された入力画像のシーンに、当該シーンに対応する制御量を用いて画像処理を行い、再生画像として出力する画像処理部とを有する画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
入力された動画画像を蓄積装置部に蓄積し、後に画像の再生を行う画像処理装置における高画質化画像処理において、従来、画像の特徴量をメタデータ化して記録する手法が知られている。これは静止画や動画の画像を蓄積する際に画像解析を行って、フレーム毎の画像の明るさや色の傾向を特徴量として数値化を行う。そしてその特徴量をメタデータ化して一緒に記録し、画像再生時にはそのメタデータに基づいて画像処理を行うものであった(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
また近年の一般的な傾向として、画像処理の実施内容が高度化するにつれて、参照する画像の特徴量が詳細化して情報量が増大してきている。例えば画像信号のダイナミックレンジを補正するために参照する情報として、単なる画像全体の明るさを用いるのではなく、入力信号の輝度ヒストグラムを用いるなどである。具体例としては、輝度ヒストグラムを累積加算して輝度補正カーブを生成し、適応的に輝度補正を行う画像処理法が知られている(特許文献3)。
【0004】
また、処理対象画像の空間周波数特性に応じて画像の強調処理を行う画像処理手法が知られている(特許文献4)。
また、画像の特徴をメタデータ化して画像検索などに活用する規格としてMPEG−7規格が定められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−324756号公報
【特許文献2】特開2008−084213号公報
【特許文献3】特開平03−126377号公報
【特許文献4】特開2009−111727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述した技術によって、詳細化した特徴量をメタデータ化すると、生成されたメタデータは膨大なデータ量となる。例えば、画像を構成する各々の画素の輝度成分を256段階の明るさに分類して度数を集計した、256カテゴリの輝度ヒストグラムをMPEG−7規格類似の表記法によってメタデータ化すると、図24のように表現できる。この表現では1フレーム毎の輝度ヒストグラムのメタデータとして約9000文字が必要になる。これを映画1本に相当する2時間分の蓄積を行うと、記憶容量は次のように大きくなり、装置のコストが増大する要因となる。
9000字/フレーム × 60フレーム/s × 60秒 × 60分 × 2時間
= 3888000000字 ≒ 3.6GB
【0007】
ここでは輝度ヒストグラムのみのメタデータ化を行ったが、絵作り制御をさらに高度化するために、その他の様々な特徴量も同時にメタデータ化すると、ますますメタデータの容量が増えて装置のコスト上昇の要因となる。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、画像処理装置における録画の際の
記録容量を抑制し、かつ、高度な画像処理の制御を行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、入力画像を解析してフレーム毎の画像の特徴を表わす逐次特徴量を算出する画像解析部と、前記入力画像を複数のシーンに区分するシーン検出部と、前記シーンに含まれる各フレームの逐次特徴量から前記シーン全体の画像の特徴を表わすシーン特徴量を算出するシーン特徴解析部と、前記シーン特徴量に基づいて前記シーンに含まれる全フレームの画像の補正で用いる制御量を生成する制御量生成部と、前記入力画像および前記制御量を蓄積する蓄積部と、前記蓄積された入力画像のシーンに、当該シーンに対応する制御量を用いて画像処理を行い、再生画像として出力する画像処理部とを有する画像処理装置である。
【0010】
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、画像処理装置により実行される画像処理方法であって、入力画像を解析してフレーム毎の画像の特徴を表わす逐次特徴量を算出する画像解析ステップと、前記入力画像を複数のシーンに区分するシーン検出ステップと、前記シーンに含まれる各フレームの逐次特徴量から前記シーン全体の画像の特徴を表わすシーン特徴量を算出するシーン特徴解析ステップと、前記シーン特徴量に基づいて前記シーンに含まれる全フレームの画像の補正で用いる制御量を生成する制御量生成ステップと、前記入力画像および前記制御量を蓄積する蓄積ステップと、前記蓄積された入力画像のシーンに、当該シーンに対応する制御量を用いて画像処理を行い、再生画像として出力する画像処理ステップとを有する画像処理方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像処理装置における録画の際の記憶容量を抑制し、かつ、高度な画像処理を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における画像処理装置の全体構成図。
【図2】画像解析部5およびシーン特徴解析部7の詳細なブロック図。
【図3】シーン特徴解析部7の動作を説明するフローチャート。
【図4】シーン特徴解析部7の時間に沿った動作の概念図。
【図5】シーン絵作り解析部8のブロック図。
【図6】シーン絵作り解析部8で扱う各信号の概念図。
【図7】輝度補正カーブの概念図。
【図8】生成メタデータR30の例。
【図9】絵作り制御部6のブロック図。
【図10】選択部9のブロック図。
【図11】補正カーブ復元部95の動作の概念図。
【図12】再生時における画像処理装置の時間に沿った動作の概念図。
【図13】実施例1での撮影対象を示す図。
【図14】実施例1で撮影された画像を示す図。
【図15】実施例1で撮影された画像の輝度ヒストグラムを示す図。
【図16】撮影された画像に逐次最適化をする場合の輝度補正カーブを示す図。
【図17】撮影された画像に逐次最適化をする場合の画像を示す図。
【図18】実施例1におけるピークホールドヒストグラムR72を示す図。
【図19】実施例1におけるシーン最適化された輝度補正カーブを示す図。
【図20】実施例1におけるシーン最適化した画像を示す図。
【図21】実施例2によって有効な画像処理結果が得られる画像を示す図。
【図22】実施例3によって有効な画像処理結果が得られる画像を示す図。
【図23】実施例4における画像処理装置の全体構成図。
【図24】輝度ヒストグラムをメタデータ化した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。以下の画像処理装置は入力画像を録画し、要求に応じて出力するために使用される。画像処理装置を単独の装置とすることもできるし、テレビジョンやSTB(Set Top Box)等の放送受信装置や、
ディスプレイ装置に組み込んで用いることもできる。また、本発明は撮影と画像蓄積を行うカムコーダにも適用できる。画像処理装置の各構成要素は専用の回路で構成されても良く、CPU上で動作するプログラムとして構成されても良い。また、画像処理装置が行う各処理をプログラム等に実行させることにより、本発明を画像処理方法として実現することができる。
【0014】
<実施例1>
本発明の実施例1における装置の全体構成図を図1に示す。以下、本図を用いて、実施例1の画像処理装置において画像を録画する時の動作について説明する。
タイムコード付与部2は不図示の画像入力手段から入力された入力画像信号R1にタイムコードを付与してタイムコード付入力画像信号R2を出力する。画像選択部3はタイムコード付入力画像信号R2を選択して選択画像信号R3を出力する。画像解析部5は選択画像信号R3をフレーム毎に解析して逐次特徴量R5をフレーム毎に出力する。画像解析部5が逐次特徴量R5を出力する動作の詳細は後述する。
【0015】
シーン特徴解析部7は逐次特徴量R5から連続したフレームのカットの切り替わりを検出して複数のシーンを区分し、シーン全体の画像の特徴であるシーン特徴量R7を出力する。シーン特徴解析部7の動作の詳細は後述する。シーン絵作り解析部8はシーン特徴量R7をシーン毎に入力して、各シーンに対する絵作り制御量となるシーン制御シナリオR8を出力する。シーン絵作り解析部8の処理の詳細は後述する。メタデータ生成部30はシーン制御シナリオR8をメタデータ化して生成メタデータR30を出力する。画像記録部31は選択映像信号R3と生成メタデータR30を関連付けて蓄積用のストリームに変換し、記録信号R31として出力する。蓄積装置部32は記録信号R31をハードディスク装置に記録する。蓄積装置部は、本発明の蓄積部に当たる。
【0016】
タイムコード発生部18は録画開始にタイムコードをリセットして、以後録画が停止するまでフレーム単位でカウントアップするタイムコードを発生する。発生したタイムコードは不図示のタイムコードR18として各ブロックに配布される。制御部19は不図示の制御線を通じて装置の各ブロックの動作の制御を行う。
【0017】
次に、画像録画時における画像解析部5およびシーン特徴解析部7の詳細を説明する。画像解析部5およびシーン特徴解析部7の詳細なブロック図を図2に示す。APL算出部51は選択画像信号R3のAPL(Average Picture Level:平均画像レベル)をフレーム
毎に算出してAPL値R51を出力する。輝度ヒストグラム算出部51は選択画像信号R3の輝度ヒストグラムをフレーム毎に算出して輝度ヒストグラムR52を出力する。逐次特徴量R5はフレーム毎のAPL値R51と輝度ヒストグラムR52からなる構造体である。
【0018】
シーンチェンジ検出部71はAPL値R51を監視してフレーム間の変化量が閾値を超えたらシーンチェンジが発生したと判断して、シーンチェンジ検出信号R71を出力する。これによりシーン検出がなされ、それぞれ開始点と持続時間を持つ複数のシーンが区分される。ピークホールドヒストグラム生成部72(MaxHist生成部)はフレーム毎の輝度
ヒストグラムR52とシーンチェンジ検出信号R71を受け取る。そして、それらに基づ
いて、シーンチェンジ間の輝度ヒストグラムR52の各カテゴリの度数の最大値を算出し、ピークホールドヒストグラムR72を出力する。ピークホールドヒストグラムR72の生成方法の詳細は後述する。累積ヒストグラム生成部73はフレーム毎の輝度ヒストグラムR52とシーンチェンジ検出信号R71に基づいて、シーンチェンジ間の輝度ヒストグラムR52の各カテゴリの度数の累計を算出し、累積ヒストグラムR73を生成する。累積ヒストグラムR73生成方法の詳細は後述する。シーンヒストグラム生成部74はピークホールドヒストグラムR72と累積ヒストグラムR73に基づいてシーン特徴量R7を生成する。シーンチェンジ検出部は本発明のシーン検出部に当たる。
【0019】
次にシーン特徴解析部7の詳細な動作を説明する。シーン特徴解析部7の動作を示すフローチャートを図3に示す。動作の制御は不図示の制御線を通じて制御部19が行う。また動作の概念図を図4に示す。
以下の説明で用いる4つの配列を、次のように定義する。
InH[ x ] …シーンヒストグラムR7(シーン特徴量)
MaxH[ x ] …ピークホールドヒストグラムR72
TtlH[ x ] …累積ヒストグラムR73
AveH[ x ] …平均ヒストグラム(不図示)
上の配列中、xは集計する輝度のカテゴリの番号で0〜255の範囲をとる。0が最も暗いカテゴリであり255が最も明るいカテゴリである。例えばシーンヒストグラムR7(シーン特徴量)の最も輝度の低いカテゴリの度数は、InH[0]と表す。
【0020】
シーン特徴解析部7はフレーム毎に活性化され、図3のフローがスタートする。
ステップS701では、APL値R51、輝度ヒストグラムR52からなる逐次特徴量R5を入力する。
ステップS702では、シーンチェンジ検出部71にてシーンチェンジの有無を判定する。APL値R51の前フレームの値と現フレームの値を比較して、差分の絶対値が閾値以上であればシーンチェンジありと判定してステップS705へ進む。シーンチェンジが無ければステップS703へ進む。
【0021】
ステップS703では、ピークホールドヒストグラム生成部72にてピークホールドヒストグラムの生成演算を行う。保持しているピークホールドヒストグラムR72(MaxH[x])に対して、次の演算を行う。
MaxH[x] = max( MaxH[x], InH[x] )
【0022】
ステップS704では、累積ヒストグラム生成部73にて累積ヒストグラムの生成演算を行う。保持している累積ヒストグラムR73(TtlH[x])に対して、次の演算を行う。
TtlH[x] = TtlH[x] + InH[x]
シーンチェンジが無い場合はステップS704にてシーン特徴解析のプロセスは終了する。
【0023】
ステップS705では、シーンヒストグラム生成部74にて一つ前のシーンチェンジから現フレームまでのフレーム数(Duration)を算出する。現フレームのタイムコードから、保存しておいたTimePointを減算してDurationとする。例えば概念図(図4)のTbの時点
であれば、Durationは次のようになる。
Duration = Tb - Ta = Da
【0024】
ステップS706では、シーンヒストグラム生成部74にて不図示の平均ヒストグラムAveH[x]を生成する。保持している累積ヒストグラムR73(TtlH[x])とステップS705で算出したDurationのフレーム数から、次の演算を行う。
AveH[x] = TtlH[x] / Duration
【0025】
ステップS707では、シーンヒストグラム生成部74にて不図示のヒストグラム差分絶対値和SAHD ( Sum of Absolute Histogram Differences )を生成する。ピークホールドヒストグラムR72(MaxH[x])と平均ヒストグラムAveH[x]から、次の演算を行う。
【数1】

【0026】
ステップS708では、シーン特徴量R7の出力を行うか否かを判定する。差分絶対値和SAHDと予め定められた閾値とを比較して、差分絶対値和SAHDの方が大きければ、シーンの中で輝度分布の大きな変動があったと判定してシーン最適制御を行うためにシーン特徴量R7を出力するためにステップS709へ進む。差分絶対値和SAHDの方が小さければ逐次適応制御で対応するシーンであると判定してシーン特徴量は出力せずにステップS710へ進む。
ステップS709では、シーンヒストグラム生成部74にてシーン特徴量R7の出力を行う。ピークホールドヒストグラムR72をシーン特徴量R7として出力する。この値がシーン全体の画像の特徴として利用される。
ステップS710では、シーンヒストグラム生成部74内の不図示のレジスタに現時点のタイムコードを新しいTimePointとして記録する。
【0027】
ステップS711では、ピークホールドヒストグラム生成部72にて保持してあったピークホールドヒストグラムR72をクリアする。
ステップS712では、累積ヒストグラム生成部73にて保持してあった累積ヒストグラムR73をクリアする。
以上の制御によってシーン特徴解析部7にてシーン特徴量R7を生成する。
【0028】
図4の概念図で説明すると、シーンチェンジ検出がされたタイムコードTbの時点は、TimePoint=Ta, Duration=Daで表されるShot-Aの映像区間に対するシーン特徴量R7が生成
された例である。またタイムコードTcの時点は、逐次特徴量R5の変化が大きくなかったためにShot-Bの映像区間に対してシーン特徴量R7が出力されなかった例である。
【0029】
次に、シーン絵作り解析部8におけるシーン制御シナリオR8の生成方法の詳細を説明する。シーン絵作り解析部8のブロック図を図5に示す。
【0030】
ヒストグラム正規化部81は、シーン特徴量R7のヒストグラムを正規化して、正規化ヒストグラムR81を出力する。入力されたシーン特徴量R7の概念図を図6の(a)に、
正規化ヒストグラムR81の概念図を図6の(b)に示す。
ヒストグラム積分部82は、正規化ヒストグラムR81を下位のカテゴリから順に累積加算する(図6(c))。そして、累積加算ヒストグラムから、階調補正を行うための輝度
補正カーブR82を生成する(図6(d))。このように輝度補正カーブが生成され、制御
量生成がなされることから、シーン絵作り解析部は、本発明の制御量生成部に当たる。
標準カーブ格納部83は、画像処理装置の画像補正の方針である絵作りモード毎に標準的な輝度補正カーブセットをROM等に格納する。これら標準的な輝度補正カーブは、本発明の所定の制御量に相当する。本実施例では2セットの絵作りモードを持つものとし、それぞれに対応する図7(a)、図7(b)の2セットの標準輝度補正カーブR83が格納されている。それぞれ横軸が入力画像の階調値、縦軸が出力画像の階調値を示す。図7(a)は
出力画像のビット数を入力画像の各階調に対して均等に割り当てる絵作りモードを示す。一方、図7(b)は入力画像の中間階調に多くのビット数を割り当てる絵作りモードを示す

【0031】
代表点差分抽出部84は、生成した輝度補正カーブR82と標準輝度補正カーブR83との差分を抽出してシーン制御シナリオR8を生成する。標準輝度補正カーブR83のセット毎に、各セット固有の代表点における差分を抽出する。絵作りモード毎に重視する階調が異なる場合があるので差分抽出の代表点はモード毎に固有とする。差分抽出の概念図を図7(c)、図7(d)に示す。得られた差分に対象とするシーンの時間情報を関連付けてシーン制御シナリオR8とする。すなわちシーン制御シナリオR8は、次の10要素からなる構造体である。
対象シーンのTimePoint,対象シーンのDuration
モード(a)の代表点1の位置,モード(a)の代表点1の差分
モード(a)の代表点2の位置,モード(a)の代表点2の差分
モード(b)の代表点1の位置,モード(b)の代表点1の差分
モード(b)の代表点2の位置,モード(b)の代表点2の差分
【0032】
以上の動作によって実施例1の装置において画像の録画が可能となる。なお、シーン制御シナリオは本発明の差分情報に当たる。シーン絵作り解析部は本発明の差分情報生成部に当たる。
また、シーン特徴量R7が出力されていなかった場合はシーン制御シナリオR8も出力無しとする。
また、メタデータ生成部30にてシーン制御シナリオR8をメタデータ化した生成メタデータR30を図8に示す。
【0033】
次に、実施例1の画像処理装置において画像を再生するときの動作について説明する。
画像再生部33は蓄積装置部32から再生対象の画像に対応する再生信号R32を取得し、メタデータと画像のストリームに分離して再生メタデータR33と再生画像信号R13を出力する。メタデータ解析部34は制御選択部9からのシナリオリクエスト信号R99がEnableにされたら、再生メタデータR33を解析してタイムコードに関連付けられた再生シーン制御シナリオR34を出力する。
【0034】
画像選択部3は再生画像信号R13を選択して選択画像信号R3を出力する。画像解析部5は録画時と同様に選択画像信号R3をフレーム毎に解析して逐次特徴量R5をフレーム毎に出力する。逐次特徴量R5を受けた絵作り制御部6は、画像処理部4を制御して逐次適応絵作りを行う逐次制御量R6をフレーム毎に出力する。絵作り制御部6の処理の詳細は後述する。制御選択部9は逐次制御量R6と再生シーン制御シナリオR34のいずれかを選択して選択制御量R9を出力する。制御選択部9の処理の詳細は後述する。画像処理部4は選択制御量R9に従って選択画像信号R3に画像処理を施して表示画像信号R4を出力する。画像処理部4における画像処理の詳細は後述する。画像表示部10は表示映像信号R4に従って画像を表示する。
【0035】
なお、上記の各処理はタイムコードを参照した制御処理により行われている。タイムコード発生部18は再生画像信号R13からタイムコードを取得して、取得したタイムコードを不図示のタイムコードR18としてシステム内の各ブロックに配布する。制御部19は不図示の制御線を通じてシステムの各ブロックの動作の制御を行う。
【0036】
次に、絵作り制御部6における逐次適応絵作りの詳細を説明する。絵作り制御部6のブロック図を図9に示す。絵作り制御部6では逐次特徴量R5の内、輝度ヒストグラムR52のみを使用する。
逐次正規化部61は輝度ヒストグラムR52の正規化を行って逐次正規化ヒストグラムR61を出力する。正規化処理の詳細はヒストグラム正規化部81と同様である。
逐次ヒストグラム積分部62は、逐次正規化ヒストグラムR61を下位のカテゴリから
順に累積加算して階調補正を行うための輝度補正カーブである逐次制御量R6を生成する。生成方法の詳細はヒストグラム積分部82と同様である。
【0037】
次に、選択制御部9の動作の詳細を説明する。選択部9のブロック図を図10に示す。
タイムコード比較部91は、タイムコードR18と区間タイムコードR93を比較して、カーブ選択信号R91およびシナリオ更新信号R92を出力する。現在処理対象となる画像のタイムコードR18をNTC、区間タイムコードR93のTimePointをSTP、区間タイ
ムコードR93のDurationをSDRとしたときに、次の式が成立するか判断する。
STP ≦ NTC < STP+SDR
成立したら、カーブ選択信号R91をEnableにする。成立していなければカーブ選択信号R91をDisableにする。
【0038】
タイムコード比較部93はまた、次の式が成立するか判断する。
NTC ≧ STP+SDR
成立したら、シナリオ更新信号R92をEnableにする。成立していなければシナリオ更新信号R92をDisableにする。
【0039】
シナリオキュー93は再生シーン制御シナリオを一時的に蓄えるキューである。キューの出力として、キューの先頭のシナリオが対象とする時間区間のTimePointとDurationを
含む区間タイムコードR93と、その時間区間に対応する制御値であるシナリオ制御値R94とを常に出力している。また、シナリオ更新信号R92がEnableになったら、キューの先頭を1つ廃棄する。キューに空きができたら、シナリオリクエスト信号R99をEnableにしてメタデータ解析部34より再生シーン制御シナリオR34を取得してキューの後端にストアする。
【0040】
補正カーブ復元部95はシナリオ制御値R94に基づいて輝度補正カーブの特徴を復元して、逆γ変換カーブを修正した修正輝度補正カーブR95を出力する。処理の詳細を以下に説明する。処理システム全体の特性及び処理モードに応じて、基準となる逆γ変換カーブを選択する(図11(a))。次に、シナリオ制御値R94に含まれる2箇所の代表点位置Pa,Pbを参照する(図11(b))。次に、代表点位置における基準カーブから代表点
差分Va,Vbを加えて修正代表点Na,Nbを算出する(図11(c))。次に、原点B(黒色点)から修正代表点Na,Nbを通って終点W(白色点)を結ぶスプライン曲線を算出して修正輝
度補正カーブR95とする(図11(d))。
【0041】
カーブ選択部96はカーブ選択信号R91に基づいて修正輝度補正カーブR95もしくは逐次制御量R6のいずれかを選択して選択制御量R9として出力する。これにより、画像の区間に対して制御シナリオが存在した場合には制御シナリオに従った画像処理が行われ、また存在しなかった場合には逐次適応型の画像処理が行われることになる。
【0042】
次に、画像処理部4における画像処理の詳細を説明する。画像処理部4はRAMで構成されるルックアップテーブルとなっている。選択制御量R9はRAMのライトポートに接続され、選択画像信号R3のフレーム間のブランキング期間に選択制御量R9の内容が書き込まれる。選択画像信号R3はRAMのリードのアドレスポートに接続され、テーブルに書き込まれている選択制御量R9を参照する。RAMのリードのデータポートからテーブルの参照によって変換された値が出力され、表示画像信号R4として出力される。
【0043】
以上説明した再生時におけるシステムの動作の概念図を図12に示す。
画像の再生に先立って、シナリオキュー93は空の状態であるのでシナリオリクエスト信号R92を必要な回数発生してキューを埋める。
タイムコードのTimePoint TaからDuration Daで示される選択画像信号R3について検
討する。このとき、Shot-Aの映像区間では、シナリオキュー93から出力される区間タイムコードR93との比較において条件が一致するので、カーブ選択信号R91はEnableとなる。またそのカーブ選択信号R91に基づいて、選択制御量R9は再生シーン制御シナリオR34に基づいたVaが選択される。
【0044】
Shot-Aの映像区間が終了したら、シナリオ更新信号R92が発生してシナリオキュー93の先頭に入っていたシナリオVaが破棄される。また続いてキューの空きの発生によってシナリオリクエスト信号R99が発生して次の制御シナリオVdがキューに補充される。
選択画像信号R3がShot-Bの映像区間では、区間タイムコードR93との比較において条件が一致しないので、カーブ選択信号R91はDisableとなる。またそのカーブ選択信
号R91に基づいて、Shot-Bの映像区間内では選択制御量R9に逐次制御量R6に基づいたVXが選択される。
以後、同様にしてShot-Cの映像区間では再生シーン制御シナリオR34に基づいたVcが選択される。
【0045】
以上説明した構成及びその制御にて、画像録画時にメタデータ化したシナリオ制御量を同時記録し、再生時にそれを読み出して画像処理を行うことが可能となる。この構成による再生時の画像処理では再生する画像区間に対応するメタデータを先行して読み出して、最適化された画像処理シナリオを予め準備しておく。それにより、画像自体を先読みせずとも区間最適化された絵作り制御をその区間の始めから適用することが可能となる。
【0046】
例えば、図13に示すような薄暗い部屋の中をカメラが左から右へパンしながら撮影すると、図14(a)〜(c)のような画像信号が得られる。このそれぞれの瞬間における輝度ヒストグラムR52はそれぞれ図15(a)〜(c)のような形が得られる。
この画像信号に対して従来知られている逐次最適化した輝度補正カーブ生成を行うと、それぞれ図16(a)〜(c)のような補正カーブが得られる。この補正を行った画像は図17(a)〜(c)のように、同一シーン内で大きく明るさが変動して見苦しい画像となる場合があった。
【0047】
しかし本実施例の装置構成によれば、図14(a)〜(c)までを単一の画像区間と認識してシーン内の全フレームに対して最適な補正カーブを求めることができる。具体的には図18に示すようなピークホールドヒストグラムR72が得られ、図19に示すような輝度補正カーブが、図14(a)〜(c)対応するシーン制御シナリオR8として得られる。シーン制御シナリオR8が得られた区間画像は、その区間に渡って単一の補正カーブが適用されるので、パン途中で映像全体の輝度変動は発生せず、図20(a)〜(c)に示したような安定した画像処理結果が得られる。
【0048】
以上、本発明を適用した実施例1の構成及びその制御にて、従来知られていた画像処理方法よりも更に高度な画像処理結果が得られることを示した。またこのとき、シーン特徴量R7が出力されるシーンでは、シーン制御シナリオR8が出力され、録画時にはシーン制御シナリオR8に基づく生成メタデータR30が記録される。その結果、フレームごとにメタデータを記録する場合に比べメタデータが削減される。
【0049】
また、画像の再生を行っている時に早送りや巻戻しなどのトリックプレイが発生する可能性のあるシステムであっても、本実施例の構成にて対応が可能である。
【0050】
制御選択部9は、トリックプレイが発生したら制御部19からの通知によってシナリオキュー93に保持されている制御シナリオをすべて破棄する。
画像再生部33は、トリックプレイ中はメタデータの読出しを停止する。また、トリックプレイが終了して通常の再生モードになったら、メタデータの読出しポインタをメタデ
ータファイルの先頭に戻して最初から順にメタデータを読出す。
【0051】
この状態では、タイムコード比較部91の判断において、次の条件が連続して成立している。
NTC ≧ STP+SDR
そのため、画像再生している時点に追いつくまでメタデータが連続して読み飛ばされる。メタデータのデータ量は画像のストリームに比べて非常に小さいので、ファイルの先頭から読み直しを行ってもユーザが認識できない程度の短時間で読み出しポインタを同期させることが可能である。
【0052】
あるいは、何らかの検索技術を用いてタイムコードとメタデータの読出しポインタの同期を図っても良い。
【0053】
このように制御を行うことで、トリックプレイが発生する可能性のあるシステムに対しても本実施例を適用することが可能である。
【0054】
また、本実施例に示した画像処理装置の構成要素の具体例を置き換えることによって、様々な画像処理効果を得ることが可能となる。
【0055】
例えば、シーン制御シナリオを区分する区間は、シーンチェンジ検出部71の検出方法を置き換えることでシステムの用途に応じた区分とすることが可能となる。例えば区切りの検出方法として、フレーム毎の輝度ヒストグラムR52の変化を検出しても良いし、画像に付随する音声データの変化から検出してもよい。検出対象とする区分もショットの切り替わりの他、番組の切り替わりやCMの検出を行っても良い。システムを単純化する場合にはタイマを用いて一定時間で区分することも可能である。
【0056】
また、シーン特徴解析部7で算出するシーン特徴量R7は、本実施例で示した例の他、シーン中の平均値を用いたり、特異値を除外して算出したりすることも可能である。
【0057】
また、本実施例では、シーン特徴量R7のヒストグラムから輝度補正カーブR82を生成した後、代表点で標準輝度補正カーブとの差分を抽出してシーン制御シナリオR8を作り、メタデータ化して蓄積している。しかし、メタデータ化する前の輝度補正カーブを入力画像とともに蓄積して、画像再生時の補正処理に用いることもできる。あるいはシーン特徴量を蓄積して、再生時に輝度補正カーブを求めて補正処理を行うこともできる。この場合でも、フレーム毎にヒストグラムを作成、蓄積する場合に比べて記憶容量の抑制が可能である。
【0058】
また、シーン絵作り解析部8で算出する輝度補正カーブR82は、本実施例で示した例の他、ヒストグラムの形状でパターン分類を用いるなどの方法を用いることも可能である。
【0059】
また、シーン絵作り解析部8で算出するシーン制御シナリオR8は、本実施例で示したように2次的な形式に変換する例の他、ヒストグラムの構成数値そのものを用いることも可能である。
【0060】
また、メタデータ生成部30にて生成する生成メタデータR30は、本実施例で示した例の他、独自のテキスト形式でも良いし、バイナリ形式を用いることも可能である。
【0061】
<実施例2>
実施例1では画像処理のために画像解析部5で検出する逐次特徴量R5は輝度ヒストグ
ラムであったが、それ以外の特徴量を用いた画像処理を行うシステムであってもことも本発明を適用することが可能である。
実施例2では、色ヒストグラムを用いて画像処理を行う装置について説明する。本実施例のシステムの全体構成図は、図1に示す実施例1の全体構成図と同様であり、一部の構成要素の機能が異なる。
【0062】
本実施例においては、画像解析部5は選択画像信号R3の色解析を行い、彩度ヒストグラムを生成する。また、画像処理部4は、選択制御量R9に従って選択画像信号R3の彩度を変化させる。また、絵作り制御部6は、解析した画像の全体的な彩度が低ければ、色飽和が起こらない程度に彩度を上げる制御を行う逐次制御量R6を出力する。
【0063】
また、シーン特徴解析部7は、実施例1と同様にして区間画像に対する彩度ヒストグラムのピークホールドヒストグラムを生成する。また、シーン絵作り解析部8は彩度のピークホールドヒストグラムに最適化した、彩度の制御量を制御シナリオR8として算出する。
他の構成要素は、実施例1と同様の動作および制御を行う。
【0064】
図21に、本実施例のシステムを屋内のシーンに適用する例を示す。まず図21(a)のように全体的に彩度の低いインテリアが置かれていて、続いて図21(b)に示したように
その画面内に鮮やかな色の服を着た人物が画面内に歩いてきた。というシーンを想定する。
【0065】
この場合、従来知られている逐次制御による画像処理では、図21(a)の時点では画面
全体の彩度を上げるように制御を行う。また図21(b)の時点では人物の服の色が飽和し
ないように彩度の向上を控えめにする。この制御によって単一のシーンであっても背景の色調が変化してしまい、違和感のある画像処理となってしまう。また、逐次制御に時定数を持たせて急激な制御の変化を抑制する技術も知られているが、その場合は図21(a)の
時点で最適化された彩度を向上させる制御を図21(b)にも適用することになる。それに
よって人物の服の色が飽和してしまい、画質がかえって低下してしまう可能性がある。
【0066】
しかし、本発明を適用した実施例2の装置構成に拠れば、図21(a)〜(b)を連続した単一のシーンとして最適化した制御を行うことができる。その結果、図21(a)の時点から
その後の画像にも適応する彩度に制御を行い、違和感無く高画質化を行うことが可能となる。
【0067】
以上説明した構成によって色の彩度に対しても区間画像に最適化した制御シナリオを適用した高度な画像処理を行うことが可能となる。その際のメタデータはシーン制御シナリオに基づいて生成されているので、フレームごとにメタデータを生成する場合よりも量を削減することができる。
【0068】
<実施例3>
以上説明した実施例では画像処理のために画像解析部5で検出する逐次特徴量R5は何らかのヒストグラムであったが、それ以外の特徴量を用いた画像処理を行うシステムであってもことも本発明を適用することが可能である。
実施例3では、空間周波数パワースペクトルを用いて画像処理を行う装置について説明する。本実施例のシステムの全体構成図は、図1に示す実施例1の全体構成図と同様であり、一部の構成要素の機能が異なる。
【0069】
本実施例においては、画像解析部5は選択画像信号R3に対してFFT解析を行って空間周波数パワースペクトルを生成する。また、画像処理部4は、選択制御量R9に従って
選択画像信号R3の鮮鋭度を変化させる。また、絵作り制御部6は、解析した画像の全体的な鮮鋭度が低ければ、画像のエッジにリンギングが起こらない程度に鮮鋭度を上げる制御を行う逐次制御量R6を出力する。
【0070】
また、シーン特徴解析部7は、実施例1とほぼ同様の手法にて区間画像に対する空間周波数パワースペクトルのピークホールドスペクトルを生成する。また、シーン絵作り解析部8は空間周波数パワースペクトルのピークホールドスペクトルに最適化した、鮮鋭度の制御量を制御シナリオR8として算出する。
他の構成要素は、実施例1と同様の動作および制御を行う。
【0071】
図22に、本実施例のシステムを屋外のシーンに適用する例を示す。まず図22(a)のように全体的にフォーカスが甘めに撮影された風景が表示されていて、続いて図22(b)
に示したようにその画面内に多量の文字テロップがスクロールインする。というシーンを想定する。
【0072】
この場合、従来知られている逐次制御による画像処理では、図22(a)の時点では画面
全体の鮮鋭度を上げるように制御を行う。また図22(b)の時点では文字テロップにリン
ギングが生じないように鮮鋭度の向上を控えめにする。この制御によって単一のシーンであっても背景の鮮鋭度が変化してしまい、違和感のある画像処理となってしまう。また、逐次制御に時定数を持たせて急激な制御の変化を抑制する技術も知られているが、その場合は図22(a)の時点で最適化された鮮鋭度を向上させる制御を図22(b)にも適用することになる。それによって文字テロップの周囲にリンギングが発生していまい、画質がかえって低下してしまう可能性がある。
【0073】
しかし、本発明を適用した実施例3の装置構成に拠れば、図22(a)〜(b)を連続した単一のシーンとして最適化した制御を行うことができる。その結果、図22(a)の時点から
その後の画像にも適応する鮮鋭度に制御を行い、違和感無く高画質化を行うことが可能となる。
【0074】
以上説明した構成によって画像の鮮鋭度に対しても区間画像に最適化した制御シナリオを適用した高度な画像処理を行うことが可能となる。その際のメタデータはシーン制御シナリオに基づいて生成されているので、フレームごとにメタデータを生成する場合よりも量を削減することができる。
【0075】
<実施例4>
本実施例では、入力部に撮像素子を用いた、撮影および撮影した画像の蓄積をするカムコーダに本発明を適用する例を説明する。本実施例においても、実施例1とほぼ同様の構成にて本発明を適用することが可能である。
【0076】
実施例4における装置の全体構成図を図23に示す。撮像部21は録画モード時、撮像素子に撮影された撮影画像R21を出力する。外部出力部22は表示画像信号R4をHDMIなど規格に準拠した映像信号に変換して、外部出力信号R22を出力する。
【0077】
その他の構成及び制御は実施例1と同様である。すなわち画像処理装置は、録画時にシーンチェンジを検出し、シーン制御シナリオをメタデータ化して保存する。これにより、メタデータの量を削減することができる。そして再生時にはシーン制御シナリオを適用した高度な画像処理が可能になる。このようにすれば、カムコーダに対しても本発明を適用することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
4:画像処理部,5:画像解析部,7:シーン特徴解析部,10:画像表示部,32:蓄積装置部,33:画像再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を解析してフレーム毎の画像の特徴を表わす逐次特徴量を算出する画像解析部と、
前記入力画像を複数のシーンに区分するシーン検出部と、
前記シーンに含まれる各フレームの逐次特徴量から前記シーン全体の画像の特徴を表わすシーン特徴量を算出するシーン特徴解析部と、
前記シーン特徴量に基づいて前記シーンに含まれる全フレームの画像の補正で用いる制御量を生成する制御量生成部と、
前記入力画像および前記制御量を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積された入力画像のシーンに、当該シーンに対応する制御量を用いて画像処理を行い、再生画像として出力する画像処理部と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
フレームの画像に標準的な補正を行うときの所定の制御量と、前記制御量生成部が生成した制御量との差分を表わす情報である差分情報を生成する差分情報生成部をさらに有し、
前記蓄積部は、前記制御量に替えて前記差分情報を前記入力画像とともに蓄積し、
前記画像処理部は、前記差分情報および標準的な補正を行うときの所定の制御量からフレームの画像の補正で用いる制御量を求めて画像処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記シーン特徴解析部は、前記シーンに含まれる各フレームの輝度分布の変動が所定の値より大きいかを判断し、大きいと判断されたシーンについてのみ前記シーン特徴量を算出し、
前記画像処理部は、前記シーン特徴量が算出されなかったシーンにおいては、フレームごとに、フレームの逐次特徴量に基づいて制御量を求めて画像処理を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記逐次特徴量は、フレームの画像から算出した輝度ヒストグラムであり、
前記シーン特徴量は、前記シーンに含まれる各フレームの前記輝度ヒストグラムを比較して、階調値ごとに、前記シーンの中で最も大きい度数を選択したピークホールドヒストグラムであり、
前記制御量生成部が生成する制御量は、前記ピークホールドヒストグラムを低い側の階調値から累積加算したヒストグラムに基づいて生成される、入力画像の輝度と再生画像の輝度を対応させる輝度補正カーブであり、
前記画像処理部は、前記輝度補正カーブを用いて画像処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記逐次特徴量は、フレームの画像から算出した輝度ヒストグラムであり、
前記シーン特徴量は、前記シーンに含まれる各フレームの前記輝度ヒストグラムを比較して、階調値ごとに、前記シーンの中で最も大きい度数を選択したピークホールドヒストグラムであり、
前記制御量生成部が生成する制御量は、前記ピークホールドヒストグラムを低い側の階調値から累積加算したヒストグラムに基づいて生成される、入力画像の輝度と再生画像の輝度を対応させる輝度補正カーブであり、
前記所定の制御量とは、標準的な補正を行う時の輝度補正カーブであり、
前記差分情報生成部は、前記制御量生成部が生成する輝度補正カーブと、前記標準的な補正を行う時の輝度補正カーブとの、所定の階調値における差分に基づいて前記差分情報を生成するものであり、
前記画像処理部は、前記差分情報および標準的な補正を行う時の輝度補正カーブから、フレームの画像の補正で用いる輝度補正カーブを生成して画像処理を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、複数の絵作りモードの中から選択した絵作りモードで画像処理を行うものであり、絵作りモードに応じて前記標準的な補正を行う時の輝度補正カーブを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置により実行される画像処理方法であって、
入力画像を解析してフレーム毎の画像の特徴を表わす逐次特徴量を算出する画像解析ステップと、
前記入力画像を複数のシーンに区分するシーン検出ステップと、
前記シーンに含まれる各フレームの逐次特徴量から前記シーン全体の画像の特徴を表わすシーン特徴量を算出するシーン特徴解析ステップと、
前記シーン特徴量に基づいて前記シーンに含まれる全フレームの画像の補正で用いる制御量を生成する制御量生成ステップと、
前記入力画像および前記制御量を蓄積する蓄積ステップと、
前記蓄積された入力画像のシーンに、当該シーンに対応する制御量を用いて画像処理を行い、再生画像として出力する画像処理ステップと
を有する画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−223054(P2011−223054A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86381(P2010−86381)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】