画像処理装置および画像処理方法
【課題】グラデーションを用いた透過画像のざらつき感を従来よりも抑える。
【解決手段】画像形成装置1に、透過画像50aの透過率を検出する透過率算出部608と、透過画像50aの中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、濃度無画素補間処理部609と、透過画像50aを構成する各画素の濃度を濃度有画素の濃度、濃度無画素の補間後の濃度、および検出した透過率に基づいて補正する非重畳領域階調変更部60Bと、を設ける。
【解決手段】画像形成装置1に、透過画像50aの透過率を検出する透過率算出部608と、透過画像50aの中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、濃度無画素補間処理部609と、透過画像50aを構成する各画素の濃度を濃度有画素の濃度、濃度無画素の補間後の濃度、および検出した透過率に基づいて補正する非重畳領域階調変更部60Bと、を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過画像に対して画像処理を行う装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、PCプリント、スキャン、ファックス、およびファイルサーバなどの様々な機能を備えた画像形成装置が普及している。このような画像形成装置は、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる。
【0003】
PCプリントは、パーソナルコンピュータから画像データを受信し画像を用紙に印刷する機能である。
【0004】
また、近年、パーソナルコンピュータで描画を行うためのアプリケーションが流通している。このようなアプリケーションは、「描画ソフト」と呼ばれている。描画ソフトの中には、透過画像をディスプレイに表示する機能が備わっているものがある。
【0005】
「透過画像」は、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。例えば、図4(A)において、透過画像50aは背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。つまり、透過画像は、半透明の画像であると、言える。
【0006】
画像形成装置は、パーソナルコンピュータに表示されている透過画像を用紙に印刷することができる。印刷されるまでに透過画像は、透過率の高さに応じて、図5(B)および図5(C)に示すように、画素の間引きの処理が施される。そして、間引かれた画素の位置に、透過画像の後ろにある他の画像が印刷される。これにより、当該他の画像が透けて表れているように見える。
【0007】
また、透過画像を含む画像の、スクリーン処理後の色味変化などを抑える方法が提案されている。例えば、半透明対象となるPDLデータ上に半透明オブジェクトを重ねて、半透明画像データを生成する。次いで、半透明画像データに対して、ディザ処理によりスクリーン処理を行う。次いで、スクリーン処理された半透明画像データを印刷用の画像データとするか否かを判断する。印刷用の画像データとしないと判断される場合、半透明オブジェクトの中間調値を現在の値よりも大きくなるように変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−110427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通り、印刷される透過画像は、画素が間引かれて格子状になる。したがって、ディスプレイに表示されているときよりも、ざらつき感が表れてしまう。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑み、従来よりも透過画像のざらつき感を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係る画像処理装置は、濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、補間手段と、前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する補正手段と、を有する。
【0012】
好ましくは、前記補正手段は、前記濃度有画素の濃度に1から前記透過率を減じた値を掛け、前記濃度無画素の補間後の濃度に当該値を掛けることによって、前記透過画像を構成する各画素の濃度を補正する。
【0013】
または、前記補正手段は、前記透過画像の中の、他のオブジェクトの画像と重ならない領域についてのみ濃度を補正する。
【0014】
本発明の他の一形態に係る画像処理装置は、濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正する、補正手段と、前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、補間手段と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、グラデーションを用いた透過画像であってもざらつき感を従来よりもを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置を含むネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像処理回路の構成の例を示す図である。
【図4】原稿画像の中の透過画像と背後画像との位置関係の例を示す図である。
【図5】透過画像の例を示す図である。
【図6】透過画像と背後画像との重なりを画素単位で表わす図である。
【図7】複数個の画素からなる孤立点の例を示す図である。
【図8】グラデーションによって表現される透過画像の例を示す図である。
【図9】透過画像調整部の構成の例を示す図である。
【図10】非重畳領域検出部の構成の例を示す図である。
【図11】透過率が高い場合および低い場合それぞれの透過画像と背後画像との重なりを画素単位で表わす図である。
【図12】濃度無画素の濃度を近隣の濃度有画素の濃度によって補間する方法の例を説明するための図である。
【図13】線形補間法によって濃度無画素の濃度を補間する例を説明するための図である。
【図14】補正後の原稿画像の例を示す図である。
【図15】透過率が50%の透過画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、画像形成装置1を含むネットワークシステムの例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。
【0018】
図1に示す画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した装置である。
【0019】
画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線3を介してパーソナルコンピュータ2などの装置と画像データのやり取りを行うこととができる。
【0020】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナ10e、印刷装置10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネル10h、モデム10i、および画像処理回路10jなどによって構成される。
【0021】
スキャナ10eは、原稿の用紙に記されている写真、文字、絵、図表などの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
【0022】
タッチパネル10hは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0023】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線3を介してパーソナルコンピュータなどの他の装置と通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0024】
モデム10iは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0025】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データに基づいて、印刷の対象の画像に含まれる各オブジェクトの画像に対して画像処理を施す。画像処理回路10jの各部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路によって実現される。画像処理回路10jの各部の処理については、後述する。
【0026】
印刷装置10fは、スキャナ10eによって読み取られた画像または画像処理回路10jによって画像処理が施された画像などを用紙に印刷する。
【0027】
ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、OS(Operating System)のほかファームウェアおよびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどが用いられる。
【0028】
次に、画像処理回路10jの構成および画像処理回路10jによる画像処理について、詳細に説明する。
【0029】
図3は、画像処理回路10jの構成の例を示す図である。図4は、原稿画像50の中の透過画像50aと背後画像50bとの位置関係の例を示す図である。図5は、透過画像50aの例を示す図である。図6は、透過画像50aと背後画像50bとの重なりを画素単位で表わす図である。図7は、複数個の画素からなる孤立点の例を示す図である。図8は、グラデーションによって表現される透過画像50aの例を示す図である。図9は、透過画像調整部101の構成の例を示す図である。図10は、非重畳領域検出部602の構成の例を示す図である。図11は、透過率が高い場合および低い場合それぞれの透過画像50aと背後画像50bとの重なりを画素単位で表わす図である。図12は、濃度無画素の濃度を近隣の濃度有画素の濃度によって補間する方法の例を説明するための図である。図13は、線形補間法によって濃度無画素の濃度を補間する例を説明するための図である。図14は、補正後の原稿画像50の例を示す図である。
【0030】
画像処理回路10jは、図3に示すように、透過画像調整部101およびエッジ強調処理部102などによって構成される。
【0031】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データ70によって再現される画像に対して画像処理を行う。以下、この画像を「原稿画像50」と記載する。
【0032】
「エッジ強調処理」とは、原稿画像50の中に含まれる文字、図表、またはイラストなどのオブジェクトの輪郭つまりエッジを強調する処理である。
【0033】
「透過画像」は、一般に、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。つまり、例えばガラスおよびセロハンなどのような半透明の物体を表わしている。例えば、図4(A)において、透過画像50aは矩形の背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。透過率が0%であれば、図4(B)に示すように、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、完全に隠れてしまい一切見えない。なお、本実施形態では、背後画像50bとして、透過画像でない画像(いわゆる非透過画像)を例に挙げて説明する。
【0034】
また、一般に、透過画像は、パーソナルコンピュータ2で表示されるときには図5(A)に示すようにすべての画素が一定以上の濃度を有していても、印刷時には、図5(B)または図5(C)に示すように一定以上の濃度を有する画素と有しない画素とによって構成されるように変換される。
【0035】
なお、図5(B)および図5(C)において、ハッチングした画素が、一定以上の濃度を有する画素である。一方、ハッチングしていない画素が、一定以上の濃度を有しない画素である。図6および図7においても、同様である。以下、一定の濃度α以上の濃度を有する画素を「濃度有画素」と記載し、濃度α未満の濃度しか有しない画素を「濃度無画素」と記載する。また、「濃度」は、原稿画像50がカラー画像である場合は各色(例えば、Red、Green、Blueそれぞれ)の階調であり、原稿画像50がモノクロ画像である場合はグレースケールである。
【0036】
濃度有画素は、決められた濃度で印刷される。一方、濃度無画素は、後ろに他の画像がなければ印刷されないが、他の画像があれば、当該他の画像の中の、この濃度無画素と同じ位置にある画素が印刷される。このようにして、図6に示すように透過画像50aの濃度無画素の位置に背後画像50bの対応する画素を印刷することによって、背後画像50bのうちの透過画像50aと重なる部分(以下、「重畳領域」と記載する。)が、透けて見えるように印刷される。透過率が高いほど、濃度有画素が出現する頻度が低い。したがって、図5(B)に示す透過画像50aのほうが図5(C)に示す透過画像50aよりも透過率が高い。
【0037】
図5(B)に示す濃度有画素は、濃度無画素によって囲まれている。一方、図5(C)に示す濃度無画素は、濃度有画素によって囲まれている。また、図7(A)に示すように、連続する複数個の濃度有画素の塊(画素群)が濃度無画素によって囲まれる場合もあれば、図7(B)に示すように、連続する複数個の濃度無画素の画素群が濃度有画素によって囲まれる場合もある。
【0038】
以下、他方のタイプの画素によって囲まれている画素および画素群を「孤立点」と記載する。したがって、図5(B)においては、濃度有画素が孤立点であり、図5(C)においては、濃度無画素が孤立点である。また、図7(A)においては、4つの隣り合う濃度有画素の画素群が孤立点であり、図7(B)においては、4つの隣り合う濃度無画素からなる画素群が孤立点である。
【0039】
また、透過画像は、グラデーションによって表現される場合がある。そして、例えば図8(A)に示すような透過画像50aは、印刷時には、図8(B)または図8(C)に示すように濃度α以上の濃度を有する画素と有しない画素とによって構成されるように変換される。
【0040】
図3の透過画像調整部101は、図9に示すように、透過画像領域検出部601、非重畳領域検出部602、非重畳孤立点抽出部603、孤立点サイズ検出部604、孤立点カウント部605、孤立点階調検出部606、孤立点周囲階調検出部607、透過率算出部608、濃度無画素補間処理部609、非重畳領域階調算出部60A、および非重畳領域階調変更部60Bなどによって構成される。このような構成により、透過画像調整部101は、原稿画像50の中の透過画像50aを調整する処理を行う。
【0041】
図9において、透過画像領域検出部601は、原稿画像50に含まれる透過画像50aを検出する。透過画像50aの位置および形状が画像データ70に示される場合は、画像データ70に基づいて透過画像50aを検出することができる。透過画像50aの位置および形状が画像データ70に示されない場合は、次のような方法で透過画像50aを検出することができる。
【0042】
まず、透過画像領域検出部601は、原稿画像50の中から孤立点を次のように検出する。ある1つの画素に注目する。以下、この画素を「注目画素」と記載する。注目画素の濃度(階調)と、注目画素に隣接する他の画素(以下、「隣接画素」と記載する。)それぞれの濃度とを比較する。そして、注目画素の濃度と当該他の画素それぞれの濃度との差がすべて所定の値D1以上であるという要件を満たす場合は、注目画素を孤立点として検出する。なお、原稿画像50がカラー画像である場合は、この比較を各色それぞれについて独立して行う。そして、いずれか1つでも要件を満たす場合は、注目画素を孤立点として検出する。以下、原稿画像50がカラー画像である場合における要件の具備の判断において、同様である。
【0043】
また、透過画像領域検出部601は、2個以上所定の個数(例えば、9個)以下の、互いの濃度の差が所定の値D2以下である(つまり、互いの濃度がほぼ等しい)連続する画素に注目する。以下、これらの画素を「注目画素群」と記載する。注目画素群の濃度(階調)と、注目画素群の隣接画素それぞれの濃度とを比較する。そして、注目画素群の濃度と当該他の画素それぞれの濃度との差がすべて所定の値D3以上である場合は、注目画素群を孤立点として検出する。
【0044】
ところで、図5(B)、図5(C)、図7(A)、および図7(B)に示したように、透過画像の孤立点の出現には、一定の周期性(規則性)がある。そこで、透過画像領域検出部601は、検出した孤立点のうちの、出現の仕方に周期性がある複数の孤立点を抽出する。
【0045】
そして、透過画像領域検出部601は、抽出した複数の孤立点の分布を表す画像(以下、「分布画像」と記載する。)に対してクロージングの処理を行う。つまり、各孤立点の位置にあるドットを拡張(膨張)させ縮小(収縮)させる処理を行う。クロージングの処理がなされた分布画像の位置および形状が、透過画像50aの位置および形状に対応する。
【0046】
透過画像領域検出部601は、このようにして透過画像50aの位置および形状を算出し、原稿画像50から透過画像50aを検出する。
【0047】
非重畳領域検出部602は、透過画像領域検出部601によって検出された透過画像50aの中から背後画像50bとは重なっていない領域である非重畳領域50hを検出する。
【0048】
透過画像50aの位置および形状だけでなく背後画像50bの位置および形状も画像データ70に示される場合は、非重畳領域検出部602は、画像データ70に基づいて非重畳領域50hを検出することができる。背後画像50bの位置および形状が示されない場合は、次のような方法で非重畳領域50hを検出する。
【0049】
非重畳領域検出部602は、図10に示すように、第一の重畳画素判別部621、第二の重畳画素判別部622、およびクロージング処理部623などによって構成される。
【0050】
第一の重畳画素判別部621は、各孤立点が透過画像50aと背後画像50bとの重なる領域(重畳領域)に位置するのか否かを判別する。特に、第一の重畳画素判別部621は、透過画像50aの孤立点が図11(A)に示すように濃度有画素からなる場合を想定して、次のように判別を行う。
【0051】
第一の重畳画素判別部621は、孤立点の隣接画素の濃度をチェックする。そして、濃度が所定の値D4以上である隣接画素の少なくとも1つと隣接する場合は、その孤立点が重畳領域に位置すると、判別する。そうでない場合は、その孤立点が重畳領域には位置しないと、判別する。
【0052】
第二の重畳画素判別部622も、各孤立点が重畳領域に位置するのか否かを判別する。ただし、第二の重畳画素判別部622は、透過画像50aの孤立点が図11(B)に示すように濃度無画素からなる場合を想定して、次のように判別を行う。
【0053】
第二の重畳画素判別部622は、各孤立点の濃度をチェックする。そして、濃度が所定の値D5以上である孤立点については、重畳領域に位置すると判別する。そうでない孤立点については、重畳領域には位置しないと、判別する。
【0054】
クロージング処理部623は、重畳領域に位置すると第一の重畳画素判別部621および第二の重畳画素判別部622のいずれによっても判別されなかった孤立点の分布を表す画像(分布画像)に対してクロージングの処理を行う。そして、クロージングの処理がなされた分布画像の位置および形状が、非重畳領域50hの位置および形状に対応する。
【0055】
図9に戻って、非重畳孤立点抽出部603は、非重畳領域50hに位置する孤立点を抽出する。以下、非重畳孤立点抽出部603によって抽出された孤立点を「非重畳孤立点」と記載する。
【0056】
孤立点サイズ検出部604は、非重畳孤立点のサイズを検出する。本実施形態では、非重畳孤立点のサイズは、非重畳孤立点を構成する画素の個数によって表される。
【0057】
孤立点カウント部605は、非重畳孤立点の個数をカウントする。孤立点階調検出部606は、非重畳孤立点の階調つまり濃度を検出する。
【0058】
孤立点周囲階調検出部607は、非重畳孤立点に隣接する画素つまり非重畳孤立点の周囲の画素の階調を検出する。
【0059】
透過率算出部608は、非重畳領域検出部602によって検出された非重畳領域50hの透過率Rtを、孤立点が濃度有画素であれば次の(1_1)式によって算出し、孤立点が濃度無画素であれば次の(1_2)式によって算出する。
Rt=1−Sk×Nk/Sh …… (1_1)
Rt=Sk×Nk/Sh …… (1_2)
ただし、「Sk」は、孤立点サイズ検出部604によって検出されたサイズである。「Nk」は、孤立点カウント部605によってカウントされた個数である。「Sh」は、非重畳領域50hのサイズである。
【0060】
濃度無画素補間処理部609は、非重畳領域50hの中の濃度無画素の濃度(階調)を濃度有画素の濃度によって次のように補間する。
【0061】
例えば、図12(A)のように濃度無画素P22の上下左右それぞれに濃度有画素P12、P21、P23、P32が隣接している場合は、4つの濃度有画素P12、P21、P23、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度(階調)として補間する。図12(B)のように濃度無画素P22の左上、左下、右上、および右下にも濃度有画素が位置する場合も、濃度有画素P12、P21、P23、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0062】
または、図12(C)のように濃度無画素P22の上下にのみ濃度有画素P12、P32が隣接する場合は、2つの濃度有画素P12、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0063】
または、図12(D)のように濃度無画素P22の左上、左下、右上、および右下のそれぞれに濃度有画素P11、P31、P13、P33が位置する場合は、濃度有画素P11、P31、P13、P33の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0064】
または、次のように補間を行ってもよい。濃度有画素からなる孤立点の出現の周期性および濃度の変化に基づいて、濃度有画素からなる2つの孤立点を結ぶ直線上に位置する濃度無画素それぞれの濃度を線形補間する。例えば、図13(A)のように濃度有画素P22と濃度有画素P27とを結ぶ直線上の各濃度無画素の濃度を、濃度有画素P22および濃度有画素P27それぞれと各濃度無画素との距離と、濃度有画素P22および濃度有画素P27それぞれの濃度とに基づいて、線形補間を行うことによって、算出する。これにより図13(B)のように各濃度無画素の濃度が補間される。濃度有画素P72と濃度有画素P77とを結ぶ直線上の各濃度無画素の濃度についても、同様に補間する。そして、補間による結果をさらに用いて、これらの直線とは異なる方向についても同様に、濃度無画素の濃度の補間を行う。つまり、例えばこれらの直線と直交する方向に並ぶ濃度無画素についても、濃度を線形補間する。このようにして、図13(C)に示すようにすべての濃度無画素の濃度が補間される。
【0065】
以下、濃度無画素補間処理部609によって非重畳領域50hに対して処理がなされた後の、非重畳領域50hの座標(x,y)の画素の濃度をDf(x,y)と記載する。
【0066】
図9に戻って、非重畳領域階調算出部60Aは、非重畳領域50hを構成する各画素の濃度(階調)を、孤立点が濃度有画素であれば次の(2_1)式によって算出し、孤立点が濃度無画素であれば次の(2_2)式によって算出する。
Dh(x,y)=Df(x,y)×(1−Rt) …… (2_1)
Dh(x,y)=Df(x,y)×Rt …… (2_2)
なお、(2_1)式および(2_2)式で算出される濃度Dh(x,y)は、濃度無画素の濃度が0である場合のものである。濃度無画素の濃度が0を超えている場合(ただし、濃度Da未満。)は、(2_1)式の代わりに(3_1)式によって濃度Dh(x,y)を決定し、(2_2)式の代わりに(3_2)式によって濃度Dh(x,y)を決定してもよい。
Dh(x,y)=Df(x,y)×(1−Rt)+Ds×Rt …… (3_1)
Dh(x,y)=Df(x,y)×Rt+Dk×(1−Rt) …… (3_2)
ただし、「Dk」は、孤立点階調検出部606によって検出された濃度である。「Ds」は、孤立点周囲階調検出部607によって検出された濃度である。
【0067】
非重畳領域階調変更部60Bは、原稿画像50の中の非重畳領域50hの各画素の濃度を、非重畳領域階調算出部60Aによって各座標について決定した濃度Dhに変更する。つまり、例えば、座標(s,t)に位置する画素の濃度をDh(s,t)に変更する。
以下、変更後の原稿画像50を「原稿画像51」と記載する。
【0068】
図3のエッジ強調処理部102は、原稿画像51の中の各オブジェクトの端部に対してエッジ強調処理を施す。ただし、非重畳領域50hの端部(エッジ)は、エッジ強調処理の対象から除外される。以下、エッジ強調処理が施された原稿画像51を「エッジ強調画像52」と記載する。そして、印刷装置10fは、エッジ強調画像52を用紙に印刷する。
【0069】
以上のようにして原稿画像50を補正することによって、図14(A)に示すようなエッジ強調画像52の印刷物が得られる。非重畳領域50hだけでなく透過画像50a全体をエッジ強調処理の対象から除外してもよい。この場合は、図14(B)に示すようなエッジ強調画像52の印刷物が得られる。
【0070】
本実施形態によると、グラデーションを用いて表わされる透過画像であっても、従来よりもざらつき感を抑えて印刷することができる。
【0071】
本実施形態では、原稿画像50に対する画像処理を画像処理回路10jによって行ったが、画像処理回路10jの機能の一部または全部を、プログラムをCPU10aに実行させることによって、実現してもよい。この場合は、図3、図9、および図10に示した各処理の手順を記述したプログラムを用意し、そのプログラムをCPU10aに実行させればよい。
【0072】
図15は、透過率が50%の透過画像50aの例を示す図である。透過画像50aの透過率が0.5前後である場合は、濃度有画素からなる孤立点および濃度無画素からなる孤立点の両方が出現することがある。例えば、図15に示す透過画像50aの画素は、すべて、孤立点である。このようなときは、いずれか一方のみを孤立点として取り扱い、もう一方を孤立点とみなさずに処理を行えばよい。例えば、透過画像50aの透過率が0.5以上である場合は、濃度有画素からなる孤立点のみを孤立点として取り扱い、0.5未満である場合は、濃度無画素からなる孤立点のみを孤立点として取り扱えばよい。
【0073】
本実施形態では、濃度無画素の濃度の補間を行った後に(1−透過率Rt)を掛けることによって透過画像50aの補正を行ったが、先に濃度有画素の濃度を、(1−透過率Rt)を掛けることによって補正し、濃度有画素の補正後の濃度を用いて濃度無画素の濃度の補間を行ってもよい。
【0074】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過画像に対して画像処理を行う装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、PCプリント、スキャン、ファックス、およびファイルサーバなどの様々な機能を備えた画像形成装置が普及している。このような画像形成装置は、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる。
【0003】
PCプリントは、パーソナルコンピュータから画像データを受信し画像を用紙に印刷する機能である。
【0004】
また、近年、パーソナルコンピュータで描画を行うためのアプリケーションが流通している。このようなアプリケーションは、「描画ソフト」と呼ばれている。描画ソフトの中には、透過画像をディスプレイに表示する機能が備わっているものがある。
【0005】
「透過画像」は、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。例えば、図4(A)において、透過画像50aは背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。つまり、透過画像は、半透明の画像であると、言える。
【0006】
画像形成装置は、パーソナルコンピュータに表示されている透過画像を用紙に印刷することができる。印刷されるまでに透過画像は、透過率の高さに応じて、図5(B)および図5(C)に示すように、画素の間引きの処理が施される。そして、間引かれた画素の位置に、透過画像の後ろにある他の画像が印刷される。これにより、当該他の画像が透けて表れているように見える。
【0007】
また、透過画像を含む画像の、スクリーン処理後の色味変化などを抑える方法が提案されている。例えば、半透明対象となるPDLデータ上に半透明オブジェクトを重ねて、半透明画像データを生成する。次いで、半透明画像データに対して、ディザ処理によりスクリーン処理を行う。次いで、スクリーン処理された半透明画像データを印刷用の画像データとするか否かを判断する。印刷用の画像データとしないと判断される場合、半透明オブジェクトの中間調値を現在の値よりも大きくなるように変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−110427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通り、印刷される透過画像は、画素が間引かれて格子状になる。したがって、ディスプレイに表示されているときよりも、ざらつき感が表れてしまう。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑み、従来よりも透過画像のざらつき感を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係る画像処理装置は、濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、補間手段と、前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する補正手段と、を有する。
【0012】
好ましくは、前記補正手段は、前記濃度有画素の濃度に1から前記透過率を減じた値を掛け、前記濃度無画素の補間後の濃度に当該値を掛けることによって、前記透過画像を構成する各画素の濃度を補正する。
【0013】
または、前記補正手段は、前記透過画像の中の、他のオブジェクトの画像と重ならない領域についてのみ濃度を補正する。
【0014】
本発明の他の一形態に係る画像処理装置は、濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正する、補正手段と、前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、補間手段と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、グラデーションを用いた透過画像であってもざらつき感を従来よりもを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置を含むネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像処理回路の構成の例を示す図である。
【図4】原稿画像の中の透過画像と背後画像との位置関係の例を示す図である。
【図5】透過画像の例を示す図である。
【図6】透過画像と背後画像との重なりを画素単位で表わす図である。
【図7】複数個の画素からなる孤立点の例を示す図である。
【図8】グラデーションによって表現される透過画像の例を示す図である。
【図9】透過画像調整部の構成の例を示す図である。
【図10】非重畳領域検出部の構成の例を示す図である。
【図11】透過率が高い場合および低い場合それぞれの透過画像と背後画像との重なりを画素単位で表わす図である。
【図12】濃度無画素の濃度を近隣の濃度有画素の濃度によって補間する方法の例を説明するための図である。
【図13】線形補間法によって濃度無画素の濃度を補間する例を説明するための図である。
【図14】補正後の原稿画像の例を示す図である。
【図15】透過率が50%の透過画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、画像形成装置1を含むネットワークシステムの例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。
【0018】
図1に示す画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した装置である。
【0019】
画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線3を介してパーソナルコンピュータ2などの装置と画像データのやり取りを行うこととができる。
【0020】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナ10e、印刷装置10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネル10h、モデム10i、および画像処理回路10jなどによって構成される。
【0021】
スキャナ10eは、原稿の用紙に記されている写真、文字、絵、図表などの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
【0022】
タッチパネル10hは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0023】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線3を介してパーソナルコンピュータなどの他の装置と通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0024】
モデム10iは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0025】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データに基づいて、印刷の対象の画像に含まれる各オブジェクトの画像に対して画像処理を施す。画像処理回路10jの各部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路によって実現される。画像処理回路10jの各部の処理については、後述する。
【0026】
印刷装置10fは、スキャナ10eによって読み取られた画像または画像処理回路10jによって画像処理が施された画像などを用紙に印刷する。
【0027】
ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、OS(Operating System)のほかファームウェアおよびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどが用いられる。
【0028】
次に、画像処理回路10jの構成および画像処理回路10jによる画像処理について、詳細に説明する。
【0029】
図3は、画像処理回路10jの構成の例を示す図である。図4は、原稿画像50の中の透過画像50aと背後画像50bとの位置関係の例を示す図である。図5は、透過画像50aの例を示す図である。図6は、透過画像50aと背後画像50bとの重なりを画素単位で表わす図である。図7は、複数個の画素からなる孤立点の例を示す図である。図8は、グラデーションによって表現される透過画像50aの例を示す図である。図9は、透過画像調整部101の構成の例を示す図である。図10は、非重畳領域検出部602の構成の例を示す図である。図11は、透過率が高い場合および低い場合それぞれの透過画像50aと背後画像50bとの重なりを画素単位で表わす図である。図12は、濃度無画素の濃度を近隣の濃度有画素の濃度によって補間する方法の例を説明するための図である。図13は、線形補間法によって濃度無画素の濃度を補間する例を説明するための図である。図14は、補正後の原稿画像50の例を示す図である。
【0030】
画像処理回路10jは、図3に示すように、透過画像調整部101およびエッジ強調処理部102などによって構成される。
【0031】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データ70によって再現される画像に対して画像処理を行う。以下、この画像を「原稿画像50」と記載する。
【0032】
「エッジ強調処理」とは、原稿画像50の中に含まれる文字、図表、またはイラストなどのオブジェクトの輪郭つまりエッジを強調する処理である。
【0033】
「透過画像」は、一般に、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。つまり、例えばガラスおよびセロハンなどのような半透明の物体を表わしている。例えば、図4(A)において、透過画像50aは矩形の背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。透過率が0%であれば、図4(B)に示すように、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、完全に隠れてしまい一切見えない。なお、本実施形態では、背後画像50bとして、透過画像でない画像(いわゆる非透過画像)を例に挙げて説明する。
【0034】
また、一般に、透過画像は、パーソナルコンピュータ2で表示されるときには図5(A)に示すようにすべての画素が一定以上の濃度を有していても、印刷時には、図5(B)または図5(C)に示すように一定以上の濃度を有する画素と有しない画素とによって構成されるように変換される。
【0035】
なお、図5(B)および図5(C)において、ハッチングした画素が、一定以上の濃度を有する画素である。一方、ハッチングしていない画素が、一定以上の濃度を有しない画素である。図6および図7においても、同様である。以下、一定の濃度α以上の濃度を有する画素を「濃度有画素」と記載し、濃度α未満の濃度しか有しない画素を「濃度無画素」と記載する。また、「濃度」は、原稿画像50がカラー画像である場合は各色(例えば、Red、Green、Blueそれぞれ)の階調であり、原稿画像50がモノクロ画像である場合はグレースケールである。
【0036】
濃度有画素は、決められた濃度で印刷される。一方、濃度無画素は、後ろに他の画像がなければ印刷されないが、他の画像があれば、当該他の画像の中の、この濃度無画素と同じ位置にある画素が印刷される。このようにして、図6に示すように透過画像50aの濃度無画素の位置に背後画像50bの対応する画素を印刷することによって、背後画像50bのうちの透過画像50aと重なる部分(以下、「重畳領域」と記載する。)が、透けて見えるように印刷される。透過率が高いほど、濃度有画素が出現する頻度が低い。したがって、図5(B)に示す透過画像50aのほうが図5(C)に示す透過画像50aよりも透過率が高い。
【0037】
図5(B)に示す濃度有画素は、濃度無画素によって囲まれている。一方、図5(C)に示す濃度無画素は、濃度有画素によって囲まれている。また、図7(A)に示すように、連続する複数個の濃度有画素の塊(画素群)が濃度無画素によって囲まれる場合もあれば、図7(B)に示すように、連続する複数個の濃度無画素の画素群が濃度有画素によって囲まれる場合もある。
【0038】
以下、他方のタイプの画素によって囲まれている画素および画素群を「孤立点」と記載する。したがって、図5(B)においては、濃度有画素が孤立点であり、図5(C)においては、濃度無画素が孤立点である。また、図7(A)においては、4つの隣り合う濃度有画素の画素群が孤立点であり、図7(B)においては、4つの隣り合う濃度無画素からなる画素群が孤立点である。
【0039】
また、透過画像は、グラデーションによって表現される場合がある。そして、例えば図8(A)に示すような透過画像50aは、印刷時には、図8(B)または図8(C)に示すように濃度α以上の濃度を有する画素と有しない画素とによって構成されるように変換される。
【0040】
図3の透過画像調整部101は、図9に示すように、透過画像領域検出部601、非重畳領域検出部602、非重畳孤立点抽出部603、孤立点サイズ検出部604、孤立点カウント部605、孤立点階調検出部606、孤立点周囲階調検出部607、透過率算出部608、濃度無画素補間処理部609、非重畳領域階調算出部60A、および非重畳領域階調変更部60Bなどによって構成される。このような構成により、透過画像調整部101は、原稿画像50の中の透過画像50aを調整する処理を行う。
【0041】
図9において、透過画像領域検出部601は、原稿画像50に含まれる透過画像50aを検出する。透過画像50aの位置および形状が画像データ70に示される場合は、画像データ70に基づいて透過画像50aを検出することができる。透過画像50aの位置および形状が画像データ70に示されない場合は、次のような方法で透過画像50aを検出することができる。
【0042】
まず、透過画像領域検出部601は、原稿画像50の中から孤立点を次のように検出する。ある1つの画素に注目する。以下、この画素を「注目画素」と記載する。注目画素の濃度(階調)と、注目画素に隣接する他の画素(以下、「隣接画素」と記載する。)それぞれの濃度とを比較する。そして、注目画素の濃度と当該他の画素それぞれの濃度との差がすべて所定の値D1以上であるという要件を満たす場合は、注目画素を孤立点として検出する。なお、原稿画像50がカラー画像である場合は、この比較を各色それぞれについて独立して行う。そして、いずれか1つでも要件を満たす場合は、注目画素を孤立点として検出する。以下、原稿画像50がカラー画像である場合における要件の具備の判断において、同様である。
【0043】
また、透過画像領域検出部601は、2個以上所定の個数(例えば、9個)以下の、互いの濃度の差が所定の値D2以下である(つまり、互いの濃度がほぼ等しい)連続する画素に注目する。以下、これらの画素を「注目画素群」と記載する。注目画素群の濃度(階調)と、注目画素群の隣接画素それぞれの濃度とを比較する。そして、注目画素群の濃度と当該他の画素それぞれの濃度との差がすべて所定の値D3以上である場合は、注目画素群を孤立点として検出する。
【0044】
ところで、図5(B)、図5(C)、図7(A)、および図7(B)に示したように、透過画像の孤立点の出現には、一定の周期性(規則性)がある。そこで、透過画像領域検出部601は、検出した孤立点のうちの、出現の仕方に周期性がある複数の孤立点を抽出する。
【0045】
そして、透過画像領域検出部601は、抽出した複数の孤立点の分布を表す画像(以下、「分布画像」と記載する。)に対してクロージングの処理を行う。つまり、各孤立点の位置にあるドットを拡張(膨張)させ縮小(収縮)させる処理を行う。クロージングの処理がなされた分布画像の位置および形状が、透過画像50aの位置および形状に対応する。
【0046】
透過画像領域検出部601は、このようにして透過画像50aの位置および形状を算出し、原稿画像50から透過画像50aを検出する。
【0047】
非重畳領域検出部602は、透過画像領域検出部601によって検出された透過画像50aの中から背後画像50bとは重なっていない領域である非重畳領域50hを検出する。
【0048】
透過画像50aの位置および形状だけでなく背後画像50bの位置および形状も画像データ70に示される場合は、非重畳領域検出部602は、画像データ70に基づいて非重畳領域50hを検出することができる。背後画像50bの位置および形状が示されない場合は、次のような方法で非重畳領域50hを検出する。
【0049】
非重畳領域検出部602は、図10に示すように、第一の重畳画素判別部621、第二の重畳画素判別部622、およびクロージング処理部623などによって構成される。
【0050】
第一の重畳画素判別部621は、各孤立点が透過画像50aと背後画像50bとの重なる領域(重畳領域)に位置するのか否かを判別する。特に、第一の重畳画素判別部621は、透過画像50aの孤立点が図11(A)に示すように濃度有画素からなる場合を想定して、次のように判別を行う。
【0051】
第一の重畳画素判別部621は、孤立点の隣接画素の濃度をチェックする。そして、濃度が所定の値D4以上である隣接画素の少なくとも1つと隣接する場合は、その孤立点が重畳領域に位置すると、判別する。そうでない場合は、その孤立点が重畳領域には位置しないと、判別する。
【0052】
第二の重畳画素判別部622も、各孤立点が重畳領域に位置するのか否かを判別する。ただし、第二の重畳画素判別部622は、透過画像50aの孤立点が図11(B)に示すように濃度無画素からなる場合を想定して、次のように判別を行う。
【0053】
第二の重畳画素判別部622は、各孤立点の濃度をチェックする。そして、濃度が所定の値D5以上である孤立点については、重畳領域に位置すると判別する。そうでない孤立点については、重畳領域には位置しないと、判別する。
【0054】
クロージング処理部623は、重畳領域に位置すると第一の重畳画素判別部621および第二の重畳画素判別部622のいずれによっても判別されなかった孤立点の分布を表す画像(分布画像)に対してクロージングの処理を行う。そして、クロージングの処理がなされた分布画像の位置および形状が、非重畳領域50hの位置および形状に対応する。
【0055】
図9に戻って、非重畳孤立点抽出部603は、非重畳領域50hに位置する孤立点を抽出する。以下、非重畳孤立点抽出部603によって抽出された孤立点を「非重畳孤立点」と記載する。
【0056】
孤立点サイズ検出部604は、非重畳孤立点のサイズを検出する。本実施形態では、非重畳孤立点のサイズは、非重畳孤立点を構成する画素の個数によって表される。
【0057】
孤立点カウント部605は、非重畳孤立点の個数をカウントする。孤立点階調検出部606は、非重畳孤立点の階調つまり濃度を検出する。
【0058】
孤立点周囲階調検出部607は、非重畳孤立点に隣接する画素つまり非重畳孤立点の周囲の画素の階調を検出する。
【0059】
透過率算出部608は、非重畳領域検出部602によって検出された非重畳領域50hの透過率Rtを、孤立点が濃度有画素であれば次の(1_1)式によって算出し、孤立点が濃度無画素であれば次の(1_2)式によって算出する。
Rt=1−Sk×Nk/Sh …… (1_1)
Rt=Sk×Nk/Sh …… (1_2)
ただし、「Sk」は、孤立点サイズ検出部604によって検出されたサイズである。「Nk」は、孤立点カウント部605によってカウントされた個数である。「Sh」は、非重畳領域50hのサイズである。
【0060】
濃度無画素補間処理部609は、非重畳領域50hの中の濃度無画素の濃度(階調)を濃度有画素の濃度によって次のように補間する。
【0061】
例えば、図12(A)のように濃度無画素P22の上下左右それぞれに濃度有画素P12、P21、P23、P32が隣接している場合は、4つの濃度有画素P12、P21、P23、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度(階調)として補間する。図12(B)のように濃度無画素P22の左上、左下、右上、および右下にも濃度有画素が位置する場合も、濃度有画素P12、P21、P23、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0062】
または、図12(C)のように濃度無画素P22の上下にのみ濃度有画素P12、P32が隣接する場合は、2つの濃度有画素P12、P32の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0063】
または、図12(D)のように濃度無画素P22の左上、左下、右上、および右下のそれぞれに濃度有画素P11、P31、P13、P33が位置する場合は、濃度有画素P11、P31、P13、P33の濃度の平均値を濃度無画素P22の濃度として補間する。
【0064】
または、次のように補間を行ってもよい。濃度有画素からなる孤立点の出現の周期性および濃度の変化に基づいて、濃度有画素からなる2つの孤立点を結ぶ直線上に位置する濃度無画素それぞれの濃度を線形補間する。例えば、図13(A)のように濃度有画素P22と濃度有画素P27とを結ぶ直線上の各濃度無画素の濃度を、濃度有画素P22および濃度有画素P27それぞれと各濃度無画素との距離と、濃度有画素P22および濃度有画素P27それぞれの濃度とに基づいて、線形補間を行うことによって、算出する。これにより図13(B)のように各濃度無画素の濃度が補間される。濃度有画素P72と濃度有画素P77とを結ぶ直線上の各濃度無画素の濃度についても、同様に補間する。そして、補間による結果をさらに用いて、これらの直線とは異なる方向についても同様に、濃度無画素の濃度の補間を行う。つまり、例えばこれらの直線と直交する方向に並ぶ濃度無画素についても、濃度を線形補間する。このようにして、図13(C)に示すようにすべての濃度無画素の濃度が補間される。
【0065】
以下、濃度無画素補間処理部609によって非重畳領域50hに対して処理がなされた後の、非重畳領域50hの座標(x,y)の画素の濃度をDf(x,y)と記載する。
【0066】
図9に戻って、非重畳領域階調算出部60Aは、非重畳領域50hを構成する各画素の濃度(階調)を、孤立点が濃度有画素であれば次の(2_1)式によって算出し、孤立点が濃度無画素であれば次の(2_2)式によって算出する。
Dh(x,y)=Df(x,y)×(1−Rt) …… (2_1)
Dh(x,y)=Df(x,y)×Rt …… (2_2)
なお、(2_1)式および(2_2)式で算出される濃度Dh(x,y)は、濃度無画素の濃度が0である場合のものである。濃度無画素の濃度が0を超えている場合(ただし、濃度Da未満。)は、(2_1)式の代わりに(3_1)式によって濃度Dh(x,y)を決定し、(2_2)式の代わりに(3_2)式によって濃度Dh(x,y)を決定してもよい。
Dh(x,y)=Df(x,y)×(1−Rt)+Ds×Rt …… (3_1)
Dh(x,y)=Df(x,y)×Rt+Dk×(1−Rt) …… (3_2)
ただし、「Dk」は、孤立点階調検出部606によって検出された濃度である。「Ds」は、孤立点周囲階調検出部607によって検出された濃度である。
【0067】
非重畳領域階調変更部60Bは、原稿画像50の中の非重畳領域50hの各画素の濃度を、非重畳領域階調算出部60Aによって各座標について決定した濃度Dhに変更する。つまり、例えば、座標(s,t)に位置する画素の濃度をDh(s,t)に変更する。
以下、変更後の原稿画像50を「原稿画像51」と記載する。
【0068】
図3のエッジ強調処理部102は、原稿画像51の中の各オブジェクトの端部に対してエッジ強調処理を施す。ただし、非重畳領域50hの端部(エッジ)は、エッジ強調処理の対象から除外される。以下、エッジ強調処理が施された原稿画像51を「エッジ強調画像52」と記載する。そして、印刷装置10fは、エッジ強調画像52を用紙に印刷する。
【0069】
以上のようにして原稿画像50を補正することによって、図14(A)に示すようなエッジ強調画像52の印刷物が得られる。非重畳領域50hだけでなく透過画像50a全体をエッジ強調処理の対象から除外してもよい。この場合は、図14(B)に示すようなエッジ強調画像52の印刷物が得られる。
【0070】
本実施形態によると、グラデーションを用いて表わされる透過画像であっても、従来よりもざらつき感を抑えて印刷することができる。
【0071】
本実施形態では、原稿画像50に対する画像処理を画像処理回路10jによって行ったが、画像処理回路10jの機能の一部または全部を、プログラムをCPU10aに実行させることによって、実現してもよい。この場合は、図3、図9、および図10に示した各処理の手順を記述したプログラムを用意し、そのプログラムをCPU10aに実行させればよい。
【0072】
図15は、透過率が50%の透過画像50aの例を示す図である。透過画像50aの透過率が0.5前後である場合は、濃度有画素からなる孤立点および濃度無画素からなる孤立点の両方が出現することがある。例えば、図15に示す透過画像50aの画素は、すべて、孤立点である。このようなときは、いずれか一方のみを孤立点として取り扱い、もう一方を孤立点とみなさずに処理を行えばよい。例えば、透過画像50aの透過率が0.5以上である場合は、濃度有画素からなる孤立点のみを孤立点として取り扱い、0.5未満である場合は、濃度無画素からなる孤立点のみを孤立点として取り扱えばよい。
【0073】
本実施形態では、濃度無画素の濃度の補間を行った後に(1−透過率Rt)を掛けることによって透過画像50aの補正を行ったが、先に濃度有画素の濃度を、(1−透過率Rt)を掛けることによって補正し、濃度有画素の補正後の濃度を用いて濃度無画素の濃度の補間を行ってもよい。
【0074】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、
前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、補間手段と、
前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する補正手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記濃度有画素の濃度に1から前記透過率を減じた値を掛け、前記濃度無画素の補間後の濃度に当該値を掛けることによって、前記透過画像を構成する各画素の濃度を補正する、
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記透過画像の中の、他のオブジェクトの画像と重ならない領域についてのみ濃度を補正する、
請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、
前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正する、補正手段と、
前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、補間手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対する画像処理方法であって、
前記透過画像の透過率を検出し、
前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間し、
前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対する画像処理方法であって、
前記透過画像の透過率を検出し、
前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正し、
前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、
前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間する、補間手段と、
前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する補正手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記濃度有画素の濃度に1から前記透過率を減じた値を掛け、前記濃度無画素の補間後の濃度に当該値を掛けることによって、前記透過画像を構成する各画素の濃度を補正する、
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記透過画像の中の、他のオブジェクトの画像と重ならない領域についてのみ濃度を補正する、
請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
前記透過画像の透過率を検出する透過率検出手段と、
前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正する、補正手段と、
前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、補間手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対する画像処理方法であって、
前記透過画像の透過率を検出し、
前記透過画像の中の濃度が所定の値未満である濃度無画素の濃度を、濃度が当該所定の値以上である濃度有画素の濃度によって補間し、
前記透過画像を構成する各画素の濃度を前記濃度有画素の濃度、前記濃度無画素の補間後の濃度、および前記透過率に基づいて補正する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
濃淡の変化を有しかつ半透明なオブジェクトを表わす透過画像に対する画像処理方法であって、
前記透過画像の透過率を検出し、
前記透過画像の中の濃度が所定の値以上である濃度有画素の濃度を、1から前記透過率を減じた値を掛けることによって補正し、
前記透過画像の中の濃度が前記所定の値未満である濃度無画素の濃度を、前記濃度有画素の補正後の濃度によって補間する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−239323(P2011−239323A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110923(P2010−110923)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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