説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】画像出力時に拡大を行うと、入力画像に含まれない高周波成分によりジャギーが発生し、画質が劣化する場合がある。さらに、拡大処理とMTF補正処理は別処理として実行されるため相応の処理時間がかかる。
【解決手段】画像拡大部10で画像出力装置3の出力解像度に応じた拡大を行い、解像度補正フィルタ算出部11で拡大前の画像データの周波数特性を保存するような解像度補正フィルタを算出する。これにより、オリジナル画像の入力解像度までの周波数特性を忠実に再現し、画像拡大時に発生する不要な高周波成分(ジャギー)が除去される。さらに、解像度補正フィルタに対し、フィルタ合成部13でMTF補正フィルタを合成することで、画像拡大に伴うジャギー除去とMTF補正処理を一括して行うことが可能であり、処理の高速化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の変倍に起因する画質劣化に対する補正を行なう画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴って、プリンタ等の画像出力装置でデジタル画像データを出力する機会が増えている。この時、デジタル画像データの解像度(画像解像度)と、画像出力装置の入力解像度が異なる場合、画像解像度に対して変換を施す必要がある。例えば、画像出力装置に対し、その入力解像度よりも低解像度な画像データが入力された場合、画像解像度の変換(拡大処理)を行い、変換後の画像データを画像出力装置より出力する。画像解像度の一般的な拡大処理としては、拡大時に不足する画素を、以下のような方法により補間する。まず、最近傍の画素で補間するニアレストネイバー、または周囲4近傍の画素を利用して補間するバイリニア、または周囲16近傍の画素を利用して3次関数を用いて補間するバイキュービック、等がある。
【0003】
また、一般に画像出力装置においては、その周波数特性であるMTF(Modulation Transfer Function)によって画像の周波数特性に変調が生じ、画質が劣化してしまう。したがって、画像出力装置に対しては上記解像度変換とは別の処理として、MTF補正処理(エッジ強調処理)が施される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで図10に、MTF特性の一例を示す。画像出力装置に対する一般的なMTF補正処理としては、画像出力装置のMTF特性の逆関数である逆フィルタを算出し、入力画像に対して逆フィルタ処理をかけ、逆フィルタ処理後の画像を画像出力装置に入力することによって行われる。図11に、画像出力装置に対する一般的なMTF補正処理の一例を示す。図11によればすなわち、画像出力装置のMTF特性P(u,v)の逆関数として逆フィルタI(u,v)を算出し、これを入力画像F(u,v)に乗じた画像G(u,v)を、画像出力装置へ入力する。その結果、画像処理装置から出力された画像H(u,v)には、画像出力装置のMTF特性P(u,v)による劣化が生じるが、該劣化分は逆フィルタI(u,v)によって予め上乗せされているため、結果として入力画像F(u,v)と同等の画像が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−112795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像出力装置における拡大処理として、上述したニアレストネイバーやバイキュービック等の補間処理を行った場合、入力画像に含まれない高周波成分が生じてしまう場合がある。すると、拡大後の画像においてジャギーが発生したり画像がぼやける等、画質が劣化してしまう。
【0007】
また、拡大に伴う補間処理と、MTF補正処理とはそれぞれ別処理として実行されるため、相応の処理時間がかかってしまう。
【0008】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、以下の機能を実現する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。すなわち、画像拡大時に発生する不要な高周波成分を除去し、画質劣化を抑制する。さらに、画像拡大に伴う不要な高周波成分の除去とMTF補正とを一括処理することによって、処理時間を短縮する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0010】
すなわち、画像出力装置の出力解像度よりも低解像度である画像データを拡大して、該画像出力装置へ出力する画像処理装置であって、前記画像データを前記出力解像度に応じて拡大し、拡大画像データを得る画像拡大手段と、前記拡大画像データの周波数特性を前記画像データの周波数特性に略一致させるように、解像度補正フィルタを算出する解像度補正フィルタ算出手段と、前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正して、補正画像データを得る解像度補正手段と、を有し、前記補正画像データを前記画像出力装置へ出力することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記画像出力装置のMTF特性に基づくMTF補正フィルタを取得するMTF補正フィルタ取得手段と、前記解像度補正フィルタに前記MTF補正フィルタを合成するフィルタ合成手段と、を有し、前記解像度補正手段は、前記MTF補正フィルタが合成された前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記構成からなる本発明によれば、画像拡大時に発生する不要な高周波成分を除去し、画質劣化を抑制することができる。さらに、画像拡大に伴う不要な高周波成分の除去とMTF補正とを一括処理することによって、処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態における画像処理システムの構成を示すブロック図、
【図2】第1実施形態における画像出力処理を示すフローチャート、
【図3】第1実施形態における解像度補正フィルタ算出処理を示すフローチャート、
【図4】第1実施形態における入力画像と拡大画像の周波数特性例を示す図、
【図5】第1実施形態における解像度補正フィルタ例を示す図、
【図6】第1実施形態におけるMTF補正フィルタ例を示す図、
【図7】第1実施形態における合成フィルタ例を示す図、
【図8】第2実施形態における画像処理システムの構成を示すブロック図、
【図9】第2実施形態における画像出力処理を示すフローチャート、
【図10】画像出力装置のMTF特性例を示す図、
【図11】画像出力装置に対するMTF補正例を示す図、である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0015】
<第1実施形態>
●システム構成
図1は本実施形態が適用される画像処理システムの構成を示すブロック図である。同図において、1が画像処理装置、2は画像データを記憶する画像記憶部、3はプリンタ等の画像出力装置である。画像記憶部2および画像出力装置3は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等のシリアルバスインタフェイスによって画像処理装置1に接続されている。
【0016】
画像処理装置1において、10は画像出力装置3の出力解像度を取得し、該出力解像度に基づいて画像記憶部2から入力された入力画像データを拡大する画像拡大部である。11は、拡大前後の入力画像データを取得し、解像度補正フィルタを算出する解像度補正フィルタ算出部である。12は、画像出力装置3のMTF特性を取得し、MTF補正フィルタを算出するMTF補正フィルタ算出部である。13は、解像度補正フィルタ算出部11で算出された解像度補正フィルタと、MTF補正フィルタ算出部12で算出されたMTF補正フィルタを合成するフィルタ合成部である。14は、フィルタ合成部13で合成されたフィルタを用いて、拡大された入力画像データを補正する補正フィルタ処理部である。
【0017】
●画像出力処理
本実施形態の画像処理装置1においては、画像出力装置3の出力解像度よりも低解像度である画像データを入力し、これを拡大して、画像出力装置3へ出力する。以下、本実施形態の画像処理装置1における画像出力処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0018】
まずS1〜S4で画像拡大部10において、入力画像データの拡大処理を行う。すなわち、まずS1で画像記憶部2より出力対象となる入力画像データを取得し、次にS2で該取得した入力画像データより入力画像解像度を取得する。そしてS3で画像出力装置3の出力解像度を取得する。そしてS4で、入力画像解像度と出力解像度に基づいて、入力画像データに対してニアレストネイバー補間処理による画像拡大を実行する。なお、本発明における拡大処理はニアレストネイバー補間処理に限定されず、バイリニア、バイキュービック補間処理等を適用することも可能である。
【0019】
次にS5で解像度補正フィルタ算出部11において、上記S1,S4でそれぞれ取得した拡大前後の画像データに基づいて、解像度補正フィルタを算出する。なお、この解像度補正フィルタの算出処理の詳細については後述する。
【0020】
次にS6でMTF補正フィルタ算出部12において、画像出力装置3のMTF特性を取得し、S7で該MTF特性に基づいてMTF補正フィルタを算出する。なお、このMTF補正フィルタ算出処理の詳細については後述する。
【0021】
次にS8でフィルタ合成部13において、S5で算出した解像度補正フィルタと、S7で算出したMTF補正フィルタを合成して、合成フィルタを算出する。なお、このフィルタ合成処理の詳細については後述する。
【0022】
次にS9で補正フィルタ処理部14において、S4で作成された拡大画像データに対し、S8で算出した合成フィルタを用いた補正フィルタ処理を実行し、画像を補正する。詳細には、まず拡大画像データに対してフーリエ変換等の処理を施すことにより、実空間上の画像データから周波数空間データへと変換した後、合成フィルタによる補正処理を実行する。その後、逆フーリエ変換等によって補正後の周波数空間データを実空間上の補正画像データに変換する。そしてS10において、S9で補正された補正画像データを、画像出力装置3に供給する。
【0023】
●解像度補正フィルタ算出処理
以下、上記S5における解像度補正フィルタの算出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、この処理は解像度補正フィルタ算出部11において行われる。
【0024】
まずS31で、入力画像データと、該入力画像データに対して画像拡大部10で拡大処理が施された画像(以下、拡大画像データ)を、取得する。
【0025】
そしてS32で、入力画像データ及び拡大画像データに対してフーリエ変換を施すことにより、実空間上の画像データを周波数空間上の周波数データに変換する。ここで図4に、入力画像データ及び拡大画像データの周波数特性の例を示す。同図において、実線が入力画像データの周波数特性を示し、点線が拡大画像データの周波数特性を示すが、拡大画像データにおいて高周波成分が強調され、ジャギーが発生していることが分かる。
【0026】
次にS33において、入力画像データの周波数特性を、拡大画像データの周波数特性で除算することにより、解像度補正フィルタを算出する。図5に、解像度補正フィルタの例を示す。本実施形態では、例えば図4に示す拡大画像データに対し、図5に示す解像度補正フィルタ処理を施すことによって、拡大処理後に発生する不要な高周波成分(ジャギー)を除去することができる。これにより、オリジナル画像の入力解像度までの周波数特性を忠実に再現することができる。
【0027】
●MTF補正フィルタ算出処理
以下、上記S6およびS7におけるMTF補正フィルタの算出処理について説明する。なお、この処理はMTF補正フィルタ算出部12において行われる。
【0028】
まず、S6で画像出力装置3のMTF特性を取得するが、画像出力装置3のMTF特性は出力媒体に応じて異なるため、画像出力装置3における出力媒体ごとのMTF特性を予め求めておく必要がある。したがって、例えば出力媒体ごとに求められたMTF特性を記述したプロファイルを記憶しておき、使用する出力媒体に応じて、対応するプロファイルを使用するようにすれば良い。
【0029】
次にS7において、S6で取得した画像出力装置3のMTF特性から、その逆関数を算出し、これをMTF補正フィルタとする。図6に、MTF補正フィルタの例を示す。同図において、点線が画像出力装置3のMTF特性を示し、実線がMTF補正フィルタを示す。本実施形態では、画像出力装置3に出力される画像データに対し、予めMTF補正フィルタによるフィルタ処理を施しておくことで、画像出力装置3での出力時にそのMTFによって発生する画質劣化を低減することができる。
【0030】
●フィルタ合成処理
以下、上記S8におけるフィルタ合成処理について説明する。なお、この処理はフィルタ合成部13において行われる。
【0031】
まず、解像度補正フィルタ算出部11で算出された解像度補正フィルタと、MTF補正フィルタ算出部12で算出されたMTF補正フィルタを取得する。そして次に、解像度補正フィルタにMTF補正フィルタを乗じることによって、解像度補正とMTF補正を一括して行なう合成フィルタを算出する。図7に、合成フィルタの一例を示す。同図において、点線は解像度補正フィルタを示し、一点破線はMTF補正フィルタを示す。そして実線が、解像度補正フィルタとMTF補正フィルタを乗じた合成フィルタを示す。同図によれば合成フィルタは、解像度補正とMTF補正の両方を満たしつつ、不要な高周波成分を除去するように算出されていることが分かる。
【0032】
本実施形態の補正フィルタ処理部14では、以上のように作成された合成フィルタを用いて、拡大画像データに対する補正フィルタ処理を施す。該補正により得られた補正画像データにおいては、余分な高周波成分が除去されているため、その周波数特性は入力画像データの周波数特性に略一致する。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、画像出力時に拡大した画像データに対し、解像度補正フィルタとして拡大前の画像データの周波数特性を保存するような周波数フィルタを適用する。これにより、オリジナル画像の入力解像度までの周波数特性を忠実に再現し、画像拡大時に発生する不要な高周波成分(ジャギー)を除去することが可能である。
【0034】
さらに、解像度補正フィルタに対し、画像出力装置のMTF特性の逆関数であるMTF補正フィルタを乗じることにより、画像拡大時に発生する不要な高周波成分の除去と、画像出力時のMTFによる画質劣化の低減と、の一括処理が可能である。したがって、入力画像に忠実な画像を、より高速に出力することが可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態においては、画像出力装置のMTF特性を該画像出力装置から直接取得し、MTF補正フィルタを逐次算出する例を示した。第2実施形態においては、画像出力装置の種類ごとにMTF補正フィルタを予め保持しておき、画像出力装置の種類を指定することによって、MTF特性を選択可能とすることを特徴とする。
【0036】
●システム構成
図8は第2実施形態が適用される画像処理システムの構成を示すブロック図である。同図において、81が画像処理装置、82は画像データを記憶する画像記憶部、83はプリンタ等の画像出力装置である。画像記憶部82および画像出力装置83は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等のシリアルバスインタフェイスによって画像処理装置81に接続されている。
【0037】
画像処理装置81において、800は画像出力装置83の出力解像度を取得し、該出力解像度に基づいて画像記憶部82から入力された入力画像データを拡大する画像拡大部である。801は、拡大前後の入力画像データを取得し、解像度補正フィルタを算出する解像度補正フィルタ算出部である。802は、画像出力装置83の種類に応じてMTF補正フィルタを選択するMTF補正フィルタ選択部である。803は、解像度補正フィルタ算出部801で算出された解像度補正フィルタと、MTF補正フィルタ選択部802で選択されたMTF補正フィルタを合成するフィルタ合成部である。804は、フィルタ合成部803で合成されたフィルタを用いて、拡大された入力画像データを補正する補正フィルタ処理部である。
【0038】
805は、画像出力装置83の種類や出力解像度等の装置情報を、例えばユーザ指示に基づいて取得する画像出力装置情報取得部である。そして806は、画像出力装置83の種類に応じて予め算出されたMTF補正フィルタを保持する、MTF補正フィルタ保持部である。
【0039】
●画像出力処理
以下、第2実施形態の画像処理装置81における画像出力処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0040】
まずS901〜S905で画像拡大部800において、入力画像データの拡大処理を行う。すなわち、まずS901で画像記憶部82より出力対象となる入力画像データを取得し、次にS82で該取得した入力画像データより入力画像解像度を取得する。そしてS903で画像出力装置情報取得部805において、画像出力装置83の種類を取得し、S904で同じく画像出力装置情報取得部805において、画像出力装置83の出力解像度を取得する。画像出力装置情報取得部805における画像出力装置83の情報取得処理としては、UI等を介してユーザにより選択させても良いし、画像出力装置83から直接検出するようにしても良い。そしてS905で、入力画像解像度と出力解像度に基づいて、入力画像データに対してニアレストネイバー補間処理による画像拡大を実行する。なお、本発明における拡大処理は二アレストネイバー補間処理に限定されず、バイリニア、バイキュービック補間処理等を適用することも可能である。
【0041】
次にS906で解像度補正フィルタ算出部801において、上記S901,S905でそれぞれ取得した拡大前後の画像データに基づいて、上述した第1実施形態のS5と同様に、解像度補正フィルタを算出する。
【0042】
次にS907でMTF補正フィルタ選択部802において、S903で取得した画像出力装置83の種類に応じたMTF補正フィルタを、MTF補正フィルタ保持部806から選択する。なお、MTF補正フィルタ保持部806に保持されているMTF補正フィルタは、画像出力装置83の種類ごとに予め算出されているが、さらにその出力解像度ごとにMTF補正フィルタを算出し、保持しておくことも可能である。さらに、出力媒体ごとにMTF補正フィルタを算出し、保持しておくことも可能である。この場合、S903で画像出力装置83の種類に加えて、使用される出力媒体の種類も取得する必要がある。
【0043】
次にS908でフィルタ合成部803において、S906で算出した解像度補正フィルタと、S907で選択されたMTF補正フィルタを、上述した第1実施形態のS8と同様に合成して、合成フィルタを算出する。
【0044】
次にS909で補正フィルタ処理部804において、S905で作成された拡大画像データに対し、S908で算出した合成フィルタを用いた補正フィルタ処理を実行し、画像データを補正する。そしてS910において、S909で補正された補正画像データを、画像出力装置83に供給する。
【0045】
以上説明したように第2実施形態によれば、画像出力装置の種類に応じたMTF補正フィルタを予め保持し、これを適宜選択して利用する。したがって、画像出力処理の最中にMTF補正フィルタを算出する必要がないため、上述した第1実施形態に対してさらに処理時間が短縮される。
【0046】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置の出力解像度よりも低解像度である画像データを拡大して、該画像出力装置へ出力する画像処理装置であって、
前記画像データを前記出力解像度に応じて拡大し、拡大画像データを得る画像拡大手段と、
前記拡大画像データの周波数特性を前記画像データの周波数特性に略一致させるように、解像度補正フィルタを算出する解像度補正フィルタ算出手段と、
前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正して、補正画像データを得る解像度補正手段と、を有し、
前記補正画像データを前記画像出力装置へ出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記解像度補正フィルタ算出手段は、前記画像データの周波数特性を前記拡大画像データの周波数特性で除算することによって、前記解像度補正フィルタを算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
さらに、前記画像出力装置のMTF特性に基づくMTF補正フィルタを取得するMTF補正フィルタの取得手段と、
前記解像度補正フィルタに前記MTF補正フィルタを合成するフィルタ合成手段と、を有し、
前記解像度補正手段は、前記MTF補正フィルタが合成された前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記フィルタ合成手段は、前記解像度補正フィルタに前記MTF補正フィルタを乗じることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
さらに、前記画像出力装置の種類に応じたMTF補正フィルタを保持する保持手段と、
前記画像出力装置の種類を取得する出力装置情報取得手段と、を有し、
前記MTF補正フィルタの取得手段は、前記出力装置情報取得手段で取得された前記画像出力装置の種類に応じて、前記保持手段からMTF補正フィルタを選択することを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像出力装置の出力解像度よりも低解像度である画像データを拡大して、該画像出力装置へ出力する画像処理方法であって、
前記画像データを前記出力解像度に応じて拡大し、拡大画像データを得る画像拡大ステップと、
前記拡大画像データの周波数特性を前記画像データの周波数特性に略一致させるように、解像度補正フィルタを算出する解像度補正フィルタ算出ステップと、
前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正して、補正画像データを得る解像度補正ステップと、を有し、
前記補正画像データを前記画像出力装置へ出力することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
さらに、前記画像出力装置のMTF特性に基づくMTF補正フィルタを取得するMTF補正フィルタの取得ステップと、
前記解像度補正フィルタに前記MTF補正フィルタを合成するフィルタ合成ステップと、を有し、
前記解像度補正ステップにおいては、前記MTF補正フィルタが合成された前記解像度補正フィルタに基づいて前記拡大画像データを補正することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータで実行されることにより、該コンピュータを請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−24051(P2011−24051A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168278(P2009−168278)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】