説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することを目的とする。
【解決手段】使用するソフトウエア情報に変換する際に、部分画像を再利用し易い形態に配置する再利用重視モードを有している。そして、当該再利用重視モードが選択された場合に、原稿画像に含まれる複数の部分画像に分離して、部分画像の種類毎に配置を変更してソフトウエア情報を生成する(104、112)。また、再利用重視モードが選択され、特定種類の部分画像の抽出が指定された場合には、特定種類の部分画像を抽出して再配置してソフトウエア情報を生成する(104、108、110)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
写真、線画、文字、表等の属性の異なる複数の部分画像が含まれる原稿画像を読み取ることによって電子化した電子化文書情報から、複数の部分画像を分離して、分離した部分画像単位で扱えるように電子化文書情報を生成する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、書類の画像を表す画像データに対して、文字や図形等が物理的にあるいは論理的に連結されている単位を一つの領域として抽出し、次に、この抽出された領域の画像上の位置、大きさ、形状、構造、濃度分布等の特徴量に基づいて、各領域の種類、あるいは、文書上の重要度を識別することが提案されている。また、特許文献1に記載の技術では、抽出した領域をそれぞれ別個に保存したり、編集してハードコピー可能としたりすることが提案されている。
【0004】
また、特許文献2に記載の技術では、画像情報を文字領域、写真領域及び網点領域に分離して、領域の配置順等の編集を行って出力することが提案されている。
【0005】
さらに、特許文献3に記載の技術では、画像のレイアウト構造を解析し、解析結果を用いて画像をその情報の種別毎に分類して、部分画像を個別に符号化し、属性情報と共に予め定めたフォーマットに準拠した画像データを生成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−091450号公報
【特許文献2】特開2002−305644号公報
【特許文献3】特開2002−300408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、原稿画像を表す電子文書情報に含まれる属性の異なる部分画像を分離する分離手段と、前記部分画像の再利用性を重視して予め定めた再配置を行う再利用重視モードを含む複数のモードのうち何れかのモードを選択するための選択手段と、前記選択手段によって選択されたモードに応じて、前記分離手段によって分離された前記部分画像を再配置して、使用するソフトウエアに対応したソフトウエア情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類毎にページを切り換えて前記ソフトウエア情報を生成することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記生成手段は、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、予め指定された種類の前記部分画像を抽出して集約し、前記ソフトウエア情報を生成することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記生成手段は、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類に応じたソフトウエアを使用するソフトウエアとして前記ソフトウエア情報を生成することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明において、前記生成手段は、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類に応じた表現形式で前記部分画像を再配置して前記ソフトウエア情報を生成することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5の発明において、前記分離手段によって前記部分画像を分離する際に、複数種類の属性に対応する前記部分画像がある場合、前記生成手段は、当該部分画像をそれぞれの種類に対応する表現形式で再配置して前記ソフトウエア情報を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の画像処理プログラムは、コンピュータを、請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、再利用重視モードを選択する構成を有していない場合に比べて、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することができる、という効果がある。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、部分画像の種類毎にページを切り換えてソフトウエア情報を生成しない場合に比べて、必要な種類の部分画像を容易に見つけて再利用することができる、という効果がある。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、予め指定された種類の部分画像を抽出してソフトウエア情報を生成する構成を有していない場合に比べて、予め指定した種類の部分画像を容易に再利用することができる、という効果がある。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、部分画像の種類に応じたソフトウエア情報を生成する構成を有していない場合に比べて、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することができる、という効果がある。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、部分画像の種類に応じた表現形式で部分画像を再配置してソフトウエア情報を生成する構成を有していない場合に比べて、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することができる、という効果がある。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、複数種類の属性に対応する部分画像がある場合に、部分画像をそれぞれの種類に対応する表現形式で再配置してソフトウエア情報を生成する構成を有していない場合に比べて、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することができる、という効果がある。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、再利用重視モードを選択する構成を有していない場合に比べて、分離した部分画像を再利用する際の利便性を向上することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】複数ページの中から必要な部分を選択する例を示す図である。
【図4】図形の部分画像の上に文字として処理された文字情報が重ねて配置される例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置において、各種設定を行うための画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置において再利用重視モードが選択された際に、原稿画像が1ページの場合の部分画像の再配置の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置において再利用重視モードが選択された際に、原稿画像が複数ページの場合の部分画像の再配置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の概略構成を示す図である。
【0024】
本実施の形態に係わる画像処理装置10は、図1に示すように、画像入力装置12、記憶装置14、通信部16、操作部18、作業用記憶領域20、及び制御部22を備えており、それぞれが接続されて制御部22によって装置全体を制御される。
【0025】
画像入力装置12は、原稿画像を表す電子文書情報を入力する。例えば、画像入力装置12は、原稿画像を読み取って電子文書情報に変換する画像読取装置を適用してもよいし、電子文書情報を記憶した記憶媒体を適用するようにしてもよい。
【0026】
記憶装置14は、画像入力装置12によって入力された電子文書情報が記憶されると共に、電子文書情報に含まれる属性の異なる複数の部分画像(文字、コンピュータグラフィック等の図形(CG)、線画、写真、表等の属性の異なる部分画像)を分離して再利用可能な形式の文書情報を生成するためのプログラム等が記憶され、該プログラムが制御部22によって実行される。
【0027】
通信部16は、ネットワーク等の通信手段に接続され、該通信手段を介して外部の情報処理機器(例えば、パーソナルコンピュータや画像形成装置等)と通信して、情報の授受を行う。
【0028】
操作部18は、操作ボタンや表示装置を含み、表示装置に表示された情報を元に、操作ボタン等を操作することにより、画像処理装置10の各種設定や、上述のプログラムの実行指示等を行う。
【0029】
作業用記憶領域20は、上述のプログラムを実行する際の作業用の記録領域として機能したり、制御部22が画像処理装置10の各種制御を行う際の作業用の記憶領域として機能する。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【0031】
画像処理装置10の制御部22は、読取画像取得部24、配置解析部26、部分画像種類判定部28、部分画像の種類毎の情報生成を行う各種情報生成部(文字情報生成部30A、図形(CG)情報生成部30B、線画情報生成部30C、写真情報生成部30D、表情報生成部30E)30、ページ間配置変更部32、及びソフトウエア情報生成部34として機能する。
【0032】
読取画像取得部24は、画像入力装置12等によって入力された電子文書情報や、記憶媒体等に記憶された電子文書情報を取得する。
【0033】
配置解析部26は、読取画像取得部24によって取得した電子文書情報を解析して、文字、図形(CG)、線画、写真等の領域を抽出することによって、部分画像の領域を判断する。配置解析部26は、周知の技術を利用して部分画像領域を判断することが可能であり、例えば、電子文書情報を2値化してラベリング処理やラベリング処理された画像の連結を行う等の処理により、部分画像の領域を判断することができる。
【0034】
部分画像種類判定部28は、部分画像領域の濃度分布等の各種の特徴量に基づいて、部分画像の種類を判定し、部分画像を分離して属性を付与する。部分画像種類判定部28についても周知の技術を利用して部分画像の種類を判定することができ、例えば、特開平9−91450号公報に記載の技術のように、画像上の位置、大きさ、形状、構造、濃度分布等の特徴量を利用したり、特開2002−300408号公報に記載の技術のように、光学文字認識において使用されている文字認識を行う際の前処理として文字画像を文字領域と、写真、図や表領域とに分類する配置解析手法などを利用することが可能である。判定する部分画像の種類としては、例えば、文字、図形(CG)、線画、写真、表などを判定する。
【0035】
各種情報生成部(文字情報生成部30A、図形(CG)情報生成部30B、線画情報生成部30C、写真情報生成部30D、表情報生成部30E)30は、部分画像種類判定部28によって判定された各部分画像の種類に応じた表現形式の情報を生成する。なお、複数種類の属性に対応する部分画像がある場合には、当該部分画像についてはそれぞれの種類に対応する表現形式の情報を生成するようにしてもよい。
【0036】
ページ間配置変更部32は、各種情報生成部30によって生成された情報を部分画像の種類に応じた表現形式で再配置する。例えば、操作部18によって原稿に忠実な原稿忠実モードが選択された場合には、原稿に合わせた配置を決定したり、操作部18によって予め定めた再利用重視モードが選択された場合には、部分画像を再利用する際に利用し易いように、部分画像種類判定部28によって分離された部分画像をその部分画像の種類毎に配置を決定する。すなわち、再利用重視モードの場合は、文字、図形、線画、写真、表等の各部分画像を種類毎に抽出し、文字の部分画像を集めたページや、図形の部分画像を集めたページ等のように、部分画像の種類毎にページ分けするように配置したり、操作部18によって指定された特定の部分画像を抽出して配置したりする。
【0037】
ソフトウエア情報生成部34は、ページ間配置変更部32によって決定された配置に従って、各種情報生成部30で生成された情報を再配置し、操作部18によって指定されたソフトウエアに対応するソフトウエア情報を生成する。
【0038】
ところで、原稿画像に含まれる複数種類の部分画像を分離して再利用する際には、図3に示すように、複数ページの原稿画像の中から再利用すべき部分画像を選択する必要があるが、例えば、図3点線で示す2つの表だけ欲しい場合にも、全ページが使用するソフトウエアに対応するソフトウエア情報に変換された中からユーザの操作によってページめくりして、必要な部分画像を見つけ出して選択する必要があり、煩雑な作業が必要とされる。
【0039】
また、部分画像を分離したときに、図4に示すように、図形の部分画像の上に、文字として処理した文字情報が重ねて配置される場合があり、このような場合においても何れかの選択作業が繁雑なものとなる。
【0040】
そこで、本実施の形態に係わる画像処理装置10では、ソフトウエア情報生成部34によって使用するソフトウエア情報に変換する際に、部分画像を再利用し易い形態に配置する再利用重視モードを有している。そして、当該再利用重視モードが選択された場合に、原稿画像に含まれる複数の部分画像に分離して、上述したように、ページ間配置変更部32が部分画像の種類毎に配置を変更して、ソフトウエア情報を生成する。これによって、部分画像の種類毎に各部分画像が集約されるので、部分画像の再利用時の煩雑な作業が抑制される。
【0041】
ここで、上述の再利用重視モード等の指示を行うための操作部18の構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10において、各種設定を行うための画面の一例を示す図である。
【0042】
操作部18は、各種設定を行うための画面を表示するための表示部を有し、操作部18の操作によって各種設定を行う構成とする。操作部18に設けられた表示部には、例えば、図5に示すような設定画面が表示される。図5の表示例では、原稿画像を出力する際の「カラーモード」、「出力情報形式」、「出力モード」、「指定部分画像」のそれぞれを選択するための画面の一例を示す。
【0043】
図5の例では、「カラーモード」は、「フルカラー」、「グレースケール」、「白黒二値化」の何れかを選択可能とし、何れのカラーモードで出力するかの設定が可能とされている。
【0044】
また、「出力情報形式」は、「表計算」、「ワープロ」、「プレゼンテーション」、「部分画像対応ソフトウエア」の何れかを選択可能とし、出力する情報の情報形式の選択が可能とされている。すなわち、表計算ソフトウエア、ワープロソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、または部分画像の種類に対応する部分画像対応ソフトウエアの何れかの出力形式の選択が可能とされている。
【0045】
また、「出力モード」は、「原稿忠実」、または「再利用重視」の何れかが選択可能とされ、原稿忠実モードが選択された場合には、画像入力装置12によって入力された原稿画像を表す電子文書情報を、出力情報形式に従ってソフトウエア情報を生成し、再利用重視モードが選択された場合には、分離された部分画像を再利用する際に利用し易いように、原稿画像に含まれる部分画像を種類毎等に再配置して、出力情報形式に従ってソフトウエア情報を生成する。なお、「出力モード」は、本実施の形態では、2つのモードを一例として説明するが、2つのモードに限るものではなく、3種類以上のモードを備えるようにしてもよい。例えば、原稿忠実モードによるソフトウエア情報の生成と、再利用重視モードによるソフトウエア情報生成を共に行うモードを更に備えるようにしてもよい。
【0046】
また、「指定部分画像」は、「全て」、「写真」、「図形」、「文字」、「表」の何れか、或いはこれらの中から複数が選択可能とされ、再利用重視モードが選択された場合に、ユーザが所望する部分画像の種類の設定が可能とされている。すなわち、再利用重視モードが選択された場合には、所望の種類の部分画像を抽出してソフトウエア情報に変換することも可能とされている。
【0047】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、記憶装置14に記憶されたプログラムが制御部22によって実行された場合の処理の流れを示す。
【0048】
ステップ100では、設定に応じた原稿画像情報の取得が行われてステップ102へ移行する。例えば、画像読取装置によって原稿画像を読み取って電子化文書情報を取得するか、記憶装置14等に記憶された電子文書情報を取得するか等を、図5の設定画面における「読取方法」を選択することによって設定可能として、当該設定に応じて読取画像取得部24が原稿画像情報を取得する。
【0049】
ステップ102では、部分画像分離が行われてステップ108へ移行する。部分画像分離は、取得された電子文書情報が配置解析部26によって解析されることで、文字、図形(CG)、線画、写真、表等の領域が抽出されて部分画像領域が判断され、部分画像種類判定部28によって部分画像が抽出される。そして、各種情報生成部(文字情報生成部30A、図形(CG)情報生成部30B、線画情報生成部30C、写真情報生成部30D、表情報生成部30E)30によって各部分画像の種類に応じた表現形式の情報が生成される。
【0050】
ステップ104では、再利用重視モードが設定されているか否かが判定される。該判定は、操作部18が操作されて再利用重視モードが設定されているか否かを判定し、該判定が否定された場合(本実施の形態では、原稿忠実モードが設定されている場合)にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ108へ移行する。
【0051】
ステップ106では、部分画像が再配置されて指定された形式のファイルが生成されてステップ114へ移行する。すなわち、各情報生成部(文字情報生成部30A、図形(CG)情報生成部30B、線画情報生成部30C、写真情報生成部30D、表情報生成部30E)30によって生成された各部分画像の種類に応じた表現形式の情報を原稿画像と同様に再配置して、操作部18によって指定された出力情報形式に従ったファイル(ソフトウエア情報)をソフトウエア情報生成部34が生成する。これによって部分画像を再利用可能な形式で再配置されて、原稿画像が忠実に再現される。
【0052】
一方、ステップ108では、特定種類の抽出か否かが判定される。該判定は、操作部18の操作によって図5に示した設定画面の「指定部分画像」(「全て」、「写真」、「文字」、「表」の何れか)が選択されているか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ110へ移行し、否定された場合にはステップ112へ移行する。
【0053】
ステップ110では、特定種類の部分画像を抽出して再配置し、指定された形式のファイルが生成されてステップ112へ移行する。すなわち、ページ間配置変更部32が操作部18によって指定された種類の部分画像を抽出して部分画像の種類に応じた表現形式の情報を再配置し、操作部18によって指定された出力情報形式に従ったファイル(ソフトウエア情報)をソフトウエア情報生成部34が生成する。なお、複数の「指定部分画像」が指定されている場合には、種類毎にページ分けして再配置し、出力情報形式に従ってファイルを生成するようにしてもよい。
【0054】
また、ステップ112では、部分画像の種類毎に再配置して、指定された形式のファイルが生成されてステップ112へ移行する。すなわち、ページ間配置変更部32が種類毎に部分画像を抽出して部分画像の種類に応じた表現形式の情報を再配置し、ソフトウエア情報生成部34が操作部18によって指定された出力情報形式に従ったファイル(ソフトウエア情報)を生成する。例えば、原稿画像が図7(A)に示すように1ページの場合には、表の部分画像のページ(図7(B))や、写真の部分画像のページ(図7(C))、図形の部分画像のページ(図7(D))、文字なしの表の部分画像のページ(図7(E))、文字の部分画像のページ(図7(F))等のように、ページ毎に異なる種類の部分画像が位置するように再配置してファイルを生成してもよいし、種類の異なる部分画像がページ毎に集約するように再配置してファイルを生成するようにしてもよい。また、原稿画像が図8(A)に示すように複数ページの場合には、原稿画像の各ページの表の部分画像を集約したページ(図8(B))、原稿画像の各ページの写真の部分画像を集約したページ(図8(C))、原稿画像の各ページの図形の部分画像を集約したページ(図8(D))、原稿画像の各ページの文字の部分画像を集約したページ(図8(E))等のように、各ページ毎に種類の異なる部分画像を集約するように再配置してファイルを生成してもよい。このとき、部分画像のプロパティ等に原稿画像の何ページの部分画像であるかの属性を付与するようにしてもよい。なお、指定された出力情報形式が「部分画像対応ソフトウエア」が設定されている場合には、部分画像の種類に応じたソフトウエア情報を生成する。すなわち、各ページ毎に部分画像の種類を分けて、ページ毎に部分画像の種類に対応するソフトウエア情報を生成する。
【0055】
そして、ステップ114では、ステップ106、110、112の何れかで生成されたファイルが出力されて一連の処理を終了する。ファイルの出力先としては、記憶装置14に出力して記憶するようにしてもよいし、予め定めた出力先に出力するようにしてもよいし、操作部18によって予め設定された出力先に出力するようにしてもよい。
【0056】
このように、本実施の形態に係わる画像処理装置10では、再利用重視モードが選択された場合には、部分画像の種類に応じて部分画像が再配置されるので、再利用する際には必要な部分画像が見つけやすくなり、再利用時の利便性が向上される。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、画像処理装置として説明したが、原稿画像を読み取る画像読取装置を備えた画像形成装置等に適用するようにしてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態における各処理は、プログラムを実行することによって行われる処理として説明したが、これに限るものではなく、ハードウエアによって実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 画像処理装置
18 操作部
22 制御部
26 配置解析部
28 部分画像種類判定部
30 各種情報生成部
32 ページ間配置変更部
34 ソフトウエア情報生成部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を表す電子文書情報に含まれる属性の異なる部分画像を分離する分離手段と、
前記部分画像の再利用性を重視して予め定めた再配置を行う再利用重視モードを含む複数のモードのうち何れかのモードを選択するための選択手段と、
前記選択手段によって選択されたモードに応じて、前記分離手段によって分離された前記部分画像を再配置して、使用するソフトウエアに対応したソフトウエア情報を生成する生成手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類毎にページを切り換えて前記ソフトウエア情報を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、予め指定された種類の前記部分画像を抽出して集約し、前記ソフトウエア情報を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記選択手段によって前記再利用重視モードが選択された場合に、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類に応じたソフトウエアを使用するソフトウエアとして前記ソフトウエア情報を生成する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記分離手段によって分離された前記部分画像の種類に応じた表現形式で前記部分画像を再配置して前記ソフトウエア情報を生成する請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記分離手段によって前記部分画像を分離する際に、複数種類の属性に対応する前記部分画像がある場合、前記生成手段は、当該部分画像をそれぞれの種類に対応する表現形式で再配置して前記ソフトウエア情報を生成する請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−186835(P2011−186835A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52066(P2010−52066)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】