説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】本発明の課題は、複数の処理単位を組み合わせたワークフローをアプリケーションとして開発することを可能とするアーキテクチャを備えた画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の課題は、画像処理に係るアプリケーションを実行する画像処理装置であって、操作者からのサービス要求を解析する要求解析層と、前記要求解析層からのサービスの実行要求に応じて該サービスに対応する1つ以上の機能単位処理部を組み合わせて前記アプリケーションとして動作させるためのワークフローを制御するワークフロー制御層とを有する画像処理装置によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能処理単位の処理部を組み合わせたワークフローをアプリケーションとして開発することを可能とするアーキテクチャを備えた画像処理装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像処理装置が一般的に知られている。このような複合型の画像処理装置は、1つの筐体内に表示部、印刷部および撮像部などを設けるとともに、プリンタ、コピーおよびファクシミリ装置にそれぞれ対応する3種類のアプリケーションを設け、アプリケーションの切り替えによって、当該装置をプリンタ、コピー、スキャナまたはファクシミリ装置として動作させるものである(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような複合型の画像処理装置にて動作する複数のアプリケーションは膨大な機能を有し、ソフトウェアの規模が肥大化すると共に複雑化している。また、スタンドアローンとして利用されるにとどまらず、分散コンピューティング環境に対応することによってWebでの利用及び他の機器との連携によって新たな価値を提供するようになってきた。
【0004】
例えば、モバイルデバイスのユーザがインターネットを介して印刷サービスにアクセスし、URLでドキュメントの格納場所を指定して印刷要求を送信することが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
また、分散コンピューティング環境において、新たにプリンタリソースがネットワーク上に接続された場合、所定条件に適合する場合にダウンロードすることによって、大規模な分散コンピューティング環境に対応することが提案されている(例えば、特許文献3)。
【0006】
更に、アプリケーション及びコンピュータのハードウェアによるネットワークソフトウェアプラットフォームを容易にしようするためのアプリケーションプログラムインターフェースが提案されている(例えば、特許文献4)。
【特許文献1】特開2002−084383号公報
【特許文献2】特開2004−062889号公報
【特許文献3】特開2004−355504号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/028685号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では画像形成装置において複数のアプリケーションとオペレーティングシステムとに階層化することによってプリンタ、スキャナなどのハードウェア資源の制御を各アプリケーションが意識しないように構成することが可能となり、特許文献2ではWebの利用によるサービスを拡大し、特許文献3ではWebを介したダウンロードの処理付加の増加を抑止し、特許文献4ではアプリケーション及びコンピュータのハードウェアの変更を容易とすることができるようになった。
【0008】
しかしながら、これら技術は新たなアプリケーションの適応可能性を拡大したが、各アプリケーションが一連の動作を行うように開発する必要があるため、アプリケーションそれぞれの開発負担が問題となってきた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、複数の処理単位を組み合わせたワークフローをアプリケーションとして開発することを可能とするアーキテクチャを備えた画像処理装置及び画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、画像処理に係るアプリケーションを実行する画像処理装置であって、操作者からのサービス要求を解析する要求解析層と、前記要求解析層からのサービスの実行要求に応じて該サービスに対応する1つ以上の機能単位処理部を組み合わせて前記アプリケーションとして動作させるためのワークフローを制御するワークフロー制御層とを有するように構成される。
【0011】
このような画像処理装置では、操作者から見た処理単位に対応するように機能単位処理部が組み合わされてアプリケーションとして動作することが可能となる。
【0012】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、上記画像処理装置での処理を行う画像処理方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像処理装置が、上位層から(画像処理装置の操作者に最も近い層から)プレゼンテーション層と、ビジネス層とを構成し、ビジネス層の下位層にはビジネスデータ層及びデータ層と、デバイス層とを並べて構成する。更に、プレゼンテーション層、データ層、デバイス層の各層から直接アクセス可能な共通部を備えている。
【0014】
全ての処理は、プレゼンテーション層の1つのクラスから開始されるように構成することによって、ビジネス層では、操作者クラスからの要求によってデバイス層のクラスとしての機能処理単位の処理部を組み合わせる、といった統一した概念でワークフローを制御することによってアプリケーションを実現することができる。
【0015】
従って、各ワークフローは機能単位処理部の組み合わせであるため、アプリケーションの開発の負担を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の一実施例に係る画像処理装置のハードウェアは、例えば、図1に示されるように構成される。図1は、本発明の一実施例に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0018】
図1において、画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)1と、ROM(Read Only Memory)3と、RAM(Random Access Memory)4と、NVRAM(不揮発性RAM)5と、パネル制御部6と、エンジン制御部7と、ディスクドライバ8と、通信制御部9と、モデム10とを有し、それらは画像バス2を介して相互に接続される。画像処理装置100は、更に、操作パネル16と、スキャンプリントエンジン17と、記憶装置18とを有する。
【0019】
CPU1は、画像処理装置100全体を制御する。ROM3には、予めプログラム等の本発明に係る処理を実現するための固定的なデータが格納されている。RAM4は、各種データを書き換え自在に格納する。また、NVRAM5は、必要なデータを消滅させることなく格納する。
【0020】
また、画像バス2には、ネットワーク20との接続を担う通信制御部7と、パネル制御部6を介してユーザとのインターフェースを行うLCDタッチパネル等を有する操作パネル16と、エンジン制御部7を介してイメージデータの入出力(紙原稿の読み取り、及び、転写紙への印刷)をスキャナ部やプリンタ部に対して実行させるスキャン/プリントエンジン17と、ディスクドライバ8を介してイメージデータや制御プログラム等の記憶蓄積に利用されるHDDである記憶装置18と、公衆回線等を通じて外部機器とのデータ通信及びFAX送受信可能なモデム10とが接続されている。
【0021】
このように、画像処理装置100は、少なくともプリンタ、コピーおよびFAX送受信にそれぞれ対応する種々のアプリケーションを設けプリンタ、コピー、スキャナまたはFAX装置として動作可能である。
【0022】
分散コンピューティング環境において要求される種々のアプリケーションを体系的に構成するために、本発明に係る画像処理装置100は、図2に示すような構造を有する。図2は、本発明における画像処理装置におけるアプリケーションの原理構成例を示す図である。
【0023】
図2において、画像処理装置100は、分散コンピューティング環境におけるアプリケーションの原理構造30として、プレゼンテーション層31と、ビジネス層32と、ビジネスデータ層33aと、データ層33bと、デバイス層34と、共通部35とを有する。
【0024】
プレゼンテーション層31は、操作者(ユーザ)のサービス要求を解析してビジネス層32が提供するサービスを指定するレイヤである。例えば、操作パネル16、ブラウザなどを介してなされる操作者の要求やWebサービスからの要求等を受け付ける画像処理装置100を用いたシステムの窓口を担う。画像処理装置100に対するサービス要求を解釈し、その要求を実現するために、ビジネス層32を利用する。また、要求元に対して、ビジネス層32からフィードバックされる情報を提示する。
【0025】
ビジネス層32は、要求されたサービスに対応するようにデバイス層34の機能単位毎の処理部を組み合わせてロジックを作成するレイヤである。ビジネス層32は、スキャナ/プロットエンジン17を用いた画像処理、文書操作に係る処理等を行うアプリケーションのロジックを備えており、操作者に対してワークフロー(ビジネスフロー)を提示し、操作の受付処理、認証処理、画像処理、文書入出力の処理、課金処理等をデータ層33b、デバイス層34、共通部35の1つ以上を用いて行う。例えば、ビジネス層32は、文書操作に対しては、論理的に処理順序を入れ替えるスケジューリングを行う。
【0026】
ビジネス層32では要求された内容に応じてワークフローを形成しており、従来のアプリケーションを特定した要求とは異なるため、そのような要求された内容を「サービス」という語で表現している。
【0027】
ビジネスデータ層33aは、実世界に存在する概念をエンティティとして表現するデータを扱うレイヤである。ビジネスデータ層33aは、操作の対象となるデータの内容を理解し、要求される処理を一括して担当する。例えば、操作の対象となるデータとしては、アカウント、蓄積文書、アドレス帳、装置構成/能力、設定情報、画像データなどをエンティティとして表現する。保存先の場所(ローカル/リモート)を把握しており、実際の記憶領域を有する物理デバイスへのデータ入出力はデータ層33bにその処理を渡す。ローカルな保存先であれば、実際の物理デバイスとは、ROM3、RAM4、NVRAM5、記憶装置18のいずれかである。
【0028】
データ層33bは、ビジネスデータ層33aから要求されるデータの実体に対して操作を行うレイヤであり、ローカル/リモートの保存領域への入出力を行う。ローカル/リモートのデータ保存領域にアクセスするためのサービスを提供する。データ層33bは、物理デバイスの状況を把握し、物理デバイスの能力に応じて、処理要求のスケジューリングを行う。
【0029】
デバイス層34は、原稿の読取又は文書の印刷を行うためにスキャン/プリントエンジン17の制御を行う。また、画情報の変換(加工、形式変換など)を行う。スキャン/プリントエンジン17の状況を把握し、スキャン/プリントエンジン17の能力に応じて処理要求のスケジューリングを行う。デバイス層34が提供するサービスは、ビジネス層32から使用される。
【0030】
共通部35は、メモリ管理、通信制御等を行い、プレゼンテーション層31、ビジネス層32、データ層33b、デバイス層34のいずれのレイヤからも要求受付を可能とする処理部である。
【0031】
本発明に係る画像処理装置100では、図2に示す原理構造30に基づいて、一連の処理を行うアプリケーションを、複数のクラスの組み合わせと、それら複数のクラス間の関係によって定められる処理フローとによるオブジェクト指向によって実現している。以下、複数のクラスと、複数のクラス間の関係によって定められる処理フローとを、図2に示す原理構造30上に示した図をクラス図と言う。処理フローは、点線で示される。
【0032】
図3は、図2に示す原理構造に基づく画像処理装置での処理全体を表したクラス図である。図3において、図2に示す原理構造30は、画像処理装置100のアプリケーション部120に構成され、ハードウェア部110には、図1に示すNVRAM5と、パネル制御部6と、エンジン制御部7と、ディスクドライバ8と、通信制御部9と、モデム10とが含まれる。
【0033】
プレゼンテーション層31は、外部からのイベントを受け取るための操作者クラス310を有する。操作者クラス310は、複数の機能処理単位を組み合わせたワークフローを形成して1つのアプリケーションとして実行する場合にはビジネス層32へ指示を行い、ワークフローを形成しない機能による単体のアプリケーション(以下、単体アプリケーションと言う)を実行する場合にはそのアプリケーションに相当するクラスに指示を行う。また、操作者クラス310は、パネル制御部6によってユーザインタフェースを制御する。
【0034】
複数の機能処理単位を組み合わせたワークフローを形成するアプリケーションとは、物理的な紙を搬送して画像処理を行うスキャナ、プリント、FAX、更に、画像編集などの少なくとも1つを機能処理単位として含む処理である。
【0035】
単体アプリケーションとは、物理的な紙を搬送して行う画像処理及び画像編集を伴わないデータ処理である。
【0036】
ビジネス層32は、受付クラス320と、文書入出力リクエストクラス322とを有する。受付クラス320は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの要求に応じて、操作の開始及び終了を管理する。文書入出力リクエストクラス322は、画像形成、画像操作等の夫々を一連の処理として行うためにリクエストを発行する。
【0037】
ビジネスデータ層33aは、アドレス帳クラス335aと、蓄積文書337aと、画像339aとを有する。アドレス帳クラス335aは、アドレス帳へアクセスする。アドレス帳は、物理的な記憶領域内に格納され、概念的なアドレス帳をエンティティとして表現するデータそのものであるが、以下、単に、アドレス帳という。蓄積文書クラス337aは、デバイス層34の文書登録クラス346aからの要求に応じて、画像クラス339aに文書(画情報)を所定の記憶領域に書き込ませて蓄積する。画像339aは、データ層33bの保存データクラス331bに対して文書(画情報)のメモリ352へ書き込み又はメモリ352からの読み出しを行わせる。
【0038】
データ層33bは、保存データクラス331bと、外部保存データ332bとを有する。保存データクラス331bは、ビジネスデータ層33aからの要求に応じて、画像処理装置100内部の記憶領域のデータにアクセスする。外部保存データ332bは、画像処理装置100外部の記憶領域のデータにアクセスする。
【0039】
デバイス層34は、ビジネス層32からの要求に応じて、スキャナ/プリントエンジン17を制御することによって所定の処理を実行するための、原稿束クラス341と、転写紙束クラス342と、PC文書クラス344と、FAX文書クラス345と、文書登録クラス346と、エミュレーションクラス348とを有する。
【0040】
原稿束クラス341は、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322からの要求に応じて、スキャナ/プリントエンジン17を制御することによって画像処理装置100にセットされた1枚以上の原稿束を読み込んで、画像クラス339aに画情報を所定の記憶領域に格納させる。
【0041】
転写紙束クラス342は、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322からの要求に応じて、画像クラス339aに読み込んだ原稿の画情報を読み出させて、スキャナ/プリントエンジン17を制御することによって画情報を用紙に転写する。
【0042】
PC文書クラス344は、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322からの要求に応じて、共通部35のネットワーククラス357によってネットワーク20を介して外部から画像(文書データ)を受信し、エミュレーションクラス348によって画像(文書データ)を画像処理装置100の画像処理用に変換した画情報を画像クラス339aによって所定の記憶領域に格納し、画情報の編集要求がある場合には、画像編集クラス347を用いて画情報を編集する。
【0043】
FAX文書クラス345は、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322からの要求に応じて、画像クラス339aによって所定の記憶領域から画情報を読み出し、画像編集クラス347によって画像を編集し、FAXクラス358を利用してモデム10を制御することによってFAX送信する。また、FAX文書クラス345は、FAXクラス358を利用して受信したFAXを画像クラス339aによって所定の記憶領域に画情報を格納する。
【0044】
文書登録346は、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322からの要求に応じて、画情報を登録する処理を行い、蓄積文書クラス337aによって画像処理装置100内の記憶領域に画情報を格納する。
【0045】
画像編集クラス347は、デバイス層34内部の他クラスからの要求に応じて、画像編集を行う。
【0046】
エミュレーションクラス348は、デバイス層34内部の他クラスからの要求に応じて、外部から受信した画像(種々のデータ形式のデータファイル)を画像形成するための所定の形式に変換して画情報を取得する。
【0047】
共通部35は、プレゼンテーション層31、ビジネス層32、データ層33b、デバイス層34によって共通に利用される処理部であり、パーサクラス353と、メモリクラス354と、ネットワーククラス357と、FAXクラス358とを有する。
【0048】
パーサクラス353は、例えば、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの要求に応じて、外部から受信した要求内容を解析する。
【0049】
メモリクラス354は、データ層33bからの要求に応じて、指定されるNVRAM5又はディスクドライバ8のいずれかの記憶領域に指定される画情報を蓄積し、また、指定される記憶領域から指定される画情報を読み出す。
【0050】
ネットワーククラス357は、データ層33bと、デバイス層34とからの要求に応じて、通信制御部9を介してネットワーク20から画像情報を受信する、また、ネットワーク20を介して所定の機器へと画像処理装置100に蓄積されている指定された画情報を送信する。FAXクラス358は、モデム10を制御してFAXデータの送受信を行う。
【0051】
以下、各一連の処理毎にクラス図及び処理シーケンス図を用いて説明する。以下の処理シーケンス図において、必要に応じてインスタンスが生成されるクラスは、<<create>>で生成され<<delete>>で削除される。それ以外のクラスは、画像処理装置100が起動したときに初期化によってインスタンスが生成され、画像処理装置100の電源がオフになるまで所定記憶領域に常駐する。
【0052】
先ず、単体アプリケーションの処理について図4から図7で説明する。
【0053】
図4は、アドレス帳情報を編集する処理を行うためのクラス図である。図4において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネスデータ層33aのアドレス帳クラス335aに対して、アドレス帳情報を編集する処理として検索、参照、登録などを要求する。
【0054】
アドレス帳クラス335aは、操作者クラス310から要求された処理種別(検索、参照、登録など)に応じて、データ層33bの保存データクラス331bに対して、所定記憶領域に格納されたアドレス帳へのアクセスを要求する。
【0055】
保存データクラス331bは、アドレス帳クラス335aからの要求に応じて、共通部35のメモリクラス354によって、要求された処理種別(検索、参照、登録など)に応じたアクセスを行う。
【0056】
図5は、アドレス帳情報を編集する処理を行うための処理シーケンス図である。図5において、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS101)。例えば、ユーザが操作パネル16を操作すると、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する。
【0057】
そして、操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aのインスタンスを生成して(ステップS102)、アドレス帳クラス335aのインスタンス(以下、単にアドレス帳クラス335aとする)に対して、ユーザが指定した情報を検索する要求を行う(ステップS103)。アドレス帳クラス335aは、保存データクラス331bに対して、ユーザが指定した情報に係るデータを検索する要求を行う(ステップS104)。保存データクラス331bは、メモリクラス354によって、ユーザが指定した情報に係るデータをアドレス帳から読み出す(ステップS105)。
【0058】
操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aに対して、ユーザが指定した情報を参照する要求を行う(ステップS106)。アドレス帳クラス335aは、保存データクラス331bに対して、ユーザが指定した情報に係るデータを読み出す要求を行う(ステップS107)。保存データクラス331bは、メモリクラス354によって、ユーザが指定した情報に係るデータをアドレス帳から読み出す(ステップS108)。
【0059】
操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aに対して、ユーザが指定した(或いは入力した)情報を登録する要求を行う(ステップS109)。保存データクラス331bは、メモリクラス354によって、ユーザが指定した情報に係るデータをアドレス帳に書き込む(ステップS110)。
【0060】
操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aのインスタンスを削除し(ステップS111)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS112)、アドレス帳情報を編集する処理を終了する。
【0061】
図5に示す処理シーケンスの例において、情報の検索、情報の参照、情報の登録を一連の処理として説明したが、いずれか1つのみが実行される場合であってもよい。
【0062】
図6は、外部のアドレス帳情報を参照する処理を行うためのクラス図である。図6において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネスデータ層33aのアドレス帳クラス335aに対して、外部のアドレス帳情報を編集する処理として検索、参照、登録などを要求する。
【0063】
アドレス帳クラス335aは、操作者クラス310から要求された処理種別(検索、参照、登録など)に応じて、データ層33bの外部保存データクラス332bに対して、外部の記憶領域に格納されているアドレス帳へのアクセスを要求する。
【0064】
外部保存データクラス332bは、アドレス帳クラス335aからの要求に応じて、共通部35のネットワーククラス357によって、外部の記憶領域に格納されているアドレス帳へ要求された処理種別(検索、参照、登録など)に応じたアクセスを行う。
【0065】
図7は、外部のアドレス帳情報を参照する処理を行うための処理シーケンス図である。図7において、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS131)。例えば、ユーザが操作パネル16を操作すると、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する。
【0066】
そして、操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aのインスタンスを生成して(ステップS132)、アドレス帳クラス335aのインスタンス(以下、単にアドレス帳クラス335aとする)に対して、ユーザが指定した情報を検索する要求を行う(ステップS133)。アドレス帳クラス335aは、外部保存データクラス331bに対して、ユーザが指定した情報に係るデータを検索する要求を行う(ステップS134)。
【0067】
外部保存データクラス332bは、ネットワーククラス354にアドレス帳が格納されている外部の記憶領域への接続を要求する(ステップS135)。ネットワーククラス354によって接続が完了すると、外部保存データ332bは、ネットワーククラス354に対してユーザが指定した情報に係るデータの検索による検索結果を受信する要求をする(ステップS136)。その後、検索結果は、操作パネル16に表示される。
【0068】
操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aに対して、ユーザが指定した情報を参照する要求を行う(ステップS137)。アドレス帳クラス335aは、外部保存データクラス332bに対して、ユーザが指定した情報に係るデータを読み出す要求を行う(ステップS138)。
【0069】
外部保存データクラス332bは、ネットワーククラス354にアドレス帳が格納されている外部の記憶領域への接続を要求する(ステップS139)。ネットワーククラス354によって接続が完了すると、外部保存データ332bは、ネットワーククラス354に対してユーザが指定した情報に係るデータの読み出しによる読み出し結果を受信する要求をする(ステップS140)。その後、読み出し結果は、操作パネル16に表示される。
【0070】
操作者クラス310は、アドレス帳クラス335aのインスタンスを削除し(ステップS141)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS142)、アドレス帳情報を編集する処理を終了する。
【0071】
次に、デバイス層34を利用して行われる種々の処理について図8から図15で説明する。
【0072】
図8は、紙原稿を印刷する処理を行うためのクラス図である。図8において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322に対して、紙原稿の印刷を要求する。
【0073】
文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310からの紙原稿の印刷の要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341に対して、紙原稿の読み取りを要求し、次に、デバイス層34の転写紙束クラス342に対して、紙原稿から読み取った画情報の印刷を要求する。
【0074】
原稿束クラス341は、スキャン/プリントエンジン17によって紙原稿から読み取った画情報を記憶領域に書き込むことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aは保存データクラス331bを介してメモリクラス354によって記憶領域に書き込ませる。
【0075】
転写紙束クラス342は、記憶領域から紙原稿の画情報を読み出すことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aが保存データクラス331bを介してメモリクラス354から読み出した画情報をスキャン/プリントエンジン17によって印刷出力する。
【0076】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの紙原稿の印刷の要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341と、転写紙束クラス342とを組み合わせることによって、紙原稿を印刷する一連の処理として実行する。
【0077】
図9は、紙原稿を印刷する処理を行うための処理シーケンス図である。図9において、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS201)。例えば、ユーザが紙原稿を印刷するために操作パネル16を操作すると、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する。
【0078】
そして、操作者クラス310は、文書入出力リクエストクラス322へ動作を予約し(ステップS202)、ユーザが操作パネル16を操作して入力した印刷条件を動作条件として文書入出力リクエストクラス322に設定し(ステップS203)、動作の実行を要求する(ステップS204)。
【0079】
文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の原稿束クラス341のインスタンスを生成して(ステップS205)、原稿束クラス341のインスタンス(以下、単に原稿束クラス341とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS206)、処理の実行を要求する(ステップS207)。
【0080】
デバイス層34の原稿束クラス341は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の書き込み要求を画像クラス339aに行う(ステップS208)。画像クラス339aは、画情報を格納するために保存データクラス331bに対してデータの書き込み要求を行なう(ステップS208−2)。保存データクラス331bは、画像クラス339aから受け取った画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域に書き込む(ステップS209)。
【0081】
メモリクラス354が画情報の書き込みを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS210)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、原稿束クラス341へ情報操作経過を通知する(ステップS211)。原稿束クラス341は、画像クラス339aからの情報操作経過の通知に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS212)。
【0082】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、原稿束クラス341のインスタンスを削除する(ステップS213)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知する(ステップS214)。
【0083】
次に、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の転写紙束クラス342のインスタンスを生成して(ステップS215)、転写紙束クラス342のインスタンス(以下、単に転写紙束クラス342とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS216)、処理の実行を要求する(ステップS217)。
【0084】
デバイス層34の転写紙束クラス342は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の読み出し要求を画像クラス339aに行う(ステップS218)。画像クラス339aは、画情報を取得するために保存データクラス331bに対してデータの読み出し要求を行なう(ステップS218−2)。保存データクラス331bは、要求された画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域から読み出す(ステップS219)。
【0085】
メモリクラス354が画情報の読み出しを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS220)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、転写紙束クラス342へ情報操作経過を通知する(ステップS221)。
【0086】
情報操作経過の通知後、転写紙束クラス342は、印刷するために画像を編集する(ステップS222)。転写紙束クラス342は、画像クラス339aからの情報操作経過の通知及び画像編集の結果に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS223)。
【0087】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、転写紙束クラス342のインスタンスを削除する(ステップS224)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知し(ステップS225)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS226)、紙原稿を印刷する処理を終了する。
【0088】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの紙原稿の印刷の要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341と、転写紙束クラス342とを組み合わせることによって、紙原稿を印刷する一連の処理として実行する。
【0089】
図10は、紙原稿を電子化し保管する処理を行うためのクラス図である。図10において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322に対して、紙原稿の電子化及び保存を要求する。
【0090】
文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310からの紙原稿の電子化し保存する要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341に対して紙原稿の読み取りを要求し、次に、デバイス層34の蓄積文書クラス337aに対して紙原稿から読み取った画情報の読み出しを要求する。
【0091】
原稿束クラス341は、スキャン/プリントエンジン17によって紙原稿から読み取った画情報を記憶領域に書き込むことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aは保存データクラス331bを介してメモリクラス354によって記憶領域に書き込ませる。画情報は一時的に記憶領域に格納される。文書入出力リクエストクラス322からの要求に画像編集に係る処理が含まれている場合には、原稿束クラス341は、画像編集クラス347によって画情報を編集して、画像クラス339aによって記憶領域に書き込ませる。
【0092】
文書登録クラス346は、記憶領域から紙原稿の画情報を読み出すことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aが保存データクラス331bを介してメモリクラス354から読み出した画情報を文書情報として登録する要求を蓄積文書クラス337aへ行う。
【0093】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの紙原稿を電子化し保管する要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341と、蓄積文書クラス337aとを組み合わせることによって、紙原稿を電子化し保管する一連の処理として実行する。
【0094】
図11は、紙原稿を電子化し保管する処理を行うための処理シーケンス図である。図11において、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS301)。例えば、ユーザが紙原稿を電子化し保管するために操作パネル16を操作すると、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する。
【0095】
そして、操作者クラス310は、文書入出力リクエストクラス322へ動作を予約し(ステップS302)、ユーザが操作パネル16を操作して入力した紙原稿を電子化し保管する条件を動作条件として文書入出力リクエストクラス322に設定し(ステップS303)、動作の実行を要求する(ステップS304)。
【0096】
文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の原稿束クラス341のインスタンスを生成して(ステップS305)、原稿束クラス341のインスタンス(以下、単に原稿束クラス341とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS306)、処理の実行を要求する(ステップS307)。
【0097】
デバイス層34の原稿束クラス341は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の書き込み要求を画像クラス339aに行う(ステップS308)。画像クラス339aは、画情報を格納するために保存データクラス331bに対してデータの書き込み要求を行なう(ステップS308−2)。保存データクラス331bは、画像クラス339aから受け取った画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域に書き込む(ステップS309)。
【0098】
メモリクラス354が画情報の書き込みを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS310)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、原稿束クラス341へ情報操作経過を通知する(ステップS311)。原稿束クラス341は、画像クラス339aからの情報操作経過の通知に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS312)。
【0099】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、原稿束クラス341のインスタンスを削除する(ステップS313)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知する(ステップS314)。
【0100】
次に、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の文書登録クラス336のインスタンスを生成して(ステップS315)、文書登録クラス336のインスタンス(以下、単に文書登録クラス336とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS316)、処理の実行を要求する(ステップS317)。
【0101】
デバイス層34の文書登録クラス336は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の読み出し要求を画像クラス339aに行う(ステップS318)。画像クラス339aは、画情報を取得するために保存データクラス331bに対してデータの読み出し要求を行なう(ステップS318−2)。保存データクラス331bは、要求された画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域から読み出す(ステップS319)。
【0102】
メモリクラス354が画情報の読み出しを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS320)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、文書登録クラス336へ情報操作経過を通知する(ステップS321)。
【0103】
情報操作経過の通知後、文書登録クラス336は、画像クラス339aが読み出した画情報を文書情報として登録する要求を蓄積文書337aに行い(ステップS322)、登録処理の結果に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS322−4)。
【0104】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、蓄積文書クラス337aのインスタンスを削除する(ステップS323)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知し(ステップS324)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS325)、紙原稿を電子化し保管する処理を終了する。
【0105】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの紙原稿を電子化し保管する要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341と、蓄積文書クラス337aとを組み合わせることによって、紙原稿を電子化し保管する一連の処理として実行する。
【0106】
図12は、PC文書を印刷する処理を行うためのクラス図である。図12において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、ネットワーク357から要求を受け付けると、受け付けた要求をパーサ353によって解析する。その解析結果に基づいて、操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322に対して、PC文書の印刷を要求する。
【0107】
文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310からのPC文書の印刷の要求に応じて、デバイス層34のPC文書クラス344に対して、PC文書の受信を要求し、次に、デバイス層34の転写紙束クラス342に対して、受信したPC文書の画情報の印刷を要求する。
【0108】
PC文書クラス344は、ネットワーククラス357によって画像(文書)を受信し、エミュレーションクラス348によって受信した画像(文書)を画像処理装置100の所定の形式に変換して画情報を取得し、その画情報を画像クラス339aによって記憶領域へ書き込ませる。
【0109】
転写紙束クラス342は、記憶領域から紙原稿の画情報を読み出すことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aが保存データクラス331bを介してメモリクラス354から読み出した画情報をスキャン/プリントエンジン17によって印刷出力する。
【0110】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からのPC文書を印刷する要求に応じて、デバイス層34のPC文書クラス344と、転写紙束クラス342とを組み合わせることによって、PC文書を印刷する一連の処理として実行する。
【0111】
図13は、PC文書を印刷する処理を行うための処理シーケンス図である。図13において、操作者クラス310は、ネットワーククラス357から要求を受け付けると(ステップS401)、受け付けた要求をパーサ353によって解析する(ステップS402)。例えば、操作者クラス310は、ネットワーククラス357から文書受信の要求を受け付ける。そして、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS403)。この場合、ユーザによる操作パネル16の操作によるものではないので、操作者クラス310は、内部的に受付クラス320へ操作の開始を通知することになる。
【0112】
そして、操作者クラス310は、文書入出力リクエストクラス322へ動作を予約し(ステップS404)、文書を受信する条件を動作条件として文書入出力リクエストクラス322に設定し(ステップS405)、動作の実行を要求する(ステップS406)。
【0113】
文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34のPC文書クラス344のインスタンスを生成して(ステップS407)、PC文書クラス344に対して文書を受信する要求を行う(ステップS408)。
【0114】
PC文書クラス344は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの文書を受信する要求に応じて、ネットワーククラス357に対して要求元に接続する要求を行い(ステップS409)、文書を受信する要求を行う(ステップS410)。文書を受信すると、ネットワーククラス357は、PC文書クラス344に転送経過を通知する(ステップS411)。
【0115】
PC文書クラス344は、エミュレーションクラス348に対して受信した画像(文書)を変換する要求を行う(ステップS412)。エミュレーションクラス348は、受信した画像(文書)を画像処理装置100の所定の形式に変換して画情報を取得すると、PC文書クラス344は、画像クラス339aに対して、エミュレーションクラス348によって変換された画情報を書き込む要求を行う(ステップS413)。画像クラス339aは、画情報を格納するために保存データクラス331bに対してデータの書き込み要求を行なう(ステップS208−2)。保存データクラス331bは、画像クラス339aから受け取った画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域に書き込む(ステップS414)。
【0116】
メモリクラス354が画情報の書き込みを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS415)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過に基づいて、PC文書クラス344へ情報操作経過を通知する(ステップS416)。PC文書クラス344は、その情報操作経過に基づいて、文書入出力リクエスト322へ動作経過を通知する(ステップS417)。
【0117】
文書入出力リクエスト322は、PC文書クラス344から動作経過を受信すると、PC文書クラス344のインスタンスを削除する(ステップS418)。そして、文書入出力リクエスト322は、操作者クラス310へ進捗を通知する(ステップS419)。
【0118】
次に、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の転写紙束クラス342のインスタンスを生成して(ステップS420)、転写紙束クラス342のインスタンス(以下、単に転写紙束クラス342とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS421)、処理の実行を要求する(ステップS422)。
【0119】
デバイス層34の転写紙束クラス342は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、画情報の読み出し要求を画像クラス339aに行う(ステップS423)。画像クラス339aは、画情報を取得するために保存データクラス331bに対してデータの読み出し要求を行なう(ステップS423−2)。保存データクラス331bは、要求された画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域から読み出す(ステップS424)。
【0120】
メモリクラス354が画情報の読み出しを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS425)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、転写紙束クラス342へ情報操作経過を通知する(ステップS426)。
【0121】
情報操作経過の通知後、転写紙束クラス342は、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS427)。
【0122】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、転写紙束クラス342のインスタンスを削除する(ステップS428)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知し(ステップS429)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS430)、PC文書を印刷する処理を終了する。
【0123】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からのPC文書を印刷する要求に応じて、デバイス層34のPC文書クラス344と、転写紙束クラス342とを組み合わせることによって、PC文書を印刷する一連の処理として実行する。
【0124】
図14は、紙原稿をFAX送信する処理を行うためのクラス図である。図14において、プレゼンテーション層31の操作者クラス310は、操作の開始をビジネス層32の受付クラス320に通知し、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322に対して、紙原稿をFAX送信する要求を行う。
【0125】
文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310からの紙原稿をFAX送信する要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341に対して、紙原稿の読み取りを要求し、次に、デバイス層34のFAX文書クラス345に対して、紙原稿から読み取った文書を送信する要求を行う。
【0126】
原稿束クラス341は、スキャン/プリントエンジン17によって紙原稿から読み取った画情報を記憶領域に書き込むことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aは保存データクラス331bを介してメモリクラス354によって記憶領域に書き込ませる。画情報は一時的に記憶領域に格納される。文書入出力リクエストクラス322からの要求に画像編集に係る処理が含まれている場合には、原稿束クラス341は、画像編集クラス347によって画情報を編集して、画像クラス339aによって記憶領域に書き込ませる。
【0127】
FAX文書クラス345は、記憶領域から紙原稿の画情報を読み出すことを画像クラス339aに要求し、画像クラス339aが保存データクラス331bを介してメモリクラス354から読み出した画情報を画像編集347によって編集し、FAXクラス358によって画像を送信先へと送信する。
【0128】
このように、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310からの紙原稿をFAX送信する要求に応じて、デバイス層34の原稿束クラス341と、FAX文書クラス345とを組み合わせることによって、紙原稿をFAX送信する一連の処理として実行する。
【0129】
図15は、紙原稿をFAX送信する処理を行うための処理シーケンス図である。図15において、紙原稿を電子化し保管する処理を行うための処理シーケンス図である。図15において、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS501)。例えば、ユーザが紙原稿をFAX送信するために操作パネル16を操作すると、操作者クラス310は、受付クラス320へ操作の開始を通知する。
【0130】
そして、操作者クラス310は、文書入出力リクエストクラス322へ動作を予約し(ステップS502)、ユーザが操作パネル16を操作して入力した紙原稿をFAX送信する条件を動作条件として文書入出力リクエストクラス322に設定し(ステップS503)、動作の実行を要求する(ステップS504)。
【0131】
文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34の原稿束クラス341のインスタンスを生成して(ステップS505)、原稿束クラス341のインスタンス(以下、単に原稿束クラス341とする)に対して、処理の予約を行い(ステップS506)、処理の実行を要求する(ステップS507)。
【0132】
デバイス層34の原稿束クラス341は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの処理の実行の要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の書き込み要求を画像クラス339aに行う(ステップS508)。画像クラス339aは、画情報を格納するために保存データクラス331bに対してデータの書き込み要求を行なう(ステップS508−2)。保存データクラス331bは、画像クラス339aから受け取った画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域に書き込む(ステップS509)。
【0133】
メモリクラス354が画情報の書き込みを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS510)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、原稿束クラス341へ情報操作経過を通知する(ステップS511)。原稿束クラス341は、画像クラス339aからの情報操作経過の通知に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS512)。
【0134】
動作経過の通知後、文書入出力リクエストクラス322は、原稿束クラス341のインスタンスを削除する(ステップS513)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知する(ステップS514)。
【0135】
次に、ビジネス層32の文書入出力リクエストクラス322は、デバイス層34のFAX文書クラス345のインスタンスを生成して(ステップS515)、FAX文書クラス345のインスタンス(以下、単にFAX文書クラス345とする)に対して、文書の送信を要求する(ステップS516)。
【0136】
デバイス層34のFAX文書345は、ビジネス層32の文書入出力リクエスト322からの要求に応じて、紙原稿から読み取った画情報の読み出し要求を画像クラス339aに行う(ステップS517)。画像クラス339aは、画像クラス339aは、画情報を取得するために保存データクラス331bに対してデータの読み出し要求を行なう(ステップS517−2)。保存データクラス331bは、要求された画情報を共通部35のメモリクラス354によって記憶領域から読み出す(ステップS518)。
【0137】
メモリクラス354が画情報の読み出しを終了すると、保存データクラス331bはアクセス経過を画像クラス339aへ通知する(ステップS519)。画像クラス339aは、保存データクラス331bのアクセス経過の通知に基づいて、FAX文書クラス345へ情報操作経過を通知する(ステップS520)。
【0138】
情報操作経過の通知を受信後、FAX文書クラス345は、FAX送信するために画像を編集する(ステップS521)。そして、FAX文書クラス345は、FAXクラス358に接続を要求して(ステップS522)、文書(画像)の送信を要求する(ステップS523)。
【0139】
FAXクラス358は、モデム10を制御することによって文書(画像)をFAX送信する。FAXクラス358は、FAX文書クラス345へ転送経過を通知する(ステップS524)。
【0140】
転送経過の通知を受信後、FAX文書クラス345は、画像クラス339aからの情報操作経過の通知及び画像編集の結果に基づいて、文書入出力リクエストクラス322へ動作経過を通知する(ステップS525)。
【0141】
動作経過の通知を受信後、文書入出力リクエストクラス322は、FAX文書クラス345のインスタンスを削除する(ステップS526)。そして、文書入出力リクエストクラス322は、操作者クラス310へ進捗を通知し(ステップS527)、操作の終了を受付クラス320に通知して(ステップS528)、紙原稿をFAX送信する処理を終了する。
【0142】
図16は、操作者クラスの内部クラス構成を示す図である。図16において、操作者クラス310は、ユーザアクセスクラス315とユーザ要求クラス317とで構成され、ユーザアクセスクラス315とユーザ要求クラス317とは互いに関連づけられている。
【0143】
更に、ユーザアクセスクラス315は、外部からのアクセスを受け付ける処理を行うクラスであり、ネットワーク20を介して成されるリモートアクセスを受け付けて処理するリモートアクセスクラス315aと、パネル制御部6によるユーザインタフェースを介したアクセスを受け付けて処理する操作パネルアクセスクラス315bとを備えている。リモートアクセスクラス315aと操作パネルアクセスクラス315bとは、ユーザアクセスクラス315のサブクラスである。
【0144】
リモートアクセスクラス315aは、ネットワーククラス357との連携によってネットワーク20を介したアクセスを受け付け、パーサクラス353との連携によって受け付けたアクセスの内容を解釈する。例えば、リモートアクセスクラス315aは、印刷出力するための文書データを受け付けたりする。
【0145】
また、ユーザ要求クラス317は、要求を受け付けて、その要求に応じた処理を下位層へ指示するクラスであり、単体アプリケーションに対する要求に応じた処理を下位層に行わせるための単体アプリケーション要求クラス317aと、ワークフローを形成することによって複数の機能処理単位を組み合わせて一連の処理を下位層に行わせるためのワークフロー要求クラス317bとを備えている。単体アプリケーション要求クラス317aとワークフロー要求クラス317bとは、ユーザ要求クラス317のサブクラスである。
【0146】
ユーザ要求クラス317が受付クラス320へ要求の受け付け処理を行わせた後、要求の種別に応じて単体アプリケーション要求クラス317a又はワークフロー要求クラス317bが動作する。例えば、単体アプリケーション要求クラス317aはアドレス帳クラス335aへと指示を行い、ワークフロー要求クラス317bは文書入出力リクエストクラス322へと指示を行う。
【0147】
図17は、文書入出力リクエストクラスの内部クラス構成を示す図である。図17において、文書入出力リクエストクラス322は、操作クラス310からの要求に応じたワークフローへと処理を指示する文書処理ワークフロークラス326を備える。
【0148】
文書処理ワークフロークラス326は、原稿を読み取った画情報を記憶領域に蓄積するサブクラスとしての原稿蓄積ワークフロークラス326aと、原稿をコピーするサブクラスとしてのコピーワークフロークラス326bと、ネットワーク20を介して受信した文書データを印刷出力するサブクラスとしてのプリンタワークフロークラス326cと、原稿を読み取ってFAXするサブクラスとしてのFAX送信ワークフロークラス326dと、複数の画像処理を連携させた複雑な処理をするサブクラスとしての複雑なワークフロークラス326eとを備える。原稿蓄積ワークフロークラス326aと、コピーワークフロークラス326bと、プリンタワークフロークラス326cと、FAX送信ワークフロークラス326dと、複雑なワークフロークラス326eとは、文書処理ワークフロークラス326のサブクラスである。
【0149】
原稿蓄積ワークフロークラス326aは、原稿束クラス341と文書登録クラス346とを組み合わせて原稿を読み取って記憶領域に蓄積するための一連の処理を行う原稿蓄積アプリケーションを実現する。原稿蓄積アプリケーションとしての詳細な仕組みは、図10に示すクラス図及び図11に示す処理シーケンス図で例示される。
【0150】
コピーワークフロークラス326bは、原稿束クラス341と転写紙束クラス342とを組み合わせて原稿をコピーするための一連の処理を行うコピーアプリケーションを実現する。コピーアプリケーションとしての詳細な仕組みは、図8に示すクラス図及び図9に示す処理シーケンス図で例示される。
【0151】
プリンタワークフロークラス326cは、PC文書クラス344と転写紙束クラス342とを組み合わせてネットワーク20を介して受信した文書データを印刷出力するための一連の処理を行うプリンタアプリケーションを実現する。プリンタアプリケーションとしての詳細な仕組みは、図12に示すクラス図及び図13に示す処理シーケンス図で例示される。
【0152】
FAX送信ワークフロークラス326dは、原稿束クラス341とFAX文書クラス345とを組み合わせてFAXするための一連の処理を行うFAXアプリケーションを実現する。FAXアプリケーションとしての詳細な仕組みは、図14に示すクラス図及び図15に示す処理シーケンス図で例示される。
【0153】
複雑なワークフロークラス326eは、原稿束クラス341と、文書登録クラス346と、転写紙束クラス342と、画像編集クラス347と、FAX文書クラス345とを組み合わせて複数の処理を連携させた複雑な処理をする連携アプリケーションを実現する。
【0154】
このように、文書入出力リクエストクラス322によるワークフローによって実現されるデバイス層34における各アプリケーションについて簡単に図18に示す。図18は、アプリケーション毎の複数の機能処理単位の組み合わせ例を示す図である。図18中、クラスで示される機能処理単位間の矢印は、文書入出力リクエストクラス322によるワークフローに従ったデバイス層34内での処理の順序を示す。
【0155】
図18において、原稿蓄積アプリケーション70aは、原稿束クラス341による処理の後に文書蓄積クラス346による処理を行うことによって実現される。コピーアプリケーション70bは、原稿束クラス341による処理の後に転写紙束クラス342による処理を行うことによって実現される。
【0156】
プリンタアプリケーション70cは、PC文書クラス344による処理の後に転写紙束クラス342による処理を行うことによって実現される。FAXアプリケーション70dは、原稿束クラス341による処理の後にFAX文書クラス345による処理を行うことによって実現される。
【0157】
連携アプリケーション70eは、原稿束クラス341による処理の後に文書登録クラス346による処理を行うワークフローと、原稿束クラス341による処理の後に画像編集クラス347による編集処理Aを行って、更にFAX文書クラス345による処理を行うワークフローとがある。更に、画像編集クラス347による編集処理Aの後に画像編集クラス347による編集処理Bを行って、転写紙束クラス342による処理を行うワークフローがある。例えば、2ページを1ページに集約して(編集処理A)、更に日時又はスタンプを印字する(編集処理A)場合、連続して画像編集クラス347に処理を行わせることになる。
【0158】
更に、図3に示すように文書入出力リクエストクラス322は、画像編集クラス347に処理を直接指示できるため、画像編集クラス347に記憶領域に蓄積されている文書データに対して編集処理Aをさせた後にFAX文書クラス345による処理を行わせるようにワークフローを形成することができる(矢印f1からのフロー)。
【0159】
同様に、文書入出力リクエストクラス322は、画像編集クラス347に記憶領域に蓄積されている文書データに対して編集処理Bをさせた後に転写紙束クラス342による処理を行わせるようにワークフローを形成することができる(矢印f2からのフロー)。
【0160】
このように任意のタイミングで画像編集を行うことができる。
【0161】
図18に示す連携アプリケーション70eを実行するための複数のクラス間での処理の流れとその順番を示すコラボレーションについて図19で説明する。図19は、図18に示す連携アプリケーションを行うためのコラボレーションの例を示す図である。
【0162】
図19において、操作者クラス310は、ネットワーク20又は操作パネル16から指示された要求に応じて、受付クラス320へ操作の開始を通知する(ステップS1)。
【0163】
その後、操作者クラス310は、文書入出力リクエストクラス322に対して、動作を予約し(ステップS2)、動作条件を設定し(ステップS3)、動作を実行する(ステップS4)ことを指示する。
【0164】
文書入出力リクエストクラス322は、原稿束クラス341に対して原稿読み込みを予約し(ステップS5)、読み込みの実行を要求する(ステップS6)。原稿束クラス341は、画像クラス339aに対して、原稿から読み込んだ画情報を登録するために画情報01として記憶領域に書き込むことを要求し(ステップS7)、また、その画情報を編集するために画情報02として記憶領域に書き込むことを要求する(ステップS8)。
【0165】
そして、文書入出力リクエストクラス322は、文書登録クラス346に対して、文書登録の予約をし(ステップS9)、文書登録の実行を要求する(ステップS10)。文書登録クラス346は、画像クラス339aに対して、画情報01を記憶領域から読み出す要求を行い(ステップS11)、記憶領域から読み出した画情報01に対して文書登録処理を実行する(ステップS12)。
【0166】
また、文書入出力リクエストクラス322は、画像編集クラス347に対して予約し(ステップS13)、編集処理Aの実行を要求する(ステップS14)。画像編集クラス347は、画像クラス339aに対して画情報02の読み出しを要求し(ステップS15)、画情報02に編集処理Aを行った後、画像クラス339aに対して編集処理Aが行われた画情報02を画情報03として記憶領域に書き込む要求をする(ステップS16)。また、画像編集クラス347は、画像クラス339aに対して画情報03を更に編集するために画情報04として記憶領域に書き込む要求をする(ステップS17)。
【0167】
更に、文書入出力リクエストクラス322は、FAX文書クラス345に対して予約して(ステップS18)、FAX送信の実行を予約する(ステップS19)。FAX文書クラス345は、画像クラス339aに対して画情報03の読み出しを要求し(ステップS20)、画情報03を指定された宛先へFAXするためのFAX送信処理を実行する(ステップS21)。
【0168】
次に、文書入出力リクエストクラス322は、画像編集クラス347に対して予約し(ステップS22)、編集処理Bの実行を要求する(ステップS23)。画像編集クラス347は、画像クラス339aに対して画情報04の読み出しを要求し(ステップS24)、画情報04に編集処理Bを行った後、画像クラス339aに対して編集処理Bが行われた画情報04を画情報05として記憶領域に書き込む要求をする(ステップS25)。
【0169】
そして、文書入出力リクエストクラス322は、転写紙束クラス342に対して、印刷の予約をし(ステップS26)、印刷の実行を要求する(ステップS27)。転写紙束クラス342は、画像クラス339aに対して画情報05の読み出しを要求し(ステップS28)、画情報05を印刷して出力する印刷処理を実行する(ステップS29)。
【0170】
本発明に係る画像処理装置100では、上位層から(画像処理装置100の操作者に最も近い層から)プレゼンテーション層31と、ビジネス層32とを構成し、ビジネス層32の下位層にはデータアクセスに係るビジネスデータ層33a及びデータ層33bと、デバイス層34とを並べて構成する。更に、プレゼンテーション層31、ビジネス層32、データ層33b、デバイス層34の各層から直接アクセス可能な共通部35を備えている。
【0171】
全ての処理は、プレゼンテーション層31の操作者クラス310から開始されるように構成している。そのため、ビジネス層32では、操作者クラス310からの要求によってデータ層33b又はデバイス層34のクラスとしての機能処理単位毎の処理部を組み合わせてその実行順序を制御する、といった統一した概念に基づくワークフローをアプリケーションとして実現することができる。
【0172】
また、本発明において、画像処理装置100が行う画像処理に関する機能部分をデバイス層34に構成する。従って、ビジネス層32は、スキャナ、プリント、FAXなどの画像処理に関するワークフロー、画像処理によって生成された文書の画像を管理する文書処理装置としてのワークフローなどのように、デバイス層34の機能処理単位毎の処理部の組み合わせによって種々のワークフローを実現することができる。
【0173】
また、各ワークフローは機能処理単位毎の処理部の組み合わせであるため、従来の各ワークフローを個別のアプリケーションとして開発する場合に比べて、アプリケーションの開発の負担を軽減することが可能となる。
【0174】
請求項に記載の要求解析層、ワークフロー制御層、資源制御層は、夫々、上記実施例におけるプレゼンテーション層31、ビジネス層32、デバイス層34に相当する。
【0175】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の一実施例に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明における画像処理装置におけるアプリケーションの原理構成例を示す図である。
【図3】図2に示す原理構造に基づく画像処理装置での処理全体を表したクラス図である。
【図4】アドレス帳情報を編集する処理を行うためのクラス図である。
【図5】アドレス帳情報を編集する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図6】外部のアドレス帳情報を参照する処理を行うためのクラス図である。
【図7】外部のアドレス帳情報を参照する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図8】紙原稿を印刷する処理を行うためのクラス図である。
【図9】紙原稿を印刷する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図10】紙原稿を電子化し保管する処理を行うためのクラス図である。
【図11】紙原稿を電子化し保管する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図12】PC文書を印刷する処理を行うためのクラス図である。
【図13】PC文書を印刷する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図14】紙原稿をFAX送信する処理を行うためのクラス図である。
【図15】紙原稿をFAX送信する処理を行うための処理シーケンス図である。
【図16】操作者クラスの内部クラス構成を示す図である。
【図17】文書入出力リクエストの内部クラス構成を示す図である。
【図18】アプリケーション毎の複数の機能処理単位の組み合わせ例を示す図である。
【図19】図18に示す連携アプリケーションを行うためのコラボレーションの例を示す図である。
【符号の説明】
【0177】
1 CPU
2 画像バス
3 ROM
4 RAM
5 NVRAM
6 パネル制御部
7 エンジン制御部
8 ディスクドライバ
9 通信制御部
10 モデム
16 操作パネル
17 スキャン/プリントエンジン
18 記憶装置
20 ネットワーク
30 原理構造
31 プレゼンテーション層
32 ビジネス層
33a ビジネスデータ層
33b データ層
34 デバイス層
35 共通部
100 画像処理装置
310 操作者クラス
320 受付クラス
322 文書入出力リクエストクラス
331b 保存データクラス
332b 外部保存データクラス
335a アドレス帳クラス
337a 蓄積文書クラス
339a 画像クラス
341 原稿束クラス
342 転写紙束クラス
344 PC文書クラス
345 FAX文書クラス
347 画像編集クラス
348 エミュレーションクラス
353 パーサクラス
354 メモリクラス
357 ネットワーククラス
358 FAXクラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理に係るアプリケーションを実行する画像処理装置であって、
操作者からのサービス要求を解析する要求解析層と、
前記要求解析層からのサービスの実行要求に応じて該サービスに対応する1つ以上の機能単位処理部を組み合わせて前記アプリケーションとして動作させるためのワークフローを制御するワークフロー制御層とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ワークフロー制御層は、前記サービスに対応するワークフロー毎に該ワークフローで組み合わされる前記1つ以上の機能単位処理部の実行順を制御する処理フロー制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ワークフロー制御層に備えられる前記処理フロー制御部は、前記要求解析層からの前記サービスの実行要求によってのみ前記ワークフローを実行することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記要求解析層では、前記サービスの実行要求の解析と、前記ワークフロー制御層への前記サービスの実行要求とを、1つのサービス処理部で行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記要求解析層に備えられた前記サービス処理部は、
前記画像処理装置へのアクセスを受け付けるアクセス受付部と、
前記アクセス受付部が受け付けた前記アクセスによって指定される前記サービス要求を受け付けて処理を開始する要求受付部とを備えることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記1つ以上の機能単位処理部を有し、各処理部は前記ワークフロー制御層からの要求を受信することによって前記画像処理に係る資源を制御する資源制御層を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記資源制御層は、前記ワークフロー制御層からの要求を受信する機能単位処理部からの要求によって実行される内部処理部を備えていることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記資源制御層は、前記ワークフロー制御層からの要求を受信する機能単位処理部からの要求によって処理を実行する複数の内部処理部を備え、
前記機能単位処理部は、1つ以上の前記内部処理部を組み合わせた内部ワークフローを制御することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記資源制御層は、
1枚以上の原稿を読み込んで画情報を生成する読込処理部と、
前記画情報を所定媒体に転写する転写処理部とを前記機能単位処理部として備え、
前記ワークフロー制御層は、前記要求解析層からのサービスの実行要求が印刷要求である場合、前記読込処理部そして前記転写処理部の順に前記資源制御層への要求を制御することによって印刷処理のワークフローを行うことを特徴とする請求項7又は8項記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記資源制御層は、
1枚以上の原稿を読み込んで画情報を生成する読込処理部と、
前記画情報を記憶領域に蓄積するために登録する登録処理部とを前記機能単位処理部として備え、
前記ワークフロー制御層は、前記要求解析層からのサービスの実行要求が原稿の画情報の保存要求である場合、前記読込処理部そして前記蓄積処理部の順に前記資源制御層への要求を制御することによって保存処理のワークフローを行うことを特徴とする請求項7又は8項記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記資源制御層は、
外部から文書データを受信して記憶領域に画情報として格納する文書データ処理部と、
画情報を所定媒体に転写する転写処理部とを前記機能単位処理部として備え、
前記ワークフロー制御層は、前記要求解析層からのサービスの実行要求が文書データの印刷要求である場合、前記文書データ処理部そして前記転写処理部の順に前記資源制御層への要求を制御することによって文書データの印刷処理のワークフローを行うことを特徴とする請求項7又は8記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記資源制御層は、
1枚以上の原稿を読み込んで画情報を生成する読込処理部と、
前記画情報のFAX送受信を行うFAX送受信処理部とを前記機能単位処理部として備え、
前記ワークフロー制御層は、前記要求解析層からのサービスの実行要求がFAX送信要求である場合、前記読込処理部そして前記FAX送受信処理部の順に前記資源制御層への要求を制御することによってFAX送信処理のワークフローを行うことを特徴とする請求項7又は8項記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記資源制御層は、
前記画情報に対して編集処理を行う画像編集処理部を前記内部処理部として備えることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項14】
実世界に存在する概念をエンティティとして表現するデータへのアクセスを制御し、1つ以上のエンティティ毎に機能単位処理部を有する概念的データ層を備え、
前記エンティティの少なくとも1つに対して前記要求解析層から直接に前記サービス要求を受付けることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項15】
記憶領域の種別に対応する1つ以上の機能単位処理部を有し、各機能単位処理部は前記概念的データ層からの要求を受信することによってデータの保存領域への入出力を制御するデータ層を備えることを特徴とする請求項14項記載の画像処理装置。
【請求項16】
他の層から直接アクセス可能な1つ以上の機能単位処理部を有する共通部を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項記載の画像処理装置。
【請求項17】
画像処理に係るアプリケーションを実行する画像処理方法であって、
操作者からのサービス要求を解析する要求解析層において動作し、該サービス要求によるサービスを開始するサービス開始手順と、
1つ以上の機能単位処理部を組み合わせて前記アプリケーションとして動作させるためのワークフローを制御するワークフロー制御層において動作し、前記サービス開始手順からの前記サービスの実行要求を受信して、該サービスに対応するワークフローに従って該1つ以上の機能単位へ要求を送信するワークフロー制御手順とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項18】
前記画像処理に係る資源を制御する資源制御層において動作し、前記ワークフロー制御手順からの実行順に前記機能単位での処理を行う1つ以上の機能単位処理手順とを有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−235933(P2007−235933A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11722(P2007−11722)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】