説明

画像処理装置

【課題】原稿を読み取って得られる画像データをUSBメモリ等の着脱可能なフラッシュメモリへファイル出力する場合に、ユーザが原稿の読み取り動作が終了した時点でフラッシュメモリを取り外し、原稿を置き忘れて放置してしまうことを防止する。
【解決手段】画像処理装置20は、原稿台に載置された原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、原稿が原稿台から除去されたことの示唆を検知する検知手段を備えている。読取手段によって原稿が読み取られたのちに、原稿の置き忘れを示唆する置き忘れ示唆情報をUSBメモリ10に生成する。前記検知手段によって原稿の除去の示唆が検知されたならば、外部記録媒体から前記置き忘れ示唆情報を消去すると共に、画像データに画像ファイル名を付与してUSBメモリ10へ生成し格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の読み取りを行い、画像データをファイル出力する機能を有する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置では、原稿を読み取って得られる画像データを印刷出力する機能において、ユーザが原稿台にセットした原稿の置き忘れを防ぐために、原稿の読み取りが終了した後に原稿が取り除かれたことを確認してから印刷出力を開始するという技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、利用者が原稿を原稿搬送装置にセットして全ての原稿の読み取りが終了したとき原稿搬送装置における原稿の有無を判断し、原稿有りが検出されると印刷せず警告が発せられ、原稿無しが検出されると印刷が開始される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−17193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像処理装置では、原稿を読み取って得られる画像データを、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の着脱可能なフラッシュメモリへファイル出力する場合には、ユーザは原稿の読み取り動作が終了した時点でフラッシュメモリを取り外して原稿を置き忘れてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理装置は、原稿を載置する原稿台と、前記原稿台上に載置された前記原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記読取手段で読み取られた前記原稿が前記原稿台上から除去されたことの示唆である除去示唆情報を検知する検知手段と、前記読取手段によって前記原稿が読み取られたのちに、前記原稿台上に載置された前記原稿の置き忘れを示唆する置き忘れ示唆情報を生成する置き忘れ示唆情報生成手段と、前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、前記置き忘れ示唆情報を消去する置き忘れ示唆情報消去手段と、前記画像データに画像ファイル名を付与して外部記憶媒体へ生成し格納する画像格納手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像処理装置によれば、原稿台にセットした原稿を取り除かないで外部記憶媒体を取り外した場合には、外部記憶媒体には所望の画像ファイルは得られず、代わりに、例えば、ファイル名「原稿台に原稿が置かれています.txt」のテキストファイルが残るので、ユーザによって速やかに置き忘れ原稿の回収が行われるという効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施例1を示す図2の画像処理装置における概略の回路構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1における画像処理装置の全体を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2の画像処理装置における読取部を示す部分的な断面図である。
【図4】図4は、図1のUSBメモリを示す斜視図である。
【図5】図5は、図2の画像処理装置の操作パネルを示す図である。
【図6】図6は、図5の操作画面におけるスキャンtoUSBメモリへの画面遷移の例を示す図である。
【図7】図7は、図5の操作画面におけるスキャンtoUSBメモリの画面遷移の例を示す図である。
【図8】図8は、図1のUSBメモリに格納されたファイル名の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施例1における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施例2を示す画像処理装置における概略の回路構成図である。
【図11】図11は、本発明の実施例2における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施例3を示す画像処理装置における概略の回路構成図である。
【図13】図13は、本発明の実施例3における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施例4におけるUSBメモリに格納されたファイル名の例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の実施例4における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像処理装置の全体を示す斜視図である。
【0011】
画像処理装置20は、例えば、プリンタ機能、スキャナ機能、複写機能、及びファクシミリ(以下「Fax」という。)機能等の複数の機能を有するMFP(Multi Function Printer/Product/Peripheral)であり、載置された原稿を読み取る読取部24と、この読取部24の上部に配置された原稿台30と、この原稿台30の上に載置された原稿を覆う開閉自在の原稿カバー31と、この原稿カバー31の上部に設置され、原稿を一枚ずつ自動で送る自動原稿送り装置32と、操作パネル40と、着脱可能な外部記憶媒体(例えば「USBメモリ」)10を接続するためのUSBポート29とを有し、更に用紙等の記録媒体への印刷を行う画像形成部33を有している。原稿カバー31は、ユーザによる開閉が行われる。原稿カバー31が開いた状態においては、載置された原稿を原稿台30から除去できるが、原稿カバー31が閉じた状態においては、載置された原稿は原稿台30からは除去できない。
【0012】
図3は、図2の画像処理装置における読取部を示す部分的な断面図である。
画像処理装置20における読取部24は、自動原稿送り装置32を備えた原稿カバー31の下の原稿台30の直下に配置されており、読取ヘッド50と、この読取ヘッド50を図3の左右方向に移動させて原稿の画像を読み取る図示しない駆動機構を備えている。
【0013】
読取ヘッド50は、光源51と、この光源51から発した光を反射する2つのミラー52,53と、このミラー53からの光を受けて光学像を形成するためのレンズ54と、この光学像を読み取るための電荷結合素子(以下、「CCD」という。)センサ55とを備えている。
【0014】
図1は、本発明の実施例1を示す図2の画像処理装置における概略の回路構成図である。
【0015】
画像処理装置20は、この画像処理装置20の全体の制御を行う中央処理装置(以下「CPU」という。)等で構成された制御部21と、操作パネル40の制御を行い、ユーザにより特定の操作が行われたことを制御部21へ通知する操作部22と、原稿台30に置かれた原稿を読み取って中間画像データを生成する読取部24と、この読取部24が生成した中間画像データをもとにPDF(登録商標)(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の指定のファイル形式の画像ファイルを生成するファイル生成部25と、USBポート29に接続されたUSBメモリ10とのデータ通信を行う通信部26とを有している。更に、この画像処理装置20は、ユーザにより原稿カバー31の開閉操作が行われたことを制御部21へ通知する原稿カバー開閉検出部27と、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶媒体で構成され、前記中間画像データや画像ファイル等の種々のデータを格納するメモリ部28と、画像処理装置20におけるユーザインタフェースを司る操作パネル40と、用紙等の記録媒体への印刷を行う画像形成部33とを有している。
【0016】
図4は、図1のUSBメモリを示す斜視図である。
USBメモリ10は、USBポート29に挿入されたときの電気的かつ機械的な接続を行うUSB端子11と、USBメモリ10へのデータの読み書き中に点灯し、点灯によって挿抜しないように警告するアクセスランプ12とを備えている。
【0017】
図5は、図2の画像処理装置の操作パネルを示す図である。
操作パネル40は、各種設定項目や装置状態を表示するための表示装置41と、文字や数値を入力するための文字入力ボタン42と、各種設定メニューを選択して次画面に移るための移動/選択ボタン43と、コピー、スキャン、又はFaxを開始するためのスタートボタン44と、設定や実行中の動作を中断するためのストップボタン45とを備えている。
【0018】
図6は、図5の操作画面におけるスキャンtoUSBメモリへの画面遷移の例を示す図である。
【0019】
画像処理装置20は、電源投入直後の状態と待機状態において、操作パネル40上の表示装置41に機能選択メニュー60を表示しており、ユーザの移動/選択ボタン43の操作により、対応する各項目の詳細メニュー画面へ遷移する。
【0020】
機能選択メニュー60では、最上位行に「機能選択」が表示された下に「コピー」、「スキャン」、「Fax」、「メニュー」項目が表示されている。選択中の項目は黒の矩形で表され、移動/選択ボタン43の上方向移動ボタンを押すと選択中の項目の1つ上の項目が新たに選択中となり、下方向移動ボタンを押すと選択中の項目の1つ下の項目が新たに選択中となる。選択ボタンを押すと選択中に係る動作を実行する。「コピー」を選択すると「コピーToメニュー」へ遷移し、「スキャン」を選択すると「スキャンToメニュー61」へ遷移し、「Fax」を選択すると「FAX Toメニュー」へ遷移し、「メニュー」を選択すると「機能設定メニュー」へ遷移する。
【0021】
機能選択メニュー60で「スキャン」を選択して「スキャンToメニュー」へ遷移した場合には、新たにスキャンToメニュー61が表示され、最上位行に「スキャンTo」が表示された下に「Eメール」、「USBメモリ」、「ネットワークPC」、「PC」項目が表示されている。ここで、「Eメール」は、電子メールの略称であり、「PC」は、パーソナルコンピュータの略称である。選択中の項目は黒の矩形で表される事と、移動/選択ボタン43の上方向移動ボタンと下方向移動ボタンの機能は機能選択メニュー60と同様である。「Eメール」を選択すると「スキャンToEメールメニュー」へ遷移し、「USBメモリ」を選択すると「スキャンToUSBメモリメニュー62」へ遷移し、「ネットワークPC」を選択すると「スキャンToネットワークPCメニュー」へ遷移し、「PC」を選択すると「スキャンToPCメニュー」へ遷移する。なお、「USBメモリ」項目は、USBポート29にUSBメモリ10が取り付けられている場合のみ表示されている。
【0022】
スキャンToメニュー61で「USBメモリ」を選択して「スキャンToUSBメモリメニュー62」へ遷移した場合には、新たにスキャンToUSBメモリメニュー62が表示され、最上位行に「USBメモリ」が表示された下に「ファイル名:Image.pdf」、「濃度:0」、「原稿サイズ」の項目が表示されており、更にその下に「原稿をセットしてスタートボタンを押してください」がガイダンス表示されている。
【0023】
図7は、図5の操作画面におけるスキャンtoUSBメモリの画面遷移の例を示す図である。
【0024】
スキャンToUSBメモリメニュー70は、画面の最上位行に「スキャンtoUSBメモリ」が表示され、その下に現在の動作をあらわす「スキャン中」が表示され、更にその下に「USBメモリを抜かないでください。」のガイダンスが表示されている。
【0025】
原稿の読み取りが完了したならば、スキャンToUSBメモリメニュー71の表示に遷移する。スキャンToUSBメモリメニュー71は、スキャンToUSBメモリメニュー70と同様に画面の最上位行に「スキャンtoUSBメモリ」が表示され、その下に現在の動作をあらわす「スキャン完了」が表示され、更にその下にスキャンToUSBメモリメニュー71とは異なり「原稿台の原稿を取り除いてください。」のガイダンスが表示されている。
【0026】
原稿カバー31が開閉され、原稿台30に載置された原稿が取り除かれたとき、スキャンToUSBメモリメニュー72の表示に遷移する。スキャンToUSBメモリメニュー72は、スキャンToUSBメモリメニュー70,71と同様に画面の最上位行に「スキャンtoUSBメモリ」が表示され、その下にスキャンToUSBメモリメニュー70,71とは異なり現在の動作をあらわす「ファイル保存完了」が表示され、更にその下に「USBメモリは取り外し可能です。」のガイダンスが表示されている。
【0027】
図8(a),(b)は、図1のUSBメモリに格納されたファイル名の例を示す図である。
【0028】
図8(a)は、原稿読取後から原稿カバー31開閉までの間にUSBメモリ10に格納されているファイルの例である。「原稿台に原稿が置かれています.txt」は、原稿を置き忘れていることを示唆するファイルである。
【0029】
図8(b)は、原稿読取後に原稿カバー31を開閉したのちにUSBメモリ10に格納されているファイルの例である。「Image.pdf」は原稿の画像が記録されたファイルである。
【0030】
(実施例1の動作)
図9は、本発明の実施例1における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0031】
読取部24で読み込んだ画像データをUSBメモリ10に保存する際は、USBメモリ10がUSBポート29に取り付けられ、原稿台30に原稿がセットされ、かつ原稿カバー31が閉じられていなければならない。
【0032】
操作パネル40の操作により、機能選択メニュー60から「スキャン」が選択されたのち、「USBメモリ」が選択されたならば、操作部22は、表示装置41にスキャンToUSBメモリメニュー62のユーザ設定メニューを表示する。ここでファイル名、濃度、原稿サイズ等の画像ファイルに関する設定が可能だが、これらは初期設定値のままでよければ改めて設定される必要はない。続いて、スタートボタン44が押下げられると、操作部22は、制御部21へスキャンToUSBメモリ機能が実行されたことを通知し、図9の処理が開始する。
【0033】
ステップS1において、制御部21は、操作部22を介して表示装置41に「USBメモリを抜かないでください」を表示する。ステップS2において、制御部21は、図示しない駆動部を駆動して、原稿台30に沿って読取ヘッド50を原稿読取の開始位置である左端に移動する。
【0034】
ステップS3において、制御部21は、読取ヘッド50の光源51を点灯して右方向へ走査し、画像の読取を開始する。光源51が点灯すると、発生した光は、原稿台30上に載置された原稿面に照射され、原稿面で反射する。原稿面からの反射光は、読取ヘッド50内のミラー52,53によって反射された後、レンズ54により集光される。そして、レンズ54によって集光された光は、CCDセンサ55によって光電変換される。CCDセンサ55は、光電変換により、受光した光量によって電圧を発生させ、読取部24の有するA/D(Analog to Digital)変換器によってデジタル値に変換される。すなわち、読取ヘッド50で読み取った原稿の画像は、デジタル値に変換される。
【0035】
ステップS4において、制御部21は、図示しない駆動機構を介して、まだ読取ヘッド50を、読み取っていない右側に向かって原稿台30に沿って移動させ、原稿の画像を読み取ってデジタル値に変換しながら、読み取りが終了したか否かを判断する。読み取りの終了は、読み取り前に設定した原稿サイズに相当する走査が終了したか否かで判断する。すなわち、原稿台30上にある原稿は、原稿サイズに相当する走査が行われることによって、原稿の全てが読み取られ、デジタル値に変換される。
【0036】
原稿の読み取りが終了したならば、ステップS5において、制御部21は、読取ヘッド50の走査と読み取りを停止し、ステップS6において、ファイル生成部25を介してメモリ部28のRAM上に画像ファイルを生成する。
【0037】
ステップS7において、制御部21は、通信部26を介してUSBメモリ10にファイル名「原稿台に原稿が置かれています.txt」のテキストファイルを生成し、格納する。このときのUSBメモリ10の内容は、図8(a)に示されている。ステップS8において、制御部21は、操作部22を介して表示装置41に「原稿台の原稿を取り除いてください」の表示を行い、ステップS9において、原稿カバー開閉検出部27より原稿カバー31の開閉が行われたことの通知が行われたか否かを判断する。
【0038】
原稿カバー開閉検出部27が原稿カバー31の開閉を検出すると、ステップS10において、制御部21は、メモリ部28に一時保存してある画像ファイルを、通信部26を介してUSBメモリ10に格納する。
【0039】
ステップS11において、制御部21は、通信部26を介してUSBメモリ10に格納されたテキストファイル「原稿台に原稿が置かれています.txt」を削除し、ステップS12において、操作部22を介して表示装置41に「USBメモリは取り外し可能です」の表示を行い、図9の処理を終了する。図9の処理を終了した後のUSBメモリ10の内容が図8(b)に示されている。
【0040】
(実施例1の効果)
本実施例1の画像処理装置20によれば、原稿台30にセットした原稿を取り除かないでUSBメモリ10を取り外した場合には、USBメモリ10には所望の画像ファイルは得られず、代わりにファイル名「原稿台に原稿が置かれています.txt」のテキストファイルが残るので、ユーザによって速やかに置き忘れ原稿の回収が行われるという効果が期待できる。
【実施例2】
【0041】
(実施例2の構成)
図10は、本発明の実施例2を示す画像処理装置における概略の回路構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0042】
本実施例2における画像処理装置20Aは、実施例1の構成に加えて、更に、制御部21の指示により周期的にUSBメモリ10をアクセスするデバイスアクセス部23を備える他は、実施例1を示す図1の構成と同様である。
【0043】
(実施例2の動作)
図11は、本発明の実施例2における画像処理装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図9中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0044】
処理を開始したのち、実施例1と同様に、ステップS1〜S7の処理が行われる。
【0045】
ステップS20において、制御部21は、デバイスアクセス部23へUSBメモリ10のアクセス開始を指示し、指示を受けたデバイスアクセス部23は、アクセス停止の指示があるまで周期的にUSBメモリ10のアクセスを行い、USBメモリ10のアクセスランプ12を点滅させる。
【0046】
ステップS8,S9における処理は、実施例1と同様である。原稿カバー開閉検出部27が原稿カバー31の開閉を検出すると、ステップS21において、制御部21は、デバイスアクセス部23へUSBメモリ10のアクセス停止を指示する。前記指示を受けたデバイスアクセス部23は、ステップS20から周期的に行っていたUSBメモリ10へのアクセスを停止させ、USBメモリ10のアクセスランプ12を消灯させる。その後、実施例1と同様にステップS10〜S12の処理が行われる。
【0047】
(実施例2の効果)
本実施例2の画像処理装置20Aによれば、原稿の読み取り動作が終了した時点から原稿を取り除くまでの間、USBメモリ10に付いているアクセスランプ12が点滅するので、ユーザは画像ファイルの保存が完了していないと認識でき、よって原稿を置き忘れてしまうという問題を未然に防止できる効果を有している。
【実施例3】
【0048】
(実施例3の構成)
図12は、本発明の実施例3を示す画像処理装置における概略の回路構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0049】
本実施例3における画像処理装置20Bは、実施例1の構成の原稿カバー開閉検出部27に代わり、原稿台30に載置された原稿の有無を検出する原稿検出部27Bを備える他は、実施例1を示す図1の構成と同様である。
【0050】
(実施例3の動作)
図13は、本発明の実施例3における画像処理装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図9中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0051】
処理を開始したのち、実施例1と同様に、ステップS1〜S8の処理が行われる。ステップS9Bにおいて、制御部21は、原稿検出部27Bより原稿台30から原稿が検出されなくなったことをことの通知が行われたか否かを判断する。その後、実施例1と同様に、ステップS10〜S12の処理が行われる。
【0052】
(実施例3の効果)
本実施例3の画像処理装置20Bによれば、原稿台30にセットした原稿の有無を直接に検知するので、原稿カバー31の開閉よりも更に正確に置き忘れ原稿の有無が判断できる。よって、ユーザによって速やかに置き忘れ原稿の回収が行われるという効果が期待できる。
【実施例4】
【0053】
(実施例4の構成)
本発明の実施例4における画像処理装置の構成は、図1に示す実施例1の構成と同一である。
【0054】
図14(a),(b)は、本発明の実施例4におけるUSBメモリ10に格納されたファイル名の例を示す図である。
【0055】
図14(a)は、原稿読取後に原稿カバー31を開閉せずにUSBメモリ10を取り外したとき、USBメモリ10に格納されているファイルの例である。「原稿台に原稿が置かれています_Image.pdf」は、原稿台30に原稿を置き忘れていることを示唆するファイル名を有する原稿の画像ファイルである。
【0056】
図14(b)は、原稿読取後に原稿カバー31を開閉してUSBメモリ10を取り外したとき、USBメモリ10に格納されているファイルの例である。「Image.pdf」は原稿の画像が記録されたファイルである。
【0057】
(実施例4の動作)
図15は、本発明の実施例4における画像処理装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図9中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0058】
処理を開始したのち、実施例1と同様に、ステップS1〜S6の処理が行われる。
【0059】
ステップS7Cにおいて、制御部21は、通信部26を介してUSBメモリ10にファイル名「原稿台に原稿が置かれています_Image.pdf」の画像ファイルを生成し、格納する。このときのUSBメモリ10の内容が、図14(a)に示されている。
【0060】
次に、実施例1と同様に、ステップS8〜S9における処理が行われるが、ステップS10の処理は行われない。
【0061】
ステップS11Cにおいて、制御部21は、通信部26を介してUSBメモリ10に生成し、格納した「原稿台に原稿が置かれています_Image.pdf」画像ファイルのファイル名を、本来のファイル名「Image.pdf」にリネームする。このときのUSBメモリ10の内容が、図14(b)に示されている。
【0062】
その後、実施例1と同様に、ステップS12における処理が行われる。
【0063】
(実施例4の効果)
本実施例4の画像処理装置20によれば、実施例1の効果に加えて次の(A),(B)に示す効果がある。
【0064】
(A) 原稿台30にセットした原稿を取り除かないでUSBメモリ10を取り外した場合には、USBメモリ10には本来のファイル名「Image.pdf」等に「原稿台に原稿が置かれています」が付与されたファイル名「原稿台に原稿が置かれています_Image.pdf」の画像ファイルが残るので、どの原稿を置き忘れたかをユーザが認識できるという効果が得られる。
【0065】
(B) ファイルサイズが大きい為、USBメモリ10へ格納するには比較的時間が掛かる画像ファイルを、スキャン完了後に予めUSBメモリ10へ格納しておき、原稿カバー31の開閉の後に、比較的時間の掛からないUSBメモリ10上の画像ファイルのリネームを行う。よって、原稿カバー31の開閉後すみやかにUSBメモリ10がUSBポート29から取り外し可能となるという効果が得られる。
【0066】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜4に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
【0067】
(a) 実施例1〜3では、原稿の置き忘れを示唆するテキストファイルを生成したが、このテキストファイルに、画像処理装置20の個体識別番号や機種名や設置場所、又はスキャンした原稿のサイズや枚数等を記録してもよい。これにより、ユーザは画像処理装置20に原稿を置き忘れた場合、どの画像処理装置20に置き忘れたかを簡単に知ることができるという作用効果を奏する。
【0068】
(b) 実施例1〜4では、画像処理装置20としてMFPについて説明したが、本発明はMFPに限定されず、原稿を読み取って画像ファイルを生成し、着脱可能な外部記憶装置に保存する機能を有する種々の画像処理装置に適用可能である。
【0069】
(c) 実施例1〜4では、外部記憶媒体としてUSBメモリ10の例を説明したが、他の着脱可能なフラッシュメモリ等の不揮発メモリ等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 USBメモリ
12 アクセスランプ
20、20A,20B 画像処理装置
21 制御部
23 デバイスアクセス部
24 読取部
25 ファイル生成部
26 通信部
27 原稿カバー開閉検出部
27B 原稿検出部
28 メモリ部
29 USBポート
30 原稿台
31 原稿カバー
80、80C 示唆ファイル
81 画像ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する原稿台と、
前記原稿台上に載置された前記原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段で読み取られた前記原稿が前記原稿台上から除去されたことの示唆である除去示唆情報を検知する検知手段と、
前記読取手段によって前記原稿が読み取られたのちに、前記原稿台上に載置された前記原稿の置き忘れを示唆する置き忘れ示唆情報を生成する置き忘れ示唆情報生成手段と、
前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、前記置き忘れ示唆情報を消去する置き忘れ示唆情報消去手段と、
前記画像データに画像ファイル名を付与して外部記憶媒体へ生成し格納する画像格納手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記原稿台は、
載置された前記原稿を覆う開閉自在の原稿カバーと、
前記原稿カバーの開閉を検知する開閉検知センサと、を有し、
前記検知手段は、
前記開閉検知センサによって前記原稿カバーの開閉が検知されたことにより、前記除去示唆情報を検知することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記原稿台は、
載置された前記原稿の有無を検知する原稿センサを有し、
前記検知手段は、
前記原稿センサによって前記原稿が検知されなくなったことにより、前記除去示唆情報を検知することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記置き忘れ示唆情報生成手段は、
前記読取手段によって前記原稿を読み取ったのちに、前記原稿台上に載置された前記原稿の置き忘れを示唆する置き忘れ示唆ファイルを前記外部記憶媒体に生成して格納し、
前記置き忘れ示唆情報消去手段は、
前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、前記置き忘れ示唆ファイルを前記外部記憶媒体から消去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記置き忘れ示唆ファイルには、
前記画像処理装置の個体識別情報や設置場所情報、前記原稿の読取サイズや枚数を記録していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記置き忘れ示唆情報生成手段は、
前記読取手段によって前記原稿が読み取られたのちに、前記外部記憶媒体にダミーアクセスを開始し、
前記置き忘れ示唆情報消去手段は、
前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、前記外部記憶媒体へのダミーアクセスを停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記置き忘れ示唆情報生成手段は、
前記読取手段によって前記原稿を読み取ったのちに、前記画像データを、前記原稿台上に載置された前記原稿の置き忘れを示唆する置き忘れ示唆ファイル名を付与して前記外部記憶媒体に生成し、
前記置き忘れ示唆情報消去手段は、
前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、前記画像データの前記置き忘れ示唆ファイル名を、前記画像ファイル名に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像格納手段は、
前記検知手段によって前記除去示唆情報が検知されたならば、
前記画像データに前記画像ファイル名を付与して前記外部記憶媒体へ生成し格納することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−160263(P2011−160263A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21155(P2010−21155)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】