説明

画像処理装置

【課題】
スキャナ分離型画像処理装置において、スキャナ部との適切な通信を維持しつつ装置本体とスキャナ部との通信に無駄な時間を要しないようにする。
【解決手段】
スキャナ分離型画像処理装置であって、スキャナ部25と装置本体との間に接続されるハーネス27と、ハーネス27の線長に関する識別情報を検知するASIC16と、スキャナ部25と装置本体との間で通信を行うためのASIC15及び16と、ASIC16が検知した識別情報に基づいて、ASIC15、16の通信条件の設定を行うCPU11とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取って印刷等を行う画像処理装置に関し、特に、画像の読み取りに用いるスキャナ部を画像処理装置から分離することのできるスキャナ分離型の画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機などの画像処理装置は、一般に、装置利用者(ユーザ)が種々の設定操作を行うための操作部と、原稿を読み取るスキャナ部と、読み取った原稿情報を処理する信号処理部と、読み取った画像を記録紙等に印刷するプリンタ部等により構成されている。ユーザの操作対象である操作部やスキャナ部は、一般に、装置本体から分離して使用することはできず、車椅子利用者等のユーザにとっては、装置の操作が困難となる場合があった。
【0003】
そこで、近年、装置の利便性を向上させることを目的として、ユーザの使いやすい環境にスキャナ部を設置できるように、スキャナ部を装置本体から分離する機能を有する画像処理装置(スキャナ分離型画像処理装置)が実用化されている。これにより、ユーザは、特定の線長を持つ電線(ハーネス)により装置本体とスキャナ部を接続して、スキャナ部の設置場所を自由に変更することができる。
【0004】
しかし、従来のスキャナ分離型画像処理装置では、ハーネスの線長が数m程度に固定されており、装置本体からスキャナ部設置場所までの最大距離が制限される。また、ハーネスの線長より近い場所にスキャナを設置した場合であっても、ハーネスに余長が生じることから、余長部分の絡まりなどの物理的問題が発生するほか、余長部分からの不要な電磁波放出によるノイズ(EMI輻射ノイズ)が発生して他の機器の動作異常を誘発するという問題が生ずる場合がある。さらに、重なりあった余長同士の信号干渉によるクロストークノイズにより、スキャナ部と装置本体との通信が異常となって、装置が誤動作するという問題が生じる場合もある。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、スキャナ部と装置本体とを接続するハーネスを、スキャナ部の設置場所に応じて最適な線長のハーネスに繋ぎ換えて使用する方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、単にハーネスを繋ぎ換えるだけでは、スキャナ部と装置本体とのデータ交換に異常をきたす場合がある。
通常、装置本体からスキャナ部のデータを読み込む場合には、装置本体からスキャナ部へデータ読出コマンドが送信された後、スキャナ部から装置本体にデータが送信される。そして、このコマンド送信からデータ到達までの時間(以下「応答時間」)の最大時間(以下「最大応答時間」)が予め定められており、これ以上の時間を要した場合には、データ到達前にデータ読込動作が行われることとなって、通信異常が生ずる。
一方、ハーネス内を伝播する信号の速度は有限であり、ハーネスの一端から他端までを信号が伝播していくのに必要な時間(伝播遅延時間)は、ハーネスが長くなるにつれて長くなる。このため、装置本体とスキャナ部とを接続するハーネスを線長の長いハーネスに交換した場合には、応答時間が長くなり、最大応答時間の規格を満足できず、通信異常を生ずることとなる。
【0007】
この問題を回避する対策として、装置本体とスキャナ部とのデータ交換に使用するクロック信号の周波数を下げる方法が考えられる。
通常、装置本体からスキャナ部にデータ読出コマンドを送信した後の経過時間は、通信インタフェース自身が持っているクロック信号の数をカウントすることにより測定され、通信インタフェースは、最大応答時間を経過した後のクロック信号の立上りを合図としてデータを読み込む。したがって、クロック信号の周波数が高くその周期が短ければ、最大時間経過後、即座にデータが読み込まれることとなり、周波数が低くその周期が長ければ、最大時間経過後、その周期で定まる余裕時間をもって、データが読み込まれることとなる。
そこで、ハーネスとして使用できる最大の長さを定め、その最大長のハーネスを使用したときでも通信異常が生じることがないように、クロック信号の周波数を予め下げて設定しておけば、上述した通信異常を回避することができる。
【0008】
しかしながら、この方法では、ハーネス線長が短く、最大応答時間の経過後からデータ読み込み動作までの余裕をとる必要が無い場合であっても、周波数の低いクロック信号を使用することとなるため、装置とスキャナ部との通信に無駄な時間を要するという問題が生ずる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、スキャナ分離型画像処理装置において、使用するハーネスの長さに依らず、装置本体とスキャナ部との適切な通信状態を維持し、しかもその通信に無駄な時間を要しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、スキャナ分離型画像処理装置であって、スキャナ部と装置本体との間でハーネスを介して通信を行うための通信手段と、前記通信手段の通信条件の設定を行う通信条件設定手段と、を有し、前記通信条件設定手段は、少なくとも前記ハーネスの線長に対応した前記通信条件を設定することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、ハーネスの線長に対応した識別情報を検知するハーネス情報検知手段と、前記識別情報を適切な通信条件と関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段とを有し、前記通信条件設定手段は、前記関連情報記憶手段が記憶した前記関連情報から、前記ハーネス情報検知手段が検出した前記識別情報に対応する通信条件を特定すると共に、その特定した通信条件を前記通信手段に設定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像処理装置において、ハーネスの識別情報はハーネス内に設けられた識別情報用信号線で与えられ、前記ハーネス情報検知手段は、前記識別コード用信号線が表す識別情報からハーネスの識別情報を読み取ることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2に記載された画像処理装置において、前記ハーネスは、前記識別情報を記憶する識別情報記憶手段が設けられた中継基板とケーブル部分とを有しており、前記ハーネス情報検出手段は、前記識別情報記憶手段が記憶している識別情報を読み取ることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記通信条件設定手段が前記通信手段に設定する通信条件は、通信に使用するクロック信号の周波数であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記通信条件設定手段が前記通信手段に設定する通信条件は、通信に使用するクロック信号のデューティ比であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項2に記載された画像処理装置において、前記ハーネス情報検知手段が検知したハーネスの識別情報を記憶するための履歴情報記憶手段を備えることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載された画像処理装置において、前記通信条件設定手段は、前記ハーネス情報検知手段が検知した識別情報が、前記履歴情報記憶手段が記憶している識別情報と異なる場合にのみ、前記通信手段の通信条件を設定することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載された画像処理装置において、前記ハーネス情報検知手段は、装置の起動時及びハーネス交換時のみハーネスの識別情報を検知することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8に記載された画像処理装置において、省エネモードを備え、前記通信条件設定手段は、省エネモードからの復帰時には通信条件の設定動作を行わないようにしたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項7に記載された画像処理装置において、前記通信条件設定手段は、装置設置後の初回起動時にのみ、ハーネス情報検知手段が検出した識別情報に基づいて前記通信手段の通信条件を設定し、2回目以降の装置起動時には、前記履歴情報記憶手段が記憶した識別情報に基づいて前記通信手段の通信条件を設定することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項2ないし11のいずれかに記載された画像処理装置において、前記ハーネス情報検知手段が検知する識別情報は、ハーネスの線長であることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項2ないし11のいずれかに記載された画像処理装置において、前記ハーネス情報検知手段が検知する識別情報は、ハーネスの線長及びハーネスの材質であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スキャナ分離型画像処理装置において、使用するハーネスの長さに依らず、装置本体とスキャナ部との適切な通信状態を維持し、しかもその通信に無駄な時間を要しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像処理装置からスキャナを分離した場合の構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置とスキャナ部とを接続するハーネスの具体例を示す回路図である。
【図4】図1に示す画像処理装置における、識別コード検出と通信条件設定の処理手順を示すフロー図である。
【図5】図1に示す画像処理装置の動作手順を示すフロー図である。
【図6】クロック信号のデューティ比の変更により通信異常を回避しうることを説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による画像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
本画像処理装置は、装置本体に設けられ装置全体を制御するコントローラ10と、エンジン部24と、ユーザが操作を行うための操作部21とを有し、エンジン部24は画像読取を行うスキャナ22と画像印刷を行うプリンタ23とを有している。
【0014】
コントローラ10は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)11と、ハーネスの識別情報である、例えば識別コードを適切な通信条件と関連付けた情報(ここでは「関連情報」という)を記録したテーブルを保持する関連情報記憶手段、例えばシステムメモリ12と、スキャナ22からの画像データ等を記憶するローカルメモリ13と、補助記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)14と、スキャナ22との通信手段、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)15と、操作部21との通信手段、例えばASIC16と、過去に接続されていたハーネスの識別コードや使用していた通信条件を記憶する履歴情報記憶手段、例えば不揮発メモリ(NV−RAM:Non-Volatile RAM)17を有している。
上記の構成において、通信条件設定手段は、例えばプログラムによりCPU11を含むコンピュータの機能実現手段として実現され、ハーネスの識別コードを検知するためのハーネス情報検知手段は、例えばCPU11を含むコンピュータとASIC15、16とが共同して動作することにより実現される。また、ハーネスの識別コードは、例えばハーネスの線長に対し一意に設けられた識別コードとなっている。なお、ブリッジ18、19は、CPU11と各構成部品との間のバス通信を制御するためのブリッジ回路、外部通信インタフェース20は、LAN等に接続されて外部との通信を行うための通信インタフェースである。
【0015】
図2は、図1に示す本画像処理装置から操作部21とスキャナ22を分離した構成を示すブロック図である。
操作部21とスキャナ22は装置本体から分離することができ、これらを一体にしたスキャナ部25として、装置本体から離れた場所に設置することができる。この分離の際には、画像処理装置側に中継基板26を新たに設け、ハーネス27と中継基板26を介して、スキャナ部25とコントローラ10及びエンジン部24との間の通信を行う。
【0016】
図3はハーネス27の構成を示す図である。
ハーネス27は、2本の電源供給線L1と、数本のデータ通信用信号線L2と、3本のハーネス識別用信号線L3と有している。3本のハーネス識別用信号線L3は、ハーネス内部で電源供給線のGND又は+Vのいずれかに接続されている。この接続により、各ハーネス識別用信号線L3はそれぞれ0又は1を表すことができ、全体として3ビットの識別コードを表すことができる。また、ハーネスの線長は10cm間隔で定められており、各線長に対して固有の識別コードが、予め割り振られている。
【0017】
図4は、識別コード検出と通信条件設定の処理手順を示すフロー図である。
即ち、図4において、ユーザが、スキャナ22と操作部21を装置本体から分離してスキャナ部25を構成し(S101)、スキャナ部25と装置本体との間を中継基板26及びハーネス27により接続して(S102)、装置の電源を投入すると(S103)、CPU11が、装置立ち上げ処理の一部として、中継基板26及びASIC16を介して、ハーネス27の識別コードを検出する(S104)。次に、CPU11は、システムメモリ12が保持している関連情報テーブルを参照して(S105)、検出した識別コードに対する適切な通信条件を特定し(S106)、その通信条件をASIC15及び16に設定する(S107)。これにより、スキャナ部25と装置本体との間に、ハーネス27の種別、例えばハーネス線長に応じた適切な通信条件に基づいた通信が確立される。
【0018】
次に、本画像処理装置の動作手順を図5に示すフロー図にしたがって説明する。
ユーザが装置の電源を投入すると(S201)、CPU11は、システムメモリ12に格納されている起動プログラムに従って処理を行い、HDD14に格納されている関連情報をシステムメモリ12にダウンロードする(S202)。
次に、CPU11は、中継基板26及びASIC16を介してハーネス27の識別コードを検出し(S203)、検出した識別コードとNV−RAM17に記憶されている過去に接続されていたハーネスの識別コードとを比較する(S204)。
【0019】
識別コードが一致する場合(S204、Yes)、CPU11は、NV−RAM17に記憶されている過去に設定されていた通信条件を参照し(S205)、その通信条件をASIC15、16に設定する(S206)。
識別コードが一致しない場合は(S204、No)、CPU11は、システムメモリ12にダウンロードされ記憶された関連情報を参照し(S207)、検出した識別コードに対応する適切な通信条件を特定し(S208)、その通信条件をASIC15、16に設定する(S209)。また、CPU11は、今回検出した識別コード及び特定した通信条件を、NV−RAM17に記憶させる(S210)。これにより、次回の電源投入時には、前回の装置稼動時に検出した識別コードと使用していた通信条件を参照することができる。
【0020】
ここで、ASIC15及び16に設定する通信条件としては、通信に用いるクロック信号の周波数を用いることができる。前述したハーネスの伝播遅延時間は、ハーネス線長のほか、ハーネスの材質によっても異なる。
したがって、ハーネスの線長や材質が異なる場合、クロック信号の周波数を、使用するハーネスに応じた周波数とすることにより、スキャナ部の最大応答時間経過後からデータ読み取り動作実行までの余裕時間を、通信異常が生じることがないようにそのハーネスの伝播遅延時間(ハーネスの一端から他端までを信号が伝播していくのに必要な時間)とほぼ等しくすることができる。これにより、スキャナ部からのデータの読み取り動作に無駄な余裕時間が発生するのを回避することができる。
【0021】
また、ASIC15及び16に設定する通信条件として、クロック信号のデューティ比を含めることもできる。
図6は、ハーネスを介して装置に受信されるデータDと、通信に使用されるクロック信号の時間変化を示している。図6のデータ波形はハーネス内を伝播した後のデータ信号、クロック信号Aは通常用いられるデューティ比50%のクロック信号の波形、クロック信号Bはデューティ比を変更したクロック信号の波形である。
【0022】
ハーネスの線長が長く、データの伝播遅延時間が長い場合には、装置に到達するデータの不確定期間がクロック信号Aの立上りと重なる場合がある。このため、クロック信号Aのような通常のクロック信号の立上りの瞬間にデータを読み込むと、正しいデータを読み込むことができない。
しかしながら、データの送信タイミングがクロック信号の立下りに基づいて決定されている場合には、クロック信号Bのようにデューティ比を小さくすれば、データの受信タイミングに対してクロック信号の立上りタイミングを遅らせることができるので、データ確定後に受信データを読み込むこととなり、正しいデータを取得することができる。
【0023】
次に、本画像処理装置の変更例について説明する。
本画像処理装置の第1の変更例として、ハーネス27と中継基板26を一体として一つのハーネスとし、中継基板26に識別コード情報を保持するディップスイッチ等を設け、CPU11により、この識別コード情報を読み出すことができる。
【0024】
本画像処理装置の第2の変更例として、省エネルギーモード(以下、省エネモードという)からの復帰時は、識別コード検出と通信条件設定の動作を行わないようにすることができる。
一般に、画像処理装置は、ユーザの操作が一定期間無かった場合には、画像処理装置を構成する表示装置の照明やプリンタ用ヒータ等の給電を停止して、装置全体を省エネモード、即ち低消費電力状態に移行させる。ユーザが、省エネモード期間中にスキャナ部25の設定場所を変更してハーネスを交換することは稀であるので、通信条件設定動作を行わず、現在の通信条件を維持することで、不要な処理を回避することができる。
【0025】
本画像処理装置の第3の変更例として、装置稼動途中でハーネスを交換した場合にも、識別コード検出と通信条件設定の動作を行わせることができる。
即ち、画像処理装置が稼動している間にハーネス27を交換した場合には、ASIC16によりハーネス27の着脱を検出し、ハーネス27が再度接続された時にASIC16からCPU11に割り込み信号が掛かることにより、CPU11の割込処理の一部として、識別コード検出と通信条件設定の動作を行わせることができる。
【0026】
本画像処理装置の第4の変更例として、識別コード検出と通信条件設定の処理を、画像処理装置をユーザ宅内に設置したときにのみ実行し、その後の通常の装置電源投入の際には行わないようにすることができる。例えば、識別コード検出と通信条件設定の処理を、宅内設置時にCPU11が実行するインストール・プログラムにのみ含めて、通常の装置電源投入時の起動プログラムには含めないことができる。
これにより、装置を設置した後にスキャナ部25の設置場所を頻繁に変更しない場合には、その後の電源投入時における装置立ち上げ処理ではこれらの動作を行わないことで、不要な処理を回避することができる。
【0027】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態の画像処理装置によれば、装置本体とスキャナ部を接続するハーネスとして、適正な長さのハーネスを用いることで、その余長の発生を回避して、余長部分の絡まりや、余長部分に起因する通信異常、及び不要なEMI輻射ノイズの発生を解消することができる。
【符号の説明】
【0028】
10・・・コントローラ、11・・・CPU、12・・・システムメモリ、14・・・HDD、15、16・・・ASIC、17・・・NV−RAM、21・・・操作部、22・・・スキャナ、25・・・スキャナ部、26・・・中継基板、27・・・ハーネス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャナ分離型画像処理装置であって、
スキャナ部と装置本体との間でハーネスを介して通信を行うための通信手段と、
前記通信手段の通信条件の設定を行う通信条件設定手段と、
を有し、
前記通信条件設定手段は、少なくとも前記ハーネスの線長に対応した前記通信条件を設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像処理装置において、
ハーネスの線長に対応した識別情報を検知するハーネス情報検知手段と、
前記識別情報を適切な通信条件と関連付ける関連情報を記憶する関連情報記憶手段とを有し、
前記通信条件設定手段は、前記関連情報記憶手段が記憶した前記関連情報から、前記ハーネス情報検知手段が検出した前記識別情報に対応する通信条件を特定すると共に、その特定した通信条件を前記通信手段に設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像処理装置において、
ハーネスの識別情報はハーネス内に設けられた識別情報用信号線で与えられ、
前記ハーネス情報検知手段は、前記識別コード用信号線が表す識別情報からハーネスの識別情報を読み取ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記ハーネスは、前記識別情報を記憶する識別情報記憶手段が設けられた中継基板とケーブル部分とを有しており、
前記ハーネス情報検出手段は、前記識別情報記憶手段が記憶している識別情報を読み取ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記通信条件設定手段が前記通信手段に設定する通信条件は、通信に使用するクロック信号の周波数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載された画像処理装置において、
前記通信条件設定手段が前記通信手段に設定する通信条件は、通信に使用するクロック信号のデューティ比であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項2に記載された画像処理装置において、
前記ハーネス情報検知手段が検知したハーネスの識別情報を記憶するための履歴情報記憶手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載された画像処理装置において、
前記通信条件設定手段は、前記ハーネス情報検知手段が検知した識別情報が、前記履歴情報記憶手段が記憶している識別情報と異なる場合にのみ、前記通信手段の通信条件を設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載された画像処理装置において、
前記ハーネス情報検知手段は、装置の起動時及びハーネス交換時のみハーネスの識別情報を検知することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項8に記載された画像処理装置において、
省エネモードを備え、
前記通信条件設定手段は、省エネモードからの復帰時には通信条件の設定動作を行わないようにしたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項7に記載された画像処理装置において、
前記通信条件設定手段は、装置設置後の初回起動時にのみ、ハーネス情報検知手段が検出した識別情報に基づいて前記通信手段の通信条件を設定し、2回目以降の装置起動時には、前記履歴情報記憶手段が記憶した識別情報に基づいて前記通信手段の通信条件を設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
請求項2ないし11のいずれかに記載された画像処理装置において、
前記ハーネス情報検知手段が検知する識別情報は、ハーネスの線長であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
請求項2ないし11のいずれかに記載された画像処理装置において、
前記ハーネス情報検知手段が検知する識別情報は、ハーネスの線長及びハーネスの材質であることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−199438(P2011−199438A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61689(P2010−61689)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】