説明

画像処理装置

【課題】読み取って得られた画像データに適切な分類タグを自動的に付与して外部の記憶装置に記憶させることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】複合機(画像処理装置)は、画像読取部と、ネットワークアダプタと、制御部と、を備える。画像読取部は、原稿を読み取って画像データを取得する。ネットワークアダプタは、インターネット上に設置されたサーバに対して画像データを送ることが可能である。制御部は、サーバに記憶されているデータを分類するために各データに付けられた分類タグを構成要素とした分類タグ群と、画像読取部が取得した画像データに対して行われた文字認識処理の結果と、を比較して、双方に共通する文字列である共通文字列を取得し、画像データに対する分類タグとしての共通文字列を画像データと対応させて当該画像データとともに、サーバに記憶することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の記憶装置に画像データを送信可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像データ等をサーバに記憶させ、インターネット等のネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等からこれらのデータを利用できるようにしたシステムが知られている。この構成では、サーバにログインすることで、保存されたデータを様々な機器(他のPC、携帯電話等)から利用することができる。PC等で作成されたデータをサーバに記憶させる場合、FTP、HTTP等のプロトコルを使ってデータをアップロードすることが一般的に行われている。
【0003】
サーバが記憶する多数のデータを効率的に管理する方法としては、ディレクトリ(フォルダ)及びサブディレクトリを用いて階層的に整理する方法のほか、分類タグによる管理方法が知られている。分類タグを用いる方法では、ユーザは、データが属するカテゴリ、データの特徴、及び作成日時等を示す1又は複数の分類タグをデータ毎に付与する。そして、サーバは、分類タグの指定を伴う表示の指示を受けると、この分類タグが付けられたデータの一覧を表示させる。
【0004】
一方で、最近では、画像読取部が原稿を読み取ることで得られた画像データを、インターネットを介してサーバに送信可能な画像処理装置が知られている。特許文献1は、この種の画像処理装置と、上記サーバとしてのスキャン画像管理サーバと、で構成されたスキャン画像管理システムを開示する。
【0005】
特許文献1のスキャン画像管理システムでは、上記の分類タグを用いて画像データを管理している。このシステムでは、画像処理装置は、原稿を読み取って得られた画像データをスキャン画像管理サーバに送信する。そして、画像処理装置は、分類タグを選択するための画面をスキャン管理サーバから取得し、表示パネル等に表示する。この画面には、最近読み取られた原稿に付けられている分類タグ等を表示させることができる。そして、この画面からユーザによって選択された(又はユーザによる所定の操作により他の分類タグを表示させた後に選択された)分類タグが、送信した画像データに付与される。また、このシステムでは、画像処理装置が原稿を読み取った日時、画質・解像度、及びファイル種別(拡張子)等の情報を分類タグとして自動的に設定することもできる。
【0006】
また、特許文献2では、読み取った画像データにOCR(光学文字認識)処理を行い、このOCR処理の結果に基づいて、画像データにメタ情報を埋め込む方法を開示する。具体的には、画像処理装置は、初めに、OCR処理を行うことにより得られた文字列を解析して、特徴的な文字をキーワードとして抽出する。なお、キーワードの抽出には、例えば書式情報(下線、太文字、及び斜体)等が用いられる。そして、このキーワードを説明しているURL又は当該URLに記載された情報等をメタ情報として、読み取った画像データに埋め込むことができる。この構成により、キーワードに対する説明等を付加しつつ、原稿の電子化を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−188479号公報
【特許文献2】特開2009−163743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
分類タグは多数のユーザが様々な観点から自由に作成できる場合が多いので、膨大な数に上ることがある。しかし、上記特許文献1の構成では、表示パネルに表示可能な分類タグの数には限りがあるため、ユーザの希望どおりの分類タグが表示パネルに表示されるまでに、ユーザが検索などの煩雑な操作をしなければならない場合が多い。そのため、分類タグの付与作業に時間及び手間が掛かってしまう。
【0009】
また、上記特許文献2の構成は、原稿を読み取る際にメタ情報を付加する構成を開示するにとどまり、メタ情報付きの画像データをどのように管理するか(又はどのようにサーバ等に記憶させるか)については開示されていない。
【0010】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、読み取って得られた画像データに適切な分類タグを自動的に付与しつつ当該画像データを外部の記憶装置に記憶することができる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0012】
本発明の観点によれば、以下の構成の画像処理装置が提供される。即ち、この画像処理装置は、画像読取部と、送信部と、制御部と、を備える。前記画像読取部は、原稿を読み取って画像データを取得する。前記送信部は、外部に配置された記憶装置に対して画像データを送ることが可能である。前記制御部は、前記記憶装置に記憶されているデータを分類するために各データに付けられた分類タグを構成要素とした分類タグ群と、前記画像読取部が取得した前記画像データに対して行われた文字認識処理の結果と、を比較して、双方に共通する文字列である共通文字列を取得し、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を前記画像データと対応させて当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することが可能である。
【0013】
これにより、共通文字列を画像データの分類タグとすることができる。従って、この分類タグを利用することにより、画像データの検索性を良好にすることができる。また、既存の画像データに付けられたことがある分類タグを用いて、読み取った画像データに含まれる文字から共通文字列を取得するため、過去の分類タグの付与傾向に応じた柔軟なタグ付けを行うことができる。
【0014】
前記の画像処理装置においては、前記制御部は、前記画像読取部が取得した画像データのファイル名に前記共通文字列を含ませることにより、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することが好ましい。
【0015】
これにより、画像処理装置は、画像データのファイル名を用いて分類タグを付ける設定の記憶装置に対応することができる。また、分類タグが自動でファイル名に付けられるため、ユーザは、ファイル名のみから画像データの内容をある程度把握できる。
【0016】
前記の画像処理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記送信部は、前記画像読取部が取得した前記画像データを添付した電子メールを送信可能である。前記制御部は、前記共通文字列を電子メールの件名又は本文に含ませて前記送信部に当該電子メールを送信させることにより、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することが好ましい。
【0017】
これにより、画像処理装置は、電子メールに記載された文字を用いて自動で分類タグを付ける設定の記憶装置に対応することができる。また、画像データを、分類タグの情報とともに、インターネット上に設置された記憶装置(サーバ)に簡単な方法で記憶することができる。
【0018】
前記の画像処理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この画像処理装置は、表示部を備える。前記制御部は、前記送信部による電子メールの送信前に、前記共通文字列を前記表示部に表示する。
【0019】
これにより、ユーザは、読み取った画像データに付けられる分類タグを確認することができる。
【0020】
前記の画像処理装置においては、前記制御部は、前記共通文字列を電子メールの件名に含ませるとともに、電子メールの件名のうち前記共通文字列である部分を、所定の文字又は記号のうち少なくとも何れかを用いて示すことができることが好ましい。
【0021】
これにより、例えば電子メールの件名において所定の記号より後方に記載された文字列を用いて自動で分類タグを付ける設定の記憶装置に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機の機能ブロック図。
【図2】画像読取部が読み取った原稿をサーバに記憶させるときの制御部の処理を示すフローチャート。
【図3】サーバに記憶される分類データ群の例を示す図。
【図4】画像読取部が原稿を読み取って得られた画像データの例を示す図。
【図5】画像データが添付された電子メールの送信前における表示部の表示を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るコピーファクシミリ複合機のブロック図である。画像処理装置としてのコピーファクシミリ複合機(以下、複合機90)は、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、及びネットワークプリンタ機能を備える多機能周辺装置(Multi−Function Peripheral、MFP)として構成される。
【0024】
図1に示すように、複合機90は、画像読取部21と、画像形成部22と、画像メモリ25と、ファクシミリ送受信部26と、操作部12と、制御部13と、フラッシュメモリ14と、バス60と、を備える。また、本実施形態の複合機90には、当該複合機90をLAN81に接続するためのネットワークアダプタ(送信部)40が取り付けられている。
【0025】
画像読取部21は、スキャナ機能を実現するためのものである。本実施形態の画像読取部21は、CCDセンサ又は密着型イメージセンサ等の読取装置を備えており、この読取装置によって原稿を読み取り、当該原稿の画像データを取得する。
【0026】
画像形成部22は、プリンタ機能を実現するためのものであり、画像データを紙等の記録媒体に記録するための出力装置を備える。例えば、出力装置としては、LED等の光源を用いて感光体にトナーを選択的に付着させて、熱と圧力によってそのトナーを記録媒体に転写して印刷を行う方式を採用することができる。
【0027】
画像メモリ25は、画像読取部21で取得した画像データを保存し及び一時記憶するためのものである。
【0028】
ファクシミリ送受信部26は、電話回線を通じたファクシミリ機能を実現するためのものである。ファクシミリ送受信部26は、ネットワークコントロールユニット(NCU)、FAXモデム及びコーデック部等で構成されている。ファクシミリ送受信部26は、前記NCUを介して公衆交換電話網(PSTN)31に接続されており、変換復調装置としてのFAXモデムによって音声信号とデータ列とを相互変換する。コーデック部は、画像データを送信するためにMH、MR、MMR等の適宜の形式で圧縮を行う機能を有している。また、コーデック部は、受信した画像データを適宜の形式に展開する機能を有している。
【0029】
操作部12は、画像情報のファクシミリ送信、原稿の読取り又はコピー指示等をユーザが行うためのものである。操作部12は、ユーザによって操作されるテンキー及び送信ボタン等の各種操作手段を備えている。表示部15はディスプレイ等で構成され、操作部12を用いて入力された操作の内容等の各種情報を表示することができる。
【0030】
制御部13は、装置全体の制御を行うためのものであり、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びROM(リードオンリーメモリ)等で構成される。ROMには、装置の各部のハードウェアを制御するためのプログラム(ファームウェア等)が記憶されている。RAMは、プログラムのロード及び実行に使用されるほか、一時的なデータの記憶メモリとして用いられる。CPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行する演算部として用いられる。フラッシュメモリ14は、各種のソフトウェア及び複合機90の各種の設定等を記憶することができる。
【0031】
バス60は、図1に示すように、上述した装置の各部を互いに接続するものである。バス60としては、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)の規格に従って構成されたものを用いることができる。
【0032】
ネットワークアダプタ40は、複合機90がLAN81に接続するためのインタフェースであり、複合機90本体内の各部(制御部13及びフラッシュメモリ14等)と前記バス60を介して接続されている。図1に示すように、ネットワークアダプタ40はLAN81に接続されており、このLAN81には、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ71が接続されている。この構成により、パーソナルコンピュータ71は、複合機90に対して印刷指示及び設定変更等を行うことができる。
【0033】
また、LAN81は、ルータ72を介してインターネット82に接続されている。従って、複合機90は、インターネット82を介して、例えばファームウェアの書換えを行うことができる他、以下に示すように、電子メールの送受信を行うことができるように構成されている。
【0034】
即ち、複合機90は、前記ハードウェア及びソフトウェアの組合せにより、SMTP部及びPOP部等を構成することができるように構成されている。SMTP部は、簡易電子メール転送プロトコル(SMTP)を利用して、電子メールを送信可能に構成されている。また、POP部は、POP3プロトコルを利用して電子メールを受信可能に構成されている。なお、複合機90は、画像読取部21が原稿を読み取ることで生成された画像データを添付して、電子メールを送信することができるように構成されている。
【0035】
図1に示すように、インターネット82上には、記憶装置としてのサーバ100が設置されている。また、本実施形態の複合機90のユーザは、サーバ100の一部の記憶領域を借りているものとする。なお、ユーザが自らサーバ100を設置しても良い。
【0036】
本実施形態におけるサーバ100は、画像データ及びテキストデータ等のデータを記憶させるために用いられる。そして、ユーザは、所定のアカウント情報とパスワードとを入力することにより、パーソナルコンピュータ71及び携帯電話等の様々な端末から、サーバ100のデータを利用することができる。
【0037】
また、ユーザは、サーバ100のデータを利用するだけでなく、サーバ100に任意のデータを記憶することも可能となっている。サーバ100にデータを記憶する方法としては、パーソナルコンピュータ71を操作してFTP等を用いてファイルをアップロードする方法、又はパーソナルコンピュータ71の所定のフォルダとサーバ100とを同期させる方法等が知られている。これらの方法を用いる場合、所定のソフトウェア(例えば、FTPクライアントソフトウェア、サーバ業者が提供するソフトウェア等)が必要になることがある。
【0038】
サーバ100にデータを記憶する方法としては、上記のほかにも、記憶させる画像データを電子メールに添付して、この電子メールをサーバ100に送信する方法が知られている。この場合、単純なメールクライアントソフトを用いて、データのアップロードが可能となる。本実施形態の複合機90は、上述のように、画像データを添付した電子メールの送信が可能であるので、画像形成部22が原稿を読み取ることで生成された画像データをサーバ100に記憶することができる。
【0039】
また、ユーザは、サーバ100が記憶しているデータに分類タグを付けることで、サーバ100内のデータを管理することができる。分類タグとは、例えば後述の図3に示すように、データが属するカテゴリ及びデータの特徴等を示すものである。それぞれのデータには、この分類タグを1又は複数付与することができる。そして、例えばユーザによって所定の分類タグ(例えば「仕事」と「アジア」)が表示条件として指定された場合、サーバ100は、当該分類タグが付けられたデータのみを表示するように構成されている。
【0040】
また、ユーザは、サーバ100にアクセスして、各データに付与される分類タグの追加、編集、及び削除を行うことができる。ユーザは、サーバ100へのデータの送信後だけでなく、サーバ100へのデータの送信時(データをサーバ100に記憶させるとき)においても、当該データに付けられる分類タグを指定することができる。例えば上記ソフトウェアを用いてデータの送信を行うときは、送信時に所定の入力欄に分類タグを入力することで、指定した分類タグを、送信するデータと対応付けて当該データとともにサーバ100に記憶することができる。これにより、指定した分類タグを、サーバ100に記憶されるデータに付与することができる。
【0041】
一方、電子メールを用いて画像データの送信を行うときは、例えば、添付する画像データのファイル名に、付与する分類タグの名称を含ませる方法が考えられる。具体例としては、添付する画像データのファイル名を「A店ディスプレイ_仕事.jpg」とした電子メールを送信することで、「仕事」の分類タグを付与しつつ画像データを記憶するように、サーバ100に指示する方法が挙げられる。
【0042】
また、電子メールの件名又は本文に分類タグの名称を含ませる方法も考えられる。この例としては、電子メールの件名又は本文に「#仕事#アジア」という記述を含ませることで、「仕事」と「アジア」の分類タグを付けつつ画像データを記憶するようにサーバ100に指示する方法が挙げられる。
【0043】
上記では、ファイル名及び電子メールにおいて、どの部分が分類タグかを示すために、「_」「#」等の記号を分類タグの前に付ける方法を挙げたが、これらの記号は例示である。従って、サーバ100側が認識することが可能であれば、分類タグの前に所定の文字列を記述する方法、その他の記号を用いる方法等を用いることができる。
【0044】
上記の構成により、分類タグを付与しつつ、電子メールに添付された画像データをサーバ100に記憶することができる。これにより、画像データの送信とともに分類タグの付与を行うことができるので、送信後にサーバ100にアクセスして分類タグの編集を行う必要がなくなる。
【0045】
しかし、複合機90を用いて画像データの送信を行う場合、操作部12は通常はテンキー等で構成されていて(数字以外の)文字入力に適していないため、分類タグの入力に時間が掛かってしまう。この点、上記特許文献1は分類タグを選択する構成となっている。しかし、付与を希望する分類タグをディスプレイ等に表示させることは、特に分類タグが多い場合、時間が掛かる作業となる。
【0046】
これに対して、本実施形態の複合機90は、サーバ100の各データに付けられた分類タグ、及び、送信する画像データにOCR処理を行った結果を用いて、適切な分類タグを画像データに対して自動的に付与することができる。以下、この処理について、図2を参照して説明する。図2は、画像読取部21が読み取った原稿をサーバ100に記憶するときの制御部13の処理を示すフローチャートである。なお、ここで説明するサーバ100は、電子メールの件名において、#と#との間に記載された文字列(最後尾の#は不要)を1つの分類タグとして認識する構成であるとする。
【0047】
ユーザによって画像読取部21に原稿がセットされ、この原稿をサーバ100に送信する旨の指示を受けた場合、制御部13は、初めに、画像読取部21に原稿を読み取らせる(S101)。そして、制御部13は、読み取って得られた画像データに対してOCR処理を行う(S102)。このOCR処理は、複合機90(制御部13)が行う構成であっても良いし、サーバ100が行う構成であっても良い。サーバ100がOCR処理を行う場合は、複合機90は、画像データをいったんサーバ100に送信する必要がある。制御部13は、上記のようにして、読み取った画像データに記載された文字列を取得する。
【0048】
また、制御部13は、OCR処理を行った後に、サーバ100にアクセスして分類タグ群を取得する。分類タグ群とは、サーバ100が記憶するデータに付けられたことがある分類タグの一覧のことである。つまり、分類タグ群は、サーバ100のユーザが実際に使用したことがある分類タグの一覧と言うこともできる。
【0049】
なお、分類タグ群を取得する処理(S103)は、OCR処理(S102)の前に(又は並行して)行っても良い。なお、図2で示すフローチャートは例示であり、本発明の構成が実現できる限り、S102及びS103以外についても、フローの順序の入替え、及び処理の内容の一部変更等を行っても良い。
【0050】
次に、制御部13は、サーバ100から取得した分類タグ群と、画像データに対するOCR処理の結果得られた文字列と、を比較する(S104)。そして、分類タグ群と画像データの文字列との間で共通する文字列(共通文字列)が有るか否かを判断する(S105)。
【0051】
以下、分類タグ群と画像データの文字列とを比較する処理(S104)の具体例を図3及び図4を参照して説明する。図3は、サーバ100に記憶される分類データ群(分類データ一覧)の例を示す図である。図4は、画像読取部21が原稿を読み取って得られた画像データの例を示す図である。
【0052】
図3に示すように、この例では、分類タグとして、仕事、勉強、・・・等が用いられている。一方、画像読取部21が読み取ったブック原稿(旅行ガイド本)には、図4に示すような文字列が記載されているとする。これらに共通する文字列としては、図3及び図4に2点鎖線で示すように、旅行及びヨーロッパがある。そのため、この例では、制御部13は、共通文字列として「旅行」と「ヨーロッパ」とを取得する。
【0053】
上述のように、サーバ100は電子メールの件名を用いて分類タグを認識する構成である。従って、複合機90には予め、取得した共通文字列を電子メールの件名に含ませるための設定が行われている。従って、制御部13は、分類タグ群と画像データの文字列との間で共通文字列が有った場合は、この共通文字列を電子メールの件名に含ませる(S106)。また、電子メールの件名ではなく、電子メールの本文又は添付するファイルのファイル名を用いて分類タグを認識するサーバ100を用いる場合、所定の設定を行うことにより、制御部13は、取得した共通文字列を電子メールの本文又はファイル名に含ませることができる。なお、複合機90は、原稿を読み取った日時が電子メールの件名になるように予め設定することが可能である。そして、この設定がされている場合、共通文字列は、読み取った日時の後側(又は前側)に記載される。つまり、電子メールの件名は、例えば「2010/11/19/1530#旅行#ヨーロッパ」のように記載される。このように、共通文字列は、画像読取部21で読み取られた画像の実質的な内容に即したものとなっている。なお、本実施形態の複合機90では、電子メールの件名に日時を含ませないように設定することが可能である他、様々な情報を電子メールの件名に含ませることができる。
【0054】
そして、制御部13は、図5に示すように、この電子メールの件名を表示部15に表示させる(S107)。なお、図5は、画像データが添付された電子メールの送信前における表示部15の表示を示す図である。この表示により、ユーザは、読み取った画像データに付される分類タグを確認することができる。
【0055】
なお、ユーザは、希望の分類タグが表示部15に表示されていない(又は不要な分類タグが表示されている)場合、操作部12を操作して電子メールの件名を変更し、画像データに付される分類タグを変更することができる。例えば、図4に示す画像データに「趣味」という分類タグを追加したい場合は、電子メールの件名を、「2010/11/19/1530#ヨーロッパ#旅行#趣味」と変更すれば良い。なお、送信する電子メールの件名(分類タグを含む)の編集作業は、パーソナルコンピュータ71等から複合機90にアクセスして、複合機90が提供するWebベースのインタフェースを使用することで行っても良い。
【0056】
そして、ユーザの確認が得られると、制御部13は、この電子メールの宛先として、サーバ100にデータを記憶するためのメールアドレスを指定し、更に、読み取った画像データを添付する。そして、この電子メールを送信する(S108)。これにより、付与する分類タグを画像データと対応させて当該画像データとともにサーバ100に記憶することができるので、当該画像データに分類タグを付与することができる。なお、S105において、共通文字列が無かった場合は、原稿を読み取った日時のみが電子メールの件名となる。そして、電子メールの件名が表示部15に表示された後に(S107)、この電子メールが送信される(S108)。この場合、操作部12を操作して電子メールの件名に分類タグを追記することで、画像データに分類タグを付与することができる。
【0057】
以上の処理を行うことにより、複合機90は、適切な分類タグを画像データに付与することができる。
【0058】
以上に示したように、本実施形態の複合機90は、画像読取部21と、ネットワークアダプタ40と、制御部13と、を備える。画像読取部21は、原稿を読み取って画像データを取得する。ネットワークアダプタ40は、インターネット82上に設置されたサーバ100に対して画像データを送ることが可能である。制御部13は、サーバ100に記憶されているデータを分類するために各データに付けられた分類タグを構成要素とした分類タグ群と、画像読取部21が取得した画像データに対して行われた文字認識処理の結果と、を比較する。その後、制御部13は、双方に共通する文字列である共通文字列を取得し、画像データに対する分類タグとしての共通文字列を画像データと対応させて当該画像データとともに、サーバ100に記憶することが可能である。
【0059】
これにより、共通文字列を画像データの分類タグとすることができる。従って、この分類タグを利用することにより、画像データの検索性を良好にすることができる。また、既存の画像データに付けられたことがある分類タグを用いて、読み取った画像データに含まれる文字から共通文字列を取得するため、過去の分類タグの付与傾向に応じた柔軟なタグ付けを行うことができる。
【0060】
また、本実施形態の複合機90において、制御部13は、画像読取部21が取得した画像データのファイル名に共通文字列を含ませることにより、画像データに対する分類タグとしての共通文字列を当該画像データとともに、サーバ100に記憶することが可能である。
【0061】
これにより、画像データのファイル名を用いて分類タグを付ける設定のサーバ100に対応することができる。また、分類タグが自動でファイル名に付けられるため、ユーザは、ファイル名のみから画像データの内容をある程度把握することができる。
【0062】
また、本実施形態の複合機90において、ネットワークアダプタ40は、画像読取部21が取得した画像データを添付した電子メールを送信可能である。制御部13は、共通文字列を電子メールの件名に含ませてネットワークアダプタ40に電子メールを送信させることにより、画像データに対する分類タグとしての共通文字列を当該画像データとともに、サーバ100に記憶する。
【0063】
これにより、複合機90は、電子メールに記載された文字を用いて自動で分類タグを付ける設定のサーバ100に対応することができる。また、画像データを、分類タグの情報とともに、インターネット上に設置されたサーバ100に対して簡単な方法で記憶することができる。
【0064】
また、本実施形態の複合機90は、表示部15を備える。制御部13は、ネットワークアダプタ40による電子メールの送信前に、共通文字列を表示部15に表示する。
【0065】
これにより、ユーザは、読み取った画像データに付けられる分類タグを確認することができる。また、希望の分類タグが表示されていない場合は、操作部12を操作して、付与される分類タグを変更することができる。
【0066】
また、本実施形態の複合機90において、制御部13は、共通文字列を電子メールの件名に含ませるとともに、電子メールの件名のうち共通文字列である部分を、所定の文字又は記号のうち少なくとも何れかを用いて示すことができる。
【0067】
これにより、電子メールの件名において所定の記号(例えば#)より後方に記載された文字列を用いて自動で分類タグを付ける設定のサーバ100に対応することができる。
【0068】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0069】
画像データの読取り毎にサーバ100から分類タグ群を取得する構成に代えて、サーバ100の分類タグ群をフラッシュメモリ14に記憶し、所定時間毎に更新する構成にしても良い。この場合、制御部13は、S103の処理に代えて、フラッシュメモリ14を参照して分類タグ群をRAM等に読み出す処理を行う。この構成により、サーバ100にアクセスする回数を減らすことができるので、画像データをサーバ100に記憶させる処理を素早く行うことができる。
【0070】
上記実施形態では、記憶装置として、インターネット82上に設置されたサーバ100を用いているが、記憶装置としては、LAN上に設置されたネットワーク接続ストレージ(NAS)等を用いても良い。
【0071】
上記実施形態では、画像処理装置として複合機90を用いたが、この他にも、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、及びネットワークプリンタ機能のうち少なくとも何れかの機能を有する装置にも、本発明の構成を適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
13 制御部
15 表示部
21 画像読取部
40 ネットワークアダプタ(送信部)
90 コピーファクシミリ複合機(画像処理装置)
100 サーバ(記憶装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像データを取得する画像読取部と、
外部に配置された記憶装置に対して画像データを送ることが可能な送信部と、
前記記憶装置に記憶されているデータを分類するために各データに付けられた分類タグを構成要素とした分類タグ群と、前記画像読取部が取得した前記画像データに対して行われた文字認識処理の結果と、を比較して、双方に共通する文字列である共通文字列を取得し、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を前記画像データと対応させて当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することが可能な制御部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記制御部は、前記画像読取部が取得した前記画像データのファイル名に前記共通文字列を含ませることにより、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、
前記送信部は、前記画像読取部が取得した前記画像データを添付した電子メールを送信可能であり、
前記制御部は、前記共通文字列を電子メールの件名又は本文に含ませて前記送信部に当該電子メールを送信させることにより、前記画像データに対する分類タグとしての前記共通文字列を当該画像データとともに、前記記憶装置に記憶することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置であって、
表示部を備え、
前記制御部は、前記送信部による電子メールの送信前に、前記共通文字列を前記表示部に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の画像処理装置であって、
前記制御部は、前記共通文字列を電子メールの件名に含ませるとともに、電子メールの件名のうち前記共通文字列である部分を、所定の文字又は記号のうち少なくとも何れかを用いて示すことができることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−156860(P2012−156860A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15284(P2011−15284)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】