説明

画像取得装置

【課題】低コストで小型化し、かつ小型であるにも拘わらず短時間での画像取得を可能にして、使用時の利便性を向上させることにより、窓口で手軽に使える画像取得装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ハウジングとなる筐体部の中に照明及び撮像ユニットを配設して構成される。筐体部は、少なくとも被写体の上に被せる端面側を開口した筒状形状にして、不透明材質により構成し、かつ筒状壁部の内面に鏡面反射防止処理を施す。照明及び撮像ユニットは、光拡散フィルタと、該光拡散フィルタを通して被写体を照明する照明部と、被写体からの反射光により被写体を撮影する撮像部と、画像データを装置外部に伝送するための画像データ伝送部と、装置内の各部に供給するための供電部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持して移動させることが可能な小さな筐体部の中に、照明及び撮像ユニットを配設した簡易な構成の画像取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印影データを電子化して、目視で照合している事務作業の合理化が可能な印影の認証システムが提案されている。図9は、特許文献1に記載のような従来技術による印影の認証システムを説明する図である。図示のシステム例において、スキャナと認証サーバーが通信回線によって接続されている。認証サーバーは、登録時と認証時の印影画像データをスキャナから取得する画像取得部と、登録処理において、登録時にスキャナから取得した印影画像データをデータベースに登録する画像データ登録部と、識別データと共に登録される印影画像データを記録したデータベースと、登録時と認証時の印影画像データを対比して認証を行う認証部とを備えている。識別データは、登録時及び認証時に印影画像データを識別する役割を果たすものであり、キーボードなどから入力される。認証処理においては、認証時にスキャナから取得した印影画像データを、データベースから呼び出した登録情報と、所定のアルゴリズムに基づき対比して認証を行う。
【0003】
上述のように、特許文献1では、印影を取得するため、スキャナを利用する。このようなラインセンサーを有する画像取得機器は、画像を取得するのに、少なくとも十数秒の時間が要し、また機器自体も大きいため、導入コストが高く、使用時の利便性が良くないために、その利用は限定されていた。このような状況で、低コスト、小型、窓口で手軽に使える印影取得装置がセキュリティレベルの高まる現代社会において、必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3903436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、係る問題点を解決して、低コストで小型化し、かつ小型であるにも拘わらず短時間での画像取得を可能にして、使用時の利便性を向上させることにより、窓口で手軽に使える画像取得装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像取得装置は、ハウジングとなる筐体部の中に照明及び撮像ユニットを配設して構成される。筐体部は、少なくとも被写体の上に被せる端面側を開口した筒状形状にして、不透明材質により構成し、かつ筒状壁部の内面に鏡面反射防止処理を施す。照明及び撮像ユニットは、光拡散フィルタと、該光拡散フィルタを通して被写体を照明する照明部と、被写体からの反射光により被写体を撮影する撮像部と、撮像部によって取得した画像データを装置外部に伝送するための画像データ伝送部と、装置外部から供給された電源を画像取得装置内の各部に供給するための供電部とを備える。
【0007】
鏡面反射防止処理として、筒状壁部の内面に光吸収材或いは光乱反射材を貼り付けるか、若しくは梨子地加工を施す。画像データ伝送部は、それに接続されるUSBケーブルを介してパソコンに画像データを取り込み、パソコンに予めインストールしたプログラムによって印影の認証を行ない、かつ、パソコン画面上に認証結果を表示すると共に、パソコンの電源部から画像取得装置の供電部までは、前記USBケーブルを介して電源を供給する。筐体部の開口側を、被写体の上に被せる操作をして、筐体部上に設けたスタートボタンを操作することにより、或いは、パソコンの画面に設けたスタートボタンをクリックすることにより、印影の登録或いは認証の開始を行う。
【0008】
筐体部の筒状壁部の互いに反対する側の高さの異なる位置に、複数箇所の穴を開けて空気対流させ、かつ、この穴は斜めに開けて、外部からの直射光の侵入を防止する。照明及び撮像ユニットは、前記撮像部を備える撮像ボードと、前記照明部を備える照明ボードと、光拡散フィルタの3層に構成し、かつ、該撮像ボードは、先端側に取り付けたレンズを通して入射する入射光検出のためにCCDまたはCMOSセンサーを使用し、かつ、前記照明ボードにはLEDを用いる。光拡散フィルタは、前記レンズ外径に等しいか或いはそれ以上の内径の中央開口を有し、かつ、この光拡散フィルタの取付け高さ位置を前記レンズ近くにして、該レンズより上方に位置したLEDからの発光を拡散させた後に被写体上に照射する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像取得装置は、低コスト、高速認証、かつ使用方法が簡単なため、銀行や保険会社の窓口に設置可能となる。また、人間の負担を軽減し、混雑時の作業効率やセキュリティレベルを維持するのに貢献できる。本発明によれば、シンプルな構成であるので、安価で、メンテがし易い、使い勝手がよい装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を具体化する印影取得装置の構成を例示する図である。
【図2】本発明を具体化する印影取得装置をパソコンと接続した状態で示す機能ブロック図である。
【図3】筐体部を例示する図であり、(A)は、全体構成を示す図であり、(B)は、筒状壁部に設けた穴部を断面で示す図である。
【図4】照明及び撮像ユニットを示す図である。
【図5】光拡散フィルタの設置位置を説明する図であり、(A)は、光拡散フィルタがレンズより前(下)にある場合を、(B)は、光拡散フィルタがレンズより後(上)にある場合を、(C)は、光拡散フィルタがレンズ前面と同じ位置にある場合をそれぞれ示している。
【図6】(A)は、鏡面反射ありの条件で取得した画像を示し、(B)は、鏡面反射なしの条件で、取得した画像を示している。
【図7】(A)は、図6(A)に示す画像から作成したヒストグラムであり、(B)は、このヒストグラムから自動二値化処理によって得られた印影を示し、(C)は、図6(B)に示す画像から作成したヒストグラムであり、(D)は、このヒストグラムから二値化処理によって得られた印影を示している。
【図8】光拡散フィルタ無し、または設置した場合の想定した撮影距離での実験写真である。
【図9】特許文献1に記載のような従来技術による印影の認証システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明を具体化する印影取得装置の構成を例示する図である。なお、以下、印影取得装置を例として説明するが、本発明は、例えば、バーコード読取り装置のように、印影以外の他の画像の読取り取得にも適用することができる。図1において、印影取得装置のハウジングとなる筐体部の中に、照明及び撮像ユニットを配設する。また、この照明及び撮像ユニットは、画像データ伝送部及び供電部(図2参照)を備えている。画像データ伝送部及び供電部からUSBケーブルを介して接続されたパソコンに、画像データを取り込み、パソコンに予めインストールしたプログラムによって印影の認証を行う。
【0012】
使用方法としては、人が筐体を手で握って、筐体の開口側を、印影がある紙面等の上に被せる操作をして、スタートボタンを操作するという簡単な操作をするだけで、パソコン画面上に認証結果を表示することが可能になる。印影の認証の開始は筐体の適所にスタートボタンを設け、これのオンオフによってもよいし、パソコンの画面にスタートボタンを設け、これをクリックすることでもよい。
【0013】
図2は、本発明を具体化する印影取得装置をパソコンと接続した状態で示す機能ブロック図である。印影取得装置の筐体部内部には照明及び撮像ユニットが設けられる。この照明及び撮像ユニットは、印影などの被写体を光拡散フィルタを通して照明する照明部と、被写体からの反射光により被写体を撮影する撮像部と、撮像部によって取得した画像データをパソコンに伝送するための画像データ伝送部と、印影取得装置内の各部に電源を供給するための供電部とが備えられている。
【0014】
画像データ伝送部は、入力されたスタート信号に基づき、撮像部(ビデオカメラ)によって取得した画像データを、USBケーブルを介してパソコンに伝送する。画像データは、例えば、そのビデオフレームレートは15fps以上で、フレームサイズはVGA(640x480) 以上のデータである。CCDまたはCMOSビデオカメラから得られる画像は通常SNR(信号ノイズ比)が低い。このノイズは一様ランダム性があるので、数フレームの平均を取ることで低減させることが出来る。例えば、認証に用いる画像サイズが256x256ピクセルの場合、フレームサイズをVGA以下の320x240ピクセルにすると、サイズが不足する。VGA以上の場合、必要なだけのサイズを切り出すか、画素数十分の場合、ビニング処理などより良いSNRの画像が得られる。
【0015】
供電部は、照明部、撮像部、及び画像データ伝送部などの印影取得装置内の各部に電源を供給する。パソコンの電源部から印影取得装置の供電部までは、USBケーブルを介して電源を供給する。USBケーブルの長さは100cm程度、ノイズ防止対策を講じる。装置全体の消費電流はUSBの1ポート供給できる数値以内に抑えることが可能である。
【0016】
本発明の印影取得装置とUSBケーブルを介して接続されるパソコン内には、画像データを取り込んで印影の登録及び認証を行うプログラムが、予めインストールされている。この印影の登録及び認証プログラムとしては、従来公知のどのようなものも使用可能であるが、図2に示すパソコン内部には、その一例を機能的に表示している。例示の登録及び認証プログラムは、画像取得部により登録時と認証時の印影画像データを画像データ伝送部から取得する。画像データ登録部は、登録処理において、登録時に印影取得装置から取得した印影画像データを、識別データと共にデータベースに登録する。認証部は、登録時と認証時の印影画像データを対比して認証を行う。識別データは、登録時及び認証時に印影画像データを識別する役割を果たすものであり、キーボードなどから入力される。認証処理において、認証時に印影取得装置から取得した印影画像データを、データベースから呼び出した登録情報と、所定のアルゴリズムに基づき対比して認証を行う。なお、データベースをパソコン内部に備えるものとして例示したが、このデータベースを、パソコンとは通信回線により接続されたサーバー機に備えることも可能である。
【0017】
次に、図2に例示の印影取得装置を構成する各部分について説明する。図3は、筐体部を例示する図であり、(A)は、全体構成を示す図であり、(B)は、筒状壁部に設けた穴部を断面で示す図である。筐体部の形状は、印影がある紙面等の上に被せる端面側を開口した筒状(例えば、矩形筒状或いは円筒形状)にする。開口とは反対側の端面は、外光が入らないように蓋材を装着し或いは照明及び撮像ユニットを用いて閉じる。或いは蓋材を筒状壁部と一体に形成することもできる。筒外径(矩形外径或いは円筒直径)は人が握れる程度であり、例えば、円筒形状であれば7cm以内の直径及び10cm以内の長さが望ましい。筐体の外側に取っ手を設けることもできる。筐体材質は、外光の影響を除くため、不透明にする。また、安定した印影を取得するため、熱や手で握る程度の力で変形しない材質を使用する。被写体に接触する部分は、摩損に強い材質を使用する。
【0018】
照明のむらをなくすため、筒状壁部の内面には、光を鏡面反射しない材質のものとして光吸収材、光乱反射材などを貼り付けるか、梨子地加工を施すなどにより鏡面反射を避ける。鏡面反射があると、壁内面の形に応じた反射光によって、撮影平面に濃淡のある模様が写され、印影取得する際の自動閾値決定プロセスに支障を与える。印影画像は、通常、取得後に二値化処理されるが、二値化するための閾値を反射光の強さに応じて変更するのが自動閾値決定プロセスである。閾値の決定は、認証精度に直接影響を与える重要な処理である。また、手動で閾値設定する場合も、印影の位置に対する認証時及び登録時の鏡面反射による濃淡模様は必ずしも一致しないので、鏡面反射があると、認証に支障が生じる。
【0019】
エコ対策のため、照明装置は撮影素子に連動してパワーオン・オフできるように構成することが望ましい。長時間使用しても、熱による画質の影響がないよう、装置の構造上の熱対策を施す。CCD、CMOS素子、LEDも熱を発するので、長時間使用し続けると、熱がこもる。その対策として、筐体を熱伝達の良い金属製にするか、または樹脂製の場合、図3(A)に示すように、筒状壁部の互いに反対する側の高さの異なる位置に、数箇所の小さな穴を開けて、空気対流させることより、熱を発散させる。この場合、外部から入る光が印影取得を影響しないために、穴の位置は光拡散フィルタの上側に配置する必要がある。または、筒状壁部には、ある程度厚さがあるので、図3(B)に示すように、斜めに穴を開け、外部からの直射光の侵入を防止する。
【0020】
図4は、照明及び撮像ユニットを示す図である。照明及び撮像ユニットは、撮像ボードと、照明ボードと、光拡散フィルタの3層に構成している。撮像ボードは、先端側にレンズを取り付けて、このレンズを通して入射する光により被写体を撮影するビデオカメラである。撮像ボードとしては、短時間で印影取得できるように、入射光検出のためにCCDまたはCMOSのエリアセンサーを使用する。CCDまたはCMOSエリアセンサーは、照明ボードの後部に配置し、レンズの光軸は装置の開口面に垂直にして配置する。従来の一般的な方法はスキャナによる入力であるが、その場合スキャンの範囲にもよるが、少なくとも数秒はかかる。これに対して、CCDまたはCMOSセンサーを使う場合、一枚の画像を取得するのに、長くても1/15秒であり、高速である。
【0021】
照明ボードには、低発熱、高効率の白色LEDを用いるのが望ましい。LED輝度の経年変化を対応するため、明るさの調節機能を備える。被写体平面で照度15[lux] 以上が望ましい。照度がある程度以上ないと、撮影する際、露光時間が長くなり、暗電流ノイズの影響で、SNRの低い画像になりがちである。但し、SNRの低下は、撮影した複数フレームの平均を取ることにより改善することができる。ビデオカメラの種類にもよるが、15[lux]以上であると、メーカの示しているSNRに近い数値が得られる。これは設計時の仕様要求である。被写体平面に均一に光を当てるよう複数個のLEDをリング状に配置し、さらに光拡散フィルタを置く。LEDが光源として望ましい理由は以下の通りである。即ち、装置を小型化できる点、突入電流などフェラメントが持つ電球類の弱点が無くて、パルス変調での駆動も可能である点、発熱の少ない光源として知られていて、熱に弱い電子部品類との組み合わせに適している点、及び豆電球などの数十倍で、振動に強いので、故障率が少なく、ハンディ端末に適する点などである。
【0022】
光拡散フィルタを用いることにより、照明ムラを防ぐことができる。装置を小型化することにより、近距離照射となるが、近距離の照射では、LEDの指向性により、照明のむらが観測された。このような照明ムラは、光拡散フィルタを用い、かつ、筒状壁部内面に鏡面反射防止処理をすることにより、防ぐことができた。
【0023】
図5は、中央開口を有する光拡散フィルタの設置位置を説明する図であり、(A)は、光拡散フィルタがレンズより前(下)にある場合を、(B)は、光拡散フィルタがレンズより後(上)にある場合を、(C)は、光拡散フィルタがレンズ前面と同じ位置にある場合をそれぞれ示している。いずれの場合も、光拡散フィルタは、レンズ外径に等しいか或いはそれ以上の内径の中央開口を有し、かつ、この光拡散フィルタの高さ位置としては、レンズ近くに配置して、該レンズより後方に位置したLEDからの発光を拡散させた後に被写体上に照射する。
【0024】
図5(A)に示すように、光拡散フィルタがレンズより前にある場合、光源として使える面積がフィルタの面積と同じになるが、光源の光が、光拡散フィルタで反射してレンズに入り込むと、コントラストが低くなる。またフィルタの中央開口から、LEDの光が直接被写体に当たる(点線で示す)と、斑が出るので、直接入射光が当たらないように、LEDを配置する必要がある。
【0025】
図5(B)に示すように、光拡散フィルタがレンズより後ろにある場合、光源として使えるフィルタの面積が小さくなり、フィルタの利用率が低くなり、(A)よりも照度が下がるが、光拡散フィルタからの反射光がレンズに入り込むことはない。
【0026】
図5(C)に示すように、拡散フィルタがレンズ前面と同じ位置にある場合、フィルタの全面積が光源として使える。また、レンズによる反射や、LEDから直接の光照射もなくなる。
【実施例1】
【0027】
図6(A)は、鏡面反射ありの条件で取得した画像を示し、(B)は、鏡面反射なしの条件で、取得した画像を示している。図6(A)においては、照明不均一のために、部分的に明るく照らされた箇所がある。図6(B)においては、照明のむらをなくすため、乱反射材を内壁に貼り付けることにより鏡面反射を避けた。本処理において十分な鮮明度が得られているが、照度を変えることで鮮明度は調整可能である。
【0028】
図7(A)は、図6(A)に示す画像から作成したヒストグラムであり、図7(B)は、このヒストグラムから自動二値化処理によって得られた印影を示し、図7(C)は、図6(B)に示す画像から作成したヒストグラムであり、図7(D)は、このヒストグラムから二値化処理によって得られた印影を示している。ヒストグラムはグレイスケール画像の各輝度値の出現頻度(個数)を棒グラフにしたものである、印鑑画像の場合、朱肉と背景の主な2種類の輝度値で占めるため、理想的な場合、はっきりした双峰性(峰点が2つとその間の谷点が1つある性質)を持つ。しかし、照明のむらがある場合、図6(A)のように、印鑑画像は緩やかな諧調を持ち、図7(A)のヒストグラムははっきりとした峰と谷の区別がなくなり、二値化するための閾値(白か黒かにする判断の基準となる輝度値のこと)の判断が正確に行えなくなる。このため、図7(B)のように、背景の一部が印影とされてしまっている。照明のむらがない場合、図7(C)のように、はっきりとした谷が見られ、その谷点の輝度値を閾値とすれば、図7(D)のように正確な印影が得られる。
【実施例2】
【0029】
図4の構造を有する照明及び撮像ユニットを用いて、光拡散フィルタ無し、または設置した場合の想定した撮影距離(4cm程度)での実験写真を撮像部カメラを用いて撮影した。図8の左側はフィルタ無しの照射パターンで、右側はフィルタ設置の場合の照射パターンである。フィルタ設置により、図8の右側に示すように、光の斑が大きく改善されていることが確認できる。なお、図中の右側上方に白く見えているのは、実験撮影の際に写された光拡散フィルタ上面からの反射光であって、光拡散フィルタより下の部分の光環境には影響しない。本装置は広角レンズ、接写(4cm程度)のため、撮影範囲以内に光がほぼ均一分散されていることが確認できた。フィルタの材質については、光の透過率が良ければ、特に制限なしである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとなる筐体部の中に照明及び撮像ユニットを配設して構成される画像取得装置において、
前記筐体部は、少なくとも被写体の上に被せる端面側を開口した筒状形状にして、不透明材質により構成し、かつ筒状壁部の内面に鏡面反射防止処理を施し、
前記照明及び撮像ユニットは、光拡散フィルタと、該光拡散フィルタを通して被写体を照明する照明部と、被写体からの反射光により被写体を撮影する撮像部と、撮像部によって取得した画像データを装置外部に伝送するための画像データ伝送部と、装置外部から供給された電源を画像取得装置内の各部に供給するための供電部とを備える画像取得装置。
【請求項2】
前記鏡面反射防止処理として、筒状壁部の内面に光吸収材或いは光乱反射材を貼り付けるか、若しくは梨子地加工を施した請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項3】
前記画像データ伝送部は、それに接続されるUSBケーブルを介してパソコンに画像データを取り込み、パソコンに予めインストールしたプログラムによって印影の認証を行ない、かつ、パソコン画面上に認証結果を表示すると共に、パソコンの電源部から画像取得装置の前記供電部までは、前記USBケーブルを介して電源を供給する請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項4】
前記筐体部の開口側を、被写体の上に被せる操作をして、筐体部上に設けたスタートボタンを操作することにより、或いは、パソコンの画面に設けたスタートボタンをクリックすることにより、印影の登録或いは認証の開始を行う請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項5】
前記筐体部の筒状壁部の互いに反対する側の高さの異なる位置に、複数箇所の穴を開けて空気対流させ、かつ、この穴は斜めに開けて、外部からの直射光の侵入を防止する請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項6】
前記照明及び撮像ユニットは、前記撮像部を備える撮像ボードと、前記照明部を備える照明ボードと、光拡散フィルタの3層に構成し、かつ、該撮像ボードは、先端側に取り付けたレンズを通して入射する入射光検出のためにCCDまたはCMOSセンサーを使用し、かつ、前記照明ボードにはLEDを用いる請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項7】
前記光拡散フィルタは、前記レンズ外径に等しいか或いはそれ以上の内径の中央開口を有し、かつ、この光拡散フィルタの取付け高さ位置を前記レンズ近くにして、該レンズより上方に位置したLEDからの発光を拡散させた後に被写体上に照射する請求項6に記載の画像取得装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−66783(P2011−66783A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217072(P2009−217072)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(504174135)国立大学法人九州工業大学 (489)
【Fターム(参考)】