説明

画像合成方法、画像合成装置、プログラム、及び、記録媒体

【課題】商品の撮影画像と背景用のCG画像の違和感のない合成画像を簡便、容易に制作する方法を提供する。
【解決手段】画像合成装置10において、商品の配置位置を決定するためのマーカー54と商品の位置関係を決定する。背景のラフ画60を元に作成された背景用CGシーン63上に商品を配置するためのマーカー64を置き、マーカー64の中心が背景用CGシーンの3次元座標中心になるよう背景用CG63を平行移動する。商品72とマーカー54をカメラ20で実写して撮影画像を画像合成装置10に取り込み、撮影画像のマーカー54の形状からカメラ20の位置を算出し、カメラ20と同じ位置からのカメラビューを背景用CGに適用して合成用の背景用画像69とし、マーカー54を含まない商品の撮影画像の商品近辺の部分をトリミング領域76としてトリミングし、背景用画像69と合成し、合成画像80を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販促用画像を制作する画像合成システムに関し、詳しくは、背景用CG(Computer Graphics)画像と商品の撮影画像を合成する画像合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品カタログ等の商品販促用の画像の作成においては、従来、商品および背景を実写で行うために、撮影スタジオに部屋等のセット(建て込み)を製作して、そこに商品を設置して撮影したり、商品をロケーション現場に持ち出して設置し、ロケーション撮影する方法がある。
【0003】
しかしながら、これらの方法は、建て込みが撮影後には廃棄物になってしまう点、ロケーション撮影では天候や時間等に左右される点等の問題があるため、商品販促用画像を画像合成により制作することが行なわれている。
画像合成の方法としては、実写の背景画像と商品画像を合成する方法と、実写の背景とCG技術による商品画像を合成する方法と、実写の商品画像とCG技術による背景画像を合成する方法がある。
【0004】
実写の背景画像と商品画像を合成する場合、違和感のない合成画像を得るために、合成を前提として予め綿密な計算がなされた実写画像の素材を準備し、それらを印刷用のレイアウトスキャナ等の画像処理ステーションやデザイン専用システム等で合成する処理を行うが、予め合成を前提とした計算を必要とし、それに基づいて撮影し素材を準備しなければならず、また、計算が間違っていた場合等には大きなロスを伴うという問題がある。
【0005】
実写画像とCG画像を合成する場合には、CGのレンダリング画像は実写画像のカメラと同じ設定で行う必要があり、3次元CGソフトウエアに習熟した作業者が目視で位置合わせをしなければならないという問題がある。
すなわち、撮影対象物のなかの目印となる1点からカメラまでの距離、カメラの高さをメジャーで計測し、3次元CGのカメラ位置をセットしたうえで、実際の撮影画像とCGのカメラビューを目視で比較しながらカメラアングルを合わせなければならない。
【0006】
カメラアングル等を求める方法も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0007】
特許文献1は、対象物の撮影時に、画角、水平・垂直線、ターゲット中心を示す照準(グリッド板)を装備した「アングルファインダー」と呼ばれるレンズをカメラに装着し、グリッド画像と対象物を多重露光し、3次元CGにより対象物のCG画像及び同アングルのグリッド画像を作成し、両グリッド画像を負わせることにより、CG画像との合成を行うものである。
【0008】
特許文献2は、格子模様の入ったブルーバックスクリーンを用いて対象物を撮影し、格子模様の明度や格子輪郭部分の明瞭さを元にカメラのパラメータを推定し、合成するCGシーンのカメラ設定を行う方法を提案している。
【0009】
特許文献3は、実写画像に写し込まれている対象物と同一形状で、テクスチャが異なるCG画像を、対象物と同一位置に合成することを目的として、実写画像上の天井、窓、畳等の平行線や、窓等の実寸値からカメラ位置や、カメラから投影面中心までの距離等を推定し、画像合成を行う方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4523136号公報
【特許文献2】特開2000−152080号公報
【特許文献3】特許第3784104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1は、「アングルファインダー」と呼ばれる特殊なレンズをカメラに装着する必要があり、コストの面で問題がある。
また、特許文献2は、格子模様付きのブルースクリーンを使用しなければならないという問題がある。
また、特許文献3は、実写画像に天井、窓、床、畳等の平行線が含まれている必要があり、そのような平行線のものがない撮影場所が使用できないという問題がある。
【0012】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、商品の撮影画像と背景用のCG画像の違和感のない合成画像を簡便、容易に制作する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達するために第1の発明は、対象物の実写画像と、3次元形状データから生成する背景のCG画像とを合成する画像合成方法であって、前記対象物と前記背景の位置関係と、前記対象物とマーカーの位置関係を定めて、前記3次元形状データの座標軸と前記マーカーから得られる座標軸を合わせて作成された前記3次元形状データを用意し、前記対象物と前記マーカーを予め定めた位置関係に配置してカメラで撮影した第1の実写画像における前記マーカーの形状を抽出して、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置を得る工程と、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置に基づいて前記3次元形状データから前記背景のCG画像を得る工程と、前記第1の実写画像をカメラで撮影した状態から前記マーカーを取り除いて、前記対象物をカメラで撮影して得られる前記対象物の第2の実写画像と、前記背景のCG画像とを合成する工程と、を具備することを特徴とする画像合成方法である。
第1の発明により、対象物および対象物と定められた位置関係にあるマーカーの実写画像からカメラ位置を取得し、背景CG画像上に取得したカメラ位置を設定して合成用背景CG画像を作成し、実写画像からトリミングした対象物を含む領域を合成して合成画像を得ることが可能になる。
【0014】
また、第1の発明は、前記第2の実写画像から前記対象物を含む領域をトリミングし、前記トリミングした領域と、前記背景のCG画像とを合成することが望ましい。
これによって、違和感のない合成画像を得ることができる。
【0015】
第2の発明は、対象物の実写画像と、3次元形状データから生成する背景のCG画像とを合成する画像合成装置であって、前記対象物と前記背景の位置関係と、前記対象物とマーカーの位置関係を定めて、前記3次元形状データの座標軸と前記マーカーから得られる座標軸を合わせて作成された前記3次元形状データを用意し、前記対象物と前記マーカーを予め定めた位置関係に配置してカメラで撮影した第1の実写画像における前記マーカーの形状を抽出して、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置を得る手段と、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置に基づいて前記3次元形状データから前記背景のCG画像を得る手段と、前記第1の実写画像をカメラで撮影した状態から前記マーカーを取り除いて、前記対象物をカメラで撮影して得られる前記対象物の第2の実写画像と、前記背景のCG画像とを合成する手段と、を具備することを特徴とする画像合成装置である。
【0016】
第3の発明は、コンピュータを、請求項3に記載の画像合成装置として機能させるためのプログラムである。
【0017】
第4の発明は、コンピュータを、請求項3に記載の画像合成装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、商品の撮影画像と背景用のCG画像の違和感のない合成画像を簡便、容易に制作することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に画像合成装置10の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態に画像合成装置10の処理の流れを示すフローチャート
【図3】最終イメージのラフ画50の説明図
【図4】商品とマーカーの位置関係の決定画面の説明図
【図5】背景用CGへのマーカー配置画面の説明図
【図6】商品撮影画像の説明図
【図7】商品撮影画像のカメラ位置算出の説明図
【図8】画像合成の説明図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像合成装置10のハードウエア構成例を示す図である。画像合成装置10は、例えば、パーソナルコンピュータやCG用コンピュータ等のコンピュータで構成することが可能である。
図1に示すように、画像合成装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインタフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)11は、演算装置(四則演算や比較演算等)や、ハードウエアやソフトウエアの動作制御を行う。
【0022】
メモリ12は、RAM及びROM等のメモリである。RAM(Random Access Memory)は、ROM(Read Only Memory)や記憶部13から読み出されたOS(Operating System)やアプリケーションプログラム等を記憶し、CPU11の主メモリやワークエリアとして機能する。
【0023】
記憶部13は、各種プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスク装置である。記憶部13には、CPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納される。
後述する画像合成用のプログラム等は記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。例えば、CG用プログラムや、CGプログラムで作成されたCG画像、CG制作用素材データ、カメラ20で撮影された実写画像データ、合成に必要なデータ等が記憶部13に格納される。
【0024】
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置である。表示部14は、コンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路(ビデオアダプタ等)を有する。
表示部14は、CG制作画像や実写画像等を表示する。
【0025】
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボードや、マウス等のポインティングデバイス等である。画像合成の作業者は、キーボードやマウス等の入力部15を使用して画像合成作業における入力作業を行う。出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。CG画像や実写画像、画像合成された合成画像等を印刷することが可能である。
【0026】
I/Oインタフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインタフェースである。例えば、カメラ20や、カメラ20で撮影された画像が記録された記録媒体等とのデータ入出力を可能とする。
【0027】
図2は、本実施形態の画像合成装置10における画像合成方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
まず、作成したい画像について、最終イメージのラフ画50を決定する(ステップS101)。
最終イメージのラフ画50は、画像合成装置10で作成してもよいし、紙の上に人が描いて作成してもよい。
【0029】
図3は、作成したい画像についての最終イメージのラフ画50の例を示す図である。
図3に示す例では、窓61等を含む背景のシーンに、商品51を配置した画像を作成するラフ画50を示している。クライアントとの打合せにより、対象物である商品ダミー51と背景の位置関係を決めて最終イメージのラフ画50を作成する。
【0030】
次に、対象物の商品の配置位置を規定するためのマーカーを配置する(ステップS102)。
図4は、対象物の商品についてのマーカーの説明図である。
図4(a)は、商品とマーカーの位置関係の決定例53、図4(b)は、マーカー54の例である。
【0031】
図4(b)に示すように、マーカー54は、通常用いられる最も基本的なマーカーであればよい。すなわち、所定の長さの辺を持つ正方形の2値画像からなり、非点対象にするための文字(この例では「DNP」)を含む。
マーカーは立方体等の正方形でない他の形状でもかまわないが、撮影時に対象物の商品の邪魔にならない形状である必要がある。
【0032】
対象物として撮影する商品ごとにマーカー54の配置場所を決定される。図4
(a)に示すように、マーカー54の配置場所は、商品51とマーカー54の位置関係が明確となるような場所とする。例えば、図4(a)に示す商品ダミー51の場合、テーブルの脚の外側で、脚と脚を結ぶ直線を決定し、その直線と直交する直線がなす直角部分にマーカー54を配置すればよい。
また、配置位置は、例えば、対象物の商品が置かれる床のフローリング材や、ベッド、ソファー等の撮影小物の輪郭に含まれる直線を使用して決定してもよい。
商品ダミー51とマーカー54の位置関係は、記憶部13に格納される。
【0033】
次に、背景用3次元CGを作成する(ステップS103)。
図5は、背景用3次元CGの作成例を説明する図である。
図5(a)は、背景用CGシーンへのマーカー配置画面例63を示す図である。
【0034】
図5(a)に示すように、図3(b)の背景のラフ画60を元として、その中の所望の位置にマーカー64を配置すると、記憶部13に格納されている商品ダミー51とマーカー54の位置関係を元に、商品ダミー51が配置され、これを元に背景用CG画像が制作される。
このとき、マーカー64の中心を原点とした座標系と背景用の3次元形状データの3次元座標の中心及び向きを合わせるように背景用CG画像63を平行移動または回転して制作する。
また、新たに3次元形状データを作成する場合には、同じようにマーカー64の座標系と3次元形状データの3次元座標を合わせてから3次元形状データを作成する。具体的には、マーカーの座標系と3次元形状データの3次元座標系の向きが同じになるように、マーカーを配置して、マーカーの中心に3次元形状データの3次元座標の原点を合わせて、3次元形状データを作成する。
【0035】
図5(b)は、3次元座標を説明する図である。
ステップS102で決定したマーカー54の配置位置決定における直交する2直線に平行でマーカー64の中心を通る2軸をx座標、y座標とし、この2軸に直行する座標をz軸とし、この3軸の交点が背景用CG画像の3次元座標中心になるようにすればよい。
【0036】
次に、対象物の商品72と、ステップS102で決定した配置位置に置かれたマーカー54をカメラ20で撮影し、撮影した画像を画像合成装置10にI/Oインタフェース17を介して取り込む(ステップS104)。
また、S104の状態からマーカー54を取り除いて商品を撮影し、撮影したマーカーを取り除いて撮影した商品撮影画像を画像合成装置10にI/Oインタフェース17を介して取り込む(ステップS105)。
このとき、図3で決定した背景のラフ画60に基づいて、光源位置にレフ板71、ランプ等を設置して撮影を行う。これにより、レフ板71やランプ等を光源とした商品72の影も撮影される。また、壁や窓枠などの影を生成するために、板などによって光源をさえぎることもある。
【0037】
図6は、マーカー54を含む商品撮影画像70の例を示す図である。
商品72とともに、マーカー54やレフ板71等の光源等も撮影画像70に含まれる。
【0038】
次に、ステップS104で画像合成装置10に取り込んだ商品撮影画像70を元に、カメラ位置の算出を行う(ステップS106)。
カメラ位置の算出には、市販のAR(Augmented Reality)ツールキットを使用することができる。ARについては、下記の文献等により公知であるので、ここではその説明を割愛する。
参考文献(1):“Marker Tracking and HMD Calibration for a Video−based Augmented Reality Conferencing System”,Hirokazu Kato and Mark Billinghurst,1999年
参考文献(2):“Virtual Object Manipulation on a Table−Top AR Environment”,H.Kato,M.Billinghurst,I.Poupyrev,K.Imamoto,K.Tachibana,2000年
【0039】
ARツールキットはライブラリとして記憶部13に格納されている。従って、本発明に係るプログラムには、ARツールキットを呼び出す命令が記述されている。CPU11は、本発明に係るプログラムに従って、ARツールキットのプログラムを実行し、画像合成装置10に取り込んだ商品撮影画像70に適用することにより、商品撮影画像70に含まれているマーカー54の形状からカメラの位置が算出される。
【0040】
図7は、カメラ位置の算出を説明する図である。図7(a)に示すように、商品撮影画像70からのカメラ位置の算出の説明図73である。
商品72の近辺に配置されたマーカー54の形状から商品撮影画像70を撮影したカメラ20の位置が求められる。カメラ位置とは、マーカー54からカメラ20までの距離や、カメラの高さ、マーカー54で決定される座標軸となす角度等で決定される。
【0041】
次に、図7(b)に示すように、上述のように求められたカメラ位置を、背景用CGシーンに適用する(ステップS107)。すなわち、同図に示すように、背景用CGシーン65上のマーカー64に対して、ステップS106で求められたカメラ20とマーカー54の位置関係と同一の位置関係が適用され、背景用CGシーン65におけるカメラ66の位置が決定される。
【0042】
次に、背景用CGシーンを上述のカメラ66から見たカメラビューを求め、商品撮影画像70と同じ解像度でレンダリングすることにより合成用の背景用CG画像69が制作される(ステップS108)。
例えば、画像合成装置10上で合成画像を確認したい場合には、商品撮影画像70及び背景用CG画像69をディスプレイ(表示部)14の解像度でレンダリングすれば、撮影現場で短時間のうちに合成画像を確認することが可能になる。
最終的に印刷を行う場合には、カメラ20で撮影した商品撮影画像70の解像度で背景用CG画像69をレンダリングすればよい。
【0043】
図8は、背景用CG画像と商品の撮影画像の画像合成の説明図である。
図8(a)は、ステップS108で制作された合成用の背景用CG画像69の例である。
【0044】
次に、ステップS105においてマーカー54を取り除いて商品を撮影した商品撮影画像75から商品72近辺の画像をトリミングする(ステップS109)。
図8(b)は、商品撮影画像75のトリミングを説明する図である。
トリミングに使用する商品撮影画像75には、マーカー54を取り除いて撮影された商品撮影画像75が使用される。
商品撮影画像75のなかの商品72と、その影を含む部分をトリミング領域76とするとよい。それにより、レフ板71を光源とした商品72の影を合成画像に取り込むことが可能になる。
【0045】
最後に、トリミング領域76をステップS108で制作された背景用CG画像69が合成される(ステップS110)。更に、画像処理ソフトなどを利用して、トリミング領域76と背景用CG画像69とがなじむように、境界部分を編集する。
これにより、図8(c)に示すような合成画像80が作成される。
【0046】
対象物の商品72とマーカー54を撮影した画像に基づいて位置決めされ、ディスプレイ14の解像度でレンダリングされた合成用の背景用CG画像69と、マーカーを取り除いて撮影した商品撮影画像75のトリミング領域76とを合成することにより、撮影現場で合成画像80を確認することが可能になる。
【0047】
以上の処理により、商品の撮影画像と背景用のCG画像の違和感のない合成画像を簡便、容易に制作することが可能になる。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる画像合成方法および画像合成装置10の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0049】
10………画像合成装置
20………カメラ
51………商品ダミー
54、64………マーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の実写画像と、3次元形状データから生成する背景のCG画像とを合成する画像合成方法であって、
前記対象物と前記背景の位置関係と、前記対象物とマーカーの位置関係を定めて、前記3次元形状データの座標軸と前記マーカーから得られる座標軸を合わせて作成された前記3次元形状データを用意し、前記対象物と前記マーカーを予め定めた位置関係に配置してカメラで撮影した第1の実写画像における前記マーカーの形状を抽出して、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置を得る工程と、
前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置に基づいて前記3次元形状データから前記背景のCG画像を得る工程と、
前記第1の実写画像をカメラで撮影した状態から前記マーカーを取り除いて、前記対象物をカメラで撮影して得られる前記対象物の第2の実写画像と、前記背景のCG画像とを合成する工程と、
を具備することを特徴とする画像合成方法。
【請求項2】
前記第2の実写画像から前記対象物を含む領域をトリミングし、前記トリミングした領域と、前記背景のCG画像とを合成することを特徴とする請求項1記載の画像構成方法。
【請求項3】
対象物の実写画像と、3次元形状データから生成する背景のCG画像とを合成する画像合成装置であって、
前記対象物と前記背景の位置関係と、前記対象物とマーカーの位置関係を定めて、前記3次元形状データの座標軸と前記マーカーから得られる座標軸を合わせて作成された前記3次元形状データを用意し、前記対象物と前記マーカーを予め定めた位置関係に配置してカメラで撮影した第1の実写画像における前記マーカーの形状を抽出して、前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置を得る手段と、
前記マーカーの位置に対する前記カメラの位置に基づいて前記3次元形状データから前記背景のCG画像を得る手段と、
前記第1の実写画像をカメラで撮影した状態から前記マーカーを取り除いて、前記対象物をカメラで撮影して得られる前記対象物の第2の実写画像と、前記背景のCG画像とを合成する手段と、
を具備することを特徴とする画像合成装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項3に記載の画像合成装置として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項3に記載の画像合成装置として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208756(P2012−208756A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74289(P2011−74289)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】