説明

画像変換装置、画像変換方法および画像変換プログラム

【課題】画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換する。
【解決手段】画像変換装置は、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択し、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された文字コードに変換する。例えば、画像変換装置は、所定の領域が予め指定された所定の画素数になるとともに画像データが所定の数の文字コードに変換されるように、画像データを拡大または縮小して画像データの大きさを適正サイズに調節し、適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、文字コードを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像変換装置、画像変換方法および画像変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般に、画像データをテキストに変換して文字コード列(テキストアート、アスキー画像、アスキーアートなど)を作成する際には、例えば、画像の特徴が文字画像へと変換を行う人である変換者によって認識され、その後、この変換者によって画像の特徴を反映したテキストが入力されて作成される。また、特許文献1には、画像処理装置が、画像を線画に変換し、その後、この画像を所定サイズの領域(小領域)に分割し、さらに、各領域ごとに英数字や記号に置き換える技術が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に開示されている技術では、画像処理装置が、所定サイズの2値画像領域(例えば、白と黒とで構成された2×2画素領域や4×4画素領域など)における各配置パターン(ドットデータパターン)ごとに、この配置パターンと近似する英数字や記号とを対応付けてテーブルとして予め記憶する。そして、画像処理装置は、線画に変換された画像データにおける各小領域ごとに、テーブルとして予め記憶された配置パターンとマッチングし、最も近似する配置パターンを検出し、検出した配置パターンと対応付けられた文字に変換する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−221253号公報(第4−5頁、第1図)
【特許文献2】特開平5−108805号公報(第1−3頁、第4図)
【特許文献3】特開平5−166008号公報(第1−2頁、第1図)
【特許文献4】特開平7−129720号公報(第1−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の技術は、以下で説明するように、画像の特徴を高精度で反映した文字コード列に簡単に変換することができないという課題があった。
【0006】
例えば、上記した一般の従来技術では、画像データから文字コードへの変換が、この変換作業に慣れた人によって行われる必要があり、また、各小領域ごとに手動で変換される必要があり、画像の特徴を反映した文字コード列に簡単に変換できるものではない。
【0007】
また、例えば、上記した特許文献1に開示されている技術では、画像データから文字コード列への変換が、配置パターンごとに対応付けられた英数字や記号を用いて行われ、ここで用いられる英数字や記号は、単純な構造を有するものがほとんどである。このため、特許文献1に開示されている技術では、複雑な画像をテキストに変換する際に、その特徴を十分に反映する文字に変換することは難しく、画像の特徴を高精度で反映した文字コード列に変換することができない。
【0008】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、画像の特徴を高精度で反映した文字コード列に簡単に変換することが可能である画像変換装置、画像変換方法および画像変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、画像データを文字コード列に変換する方法をコンピュータに実行させる画像変換プログラムであって、文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手順と、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記文字コード選択手順は、前記所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、前記文字コード変換手順は、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換することを特徴とし、前記画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに前記文字コード変換手順によって各々変換されている場合に、当該複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、当該複数の領域に対応する変換前の前記画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する比較手順と、前記比較手順によって前記複数領域文字画像と前記原画像とが類似していないと比較された場合に、前記文字コード変換手順に、前記複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、前記比較手順に、当該入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と前記原画像とを比較させるよう制御する入れ換え制御手順と、をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、当該文字コードを選択する第二の文字コード選択手順と、をさらにコンピュータに実行させ、前記文字コード選択手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、当該予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって当該所定の文字コードを当該縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記画像データの領域であって前記文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、当該画像データから抽出する特徴領域抽出手順と、前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、当該縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードを選択する第三の文字コード選択手順と、をさらにコンピュータに実行させ、前記文字コード選択手順は、前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域について、前記文字コードを選択し、前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出されていない非特徴領域における所定の領域を、前記第三の文字コード選択手順によって選択された文字コードに当該領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換する。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成するメッセージ文字画像作成手順と、前記文字コード変換手順によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する文字コード列画像作成手順と、前記メッセージ文字画像作成手順によって作成された前記メッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する類似領域選択手順と、前記文字コード列の内、前記類似領域選択手順によって選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込み手順と、をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、画像データを文字コード列に変換する画像変換装置であって、文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶手段と、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶手段から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手段と、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、画像データを文字コード列に変換する画像変換方法であって、文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択工程と、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された文字コードに変換する文字コード変換工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択し、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された文字コードに変換するので、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することが可能である。
【0017】
具体的には、2値画像領域における各配置パターンと英数字や記号とを対応付けたテーブルを利用して変換する手法と比較して、画像データを、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列(アスキー画像、テキストアート、アスキーアート)に変換することが可能である。また、変換者によって画像の特徴を反映したテキストが入力されて作成される手法と比較して、画像データを、文字コード列により簡単に変換することが可能である。
【0018】
また、本発明によれば、所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換し、画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに文字コード変換手順によって各々変換されている場合に、複数領域文字画像と原画像とが類似しているか否かを比較し、複数領域文字画像と原画像とが類似していないと比較された場合に、複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と原画像とを比較させるよう制御するので、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換することが可能である。
【0019】
また、本発明によれば、画像データを所定の倍率で縮小し、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を記憶部から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって所定の文字コードを縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、選択された文字コードに変換するので、縮小サイズの画像を併用しない手法と比較して、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換するという特徴を保持したまま、効率的に実現することが可能である。
【0020】
また、本発明によれば、特徴領域を画像データから抽出し、画像データを所定の倍率で縮小し、抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を記憶部から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択し、抽出された特徴領域における所定の領域について、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、非特徴領域における所定の領域を、選択された文字コードに領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の画像データの領域の内、特徴領域における所定の領域を、選択された文字コードに変換するので、特徴部分と非特徴部分と区別せずに画像データを文字コード列に変換する手法と比較して、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換するという特徴を保持したまま、より迅速な処理を実現することが可能である。
【0021】
また、本発明によれば、テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成し、変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成し、作成されたメッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択し、文字コード列の内、選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込むので、文字画像にメッセージを自然に埋め込むことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像変換装置、画像変換方法および画像変換プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例で用いる主要な用語、本実施例に係る画像変換装置の概要および特徴、画像変換装置の構成および処理の流れを順に説明する。
【実施例1】
【0023】
[用語の説明]
まず最初に、実施例1で用いる主要な用語を説明する。本実施例で用いる「画像」とは、人(例えば、画像変換装置10を利用する利用者など)によって絵や写真として具現化されている表現物を示す概念である。また、本実施例で用いる「文字画像」とは、画像のなかでも、文字コード(テキスト)のみで表現された絵(画像)である。具体的には、文字コードの集合体である文字コード列により表現されるアスキーアートやテキストアート、アスキー画像などとよばれている画像がこれに該当する。
【0024】
また、本実施例で用いる「画像データ」とは、後述する画素70の集合体として所定の画像20を形成するデータであり、コンピュータのモニタで画像を表現できるデータのことである。具体的には、静止画像データや動画画像データなどがこれに該当する。
【0025】
また、本実施例で用いる「文字コード」とは、文字や記号をコンピュータで扱うために、文字や記号一つ一つに割り当てられた固有の数字のことであり、「文字コード列」とは、文字コードの集合体である。
【0026】
また、本実施例で用いる「画素」とは、「画像データ」や「文字画像データ」を構成する最小の構成単位(ピクセル)であり、いわば、色のついた「点」である。
【0027】
また、本実施例で用いる「特徴量」とは、画素70の集合体に関する特徴を示す情報である。一般的には、特徴量は、数値列によって表現される。例えば、4次元の特徴であれば、4個の数値列によって表現される。
【0028】
なお、ここでは、画素70の集合体に関する特徴を示す特徴量、および、文字に関する特徴が、4次元であり、4個の数値列によって表現される場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字に関する特徴量が、300次元であり、300個の数値列によって表現されてもよい。また、文字に関する特徴量として使用する特徴も、画像データから文字コードに変換するために用いることができる特徴であれば、どのような特徴を用いてもよい。例えば、黒画素の割合(画素の濃度)や、画素70の方向性を用いてもよい。
【0029】
ここで、図1を用いて、「画像」と、「文字画像」と、「画像データ」と、「画素」と、「画素の集合体」と、「文字コード」と、「文字コード列」との関係について整理する。すなわち、図1に示すように、画像20は、画像データ40によって形成される絵であり、文字画像30は、文字コード列50によって形成される絵である。画像20は、画素70の集合体であり、任意の領域60が設定される。この任意の領域60を構成する画素70の集合体は、それぞれ特徴量を有している。ここで、文字画像30における各領域60は、各々文字コードによって形成されている。
【0030】
また、ここで、画像20と文字画像30とは、同じモチーフについての画像であると人によって認識されるものである。例えば、画像20と文字画像30とは、同じ絵(★と○)であると人によって認識され、または、同じ特徴を認識することができることにより、似ている絵であると人によって認識される絵である。なお、図1においては、画像データ40により形成される画像20と、文字コード列50により形成される文字画像30の両者とも、単なる画像として図1上に記載しているが、文字コード列50により形成される文字画像30は、図1のかかる文字画像30に関する吹き出しに示すように、実際には文字で構成された画像である。言い換えると、文字コード列50は、文字コードの集合体であり、かかる文字コードの集合体によって表される文字の並び(例えば、「王」や「□」や「黒四角」や「/」の並び)によって、画像20と同様のモチーフについての画像(例えば、★と○)を表現するものである。なお、本件明細書および図面における「□」という記載は、空白(ブランク)を表す。また、本件明細書における「黒四角」という記載は、黒く塗り潰された四角(□の内部が黒くなっているもの)を表す。
【0031】
[画像変換装置10の概要および特徴]
まず最初に、図1を用いて、本実施例に係る画像変換装置10の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る画像変換装置10の概要および特徴を説明するための図である
【0032】
同図に示すように、実施例1に係る画像変換装置10は、記憶部80を備え、画像データ40を文字コード列50に変換する画像変換装置10である。このような概要を有する画像変換装置10は、以下で説明するように、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することに主たる特徴がある。
【0033】
この主たる特徴について説明すると、まず、実施例1に係る画像変換装置10は、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している。例えば、「王」と「4、1、3、2」とを対応付けて記憶し、「丞」と「6、3、4、2」とを対応付けて記憶する。そして、例えば、図1の(1)に示すように、実施例1に係る画像変換装置10は、領域60を構成する画素70の集合体の特徴量「4、1、3、2」に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量「4、1、3、2」に対応付けて記憶されている文字コード「王」を選択する。
【0034】
ここで、実施例1に係る画像変換装置10は、記憶部80に、配置パターンごとに対応付けられた英数字や記号を単に記憶しているのではなく、特徴量に対応付けられた文字(文字コード)を記憶している。なお、文字コードは、本来、例えば、「JIS3220」のような形式で表記されるものであるが、以下では、説明の便宜上から、例えば、「JIS3220」の替わりに、「王」(文字コード「JIS3220」で示される文字)の表記で説明することにする。
【0035】
例えば、実施例1に係る画像変換装置10は、記憶する文字コードが、英数字や記号に限定されるものではなく、漢字やハングル文字、象形文字など、どんな文字を記憶して用いてもよい。変換処理に適する文字のみを記憶させた特徴辞書(例えば、変換処理に適する100から200程度の文字を記憶させた辞書など)を用いてもよい。さらに、変換する画像の種類(例えば、風景に関する画像や、人物に関する画像など)ごとに最適な辞書を用意してもよい。
【0036】
このような構成のもと、実施例1に係る画像変換装置10は、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部80から、画像データにおいて選択された所定の領域(例えば、画像データ40における所定の領域60を構成する画素70の集合体)の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する。
【0037】
その後、実施例1に係る画像変換装置10は、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された文字コードに変換する。例えば、図1の(2)に示すように、実施例1に係る画像変換装置10は、画像データ40において選択された領域60を、選択された文字コード「王」に変換する。
【0038】
このようなことから、実施例1に係る画像変換装置10は、上記した主たる特徴の如く、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することが可能である。
【0039】
具体的には、実施例1に係る画像変換装置10は、画像データの特徴量と記憶部80に予め記憶された文字の特徴量(特徴辞書)とを用いて変換する手法であることから、2値画像領域における各配置パターンと英数字や記号とを対応付けたテーブルを利用して変換する手法と比較して、画像データを、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列(アスキー画像、テキストアート、アスキーアート)に変換することが可能である。また、実施例1に係る画像変換装置10は、画像データの特徴量と記憶部80に予め記憶された文字の特徴量(特徴辞書)とを用いて変換する手法であることから、変換者によって画像の特徴を反映したテキストが入力されて作成される手法と比較して、画像データを、文字コード列により簡単に変換することが可能である。
【0040】
[画像変換装置の構成]
次に、図2から図7を用いて、図1に示した画像変換装置100の構成を説明する。図2は、実施例1に係る画像変換装置の構成を示すブロック図であり、図3は、実施例1における文字特徴記憶部を説明するための図であり、図4は、実施例1における適正画像サイズ調節部を説明するための図であり、図5は、実施例1における分割部を説明するための図であり、図6は、実施例1における文字コード選択を説明するための図であり、図7は、実施例1における文字形成部を説明するための図である。図2に示すように、この画像変換装置100は、カメラ部101と、操作部102と、ディスプレイ103と、入出力制御I/F部200と、記憶部300と、制御部400とから構成される。
【0041】
このうち、カメラ部101は、画像を撮影し、撮影した画像に関する画像データを生成する。そして、生成したデータを後述する制御部400に伝える。操作部102は、画像変換装置100の使用者から操作を受付けて、画像変換装置100に対して使用者からの操作内容を伝える。具体的には、操作部102は、後述する文字画像変換処理を行う旨の指示を受付け、後述する制御部400に伝える。例えば、操作部102は、テンキーや、操作キー、回転セレクタ、カーソル、十字キー、設定キー、決定キー、応答キー、などで構成される。
【0042】
ディスプレイ103は、文字や図形などを表示するディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなど)である。また、例えば、後述する文字コード変換部404によって作成された文字コード列によって形成される文字画像を表示する。なお、ディスプレイ103は、特許請求の範囲に記載の「出力部」に対応する。
【0043】
入出力制御I/F部200は、カメラ部101や操作部102、ディスプレイ103、記憶部300、制御部400との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する。
【0044】
記憶部300は、各種変換処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する。そして、本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、文字特徴記憶部301を備える。
【0045】
文字特徴記憶部301は、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している。なお、文字コードは、本来、例えば、「JIS3220」のような形式で表記されるものであるが、以下では、説明の便宜上から、例えば、「JIS3220」の替わりに、「王」(文字コード「JIS3220」で示される文字)の表記で説明することにする。
【0046】
例えば、文字特徴記憶部301は、図3に示すように、記憶している文字コードを示す「文字コード」と、文字に関する情報を示す「特徴量 A、B、C、D」とを対応付けて記憶する。具体的に例をあげて説明すると、文字特徴記憶部301は、図3に示す例では、文字コード「一」と特徴量「1、1、0、0」とを対応付けて記憶し、文字コード「二」と特徴量「2、3、1、2」とを対応付けて記憶し、文字コード「干」と特徴量「3、1、4、4」とを対応付けて記憶し、文字コード「王」と特徴量「4、1、3、2」とを対応付けて記憶する。
【0047】
なお、文字特徴記憶部301は、記憶する文字コードが、英数字や記号に単に限定されるものではなく、漢字やハングル文字、象形文字など、どんな文字を記憶して用いてもよい。また、文字特徴記憶部301は、変換処理に適する文字コードのみを記憶させた特徴辞書(例えば、変換処理に適する100から200程度の文字コードを記憶させた辞書など)を記憶してもよい。また、文字特徴記憶部301は、変換する画像の種類(例えば、風景に関する画像や、人物に関する画像など)ごとに最適な一群の文字コードを記憶してもよい。
【0048】
制御部400は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の変換処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行して画像変換装置100を制御する。そして、本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、適正画像サイズ調節部401と、分割部402と、文字コード選択403と、文字コード変換部404とを備える。また、文字コード選択403は、特許請求の範囲に記載の「文字コード選択手順」に対応する。また、文字コード変換部404は、特許請求の範囲に記載の「文字コード変換手順」に対応する。
【0049】
適正画像サイズ調節部401は、所定の領域が予め指定された所定の画素数になるとともに画像データが所定の数の文字コードに変換されるように、画像データを拡大または縮小して画像データの大きさを適正サイズに調節する。言い換えると、適正画像サイズ調節部401は、後述する文字コード選択403によって特徴量を利用される所定の領域が、所定の領域について文字を選択させる際に要求されるものとして指定された所定の画素数で構成された大きさであるとともに、所定の画素数で構成された所定の領域を所定の画像の特徴を反映させた文字コード列に変換される際に要求されるものとして指定された所定の数集合させた大きさである適正サイズに、画像データを拡大または縮小して画像データの大きさを調節する。また、適正画像サイズ調節部401は、調節した画像データを、後述する分割部402に調節した画像データを送信する。
【0050】
具体的には、適正画像サイズ調節部401は、カメラ部101によって画像データが入力され、操作部102によって文字画像変換処理を行う旨の指示が受付けられると、画像データを適正サイズに縮小または拡大する。例えば、適正画像サイズ調節部401は、カメラ画像101から画像データが入力され、操作部102から文字画像変換処理を行う旨の指示を受付けられると、適正サイズへの調節を行う。
【0051】
具体的に例をあげて説明すると、適正画像サイズ調節部401は、入力された画像データが適正サイズかを判別し、適正サイズである場合には、調節を行わずに画像データを後述する分割部402に送信して、調節処理を終了する。一方、適正画像サイズ調節部401は、適正サイズではない場合には、適正サイズより大きいかを判別する。ここで、適正画像サイズ調節部401は、図4の(1)に示すように、入力された画像データが適正サイズ(図4の(3)参照)より大きい画像データである際には、この大きい画像データを縮小して図4の(3)に示す適正サイズに調節して、画像データを後述する分割部402に送信する。そして調節処理を終了する。一方、適正画像サイズ調節部401は、図4の(2)に示すように、入力された画像データが適正サイズよりも小さい画像データである際には、この小さい画像データを拡大して図4の(3)に示す適正サイズに調節して、画像データを後述する分割部402に送信する。そして調節処理を終了する。
【0052】
なお、例えば、適正画像サイズ調節部401は、この縮小拡大処理を、バイキュービック法のような一般的な方式を用いて行ってもよい。また、例えば、適正画像サイズ調節部401は、文字への変換に十分な画素数(例えば、20画素*20画素以上)を確保し、また、画像全体としても十分な文字数(例えば、100文字* 60文字)となるように、原画像を拡大または縮小する。
【0053】
分割部402は、所定の画素数で構成された大きさを有する所定の領域ごとに、入力された画像を分割する。また、分割部402は、適正画像サイズ調節部401から画像データを受信し、分割した画像データを、後述する文字コード選択403に送信する。例えば、分割部402は、図5の(1)に示す入力された画像データを、図5の(2)に示すように、所定の領域ごとに分割する。そして、後述する文字コード選択403に送信し、分割処理を終了する。
【0054】
なお、例えば、分割部402は、所定の領域(小領域)ごとに後述する文字コード変換部404が文字コードに変換することを考慮し、小領域の縦横サイズが同じになるようにメッシュ状に分割する。なお、図5の(2)に示すメッシュは、便宜的に粗いメッシュとなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字コードを選択させる際に要求されるものとして指定された所定の画素数で構成された大きさを有する所定の領域であれば、細かいメッシュとしてもよい。
【0055】
文字コード選択403は、文字コードと文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している文字特徴記憶部301から、画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する。言い換えると、文字コード選択403は、画像データにおける所定の領域を構成する画素の集合体について、画素の集合体に関する特徴を示す特徴量を利用することで、文字特徴記憶部301から、特徴量と関連づけられる文字コードを選択する。
【0056】
具体的には、文字コード選択403は、適正画像サイズ調節部401によって適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、文字コードを選択する。また、文字コード選択403は、画像データを選択した文字コードとともに、後述する文字コード変換部404に送信する。
【0057】
例えば、文字コード選択403は、図6の(1)に示すように、領域を一つ選択する。そして、文字コード選択403は、特徴量を識別する。つまり、文字コード選択403が領域90を構成する画素の集合体91について文字コードを選択する場合について説明すると、文字コード選択403は、領域90を構成する画素の集合体91に関する特徴量が「4、1、3、1」であると識別する。そして、文字コード選択403は、特徴量「4、1、3、1」に最も近い値を示す特徴量を文字特徴記憶部301から検索し、続いて、検索して得た特徴量「4、1、3、2」に対応付けて記憶されている文字コードを選択する。つまり、文字コード選択403は、識別した特徴量「4、1、3、1」と最も近似する特徴量「4、1、3、2」と対応付けられた文字コードである「王」を(図3参照)、文字特徴記憶部301から選択する。そして、文字コード選択403は、選択した文字コードである「王」を、後述する文字コード変換部404に送信する。そして、文字コード選択403は、すべての領域について文字コードの選択を行ったかを判別し、行った場合には、文字コード選択処理を終了し、行っていない場合には、すべての領域について文字コードの選択を行い、文字コード選択処理を終了する。
【0058】
なお、例えば、文字コード選択403は、分割部402によって所定の領域ごとに分割された(例えば、メッシュ分割された)それぞれの小領域に対して、小領域内の濃度や方向などに基づいて、それに最も近い文字コードを選択する。またこの変換には画素特徴を用いた文字認識処理を用いてもよい。
【0059】
また、例えば、文字コード選択403は、まず、小領域内の黒画素の並びをベクトル化し、変換用文字の特徴辞書を用いて小領域のベクトルと特徴辞書内の全特徴ベクトルとの距離値計算を行い、距離値最小となる文字カテゴリを選択し、変換された文字を出力してもよい。
【0060】
文字コード変換部404は、画像データにおいて選択された所定の領域を、文字コード選択403によって選択された文字コードに変換する。具体的には、文字コード変換部404は、適正画像サイズ調節部401によって適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域を、文字コード選択403によって選択された文字コードに変換する。
【0061】
なお、文字コード変換部404は、画像データにおいて選択された所定の領域各々が、文字コード各々に変換されることによって得られる文字コード列から文字画像を形成し、出力させるなどしてもよい。
【0062】
例えば、図7を用いて、文字コード変換部404による出力処理についてさらに説明すると、文字コード変換部404は、文字コード変換部404が図7の(1)に示す文字形成部分92について文字を形成させる場合には、図7の(2)に示す文字形成部分92を構成する各所定の領域を構成する画素の集合体について、文字コード選択403から受信した文字をそれぞれ形成させ、図7の(3)に示す文字画像を出力する。
【0063】
なお、この画像変換装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯電話、PHS端末、移動体通信端末またはPDAなどの情報処理装置に、上記した文字特徴記憶部301、適正画像サイズ調節部401と、分割部402、文字コード選択403、文字コード変換部404の各機能を搭載することによって実現することもできる。
【0064】
なお、画像変換装置100は、カメラ撮影された画像には限定されず、画像一般をテキストに変換することが可能である。
【0065】
[画像変換装置の処理]
次に、図8を用いて、実施例1における画像変換装置による変換処理を説明する。図8は、実施例1における画像変換処理を説明するためのフローチャートである。
【0066】
図8に示すように、適正画像サイズ調節部401は、カメラ部101から画像データが入力され(ステップS101肯定)、操作部102から文字画像変換処理を行う旨の指示を受付けると(ステップS102肯定)、入力された画像データが適正サイズかを判別する(ステップ S103)。ここで、適正画像サイズ調節部401は、適正サイズである場合には(ステップS103肯定)、調節を行わずに(ステップS104)、調節処理を終了する。
【0067】
一方、適正画像サイズ調節部401は、入力された画像データが、適正サイズではない場合には(ステップS103否定)、適正サイズより大きいかを判別する(ステップS105)。ここで、適正画像サイズ調節部401は、入力された画像データが適正サイズより大きい画像データである際には(ステップS104肯定)、この大きい画像データを縮小して適正サイズに調節して(ステップS106)、調節処理を終了する。一方、適正画像サイズ調節部401は、入力された画像データが適正サイズよりも小さい画像データである際には(ステップS104否定)、この小さい画像データを拡大して適正サイズに調節して(ステップS107)、調節処理を終了する。
【0068】
そして、分割部402は、入力された画像データを、所定の領域ごとに分割し(ステップS108)、分割処理を終了する。
【0069】
続いて、文字コード選択403は、領域を一つ選択し(ステップS109)、特徴量を識別する(ステップS110)。そして、文字コード選択403は、特徴量に最も近い値を示す特徴量を文字特徴記憶部301から検索し(ステップS111)、続いて、検索して得た特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する(ステップS112)。つまり、文字コード選択403は、識別した特徴量と最も近似する特徴量と対応付けられた文字コードを、文字特徴記憶部301から選択する。その後、文字コード選択403は、すべての領域について文字コードの選択を行ったかを判別する(ステップS113)。ここで、文字コード選択403は、すべての領域について文字コードの選択を行っていない場合には(ステップS113否定)、すべての領域について文字コードの選択を行うまで上記したステップS109〜S112の処理を繰り返し、文字コード選択処理を終了する。
【0070】
文字コード変換部404は、文字コード選択403によってすべての領域について文字コードが選択されると(ステップS113肯定)、画像データにおいて選択された所定の領域各々を、文字コード選択403によって選択された文字コード各々に変換し(ステップS114)、文字コード列を出力する(ステップS115)。
【0071】
なお、その後、ディスプレイ103は、文字コード列で形成される文字画像を出力するなどして出力処理をおこなってもよい。
【0072】
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、文字特徴記憶部301から、画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択し、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された文字コードに変換するので、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することが可能である。
【0073】
具体的には、2値画像領域における各配置パターンと英数字や記号とを対応付けたテーブルを利用して変換する手法と比較して、画像データを、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列(アスキー画像、テキストアート、アスキーアート)に変換することが可能である。また、変換者によって画像の特徴を反映したテキストが入力されて作成される手法と比較して、画像データを、文字コード列により簡単に変換することが可能である。
【0074】
例えば、英数字や記号を用いて文字コード列に変換する上記の手法と比較して、本発明を適用することで、複雑な形式を有する漢字を用いて変換することにより、画像の特徴をより高精度で反映した文字コード列に変換することが可能である。
【0075】
また、例えば、2値画像領域における配置パターンを利用して文字コード列に変換する上記の手法と比較して、画像データを構成する画素の集合体に関する特徴をそのまま利用して文字コードに変換することで、画像データの画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換することが可能である。
【0076】
さらに一例をあげて説明すると、画素に関する特徴として黒画素を利用する際に、黒画素濃度が100%を示す黒と、黒画素濃度が0%を示す白とのみで構成される2値画像領域における配置パターンから文字コード列に変換する上記の手法と比較して、本発明を適用することで、各画素における黒画素濃度の程度を、例えば、黒画素の濃度が10%を示す灰色や80%を示す灰色などを、併せて利用して文字コードに変換することにより、画像の特徴をより高精度で反映させた文字画像に変換することが可能である。
【0077】
さらに一例をあげて説明すると、画像をテキストで表現できれば通常の撮影画像とは違った面白みを生むことが可能である。また、画像データがテキストで表現されることになるため、取り扱いが容易となることが可能である。またデータ圧縮にもつながることが可能である。
【0078】
また、実施例1によれば、画像データを適正サイズに調節し、適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、文字コードを選択するので、変換元となる画像データのサイズに関わらず、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することが可能である。
【0079】
具体的には、画像データのサイズを調節しない手法と比較して、画像データのサイズに関わらず、各所定の領域として十分な画素数を設定でき、所定の領域における画像の特徴を高精度で反映した文字コードに変換することが可能である。また、十分な所定の領域の数を設定することができ、画像全体としても画像の特徴をより高精度で反映することが可能である。
【0080】
例えば、画像データが小さい(画素数量が少ない)場合には、文字として高精度に識別させるのに十分なサイズに所定の領域を固定すると、個々の領域単位では高精度に変換できるが、画像全体としては、十分な文字数を確保することができず、精度よく画像の特徴を反映した文字コード列には変換できない。
【0081】
また、例えば、入力画像が大きい(画素数量が多い)場合には、文字として高精度に識別させるのに十分なサイズに所定の領域を固定すると、変換後の文字画像を構成する文字数が多すぎてしまい、処理が遅くなり、また、文字コード列を表示するのに必要なスペースが大きくなってしまい、用途が限定されてしまう(扱い難い文字コード列となってしまう)。
【0082】
一例をあげて説明すると、画像データが小さい場合、固定サイズの所定の領域(小領域)で文字コードに変換していくとテキスト変換結果が粗くなるという問題がある。また、所定の領域(小領域)のサイズが小さすぎると、所定の領域(小領域)内の画像と変換後の文字の画像的な類似性が低くなってしまう。逆に画像データが大きすぎる場合に固定サイズの所定の領域(小領域)で文字コードに変換していくと縦横の文字数が多くなりすぎてしまう。
【0083】
しかしながら、本発明を適用することで、変換元となる画像データが小さい場合にも、大きい場合にも、各所定の領域として十分な画素数を設定でき、また、画像の特徴を文字画像に反映するために十分な文字数(所定の領域の数)を設定することができ、画像全体としても画像の特徴をより高精度に反映することが可能である。
【実施例2】
【0084】
さて、これまで、実施例1として、複数の領域を一つの塊として、画像の特徴を反映させた文字コード列に画像データを変換する手法について特に言及してこなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の領域を一つ塊として変換してもよい。そこで、以下では、図9を用いて、複数の領域を一つの塊として、複数の領域を構成する各領域について文字コードを選択し、画像の特徴をより反映させた文字コード列に変換する手法について説明する。なお、図9は、実施例2における複数領域における文字コードを入れ替える処理を説明するためのフローチャートである。ここで、図9におけるステップS201〜S211は、図8におけるステップS101〜S111に対応する。以下では、このように、実施例1に係る画像変換装置と同様の点については、割愛もしくは簡単に説明することにする。
【0085】
まず、実施例2に係る画像変換装置は、文字コード選択403が、所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択する。そして、実施例2に係る画像変換装置は、文字コード変換部404が、画像データにおいて選択された所定の領域を、文字コード選択403によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換する。
【0086】
そして、実施例2に係る画像変換装置は、画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、文字コード選択403によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに文字コード変換部404によって各々変換されている場合に、複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、複数の領域に対応する変換前の画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する点で、実施例1に係る画像変換装置と異なる。
【0087】
ここで、実施例2に係る画像変換装置は、図2における制御部400に、新たに、比較部を備える。ここで、比較部は、特許請求の範囲に記載の「比較手順」に対応する。このような構成のもと、実施例2に係る画像変換装置は、以下に記載する処理を行う。
【0088】
例えば、実施例2に係る画像変換装置は、図9に示すように、文字コード選択403が、文字特徴記憶部301から、特徴量と関連づけられる文字コードを選択すると(ステップS212)、最も強く関連付けられる一つの文字コードだけではなく、文字コード変換部404が変換する文字コードの候補として、特徴量と関連付けられる文字コードを関連付けられる強さを用いて、1位からN位まで文字コードを選択して変換候補として保持する(ステップS213)。
【0089】
そして、例えば、実施例2に係る画像変換装置(比較部)は、図9に示すように、文字コード変換部404が、すべての領域を選択して文字コードを変換させると(ステップS214肯定およびS215)、隣接する一塊の複数の領域(例えば、3領域)を選択する(ステップS216)。そして、複数領域を仮想的に一つの領域とみなし(ステップS217)、この複数領域によって形成される文字画像を生成し、生成した文字画像とこの複数領域に対応する原画像とを比較する(ステップS218)。
【0090】
次に、実施例2に係る画像変換装置は、図9に示すように、比較部によって複数領域文字画像と原画像とが類似していないと比較された場合には、例えば、両画像における黒画素数比が予め設定した閾値よりも大きい場合には(ステップS219肯定)、文字コードを入れ替えて変換する(ステップS220)。つまり、実施例2に係る画像変換装置は、文字コード変換部404に、複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、文字コード選択403によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させる。さらに言い換えれば、例えば、実施例2に係る画像変換装置は、文字コード変換部404によって変換候補1位の文字コードに変換されていた場合には、変換候補2位として予め保持した文字コードに変換させる。そして、比較部に、入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と原画像とを比較させるよう制御する(ステップ218)。
【0091】
一方、例えば、実施例2に係る画像変換装置は、図9に示すように、比較部によって複数領域文字画像と原画像とが類似していると比較された場合には、例えば、両画像における黒画素数比が予め設定した閾値よりも小さい場合には(ステップS219否定)、この文字画像に関する文字コード列を、この複数領域についての変換後の文字コード列とする(ステップS221)。そして、実施例2に係る画像変換装置は、すべての領域を複数領域として選択したかを判定する(ステップS222)。ここで、実施例2に係る画像変換装置は、すべての領域が選択された場合には(ステップS222肯定)、変換後の文字コード列を出力し(ステップS223)、変換処理を終了する。一方、実施例2に係る画像変換装置は、すべての領域が選択されていない場合には(ステップS222否定)、上記したステップS216からステップS222までの処理を繰り返し、すべての領域が選択されるまで処理を継続する。
【0092】
つまり、実施例2に係る画像変換装置について再度説明すると、小領域を文字コードに変換する際、必ずしも小領域を表すのに適した文字コードが存在するとは限らない。そこで、例えば、実施例2に係る画像変換装置は、小領域を文字コードに変換する際に得られる変換候補をN位まで保持しておく。次に、例えば、実施例2に係る画像変換装置は、全ての小領域の変換を行った後で、隣接する小領域(例えば、3領域)を仮想的に1つの領域とみなし、領域全体での文字コード変換結果が最も元の画像に近くなるように変換候補を入れ替える処理を行う。
【0093】
なお、実施例2に係る画像変換装置は、すべての領域について、複数領域として選択する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の領域についてのみ、複数領域として選択してもよい。例えば、実施例2に係る画像変換装置は、人物と背景が写っている画像データの場合に、人物に関する画像を含む領域についてのみ、複数領域として選択してもよい。
【0094】
また、実施例2に係る画像変換装置は、比較手法として、両画像における黒画素数比を用いる手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の比較手法を用いてもよい。例えば、人が視覚によって比較を行い、画像の特徴を反映しているかを判定してもよい。
【0095】
また、実施例2に係る画像変換装置は、予め変換候補として複数の文字コードを保持する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字画像を再度形成させるたびに、再度、文字コード選択403が、文字特徴記憶部301から、特徴量と関連づけられる文字コードを選択してもよい。
【0096】
また、実施例2に係る画像変換装置は、記憶している所定の文字コードごとに、縦成分が多い文字や、横成分が多い文字、右や左斜め成分が多い文字などの属性を予め付与して記憶しておき、複数領域(近接領域)においては、同一方向の成分が多いという前提のもとに、形成させる文字の連続性を保持する文字コードに変換させるようにしてもよい。
【0097】
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、画像データにおいて選択された所定の領域を、選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換し、画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに文字コード変換手順によって各々変換されている場合に、複数領域文字画像と原画像とが類似しているか否かを比較し、複数領域文字画像と原画像とが類似していないと比較された場合に、複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と原画像とを比較させるよう制御するので、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換することが可能である。
【0098】
具体的には、複数領域を一つの塊として画像の特徴を反映させない手法と比較して、複数領域ごとに画像の特徴を反映させた文字コードに変換することで、画像全体として不自然な変換結果が目立たない文字画像に変換することが可能である。
【0099】
言い換えると、複数領域を一つの塊として画像の特徴を反映させない手法では、必ずしも画像全体としてみた場合に画像の特徴を高精度に反映させた文字コードに変換することはできないのに対して、複数領域ごとに画素の特徴を反映させた文字コードに変換することで、画像全体としての特徴をより高精度に反映させた文字コードに変換することが可能である。
【実施例3】
【0100】
さて、これまで、上記の実施例では、画像データを縮小させた縮小画像を用いる手法について特に言及してこなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、縮小画像を用いて文字コード列への変換を行ってもよい。そこで、以下では、図10および図11を用いて、縮小画像を用いて文字コード列への変換を行う手法について説明する。なお、図10および図11は、実施例3における縮小画像を用いる画像変換処理を説明するための図である。以下では、実施例1や2に係る画像変換装置と同様の点については、割愛もしくは簡単に説明することにする。
【0101】
ここで、実施例3に係る画像変換装置は、図2における制御部400に、新たに、画像縮小部と、第二の文字コード選択とを備える。ここで、画像縮小部は、特許請求の範囲に記載の「画像縮小手順」に対応し、第二の文字コード選択は、特許請求の範囲に記載の「第二の文字コード選択手順」に対応する。このような構成のもと、実施例2に係る画像変換装置は、以下に記載する処理を行う。
【0102】
すなわち、実施例3に係る画像変換装置は、予め指定された所定の文字コードと対応付けて、所定の文字コードを縮小前の画像データにおける領域(縮小された画像データにおける所定の領域に対応する領域)に反映する文字コード群を記憶する。なお、文字コードは、本来、例えば、「JIS3220」のような形式で表記されるものであるが、以下では、説明の便宜上から、例えば、「JIS3220」の替わりに、「王」(文字コード「JIS3220」で示される文字)の表記で説明することにする。
【0103】
例えば、実施例3に係る画像変換装置は、図10に示す例では、予め指定された所定の文字コードとして「黒四角」(図10の(1)参照)と対応付けて四つの「黒四角」(「黒四角黒四角」の下に「黒四角黒四角」が結合した文字コード群)(図10の(2)参照)を記憶する。なお、本実施例では、入力された画像を1/4に縮小する場合について説明する。
【0104】
ここで、実施例3に係る画像変換装置は、予め記憶する所定の文字コードとして、後述する縮小画像において選択された文字コードを、対応する縮小前の画像データにおける対応する領域に形成させる場合に、画像の特徴を損なわない一連の文字コード(例えば、上記した「黒四角」や「□」、「/」など)を記憶する点に特徴がある。例えば、縮小画像における所定の領域である縮小領域において、すべての画素が黒画素である場合に、縮小前の画像データにおける対応する複数の領域すべてに「黒四角」を形成させても、画像の特徴は損なわれず、かつ、画像変換処理を迅速に行うことが可能である。
【0105】
また、上記した実施例1や2では、文字コードに変換する際、変換用の特徴辞書に含まれる全ての文字コードの特徴と、領域から抽出された特徴とを照合する必要がある。しかし、画像に含まれる背景中の黒領域や白領域は、隣接する小領域にまたがって出現する傾向があり、その変換については「黒四角」や「□」に変換すればよい。そこで、実施例3に係る画像変換装置は、これらの領域を効率的に見つけるため、1/4サイズの縮小画像や1/16サイズの縮小画像などを作成し、縮小画像上で「黒四角」や「□」が文字コード変換結果として得られた場合に、後述するように、縮小前の画像データに戻って黒四角4個分(あるいは□4個分)にまとめて変換する点に特徴がある。
【0106】
さらに、実施例3に係る画像変換装置は、予め記憶する所定の文字コードとして、黒領域や白領域以外にも、縮小画像上の文字コード変換結果と規定サイズ(例えば、適正サイズ)画像上での文字コード変換結果に対応付け可能な文字コードを記憶する。例えば、実施例3に係る画像変換装置は、処理の高速化のために大量のサンプル画像を用いて、縮小画像上の文字コード変換結果と、規定サイズ画像上での変換結果の対応関係を予め学習し、変換テーブルとして持つ。そして、実施例3に係る画像変換装置は、対応付けが可能な文字コードが縮小画像上に出現した場合には変換テーブルに基づいて、縮小前の画像データについての変換結果を得てもよい。
【0107】
このような構成のもと、実施例3に係る画像変換装置(画像縮小部)は、画像データを所定の倍率で縮小する。例えば、実施例3に係る画像変換装置は、図11に示すように、図11の(2)に示す縮小前の画像データの大きさを、図11の(1)に示す1/4に縮小する。
【0108】
そして、実施例3に係る画像変換装置(第二の文字コード選択部)は、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を記憶部(例えば、文字特徴記憶部301)から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、文字コードを選択する。
【0109】
例えば、実施例3に係る画像変換装置は、縮小された画像データを、所定の領域ごとに分割する。そして、実施例3に係る画像変換装置は、領域を一つ選択し、その領域を構成する画素の集合体に関する特徴量を識別する。続いて、実施例3に係る画像変換装置は、識別した特徴量と最も近似する特徴量を文字特徴記憶部301から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードが、予め指定された文字コードである「黒四角」かを判定する。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、取得した文字コードが、予め指定された文字コード「黒四角」である場合には、この文字コード「黒四角」を選択する。一方、実施例3に係る画像変換装置は、取得した文字コードが、予め指定された文字コード「黒四角」でない場合には(例えば、「桜」である場合に)、この文字コード「桜」を選択しない。その後、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域について文字コードを取得して判定するまで、文字コード選択処理を繰り返し、文字コード選択処理を終了する。
【0110】
そして、実施例3に係る画像変換装置(文字コート゛選択部)は、縮小前の画像データの領域の内、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択する。
【0111】
例えば、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データを、所定の領域ごとに分割する。そして、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データにおいて選択された領域が、第二の文字コード選択部によって文字コードが選択された縮小領域に対応する領域かを判定する。実施例3に係る画像変換装置は、文字コードが選択された縮小領域に対応する領域である場合には、つまり、例えば、予め指定された文字コードである「黒四角」が選択された縮小領域に対応する領域については、文字コードを選択しない。一方、実施例3に係る画像変換装置は、文字コードが選択されていない縮小領域に対応する領域である場合には、つまり、例えば、予め指定された文字コードではない「桜」が選択された縮小領域に対応する領域については、文字コードを選択する。
【0112】
そして、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データの領域の内、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって所定の文字コードを縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換する。
【0113】
例えば、実施例3に係る画像変換装置は、図10の(1)に示すように、第二の文字コード選択部によって縮小領域において「黒四角」が選択されている際には、図10の(2)に示すように、対応する縮小前の画像の領域(四つの領域を含む)を、「黒四角黒四角」の下に「黒四角黒四角」が隣接した四つの黒四角に変換する。また、実施例3に係る画像変換装置は、図10の(1)に示すように、第二の文字コード選択部によって縮小領域において「/」が選択されている際には、図10の(2)に示すように、対応する縮小前の画像の領域(四つの領域を含む)を、「□/」の下に「/□」が隣接した二つの「□」と二つの「/」に変換する。
【0114】
また、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データの領域の内、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、文字コード選択部403によって選択された文字コードに変換し、文字コード列を出力する。
【0115】
例えば、実施例3に係る画像変換装置は、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードではない「桜」が選択された縮小領域に対応する(縮小前の)領域を、文字コード選択403によって選択された文字コードに変換する。そして、文字コード選択403によって文字コードが選択されたすべての領域を文字コードに変換し、変換処理を終了する。
【0116】
[実施例3における画像変換装置の画像変換処理]
次に、図12を用いて、実施例3における縮小画像を用いた変換処理を説明する。なお、図12は、実施例3における縮小画像を用いる画像変換処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、実施例3に係る画像変換装置は、記憶部に、予め記憶された文字コード「黒四角」に対応付けて「黒四角黒四角」の下に「黒四角黒四角」が隣接した四つの「黒四角」を記憶する。また、実施例3に係る画像変換装置は、入力された画像データを1/4に縮小するものとする。
【0117】
図12に示すように、実施例3に係る画像変換装置は、画像が入力されて適正サイズへの調節が終了すると(ステップS301〜ステップS307)、縮小を行う(ステップS308)。つまり、例えば、実施例3に係る画像変換装置は、入力された画像データを1/4に縮小する。そして、実施例3に係る画像変換装置は、縮小された画像データを、所定の領域ごとに分割する(ステップS309)。その後、実施例3に係る画像変換装置は、領域を一つ選択し(ステップS310)、その領域を構成する画素の集合体に関する特徴量を識別する(ステップS311)。
【0118】
続いて、実施例3に係る画像変換装置は、最も近似する特徴量を検索し(ステップS312)、対応付けられた文字コードを取得する(ステップS313)。そして、実施例3に係る画像変換装置は、取得した文字コードが、予め指定された文字コードであるかを判定する(ステップS314)。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、取得した文字コードが、予め指定された文字コード「黒四角」である場合に(ステップS314肯定)、この文字コードを選択する(ステップS315)。一方、実施例3に係る画像変換装置は、取得した文字コードが、予め指定された文字コード「黒四角」でない場合に(例えば、「桜」である場合に)(ステップS314否定)、この文字コードを選択しない(ステップS316)。
【0119】
そして、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域について文字コードを取得して判定したかを判別する(ステップS317)。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域について文字コードを取得して判定していない場合には(ステップS317否定)、すべての領域について文字コードを取得して判定するまで上記したステップS310〜S316の処理を繰り返し、文字コード選択処理を終了する。
【0120】
そして、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域について文字コートが取得されて判定されると(ステップS317肯定)、縮小前の画像データを、所定の領域ごとに分割する(ステップS318)。そして、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データについて領域を一つ選択し(ステップS319)、文字コードが選択された縮小領域に対応する領域かを判定する(ステップS320)。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、文字コードが選択された縮小領域に対応する領域である場合には(ステップS320肯定)、文字コードを選択しない(ステップS321)。一方、実施例3に係る画像変換装置は、文字コードが選択されていない縮小領域に対応する領域である場合には(ステップS320否定)、文字コードを選択する(ステップS322)。
【0121】
そして、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データの領域の内、所定の領域を一つ選択する(ステップS323)。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域である場合には(ステップS324肯定)、対応付けられた文字コード群に変換する(ステップS325)。つまり、例えば、縮小領域において予め指定された文字コード「黒四角」が選択されている際には、対応する縮小前の画像の領域(四つの領域を含む)を、「黒四角黒四角」の下に「黒四角黒四角」が隣接した四つの黒四角に変換する。
【0122】
また、実施例3に係る画像変換装置は、縮小前の画像データの領域の内、第二の文字コー選択部によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域でない場合には(ステップS324否定)、文字コード選択部403によって選択された文字コードに変換する(ステップS326)。つまり、例えば、第二の文字コード選択部によって予め指定された所定の文字コードではない「桜」が選択された縮小領域に対応する(縮小前の)領域を、文字コード選択403によって選択された文字コードに変換する。
【0123】
そして、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域を文字コードに変換したかを判定する(ステップS327)。ここで、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域を文字コードに変換していない場合には(ステップS327否定)、すべての領域を文字コードに変換するまで上記したステップS322からS326までの処理を繰り返す。一方、実施例3に係る画像変換装置は、すべての領域を文字コードに変換した場合には(ステップS327肯定)、文字コード列を出力し(ステップS328)、処理を終了する。
【0124】
なお、図12におけるステップS301〜S307は、図8におけるステップS101〜S107に対応する。
【0125】
[実施例3の効果]
上記したように、実施例3によれば、画像データを所定の倍率で縮小し、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を記憶部から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって所定の文字コードを縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の画像データの領域の内、予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、選択された文字コードに変換するので、縮小サイズの画像を併用しない手法と比較して、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換するという特徴を保持したまま、効率的に実現することが可能である。
【実施例4】
【0126】
さて、これまで、上記の実施例では、精密な変換が要求される領域以外の領域である非特徴領域について、縮小画像を用いる手法について特に言及してこなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、非特徴領域については縮小画像を用いて文字コード列への変換を行ってもよい。そこで、以下では、図13を用いて、非特徴領域については縮小画像を用いて文字コード列への変換を行う手法について説明する。なお、図13は、実施例4における特徴領域を用いる画像変換処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、上記実施例1〜3に係る画像変換装置と同様の点については、簡単に説明することにする。
【0127】
ここで、例えば、顔が撮像された画像データを文字コード列に変換したい場合には、精密に文字コード変換したい領域は、目、鼻、口などの領域(特徴領域)のみであり、背景、髪などの領域(非特徴領域)は精密な変換が要求されない。そこで、例えば、実施例4に係る画像変換装置は、顔画像については、はじめに顔認識を行い、上記の特徴領域を抽出する。次に、例えば、実施例4に係る画像変換装置は、抽出された領域については規定サイズ画像を用いて文字に変換し、それ以外の領域については縮小画像を用いた粗い変換を行う(顔認識について、「赤松茂, “コンピュータによる顔の認識―サーベイ―”, 電子情報通信学会論文誌Vol.J80−D2 No.8 pp.2031−2046, 1997.」を参照)。これにより、実施例4に係る画像変換装置は、精密な変換が要求される部分についてのみ精密な変換を行い、画像の特徴を高精度で反映しつつ迅速な処理を実現する点に特徴がある。
【0128】
ここで、実施例4に係る画像変換装置は、図2における制御部400に、新たに、特徴領域抽出部と、第三の文字コード選択部とを備える。ここで、特徴領域抽出部は、特許請求の範囲に記載の「特徴領域抽出手順」に対応し、第三の文字コード選択部は、特許請求の範囲に記載の「第三の文字コード選択手順」に対応する。このような構成のもと、実施例4に係る画像変換装置は、以下に記載する処理を行う。
【0129】
すなわち、実施例4に係る画像変換装置(特徴領域抽出部)は、画像データの領域であって文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、画像データから抽出する。例えば、実施例4に係る画像変換装置は、図13に示すように、画像データの領域から、目や鼻や口などの特徴領域を選択する(ステップS408)。
【0130】
そして、実施例4に係る画像変換装置は、画像データを所定の倍率で縮小する(ステップS409)。
【0131】
そして、実施例4に係る画像変換装置(第三の文字コード選択)は、特徴領域抽出部によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を文字特徴記憶部301から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する。
【0132】
例えば、実施例4に係る画像変換装置は、画像データの領域から目や鼻や口などの特徴領域を選択した場合について説明すると、図13に示すように、目や鼻や口などの特徴領域以外の領域である非特徴領域(例えば、髪の領域や、肌の領域や、背景の領域など)に対応する縮小された画像データの領域について、縮小領域を一つ選択する(ステップS411)。そして、実施例4に係る画像変換装置は、特徴量を識別し(ステップS412)、最も近い値を示す特徴量を検索し(ステップS413)、検索して得た特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する(ステップS414)。その後、実施例4に係る画像変換装置は、縮小画像について、非特徴領域におけるすべての領域について文字コードを選択した場合には(ステップS415肯定)、非特徴領域における文字コード選択処理を終了する。一方、実施例4に係る画像変換装置は、非特徴領域におけるすべての領域について文字コードを選択していない場合には(ステップS415否定)、上記したステップS411からS414までの処理を繰り返し、非特徴領域におけるすべての領域について文字コードを選択する。
【0133】
そして、実施例4に係る画像変換装置(文字コード選択403)は、特徴領域抽出部によって抽出された特徴領域における所定の領域について、縮小前の画像データにおいて、文字コードを選択する(ステップS416)。例えば、実施例4に係る画像変換装置は、図13に示すように、目や鼻や口などの特徴領域について、文字コードを選択する(ステップS416〜420)。
【0134】
そして、実施例4に係る画像変換装置は、縮小前の画像データの領域の内、所定の領域を一つ選択する(ステップS421)。ここで、実施例4に係る画像変換装置は、選択した領域が非特徴領域である場合に(ステップS422肯定)、第三の文字コード選択によって選択された文字コードに領域の大きさに合わせた数で変換する(ステップS423)。つまり、実施例4に係る画像変換装置は、非特徴領域(例えば、髪の領域や、肌の領域や、背景の領域など)について選択した文字コードを、縮小された倍率に基づいて、縮小領域に対応する領域を文字コードに変換する。
【0135】
一方、実施例4に係る画像変換装置は、選択した領域が非特徴領域でない場合に(ステップS422否定)、つまり、特徴領域である場合に、文字コード選択403によって選択された文字コードに変換する(ステップS424)。つまり、例えば、実施例4に係る画像変換装置は、図13に示すように、目や鼻や口などの特徴領域について、選択された文字コードを変換する。
【0136】
なお、ここで、図13におけるステップS401〜S407は、図12におけるステップS301〜S307に対応し、図13におけるステップS409〜S410は、図12におけるステップS308〜S309に対応し、図13におけるステップS425〜S426は、図12におけるステップS327〜S328に対応する。
【0137】
[実施例4の効果]
上記したように、実施例4によれば、特徴領域を画像データから抽出し、画像データを所定の倍率で縮小し、抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を記憶部から検索し、検索した特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択し、抽出された特徴領域における所定の領域について、文字コードを選択し、縮小前の画像データの領域の内、非特徴領域における所定の領域を、選択された文字コードに領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の画像データの領域の内、特徴領域における所定の領域を、選択された文字コードに変換するので、特徴部分と非特徴部分と区別せずに画像データを文字コード列に変換する手法と比較して、画像の特徴をより高精度で反映させた文字コード列に変換するという特徴を保持したまま、より迅速な処理を実現することが可能である。
【実施例5】
【0138】
さて、これまで、上記の実施例では、文字コード列にメッセージを埋め込む手法について特に言及してこなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、メッセージを埋め込んでもよい。そこで、以下では、図14を用いて、文字コード列にメッセージを埋め込む手法について説明する。なお、図14は、実施例5におけるメッセージを埋め込む処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、上記実施例1〜4に係る画像変換装置と同様の点については、簡単に説明することにする。
【0139】
ここで、実施例5に係る画像変換装置は、図2における制御部400に、新たに、メッセージ画像作成部と、文字コード列画像作成部と、類似領域選択部と、メッセージ埋め込み部とを備える。ここで、メッセージ画像作成部は、特許請求の範囲に記載の「メッセージ画像作成手順」に対応し、文字コード列画像作成部は、特許請求の範囲に記載の「文字コード列画像作成手順」に対応し、類似領域選択部は、特許請求の範囲に記載の「類似領域選択手順」に対応し、メッセージ埋め込み部は、特許請求の範囲に記載の「メッセージ埋め込み手順」に対応する。このような構成のもと、実施例5に係る画像変換装置は、以下に記載する処理を行う。
【0140】
ここで、実施例5に係る画像変換装置は、文字コード変換後のテキストデータにメッセージを埋め込む際に、入力したいテキスト(例えば、「誕生日おめでとう」)を1画像と捉える。そして、実施例5に係る画像変換装置は、テキストデータ上の各文字についてもそれぞれ画像とみなし、その画像中からメッセージ画像と最も画像として類似した領域を画像マッチングによって検索し、前記メッセージの埋め込みを行う。これにより、実施例5に係る画像変換装置は、画像の特徴を高精度に反映しつつ、メッセージの埋め込みを行う点に特徴がある。
【0141】
すなわち、実施例5に係る画像変換装置(メッセージ画像作成部)は、テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成する。例えば、実施例5に係る画像変換装置は、図14に示すように、「誕生日おめでとう」というメッセージを受け付けると(ステップS501肯定)、メッセージ画像を形成する(ステップS502)。
【0142】
そして、実施例5に係る画像変換装置(文字コード列画像作成部)は、文字コード変換部404によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する。例えば、実施例5に係る画像変換装置は、図14に示すように、文字コード列を文字列画像(文字コード列画像)に変換する(ステップS503)。つまり、入力画像を文字コード列に変換した文字コード列があり、この文字コード列を文字列画像に変換する。
【0143】
そして、実施例5に係る画像変換装置(類似領域選択部)は、メッセージ文字画像作成部によって作成されたメッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する。例えば、実施例5に係る画像変換装置は、図14に示すように、文字画像において、「誕生日おめでとう」というメッセージから作成されたメッセージ文字画像と最も類似した類似領域を選択する(ステップS504)。
【0144】
そして、実施例5に係る画像変換装置(メッセージ埋め込み部)は、文字コード列の内、類似領域選択部によって選択された類似領域を構成する文字コードを、メッセージを構成する文字コードに置換する。例えば、実施例5に係る画像変換装置は、図14に示すように、選択した類似領域に、「誕生日おめでとう」というメッセージから作成されたメッセージを構成する文字コード列に置換する(ステップS505)。
【0145】
なお、ここで、さらに実施例5に係る画像変換装置の処理について説明すると、まず、(1).入力画像を文字コード列に変換した文字コード列があり、さらに、(2).入力したいテキストのメッセージがある。ここで、実施例5に係る画像変換装置は、(3).(1)の文字コード列を文字列画像に変換し、続いて、(4).(2)のメッセージをメッセージ画像に変換し、その後、(5).(4)の画像に類似する類似領域を(3)で変換された文字列画像中から見つけ、そして、(6).(1)の文字コード列中に(2)のメッセージを埋め込む。この結果、実施例5に係る画像変換装置は、最終的に文字コード列を出力する。
【0146】
また、例えば、画像変換装置は、文字コード列を文字列画像に変換する際に、文字コードごとに文字画像を辞書に用意しておき、文字コード列の並びに従って対応する文字画像を並べる。
【0147】
[実施例5の効果]
上記したように、実施例5によれば、メッセージ文字画像を作成し、文字コード変換部404によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成し、作成されたメッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択し、文字コード列の内、選択された類似領域を構成する文字コードを、メッセージを構成する文字コードに置換するので、文字画像にメッセージを自然に埋め込むことが可能である。
【0148】
また、違和感のない形でメッセージを埋め込むことが可能となり、結果として、従来は撮影するだけであった画像にメッセージ機能が付加され、コミュニケーションの一手段として利用することが可能である。
【実施例6】
【0149】
ところで、これまで実施例1〜5に係る画像変換装置について説明してきたが、この発明は上記した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例6に係る画像変換装置として、異なる実施例を説明する。
【0150】
(1)画像データの入力
例えば、実施例1では、画像変換装置が、カメラ部101から入力された画像データを変換する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像変換装置に予め記憶された画像データを文字コード列に変換してもよく、画像変換装置に外部メディア等を用いて人によって入力された画像データを文字コード列に変換してもよく、画像変換装置にネットワークを経由して入力された画像データを文字コード列に変換しても良い。
【0151】
(2)画像データへの加工
また、上記した実施例1〜5では、入力された画像をそのまま文字コード列に変換する手法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力された画像データに対し、ぼかし処理や輪郭検出処理などを行ったうえで、文字コード列への変換の処理を行い、印象画風、線画風の文字画像を形成する文字コード列にしてもよい。
【0152】
(3)システム構成等
本実施例において上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図1〜図3、図6〜図15)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0153】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる(例えば、図2において、適正画像サイズ調節部401を分離してもよく、また、文字コード選択403と文字コード変換部404とを統合してもよい)。
【0154】
(4)画像変換装置のプログラム
ところで、上記実施例1では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしてもよい。そこで、以下では、図15を用いて、上記の実施例1に示した画像変換装置と同様の機能を有する画像変換プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。なお、図15は、実施例1における画像変換装置のプログラムを示す図である。
【0155】
同図に示すように、実施例1における画像変換装置3000は、操作部3001、マイク3002、スピーカ3003、ディスプレイ3004、CPU3010、ROM3011、HDD3012、RAM3013をバス3009などで接続して構成されている。
【0156】
ROM3011には、上記の実施例1で示した適正画像サイズ調節部401と、分割部402と、文字コード選択403と、文字コード変換部404と、入出力制御I/F部200と同様の機能を発揮する制御プログラム、つまり、図15に示すように、適正画像サイズ調節プログラム3011aと、分割プログラム3011bと、文字コード選択プログラム3011cと、文字コード変換プログラム3011dと、入出力制御プログラム3011eとが予め記憶されている。なお、これらのプログラム3011a〜3011eについては、図2に示した画像変換装置の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。
【0157】
そして、CPU3010が、これらのプログラム3011a〜3011eをROM3011から読み出して実行することにより、図15に示すように、各プログラム3011a〜3011eについては、適正画像サイズ調節プロセス3010aと、分割プロセス3010bと、文字コード選択プロセス3010cと、文字コード変換プロセス3010dと、入出力制御プロセス3010eとして機能するようになる。なお、各プロセス3010a〜3010eは、図2に示した、適正画像サイズ調節部401と、分割部402と、文字コード選択403と、文字コード変換部404と、入出力制御I/F部200とにそれぞれ対応する。
【0158】
そして、HDD3012には、文字特徴記憶テーブル3012aが設けられている。この文字特徴記憶テーブル3012aは、文字特徴記憶部301に対応する。そして、CPU3010は、HDD3012から文字特徴記憶テーブル3012aを読み出してRAM3013に格納し、RAM3013に格納された文字特徴記憶データ3013aを用いて画像変換プログラムを実行する。
【0159】
なお、本実施例で説明した各プログラム3011a〜3011eについては、必ずしも最初からROM3011に記憶させておく必要はなく、例えば画像変換装置に挿入されるメモリーカード、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、画像変換装置の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介して画像変換装置に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、画像変換装置がこれらから各プログラムを読みだして実行するようにしてもよい。
【0160】
(付記1)画像データを文字コード列に変換する方法をコンピュータに実行させる画像変換プログラムであって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手順と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像変換プログラム。
【0161】
(付記2)前記所定の領域が予め指定された所定の画素数になるとともに前記画像データが所定の数の文字コードに変換されるように、前記画像データを拡大または縮小して当該画像データの大きさを適正サイズに調節する適正画像サイズ調節手順をさらにコンピュータに実行させ、
前記文字コード選択手順は、前記適正画像サイズ調節手順によって適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、前記文字コードを選択することを特徴とする付記1に記載の画像変換プログラム。
【0162】
(付記3)前記文字コード選択手順は、前記所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、
前記文字コード変換手順は、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換することを特徴とし、
前記画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに前記文字コード変換手順によって各々変換されている場合に、当該複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、当該複数の領域に対応する変換前の前記画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する比較手順と、
前記比較手順によって前記複数領域文字画像と前記原画像とが類似していないと比較された場合に、前記文字コード変換手順に、前記複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、前記比較手順に、当該入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と前記原画像とを比較させるよう制御する入れ換え制御手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の画像変換プログラム。
【0163】
(付記4)前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、
前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、当該文字コードを選択する第二の文字コード選択手順と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記文字コード選択手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、
前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、当該予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって当該所定の文字コードを当該縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記1〜3にいずれか一つに記載の画像変換プログラム。
【0164】
(付記5)前記画像データの領域であって前記文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、当該画像データから抽出する特徴領域抽出手順と、
前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、
前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、当該縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードを選択する第三の文字コード選択手順と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記文字コード選択手順は、前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域について、前記文字コードを選択し、
前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出されていない非特徴領域における所定の領域を、前記第三の文字コード選択手順によって選択された文字コードに当該領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の画像変換プログラム。
【0165】
(付記6)テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成するメッセージ文字画像作成手順と、
前記文字コード変換手順によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する文字コード列画像作成手順と、
前記メッセージ文字画像作成手順によって作成された前記メッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する類似領域選択手順と、
前記文字コード列の内、前記類似領域選択手順によって選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込み手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の画像変換プログラム。
【0166】
(付記7)画像データを文字コード列に変換する画像変換装置であって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶手段と、
前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶手段から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手段と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手段と、
を備えたことを特徴とする画像変換装置。
【0167】
(付記8)前記所定の領域が予め指定された所定の画素数になるとともに前記画像データが所定の数の文字コードに変換されるように、前記画像データを拡大または縮小して当該画像データの大きさを適正サイズに調節する適正画像サイズ調節手段をさらに備え、
前記文字コード選択手段は、前記適正画像サイズ調節手段によって適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、前記文字コードを選択することを特徴とする付記7に記載の画像変換装置。
【0168】
(付記9)前記文字コード選択手段は、前記所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、
前記文字コード変換手段は、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換することを特徴とし、
前記画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、前記文字コード選択手段によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに前記文字コード変換手段によって各々変換されている場合に、当該複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、当該複数の領域に対応する変換前の前記画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する比較手段と、
前記比較手段によって前記複数領域文字画像と前記原画像とが類似していないと比較された場合に、前記文字コード変換手段に、前記複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、前記比較手段に、当該入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と前記原画像とを比較させるよう制御する入れ換え制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記7または8に記載の画像変換装置。
【0169】
(付記10)前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手段と、
前記画像縮小手段によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶手段から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、当該文字コードを選択する第二の文字コード選択手段と、
をさらに備え、
前記文字コード選択手段は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手段によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、
前記文字コード変換手段は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手段によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、当該予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって当該所定の文字コードを当該縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手段によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、前記文字コード選択手段によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記7〜9のいずれか一つに記載の画像変換装置。
【0170】
(付記11)前記画像データの領域であって前記文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、当該画像データから抽出する特徴領域抽出手段と、
前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手段と、
前記特徴領域抽出手段によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、前記画像縮小手段によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、当該縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶手段から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードを選択する第三の文字コード選択手段と、
をさらに備え、
前記文字コード選択手段は、前記特徴領域抽出手段によって抽出された特徴領域における所定の領域について、前記文字コードを選択し、
前記文字コード変換手段は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手段によって抽出されていない非特徴領域における所定の領域を、前記第三の文字コード選択手段によって選択された文字コードに当該領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手段によって抽出された特徴領域における所定の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記7〜9のいずれか一つに記載の画像変換装置。
【0171】
(付記12)テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成するメッセージ文字画像作成手段と、
前記文字コード変換手段によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する文字コード列画像作成手段と、
前記メッセージ文字画像作成手段によって作成された前記メッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する類似領域選択手段と、
前記文字コード列の内、前記類似領域選択手段によって選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込み手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記7〜11のいずれか一つに記載の画像変換装置。
【0172】
(付記13)画像データを文字コード列に変換する画像変換方法であって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択工程と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された文字コードに変換する文字コード変換工程と、
を含んだことを特徴とする画像変換方法。
【0173】
(付記14)前記所定の領域が予め指定された所定の画素数になるとともに前記画像データが所定の数の文字コードに変換されるように、前記画像データを拡大または縮小して当該画像データの大きさを適正サイズに調節する適正画像サイズ調節工程をさらに含み、
前記文字コード選択工程は、前記適正画像サイズ調節工程によって適正サイズに調節された画像データにおいて選択された所定の領域について、前記文字コードを選択することを特徴とする付記13に記載の画像変換方法。
【0174】
(付記15)前記文字コード選択工程は、前記所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、
前記文字コード変換工程は、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換することを特徴とし、
前記画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、前記文字コード選択工程によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに前記文字コード変換工程によって各々変換されている場合に、当該複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、当該複数の領域に対応する変換前の前記画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する比較工程と、
前記比較工程によって前記複数領域文字画像と前記原画像とが類似していないと比較された場合に、前記文字コード変換工程に、前記複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、前記比較工程に、当該入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と前記原画像とを比較させるよう制御する入れ換え制御工程と、
をさらに含みることを特徴とする付記13または14に記載の画像変換方法。
【0175】
(付記16)前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小工程と、
前記画像縮小工程によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、当該文字コードを選択する第二の文字コード選択工程と、
をさらに含み、
前記文字コード選択工程は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択工程によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、
前記文字コード変換工程は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択工程によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、当該予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって当該所定の文字コードを当該縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択工程によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、前記文字コード選択工程によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記13〜15のいずれか一つに記載の画像変換方法。
【0176】
(付記17)前記画像データの領域であって前記文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、当該画像データから抽出する特徴領域抽出工程と、
前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小工程と、
前記特徴領域抽出工程によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、前記画像縮小工程によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、当該縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードを選択する第三の文字コード選択工程と、
をさらに含み、
前記文字コード選択工程は、前記特徴領域抽出工程によって抽出された特徴領域における所定の領域について、前記文字コードを選択し、
前記文字コード変換工程は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出工程によって抽出されていない非特徴領域における所定の領域を、前記第三の文字コード選択工程によって選択された文字コードに当該領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出工程によって抽出された特徴領域における所定の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された文字コードに変換することを特徴とする付記13〜15のいずれか一つに記載の画像変換方法。
【0177】
(付記18)テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成するメッセージ文字画像作成工程と、
前記文字コード変換工程によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する文字コード列画像作成工程と、
前記メッセージ文字画像作成工程によって作成された前記メッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する類似領域選択工程と、
前記文字コード列の内、前記類似領域選択工程によって選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込み工程と、
をさらに含みることを特徴とする付記13〜17のいずれか一つに記載の画像変換方法。
【産業上の利用可能性】
【0178】
以上のように、本発明に係る画像変換装置、画像変換方法および画像変換プログラムは、画素の集合体として所定の画像を形成する画像データを、所定の文字として識別可能な画像を形成している画素の集合体のさらに集合体として所定の画像を形成する文字コード列に変換する画像変換装置に有用であり、特に、画像の特徴を高精度で反映させた文字コード列に簡単に変換することが可能である画像変換装置の実現に適する。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】実施例1に係る画像変換装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1における画像変換装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1における文字特徴記憶部を説明するための図である。
【図4】実施例1における適正画像サイズ調節部を説明するための図である。
【図5】実施例1における分割部を説明するための図である。
【図6】実施例1における文字コード選択部を説明するための図である。
【図7】実施例1における文字コード変換部を説明するための図である。
【図8】実施例1における画像変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施例2における複数領域における文字を入れ替える処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施例3における縮小画像を用いる画像変換処理を説明するための図である。
【図11】実施例3における縮小画像を用いる画像変換処理を説明するための図である。
【図12】実施例3における縮小画像を用いる画像変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施例4における特徴領域を用いる画像変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施例5におけるメッセージを埋め込む処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施例1における画像変換装置のプログラムを示す図である。
【符号の説明】
【0180】
10 画像変換装置
20 画像
30 画像
40 画像データ
50 文字コード列
60 領域
70 画素
80 記憶部
90 領域
91 画素の集合体
92 文字コード変換部分
100 画像変換装置
101 カメラ部
102 操作部
103 ディスプレイ
200 入出力制御I/F部
300 記憶部
301 文字特徴記憶部
400 制御部
401 適正画像サイズ調節部
402 分割部
403 文字コード選択
404 文字形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを文字コード列に変換する方法をコンピュータに実行させる画像変換プログラムであって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手順と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像変換プログラム。
【請求項2】
前記文字コード選択手順は、前記所定の領域の特徴量に近い値を示す複数の文字コードを変換候補として選択し、
前記文字コード変換手順は、前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに変換することを特徴とし、
前記画像データにおいて隣接する複数の所定の領域各々が、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内のいずれか一つの文字コードに前記文字コード変換手順によって各々変換されている場合に、当該複数の文字コードによって形成される画像である複数領域文字画像と、当該複数の領域に対応する変換前の前記画像データの領域において形成されている画像である原画像とが類似しているか否かを比較する比較手順と、
前記比較手順によって前記複数領域文字画像と前記原画像とが類似していないと比較された場合に、前記文字コード変換手順に、前記複数の所定の領域各々の内の一つまたは複数の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された変換候補の内の他の文字コードに入れ換えて各々変換させ、前記比較手順に、当該入れ換え後の複数の文字コードによって形成される複数領域文字画像と前記原画像とを比較させるよう制御する入れ換え制御手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像変換プログラム。
【請求項3】
前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、
前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードが、予め指定された所定の文字コードに該当することを条件として、当該文字コードを選択する第二の文字コード選択手順と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記文字コード選択手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域について、文字コードを選択し、
前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択された縮小領域に対応する領域を、当該予め指定された所定の文字コードと対応付けて記憶されている文字コード群であって当該所定の文字コードを当該縮小領域に対応する領域に反映する文字コード群に変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記第二の文字コード選択手順によって予め指定された所定の文字コードが選択されなかった縮小領域に対応する領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換することを特徴とする請求項1または2に記載の画像変換プログラム。
【請求項4】
前記画像データの領域であって前記文字コード列への精密な変換が要求される領域である特徴領域を、当該画像データから抽出する特徴領域抽出手順と、
前記画像データを所定の倍率で縮小する画像縮小手順と、
前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域を除いた領域である非特徴領域に対応する領域であって、前記画像縮小手順によって縮小された画像データにおける所定の領域である縮小領域について、当該縮小領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶部から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている前記文字コードを選択する第三の文字コード選択手順と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記文字コード選択手順は、前記特徴領域抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域について、前記文字コードを選択し、
前記文字コード変換手順は、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出されていない非特徴領域における所定の領域を、前記第三の文字コード選択手順によって選択された文字コードに当該領域の大きさに合わせた数で変換し、かつ、縮小前の前記画像データの領域の内、前記特徴部分抽出手順によって抽出された特徴領域における所定の領域を、前記文字コード選択手順によって選択された文字コードに変換することを特徴とする請求項1または2に記載の画像変換プログラム。
【請求項5】
テキストのメッセージを構成する一つまたは複数の文字コードからメッセージ文字画像を作成するメッセージ文字画像作成手順と、
前記文字コード変換手順によって変換された文字コードの集合体である文字コード列から文字コード列画像を作成する文字コード列画像作成手順と、
前記メッセージ文字画像作成手順によって作成された前記メッセージ文字画像に類似する領域である類似領域を文字コード列画像から選択する類似領域選択手順と、
前記文字コード列の内、前記類似領域選択手順によって選択された前記類似領域を構成する文字コードを、前記メッセージを構成する文字コードに置換するメッセージ埋め込み手順と、
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像変換プログラム。
【請求項6】
画像データを文字コード列に変換する画像変換装置であって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶手段と、
前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を前記記憶手段から検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択手段と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択手段によって選択された文字コードに変換する文字コード変換手段と、
を備えたことを特徴とする画像変換装置。
【請求項7】
画像データを文字コード列に変換する画像変換方法であって、
文字コードと当該文字コードで示される文字に関する特徴量とを対応付けて記憶している記憶部から、前記画像データにおいて選択された所定の領域の特徴量に近い値を示す特徴量を検索し、検索した当該特徴量に対応付けて記憶されている文字コードを選択する文字コード選択工程と、
前記画像データにおいて選択された前記所定の領域を、前記文字コード選択工程によって選択された文字コードに変換する文字コード変換工程と、
を含んだことを特徴とする画像変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−20839(P2009−20839A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184960(P2007−184960)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】