説明

画像形成システム、印刷データ管理装置、印刷データ管理装置の制御方法、印刷データ管理装置の制御プログラム及び記録媒体

【課題】プルプリントシステムにおいて、サーバが動作不能状態である間のログ情報の一括管理を可能とすること。
【解決手段】クライアント端末2から送信された印刷ジョブを一時的に記憶媒体に記憶させ、画像形成装置1からの要求に応じて、一時的に記憶された印刷ジョブを出力するジョブ管理部302と、出力した印刷ジョブの履歴情報を生成して記憶媒体に記憶すると共に、所定のタイミングにおいて、画像形成装置1によって記憶された履歴情報のうち直接印刷フラグが付与された履歴情報をネットワークを介して取得して記憶媒体に記憶させるログ管理部を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、印刷データ管理装置、印刷データ管理装置の制御方法、印刷データ管理装置の制御プログラム及び記録媒体に関し、特に、画像形成出力の履歴の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置のうち、電子化された情報の出力に用いられるプリンタを用いたシステムとして、PC(Personal Computer)等の情報処理装置において生成された印刷ジョブをサーバに格納し、プリンタ側からサーバにアクセスして印刷ジョブを取得した上で画像形成出力を実行するプルプリントシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発明においては、サーバが印刷ジョブを管理することが前提であるため、サーバが動作不能状態である場合、PCから印刷ジョブを送信して格納することや、プリンタ側からアクセスして印刷ジョブを取得することができなくなる。予備のサーバを設けることにより上記課題を解決することができるが、サーバ導入のための導入コストや管理コストの問題がある。また、複数のサーバで印刷ジョブを管理することになるため、ログ情報が分散されてしまい、一元管理が出来なくなるという問題がある。
【0005】
また、サーバが動作不能状態である場合は、PCからプリンタに直接印刷ジョブを送信することによって、印刷出力が不能となってしまう事を回避することも考えられる。この場合であっても、サーバが動作不能状態である間のログ情報がサーバ側に残らず、ログ情報の一元管理ができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、プルプリントシステムにおいて、サーバが動作不能状態である間のログ情報の一括管理を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とが通信可能に接続された画像形成システムであって、前記情報処理装置は、前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信する印刷データ送信部とを含み、前記画像形成装置は、前記印刷データ管理装置から前記印刷データを取得する印刷データ取得部と、前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に格納する印刷データ格納部と、前記印刷データを出力する印刷出力部と、前記印刷出力部により出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる履歴情報保持部を含み、前記印刷データ管理装置は、前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させ、管理する印刷データ管理部と、前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信する要求印刷データ送信部と、前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成する履歴情報生成部と、所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得する履歴情報取得部と、前記履歴情報を記憶媒体に記憶し、管理する履歴情報管理部を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の態様は、印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける印刷データ管理装置であって、前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させ、管理する印刷データ管理部と、前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信する要求印刷データ送信部と、前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成する履歴情報生成部と、所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得する履歴情報取得部と、前記履歴情報を記憶媒体に記憶し、管理する履歴情報管理部を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の更に他の態様は、印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける印刷データ管理装置の制御方法であって、前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させて管理し、前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信し、前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成し、所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得し、前記履歴情報を記憶媒体に記憶して管理することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の更に他の態様は、印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける画像形成制御装置の制御プログラムであって、前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させて管理するステップと、前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信するステップと、前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成するステップと、所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得するステップと、前記履歴情報を記憶媒体に記憶して管理するステップと前記印刷データ管理装置に実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の更に他の態様は、記録媒体であって、上記印刷データ管理装置の制御プログラムを、情報処理装置によって読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プルプリントシステムにおいて、サーバが動作不能状態である間のログ情報の一括管理を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るジョブ管理サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るジョブ管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るシステムの通常動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施形態に係るログ情報の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態に係るログ情報の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るクライアント端末の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るジョブ管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るジョブ管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成システムの例として、情報処理端末において生成された印刷ジョブ、即ち印刷データを一次的にサーバに格納し、画像形成装置側からサーバにアクセスして印刷ジョブを取得して画像形成出力を実行するプルプリントシステムを例として説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係るシステムの運用形態の例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、画像形成装置1a、画像形成装置1b、クライアント端末2及びジョブ管理サーバ3がネットワークを介して接続されて構成されている。
【0016】
画像形成装置1a、1b(以降、総じて画像形成装置1とする)は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。本実施形態において、画像形成装置1は、ユーザの操作に応じてジョブ管理サーバ3にアクセスし、ジョブ管理サーバ3に格納されている印刷ジョブを取得することにより画像形成出力を実行する。
【0017】
クライアント端末2は、ユーザが操作する情報処理端末であり、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現される。本実施形態に係るクライアント端末2は、印刷ジョブを生成して出力する際、原則としてジョブ管理サーバ3に送信するが、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態である場合、画像形成装置1に送信する。
【0018】
ジョブ管理サーバ3は、クライアント端末2から印刷ジョブを受信して一時的に格納し、画像形成装置1からのアクセスに応じて印刷ジョブを出力する印刷データ管理装置として機能する。これにより、印刷ジョブのログ情報がジョブ管理サーバ3に蓄積される。更に、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3は、動作不能状態から復帰した際に、画像形成装置1にアクセスし、動作不能状態の間に画像形成装置1において実行された画像形成出力のログを回収する。この処理が、本実施形態に係る要旨の1つである。尚、図1においては、ジョブ管理サーバ3の機能をサーバとして実現しているが、画像形成装置1のようなMFPによって実現しても良い。
【0019】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1、クライアント端末2及びデータサーバ3のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。以下の説明においては、ジョブ管理サーバ3のハードウェア構成を例として説明するが、画像形成装置1及びクライアント端末2についても同様である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
【0021】
CPU10は演算手段であり、ジョブ管理サーバ3全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0022】
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザがジョブ管理サーバ3の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザがジョブ管理サーバ3に情報を入力するためのユーザインタフェースである。尚、図1において説明したように、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3はサーバとして運用される。従って、LCD60及び操作部70等のユーザインタフェースは省略可能である。
【0023】
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1、クライアント端末2及びジョブ管理サーバ3の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0024】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
【0025】
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140、入出力制御部150及びログ管理部160を含む。図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0026】
ディスプレイパネル104は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。本実施形態において、ユーザは、ディスプレイパネル104を操作してジョブ管理サーバ3に格納された印刷ジョブの選択及び取得を指示する。
【0027】
ネットワークI/F108は、画像形成装置1がネットワークを介してクライアント端末2やジョブ管理サーバ3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、図2に示すI/F50によって実現される。また、ネットワークI/F108には、FAXモデムとしての機能も含まれ、画像形成装置1がネットワークを介してFAX送受信を行うためのインタフェースとしても機能する。
【0028】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0029】
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
【0030】
また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介してデータサーバ3に送信される情報である。
【0031】
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108及びネットワークを介してクライアント端末2やデータサーバ3等の他の機器にアクセスする。
【0032】
ログ管理部160は、画像形成装置1において画像形成出力が実行される場合に、そのログ情報を記憶する。そして、ログ管理部160は、ログ情報の記憶に際して、ジョブ管理サーバ3を経て取得された印刷ジョブによる画像形成出力か、クライアント端末2から直接入力された印刷ジョブによる画像形成出力かを識別する情報を付与する。そして、ジョブ管理サーバ3からのアクセスに応じて、クライアント端末2から直接入力された印刷ジョブによる画像形成出力のログ情報を送信する。
【0033】
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。即ち、入出力制御部150が、印刷データ取得部として機能する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。
【0034】
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120は、プリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。即ち、画像処理部130、エンジン制御部120及びプリントエンジン106が印刷出力部として機能する。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。このような処理の過程において、ログ管理部160は、主制御部110の制御に従い、HDD40等の記憶媒体にログ情報を記憶させる。即ち、ログ管理部160が、画像形成装置の履歴情報保持部として機能する。
【0035】
次に、図4を参照して、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3の機能構成について説明する。図4に示すように、本実施形態に係るジョブ管理サーバ3は、コントローラ300及びネットワークI/F310を有する。また、コントローラ300は、入出力制御部301、ジョブ管理部302、ログ管理部303及び装置管理部304を含む。
【0036】
ネットワークI/F310は、ジョブ管理サーバ3がネットワークを介して画像形成装置1やクライアント端末2等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
【0037】
コントローラ300は、画像形成装置1のコントローラ100と同様に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現され、ジョブ管理サーバ3を制御する制御部として機能する。入出力制御部301は、画像形成装置1の入出力制御部150と同様に、ネットワークI/F310を介しての情報の送受信を制御する。
【0038】
ジョブ管理部302は、入出力制御部301がネットワークを介してクライアント端末2から受信した印刷ジョブをHDD40等の記憶媒体に一次的に記憶させる。そして、画像形成装置1からのアクセスに応じて、記憶媒体に記憶させた印刷ジョブを読み出して出力する。即ち、入出力制御部301が命令受信部として機能すると共に、ジョブ管理部302が、印刷データ管理部及び要求印刷データ送信部として機能する。装置管理部304は、印刷ジョブの管理対象である画像形成装置1、即ち、本実施形態においては画像形成装置1a、画像形成装置1bのネットワークアドレス等、装置を管理するための情報を保持し、画像形成装置1を管理している。
【0039】
ログ管理部303は、ジョブ管理部302による印刷ジョブの記憶、出力に応じて、印刷ジョブの履歴をHDD40等の記憶媒体に記憶させる。このログ管理部303において、画像形成装置1a、画像形成装置1bにおける画像形成出力のログ情報を一元管理することが本実施形態に係る要旨である。そのため、本実施形態に係るログ管理部303は、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰した際に、入出力制御部301を介して、画像形成装置1から画像形成出力のログ情報を取得する。即ち、ログ管理部303が、画像形成制御装置の履歴情報生成部、履歴情報取得部及び履歴情報管理部として機能する。
【0040】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るクライアント端末2の機能構成について説明する。図5に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、実施の形態1において説明したLCD60及び操作部70に加えて、コントローラ200及びネットワークI/F210を有する。また、コントローラ200は、アプリケーション201、プリンタドライバ202、ユーザI/Fコントローラ203、入出力制御部204を含む。
【0041】
ネットワークI/F210は、クライアント端末2がネットワークを介して画像形成装置1やジョブ管理サーバ3等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
【0042】
コントローラ200は、画像形成装置1のコントローラ100と同様に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現され、クライアント端末2を制御する制御部として機能する。入出力制御部204は、画像形成装置1の入出力制御部150と同様に、ネットワークI/F310を介しての情報の送受信を制御する。
【0043】
アプリケーション201は、クライアント端末2にインストールされたソフトウェア・プログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成され、画像情報や文書情報の閲覧、編集、管理等をユーザが行うためのソフトウェア・アプリケーションである。ユーザは、アプリケーション201を介して、画像情報や文書情報についての画像形成出力を実行させる。
【0044】
プリンタドライバ202は、アプリケーション201を介して画像形成出力の実行が指示された場合に、画像形成出力するべき画像情報や文書情報に基づいて印刷ジョブを生成し、入出力制御部204を介して画像形成装置1またはジョブ管理サーバ3に送信する。即ち、プリンタドライバ202は、印刷データ生成部及び印刷データ送信部として機能する。プリンタドライバ202が生成する印刷ジョブは、例えばPDL(Page Description Language)によって記述された情報である。
【0045】
ユーザI/Fコントローラ203は、アプリケーション201やプリンタドライバ202のGUI(Graphical User Interface)をLCD60に表示させると共に、操作部70を介してユーザによって入力された情報をアプリケーション201若しくはプリンタドライバ202に入力する。
【0046】
このような構成を含むプルプリントシステムの通常動作について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るプルプリントシステムの通常動作を示すシーケンス図である。クライアント端末2において、ユーザの操作に基づいて印刷ジョブが発生すると、図6に示すように、プリンタドライバ202が、入出力制御部204を介してジョブ管理サーバ3に印刷ジョブを送信する(S601)。ジョブ管理サーバ3においては、入出力制御部301が印刷ジョブを受信し、ジョブ管理部302がその印刷ジョブをHDD40等の記憶媒体に格納する(S602)。
【0047】
ユーザは、クライアント端末2を操作して印刷ジョブを出力させた後、画像形成装置1を操作する。これにより、画像形成装置1は、ジョブ管理サーバ3のジョブ管理部302からネットワークを介して印刷ジョブのリスト(ジョブリスト)を取得し、ディスプレイパネル104に表示する(S603)。この際、ユーザ認証等を行うことにより、セキュリティを高めることや、そのユーザの印刷ジョブのみが取得されるようにすることができる。
【0048】
ユーザはディスプレイパネル104を操作し、表示された印刷ジョブから実行するべき印刷ジョブを選択する。これにより、画像形成装置1は、選択された印刷ジョブをネットワークを介してジョブ管理サーバ3から取得し、画像形成出力を実行する(S604)。ジョブ管理サーバ3においては、画像形成装置1からのアクセスに応じて印刷ジョブを出力することにより、ログ情報を格納する(S605)。また、画像形成装置1においては、画像形成出力の実行に応じて、ログ情報を格納する(S606)。S605、S606の処理により、図7に示すようなログ情報が、ログ管理部160、ログ管理部303において夫々生成されてHDD40等の記憶媒体に格納される。
【0049】
なお、印刷ジョブの取得は、ジョブリストを取得するときに実行してもよい。つまり、画像形成装置1はS603でジョブ管理サーバ3のジョブ管理部302から印刷ジョブおよびその印刷ジョブのジョブリストを取得する。そしてジョブリストをディスプレイパネル104に表示し、ユーザにより印刷ジョブが選択されると、画像形成装置1は自身の記憶媒体で記憶している印刷ジョブの中から選択された印刷ジョブを取り出し、画像形成出力を実行する。
【0050】
次に、本実施形態に係るプルプリントシステムの特徴的な動作について、図8を参照して説明する。図8に示すように、クライアント端末2において、ユーザの操作に基づいて印刷ジョブが発生すると、プリンタドライバ202が、入出力制御部204を介してジョブ管理サーバ3の動作状態を確認する(S801)。S801の確認により、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態であることを確認すると、プリンタドライバ202は、画像形成装置1に印刷ジョブを送信する(S802)。
【0051】
S802の処理において、プリンタドライバ202は、画像形成装置1a、画像形成装置1bのうち印刷ジョブを送信するべき機器を決定した上で印刷ジョブの送信を行う。印刷ジョブを送信するべき機器は、予め定められた設定情報やユーザ操作による指定によって決定される。
【0052】
画像形成装置1においては、入出力制御部150が印刷ジョブを受信し、主制御部110の制御に従って画像形成出力が実行される(S803)。上述したように、本実施形態に係るシステムはプルプリントシステムであるため、S803の処理、即ち、クライアント端末2から画像形成装置1に対して直接印刷ジョブが入力された際の画像形成出力も、画像形成装置1に対するユーザの操作に応じて実行することが好ましい。
【0053】
このような制御は、例えば、入出力制御部150が印刷ジョブを受信した後、主制御部110が、その印刷ジョブをHDD40等の記憶媒体に一時的に格納しておく。即ち、主制御部110が、印刷データ格納部として機能する。そして、主制御部110は、ユーザの操作に応じて、即ち、操作表示制御部140を介して入力される操作信号に応じて、記憶媒体に一時的にて記憶した印刷ジョブを読み出し、その印刷ジョブに従って画像形成出力の処理を実行することにより、実現可能である。画像形成装置1において画像形成出力が実行されると、ログ管理部160が、記憶媒体にログを格納する(S804)。
【0054】
S804により、図9(a)に示すようなログ情報が生成されて、ログ管理部160において格納される。図9(a)に示すように、クライアント端末2から画像形成装置1に直接送信されて実行された印刷ジョブのログ情報の場合、“直接印刷”の項目に“Yes”という値が入力される。この“直接印刷”の項目の“Yes”という値が、クライアント端末2から直接入力された印刷ジョブに従って実行された画像形成出力であること識別する識別情報である。
【0055】
その後、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰すると(S805)、ジョブ管理サーバ3のログ管理部303は、入出力制御部301を介して、画像形成装置1にアクセスし、クライアント端末2から画像形成装置1に直接入力された印刷ジョブ(以降、直接印刷ジョブとする)のログ情報の有無を問い合わせる(S806)。そして、直接印刷ジョブのログ情報、即ち、“直接印刷”の項目の値が“Yes”であるログ情報がある場合に、ログ管理部303は、そのログ情報を画像形成装置1から取得し、記憶媒体に格納する(S807)。
【0056】
S807の処理が実行される前においてログ管理部303において格納されているログ情報が図9(b)に示す状態であった場合、S807の処理の後、即ち、図9(a)に示すログ情報が取得された後は、図9(c)に示す状態となる。図9(c)に示すように、直接印刷ジョブのログ情報については、“直接印刷”の項目に、画像形成装置1aにおいて実行されたことを示す値である“1a”という値が設定される。
【0057】
また、画像形成装置1においては、ジョブ管理サーバ3によって直接印刷ジョブのログ情報が取得されると、ログ管理部303が、図9(d)に示すように、“直接印刷”の項目の値を“回収済み”に変更するようにログ情報を更新する。これにより、再度ジョブ管理サーバ3が直接印刷ジョブに係るログ情報を取得する際に、同一のログ情報が二重に取得されてしまうようなことを回避することができる。
【0058】
次に、図8のようなシステム全体の動作におけるクライアント端末2及びジョブ管理サーバ3の動作について説明する。図10は、クライアント端末2の動作を示すフローチャートである。図10に示すように、クライアント端末2におけるユーザの操作によってジョブが発生すると(S1001)、プリンタドライバ202は、ネットワークを介してジョブ管理サーバ3が稼動中であるか否か、即ち、印刷ジョブを受信可能な状態であるか否か確認する(S1002)。S1002の処理は、図8のS801の処理に相当する
【0059】
S1002の確認の結果、ジョブ管理サーバ3が稼動中であれば(S1002/YES)、プリンタドライバ202は、ジョブ管理サーバ3に印刷ジョブを送信し(S1003)、処理を終了する。S1003の処理は、図6のS601の処理に相当する。他方、ジョブ管理サーバ3が非稼動中である場合、即ち、印刷ジョブを受信不可能な状態である場合(S1002/NO)、プリンタドライバ202は、画像形成装置a1、画像形成装置1bから印刷ジョブの送信先を決定する(S1004)。
【0060】
S1004においてプリンタドライバ202が印刷ジョブの送信先を決定する方法として、プリンタドライバ202は、画像形成装置1の状態を定期的にネットワークを介して取得し、S1004のタイミングにおいて動作可能な装置を選択することができる。また、カラー/モノクロの種別や、両面印刷指定等の印刷ジョブの属性を印刷ジョブから取得し、その属性に応じた装置を選択することも可能であり、複数の方法を組み合わせても良い。
【0061】
印刷ジョブの送信先を決定すると、プリンタドライバ202は、決定した送信先に対してネットワークを介して印刷ジョブを送信し(S1005)、処理を終了する。S1005の処理は、図8のS802の処理に相当する。このような処理により、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態であっても、印刷ジョブを送信することができる。
【0062】
図11は、ジョブ管理サーバ3の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰すると(S1101)、ログ管理部303が、ネットワークを介して画像形成装置1にログ情報の有無を問い合わせる(S1102)。S1101の処理は、図8のS805の処理に、S1102の処理は、図8のS806の処理に夫々相当する。画像形成装置1においては、ジョブ管理サーバ3からの問い合わせに対して、ログ管理部160は、記憶しているログ情報の一覧を送信する。
【0063】
画像形成装置1からログ情報の一覧を取得したログ管理部303は、図9(a)に示すように“直接印刷”の項目が“Yes”となっているログ情報、即ち、直接印刷ジョブのログの有無を確認し(S1103)、直接印刷ジョブがあった場合(S1103/YES)、そのログ情報を画像形成装置1から取得して記憶する(S1104)。S1104の処理は、図8のS807の処理に相当する。
【0064】
ログ管理部303は、S1102からS1104までの処理を、ネットワークに接続された全ての画像形成装置1、即ち、本実施形態においては画像形成装置1a、画像形成装置1bについて繰り返す(S1105/NO)。そして、全ての画像形成装置1に対してS1102からS1104までの処理を実行したら(S1105/YES)、処理を終了する。
【0065】
尚、図11においては、S1101の条件、即ち動作開始の条件を、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰した場合としたが、ジョブ管理サーバ3のパワーオンリセットにおける処理として組み込んでも良い。即ち、図11の動作は、ジョブ管理サーバ3がエラーなどにより動作不能状態となった場合に限らず、電源投入時等、印刷ジョブを受信することが不可能な状態から、印刷ジョブを受信可能な状態になった場合に実行されるものである。
【0066】
また、図11においては、S1103、S1104の処理として説明したように、直接印刷ジョブの判断をジョブ管理サーバ3側において実行する場合を例として説明した。他の態様としては、ジョブ管理サーバ3が、画像形成装置1において記憶されているログ情報を全て取得し、ログ管理部303において記憶されていないログ情報のみを記憶して、残りのログ情報を破棄するようにしても良い。
【0067】
この他、ジョブ管理サーバ3は、直接印刷ジョブのログ情報のみを取得するように画像形成装置1に対してアクセスし、画像形成装置1のログ管理部160が、記憶しているログ情報のうち、“直接印刷”の項目が“Yes”となっている直接印刷ジョブのログ情報のみをジョブ管理サーバ3に送信するようにしても良い。また、上記直接印刷ジョブのみを取得するように画像形成装置1に対して行うアクセスとは、例えば、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰した通知(以降、復帰通知とする)とすることができる。即ち、画像形成装置1が、ジョブ管理サーバ3から復帰通知を受信した場合に、直接印刷ジョブのログ情報をジョブ管理サーバ3に送信するようにしても良い。この場合、ログ管理部303が、ジョブ管理サーバ3が印刷ジョブを受信可能な状態であることを通知する状態通知部として機能する。
【0068】
このように、本実施形態に係るプルプリントシステムにおいては、ジョブ管理サーバ3が動作不能な状態である場合に、クライアント端末2が画像形成装置1に直接印刷ジョブを送信することによって、出力不能となることを回避する。画像形成装置1は、直接印刷ジョブに係るログ情報については、“直接印刷”の項目の“Yes”という値のように、クライアント端末2から直接入力された印刷ジョブによる画像形成出力か否かを識別する情報(以降、直接印刷フラグとする)を付加する。
【0069】
そして、ジョブ管理サーバ3は、動作不能状態から復帰した際に、画像形成装置1にアクセスして、直接印刷フラグが付加されたログ情報を取得する。これにより、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態であった間に直接印刷ジョブによって実行された画像形成出力のログ情報がジョブ管理サーバ3に格納され、ジョブ管理サーバ3においてログ情報を一括管理することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態においては、プルプリントシステムを前提としている。そのため、ジョブ管理サーバ3が動作不能状態から復帰したタイミングにおいて、画像形成装置1にて待機中の印刷ジョブ、即ち、クライアント端末2から画像形成装置1に直接投入された後、未だ画像形成出力が実行されていない印刷ジョブが存在する場合もあり得る。そのような場合、ジョブ管理サーバ3は、画像形成装置1からその印刷ジョブを取得し、図6において説明したような通常のシーケンスに戻すことが好ましい。そのような態様を可能とするためのジョブ管理サーバ3の動作について、図12を参照して説明する。
【0071】
図12は、上述したようなジョブ管理サーバ3の動作を示すフローチャートである。図12に示すように、S1201からS1204までは、図11のS1101からS1104までと同様の処理が実行される。S1204により、直接印刷ジョブに係るログ情報が取得されると、次に、ジョブ管理部302は、画像形成装置1において未処理で待機中の印刷ジョブ(以降、待機中ジョブとする)の有無を問い合わせる(S1205)。
【0072】
画像形成装置1においては、ジョブ管理サーバ3からの問い合わせに対して、主制御部110が、HDD40等の記憶媒体に記憶されている待機中ジョブの有無をジョブ管理サーバ3に通知する。画像形成装置1からの通知の結果、待機中ジョブがあれば(S1205/Yes)、ジョブ管理サーバ3は、画像形成装置1に対して、待機中ジョブの送信を要求する。即ち、ジョブ管理部302が、印刷データ取得要求部として機能する。
【0073】
ジョブ管理サーバ3からの要求を受けると、画像形成装置1において、主制御部110が、HDD40等の記憶媒体に記憶されている待機中ジョブを読み出し、ジョブ管理サーバ3に送信する。即ち、主制御部110が、未処理データ送信部として機能する。ジョブ管理サーバ3においては、入出力制御部301が画像形成装置1から送信された待機中ジョブを受信し、ジョブ管理部302が取得する(S1206)。これにより、ジョブ管理部302は、図6のS602と同様に、印刷ジョブを格納する。
【0074】
その後、図11のS1105と同様に、全ての画像形成装置1について処理が完了するまでS1202からS1206までの処理を繰り返し(S1207/NO)、全ての画像形成装置1に対してS1202からS1106までの処理を実行したら(S1207/YES)、処理を終了する。
【0075】
このような処理により待機中の印刷ジョブがジョブ管理サーバ3のジョブ管理部302によって一時的に格納され、以降は、図6に示すような通常動作により画像形成出力が実行される。ジョブ管理サーバ3が復帰したタイミングにおいて、画像形成装置1で待機中の印刷ジョブがログ情報として格納されていない場合、図8に示す動作によってはログ情報がジョブ管理サーバ3に収集されない。これに対して、図12に示すように、画像形成装置1で待機中の印刷ジョブを回収することにより、ログ情報の一括管理を漏れなく実行することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 画像形成装置
2 クライアント端末
3 ジョブ管理サーバ
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 バス
100 コントローラ
101 ADF
102 スキャナユニット
103 排紙トレイ
104 ディスプレイパネル
105 給紙テーブル
106 プリントエンジン
107 排紙トレイ
108 ネットワークI/F
110 主制御部
120 エンジン制御部
130 画像処理部
140 操作表示制御部
150 入出力制御部
160 ログ管理部
200 コントローラ
201 アプリケーション
202 プリンタドライバ
203 ユーザI/Fコントローラ
204 入出力制御部
210 ネットワークI/F
300 コントローラ
301 入出力制御部
302 ジョブ管理部
303 ログ管理部
304 装置管理部
310 ネットワークI/F
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2008−107921号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とが通信可能に接続された画像形成システムであって、
前記情報処理装置は、
前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、
前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信する印刷データ送信部とを含み、
前記画像形成装置は、
前記印刷データ管理装置から前記印刷データを取得する印刷データ取得部と、
前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に格納する印刷データ格納部と、
前記印刷データを出力する印刷出力部と、
前記印刷出力部により出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる履歴情報保持部を含み、
前記印刷データ管理装置は、
前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させ、管理する印刷データ管理部と、
前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信する要求印刷データ送信部と、
前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得する履歴情報取得部と、
前記履歴情報を記憶媒体に記憶し、管理する履歴情報管理部を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記印刷データ管理装置の前記履歴情報管理部は、前記印刷データ管理装置が、前記印刷データを受信不可能な状態から受信可能な状態に遷移した場合に、前記画像形成装置の前記履歴情報保持部によって記憶された前記履歴情報のうち前記識別情報が付与された履歴情報を取得して記憶媒体に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記印刷データ管理装置は、前記印刷データの受信が可能な状態であることを通知する状態通知部を含み、
前記画像形成装置の履歴情報保持部は、前記状態通知部からの通知に応じて、前記識別情報が付与された履歴情報を前記印刷データ管理装置に送信し、
前記印刷データ管理装置の履歴情報管理部は、前記画像形成装置から送信された履歴情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記印刷データ管理装置は、前記画像形成装置に対し、前記画像形成装置の記憶媒体が記憶し、印刷出力部による出力が実行されていない未処理の前記印刷データの取得を要求する印刷データ取得要求部を備え、
前記画像形成装置は、前記印刷データ取得要求部からの要求に応じて、自身の記憶媒体が記憶する未処理の前記印刷データを前記印刷データ管理装置に送信する未処理データ送信部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける印刷データ管理装置であって、
前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させ、管理する印刷データ管理部と、
前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信する要求印刷データ送信部と、
前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得する履歴情報取得部と、
前記履歴情報を記憶媒体に記憶し、管理する履歴情報管理部を含むことを特徴とする印刷データ管理装置。
【請求項6】
印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける印刷データ管理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させて管理し、
前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信し、
前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成し、
所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得し、
前記履歴情報を記憶媒体に記憶して管理することを特徴とする印刷データ管理装置の制御方法。
【請求項7】
印刷データを生成して送信する情報処理装置と、送信された前記印刷データを蓄積し、当該印刷データおよび当該印刷データに係るログ情報を管理する印刷データ管理装置と、前記印刷データの印刷を実行する画像形成装置とを含み、前記情報処理装置は、前記前記印刷データ管理装置の動作状態に応じて、前記印刷データ管理装置または前記画像形成装置のいずれかに前記印刷データを送信し、前記画像形成装置は、出力した前記印刷データが前記情報処理装置から受信した印刷データであった場合に、前記情報処理装置から受信した印刷データを用いた出力であることを識別するための識別情報を付与して印刷出力に関する履歴情報を生成して記憶媒体に記憶させる画像形成システムにおける画像形成制御装置の制御プログラムであって、
前記情報処理装置から送信された前記印刷データを記憶媒体に記憶させて管理するステップと、
前記画像形成装置からの要求に応じて前記記憶媒体で記憶する前期印刷データを前記画像形成装置に送信するステップと、
前記前記印刷データ管理部によって管理された前記印刷データについての履歴情報を生成するステップと、
所定のタイミングで、前記画像形成装置に対して、該画像形成装置の記憶媒体が記憶している印刷出力に関する前記履歴情報のうち少なくとも前記識別情報が付与された履歴情報を取得するステップと、
前記履歴情報を記憶媒体に記憶して管理するステップと前記印刷データ管理装置に実行させることを特徴とする印刷データ管理装置の制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷データ管理装置の制御プログラムを、情報処理装置によって読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−150715(P2012−150715A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9955(P2011−9955)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】