説明

画像形成システムおよび画像形成装置

【課題】 画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態を遠隔で知ることができるようにする。
【解決手段】 画像形成装置1では、認証認可管理部35が、ユーザーによる操作パネル14に対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可し、ステータス管理部36が、ログイン中のユーザーの操作状況を監視し、通信処理部32が、ステータス管理部36により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを端末装置へ送信する。端末装置は、画像形成装置1から送信されてくる操作状況データを受信し、ウェブブラウザーで、その操作状況データに基づいて、画像形成装置1にログインしているユーザーの操作状況を表示装置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンター、コピー機、複合機などの画像形成装置には、ウェブサーバー機能を有するものがある。そのような画像形成装置の所定のURL(Universal Resource Locator)に対して、パーソナルコンピューターなどのホスト装置が、HTML(Hypertext Markup Language)データの送信要求を送信すると、画像形成装置は、そのときのデバイス状態を記述したHTMLデータをホスト装置へ送信する。そして、ホスト装置は、そのHTMLデータに基づいて、デバイス状態を表示する(例えば、特許文献1参照)。このデバイス状態は、プリンターやファクシミリなどの内部デバイスの状態であって、「異常なし」、「通信エラー」などといった値をとる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−206456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の技術では、画像形成装置から離れた位置でホスト装置を操作しているユーザーは、ホスト装置において表示されるデバイス状態を見ることで、画像形成装置の内部デバイスの状態を知ることができるが、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態(ユーザーの有無、どのユーザーか、何をしているかなど)を知ることはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態を遠隔で知ることができる画像形成システムおよび画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、ネットワークに接続された画像形成装置と、そのネットワークに接続された端末装置とを備える。画像形成装置は、ユーザーインターフェースと、ユーザーによるユーザーインターフェースに対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可するログイン処理部と、ログイン中のユーザーの操作状況を監視するステータス管理部と、ステータス管理部により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを端末装置へ送信する第1通信処理部とを有する。端末装置は、操作状況データの要求を画像形成装置へ送信し、画像形成装置から送信されてくる操作状況データを受信する第2通信処理部と、操作状況データに基づいて、画像形成装置にログインしているユーザーの操作状況を表示装置に表示する表示制御部とを有する。
【0008】
これにより、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態を遠隔の端末装置で知ることができる。
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークに接続された通信装置と、ユーザーインターフェースと、ユーザーによるユーザーインターフェースに対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可するログイン処理部と、ログイン中のユーザーの操作状況を監視するステータス管理部と、通信装置を使用して、端末装置からの要求に応じて、ステータス管理部により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを端末装置へ送信する通信処理部とを備える。
【0010】
これにより、端末装置において操作状況データに基づいて操作状況を表示させることができ、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態を遠隔の端末装置で知ることができる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、操作状況データは、ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む。
【0012】
これにより、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの有無、ユーザーがいる場合に何をしているかを遠隔で知ることができる。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、ログイン処理部は、ユーザーのログイン時にユーザーの認証を行い、端末装置からの要求があると、ユーザーのIDからユーザーの表示名を特定し、通信処理部は、ログイン中のユーザーの表示名と、ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む操作状況データを端末装置へ送信する。
【0014】
これにより、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの有無、どのユーザーか、何をしているか、などを遠隔で知ることができる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、ログイン処理部は、ユーザーの認証を行わずにユーザーのログインを許可し、通信処理部は、ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む操作状況データを端末装置へ送信する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、通信処理部は、ウェブサーバー機能を有し、操作状況データを含むHTMLファイルを端末装置のウェブブラウザーへ送信する。
【0017】
これにより、端末装置において、汎用のウェブブラウザーで、画像形成装置を使用しているユーザーの操作状況を表示させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像形成装置の操作パネルを使用しているユーザーの状態を遠隔の端末装置で知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1における端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図1に示す画像形成システムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【図5】図5は、図1に示す端末装置において表示されるパネル操作状況画面を含む画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムにおいては、画像形成装置1が、ネットワーク2に接続され、そのネットワーク2に端末装置3が接続されている。画像形成装置1は、プリンター、スキャナー機、コピー機、複合機などといった装置である。この画像形成装置1は、複数のユーザーにより共用されており、各ユーザーは、画像形成装置1の操作パネルを直接操作して画像形成装置1を利用することができるとともに、遠隔の端末装置3から画像形成装置1を利用することができる。
【0022】
図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0023】
画像形成装置1は、プリンター11と、スキャナー12と、ファクシミリ装置13と、操作パネル14と、通信装置15と、演算処理装置16とを備える。
【0024】
プリンター11は、印刷データに基づいて原稿画像を印刷する内部デバイスである。スキャナー12は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部デバイスである。ファクシミリ装置13は、送信すべき原稿画像の画像データからファクシミリ信号を生成し送信するとともに、ファクシミリ信号を受信し画像データに変換する内部デバイスである。
【0025】
また、操作パネル14は、画像形成装置1の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置と、ユーザー操作を検出する入力装置とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。キースイッチはハードウェアキーであり、表示装置およびタッチパネルによりソフトウェアキーが実現される。このように、操作パネル14は、画像形成装置1のユーザーインターフェースである。
【0026】
また、通信装置15は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して他の装置(端末装置3など)と所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。通信装置15としては、ネットワークインターフェース、モデムなどが使用される。
【0027】
また、演算処理装置16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、図示せぬ記憶装置、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0028】
画像形成装置1の起動後に、各種プログラムが演算処理装置16により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置16により、図示せぬオペレーティングシステム、コントローラー31、通信処理部32、パネル制御部33、ジョブ制御部34、認証認可管理部35、ステータス管理部36、ウェブサーバー管理部37、サービス実行部38などの処理部が実現される。
【0029】
コントローラー31は、プリンター11、スキャナー12、ファクシミリ装置13、操作パネル14などといった内部デバイスを監視および制御する処理部である。コントローラー31は、内部デバイスの状態をステータス管理部36に通知する。
【0030】
通信処理部32は、通信装置15を制御してデータ通信を実行する処理部である。通信処理部32は、ウェブサーバーを有し、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)で端末装置3のウェブブラウザーと通信する。
【0031】
パネル制御部33は、コントローラー31を使用して、操作パネル14に各種画面を表示させたり、操作パネル14に対するユーザー操作を検出したりするとともに、ユーザー操作などに従って画面遷移を行う処理部である。パネル制御部33は、検出したユーザー操作をステータス管理部36に通知する。
【0032】
ジョブ制御部34は、サービス実行部38により受け付けた要求に応じたジョブを実行する処理部である。ジョブ制御部34は、コントローラー31を使用して、ジョブ種別に応じた内部デバイス(プリンター11など)を動作させる。
【0033】
認証認可管理部35は、ユーザー認証を行い、ユーザーのログインを許可するか否かを判定するとともに、ジョブ認可情報に基づいて所定の1または複数のジョブ種別についてユーザーによるジョブの実行を許可するか否かを判定する。認証認可管理部35は、ログイン中のユーザー(つまり、ログインを許可されたユーザー)の属性情報(ユーザーの表示名、電子メールアドレスなど)を、必要に応じて特定する。ユーザーの属性情報は、ユーザーIDと関連付けられており、ログイン時に入力されるユーザーIDに基づいて、ログイン中のユーザーの属性情報が特定される。なお、ユーザーの表示名は、ユーザーIDとは別に登録されている名称である。
【0034】
認証認可管理部35は、ユーザーがログインしていない状態では、操作パネル14においてログイン操作以外の操作を禁止している。なお、ユーザーがログインした後に、操作パネル14におけるログアウトボタンが押下された場合、認証認可管理部35は、ログアウト処理を行い、操作パネル14をユーザーがログインしていない状態に戻す。
【0035】
ステータス管理部36は、コントローラー31からの内部デバイス状態の情報、およびパネル制御部33からのユーザー操作状況の情報を受け付け、現時点での内部デバイス状態を示すデータ、および現時点でのユーザー操作状況を示すデータを保持する。
【0036】
なお、操作パネル14におけるリセットボタンの押下が検出された場合、ステータス管理部36は、次の操作が検出されるまで、ユーザー操作状況を示すデータを、「待機中」などの所定の値に設定する。
【0037】
また、所定の時間、ログイン中のユーザーによる操作パネル14に対する操作がないことが、オートクリアータイマーなどによって検出された場合、ステータス管理部36は、次の操作が検出されるまで、ユーザー操作状況を示すデータを、「待機中」などの所定の値に設定する。
【0038】
ウェブサーバー管理部37は、ログイン中のユーザーの表示名、現時点での内部デバイス状態を示すデータ、およびユーザー操作状況を示すデータを含むHTMLファイルを生成し、通信処理部32のウェブサーバー機能で送信する。なお、どのユーザーもログインしていない場合は、例えば、ユーザーの表示名は「なし」とされ、ユーザー操作状況を示すデータは「なし」とされる。
【0039】
サービス実行部38は、操作パネル14に対するユーザー操作やネットワーク2を介して端末装置3から供給されるコマンドによるユーザー要求(印刷、コピー、ファクシミリ送信、システム設定変更など)を受け付け、その要求に応じた処理を実行する。印刷、コピー、ファクシミリ送信などのジョブについては、サービス実行部38は、ジョブ制御部34に実行させる。
【0040】
図3は、図1における端末装置3の構成を示すブロック図である。端末装置3は、例えば、オペレーティングシステム、ウェブブラウザーなどをインストールされたネットワーク通信機能を有するパーソナルコンピュータである。
【0041】
端末装置3は、通信装置41と、表示装置42と、入力装置43と、演算処理装置44とを備える。
【0042】
通信装置41は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2を介して他の装置(画像形成装置1など)と所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。通信装置41としては、ネットワークインターフェース、モデムなどが使用される。
【0043】
表示装置42は、端末装置3のユーザー(画像形成装置1のログイン中のユーザーとは異なるユーザー、以下、リモートユーザーという)に対して各種画面を表示する、液晶ディスプレイなどといった装置である。入力装置43は、リモートユーザーによるユーザー操作を検出する、キーボード、マウスなどといった装置である。
【0044】
また、演算処理装置44は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであり、図示せぬ記憶装置、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0045】
端末装置3の起動後に、各種プログラムが演算処理装置44により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置44により、図示せぬオペレーティングシステム、通信処理部61、ウェブブラウザー62などの処理部が実現される。
【0046】
通信処理部61は、通信装置41を制御してデータ通信を実行する処理部である。ウェブブラウザー62は、通信処理部61を使用して、HTTPでウェブサーバーからHTMLファイルを取得し、そのHTMLファイルに基づく画面を表示装置42に表示させる処理部である。特に、ウェブブラウザー62は、画像形成装置1の所定のURLのウェブサーバーから、現時点での画像形成装置1の内部デバイス状態を示すデータ、および現時点での画像形成装置1のユーザー操作状況を示すデータを含むHTMLファイルを受信し、そのHTMLファイルを構文解析して、内部デバイス状態およびユーザー操作状況を含む画面を表示装置42に表示させる表示制御部である。
【0047】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0048】
図4は、図1に示す画像形成システムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【0049】
画像形成装置1において、画像形成装置1を共用する複数のユーザーのうちのユーザーAは、画像形成装置1にログインするためにユーザーIDなどの入力操作を操作パネル14に対して行うと、パネル制御部33が、操作パネル14に対するその操作を検出し、入力されたユーザーIDなど(例えば、ユーザーID、または、ユーザーIDおよびパスワードの対)を認証認可管理部35に供給する。認証認可管理部35は、そのユーザーIDなどでユーザー認証を行い、そのユーザーIDなどを入力したユーザーが正規のユーザーであれば、ログインを許可する(ステップS1)。
【0050】
また、パネル制御部33は、操作パネル14に対するユーザー操作を検出すると、ステータス管理部36に通知する。
【0051】
例えば、ユーザーがログイン操作を行った場合、ステータス管理部36は、ユーザーがログイン操作中であると判定し、次の操作が検出されるまで、操作状況を示すデータを「ログイン操作中」とする。
【0052】
また、ユーザーが操作パネル14にコピー操作画面を表示させる操作を行った場合、ステータス管理部36は、ユーザーがコピー操作中であると判定し、次の操作が検出されるまで、操作状況を示すデータを「コピー操作中」とする。
【0053】
また、ユーザーが操作パネル14に文書ボックス操作画面を表示させる操作を行った場合、ステータス管理部36は、ユーザーが文書ボックス操作中であると判定し、次の操作が検出されるまで、操作状況を示すデータを「文書ボックス操作中」とする。
【0054】
また、ユーザーが操作パネル14にファクシミリ送信操作画面を表示させる操作を行った場合、ステータス管理部36は、ユーザーがファクシミリ送信操作中であると判定し、次の操作が検出されるまで、操作状況を示すデータを「ファクシミリ送信操作中」とする。
【0055】
また、ユーザーが操作パネル14に送信操作画面を表示させる操作を行った場合、ステータス管理部36は、ユーザーが送信操作中であると判定し、次の操作が検出されるまで、操作状況を示すデータを「送信操作中」とする。なお、ここでいう、送信は、TWAIN、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)などで、画像データをネットワーク2上の他の装置へ転送するジョブである。
【0056】
他方、端末装置3において、ユーザーAとは別のユーザーB(つまり、リモートユーザー)は、入力装置43を操作して、パネル操作状況画面の表示要求を入力すると、ウェブブラウザー62は、その操作を検出し(ステップS2)、通信処理部61を使用して、画像形成装置1の所定のURLに対して、HTMLファイルの送信要求であるHTTPコマンドを送信する(ステップS3)。そのHTTPコマンドは、通信装置15によりネットワーク2を介して画像形成装置1へ伝送される。
【0057】
画像形成装置1では、通信処理部32が通信装置を介してそのHTTPコマンドを受信すると、まず、認証認可管理部35が、ログイン中のユーザーの表示名を特定し、ウェブサーバー管理部37へ供給するとともに(ステップS4)、ステータス管理部36が、現時点の内部デバイス状態を示すデータ、および現時点のユーザー操作状況を示すデータをウェブサーバー管理部37に供給する(ステップS5)。
【0058】
ウェブサーバー管理部37は、認証認可管理部35からのユーザー表示名、並びにステータス管理部36からの内部デバイス状態を示すデータおよび現時点のユーザー操作状況を示すデータを含むHTMLデータを生成する(ステップS6)。
【0059】
そして、ウェブサーバー管理部37は、その生成したHTMLデータをHTMLファイルとし、通信処理部32のウェブサーバーで、上述のHTTPコマンドの応答として、端末装置3へ送信する(ステップS7)。
【0060】
端末装置3では、ウェブブラウザー62が、通信装置41および通信処理部61を介して、そのHTMLファイルを受信すると、そのHTMLファイルに基づく画面を表示装置42に表示させる(ステップS8)。その画面には、パネル操作状況画面が含まれている。
【0061】
図5は、図1に示す端末装置3において表示されるパネル操作状況画面を含む画面の一例を示す図である。図5に示す画面には、内部デバイス状態画面101と、パネル操作状況画面102とが含まれている。内部デバイス状態画面101には、画像形成装置1の各内部デバイスの状態が表示されており、パネル操作状況画面102には、画像形成装置1にログイン中のユーザーの表示名、およびそのユーザーの状態(何をしているか)が表示されている。パネル操作状況画面102により、内部デバイス状態画面101のみではわからないユーザー操作状況を、リモートユーザーが知ることができる。
【0062】
以上のように、上記実施の形態によれば、画像形成装置1では、認証認可管理部35が、ユーザーによる操作パネル14に対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可し、ステータス管理部36が、ログイン中のユーザーの操作状況を監視し、通信処理部32が、ステータス管理部36により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを端末装置3へ送信する。一方、端末装置3では、通信処理部61は、操作状況データの要求を画像形成装置1へ送信し、画像形成装置1から送信されてくる操作状況データを受信し、ウェブブラウザー62は、その操作状況データに基づいて、画像形成装置1にログインしているユーザーの操作状況を表示装置42に表示させる。
【0063】
これにより、画像形成装置1の操作パネル14を使用しているユーザーの状態を遠隔の端末装置3で知ることができる。また、リモートユーザーは、画像形成装置1を使用するために画像形成装置1の設置場所へ行く前に、画像形成装置1が他のユーザーにより使用されているか否かを遠隔で知ることができる。
【0064】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0065】
例えば、上記実施の形態において、認証認可管理部35が、ユーザーの認証を行わずにユーザーのログインを許可する場合には、通信処理部32は、ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む操作状況データを端末装置3へ送信する。つまり、この場合には、ログイン中のユーザーが不明であるため、ログイン中のユーザーの表示名を送信しないか、「不明ユーザー」、空白などの所定の値を表示名に設定する。また、認証認可管理部35は、ログイン時のユーザー認証のオン/オフの設定情報を参照して、ユーザー認証をログイン時に行うか否かを決定するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態において、ユーザーIDではなく、ユーザーが部門コードで画像形成装置1にログインした場合、認証認可管理部35は、その部門コードに関連付けられている部門名を特定し、ユーザーの表示名とする。
【0067】
また、上記実施の形態において、撮像素子を画像形成装置1に設け、ログインに成功したユーザーを撮影し、そのユーザーの画像データファイルを生成し、その画像データファイルをパネル操作状況画面102に埋め込むHTML要素を上述のHTMLファイルに記述して、そのHTMLファイルとともにその画像データファイルを端末装置3へ送信するようにしてもよい。このようにすることにより、パネル操作状況画面102において、その画像データファイルに基づいてユーザーの画像が表示される。
【0068】
また、上記実施の形態においては、ログイン、コピー、文書ボックス、ファクシミリ送信、および送信の操作画面が操作パネル14にあるが、それに加えて、プログラム、ステータス、アプリケーション、ユニバーサルモードでのコピー、ユニバーサルモードでの送信などの操作画面が存在してもよい。その場合、それらの画面が選択されると、それらについての操作状況を示すデータが生成され端末装置3へ送信され、端末装置3においてその操作状況が表示される。ここでいう、プログラムとは、コピーなどの作業をプログラムキーへ登録し、そのプログラムキーを操作することで、簡単な操作でその作業を実行させる機能であり、プログラムの登録および呼び出しの操作画面がユーザーにより選択されると、その操作画面において、プログラムキーのリストが表示され、プログラムキーへの登録、プログラムキーによる作業の実行などが可能になる。また、ユニバーサルモードとは、弱視者用のモードであって、文字が大きく表示されたりするモードである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、例えば、複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 ネットワーク
3 端末装置
14 操作パネル(ユーザーインターフェースの一例)
35 認証認可管理部(ログイン処理部の一例)
36 ステータス管理部
32 通信処理部(第1通信処理部の一例)
61 通信処理部(第2通信処理部の一例)
62 ウェブブラウザー(表示制御部の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像形成装置と、
前記ネットワークに接続された端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、
ユーザーインターフェースと、
ユーザーによる前記ユーザーインターフェースに対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可するログイン処理部と、
ログイン中のユーザーの操作状況を監視するステータス管理部と、
前記ステータス管理部により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを前記端末装置へ送信する第1通信処理部とを有し、
前記端末装置は、
前記操作状況データの要求を前記画像形成装置へ送信し、前記画像形成装置から送信されてくる前記操作状況データを受信する第2通信処理部と、
前記操作状況データに基づいて、前記画像形成装置にログインしているユーザーの操作状況を表示装置に表示する表示制御部とを有すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
ネットワークに接続された通信装置と、
ユーザーインターフェースと、
ユーザーによる前記ユーザーインターフェースに対する操作に基づいて、ユーザーのログインを許可するログイン処理部と、
ログイン中のユーザーの操作状況を監視するステータス管理部と、
前記通信装置を使用して、端末装置からの要求に応じて、前記ステータス管理部により得られるユーザーの操作状況を示す操作状況データを前記端末装置へ送信する通信処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記操作状況データは、前記ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、前記ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含むことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ログイン処理部は、前記ユーザーのログイン時に前記ユーザーの認証を行い、前記端末装置からの前記要求があると、前記ユーザーのIDから前記ユーザーの表示名を特定し、
前記通信処理部は、前記ログイン中のユーザーの表示名と、前記ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、前記ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む操作状況データを前記端末装置へ送信すること、
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ログイン処理部は、前記ユーザーの認証を行わずに前記ユーザーのログインを許可し、
前記通信処理部は、前記ログイン中のユーザーがジョブを実行させているか否かの情報と、前記ログイン中のユーザーが実行させているジョブの種別とを含む操作状況データを前記端末装置へ送信すること、
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通信処理部は、ウェブサーバー機能を有し、前記操作状況データを含むHTMLファイルを前記端末装置のウェブブラウザーへ送信することを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−66520(P2012−66520A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214156(P2010−214156)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】