説明

画像形成システムの接続認識方法、画像形成システム及び周辺機

【課題】周辺機自身が自分が何番目に接続されているかを認識できるようにするとともに、最終的には、画像形成装置本体がシステム構成を認識することができるようにする。
【解決手段】周辺機器内A,B,Cにそれぞれ複写機本体CRから給電される抵抗回路と、この抵抗回路の所定位置の電圧を検出するA/Dコンバータ9,10,11と、A/Dコンバータ9,10,11によって検知された電圧に基づいて自機の複写機本体CRからの接続位置を認識するCPU6,7,8とを備え、前記抵抗回路が直列に接続された2個の抵抗器R2,R3、R4,R5、R6,R7と、上流及び下流の装置へそれぞれ接続するための接続部C4,C5,C6とを備え、前記2個の抵抗器の一方の一端が接地され、前記2個の抵抗器の接続個所C1,C2,C3が上流への接続部であり、前記2個の抵抗器の前記接続個所とは逆の端部が下流への接続部とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成装置に複数の周辺機がシリアルに接続されて構成される画像形成システムの接続認識方法、この接続認識方法を使用した画像形成システム及びこのシステムで使用される周辺機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のシステムの拡大に伴い、多くの機能(ステープル、中綴じステープル、大量スタッカ、テープバインダ、紙折り、その他)を有する後処理周辺機を複数接続するシステムが必要とされている。従来は、システム構成を固定とし、周辺機の接続構成が決められており、その順番や、可能な処理等が決められていた。周辺機の接続順番は、本体制御部では、決められた順番での構成のみ対応可能で、間に、他の周辺機を接続した場合等の認識が不可能であった。これに対応するため、従来は、システム設置時に、サービス従事者等により各周辺機のカバーを外し、ディップスイッチ等の設定を行うことにより認識していたが、作業時間がかかることや、作業ミスの発生、及び、途中でシステム構成を変更する際の手間等が問題となっていた。
【0003】
一方、デジタル複合機を核とした複写システムは構成が複雑となり、異なる機能を有する複数の周辺機や、同一の機能を持つ周辺機などを連結して、複写作業やプリント作業が可能なシステムが出てきている。システムの構成としては、あるときは、最上流に接続されていた周辺機が、他のシステム構成では異なる位置(2番目以降)に接続される場合がある。各周辺機はCPUを内蔵し用紙の搬送制御や各周辺機の機能の制御を行うが、自分の接続されている順番(位置)により、制御が異なる場合もあるので、当該周辺機自身の接続位置を自身で認識することが必要となる。
【0004】
そこで、このようにディップスイッチなどを使用することなく周辺機の接続位置を認識する技術として、例えばコンピュータを核とした特許文献1に記載された発明が知られている。この発明は、多数の周辺装置が接続可能であり、容易に周辺装置を増設することが可能な電子装置間の情報伝達方法を提供することを目的とし、コンピュータに被制御機器が多段接続されている場合に、被制御機器の上流からはアドレス情報伝達信号と命令とからなる制御情報が送出され、下流からはアドレス情報伝達信号と装置情報とからなる機器情報が送出される。上流から制御情報が送出される場合、被制御機器は制御情報中のアドレス情報伝達信号の値と予め設定されている基準値とを比較し、異なる場合はアドレス情報伝達信号の値をデクリメントして下流に送出し、一致する場合は制御情報を受信する。また下流から機器情報が送出される場合、被制御機器は機器情報中のアドレス情報伝達信号をインクリメントして上流へ送出するようにしたものである。
【0005】
また、特許文献2記載の発明も知られている。この発明は、プラグ・アンド・プレイ型のプリンタを複数接続している場合に、所望のプリンタを特定して制御することを目的として、プラグ・アンド・プレイにより複数のプリンタが接続されていることが制御装置により認識されると、その認識の順に識別子を付与し、また、複数のプリンタには固有のプリンタIDがユーザによって付与され、識別子とプリンタIDとの対応関係を示すテーブルが生成され、ユーザによって制御したいプリンタのプリンタIDが入力されると、対応テーブルから識別子を見つけ、見つけられた識別子によって特定されるプリンタにユーザからの制御コマンドが送信され、これによりユーザが所望のプリンタを特定して制御できるというものである。
【0006】
その他、特許文献3,4,5には複写機と周辺機とからなるシステムが開示されている。
【特許文献1】特開平09−128326号公報
【特許文献2】特開2002−063127号公報
【特許文献3】特開2002−311659号公報
【特許文献4】特開2004−135323号公報
【特許文献5】特開2004−187156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように特許文献1記載の発明では、上流から下流へはアドレス情報伝達信号と命令とからなる制御情報が送出され、下流から上流へはアドレス情報伝達信号と装置情報とからなる機器情報が送出され、被制御機器はアドレス情報伝達信号に基づいて自身に対する制御情報か否かを判断し、自身のものでなければアドレス情報伝達制御信号の値をデクリメントあるいはインクリメントして下流あるいは上流に伝達し、自身の制御情報のみ受信するようになっており、アドレスの値を媒介としてを特定して単に自身のものを取得するために処理するもので、自身の位置を認識して自身の制御を変更するようには構成されていない。
【0008】
また、特許文献2記載の発明は、プラグ・アンド・プレイの場合に所望のプリンタを特定して制御するためのもので、プリンタを周辺機に置き換えたとしてもプリンタが自身の接続された位置に応じて制御を変更するように機能するわけではない。さらに、特許文献3ないし5に記載された発明においても、周辺機と画像形成装置との関係については記載されているが、周辺機が自身の接続位置を認識して制御を変更することについては特に触れられていない。
【0009】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、その目的は、周辺機自身が自分が何番目に接続されているかを認識できるようにするとともに、最終的には、画像形成装置本体がシステム構成を認識することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、第1の手段は、画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルインターフェースで順に接続された画像形成システムの接続認識方法であって、上流の装置は下流の装置に対して接続認識用の数値データ送信し、下流の装置は受信した前記数値データに対して所定の処理を施してさらに下流の装置に送信するという工程を最終段の装置まで順次繰り返すことを特徴とする。
【0011】
第2の手段は、第1の手段において、前記下流の装置は、送信されてきた接続認識用の数値データを記憶することを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記接続認識用の数値データが所定のビット数の最上位の数値から開始され、所定の処理が数値データのデクリメントであることを特徴とする。
【0013】
第4の手段は、第1又は第2の手段において、前記接続認識用の数値データが所定のビット数の最下位の数値から開始され、所定の処理が数値データのインクリメントであることを特徴とする。
【0014】
第5の手段は、第1ないし第4のいずれかの手段において、前記接続認識用のデータに自機のIDを加えて送信することを特徴とする。
【0015】
第6の手段は、画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルインターフェースで順に接続された画像形成システムであって、前記画像形成装置は画像形成装置の下流直後の周辺機器に対して接続認識用の数値データを送信し、前記数値データを受け取った前記周辺機器は前記数値データを記憶するとともに、当該数値データに対して処理の処理を施してさらに下流の周辺機器に送信し、前記さらに下流の周辺機器以降の各周辺機器についても最終段の周辺機器に至るまで同様の処理を実行することを特徴とする。
【0016】
第7の手段は、第6の手段において、最後段の周辺機器から上流の周辺機器に対して前記数値データを送信し、受信した周辺機器はさらに上流の周辺機器に対して前記数値データを記憶するとともに、当該数値データに対して所定の処理を施してさらに上流の周辺機器に送信し、前記画像形成装置に至るまで各周辺機器で同様の処理を実行することを特徴とする。
【0017】
第8の手段は、第6又は第7の手段において、前記所定の処理が数値データのインクリメント又はデクリメントであることを特徴とする。
【0018】
第9の手段は、第6ないし第8のいずれかの手段において、前記接続認識用の数値データに自機のIDを加えて送信することを特徴とする。
【0019】
第10の手段は、画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルインターフェースで順に接続された画像形成システムに使用される周辺機器であって、上流の装置から接続認識用の数値データを受信し、記憶する手段と、前記受信した数値データに対して処理の処理を施して下流の装置に送信する手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】
第11の手段は、第10の手段において、下流の装置から接続認識用の数値データを受信し、記憶する手段と、前記受信した数値データに対して処理の処理を施して上流の装置に送信する手段とを備えていることを特徴とする。
第12の手段は、画像形成装置に1以上の周辺機器が順に接続された画像形成システムであって、前記周辺機器内にそれぞれ前記画像形成装置から給電される抵抗回路と、この抵抗回路の所定位置の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段によって検知された電圧に基づいて自機の前記画像形成装置からの接続位置を認識する手段とを備えていることを特徴とする。
【0021】
第13の手段は、前記抵抗回路が、直列に接続された2個の抵抗器と、上流及び下流の装置へそれぞれ接続するための接続部とを備え、前記2個の抵抗器の一方の一端が接地され、前記2個の抵抗器の接続個所が上流への接続部であり、前記2個の抵抗器の前記接続個所とは逆の端部が下流への接続部であることを特徴とする。
【0022】
第14の手段は、第12又は第13の手段において、前記電圧検出手段が、前記2個の抵抗器の接続個所の電圧をデジタルデータに変換するA/D変換器と、前記A/D変換器の出力が入力され、検出された電圧値から自機の接続位置を認識するCPUとからなることを特徴とする。
【0023】
第15の手段は、第12ないし第14のいずれかの手段において、前記画像形成装置は、抵抗器を介して下流の周辺機に電源を供給することを特徴とする。
【0024】
第16の手段は、画像形成装置に1以上の周辺機器が順に接続された画像形成システムに使用される周辺機器であって、前記画像形成装置から給電される抵抗回路と、この抵抗回路の所定位置の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段によって検知された電圧に基づいて自機の前記画像形成装置からの接続位置を認識する手段とを備えていることを特徴とする。
【0025】
第17の手段は、第16の手段において、前記抵抗回路が、直列に接続された2個の抵抗器と、上流及び下流の装置へそれぞれ接続するための接続部とを備え、前記2個の抵抗器の一方の一端が接地され、前記2個の抵抗器の接続個所が上流への接続部であり、前記2個の抵抗器の前記接続個所とは逆の端部が下流への接続部であることを特徴とする。
【0026】
第18の手段は、第16又は第17の手段において、前記電圧検出手段が、前記2個の抵抗器の接続個所の電圧をデジタルデータに変換するA/D変換器と、前記A/D変換器の出力が入力され、検出された電圧値から自機の接続位置を認識するCPUとからなることを特徴とする。
【0027】
なお、後述の実施形態において、画像形成装置は複写機本体CRに、周辺機器は符号A,B,Cに、記憶する手段及び送信する手段はCPU6,7に、電圧検知手段はA/Dコンバータ9,10,11に、認識する手段はCPU6,7,8に、抵抗器はR1〜R7に、接続個所は接続部C1,C2,C3にそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、接続認識用の数値データあるいは検知された電圧値に基づいて周辺機自身が自分が何番目に接続されているかを認識できるとともに、最終的には、画像形成装置本体がシステム構成を認識することが可能となるる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成を示す図で、画像形成装置としての複写機本体に複数の周辺機が接続されたシステムである。すなわち、複写機本体CRの直後に、第1の周辺機Aが、その後段に第2の周辺機Bが、さらに後段に第3の周辺機Cが接続されている。本実施形態における接続構成は、
複写機本体CR→第1の周辺機A→第2の周辺機B→第3の周辺機C
の順番でシリアルに機器の情報やコマンドがやり取りされる。システム設置時には、各周辺機A,B,Cの順番はある程度、自由が利くものとする。
【0031】
図2は第1及び第2の周辺機A,Bの通信関係の構成を示すブロック図である。なお、第2及び第3の周辺機B,Cの関係も同様の構成と同様の関係になっている。各周辺機A,Bには、CPU6が内蔵されており、周辺機の動作制御、シリアルインターフェース(UART)のやり取り等の制御を行うプログラムが内蔵されている。第1の周辺機Aでは、上流からの信号はRXD1によりCPU6に入力される。上流への信号送信はTXD1によりなされる。下流への信号送信はTXD2により、下流からの信号はRXD2によりCPU6に入力される。下流に周辺機が接続されているかの接続検知は、機械をドッキングすると、符号5で示すショートコネクタが接続され、CPU6の入力ポートにはLOWレベルの信号が入力される。もし、下流の周辺機が未接続の場合は、ショートコネクタ4がオープン状態のため、CPU6の入力ポートにはAigAレベルの信号が入力されることとなり、この信号レベルを検知することにより下流に周辺機が接続されているか否かの検知が可能となる。
【0032】
図3は具体的な連結認識時の信号の送受の一例を示す説明図である。ここでは、複写機本体CRと第1ないし第3の周辺機A,B,Cとの間の例である。
システムの電源がONされたのちに、複写機本体CRは、直後の周辺機、この場合は周辺機Aに連結認識用の信号を送信する。連結認識用の信号は、仮に連結認識用のヘッダをAとした場合、ヘッダAに続けて数値データ“0”を付けたものであり、複写機本体CRはヘッダAに数値データ“0”付けて送信する。第1の周辺機Aは、数値データ“0”を受けたので、自分が最上流に接続されていることを認識することができる。次に、第1の周辺機Aは、下流に周辺機が接続されているのを検知しているので、下流にヘッダAに続けて数値データをインクリメントして“1”を付けて送信する。第2の周辺機Bは、下流にヘッダAに続けて数値データをインクリメントして“2”を付けて送信する。
【0033】
第3の周辺機Cは、下流に周辺機が未接続のため、ヘッダAに自分の数値データ“2”及び、第3の周辺機Cを示す機種固有のID“周辺機C”を付けて、第2の周辺機Bへ送信する。第2周辺機Bでは、連結認識用コマンドの返信が下流から帰ってきたので、自分の後に何台、どの機種が接続されているかを認識することができる。第2の周辺機Bは、第3の周辺機Cからの信号に続けて自分の数値データ“1”及び、第2の周辺機Bを示す機種固有のID“周辺機B”を付けて、第1の周辺機Aへ送信する。第1の周辺機Aも同様に、本信号を受信したら下流からの信号に加えて、自分の数値データ“0”及び、第1の周辺機Aを示す機種固有のID“周辺機A”を付けて、複写機本体CRへ送信する。これにより、複写機本体CRは、周辺機が何台、どの順番で連結されているかを認識することが可能となり、使用可能なモード等の設定を行うことができる。
【0034】
図4は他の連結認識時の信号の送受の例を示す説明図である。この例は数値データをデクリメントして下流へ渡す例である。最初の値を予め決めておき、前述の図2と同様の方法で認識することが可能となる。
【0035】
すなわち、システムの電源がONされたのちに、複写機本体CRは、直後の周辺機、この場合は周辺機Aに連結認識用の信号を送信する。連結認識用の信号は、仮に連結認識用のヘッダをAとした場合、ヘッダAに続けて数値データ“255”を付けたものであり、複写機本体CRはヘッダAに数値データ“255”付けて送信する。第1の周辺機Aは、数値データ“255”を受けたので、自分が最上流に接続されていることを認識することができる。次に、第1の周辺機Aは、下流に周辺機が接続されているのを検知しているので、下流にヘッダAに続けて数値データをデクリメントして“254”を付けて送信する。第2の周辺機Bは、さらに下流にヘッダAに続けて数値データをデクリメントして“253”を付けて送信する。
【0036】
第3の周辺機Cは、下流に周辺機が未接続のため、ヘッダAに自分の数値データ“253”及び、第3の周辺機Cを示す機種固有のID“周辺機C”を付けて第2の周辺機Bへ送信する。第2周辺機Bでは、連結認識用コマンドの返信が下流から帰ってきたので、自分の後に何台、どの機種が接続されているかを認識することができる。第2の周辺機Bは、第3の周辺機Cからの信号に続けて自分の数値データ“254”及び、第2の周辺機Bを示す機種固有のID“周辺機B”を付けて、第1の周辺機Aへ送信する。第1の周辺機Aも同様に、本信号を受信したら下流からの信号に加えて、自分の数値データ“255”及び、第1の周辺機Aを示す機種固有のID“周辺機A”を付けて、複写機本体CRへ送信する。これにより、複写機本体CRは、周辺機が何台、どの順番で連結されているかを認識することが可能となり、使用可能なモード等の設定を行うことができる。
【0037】
なお、前記“0”あるいは“255”は8ビットで処理するようにしたからであり、前記数値はシステムに応じて管理しやすい数値を適宜選択すれば良いので、本発明において付加する数値が前記数値に限定されるものではない。
【0038】
以上のように本実施形態によれば、
(1)順次上流から送られてくる数値データの値により、最初の値を決めておけば、自分が何番目に接続されているか周辺機側で認識することができる。
(2)最下流から順次送られてくる数値データと機種固有のIDにより、各周辺機が自分の下流にどの周辺機がどの順番で接続されているかを認識することが可能となり、最終的に複写機本体がシステム全体の構成を認識することができる。
(3)自分が何番目に接続されているか周辺機側で認識することができ、また、各周辺機が自分の下流にどの周辺機がどの順番で接続されているかを認識することができ、さらに、複写機本体がシステム全体の構成を認識することができるので、複写機本体は、周辺機の順番を変更しても、また、新たな周辺機を追加しても、そのたびに面倒なシステム設定を行うことなくシステム構成認識が可能となる。
という効果を奏することができる。
【0039】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態がデジタルデータを使用して連結データを検出するものであるのに対し、本実施形態はアナログデータを使用して連結データを検出する例である。ここでいうアナログデータの使用とは検出データに関するものであり、信号処理自体はデジタル処理により実行される。
【0040】
システム全体の構成は第1の実施形態において、図1を参照して説明した通り、複写機本体CRに第1ないし第3の周辺機A,B,Cがシリアルに接続されたものである。図5は図1のシステム構成の本実施形態における接続状態を示すブロック図である。なお、各周辺機A,B,Cは、同じ機能を持つ周辺機でも、他の機能を持つ異なる周辺機でも良い。
【0041】
図5において、各周辺機A,B,Cは、それぞれCPU6,7,8を内蔵し、用紙の搬送制御や、他の周辺機や複写機とのインターフェースとしてUARTによるシリアル通信が可能となっている。各周辺機A,B,Cでは、抵抗R2,R3、R4,R5、R6,R7が2個それぞれ直列に接続され、一端がGNDへ接続され、2個の抵抗の接続部C1,C2,C3が上流側の周辺機や複写機本体CRに接続され、あるいは接続可能となっている。また、前記接続部C1,C2,C3をA/Dコンバータ9,10,11にそれぞれ接続し、A/Dコンバータ9,10,11の出力がCPU6,7,8に入力され、CPU6,7,8で電圧計測が行われる。2個の抵抗の他の一端C4,C5,C6は、下流の周辺機へ接続可能となっている。最も上流の複写機本体CRでは抵抗R1が電源Vに接続され、他端が第1の周辺機Aへ接続される構成となっている。
【0042】
以下に、具体的に、周辺機が一台接続された場合、2台接続された場合、3台接続された場合について説明する。
【0043】
図6は第1の周辺機Aのみが複写機本体CRへ接続された場合のシステム構成を示す図である。A/Dコンバータ9への接続回路は、図7に示すものとなる。この場合、A/Dコンバータ9へは
Va=1/2×V
の電圧が入力される。
【0044】
図8は第1及び第2の周辺機A,Bが複写機本体CRへ接続された場合のシステム構成を示す図である。A/Dコンバータ9,10への接続回路は、図9に示すものとなる。この場合、A/Dコンバータ9へは
Va=2/5×V
の電圧が入力され、A/Dコンバータ10へは
Vb=1/5×V
の電圧が入力される。
【0045】
図10は第1ないし第3の周辺機A、B、Cの3台が複写機本体CRへ接続された場合のシステム構成を示す図である。A/Dコンバータ9,10,11への接続回路は、図11に示すものとなる。この場合、A/Dコンバータ9へは
Va=5/13×V
の電圧が入力され、A/Dコンバータ10へは
Vb=2/13×V
の電圧が入力され、A/Dコンバータ11へは
Vc=12/13×V
の電圧が入力される。
【0046】
図12は周辺機と検知電圧との関係を示す図である。すなわち、周辺機を1台から3台まで接続した場合の各A/Dコンバータ9,10,11への入力電圧は図12のようになり、電圧の低い方から見ていくと、
3台接続時の3台目(1/13×V)

3台接続時の2台目(2/13×V)

2台接続時の2台目(1/5×V)

3台接続時の1台目(5/13×V)

2台接続時の1台目(2/5×V)

1台接続時(1/2×V)
の順になり、各々、認識可能である。
【0047】
このように抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6の組み合わせにより前記接続点C1,C2,C3の電圧値をCPU9,10,11が計測し、電圧値を判定することにより、自機が、何台接続時の何台目かを自動認識することが可能となる。これにより各周辺機A,B,Cはシステムの接続位置に見合った制御を行うことができる。
【0048】
なお、図6、図8及び図10において(a)は図1に対応した図、(b)はそれぞれの(a)に対して図2に対応した図である。
【0049】
以上のように本実施形態によれば、
(1)接続台数及び順番によりA/Dコンバータへ接続される電圧値が各々異なるので、A/Dコンバータの出力に基づいて自機位置を認識することができる。
(2)また、各周辺機内部の2個の抵抗器の接続個所の電圧をA/Dコンバータを介してCPUで計測して、その結果により、周辺機が何台接続され、自機が何台目に接続されているかの判断が可能なので、周辺機ので接続個所に見合った制御を自動的に選択することができる。
という効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【図2】第1及び第2の周辺機の通信関係の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における具体的な連結認識時の信号の送受の一例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態における他の具体的な連結認識時の信号の送受の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【図6】第1の周辺機のみが複写機本体へ接続された場合のシステム構成を示す図である。
【図7】図6におけるA/Dコンバータへの接続回路を示す図である。
【図8】第1及び第2の周辺機が複写機本体へ接続された場合のシステム構成を示す図である。
【図9】図8におけるA/Dコンバータへの接続回路を示す図である。
【図10】第1ないし第3の周辺機の3台が複写機本体へ接続された場合のシステム構成を示す図である。
【図11】図10におけるA/Dコンバータへの接続回路を示す図である。
【図12】周辺機と検知電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
4 ショートコネクタ
5,6,7,8 CPU
9,10,11 A/Dコンバータ
A,B,C 周辺機
CR 複写機本体
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルで順に接続された画像形成システムの接続認識方法であって、
上流の装置は下流の装置に対して接続認識用の数値データ送信し、下流の装置は受信した前記数値データに対して所定の処理を施してさらに下流の装置に送信するという工程を最終段の装置まで順次繰り返すことを特徴とする画像形成システムの接続認識方法。
【請求項2】
前記下流の装置は、送信されてきた接続認識用の数値データを記憶することを特徴とする請求項1記載の画像形成システムの接続認識方法。
【請求項3】
前記接続認識用の数値データが所定のビット数の最上位の数値から開始され、所定の処理が数値データのデクリメントであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成システムの接続認識方法。
【請求項4】
前記接続認識用の数値データが所定のビット数の最下位の数値から開始され、所定の処理が数値データのインクリメントであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成システムの接続認識方法。
【請求項5】
前記接続認識用のデータに自機のIDを加えて送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成システムの接続認識方法。
【請求項6】
画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルで順に接続された画像形成システムであって、
前記画像形成装置は画像形成装置の下流直後の周辺機器に対して接続認識用の数値データを送信し、
前記数値データを受け取った前記周辺機器は前記数値データを記憶するとともに、当該数値データに対して処理の処理を施してさらに下流の周辺機器に送信し、
前記さらに下流の周辺機器以降の各周辺機器についても最終段の周辺機器に至るまで同様の処理を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
最後段の周辺機器から上流の周辺機器に対して前記数値データを送信し、受信した周辺機器はさらに上流の周辺機器に対して前記数値データを記憶するとともに、当該数値データに対して所定の処理を施してさらに上流の周辺機器に送信し、前記画像形成装置に至るまで各周辺機器で同様の処理を実行することを特徴とする請求項6記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記所定の処理が数値データのインクリメント又はデクリメントであることを特徴とする請求項6又は7記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記接続認識用の数値データに自機のIDを加えて送信することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
画像形成装置に複数の周辺機器がシリアルで順に接続された画像形成システムに使用される周辺機器であって、
上流の装置から接続認識用の数値データを受信し、記憶する手段と、
前記受信した数値データに対して処理の処理を施して下流の装置に送信する手段と、
を備えていることを特徴とする周辺機器。
【請求項11】
下流の装置から接続認識用の数値データを受信し、記憶する手段と、
前記受信した数値データに対して処理の処理を施して上流の装置に送信する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項10記載の周辺機器。
【請求項12】
画像形成装置に1以上の周辺機器が順に接続された画像形成システムであって、
前記周辺機器内にそれぞれ前記画像形成装置から給電される抵抗回路と、この抵抗回路の所定位置の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段によって検知された電圧に基づいて自機の前記画像形成装置からの接続位置を認識する手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
前記抵抗回路が、直列に接続された2個の抵抗器と、上流及び下流の装置へそれぞれ接続するための接続部とを備え、
前記2個の抵抗器の一方の一端が接地され、前記2個の抵抗器の接続個所が上流への接続部であり、前記2個の抵抗器の前記接続個所とは逆の端部が下流への接続部であることを特徴とする請求項12記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記電圧検出手段が、前記2個の抵抗器の接続個所の電圧をデジタルデータに変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器の出力が入力され、検出された電圧値から自機の接続位置を認識するCPUとからなることを特徴とする請求項12又は13記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記画像形成装置は、抵抗器を介して下流の周辺機に電源を供給することを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項16】
画像形成装置に1以上の周辺機器が順に接続された画像形成システムに使用される周辺機器であって、
前記画像形成装置から給電される抵抗回路と、
この抵抗回路の所定位置の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段によって検知された電圧に基づいて自機の前記画像形成装置からの接続位置を認識する手段と、
を備えていることを特徴とする周辺機器。
【請求項17】
前記抵抗回路が、直列に接続された2個の抵抗器と、上流及び下流の装置へそれぞれ接続するための接続部とを備え、
前記2個の抵抗器の一方の一端が接地され、前記2個の抵抗器の接続個所が上流への接続部であり、前記2個の抵抗器の前記接続個所とは逆の端部が下流への接続部であることを特徴とする請求項16記載の周辺機器。
【請求項18】
前記電圧検出手段が、前記2個の抵抗器の接続個所の電圧をデジタルデータに変換するA/D変換器と、
前記A/D変換器の出力が入力され、検出された電圧値から自機の接続位置を認識するCPUとからなることを特徴とする請求項16又は17記載の周辺機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−74300(P2007−74300A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258433(P2005−258433)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】