説明

画像形成システム

【課題】印刷情報設定時のユーザインターフェイスを向上させる。
【解決手段】画像入力装置と画像出力装置とが通信する画像形成システムにおいて、前記画像入力装置は、前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求手段と、前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信手段と、前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信するための送信手段とを備え、前記画像出力装置は、前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して前記画像入力装置に送信する送信手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに代表される画像入力装置とインクジェットプリンタに代表される画像出力装置とからなる画像形成システムに関し、印刷情報設定時の操作性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の画像入力装置とインクジェットプリンタ等の画像出力装置とを組み合せ、画像入力装置で撮影された画像を画像出力装置で直接印字できる画像形成システムが提供されている。このような画像形成システムにおいては、画像入力装置と画像出力装置とが直接接続され、印字時に印刷情報を画像出力装置と交信することによって、画像入力装置で撮影された画像を画像出力装置で直接印字することができる。
【0003】
図1は、画像入力装置と画像出力装置とからなる典型的な画像形成システムの概要を示す模式図である。画像入力装置101は画像出力装置102と相互に情報を交信する接続ケーブル103を介して接続される。画像入力装置101は画像出力装置102と接続されている状態においては、画像入力装置101本体内あるいは後述するICカード内に記憶された画像を画像出力装置102に出力することが可能になる。
【0004】
図2は画像入力装置101の概略構成を示すブロック図を示し、電源投入後、ユーザにより撮影モードにスイッチが切り替えられると、撮像部201と画像処理部202を含むカメラモジュールを初期化すると共に撮影動作可能な状態にし、撮影時に被写体を確認するための電子ビューファインダである表示部209の動作が開始される。
【0005】
上記表示部209に被写体が表示されるまでの流れを説明する。
【0006】
撮像部201から取り込んだ被写体の光情報を、全画素読み出し方式のCCDによって電気信号に変換する。変換されたアナログ信号はノイズ除去処理、およびゲイン処理を経て、デジタル信号へA/D変換された後、画像処理部202へ送信される。画像処理部202ではオートホワイトバランス,AE,ストロボ撮影時の補正などの処理あるいはY・Cb・Cr信号フォーマットへの変換処理を行う。Y・Cb・Cr信号変換された信号はCPU203により表示用の処理速度を上げるために表示解像度を変更し、表示画像データを格納するためにRAM206に書き込まれ、DMA転送によって定常的に表示部209に出力される。なお、ROM205はCPU203の制御プログラムを格納するリード・オンリー・メモリであり、電源210から出力された電源電圧は各構成要素に適切な電圧に調整されて供給される。
【0007】
表示部209は不図示の表示駆動回路を制御し、所望の画像をLCD表示装置に表示させるLCD制御回路、LCD制御回路で制御されるVRAM、LCD表示装置を駆動する表示駆動回路、電子ビューファインダとなるLCD表示装置を備える。さらに、シャッタレリーズ信号を発生するシャッタスイッチ(SW)208、単3電池やNi-Cd電池等の電源を使用する電源210、外部装置と通信するためのインターフェイス(I/F)207を有している。
【0008】
画像を撮影する場合は、ユーザが撮影モードで画像をモニタし任意の時点でシャッタスイッチ(SW)208を押す。CPU203はこのデータをJPEG規格に準拠した画像圧縮処理を行った後、任意の番号や日付データ等の数値データをファイル名として付加し、機器の任意のフォルダに書き込む。ここで撮影した画像を再生表示する場合は、JPEG規格に準拠したVGA画像分の圧縮データを元データ(Y・Cb・Cr信号)へ変換する処理を実行し、その解凍された元データを表示部209に表示する。
【0009】
図3は一般的な画像出力装置102のブロック図を示し、接続相手から印刷の割り込みを受け付け、印刷用の画像データを受信する印刷コントローラ301と、印刷コントローラ301から供給されるデータに従って画像を印刷する印刷エンジン302とで構成される。
【0010】
印刷コントローラ301にはインターフェイス回路314と、印刷シーケンス用のプログラムを実行するCPU304と、SDRAM310などで構成される画像データ格納用のメモリと、CPU304とSDRAM310のコントロールやバスの管理を行う制御部303とを有する。制御部303は、CPU304の制御シーケンスプログラムの実行に応答して所定の画像処理を行い、印刷用の画像データに対応する印刷駆動信号を印刷エンジン302に供給する。
【0011】
制御部303はバスを介してフラッシュROM311やROM312やEEPROM318及びインターフェイス回路314に接続される。ROM312はプログラムメモリ等で構成され、起動時にロードするためのプログラムが格納される。さらに、圧縮/解凍回路308と色変換やハーフトーン処理などを行う画像処理回路307を有する。SRAM306は色変換やハーフトーン処理時に必要なテーブルデータ等が格納されている。上記プログラムメモリには画像データを適宜処理するためのプログラムや、インターフェイス回路314が受け付けた割り込み命令に対する処理を行うインターフェイス制御プログラムや印刷エンジン302を制御する印刷エンジン制御プログラム等も格納する。また、CPU304とSDRAM310をコントロールするそれぞれのコントローラ305,309を有している。EEPROM318には、例えば、インク消費量のカウント数や、各用紙の印刷枚数、シリアル番号等の情報が格納されている。他にもオプション用の増設メモリに接続されるBuf313を有している。また、画像入力装置101からの直接印刷を行う場合、画像入力装置101に対して画像出力装置102で対応可能な印刷機能情報を送信するための印刷機能情報テーブル317を有している。
【0012】
インターフェイス回路314は、例えばASICにより構成され、シリアル、IEEE1284等の各種ポート315を備えている。また、バスを介してUSBポート316等により対象機器に接続される。
【0013】
ここで、画像入力装置101と画像出力装置102を直接接続して印刷を行うまでの一般的な処理を説明する。
【0014】
図4に印刷までの一般的な処理フローを示す。
【0015】
まず、画像入力装置101と画像出力装置102を、接続コード103を介して接続する(S401)。この接続処理では、接続相手のIDやメーカー名、直接接続による印刷機能を有しているか等をチェックし(S402)、問題が無ければ接続完了とみなす。ここで接続処理が完了できないときは、画像入力装置101もしくは画像出力装置102がユーザに対してメッセージ表示もしくはLED点滅等で接続不可を通知する(S403)。ここで接続が完了したら、印刷画像を表示する為に画像入力装置101を表示モードに設定する。表示モードとは、メモリカード等に記録された画像データを画像入力装置101の表示部209に表示し、ユーザが閲覧できるモードである。通常撮影時には撮影モードに設定し、ファインダーもしくは表示部209に表示されている画像を所望のタイミングでシャッタスイッチ(SW)208を押し、シャッタレリーズ信号を発生させメモリカード等に記録する。画像入力装置101を表示モードに設定したら(S404)、DPOF印刷を行うかどうかを選択する(S405)。DPOF印刷は、複数ある画像データをまとめて印刷するような時に便利な機能で、予め画像データに印刷情報として設定しておくことができる。通常印刷の場合は画像入力装置101の所定の操作により印刷ボタンを押下する(S406)。その後、画像入力装置101の表示部209が印刷情報設定画面に切り替わり、各情報を設定する(S407)。その後、最終的に印刷決定ボタンを押下することで印刷が開始される(S408)。
【0016】
次に、印刷情報設定時のシーケンスを説明する。
【0017】
図5は印刷情報設定時の一般的なシーケンスを示し、ユーザが画像入力装置101から所定の操作により印刷開始ボタンを押下すると、画像出力装置102のプリンタサーバに対してPrintRequestメッセージが発行される(501)。プリンタサーバはそのメッセージを受信すると受信完了(OK)を画像入力装置101に返信する(502)。すると、画像入力装置101の表示部209に印刷設定画面が表示される。
【0018】
次に、ユーザが印刷設定画面で紙サイズの設定操作を行うと、画像入力装置101は画像出力装置102で対応可能な紙サイズ(PaperSize)を取得するためGetParameterメッセージを発行する(503)。画像出力装置102はそのメッセージを受信すると、印刷情報テーブル317から紙サイズ情報(対応PaperSize)を返信する(504)。画像入力装置101はその情報を受信したら紙サイズの選択肢を更新して表示部209に表示する。次に、画像出力装置102で対応している紙種(PaperType)を取得するためのGetParameterメッセージを発行する(505)。そのメッセージを受信したら、再び印刷機能情報テーブル317から対応紙種情報を取得し画像入力装置101に返信する(506)。次に、対応している日付印刷情報(Date)を取得するGetParameterメッセージを発行する(507)。そのメッセージを受信したら、再び印刷機能情報テーブル317から日付印刷情報(On/Off/Default)を取得し画像入力装置101に返信する(508)。さらに対応するクロッピング(Cropping)印刷を設定するGetParameterメッセージを発行する(509)。ここでいうクロッピングとは、撮影画像の一部をユーザが任意に選択しその部分のみの印刷を行う方法である。そのメッセージを受信したら、再び印刷機能情報テーブル317からクロッピング印刷情報(On/Off/Default)を取得し画像入力装置101に返信する(510)。上記メッセージのやりとりを画像入力装置101が表示部209に表示する設定項目分だけ行う。
【0019】
ここで、印刷機能情報とは、例えば、紙サイズ、紙種、日付印刷の有無、クロッピング印刷、ふちの有無、画像補正などを含む。そして、全ての印刷項目について選択肢を設定したら、最後に印刷決定ボタンを押下することで画像出力装置102のエンジン部に印刷(PrintStart)メッセージが届き印刷が開始される(511)。
【0020】
ここで、選択肢とは、設定項目が紙サイズならば、例えば、A4、L、2L、はがき等、紙種ならば、普通、高級、最高級等、日付印刷やクロッピング印刷、ふちどり印刷ならば、例えばON、OFF、Default等の選択可能な項目である。デフォルト(Default)とは、インクジェットプリンタが予め設定してある状態を有効にすることを意味する。
【0021】
図6は画像入力装置101の表示部209による印刷設定画面の一例を示し、画像出力装置から取得した日付印刷に関する設定項目を表示し、画像出力装置101での所定の操作によりユーザが選択する。
【特許文献1】特開平10‐250047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記のように構成される画像入力装置と画像出力装置において、印字を行う際には印刷設定情報を画像出力装置に送信する必要がある。ユーザは、これらの情報を画像入力装置の表示部で操作・選択して設定する。しかし通常は、紙サイズ、紙種程度の変更でそれ以外は特に変更せずに印刷を行うことが多いため、それ以外の設定項目を変更する操作はユーザに煩わしさやストレスを与えることになる。
【0023】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、画像入力装置と画像出力装置とからなる画像形成システムにおいて、印刷時に設定が必要な印刷情報のうち、変更頻度の低い設定項目については選択肢をデフォルトのみの設定にすることでユーザインターフェイスを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、画像入力装置と画像出力装置とが通信する画像形成システム及びその制御方法において、前記画像入力装置は、前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求手段又は工程と、前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信手段又は工程と、前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信するための送信手段又は工程とを備え、前記画像出力装置は、前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して前記画像入力装置に送信する送信手段又は工程を備える。
【0025】
また、本発明の第2の態様は、画像データを画像出力装置に転送する画像入力装置及びその制御方法であって、前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求手段又は工程と、前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信手段又は工程と、前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信する送信手段又は工程とを備え、前記機能情報は、その変更頻度が所定の値に満たない場合、デフォルト情報のみに変更されて送信される。
【0026】
また、本発明の第3の態様は、画像入力装置から転送された画像データを出力する画像出力装置又はその制御方法であって、前記画像入力装置の送信要求に応じて、前記画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信する送信手段又は工程を備え、前記送信手段は、前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して送信する。
【0027】
また、上記いずれかの態様において、前記機能情報は前記画像出力装置側で対応可能な印刷機能であり、前記印刷機能は、少なくとも用紙サイズ、用紙の種類、日付印刷の有無、印刷スタイル、レイアウト情報、画像補正を含む設定項目と、各項目について前記画像出力装置側で対応可能な選択肢を含む。
【0028】
また、上記いずれかの態様において、前記画像出力装置は、前記機能情報の設定履歴から前記変更頻度を判断する判断手段と、前記変更頻度が所定の値より低い機能情報の選択肢をデフォルト情報に変更して格納する格納手段とを備える。
【0029】
また、上記いずれかの態様において、前記画像入力装置は、被写体の光学像を光電変換により電気信号に変換して撮像する撮像手段を備え、前記画像出力装置は、外部から転送される画像データをプリントするプリント手段を備え、前記画像入力装置と画像出力装置とは通信インターフェイスを介して直接接続されている。
【0030】
また、上記いずれかの態様において、前記画像入力装置と画像出力装置間の通信インターフェイスは、少なくともUSBインターフェイスを含む。
【0031】
なお、本発明は、上記制御方法を前記画像入力装置若しくは前記画像出力装置のコンピュータに実行させるためのプログラムや当該プログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体としての態様も含む。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、画像入力装置と画像出力装置とからなる画像形成システムにおいて、変更頻度の低い設定項目は、その選択肢をデフォルトのみに変更することで、ユーザの煩雑な操作を軽減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0034】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0035】
図7は、本発明の画像形成システムを構成する画像出力装置として適用したインクジェットプリンタのブロック図である。
【0036】
本実施形態の画像出力装置としてのインクジェットプリンタは、接続相手から印刷の割り込みを受け付け、印刷用の画像データを受信する印刷コントローラ701と、印刷コントローラ701から供給されるデータに従って画像を印刷する印刷エンジン702とで構成される。印刷コントローラ701にはインターフェイス回路714と、印刷シーケンス用のプログラムを実行するCPU704と、SDRAM710などで構成される画像データ格納用のメモリと、CPU704とSDRAM710のコントロールやバスの管理を行う制御部703を有する。制御部703は、CPU704の制御シーケンスプログラムの実行に応答して所定の画像処理を行い、印刷用の画像データに対応する印刷駆動信号を印刷エンジン702に供給する。
【0037】
制御部703はバスを介してフラッシュROM711やROM712やEEPROM718及びインターフェイス回路714に接続される。ROM712はプログラムメモリ等で構成され、起動時にプログラムをロードするためのプログラムが格納される。さらに、圧縮/解凍回路708と色変換やハーフトーン処理などを行う画像処理回路707を有する。SRAM706は色変換や、ハーフトーン処理時に必要なテーブルデータ等が格納されている。上記プログラムメモリには画像データを適宜処理するためのプログラムや、インターフェイス回路714が受け付けた割り込み命令に対する処理を行うインターフェイス制御プログラムや印刷エンジン702を制御する印刷エンジン制御プログラム等も格納される。
【0038】
また、印刷コントローラ701はCPU704とSDRAM710をコントロールするそれぞれのコントローラ705、709を有している。EEPROM718は、インク消費量のカウント数や各用紙の印刷枚数、シリアル番号等の情報が格納されている。他にもオプション用の増設メモリに接続されるBuf713を有している。画像入力装置としてのデジタルカメラと直接交信し印刷を行う場合、デジタルカメラに対してプリンタで対応可能な印刷機能情報(capability)を送信するための印刷機能情報テーブル717を有している。
【0039】
インターフェイス回路714は例えばASICにより構成され、シリアル、IEEE1284等の各種ポート715を備えている。また、バスを介してUSBポート716等により対象機器に接続され、PTP(Picture Transfer Protocol)に基づいて通信する。
【0040】
更に、本実施形態の1つの特徴として、設定履歴判断部719を有している。この設定履歴判断部719は、ユーザがデジタルカメラとプリンタとを接続して、画像データを印字した時の設定項目に関する履歴情報を設定履歴(データベース)DB720から読み出し、ユーザの設定項目の変更頻度を元に、デジタルカメラに通知する設定項目を、ある判断基準に沿って更新し、印刷機能情報テーブル717に格納する。例えば、一定枚数以上変更されていない設定項目に関しては、Default以外の選択肢を印刷機能情報テーブル717に格納せず、Defaultのみを格納する。
【0041】
次に図8を参照して、本実施形態の印刷情報の設定から印刷までのシーケンスについて説明する。なお、本実施形態の画像形成システムは、図1のシステム構成における画像出力装置102を図7の構成を有する画像出力装置(104)に置換した構成となる。
【0042】
ユーザが画像入力装置(デジタルカメラ)101に対する所定の操作により印刷開始ボタンを押下すると、画像出力装置(プリンタ)104のプリンタサーバに対してPrintRequestメッセージが発行される(801)。プリンタサーバはそのメッセージを受信すると受信完了「OK」を画像入力装置101に返信する(802)。すると、画像入力装置101の表示部209に印刷設定画面が表示される。
【0043】
次に、ユーザが印刷設定画面で紙サイズの設定操作を行うと、画像入力装置101から画像出力装置104で対応可能な紙サイズ(PaperSize)を取得するためのGetParameterメッセージを発行する(803)。画像出力装置104はそのメッセージを受信すると、設定履歴判断部719が印刷機能情報テーブル717に格納された紙サイズ情報(PaperSize)を画像入力装置101に返信する(804)。以下、同様に全ての設定項目について画像入力装置101は画像出力装置104から印刷機能情報を取得し(805〜810)、全ての設定項目に関して選択肢を設定したら、最後に印刷決定ボタンを押下することで画像出力装置104のエンジン部に印刷(PrintStart)メッセージが届き印刷が開始される(811)。
【0044】
ここで、図9を参照して、日付印刷設定時の設定履歴判断部719での処理フローを説明する。
【0045】
例えば、図10のようなEEPROM718の値を前提に考えると、設定履歴判断部719は、先ず設定項目の履歴データを設定履歴DB720から取得する(S901)。次に、過去5枚以内に日付印刷の設定項目に変更があったかどうかを判断する(S902)。この場合、EEPROM718の値は「7」なので5枚以内に設定項目の変更は無かったと判断する。従来は図6のようにOn,Off,Defaultという3つの選択肢を画像入力装置に返信し、ユーザはその3つの選択肢から所望の設定を選択することになるが、本例の場合には、その設定項目の変更回数が「7」に達していないため、設定履歴判断部719では、ユーザはこの設定項目を変更しないと判断し、日付印刷の設定項目を「Default」のみに変更して返信する(S904、図8の808)。次に、他の全ての設定項目を設定し終えたかどうかを判断し(S905)、まだ設定が終えていない項目が残っていれば、S901からの処理を行って残りの設定項目の履歴データを取得する。全て設定し終えていれば、印刷機能情報テーブル717に格納した設定項目を返信する。画像入力装置101は画像出力装置104から印刷機能情報を受信したら、各設定項目の選択肢を表示部209に表示する。上記操作により全ての項目を設定したら、最後に印刷決定ボタンを押下することで画像出力装置102のエンジン部に印刷メッセージが届き印刷が開始される(図8の811)。
【0046】
図11は上記設定履歴判断部719により日付印刷の設定項目が変更され、画像入力装置101の表示部209で表示される日付印刷の設定画面の一例を示し、本実施形態では、図10に示す日付印刷の値より日付印刷項目の変更頻度が小さいため、画像出力装置104から画像入力装置101に返信する印刷機能情報テーブル717内の設定項目がデフォルトのみ(図8の808)に変更され、図5の印刷機能情報テーブル317の内容(On/Off/Default、図5の510)とは異なったものとなる。
【0047】
なお、本例ではEEPROM718の日付印刷項目の変更回数を7枚に指定しているが、これはユーザが任意に設定できるものであり、また全印刷枚数に対する設定回数からその設定項目の変更頻度を算出し、その結果を印刷機能情報テーブルに反映させても構わない。
【0048】
また、図8の処理では、印刷機能情報として日付印刷を例に説明しているが、その他の印刷機能情報として、用紙サイズ、用紙の種類、ふちの有無、印刷スタイル、レイアウト情報、画像補正の有無、インク種(白黒、普通カラー、高画質カラー)、両面プリントのオン/オフなどについても同様に適用可能である。
機能情報に含まれる選択肢として、デフォルトのみに変更する項目は、機能情報に含まれる複数の項目のうちの一部の項目のみであっても、本実施形態は適用可能である。
【0049】
以上の実施形態によれば、プリンタにおいてユーザの変更頻度が低い印刷機能情報をデフォルトに変更してカメラ側に送信するので、ユーザはデフォルトの設定項目の操作が不要となり、設定に要する操作の煩わしさやストレスを軽減できる。
【0050】
また、本実施形態は、前述した実施形態の画像形成システムの各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは個々の装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、達成することができる。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0051】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0052】
本実施形態を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0053】
尚、本実施形態は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】画像入力装置と画像出力装置とからなる典型的な画像形成システムの概要を示す模式図である。
【図2】画像入力装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】一般的な画像出力装置のブロック図である。
【図4】一般的な画像形成システムにおいて印刷を行う際の処理フローである。
【図5】印刷情報の設定から印刷までの画像入力装置と画像出力装置の間での一般的なシーケンスを示す図である。
【図6】一般的な画像入力装置における日付印刷設定画面の表示例を示す図である。
【図7】本実施形態の画像出力装置のブロック図である。
【図8】本実施形態における印刷情報の設定から印刷までの画像入力装置と画像出力装置の間でのシーケンスを示す図である。
【図9】本実施形態における設定履歴判断部の処理フローである。
【図10】EEPROMに記憶されている設定項目と過去の変更履歴の一例を示す図である
【図11】本実施形態における日付印刷設定時の画像入力装置での表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
101 デジタルカメラ(画像入力装置)
102,104 インクジェットプリンタ(画像出力装置)
103 接続ケーブル
701 印刷コントローラ
702 印刷エンジン
703 制御部
704 CPU
714 インターフェイス回路
717 印刷機能情報テーブル
719 設定履歴判断部
720 設定履歴DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像入力装置と画像出力装置とが通信する画像形成システムにおいて、
前記画像入力装置は、
前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求手段と、
前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信手段と、
前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信するための送信手段とを備え、
前記画像出力装置は、
前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して前記画像入力装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記機能情報は前記画像出力装置側で対応可能な印刷機能であり、
前記印刷機能は、少なくとも用紙サイズ、用紙の種類、日付印刷の有無、印刷スタイル、レイアウト情報、画像補正を含む設定項目と、各項目について前記画像出力装置側で対応可能な選択肢を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像出力装置は、前記機能情報の設定履歴から前記変更頻度を判断する判断手段と、前記変更頻度が所定の値より低い機能情報の選択肢をデフォルト情報に変更して格納する格納手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像入力装置は、被写体の光学像を光電変換により電気信号に変換して撮像する撮像手段を備え、
前記画像出力装置は、外部から転送される画像データをプリントするプリント手段を備え、
前記画像入力装置と画像出力装置とは通信インターフェイスを介して直接接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像入力装置と画像出力装置間の通信インターフェイスは、少なくともUSBインターフェイスを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
画像データを画像出力装置に転送する画像入力装置であって、
前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求手段と、
前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信手段と、
前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信する送信手段とを備え、
前記機能情報は、その変更頻度が所定の値に満たない場合、デフォルト情報のみに変更されて送信されることを特徴とする画像入力装置。
【請求項7】
画像入力装置から転送された画像データを出力する画像出力装置であって、
前記画像入力装置の送信要求に応じて、前記画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信する送信手段
を備え、
前記送信手段は、前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して送信することを特徴とする画像出力装置。
【請求項8】
画像形成システムとして通信する画像入力装置と画像出力装置の制御方法であって、
前記画像入力装置は、
前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求工程と、
前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信工程と、
前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信するための送信工程とを備え、
前記画像出力装置は、
前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して前記画像入力装置に送信する送信工程を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項9】
画像データを画像出力装置に転送する画像入力装置の制御方法であって、
前記画像出力装置に対して当該画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信要求する要求工程と、
前記画像出力装置から送信される機能情報を受信する受信工程と、
前記受信した機能情報に基づく出力条件を前記画像出力装置に対して送信する送信工程とを備え、
前記機能情報は、その変更頻度が所定の値に満たない場合、デフォルト情報のみに変更されて送信されることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
画像入力装置から転送された画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記画像入力装置の送信要求に応じて、前記画像出力装置側で対応可能な機能情報を送信する送信工程と、
前記画像入力装置で設定された機能情報を受信する受信工程とを備え、
前記送信工程では、前記機能情報の変更頻度が所定の値に満たない場合、その機能情報をデフォルト情報のみに変更して送信することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の制御方法を前記画像入力装置若しくは前記画像出力装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−150909(P2006−150909A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348974(P2004−348974)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】