説明

画像形成システム

【課題】画像形成システムの利用において、業務に支障を与えることなく私的な利用を防ぐことができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システムは、印刷されるべきデータと当該データの印刷を依頼したユーザの識別子とを受信するデータ受信部と、データ受信部が受信したデータにより表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かを判定する判定部(S1503)と、判定部の判定結果にしたがって、データの印刷を許可又は制限するための印刷制御部(S1810、S1811、S1820、S1821、S1822)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを扱う画像形成システムに関し、特に、利用者に対して利用制限機能を備えた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタル複写機及びプリンタなどの画像形成装置はあらゆる場所に普及し、コンピュータを扱う職場では欠かせないものになっている。最近ではカラー印刷機能を備えた画像形成装置も増え、これまで以上に幅広く利用されている。
【0003】
それと同時に、業務以外の私的な利用など不正利用が問題になってきている。不正利用は、誰が利用したか分からない点、私的な利用を行なわれるのが人目の少ない業務時間外に多く、監視の目が行き届かない点などの問題点がある。特にカラー印刷は1回ごとのコストが高く、業務以外の利用は費用の面で大きな負担となり、問題になっている。
【0004】
この問題に関し、特許文献1では、利用者毎の機能制限を行ない、画像形成装置を利用可能な時間帯以外に利用しようとした場合には、警告表示を出し動作を中止する技術を開示している。特許文献1に開示の技術では、画像形成装置に、利用する者の利用者IDと、利用者ID毎に許可された機能(カラーコピー機能など)と、許可された機能を利用可能な時間帯と、画像形成装置自体の利用可能な時間帯とをあらかじめ登録する。画像形成装置は、利用者IDの入力を受けることで利用者の認証及び利用者毎の機能制限を行ない、画像形成装置を利用可能な時間帯以外に利用しようとした場合には、警告表示を出し動作を中止する。
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、動作を中止する技術であるため、時間外の利用を行なう時には、管理者に利用許可時間の変更を申請し事前に対応してもらう必要がある。そのため、夜間や休日などの業務時間外で緊急に装置を利用したい時に対応できないという新たな問題が発生した。
【0006】
この問題に関し、特許文献3では、画像形成装置において、利用する個々のユーザに対して印刷制限が予め設定されている場合でも、利用者の操作により一時的に印刷制限を解除して印刷を行なう技術を開示している。
【0007】
また現在、印刷する文書の管理に関しても情報セキュリティの点から重要視されている。
【0008】
特許文献2では、1つの印刷ジョブのみに有効なワンタイムパスワードを発行する技術が開示されている。ユーザは発行されたパスワードを入力することで指定した印刷ジョブの出力が可能である。また、発行されたワンタイムパスワードは、ユーザが指示した1つの印刷ジョブにのみ有効であり、印刷終了後にパスワードの漏洩、盗難があったとしても文書が印刷されることを防ぐことができる。その結果、パスワードの漏洩による不正印刷を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−348279号
【特許文献2】特開2007−160889号
【特許文献3】特開2007−230013号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
画像形成装置の不正な利用を防ぐ点において、ユーザ認証及び利用を許可する時間帯を設定する技術は効果的である。しかし、画像形成装置の利用を時間だけで制限することは、職場での時間外業務などを考えると不都合な点が多い。特に期限のある仕事に関して締切り直前に画像形成装置が使えなくなることで、業務に大きく支障をきたすことも考えられる。そのため、業務に支障を与えることなく画像形成装置の私的な利用を防ぐことが課題となっている。
【0011】
特許文献1に開示の技術は、時間外の利用を行なう時には、管理者に利用許可時間の変更を申請し対応してもらう必要がある。そのため、夜間や休日などの業務時間外で緊急を要する時には不適当であり、課題を解決することができない。
【0012】
特許文献3に開示の技術は、利用者の操作によって一時的に印刷制限を解除できる技術である。しかし、緊急時以外にも利用制限を解除できるという点では、不正な利用を行なうことが可能であり、課題を解決することができない。
【0013】
また、画像形成装置の私的利用は外部への情報漏洩につながる可能性がある。そのため、情報管理の点からも私的利用を防ぐことが重要となる。
【0014】
特許文献2の技術は、1つの文書の印刷に対するパスワード発行技術であるため、文書及び情報管理の点における課題を解決することができない。
【0015】
それゆえに本発明の目的は、画像形成システムの利用において、業務に支障を与えることなく私的な利用を防ぐことができる画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る画像形成システムは、印刷されるべきデータと、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子とを受信するためのデータ受信手段と、データ受信手段が受信したデータにより表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かを判定するための第1の判定手段と、第1の判定手段の判定結果にしたがって、データの印刷を許可又は制限するための印刷制御手段とを含む。
【0017】
データ受信手段は、印刷されるべきデータと、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子とを受信する。第1の判定手段は、データ受信手段が受信したデータにより表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かを判定する。印刷制御手段は、第1の判定手段の判定結果にしたがって、データの印刷を許可又は制限する。
【0018】
受信したデータによって表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かにしたがって、データの印刷が許可又は制限される。データによって表される内容によって印刷の動作の許可又は制限されることで、予め定められたフォーマットとは異なる、私的なフォーマットのデータの印刷を制限することができる。
【0019】
その結果、画像形成システムの利用において、業務に支障を与えることなく私的な利用を防ぐことができる画像形成システムを提供することができる。
【0020】
好ましくは、印刷制御手段は、第1の判定手段により、データがフォーマットにしたがっていると判定されたとき、データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、第1の判定手段により、データにより表される書類がフォーマットにしたがっていないと判定されたとき、データの一部のみの印刷を許可するための印刷制限手段とを含む。
【0021】
データがフォーマットにしたがっていると判定された場合はその印刷が許可され、フォーマットにしたがっていないと判定された時は、データの一部のみの印刷が許可される。印刷データがフォーマットにしたがっていない場合は、データをすべて印刷することができないので、利用者による私的な印刷の濫用を防ぐことができる。一方で、一部の印刷は可能なので、ユーザにとって印刷が無駄にならない。
【0022】
好ましくは、印刷制御手段は、第1の判定手段により、データがフォーマットにしたがっていると判定されたとき、データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、第1の判定手段により、データがフォーマットにしたがっていないと判定されたときに、識別子に対応するユーザに所定の課金をしてデータを印刷するための手段とを含む。
【0023】
画像形成システムは、印刷データがフォーマットにしたがっていないと判定されたときには、ユーザに対して所定の課金を行なった後にデータを印刷する。その結果、画像形成システムにおける私的利用を制限しながら、利用制限に対しても、ユーザ自身で利用制限を解除することができる。
【0024】
好ましくは、画像形成システムは、ユーザごとに、第1の色数での印刷のみが許可されているか、第1の色数での印刷に加え、第1の色数より多い第2の色数での印刷も許可されているかを判定するための第2の判定手段をさらに含む。印刷制御手段は、第1の判定手段により、データがフォーマットにしたがっていると判定されたとき、データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、第1の判定手段により、データにより表される書類がフォーマットにしたがっていないと判定されたとき、第2の判定手段の判定結果にしたがった色数の範囲でデータを印刷することを許可するための手段とを含む。
【0025】
この画像形成システムは、印刷時における使用可能な色数をユーザ毎に設定することができる。その結果、私的な印刷に対して、高価なカラー印刷を制限することができ、印材の節約などを実現することができる。
【0026】
好ましくは、画像形成システムは、第1の判定手段により、データにより表される書類がフォーマットにしたがっていないと判定されたことに応答して、データにより表される書類のサムネイルを含む印刷結果レポートを作成するためのレポート作成手段をさらに含む。
【0027】
印刷結果レポートを作成することによって、フォーマットにしたがっていないと判定されたデータが表す書類の画像を確認することができる。ユーザは、作成されたレポートを元にして、業務に必要なフォーマットの追加登録などを管理者に依頼することができる。
【0028】
好ましくは、画像形成システムは、印刷を許可する時間的条件を記録する印刷管理テーブルを記憶するための記憶手段をさらに含む。印刷制御手段は、データの印刷の依頼の時刻が印刷管理テーブルに記録された時間的条件に合致するか否かを判定するための第2の判定手段と、第1の判定手段の判定結果と、第2の判定手段の判定結果との組合せにしたがって、データの印刷を許可又は制限するための手段とを含む。
【0029】
印刷を許可する時間的条件を設け、データの印刷を依頼した時間とデータにより表わされる書類とによってデータの印刷が許可又は制限される。時間的条件を設けることによって、例えば人目の少ない業務時間外におけるデータ印刷を制限することができる。
【0030】
好ましくは、印刷管理テーブルは、ユーザごとに、印刷を許可する時間的条件を記録している。第2の判定手段は、データの印刷の依頼の時刻が、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子に対応して印刷管理テーブルに記録されている時間的条件に合致するか否かを判定するための手段を含む。
【0031】
ユーザ共通の時間的条件の他に、ユーザ毎に印刷を許可する時間的条件を設けることで、ユーザの使用状況に合わせた細かい利用許可設定を実施することができる。
【0032】
より好ましくは、印刷管理テーブルはさらに、ユーザごとに、当該ユーザに対して記録された時間的条件が充足されていないときに印刷画像に所定の変更を加えるか否かを指定した指示を記録している。許可又は制限するための手段は、第1の判定手段の判定結果と、第2の判定手段の判定結果との組合せにしたがって、データの印刷を許可するか、又はデータに対し、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子に対応して印刷管理テーブルに記録されている指示にしたがった変更を行なって印刷するための手段を含む。
【0033】
好ましくは、変更は、データに対して、予め準備された可視画像を重畳する処理である。
【0034】
好ましくは、可視画像は、印刷許可時間外であることを示す文字列を含む画像である。
【0035】
ユーザごとに記録された時間的条件が充足されていない時に印刷画像に所定の変更を加えるか否かの指示が印刷管理テーブルに記録される。所定の変更は、例えば予め準備された可視画像を重畳する処理などである。印刷画像に変更を加えるので印刷許可時間外に印刷指示が出されたことが明確になり、時間的条件を充たさない場合の印刷を防ぐことができる。
【0036】
好ましくは、画像形成システムは、ユーザの識別情報を記憶した記憶媒体からユーザの識別情報を読取るための読取手段をさらに含む。印刷制御手段は、第1の判定手段により、データにより表される書類がフォーマットにしたがっていると判定されたことに応答して、当該データの印刷を許可するための手段と、第1の判定手段により、データにより表される書類がフォーマットにしたがっていないと判定されたことに応答して、読取手段によりユーザの識別情報の読取を行なうための手段と、読取手段によって読取られた識別情報と、データの印刷を依頼したユーザの識別子とが所定の関係を充足するか否かにしたがって、データの印刷を許可又は制限するための手段とを含む。
【0037】
印刷データにより表わされる書類がフォーマットにしたがっていないと判定される場合は、データの印刷を依頼したユーザの識別子と、読取手段によって記憶媒体から読取られる識別情報とを用いてデータの印刷が許可又は制限される。フォーマットにしたがっていない印刷データ、すなわち業務に用いないデータを印刷する時はユーザ確認が行なわれる。それにより、正規のユーザ以外による印刷を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本画像形成システムは、受信したデータによって表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かの判定にしたがい、データの印刷が許可又は制限する。データによって表される内容によって印刷が許可又は制限されることで、予め定められたフォーマットとは異なる、私的なデータの印刷を制限することができる。その結果、画像形成システムの利用において、業務に支障を与えることなく私的な利用を防ぐことができる画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム30の構成図である。
【図2】画像形成装置44の内部構成を表すブロック図である。
【図3】情報処理装置42の内部構成を表すブロック図である。
【図4】サーバ40の内部構成を表すブロック図である。
【図5】画像形成装置44の利用許可時間帯管理テーブル86の例を表す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る画像形成システム30において実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図7】S610で表示部114に表示される、印刷許可時間帯以外の印刷時に表示される表示画面180である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像形成システム230において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図9】画像形成装置44の機能利用に関するユーザ毎の設定例を記録する、ユーザ別機能設定テーブル200を表す図である。
【図10】第3の実施の形態に係る画像形成システム330において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図11】第4の実施の形態に係る画像形成システム430において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図12】第5の実施の形態に係る画像形成システム530において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図13】S1307でウォーターマークを重畳した時の印刷結果例を表す図である。
【図14】第6の実施の形態に係る画像形成システム630において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図15】第7の実施の形態に係る画像形成システム730において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図16】第8の実施の形態に係る画像形成システム830において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図17】第9の実施の形態に係る画像形成システム930において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【図18】第10の実施の形態に係る画像形成システム1030において、実行されるプログラムの制御構造をフローチャート形式で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明及び図面においては、同一部品には同じ参照符号および名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0041】
[第1の実施の形態]
−構成−
図1を参照して、画像形成システム30は、画像印刷を行なうための画像形成装置44と、画像形成装置44に対して画像データの印刷指示を出すための情報処理装置42と、情報処理装置42の要求を受け画像形成装置44の動作を制御するパスワードを発行するためのサーバ40と、サーバ40、情報処理装置42及び画像形成装置44が接続されたネットワーク46とを含む。サーバ40と、情報処理装置42と、画像形成装置44とは、ネットワーク46を介して互いに通信可能である。
【0042】
図2を参照して、画像形成装置44は、画像形成装置44の全体を制御する制御部60と、制御部60に接続されたバス92と、原稿載置台上に置かれた原稿を走査して光学的に読取るための原稿走査部62と、原稿走査部62で読取った光学信号を変換して画像データを生成するための読取画像データ生成制御部64と、入力された画像データの印刷処理を制御するための印刷制御部66と、印刷制御部66から入力された画像データを紙媒体に印刷するための画像形成部68と、原稿読取及び印刷処理に関する情報を表示するための表示部70とを含む。画像形成装置44はさらに、ユーザからの操作指示を受付け制御部60に渡すための操作部72と、外部装置との通信を制御するための通信インターフェイス74と、通信インターフェイス74に接続された通信コネクタ76と、画像形成装置44の消費電力の検知、待機状態への設定及び、電源オフなどを制御するための電力制御部78と、電力制御部78に接続された電源コネクタ80と、読取った又は入力された画像データを一時的に格納するための一時記憶部82と、画像形成装置44で実行される各種プログラム及び各種情報を記憶するための記憶部88と、IC(Integrated Circuit)カードなどの外部記憶媒体に記憶された情報を読取り制御部60に渡すための記憶媒体読取部90とを含む。記憶部88は、パスワード照合プログラム84と利用許可時間帯管理テーブル86とを記憶している。原稿走査部62、読取画像データ生成制御部64、印刷制御部66、画像形成部68、記憶部88、記憶媒体読取部90、表示部70、操作部72、通信インターフェイス74、電力制御部78及び一時記憶部82はバス92を介して接続されており、各部に対する制御は、制御部60により行なわれる。
【0043】
図3を参照して、情報処理装置42は、情報処理装置42内で実行されるプログラム及び各種情報を記憶するための記憶部104と、記憶部104に記憶されているプログラムを呼出して実行することにより情報処理装置42の全体を制御し所望の機能を実現するための中央演算処理部102と、中央演算処理部102に接続されたバス124と、バス124に接続された表示インターフェイス118と、表示インターフェイス118に接続された表示部用コネクタ116と、表示部用コネクタ116に接続された表示部114と、ユーザからの操作を受付け中央演算処理部102に渡すための操作部120と、外部装置との通信を制御するための通信インターフェイス110と、通信インターフェイス110に接続された通信コネクタ112とを含む。記憶部104は、一時許可パスワード処理プログラム108と、アプリケーションから印刷指示を受けると印刷画像データを作成し画像形成装置44に向けデータを送信するプリンタドライバ106とを記憶している。記憶部104、通信インターフェイス110、表示インターフェイス118及び操作部120はバス124を介して接続されており、各部に対する制御は中央演算処理部102により行なわれる。
【0044】
図4を参照して、サーバ40は、サーバ40内で実行されるプログラム及び各種情報を記憶するための記憶部144と、記憶部144に記憶されているプログラムを呼出して実行することによりサーバ40の全体を制御し所望の機能を実現するための中央演算処理部142と、中央演算処理部142に接続されたバス162と、バス162に接続された表示インターフェイス156と、表示インターフェイス156に接続された表示部用コネクタ154と、表示部用コネクタ154に接続された表示部152と、ユーザからの操作を受付け中央演算処理部142に渡すための操作部158と、バス162に接続された通信インターフェイス148と、通信インターフェイス148に接続された通信コネクタ150とを含む。記憶部144は、一時許可パスワード発行処理プログラム146を記憶している。記憶部144、通信インターフェイス148、表示インターフェイス156及び操作部158はバス162を介して接続されており、各部に対する制御は中央演算処理部142により行なわれる。
【0045】
図5を参照して、曜日及び時間帯ごとに画像形成装置44の利用の許可または禁止のいずれかが設定されている。図5の例では、画像形成装置44の利用に関する設定が1時間単位で行なわれている。しかし、分単位での設定も可能である。利用許可時間帯管理テーブル86を記憶する装置としては、画像形成装置44、情報処理装置42、及びサーバ40のいずれの場合も有り得る。本実施の形態において利用許可時間帯管理テーブル86は、画像形成装置44に記憶される。
【0046】
図6を参照して、サーバ40の中央演算処理部142、情報処理装置42の中央演算処理部102及び画像形成装置44の制御部60で実行されるプログラムはそれぞれ以下の様な制御構造を有する。
【0047】
図6のフローチャート中の結合子A、結合子B、結合子C、及び結合子Dは、第2の実施の形態以降の構成に関する説明を簡略にするために便宜的に設けたものである。
【0048】
図6を参照して、サーバ40で実行されるプログラムは、情報処理装置42から一時許可パスワード要求、ユーザID及び印刷データを受信するステップ(以下単に「S」と記載する。)612と、S612に続き、一時許可パスワードを生成し、パスワード要求元である情報処理装置42へ送信するS613とを含む。S613を実行後、このプログラムは終了する。
【0049】
情報処理装置42で実行されるプログラムは、表示部114にログオン画面を表示するS601と、S601に続き、利用者からユーザIDの入力を受けログオン処理をするS602と、S602に続き、利用者からアプリケーションソフトの操作を受け印刷要求を発行するS603と、S603に続き、プリンタドライバ106により印刷データとログオン時に入力したユーザID情報とを含む印刷要求情報を画像形成装置44に送信するS604と、S604に続き、画像形成装置44から送信された印刷情報を受信するS609と、S609に続き、受信した印刷情報は印刷禁止情報であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS609Aと、S609Aで印刷禁止情報を受信した(YES)と判定された場合に実行され、一時許可パスワードの申請方法を表示部114に表示するS610と、S610に続き、利用者による操作部120のパスワード申請操作を受け、サーバ40に対して一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを送信するS611と、S611に続き、サーバ40から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示するS614と、S614に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置44に対して一時許可パスワードを送信するS615とを含む。S615を実行後、このプログラムは終了する。S609Aで印刷禁止情報を受信していない(NO)と判定された場合、このプログラムは終了する。
【0050】
画像形成装置44で実行されるプログラムは、情報処理装置42からの印刷要求情報を受信するS605と、S605に続き、受信した印刷要求情報から印刷データを抽出し一時記憶部82に格納するS606と、S606に続き、現在の日時と画像形成装置44の利用許可時間とを比較して印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS607と、S607で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、印刷禁止情報を情報処理装置42へ送信するS608と、S608に続き、情報処理装置42から一時許可パスワードを受信するS616と、S616に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合して印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS617と、S617で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納されていた印刷データを読出し、印刷を実行するS618とを含む。S618実行後このプログラムは終了する。このプログラムはさらに、S607で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、印刷許可情報を情報処理装置42へ送信するS607Aを含む。S607Aの後、S618が実行され、プログラムを終了する。S617で印刷を許可しない(NO)と判定された場合は、制御はS608に進む。
【0051】
図7を参照して、表示画面180は、一時許可パスワードの入力を受けるためのテキストボックス182と、印刷続行ボタン184と、印刷中止ボタン186とを含む。表示画面180において、発行された一時許可パスワードをユーザがテキストボックス182に入力し、印刷続行ボタン184を押すことで、情報処理装置42は画像形成装置44に対して一時許可パスワードを送信する。
【0052】
―動作―
第1の実施の形態に係る画像形成システム30は以下のように動作する。
【0053】
画像形成システム30では、画像形成装置44に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶し、画像形成装置44に記憶される。
【0054】
画像形成システム30の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。ユーザIDは個人を識別するために用いられる。
【0055】
情報処理装置42を起動する際に、利用者はユーザIDを入力してログオン処理をする(S601、S602)。利用者がアプリケーションを操作して情報処理装置42から印刷指示を出したとき(S603)、画像形成装置44には印刷要求情報、ユーザID、及び印刷データが送信される(S604)。画像形成装置44では、受信した印刷データを一時記憶部82に一旦格納する(S605、S606)。画像形成装置44は、印刷指示を受信した日時と利用許可時間帯管理テーブル86とを参照し、利用が許可されている時間かどうかを判定する(S607)。利用許可時間内である場合は印刷許可情報を情報処理装置42に送信し(S607A)、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し印刷を実行する(S618)。利用許可時間外であった場合は、印刷禁止情報を情報処理装置42に対し送信する(S608)。情報処理装置42では、画像形成装置44から送信される印刷情報を受信し(S609)、印刷許可情報を受信した(S609AでNO)場合はこのプログラムを終了する。印刷禁止情報を受信した(S609AでYES)場合は、印刷禁止時間帯であるという事と、装置の利用を一時的に許可するために必要な一時許可パスワードの申請方法とを示した表示画面180を表示する(S610)。利用者は申請方法にしたがって申請操作を行ない、申請操作を受けた情報処理装置42はサーバ40に一時許可パスワードの発行要求を送信する(S611)。そのとき同時にユーザIDと、印刷データとを送信する。サーバ40はパスワード要求を受け一時許可パスワードを発行し、情報処理装置42に送信する(S612、S613)。情報処理装置42は、サーバ40から一時許可パスワードを受信すると表示部114に表示する(S614)。そして、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答し、画像形成装置44に一時許可パスワードを送信する(S615)。画像形成装置44では受信したパスワードが正しいかどうかを判定し(S616、S617)、正しい場合は一時記憶部82に格納されていた印刷データを読出し印刷を実行する。パスワードが正しくない場合は印刷を実行せずに、再びパスワードを入力するよう情報処理装置42にメッセージを表示させる。
【0056】
以上のように、本実施の形態の画像形成システムでは、利用許可時間外に画像形成装置44を使う必要が出たときでも、一時許可パスワードを発行することで画像形成装置44を利用することができる。この一時許可パスワードの発行により、利用時間帯以外の装置利用において利用者自身で対応ができ、時間外にシステム管理者に設定変更を依頼する時間と手間とを削減することができる。
【0057】
[第2の実施の形態]
―構成―
図8を参照して、以下に本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システム230について説明する。画像形成システム230は、サーバ240と、情報処理装置242と、画像形成装置244とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0058】
図8は、第2の実施の形態に係る画像形成システム230における、サーバ240の中央演算処理部142、情報処理装置242の中央演算処理部102、及び画像形成装置244の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図8において、結合子A、B、及びCに至るまでの処理は、第1の実施の形態でサーバ40、情報処理装置42、及び画像形成装置44でそれぞれ実行されるプログラムのS601〜S611と同じである。
【0059】
図8を参照して、サーバ240で実行されるプログラムは、情報処理装置242から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS901と、S901に続き、一時許可パスワードの有効期限(例えば、あるユーザIDからの最初の印刷要求に対してパスワードを発行してから3時間)を算出するS902と、S902に続き、算出された有効期限情報を含んだ一時許可パスワードを生成してパスワード要求元である情報処理装置242へ送信するS903とを含む。S903の実行後このプログラムは終了する。
【0060】
情報処理装置242で実行されるプログラムは、図6のS611に続き、サーバ240から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示するS904と、S904に続き、ユーザからのパスワード入力操作を受け、画像形成装置244に対して一時許可パスワードを送信するS905とを含む。S905実行後このプログラムは終了する。
【0061】
画像形成装置244で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置242から一時許可パスワードを受信するS906と、S906に続き、受信した一時許可パスワードを解析して有効期限情報を抽出し一時許可パスワードが有効期限内であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS907と、S907で一時許可パスワードが有効期限内ではない(NO)と判定された場合に実行され、「入力された一時許可パスワードは期限切れである」という情報を含んだ印刷禁止情報を印刷要求元である情報処理装置242へ送信するS908とを含む。
【0062】
このプログラムはさらに、S907で一時許可パスワードが有効期限内である(YES)と判定された場合に実行され、一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合して印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS909と、S909で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力したパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置242へ送信するS911と、S909で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納されていた印刷データを読出し、印刷を実行するS910とを含む。S910の実行後このプログラムは終了する。S908又はS911を実行後、制御は図6のS608に進む。なお、この第2の実施の形態の場合、図6のS608の後には、図8のS904に処理が進むことに注意すべきである。
【0063】
―動作―
第2の実施の形態に係る画像形成システム230は以下のように動作する。
【0064】
第2の実施の形態における画像形成システム230では、第1の実施の形態と同様に、画像形成装置244に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶し、画像形成装置244に記憶される。画像形成システム230の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0065】
第2の実施の形態ではサーバ240が発行する一時許可パスワードに有効期限を持たせ、有効期限を過ぎた一時許可パスワードでは動作を無効にする制御をしている。
【0066】
情報処理装置242がサーバ240に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置242から一時許可パスワードの発行要求を送信する際、同時にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0067】
サーバ240では、受信したユーザIDを参照して一時許可パスワードの有効期限(例えば、あるユーザIDからの最初の印刷要求を受けてパスワードを発行してから3時間)を算出し、算出された有効期限情報を含んだ一時許可パスワードを生成して情報処理装置242に送信する(S902、S903)。
【0068】
情報処理装置242ではサーバ240から受信した一時許可パスワードを表示する(S904)。そして、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置244に一時許可パスワードを送信する(S905)。
【0069】
画像形成装置244では、受信した一時許可パスワードから有効期限情報を抽出し、パスワードが有効期限内であるか否かを判定する(S907)。有効期限内であれば一時許可パスワード自体が正しいかを判定し(S909)、正しければ印刷を実行する(S910)。有効期限を過ぎている場合は「一時許可パスワードの有効期限が切れている」という情報を情報処理装置242に送信し、印刷を行なわない(S908)。また、パスワードが正しくない時は「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置242に送信して印刷を行なわない(S911)。
【0070】
以上のように、第2の実施の形態の画像形成システムでは、サーバ240が発行する一時許可パスワードに有効期限を持たせることで、ユーザIDに対して利用許可時間以外の画像形成装置244の動作に時間制限を設定することができる。動作時間に制限を設けることで不必要な印刷を行なう時間を少なくし、私的な利用を防ぐことができる。
【0071】
[第3の実施の形態]
―構成―
図9及び図10を参照して、以下に本発明の第3の実施の形態に係る画像形成システム330について説明する。画像形成システム330は、サーバ340と、情報処理装置342と、画像形成装置344とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0072】
図9を参照して、ユーザ別機能設定テーブル200には、各ユーザIDに対して、画像形成装置の利用について利用許可時間帯管理テーブル86とは異なる設定がされる時間帯と、印刷画像の上にウォーターマークを重畳させるか否かと、カラー印刷を許可するか否かとの設定が記憶されている。なお、本実施の形態のシステムではウォーターマークに関する設定は使用しない。
【0073】
第3の実施の形態では、カラー印刷に関してユーザID毎に、カラー・白黒印刷許可、又は白黒印刷のみ許可のいずれかをあらかじめ設定し、ユーザ別機能設定テーブル200に記憶する。本実施の形態では、ユーザ別機能設定テーブル200は、画像形成装置344及びサーバ340に記憶される。
【0074】
第3の実施の形態ではさらに、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ340に登録しておく。
【0075】
図10は、第3の実施の形態に係る画像形成システム330における、サーバ340の中央演算処理部142、情報処理装置342の中央演算処理部102、及び画像形成装置344の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図10において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、第1の実施の形態でサーバ40、情報処理装置42、及び画像形成装置44でそれぞれ実行されるプログラムのS601〜S611と同じである。ただし、第3の実施の形態においてS607で印刷を許可しないと判定された場合は、ユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照して、ユーザID毎の画像形成装置の利用について設定があればその設定にしたがうという点が異なっている。
【0076】
図10を参照して、サーバ340で実行されるプログラムは、情報処理装置342から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1001と、S1001に続き、受信した印刷データを解析し印刷データがあらかじめサーバ340に登録されたフォーマットであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1001Aと、S1001Aで印刷データが登録されたフォーマットである(YES)と判定された場合に実行され、カラー印刷を許可する情報を発行するS1002Aと、S1001Aで印刷データが登録されたフォーマットでない(NO)と判定された場合に実行され、ユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照し、このユーザに対して、カラー印刷許可情報として、白黒印刷のみ許可、又はカラー・白黒印刷許可のいずれが設定されているかを読出すS1002と、S1002又はS1002Aに続いて実行され、カラー印刷許可情報を含んだ一時許可パスワードを生成してパスワード要求元である情報処理装置342へ送信するS1003とを含む。S1003実行後このプログラムは終了する。
【0077】
情報処理装置342で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ340から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示するS1004と、S1004に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置344に対して一時許可パスワードを送信するS1005とを含む。S1005実行後このプログラムは終了する。
【0078】
画像形成装置344で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置342から一時許可パスワードを受信するS1006と、S1006に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合し印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1007と、S1007で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納されている印刷データが白黒データであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1008と、S1008で印刷データが白黒データである(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し、印刷を実行するS1011とを含む。S1011実行後このプログラムは終了する。
【0079】
このプログラムはさらに、S1008で印刷データが白黒データではない(NO)と判定された場合に実行され、受信した一時許可パスワードを解析してカラー印刷許可情報を抽出し、カラー印刷を許可しているか否かに応じて制御の流れを分岐させるS1009と、S1009でカラー印刷を許可していない(NO)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し白黒データに変換するS1010とを含む。S1010を実行後、S1011が実行されこのプログラムは終了する。S1009でカラー印刷を許可している(YES)と判定された場合は、S1011が実行されこのプログラムは終了する。
【0080】
このプログラムはさらに、S1007で、印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置342へ送信するS1012を含む。S1012実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0081】
―動作―
第3の実施の形態に係る画像形成システム330は以下のように動作する。
【0082】
第3の実施の形態における画像形成システム330では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置344に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置344に記憶される。画像形成システム330の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0083】
第3の実施の形態においては、各ユーザIDに対して、利用許可時間帯管理テーブル86とは別に画像形成装置344の利用を許可する時間帯と、カラー印刷を許可するか、白黒印刷のみを許可するかのカラー印刷許可との設定をあらかじめ行なう。これらの設定情報は、ユーザ別機能設定テーブル200と呼ばれるテーブルに記憶する。ユーザ別機能設定テーブル200は、画像形成装置344及びサーバ340に記憶される。
【0084】
第3の実施の形態においてはさらに、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ340に登録しておく。
【0085】
この第3の実施の形態の画像形成システム330は、情報処理装置342がサーバ340に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。ただし、S607で印刷を許可しないと判定された場合、画像形成装置344は、ユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照し、ユーザID毎の画像形成装置の利用についての設定があればその設定にしたがう。この点は第1の実施の形態と異なる。情報処理装置342は、一時許可パスワードの発行要求をサーバ340に送信する際、共にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0086】
サーバ340では、受信した印刷データを解析し、印刷データがあらかじめ登録してあるフォーマットと一致するかを判定する(S1001A)。印刷データがあらかじめ登録してあるフォーマットと一致する場合、サーバ340はカラー印刷を許可し(S1002A)、カラー印刷許可情報を含んだ一時許可パスワードを生成して情報処理装置342に送信する(S1003)。印刷データがあらかじめ登録してあるフォーマットと一致しない場合、サーバ340は、受信したユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを比較し、ユーザIDに設定されたカラー印刷許可情報を読出し(S1002)、読出したカラー印刷許可情報を含んだ一時許可パスワードを生成して情報処理装置342に送信する。
【0087】
情報処理装置342では、サーバ340から受信した一時許可パスワードを表示する(S1004)。情報処理装置342は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置344に一時許可パスワードを送信する(S1005)。
【0088】
画像形成装置344では、情報処理装置342から受信した一時許可パスワードが正しいかを判定する(S1007)。パスワードが正しければ一時記憶部82に格納されている印刷データが白黒データであるか又はカラーデータであるかを判定する(S1008)。白黒データの場合(S1008でYES)は、一時記憶部82から印刷データを読出し印刷を実行する(S1011)。印刷データがカラーデータの場合(S1008でNO)は、一時許可パスワードに含まれるカラー印刷許可情報を参照し、カラー印刷が許可されているかを判定する(S1009)。カラー印刷が許可されている場合には一時記憶部82から印刷データを読出してカラー印刷を実行する。白黒印刷のみが許可されている場合には、一時記憶部82に格納されているカラー印刷データを白黒データに変換し(S1010)、一時記憶部82から印刷データを読出して白黒印刷を実行する。
【0089】
以上のように、第3の実施の形態の画像形成システムでは、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ340に登録し、印刷データが登録されたフォーマットであるかを判定する。印刷データが登録されているフォーマットである時は、印刷データのカラー印刷を許可する。登録されたフォーマットでない場合は、ユーザID毎に設定された、カラー印刷許可、又は白黒印刷のみ許可の設定にしたがってカラー印刷を制限する。
【0090】
このように、フォーマットと一致しないデータを印刷するときにユーザIDに対してあらかじめ時間外印刷時のカラー印刷の制限をかけることで、許可されていない者による不要なカラー印刷を防ぐことができる。不要なカラー印刷を防ぐことで印刷コスト削減を図ることができる。
【0091】
白黒印刷のみ許可又はカラー・白黒印刷両方許可を判定する方法は、ユーザ別機能設定テーブル200を作成しユーザID毎にカラー印刷許可情報をあらかじめ設定しておく方法の他に、カラー印刷を許可するユーザIDだけをあらかじめ別の管理テーブルに登録しておき、受信したユーザIDがその管理テーブルに含まれるかどうかで判定する方法などがある。
【0092】
図9の例では、利用許可時間帯、ウォーターマークの重畳の有無、及びカラー印刷許可の有無が1つのユーザIDに対してすべて設定されているが、いずれか一つだけ設定することも可能である。利用許可時間帯に関する設定も、1時間単位での設定になっているが分単位での設定も可能である。また、ユーザ別機能設定テーブル200を記憶する装置としては、画像形成装置344、情報処理装置342、及びサーバ340のいずれの場合も有り得るものとする。
【0093】
[第4の実施の形態]
―構成―
図11を参照して、以下に本発明の第4の実施の形態に係る画像形成システム430について説明する。画像形成システム430は、サーバ440と、情報処理装置442と、画像形成装置444とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0094】
第4の実施の形態では、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ440に登録しておく。
【0095】
図11は、第4の実施の形態に係る画像形成システム430における、サーバ440の中央演算処理部142、情報処理装置442の中央演算処理部102、及び画像形成装置444の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図11において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。
【0096】
図11を参照して、サーバ440で実行されるプログラムは、情報処理装置442から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1101と、S1101に続き、受信した印刷データを解析し印刷データがあらかじめサーバ440に登録されたフォーマットであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1102と、S1102で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではない(NO)と判定された場合に実行され、受信したユーザIDに対して印刷データ情報(印刷枚数及び、白黒、カラーの印刷種別)に応じた課金処理を行なうS1103と、S1103に続き、一時許可パスワードを生成してパスワード要求元である情報処理装置442へ送信するS1104とを含む。S1102で、印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットである(YES)と判定された場合、制御はS1104に進む。S1104実行後このプログラムは終了する。
【0097】
情報処理装置442で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ440から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示するS1105と、S1105に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置444に対して一時許可パスワードを送信するS1106とを含む。S1106実行後このプログラムは終了する。
【0098】
画像形成装置444で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置442から一時許可パスワードを受信するS1107と、S1107に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合し、印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1108と、S1108で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し、印刷を実行するS1109とを含む。S1109実行後このプログラムは終了する。
【0099】
このプログラムはさらに、S1108で、印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を印刷要求元である情報処理装置442へ送信するS1110とを含む。S1110実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0100】
―動作―
第4の実施の形態に係る画像形成システム430は以下のように動作する。
【0101】
第4の実施の形態における画像形成システム430では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置444に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置444に記憶される。画像形成システム430の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0102】
第4の実施の形態においてはさらに、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ440に登録しておく。
【0103】
第4の実施の形態では、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ440に登録しておき、サーバ440で情報処理装置442から受信した印刷データを解析し、登録してあるフォーマットと一致すればそのまま一時許可パスワードを発行する。登録していない印刷データであればユーザIDに対して印刷データ情報に応じた課金処理を行なった後、一時許可パスワードを発行する動作を行なう。
【0104】
第4の実施の形態に係る画像形成システム430は、情報処理装置442がサーバ440に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置442は、一時許可パスワードの発行要求をサーバ440に送信する際、ユーザIDと印刷データとを同時に送信する。
【0105】
サーバ440では受信した印刷データを解析し、印刷データがあらかじめ登録してあるフォーマットと一致するかを判定する(S1102)。印刷データが登録されたフォーマットと一致する場合、サーバ440は一時許可パスワードを発行し情報処理装置442に送信する(S1104)。一致しない場合はユーザIDに対して印刷データ情報(印刷枚数及び、白黒、カラーの印刷種別)に応じた課金処理を行なった(S1103)後、一時許可パスワードを発行し情報処理装置442に送信する。
【0106】
情報処理装置442では、サーバ440から受信した一時許可パスワードを表示する(S1105)。情報処理装置442は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からパスワードの入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置444に一時許可パスワードを送信する(S1106)。
【0107】
画像形成装置444では、情報処理装置442から受信した一時許可パスワードが正しいかどうかを判定する(S1108)。一時許可パスワードが正しければ一時記憶部82に格納されている印刷データを読出し、印刷を実行する(S1109)。一時許可パスワードが正しくない場合は「入力されたパスワードが間違っている」という情報を情報処理装置442に送信し、印刷を行なわない(S1110)。
【0108】
以上のように、第4の実施の形態の画像形成システムでは、あらかじめ業務に使う印刷フォーマットをサーバ440に登録しておき、送信された印刷データが登録されているフォーマットであるかを判定する。印刷データが登録されているフォーマット以外の時にはユーザIDに対して課金処理がされ、利用者は有料で印刷を行なうことができる。登録されたフォーマット以外の印刷は有料とすることで私的利用を防ぐことができる。また、課金処理は利用者を識別するユーザIDに対して行なわれるため、利用者に対して印刷代金の請求が可能になる。その結果、利用者がわからない私的利用によるコストの発生を防ぐことができる。
【0109】
[第5の実施の形態]
―構成―
図12を参照して、以下に本発明の第5の実施の形態に係る画像形成システム530について説明する。画像形成システム530は、サーバ540と、情報処理装置542と、画像形成装置544とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0110】
第5の実施の形態においては、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ540に登録しておく。
【0111】
図12は、第5の実施の形態に係る画像形成システム530における、サーバ540の中央演算処理部142、情報処理装置542の中央演算処理部102、及び画像形成装置544の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図12において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。
【0112】
図12を参照して、サーバ540で実行されるプログラムは、情報処理装置542から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1201と、S1201に続き、受信した印刷データを解析し印刷データがあらかじめサーバ540に登録されたフォーマットであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1202と、S1202で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットである(YES)と判定された場合に実行され、一時許可パスワードを生成してパスワード要求元である情報処理装置542へ送信するS1205とを含む。
【0113】
このプログラムはさらに、S1202で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではない(NO)と判定された場合に実行され、受信したユーザIDに対して印刷データ情報(印刷枚数及び、白黒、カラーの印刷種別)に応じた課金処理を行なうS1203と、S1203に続き、印刷レポートデータを作成し情報処理装置542へ送信するS1204とを含む。S1204を実行後、S1205が実行される。S1205実行後このプログラムは終了する。
【0114】
S1204で作成される印刷レポートには、印刷枚数、白黒、カラーの印刷種別、印刷ファイル名、印刷日時の他に、印刷される各ページのサムネイル表示及び課金処理された金額などの情報が含まれる。
【0115】
情報処理装置542で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ540から印刷レポートデータを受信し画像形成装置544へ転送するS1206と、S1206に続き、サーバ540から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示させるS1207と、S1207に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置544に対して一時許可パスワードを送信するS1208とを含む。S1208終了後このプログラムは終了する。
【0116】
画像形成装置544で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置542から印刷レポートデータを受信するS1209と、S1209に続き、情報処理装置542から一時許可パスワードを受信するS1210と、S1210に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合して印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1211と、S1211で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し印刷を実行するS1212とを含む。
【0117】
このプログラムはさらに、S1212に続き、情報処理装置542から印刷レポートデータを受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1213と、S1213で印刷レポートデータを受信した(YES)と判定された場合に実行され、印刷レポートデータを印刷するS1214とを含む。S1214実行後このプログラムは終了する。S1213で印刷レポートを受信していない(NO)と判定された場合、このプログラムは終了する。このプログラムはさらに、S1211で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置542へ送信するS1215を含む。S1215実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0118】
―動作―
第5の実施の形態に係る画像形成システム530は以下のように動作する。
【0119】
第5の実施の形態における画像形成システム530では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置544に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置544に記憶される。画像形成システム530の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0120】
第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同じく業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ540に登録しておく。サーバ540は、情報処理装置542から受信した印刷データを解析し、登録してあるフォーマットと一致すればそのまま一時許可パスワードを発行する。登録していないフォーマットの印刷データであればユーザIDに対して印刷データ情報に応じた課金処理を行なう。サーバ540は課金処理後、印刷データ情報及び印刷される各ページのサムネイル表示を含んだ印刷レポートデータを作成する。
【0121】
第5の実施の形態に係る画像形成システム530は、情報処理装置542がサーバ540に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置542は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、ユーザIDと印刷データとを送信する。
【0122】
サーバ540では、受信した印刷データを解析し、印刷データがあらかじめ登録してあるフォーマットと一致するかを判定する(S1202)。印刷データが登録されたフォーマットと一致する場合、一時許可パスワードを発行し情報処理装置542に送信する(S1205)。一致しない場合、サーバ540はユーザIDに対して印刷データ情報(印刷枚数及び、白黒、カラー印刷種別)に応じた課金処理を行なう(S1203)。課金処理実行後、印刷レポートデータを作成し、情報処理装置542に送信する(S1204)。作成される印刷レポートには、印刷枚数、白黒、カラー印刷種別、印刷ファイル名、印刷日時の他に、印刷される各ページのサムネイル表示及び課金処理された金額などの情報が含まれる。サーバ540は、印刷レポートデータ送信後、一時許可パスワードを発行し情報処理装置542に送信する。
【0123】
情報処理装置542は、サーバ540から印刷レポートデータを受信した場合は、そのまま画像形成装置544に送信する(S1206)。情報処理装置542は、サーバ540から一時許可パスワードを受信した場合は一時許可パスワードを表示する(S1207)。情報処理装置542は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワードの入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置544に一時許可パスワードを送信する(S1208)。
【0124】
画像形成装置544では、情報処理装置542から印刷レポートデータを受信する(S1209)。画像形成装置544は、情報処理装置542から受信した一時許可パスワードが正しいかを判定する(S1211)。一時許可パスワードが正しければ一時記憶部82に格納されている印刷データを読出し、印刷を実行する(S1212)。一時許可パスワードが正しくない場合は、画像形成装置544は「入力されたパスワードが間違っている」という情報を情報処理装置542に送信し、印刷を行なわない(S1215)。また画像形成装置544は、印刷実行後、情報処理装置542から印刷レポートデータを受信したか否かを判定し(S1213)、印刷レポートデータを受信していた場合には、印刷レポートデータを印刷する(S1214)。
【0125】
以上のように、第5の実施の形態の画像形成システムでは、あらかじめ業務に使う印刷フォーマットをサーバ540に登録しておき、送信された印刷データが登録されているフォーマットであるかを判定する。印刷データが登録されたフォーマット以外の時にはユーザIDに対して課金処理がされ、利用者は有料で印刷を行なうができる。また有料で印刷を行なった際には画像形成装置544は印刷レポートを印刷する。印刷レポートには課金情報の他に、印刷された各ページのサムネイル表示も含まれるため、登録フォーマット以外で業務に関連した印刷を行なった場合に、課金処理の修正を申し出るときの証拠として使用することができる。印刷レポートを作成することで、業務での利用と私的利用とを区別することができ、正規業務で利用する者から不要な課金を防ぐことができる。
【0126】
[第6の実施の形態]
―構成―
図13及び図14を参照して、以下に本発明の第6の実施の形態に係る画像形成システム630について説明する。画像形成システム630は、サーバ640と、情報処理装置642と、画像形成装置644とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。本実施の形態では、時間外の印刷の場合、印刷文書にウォーターマークを重畳する。
【0127】
図13を参照して、「時間外印刷(土曜日 13:05)」と表される文字列600が印刷データに重畳されるウォーターマークの例である。文字列600は、時間外印刷であることが分かればよく、例えば、曜日及び時間の部分は印刷時の時刻が設定される。第6の実施の形態では、印刷データに重畳させるウォーターマークをあらかじめ画像形成装置644に登録しておく。
【0128】
図14は、第6の実施の形態に係る画像形成システム630における、サーバ640の中央演算処理部142、情報処理装置642の中央演算処理部102、及び画像形成装置644の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図14において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。
【0129】
図14を参照して、サーバ640で実行されるプログラムは、情報処理装置642から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1301と、S1301に続き、一時許可パスワードを生成してパスワード要求元である情報処理装置642へ送信するS1302とを含む。S1302終了後このプログラムは終了する。
【0130】
情報処理装置642で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ640から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示させるS1303と、S1303に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置644に対して一時許可パスワードを送信するS1304とを含む。S1304終了後このプログラムは終了する。
【0131】
画像形成装置644で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置642から一時許可パスワードを受信するS1305と、S1305に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合し印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1306と、S1306で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し、あらかじめ登録しておいたウォーターマークを印刷データに重畳させるS1307と、S1307に続き、印刷データを印刷するS1308とを含む。S1308を実行後、このプログラムは終了する。
【0132】
このプログラムはさらに、S1306で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置642へ送信するS1309を含む。S1309実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0133】
―動作―
第6の実施の形態に係る画像形成システム630は以下のように動作する。
【0134】
第6の実施の形態における画像形成システム630では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置644に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置644に記憶される。画像形成システム630の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0135】
第6の実施の形態では、印刷データに重畳するためのウォーターマークを予め画像形成装置644に登録しておく。
【0136】
第6の実施の形態に係る画像形成システム630は、情報処理装置642がサーバ640に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置642は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、同時にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0137】
サーバ640では、情報処理装置642から一時許可パスワードの発行要求を受けると、一時許可パスワードを生成し、情報処理装置642に送信する(S1301、S1302)。
【0138】
情報処理装置642は、サーバ640から受信した一時許可パスワードを表示する(S1303)。表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置644に一時許可パスワードを送信する(S1304)。
【0139】
画像形成装置644は、情報処理装置642から受信した一時許可パスワードが正しいかを判定する(S1306)。一時許可パスワードが正しいと判定された時、画像形成装置644は、一時記憶部82に格納した印刷データを読出し、印刷データにあらかじめ登録されたウォーターマークを重畳する(S1307)。ウォーターマーク重畳後、印刷データを印刷する(S1308)。一時許可パスワードが正しくないと判定された時は、画像形成装置644は「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置642に送信し、印刷を行なわない(S1309)。
【0140】
以上のように、この第6の実施の形態の画像形成システムでは、利用許可された時間外に印刷を行なう時は、印刷データ自体に目印となるウォーターマークを重畳させるので、利用許可時間内に印刷されたものと区別することができる。印刷データ上に可視情報を付加させることで印刷結果が見づらくなるため、不正な印刷を防ぐことができる。
【0141】
[第7の実施の形態]
―構成―
図15を参照して、以下に本発明の第7の実施の形態に係る画像形成システム730について説明する。画像形成システム730は、サーバ740と、情報処理装置742と、画像形成装置744とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0142】
第7の実施の形態では、印刷データに重畳させるウォーターマークをあらかじめ画像形成装置744に登録しておく。また、ユーザID毎に、印刷データに対してウォーターマークを重畳するか否かを設定し、ユーザ別機能設定テーブル200に登録して、あらかじめ画像形成装置744に記憶しておく。なお、本実施の形態のシステムではユーザ別機能設定テーブル200のカラー印刷に関する設定は使用しない。
【0143】
図15は、第7の実施の形態に係る画像形成システム730における、サーバ740の中央演算処理部142、情報処理装置742の中央演算処理部102、及び画像形成装置744の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図15において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6に示す第1の実施の形態でサーバ40、情報処理装置42、及び画像形成装置44でそれぞれ実行されるプログラムのS601〜S611と同じである。ただし、第7の実施の形態において、S607で印刷を許可しないと判定された場合、ユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照し、ユーザID毎の画像形成装置の利用についての設定があればその設定にしたがうという点が異なっている。
【0144】
図15を参照して、サーバ740で実行されるプログラムは、情報処理装置742から一時許可パスワード要求、ユーザID及び印刷データを受信するS1401と、S1401に続き、一時許可パスワードを生成し、パスワード要求元である情報処理装置742に一時許可パスワード及びユーザIDを送信するS1402とを含む。S1402実行後このプログラムは終了する。
【0145】
情報処理装置742で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ740から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示させるS1403と、S1403に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置744に対して一時許可パスワード及びユーザIDを送信するS1404とを含む。S1404実行後このプログラムは終了する。
【0146】
画像形成装置744で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置742から一時許可パスワード及びユーザIDを受信するS1405と、S1405に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合し印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1406と、S1406で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出すS1407とを含む。
【0147】
このプログラムはさらに、S1407に続き、受信したユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照し、受信したユーザIDの印刷データに対してウォーターマークを重畳する設定であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1408と、S1408でウォーターマークを重畳する設定である(YES)と判定された場合に実行され、S1407で読出した印刷データにウォーターマークを重畳させる処理を行なうS1409と、S1409に続き、印刷データを印刷するS1410とを含む。S1410実行後このプログラムは終了する。
【0148】
S1408で、ウォーターマークを重畳する設定でない(NO)と判定された場合、制御はS1410に進み、S1407で読出した印刷データを印刷後このプログラムは終了する。このプログラムはさらに、S1406で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置742へ送信するS1411を含む。S1411実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0149】
―動作―
第7の実施の形態に係る画像形成システム730は以下のように動作する。
【0150】
第7の実施の形態における画像形成システム730では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置744に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置744に記憶される。画像形成システム730の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0151】
第7の実施の形態ではさらに、印刷データに重畳させるウォーターマークと、各ユーザIDに対して利用許可時間帯管理テーブル86とは別に利用を許可する時間帯、及び印刷データにウォーターマークを重畳させるか否かを設定したユーザ別機能設定テーブル200とを、あらかじめ画像形成装置744に記憶させる。
【0152】
第7の実施の形態に係る画像形成システム730は、情報処理装置742がサーバ740に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。ただし、S607で印刷を許可しないと判定された場合には、画像形成装置744は、ユーザIDとユーザ別機能設定テーブル200とを参照し、ユーザID毎の画像形成装置の利用についての設定があればその設定にしたがう。この点は第1の実施の形態と異なる。情報処理装置742は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、同時にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0153】
サーバ740では、一時許可パスワードの発行要求を受けパスワードを発行し、発行した一時許可パスワード及びユーザIDを情報処理装置742に送信する(S1401、S1402)。
【0154】
情報処理装置742では、サーバ740から受信した一時許可パスワードを表示する(S1403)。情報処理装置742は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して、画像形成装置744に一時許可パスワード及びユーザIDを送信する(S1404)。
【0155】
画像形成装置744では、情報処理装置742から受信した一時許可パスワードが正しいかを判定する(S1406)。画像形成装置744は、一時許可パスワードが正しいと判定された時、一時記憶部82に格納した印刷データを読出す(S1407)。次に、受信したユーザIDとあらかじめ登録されたユーザID毎のウォーターマーク重畳情報とを参照し、ウォーターマークを重畳する設定であるかを判定する(S1408)。ウォーターマークを重畳する設定であると判定された時は、画像形成装置744は一時記憶部82から読出した印刷データにウォーターマークを重畳し(S1409)、印刷データを印刷する(S1410)。ウォーターマークを重畳する設定ではないと判定された時は、画像形成装置744は読出した印刷データをそのまま印刷する。一時許可パスワードが正しくないと判定された時は、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置742に送信し、印刷を行なわない(S1411)。
【0156】
以上のように、第7の実施の形態の画像形成システムでは、ウォーターマークの重畳の有無をユーザ毎にあらかじめ設定しておくことで、時間外印刷においてもウォーターマークを重畳することなく印刷することができる。この設定により、あらかじめ決められたユーザに関しては時間外印刷でもウォーターマークを重畳することなく印刷出力が可能となる。
【0157】
ウォーターマーク重畳の有無を判定する方法は、ユーザ別機能設定テーブル200を作成しユーザID毎にあらかじめ設定しておく方法の他に、あらかじめ別の管理テーブルを作成しウォーターマークを重畳しないユーザIDだけを登録し、受信したユーザIDがその管理テーブルに含まれるかどうかで判定する方法などがある。
【0158】
[第8の実施の形態]
―構成―
図16を参照して、以下に本発明の第8の実施の形態に係る画像形成システム830について説明する。画像形成システム830は、サーバ840と、情報処理装置842と、画像形成装置844とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0159】
第8の実施の形態では、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ840に登録しておく。また、印刷データ上に重畳するためのウォーターマークを画像形成装置844に登録しておく。
【0160】
図16は、第8の実施の形態に係る画像形成システム830における、サーバ840の中央演算処理部142、情報処理装置842の中央演算処理部102、及び画像形成装置844の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図16において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。
【0161】
図16を参照して、サーバ840で実行されるプログラムは、情報処理装置842から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1501と、S1501に続き、一時許可パスワードを生成するS1502と、S1502に続き、受信した印刷データを解析し、印刷データがあらかじめサーバ840に登録されたフォーマットであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1503と、S1503で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットである(YES)と判定された場合に実行され、生成した一時許可パスワードを情報処理装置842へ送信するS1505と、S1503で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではない(NO)と判定された場合に実行され、ウォーターマークの重畳指示情報をS1502で生成された一時許可パスワードに結合し、制御をS1505に進めるS1504とを含む。S1505実行後このプログラムは終了する。
【0162】
情報処理装置842で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ840から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示させるS1506と、S1506に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置844に対して一時許可パスワードを送信するS1507とを含む。S1507実行後このプログラムは終了する。
【0163】
画像形成装置844で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置842から一時許可パスワードを受信するS1508と、S1508に続き、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合して印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1509と、S1509で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出すS1510と、S1510に続き、受信した一時許可パスワードを解析しウォーターマークの重畳指示情報が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1511と、S1511で重畳指示情報が含まれている(YES)と判定された場合に実行され、読出した印刷データに対してウォーターマークを重畳させるS1512と、S1512に続き、印刷データの印刷を実行するS1513とを含む。S1513実行後、このプログラムは終了する。S1511で重畳指示情報が含まれない(NO)と判定された場合は、制御はS1513に進み、S1510で読出した印刷データを印刷し、S1513実行後このプログラムは終了する。
【0164】
このプログラムはさらに、S1509で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置842へ送信するS1514を含む。S1514実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0165】
―動作―
第8の実施の形態に係る画像形成システム830は以下のように動作する。
【0166】
第8の実施の形態における画像形成システム830では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置844に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置844に記憶される。画像形成システム830の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0167】
第8の実施の形態においてはさらに、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ840に登録しておく。また、印刷データ上に重畳するためのウォーターマークを画像形成装置844に登録しておく。
【0168】
サーバ840は、情報処理装置842から受信した印刷データを解析し、登録してあるフォーマットと一致しない場合は、発行する一時許可パスワードにウォーターマークの重畳指示情報を結合する。重畳指示情報が結合された一時許可パスワードを受信した画像形成装置844は、印刷データにウォーターマークを重畳して印刷を行なう。
【0169】
第8の実施の形態に係る画像形成システム830は、情報処理装置842がサーバ840に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置842は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、同時にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0170】
サーバ840では、一時許可パスワードの発行要求を受けパスワードを発行する(S1501、S1502)。サーバ840は、受信した印刷データを解析し、あらかじめ登録してあるフォーマットであるかを判定する(S1503)。印刷データが登録してあるフォーマットである場合、サーバ840は発行した一時許可パスワードをそのまま情報処理装置842に送信する(S1505)。印刷データが登録してあるフォーマットではない場合、サーバ840はウォーターマークを印刷データに重畳するよう一時許可パスワードに重畳指示情報を結合し(S1504)、情報処理装置842に送信する。
【0171】
情報処理装置842は、サーバ840から受信した一時許可パスワードを表示する(S1506)。情報処理装置842は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からパスワードの入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して画像形成装置844に一時許可パスワードを送信する(S1507)。
【0172】
画像形成装置844では、情報処理装置842から受信した一時許可パスワードが正しいかを判定する(S1509)。一時許可パスワードが正しいと判定された時は、画像形成装置844は一時記憶部82に格納された印刷データを読出す(S1510)。画像形成装置844は、受信した一時許可パスワードを解析し重畳指示情報が含まれているか否かを判定する(S1511)。重畳指示情報が含まれている場合には、画像形成装置844は、読出した印刷データにウォーターマークを重畳する処理を行ない(S1512)、印刷データを印刷する。重畳指示情報が含まれていない場合には、画像形成装置844は読出した印刷データをそのまま印刷する。一時許可パスワードが正しくないと判定された時は、画像形成装置844は「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置842に送信し、印刷を行なわない(S1514)。
【0173】
以上のように、第8の実施の形態の画像形成システムでは、あらかじめ業務で利用する印刷フォーマットをサーバ840に登録しておき、送信された印刷データがフォーマットと異なる場合にはサーバ840で作成するパスワードに重畳指示情報を結合させる。画像形成装置844において、パスワードに重畳指示情報を確認した時は、印刷データ上に予め登録しておいたウォーターマークを重畳する。この制御により、設定許可時間以外に登録された印刷フォーマット以外のデータを印刷しようとした時には、印刷データ上にウォーターマークが重畳される。その結果、定められたフォーマットとは異なる私的データの印刷を防ぐことができる。
【0174】
[第9の実施の形態]
―構成―
図17を参照して、以下に本発明の第9の実施の形態に係る画像形成システム930について説明する。画像形成システム930は、サーバ940と、情報処理装置942と、画像形成装置944とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0175】
第9の実施の形態においては、業務で使われる印刷フォーマットを予めサーバ940に登録しておく。第9の実施の形態ではさらに、利用者の各々にあらかじめ割当てられるユーザIDを記憶した個人カードを用いる。
【0176】
図17は、第9の実施の形態に係る画像形成システム930における、サーバ940の中央演算処理部142、情報処理装置942の中央演算処理部102、及び画像形成装置944の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図17において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。
【0177】
図17を参照して、サーバ940で実行されるプログラムは、情報処理装置942から一時許可パスワード要求、ユーザID、及び印刷データを受信するS1601と、S1601に続き、一時許可パスワードを生成するS1602と、S1602に続き、受信した印刷データを解析し印刷データがあらかじめサーバ940に登録されたフォーマットであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1620と、S1620で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではない(NO)と判定された場合に実行され、受信したユーザID情報を一時許可パスワードに結合するS1603と、S1603に続き、生成した一時許可パスワードを情報処理装置942へ送信するS1604とを含む。S1620で、印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットである(YES)と判定された場合、制御はS1604に進む。S1604実行後、このプログラムは終了する。
【0178】
情報処理装置942で実行されるプログラムは、図6に示すS611に続き、サーバ940から一時許可パスワードを受信し表示部114に表示させるS1605と、S1605に続き、利用者からのパスワード入力操作を受け、画像形成装置944に対して一時許可パスワードを送信するS1606とを含む。S1606実行後このプログラムは終了する。
【0179】
画像形成装置944で実行されるプログラムは、図6に示すS608に続き、情報処理装置942から一時許可パスワードを受信するS1607と、S1607に続き、受信した一時許可パスワードにユーザID情報が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1607Aと、S1607AでユーザID情報が含まれている(YES)と判定された場合に実行され、個人カードの情報を記憶媒体読取部90に読取らせるよう表示部70にメッセージを表示するS1608と、S1608に続き、記憶媒体読取部90で個人カードの情報を読取ったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1609と、S1609で個人カードの情報を読取った(YES)と判定された場合に実行され、個人カードからユーザID情報を取得するS1610と、S1610に続いて、受信した一時許可パスワードから抽出したユーザID情報と個人カードから取得したユーザID情報とが一致するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1611とを含む。
【0180】
このプログラムはさらに、S1611で受信した一時許可パスワードから抽出したユーザID情報と個人カードから取得したユーザID情報とが一致する(YES)と判定された場合に実行され、受信した一時許可パスワードとパスワード照合プログラム84の実行結果とを照合し印刷を許可するか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1612と、S1612で印刷を許可する(YES)と判定された場合に実行され、一時記憶部82に格納された印刷データを読出し、印刷をするS1613とを含む。S1607Aで、ユーザID情報が含まれていない(NO)と判定された場合、制御はS1612に進む。S1613実行後このプログラムは終了する。S1609で個人カードが読取られていない(NO)と判定された場合、制御はS1608に進む。S1611で、受信した一時許可パスワードから抽出したユーザID情報と個人カードから取得したユーザID情報とが一致しない(NO)と判定された場合、制御はS1608に進む。
【0181】
このプログラムはさらに、S1612で印刷を許可しない(NO)と判定された場合に実行され、「入力されたパスワードは間違っている」という情報を含んだ印刷禁止情報を、印刷要求元である情報処理装置942へ送信するS1614を含む。S1614実行後、制御は図6に示すS608に進む。
【0182】
―動作―
第9の実施の形態に係る画像形成システム930は以下のように動作する。
【0183】
第9の実施の形態における画像形成システム930では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置944に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置944に記憶される。画像形成システム930の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0184】
第9の実施の形態では、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ940に登録しておく。サーバ940は情報処理装置942から受信した印刷データを解析し、登録してあるフォーマットと一致すれば、そのまま一時許可パスワードを送信する。登録していない印刷データであれば、一時許可パスワードにユーザID情報を付加させて、送信する。
【0185】
第9の実施の形態ではさらに、利用者の各々に割当てられたユーザID情報を記憶した個人カードが利用者に配布される。利用者は、画像形成装置944の要求に応じて記憶媒体読取部90に個人カードを読取らせて、ユーザ認証を行ない、画像形成装置944を動作させる。
【0186】
第9の実施の形態に係る画像形成システム930は、情報処理装置942がサーバ940に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置942は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、ユーザIDと印刷データとを送信する。
【0187】
サーバ940では、一時許可パスワードの発行要求を受けパスワードを発行する(S1601、S1602)。サーバ940は、受信した印刷データを解析し、印刷データが予め登録されたフォーマットと一致するかを判定する(S1620)。印刷データが登録されたフォーマットである場合は、サーバ940は生成した一時許可パスワードをそのまま情報処理装置942に送信する(S1604)。印刷データが登録されたフォーマットではない場合、サーバ940は、受信したユーザID情報を発行した一時許可パスワードに結合させ(S1603)、そのパスワードを情報処理装置942に送信する。
【0188】
情報処理装置942は、サーバ940から受信した一時許可パスワードを表示する(S1605)。情報処理装置942は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からのパスワード入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して画像形成装置944に一時許可パスワードを送信する。
【0189】
画像形成装置944では、情報処理装置942から一時許可パスワードを受信し(S1607)、一時許可パスワードにユーザID情報が含まれているかを判定する(S1607A)。一時許可パスワードにユーザID情報が含まれている場合、画像形成装置944は、利用者の個人カードを記憶媒体読取部90に読取らせるようにメッセージを表示する(S1608)。記憶媒体読取部90が個人カードの情報を読取ると(S1610)、画像形成装置944は、受信した一時許可パスワードから抽出したユーザID情報と個人カードに記憶されているユーザID情報とが一致するかを判定する(S1611)。両方のユーザID情報が一致した時、または一時許可パスワードにユーザID情報が含まれていない場合は、画像形成装置944は、受信した一時許可パスワードが正しいか否かを判定する(S1612)。一時許可パスワードが正しいと判定された時は、画像形成装置944は一時記憶部82に格納された印刷データを読出し印刷する(S1613)。一時許可パスワードが正しくないと判定された時は、画像形成装置944は「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置942に送信し、印刷を行なわない(S1614)。また、一時許可パスワードから抽出したユーザID情報と個人カードに記憶されているユーザID情報とが一致しなかった場合は、画像形成装置944は利用者に対して個人カードを再度読取らせるよう表示して、印刷を行なわない。
【0190】
以上のように、第9の実施の形態の画像形成システムでは、サーバ940に予め登録されたフォーマットと受信した印刷データとが一致しない場合、発行する一時許可パスワードにユーザID情報を付加させる。そして、一時許可パスワードに含まれるユーザID情報と、個人カードから読取るユーザID情報とを比較することで、画像形成装置944の動作を制御する。画像形成システムにおいて、情報処理装置942がサーバ940に対して送信するユーザIDは端末ログオン時に入力されるIDであり、ログオンした利用者とは異なる人物によって画像形成装置が不正に操作されることも考えられる。そのため、端末にログオンした人物と実際に操作している人物とが同一人物であることを確認するために、ユーザIDが記憶された個人カードによる動作制御は大変有効である。この動作制御は登録されたフォーマット以外の私的な印刷を防ぐと同時に、他人のユーザIDを使って端末を操作する「なりすまし」を防ぐことができ、セキュリティの面でも効果がある。
【0191】
[第10の実施の形態]
―構成―
図18を参照して、以下に本発明の第10の実施の形態に係る画像形成システム1030について説明する。画像形成システム1030は、サーバ1040と、情報処理装置1042と、画像形成装置1044とを含む。これらのハードウェア構成は、第1の実施の形態のサーバ40、情報処理装置42、画像形成装置44とそれぞれ同一のため説明は繰返さない。
【0192】
第10の実施の形態では、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ1040に登録しておく。また、印刷が禁止されている時間帯における印刷指示において、印刷を許可する枚数(N枚)を予め設定し、画像形成装置1044に登録しておく。
【0193】
図18は、第10の実施の形態に係る画像形成システム1030における、サーバ1040の中央演算処理部142、情報処理装置1042の中央演算処理部102、及び画像形成装置1044の制御部60で実行されるプログラムをそれぞれ表している。図18において、結合子A、B、Cに至るまでの処理は、図6で実行される各プログラムのS601〜S611と同じである。また、図18に示すプログラムには、図16に示すプログラムに含まれる処理と同じ処理が含まれる。図18において、図16に示すプログラムの処理と同じ処理には同じ参照符号を振り、説明を繰返さない。
【0194】
図18を参照して、サーバ1040で実行されるプログラムは、S1503で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではない(NO)と判定された場合(NOの場合)に実行され、受信したユーザIDに対して印刷データ情報(印刷枚数及び、白黒、カラーの印刷種別)に応じた課金処理を行なうS1810と、S1810に続き、印刷枚数制限指示をS1502で生成された一時許可パスワードに結合した後、制御をS1505に進めるS1811とをさらに含む。S1503で印刷データがあらかじめ登録されたフォーマットではある(YES)と判定された場合、制御はS1505に進む。S1505を実行後このプログラムは終了する。
【0195】
画像形成装置1044で実行されるプログラムは、S1510に続き、受信した一時許可パスワードを解析し印刷枚数制限指示が含まれているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS1820と、S1820で印刷枚数制限指示が含まれている(YES)と判定された場合に実行され、読出した印刷データを予め設定された枚数(N枚)のみ印刷するS1821と、S1820で印刷枚数制限指示が含まれない(NO)と判定された場合に実行され、読出した印刷データを印刷するS1822とをさらに含む。S1821実行後、又はS1822実行後、このプログラムは終了する。
【0196】
―動作―
第10の実施の形態に係る画像形成システム1030は以下のように動作する。
【0197】
第10の実施の形態における画像形成システム1030では、第1の実施の形態と同様に画像形成装置1044に関して曜日及び時間帯毎に動作の「許可」又は「禁止」をあらかじめ設定しておく。設定された情報は利用許可時間帯管理テーブル86に記憶され、画像形成装置1044に記憶される。画像形成システム1030の利用者の各々には、あらかじめユーザIDが割当てられる。
【0198】
第10の実施の形態においてはさらに、業務で使われる印刷フォーマットをあらかじめサーバ1040に登録しておく。また、印刷が禁止されている時間帯での印刷指示に対して、印刷を許可する枚数(N枚)を予め設定し、画像形成装置1044に登録しておく。
【0199】
サーバ1040は、情報処理装置1042から受信した印刷データを解析し、登録してあるフォーマットと一致しない場合は、ユーザに対して印刷データ情報に応じた課金処理を行なう。予め設定された枚数だけ印刷するように印刷枚数制限指示を一時許可パスワードに付加させる。印刷枚数制限指示が付加された一時許可パスワードを受信した画像形成装置1044は、印刷データを設定された枚数のみ印刷する。
【0200】
第10の実施の形態に係る画像形成システム1030は、情報処理装置1042がサーバ1040に対して一時許可パスワード要求を発行するまでは第1の実施の形態と同様に動作する。情報処理装置1042は、一時許可パスワードの発行要求を送信する際、同時にユーザIDと印刷データとを送信する。
【0201】
サーバ1040では、一時許可パスワードの発行要求を受けパスワードを発行する(S1501、S1502)。サーバ1040は、受信した印刷データを解析し、あらかじめ登録してあるフォーマットであるかを判定する(S1503)。印刷データが登録してあるフォーマットと一致する場合は、サーバ1040は発行した一時許可パスワードをそのまま情報処理装置1042に送信する(S1505)。印刷データが登録してあるフォーマットと一致しない場合、サーバ1040は、印刷データ情報に応じた課金処理を行なう(S1810)。サーバ1040は、課金処理後、印刷する枚数を制限するように印刷枚数制限指示を一時許可パスワードに結合させて情報処理装置1042に送信する(S1811)。
【0202】
情報処理装置1042は、サーバ1040から受信した一時許可パスワードを表示する(S1506)。情報処理装置1042は、表示画面180のテキストボックス182に利用者からパスワードの入力を受け、印刷続行ボタン184が押されたことに応答して画像形成装置1044に一時許可パスワードを送信する(S1507)。
【0203】
画像形成装置1044では、情報処理装置1042から受信した一時許可パスワードが正しいか否かを判定する(S1509)。一時許可パスワードが正しいと判定された時は、画像形成装置1044は一時記憶部82に格納された印刷データを読出す(S1510)。画像形成装置1044は、受信した一時許可パスワードを解析し、印刷枚数制限指示情報が含まれているか否かを判定する(S1820)。印刷枚数制限指示が含まれている場合には、画像形成装置1044は、読出した印刷データを許可する枚数(N枚)分だけ印刷する(S1821)。印刷枚数制限指示が含まれていない場合には、画像形成装置1044は読出した印刷データをそのまま印刷する(S1822)。一時許可パスワードが正しくないと判定された時は、画像形成装置1044は「入力されたパスワードは間違っている」という情報を情報処理装置1042に送信し、印刷を行なわない(S1514)。
【0204】
以上のように、第10の実施の形態の画像形成システムでは、あらかじめ業務で利用する印刷フォーマットをサーバ1040に登録しておき、送信された印刷データが、登録されたフォーマットと異なる場合には、ユーザに対して課金処理を行なう。また、課金処理を行なった場合も予め設定された枚数までしか印刷することができない。このように印刷制限をすることで、例えば、時間外に多くのページから構成される私的な印刷データの印刷を防ぐことができる。その結果、私的利用による印材の消費を防ぐことができる。
【0205】
以上のように、例示した各実施の形態により、画像形成システムの利用において、業務に支障を与えることなく私的な利用を防ぐことができる画像形成システムを提供することができる。
【0206】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0207】
30、230、330、430、530、630、730、830、930、1030 画像形成システム
40、240、340、440、540、640、740、840、940、1040 サーバ
42、242、342、442、542、642、742、842、942、1042 情報処理装置
44、244、344、444、544、644、744、844、944、1044 画像形成装置
46 ネットワーク
60 制御部
66 印刷制御部
68 画像形成部
70、114、152 表示部
72、120、158 操作部
74、110、148 通信インターフェイス
82 一時記憶部
86 利用許可時間帯管理テーブル
88、104、144 記憶部
90 記憶媒体読取部
92、124、162 バス
102、142 中央演算処理部
106 プリンタドライバ
182 テキストボックス
184 印刷続行ボタン
200 ユーザ別機能設定テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷されるべきデータと、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子とを受信するためのデータ受信手段と、
前記データ受信手段が受信した前記データにより表される書類が予め定められたフォーマットにしたがっているか否かを判定するための第1の判定手段と、
前記第1の判定手段の判定結果にしたがって、前記データの印刷を許可又は制限するための印刷制御手段とを含む、画像形成システム。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、
前記第1の判定手段により、前記データが前記フォーマットにしたがっていると判定されたとき、前記データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、
前記第1の判定手段により、前記データにより表される書類が前記フォーマットにしたがっていないと判定されたとき、前記データの一部のみの印刷を許可するための印刷制限手段とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記印刷制御手段は、
前記第1の判定手段により、前記データが前記フォーマットにしたがっていると判定されたとき、前記データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、
前記第1の判定手段により、前記データが前記フォーマットにしたがっていないと判定されたときに、前記識別子に対応するユーザに所定の課金をして前記データを印刷するための手段とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
ユーザごとに、第1の色数での印刷のみが許可されているか、前記第1の色数での印刷に加え、前記第1の色数より多い第2の色数での印刷も許可されているかを判定するための第2の判定手段をさらに含み、
前記印刷制御手段は、
前記第1の判定手段により、前記データが前記フォーマットにしたがっていると判定されたとき、前記データを印刷することを許可するための印刷許可手段と、
前記第1の判定手段により、前記データにより表される書類が前記フォーマットにしたがっていないと判定されたとき、前記第2の判定手段の判定結果にしたがった色数の範囲で前記データを印刷することを許可するための手段とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1の判定手段により、前記データにより表される書類が前記フォーマットにしたがっていないと判定されたことに応答して、前記データにより表される書類のサムネイルを含む印刷結果レポートを作成するためのレポート作成手段をさらに含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
印刷を許可する時間的条件を記録する印刷管理テーブルを記憶するための記憶手段をさらに含み、
前記印刷制御手段は、
前記データの印刷の依頼の時刻が前記印刷管理テーブルに記録された前記時間的条件に合致するか否かを判定するための第2の判定手段と、
前記第1の判定手段の判定結果と、前記第2の判定手段の判定結果との組合せにしたがって、前記データの印刷を許可又は制限するための手段とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記印刷管理テーブルは、ユーザごとに、印刷を許可する時間的条件を記録しており、
前記第2の判定手段は、前記データの印刷の依頼の時刻が、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子に対応して前記印刷管理テーブルに記録されている前記時間的条件に合致するか否かを判定するための手段を含む、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記印刷管理テーブルはさらに、ユーザごとに、当該ユーザに対して記録された前記時間的条件が充足されていないときに印刷画像に所定の変更を加えるか否かを指定した指示を記録しており、
前記許可又は制限するための手段は、前記第1の判定手段の判定結果と、前記第2の判定手段の判定結果との組合せにしたがって、前記データの印刷を許可するか、又は前記データに対し、当該データの印刷を依頼したユーザの識別子に対応して前記印刷管理テーブルに記録されている指示にしたがった変更を行なって印刷するための手段を含む、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記変更は、前記データに対して、予め準備された可視画像を重畳する処理である、請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記可視画像は、印刷許可時間外であることを示す文字列を含む画像である、請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
ユーザの識別情報を記憶した記憶媒体からユーザの識別情報を読取るための読取手段をさらに含み、
前記印刷制御手段は、
前記第1の判定手段により、前記データにより表される書類が前記フォーマットにしたがっていると判定されたことに応答して、当該データの印刷を許可するための手段と、
前記第1の判定手段により、前記データにより表される書類が前記フォーマットにしたがっていないと判定されたことに応答して、前記読取手段によりユーザの識別情報の読取を行なうための手段と、
前記読取手段によって読取られた識別情報と、前記データの印刷を依頼したユーザの識別子とが所定の関係を充足するか否かにしたがって、前記データの印刷を許可又は制限するための手段とを含む、請求項1に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−44744(P2010−44744A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137361(P2009−137361)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】