説明

画像形成媒体収容装置

【課題】画像形成装置のマガジン装填部200に着脱可能に装填されるマガジン100において、マガジン100の装填及び取出しの作業性を出来る限り向上させる。
【解決手段】マガジン100のマガジンケース150を、マガジン装填部200に対してキャスター111を介してケース長手方向に移動させることで着脱するように構成するとともに、マガジンケース150の幅方向の一方側及び他方側のそれぞれに、鉛直方向に延びる軸周りに回転可能な回転部材で構成されたガイドベアリング112を、複数(例えば4つ)ずつ設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に画像形成媒体を収容する収容部を有するケース部材を備え、該画像形成媒体の画像形成面上に画像を形成する画像形成装置に設けた装填部に着脱可能に装填される画像形成媒体収容装置に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば写真現像等に用いられる画像形成装置として、例えば特許文献1に示されているように、レーザ光により、感光材料からなるペーパー(例えば印画紙等の画像形成媒体)に画像露光を行う装置が知られている。この装置は、現像済みネガフィルムに形成されたコマ画像の画像データや、種々の記憶メディアに格納されている画像データを読み取り、これらの画像データに基づいてペーパーの乳剤面(画像形成面)に画像を焼付露光するように構成されている。すなわち、この装置は、ペーパーを搬送する搬送機構やレーザ光を出射するレーザユニットを備えており、このレーザ光を、前記搬送機構により搬送されているペーパーの乳剤面に対し、その搬送方向とは垂直な方向(ペーパー幅方向)に走査しながら照射することによって、該乳剤面上に潜像画像を形成するようになっている。この潜像画像が形成されたペーパーは、現像処理部へ搬送されて現像処理がなされ、これにより、ペーパーの乳剤面上に所望の画像が形成されることになる。
【0003】
前記のような画像形成装置では、例えば特許文献2や特許文献3にも示されているように、予め前記ペーパーをロール状に巻いた状態でマガジンに収容しておき、このマガジンを、画像形成装置に設けたマガジン装填部に装填するようになっている。このマガジンは、通常、作業者が持ち運び可能な大きさのものであり、ペーパーの交換時には、作業者がマガジンを手に持ってマガジン装填部に装填したりマガジン装填部から取り出したりしている。そして、前記特許文献3に示されているように、マガジンを所定位置に載せたスライド可能なマガジン台が位置決め機構によって位置決めされることで、マガジンのマガジン装填部に対する位置が決まるようになっている。
【特許文献1】特開平10−325983号公報
【特許文献2】特開2001−42440号公報
【特許文献3】特開2004−302284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、広告用プリント等のように、幅サイズが非常に大きなペーパー(例えば約600mm幅のペーパー)を収容するようなマガジンの場合には、マガジン及び該マガジンに収容するペーパーの重量が非常に大きくなり、このため、作業者がマガジンを持ち上げてマガジン装填部に装填したり取り出したりする作業は非常に難しくなる。この問題を解消するため、装置内部にマガジンを設置するのではなく、装置外部側方に隣接するようにマガジンを設置するシステム構成も考えられるが、この場合には、大きな設置スペースが必要になる。
【0005】
そこで、マガジンの底面にキャスター等のマガジン移動用ローラを設けて装置外部から内部へ導き入れることが考えられる。このようにすれば、作業者が、マガジンをローラを介して移動させることで、マガジン装填部に対する装填及び取り出しが容易に行えるようになり、作業性が非常に向上するという利点がある。
【0006】
しかしながら、マガジンを前記のようなローラを介して移動させながらマガジン装填部に装填する際には、通常、マガジンを移動方向の後側から押して移動させることになるが、このとき、マガジンの移動方向の前側部分が該移動方向と垂直な水平方向にふらつき易くて、マガジンがマガジン装填部の側壁やマガジン装填部の周囲に設けた部材等に衝突する可能性がある。特にペーパーの幅がかなり大きい場合には、通常、マガジンをペーパーの幅方向に対応するマガジン長手方向に押すことになり、マガジンの移動方向の前側部分はより一層大きくふらつくこととなる。このため、マガジンをマガジン装填部にスムーズに装填することが困難になるとともに、画像形成装置内の部材やマガジンが損傷する可能性が高くなる。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前記マガジンのような、画像形成装置に着脱可能に装填される画像形成媒体収容装置において、画像形成装置に対する収容装置の装填及び取出しの作業性を出来る限り向上させようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、この発明では、ケース部材を、装填部に対してケース部材移動用のローラを介して該ケース部材の第1方向に移動させることで着脱するように構成するとともに、ケース部材において前記第1方向と平面視で垂直な第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに、鉛直方向に延びる軸周りに回転可能な回転部材で構成された回転規制部材を、複数ずつ設けるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、内部に画像形成媒体を収容する収容部を有するケース部材を備え、該画像形成媒体の画像形成面上に画像を形成する画像形成装置に設けた装填部に着脱可能に装填される画像形成媒体収容装置を対象とする。
【0010】
そして、前記ケース部材の底面に、該ケース部材移動用のローラが設けられ、前記ケース部材は、前記装填部に対して前記ローラを介して該ケース部材の第1方向に移動することで着脱されるように構成され、前記画像形成装置の装填部には、前記ケース部材の前記装填部に対する着脱時の移動方向に沿って延びかつ平面視で該移動方向と垂直な方向に互いに所定間隔をあけて対向する一対の装填部ガイド部材が設けられており、前記ケース部材において前記第1方向と平面視で垂直な第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに、鉛直方向に延びる軸周りに回転可能な回転部材で構成されかつ前記着脱時に該回転部材の外周面が前記一対の装填部ガイド部材の対向面にそれぞれ接触することで該ケース部材が前記第1方向と垂直な水平方向に移動するのを規制する回転規制部材が、複数ずつ設けられているものとする。
【0011】
前記の構成により、ケース部材が大きくかつ重くても、ローラを設けることで、画像形成装置に対するケース部材の装填及び取出しが容易に行えるようになるとともに、画像形成装置外でケース部材をローラを介して例えば暗室等へ自由に移動させることができる。そして、ケース部材の装填部への装填時において、ケース部材をローラを介して該ケース部材の第1方向に移動させる際、回転規制部材及び装填部ガイド部材によりケース部材の特に移動方向前側部分が第1方向と垂直な水平方向にふらつくのが抑制される。しかも、ケース部材における第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに複数の回転規制部材が設けられているので、ケース部材における第2方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、ケース部材の装填部への装填の出来るだけ早い段階で、少なくとも2つ(両側の合計で4つ)の回転規制部材を装填部ガイド部材と接触可能な状態にすることができ、このような状態にすれば、ケース部材のふらつきを確実に抑えることができる。よって、画像形成媒体収容装置を装填部にスムーズに装填することが可能になるとともに、画像形成装置内の部材や画像形成媒体収容装置が損傷するのを防止することができる。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記ケース部材における前記第2方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、3つ以上の回転規制部材が前記第1方向に一定の間隔をあけて配設されているものとする。
【0013】
このことにより、ケース部材のふらつきをより一層確実に抑えることができる。また、装填部ガイド部材が連続していなくて長さ方向の一部が切り欠かれていたとしても、その切欠きの長さを、回転規制部材の第1方向の配置間隔(前記一定の間隔)よりも小さく設定すれば、ケース部材のふらつきを抑えることができる。すなわち、ケース部材における第2方向の一方側又は他方側のそれぞれにおいて、1つの回転規制部材が切欠きに対応する部分に位置したとしても、残りの少なくとも2つの回転規制部材が装填部ガイド部材と接触可能な位置に位置するようにすることで、ケース部材のふらつきを良好に抑えることができる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記画像形成装置における前記装填部への入口手前側に、該装填部の床面と該画像形成装置の設置面との間に架設されるタラップが設けられ、前記ケース部材は、前記タラップを経由して、前記ローラを介した該ケース部材の第1方向への移動により、前記装填部に対して着脱されるように構成され、前記タラップの左右両側に、互いに対向する一対のタラップガイド部材が設けられ、前記タラップの一方のタラップガイド部材の対向面と、前記装填部の一方の装填部ガイド部材の対向面とが、平面視で同じ直線上に位置しているとともに、該一方のタラップガイド部材の装填部ガイド部材側の端と、該一方の装填部ガイド部材のタラップガイド部材側の端とが、所定距離だけ隔たり、前記タラップの他方のタラップガイド部材の対向面と、前記装填部の他方の装填部ガイド部材の対向面とが、平面視で同じ直線上に位置しているとともに、該他方のタラップガイド部材の装填部ガイド部材側の端と、該他方の装填部ガイド部材のタラップガイド部材側の端とが、前記所定距離だけ隔たっており、前記ケース部材における前記第2方向の一方側及び他方側のそれぞれの回転規制部材の前記第1方向の配置間隔が、前記所定距離よりも大きく設定されているものとする。
【0015】
このことで、装填部の床面と該画像形成装置の設置面との間に段差があったとしても、作業者は画像形成媒体収容装置を持ち上げる必要がなく、画像形成媒体収容装置を押してタラップ上を移動させることで、装填部に対して容易に装填したり取り出したりすることができるようになる。また、タラップガイド部材と装填部ガイド部材とが不連続になっているが、このように不連続であっても、回転規制部材の第1方向の配置間隔(前記一定の間隔)を所定距離よりも大きく設定しておくことで、前記装填部ガイド部材が切り欠かれている場合と同様に、ケース部材のふらつきを良好に抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の画像形成媒体収容装置によると、ケース部材を、装填部に対してケース部材移動用のローラを介して該ケース部材の第1方向に移動させることで着脱するように構成するとともに、ケース部材において前記第1方向と平面視で垂直な第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに、鉛直方向に延びる軸周りに回転可能な回転部材で構成された回転規制部材を、複数ずつ設けるようにしたことにより、画像形成装置に対する収容装置の装填及び取出しの作業性を向上させることができるとともに、画像形成装置内の部材や収容装置が損傷するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0018】
<写真処理システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成媒体収容装置としてのマガジン100が装填される画像形成装置Aを備えた写真処理システムの構成を示す部分断面図である。この図1に示す写真処理システムは、画像データを取得し、この画像データに基づいて、感光材料からなる印画紙等のペーパーP(画像形成媒体に相当)の乳剤面(画像形成面に相当)に画像を焼付露光し、写真プリントを作成する機能を備えている。
【0019】
さらに、この写真処理システムは、現像済みの写真フィルムに形成されているコマ画像をスキャニングして画像データを取得するためのフィルムスキャナー(図示省略)や、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体に格納されている画像データを読み取るためのメディア読取部(図示省略)を備えている。
【0020】
図1において画像形成装置Aの左右方向の一端部(図1の右側端部)には、マガジン90,100がそれぞれ装填される2つのマガジン装填部95,200が、上下方向に並んで配設されている。上側のマガジン装填部95に装填されるマガジン(以下、上側のマガジンという)90及び下側のマガジン装填部200に装填されるマガジン(以下、下側のマガジン又は単にマガジンという)100には、それぞれ、長尺のペーパーPが乳剤面を外側にしてロール状に巻かれたロールRとして収容されている。上側のマガジン90は、スライドレール91(図5参照)を介して画像形成装置Aのマガジン装填部95に着脱自在に装填され、下側のマガジン100は、後述のキャスター111を介して画像形成装置Aのマガジン装填部200に着脱自在に装填される。
【0021】
前記上側のマガジン90は、比較的小さい幅サイズ(通常よく使用されている汎用性の高いサイズ(約300mm以下))のペーパーP(ロールR)を収容するためのものであって、従来よりよく知られた構成のものであり、その詳細な説明は省略する。
【0022】
一方、前記下側のマガジン100は、上側のマガジン90に収容されるペーパーPよりもかなり幅広(例えば約600mm)のペーパーP(ロールR)を収容するためのものであって、本発明の対象として、後にその構成を詳細に説明する。
【0023】
前記マガジン装填部95,200にそれぞれ装填された上側又は下側のマガジン90,100のうち、一方のマガジンがプリントサイズ等に応じて選択され、該選択された方のマガジンから引き出されたペーパーPが、所定の搬送経路に沿って搬送されるようになっている。
【0024】
すなわち、上側又は下側のマガジン90,100のうち一方から引き出されたペーパーPは、アドバンスローラユニット4により方向変換され、ペーパーカッター5により、所定のプリントサイズに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって、下流側に位置する露光エンジン7へと搬送される。
【0025】
前記露光エンジン7には、上流側露光搬送ローラ9a及び下流側露光搬送ローラ9b(両者を区別しないときには、単に露光搬送ローラ9ともいう)が設けられている。これらの露光搬送ローラ9a,9bの間には、ペーパーPをレーザー光によって露光処理するための露光位置が設定されている。上流側露光搬送ローラ9aの上流側には、ペーパー検出センサー10が設けられており、ペーパーPが送り込まれてくると、その先端(前端)部分を検出して信号を出力するようになっている。このペーパー検出センサー10は、赤外光を出力する発光素子と、これを受光する受光素子とにより構成される。このペーパー検出センサー10によってペーパーPの位置を検出することで、前記露光位置における露光開始タイミングを決めることができる。
【0026】
前記露光エンジン7は、公知の構造からなるもので、レーザー光源(レーザーダイオード等)から出力されるレーザー光を画像データに基づいて光変調し、この光変調されたレーザー光をペーパーPに照射することで、画像露光を行う。この画像露光を行う際には、ペーパーPは、露光搬送ローラ9により挟持された状態で、所定速度(一定速度)で搬送される。前記レーザー光は、ペーパーPの搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査されるため、ペーパーP上には1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
【0027】
そして、上述のような画像露光が行われながら、ペーパーPは、下流側の露光搬送ローラ9bによって露光位置よりも下流側へ送り出されていく。前記露光エンジン7の下流側には、第1搬送ユニット11が設けられている。この第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯周りに回転可能に設けられていて、下流側の露光搬送ローラ9bにより受け渡されたペーパーPを、さらに第2搬送ユニット12に受け渡す機能を備えている。
【0028】
前記第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿うように配置された複数の挟持搬送ローラ対12aと、搬送経路を形成するためのガイド板12bとを備えており、搬送ローラ対12aは図示しない駆動機構によって駆動されるように構成されている。
【0029】
また、前記露光エンジン7の下流側(図1において露光エンジン7の左側)には、搬送方向の長さが所定長さ(例えば430.1mm)以上のペーパーPを一時的に収容するための収容空間部Sが設けられている。
【0030】
すなわち、露光位置から現像処理部までの距離よりもペーパーPの長さが長いと露光中に現像処理部に該ペーパーPが入ることになり、該現像処理部での処理によって発生する振動がペーパーPの露光部分に伝達されて露光ムラの原因となるため、ペーパーPの搬送方向の長さが前記所定長さ以上の場合には前記収容空間部S内にペーパーPを収容することで露光ムラの発生を防止するようにしている。
【0031】
一方、搬送方向の長さが所定長さよりも短いペーパーPは、上述のような露光ムラの問題が生じないため、前記収容空間部S内に収容されることなく、現像処理部へと搬送されることになる。上述の問題が生じないような搬送方向長さのペーパーPについても前記収容空間部S内に収容すると、装置全体としての処理速度が無駄に低下してしまうからである。
【0032】
前記収容空間部Sには、ペーパーPを巻き取るための巻き取りドラム20と、この巻き取りドラム20の外周面にペーパーPを圧着して保持するための圧着ローラ21とが配置されている。これらの巻き取りドラム20及び圧着ローラ21は、ペーパーPの搬送方向前端側を挟持するとともに、巻き取り機構8としても機能する。
【0033】
前記収容空間部S内の巻き取りドラム20の下方には、前記収容空間部S内に収容されるペーパーPのたるみを検出するためのたるみ検出センサー22が設けられている。このたるみ検出センサー22は、発光素子22aと受光素子22bとによって構成され、発光素子22aから照射される光がペーパーPによって遮断されると、たるみ量が所定量よりも大きい状態であると判断される。ここで、前記発光素子22aと受光素子22bとを結ぶラインは、水平線に対して傾斜するように設定されている。
【0034】
<下側のマガジンの構成>
図2は下側のマガジン100の構成を示す側面図であり、図3は下側のマガジン100の構成を示す正面図である。このマガジン100は、略矩形箱状のケース部材としてのマガジンケース150を備えており、このマガジンケース150の内部に、ペーパーP(ロールR)を収容する収容部が形成されている。なお、図2及び図3は、マガジンケース150を、画像形成装置A外の床面F(例えば画像形成装置Aの設置面や暗室の床面等)上に後述のキャスター111を介して置いた状態を示している。
【0035】
前記マガジンケース150において、図2の左右方向をケース長手方向という。このケース長手方向は、前記収容部に収容されているペーパーP(ロールR)の幅方向と一致する。また、ケース長手方向において図3の手前側(図2の右側)をケース正面側といい、奥側(図2の左側)をケース背面側とういう。さらに、マガジンケース150において、図3の左右方向をケース幅方向といい、ケース正面側から見て左側(図3の左側)をケース左側といい、右側(図3の右側)をケース右側という。
【0036】
前記マガジンケース150は、ケース本体としてのマガジン本体部101と、開閉部材としてのマガジン蓋部102とで構成されている。前記マガジン本体部101における底面を除く部分(本実施形態では、上面の一部及びケース右側の側面)には、前記ロールRを前記収容部に対して出し入れするための開口部が形成されており、マガジン蓋部102は、この開口部を開閉するようになっている。
【0037】
具体的には、マガジン蓋部102は、ケース長手方向に延びているとともに、開口部を閉塞しているときには、上下方向に延びていて、マガジン本体部101のケース左側の側面と対向している。なお、マガジン蓋部102の上端部は、開口部を閉塞しているときに、マガジン本体部101のケース左側の側面に向かって略水平に突出していて、マガジン本体部101の上面と共に、マガジンケース150の上面を構成している。
【0038】
そして、前記マガジン蓋部102は、後述する下部フレーム108に取り付けられたヒンジ116を介してマガジン本体部101に取り付けられている。このヒンジ116は、マガジン蓋部102の下端部にケース長手方向に延びるように設けられた回動軸となるものであり、マガジン蓋部102はヒンジ116周りに回動することが可能になっている。この回動により、図3において二点鎖線で示すように、マガジン蓋部102の前記閉塞時における上部が、ケース右側(外側)でかつ下側へ、つまり前記床面F側へ移動することとなり、これにより、前記開口部が開放されるようになる。
【0039】
前記マガジン本体部101の底面の4つの角部(後述の2つの下部フレーム108の下面におけるケース長手方向両端部)には、マガジンケース150移動用のローラとしてのキャスター111,111,…がそれぞれ設けられている。
【0040】
前記マガジン蓋部102の前記閉塞時における上部の外側面おいてケース長手方向両端部には、弾性部材としてのゴム部材115,115がそれぞれ設けられている。この各ゴム部材115は、マガジン蓋部102が前記開口部を開放したときに、前記床面Fに当接するとともに、マガジン蓋部102の自重により床面Fへ押し付けられるようになっている。この状態では、ゴム部材115と床面Fとの間の比較的大きな摩擦抵抗により、マガジン本体部101の底面にキャスター111が設けられていても、マガジンケース150がキャスター111を介して床面F上を移動し難くなる。すなわち、各ゴム部材115は、マガジンケース150のマガジン本体部101が床面F上にキャスター111を介して置かれた状態にあるときにおいて、マガジン蓋部102が前記開口部を開放したときに、マガジンケース150がキャスター111を介して前記床面F上を移動するのを抑制する役割を果たす。
【0041】
前記マガジン本体部101の上面におけるケース長手方向の両端部には、前記マガジン蓋部102を係合自在に保持する係合具103がそれぞれ設けられており、これら係合具103の係合により、前記開口部を完全に閉塞して前記収容部内を遮光した状態に維持することができるとともに、係合具103を解除することで、マガジン蓋部102を回動させて前記開口部を開放状態にすることができるようになっている。
【0042】
前記マガジン本体部101のケース左側側面の上部には、前記収容部に収容されたロールRから引き出されたペーパーPをマガジンケース150から外部に排出するためのペーパー排出口104が形成されている。このペーパー排出口104には、該ペーパー排出口104を閉塞するシャッター105が設けられている。このシャッター105は、常時は、閉状態となるように付勢手段により付勢されており、後述のシャッター開閉スイッチ107が押されたときのみ、開状態となる。
【0043】
前記マガジン本体部101のケース正面側の面には、前記ロールRから引き出したペーパーPをペーパー排出口104に手動で送り出すための調整ローラ106と、前記シャッター105の開閉を行うためのシャッター開閉スイッチ107とが設けられている。
【0044】
前記シャッター開閉スイッチ107は、作業者が押すことでシャッター105の開閉を行うことが可能である。また、マガジン100を画像形成装置Aのマガジン装填部200内に装填した後に、図示しない装置前面カバーを閉じると、この閉動作に連動して、装置前面カバーの内側に設けられた突起部により押されるようになっている。これにより、装置前面カバーを閉めるだけでシャッター105が開かれ、マガジン100からペーパーPを送り出すことができる状態となる。一方、装置前面カバーを開けると、シャッター開閉スイッチ107が前記装置前面カバーの突起部により押されなくなって前記付勢手段により自動的に元の状態に復帰し、これによりシャッター105が閉じられる。なお、装置前面カバーを閉じると、画像形成装置Aの内部は遮光された状態になるので、シャッター105が開かれても、マガジン100内のペーパーPが露光することはない。
【0045】
前記マガジン本体部101の底面におけるケース幅方向両端には、ケース長手方向に延びる下部フレーム108がそれぞれ配設されている。この各下部フレーム108は、マガジン本体部101のケース正面側の面よりもケース正面側に突出しており、この突出部分の下面に、両方の下部フレーム108,108同士を連結する連結フレーム109が取り付けられている。
【0046】
また、前記下部フレーム108,108の突出部分には、3つの角パイプを接続して逆U字状に構成した取手110が取り付けられている。この取手110は、その上部がマガジン本体部101の上面よりも上方に突出しており、この突出した上部(主として水平に延びている部分)を作業者が把持して押したり引いたりすることで、マガジンケース150をキャスター111を介して床面F上を移動させることができる。
【0047】
前記各下部フレーム108の下面におけるケース長手方向両端部に、前記キャスター111が設けられている。また、各下部フレーム108の下面には、鉛直方向に延びる回転軸を有し該回転軸周りに回転する回転部材で構成された複数(本実施形態では、4つ)のガイドベアリング112が、ケース長手方向に一定の間隔を開けて配設されている。すなわち、各下部フレーム108においてケース長手方向両端部と中間部の2箇所に4つのガイドベアリング112が配設されている。
【0048】
前記各ガイドベアリング112は、マガジンケース150(マガジン100)を、マガジン装填部200に対して前記キャスター111を介してケース長手方向(第1方向に相当)に移動させることで着脱する際に、その外周面を、後述するタラップ350に設けた一対の側面ガイド板352,352(図5及び図6参照)や、マガジン装填部200に設けた一対のマガジンガイド202,202(図4参照)に接触させて転動させることで、ケース幅方向(第1方向と垂直な水平方向に相当)の移動を規制するためのものである。そのために、各ガイドベアリング112の外周面の一部が、マガジン本体部101又はマガジン蓋部102よりもケース幅方向にはみ出すように配置されている。このように、マガジンケース150の幅方向(第2方向に相当)の一方側及び他方側(ケース左側及び右側)のそれぞれにおいて、回転規制部材としてのガイドベアリング112が、4つずつ設けられていることになる。なお、ガイドベアリング112の高さ位置は、マガジンケース150の幅方向の一方側と他方側とで、同じである必要はなく、互いに上下にずれていてもよい。要するに、ガイドベアリング112は、第1方向と平面視で垂直な第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに設けられていればよい。
【0049】
前記マガジン本体部101の底面における前記両下部フレーム108,108の間の部分には、マガジン装填部200の床面に配設された後述の位置決めユニット250(図4参照)に係合してマガジンケース150(マガジン100)を位置決めするための位置決めピン113が、位置決めピンブラケット114を介して取り付けられている。
【0050】
前記位置決めピン113及び位置決めピンブラケット114は、マガジン本体部101の底面におけるケース長手方向の両端部にそれぞれ設けられており、ケース正面側のブラケットの高さ(マガジン本体部101の底面からの突出量)がケース背面側のブラケットよりも高くなっている(図10及び図11参照)。この点について詳しくは後述する。
【0051】
前記2つの下部フレーム108,108のうち、ケース左側に配設された下部フレーム108のケース背面側の端部には、後述するマガジンダンパーユニット300の係合部材301と係合するダンパー係合ピン117が設けられている。なお、本実施形態では、ダンパー係合ピン117として、下部フレーム108のケース背面側の一部を切り欠いて露出させたガイドベアリング112の回転軸を用いている。もちろん、この形態に限定するものではなく、別途専用のダンパー係合ピンを配設するようにしても構わない。
【0052】
前記マガジン100は、後述の如く、前記マガジン装填部200に対して前記キャスター111を介してケース長手方向に移動することで着脱されるように構成されている。
【0053】
<マガジン装填部の構成>
図4は画像形成装置Aにおける下側のマガジン装填部200の構成を示す平面図であり、図5は2つのマガジン装填部95,200の構成を示す側面図である。図4及び図5に示すように、下側のマガジン装填部200は、画像形成装置A内部において鉛直方向に延びるように立設した4つの装置本体フレーム201で区画される領域で構成されている。
【0054】
下側のマガジン装填部200の床面には、前記マガジン100の前記マガジン装填部200に対する着脱時の移動方向に沿って延びかつ該移動方向と垂直な水平方向に互いに所定間隔をあけて対向する一対のマガジンガイド202,202が配設され、前記マガジン100のマガジン装填部200への装填時に、該マガジン100の各ガイドベアリング112の外周面が各マガジンガイド202の対向面に接触するようになっており、このことで、各マガジンガイド202により、マガジン100をマガジン装填部200に装填する際にマガジン100がケース幅方向に移動するのを規制するようにしている。このように、マガジンガイド202,202は、マガジン装填部200に設けた一対の装填部ガイド部材を構成する。なお、マガジン100は、ケース背面側を前側にして、マガジンガイド202が延びる方向で図4の図面下側から図面上側に向かって装填されるようになっている。
【0055】
本実施形態では、前記一対のマガジンガイド202,202は、下側のマガジン装填部200において同じ高さ位置にある(マガジン100のマガジン装填部200に対する着脱時の移動方向と垂直な水平方向に互いに対向する)が、ガイドベアリング112の高さ位置が、マガジンケース150の幅方向の一方側と他方側とで互いに異なる場合には、それに対応して上下にずらすようにしてもよい。この場合、一対のマガジンガイド202,202は、平面視で、マガジン100のマガジン装填部200に対する着脱時の移動方向と垂直な方向に互いに所定間隔をあけて対向することになる。
【0056】
前記2つのマガジンガイド202,202間には、マガジン装填部200内に装填されたマガジン100の位置決めを行うための2つの位置決めユニット250,250が配設されている。これら2つの位置決めユニット250,250は、マガジン100の装填完了時における前記2つの位置決めピン113に対応する位置にそれぞれ配設されている。各位置決めユニット250は、後に詳しく説明するように、該位置決めユニット250上を通過しようとするマガジン100を、リフトローラ255により微少量だけ持ち上げて、位置決めガイド257の嵌合溝257aに前記位置決めピン113を嵌合させることで、マガジン100の位置決めを行う。
【0057】
なお、ケース背面側の位置決めピン113に対応するマガジン装填方向奥側の位置決めユニット250(図4の図面上側に記載のもの)は、その高さ(マガジン装填部200の床面からの突出量)が、ケース正面側の位置決めピン113に対応するマガジン装填方向手前側の位置決めユニット250(図4の下側に記載のもの)よりも高くなるように形成されている。その他の構造は両方とも同じであり、詳しくは後述する。
【0058】
前記マガジン装填部200におけるペーパー搬送方向下流側(図4の左側)のマガジンガイド202のマガジン装填方向奥側の端部に相当する位置には、前記ダンパー係合ピン117が係合する係合部材301が配設されている。この係合部材301は、マガジンダンパーユニット300を構成する部材の1つであり、このマガジンダンパーユニット300は、詳しくは後述するが、マガジン100の位置決めピン113が位置決めユニット250における位置決めガイド257の嵌合溝257aに嵌合される直前で、マガジン100の走行速度を減速させて衝撃力を緩和する役目を果たす。すなわち、マガジンダンパーユニット300の係合部材301の先端部が、マガジンガイド202上方からマガジン装填部200内に突出しており、この係合部材301にマガジン100のダンパー係合ピン117を係合させ、該係合時の衝撃力をショックアブソーバ302で緩和しながら、マガジン100を所定位置に導くようになっている。
【0059】
前記マガジン装填部200のマガジン装填方向手前側(装置前面カバー側)の端部には、タラップ350がタラップヒンジ361を介して接続されている。このタラップ350は、タラップヒンジ361の周りに回動させて先端部を画像形成装置Aの設置面に当接させることで、マガジン装填部200の床面と装置設置面との間に架設されるようになっている。これにより、画像形成装置Aにおけるマガジン装填部200への入口手前側に、タラップ350が設けられることとなり、これにより、マガジン装填部200の床面と装置設置面との間に段差があるにも拘わらず、マガジン100が、タラップ350を経由して、キャスター111を介したケース長手方向への移動により、マガジン装填部200に対して着脱されることで、マガジン100の装填又は取り出しがスムーズになる。さらに、タラップ350は、タラップヒンジ361により回動自在に保持されていることから、マガジン100を装填した後に、タラップ350を鉛直方向に立てた状態(図4に示す状態で、この状態を格納状態という)にして前記装置前面カバーを閉じることで、装置前面カバーの内側に格納することができ、作業者の作業を妨げることがない。
【0060】
前記タラップ350の左右両側部には、後述の如く、側面ガイド板352,352がそれぞれ設けられている。これら両側面ガイド板352,352の一方(図4で右側の側面ガイド板352)には、一端が装置本体フレーム201に接続されたタラップ用ダンパー362が接続されている。このタラップ用ダンパー362は、タラップ350の開閉速度を制御するものであり、例えば、タラップ350開閉時に作業者がタラップ350を誤って離してしまった場合でも、勢いよくタラップ350が装置設置面上に落下してしまうことを防止し、安全性を確保する上で有利である。
【0061】
なお、本実施形態では、タラップ350にタラップ用ダンパー362を取り付けた構造について説明したが、タラップ用ダンパー362が取り付けられていなくても構わない。
【0062】
また、図示は省略するが、タラップ350の開閉作業を容易にするために、タラップ350に取手を設けるようにしても構わない。
【0063】
<タラップの構成>
次に、前記タラップ350の構成について図6を参照しながら説明する。図6に示すように、タラップ350は、踏み板351と、踏み板351の幅方向両端から立設した前記側面ガイド板352,352と、踏み板351の幅方向略中央位置に配設された補強リブ353とを備えている。
【0064】
前記踏み板351は、前記マガジン100のキャスター111の走行面を構成している。また、この踏み板351には、タラップ350を格納状態にしたときに、マガジン装填部200に装填されているマガジン100のシャッター開閉スイッチ107に対応する位置に抜き孔354が開けられている。これにより、前記装置前面カバーを閉じたときに、該装置前面カバーの内側に設けられた突起部が抜き孔354を通してシャッター開閉スイッチ107を押すことができるようになっている。
【0065】
前記2つの側面ガイド板352,352は、前記マガジンガイド202,202と同様に、前記マガジン装填部200のマガジンガイド202,202間の間隔と同じ間隔をあけて互いに対向しており、その各マガジンガイド202の対向面にマガジン100の各ガイドベアリング112の外周面が接触することで、マガジン100がケース幅方向に移動するのを規制するものである。このことで、2つの側面ガイド板352,352は、タラップ350の左右両側に設けた一対のタラップガイド部材を構成する。なお、両側面ガイド板352,352のタラップ先端側の端部(マガジン装填方向の手前側の端部)は、先端に向かって踏み板351の幅方向外側に傾斜しており、このことで、タラップ先端部においては両側面ガイド板352,352の間隔が、先端に向かって大きくなるようになされていて、マガジンガイド202,202の間隔よりも大きくなっている。これにより、マガジン100をタラップ350を介してマガジン装填部200に装填する際に、マガジン100のタラップ350への入り勝手が良くなり、作業性が向上する。
【0066】
このように、本実施形態では、両方の側面ガイド板352,352がそれぞれ先端に向かって外側へ傾斜する構造としたが、この形態に限定されるものではなく、いずれか一方の側面ガイド板352のみが傾斜していて、他方は真っ直ぐに延びる構造であっても構わない。
【0067】
図4に示すように、タラップ350が格納状態にあっても、マガジン装填部200の床面と装置設置面との間に架設された状態にあっても、前記タラップ350の一方の側面ガイド板352の対向面と、前記マガジン装填部200の一方のマガジンガイド202の対向面とは、平面視で同じ直線上に位置しているとともに、タラップ350の他方の側面ガイド板352の対向面と、マガジン装填部200の他方のマガジンガイド202の対向面とは、平面視で同じ直線上に位置している。
【0068】
また、図5に示すように、タラップ350がマガジン装填部200の床面と装置設置面との間に架設された状態にあるときにおいて、前記一方の側面ガイド板352のマガジンガイド202側(マガジン装填方向奥側)の端と、前記一方のマガジンガイド202の側面ガイド板352側(マガジン装填方向手前側)の端とは、所定距離だけ隔たっているとともに、前記他方の側面ガイド板352のマガジンガイド202側(マガジン装填方向奥側)の端と、前記他方のマガジンガイド202の側面ガイド板352側(マガジン装填方向手前側)の端とは、前記所定距離だけ隔たっている。すなわち、タラップ350を格納状態にしたときには、側面ガイド板352のマガジンガイド202側の端がマガジン装填部200の床面のマガジン装填方向手前側の端部に略接触した状態となる。このとき、マガジンガイド202がマガジン装填部200のマガジン装填方向手前側の端まで延びていたとすると、マガジンガイド202と側面ガイド板352とが干渉してしまう。このため、マガジンガイド202は、図4に示すように、マガジン装填部200のマガジン装填方向手前側の端から側面ガイド板352の高さと略同じ量だけ切り取られており、これにより、側面ガイド板352とマガジンガイド202とが、前記所定距離、つまり側面ガイド板352の高さと略同じ距離だけ隔たることになる。
【0069】
前記側面ガイド板352とマガジンガイド202との間の所定距離の隔たりにより、マガジン100装填時のケース幅方向の規制が良好に行えない可能性があるが、本実施形態では、マガジンケース150の幅方向の一方側及び他方側のそれぞれのガイドベアリング112のケース長手方向の配置間隔(前記一定の間隔)が、前記所定距離よりも大きく設定されている。このことにより、マガジンケース150の幅方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、ケース長手方向に相隣接する2つのガイドベアリング112が同時に、側面ガイド板352とマガジンガイド202との間に対応する部分に位置することはない。また、マガジンケース150の幅方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、1つのガイドベアリング112が側面ガイド板352とマガジンガイド202との間に対応する部分に位置したとしても、残りの少なくとも2つのガイドベアリング112が、側面ガイド板352又はマガジンガイド202と接触可能な位置に位置するようになっており、この少なくとも2つのガイドベアリング112により、マガジン100のケース幅方向の移動が良好に規制される。
【0070】
なお、前記所定距離が大きいと、その分だけ前記ガイドベアリング112のケース長手方向の配置間隔を大きくしなければならなくなるので、ガイドベアリング112の配設数が少なくなってしまう。このため、側面ガイド板352の高さは、マガジン100の装填時に少なくともガイドベアリング112の外周面が接触する高さであって、マガジン100をスムーズに装填可能なできるだけ低い高さにして、前記所定距離を出来る限り小さくすることが好ましい。
【0071】
前記補強リブ353は、前記踏み板351におけるキャスター111の走行面側に配設されており、キャスター111の走行領域とオーバーラップしない幅方向の略中央位置にマガジン装填方向に延びるように形成されている。
【0072】
具体的には、補強リブ353は、板材を断面ハット状に折り曲げてなっていて、そのフランジ部が踏み板351に接合されて踏み板351と共に閉断面構造をなしている。これにより、踏み板351の強度を確保することができるとともに、踏み板351の裏面に補強リブ353を設けた場合に比べて、側面ガイド板352及び補強リブ353を含むタラップ350全体の厚さが小さくて済む。また、踏み板351の裏面に補強リブ353を設けると、タラップ350を格納状態にしたときに、補強リブ353がマガジン装填方向手前側に出っ張るために、装置前面カバーとの干渉や作業者の作業を妨げるといった問題があるので、補強リブ353をキャスター111の走行面側に配設する方が有利である。
【0073】
なお、本実施形態では、タラップ350をタラップヒンジ361を介して回動自在に画像形成装置Aに取り付ける形態について説明しているが、タラップ350を画像形成装置Aから取り外し可能な別部材として装置内部の空きスペースに格納しておき、必要に応じてマガジン装填部200の床面と装置設置面とを架設するように設置して使用するような形態であっても構わない。
【0074】
<位置決めユニットの構成>
図7は位置決めユニット250の構成を示す平面図であり、図8は位置決めユニットの構成を示す側面図であり、図9は位置決めユニット250の構成を示す正面図である。図7〜図9に示すように、各位置決めユニット250は、マガジン装填部200の床面に設置される2つの設置ブラケット251,251を備えている。この各設置ブラケット251は、マガジン装填部200の床面に接触する水平部分と、鉛直方向に延びる鉛直部分とからなる略L字状部材で構成されている。2つの設置ブラケット251,251は、互いに前記鉛直部分を内側にして対向した状態でマガジン装填部200の床面に設置されている。
【0075】
前記2つの設置ブラケット251,251間には、本体部252が取り付けられている。この本体部252は、該本体部252の幅方向(設置ブラケット251,251の対向方向)に貫通して延びるローラ支軸253を有し、このローラ支軸253の両端部にはリフトローラ255が回転自在に取り付けられており、ローラ支軸253のリフトローラ255よりも長さ方向外側部分は、本体部252に固定された保持ブラケット254により保持されている。
【0076】
前記リフトローラ255は、マガジン100のマガジン本体部101の底面に取り付けられた位置決めピンブラケット114に当接して、マガジン装填方向に走行するマガジン100全体を持ち上げるものであり、リフトローラ255の上端の高さ位置がマガジン装填部200に装填されたマガジン100の高さの基準位置となるように設定されている。
【0077】
具体的に、前記本体部252には、設置ブラケット251に対する本体部252の高さ位置を調整する4つの高さ調整ボルト256,256,…が設けられており、この各高さ調整ボルト256により本体部252の高さ位置を調整することで、リフトローラ255のマガジン装填部200床面からの高さ位置を調整することができるようになっている。
【0078】
前記本体部252の上面には、マガジン100の位置決めピン113が嵌合可能な位置決めガイド257が取り付けられている。この位置決めガイド257には、マガジン装填方向の手前側に開口する嵌合溝257aが形成されている。また、位置決めガイド257におけるマガジン装填方向の手前側の端部(嵌合溝257aの開口端部の両側部分)の上面は、マガジン100の入り勝手を良くするために、マガジン装填方向の手前側に向かって高さが低くなる傾斜状に加工されているとともに、嵌合溝257aの溝幅が、開口端部において、マガジン装填方向の手前側に向かって大きくされている。
【0079】
なお、前記位置決めユニット250は、マガジン装填部200におけるマガジン装填方向の手前側と奥側とに2箇所配設されているが、両者の違いは床面からの高さのみであり、奥側よりも手前側の位置決めユニット250の方が床面からの高さが低くなっている。この点について、以下に説明する。
【0080】
図10は、マガジン100をマガジン装填部200に装填し始めた状態を示す図である。図10に示す手前側の位置決めユニット250における位置決めガイド257上面の床面からの高さは、マガジン100におけるマガジン本体部101の底面のケース背面側に設けられた位置決めピン113先端(下端)の床面からの高さよりも低くなるように設定されている。これにより、該位置決めガイド257上面と該位置決めピン113先端との間には、高さの差Hの分だけ隙間が形成され、マガジン100は手前側の位置決めユニット250の上方を通過可能となっている。
【0081】
図11は、マガジン100をマガジン装填部200に装填完了させる直前の状態を示す図である。図11に示すように、マガジン本体部101の底面のケース正面側に設けられた位置決めピン113は、手前側の位置決めユニット250の位置決めガイド257に嵌合可能な高さに設定されている。
【0082】
したがって、このままマガジン100を装填方向に移動させると、まず、リフトローラ255とマガジン100の位置決めピンブラケット114とが摺接し、そのままリフトローラ255上に位置決めピンブラケット114が乗り上げた状態となる。その結果、マガジン100のキャスター111が床面から離れた状態となる。
【0083】
図12は、マガジン100のマガジン装填部200内における位置決めが完了した状態を示す図である。図12に示すように、マガジン100がリフトローラ255に乗り上げた状態で、さらにマガジン100を移動させていくと、位置決めガイド257の嵌合溝257aに、その開口側から位置決めピン113が嵌合されていき、マガジン100のマガジン装填部200に対するマガジン装填方向及びケース幅方向の位置が決定される。
【0084】
このように、マガジン100がリフトローラ255上に乗り上げることで、キャスター111によってマガジン装填方向のみならずケース幅方向にも移動可能であったマガジン100が、マガジン装填方向のみに移動方向が規制されることとなり、マガジン装填がスムーズに行える。
【0085】
また、キャスター111の部品精度に起因するマガジン100の高さ方向の位置決め誤差が、リフトローラ255の高さを基準として行うことで解消でき、マガジン100の高さ方向の位置決めをより精度良く行うことができる。
【0086】
<マガジンダンパーユニットの構成>
図13は、マガジンダンパーユニット300の構成を示す平面図であって、マガジンダンパーユニット300が作動する前の状態を示している。
【0087】
図13に示すように、マガジンダンパーユニット300は、前記の如く、マガジン装填部200に装填されてくるマガジン100の走行速度を減速させてマガジン100と画像形成装置Aとの衝撃力を緩和するものであって、マガジン100のダンパー係合ピン117に係合する係合部材301を備えている。
【0088】
前記係合部材301は、マガジン装填部200の床面に設置された設置ブラケット303と該設置ブラケット303に取り付けられたカバーブラケット304とに、両者の間に挟まれた状態でかつ回転中心となる回転軸305を介して回転自在に取り付けられている。
【0089】
前記係合部材301の係合側先端部には、マガジン100のダンパー係合ピン117が当接する当接突起部301aと、ダンパー係合ピン117を保持する保持突起部301bとが形成されている。
【0090】
具体的に、マガジン100をマガジン装填部200に装填していくと、マガジン100のダンパー係合ピン117は、最初に係合部材301の当接突起部301aに当接する。続いて、マガジン100がそのままマガジン装填方向奥側に移動し続けると、係合部材301がダンパー係合ピン117によって押されて回転軸305の周りに図13で反時計回り方向に回転する。そして、係合部材301が所定角度回転すると、ダンパー係合ピン117が当接突起部301aと保持突起部301bとの間に位置して、これら両突起部301a,301bによってダンパー係合ピン117、つまりマガジン100が保持されるようになる。
【0091】
一方、前記係合部材301の後端部には、連結軸306を介してショックアブソーバ302の一端が回動自在に連結されている。このショックアブソーバ302の他端は支点軸307を介して設置ブラケット303に回動自在に取り付けられており、係合部材301の後端部は、連結軸306を介してショックアブソーバ302によって押圧されている。また、連結軸306の下端部は、回転軸305を中心として設置ブラケット303にあけられた円弧状のガイド孔308に嵌合されている。
【0092】
前記ショックアブソーバ302は、マガジン100のダンパー係合ピン117と係合部材301との係合状態に応じて、係合部材301の回転方向を変化させるように機能している。この点について、図13〜図15を用いて説明する。
【0093】
図13は、マガジン100のダンパー係合ピン117が係合部材301の当接突起部301aに当接した状態を示している。この状態では、係合部材301の係合側先端がマガジン装填方向の手前側を向いているため、ショックアブソーバ302は係合部材301を回転軸305の周りに図13で時計回り方向に回転させるように押圧している。これにより、係合部材301の反時計回り方向の回転を許容しつつマガジン100の走行速度を減速させることで、マガジン100装填時の衝撃力を緩和することができるようになっている。
【0094】
図14は、マガジンダンパーユニット300におけるマガジン100の走行速度を減速させる機能と、マガジン100をマガジン装填方向の奥側に押し付ける機能とが切り替わるときの係合部材301の角度位置を示している。
【0095】
具体的には、ショックアブソーバ302の中心線L1(平面視で、連結軸306の軸中心とショックアブソーバ302の支持軸307の軸中心とを結ぶ直線)と、係合部材301の幅方向中央線L2(平面視で、係合部材301の回転軸305の軸中心、連結軸306の軸中心、及び、当接突起部301aと保持突起部301bとの間の中央を通る直線)とが一直線上に位置した状態となっている。
【0096】
この状態では、係合部材301は係合側先端部の当接突起部301aと保持突起部301bとでマガジン100のダンパー係合ピン117を挟み込んでおり、ショックアブソーバ302の押圧力は係合部材301の回転に寄与せず、両者が均衡した状態となっている。
【0097】
図15は、マガジン100を位置決めした状態を示す図である。この状態では、係合部材301の係合側先端がマガジン装填方向の奥側を向いているため、ショックアブソーバ302は係合部材301を反時計回り方向に回転させるように押圧している。これにより、ショックアブソーバ302は、位置決めが完了したマガジン100を奥側に押し付けて保持するようになっている。
【0098】
<マガジン内のペーパー詰替え動作>
画像形成装置Aのマガジン装填部200に装填されているマガジン100のペーパーPを他のものに交換するには、まず、作業者が装置前面カバーを開けた後、格納状態にあるタラップ350を回動させて先端部を装置設置面に当接させることで、マガジン装填部200の床面と装置設置面との間に架設する。
【0099】
その後、マガジン100の取手110(マガジン装填方向手前側に位置している)をマガジン装填方向手前側に引いて、マガジン100をリフトローラ255から降ろす。これにより、キャスター111がマガジン装填部200の床面に接触するとともに、位置決めピン113が位置決めガイド257の嵌合溝257aから外れる。また、マガジンダンパーユニット300の係合部材301が回転軸305の周りに図15で時計回り方向に回転して、係合部材301の係合側先端がマガジン装填方向手前側を向き、やがて、ダンパー係合ピン117が当接突起部301aから離れる。
【0100】
マガジン100の取手110をそのままマガジン装填方向手前側に引き続けると、キャスター111がタラップ350の踏み板351に乗り、タラップ350を介してマガジン100を装置設置面に降ろすことができる。
【0101】
続いて、マガジン100をキャスター111を介して暗室へ移動させた後、係合具103を解除して、マガジン蓋部102を回動させることで開口部を開放状態にする。マガジン蓋部102は、或る程度回動させると、そのまま自重で回動し、やがて、図3に二点鎖線で示すように、ゴム部材115,115が、マガジン100(マガジンケース150)がキャスター111を介して置かれている暗室床面(図3の床面F)に当接する。このとき、ゴム部材115,115は、マガジン蓋部102の自重により暗室の床面に押し付けられる。これにより、マガジン100(マガジンケース150)がキャスター111を介して暗室の床面上を移動するのが抑制される。この結果、マガジン100が殆ど動かないので、開口部を通じてのペーパー詰替え作業が容易になる。
【0102】
マガジンケース150内の収容部に新しいペーパーPをセットした後、マガジン蓋部102を開放時とは逆に回動させて、開口部を閉塞し、係合具103を係合状態にして、収容部内を遮光状態に維持する。
【0103】
次いで、前記新しいペーパーPをセットしたマガジン100をキャスター111を介して、画像形成装置Aのタラップ350先端のところまで移動させ、図5に示すように、マガジン本体部101のケース背面側がタラップ350先端と対向するようにする。そして、マガジン100を、その取手110を押して、キャスター111を介してタラップ350の踏み板351上を走行させていく。このとき、タラップ350の側面ガイド板352にマガジン100のガイドベアリング112が接触して幅方向の位置が規制される。そして、最もケース背面側に位置する左右1組のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352から外れてからマガジン装填部200のマガジンガイド202,200に接触する位置に達するまでの間は、ケース背面側から2番目及び3番目に位置する2組(合計4つ)のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352に接触するようになっており、これにより、マガジン100の幅方向の規制状態が維持される。したがって、最もケース背面側に位置する左右1組のガイドベアリング112,112はスムーズにマガジンガイド202,202に接触する位置に達するようになる。
【0104】
また、ケース背面側から2番目の組のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352から外れてからマガジン装填部200のマガジンガイド202,202に接触する位置に達するまでの間においては、最もケース背面側に位置する組のガイドベアリング112,112がマガジンガイド202,202に接触する位置にあり、ケース背面側から3番目の組のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352に接触する位置にあるので、ケース背面側から2番目の組のガイドベアリング112,112はスムーズにマガジンガイド202,202に接触する位置に達するようになる。
【0105】
このように左右1組のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352から外れてからマガジン装填部200のマガジンガイド202,202に接触する位置に達するまでの間においては、残りの少なくとも2組のガイドベアリング112,112がタラップ350の両側面ガイド板352,352又はマガジンガイド202,202に接触する位置にあるので、マガジン100は、どこにも引っ掛かることなくスムーズにマガジン装填部200へと装填されていく。
【0106】
そして、マガジン100をマガジン装填部200内へとさらに移動させていくと、マガジン100のダンパー係合ピン117がマガジンダンパーユニット300の係合部材301に係合する。これにより、マガジン100の走行速度が減速する。さらにマガジン100を装填していくと、位置決めユニット250のリフトローラ255上にマガジン100全体が乗り上げ、キャスター111が床面から離れた状態となる。
【0107】
この状態でさらにマガジン100を装填していくと、最終的に、マガジン100のケース背面側及び正面側に設けられた位置決めピン113が、それぞれマガジン装填方向奥側及び手前側の位置決めユニット250の位置決めガイド257の嵌合溝257aに嵌合して、マガジン100のマガジン装填部200における位置決めが完了する。これにより、マガジン100の装填が完了する。
【0108】
次いで、タラップ350を回動させて格納状態にし、その後、装置前面カバーを閉じると、この装置前面カバーの内側に設けられた突起部が、タラップ350の踏み板351に設けた抜き孔354を通してシャッター開閉スイッチ107を押すことになり、シャッター105が開状態となる。これにより、画像形成装置Aによる画像形成の準備が整う。
【0109】
したがって、本実施形態では、下側のマガジン装填部200に装填されるマガジン100において、マガジンケース150のマガジン本体部101の底面にマガジンケース150(マガジン100)移動用のローラとしてのキャスター111を設けたので、マガジン100が大きくかつ重くても、画像形成装置Aに対するマガジン100の装填及び取出しが容易に行えるようになるとともに、画像形成装置A外でマガジン100をキャスター111を介して暗室等へ自由に移動させることができる。
【0110】
また、本実施形態では、マガジン100(マガジンケース150)を、マガジン装填部200に対してキャスター111を介してケース長手方向に移動させることで着脱するように構成するとともに、マガジンケース150におけるケース幅方向一方側及び他方側のそれぞれに、タラップ350に設けた一対の側面ガイド板352,352の対向面、又はマガジン装填部200に設けた一対のマガジンガイド202,202の対向面にそれぞれ接触することでマガジン100(マガジンケース150)がケース幅方向に移動するのを規制するガイドベアリング112を4つずつ設けるようにしたので、マガジン100のマガジン装填部200への装填の比較的早い段階から装填完了までの間、少なくとも2組(両側の合計で4つ)のガイドベアリング112を側面ガイド板352,352又はマガジンガイド202,202と接触可能な状態にすることができ、マガジン100のケース幅方向へのふらつきを確実に抑えることができる。しかも、側面ガイド板352とマガジンガイド202との間に所定距離の隔たりがあっても、マガジンケース150の幅方向の一方側及び他方側のそれぞれのガイドベアリング112のケース長手方向の配置間隔を、その所定距離よりも大きく設定しているので、マガジン100を、マガジンガイド202等に衝突させることなく、マガジン装填部200にスムーズに装填させることができる。
【0111】
<その他の実施形態>
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、マガジン本体部101の底面に、マガジンケース150移動用のローラとして、キャスター111を設けたが、キャスター111の代わりに、例えばケース長手方向に転がるローラを設けるようにしてもよい。また、キャスターとローラとを併用してもよい。
【0112】
また、前記実施形態では、マガジンケース150におけるケース幅方向一方側及び他方側のそれぞれに、ガイドベアリング112を4つずつ設けたが、3つ以上ずつあれば、前記実施形態のような側面ガイド板352とマガジンガイド202との間の隔たりや、マガジンガイド202において長さ方向の一部が切り欠かれた切欠き等があっても、ガイドベアリング112のケース長手方向の配置間隔を前記実施形態の如く前記隔たりや切欠きの長さよりも大きく設定することで、マガジン100のふらつきを良好に抑えることができるようになる。
【0113】
さらに、本発明は、マガジンケース150におけるケース幅方向一方側及び他方側のそれぞれに、ガイドベアリング112を2つずつしか設けない場合であっても適用することができる。但し、この場合には、側面ガイド板352とマガジンガイド202との間の隔たりや、マガジンガイド202における前記切欠き等をなくすか、或いはタラップ350をなくす必要がある。タラップ350をなくす場合には、例えばマガジン装填部200の床面と装置設置面との間の段差を、キャスター111が容易に乗り越えられるように出来る限り小さくするようにすればよい。
【0114】
さらにまた、前記実施形態では、画像記録部としてレーザー光を用いる露光エンジンについて説明したが、この限りではなく、例えば、液晶シャッターを用いた画像露光や、インクジェットプリンタであってもよい。したがって、画像形成媒体についても、写真感光材料だけでなく、それ以外の材料からなるペーパーであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、内部に印画紙等の画像形成媒体を収容する収容部を有するケース部材を備え、該画像形成媒体の画像形成面上に画像を形成する画像形成装置に設けた装填部に着脱可能に装填されるマガジン等の画像形成媒体収容装置に有用であり、特に幅サイズが非常に大きい画像形成媒体を収容する画像形成媒体収容装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成媒体収容装置としてのマガジンが装填される画像形成装置を備えた写真処理システムの構成を示す部分断面図である。
【図2】下側のマガジンの構成を示す側面図である。
【図3】下側のマガジンの構成を示す正面図である。
【図4】下側のマガジン装填部の構成を示す平面図である。
【図5】上側及び下側のマガジン装填部の構成を示す側面図である。
【図6】タラップの構成を示す斜視図である。
【図7】位置決めユニットの構成を示す平面図である。
【図8】位置決めユニットの構成を示す側面図である。
【図9】位置決めユニットの構成を示す正面図である。
【図10】マガジンをマガジン装填部に装填し始めた状態を示す側面図である。
【図11】マガジンをマガジン装填部に装填完了させる直前の状態を示す図である。
【図12】マガジンのマガジン装填部内における位置決めが完了した状態を示す図である。
【図13】マガジンダンパーユニットの構成(非係合状態)を示す平面図である。
【図14】マガジンダンパーユニットの構成(均衡状態)を示す平面図である。
【図15】マガジンダンパーユニットの構成(係合状態)を示す平面図である。
【符号の説明】
【0117】
A 画像形成装置
P ペーパー(画像形成媒体)
100 マガジン(画像形成媒体収容装置)
111 キャスター(ケース部材移動用のローラ)
112 ガイドベアリング(回転規制部材)
150 マガジンケース(ケース部材)
200 マガジン装填部
202 マガジンガイド(装填部ガイド部材)
350 タラップ
352 側面ガイド板(タラップガイド部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に画像形成媒体を収容する収容部を有するケース部材を備え、該画像形成媒体の画像形成面上に画像を形成する画像形成装置に設けた装填部に着脱可能に装填される画像形成媒体収容装置であって、
前記ケース部材の底面に、該ケース部材移動用のローラが設けられ、
前記ケース部材は、前記装填部に対して前記ローラを介して該ケース部材の第1方向に移動することで着脱されるように構成され、
前記画像形成装置の装填部には、前記ケース部材の前記装填部に対する着脱時の移動方向に沿って延びかつ平面視で該移動方向と垂直な方向に互いに所定間隔をあけて対向する一対の装填部ガイド部材が設けられており、
前記ケース部材において前記第1方向と平面視で垂直な第2方向の一方側及び他方側のそれぞれに、鉛直方向に延びる軸周りに回転可能な回転部材で構成されかつ前記着脱時に該回転部材の外周面が前記一対の装填部ガイド部材の対向面にそれぞれ接触することで該ケース部材が前記第1方向と垂直な水平方向に移動するのを規制する回転規制部材が、複数ずつ設けられていることを特徴とする画像形成媒体収容装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成媒体収容装置において、
前記ケース部材における前記第2方向の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、3つ以上の回転規制部材が前記第1方向に一定の間隔をあけて配設されていることを特徴とする画像形成媒体収容装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成媒体収容装置において、
前記画像形成装置における前記装填部への入口手前側に、該装填部の床面と該画像形成装置の設置面との間に架設されるタラップが設けられ、
前記ケース部材は、前記タラップを経由して、前記ローラを介した該ケース部材の第1方向への移動により、前記装填部に対して着脱されるように構成され、
前記タラップの左右両側に、互いに対向する一対のタラップガイド部材が設けられ、
前記タラップの一方のタラップガイド部材の対向面と、前記装填部の一方の装填部ガイド部材の対向面とが、平面視で同じ直線上に位置しているとともに、該一方のタラップガイド部材の装填部ガイド部材側の端と、該一方の装填部ガイド部材のタラップガイド部材側の端とが、所定距離だけ隔たり、
前記タラップの他方のタラップガイド部材の対向面と、前記装填部の他方の装填部ガイド部材の対向面とが、平面視で同じ直線上に位置しているとともに、該他方のタラップガイド部材の装填部ガイド部材側の端と、該他方の装填部ガイド部材のタラップガイド部材側の端とが、前記所定距離だけ隔たっており、
前記ケース部材における前記第2方向の一方側及び他方側のそれぞれの回転規制部材の前記第1方向の配置間隔が、前記所定距離よりも大きく設定されていることを特徴とする画像形成媒体収容装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−161375(P2007−161375A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356878(P2005−356878)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】