説明

画像形成方法、画像形成装置、及びトナーカートリッジ

【課題】濃色トナー、淡色トナー双方の現像性及び転写性が長期に渡って良好に安定し、ハイライト領域の階調再現性が高い画像形成方法、画像形成装置、及びトナーカートリッジを提供する。
【解決手段】濃色トナー及び該濃色トナーと同系色の淡色トナーを用い、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする画像形成方法及び画像形成装置、前記濃色トナー及び淡色トナーを収納するトナーカートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法、画像形成装置、及びトナーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式に用いる現像剤は、トナーと、キャリアと呼ばれる磁性体粒子からなる2成分現像剤と、トナーだけで構成される1成分現像剤がある。
電子写真方式による画像形成は、像保持体(感光体)上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像し、得られた現像像を転写体上へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされるものである。
【0003】
電子写真方式による画像形成では、ベタ部、ハーフトーン部及びライン部はドット密度を変えることによって表現されている。更にトナー中の顔料濃度を少なくした淡色トナーを用いてハーフトーンハイライト領域の濃度再現性を改善する発明がなされている。この方式はY(イエロー)M(マゼンタ)C(シアン)K(ブラック)各色の濃色現像器に加えて少なくとも1種類以上の淡色現像器を追加具備する画像形成装置の構成となる。
【0004】
一方、同一像保持体に濃色トナー及び淡色トナーによる像形成を良好に行うため、濃色トナーと比べて粒径が大きく帯電量の低い淡色トナーを用いた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、濃色トナー及び淡色トナーを用い、かつ濃色トナーと比べて形状係数が高い淡色トナーを用いた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−072572号公報
【特許文献2】特開2004−317712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に提案されている画像形成装置では、濃色トナーの消費量と淡色トナーの消費量が異なる場合、長期使用によって現像、特に転写性に差が生じてソリッド部(高濃度部:主に濃色トナーで現像)とハーフトーン部(低濃度部:主に淡色トナーで現像)の濃度バランスが悪くなる。
また、特許文献2に提案されている画像形成装置は、優れた画質のハイライト画像とトナーの消費量の削減を両立させるためのものであるが、長期使用によって現像、特に転写性に差が生じてソリッド部とハーフトーン部の濃度バランスが悪くなる。
【0006】
本発明は、濃色トナー、淡色トナー双方の現像性及び転写性が長期に渡って良好に安定し、ハイライト領域の階調再現性が高い画像形成方法、画像形成装置、及びトナーカートリッジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち、
請求項1に係る発明は、像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成する現像像形成工程と、前記像保持体表面に形成された現像像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された転写像を定着する定着工程と、前記現像像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程と、を有し、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする画像形成方法である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法である。
請求項3に係る発明は、前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法である。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法である。
請求項5に係る発明は、前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法である。
【0010】
請求項6に係る発明は、像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成する現像像形成手段と、前記像保持体表面に形成された現像像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された転写像を定着する定着手段と、前記現像像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
請求項7に係る発明は、前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項9に係る発明は、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項11に係る発明は、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、該トナーが同系色の濃色トナー及び淡色トナーを含み、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とするトナーカートリッジである。
【0014】
請求項12に係る発明は、前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項11に記載のトナーカートリッジである。
請求項13に係る発明は、前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のトナーカートリッジである。
【0015】
請求項14に係る発明は、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項13に記載のトナーカートリッジである。
請求項15に係る発明は、前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のトナーカートリッジである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、濃色トナー、淡色トナー双方の現像性及び転写性が長期に渡って良好に安定し、ハイライト領域の階調再現性が高い画像形成方法を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、現像性、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーのチタニア添加比率が長期に渡って維持され、先に現像される濃色トナーが、後に現像される淡色トナー部に混入して発生する機内汚染を防ぐ画像形成方法を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、長期に渡って濃色トナー、淡色トナー双方の現像性、及び転写性が長期に渡って良好に安定し、環境依存性のない画像形成方法を提供することができる。
請求項5に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーの帯電安定性及び転写性が長期に渡って維持される画像形成方法を提供することができる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、濃色トナー、淡色トナー双方の現像性及び転写性が長期に渡って良好に安定し、ハイライト領域の階調再現性が高い画像形成装置を提供することができる。
請求項7に係る発明によれば、現像性、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となる。
【0019】
請求項8に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーのチタニア添加比率が長期に渡って維持され、先に現像される濃色トナーが、後に現像される淡色トナー部にコンタミして発生する機内汚染を防止する画像形成装置を提供することができる。
請求項9に係る発明によれば、長期に渡って濃色トナー、淡色トナー双方の現像性、及び転写性が長期に渡って良好に安定し、環境依存性のない画像形成装置を提供することができる。
請求項10に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーの帯電安定性及び転写性が長期に渡って維持される画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項11に係る発明によれば、濃色トナー、淡色トナー双方の現像性及び転写性が長期に渡って良好に安定し、ハイライト領域の階調再現性が高いトナーカートリッジを提供することができる。
請求項12に係る発明によれば、現像性、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となる。
【0021】
請求項13に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーのチタニア添加比率が長期に渡って維持され、先に現像される濃色トナーが、後に現像される淡色トナー部にコンタミして発生する機内汚染を防止するトナーカートリッジを提供することができる。
請求項14に係る発明によれば、長期に渡って濃色トナー、淡色トナー双方の現像性、及び転写性が長期に渡って良好に安定し、環境依存性のないトナーカートリッジを提供することができる。
請求項15に係る発明によれば、濃色トナーと淡色トナーの帯電安定性及び転写性が長期に渡って維持されるトナーカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の画像形成方法は、像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成する現像像形成工程と、前記像保持体表面に形成された転写像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された前記転写像を定着する定着工程と、前記トナー像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程と、を有し、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成するトナー像形成手段と、前記像保持体表面に形成された現像像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、前記トナー像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする。
【0024】
電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。一成分現像剤では磁性粉を用い、磁気力により像保持体(感光体)に搬送し、現像する磁性1成分と磁性粉を用いず帯電ロール、層規制部材等の帯電付与により現像担持体に搬送し、現像する非磁性一成分に分類することができる。いずれの現像剤もトナーがキャリアや層規制部材等と機械的に接触することで帯電が付与される。
【0025】
一方、帯電を付与される挙動は静電潜像を現像され使用される、されないにかかわらず、現像剤を収容する現像機(現像手段)内で繰り返されるため、帯電が付与される機械的接触回数に注目すると、使用されるトナーが多い場合は機械的接触回数が少なく、使用されるトナーが少ない場合は機械的接触回数が多くなる。そして、この機械的接触回数によってトナーはその形状が変化したり、トナー流動性等を改善する為にトナー表面に保持している微粒子(外添剤)の付着状態が変化する。
【0026】
つまり、トナーの使用量が多い現像剤では、トナー形状の未使用状態からの変化が小さく、更に外添剤の付着状態変化が小さい。一方、トナーの使用量が少ない現像剤では、トナー形状の未使用状態からの変化が大きく、更に外添剤の付着状態変化が大きくなる。その結果、トナーの使用量が少ない現像剤では、現像剤使用初期と比べて現像、特に転写性が悪化の方向に変化する。
【0027】
一般的に、インクジェット方式や電子写真方式では、図1に示すような画像データ分解を行うことが知られている。図の横軸は画像比率、縦軸は濃淡分解率(ドラム上載り量)を意味する、つまり各トナー消費量を意味する。
図1から明らかなように、濃色トナーに比べ淡色トナーの使用量が多くなる場合が多い。具体的には画像比率が80%以下では淡色トナー使用量が多い領域となるため、前述した問題が発生する。
【0028】
本発明者らは、鋭意検討の結果、機械的接触により変化し難い、あるいは現像/転写性が悪化しにくいトナー形態が濃色トナーには必要であり、その形態とする為に、濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子を添加し、かつ前記濃色トナーの体積平均粒径を前記淡色トナーの体積平均粒径より大きくすることにより、トナーの使用量が少なくなり、現像機内で機械的接触が多くなっても、現像、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となることを見出した。
【0029】
更に、前記濃色トナーの平均円形度が大きいと、現像性、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となる、という効果が更に顕著になる。平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子は、現像/転写性を良好にするために、濃色トナーの表面に添加され、均一に付着しているが、形状が丸い無機粒子は、機械的接触により、濃色トナーの表面上を移動し、例えば濃色トナーの表面の凸部に付着していた無機粒子は凹部に移動する。
【0030】
一方、無機粒子が前記濃色トナーの表面に添加されることにより、転写性を良好にするのは、トナーが無機粒子を介して感光体(像保持体)に付着するが、このとき無機粒子がスペーサー効果を発揮して転写性を良好にするものと考えられ、無機粒子は凹部に移動すると効果が失われる場合がある。よって、トナーの形状としては凸凹の少ない平均円形度が大きいトナーとすることで、機械的接触が多くても無機粒子の転写性改善効果を維持することができる。
【0031】
また、粒径が大きく、平均円形度の大きいトナーは、非静電的付着力が相対的に小さいことから転写時の転写方向(転写電界方向)と異なる方向に移動、付着してしまい、転写時の像乱れが発生し易いことが一般的に知られている。
しかし、本発明者らは、この無機粒子がトナーに付着していると、記録媒体が紙のようなミクロにラフな場合は、無機粒子が紙に対してアンカー効果のような作用を発揮することを見出した。この為、本発明に用いられるトナーは、効率で示す現像/転写性が良好であるだけでなく、転写方向と垂直な方向に動くことが抑制されて像乱れ(トナー飛び散り)が同時に抑制できる。
【0032】
更に、像保持体上のトナー像を中間転写体に転写し、更に中間転写体から非転写体に転写される場合に、中間転写体上に少なくとも転写残トナーと、トナーから遊離して残留した平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が僅かに残るが、該無機粒子が中間転写体上に安定的に残ることにより、像乱れが更に安定することにより抑制される。以上の点で、前記濃色トナーの形状としては、凸凹の少ない、つまり平均円形度が大きいことが好ましい。
【0033】
先ず、本発明に用いるトナーについて説明する。
本発明では、濃色トナー、及び該濃色トナーと同系色の淡色トナーを用い、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする。
【0034】
ここでいう濃色トナー、淡色トナーとは、記録媒体上のトナー量が同じ場合の画像濃度が高いトナーが濃色トナー、画像濃度が低いトナーが淡色トナーである。
具体的な濃色トナーとしては、記録媒体としてJ紙(FujiXerox社製)を用いた場合に、記録媒体上のトナー量が0.5g/mの場合の画像濃度が1.2以上であるトナーが好ましく、画像濃度が1.5以上が更に好ましい。
一方、淡色トナーとしては、記録媒体としてJ紙(FujiXerox社製)を用いた場合に、記録媒体上のトナー量が0.5g/mの場合の画像濃度が1.0未満が好ましく、0.8未満が更に好ましい。
【0035】
また、ここでいう同系色とは物体色の3原色(イエロー、マジェンタ、シアン)や黒色のトナーを用いて色空間を表現する場合の、イエロー系統の色、マジェンタ系統の色、シアン系統の色、黒色系統の色を意味しており、厳密な色表現数値(例えばCIElab表現系の場合のLの値、XYZ表色系のXYZの値)が同一であることに限定されない。
【0036】
本発明に用いる濃色トナーは、表面に平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子(以下、「特定無機粒子」という場合がある)が添加されている。ここで無機粒子の平均粒子径は以下の方法で測定された平均粒子径(φ)を意味する。
レーザー回折散乱を利用した粒度分析計を用いて、イオン交換水や純水で希釈したエマルジョン中の微粒子の粒子径を測定し、中心粒子径をもって平均粒子径(φ)とする。尚、上記粒度分析計の具体例としては、例えばレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)等が挙げられる。
【0037】
特定無機粒子の好ましい平均粒子径は、80nm以上160nm以下が好ましく、100nm以上140nm以下がより好ましい。特定無機粒子の平均粒子径が80nm未満であると、特定無機粒子のスペーサー効果が発揮されず、トナーの現像/転写性が十分に改善されない。一方、特定無機粒子の平均粒子径が300nmを超えると、スペーサー効果は得られるものの、過大な量をトナーに添加しなければならず、無機粒子自体の帯電性の為に、トナーの帯電特性へ悪影響を及ぼす、あるいはトナーの表面から無機粒子が遊離し、像保持体への汚染を引き起こす等の悪影響がある。
【0038】
特定無機粒子としては、平均粒子径が80nm以上300nm以下であれば、とくに制限されず、シリカ、アルミナ、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられ、この中でもシリカが好ましく、比重が1.2以上1.9以下の単分散球形シリカが特に好ましい。
【0039】
前記単分散球形シリカは、比重を1.9以下に制御することでトナーからの剥がれを抑制でき、1.2以上に制御することで凝集分散を抑制できるものである。
また、単分散且つ球形であることからトナーの表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果が得ることができる。
ここで、単分散球形シリカとは、凝集体を含め平均粒径に対する粒度分布から得られる標準偏差及びWadellの球形化度で定義されるもので、平均粒子径の標準偏差が0.30以下であり(好ましくは0.22以下)、Wadellの球形化度が0.6以上(好ましくは0.8以上)であるものをいう。
また、シリカが好ましい理由は、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像採取時の透明性等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0040】
特定無機粒子は、前記濃色トナーの表面へ添加され、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、この際必要に応じてシリカ、チタニア等の公知の無機粒子、種々の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。
【0041】
また、特定無機粒子の濃色トナーの表面への添加方法として、後述するチタニア等の他の無機粒子、或いは添加剤と、特定無機粒子を同時に添加混合してよい。
更に、特定無機粒子の濃色トナーの表面への添加方法を種々検討したところ、特定無機粒子を先ず混合し、それより弱いシェアで他の無機粒子を添加することにより、本発明の効果を高く得ることができた。
また、特定無機粒子の濃色トナーの表面への添加後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
【0042】
特定無機粒子の添加量は、トナー100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましく、1質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。特定無機粒子の添加量が0.5未満であると、十分な転写性向上が得られない場合があり、5質量%より大きいと、トナー流動性や、帯電性が悪化する場合がある。
【0043】
本発明においては、前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加され、前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることが好ましい。この場合の前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量を1としたときの、前記淡色トナーの表面におけるチタニアの添加量(質量比)は、チタニアが埋没する量をカバーできる点で、0.8以下であることが好ましく、0.3以上0.7以下であることがより好ましい。
【0044】
また、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量は、帯電の環境依存性、転写性の維持のため、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることが好ましく、0.5%以上1%以下であることがより好ましい。
【0045】
なお、本発明に用いるチタニアとしては、体積抵抗率(25℃)が1013〜1016Ωcmの範囲のものが好ましく、1013〜1015Ωcmの範囲のものがより好ましい。体積抵抗率が1013Ωcm未満では、注入性のカブリを生じやすい場合があり、1016Ωcmを超えると、連続使用での帯電上昇を生じやすくいなる場合がある。
【0046】
上記チタニアの体積抵抗率は、以下の方法で測定することができる。
エレクトロメーター(商品名:KEITHLEY610C、KEYTHLEY社製)と高圧電源(商品名:FLUKE415B、FKUKE社製)に接続された一対の20cm2の円形極板(鋼製)である測定治具の下部極板上に、チタニア微粒子を厚さ約1〜2mmの平坦な層を形成するようにいれ、次にそのチタニア微粒子上に上部極板を配置した後、微粒子内の空隙を除くために上部極板上に4kgの重しを乗せた状態で微粒子層の厚さを測定した。次いで両極板に1000Vの電圧を印加して電流値を測定し、下記式(4)に基づいて体積抵抗率を算出することができる。
式(4) 体積抵抗率(ρ)=V×S÷(A−A0)÷d (Ωcm)
(式(4)中、Vは印加電圧(V)、Sは極板面積(cm2)、Aは測定電流値(A)、A0は印加電圧0の時の初期電流値(A)、dは微粒子層厚(cm)を示す。)
【0047】
また、本発明に用いられるチタニアの体積平均粒径は5〜100nmの範囲であることが好ましく、10〜60nmの範囲であることがより好ましい。体積平均粒径が5nm未満では、チタニアがトナー粒子に埋り込みやすくなり前記機能が発現され難くなる場合がある。一方、100nmを超えると、電荷注入しやすくなる、OHP等の透過性を遮る問題が発生する場合がある。尚、本発明に用いられるチタニアとは、濃色トナーのみにチタニアが添加される場合は、濃色トナーに添加されるチタニアを意味し、濃色トナー、淡色トナーの両方にチタニアが添加される場合は、濃色トナー、淡色トナーに添加される全てのチタニアを意味する。
【0048】
本発明は、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを必要とする。前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことにより、濃色トナーと淡色トナーの現像、転写性を同様にすることができ、1画像当たりの現像面積の多い淡色トナーの消費量を少なめにすることができる。淡色トナーの体積平均粒径が濃色トナーの体積平均粒径より大きい場合は、長期使用により転写性が劣化し、淡色トナーの転写性とのバランスが悪くなる。また、現像、転写性をある程度長期に維持することができるが、淡色トナーの消費量が多くなる。
前記濃色トナーの体積平均粒径は、前記淡色トナーの体積平均粒径の1.2倍以上1.5倍以下である。
【0049】
また、前記濃色トナーの好ましい体積平均粒径は6〜10μであり、前記淡色トナーの好ましい体積平均粒径は4〜8μである。
【0050】
ここで、トナーの体積平均粒径は、少なくとも5000個のトナーに対して、Sysmex社製FPIA−2100を用いて、HPFモード(高分解能モード)、希釈倍率1.0倍の条件で測定することにより求める。
Sysmex社製FPIA−2100は、水などに分散させた粒子をフロー式画像解析法によって測定する方式を採用したもので、吸引された粒子懸濁液をフラットシースフローセルに導き、シース液によって偏平な試料流に形成する。その試料流にストロボ光を照射することにより、通過中の粒子は対物レンズを通してCCDカメラで、静止画像として撮像する。撮像された粒子像は、2次元画像処理され、投影面積と周囲長から円相当径を算出する。円相当径は、撮影された各々の粒子に対して、2次元画像の面積から同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。このように撮影した粒子を各々画像解析し、統計処理することによって、体積平均粒径を求めるものである。
【0051】
また、現像、転写性が現像剤使用初期と比べて変化が小さく良好となる、という効果が更に顕著になる点で、本発明に用いる前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことが好ましい。濃色トナーの平均円形度は0.960以上が好ましく、0.970以上が更に好ましい。淡色トナーの平均円形度は0.930〜0.970が好ましく、0.940〜0.960が更に好ましい。
【0052】
ここで、トナーの平均円形度は、上述のトナーの体積平均粒径の測定と同様に、少なくとも5000個のトナーに対して、Sysmex社製FPIA−2100を用いて、HPFモード(高分解能モード)、希釈倍率1.0倍の条件で測定することにより求める。
トナーの平均円形度は、撮影された各々の粒子に対して、下式によって円形度を求めた。また、トナーの体積平均粒径の場合と同様に各々画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。
円形度=円相当径周囲長/周囲長=2A1/2π/PM
(上式においてAは投影面積、PMは周囲長を表す。)
【0053】
本発明に用いる個々のトナー構成としては、公知のトナーを用いることができる。トナーとしては例えば、結着樹脂と着色剤を有する着色トナーを挙げることができる。
【0054】
結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
【0055】
また結晶性の結着樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0056】
前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
【0057】
一方前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。
【0058】
−酸由来構成成分−
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
【0059】
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0060】
前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれていても良い。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー母粒子を微粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1から2.0mol%であることが好ましく、0.2から1.0mol%であることが好ましい。含有量が2mol%よりも多いと、帯電性が悪化する。尚、本発明において「構成mol%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(mol)したときの百分率を指す。
【0061】
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
【0062】
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0063】
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
【0064】
前記ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のmol比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合は通常1/1程度、エステル交換法の場合は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマー過剰に用いる場合が多い。前記ポリエステル樹脂の製造は、通常、重合温度180〜250℃の間でおこなわれ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
【0065】
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。この中で、帯電性の観点からスズ系触媒、チタン系触媒が好ましく、中でも、ジブチルスズオキシドが好ましく用いられる。
【0066】
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
【0067】
尚、本発明において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
【0068】
着色剤としては、特に制限はないが例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
【0069】
前記濃色トナーにおける含有量は、着色剤の種類によってことなるが、3.0質量%以上12.0質量%以下が好ましい。具体的には、着色剤としてPB15:3を用いた場合、その含有量は、4.0質量%以上7.0質量%以下が好ましい。
一方、淡色トナーにおける含有量は、着色剤の種類によってことなるが、0.1質量%以上6.0質量%以下が好ましい。具体的には、着色剤としてPB15:3を用いた場合、その含有量は、0.2質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
【0070】
前記濃色トナー及び淡色トナーは、同系色であり、同じ着色剤を用いることが好ましいが、既述の同系色の定義を満たせば、前記濃色トナー及び淡色トナーが異なる着色剤を用いてもよく、その場合の顔料種の組み合わせとしては、トナー中の着色剤含有量が同一、記録媒体上のトナー量が同じ場合には、CIElab表現での式差ΔEが30以下、好ましくは10以下となるように顔料を組み合わせることができる。
【0071】
本発明に用いるトナーは、単独で用いてもよく(一成分系の現像剤)、キャリアと共に二成分系の現像剤として用いてもよい。なお、一成分系の現像剤の場合には、磁性金属微粒子を含むトナーが用いられる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
【0072】
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0,5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。
【0073】
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
静電潜像現像剤における前記本発明の静電潜像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0074】
本発明の画像形成装置を図を用いて説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略模式図であり、いわゆるタンデム型の画像形成装置について示したものである。
図2中、21は本体ハウジング、22a〜22hは作像エンジン、23はベルトモジュール、24は記録媒体供給カセット、25は記録媒体搬送路、30は各感光体ユニット、31は感光体ドラム(像保持体)、32は帯電装置(帯電手段)、33は各現像ユニット(現像手段)、34はクリーニング装置(クリーニング手段)、35a〜35hは、トナーカートリッジ、40は露光ユニット、41はユニットケース、42はポリゴンミラー、51は一次転写装置(転写手段)、52は二次転写装置(転写手段)、53はベルトクリーニング装置、61はフィードロール、62はテイクアウェイロール、63はレジストロール、66は定着装置(定着手段)、67は排出ロール、68は排出部、71は手差し供給装置、72はフィードロール、73は両面記録用ユニット、74は案内ロール、76は搬送路、77は搬送ロール、230は中間転写ベルト、231、232は張架ロール、521は二次転写ロール、531はクリーニングブレードを表す。
【0075】
図2に示すタンデム型画像形成装置は、本体ハウジング21内に八種の現像剤(本例ではブラック、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれについて、同系色の濃色トナー及び淡色トナーを含む現像剤)の作像エンジン(具体的には22a〜22h)を横方向に配列し、その上方には各作像エンジンの配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト230が含まれるベルトモジュール23を配設する一方、本体ハウジング21の下方には用紙等の記録媒体(図示せず)が収容される記録媒体供給カセット24を配設すると共に、この記録媒体供給カセット24からの記録媒体の搬送路となる記録媒体搬送路25を垂直方向に配置したものである。
【0076】
図2に示すタンデム型画像形成装置において、各作像エンジン(22a〜22h)は、中間転写ベルト230の循環方向上流側から順に、例えばブラック(濃色、淡色)用、イエロ(濃色、淡色)用、マゼンタ(濃色、淡色)用、シアン(濃色、淡色)用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、各感光体ユニット30と、各現像ユニット33と、共通する一つの露光ユニット(静電潜像形成手段)40とを備えている。
ここで、感光体ユニット30は、例えば感光体ドラム(像担持体)31と、この感光体ドラム31を予め帯電する帯電装置32と、感光体ドラム31上の残留トナーを除去するクリーニング装置(クリーニング手段)34とを一体的にサブカートリッジ化したものである。
【0077】
また、現像ユニット33は、帯電された感光体ドラム31上に露光ユニット40にて露光形成された静電潜像を対応する色トナー(本実施の形態では例えば負極性)で現像するものであり、例えば感光体ユニット30からなるサブカートリッジと一体化されてプロセスカートリッジ(所謂CRU:Customer Replaceable Unit)を構成している。
尚、感光体ユニット30を現像ユニット33から切り離して単独のCRUとしてもよいことは勿論である。また、図2中、35a〜35hは各現像ユニット33に各色成分トナー(既述の本発明に用いるトナー)を補給するためのトナーカートリッジである(トナー補給経路は図示せず)。
【0078】
一方、露光ユニット40は、ユニットケース41内に例えば四つの半導体レーザ(図示せず)、一つのポリゴンミラー42、結像レンズ(図示せず)及び各感光体ユニット30に対応するそれぞれのミラー(図示せず)を格納し、各色成分毎の半導体レーザからの光をポリゴンミラー42で偏向走査し、結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体ドラム31上の露光ポイントに光像を導くようにしたものである。
【0079】
また、図2に示すタンデム型画像形成装置において、ベルトモジュール23は、例えば一対の張架ロール(一方が駆動ロール)231,232間に中間転写ベルト230を掛け渡したものであり、各感光体ユニット30の感光体ドラム31に対応した中間転写ベルト230の裏面には一次転写装置(本例では一次転写ロール)51が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト230側に静電的に転写するようになっている。更に、中間転写ベルト230の最下流作像エンジン22dの下流側の張架ロール232に対応した部位には二次転写装置52が配設されており、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)するようになっている。
【0080】
図2に示すタンデム型画像形成装置では、二次転写装置52は、中間転写ベルト230のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール521と、中間転写ベルト230の裏面側に配置されて二次転写ロール521の対向電極をなすバックアップロール(図2では張架ロール232を兼用)とを備えている。そして、例えば二次転写ロール521が接地されており、また、バックアップロール(張架ロール232)にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。
更にまた、中間転写ベルト230の最上流作像エンジン22aの上流側にはベルトクリーニング装置53が配設されており、中間転写ベルト230上の残留トナーを除去するようになっている。
【0081】
また、記録媒体供給カセット24には記録媒体をピックアップするフィードロール61が設けられ、このフィードロール61の直後には記録媒体を送出するテイクアウェイロール62が配設されると共に、二次転写部位の直前に位置する記録媒体搬送路25には記録媒体を所定のタイミングで二次転写部位へ供給するレジストレーションロール(レジストロール)63が配設されている。一方、二次転写部位の下流側に位置する記録媒体搬送路25には定着装置66が設けられ、この定着装置66の下流側には記録媒体排出用の排出ロール67が設けられており、本体ハウジング21の上部に形成された排出部68に排出記録媒体が収容されるようになっている。
【0082】
更に、図2に示すタンデム型画像形成装置では、本体ハウジング21の側方には手差し供給装置(MSI)71が設けられており、この手差し供給装置71上の記録媒体はフィードロール72及びテイクアウェイロール62にて記録媒体搬送路25に向かって送出されるようになっている。
更にまた、本体ハウジング21には両面記録用ユニット73が付設されており、この両面記録用ユニット73は、記録媒体の両面に画像記録を行う両面モード選択時に、片面記録済みの記録媒体を排出ロール67を逆転させ、かつ、入口手前の案内ロール74にて内部に取り込み、適宜数の搬送ロール77にて内部の記録媒体戻し搬送路76に沿って記録媒体を搬送し、再度レジストロール63側へと供給するものである。
【0083】
また、本発明の画像形成装置は、淡色トナー供給手段を有する。淡色トナー供給手段は後述する淡色トナー供給工程に用いるもので、現像ユニット33が、淡色トナーをトナー像の形成に用いられない場合でも、感光体ドラム31表面に供給することにより、淡色トナー供給手段として機能する。この淡色トナー供給手段を機能させることにより、高いハイライト領域の階調再現性を維持する。
【0084】
次に、図2を用いて、本発明の画像形成方法を説明する。
まず、各作像エンジン(22a〜22h)において、感光体ドラム31の回転に伴い、帯電装置32により感光体ドラム31表面を均一に帯電し(帯電工程)、露光ユニット40により均一に帯電された感光体ドラム31表面に各色の画像情報に応じた静電潜像を形成し(静電潜像形成工程)、この静電潜像が形成された感光体ドラム31表面に、前記静電潜像の色情報に応じて現像ユニット33から既述の本発明に用いられるトナーを供給することによりトナー像を形成(現像)する(現像工程)。
【0085】
次に、感光体ドラム31に形成されたトナー像は、不図示の電源により、一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム31上のトナー像が中間転写ベルト230側に静電的に転写される。更に、不図示の電源により、二次転写装置52にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、中間転写ベルト230上の一次転写像を記録媒体に二次転写(一括転写)する(転写工程)。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体は、定着装置66を通過するさいに、トナー像が記録媒体111表面に定着され(定着工程)、画像が形成される。
【0086】
一方、トナー像を中間転写ベルト230に転写した感光体ドラム31の表面は、不図示の除電ランプから光が照射されることにより除電され、さらに前記表面に残留しているトナーは、クリーニング装置34によって除去される(クリーニング工程)。
【0087】
<トナーカートリッジ>
次に、本発明のトナーカートリッジについて説明する。本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、該トナーが同系色の濃色トナー及び淡色トナーを含み、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする。
【0088】
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本発明のトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、長期に渡って現像、転写性が良好に安定し、ハイライト領域の高い階調再現性を維持することができる。
【0089】
また、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きい関係を有する濃色トナー及び淡色トナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、長期に渡って現像、転写性が良好に安定し、高いハイライト領域の階調再現性を維持することができる。
【実施例】
【0090】
以下に実施例および比較例をもって説明する。ただし下記の実施例および比較例によって本発明が限定されるものではない。尚、以下の実施例において、特にことわらない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
(トナーの作製)
[樹脂分散液の調製]
−結晶性樹脂(1)の作製−
三口フラスコに、デカン酸ジメチル100モル部、1,9−ノナンジオール100モル部を仕込み、その100部に対し、ジブチルすずオキサイド0.08部を窒素雰囲気下で、180℃、8時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、220℃まで温度をあげて、7時間反応させた後、冷却し、樹脂を得た。樹脂(1)の重量平均分子量は21800であった。
【0091】
−非結晶性樹脂(2)の作製−
三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60モル部、イソフタル酸ジメチル30モル部、ドデセニルコハク酸10モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物40モル部を仕込み、その100部に対し、ジブチルすずオキサイド0.20部を窒素雰囲気下で、180℃、3時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却し、非結晶性樹脂(2)を得た。非結晶性樹脂(2)の重量平均分子量は19200であった。
【0092】
−非結晶性樹脂(3)の作製−
三口フラスコに、テレフタル酸75モル部、ドデセニル無水琥珀酸23モル部、無水トリメリット酸2モル部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物50モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50モル部を、無水トリメリット酸以外のモノマーを仕込んで、その100部に対し、ジブチルすずオキサイド0.20部を窒素雰囲気下で、220℃にて軟化点が110℃になるまで、反応をさせた。次いで、温度を190℃まで下げ無水トリメリット酸の2mol%を徐々に投入し、同温度で1.5時間反応を継続させた後、冷却し、非結晶性樹脂(3)を得た。非結晶性樹脂(3)の重量平均分子量は33000であった。
【0093】
−樹脂分散液(1)の調製−
・樹脂(1):100部
・メチルエチルケトン:40部
・イソプロピルアルコール:22部
以上の成分を混合したものを攪拌させながら、60℃に加熱して、樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液28部を加える。さらにイオン交換水400部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒した後、固形分濃度を25%に調整し、樹脂分散液(1)を得た。樹脂分散液(1)中の樹脂微粒子の体積平均径は145nmであった。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加えた。
【0094】
−樹脂分散液(2)の調製−
・樹脂(2):100部
・メチルエチルケトン:40部
・イソプロピルアルコール:22部
以上の成分を混合したものを攪拌させながら、60℃に加熱して、樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液28部を加える。さらにイオン交換水400部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒した後、固形分濃度を25%に調整し、樹脂分散液(2)を得た。樹脂分散液(2)中の樹脂微粒子の体積平均径は175nmであった。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加えた。
【0095】
−樹脂分散液(3)の調製−
・樹脂(3):100部
・メチルエチルケトン:40部
・イソプロピルアルコール:22部
以上の成分を混合したものを攪拌させながら、60℃に加熱して、樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液28部を加える。さらにイオン交換水400部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒した後、固形分濃度を25%に調整し、樹脂分散液(3)を得た。樹脂分散液(3)中の樹脂微粒子の体積平均径は183nmであった。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加えた。
【0096】
−樹脂分散液(4)の調製−
・スチレン:316部
・n−ブチルアクリレート:84部
・アクリル酸:6部
・ドデカンチオール:6部
・四臭化炭素:4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水560部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、20分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら、内容物が83℃になるまでオイルバスで加熱し、7時間そのまま乳化重合を継続した。また、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加えた。その結果、平均粒径が220nmであり、ガラス転移温度(Tg)が54.3℃、重量平均分子量が32300の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(4)が得られた。
【0097】
−着色分散液(1)の調製−
・Cyan顔料(C.I.Pigment Blue B15:3):70部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加え、平均粒子径が190nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色分散液(1)を調製した。
【0098】
−着色分散液(2)の調製−
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122):70部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50
:IKA社製)を用いて10分間分散した。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加え、平均粒子径が210nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色分散液(2)を調製した。
【0099】
−着色分散液(3)の調製−
着色分散液(2)の調製において、Magenta顔料をC.I.Pigment Red 202に変更したこと以外、着色分散液(2)の調製と同様にして、着色分散液(3)を調製した。
【0100】
−着色分散液(4)の調製−
・Yellow顔料(5GX03、クラリアント製):60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50
:IKA社製)を用いて10分間分散した。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加え、平均粒子径が205nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色分散液(4)を調製した。
【0101】
−着色分散液(5)の調製−
・Kuro顔料(リーガル330、キャボット製):50部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50
:IKA社製)を用いて10分間分散した。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加え、平均粒子径が180nmである着色剤(Kuro顔料)粒子が分散された着色分散液(5)を調製した。
【0102】
−離型剤分散液(1)の調製−
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点:85℃):50部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタ
ラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジ
ナイザーで分散処理した。更に、分散液中の固形分濃度が10%となるようにイオン交換水を加え、平均粒径が160nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調製した。
【0103】
−トナー母粒子(1)(濃Cyanトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):600部
・樹脂分散液(2):70部
・着色剤分散液(1):40部
・離型分散液(1):80部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱した。得られた粒子分散液を45℃で30分間保持した後、樹脂分散液(3)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Cyanトナー母粒子であるトナー母粒子(1)を得た。
【0104】
−トナー母粒子(2)(淡Cyanトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・樹脂分散液(2):20部
・着色剤分散液(1):20部
・離型分散液(1):80部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で43℃まで加熱した。得られた粒子分散液を43℃で30分間保持した後、樹脂分散液(3)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、3時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Cyanトナー母粒子であるトナー母粒子(2)を得た。
【0105】
−トナー母粒子(3)(濃Magentaトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・樹脂分散液(2):20部
・着色剤分散液(2):80部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で47℃まで加熱した。得られた粒子分散液を47℃で30分間保持した後、樹脂分散液(3)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、6時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Magentaトナー母粒子であるトナー母粒子(3)を得た。
【0106】
−トナー母粒子(4)淡Magentaトナー母粒子の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・樹脂分散液(2):20部
・着色剤分散液(2):10部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で43℃まで加熱した。得られた粒子分散液を43℃で40分間保持した後、樹脂分散液(3)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、3時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Magentaトナー母粒子であるトナー母粒子(4)を得た。
【0107】
−トナー母粒子(5)濃Yellowトナー母粒子の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・樹脂分散液(2):20部
・着色剤分散液(4):60部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で40℃まで加熱した。得られた粒子分散液を43℃で10分間保持した後、樹脂分散液(3)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、4時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Yellowトナー母粒子であるトナー母粒子(5)を得た。

−トナー母粒子(6)濃Cyanトナー母粒子の製造−
・樹脂分散液(1):670部
・着色剤分散液(1):70部
・離型分散液(1):80部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。得られた粒子分散液を48℃で30分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Cyanトナー母粒子であるトナー母粒子(6)を得た。
【0108】
−トナー母粒子(7)淡Cyanトナー母粒子の製造−
・樹脂分散液(1):670部
・着色剤分散液(1):20部
・離型分散液(1):80部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で46℃まで加熱した。得られた粒子分散液を46℃で30分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Cyanトナー母粒子であるトナー母粒子(7)を得た。
【0109】
−トナー母粒子(8)(濃Magentaトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):670部
・着色剤分散液(2):40部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で48℃まで加熱した。得られた粒子分散液を48℃で30分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Magentaトナー母粒子であるトナー母粒子(8)を得た。
【0110】
−トナー母粒子(9)(淡Magentaトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・着色剤分散液(2):10部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱した。得られた粒子分散液を45℃で40分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Magentaトナー母粒子であるトナー母粒子(9)を得た。
【0111】
−トナー母粒子(10)(濃Yellowトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):670部
・着色剤分散液(4):70部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で43℃まで加熱した。得られた粒子分散液を43℃で10分間保持した後、樹脂分散液(4)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、濃Yellowトナー母粒子であるトナー母粒子(10)を得た。
【0112】
−トナー母粒子(11)(淡Cyanトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):670部
・着色剤分散液(1):20部
・離型分散液(1):80部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱した。得られた粒子分散液を45℃で30分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Cyanトナー母粒子であるトナー母粒子(11)を得た。
【0113】
−トナー母粒子(12)(淡Magentaトナー母粒子)の製造−
・樹脂分散液(1):650部
・着色剤分散液(2):10部
・離型剤分散液(1):80部
・カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50):1.5部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.5に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30部を添加した。その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱した。得られた粒子分散液を45℃で40分間保持した後、樹脂分散液(2)を緩やかに260部追加し1時間保持し、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを8.5に調整した後攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、冷却した後、ろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、淡Magentaトナー母粒子であるトナー母粒子(12)を得た。
【0114】
無機粒子A(単分散球形シリカ)の作製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により、比重が1.50、球形化度Ψが0.70、平均粒子径が90nm(標準偏差=20nm)の無機粒子Aを得た。
【0115】
無機粒子B(単分散球形シリカ)の作製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重が1.30、球形化度Ψが0.70、平均粒子径が150nm(標準偏差=30nm)の無機粒子Bを得た。
【0116】
無機粒子Cの作製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重が1.25、球形化度Ψが0.70、平均粒子径が280nm(標準偏差=40nm)の無機粒子Bを得た。
【0117】
無機粒子Dの作製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重が1.55、球形化度Ψが0.75、平均粒子径が70nm(標準偏差=20nm)の無機粒子Bを得た。
【0118】
無機粒子Eの作製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重が1.25、球形化度Ψが0.70、平均粒子径が310nm(標準偏差=40nm)の無機粒子Bを得た。
【0119】
ここで、無機粒子等の外添剤の比重は、ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行った。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(精度0.025mlとする)。
(3)試料(外添剤)を約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出する。
D=W/(L2−L1)・・・式1
S=D/0.9982・・・式2
式中、Dは試料の密度(20°C)(g/cm)、Sは試料の比重(20°C)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20°C)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20°C)(ml)、0.9982は20°Cにおける水の密度(g/cm)である。
【0120】
また、外添剤、無機粒子の平均粒子径及びその標準偏差は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて測定した。
【0121】
外添剤、無機粒子の球形度は、以下のWadellの真の球形度である。
Wadellの真の球形度は、(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)を(実際の粒子の表面積)で割った値である。
ここで、「実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積」は、平均粒径から計算により求めた。また、「実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積」は、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いBET比表面積より代用させた。
【0122】
(キャリアの製造)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート =90/10、重量平均分子量Mw=80000):2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに60℃を維持しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
【0123】
(現像剤の作製)
前記トナー母粒子(1)〜(12)それぞれの表面に、表1に示すように、無機粒子A或いは無機粒子Bを添加する、又は添加せずに、トナー1〜トナー32をそれぞれ作製した。
トナー1〜トナー32の作製は、無機粒子A或いは無機粒子Bを添加する場合は、まず無機粒子A或いは無機粒子Bを該当するトナー母粒子それぞれに添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、平均粒子径20nmの疎水化処理チタニア、平均粒子径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)を加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを作製した。
【0124】
また、無機粒子A及び無機粒子Bを添加しない場合は、平均粒子径20nmの疎水化処理チタニア、平均粒子径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)を、該当するトナー母粒子それぞれに加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去しトナーを作製した。
【0125】
得られたトナー1〜トナー32それぞれ8部と、前記キャリヤ100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤(1)〜(32)を得た。
尚、疎水化処理チタニアは、未処理チタニア100部をメチルトリエトキシシラン10部メタノール90部からなる溶液に投入、攪拌し、40℃にて減圧して脱気し、乾燥させた後、オーブンにて120℃で1時間加熱処理した後に粉砕して得た。
【0126】
(体積平均粒径及び平均円形度の測定)
各トナーの体積平均粒径を既述の方法で測定した。尚、測定ノイズ除去の目的で個数粒径解析範囲は2.0〜30.1μmとした。その結果を表1に示す。
また、各トナーの平均円形度を既述の方法で測定した。尚、測定ノイズ除去の目的で円形度解析範囲を0.40〜1.00の範囲とした。その結果を表1に示す。
【0127】
【表1】

【0128】
(実施例1)
現像剤(1)〜(5)230部、それぞれに対応するトナーを充填したカートリッジを、Fuji Xerox社製Docu Centre−II4300を改造して4色対応現像部を8色分に改造してタンデム方式にて組み込んだマシンにて、初期(1000枚プリント時)、及び10000枚プリント時の長期使用テストを実施した。環境は22℃、55%RHの条件下である。尚、本実施例で用いた比率は、図1で示したように、画像比率60%程度までは、淡トナー使用量は濃トナーの2倍以上であること、さらに、濃淡トナーを用いて画像形成を行う場合に想定される通常の使われ方での平均画像比率は30%程度であるので、平均画像比率30%にて、以下のトナー帯電量、転写率、トナー飛び散り、画質、中間転写体の傷を評価した。その結果を表2に示す。
【0129】
[トナー帯電量の評価]
トナー帯電量は、1000枚及び10000枚プリント後の現像器中のマグスリーブ上の現像剤を採取し、25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて以下の手順で帯電量を測定した。
・ファラデーケージはキャリアが漏れない様に目開き20μステンレス製金網をセット
・装置のブロー圧力:デジタル表示値で10kPa
・装置の吸引圧力−5kPa
・装置のブロー時間は20秒
【0130】
[転写率の評価]
各単色(淡色トナーも含む)のベタ画像をプリントアウトし、現像量が0.6mg/cmの時の転写効率を測定した。転写率の評価は、1000枚及び10000枚プリントの、中間転写体から紙への転写工程終了時にハードストップを行い、中間転写体上の2ヶ所の残留トナーを上記同様テープ上に転写し、トナーが付着したテープの重量を測定し、トナーが付着する前のテープ重量を差し引いた後に平均化することにより、残留トナー量bを求めた。一方、紙上トナー重量は、トナーを吹き飛ばして除いた前後の重量変化分aを求め、次式により転写効率(転写率)を求めた。
転写効率η(%)=a×100/(a+b)
【0131】
[飛び散りの評価]
濃色シアン、淡色シアン、濃色マゼンタ、淡色マゼンタ、イエローの5色を用いて作成した濃度域0.2〜0.4のグレー画像におけるトナーの飛び散りを評価した。濃度域0.2〜0.4のグレー画像としたのは、飛び散りをみやすくする為である。なお、画像濃度はX−Rite社製の分光濃度計MODEL:528を用いて測定した。飛び散りは、サンプル画像を被験者5人による目視主観評価を行い、以下に示すA〜Dの評価基準に従って4段階評価を行った。
(評価基準)
A:飛び散りはほぼ未発生
B:若干、飛び散りが発生している
C:飛び散りが発生しているが実用可能範囲である
D:飛び散りが顕著に発生している
【0132】
[中間転写体キズ評価]
10000枚プリント後に中間転写体をとりだし、目視により表面の確認可能なキズを被験者5人による目視主観評価を行い、以下に示すA〜Dの評価基準に従って4段階評価を行った。
(評価基準)
A:キズはほぼ未発生
B:若干、キズが発生している
C:キズが発生しているが実用可能範囲である
D:キズが顕著に発生している
【0133】
(実施例2)
実施例1において、現像剤(1)〜(5)を現像剤(6)〜(10)にそれぞれ変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0134】
(実施例3)
実施例1において、現像剤(2)及び(4)を現像剤(11)及び(12)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0135】
(実施例4)
実施例1において、現像剤(2)及び(4)を現像剤(16)及び(17)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0136】
(実施例5)
実施例1において、現像剤(1)〜(5)を現像剤(18)〜(22)にそれぞれ変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0137】
(比較例1)
実施例1において、現像剤(2)及び(4)を現像剤(7)及び(9)に変更して用いた以外は、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0138】
(比較例2)
実施例1において、現像剤(1)、(3)及び(5)を現像剤(13)、(14)及び(15)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして転写率及びトナー飛び散りを評価した。その結果を表2に示す。
【0139】
(比較例3)
実施例1において、現像剤(1)〜(5)を現像剤(23)〜(27)にそれぞれ変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0140】
(比較例4)
実施例1において、現像剤(1)〜(5)を現像剤(28)〜(32)にそれぞれ変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。
【0141】
【表2】

【0142】
表2より、実施例1〜3は、転写率がほぼ一定であることからハイライト部を含めて画質の均一性が高く良好であった。実施例4も中間転写体上にキズがみられたものの、画像に影響するほどでなくハイライト部を含めて画質の均一性が高く良好であった。実施例5は転写率がほぼ一定に保たれ画像の均一性が良好であった。比較例1では、個々のトナーの特性は大きな問題はないものの、濃色トナーの転写率が淡色トナーより劣るために濃色トナーと淡色トナー使用部の差異が感じられ画質の均一性として低くなった。
【0143】
現像剤(1)において、使用したトナー母粒子(1)に添加した疎水化処理チタニアの添加量を表3に示す量に変更したこと以外現像剤(1)と同様にして、現像剤(33)〜(38)を作製した。
同様に、現像剤(2)において、使用したトナー母粒子(2)に添加した疎水化処理チタニアの添加量を表3に示す量に変更したこと以外現像剤(2)と同様にして、現像剤(39)〜(43)を作製した。
【0144】
同様に、現像剤(3)において、使用したトナー母粒子(3)に添加した疎水化処理チタニアの添加量を表3に示す量に変更したこと以外現像剤(3)と同様にして、現像剤(44)及び(45)を作製した。
同様に、現像剤(4)において、使用したトナー母粒子(4)に添加した疎水化処理チタニアの添加量を表3に示す量に変更したこと以外現像剤(4)と同様にして、現像剤(46)及び(47)を作製した。
【0145】
【表3】

【0146】
(実施例6)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(33)及び(39)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0147】
(実施例7)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(33)及び(40)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0148】
(実施例8)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(34)及び(39)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0149】
(実施例9)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(34)及び(40)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0150】
(実施例10)
実施例1において、現像剤(3)及び(4)を現像剤(44)及び(46)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0151】
(実施例11)
実施例1において、現像剤(3)及び(4)を現像剤(45)及び(46)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0152】
(実施例12)
実施例1において、現像剤(3)及び(4)を現像剤(45)及び(47)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0153】
(実施例13)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(35)及び(41)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0154】
(実施例14)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(36)及び(42)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0155】
(実施例15)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(36)及び(41)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0156】
(実施例16)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(37)及び(42)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0157】
(実施例17)
実施例1において、現像剤(1)及び(2)を現像剤(38)及び(43)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。その結果を表4に示す。
【0158】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】画像比率と濃淡分解率との関係を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
【0160】
21 本体ハウジング
22a〜22d 作像エンジン
23 ベルトモジュール
24 記録媒体供給カセット
25 記録媒体搬送路
30 感光体ユニット
31 感光体ドラム
32 帯電装置
33 現像ユニット
34 クリーニング装置
35a〜35d トナーカートリッジ
40 露光ユニット
41 ユニットケース
42 ポリゴンミラー
51 一次転写装置
52 二次転写装置
53 ベルトクリーニング装置
61 フィードロール
62 テイクアウェイロール
63 レジストロール
66 定着装置
67 排出ロール
68 排出部
71 手差し供給装置
72 フィードロール
73 両面記録用ユニット
74 案内ロール
76 搬送路
77 搬送ロール
230 中間転写ベルト
231、232 張架ロール
521 二次転写ロール
531 クリーニングブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成する現像像形成工程と、前記像保持体表面に形成された現像像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された転写像を定着する定着工程と、前記現像像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程と、を有し、
前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、
前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像保持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像保持体表面に形成された前記静電潜像を、濃色トナーを含む現像剤により現像し、更に該濃色トナーと同系色の淡色トナーを含む現像剤により現像することにより、現像像を形成する現像像形成手段と、前記像保持体表面に形成された現像像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された転写像を定着する定着手段と、前記現像像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング手段と、を有し、
前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、
前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、該トナーが同系色の濃色トナー及び淡色トナーを含み、
前記濃色トナーの表面に、平均粒子径が80nm以上300nm以下の無機粒子が添加されており、
前記濃色トナーの体積平均粒径が前記淡色トナーの体積平均粒径より大きいことを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項12】
前記濃色トナーの平均円形度が前記淡色トナーの平均円形度より大きいことを特徴とする請求項11に記載のトナーカートリッジ。
【請求項13】
前記濃色トナーの表面に、更にチタニアが添加されており、
前記淡色トナーの表面に、チタニアが添加されていない、又は、前記淡色トナーの表面に、前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量の80質量%以下の量のチタニアが添加されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のトナーカートリッジ。
【請求項14】
前記濃色トナーの表面におけるチタニアの添加量が、該濃色トナーの全質量の0.3%以上1.2%以下であることを特徴とする請求項13に記載のトナーカートリッジ。
【請求項15】
前記濃色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径、及び前記淡色トナーの表面に添加されたチタニアの平均粒子径が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のトナーカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−156986(P2009−156986A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333023(P2007−333023)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】