説明

画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

【課題】感光体の耐摩耗性を損なわず、フィルミングなどの感光体劣化がきわめて少なく、しかも小粒径、球形トナーに対してクリーニングブレードの劣化を抑制し、クリーニング不良を発生させない安定したクリーニング装置により優れた画像を得ることのできるようにする。
【解決手段】感光体に、帯電、画像露光、現像、転写及びクリーニング処理を施して行う画像形成方法において、クリーニング処理を施すクリーニングユニットが弾性体ブレードを有し、該弾性体ブレードは感光体と接する先端のカット面形状において、当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有することを特徴とする画像形成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関し、さらに詳しくは、画像形成プロセスにおけるクリーニング部分においてクリーニング不良の発生を抑制でき、小粒径で球形のトナーに対しても良好なクリーニング特性が得られ、かつ、経時使用時のブレード摩耗及び局所的欠損を抑制することが可能で、安定した画像を得ることのできる画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カールソンプロセスや、このプロセスの種々の変形プロセスを用いた電子写真方法が、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真分野に広く使用されている。
この電子写真方法に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体ということがある)としては、安価、大量生産性、無公害性等の利点から、近年、有機系の感光材料が汎用され、かつ保護層の追加等、耐久性についても種々の対策が施されるようになってきている。
また、この電子写真方法に用いられるトナーとしては、高画質化の課題に対し、帯電の安定化に加え、その小粒径化や球形化への要求が大きくなってきている。
このような電子写真サプライの機能向上に対して、それらにかかわる構成部材についても高耐久、高画質を達成する高機能化、最適化が必要とされるようになってきた。なかでも、クリーニングにかかわる技術は、電子写真プロセスの各要素との関連が深く、出力画像への影響も非常に大きいものである。
【0003】
感光体の耐久性として、耐摩耗性を主とする機械的耐久性が強く要望されるようになってきたが、従来の有機系感光体(OPC)及びこれを用いる電子写真プロセスでは、有機物の耐摩耗性の低さから、充分な耐久性が得られていないのが現状であり、これに対して出力画像の高精細化のために感光層の薄膜化が必須であることが明らかとなり、摩耗に対する余裕度が厳しくなってきている。
【0004】
ここで、これらの摩耗現象は、主としてクリーニングプロセスで生じているものであることから、感光体への当接部材としてのクリーニングユニットおよびクリーニングに関わるトナーが大きく影響するということであり、その高機能化、最適化が必須となる。
さらに重要なことは、使用されるトナーの小粒径化、球形化はクリーニングの余裕度を明らかに低下させるものであり、従来のクリーニング装置での単なる設定条件の変更では対応が不可能であり、新たなクリーニング方法および装置の開発が必要となってきている。ここでいう小粒径、球形トナーとは、高画質化を目的とした体積平均粒径が5.5μm以下で円形度が0.97以上のトナーであり、クリーニング能力の余裕度確保が課題となっている。
【0005】
トナー粒径を小さくする製造方法としては、製造コスト面から従来の粉砕法ではなく重合法が有力であり、重合法により製造された小粒径トナーは、形状が球形に近く、粒径分布がシャープであることから、細線の再現性やデジタル画像のドット再現性等に優れ高画質化が達成できるものである。
【0006】
以上のようなクリーニングに関わる課題に対して、特に小粒径、球形トナーではブレードの当接部の摩耗及び局所的欠損に起因するクリーニング不良の発生が主要な不具合として顕在化してきている。このような状況に対して、ブレード部材の感光体ドラムとの接触部分に、その長手方向に沿って、一定のサイズの条溝を形成し、ブレード部材の長手方向
に沿う先端部にかかるストレスを低減させるものが開示されている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、感光体ドラムとの摺接部におけるブレードエッジが曲面を形成し、その曲面の曲率半径が一定の範囲に設定されていることにより、局部的なストレスから生じる摩耗欠け抑制するものが開示されている。(例えば、特許文献2参照)
さらに、非晶質炭化珪素を含有する感光体に当接するクリーニングブレードにおいて、その感光体との当接エッジ部分がラッピングテープにより粗化されることで、トナー中の外添剤を選択的にクリーニングブレード及び感光体表面からすり抜けさせることができるように構成して、感光体ドラムとクリーニングブレードの寿命を低下させずに、良好なクリーニングを可能とするものが開示されている。(例えば、特許文献3参照)
【0008】
しかしながら、以上説明した、クリーニングブレードにかかわるクリーニング方法は、小粒径、球形トナーに対する、安定したクリーニング性、ブレード耐摩耗性、および感光体の摩耗、フィルミング性を良好に維持する点で、これらの課題を達成できていないのが実情である。
【特許文献1】特開2000−276019号公報
【特許文献2】特開2001−154553号公報
【特許文献3】特開2001−142371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、このような従来技術の欠点を解消し、特に近年主流となってきているレーザ光を書き込み光源とする高耐久デジタル系高速電子写真プロセスに適用でき、感光体の耐摩耗性を損なわず、フィルミングなどの感光体劣化がきわめて少なく、しかも小粒径、球形トナーに対してクリーニングブレードの劣化を抑制し、クリーニング不良を発生させない安定したクリーニング装置により優れた画像を得ることのできる画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特にクリーニング処理を施すクリーニングユニットに着目し鋭意検討をかさねた結果、本発明を完成するに到った。
すなわち、上記課題は本発明の(1)「少なくとも感光体に、帯電、画像露光、現像、転写及びクリーニング処理を施して行う画像形成方法において、クリーニング処理を施すクリーニングユニットが弾性体ブレードを有し、該弾性体ブレードの感光体と接する部分に当接カット面を形成し、該当接カット面が当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有することを特徴とする画像形成方法」、(2)「前記弾性体ブレードにおける感光体との当接カット面の繰り返し形状は、その凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることを特徴とする上記第(1)に記載の画像形成方法」、(3)「前記弾性体ブレードはウレタンゴムからなり、25℃においてその硬度が67〜75度(JIS A)、反発弾性率が50〜68%であることを特徴とする上記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成方法」、(4)「前記感光体が保護層を有し、該保護層はアルミナまたは酸化チタンからなる無機微粒子を含有するものであることを特徴とする上記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の画像形成方法」、(5)「前記感光体保護層が電荷輸送材料を含有するものであることを特徴とする上記第(4)項に記載の画像形成方法」、(6)「前記現像処理に用いられるトナーは、体積平均粒径が5.5μm以下、円形度が0.97以上であることを特徴とする上記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の画像形成方法」により達成される。
【0011】
また、上記課題は本発明の(7)「少なくとも感光体に、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を有する画像形成装置において、クリーニング処理を施すクリーニングユニットが弾性体ブレードを有し、該弾性体ブレードの感光体と接する部分に当接カット面が形成され、該当接カット面が当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有することを特徴とする画像形成装置」、(8)「前記弾性体ブレードにおける感光体との当接カット面の繰り返し形状は、その凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることを特徴とする上記第(7)項に記載の画像形成装置」、(9)「前記弾性体ブレードはウレタンゴムからなり、25℃においてその硬度が67〜75度(JIS A)、反発弾性率が50〜68%であることを特徴とする上記第(7)項または第(8)項に記載の画像形成装置」、(10)「前記感光体が保護層を有し、当該保護層はアルミナまたは酸化チタンからなる無機微粒子を含有するものであることを特徴とする上記第(7)項乃至第(9)項の何れかに記載の画像形成装置」、(11)「前記感光体保護層が電荷輸送材料を含有するものであることを特徴とする上記第(10)項に記載の画像形成装置」、(12)「前記現像手段に用いられるトナーが、体積平均粒径が5.5μm以下、円形度が0.97以上であることを特徴とする上記第(7)項乃至第(11)項の何れかに記載の画像形成装置」、(13)「上記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の画像形成方法、又は上記第(7)項乃至第(12)項の何れかに記載の画像形成装置に用いられる、少なくとも当接カット面の繰り返し形状を有する弾性体ブレードからなるクリーニングユニットを具備したことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」により達成される。
【0012】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、クリーニング不良の発生を抑制できるクリーニング方法について検討した。特に、重合トナーに代表される、小粒径、球形トナーに関し、そのクリーニングを如何に安定して行なうことができるかということについて詳細に検討した。
小粒径、球形トナーを用いる場合、ブレードエッジにおいてせき止められるクリーニングトナーのすりぬけが生じ、結果的にクリーニング不良という問題が発生する。粒径に関しては、当然のことながら、これらトナー粒子は分布を有するが、平均粒径でほぼ議論することが可能である。その形状として円形度が0.94以下の場合には、粒径が5μm前後でもクリーニングは可能であるのに対し、円形度が0.97以上の球形の場合、そのクリーニング余裕度は急激に低下し、さらに粒径が5μm前後となると、従来のブレードクリーニング装置では、ほとんどクリーニングは不可能で、被クリーニングトナーの特性によってそのクリーニング状態は大きく変化する。
【0013】
加えて、トナーには、その流動性の改善や帯電性の調節のために外添剤が付加されるが、その外添剤は一部トナーより離脱し、外添剤単独でクリーニング部に突入する。この外添剤は、粒径としてトナーに比べて非常に小さく、クリーニングブレードを容易にすり抜ける。したがって、外添剤はクリーニング動作において、ブレードエッジと感光体表面の間に存在することになり、これにより感光体とクリーニングブレードの双方が摩耗作用を受けてしまうのである。また、摩耗とは別にこれら外添剤が感光体表面に押し付けられる状態が継続されることでフィルミングが生じてしまうこともあり、それらへの対応は簡単ではない。通常用いられる上記のような外添剤に加えて、大粒径の外添剤をさらに加えることもできる。この大粒径外添剤は球形トナーのクリーニングに対してその回転運動性を妨げる効果を有すると考えられ、クリーニング性の余裕度が向上する。
【0014】
外添剤の使用割合は、トナーの0.01〜5.0重量%で良く、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。外添剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0015】
一方、感光体に当接するブレード先端の摩耗状態についてさらに詳細に検討したところ、小粒径、球形トナーでは従来の粉砕トナーと比べて経時的な摩耗量が非常に多いことが明らかとなった。この原因は明確ではないが、小粒径、球形となることによるクリーニング余裕度の低下が影響したものと推測され、ブレードをすり抜けるトナーが増加していることが1つの要因と考えられる。また、摩耗状態の詳細観察から、摩耗はブレードのカット面から生じている場合が多いことが確認され、ブレードエッジが感光体動作方向に引き込まれながら摩耗作用を受けた結果と考えられる。
本発明はこのような摩耗作用を抑制する狙いで鋭意検討した結果得られたものであり、ブレードエッジの引き込まれ変形を緩和できた結果であると考えられる。加えて、感光体クリーニングとフィルミング及び感光体摩耗とブレード摩耗の抑制をバランスよく成立させることができ、本発明の構成が有効であることが判明した。すなわち、本発明の弾性体ブレードを用いることで、小粒径、球形トナーに対して、すり抜けが抑制され良好なクリーニング性が達成でき、かつ感光体とブレードの摩耗耐久性が良好に維持できる。
【0016】
ここで、さらにブレードエッジ近傍でのクリーニング動作を考えると、従来の直線かつ平面状の均一なカット面形状において、ブレード先端は恒常的に感光体動作方向への引き込まれ変形を受けるため、実質的にエッジ部からカット面側に数μm離れた部分が当接して摩耗作用を受けることとなり、その部分が徐々にえぐれる摩耗となって摩耗が進行し、ついにはエッジ部分が脱落してクリーニング不良に至る現象となっている。このような引き込まれ変形を緩和するためには、エッジの変形度合いを不均一にすれば良く、本発明の繰り返し形状をカット面に形成することで、局所的に複数の緩和ポイントが形成され、その箇所から引き込まれ変形が解消される効果が得られるのである。ただし、単にカット面を研摩紙等により粗面化するだけでは、逆にクリーニング不良の発生ポイントを形成してしまう場合が多く、本発明の波板状あるいは三角波状の繰り返し形状が好適である。本発明の繰り返し形状は、凹凸が対象的に推移し、トナーの局所的なすり抜けを誘発しにくく、同時に引き込まれ変形を緩和できるもので、別の形状では例えば矩形形状の繰り返しの場合、矩形の角部で欠けが生じやすいため適さない。
【0017】
さらに、前記繰り返し形状のサイズも影響し、凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることが必要である。凹凸高さが10μmに満たない場合には、平面カットと同様の状態となり、15μmより大きい場合には凹部にトナーが定常的に滞留しクリーニング不良を生じやすい。凹凸ピッチは10μmより小さい場合、同様に凹部へのトナー滞留を生じやすくクリーニング不良へと至り、20μmより大きい場合には、実質的に平面カットと同様の状態となることが確認された。ここで凹凸ピッチとは、凹凸が対称的に推移する繰り返し形状の繰り返し間隔であり、隣接する凸部あるいは凹部の間隔のことである。
【0018】
さらに弾性体ブレードの硬度、反発弾性率は、本発明の範囲にあることが好ましい。すなわち、25℃においてその硬度が67〜75度(JIS A)、反発弾性率が50〜68%であることにより、小粒径、球形トナーのクリーニング性を良好に維持しながら前述の引き込まれ変形の抑制に対して好ましい。硬度が67度より小さい場合、より変形しやすくなり形状の効果がなくなってしまい、逆に硬度が75度より大きい場合、感光体表面への密着性が阻害され、クリーニング性が低下してしまう。反発弾性については、引き込まれ変形への影響が大きく、50%より小さい場合には、変形からの復元応答性が低い為に変形状態から緩和されにくい。なお、反発弾性は68%を超えるものは実質的に無いのが現状で、ブレード鳴きが大きくなる弊害があり適さない。ここで反発弾性率の測定は、レジリエンステスタ(株式会社東洋精機製作所製)を使用し、JIS K6255に準じ
て行った。
なお、エッジ先端の変形状況については、摩耗痕から推測することが可能で、カット面の摩耗があれば引き込まれ変形が生じていると判断できる。詳細な摩耗の状態は、例えば、超深度形状測定顕微鏡VK8500(キーエンス社製)等により、その形状を拡大観察することができ摩耗寸法を含めて比較評価できる。
【0019】
次に、本発明に用いられる感光体について説明する。
感光体は、感光層が単層でも積層であってもよいが、機能分離型の積層タイプを例に説明する。
図1は、本発明に用いられる積層型電子写真感光体の概略断面図である。
図2は、本発明に用いられる他の積層型電子写真感光体の概略断面図である。
本願発明に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体(導電性基体)(1)上に感光層(2)が設けられており、この感光層(2)は電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(3)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(4)との積層で形成されている。
【0020】
そして、このような電子写真感光体の表層として保護層(5)が形成される。この保護層(5)については後記する。
導電性支持体(1)は、体積抵抗1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板又はそれらを素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等からなるものである。
電荷発生層(3)における電荷発生材料としては、無機又は有機材料が用いられ、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料、セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、アモルファス・シリコン等が挙げられる。
【0021】
これら電荷発生材料は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層(3)は、電荷発生材料を適宜バインダー樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、2−ブタノン、ジクロルエタン等の溶媒を用いて、ボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を塗布することにより形成することができる。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法等により行なう。
【0022】
上記の適宜用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。
バインダー樹脂の量は、重量基準で電荷発生材料1部に対して、0〜2部が適当である。
電荷発生層(3)は、公知の真空薄膜作製法によっても形成することができる。
電荷発生層(3)の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
【0023】
電荷輸送層(4)は、電荷輸送材料及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送材料のうち、低分子電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料とがある。
電子輸送材料としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0024】
正孔輸送材料としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0025】
また、電荷輸送材料として高分子電荷輸送材料を用いる場合、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥して電荷輸送層を形成してもよい。
高分子電荷輸送材料は、上記低分子電荷輸送材料に電荷輸送性置換基を主鎖又は側鎖に有した材料であればよい。
特に好ましい高分子電荷輸送材料としては、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等であり、中でもトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートの使用が有利である。
さらに必要により、高分子電荷輸送材料にバインダー樹脂、低分子電荷輸送材料、可塑剤、レベリング剤、潤滑剤等を適量添加することもできる。
【0026】
電荷輸送材料と共に電荷輸送層(4)に使用されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
必要により、電荷輸送層(4)に添加される可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、樹脂に汎用の可塑剤を挙げることができ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜30%程度が適当である。
【0027】
必要により、電荷輸送層(4)に添加されるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられ、その使用量は、重量基準でバインダー樹脂に対して0〜1%程度が適当である。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、2−ブタノン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン等が挙げられる。
電荷輸送層(4)の厚さは、5〜30μmの範囲で、所望の感光体特性に応じて適宜選
択すればよい。
【0028】
本発明においては、感光層に含有される電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の40重量%以上とするのが好ましい。
40重量%未満では、感光体へのレーザ書き込みにおけるパルス光露光において、高速電子写真プロセスでの充分な光減衰時間が得られず、好ましくない。
感光体における電荷輸送層移動度は、2.5×105〜5.5×105V/cmの範囲の電荷輸送層電界強度の条件下で、3×10-5cm2/V・s以上であることが好ましく、
7×10-5cm2/V・s以上であることがより好ましい。
この移動度は、各使用条件下でこれを達成するように構成を適宜調整することができる。
この移動度は、従来公知の(Time Of Flight)法により求めればよい。
【0029】
本発明に用いられる積層型電子写真感光体には、導電性支持体(1)と感光層との間に下引き層を形成することができる。
この下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考慮すると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
【0030】
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末を加えてもよい。
この下引き層は、上記の感光層と同様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層を用いることも有用である。
この外に、下引き層には、Al23を陽極酸化したものにより形成したもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の
無機物を真空薄膜作製法により形成したものも有効である。
下引き層の膜厚は、5μm以下が適当である。
【0031】
積層型電子写真感光体には、表層として、感光層の保護及び耐久性の向上を目的に、フィラーを含有する保護層(5)を感光層(2)の上に形成するのが好ましい。
この保護層(5)に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0032】
保護層(5)には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーが添加される。
このフィラーとしては、本発明においてアルミナまたは酸化チタンの無機材料からなる
微粉末を用いる。なお、これらフィラーの併用やさらにシリカ等の無機微粒子を添加する場合もある。
保護層(5)に添加されるフィラーの量は、重量基準で通常は、10〜40%、好ましくは20〜30%である。
フィラーの量が10%未満では、摩耗が大きく、耐久性に劣り、40%を越えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので望ましくない。
【0033】
さらに、保護層(5)には、フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。
添加される分散助剤は塗料等に使用されるもの(例えば、変性エポキシ樹脂縮合物、不飽和ポリカルボン酸低分子量ポリマー等)が適宜利用でき、その量は重量基準で、通常は含有するフィラーの量に対して0.5〜4%、好ましくは1〜2%である。
また、保護層(5)には、上記の電荷輸送材料を添加することもきわめて有効であり、その添加量も同様でよく、露光に対する特性を向上させることができる。
さらに、酸化防止剤も必要に応じて添加することができる。酸化防止剤については後記する。
【0034】
保護層(5)の形成法としては、スプレー法等通常の塗布法が採用され、保護層(5)の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは4〜6μm程度が適当である。
本発明においては、感光層と保護層との間に別の中間層を形成することも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。
このバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
中間層の形成法としては、上記の通常の塗布法が採用され、中間層の厚さは、0.05〜2μm程度が適当である。
【0035】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。
各層に添加できる酸化防止剤としては、フェノール系化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェロール類等が挙げられる。
【0036】
パラフェニレンジアミン類として、N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−Nsec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−N,N−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
ハイドロキノン類として、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデ
シルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等が挙げられる。
有機硫黄化合物類として、ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0037】
有機燐化合物類として、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等が挙げられる。
各層に添加できる可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤として、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
【0038】
フタル酸エステル系可塑剤として、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等が挙げられる。
芳香族カルボン酸エステル系可塑剤として、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチル等が挙げられる。
脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤として、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等が挙げられる。
【0039】
脂肪酸エステル誘導体系可塑剤として、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリン等が挙げられる。
オキシ酸エステル系可塑剤として、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
エポキシ系可塑剤として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシル等が挙げられる。
二価アルコールエステル系可塑剤として、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート等が挙げられる。
【0040】
含塩素系可塑剤として、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチル等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤として、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステル等が挙げられる。
スルホン酸誘導体系可塑剤として、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホ
ンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミド等が挙げられる。
クエン酸誘導体系可塑剤として、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシル等が挙げられる。
【0041】
その他、ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチル等が挙げられる。
各層に添加できる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0042】
サルシレート系紫外線吸収剤として、フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ−3−ターシャリブチル−5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤として、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤として、ニッケル[2,2チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート等が挙げられる。
HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0044】
本発明の感光体は、このように導電性基体上に感光層及び保護層を形成し、所望により下引き層、中間層を形成し、この保護層にフィラーを含有させることによって、摩耗に対する耐性を向上させ、耐久性を良好にしたものである。
【0045】
本発明は、画像形成方法及び装置におけるクリーニングユニットに搭載されるクリーニングブレードとして、少なくとも感光体と接する先端のカット面形状において、当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有し、さらにその繰り返し形状において、凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることにより、小粒径、球形トナーのクリーニングにおいて引き込まれ変形に起因するブレード摩耗を抑制し、経時的に良好なクリーニング性を保つ事ができる。
【0046】
このようなブレードカット面の繰り返し形状の形成方法としては、遠心成型法によりウレタンシートを形成したのち、短冊形状への切断時に所定の幅のストレートカッターによ
り切断することとして、そのカッターの刃の形状を波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状に加工しておくことで可能である。刃の加工は例えばエキシマレーザを利用でき最小加工寸法が2μmで加工できる。
【0047】
続いて、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を説明する。
図3、図4は、本発明に用いられる弾性体ブレード及びそのカット面形状の概略図であって、各々波板状、三角波状のカット面繰り返し形状を有するものである。
また、図5は、本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図である。
感光体(6)は、ドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
【0048】
感光体(6)の周囲には、必要に応じて、転写前チャージャ(7)、転写チャージャ、分離チャージャ、クリーニング前チャージャ(8)が配置され、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラをはじめとする公知の手段が配置される。
帯電部材(9)は感光体と当接していてもよいが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けた近接配置とすることにより、両者の摩耗量が低減できると共に帯電部材へのトナーフィルミングを抑制でき、好ましく使用できる。
【0049】
帯電部材(9)に印加する電圧は、帯電の安定化と帯電ムラの抑制のために、直流成分に交流成分を重畳したものとすることが効果的である。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図5に示されるように転写ベルト(10)を使用したものが有効である。
また、画像露光部(11)、除電ランプ(12)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般を用いることができる。
【0050】
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源は、図5に示される工程の外に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程又は前露光等の工程に用いられ、感光体(6)に光が照射される。
【0051】
現像ユニット(13)により感光体(6)上に現像されたトナーは、転写紙(14)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(6)上に残存するトナーもあり、このようなトナーは、ファーブラシ(15)及びクリーニングブレード(16)により感光体(6)から除去される。
クリーニングは、クリーニングブレードのみで行なわれることもあるが、本発明のクリーニングブレードに加えてファーブラシ等のクリーニングブラシを組み合わせて用いることができる。
【0052】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
この現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が採用される。
また、図5中(17)はレジストローラー、(18)は分離爪である。
本発明は、このような画像形成手段に電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形
成装置である。
【0053】
上記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態で、それら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
ここで、プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、外に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を含んだ1つの装置(部品)である。
【0054】
したがって、本発明はまた、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、定着及びクリーニング手段を有する画像形成装置用プロセスカートリッジであって、上記電子写真感光体とクリーニングブレードを具備することを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジをも提供するものである。
図6は、本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジは、例えば、図6に示すように、感光体101(ドラム型)を内蔵し、接触式の帯電手段102、露光手段103、現像手段104、クリーニングブレード107を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。例えば、転写手段106、除電ランプ108、定着手段109等を一体として構成しても良い。ここで感光体101としては、前述の画像形成装置と同様のものを用いることができる。帯電手段102としては、任意の帯電部材が用いられる。さらに露光手段103としては、高解像度で書き込みを行うことのできる光源が用いられる。本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジは、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【発明の効果】
【0055】
本発明により、近年主流となってきているレーザ光を書き込み光源とする高耐久デジタル系高速電子写真プロセスに好ましく適用でき、小粒径、球形トナーに対してクリーニングブレードの劣化を抑制し、クリーニング不良を発生させないで良好なクリーニング性を確保でき、感光体に対しては耐摩耗性に優れ、フィルミングなどの感光体劣化がきわめて少なく、しかも高精細電子写真プロセスに対して安定かつ優れた画像を与えることのできる画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。なお、部とあるのはすべて重量部である。
(評価ブレード用ウレタンシートの作製)
評価ブレード用ウレタンゴムシートとして、以下の配合により2mm厚のウレタンシートを作製した。なお、シート成型の手順として、まずプレポリマーを90度に加熱溶融させておき、そこに硬化剤を加え、往復回転式攪拌機アジター(株式会社島崎製作所製)により1分間攪拌したのち、ろ過鐘により脱泡を1分間行い、金型に注型した。1次焼成は150℃1時間、2次焼成は120℃12時間とし、さらに23℃50%RHで7日間の養生を行なった。
【0057】
(配合1)
ポリエチレンアジペート系プレポリマー(イソシアネート:MDI)
硬化剤:1,4BD/TMP=85/15wt%
α値:0.9
(配合2)
ポリカプロラクトン系プレポリマー(イソシアネート:MDI)
硬化剤:1,4BD/TMP=90/10wt%
α値:0.9
(配合3)
ポリカプロラクトン系プレポリマー(イソシアネート:MDI)
硬化剤:1,4BD/TMP=90/10wt%
α値:0.85
(配合4)
ポリエチレンアジペート系プレポリマー(イソシアネート:MDI)
硬化剤:1,4BD/TMP=80/20wt%
α値:0.8
(配合5)
ポリエチレンアジペート系プレポリマー(イソシアネート:NDI)
硬化剤:1,4BD/TMP=85/15wt%
α値:0.85
【0058】
以上の配合によるウレタンゴムシートの硬度、反発弾性率は、25℃において以下のとおりであった。
(配合1)硬度67度、反発弾性率50%
(配合2)硬度75度、反発弾性率68%
(配合3)硬度72度、反発弾性率60%
(配合4)硬度65度、反発弾性率45%
(配合5)硬度80度、反発弾性率35%
【0059】
(ブレード短冊作製)
以下の形状の裁断刃をレーザ加工によりあらかじめ作製し、各々で短冊に切断し、ブレード用ウレタンゴム部品を作製した。
なお、裁断刃における繰り返し形状は、寸法、及び形状を同じとした。
【0060】
(形状1)
切断時形状:波板状
凹凸高さ:10μm
凹凸ピッチ:10μm
(形状2)
切断時形状:三角波状
凹凸高さ:10μm
凹凸ピッチ:10μm
(形状3)
切断時形状:波板状
凹凸高さ:15μm
凹凸ピッチ:10μm
(形状4)
切断時形状:三角波状
凹凸高さ:15μm
凹凸ピッチ:20μm
(形状5)
切断時形状:波板状
凹凸高さ:25μm
凹凸ピッチ:20μm
(形状6)
切断時形状:波板状
凹凸高さ:10μm
凹凸ピッチ:35μm
(形状7)
切断時形状:ストレート
凹凸高さ: 2μm以下
凹凸ピッチ:なし
【0061】
以上の裁断刃によりカッティングを行い、所定の板金ホルダに接着して評価用クリーニングブレードを完成した。
クリーニング性評価は、リコー製カラー複合機 imagio Neo C455に上
記試作ブレードを搭載して行なった。(上記試作ブレードの形状、寸法は、標準的に搭載されているブレードと同様になるように作製した)
【0062】
(評価用トナー)
重合法により作製したトナーを用いた。
トナー母体:円形度0.98、体積平均粒径4.9μm
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)
(ブレード当接条件)
線圧 :20g/cm
クリーニング角:78度
(評価環境)
20℃65%RH
(通紙条件)
イールド5%チャート
3プリント/ジョブで、10,000枚(A4横)
(評価項目)
クリーニング不良発生:有無(5%チャート出力目視観察)
ブレードエッジ摩耗幅:ブレード鏡面側からみた摩耗幅
超深度形状測定顕微鏡VK8500(キーエンス社製)で測定
【0063】
(評価結果)
(実施例1)
ウレタンゴム配合:配合1
カット面形状:形状1
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:3.7μm
(実施例2)
ウレタンゴム配合:配合3
カット面形状:形状2
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:3.2μm
(実施例3)
ウレタンゴム配合:配合2
カット面形状:形状3
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:3.5μm
【0064】
(実施例4)
ウレタンゴム配合:配合2
カット面形状:形状4
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:3.9μm
(比較例1)
ウレタンゴム配合:配合3
カット面形状:形状5
クリーニング不良発生:帯状クリ不発生2ヶ所
ブレードエッジ摩耗幅:6.2μm
(実施例5)
ウレタンゴム配合:配合3
カット面形状:形状3
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:2.8μm
(比較例2)
ウレタンゴム配合:配合4
カット面形状:形状6
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:8.5μm
(比較例3)
ウレタンゴム配合:配合5
カット面形状:形状7
クリーニング不良発生:帯状クリ不発生1ヶ所
ブレードエッジ摩耗幅:11.5μm
【0065】
(実施例6)
ウレタンゴム配合:配合2
カット面形状:形状1
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:3.3μm
(実施例7)
ウレタンゴム配合:配合1
カット面形状:形状4
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:4.1μm
(比較例4)
ウレタンゴム配合:配合3
カット面形状:形状7
クリーニング不良発生:帯状クリ不発生1ヶ所
ブレードエッジ摩耗幅:9.8μm
【0066】
(比較例5)
ウレタンゴム配合:配合5
カット面形状:形状1
クリーニング不良発生:すじ状クリ不発生1ヶ所
ブレードエッジ摩耗幅:5.5μm
(実施例8)
ウレタンゴム配合:配合2
カット面形状:形状2
クリーニング不良発生:なし
ブレードエッジ摩耗幅:4.3μm
(比較例6)
比較例4に示したブレードエッジを以下の方法により粗化した。
ラッピングフィルムシート#600(住友スリーエム株式会社製)を用い、ブレードエ
ッジ部に線圧25g/cmで当接させながら1分間研摩した。
クリーニング不良発生:すじ状クリ不発生5ヶ所
ブレードエッジ摩耗幅:21.5μm
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に用いられる積層型電子写真感光体の概略断面図である。
【図2】本発明に用いられる他の積層型電子写真感光体の概略断面図である。
【図3】本発明に用いられるブレード及びそのカット面形状の概略図である。
【図4】本発明に用いられる他のブレード及びそのカット面形状の概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法及び画像形成装置を示す概略図ある。
【図6】本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0068】
1 導電性支持体
2 感光層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 保護層
6 感光体
7 転写前チャージャ
8 クリーニング前チャージャ
9 帯電部材
【0069】
10 転写ベルト
11 画像露光部
12 除電ランプ
13 現像ユニット
14 転写紙
15 ファーブラシ
16 クリーニングブレード
17 レジストローラ
18 分離爪
【0070】
101 感光体(ドラム型)
102 帯電手段(接触型)
103 露光手段
104 現像手段
105 転写紙
106 転写手段(接触型)
107 クリーニングブレード
108 除電ランプ
109 定着手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも感光体に、帯電、画像露光、現像、転写及びクリーニング処理を施して行う画像形成方法において、クリーニング処理を施すクリーニングユニットが弾性体ブレードを有し、該弾性体ブレードの感光体と接する部分に当接カット面を形成し、該当接カット面が当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記弾性体ブレードにおける感光体との当接カット面の繰り返し形状は、その凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記弾性体ブレードはウレタンゴムからなり、25℃においてその硬度が67〜75度(JIS A)、反発弾性率が50〜68%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記感光体が保護層を有し、該保護層はアルミナまたは酸化チタンからなる無機微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記感光体保護層が電荷輸送材料を含有するものであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記現像処理に用いられるトナーは、体積平均粒径が5.5μm以下、円形度が0.97以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成方法。
【請求項7】
少なくとも感光体に、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を有する画像形成装置において、クリーニング処理を施すクリーニングユニットが弾性体ブレードを有し、該弾性体ブレードの感光体と接する部分に当接カット面が形成され、該当接カット面が当接辺に対し略直角に波板状、あるいは三角波状の繰り返し形状を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記弾性体ブレードにおける感光体との当接カット面の繰り返し形状は、その凹凸高さが10μm〜15μm、凹凸ピッチが10μm〜20μmであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記弾性体ブレードはウレタンゴムからなり、25℃においてその硬度が67〜75度(JIS A)、反発弾性率が50〜68%であることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記感光体が保護層を有し、当該保護層はアルミナまたは酸化チタンからなる無機微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記感光体保護層が電荷輸送材料を含有するものであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記現像手段に用いられるトナーは、体積平均粒径が5.5μm以下、円形度が0.97以上であることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法又は請求項7〜12のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる、少なくとも当接カット面の繰り返し形状を有する弾性体ブレー
ドからなるクリーニングユニットを具備したことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−70585(P2008−70585A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249010(P2006−249010)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】