説明

画像形成方法および画像形成装置

【課題】アモルファス感光体の長寿命化を図り、水分付着を抑制して像流れを防止する。
【解決手段】駆動するアモルファスシリコン感光体2Yと当接している感光体クリーニングブレード9Y1を離間させ、クリーニングブレード9Y1が離間した後に、アモルファスシリコン感光体2Yにトナー及びキャリアー液を有する液体現像剤もしくはキャリアー液を塗布し、液体現像剤もしくはキャリアー液を塗布した後にアモルファスシリコン感光体2Yの駆動を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アモルファスシリコン感光体に形成された潜像を液体現像剤により現像して画像を形成する画像形成方法および画像形成装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて、像担持体であるアモルファスシリコン感光体に形成された潜像を現像して画像を形成する画像形成装置が多々知られている。アモルファスシリコン感光体は表面硬度が非常に高く磨耗し難いため、非常に長寿命である。しかしながら、コロナ放電器等からの電荷放電により、SiO2等の放電生
成物が感光体の表面に付着して堆積するとともに水分が感光体の表面に付着すると、感光体表面の電気抵抗が低下する。その結果、高電位のネガ部潜像が近接する電位のポジ部潜像側に流れて像がぼやけるという像流れが発生し易い。このため、良好な画像が得られない。
【0003】
そこで、感光体表面に付着した放電生成物を摺擦ローラーで摺擦して除去することにより、像流れを抑制した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一方、キャリアー液を感光体に塗布することで、非画像部へのトナー付着(かぶり)を防止した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。更に、感光体に液体現像剤とは別の液体潤滑剤を感光体に塗布することで、感光体のクリーニング性を向上させた画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。その他、感光体をヒーター加熱することで感光体への水分の付着を防止した画像形成装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−076639号公報。
【特許文献2】特開平07−209998号公報。
【特許文献3】特開2008−64852号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、摺擦機構およびこの摺擦機構の設置スペースが必要となり、コストが高くなる。また、摺擦で感光体が過度に磨耗し、感光体の寿命が低下する。更に、摺擦動作が行われない画像形成装置の停止時や待機時には、感光体が外気に曝されて表面酸化が進行して、像流れが誘発され易くなる。
【0006】
また、特許文献2に記載の画像形成装置では、キャリアー液の感光体への塗布が非画像部へのトナーかぶりの防止を目的とするために、塗布装置は露光部と現像部との間に配設されることに限定される。このため、感光体が回転しない画像形成装置の停止時や待機時には、感光体クリーニング部と塗布装置との間の感光体の部分が直接外気に曝され、表面酸化が進行して像流れが誘発される。
【0007】
更に、特許文献3に記載の画像形成装置では、現像剤と異なる成分が感光体に塗布されるため、トナーの絶縁性およびトナー分散性が低下して現像性能が損なわれる。しかも、前述と同様に画像形成装置の停止時や待機時に、感光体クリーニング部と現像部との間の感光体の部分が直接外気に曝され、同様に表面酸化が進行して像流れが誘発される。
更に、ヒーターで感光体を加熱した場合には、感光体の帯電特性が低下するとともに、コストが高くなる。
【0008】
本発明の目的は、アモルファス感光体の長寿命化を図りつつ、水分の付着を抑制して安価に像流れを防止することができる画像形成方法および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成方法および画像形成装置では、画像形成後にキャリアー液塗布部材により、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤もしくはキャリアー液がアモルファス感光体に塗布される。そして、アモルファス感光体に塗布された液体現像剤もしくはキャリアー液により、トナーの絶縁性およびトナー分散性の低下が回避でき、現像性能が損なわれるのを回避できる。
【0010】
また、アモルファス感光体に塗布された液体現像剤もしくはキャリアー液により、画像形成装置の停止時や待機時にアモルファス感光体が直接外気に曝されることはなく、アモルファス感光体の表面酸化を抑制できる。その結果、像流れが効果的に防止できる。
【0011】
しかも、アモルファス感光体に塗布された液体現像剤もしくはキャリアー液により、画像形成装置の停止時や待機時にアモルファス感光体に水分が付着するのを防止できる。その結果、像流れが更に一層効果的に防止できる。更に、画像形成装置の停止時や待機時にアモルファス感光体に水分が付着するのを防止するために、従来のようにアモルファス感光体をヒータ−等で加熱する必要がなくなるので、アモルファス感光体の温度上昇に起因するアモルファス感光体の帯電特性が低下するのを回避することができるとともに、ヒーターを用いないので低消費電力化が可能となる。更に、従来のように感光体摺擦手段を用いることもないので、アモルファス感光体の磨耗を抑制でき、アモルファス感光体の長寿命化を図ることが可能となる。
【0012】
こうして、アモルファス感光体の長寿命化を図りつつ、水分の付着を抑制して像流れを防止することができる画像形成方法および画像形成装置を実現することができる。
【0013】
特に、液体現像剤もしくはキャリアー液をアモルファス感光体に塗布するために、現像部、感光体スクイーズ部、あるいは中間転写ベルト等の液体現像剤を用いた画像形成装置の構成部材をキャリアー液塗布部材として用いることにより、専用の特別なキャリアー液塗布部を不要にできる。これにより、液体現像剤もしくはキャリアー液をアモルファス感光体に塗布するようにしても、部品点数を削減することができるとともにコストを低減でき、更に、画像形成ユニットの設置スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる画像形成方法に用いられる画像形成装置の実施の形態の第1例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】イエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われない状態を示す図である。
【図3】第1例のイエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われる状態を示す図である。
【図4】第1例のイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図である。
【図5】第1例のイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。
【図6】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第2例の一部を模式的にかつ部分的に示す、図2と同様の図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第3例の一部を模式的にかつ部分的に示す、図2と同様の図である。
【図8】第3例のイエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われる状態を示す図である。
【図9】第3例のイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図である。
【図10】第3例のイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。
【図11】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第4例の一部を模式的にかつ部分的に示す、図2と同様の図である。
【図12】第4例のイエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われる状態を示す図である。
【図13】第4例のイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図である。
【図14】第4例のイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。
【図15】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第5例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図16】第5例のイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図である。
【図17】第5例のイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。
【図18】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第6例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図19】第6例のイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図である。
【図20】第6例のイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成方法に用いられる画像形成装置の実施の形態の第1例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【0016】
この第1例の画像形成装置1はトナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて画像形成を行う。図1に示すように、この画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の像担持体であるアモルファスシリコンを含む感光体(アモルファスシリコン感光体)2Y,
2M,2C,2Kを備えている。これらのアモルファスシリコン感光体2Y,2M,2C,2
Kは、それぞれ、図示しない駆動部により駆動されて図1において矢印で示す方向に回転する。ここで、各感光体2Y,2M,2C,2Kにおいて、2Yはイエローの感光体、2M
はマゼンタの感光体、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の
部材を表す。
【0017】
また、各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、帯電部3Y,3M,3C,3Kが配設されている。更に、各帯電部3Y,3M,3C,3Kから、それぞれ、各感光体2
Y,2M,2C,2Kの回転方向に向かって、順に、露光部4Y,4M,4C,4K、キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5K、現像部6Y,6M,6C,6K、感光体スクイーズ部7Y,7M,7C,7K、一次転写部8Y,8M,8C,8K、およびクリーニングブレードを有する感光体クリーニング部9Y,9M,9C,9Kが配設されている。なお、各感光体2Y,
2M,2C,2Kは一次転写後に、図示しない除電部によって除電される。これらの各感光体2Y,2M,2C,2K、各帯電部3Y,3M,3C,3K、各露光部4Y,4M,4C,4K
、各キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5K、各現像部6Y,6M,6C,6K、各感光体スクイーズ部7Y,7M,7C,7K、各一次転写部8Y,8M,8C,8K、各感光体クリーニング部9Y,9M,9C,9K、および各除電部により、それぞれ、この第1例の画像
形成装置1の各画像形成ユニットが構成される。
【0018】
また、画像形成装置1は、転写部材である無端状の中間転写ベルト10を備えている。この中間転写ベルト10は、各感光体2Y,2M,2C,2Kの上方に配置されている。そ
して、中間転写ベルト10は各一次転写部8Y,8M,8C,8Kでそれぞれ各一次転写ロ
ーラー8Y1,8M1,8C1,8K1で各感光体2Y,2M,2C,2Kに離間当接可能に圧接される。
【0019】
図示しないが、中間転写ベルト10は、例えば樹脂等の可撓性の基材と、この基材の表面に形成されたゴム等の弾性層と、この弾性層の表面に形成された表層とを有する3層構造の比較的柔らかい弾性ベルトに形成されている。もちろん、これに限定されることはない。中間転写ベルト10は図示しないモーターの駆動力が伝達される中間転写ベルト駆動ローラー11および中間転写ベルトテンションローラー12に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト10はテンションを付与された状態で、矢印方向に回転するようにされている。なお、各色Y、M、C、Kに対応する感光体等の部材の配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0020】
中間転写ベルト10の中間転写ベルト駆動ローラー11側には二次転写部13が設けられている。二次転写部13は、二次転写ローラー14を有している。二次転写ローラー14は回転軸14aを中心に矢印で示す方向に回転する。この二次転写ローラー14は、中間転写ベルト駆動ローラー11に巻き掛けられる中間転写ベルト10に圧接されて二次転写ニップを形成する。また、中間転写ベルト10の中間転写ベルトテンションローラー12側には、中間転写ベルトクリーニング部15が設けられている。この中間転写ベルトクリーニング部15は、中間転写ベルト10の当接離間可能に圧接される中間転写ベルトクリーニングブレード15aを有する。
【0021】
各現像部6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ、現像剤担持体である現像ローラー6Y1,
6M1,6C1,6K1および現像ローラークリーニングブレード6Y2,6M2,6C2,6K2を有する。また、各感光体スクイーズ部7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ感光体スクイー
ズローラー7Y1,7M1,7C1,7K1および感光体スクイーズローラークリーニングブレ
ード7Y2,7M2,7C2,7K2を有する。更に、各感光体クリーニング部9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ感光体クリーニングブレード9Y1,9M1,9C1,9K1を有している。
そして、各キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5K、各現像ローラー6Y1,6M1,6
1,6K1、各感光体スクイーズローラー7Y1,7M1,7C1,7K1、および各感光体クリーニングブレード9Y1,9M1,9C1,9K1は、それぞれ、感光体2Y,2M,2C,2Kに対して当接離間可能に設けられる。その場合、各感光体2Y,2M,2C,2Kに対する各
キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5Kの当接離間は、それぞれ、図示しないキャリ
アー液塗布部材当離接機構で行われる。また、各感光体2Y,2M,2C,2Kに対する各
現像ローラー6Y1,6M1,6C1,6K1の当接離間は、それぞれ、図示しない現像剤担持
体当離接機構で行われる。更に、各感光体2Y,2M,2C,2Kに対する各感光体スクイ
ーズローラー7Y1,7M1,7C1,7K1の当接離間は、それぞれ、図示しないスクイーズ
ローラー当離接機構で行われる。更に、各感光体2Y,2M,2C,2Kに対する各感光体
クリーニングブレード9Y1,9M1,9C1,9K1の当接離間は、それぞれ、図示しないク
リーニングブレード当離接機構で行われる。
【0022】
この第1例の画像形成装置1の基本的な画像形成動作(画像形成工程)について説明する。
画像指令が入力されると、各画像形成ユニットが作動する。イエローの感光体2Yが帯電部3Yにより一様帯電されるとともに、露光部4Yによって感光体2Yにイエローの潜像が書き込まれる。感光体2Yのイエローの潜像は現像部6Yによって現像され、現像されたイエローのトナー像が感光体2Yの回転によりイエローの一次転写部8Yの方へ搬送される。この間、感光体スクイーズローラー7Y1により、所定量のキャリアー液が除去
される。同様にして、マゼンタ、シアン、およびブラックのトナー像がそれぞれ各感光体2M,2C,2Kに形成されて各一次転写部8M,8C,8K方へ搬送される。
【0023】
そして、イエローの一次転写部8Yに搬送されてきたイエローのトナー像は一次転写部8Yで中間転写ベルト10に一次転写される。次いで、マゼンタの一次転写部8Mに搬送されてきたマゼンタのトナー像が一次転写部8Mで中間転写ベルト10にイエローのトナー像に色重ねされて一次転写される。同様にして、シアンおよびブラックの各一次転写部8Mに搬送されてきたトナー像がそれぞれ一次転写部8C,8Kで中間転写ベルト10に
順次色重ねされて一次転写される。こうして、中間転写ベルト10にフルカラーのトナー像が形成される。
【0024】
中間転写ベルト10に担持されたフルカラーのトナー像は二次転写部13で、搬送されてきた転写材16に二次転写される。転写材16に転写されたフルカラーのトナー像は、図示しない定着部で定着される。こうして、転写材16にフルカラーの画像が形成される。この第1例の画像形成装置1の基本的な他の構成および基本的な他の画像形成動作は、液体現像剤を用いた従来の同種の画像形成装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0025】
ところで、第1例の画像形成装置1では、前述のようにキャリアー液塗布部材5Y,5
M,5C,5Kがそれぞれ各画像形成ユニットに設けられている。これらのキャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ対応する感光体2Y,2M,2C,2Kの外周面にキャリアー液を塗布する(塗布工程)。その場合、各キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5Kによる各感光体2Y,2M,2C,2Kへのキャリアー液の塗布は、それぞれ画像形成動作とともにシーケンス制御で行われる。
【0026】
図2は、イエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われない状態を示す図、図3は、イエローのキャリアー液塗布部によるキャリアー液塗布が行われる状態を示す図、図4はイエローのキャリアー液の塗布動作を制御するためのブロック図、図5はイエローのキャリアー液の塗布動作のタイミングを説明する図である。なお、各例におけるキャリアー液塗布部および画像形成方法はいずれも各色で同じである。したがって、以下、イエローのキャリアー液塗布部材5Yの構成およびイエローの画像形成方法について説明し、他の色についてはそれらの説明を省略する。
【0027】
イエローのキャリアー液塗布部材5Yは、感光体2Yから離間した図2に示す非作動位置と感光体2Yに当接した図3に示す作動位置との間で移動可能に配設されている。そして、感光体2Yへのキャリアー液塗布部材5Yによるキャリアー液の塗布制御は、画像形成装置1の中央処理装置(CPU)17により行われる。すなわち、キャリアー液の塗布の制御にあたって、CPU17により、感光体2Y、感光体クリーニング部9Y、帯電部3Y、露光部4Y、キャリアー液塗布部材5Y、現像部6Y、スクイーズ部7Y、および一次転写部8Yがそれぞれ制御される。
【0028】
以下、各感光体2Y,2M,2C,2Kへのキャリアー液の塗布動作をともなう第1例の
画像形成方法について説明する。
図5に示すように、画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態では、感光体2Yが
停止されるとともに、感光体クリーニング部9Yの感光体クリーニングブレード9Y1
感光体2Yから離間される。また、帯電部3Yがオフにされるとともに、露光部4Yがオフにされる。更に、キャリアー液塗布部材5Yが感光体2Yから離間される(なお、キャリアー液塗布部材5Yは当接されていてもよい。)。更に、現像部6Yがオフにされるとともに現像部6Yの現像ローラー6Y1が感光体2Yから離間される。更に、感光体スク
イーズ部7Yがオフにされるとともに感光体スクイーズローラー7Y1が感光体2Yから
離間される。更に、一次転写部8Yがオフにされるとともに一次転写部8Yの一次転写ローラー8Y1が感光体2Yから離間される。これにより、中間転写ベルト10が感光体2
Yから離間される。
【0029】
画像形成装置1に画像形成指令が入力されると、画像形成装置1は、画像形成装置1の各部材を画像形成動作のための準備態勢にする画像形成準備状態にされる。この画像形成準備状態では、感光体2Yの停止が維持されるとともに、感光体クリーニングブレード9Y1が感光体2Yに当接される。また、帯電部3Yのオフが維持されるとともに、露光部
4Yのオフが維持される。更に、キャリアー液塗布部材5Yが感光体2Yに離間される。更に、現像部6Yのオフが維持されるとともに現像ローラー6Y1が感光体2Yに当接さ
れる。更に、感光体スクイーズ部7Yのオフが維持されるとともに感光体スクイーズローラー7Y1が感光体2Yに当接される。更に、一次転写部8Yのオフが維持されるととも
に一次転写ローラー8Y1が感光体2Yに当接される。これにより、図2に示すように中
間転写ベルト10が感光体2Yに圧接される。
【0030】
画像形成の準備が終了すると、画像形成装置1は画像形成を行う画像形成動作状態にされる。この画像形成動作状態では、感光体2Yが回転されるとともに、感光体クリーニングブレード9Y1の感光体2Yへの当接が維持される。また、帯電部3Yがオンにされる
とともに、露光部4Yがオンにされる。更に、キャリアー液塗布部材5Yの感光体2Yからの離間が維持される。更に、現像部6Yがオンにされる(つまり、現像バイアスが現像ローラー6Y1に印加される)とともに現像ローラー6Y1の感光体2Yへの当接が維持される。更に、感光体スクイーズ部7Yがオンにされる(つまり、スクイーズバイアスが感光体スクイーズローラー7Y1に印加される)とともに感光体スクイーズローラー7Y1の感光体2Yへの当接が維持される。更に、一次転写部8Yがオンにされる(つまり、一次転写バイアスが一次転写ローラー8Y1に印加される)とともに一次転写ローラー8Y1の感光体2Yへの当接が維持される。これにより、従来のこの種の画像形成装置と同様に画像形成動作が行われる(画像形成工程)。
【0031】
すなわち、図2に示すように、感光体2yに形成されたイエローの潜像が、現像ローラー6Y1に担持されたイエローの液体現像剤で現像される。また、現像後に現像ローラー
6Y1に残留するキャリアー液および非画像部のトナーが現像ローラークリーニングブレ
ード6Y2により除去される。一方、現像後、感光体2Yに担持されたイエローのトナー
像に含まれるキャリアー液の一部が感光体スクイーズローラー7Y1でスクイーズ(除去
)される。キャリアー液のスクイーズ後に現像ローラー6Y1に残留するキャリアー液が
感光体スクイーズローラークリーニングブレード7Y2により除去される。そして、感光
体2Yに担持されたトナー像が中間転写ベルト10に一次転写される。また、一次転写後に感光体2Yに残留する液体現像剤が感光体クリーニングブレード9Y1により除去され
る。
【0032】
画像形成動作が終了すると、画像形成装置1は、キャリアー液塗布部材5Yをキャリアー液塗布動作のための準備態勢にするキャリアー液塗布準備状態にされる。このキャリアー液塗布準備状態では、感光体2Yの回転が維持されるとともに、感光体クリーニングブレード9Y1が感光体2Yから離間される。また、帯電部3Yがオフにされるとともに、
露光部4Yがオフにされる。更に、キャリアー液塗布部材5Yの感光体2Yからの離間が
維持される。更に、現像部6Yがオフにされる(つまり、現像バイアスの印加が停止される)とともに現像ローラー6Y1が感光体2Yから離間される。更に、感光体スクイーズ
部7Yがオフにされる(つまり、スクイーズバイアスの印加が停止される)とともに感光体スクイーズローラー7Y1が感光体2Yから離間される。更に、一次転写部8Yがオフ
にされる(つまり、一次転写バイアスの印加が停止される)とともに一次転写ローラー8Y1が感光体2Yから離間される。これにより、図3に示すように中間転写ベルト10が
感光体2Yから離間される。
【0033】
キャリアー液の塗布準備が終了すると、画像形成装置1は感光体2Yへのキャリアー液塗布を行うキャリアー液塗布動作状態にされる。このキャリアー液塗布動作状態では、感光体2Yの回転が維持されるとともに、感光体クリーニングブレード9Y1の感光体2Y
からの離間が維持される。また、帯電部3Yのオフが維持されるとともに、露光部4Yのオフが維持される。更に、キャリアー液塗布部材5Yが感光体2Yに当接される。更に、現像部6Yのオフが維持されるとともに現像ローラー6Y1の感光体2Yからの離間が維
持される。更に、感光体スクイーズ部7Yのオフがされるとともに感光体スクイーズローラー7Y1の感光体2Yからの離間が維持される。更に、一次転写部8Yのオフが維持さ
れるとともに一次転写ローラー8Y1の感光体2Yからの離間が維持される。これにより
、図3に太い実線で示すように感光体2Yの外周面にキャリアー液が塗布される(塗布工程)。
キャリアー液の塗布が終了すると、画像形成装置1は前述の待機または電源オフ状態にされる。すなわち、キャリアー液が塗布された感光体2Yが停止される(停止工程)。
【0034】
この第1例の画像形成方法および画像形成装置1によれば、画像形成動作後にキャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5Kによる各感光体2Y,2M,2C,2Kへのキャリアー液の塗布を行っている。そして、各感光体2Y,2M,2C,2Kに塗布されたキャリアー液
は、液体現像剤の成分であるため、トナーの絶縁性や分散性の低下などの現像特性の劣化が全く生じない。
【0035】
また、各感光体2Y,2M,2C,2Kに塗布されたキャリアー液により、画像形成装置
の停止時や待機時に各感光体2Y,2M,2C,2Kが直接外気に曝されることはなく、表
面酸化を抑制できる。その結果、像流れが効果的に防止できる。
【0036】
しかも、各感光体2Y,2M,2C,2Kに塗布されたキャリアー液により、各感光体2
Y,2M,2C,2Kに水分が付着するのを防止できる。その結果、像流れが更に一層効果
的に防止できる。更に、各感光体2Y,2M,2C,2Kに水分が付着するのを防止するた
めに、各感光体2Y,2M,2C,2Kをヒータ−等で加熱する必要がなくなるので、各感
光体2Y,2M,2C,2Kの温度上昇に起因する各感光体2Y,2M,2C,2Kの帯電特性が低下するのを回避することができるとともに、ヒーターを用いないので低消費電力化が可能となる。更に、感光体摺擦手段を用いることもないので、各感光体2Y,2M,2C,
2Kの磨耗を抑制でき、各感光体2Y,2M,2C,2Kの長寿命化を図ることが可能とな
る。
【0037】
こうして、この例の画像形成装置1によれば、各感光体2Y,2M,2C,2Kの長寿命
化を図りつつ、水分の付着を抑制して像流れを防止することができる画像形成方法および画像形成装置を実現することができる。
【0038】
図6は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第2例の一部を模式的にかつ部分的に示す、図2と同様の図である。なお、図6は第2例のイエローにおける画像形成ユニットの一部を示している。第2例の他の色の画像形成ユニットの構成は、イエローにおける画像形成ユニットの構成を同じであるので、以下、イエローについて説明し、他の色に
ついてはその説明を省略する。また、以下の各例の説明において、その例より前の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0039】
前述の第1例では、感光体クリーニング部9が感光体クリーニングブレード9Y1を有
しているが、図6に示すようにこの第2例の画像形成装置1では、感光体クリーニング部9は、感光体クリーニングブレード9Y1に代えて感光体クリーニングローラー9Y2を有している。この感光体クリーニングローラー9Y2は、感光体2Yに常時当接されてもよ
いし、感光体2Yに対して図示しないクリーニングローラー当離接機構により当接離間可能とされてもよい。第2例の画像形成装置1の他の構成は、第1例と同じである。
【0040】
また、第2例の画像形成装置1による画像形成方法は、第1例における感光体クリーニングブレード9Y1を感光体クリーニングローラー9Y2に代わるだけで、実質的に同じである。
【0041】
この第2例の画像形成装置1によれば、一次転写後の各感光体2Y,2M,2C,2Kの
クリーニングに感光体クリーニングローラー9Y2,2M2,2C2,2K2(符号2M2,2C2,2K2は図示されないが、説明の便宜上、9Y2と同様に用いる)を用いているので、感
光体クリーニングブレードを用いる場合に比べて、クリーニング後の各感光体2Y,2M,2C,2Kに適宜のキャリアー液を残留付着させることが可能となる。これにより、各感
光体クリーニングローラー9Y2,2M2,2C2,2K2を各感光体2Y,2M,2C,2Kから離間させる必要はなく、各感光体クリーニングローラー9Y2,2M2,2C2,2K2の当接
離間させる機構が不要となる。したがって、構造が簡単になるとともにコストの増大を抑制することができる。
【0042】
図7は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第3例の一部を模式的にかつ部分的に示す、第1例における図2と同様の図、図8ないし図10は、それぞれ図3ないし図5と同様の図である。
【0043】
図7および図8に示すように、第3例の画像形成装置1は、前述の第1例のキャリアー液塗布部材5Yを有していない。そして、この第3例の画像形成装置1では、キャリアー液塗布部が現像ローラー6Y1により構成される。すなわち、現像ローラー6Y1は、感光体2Yの潜像を現像する従来と同様の機能と、感光体2Yの外周面にキャリアー液(より詳細には、液体現像剤)を塗布する機能を兼ね備えている。したがって、第3例においては、感光体2Yへのキャリー液の塗布は、図9に示すようにCPU17が現像部6Yを制御することにより行われ、キャリアー液塗布部を制御しない。
この第3例の画像形成装置1の他の構成は、第1例と同じである。
【0044】
次に、第3例の画像形成装置1による画像形成方法について説明する。
図10に示すように、第3例の画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態では、現像ローラー6Y1が第1例と同様にオフにされるとともに、第1例におけるキャリアー液
塗布部材5と同様に感光体2Yに対して離間または当接される。また、感光体2Y等の他の部材の制御は、第1例と同じである。更に、第3例の画像形成準備状態および画像形成動作状態では、すべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。
【0045】
第3例のキャリアー液塗布準備状態では、帯電部3Yのオンが画像形成動作状態から維持される。また、現像ローラー6Y1の感光体2Yへの当接が、画像形成動作状態から維
持される。なお、現像部6Yはオン(図10に実線で示す)でもオフ(図10に点線で示す)でもよい。つまり、現像ローラー6Y1の感光体2Yへのキャリアー液塗布は、現像
バイアスがオン、オフのいずれであっても可能である。更に、第3例の他の部材の制御は、いずれも第1例と同じである。更に、第3例のキャリアー液塗布動作状態では、帯電部
3Yのオンが維持される。また、現像ローラー6Y1の感光体2Yへの当接も維持される
。なお、現像部6Yはオン(図10に実線で示す)でもオフ(図10に点線で示す)でもよい。つまり、現像ローラー6Y1の感光体2Yへのキャリアー液塗布は、現像バイアス
がオン、オフのいずれであっても行われる。更に、第3例の他の部材の制御は、いずれも第1例と同じである。このようにして、第3例の画像形成装置1では、キャリアー液が現像ローラー6Y1により感光体2Yの外周面に塗布される。
【0046】
この第3例の画像形成装置1によれば、第1例のキャリアー液塗布部材5Yのような専用の特別なキャリアー液塗布部を有さない。したがって、第1例に比べて部品点数を削減することができるとともにコストを低減でき、更に、画像形成ユニットの設置スペースを小さくすることができる。
この第3例の画像形成装置1の他の作用効果は、第1例と同じである。
【0047】
図11は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第4例の一部を模式的にかつ部分的に示す、第1例における図2と同様の図、図12ないし図14は、それぞれ図3ないし図5と同様の図である。
【0048】
前述の第1例のキャリアー液塗布部材5Yは感光体2にキャリアー液を塗布するが、図11および図12に示すように第4例の画像形成装置1では、キャリアー液塗布部材5Yが感光体スクイーズローラー7Y1にキャリアー液(より詳細には、液体現像剤)を塗布
するようになっている。すなわち、第4例の画像形成装置1のキャリアー液塗布部材5Yは、感光体スクイーズローラー7Y1から離間した非作動位置と感光体スクイーズローラ
ー7Y1に当接した作動位置との間で移動可能に配設される。
【0049】
図13に示すように、第4例のキャリアー液塗布部材5も、CPU17により制御される。なお、図13は図4と実質的に同じであるが、この図13には第4例のキャリアー液塗布部材5が感光体スクイーズローラー7Y1にキャリアー液を塗布するものであるので
、キャリアー液塗布部材5の図示位置を第1例と変えて示してある。
この第4例の画像形成装置1の他の構成は、第1例と同じである。
【0050】
次に、第4例の画像形成装置1による画像形成方法について説明する。
図14に示すように、第4例の画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態では、感光体スクイーズ部7Yの感光体スクイーズローラー7Y1が第1例の感光体スクイーズ部
7Yと同様にオフにされるとともに感光体2Yに対して離間または当接される。また、キャリアー液塗布部材5が感光体スクイーズローラー7Y1に対して離間または当接される
。感光体2Y等の他の部材の制御は、第1例と同じである。更に、第4例の画像形成準備状態および画像形成動作状態では、キャリアー液塗布部材5が感光体スクイーズローラー7Y1に対して離間されることが第1例と相違するだけで、他のすべての部材の制御は、
いずれも第1例と同じである。
【0051】
第4例のキャリアー液塗布準備状態では、感光体スクイーズローラー7Y1が感光体2
Yに当接されるとともに、キャリアー液塗布部材5が感光体スクイーズローラー7Y1
対して離間される。第4例の他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。また、第4例のキャリアー液塗布動作状態では、感光体スクイーズローラー7Y1の感光
体2Yへの当接が維持されるとともに、キャリアー液塗布部材5が感光体スクイーズローラー7Y1に当接される。第4例の他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じで
ある。このようにして、第4例の画像形成装置1では、キャリアー液が感光体スクイーズローラー7Y1により感光体2Yの外周面に塗布される。
この第4例の画像形成装置1の他の作用効果は、第1例および第3例と同じである。
【0052】
図15は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第5例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
前述の第1、第2、および第4例では、いずれも画像形成ユニットに設けられたキャリアー液塗布部材5Yにより、キャリアー液が感光体2に塗布される。これに対して、図15に示すように第5例の画像形成装置1では、画像形成ユニット以外に設けられたキャリアー液塗布部材5Yにより、キャリアー液が感光体2に塗布されるようになっている。すなわち、第5例の画像形成装置1のキャリアー液塗布部材5Yは中間転写ベルト10にキャリアー液を塗布するとともに、中間転写ベルト10に塗布されたキャリアー液が感光体2に塗布される。このキャリアー液塗布部材5Yは、中間転写ベルト10から離間した非作動位置と中間転写ベルト10に当接した作動位置との間で移動可能に配設される。その場合、キャリアー液塗布部材5Yは、二次転写部13を通過するとともに中間転写ベルトクリーニング部15に到達する前の中間転写ベルト10の位置に対応して配設される。図15には、中間転写ベルト10が中間転写ベルトテンションローラー12にほぼ巻き掛けられ始める位置に対応して設けられたキャリアー液塗布部材5Yが示されている。
【0053】
図16に示すように、第5例のキャリアー液塗布部材5および中間転写ベルト10は、CPU17により制御される。
次に、第5例の画像形成装置1による画像形成方法について説明する。
図17に示すように、第5例の画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態では、感光体スクイーズ部7Yが第1例の感光体スクイーズ部7Yと同様にオフにされるとともに感光体2Yに対して離間される。また、中間転写ベルト10が停止される。更に、一次転写部8Yがオフにされるとともに感光体2Yに対して当接または離間される。更に、中間転写ベルトクリーニング部15の中間転写ベルトクリーニングブレード15aが中間転写ベルト10に対して当接または離間される。更に、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルト10に対して当接または離間される。第5例の画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態での他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。
【0054】
第5例の画像形成装置1の画像形成準備状態では、中間転写ベルト10の停止が維持される。また、中間転写ベルトクリーニング部15が中間転写ベルト10に当接されるとともに、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルト10から離間される。第5例の画像形成装置1の画像形成準備状態での他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。更に、第5例の画像形成動作状態では、中間転写ベルト10が回転される。また、中間転写ベルト10からのキャリアー液塗布部材5の離間が維持される。第5例の画像形成装置1の画像形成動作状態での他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。
【0055】
第5例のキャリアー液塗布準備状態では、中間転写ベルト10の回転が維持される。また、中間転写ベルトクリーニング部15が中間転写ベルト10から離間されるとともに、中間転写ベルト10からのキャリアー液塗布部材5の離間が維持される。第5例の他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。また、第5例のキャリアー液塗布動作状態では、中間転写ベルト10からの中間転写ベルトクリーニング部15の離間が維持されるとともに、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルト10に当接される。第5例の他のすべての部材の制御は、いずれも第1例と同じである。
【0056】
このようにして、第5例の画像形成装置1では、キャリアー液がキャリアー液塗布部材5により中間転写ベルト10に塗布され、中間転写ベルト10に塗布されたキャリアー液が中間転写ベルト10により感光体2Yの外周面に塗布される。
この第5例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、第1例および第3例と同じである。
【0057】
図18は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第6例の一部を模式的にかつ部
分的に示し、図15と同様の図である。
前述の第5例では、中間転写ベルトクリーニング部15が中間転写ベルトクリーニングブレード15aを有しているが、この第6例の画像形成装置1では、中間転写ベルトクリーニング部15が中間転写ベルトクリーニングローラー15bを有している。この中間転写ベルトクリーニングローラー15bは、中間転写ベルトテンションローラー12に巻き掛けられた中間転写ベルト10の部分に当接離間可能に配設されている(なお、中間転写ベルトクリーニングローラー15bは、常時中間転写ベルト10に当接されてもよい。)。また、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルトクリーニングローラー15bに当接離間可能に配設されている。
【0058】
図19に示すように、第6例のキャリアー液塗布部材5および中間転写ベルト10も、CPU17により制御される。
次に、第6例の画像形成装置1による画像形成方法について説明する。
図20に示すように、第6例の画像形成装置1の待機状態または電源オフ状態では、中間転写ベルトクリーニング部15の中間転写ベルトクリーニングローラー15bが中間転写ベルト10に対して当接または離間される。更に、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルトクリーニングローラー15bに対して当接または離間される。
【0059】
第6例のキャリアー液塗布準備状態では、中間転写ベルトクリーニング部15の中間転写ベルトクリーニングローラー15bが中間転写ベルト10に当接されるとともに、中間転写ベルト10からのキャリアー液塗布部材5の離間が維持される。また、第6例のキャリアー液塗布動作状態では、中間転写ベルト10への中間転写ベルトクリーニングローラー15bの当接が維持されるとともに、キャリアー液塗布部材5が中間転写ベルトクリーニングローラー15bに当接される。第6例の他のすべての部材の制御は、いずれも第5例の中間転写ベルトクリーニングブレード15aを中間転写ベルトクリーニングローラー15bに代えるだけで第5例と同じである。
【0060】
このようにして、第6例の画像形成装置1では、キャリアー液がキャリアー液塗布部材5により中間転写ベルトクリーニングローラー15bに塗布されるとともに、中間転写ベルトクリーニングローラー15bに塗布されキャリアー液が中間転写ベルト10に塗布され、更に中間転写ベルト10に塗布されたキャリアー液が中間転写ベルト10により感光体2Yの外周面に塗布される。
この第6例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、第5例と同じである。
【0061】
なお、本発明の画像形成方法および画像形成装置は、前述の実施の形態の各例に限定されることはない。例えば、前述の実施の形態の各例では、1回の画像形成における画像形成終了後に、各キャリアー液塗布部材5Y,5M,5C,5Kによる各感光体2Y,2M,2
C,2Kへのキャリアー液の塗布を行うようにしている。しかし、これに限定されること
はなく、所定回数の連続画像形成における画像形成終了後に、感光体へのキャリアー液の塗布を行うようにすることもできる。また、所定回数の連続画像形成において1回の画像形成終了毎に感光体へのキャリアー液の塗布を行うようにすることもでき、また所定回数の連続画像形成において、所定回数より小さい回数の画像形成終了毎に感光体へのキャリアー液の塗布を行うようにすることもできる。また、前述の各例の画像形成装置では、タンデム型の画像形成装置としているが、他の形式の画像形成装置でもよいし、単色の画像形成装置でもよい。要は、本発明は特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…感光体、3Y,3M,3C,3K…帯電部、4Y,4M,4C,4K…露光部、5,5Y,5M,5C,5K…キャリアー液塗布部、6Y,6M,
6C,6K…現像部、6Y1,6M1,6C1,6K1…現像ローラー、6Y2,6M2,6C2,6K2…現像ローラークリーニングブレード、7Y,7M,7C,7K…感光体スクイーズ部、7Y1,7M1,7C1,7K1…感光体スクイーズローラー、7Y2,7M2,7C2,7K2…感光体スクイーズローラークリーニングブレード、8Y,8M,8C,8K…一次転写部、8Y1,
8M1,8C1,8K1…一次転写ローラー、9Y,9M,9C,9K…感光体クリーニング部、9Y1,9M1,9C1,9K1…感光体クリーニングブレード、9Y2,9M2,9C2,9K2…感光体クリーニングローラー、10…中間転写ベルト、13…二次転写部、15…中間転写ベルトクリーニング部、15a…中間転写ベルトクリーニングブレード、15b…中間転写ベルトクリーニングローラー、16…転写材、17…中央処理装置(CPU)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動するアモルファスシリコン感光体と当接しているクリーニングブレードを離間させ、
前記クリーニングブレードが離間した後に、前記アモルファスシリコン感光体にトナー及びキャリアー液を有する液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布し、
前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布した後に前記アモルファスシリコン感光体の駆動を停止させることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記クリーニングブレードが離間した後に、離間していたキャリアー液塗布部材を前記アモルファスシリコン感光体に当接させ、前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を前記アモルファスシリコン感光体に塗布する請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記クリーニングブレードが離間した後に、前記アモルファスシリコン感光体に当接するスクイーズローラーを離間させるとともに、前記アモルファスシリコン感光体に当接して潜像を現像する現像剤担持体で前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を前記アモルファスシリコン感光体に塗布する請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記クリーニングブレードが離間した後に、前記アモルファスシリコン感光体に当接する現像剤担持体を離間させるとともに、前記アモルファスシリコン感光体に当接して前記アモルファスシリコン感光体に現像された像をスクイーズするスクイーズローラーで前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を前記アモルファスシリコン感光体に塗布する請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項5】
潜像が形成されるアモルファスシリコン感光体と、
前記アモルファスシリコン感光体を駆動させる駆動部と、
前記アモルファスシリコン感光体に帯電バイアスを印加して前記アモルファスシリコン感光体を帯電する帯電部と、
前記帯電部で帯電された前記アモルファスシリコン感光体を露光して前記潜像を形成する露光部と、
前記アモルファスシリコン感光体に当接する現像剤担持体を有し、前記露光部により前記アモルファスシリコン感光体に形成された前記潜像を、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤で現像する現像部と、
前記アモルファスシリコン感光体と当接して前記現像部で前記アモルファスシリコン感光体に現像された像をスクイーズするスクイーズローラーと、
前記スクイーズローラーでスクイーズされた前記像が転写される転写部材と、
前記転写部材に前記像を転写した前記アモルファスシリコン感光体と当接してクリーニングするクリーニングブレードと、
前記クリーニングブレードを前記アモルファスシリコン感光体に当接もしくは離間させるクリーニングブレード当離接機構と、
前記クリーニングブレード当離接機構により前記クリーニングブレードを前記アモルファスシリコン感光体から離間させた時に、前記アモルファスシリコン感光体に前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布させ、前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液が塗布された後に前記駆動部による前記アモルファスシリコン感光体の駆動を停止させる制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記アモルファスシリコン感光体と当接して前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布するキャリアー液塗布部材と、前記キャリアー液塗布部材を前記アモルファスシリコン感光体に対して当接もしくは離間させるキャリアー液塗布部材当離接機構とを有し、
前記制御部は、前記クリーニングブレード当離接機構により前記クリーニングブレードを前記アモルファスシリコン感光体から離間させた時に、前記キャリアー液塗布部材当離接機構により前記キャリアー液塗布部材を前記アモルファスシリコン感光体に当接させて前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を前記アモルファスシリコン感光体に塗布する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記スクイーズローラーを前記アモルファスシリコン感光体に当接もしくは離間させるスクイーズローラー当離接機構を有し、
前記制御部は、前記クリーニングブレード当離接機構により前記クリーニングブレードを前記アモルファスシリコン感光体から離間させた時に、前記スクイーズローラー当離接機構により前記スクイーズローラーを前記アモルファスシリコン感光体から離間させるとともに、前記現像剤担持体により前記アモルファスシリコン感光体に前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体を前記アモルファスシリコン感光体に当接もしくは離間させる現像剤担持体当離接機構を有し、
前記制御部は、前記クリーニングブレード当離接機構により前記クリーニングブレードを前記アモルファスシリコン感光体から離間させた時に、前記現像剤担持体当離接機構により前記現像剤担持体を前記アモルファスシリコン感光体から離間させるとともに、前記スクイーズローラーにより前記アモルファスシリコン感光体に前記液体現像剤もしくは前記キャリアー液を塗布する請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−154089(P2011−154089A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14222(P2010−14222)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】