説明

画像形成方法および画像形成装置

【課題】これまでとは全く異なる方法で立体画像を作成できる画像形成方法及び画像形成装置を提供すること。すなわち、立体画像の高さを容易に制御することができ、トナーと紙との接着性が良好であり、かつ、再現性の良い立体画像を提供すること。
【解決手段】トナーのDSC測定において1回目の昇温時の吸熱ピークの温度T1と1回目の降温時の発熱ピークの温度T2の差T1−T2に30≧T1−T2≧10の関係が成立するトナーを用い、かつ、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を前記トナーで現像する現像工程と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する工程と、記録媒体上の該トナー像を定着する定着工程とを有し、該定着工程は、前記トナー像が溶融した後、固化して定着する前に、凹凸部分を備える立体画像形成部を、固化前のトナー像に押し当てて立体画像を形成する段階を含むものであることを特徴とする画像形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真、静電記録等の分野における立体画像形成方法及び複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等のこれら立体画を像形成するための立体画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式を利用したモノクロ複写機、フルカラー複写機、フルカラープリンタ等の各種の画像形成装置が広く知られている。
そして、このような画像形成装置では、通常、ブラックトナーを用いたモノクロの平面画像、又は、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・ブラック(K)の4色トナーを用いたフルカラー画像をPPC用紙等の基材上に形成し、出力するものである。
これに対して、近年、上記の通常の平面的な画像とは異なり、発泡性トナー、例えば熱発泡性トナーを用い、加熱することにより基材上で発泡させ、基材上に隆起した立体的(隆起印刷的な)画像を形成する立体画像を形成するための技術が提案され始めている。
【0003】
特許文献1の特開2000−131875号公報には、発泡剤を含有するトナーを用いることによって、一般の複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置を使用して、定着と同時にトナー中の発泡剤を発泡させて、立体画像を形成することができる旨、従来の電子写真画像形成装置に定着温度を制御する手段を付加するだけで、通常の画像(平面画像)と立体画像の双方を形成し得る画像形成装置となる旨、従来の画像形成装置に定着速度を制御する手段を付加することによって、平面画像と立体画像の双方を形成し得る画像形成装置とすることもできる旨等が記載されている。
【0004】
特許文献2の特開2001−134091号公報には、ロータリー方式の現像装置(現像ユニット)において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の現像器の少なくともいずれか1つに、結着樹脂と発泡剤とを含有するトナーを収容するように構成された例が記載されている。
また、特許文献2では、5つの現像器を備えたロータリー方式の現像ユニットを使用し、その一の現像器(W)でのみ、発泡性のトナーを使用するように構成した例が記載されている。
【0005】
これらはトナーに発砲剤を入れることによって立体画像を作成しているが、発砲剤による立体画像の高さ制御が困難であった。また、発砲性トナーの紙との接着力にも問題があり、非発砲性トナーを併用することで接着力の改善を試みているが、トナー消費量、生産性や接着力の観点からも十分な改善とは言いがたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これまでとは全く異なる方法で立体画像を作成できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。すなわち本発明の目的は、立体画像の高さを容易に制御することができ、トナーと紙との接着性が良好であり、かつ、再現性の良い立体画像を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、「特定のトナー」と「特定定着手段」との選択的組合せを採用することを包含する。すなわち、通常の画像及び立体画像に対応した静電潜像を像担持体上に形成する選択的帯電工程(手段)又は帯電工程(手段)と光学的潜像形成工程(手段)と、前記像担持体上に形成された通常の画像に対応した静電潜像を現像手段により特定トナーを用いた特定現像剤で現像する現像工程(手段)と、形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写工程(手段)と、記録媒体上のトナー像を特定の定着手段により記録媒体上に定着固化する定着工程(手段)とを有し、該特定の定着手段は、定着ローラ近傍に設置した凹凸部分を有する立体画像形成部を有するものであり、記録媒体上に定着固化する直前に、定着ローラ近傍に設置した凹凸部分を有する立体画像形成部を定着固化前のトナー像に押し当てることによって立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする画像形成方法及び画像形成装置、を包含する。この「凹凸部分を有する立体画像形成部」は、トナー像の模様、位置や形、大きさに拘わらずトナー像域にのみ選択的に有効であり、反面、非画像域(トナーのない領域)には別段の作用を及ぼすことがない。
すなわち、本発明は、以下の(1)項〜(6)項に記載の「画像形成方法」及び「画像形成装置」を包含する。
(1)「トナーのDSC測定において1回目の昇温時の吸熱ピークの温度T1と1回目の降温時の発熱ピークの温度T2の差T1−T2に30≧T1−T2≧10の関係が成立するトナーを用い、かつ、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を前記トナーで現像する現像工程と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する工程と、記録媒体上の該トナー像を定着する定着工程とを有し、該定着工程は、前記トナー像が溶融した後、固化して定着する前に、凹凸部分を備える立体画像形成部を、固化前のトナー像に押し当てて立体画像を形成する段階を含むものであることを特徴とする画像形成方法」。
(2)「前記立体画像形成部の凹凸部分の温度調整が可能であることを特徴とする前記(1)項に記載の画像形成方法」。
(3)「前記定着工程は、さらに、凹凸部分を備える前記立体画像形成部の下流側に配置された冷却部により、前記立体画像を冷却固化させる段階を含むものであることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の画像形成方法」。
(4)「前記現像剤がキャリアを含む二成分現像剤であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の画像形成方法」。
(5)「前記現像剤が一成分現像剤であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の画像形成方法」。
(6)「静電潜像を像担持体上に形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを有し、前記トナーは、DSC測定において1回目の昇温時の吸熱ピークの温度T1と1回目の降温時の発熱ピークの温度T2の差T1−T2に30≧T1−T2≧10の関係が成立するものであり、該定着手段は、凹凸部分を備え、該凹凸部分を溶融したトナー像に押し当てることによって立体画像を形成する立体画像形成部を有することを特徴とする画像形成装置」。
(7)「前記立体画像形成部の凹凸部分の温度調整が可能であることを特徴とする前記(6)項に記載の画像形成装置」。
(8)「前記定着手段は、さらに、凹凸部分を備える前記立体画像形成部の下流側に配置され、前記立体画像を冷却固化させる冷却手段を含むものであることを特徴とする前記(6)項又は(7)項に記載の画像形成方法」。
また、本発明は、さらに次の(9)項〜(11)項記載の「画像形成装置」及び「プロセスカートリッジ」を包含している。
(9)「前記現像剤がキャリアを含む二成分現像剤であることを特徴とする前記(6)項乃至(8)項のいずれかに記載の画像形成装置。」
(10)「前記現像剤が一成分現像剤であることを特徴とする前記(6)項乃至(9)項のいずれかに記載の画像形成装置。」
(11)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、該画像形成装置本体は定着手段を有し、該定着手段は、定着ローラ近傍に設置した凹凸部分を有する立体画像形成部を有するものであり、記録媒体上に定着固化する直前に、定着ローラ近傍に設置した凹凸部分を有する立体画像形成部を記録媒体上に定着固化させる前のトナー像に押し当てることによって立体画像を記録媒体上に形成する手段を備えたものであり、前記現像剤が、前記(8)項又は(9)項のいずれかに記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。」
なお、本明細書における「定着固化する前」又は「定着固化する直前」とは、加熱定着直後に瞬間的に溶融したトナーが冷却されて固化するまでの間のことを言う。
【発明の効果】
【0008】
通常の画像及び立体画像に対応した静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成された通常の画像に対応した静電潜像を上記特定のトナーで現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体上に定着固化する直前に、定着ローラ近傍に設置した凹凸部分を有する立体画像形成部を記録媒体上に定着固化させる前のトナー像に押し当てることによって立体画像を記録媒体上に形成することを特徴とする画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、トナーと紙との接着性も良好であり、かつ再現性の良い立体画像を提供することができる。
すなわち、本発明における立体画像形成部は凹凸を有するものであって、トナー像に押し当てることができるものであればどんな形状のものでも良い。
この立体画像形成装置に使用するトナーに求められる物性としては通常の電子写真技術で使用されるトナーに求められる物性とは異なる。通常の電子写真用トナーは出力スピードの高速化が求められることもあり、定着ローラを通過時のみ溶融し、通過後は即座に定着固化されるものが望まれる。本発明では定着ローラを通過後に凸もしくは凹部分を有するローラを押し付けることで定着固化する前に立体画像を形成するものであるため、定着固化するまでの時間が比較的長いトナーが求められる。例えば、結晶性を有する樹脂からなるトナーを使用すれば、トナーが熱溶融した後、冷却工程でトナーが再結晶化するまでに時間がかかる。この再結晶化の時間をコントロールすることで、上記「画像形成方法」及び「画像形成装置」を用いて立体画像を形成することができる。
また、上記画像形成装置を使用することで、立体画像の高さを、凸もしくは凹部分を有するローラの高さで変えることができ、立体画像の高さ調整が容易になる。このローラを使用することによって、ベタ画像にパターン立体画像を書き込むこともできる。また、立体画像の凹凸面の境界の接着力不足になることもなく、むしろ、圧力によって立体画像をより強力に紙に接着させることができる。凸もしく凹部分を有するローラを押し付けるため、立体画像形成中に立体画像の凸部分が定着後に横方向に広がることもなく再現性の良い立体画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明における定着ローラ通過後の紙上に存在する溶融トナーと凹凸部分を有するローラの1例を示す図である。
【図2】本発明における凹凸部分を有するローラとそれを通過した紙上の定着立体画像の関係を説明する図である
【図3】本発明で用いられるプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。
【図4】本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置一の例を示す概略説明図である。
【図5】本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略説明図である。
【図6】本発明の画像形成方法に用いるタンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略説明図である。
【図7】図6に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪立体画像形成部≫
以下に立体画像形成部の一例を示すが、これに限定されるものではなく、立体画像形成部が凹凸を有するものであって、トナー像に押し当てることができるものであれば良い。
したがって、その形状は特定の形状に限定されるものではないが、以下に例として、好ましい形態を示す。
立体画像形成部の形状としてはローラがある。ローラの場合、ローラ表面は凹凸を有しており、この凹凸ローラが定着ローラを通過した紙および紙上に形成されたトナー像に押し当てられることによって立体画像が形成される。ローラの場合、定着ローラや加圧ローラと同様の構造を持たせることによって容易に導入でき、かつ実機における小スペース化に有効である。さらに、紙搬送の速度の調整が容易であり、ローラによる立体画像形成部が好ましい。
【0011】
≪冷却部≫
以下に冷却部(冷却手段)の一例を示すが、これに限定されるものではなく、立体画像が十分に冷却されるものであれば、特に制限はない。
冷却部の冷却方法にはローラを用いた冷却や気流設計による冷却方法などがある。ここでは、ローラによる冷却方法を示す。立体画像形成後の紙に定着固化された立体画像上を冷却ローラに通過させることで強制的に紙面上の立体画像を冷却させることができる。この方法により、立体画像をより高速に出力させることができる。また、立体画像の熱履歴を変えることにより立体画像表面の表面特性、光沢性、凹凸状態をわずかに調節することが可能となる。
【0012】
≪トナー用樹脂の融解ピーク吸熱量測定≫
トナー用樹脂の融解ピークの吸熱量測定としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。昇温一回目における定着助剤の融解ピーク吸熱量(以下、Q1と称する)については、まず、樹脂又はトナー(試料)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、トナー用樹脂の融解ピークのショルダー間を選択し、Q1を算出することができる。
【0013】
昇温二回目におけるトナー用樹脂の融解ピーク吸熱量(以下、Q2と称する)については、前記一回目の昇温の後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、更に窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、トナー用樹脂の融解ピークのショルダー間を選択し、Q2を算出することができる。
前記トナー用樹脂の融解ピークが他の材料(樹脂、ワックス等)の融解ピークと重なる場合は、他の材料単体、トナー用樹脂単体について同様のDSC測定を行い、トナー用樹脂由来の融解ピークを同定し、他の材料由来の融解ピークを差し引くことで、同様にQ1、Q2を算出することができる。
【0014】
本発明において、樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。装置(一例):東ソー(株)製 HLC−8120 カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本〔東ソー(株)製〕測定温度:40℃試料溶液:0.25重量%のTHF溶液注入量:100μL 検出装置:屈折率検出器基準物質:東ソー製標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
【0015】
≪トナー付着量≫
立体画像形成を行う場合、トナーの転写量はトナー1層分に相当する0.42gcm−1の転写量でも十分に立体画像を形成することができる。しかし、立体画像の立体性をより高めるには転写量はトナー2層分以上である0.85〜1.5gcm−1の転写量での転写を行ことが好ましい。その際、定着温度の制御などを行うことにより、最適な立体画像を形成できる。
【0016】
≪現像剤≫
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。
該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
【0017】
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0018】
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。
また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10μm〜150μmが好ましく、20μm〜80μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
【0019】
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。
前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、等が挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、等が挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
【0020】
≪トナー入り容器≫
本発明のトナー入り容器は本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
【0021】
≪プロセスカートリッジ≫
本発明で用いるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
【0022】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図3に示すように、静電潜像担持体(101)を内蔵し、帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(108)、クリーニング手段(107)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
図3中、(103)は露光手段による露光、(105)は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図3に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(不図示)による露光(103)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像手段(104)で現像され、得られた可視像は転写手段(108)により、記録媒体(105)に転写され、プリントアウトされる。
次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
【0023】
≪画像形成方法及び画像形成装置≫
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、前記特定の定着工程(定着手段)とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明で用いる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、特定定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
【0024】
前記静電潜像形成工程(手段)は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
また、前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
【0025】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0026】
≪現像工程及び現像手段≫
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。
該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。
その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
【0027】
≪転写工程及び転写手段≫
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。
前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
【0028】
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0029】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0030】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0031】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0032】
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0033】
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図4を参照しながら説明する。
図4に示す画像形成装置(100)は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム(10(以下「感光体10」という))と、前記帯電手段としての帯電ローラ(20)と、前記露光手段としての露光装置(30)と、前記現像手段としての現像装置(40)と、中間転写体(50)と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置(60)と、前記除電手段としての除電ランプ(70)とを備える。
【0034】
中間転写体(50)は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ(51)によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。
3個のローラ(51)の一部は、中間転写体(50)へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。
中間転写体(50)には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード(90)が配置されており、また、記録媒体(95)に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ(80)が対向して配置されている。
中間転写体(50)の周囲には、この中間転写体(50)上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器(58)が、該中間転写体(50)の回転方向において、静電潜像担持体(10)と中間転写体(50)との接触部と、中間転写体(50)と記録媒体(95)との接触部との間に配置されている。
【0035】
現像装置(40)は、現像剤担持体としての現像ベルト(41)と、この現像ベルト(41)の周囲に併設したブラック現像ユニット(45K)、イエロー現像ユニット(45Y)、マゼンタ現像ユニット(45M)、及びシアン現像ユニット(45C)とから構成されている。
なお、ブラック現像ユニット(45K)は、現像剤収容部(42K)と現像剤供給ローラ(43K)と現像ローラ(44K)とを備えている。
イエロー現像ユニット(45Y)は、現像剤収容部(42Y)と現像剤供給ローラ(43Y)と現像ローラ(44Y)とを備えている。
マゼンタ現像ユニット(45M)は、現像剤収容部(42M)と現像剤供給ローラ(43M)と現像ローラ(44M)とを備えている。
シアン現像ユニット(45C)は、現像剤収容部(42C)と現像剤供給ローラ(43C)と現像ローラ(44C)とを備えている。
また、現像ベルト(41)は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体(10)と接触している。
【0036】
図4に示す画像形成装置(100)において、例えば、帯電ローラ(20)が感光体ドラム(10)を一様に帯電させる。
露光装置(30)が感光ドラム(10)上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。
感光ドラム(10)上に形成された静電潜像を、現像装置(40)からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ(51)から印加された電圧により中間転写体(50)上に転写(一次転写)され、更に転写紙(95)上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙(95)上には転写像が形成される。
なお、感光体(10)上の残存トナーは、クリーニング装置(60)により除去され、感光体(10)における帯電は除電ランプ(70)により一旦、除去される。
【0037】
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図5を参照しながら説明する。
図5に示す画像形成装置(100)は、図4に示す画像形成装置(100)において、現像ベルト(41)を備えてなく、感光体(10)の周囲に、ブラック現像ユニット(45K)、イエロー現像ユニット(45Y)、マゼンタ現像ユニット(45M)及びシアン現像ユニット(45C)が直接対向して配置されていること以外は、図4に示す画像形成装置(100)と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。
なお、図5においては、図4におけるものと同じものは同符号で示した。
【0038】
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。
このタンデム画像形成装置は、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。
複写装置本体(150)には、無端ベルト状の中間転写体(50)が中央部に設けられている。
そして、中間転写体(50)は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)に張架され、図6中、時計回りに回転可能とされている。
支持ローラ(15)の近傍には、中間転写体(50)上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置(17)が配置されている。
支持ローラ(14)と支持ローラ(15)とにより張架された中間転写体(50)には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)が対向して並置されたタンデム型現像器(120)が配置されている。
タンデム型現像器(120)の近傍には、露光装置(21)が配置されている。
【0039】
中間転写体(50)における、タンデム型現像器(120)が配置された側とは反対側には、二次転写装置(22)が配置されている。
二次転写装置(22)においては、無端ベルトである二次転写ベルト(24)が一対のローラ(23)に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体(50)とは互いに接触可能である。
【0040】
二次転写装置(22)の近傍には定着装置(25)が配置されている。定着装置(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)と、これに押圧されて配置された加圧ローラ(27)とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置(22)及び定着装置(25)の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置(28)が配置されている。
【0041】
次に、タンデム型現像器(120)を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。
即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)(400)の原稿台(130)上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス(32)上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス(32)上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ(300)が駆動し、第1走行体(33)及び第2走行体(34)が走行する。
このとき、第1走行体(33)により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体(34)におけるミラーで反射し、結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。
【0042】
即ち、タンデム型現像器(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図7に示すように、それぞれ、静電潜像担持体(10)(ブラック用静電潜像担持体(10K)、イエロー用静電潜像担持体(10Y)、マゼンタ用静電潜像担持体(10M)、及びシアン用静電潜像担持体(10C)と、該静電潜像担持体(10)を一様に帯電させる帯電装置(160)と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図7中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置(61)と、該トナー画像を中間転写体(50)上に転写させるための転写帯電器(62)と、クリーニング装置(63)と、除電器(64)とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。
こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)により回転移動される中間転写体(50)上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体(10K)上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体(10Y)上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体(10M)上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体(10C)上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。
そして、中間転写体(50)上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
【0043】
一方、給紙テーブル(200)においては、給紙ローラ(142)の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク(143)に多段に備える給紙カセット(144)の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ(145)で1枚ずつ分離して給紙路(146)に送出し、搬送ローラ(147)で搬送して複写機本体(150)内の給紙路(148)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
あるいは、給紙ローラ(142)を回転して手差しトレイ(54)上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ(145)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
なお、レジストローラ(49)は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
【0044】
そして、中間転写体(50)上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転させ、中間転写体(50)と二次転写装置(22)との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置(22)により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。
なお、画像転写後の中間転写体(50)上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置(17)によりクリーニングされる。
【0045】
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置(22)により搬送されて、定着装置(25)へと送出され、定着装置(25)において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。
その後、該シート(記録紙)は、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされ、あるいは、切換爪(55)で切り換えてシート反転装置(28)により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされる。
【実施例】
【0046】
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において、「%」は重量%、「部」は重量部を示す。
【0047】
≪トナー用樹脂の製造≫
〔製造例1;結晶性部c1の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸159部、アジピン酸11部と1,4−ブタンジオール108部および縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水および1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、Mwがおよそ10000になった時点で取り出した。
取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部c1]を得た。[結晶性部c1]の融点は57℃、Mnは5000、Mwは11000、水酸基価は30であった。
【0048】
〔製造例2;結晶性部c2の製造〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸100部、アジピン酸60部と1,4−ブタンジオール100部および縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水および1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、Mwがおよそ20000になった時点で取り出した。
取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部c2]を得た。[結晶性部c2]の融点は60℃、Mnは11000、Mwは21000、水酸基価は35であった。
【0049】
〔製造例3;非結晶性部a1溶液の製造〕
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、トリレンジイソシアネート44部およびMEK100部を仕込んだ。この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を仕込み80℃で2時間反応させた。この溶液を[非結晶性部a1溶液]とする。
【0050】
〔製造例4;非結晶性樹脂A1の製造〕
L−ラクチド70部、D−ラクチド30部、ε−カプロラクトン5部、オクタン酸第1スズ0.03部を温度計、攪枠機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に入れ、窒素雰囲気下、190℃で1時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する[非結晶性樹脂A1]を得た。[非結晶性樹脂A1]のMnは9,200、Mwは37,000、光学純度は40%であった。
【0051】
〔製造例5;結晶性樹脂C1の製造〕
製造例3の非結晶性部a1溶液を、MEK300部に[結晶性部c1]304部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性樹脂C1]のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の[結晶性樹脂C1]の融解熱の最大ピーク温度T1は55℃、Mnは14000、Mwは28000であった。
【0052】
〔製造例64;結晶性樹脂C2の製造〕
製造例3の非結晶性部a1溶液を、MEK175部に[結晶性部c2]175部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で6時間反応して、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性樹脂C2]のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の[結晶性樹脂C2]の融解熱の最大ピーク温度T1は62℃、Mnは24000、Mwは48000であった。
【0053】
〔製造例7;結晶性樹脂C3の製造〕
製造例3の非結晶性部a1溶液を、MEK175部に[結晶性部c1]175部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性樹脂C3]のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の[結晶性樹脂C3]の融解熱の最大ピーク温度T1は56℃、Mnは18000、Mwは32000であった。
【0054】
〔製造例8;結晶性樹脂C4の製造〕
製造例3の非結晶性部a1溶液を、MEK75部に[結晶性部c1]75部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性樹脂C1]のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の[結晶性樹脂C4]の融解熱の最大ピーク温度T1は62℃、Mnは15000、Mwは31000であった。
【0055】
〔製造例9;結晶性樹脂C5の製造〕
[結晶性部c2]100部をMEK100部に溶解させた。この溶液にキシレンジイソシアネート7部を仕込み80℃で2時間反応させた。次にこの末端にイソシアネート基を有する[結晶性部c2]の溶液を、MEK140部に[結晶性部c2]111部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応して、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性樹脂C5]のMEK溶液を得た。溶剤を除いた後の[結晶性樹脂C5]のT1は55℃、Mnは45000、Mwは88000であった。
【0056】
〔製造例10;着色剤分散液の製造〕
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア株式会社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。
[着色剤分散液1]を堀場製作所製粒子径測定装置LA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
【0057】
〔製造例11;変性ワックスの製造〕
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン454部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製サンワックス LEL−400:軟化点128℃)150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン595部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部およびキシレン119部の混合溶液を170℃で3時間かけて滴下することで重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、[変性ワックス1]を得た。[変性ワックス1]のMnは1872、Mwは5194、Tgは56.9℃であった。
【0058】
〔製造例12;ワックス分散液の製造〕
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、パラフィンワックス(融点73℃)10部、[変性ワックス1]1部、酢酸エチル33部を投入し、78℃に加熱して充分溶解し、1時間で30℃まで冷却を行いワックスを微粒子状に晶析させ、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、[ワックス分散液1]を得た。
【0059】
〔製造例13;結晶性樹脂溶液C1の製造〕
温度計および撹拌機の付いた反応容器中に、[結晶性樹脂C1]10部、MEK5部および酢酸エチル5部を入れ、70℃まで加温し攪拌して均一分散させ、さらに室温まで冷やして[結晶性樹脂溶液C1]を得た。
【0060】
〔製造例14;結晶性樹脂溶液C2の製造〕
製造例13と同様の方法で[結晶性樹脂溶液C2]を得た。
【0061】
〔製造例15;結晶性樹脂溶液C3の製造〕
製造例13と同様の方法で[結晶性樹脂溶液C3]を得た。
【0062】
〔製造例16;結晶性樹脂溶液C4の製造〕
製造例13と同様の方法で[結晶性樹脂溶液C4]を得た。
【0063】
〔製造例17;結晶性樹脂溶液C5の製造〕
製造例13と同様の方法で[結晶性樹脂溶液C5]を得た。
【0064】
〔製造例18;結晶性樹脂溶液C5の製造〕
製造例13と同様の方法で[非結晶性樹脂溶液A1]を得た。
【0065】
〔製造例19;粒子(D)の水性分散液(W)の製造〕
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソプロパノール130部を仕込み、攪拌下、アクリル酸ブチル10部、酢酸ビニル67部、無水マレイン酸15部、メタクリロイロキシポリオキシアルキレン硫酸エステルナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)6部、過酸化ベンゾイル(25%含水品)2部の混合溶液を、120分間かけて滴下し重合させた。この重合溶液50部をさらに撹拌下のイオン交換水60部に滴下して、重合体粒子を含有する水性分散液[微粒子分散液W1]を得た。[微粒子分散液W1]をLA−920および大塚電子社製電気泳動光散乱光度計ELS−800で測定した体積平均粒径は、いずれも0.10μmであった。[微粒子分散液W1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のDSC測定による融解熱の最大ピーク温度(Td)は71℃であった。
【0066】
〔実施例1〕
(トナー母体の製造)
ビーカー内に[結晶性樹脂溶液C1]60部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液C1]を得た。ビーカー内にイオン交換水97部、[微粒子分散液W1]10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液C1]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子(C−0)の表面に粒子(D)が付着された樹脂粒子の水性樹脂分散体(Y−1)を得た。次いで、水性樹脂分散体(Y−1)に水酸化ナトリウム水溶液を足しPH=9.0にした後、50℃に加熱し、1時間攪拌し、さらにこれを室温まで冷ました後、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、体積平均粒径が6.1μmのトナー母体(C−1)を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。
【0067】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0068】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の前記トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。作製したトナーのDSC測定を行った結果T1=52℃、T2=32℃であり、T1−T2=20℃となった。
【0069】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。本現像剤においては、定着後における立体画像が目視で確認できた。また、手による立体画像の凹凸状態も確認した。これは、トナーが定着固化する前に凹凸部を有する立体画像形成ローラによって立体画像が形成されたためである。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【0070】
〔実施例2〕
(トナー母体の製造)
ビーカー内に[結晶性樹脂溶液C2]60部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液C2]を得た。ビーカー内にイオン交換水97部、[微粒子分散液W1]10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液C2]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子(C2−0)の表面に粒子(D)が付着された樹脂粒子の水性樹脂分散体(Y2−1)を得た。次いで、水性樹脂分散体(Y2−1)に水酸化ナトリウム水溶液を足しPH=9.0にした後、50℃に加熱し、1時間攪拌し、さらにこれを室温まで冷ました後、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.5μmのトナー母体(C2−1)を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。
【0071】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0072】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の前記トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。作製したトナーのDSC測定を行った結果T1=55℃、T2=43℃であり、T1−T2=12℃となった。
【0073】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。本現像剤においては、定着後における立体画像が目視で確認できた。また、手による立体画像の凹凸状態も確認した。これは、トナーが定着固化する前に凹凸部を有する立体画像形成ローラによって立体画像が形成されたためである。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【0074】
〔実施例3〕
(トナー母体の製造)
ビーカー内に[結晶性樹脂溶液C3]60部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液C3]を得た。ビーカー内にイオン交換水97部、[微粒子分散液W1]10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液C3]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子(C3−0)の表面に粒子(D)が付着された樹脂粒子の水性樹脂分散体(Y3−1)を得た。次いで、水性樹脂分散体(Y3−1)に水酸化ナトリウム水溶液を足しPH=9.0にした後、50℃に加熱し、1時間攪拌し、さらにこれを室温まで冷ました後、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.7μmのトナー母体(C3−1)を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。
【0075】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0076】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。作製したトナーのDSC測定を行った結果T1=53℃、T2=27℃であり、T1−T2=26℃となった。
【0077】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。本現像剤においては、定着後における立体画像が目視で確認できた。また、手による立体画像の凹凸状態も確認した。これは、トナーが定着固化する前に凹凸部を有する立体画像形成ローラによって立体画像が形成されたためである。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【0078】
〔比較例1〕
(マスターバッチ(MB)の調製)
水1200質量部、カーボンブラック(「PB−k7:Printex60」、デグサ社製、DBP吸油量=114ml/100g、pH=7)540質量部、及び前記樹脂(a)1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
【0079】
(ケチミンの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。
【0080】
(油相の調製)
ビーカー内に、前記[非結晶性ポリエステル樹脂(A1)]を50質量部、酢酸エチル130質量部を加えて攪拌し、溶解させて、樹脂溶解液を得た。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5mgKOH/g、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
【0081】
(水相の調製)
水3700質量部、酢酸エチル560質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50.0質量%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業株式会社製)370質量部、塩化マグネシウム1質量部、U−CAT5質量部を混合攪拌し、混合溶液(水相)を得た。
【0082】
(乳化乃至分散)
前記水相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
【0083】
(有機溶媒の除去)
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記収斂後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて1時間脱溶剤した後、60℃にて5時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
【0084】
(洗浄・乾燥)
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、比較例1のトナー母体粒子を得た。
【0085】
(外添剤処理)
得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。粒径は6.0μmであった。
【0086】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0087】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。
得られたトナーのDSC測定を行った。得られたトナーは非晶性樹脂を使用しているため、DSCによる明瞭な吸熱及び発熱ピークが観察できなかった。
【0088】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。
立体画像形成ローラを通過後に出力された画像を観察した結果、目視では立体画像の形成が確認できなかった。また、手による凹凸の判断もできなかった。これは非晶質樹脂を用いたトナーであるため、定着ローラを通過後の紙上に転写されたトナーが溶融した状態が極めて短く、立体画像形成ローラを通過する前にトナーが定着固化してしまったためである。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【0089】
〔比較例2〕
(トナー母体の製造)
ビーカー内に[結晶性樹脂溶液C4]60部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液C4]を得た。ビーカー内にイオン交換水97部、[微粒子分散液W1]10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液C4]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子(C4−0)の表面に粒子(D)が付着された樹脂粒子の水性樹脂分散体(Y4−1)を得た。次いで、水性樹脂分散体(Y4−1)に水酸化ナトリウム水溶液を足しPH=9.0にした後、50℃に加熱し、1時間攪拌し、さらにこれを室温まで冷ました後、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.8μmのトナー母体(C4−1)を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。
【0090】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0091】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。作製したトナーのDSC測定を行った結果T1=58℃、T2=25℃であり、T1−T2=33℃となった。
【0092】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。本現像剤においては、定着後における立体画像が定着ローラに巻きつきを起し、画像としての評価をすることができなかった。これはトナーの結晶化が遅く、離型性が悪くなったためと考えられる。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【0093】
〔比較例3〕
(トナー母体の製造)
ビーカー内に[結晶性樹脂溶液C5]60部、[ワックス分散液1]27部、および[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液C5]を得た。ビーカー内にイオン交換水97部、[微粒子分散液W1]10.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。ついで25℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液C5]75部を投入し2分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、昇温して35℃で濃度が0.5%以下となるまで酢酸エチルを留去し、樹脂粒子(C5−0)の表面に粒子(D)が付着された樹脂粒子の水性樹脂分散体(Y5−1)を得た。次いで、水性樹脂分散体(Y5−1)に水酸化ナトリウム水溶液を足しPH=9.0にした後、50℃に加熱し、1時間攪拌し、さらにこれを室温まで冷ました後、濾別し、40℃×18時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.7μmのトナー母体(C5−1)を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ(「H2000」、クラリアントジャパン社製)1.0部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用い、周速30m/sとして30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行い、目開き35μmメッシュで篩い、トナーを製造した。
【0094】
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。
該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
【0095】
(現像剤の作製)
外添剤処理済の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、二成分現像剤を製造した。作製したトナーのDSC測定を行った結果T1=55℃、T2=49℃であり、T1−T2=6℃となった。
【0096】
(立体画像形成)
作製した現像剤をタンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)の改造機において使用し、立体画像の形成を行った。本現像剤においては、定着後における立体画像が目視で確認できなかった。また、手による立体画像の凹凸状態も確認できなかった。これは、トナーが定着固化する速度が速く、凹凸部を有する立体画像形成ローラによって立体画像を形成できるのに十分なやわらかさを定着画像が有していなかったためと考えられる。トナー付着量は0.85gcm−1で行った。
【符号の説明】
【0097】
図3について
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
108 転写手段
107 クリーニング手段
図4、図5について
10 感光体ドラム
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
50 中間転写体
51 ローラ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 中間転写体用クリーニングブレード
95 記録媒体
100 画像形成装置
(図6について)
10 感光体(感光体ドラム)
10K クロ用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
29 凹凸ローラ
30 露光装置
31 冷却部
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
図7について
10K、10Y、10M、10C 静電潜像担持体
50 中間転写体
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
160 帯電装置
L 露光
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2000―131875号公報
【特許文献2】特開2001―134091号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーのDSC測定において1回目の昇温時の吸熱ピークの温度T1と1回目の降温時の発熱ピークの温度T2の差T1−T2に30≧T1−T2≧10の関係が成立するトナーを用い、かつ、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を前記トナーで現像する現像工程と、得られたトナー像を記録媒体上に転写する工程と、記録媒体上の該トナー像を定着する定着工程とを有し、該定着工程は、前記トナー像が溶融した後、固化して定着する前に、凹凸部分を備える立体画像形成部を、固化前のトナー像に押し当てて立体画像を形成する段階を含むものであることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記立体画像形成部の凹凸部分の温度調整が可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記定着工程は、さらに、凹凸部分を備える前記立体画像形成部の下流側に配置された冷却部により、前記立体画像を冷却固化させる段階を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記現像剤がキャリアを含む二成分現像剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記現像剤が一成分現像剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
静電潜像を像担持体上に形成する潜像形成手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上のトナー像を定着する定着手段とを有し、前記トナーは、DSC測定において1回目の昇温時の吸熱ピークの温度T1と1回目の降温時の発熱ピークの温度T2の差T1−T2に30≧T1−T2≧10の関係が成立するものであり、該定着手段は、凹凸部分を備え、該凹凸部分を溶融したトナー像に押し当てることによって立体画像を形成する立体画像形成部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記立体画像形成部の凹凸部分の温度調整が可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着手段は、さらに、凹凸部分を備える前記立体画像形成部の下流側に配置され、前記立体画像を冷却固化させる冷却手段を含むものであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−57914(P2013−57914A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197676(P2011−197676)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】