説明

画像形成材料を認証する方法及びシステム

【課題】画像形成部材に用いられる材料が、使用について認可されたコンパチブルかつ真正の材料であるかどうかを効率的に検知する。
【解決手段】画像形成材料に少なくとも1つの蛍光タグを付け、蛍光タグが付けられた画像形成材料10からの蛍光発光を刺激するためのエネルギー源20を生成し、蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光を刺激し、所定の波長において蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光25を測定し、試験画像形成材料からの測定された蛍光発光が、所定の波長における蛍光タグが付けられた画像形成材料からの所定の蛍光発光に合致するとき、試験画像形成材料を真正と識別することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般的に画像形成部材及びアセンブリに用いられる特定の材料成分の認証に関する。開示される実施形態は、例えば、相変化すなわち固形インクジェット印刷システム、或いは電子写真式印刷システム等の種々の印刷システムに用いることができる。材料の認証は、相溶性(コンパチブル)成分が画像形成部材及びアセンブリと共に用いられることを保証する。より具体的には、実施形態は、画像形成部材及びアセンブリに用いられる材料が、こうした使用について認可されたコンパチブルかつ真正の材料であるかどうかを効率的に検知するシステム及び方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
種々の画像形成部材及びアセンブリの製造業者は、これらの画像形成部材及びアセンブリと共に用いるのに特有の材料及び成分を生産する。材料は、最適な性能のために各々の部材又はアセンブリに合わせて調整される。製造業者により認可されていない、画像形成部材及びアセンブリに用いられる材料が、真正材料の代わりに用いられるときに、問題が生じる。これらの非真正材料の使用は、コンパチブルの問題を引き起こし、画像形成ビジネス及び製造業者の評判にかなりの悪影響を与える。非真正材料は、宣伝されるように画像形成部材又はアセンブリと相溶可能でなく、後に機械の性能に悪影響を与える操作上の問題を生じさせることが多い。こうした問題により、保守費がより高くなり、休止時間等が増大する。この種の問題は、次には、画像形成部材及びアセンブリによる顧客の満足度を低下させる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6002893号明細書
【特許文献2】米国特許第5166031号明細書
【特許文献3】米国特許第5763250号明細書
【特許文献4】米国特許第6733839号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成材料の真正性を判断する監視システムを考案しようとする以前の試みは、このシステムが、関係する非真正材料又は非認可材料を容易に検知しないという点で問題があった。システムは、一般に、長期間の問題ある動作が疑念を生じさせた後まで非真正材料を検知せず、その後、不満を抱く顧客からサンプルを取得し、真正性を判断するために大規模で高価な実験室分析を行なうことを必要とした。
【0005】
このように、以前の試みは、非真正材料の問題を扱うための効果的な方法をもたらさなかった。従って、多大な時間及びリソースを費やすことなく、画像形成部材又はアセンブリに用いられる非真性材料の存在を効果的に検知する方法に対する必要性がある。
【0006】
「静電写真」という用語は、一般的に「電子写真」という用語と区別なく用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに示される実施形態によると、画像形成部材及びアセンブリに用いられる材料が、こうした使用について認可されたコンパチブルかつ真正の材料であるかどうかを効率的に検知するためのシステム及び方法が提供される。
【0008】
特に、1つの実施形態は、画像形成材料に少なくとも1つの蛍光タグを付け、蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光を刺激(又は誘導)するためのエネルギー源を生成し、蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光を刺激(又は誘導)し、所定の波長において蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光を測定し、試験画像形成材料からの測定された蛍光発光が、所定の波長における蛍光タグが付けられた画像形成材料からの所定の蛍光発光に合致するとき、試験画像形成材料を真正と識別することを含む、インクジェット印刷装置に用いられる画像形成材料を認証する方法を提供する。
【0009】
別の実施形態において、ドラム保守流体及び少なくとも1つの蛍光タグを含む画像形成材料が提供される。特定の実施形態において、画像形成材料は、上述の方法と共に用いるように調製される。例えば、画像形成材料は、上述の方法によって真正と識別されるように調製される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本実施形態は、時間効率及び費用効率の良い方法で、画像形成装置に用いられる非真正材料の存在を検知するためのシステム及び方法を提供する。本実施形態は、オンライン又はオフラインで追跡できる少なくとも1つの化学タグを特定の画像形成材料内に組み込むことを提案する。組み込まれたタグは、画像形成材料の性能に影響を与えない。実施形態において、タグ分子は、蛍光によって検知される蛍光タグである。さらに別の実施形態において、タグの濃度ラチチュードを広げるために、タグは無色である。
【0011】
識別のための蛍光タグを使用することは、バイオテクノロジーの分野において周知である。例えば、タグが取り付けられた分子の検知を助けるために、研究者が化学的に取り付けたこのようなタグは、分子の一部として使用された。蛍光分子は、蛍光体としても周知である。
【0012】
本実施形態において、画像形成材料は、当技術分野において周知の種々の画像形成システムに用いられる任意の材料を含む。例えば、ここに説明される特定の実施形態は、真正性を監視し、評価するため、圧電インクジェット(PIJ)及び固形インクジェット(SIJ)印刷システムに用いられる画像形成材料、並びに、電子写真システムに用いられる静電写真材料内に少量のタグ分子を添加することを含む。一実施形態において、定着器内の流体のような、一般に静電写真印刷システムに用いられる定着システム材料及び成分内に、タグを組み込むことができる。図1に見られるように、定着器流体すなわち定着器剥離油は、例えば、流体サンプ22内、計量ロール17、ドナーロール19、定着器ロール1及び加圧ロール8の表面上といった定着システム23の全体にわたる幾つかの場所に、最終的には定着システム23を通過する媒体12上に存在し得る。評価される定着器流体は、これらの場所のいずれかから得ることができる。他の実施形態は、定着器潤滑剤のような定着器ウェブ洗浄システムの材料及び成分の中にタグを取り込むこと、又は、ドラム保守流体のような、転写定着システム内のドラム保守材料及び成分の中にタグを取り込むことを含む。ウェブ洗浄定着システムは、一般に、これらに限られるものではないが、静電写真印刷システムに用いられる。転写定着システムは、典型的には、圧電インクジェット又は固形インクジェット印刷システムに用いられる。
【0013】
図2に図示されるように、定着器潤滑剤は、例えば、洗浄ウェブ48、定着器ロール50、加圧ロール52のようなウェブ洗浄システム56内の多くの場所に、最終的には、ウェブ洗浄定着システム56を通過する媒体54上に存在し得る。評価される定着器潤滑剤は、これらの場所のいずれかから得ることができる。同様に、ドラム保守流体は、ドラム保守ローラ58の表面、計量ブレード60、ドラム表面62、転写定着ローラ64等の、図3A及び図3Bに示されるようなドラム保守システムの全体にわたる幾つかの場所に、最終的には、転写定着システムを通過する印刷媒体66上に存在し得る。また、評価されるドラム保守流体は、これらの場所のいずれかから得ることができる。
【0014】
実施形態において、画像形成材料は、ドラム保守流体及び少なくとも1つの蛍光タグを含む。特定の実施形態において、画像形成材料は、ここに説明されるシステム及び方法と共に用いるように調製される。例えば、画像形成材料は、システム及び方法によって、真正と識別されるように調製される。タグは、蛍光又はシンチレーション化学物質を含む。蛍光又はシンチレーション材料は、紫外(UV)線又はX線などの放射エネルギーによる作用を受けながら、蛍光性を示す材料である。適切な材料は、固体又は液体、有機又は無機としてもよく、例えば、いずれかの周知の蛍光結晶又は蛍光染料を含んでもよい。前に述べたように、蛍光染料は、典型的には、化学研究又は生化学研究における分子のタグ付けに用いられてきた。
【0015】
あらゆる周知の蛍光染料を用いることができる。適切な染料には、例えば、フルオレセイン、ローダミン、ローザリニン、ウラン ユウロピウム、ウランで増感されたユウロピウム、及びそれらの混合物が含まれる。有機化合物を用いることもできる。定着器流体と相溶性(コンパチブル)のある溶剤であることが試験された有機化合物は、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン、2,5−ジフェニルオキサゾール、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベン、9,10−ジフェニルアントラセン、及びそれらの混合物を含む。365nmの波長を有する紫外線で放射される間、トルエンについての蛍光バンドの位置は、約350nmから約420nmまでの範囲である。さらに、本実施形態はまた、全ての異なる視認可能な色で、つまり約350nmから約700nmまでで蛍光を発することができる蛍光タグの使用を考慮することもできる。
【0016】
実施形態において、蛍光材料は、少量で蛍光性を示すことができる。従って、タグが付けられた材料の特性又は性能を変えることなく、少量の蛍光タグを画像形成材料に添加することができる。本実施形態は、約0.001ppmから約10000ppmまでの量、約0.001ppmから約1000ppmの量、又は約0.01ppmから約100ppmまでの量だけ、タグが付けられた画像形成材料内に存在する蛍光タグを提供する。
【0017】
蛍光タグを「処理」する又は蛍光タグを画像形成材料の中に組み込むのに用いられる方法は、本質的に物理的なもの、本質的に化学的なもの、又はその両方の組み合わせとすることができる。例えば、物理的処理方法は、単に定着器流体を蛍光材料と混合することを含み、或いは化学的処理方法は、何らかの適切な技術によって蛍光タグを定着器流体に結合させることを含むことができる。タグが、タグ付けされた材料内で十分に可溶性でない蛍光材料を含む場合には、タグ付けされた材料とコンパチブルの部分により分子を改質することによって、不溶性に対処することができる。一実施形態において、定着器流体内の蛍光タグの可溶性を増大させるために、部分は、短シリコーン鎖である。
【0018】
実施形態において、画像形成材料を認証する方法は、画像形成材料に上述した蛍光タグを付け、放射される蛍光レベルを測定することを含む。放射エネルギーなどのエネルギー源が、生成され、認証のために評価される材料に向けられる。評価される材料が蛍光タグを含む場合、エネルギー源は、蛍光タグからの蛍光発光を刺激(又は誘導)する。評価された画像形成材料から刺激された如何なる蛍光も測定される。測定値は、真正の画像形成材料からの蛍光だけをピックアップするように設定された所定の波長に設定することができる。所定の値に合致する蛍光が、真正と識別される。さらに、方法は、所定の波長で材料からの蛍光発光を測定する前に、画像形成材料からの蛍光発光をフィルタにかけて、背景の蛍光又は干渉を除去することを含むことができる。
【0019】
さらに別の実施形態においては、図4に示されるように、画像形成アセンブリ15から得られた画像形成材料10を認証するためのシステム5が提供される。このシステムは、画像形成アセンブリに用いられる画像形成材料にタグ付けするのに用いられる蛍光タグを含む。このシステムは、画像形成材料10からの蛍光発光25を刺激するためのエネルギー源20と、所定の波長において画像形成材料10からの蛍光発光25を測定する蛍光検知器30とを提供する。一般的に用いられるUV照明システムに加えて、エネルギー源20は、費用効果の高いUV発光ダイオード(LED)とすることができる。例えば、こうしたUV LED(紫外線発光ダイオード)は、365nmのピーク発光波長と、例えば10nmの狭スペクトル半値幅とを有することができる。存在する場合には、画像形成材料10からの測定された蛍光発光25が所定の波長に合致するとき、蛍光検知器30は、評価された画像形成材料10を真正と識別するためのインジケータ35を含む。インジケータ35は、例えば、検知器上に配置された表示画面などの、検知器30の一部としてもよい。インジケータ35はまた、例えば、有線又は無線ネットワークを介して検知器30と遠隔通信する遠隔パーソナル・コンピュータなどの、検知器に取り付けられていない別個のコンポーネントとしてもよい。実施形態において、蛍光検知器30は、可視スペクトル内の光を検知する。更に別の実施形態において、検知器30は、多数のセンサを含む。センサ(及びそれらのフィルタ)が、タグ付けされた材料の近くに配置される特定の構成において、検知器は、付加的な光学部品なしで、材料の蛍光性を検知することができる。しかしながら、他の考慮事項により、検知器がタグ付けされた材料から少し離れたところに配置させられる場合には、試験される材料と検知器との間に集光光学部品を含み、試験された材料からの蛍光発光を集光し、検知器の上に合焦させることも有利である。
【0020】
さらに、材料が真正ではないとき、システム5は、評価される材料の交換を要求するための、蛍光検知器30に連結されたスマートチップ40をさらに含むことができる。光学フィルタ45をシステム5内に含ませ、画像形成材料10の評価時に含まれ得る背景の蛍光又は干渉を除去することができる。こうしたフィルタは、例えば、音響光学的可変フィルタ、ファイバ可変フィルタ、薄膜干渉フィルタ、又は光学帯域フィルタを含むことができる。薄膜フィルタは、干渉フィルタホイール又は干渉フィルタタレットとすることができる。さらに別の実施形態においては、「デジタル」フィルタを用いて、蛍光タグからの蛍光を、同じく試験画像形成材料が蛍光を発するようにさせ得る他の干渉又は汚染物質からの蛍光と区別することができる。デジタル・フィルタ処理は、様々な波長の蛍光強度を測定することを必要とする。強度対波長のプロットはピークを示し、各ピークは、1組の蛍光パラメータ(例えば、蛍光波長、強度及び半値全幅(FWHM)など)によって特徴付けられる。これらのパラメータを比較することによって、特定のタグに特有の蛍光パラメータを分離することができる。例えば、重畳された強度曲線の中で、1つのピークだけが蛍光タグに起因する。従って、強度曲線全体を、タグと関連した蛍光パラメータ(蛍光波長、強度、及びFWHM)の各々について識別されたピークと適合させることにより、デジタル・モデリング・プロセスを用いて、蛍光タグを他の蛍光干渉/汚染物質から区別することが可能になる。
【実施例1】
【0021】
典型的な定着システム(例えば、静電写真印刷システム)が、定着器ロール、加圧ロール、印刷媒体、画像、計量ロール、ドナーロール、剥離剤サンプ、及び定着器流体又は定着器剥離油を含む。この実施例において、定着器流体は、蛍光タグで処理される。
【0022】
紫外線ランプが、サンプ内の蛍光タグ付けされた定着器流体の上に放射され、蛍光強度が、波長の関数として測定される。次に、測定された蛍光スペクトルがモデルに適合されて、そこで、モデル・パラメータが、蛍光検知装置内に格納された、例えば所定の波長のような所定の値と比較される。モデル・パラメータが格納された値に合致する場合には、定着器流体が認証される。
【0023】
モデル・パラメータは、例えば、定着システムにおいて、試験される定着器流体が得られる検知の場所に左右されるので、これにより、パラメータは、定着器流体の量及び温度によって決まる。
【実施例2】
【0024】
典型的な固形インクジェット(SIJ)印刷システムが、ドラム保守及び画像形成サイクルを含む。ドラム表面上の画像は、転写定着ニップを通過することによって、最終的な基材のシートに転写定着される。次に、画像が噴射される前に、ドラム保守ローラを洗浄し、ドラム保守流体がドラムに塗布された。この実施例において、ドラム保守流体は、蛍光タグで処理される。典型的なシリコーン・ベースのドラム保守流体中で容易に溶解するポリ(メチルフェニルシロキサン)を、本実施例における蛍光タグ分子として用いることができる。
【0025】
紫外線ランプが、ドラム保守システム内の蛍光タグが付けられたドラム保守流体上に照射される。蛍光強度が、波長の関数として測定される。次に、測定された蛍光スペクトルがモデルに適合され、そこで、モデル・パラメータが、蛍光検知装置内に格納された、例えば所定の波長のような所定の値と比較される。モデル・パラメータが格納された値も合致する場合には、ドラム保守流体が認証される。
【0026】
モデル・パラメータは、例えば、ドラム保守(DM)システムにおいて、試験されるドラム保守流体が得られる検知の場所に左右されるので、これにより、パラメータは、ドラム保守流体の量及び温度によって決まる。
【0027】
Sigma−Aldrich社(ミズーリ州セントルイス所在)から入手可能なフルオランテン(99%)、及びRisk Reactor社(カリフォルニア州ハンティントンビーチ所在)から入手可能な蛍光性クリアブルー染料(目に見えないブルー)が、蛍光タグとして試験された。フルオランテン(99%)は、種々の有機溶剤中に溶解し、シリコーン中で混和性であり、蛍光性クリアブルー染料は、メチルエチルケトン(MEK)中で制限された溶解度しか有さなかったことが留意された。
【0028】
フルオランテン(99%)及び蛍光性クリアブルー染料を、最初に、適切な溶剤中に溶解させ、次に、SIJシリコーン流体に直接添加し、蛍光タグの有効性を評価した。評価において、次のサンプル、すなわち:(1)5gのドラム保守流体のみ、(2)アセトン中に0.2gの5%フルオランタン(0.2%のフルオランタン)を有する5gのドラム保守流体、及び(3)MEK中に0.2gの5%蛍光性クリアブルー染料(0.2%のDFSB−C0)を有する5gのドラム保守流体を使用した。
【0029】
2平方インチ(約1290mm2)の304Vステンレス鋼板及び2平方インチ(約1290mm2)のカードストック用紙の紙サンプルの上に、10滴すなわち約80mgがスピンコートされた。比較評価のために、少量の液滴が、第4ステンレス鋼板の上に直接置かれた。不可視光線の下で、サンプル中のタグの可視性についてサンプルを評価した。シリコーン油内の蛍光タグの蛍光性は、良好な可視性を示した。
【0030】
紙基材もまた、不可視光線の下で蛍光を発することがさらに留意された。従って、サンプル内の蛍光信号を画像形成する前に適切なフィルタ処理技術を用いることにより、制御サンプルと蛍光タグを有するサンプルとの間の蛍光信号の差が増幅される。
【実施例3】
【0031】
典型的なウェブ洗浄定着システム(例えば、静電写真印刷システム)が、TEFLON(登録商標)の外層を有する定着器ロールを含む。こうした定着器ロールは、一般に、定着器剥離剤を必要としない。TEFLON(登録商標)外層は、非常に低い界面エネルギーを有するが(そのため、十分な剥離特性を有する)、表面上の紙塵又は極めて少量の残留トナーを除去するために、洗浄ウェブを使用することは、依然として望ましい。洗浄ウェブは、シリコーン油のような含浸潤滑剤によって大きく改善される。本実施例においては、定着器潤滑剤は蛍光タグで処理される。
【0032】
紫外線ランプが、ウェブ洗浄定着システム内の蛍光タグが付けられたドラム定着器潤滑剤に照射される。蛍光強度が、波長の関数として測定される。次に、測定された蛍光スペクトルがモデルに適合され、そこで、モデル・パラメータが、蛍光検知装置内に格納された、例えば所定の波長のような所定の値と比較される。モデル・パラメータが格納された値に合致する場合には、評価された定着器潤滑剤が認証される。
【0033】
モデル・パラメータは、例えば、ウェブ洗浄定着システムにおいて、試験される定着器潤滑剤が得られる検知の場所に左右されるので、これにより、パラメータは、定着器潤滑剤の量及び温度によって決まる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】定着システムの断面図である。
【図2】ウェブ洗浄定着システムの断面図である。
【図3A】転送定着ニップを通過することによって最終的な基材のシートに転送定着されるドラム表面上の画像を有する、転送定着システムの断面図である。
【図3B】ドラム保守(DM)及び画像形成サイクルの断面図である。
【図4】本開示の実施形態による画像形成システムに用いるための材料を認証するためのシステムの概略的なブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1、50:定着器ロール
5、23、56:システム
8、52:加圧ロール
10:画像形成材料
12、54:媒体
15:画像形成アセンブリ
17:計量ロール
19:ドナーロール
20:エネルギー源
22:流体サンプ
25:蛍光発光
30:蛍光検知器
35:インジケータ
40:スマートチップ
45:光学フィルタ
48:洗浄ウェブ
58:ドラム保守ローラ
60:計量ブレード
64:転写定着ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷装置に用いられる画像形成材料を認証する方法であって、
画像形成材料に少なくとも1つの蛍光タグを付け、
前記蛍光タグが付けられた画像形成材料からの蛍光発光を刺激するためのエネルギー源を生成し、
前記蛍光タグが付けられた画像形成材料からの前記蛍光発光を刺激し、
所定の波長において前記蛍光タグが付けられた画像形成材料からの前記蛍光発光を測定し、
試験画像形成材料からの前記測定された蛍光発光が、前記所定の波長における前記蛍光タグが付けられた画像形成材料からの所定の蛍光発光に合致するとき、試験画像形成材料を真正と識別する、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記蛍光タグは、フルオレセイン、ローダミン、ローザニリン、ウランユウロピウム、ウランで増感されたユウロピウム、及びそれらの混合物から成る群から選択される染料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蛍光タグは、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、1,4−ビス(4−メチル−5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ベンゼン、2,5−ジフェニルオキサゾール、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベン、9,10−ジフェニルアントラセン、及びそれらの混合物からなる群から選択される有機化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の波長において前記蛍光タグが付けられた画像形成材料からの前記蛍光発光を測定する前に、刺激された該蛍光タグが付けられた画像形成材料からの該蛍光発光をフィルタにかけて、背景の蛍光又は干渉を除去することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−233082(P2008−233082A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65614(P2008−65614)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】