説明

画像形成装置、システム、プリンタドライバ、及び方法

【課題】非純正の交換部品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、画像を形成する画像形成部103と、画像形成部103の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部101aと、画像形成条件の設定操作を含むユーザ操作を受け付ける操作受付部(例えば操作パネル102)と、操作受付部から設定された画像形成条件に基づき画像形成部103での画像形成を制御する制御部101とを備える。画像形成装置100では、非純正品判定部101aにより画像形成部103の交換部品が非純正品と判定された場合、制御部101が、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、システム、プリンタドライバ、及び方法に関し、より詳細には、交換部品が非純正品か否かを判定する機能を備えた画像形成装置、その画像形成装置と情報処理装置とを備えた画像形成システム、その情報処理装置にインストールされるプリンタドライバ、及びその画像形成装置における画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置に使用される感光体ドラム、転写ベルト、トナーカートリッジなどの交換部品は印刷品位を保証するために、装置の販売メーカが純正のサプライ品を供給しているが、販売メーカ以外の第3者によって互換部品としてサプライ品を販売するケースが増加している。互換部品は安価で供給されているものの印刷品位について全く保証されたものではなく、互換部品の販売者により機器のメンテナンスも行なわれていないのが現状である。また、画像形成装置自体も非純正のサプライ品までサポートするように設計されていない。よって、非純正品を用いた場合、高温・高湿、低温・低湿など環境条件により印刷のカスレ、カブリ等が顕著に発生してしまい、印刷品位が低下してしまう。
【0003】
例えば、画像形成装置において非純正品のトナーが用いられると、トナーの特性と現像バイアスの設定が十分でないため、感光体ドラムに付着するトナー量が多くなり、記録紙上ではカブリとなってしまう場合がある。また、逆に感光体ドラムに付着するトナーが少ない場合には記録紙上でカスレとなってしまう。
【0004】
また、非純正トナーが画像形成装置本体の設定と適合していない場合には、記録紙上に転写されたトナーが定着部で、十分に溶融されずにトナーが記録紙に固着されない場合や、定着部で溶融されすぎて文字がつぶれてしまう場合がある。このようにトナーの特性と定着部の加熱温度が適切でない場合には、何れもトナーが加熱ローラに付着することで、次に印刷を行う記録紙を汚してしまったり、加圧ローラ側にトナーが付着することで記録紙の表裏を汚してしまうなど印刷画像に悪影響を及ぼしてしまう。特に、温度、湿度が高まる程、画像濃度は高くなりカブリが発生しやすくなり、印字率が高くなるにつれカブリの発生率も増加傾向にある。
【0005】
このような問題に対して、例えば特許文献1には、交換部品が純正品か否かを識別可能な画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、トナーカートリッジに内蔵されているメモリタグからトナーの製造元社名情報を読み出し、読み出した社名情報と、予め記憶している社名情報とを比較し、一致する場合には、装着されているトナーカートリッジは純正品であると判定して表示部に社名情報を表示し、画像濃度補正動作を実行し、一方、一致しない場合には、装着されているトナーカートリッジは非純正品であると判定し、表示部に社名情報を表示せず、かつ、画像濃度補正動作を実行しない旨を表示する。
【0006】
また、特許文献2には、純正の消耗品の使用を前提とする第1モードと非純正の消耗品の使用を許可する第2モードとが選択可能な画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、装着されている消耗品が純正か非純正かを判定する消耗品判定手段と、印刷指示を受け付ける印刷ジョブ受付手段と、第1モードが選択された場合において、印刷ジョブ受付手段で印刷指示された色を再現するために使用する消耗品が、消耗品判定手段により非純正と判定された消耗品を含む場合は、非純正と判定された消耗品を使用することなく、純正と判定された消耗品のみを使用して画像を形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−266588号公報
【特許文献2】特開2009−300694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、画像形成装置において非純正品のトナーが用いられ、カブリやカスレ等の画像ムラが生じるような状況下では、罫線やアンダーライン等の細線、コンマ、ピリオドなど小さな記号がカスレによって記録紙上で視認できないといった事態や、カブリによってそのような小さな記号や文字が視認できなくなるといった事態が起こり得る。なお、画像形成装置において非純正品のトナーが用いられた場合だけでなく、トナー以外の交換部品に非純正品が用いられた場合においても、適確な印字が望めないことから画像ムラが生じ、小さな記号や文字が記録紙上で視認できなくなるといった事態は起こり得る。
【0009】
ところで、上記のサプライ品は管理者によって交換や補充が行なわれるために、一般利用者は良好な印刷が行われるものとして印刷を行っているのが現状である。従って、非純正の交換部品が搭載された画像形成装置を利用して一般利用者が縮小印刷を行った場合には、カブリやカスレにより小さな記号や文字が視認できなくなるとは事前に知らないため、再度の操作により縮小を伴わないような印刷を行う必要が生じ、結果的に余計な手間や記録紙、電力が必要になってしまう。
【0010】
これに対して、上述の特許文献1,2に記載された技術は、トナーカートリッジが非純正品であることを検出すると良好な印刷が行えないことを理由に、画像濃度補正を禁止したり、あるいは、高画質が要求された場合には非純正品を使用せずに純正品のみで印刷を行うようにしたものであるが、非純正品による画質不良と縮小印刷の関係については何ら考慮されていない。また、非純正品が使用されている場合には、印刷動作を禁止するという方法も考えられるが、一律に禁止してしまうと、ユーザの利便性を大きく損ねてしまうことになる。
【0011】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、非純正の交換部品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させることが可能な画像形成装置、その画像形成装置と情報処理装置とを備えた画像形成システム、その情報処理装置にインストールされるプリンタドライバ、及びその画像形成装置における画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、画像を形成する画像形成部と、該画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部と、画像形成条件の設定操作を含むユーザ操作を受け付ける操作受付部と、該操作受付部から設定された画像形成条件に基づき前記画像形成部での画像形成を制御する制御部とを備えた画像形成装置であって、前記非純正品判定部により前記画像形成部の交換部品が非純正品と判定された場合、前記制御部は、前記画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止することを特徴としたものである。
【0013】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることを特徴としたものである。
【0014】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作を含むことを特徴としたものである。
【0015】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことを特徴としたものである。
【0016】
第5の技術手段は、画像を形成する画像形成部及び該画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部を有する画像形成装置と、該画像形成装置用のプリンタドライバがインストールされた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された画像形成システムであって、前記プリンタドライバは、前記非純正品判定部での判定結果を示す情報を前記画像形成装置から前記ネットワーク経由で受信して、該情報に基づき前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定し、非純正品と判定された場合、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止したユーザインターフェース画像を表示させることを特徴としたものである。
【0017】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることを特徴としたものである。
【0018】
第7の技術手段は、第5または第6の技術手段において、前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作を含むことを特徴としたものである。
【0019】
第8の技術手段は、第5〜第7のいずれか1の技術手段において、前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことを特徴としたものである。
【0020】
第9の技術手段は、プリンタドライバであって、第5〜第8のいずれか1の技術手段における画像形成システムを構成する情報処理装置にインストールされることを特徴としたものである。
【0021】
第10の技術手段は、画像を形成する画像形成部と、設定された画像形成条件に基づき前記画像形成部での画像形成を制御する制御部と、前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部とを備えた画像形成装置による画像形成方法であって、前記非純正品判定部が、前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する判定ステップと、前記制御部が、または、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された情報処理装置にインストールされた前記画像形成装置用のプリンタドライバが、前記判定ステップで前記画像形成部の交換部品が非純正品と判定された場合、前記画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する禁止ステップと、前記画像形成部が、前記設定された画像形成条件に基づいて、画像形成を行う画像形成ステップと、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成装置内部にメーカが供給する純正品以外の交換部品(つまり、非純正の交換部品)が使用されていると判定された場合に、小さな記号や文字の印刷をできるだけ制限するために縮小印刷を禁止にするため、非純正の交換部品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による画像形成装置を複合機として構成した実施形態を示す図である。
【図2】本発明による画像形成装置及び情報処理装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図3】交換部品であるトナーカートリッジの一例を示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置または画像形成システムによる画像形成方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】図4の画像形成方法における非純正品検出時の設定画面表示処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】画像形成装置が備える操作パネルの外観の一例を示す図である。
【図7】図6の操作パネルに表示させるコピーモード時の初期画面の一例を示す図である。
【図8】図7の初期画面から「各種設定」ボタンが選択されたときの設定画面の一例を示す図である。
【図9】図8の設定画面から用紙に関するボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に用紙サイズを選択させるための設定画面の一例を示す図である。
【図10】図7の初期画面から「倍率設定」ボタンが選択されたときの設定画面の一例を示す図である。
【図11】図10の設定画面から倍率を設定するためのボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが純正品の場合に変倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【図12】図10の設定画面から倍率を設定するためのボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【図13】図12の設定画面から「たてよこ独立変倍」ボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に縦横独立して倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【図14】図10の設定画面から「特別機能」ボタンが選択されたときに表示される設定画面の一例を示す図である。
【図15】図14の設定画面において、「2in1/4in1」ボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に集約印刷を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【図16】トナーカートリッジが非純正品の場合に、プリンタドライバによって表示される画像形成条件の設定画面の例を示す図である。
【図17】トナーカートリッジが純正品の場合に、プリンタドライバによって表示される画像形成条件の設定画面の例を示す図である。
【図18】トナーカートリッジが非純正品の場合に、プリンタドライバによって表示される画像形成条件の設定画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の画像形成装置、システム、プリンタドライバ、及び方法の好適な実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明による画像形成装置を複合機として構成した実施形態を示す図で、スキャナ機能を備えた複合機として構成された画像形成装置の一例を示すものである。
画像形成装置100は、外部から伝送され、もしくはスキャナ(画像読み取り手段)で読み取った画像データを記録紙に画像形成するもので、装置本体130と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0026】
装置本体130は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有する。
装置本体130の上部には、透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、その上側には原稿載置台92に原稿を自動搬送する自動原稿処理装置120が取り付けられる。自動原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0027】
装置本体130は、筐体内に収容される画像読取手段90を有している。画像読取手段90は、光源及び第1ミラーを保持する光源ユニット93と、第2及び第3ミラーを保持するミラーユニット94と、レンズ及びCCD95とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。また、装置本体130には、図示しない操作パネルが設けられ、ユーザによる操作入力が可能となっている。また装置本体130には、外部接続された装置から画像データを入力する手段、あるいは可搬型の記録媒体から画像データを読み取る手段(いずれも図示せず)を備えている。
【0028】
画像形成装置100において扱われる画像データは、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム(像担持体)3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、これらにより4つの画像ステーションが構成されている。
【0029】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
露光ユニット1には、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。また、露光ユニット1としては、この他にも発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0030】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0031】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0032】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0033】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本構成例では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0034】
上記のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は、中間転写ベルト61で積層される。このように積層された静電像は、中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される二次転写機構部である転写ローラ10によって記録紙に転写される。二次転写機構部としては、転写ローラに限らず、コロナチャージャや転写ベルトを用いることも可能である。
【0035】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は、上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10若しくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
【0036】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、若しくは転写ローラ10によって記録紙に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0037】
給紙カセット81は、画像形成に使用する記録紙(シート)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体130の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する記録紙を置くことができる。装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みの記録紙をフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0038】
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の記録紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路S1が設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路S1の近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0039】
搬送ローラ12a〜12dは、記録紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路S1に沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。同様に、ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から記録紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路S1に供給する。
【0040】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路S1を搬送されている記録紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と記録紙の先端を合わせるタイミングで記録紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0041】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、記録紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御手段によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーを記録紙に熱圧着することにより、記録紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、記録紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0042】
次に、記録紙の搬送経路をより具体的に説明する。上述のように、画像形成装置100には、予め記録紙を収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82から記録紙を給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、記録紙を1枚ずつ用紙搬送路S1に導くようになっている。
【0043】
各給紙カセット81,82から搬送される記録紙は、用紙搬送路S1の搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、記録紙の先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、記録紙上に画像情報が書き込まれる。その後、記録紙は定着ユニット7を通過することによって記録紙上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0044】
上記の搬送経路は、記録紙に対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過した記録紙の後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録紙を搬送ローラ12c,12dが配された搬送路S2に導く。そして、搬送路S2は搬送路S1に合流して、記録紙はレジストローラ13から転写ローラ10に搬送される。このとき、搬送路S2からS1に合流する段階で記録紙の表裏が反転されているため、転写ローラ10では記録紙の裏面に印刷が行わる。そして裏面に印刷された記録紙は定着ユニット7で定着され、排紙トレイ91に排出される。
【0045】
図2は、本発明による画像形成装置及び情報処理装置の要部構成例を示すブロック図である。画像形成装置100は、例えば、上述の複合機として構成され、画像形成装置100の各機能を制御し内部にCPU,ROM(及び/またはEEPROM),RAM等を有するマイクロコンピュータによって実現される制御部101と、操作部102a及び表示部102bからなる操作パネル102と、制御部101の制御に従って画像データが示す画像を記録紙上に形成する画像形成部103と、ネットワークNを介して情報処理装置200と接続するための通信部104と、ハードディスクなどの記憶部105と、トナーカートリッジ108に付与されたICチップからID情報を読み取る読取部106と、各種センサ及びセンサからの信号を加工する周辺回路からなるセンサ回路107と、交換部品の一例であるトナーカートリッジ108と、温度及び/または湿度を検出する検出部109とを備えて構成される。
【0046】
上記マイクロコンピュータには、所謂、画像形成装置100のファームウェア(プログラム)が実行可能に格納されている。このファームウェアは、例えば上記EEPROMに書き換え可能な状態で格納されているか、上記ROMに格納されている。なお、このプログラムはそれをコンピュータ読み取り可能に記録した可搬の記録媒体やネットワークを介して流通させることができる。また、図2では図示しないが、画像形成装置100は図1で例示したようにスキャナ等の他の構成要素を備えている。また、印刷対象となる上記画像データとしては、このスキャナで読み取られたデータや、通信部104から印刷ジョブとして受信したデータが挙げられる。
【0047】
操作パネル102は、画像形成条件の設定操作を含むユーザ操作を受け付ける操作受付部の一例であり、操作部102aと表示部102bによって、操作画面に対して入力操作が可能なタッチパネルが構成されている。操作パネル102の操作部102aは、ユーザ操作を受け付けて制御部101に出力する。また、操作パネル102の表示部102bは、操作画面や各種情報を表示させる。画像形成条件を設定する操作を行う設定画面も含め、表示部102bに表示される各操作画面は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)画像として、例えば記憶部105など、表示部102bに出力可能な記憶領域に格納されている。制御部101は、例えばスキャナで読み取った画像データや記憶部105内に格納されている画像データを印刷するに際し、操作パネル102から設定された画像形成条件に基づいて画像形成部103での画像形成を制御することになる。なお、スキャナで読み取った画像を印刷するとはコピーを実行することを指す。
【0048】
また、情報処理装置200は、例えば、汎用的なPC(パーソナルコンピュータ)であり、ネットワークNを介して画像形成装置100と接続するための通信部201と、情報処理装置200の各機能を制御するためのCPU,RAM,ROM等からなる演算処理部202と、画像形成装置100用のプリンタドライバ203aがインストールされたハードディスクなどの記憶部203と、キーボードやマウスなどの入力部204と、液晶ディスプレイ等の表示部205とを備えて構成される。プリンタドライバ203aは、画像形成装置100を制御して、画像形成処理(印刷処理)を実行させるためのソフトウェア(プログラム)である。このプリンタドライバ203aは、印刷実行時に、演算処理部202によって記憶部203から読み出され、演算処理部202のRAM上で展開され実行される。なお、このプリンタドライバ203aはそれをコンピュータ読み取り可能に記録した可搬の記録媒体やネットワークを介して流通させることができる。
【0049】
画像形成装置100の制御部101は、例えば情報処理装置200で作成された文書ファイルなどの画像データを印刷するに際し、プリンタドライバ203aで設定された画像形成条件に基づいて画像形成部103での画像形成を制御することになる。画像形成装置100では、この画像データと画像形成条件を1つの印刷ジョブとして受信して、印刷を実行する。
【0050】
本発明に係る画像形成装置100は、交換部品に非純正品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、印刷時の罫線やコンマ、ピリオドなどの小さな記号や文字の印刷をできるだけ制限して小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させることを、主たる目的とする。ここでは、画像形成条件が画像形成装置100の操作パネル102から設定されることを前提とした例を説明し、情報処理装置200から設定される例については後述する。
【0051】
上記目的を達成するための構成として、画像形成装置100は、画像形成部103の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部101aを備え、非純正品判定部101aにより画像形成部103の交換部品が非純正品と判定された場合、制御部101が、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する。なお、制御部101のこの禁止処理は、例えばファームウェアの一処理として搭載しておけばよい。また、非純正品判定部101aが制御部101の一機能として実現される例を挙げているが、非純正品判定部101aは制御部101とは独立に設けられてもよい。
【0052】
上記において、交換部品とは、機能から見れば装置の一部を構成し、交換により性能が回復・保持できるものをいう。例えば、画像形成装置100の場合、トナーカートリッジ(あるいは現像カートリッジ)、感光体カートリッジ、現像部材と感光体が一体的に形成されたカートリッジ、インクカートリッジ、インクタンクと印字ヘッドが一体的に形成されたカートリッジ、熱転写方式用のインクシートカートリッジ等が相当する。そして、これらの交換部品をサプライ品と呼ぶ場合がある。本例では、交換部品としてトナーカートリッジ108を例示して説明するが、これに限定されるものではなく、また上述したいずれかのカートリッジに限ったものでもない。但し、以下では交換部品がトナーカートリッジ108である例を挙げる。
【0053】
図2において、非純正品判定部101aは、画像形成装置100に装着されたトナーカートリッジ108が純正品か、非純正品かの判定を行う。非純正品の判定方法としては、前述の特許文献1,2に記載の技術をはじめ、例えば、特開2002−202697号公報、特開2009−145396号公報など従来公知の技術を用いて実現することができ、その方法について特に限定されるものではない。以下、非純正品判定部101aによる非純正品の判定方法として、画像形成装置100内で判定を行う場合を例示して説明するが、外部のサーバ装置等を利用して判定を行うようにしてもよい。
【0054】
トナーカートリッジ108には、トナーカートリッジ108を個別に特定し得る固有のID情報が記録されている。例えば、図3に示すように、ICチップ108aとして搭載し、その中のEEPROM、強誘電体メモリ等の不揮発性メモリにID情報を予め記録しておく。あるいは、このID情報をバーコードなどの簡易な方法により構成してもよい。ID情報としては、少なくとも純正品を提供する製造メーカであることが分かればよいため、製造メーカの識別番号などであってもよい。そして、読取部106は、トナーカートリッジ108に付与されたID情報の形態によって異なり、バーコードの場合にはバーコードリーダであり、また、ICチップの場合には電気的あるいは高周波による読み取り手段で構成される。
【0055】
また、記憶部105には、トナーカートリッジの純正品のID情報が予め格納されており、トナーカートリッジ108の交換装着が確認されると、非純正品判定部101aは、読取部106で読み取られたトナーカートリッジ108のID情報と、記憶部105に格納されている純正品のID情報とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。なお、画像形成装置100の製造メーカは、その製造段階において、画像形成装置100に適用可能な純正品のトナーカートリッジのID情報を全て記憶部105に格納しておけばよく、またファームウェアのバージョンアップに合わせて新製品のトナーカートリッジのID情報も新たに格納可能にしておけばよい。ID情報が一致した場合には、純正品と判定され、ID情報が一致しない場合には、非純正品と判定される。なお、非純正品の中には、ID情報が付与されていない場合も考えられるため、読取部106で読み取り不能であった場合も非純正品と判定するようにする。
【0056】
上記において、トナーカートリッジ108の交換装着は、センサ回路107により検知することができる。センサ回路107は、前述したように、各種センサ及びセンサからの信号を加工する周辺回路からなる。センサとしては、機械式あるいは光学式の扉センサ、カートリッジセンサで構成される。扉センサは、画像形成装置100の扉の開閉状態を検出するセンサであり、また、カートリッジセンサは、トナーカートリッジ108が画像形成装置100に装着されているか否かを検出するためのセンサである。周辺回路としては、センサ出力の波形整形を行う波形整形回路、フィルタ回路、2値化回路、電圧レベル調整回路等が含まれ、センサ出力を、例えば、0−5Vの論理レベルを有するデジタル信号に変換する。
【0057】
制御部101は、センサ回路107でトナーカートリッジ108の交換があったことを検知した場合には、ICチップ108aにアクセスし、ID情報を読み取るように、読取部106に指示する。そして、非純正品判定部101aは、読取部106で読み取られたID情報と、記憶部105に記憶されているID情報とを比較することで、交換されたトナーカートリッジ108が純正品か、非純正品かの判定を行う。このようにして、非純正品判定部101aによりID情報の一致/不一致を判定することができる。読取部106で読み取り不能な場合にも、不一致、つまり、非純正品と判定されるものとする。
【0058】
そして、制御部101は、非純正品判定部101aにより画像形成部103の交換部品が非純正品と判定された場合、上述したように、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する。交換部品がトナーカートリッジ108である例を挙げている。一方で、画像形成装置100が複数の部品が交換可能な構成の場合、同様に1つの交換部品だけを判定対象として処理してもよいが、各交換部品について上述のような非純正品か否かの判定を行い、少なくとも1つの交換部品が非純正品であると判定された場合に、縮小印刷に関する設定操作を禁止するようにしてもよい。
【0059】
なお、図2では、画像形成装置100と情報処理装置200とがネットワークNを介して接続された画像形成システムの例を挙げているが、ここで説明するように、画像形成装置100が単独で操作パネル102からの縮小印刷に関する設定操作を禁止するような構成の場合、当然、情報処理装置200への接続/非接続は問わない。
【0060】
このように、本発明の画像形成装置100では、画像形成装置内部にメーカが供給する純正品以外の交換部品(つまり、非純正の交換部品)が使用されていると判定された場合に、小さな記号や文字の印刷をできるだけ制限するために、縮小印刷を禁止にする。よって、本発明によれば非純正トナーなどの非純正サプライ品が装置の設定と適合していない場合や、高温、高湿など使用環境によりカブリやカスレが発生した場合など、非純正の交換部品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させ(つまり印刷内容を視認できる可能性を高め)、記録紙、トナーの無駄な消費を防止することができる。
【0061】
ここで、制御部101で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることが好ましい。例えば、印刷対象の画像を一辺の比率で80%より縮める倍率で変倍する設定操作を禁止したり、面積比率で50%より縮める倍率で変倍する設定操作を禁止する。また、制御部101で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作、及び/または、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことが好ましい。なお、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作とは、用紙サイズに合わせて印刷を行う所謂「フィットページ印刷」のうち、画像が縮小されるような印刷を行う設定操作を指す。
【0062】
以上、画像形成条件が画像形成装置100の操作パネル102から設定されることを前提として説明したが、次に、情報処理装置200側から設定される場合、つまり、画像形成装置100及び情報処理装置200からなる画像形成システムによる印刷処理例について説明する。
【0063】
前述の図2において、画像形成装置100は、非純正品判定部101aによる判定結果を示す情報(以下、純正部品判定情報)を情報処理装置200に送信する通信部104を備える。情報処理装置200はその純正部品判定情報を受信する通信部201を備える。このような純正部品判定情報のやり取りを可能とするために、画像形成装置100の制御部101は、再度のカートリッジ交換があるまでその純正部品判定情報を記憶部105に保存しておけば、プリンタドライバ203aから所定タイミングで純正部品判定情報を要求するだけで返信できる。この要求は、単にプリンタドライバ203aが起動した際に、画像形成装置100と接続確認と併せて行い、画像形成装置100の制御部101がその接続確認時に返信制御してもよい。もしくは、純正部品判定情報は保存しておかなくても、情報処理装置200のプリンタドライバ203aからの判定結果の要求時に非純正品判定部101aに判定させてもよい。
【0064】
そして、情報処理装置200のプリンタドライバ203aは、画像形成装置100から受信した純正部品判定情報に基づき、画像形成部103の交換部品が非純正品か否かを判定し、非純正品と判定された場合、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止したユーザインターフェース画像を表示させる。
【0065】
これにより、画像形成装置100が単独で印刷処理する場合(主にコピー処理する場合)と同様に、非純正の交換部品を使用した場合であっても、ユーザの利便性を損なうことなく、小さな記号や文字が視認できなくなる可能性を低減させ(つまり印刷内容を視認できる可能性を高め)、記録紙、トナーの無駄な消費を防止することができる。
【0066】
この例においても、プリンタドライバ203aによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることが好ましい。また、プリンタドライバ203aによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作、及び/または、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことが好ましい。
【0067】
次に、図4及び図5を参照しながら、本発明の画像形成装置または画像形成システムによる画像形成方法の一例を説明する。図4は、本発明の画像形成装置または画像形成システムによる画像形成方法の一例を説明するためのフロー図で、図5は、図4の画像形成方法における非純正品検出時の設定画面表示処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0068】
本例では、図2の画像形成装置100の構成に基づき、センサ回路107がトナーカートリッジ108の装着を検出した際に、ID情報読み出し命令を発生させる場合について説明する。但し、画像形成装置100の電源がONされた場合や、周囲に設けられたメンテナンス時に開けるためのカバーが開閉されるなどにより画像形成装置100がリセットされた際に、ID情報読み出し命令を発生させてもよい。
【0069】
まず、制御部101は、トナーカートリッジ108の装着に伴い、センサ回路107からのID情報読み出し命令が発生したか否かを判定し(ステップS11)、ID情報読み出し命令が発生したと判定した場合(YESの場合)、読取部106に対して、トナーカートリッジ108のID情報の読み出しを指示し、読み出しを実行させる(ステップS12)。なお、読み出す情報はID情報でなくても、画像形成装置100のメーカー名であってもよく、また、同時にトナーの使用量等の情報を読み出す指示を出してもよい。次に、制御部101(非純正品判定部101a)は、読取部106により読み出したID情報と、記憶部105に記憶されているID情報(登録済みID情報)とを比較する(ステップS13)。そして、制御部101は、両者が一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0070】
両者が一致する場合(ステップS14でYESの場合)、トナーカートリッジ108が純正品であると判断されたことを意味する。その場合、制御部101は、ユーザによる所定の操作(コピー操作または印刷操作)に従って、画像形成条件の禁止がない通常の画像形成条件の設定画面(GUI画像)を操作パネル102に表示し(ステップS16)、ステップS17に移行する。
【0071】
そして、制御部101は、このような通常の設定画面において、「OK」ボタンが押下されたか否かを判定し(ステップS17)、「OK」ボタンが押下されたと判定した場合(YESの場合)、ユーザによる所定の操作(例えば、コピー開始ボタンまたは印刷開始ボタンの押下など)に従って、ステップS16で表示された設定画面から入力された画像形成条件に基づき、画像形成部103に画像形成を指示する(ステップS18)。この場合、通常の設定画面であるため、縮小印刷を行うような画像形成条件にも設定可能となっている。
【0072】
ステップS16,S17では、「OK」ボタンの押下を、画像形成条件の設定操作を受け付け可能なGUI画像を設定画面として表示した状態で待ちながら、操作に応じたGUI画像に遷移させていく。また、設定画面においては、「キャンセル」ボタンが押下可能に表示されている。なお、操作パネル102の近隣に同様のハードウェアキーを設けておいてもよい。「キャンセル」ボタンが押下された場合には、初期画面または一つ前の画面に戻るとよい。
【0073】
一方で、ステップS14において、一致しない、あるいは、読取部106で読取不能であった場合(NOの場合)、トナーカートリッジ108は非純正品と判断され、制御部101は、画像形成装置100の設定画面について、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷の設定操作を禁止にし(ステップS15)、その禁止にした状態の設定画面を表示させる(ステップS16)。
【0074】
ステップS16の後、制御部101は、縮小印刷を禁止した設定画面において、「OK」ボタンが押下されたか否かを判定し(ステップS17)、「OK」ボタンが押下されたと判定した場合(YESの場合)、ユーザによる所定の操作(例えば、コピー開始ボタンまたは印刷開始ボタンの押下など)に従って、ステップS16で表示された設定画面から入力された画像形成条件に基づき、画像形成部103が画像形成を行う(ステップS18)。
【0075】
縮小印刷を禁止した設定画面においても、ステップS16,S17では、画像形成条件の設定操作を受け付け可能な設定画面を表示した状態で待ちながら、操作に応じたGUI画像に遷移させていく。
【0076】
図5を参照しながら、縮小印刷を禁止した設定画面の表示方法の一例を説明する。非純正品が検出されている場合には、図4のステップS16において、設定画面上でユーザから変倍処理が指示されたか否かを判定し(ステップS21)、NOの場合にはここでの処理を終了してステップS17へ進む。ステップS21でYESの場合には、変倍処理を行うための設定画面に移行させる(ステップS22)。ステップS22の変倍処理用の設定画面では、固定の変倍率が選択可能に表示されているが、そのうち、所定の縮小率より縮めるような変倍率については消去またはグレイアウト表示しておく。
【0077】
また、最初の設定画面上で、もしくは変倍処理用の設定画面上で、ズームボタンが操作されたか否かを判定し(ステップS23)、NOの場合にはここでの処理を終了してステップS17へ進む。ステップS23でYESの場合には、所定の縮小率までの縮小を許可した画面を表示させてから(ステップS24)、ここでの処理を終了してステップS17へ進む。ステップS24では、上記所定の縮小率までの変更を認め、それ以降もズームボタンを縮小方向に操作していた場合にはその所定の縮小率の表示のまま固定しておく。なお、後述するが、固定した段階もしくはステップS22で変倍処理用の設定画面を表示した段階で、非純正品が搭載されているため、所定の縮小率より縮めることができない旨を報知すればよい。
【0078】
縮小印刷を禁止した設定画面においても、同様に「キャンセル」ボタンが押下可能に表示されている。縮小印刷を禁止した設定画面においても、「キャンセル」ボタンが押下された場合には、初期画面または一つ前の画面に戻ればよい。縮小印刷を禁止した設定画面においてこの「キャンセル」ボタンは、画像形成条件の設定画面上に所望の画像形成条件が表示されていないため、印刷自体をキャンセルしたい場合にも押下される。この場合、ユーザは、禁止の理由の報知により、トナーカートリッジ108が非純正品であるために縮小処理ができないことを認識しているため、印刷前に非純正品のトナーカートリッジ108を純正品に再度交換するなどの処置を行うことが考えられる。そして、純正品のトナーカートリッジに交換された場合、図4のフローが再度実行され、所望の画像形成条件で画像形成を行うことが可能となる。
【0079】
再び、図4を参照しながら、情報処理装置200からの印刷処理を行う場合について説明する。情報処理装置200からの印刷処理を行うに際しては、ステップS14〜S16においてプリンタドライバ203aによる設定画面(GUI画像)を表示させることになる。
【0080】
まず、ステップS14では、非純正品判定部101aでの判定結果を純正部品判定情報として画像形成装置100から情報処理装置200に送信するようにしておく。そして、この純正部品判定情報は情報処理装置200の記憶部203に記憶され、プリンタドライバ203aの起動時などに参照すればよい。これにより、情報処理装置200側でもトナーカートリッジ108が非純正品であるか否かを判定することができる。また、上述したように、純正部品判定情報として画像形成装置100の記憶部105に記憶しておいてもよい。この場合、情報処理装置200でプリンタドライバ203aが起動されたときに、情報処理装置200が画像形成装置100に対して純正部品判定情報の送信を要求し、画像形成装置100から純正部品判定情報を取得するなどすればよい。そして、画像形成装置100から取得した純正部品判定情報に基づいて、情報処理装置200側でもトナーカートリッジ108が非純正品であるか否かを判定することができる。
【0081】
ステップS14でYESの場合、つまりトナーカートリッジ108が純正品であると判定された場合、プリンタドライバ203aは、ステップS16において通常の設定画面を表示させる。ステップS14でNOの場合、つまりトナーカートリッジ108が非純正品であると判定された場合、プリンタドライバ203aは、ステップS15において画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷の設定操作を禁止にし、ステップS16においてその禁止にした状態の設定画面を表示させる。
【0082】
プリンタドライバ203aは、通常の設定画面または縮小印刷を禁止した設定画面において、「OK」ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS17)。プリンタドライバ203aは、「OK」ボタンが押下されたと判定した場合(YESの場合)、ユーザによる所定の操作(例えば印刷開始ボタンの押下など)に従って、ステップS16で表示された設定画面から入力された画像形成条件に基づき、ネットワークNを介して画像形成部103に画像形成を指示する(ステップS18)。画像形成装置100が単独で印刷処理する場合と同様に、ステップS16,S17では、「OK」ボタンの押下を、画像形成条件の設定操作を受け付け可能なGUI画像を表示した状態で待ちながら、操作に応じたGUI画像に遷移させていく。無論、情報処理装置200側からの設定操作でも図5の処理が適用できる。また、設定画面においては、「キャンセル」ボタンが押下可能に表示されている。プリンタドライバ203aで表示する設定画面において、「キャンセル」ボタンが押下された場合には、初期画面または一つ前の画面に戻るか、プリンタドライバ203aの設定画面自体を閉じるとよい。
【0083】
画像形成条件の設定操作を、画像形成装置100、情報処理装置200のいずれで行う場合においても、ステップS15で禁止がなされた場合には、ステップS16において縮小印刷を禁止した設定画面を表示させる際に、その設定画面上に、縮小印刷を禁止する理由がユーザに分かるように、トナーカートリッジ108が非純正品であるために縮小処理が制限される旨をメッセージ等で表示して報知することが望ましい。所定の縮小率より縮めることを禁止する場合には、トナーカートリッジ108が非純正品であるために縮小率が制限される旨をメッセージ等で表示して報知することが望ましい。
【0084】
また、ステップS11において、ID情報読み出し命令が発生していないと判定した場合(NOの場合)には、ステップS16へ進み、制御部101またはプリンタドライバ203aが、以前の設定に従い、禁止した設定画面または禁止していない設定画面を表示する。
【0085】
また、図2では、画像形成装置100は、画像形成装置100が設置されている環境下の温度及び/または湿度を検出する検出部109を備えた例を挙げている。この検出部109は次のような処理のために用いられる。
【0086】
すなわち、トナーカートリッジ108が非純正品であると判定され、且つ、検出部109により検出された温度及び/または湿度が所定範囲内にない場合、制御部101またはプリンタドライバ203aは、画像形成条件の設定操作を全て禁止し、画像形成処理を実行できないようにしてもよい。なお、プリンタドライバ203aは、純正部品判定情報の取得方法と同様にして温度及び/または湿度の判定結果を示す情報を得ることができる。トナーカートリッジ108が非純正品である場合、所定範囲を超える高温・高湿、あるいは、低温・低湿の環境下では良好な画像形成処理を行うことは難しい。従って、画像形成条件の設定操作を全て禁止することで、無駄な画像形成処理が実行されないようにする。この場合も、画像形成処理を実行できない理由をユーザに報知し、トナーカートリッジの純正品への交換を促すことが望ましい。
【0087】
次に、画像形成装置100のコピー処理における操作パネル102(表示部102b)の画面遷移例について説明する。図6は、画像形成装置100が備える操作パネル102の外観の一例を示す図である。操作パネル102は、前述したように、操作部102a及び表示部102bで構成され、表示部102bはタッチパネルになっている。コピーを行う場合、ユーザは、操作部102aの一部として設けられたハードウェアキーであるコピーモード選択ボタン141を押下すると、図7に示すような、コピーモード時の初期画面が表示部102bに表示される。なお、図7は、図6の操作パネルに表示させるコピーモード時の初期画面の一例を示す図である。無論、操作部102aは表示部102b上のタッチセンサも含む。この状態で、ハードウェアキーであるカラー印刷ボタン142、白黒印刷ボタン143が押下されると、原稿台もしくは自動原稿処理装置に搭載された原稿について、それぞれカラー印刷、白黒印刷が実行される。
【0088】
図7の初期画面では、「各種設定」ボタン150、「倍率設定」ボタン160、及び「特別機能」ボタン170などの各ボタンが選択可能に表示されており、また画面中央に装置の外形を示したレイアウトイメージが表示され、給紙カセット1〜4、手差しトレイにそれぞれセットされた記録紙のサイズが表示される。この図7の画面例では、デフォルトでA4用紙が収容された給紙カセット1が選択されている。なお、トナーカートリッジ108が非純正品である場合、例えば、A4の原稿に対してはB5サイズ以下の用紙サイズを入力できないように制限することもでき、そのような制限を行う場合には、B5用紙が収容された給紙カセットが存在したとしても選択不能にしておく。
【0089】
そして、ユーザが、図7の初期画面から例えば「各種設定」ボタン150をタッチすると、図8に示すように、原稿のサイズや種類に関する設定を行うためのボタン、用紙のサイズや種類に関する設定を行うためのボタン151、及び「特別機能」ボタン(ボタン170を押下したときと同じ画面に遷移するボタン)を表示したポップアップ画像が表示される。図8は、図7の初期画面から「各種設定」ボタンが選択されたときの設定画面の一例を示す図であり、トナーカートリッジ108が純正品の場合、非純正品の場合に限らず、表示される画面例である。
【0090】
図9を参照しながら、上記のボタン151が選択されたときの設定画面について説明する。図9は、図8の設定画面から用紙に関するボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に用紙サイズを選択させるための設定画面の一例を示す図である。
【0091】
図8の設定画面において、上記のボタン151がタッチされると、トナーカートリッジ108が純正品の場合には、用紙の給紙カセットを選択するための設定画面が表示される。この設定画面は、図9と異なり、B5用紙の給紙カセットが他の給紙カセットと同様に選択可能に表示されている。つまり、純正品の場合には、図9における給紙カセットの一覧152が用紙サイズとは無関係に、B5用紙の給紙カセット152aを含む各給紙カセットが同様の表示形態で表示される。
【0092】
一方、トナーカートリッジ108が非純正品である場合、事前に原稿のサイズを検知しておき、例えば図9で示すように、A4の原稿に対しては一覧152からB5用紙の給紙カセットをグレイアウト表示して、B5用紙の給紙カセットが存在したとしても選択不能にしておく。グレイアウト表示について、図9では、点線でB5用紙の給紙カセット152aを例示しているように、他の給紙カセットの表示と異なればよい。また、図示しないが、B5用紙の給紙カセットをグレイアウト表示等の代わりに消去してもよいし、また同時に、上述したようにトナーカートリッジ108が非純正品であることから縮小印刷できない旨のメッセージを、表示により報知しておけばよい。
【0093】
また、ユーザが、図7の初期画面から例えば「倍率設定」ボタン160をタッチすると、図10に示すように、変倍の倍率を原稿と用紙のサイズに応じて自動選択するためのボタン154a及び変倍の倍率を設定するためのボタン154bを表示したポップアップ画像が表示される。図10は、図7の初期画面から「倍率設定」ボタンが選択されたときの設定画面の一例を示す図であり、トナーカートリッジ108が純正品の場合、非純正品の場合に限らず、表示される画面例である。
【0094】
図11及び図12を参照しながら、上記のボタン154bが選択されたときの設定画面について説明する。図11及び図12は、図10の設定画面から変倍率を設定するためのボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、図11はトナーカートリッジが純正品の場合に変倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図で、図12はトナーカートリッジが非純正品の場合に倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【0095】
図10の設定画面において、上記のボタン154bがタッチされると、トナーカートリッジ108が純正品の場合には、図11に示すように、変倍率を規定の値で縮小する際に選択するためのボタン群163と、変倍率を規定の値で拡大する際に選択するためのボタン群164と、表示された変倍率から縮小方向にズームするための縮小ズームボタン161と、表示された変倍率から拡大方向にズームするための拡大ズームボタン162とを表示した設定画面が表示される。また、図11の設定画面及び後述の図12の設定画面では、倍率設定を完了させるための「OK」ボタン165と共に、「倍率自動選択」ボタン166及び「たてよこ独立変倍」ボタン167も選択可能に表示されている。
【0096】
一方、トナーカートリッジ108が非純正品の場合には、図10の設定画面において、上記のボタン154bがタッチされると、図12に示すように、図11に表示したボタン群163のうち、一辺の比率が70%を選択するためのボタン163aが他のボタンと異なる表示形態で表示され、選択不可になっている。無論、ボタン163aを消去しておいてもよい。なお、この例では例えば一辺の比率が80%未満の倍率への変倍を禁止する例を挙げているため、ボタン163aのみが異なる表示形態となっているが、例えば全ての縮小率での縮小を禁止する例では、図12で図示した81%、86%を選択するためのボタンもボタン群164とは異なる表示形態にし、かつ選択不可にすればよい。また、図12の設定画面では、トナーカートリッジ108が非純正品であることから縮小率が制限されている旨のメッセージ168を、表示により報知した例を挙げている。
【0097】
図13を参照しながら、トナーカートリッジが非純正品の場合に図12の設定画面から「たてよこ独立変倍」ボタン167が選択されたときの設定画面について説明する。図13は、図12の設定画面から「たてよこ独立変倍」ボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に縦横独立して倍率を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【0098】
図12の設定画面において、「たてよこ独立変倍」ボタン167がタッチされると、トナーカートリッジ108が非純正品の場合であるため、図13に示すような設定画面が表示される。図13の設定画面では、縦横変倍率を同じ規定の値で縮小する際に選択するためのボタン群163が選択不能に表示されると共に、縦横変倍率を同じ規定の値で拡大する際に選択するためのボタン群164と、表示された変倍率から縮小方向にズームするための縮小ズームボタン161と、表示された変倍率から拡大方向にズームするための拡大ズームボタン162とが選択可能に表示される。また、図13の設定画面では、倍率設定を完了させるための「OK」ボタン165と共に、「倍率自動選択」ボタン166が選択可能に表示され、現在行っている設定に対応する「たてよこ独立変倍」ボタン167がグレイアウト表示されている。なお、図9、図12、及び図13等において点線で示したボタン(例えばボタン群163)は、ボタン167で例示したように薄いグレイを用いてグレイアウト表示してもよい。
【0099】
そして、図13の設定画面では、縮小ズームボタン161及び拡大ズームボタン162と、X方向(横方向)選択ボタン及びX方向の変倍率(この例では今、一辺の比率が80%)と、Y方向(縦方向)選択ボタン及びY方向の変倍率(この例では今、一辺の比率が100%)とを含む倍率設定欄169も表示されている。ユーザは、X方向選択ボタンを選択し、グレイアウトさせた状態でズームボタン161または162をタッチして変倍率を変更させる。このとき、デフォルトの設定値を100%としておき、ユーザが縮小ズームボタン161をタッチする度に変倍率を小さくしていき、一辺の比率が80%となった段階でそれより小さくしないように80%に表示を固定すると共に、上記のメッセージ168を表示により報知する。この例では、80%未満の倍率への変倍を禁止する例を挙げているため、80%以下にズームしようとしても80%に固定されるが、所定の縮小率が他の値の場合にはそれに従った値で処理を行う。
【0100】
また、図11〜図13の設定画面では、読取原稿や記録紙の一辺の長さを基準とした変倍率で設定した例を挙げたが、読取原稿や記録紙の面積を基準とした変倍率で設定可能としてもよい。そして、図12や図13の設定画面では、非純正品が搭載されていることが前提となっているが、その場合の上記の所定の縮小率としては、例えば、原稿/記録紙の一辺の比率では86%程度、面積比率では75%程度を採用し、これより縮めることがないようにしておくことで、印刷画像が極めて悪い場合を除き、罫線やコンマ、ピリオドなども確認することができる。
【0101】
図14及び図15を参照しながら、図7、図8、図10のいずれかの設定画面において「特別機能」ボタン170が選択されたときの設定画面について説明する。図14は、図10の設定画面から「特別機能」ボタンが選択されたときに表示される設定画面の一例を示す図で、図15は、図14の設定画面において、「2in1/4in1」ボタンが選択されたときに表示される設定画面であって、トナーカートリッジが非純正品の場合に集約印刷を設定させるための設定画面の一例を示す図である。
【0102】
「特別機能」ボタン170(もしくはそれに対応する図8の「特別機能」ボタン。以下同様。)が選択された場合には、図14に示すように「2in1/4in1」ボタン171を含む各種の特別機能を選択するためのボタンと、特別機能の設定を完了させるための「OK」ボタン172とが選択可能に表示されている。「2in1/4in1」ボタン171が選択された場合、図15に示すような設定画面が表示される。図15の設定画面では、2in1か4in1を選択するための集約数選択領域173と、選択した集約印刷においてレイアウト(集約順序)を選択するためのレイアウト選択領域174と、境界線をどのように描画するか、または描画しないかを選択するための境界線選択領域175とが選択可能に表示されている。
【0103】
図15の設定画面では、所定の縮小率が面積比率で50%とした場合の例を挙げており、集約数選択領域173では、面積比率が50%に縮小される2in1は選択可能に表示されているものの、50%より縮める変倍率となる4in1は選択不能に表示されている。また、ここでも、上記のメッセージ168と同様のメッセージ178を表示させ例を挙げている。なお、縮小印刷自体を許可しない場合や例えば所定の縮小率が面積比率で75%とした場合などでは、図14において「2in1/4in1」ボタン171自体も他のボタンと異なる表示形態で表示するか消去しておき、選択不可にしておけばよい。また、図15の設定画面では、集約印刷の設定を完了させて図14の設定画面に戻るための「OK」ボタン176と共に、特別機能の設定を完了させて図7の設定画面に戻るための「OK」ボタン177が選択可能に表示されている。
【0104】
以上、図12〜図15を参照して説明したように、制御部101は、禁止対象となる特定機能の設定項目に対し、グレーアウト等によりマスクする処理を行うか、非表示にすることで、設定操作させないようにしてもよい。もしくは、制御部101は、特定機能自体を表示させないことで、縮小処理の設定操作を行わせないようにしてもよい。
【0105】
次に、画像形成装置100の印刷処理における情報処理装置200のプリンタドライバ203aの画面例について、図16〜図18を参照しながら説明する。図16〜図18は、プリンタドライバによって表示される画像形成条件の設定画面の例を示す図である。図16及び図18はトナーカートリッジ108が非純正品の場合の設定画面例、図17は純正品の場合の設定画面例を示している。なお、図16〜図18の設定画面203bは、画像形成装置100としてのプリンタAに対応したプリンタドライバ203aの設定画面とし、図示する「OK」ボタンを選択することで画像形成条件(つまり印刷条件)の設定を完了し、図示する「キャンセル」ボタンを選択することでこの設定を破棄して終了することが可能になっている。
【0106】
図16の設定画面203bでは、「N−Up印刷」プルダウンボタン206が表示されており、トナーカートリッジ108が純正品の場合にはこのボタン206を選択することで、「1−Up」(集約無し)から「16−Up」(16枚を記録紙1枚に集約)までの集約印刷の中から選択可能なプルダウンメニューが表示されるが、トナーカートリッジ108が非純正品の場合には、ここで図示したように「1−Up」しか選択できない(つまり、実質的に集約印刷ができない)ようになっている。さらに、図16の設定画面203bでは、トナーカートリッジ108が非純正品であることから縮小印刷が制限されている旨のメッセージ207を表示することで、ユーザに報知している。
【0107】
なお、この例では、非純正品が搭載されている場合には、どのような変倍率の縮小であっても、つまりどのような縮小率であっても禁止する例を挙げているが、上記所定の縮小率として100%未満の値を採用する場合には、アプリケーションから指定された用紙サイズを基準として、上記所定の縮小率(例えば一辺の比率で75%や80%など)より縮める縮小印刷となるような集約数となるものだけを選択不可とすることもできる。さらに、非純正品が搭載されているときにどのような縮小率であっても縮小印刷を禁止するような処理を採用する場合には、特別機能の一つであるN−Up印刷の設定欄自体を表示しないか、グレイアウト表示などにより他の領域と表示形態を変えてもよい。
【0108】
図17の設定画面203bでは、変倍設定領域208において、「用紙サイズ」のプルダウンボタン208aとズーム設定領域208bとが表示されている。ユーザは、このプルダウンボタン208aを選択することで、画像形成装置100にセットされた用紙の中から記録紙のサイズを選択することが可能になっている。また、ユーザは、「なし」、「フィットページ印刷」、「ズーム」のいずれかを選択するためのラジオボタンの中から「なし」を選択することで変倍なしで印刷を行うことができる。また、このラジオボタンの中から「フィットページ印刷」を選択し、プルダウンメニューの中から用紙サイズを選択することで、この選択された用紙(この例では「B5」)でのフィットページ印刷を行うことができる。図17の設定画面203bでは、非純正品がない例を挙げているため、「A4」から「B5」へのような縮小の場合でも選択可能になっている。また、ユーザは、このラジオボタンの中から「ズーム」を選択し、「設定」ボタンを選択することで、具体的な変倍率を設定するための別画面を開き、変倍率を任意に設定した状態で印刷を行うことができる。
【0109】
図18の設定画面203bでは、「用紙サイズ」のプルダウンボタン208aが選択され、プルダウンメニュー208cが表示された状態を示している。トナーカートリッジ108が非純正品の場合には、図示したように、このプルダウンメニュー208cに表示される選択項目に対して、縮小印刷を行えないような選択項目のみを表示している。この例では、例えば文書作成アプリケーションなどで作成したA4サイズの画像データに対して、記録紙として「A4」と「B4」のみが選択可能に表示されており、等倍か拡大しかできないようになっている。さらに、図18の設定画面203bでは、上記のメッセージ207を表示することで、ユーザに縮小印刷が禁止であることを報知している。
【0110】
なお、この例でも、非純正品が搭載されている場合にはどのような変倍率であっても縮小を禁止する例を挙げているが、上記所定の縮小率として100%未満の値を採用する場合には、アプリケーションから指定された用紙サイズを基準として、上記所定の縮小率(例えば75%や80%など)より縮める縮小印刷となるような記録紙のサイズを選択不可とすることもできる。
【0111】
以上、図16〜図18を参照して説明したように、プリンタドライバ203aは、禁止対象となる特定機能の設定項目に対し、グレーアウト等によりマスクする処理を行って、設定操作させないようにしてもよい。もしくは、プリンタドライバ203aは、N−Upなどの特定機能自体を表示させないことで、縮小処理の設定操作を行わせないようにしてもよい。
【0112】
以上のように、非純正品トナーが使用されていることを検出した場合に、画像形成装置100でのコピー時、情報処理装置200からの印刷時の双方において、縮小印刷または縮小する倍率を制限することができるので、非純正品トナーの印刷品位が悪い状態であっても縮小印刷による更なる品質の悪化を防止することができる。よって、本発明では、記録紙などの消耗品の無駄を抑制し、コピー/印刷などのやり直しを最低限に留めることができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0113】
また、本発明は、画像形成装置、画像形成システムにおける制御の流れを例示したように、上述のような画像形成装置による画像形成方法としての形態も採り得る。図2を参照しながら説明すると、この画像形成方法は、非純正品判定部101aが、画像形成部103の交換部品が非純正品か否かを判定する判定ステップと、制御部101が、または、ネットワークを介して画像形成装置100に接続された情報処理装置200にインストールされた画像形成装置100用のプリンタドライバ203aが、上記判定ステップで画像形成部103の交換部品が非純正品と判定された場合、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する禁止ステップと、画像形成部103が、上記設定された画像形成条件に基づいて、画像形成を行う画像形成ステップと、を有する。その他の応用例については、画像形成装置、画像形成システムについて説明した通りである。
【符号の説明】
【0114】
1…露光ユニット、2…現像器、3…感光体ドラム、4…クリーナユニット、5…帯電器、6…中間転写ベルトユニット、7…定着ユニット、10…転写ローラ、11a,11b…ピックアップローラ、12a,12b,12c,12d…搬送ローラ、13…レジストローラ、61…中間転写ベルト、62…中間転写ベルト駆動ローラ、63…中間転写ベルト従動ローラ、64…中間転写ローラ、65…中間転写ベルトクリーニングユニット、71…ヒートローラ、72…加圧ローラ、73…外部加熱ベルト、81…給紙カセット、82…手差し給紙カセット、90…画像読取手段、91…排紙トレイ、92…原稿載置台、93…光源ユニット、94…ミラーユニット、95…CCD、100…画像形成装置、101…制御部、101a…非純正品判定部、102…操作パネル、102a…操作部、102b,205…表示部、103…画像形成部、104,201…通信部、105,203…記憶部、106…読取部、107…センサ回路、108…トナーカートリッジ、108a…ICチップ、109…検出部、120…自動原稿処理装置、130…装置本体、200…情報処理装置、201…通信部、202…演算処理部、203…記憶部、203a…プリンタドライバ、203b…設定画面、204…入力部、205…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成部と、該画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部と、画像形成条件の設定操作を含むユーザ操作を受け付ける操作受付部と、該操作受付部から設定された画像形成条件に基づき前記画像形成部での画像形成を制御する制御部とを備えた画像形成装置であって、
前記非純正品判定部により前記画像形成部の交換部品が非純正品と判定された場合、前記制御部は、前記画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部で禁止する縮小印刷に関する設定操作は、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像を形成する画像形成部及び該画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部を有する画像形成装置と、該画像形成装置用のプリンタドライバがインストールされた情報処理装置とが、ネットワークを介して接続された画像形成システムであって、
前記プリンタドライバは、前記非純正品判定部での判定結果を示す情報を前記画像形成装置から前記ネットワーク経由で受信して、該情報に基づき前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定し、非純正品と判定された場合、画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止したユーザインターフェース画像を表示させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、印刷対象の画像を所定の縮小率より縮める設定操作であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、集約印刷を行う設定操作を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記プリンタドライバによって禁止する縮小印刷に関する設定操作は、用紙サイズに合わせるように縮小印刷を行う設定操作を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の画像形成システムを構成する情報処理装置にインストールされるプリンタドライバ。
【請求項10】
画像を形成する画像形成部と、設定された画像形成条件に基づき前記画像形成部での画像形成を制御する制御部と、前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する非純正品判定部とを備えた画像形成装置による画像形成方法であって、
前記非純正品判定部が、前記画像形成部の交換部品が非純正品か否かを判定する判定ステップと、
前記制御部が、または、ネットワークを介して前記画像形成装置に接続された情報処理装置にインストールされた前記画像形成装置用のプリンタドライバが、前記判定ステップで前記画像形成部の交換部品が非純正品と判定された場合、前記画像形成条件の設定操作のうち縮小印刷に関する設定操作を禁止する禁止ステップと、
前記画像形成部が、前記設定された画像形成条件に基づいて、画像形成を行う画像形成ステップと、
を有することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−76810(P2013−76810A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216113(P2011−216113)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【特許番号】特許第5075269号(P5075269)
【特許公報発行日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】